特許第6930715号(P6930715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6930715表示モジュール、表示パネル、表示装置および電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6930715
(24)【登録日】2021年8月16日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】表示モジュール、表示パネル、表示装置および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20210823BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20210823BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20210823BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20210823BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20210823BHJP
   G09F 9/35 20060101ALN20210823BHJP
【FI】
   G09F9/00 309A
   G02F1/1345
   G02F1/1333
   G02F1/1368
   G09F9/30 330
   G09F9/00 346D
   !G09F9/35
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-513876(P2020-513876)
(86)(22)【出願日】2017年9月8日
(65)【公表番号】特表2020-533631(P2020-533631A)
(43)【公表日】2020年11月19日
(86)【国際出願番号】CN2017101013
(87)【国際公開番号】WO2019047151
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2020年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、シャンシャン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジアンフイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ、タイシャン
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−169791(JP,A)
【文献】 特開2010−032954(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106991918(CN,A)
【文献】 特開2014−067027(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104391389(CN,A)
【文献】 実開平06−054041(JP,U)
【文献】 特開2011−013655(JP,A)
【文献】 特開平04−051220(JP,A)
【文献】 特開2015−084017(JP,A)
【文献】 特開2016−157397(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0018707(US,A1)
【文献】 中国実用新案第206301110(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
G02F 1/1333
G02F 1/1345
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、第2の基板と、ゴムフレームと、静電気放電機構とを備え、
前記第1の基板および前記第2の基板は、前記ゴムフレームを通じて接続されて少なくとも1つの保護面を形成し、前記保護面は、前記第1の基板、前記第2の基板および前記ゴムフレームの、同じ側に位置する外側面の接合を通じて形成された面であり、
前記静電気放電機構は、接地電極と、前記接地電極に接続された導電層とを有し、前記接地電極は、前記第1の基板上および/または前記第2の基板上に配置され、前記導電層は、前記少なくとも1つの保護面上に配置されている、
表示モジュールであって、
ゲート駆動回路および保護層が、前記第1の基板の、前記第2の基板の方を向いた面に配置され、前記保護層は、前記ゲート駆動回路の、前記第2の基板の方を向いた面上に位置し且つ前記ゲート駆動回路の一部分を覆っているか、または、前記保護層は、前記ゲート駆動回路のいずれの部分も覆っておらず、
前記ゴムフレームは、前記保護層の前記第2の基板の方を向いた面を覆っていない、表示モジュール
【請求項2】
前記保護面上の前記導電層の面積は、前記保護面上の前記ゲート駆動回路の投影の面積と等しい、請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記導電層は、前記ゲート駆動回路の分布領域延在方向と平行な少なくとも1つの保護面上に配置されている、請求項1または2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記導電層は、前記ゲート駆動回路の前記分布領域延在方向と垂直な少なくとも1つの保護面上に配置されている、請求項3に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記導電層は、前記保護面上の前記ゲート駆動回路の投影の少なくとも一部分を覆っている、請求項から4のいずれか一項に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記導電層はさらに、前記第1の基板の、前記第2の基板とは反対の方向を向いた上に配置され、および/または、前記導電層はさらに、前記第2の基板の、前記第1の基板とは反対の方向を向いた上に配置されている、請求項から5のいずれか一項に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記導電層は、前記第1の基板上または前記第2の基板上の前記ゲート駆動回路の投影の少なくとも一部分を覆っている、請求項6に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記接地電極は、前記第1の基板上に配置された第1の接地電極と、前記第2の基板上に配置された第2の接地電極とを含み、前記第1の接地電極は、前記第2の接地電極に接続され、前記導電層は、前記第1の接地電極に接続されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示モジュール。
