特許第6930770号(P6930770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6930770
(24)【登録日】2021年8月16日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20210823BHJP
   A61B 1/008 20060101ALI20210823BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   A61B1/00 714
   A61B1/008 512
   G02B23/24 A
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-144497(P2020-144497)
(22)【出願日】2020年8月28日
(65)【公開番号】特開2021-41158(P2021-41158A)
(43)【公開日】2021年3月18日
【審査請求日】2020年8月28日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0112952
(32)【優先日】2019年9月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513280027
【氏名又は名称】テウン メディカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン、キョン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】パーク、スン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジ、ヒュン・ソー
【審査官】 井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−532171(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/154048(WO,A1)
【文献】 特開2009−225876(JP,A)
【文献】 特開2009−142562(JP,A)
【文献】 特開2009−148316(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/137255(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0100729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明撮影部を備える挿入部の先端を屈曲作動させる操作部と前記挿入部との間を互いに着脱可能に結合する着脱ユニットを含む内視鏡において、
前記着脱ユニットは、前記挿入部の内部先端に各一端が連結されるように並んで配列される第1、第2、第3および第4作動ワイヤに連結されて前記挿入部の後端に備えられる第1着脱モジュールと、前記操作部で回転運動を直線運動に転換させる方向転換部の第1、第2、第3および第4連結ワイヤに連結されて操作部の先端に備えられる第2着脱モジュールと、前記挿入部の先端が上下方向または左右方向に屈曲変位する角度を調節する屈曲制御部とを含み、
前記第1着脱モジュールは、長手方向に第1、第2、第3および第4直線案内孔を貫通形成し、厚さ方向に中央配置孔を貫通形成した第1モジュール本体と、前記第1、第2、第3および第4作動ワイヤの各端部と一端とが対応結合されて前記第1、第2、第3および第4直線案内孔に組立てられる第1、第2、第3および第4ラックギヤと、前記第1、第2ラックギヤとの間にギヤ噛合する第1ピニオンギヤと、前記第3、第4ラックギヤとの間にギヤ噛合する第2ピニオンギヤと、前記第1、第2ピニオンギヤが上下一定間隔をおいて組立てられて前記中央配置孔に固定設置されるギヤ軸とを含み、
前記屈曲制御部は、前記第1、第2直線案内孔を介して往復移動される第1、第2ラックギヤの線形移動距離を制御して、前記挿入部の先端に対する上下方向の屈曲角度を可変させる第1調節部と、前記第3、第4直線案内孔を介して往復移動される第3、第4ラックギヤの線形移動距離を制御して、前記挿入部の先端に対する左右方向の屈曲角度を可変させる第2調節部とを含むことを特徴とする屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項2】
前記第1調節部は、前記第1、第2ラックギヤと並んで配置される一定長さの第1、第2制御軸の各一端を回転可能に支持する上部第1固定ブロックと、前記第1、第2制御軸の各他端を回転可能に支持する上部第2固定ブロックと、前記第1、第2ラックギヤとともに移動される第1、第2移動体の移動経路上に一端が位置するように前記第1、第2制御軸に位置移動可能に組立てられる第1、第2ストッパとを含むことを特徴とする請求項1に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項3】