【請求項9】
前記導電層は薄膜構造である、請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項10】
前記導電層は導電性テープである、請求項9に記載の表示モジュール。
【請求項11】
バックライトモジュールと、請求項1から10のいずれか一項に記載の表示モジュールとを備える表示パネル。
【請求項12】
前記バックライトモジュールは、前記第1の基板の、前記第2の基板とは反対の方向を向いた上に配置された偏光子を有し、前記偏光子は、前記表示モジュールの前記導電層に接続されている、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記導電層が、前記第1の基板の、前記第2の基板とは反対の方向を向いた前記上に配置されている場合、前記偏光子の一部分と、前記第1の基板の、前記第2の基板とは反対の方向を向いた前記上に配置された前記導電層の少なくとも一部分との間に重複領域が存在する、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載の表示パネルを備える表示装置。
【請求項15】
請求項14に記載の表示装置を備える電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野、特に、表示モジュール、表示パネル、表示装置および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子製品の消費者市場では、携帯電話、テレビおよびコンピュータディスプレイなどの電子製品は、比較的高いスクリーン対本体比を実現して視知覚を改善するために、表示装置に狭いベゼル設計を徐々に用いるようになってきている。表示装置における表示モジュールの場合、表示モジュールが表示装置の狭いベゼルの要件を満たすようにするために現在一般的に用いられている解決手段が、ゲートオンアレイ(Gate on Array、GOA)技術である。GOA技術では、ゲート駆動回路がアレイ基板に統合され得るので、必要とされるベゼル空間が従来の配線モードと比べて低減されて表示モジュールの縁部領域の幅が低減されることにより、表示装置のベゼルが狭くなる。
【0003】
GOA回路は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)デバイスおよびコンデンサなど、静電気の影響を受けやすいデバイスを含み、アレイ基板の縁部に位置し、静電気によって損傷を受ける比較的高いリスクにさらされる。従って、GOA回路には、静電気保護に対して比較的高い要件が課されている。現在、GOA回路のための一般的に用いられている静電気保護方法が、GOA回路を保護層で覆うことである。図1は、一般的な表示モジュールの局所構造の概略図である。表示モジュールは、アレイ基板01と、カラーフィルム基板02と、ゴムフレーム03とを含む。アレイ基板01は、ゴムフレーム03を通じてカラーフィルム基板02に接続されている。GOA回路011と、GOA回路を覆う保護層012とが、アレイ基板01上に配置されている。表示モジュール上で静電気放電が生じた場合、保護層012は、静電気を遮断するという具体的な機能があることにより、静電気がGOA回路011に直接当たる確率を低減することによりGOA回路011に対する静電気保護を実装する。静電気放電は概して、静電気の蓄積から生じる。しかしながら、既存の表示モジュールは、静電気放電が生じた場合に静電気がGOA回路に当たることのみを遮断でき、静電気の蓄積を低減できない。表示モジュールに静電気がある程度蓄積した場合、静電気放電が生じやすい。静電気放電が生じやすい環境に表示モジュールが位置する場合、表示モジュールは依然として、比較的高い安全上のリスクにさらされる。その結果、表示モジュールの信頼性が低減する。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、本願は、静電荷の蓄積に起因して静電気放電が生じる確率を低減し、表示モジュールの信頼性を改善すべく、表示モジュールを提供する。
【0005】
表示モジュールは、第1の基板と、第2の基板と、ゴムフレームと、静電気放電機構とを備え、
第1の基板および第2の基板は、ゴムフレームを通じて接続されて少なくとも1つの保護面を形成し、保護面は、第1の基板、第2の基板およびゴムフレームの、同じ側に位置する外側面の接合を通じて形成された面であり、
静電気放電機構は、接地電極と、接地電極に接続された導電層とを有し、接地電極は、第1の基板上および/または第2の基板上に配置され、導電層は、少なくとも1つの保護面上に配置されている。
【0006】
本願の第1の態様において提供される表示モジュールにおいて、ゲート駆動回路は、第1の基板上に配置され、第1の基板、第2の基板およびゴムフレームは、少なくとも1つの保護面を形成し、各保護面は、第1の基板、第2の基板およびゴムフレームの、同じ側に位置する外側面の接合を通じて形成され、静電気放電機構は、接地電極および導電層を有し、導電層は、少なくとも1つの保護面上に配置されている。従って、導電層が配置された保護面上で静電荷が生成された場合、静電気が導電層に伝導され得ると共に、導電層を通じて接地電極に伝導され得ることにより、保護面上の静電気の蓄積が低減する。これにより、静電荷の蓄積に起因して静電気放電が生じる確率が低減し、保護面の側の静電気によってゲート駆動回路が損傷を受けるリスクが下がる。従って、本願の第1の態様において提供される表示モジュールは、静電気の蓄積によってもたらされる安全上のリスクを低減し、表示モジュールの信頼性を改善し得る。
【0007】
任意選択的な実装態様において、ゲート駆動回路および保護層が、第1の基板の、第2の基板の方を向いた側面上に配置され、保護層は、ゲート駆動回路の、第2の基板の方を向いた側面上に位置し、保護層は、ゲート駆動回路の一部分を覆っているか、または、保護層は、ゲート駆動回路のいずれの部分も覆っていない。
【0008】
前述の表示モジュールでは、静電気保護のために用いられる保護層でゲート駆動回路を十分に覆う必要はない。ゴムフレームと保護層との間の接触面積が、ゴムフレームと第1の基板との間の接続位置および接触面積を変えることなく低減され得る。これにより、ゴムフレームと第1の基板との間の接合強度が上がる。この場合、ゴムフレームは、第1の基板から容易に分離せず、表示モジュールの使用強度が改善される。