前記第1、第2ストッパは、前記第1、第2制御軸の外部面とねじ結合される各本体の一側端に前記第1モジュール本体の第1、第2直線状スリットに沿って往復移動される第1、第2移動体と接するように突出形成される突出部を含むことを特徴とする請求項2に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項4】
前記第1、第2制御軸の各一側端部には、道具による係止回転操作が容易となるように一字状または十字状溝を備えることを特徴とする請求項2に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項5】
前記第1調節部は、前記第1、第2制御軸の各一端が進入して配置される第1、第2案内孔を貫通形成した上部補助ブロックを含むことを特徴とする請求項4に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項6】
前記第2調節部は、前記第3、第4ラックギヤと並んで配置される一定長さの第3、第4制御軸の各一端を回転可能に支持する下部第1固定ブロックと、前記第3、第4制御軸の各他端を回転可能に支持する下部第2固定ブロックと、前記第3、第4ラックギヤとともに移動される第3、第4移動体の移動経路上に一端が位置するように前記第3、第4制御軸に位置移動可能に組立てられる第3、第4ストッパとを含むことを特徴とする請求項1に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項7】
前記第3、第4ストッパは、前記第3、第4制御軸の外部面とねじ結合される各本体の一側端に前記第1モジュール本体の第3、第4直線状スリットに沿って往復移動される第3、第4移動体と接するように突出形成される突出部を含むことを特徴とする請求項6に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項8】
前記第3、第4制御軸の各一側端部には、道具による係止回転操作が容易となるように一字状または十字状溝を備えることを特徴とする請求項6に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【請求項9】
前記第2調節部は、前記第3、第4制御軸の各一端が進入して配置される第3、第4案内孔を貫通形成した下部補助ブロックを含むことを特徴とする請求項8に記載の屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関し、より詳しくは、体内に挿入される挿入部の先端を屈曲操作する操作部と挿入部とを内視鏡手術の際に互いに簡便に結合して使用し、内視鏡手術後に簡便に分離して保管するか消毒処理して再使用できる一方、内視鏡手術環境に合わせて挿入部の先端を屈曲変位させる角度を簡便に調節可能で、装置にマルチ機能を付与できる屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に関する。
【発明技術】
【0002】
一般的に内視鏡を用いる手術は、人体を大きく切開せず、小さな穴を通してカメラが設けられた内視鏡と手術道具を挿入した後、体内で内視鏡によって撮影された映像により患者の患部を見ながら手術を進めるものである。
【0003】
特に、腹腔鏡手術から始まった内視鏡手術は、開腹手術に比べて切開部位が小さいため、傷跡部位も小さくなり、出血も少なくて、手術後、患者の回復時間が早いという利点がある。
【0004】
最近は開腹手術が必要なほぼすべての手術に対して内視鏡手術が可能なほど技術が発展しただけでなく、他の医療分野においても内視鏡手術を適用する場合が増えているのが現状である。
【0005】
従来の通常の内視鏡は、人体に挿入される挿入部と、これを制御する操作部とが一体型で構成されており、各部の内部を貫通して複数の管路およびガイドが内蔵されており、特に体内に挿入される挿入部の先端に高価なCCDのような撮像素子などが備えられているため、挿入部のみを操作部から分離して新たに取り替えることが難しい問題点があった。
【0006】
また、このような内視鏡は、内部幅が広い胃の内壁を観察しながら病変部位のポリープを確認したり除去する胃内視鏡と、内部幅が狭く屈曲が多い大腸の内壁を観察しながら病変部位のポリープを確認したり除去する大腸内視鏡を選択的に用いる。
【0007】