【0009】
任意選択的な実装態様において、導電層は、ゲート駆動回路の分布領域延在方向と平行な少なくとも1つの保護面上に配置されている。
【0010】
前述の表示モジュールでは、ゲート駆動回路が全体として第1の基板の2つの側面に沿って分布しているので、ゲート駆動回路の分布領域延在方向と平行な保護面上の静電気によってゲート駆動回路が損傷を受ける確率が比較的高い。ゲート駆動回路の分布領域延在方向と平行な少なくとも1つの保護面上に導電層を構成することにより、さらに、静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0011】
任意選択的な実装態様において、導電層は、ゲート駆動回路の分布領域延在方向と垂直な少なくとも1つの保護面上に配置されている。
【0012】
前述の表示モジュールでは、ゲート駆動回路の分布領域延在方向の少なくとも一端の静電気がゲート駆動回路に当たる可能性がある。ゲート駆動回路の分布領域延在方向と垂直な少なくとも1つの保護面上に導電層を構成することにより、さらに、静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0013】
任意選択的な実装態様において、導電層は、保護面上のゲート駆動回路の突出部の少なくとも一部分を覆っている。
【0014】
前述の表示モジュールにおいて、導電層は、保護面上のゲート駆動回路の突出部の少なくとも一部分を覆っている。保護面上のゲート駆動回路の突出部により覆われた領域に静電気放電が生じた場合、静電気の一部または全部が導電層に伝導され得ると共に、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、静電気の一部または全部が放出される。これにより、さらに、静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0015】
任意選択的な実装態様において、導電層は、保護面を覆っている。
【0016】
前述の表示モジュールにおいて。導電層は、保護面を覆っている。保護面上に蓄積した静電荷と、静電気放電との両方が、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0017】
任意選択的な実装態様において、導電層はさらに、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置され、および/または、導電層はさらに、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置されている。
【0018】
前述の表示モジュールにおいて、導電層が、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置されている場合、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に蓄積した静電荷と、当該側面上に生じた静電気放電とが、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、第1の基板の側面上の静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。導電層が、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置されている場合、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上に蓄積した静電荷と、当該側面上に生じた静電気放電とが、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、第2の基板の側面上の静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0019】
任意選択的な実装態様において、導電層は、第1の基板上または第2の基板上のゲート駆動回路の突出部の少なくとも一部分を覆っている。
【0020】
前述の表示モジュールにおいて、導電層は、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部の少なくとも一部分を覆っている。第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上で、ゲート駆動回路の突出部が位置する領域に蓄積した静電荷と、当該領域に生じた静電気放電との両方が、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、第1の基板の側面上の静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0021】
導電層は、第2の基板とは反対の方向を向いた第1の基板上の側面上に配置され、導電層は、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部の少なくとも一部分を覆っている。第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上で、ゲート駆動回路の突出部が位置する領域に蓄積した静電荷と、当該領域に生じた静電気放電との両方が、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、第1の基板の側面上の静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0022】
任意選択的な実装態様において、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された導電層の面積は、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部の面積よりも大きいかまたはそれと等しく、導電層は、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部を十分に覆っている。
【0023】
前述の表示モジュールにおいて、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された導電層は、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部を十分に覆っている。第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上の導電層により覆われた領域に蓄積した静電荷と、当該領域に生じた静電気放電との両方が、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、第1の基板の側面上の静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0024】
任意選択的な実装態様において、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された導電層の面積は、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部の面積よりも大きいかまたはそれと等しく、導電層は、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部を十分に覆っている。
【0025】
前述の表示モジュールにおいて、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された導電層は、第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上のゲート駆動回路の突出部を十分に覆っている。第2の基板の、第1の基板とは反対の方向を向いた側面上の導電層により覆われた領域に蓄積した静電荷と、当該領域に生じた静電気放電との両方が、導電層を通じて接地電極に伝導され得る。これにより、さらに、第2の基板の側面上の静電気がゲート駆動回路に当たる確率を低減し、表示モジュールの帯電防止能力を改善し得る。
【0026】
任意選択的な実装態様において、接地電極は、第1の基板上に配置された第1の接地電極と、第2の基板上に配置された第2の接地電極とを含み、第1の接地電極は、第2の接地電極に接続され、導電層は、第1の接地電極に接続されている。
【0027】
前述の表示モジュールにおいて、第1の接地電極は、第1の基板上に配置され、第2の接地電極は、第2の基板上に配置され、第1の接地電極は、第2の接地電極に接続され、第1の接地電極は、導電層に接続されている。この場合、導電層上の静電気および第2の基板上の静電気の両方が第1の接地電極を通じて放出され得ることにより、表示モジュールの帯電防止能力がさらに改善される。
【0028】
任意選択的な実装態様において、導電層は、薄膜構造である。
【0029】
前述の表示モジュールにおいて、導電層は、薄膜構造である。これにより、表示モジュールの外側面上の導電層の空間占有を低減して、表示ベゼルの幅を低減できる。
【0030】
任意選択的な実装態様において、導電層は、導電性テープである。
【0031】
前述の表示モジュールにおいて、導電性テープを第1の基板および/または第2の基板および/またはゴムフレームに取り付けることにより、必要とされる構造の導電層が形成され得る。
【0032】
任意選択的な実装態様において、導電層は、導電性コーティングである。
【0033】
前述の表示モジュールにおいて、導電性コーティングを第1の基板および/または第2の基板および/またはゴムフレームにコーティングすることにより、必要とされる構造の導電性コーティングが形成され得る。
【0034】
任意選択的な実装態様において、ゴムフレームと第1の基板との間の接続領域が覆うのは、多くても保護層の一部分である。
【0035】
前述の表示モジュールにおいて、ゴムフレームと第1の基板との間の接続領域が覆うのは、多くても保護層の一部分である。ゴムフレームと保護層との間の接触面積がさらに低減得ることにより、ゴムフレームと第1の基板との間の接合強度が上がる。この場合、ゴムフレームは、第1の基板から容易に分離せず、表示モジュールの信頼性が改善され得る。
【0036】
第2の態様によれば、本願は、バックライトモジュールと、前述の第1の態様において提供される表示モジュールとを含む表示パネルをさらに提供する。
【0037】
本願の第2の態様において提供される表示パネルにおいて、表示モジュールにおける静電気放電機構を用いることにより、ゲート駆動回路に対する静電気保護が実装される。これにより、静電気の蓄積によってもたらされる安全上のリスクを低減し、表示パネルの信頼性を改善し得る。
【0038】
任意選択的な実装態様において、バックライトモジュールは、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された偏光子を有し、偏光子は、表示モジュールの導電層に接続されている。
【0039】
前述の表示パネルにおいて、偏光子は、導電層に接続されている。表示パネルを製造および使用するプロセスにおいて、偏光子上の静電気が、導電層に伝導され得ると共に、導電層を通じて接地電極に伝導され得ることにより、偏光子上の静電気が放出される。これにより、偏光子上で生成される静電気に起因してゲート駆動回路が損傷を受ける確率が低減し、表示パネルの静電気保護能力が改善される。
【0040】
任意選択的な実装態様において、第2の態様の第2の可能な実装において、導電層が、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置されている場合、偏光子の一部分と、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された導電層の少なくとも一部分との間に重複領域が存在する。
【0041】
前述の表示パネルにおいて、導電層が、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置されている場合、偏光子の一部分と、第1の基板の、第2の基板とは反対の方向を向いた側面上に配置された導電層の少なくとも一部分との間に重複領域が存在する。これにより、表示パネルのゲート駆動回路が位置する側面に光漏れ現象が生じる確率を低減し得る。偏光子上の静電気が、偏光子と導電層との間の重複領域を通じて導電層に伝導され得る。
【0042】
第3の態様によれば、本願は、前述の第2の態様において提供される表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0043】
本願の第3の態様において提供される表示装置において、表示装置の表示モジュールにおける静電気放電機構を用いることにより、ゲート駆動回路に対する静電気保護が実装される。従って、表示モジュールでは、静電気保護のために用いられる保護層でゲート駆動回路を十分に覆う必要がない。ゴムフレームと保護層との間の接触面積が、ゴムフレームと第1の基板との間の接続位置および接触面積を変えることなく低減され得る。これにより、ゴムフレームと第1の基板との間の接合強度が上がる。この場合、ゴムフレームは、第1の基板から容易に分離せず、表示パネルの信頼性が改善され得ることにより、電子デバイスの使用上の信頼性が改善される。
【0044】