前記胃内視鏡は、照明撮影部を有する挿入部の先端が患者の口腔を通して上部から下部へ身体の胃内部空間に進入した後、挿入部の先端が幅の広い内部空間を形成する内壁を観察するため、操作部の回転操作によって挿入部の先端を上下方向および左右方向に屈曲作動して変位させる屈曲角度は、下部に向かう挿入部の先端が進行方向の反対側である後方に反り返ることができるように約180度〜210度以上に大きく設定されて設計される。
【0008】
これに対し、大腸内視鏡は、照明撮影部を有する挿入部の先端が患者の大腸末端である肛門を下部から上部へ身体の大腸の内部空間に進入した後、挿入部の先端が幅の非常に狭い内部空間を形成する内壁を観察するため、挿入部の先端を上下方向および左右方向に屈曲作動して変位させる屈曲角度は約100度〜180度以下と胃内視鏡に比べて相対的に小さく設定されて設計される。
【0009】
特許文献1〜特許文献3には、近年、医療用に用いられる内視鏡の衛生機能をより強化する傾向に合わせて、体内に挿入される挿入部と、挿入部を操作する操作部とを互いに結合して連結使用するか、互いに分離して保管できる多様な形態の着脱分離型内視鏡を開示している。
【0010】
しかし、これらの特許文献に開示された着脱分離型内視鏡は、屈曲角度が大きく設定されて設計された胃専用内視鏡用挿入部と、屈曲角度が相対的に小さく設定されて設計された大腸専用挿入部とを共用に混用して使用できないため、胃専用着脱分離型内視鏡と大腸専用着脱分離型内視鏡をそれぞれ備えることにより、維持管理費用が増加し、内視鏡手術の用途による装置の複数購入によって内視鏡装置の購入費用を増加させる要因として作用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】KR10−0673412B1
【特許文献2】KR10−1091999B1
【特許文献3】KR10−1783225B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そのため、本発明は、上述した問題点を解決するためのものであって、その目的は、道具を用いた簡単な操作によって、挿入部の先端が上下方向および左右方向に屈曲する屈曲角度を内視鏡手術条件に合わせて簡便に可変させることが可能で、1つの挿入部を用いて胃内視鏡手術機能と大腸内視鏡手術機能を行うことが可能な屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡を提供しようとする。
【0013】
本発明でなそうとする技術的課題は、以上に述べた技術的課題に制限されず、述べていない他の技術的課題は以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための具体的な手段として、本発明の好ましい実施例は、照明撮影部を備える挿入部の先端を屈曲作動させる操作部と前記挿入部との間を互いに着脱可能に結合する着脱ユニットを含む内視鏡において、前記着脱ユニットは、前記挿入部の内部先端に各一端が連結されるように並んで配列される第1、第2、第3および第4作動ワイヤに連結されて前記挿入部の後端に備えられる第1着脱モジュールと、前記操作部で回転運動を直線運動に転換させる方向転換部の第1、第2、第3および第4連結ワイヤに連結されて操作部の先端に備えられる第2着脱モジュールと、前記挿入部の先端が上下方向または左右方向に屈曲変位する角度を調節する屈曲制御部とを含み、前記第1着脱モジュールは、長手方向に第1、第2、第3および第4直線案内孔を貫通形成し、厚さ方向に中央配置孔を貫通形成した第1モジュール本体と、前記第1、第2、第3および第4作動ワイヤの各端部と一端とが対応結合されて前記第1、第2、第3および第4直線案内孔に組立てられる第1、第2、第3および第4ラックギヤと、前記第1、第2ラックギヤとの間にギヤ噛合する第1ピニオンギヤと、前記第3、第4ラックギヤとの間にギヤ噛合する第2ピニオンギヤと、前記第1、第2ピニオンギヤが上下一定間隔をおいて組立てられて前記中央配置孔に固定設置されるギヤ軸とを含み、前記屈曲制御部は、前記第1、第2直線案内孔を介して往復移動される第1、第2ラックギヤの線形移動距離を制御して、前記挿入部の先端に対する上下方向の屈曲角度を可変させる第1調節部と、前記第3、第4直線案内孔を介して往復移動される第3、第4ラックギヤの線形移動距離を制御して、前記挿入部の先端に対する左右方向の屈曲角度を可変させる第2調節部とを含むことを特徴とする屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡を提供する。
【0015】
このとき、前記第1調節部は、前記第1、第2ラックギヤと並んで配置される一定長さの第1、第2制御軸の各一端を回転可能に支持する上部第1固定ブロックと、前記第1、第2制御軸の各他端を回転可能に支持する上部第2固定ブロックと、前記第1、第2ラックギヤとともに移動される第1、第2移動体の移動経路上に一端が位置するように前記第1、第2制御軸に位置移動可能に組立てられる第1、第2ストッパとを含むことができる。