第4の態様によれば、本願は、前述の第3の態様において提供される表示装置を含む電子デバイスを提供する。
【0045】
本願の第4の態様において提供される電子デバイスにおいて、電子デバイスの表示モジュールにおける静電気放電機構を用いることにより、ゲート駆動回路に対する静電気保護が実装される。従って、表示モジュールでは、静電気保護のために用いられる保護層でゲート駆動回路を十分に覆う必要がない。ゴムフレームと保護層との間の接触面積が、ゴムフレームと第1の基板との間の接続位置および接触面積を変えることなく低減され得る。これにより、ゴムフレームと第1の基板との間の接合強度が上がる。この場合、ゴムフレームは、第1の基板から容易に分離せず、表示パネルの信頼性が改善され得ることにより、電子デバイスの使用上の信頼性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】従来技術における表示モジュールの概略断面構造図である。
【0047】
図2】本願の実施形態による表示領域における表示モジュールの概略部分断面図である。
【0048】
図3a図2に示される表示モジュールの概略構造図である。
【0049】
図3b図2に示される表示モジュールの概略構造図である。
【0050】
図4a】本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。
【0051】
図4b】本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。
【0052】
図5】本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。
【0053】
図6】本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。
【0054】
図7】本願の実施形態による表示パネルの概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本願の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下では、添付図面を参照して、本願をさらに詳細に説明する。
【0056】
本願は、表示モジュールにおけるゴムフレームおよび保護層がそれらの間の接続位置で互いに分離しやすいので表示パネル製品の信頼性が下がる、という従来技術における課題を解決するために、表示モジュール、表示パネルおよび電子デバイスを提供する。
【0057】
以下では、本願におけるいくつかの用語を、当業者によるより良い理解を助けるべく説明する。
【0058】
「複数の」は、2つまたは2つよりも多くを指す。加えて、本願の説明において、「第1の」および「第2の」などの用語は、区別用および説明用としてのみ意図されており、相対的な重要度の指示もしくは示唆または順序の指示もしくは示唆として理解されるものではないことが理解されるべきである。
【0059】
図2は、本願の実施形態による表示領域における表示モジュールの概略部分断面図である。図3aおよび図3bは、図2に示される表示モジュールの概略構造図である。図2に示されるように、表示モジュールは、第1の基板10と、第2の基板20と、ゴムフレーム30とを含む。図3aに示されるように、表示モジュールは、静電気放電機構40をさらに含む。
【0060】
さらに図2を参照すると、第1の基板10および第2の基板20は、ゴムフレーム30を通じて位置合わせ方式で接続されている。図3bに示されるように、第1の基板10、第2の基板20およびゴムフレーム30は、3つの保護面101、102および103を形成する。3つの保護面101、102および103は、第1の基板10、第2の基板20およびゴムフレーム30の、同じ側に位置する外側面の接合を通じて形成された面である。保護面101を例として用いると、図2に示されるように、保護面101は、第1の基板10の外側面13と、第2の基板20の外側面21と、ゴムフレーム30の外側面31との接合を通じて形成されている。本実施形態において、第1の基板10の長さが第2の基板20の長さよりも大きく、第2の基板20を越えた第1の基板10の階段形状部分が保護面を形成できないことに留意すべきである。別の実装において、第1の基板10の長さが第2の基板10の長さと等しい場合、第1の基板10、第2の基板20およびゴムフレーム30は、接合を通じて4つの保護面を形成し得る。
【0061】
具体的な実装において、第1の基板10はアレイ基板であり得て、第2の基板20はカラーフィルム基板であり得ることに留意すべきである。表示モジュールは、第1の基板10上に配置されたTFT層および位置合わせ層などの階層構造と、第2の基板20上に配置されたブラックマトリクス層およびカラーフィルム層などの階層構造と、第1の基板10と第2の基板20との間に配置された液晶層およびスペーサなどの構造とをさらに含む。
【0062】
図2に示されるように、ゲート駆動回路11が、第2の基板20の方を向いて第1の基板10の側面上に配置されている。図3bに示されるように、ゲート駆動回路11は、保護面101および102と平行な第1の基板10の2つの側面の各々に配置されている。ゲート駆動回路11の分布領域が、全体としてストリップ形状であり、第1の基板10の周辺回路領域の2つの側面上に位置し、第1の基板10の2つの側面と平行であることに留意すべきである。図3bに示されるように、2つのゲート駆動回路11の分布領域の長さ方向が、ゲート駆動回路11の分布領域延在方向である。図2は、表示領域における表示モジュールの概略断面図であり、ゲート駆動回路11の一部のみが示されている。
【0063】
さらに図3aを参照すると、静電気放電機構40は、接地電極41と、接地電極41に接続された導電層42を含み、接地電極41は、第1の基板10上に配置されている。図2を参照すると、導電層42は、第1の導電層421および第2の導電層422を含み、第1の導電層421および第2の導電層422は、集積構造である。図3aおよび図3bを参照すると、第1の導電層421は、ゲート駆動回路の分布領域延在方向と平行な2つの保護面101および102上、かつ、ゲート駆動回路の分布領域延在方向と垂直な保護面103上に配置され得る。図3aは、保護面101上の導電層のみを示す。保護面101に対応する導電層42を例として用いた図2を参照すると、第1の導電層421の面積が、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部の面積よりも大きく、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部は、第1の導電層421により十分に覆われている。同様に、保護面102上で、第1の導電層421の面積が、保護面102上のゲート駆動回路11の突出部の面積よりも大きく、保護面102上のゲート駆動回路11の突出部は、第1の導電層421により十分に覆われている。保護面103上で、第1の導電層421の面積が、保護面102上のゲート駆動回路11の突出部の面積よりも大きく、保護面102上のゲート駆動回路11の突出部は、第1の導電層421により十分に覆われている。
【0064】
さらに、保護面101に対応する導電層42を例として用いた図2を参照すると、第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上に配置され、第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上のゲート駆動回路11の突出部の一部分を覆っている。同様に、保護面102に対応する第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10上の側面上に配置され、第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上のゲート駆動回路11の突出部の一部分を覆っている。保護面103に対応する第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10上の側面上に配置され、第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上のゲート駆動回路11の突出部の一部分を覆っている。
【0065】
本実施形態において、導電層42と接地電極41との間の具体的な接続方式については、図3aを参照されたい。例えば、接地電極41は、第2の基板20を越えた第1の基板10の階段形状部分上に配置され得る。導電層41の一部分が、接地電極41の上方に取り付けられるよう湾曲しており、第1の基板10には、ビアホールが設けられ得る。これにより、接地電極41と導電層42との間の重複部分が、ビアホールを通じて接続される。別の実装において、代替的に、接地電極41は、第1の基板10の外側表面上に直接形成され得る。これにより、接地電極41および導電層42は、互いに直接接触する。代替的に、非重複部分が導電層42と接地電極41との間に配置されるが、導電層42を接地電極41に接続するために導線が用いられる。接地電極の具体的な位置、および、接地電極と導電層との間の接続方式は、本明細書において限定されない。ただし、接地電極を導電層に接続するあらゆる方式が本発明の本実施形態の保護範囲に含まれることが保証されていることを条件とする。
【0066】
具体的な実装において、導線は、導電性銀ペーストから作られていてよい。
【0067】
具体的な実装において、第1の導電層421および第2の導電層422は、代替的に、分離された構造であり得る。この場合、第1の導電層421および第2の導電層422の両方が接地電極41に接続され得る。図2から図3bに示される表示モジュールにおいて、任意の保護面が位置する位置に静電荷が蓄積した場合、第1の導電層421は接地電極41に接続されるので、電荷が第2の導電層422に伝導する。これにより、静電荷の連続的な蓄積に起因して静電気放電が生じる確率が低減し得る。保護面が位置する位置に静電気放電が生じた場合、電流が、第2の導電層に当たったときに、第2の導電層422を通じて接地電極41に伝導する。これにより、静電気が放出される。これにより、静電気放電がゲート駆動回路11に当たる確率が低減し得る。同様に、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上の第2の導電層422によっても、静電荷の連続的な蓄積に起因して静電気放電が生じる確率が低減し得ると共に、静電気放電がゲート駆動回路11に当たる確率が低減し得る。従って、本願の本実施形態において提供される表示モジュールは、静電気放電機構を用いることにより、表示モジュール上の静電気の蓄積を低減し得る。これにより、静電気の蓄積によってもたらされる安全上のリスクが低減し、表示モジュールの信頼性が改善する。
【0068】
加えて、導電層42は、ゲート駆動回路11上の静電気保護を実装し得るので、本願の本実施形態において提供される表示モジュールでは、静電気保護のために用いられる保護層12でゲート駆動回路11を十分に覆うことにより、ゲート駆動回路11を覆う保護層12の面積を低減する必要がない。具体的には、図2に示されるように、ゲート駆動回路11および保護層12は、第2の基板20の方を向いた第1の基板10の側面上に配置され、保護層12は、第2の基板20の方を向いたゲート駆動回路11の側面上に位置し、ゲート駆動回路11の一部分を覆っている。
【0069】
図1に示される従来技術における表示モジュールと比べて、本願の本実施形態において提供される表示モジュールでは、保護層12に起因して、ゴムフレーム30と保護層12との間の接触面積が、ゴムフレーム30と第1の基板10との間の接続位置および接触面積を変えることなく低減され得る。これにより、ゴムフレーム30と第1の基板10との間の接合強度が上がる。この場合、ゴムフレーム30は、第1の基板10から容易に分離せず、表示モジュールの信頼性が改善され得る。
【0070】
具体的な実装において、第1の基板10、第2の基板20およびゴムフレーム30上の導電層42の被覆面積および位置は、静電気損傷が生じやすい、第1の基板10、第2の基板20およびゴムフレーム30の領域の分布状況に基づいて設定されるべきである。静電気損傷が生じる領域の分布状況は、表示モジュールの用いているシナリオおよび環境に基づいて決定され得るか、または、実験試験を通じて決定され得る。導電層42は、静電気損傷が生じやすい、第1の基板10、第2の基板20およびゴムフレーム30の領域を覆うことにより、ゲート駆動回路11が静電気により損傷を受ける確率を低減すべきである。
【0071】
図2に示される構造の表示モジュールにおいて、保護面を覆う第1の導電層421の面積は、比較的大きい。これにより、保護面上の大きな面積の静電損傷経路に対する保護が実装され得る。具体的な実装において、第1の導電層421の面積および位置は、代替的に、静電気損傷が生じやすい、保護面の領域の分布に基づいて調整され得る。
【0072】