【0016】
このとき、前記第1、第2ストッパは、前記第1、第2制御軸の外部面とねじ結合される各本体の一側端に前記第1モジュール本体の第1、第2直線状スリットに沿って往復移動される第1、第2移動体と接するように突出形成される突出部を含むことができる。
【0017】
このとき、前記第1、第2制御軸の各一側端部には、道具による係止回転操作が容易となるように一字状または十字状溝を備えることができる。
【0018】
このとき、前記第1調節部は、前記第1、第2制御軸の各一端が進入して配置される第1、第2案内孔を貫通形成した上部補助ブロックを含むことができる。
【0019】
このとき、前記第2調節部は、前記第3、第4ラックギヤと並んで配置される一定長さの第3、第4制御軸の各一端を回転可能に支持する下部第1固定ブロックと、前記第3、第4制御軸の各他端を回転可能に支持する下部第2固定ブロックと、前記第3、第4ラックギヤとともに移動される第3、第4移動体の移動経路上に一端が位置するように前記第3、第4制御軸に位置移動可能に組立てられる第3、第4ストッパとを含む。
【0020】
このとき、前記第3、第4ストッパは、前記第3、第4制御軸の外部面とねじ結合される各本体の一側端に前記第1モジュール本体の第3、第4直線状スリットに沿って往復移動される第3、第4移動体と接するように突出形成される突出部を含む。
【0021】
このとき、前記第3、第4制御軸の各一側端部には、道具による係止回転操作が容易となるように一字状または十字状溝を備える。
【0022】
このとき、前記第2調節部は、前記第3、第4制御軸の各一端が進入して配置される第3、第4案内孔を貫通形成した下部補助ブロックを含む。
【発明の効果】
【0023】
上記のような本発明の好ましい実施例によれば、次の効果がある。
【0024】
道具や動力を利用した簡単な回転操作によって、挿入部の先端が上下方向および左右方向に屈曲する屈曲角度の最大値を大腸内視鏡手術や胃内視鏡手術のような内視鏡手術条件に合わせて簡便に可変させることが可能なため、1つの挿入部を用いて胃内視鏡手術機能と大腸内視鏡手術機能を同時に行うことが可能で内視鏡装置の購入費用を節減することができ、内視鏡装置の保有個数を減らすことで消毒、洗浄および保管による維持管理費用を節減することができる。
【0025】
人体の体内に挿入される挿入部が汚染したか機能上異常が発生した場合、これを分離して容易に取り替え可能で安全性を向上させることができ、汚染した挿入部を廃棄処理し、清潔な新しい挿入部を取り替え装着して内視鏡手術を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡を示す全体斜視図である。
図2】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡の挿入部と操作部との結合部位を示す拡大図である。
図3】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットを示す斜視図である。
図4A】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットの第1着脱モジュールと屈曲制御部を示す斜視図である。
図4B】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットの第1着脱モジュールと屈曲制御部を示す斜視図である。
図5】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットの第1着脱モジュールを示す断面斜視図である。
図6】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットの第1着脱モジュールを示す縦断面図である。
図7】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットの第1着脱モジュールを示す分解斜視図である。
図8】本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる着脱ユニットの屈曲制御部を示す分解斜視図である。
図9】(a)、(b)および(c)は、本発明の実施例による屈曲角度調節可能な着脱分離型内視鏡に備えられる屈曲制御部の作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる好ましい実施例を詳しく説明する。ただし、本発明の好ましい実施例についての構造原理を詳しく説明するにあたり、かかる公知の機能または構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにしうると判断された場合には、その詳細な説明を省略する。