具体的には、例えば、第1の導電層421は、保護面全体を十分に覆うように作られ得るか、または、第1の導電層421は、保護面の一部分のみを覆うように作られ得る。同様に、第2の導電層422の面積および被覆位置は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上の静電気損傷が生じやすい領域の分布状況に基づいても設定されるべきである。別の実装において、代替的に、導電層42は、保護面のみに配置され得るか、または、導電層42は、保護面と、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面と、第1の基板10とは反対の方向を向いた第2の基板20の側面との各々に配置され得る。以下では、図4aから図6を参照して、導電層42の別の構成方式を説明する。図4aから図6では、保護面101に対応する導電層のみが例として用いられていることに留意すべきである。具体的な実装において、任意の保護面上の導電層が、保護面101に対応する導電層の構成方法に従って構成され得る。
【0073】
図4aは、本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。当該構造の表示モジュールにおいて、導電層42は、保護面101のみに配置され、保護面101全体を十分には覆っていない。導電層42の面積が、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部の面積と等しく、導電層42は、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部を覆っている。別の実装において、静電気損傷が生じやすい、保護面101の領域の分布状況に基づいて、導電層42の面積は、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部の面積よりも大きくてよく、導電層42は、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部を覆っているか、または、導電層42の面積は、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部の面積未満であってよく、導電層42は、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部の一部分を覆っている。
【0074】
図4bは、本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。当該構造の表示モジュールにおいて、導電層42は、保護面101のみに配置され、保護面101全体を十分には覆っていない。導電層42は、保護面101上のゲート駆動回路11の突出部を覆っていない。
【0075】
図5は、本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。当該構造の表示モジュールにおいて、導電層42は、保護面101のみに配置され、保護面101全体を十分には覆っている。
【0076】
図4aから図5に示される表示モジュールにおいて、導電層42の被覆面積は、比較的小さい。これにより、表示モジュールの構造が簡略化され得る。
【0077】
図6は、本願の実施形態による別の構造の表示モジュールの概略部分断面図である。表示モジュールにおいて、導電層42は、第1の導電層421、第2の導電層422および第3の導電層423を含む。第1の導電層421は、保護面101全体を覆い、第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上に配置され、第3の導電層423は、第1の基板10とは反対の方向を向いた第2の基板20の側面上に配置されている。第2の導電層422は、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上のゲート駆動回路11の突出部の一部分を覆い得るか、または、第2の基板20とは反対の方向を向いた第1の基板10の側面上のゲート駆動回路11の突出部を十分に覆い得る。同様に、第3の導電層423は、第1の基板10とは反対の方向を向いた第2の基板20の側面上のゲート駆動回路11の突出部の一部分を覆い得るか、または、第1の基板10とは反対の方向を向いた第2の基板20の側面上のゲート駆動回路11の突出部を十分に覆い得る。第1の導電層421、第2の導電層422および第3の導電層423は、集積構造であり得るか、または分離された構造であり得る。
【0078】
図2図5および図6に示される構造の表示モジュールでは、導電層42の被覆面積が比較的大きいので、導電層42は、表示モジュールを製造および搬送するプロセスにおいて第1の基板10および第2の基板20の縁部分をさらに保護し得ることにより、表示モジュールを製造および搬送するプロセスにおける衝突に起因して第1の基板10および第2の基板20においてクラックおよび剥落が生じる確率が低減することに留意すべきである。
【0079】
図2から図6に示される表示モジュールの製造プロセスにおいて、保護層12がゲート駆動回路11を覆わないか、またはゲート駆動回路11の一部分のみを覆うようにするために、保護層12を形成するためのフォトリソグラフィ技術では、保護層12のマスクのサイズを調整することにより、形成された保護層12がゲート駆動回路11を覆わないか、またはゲート駆動回路11の一部分のみを覆うようにすべきである。
【0080】
ゴムフレーム30のコーティングプロセスにおいて、ゴムフレーム30のコーティング領域は、ゴムフレーム30が保護層12の一部分のみを覆うか、またはゴムフレーム30が保護層12と接触しないように、つまり、ゴムフレームが第1の基板10上の保護層の突出部と重ならないように配置され得る。具体的には、図2に示されるように、ゴムフレーム30は、保護層12の一部分のみを覆っている。代替的に、図4aから図6に示されるように、ゴムフレーム30は、保護層12と接触していない。この構造により、表示ベゼルをさらに狭めることができる。
【0081】
本願の本実施形態において提供される表示モジュールにおいて、接地電極41は、代替的に、第2の基板20上に配置され得るか、または、第1の基板10および第2の基板20の両方に配置され得る。具体的な実装において、接地電極41は、第1の基板10上または第2の基板20上に配置された共通電極であり得る。図3aに示される、導電層42が第1の基板10上の接地電極41に接続された構造の場合に加えて、別の実装において、導電層42は、代替的に、第2の基板20上の接地電極41に接続され得るか、または、第1の基板10上の接地電極41および第2の基板20上の接地電極41の両方に接続され得る。
【0082】
本願の本実施形態において提供される表示モジュールにおいて、接地電極は、第1の基板10上または第2の基板20上に別個に配置された電極であってよく、静電気を放出するためにのみ用いられる。接地電極は、具体的には、製造プロセス中にフォトリソグラフィ技術を用いることにより形成され得る。具体的な実装において、表示モジュール上の接地電極は、リード線またはフレキシブル回路基板を通じて、表示装置の内部の接地線に接続される。
【0083】
既存の表示モジュールでは、アレイ基板およびカラーフィルム基板の各々に複数の共通電極が設けられているので、別の実装において、静電気を放出するために、いくつかの共通電極が接地電極として代替的に用いられ得る。具体的には、表示モジュールの表示領域または周辺回路領域に分布した全ての共通電極が、接地電極として用いられ得て、接地電極が、実装プロセス中に表示モジュールの特定の回路構造に基づいて選択されるべきである。第1の基板10がアレイ基板であり、第2の基板20がカラーフィルム基板である場合、カラーフィルム基板上の共通電極が全体として、スペーサを用いることによりアレイ基板上の共通電極に接続されるので、具体的な実装において、接地電極41は、第1の基板10上に配置された第1の接地電極41と、第2の基板20上に配置された第2の接地電極41とを含み、第1の接地電極41は、第2の接地電極41に接続され、導電層42は、第1の接地電極41に接続される。この接続方式により、表示モジュールの共通電極の既存の構造を変えることなく、表示モジュールの製造技術を簡略化できる。加えて、導電層42上の静電気および第2の基板20上の静電気の両方が第1の接地電極41を通じて放出され得ることにより、表示モジュールの帯電防止能力がさらに改善される。
【0084】
導電層42の空間占有を低減すべく表示モジュールの表示ベゼルを狭めるために、図2から図6に示されるように、導電層42は、薄膜構造である。これにより、表示モジュールの保護面上の導電層42の空間占有を低減して、表示ベゼルの幅を低減できる。具体的な実装において、導電層42の厚さは、表示モジュールの静電気保護要件に基づいて設定されるべきであり、当該厚さにより、静電気によって導電層42が破壊され得ないことが保証されるべきである。
【0085】
具体的な実装において、導電層42は、導電性テープである。導電性テープは、導電性薄膜材料、具体的には、銅、アルミニウム、金属酸化物または半導体などの材料で作られた薄膜で作られていてよい。導電性テープが取り付けられる前に、導電性テープは、静電気損傷が生じやすく保護される必要がある領域の形状および面積に基づいて、対応する形状に切断され得る。
【0086】
別の具体的な実装において、導電層42は、導電性コーティングである。導電性コーティングは、導電性接着テープおよび導電性銀ペーストなど、導電性の流体または半流体から作られていてよい。静電気保護および流体または半流体の固化を必要とする領域に導電性の流体または半流体をコーティングすることにより、必要とされる形状の導電層42が形成され得る。
【0087】
同じ発明概念に基づいて、本願は、表示パネルをさらに提供する。図7を参照すると、表示パネルは、バックライトモジュール200と、前述の技術的解決手段において提供される表示モジュール100とを含む。具体的な実装において、バックライトモジュール200は、バックライト源、導光板、偏光子および反射層などの構造を含む。
【0088】
表示パネルにおいて、表示モジュールのゴムフレーム30および第1の基板10は、互いに容易に分離しない。これにより、表示パネルの信頼性が改善され得る。具体的な原理および実装については、前述の実施形態を参照されたい。詳細は、改めて説明しない。
【0089】
図7を参照すると、第1の基板10の、第2の基板20とは反対の方向を向いた側面上に配置された偏光子210を取り付けるプロセスにおいて、放出膜が偏光子から剥離した場合、偏光子210上に静電気が生成される。偏光子210上の静電気により表示モジュールにおけるゲート駆動回路11が損傷する確率を低減するために、具体的な実装において、偏光子210は、表示モジュールにおける導電層42に接続されている。この場合、表示パネルを製造および使用するプロセスにおいて、偏光子210上の静電気が、導電層42に伝導され得ると共に、導電層42を通じて接地電極41に伝導され得ることにより、偏光子210上の静電気が放出される。これにより、偏光子210上で生成される静電気に起因してゲート駆動回路11が損傷を受ける確率が低減し、表示パネルの帯電防止能力が改善される。
【0090】
具体的には、図7を参照すると、第1の基板10の、第2の基板20とは反対の方向を向いた側面上に配置された第2の導電層422を導電層42が含む場合、偏光子210の一部分と、第1の基板10の、第2の基板20とは反対の方向を向いた側面上に配置された第2の導電層422の少なくとも一部分との間に重複領域が存在する。従って、偏光子210上の静電気は、第2の導電層422に直接伝導され得る。これにより、表示パネルにおけるゲート駆動回路11が位置する側面で光漏れ現象が発生する確率がさらに低減され得る。導電層42が、第1の基板10の、第2の基板20とは反対の方向を向いた側面上に配置されていない場合、偏光子210は、リード線を通じて導電層42に接続され得る。
【0091】
同じ発明概念に基づいて、本願の実施形態は、前述の実施形態において提供される表示パネルを含む表示装置をさらに提供する。具体的には、表示装置は、コンピュータディスプレイ、テレビ等であり得る。
【0092】
表示装置において、表示モジュールのゴムフレーム30および第1の基板10は、互いに容易に分離しない。これにより、表示パネルの信頼性が改善され得る。具体的な原理および実装については、前述の実施形態を参照されたい。詳細は、改めて説明しない。
【0093】
同じ発明概念に基づいて、本願の実施形態はさらに、前述の実施形態において提供される表示装置を含む電子デバイスを提供する。具体的には、電子デバイスは、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ノートブックコンピュータ、スマートウェアラブルデバイス等であり得る。
【0094】
電子デバイスにおいて、表示モジュールのゴムフレーム30および第1の基板10は、互いに容易に分離しない。これにより、表示パネルの信頼性が改善され得る。具体的な原理および実装については、前述の実施形態を参照されたい。詳細は、改めて説明しない。
【0095】
当業者であれば、本願の趣旨および範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な修正および変更を行い得ることは明らかである。従って、本願は、本願のこれらの修正および変更を包含するよう意図されている。ただし、これらの修正および変更が、本願の請求項およびそれらの均等な技術により定義される範囲に含まれることを条件とする。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7