【0028】
また、図面全体にわたって類似の機能および作用をする部分については同一の図面符号を用いる。
【0029】
尚、明細書全体において、ある部分が他の部分に「連結」されているとするとき、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に他の素子を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。さらに、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0030】
本発明の実施例による着脱分離型内視鏡1は、図1に示すように、内視鏡手術の際に体内に先端が挿入される挿入部10と、複数の操作つまみを有する操作部20と、内視鏡制御管理システムと電気的に連結されるユニバーサルジョイント30と、内視鏡手術前に前記挿入部10と操作部20とを互いに結合して機構的に連結するか、内視鏡手術後に前記挿入部10と操作部20とを互いに分離させる着脱ユニット1aとを含む。
【0031】
前記挿入部10は、体内に挿入される方向を調節するように柔軟な素材のチューブ素材からなり、先端に体内を照明する光源と撮影するイメージセンサとを有する照明撮影部を備える。
【0032】
前記操作部20は、体内に挿入される挿入部の先端を上下方向に屈曲操作する上部操作つまみ28と、左右方向に屈曲操作する下部操作つまみ29とを備える。
【0033】
このような操作部20の内部には、前記上・下部操作つまみにそれぞれ備えられる上・下部スプロケット(sprocket)とこれに連結される上・下部チェーンとを具備して、前記上・下部操作つまみの操作時に上・下部スプロケットの回転運動を上・下部チェーンの直線運動に転換させる方向転換部を備えることにより、前記上・下部操作つまみの選択的な回転運動を線形運動に転換させ、前記上・下部チェーンは、前記挿入部の内部に配置される複数の作動ワイヤを介在して前記挿入部の先端内部の端部に連結される。
【0034】
使用者による上・下部操作つまみの選択的な回転によって回転する上・下部スプロケットと往復直線運動をする上・下部チェーンを介して挿入部内に配置された複数の作動ワイヤの一部を線形運動に転換させることにより、前記作動ワイヤの線形運動によって前記挿入部の先端が体内で上下方向または左右方向に屈曲するのである。
【0035】
前記操作部には、内視鏡手術の際、洗浄および消毒のための液体と気体を投入または排出するための操作スイッチと操作ボタンとを具備し、前記操作部の先端と着脱ユニットを介在して着脱可能に組立てられる挿入部の後端には、クリップを有する内視鏡処置具のような手術道具を挿入部の内部に出入させるための出入口と、これを開閉するキャップとを備える。
【0036】
図1図2にて、前記操作部の端部に備えられるエンドカバー27には、エアを供給する給気チャネル25bと、水を供給する給水チャネル25cと、水と空気を外部に吸入して排出するサクションチャネル25aとを備え、前記照明撮影部と電気的に連結されるターミナル端子26を備える一方、略円筒ハウジングからなる挿入部10の後端には、円筒ハウジングからなる操作部20の先端に形成された雌ねじ部とねじ結合されるリング状結合体15を備える。
【0037】
本発明の好ましい実施例による着脱分離型内視鏡1は、図2図3に示すように、前記挿入部10の後端と前記操作部20の先端との間を互いに着脱可能に結合する着脱ユニット1aを含む。
【0038】
前記着脱ユニット1aは、前記挿入部の内部に挿入配置される第1着脱モジュール100と、前記操作部の内部に挿入配置されて前記第1着脱モジュールに対応結合される第2着脱モジュール200と、内視鏡手術を進める前に、手術条件および環境に合わせて前記挿入部の先端が上下方向または左右方向に屈曲する角度を調節する屈曲制御部300とを含む。
【0039】
前記第1着脱モジュール100は、前記挿入部の内部に互いに並んで配置され、前記挿入部の先端を上下方向Aに屈曲操作するように第1、第2作動ワイヤ11、12の各一端に連結され、前記挿入部の内部に互いに並んで配置され、前記挿入部の先端を左右方向Bに屈曲操作するように作動する第3、第4作動ワイヤ13、14の各一端に連結される。
【0040】
前記第2着脱モジュール200は、前記上・下部操作つまみ28、29によって正・逆方向に回転する上・下部スプロケットに巻かれる上・下部チェーンの各両端と第1、第2、第3および第4連結ワイヤ21、22、23、24を介在して連結される。
【0041】
ここで、前記上部スプロケットに巻かれる上部チェーンの両端に連結される第1、第2連結ワイヤ21、22は、図面上、挿入部の内部上側に一対に並んで配置される第1、第2作動ワイヤ11、12と連動して前記挿入部の先端を上下方向に屈曲作動させる一方、前記下部スプロケットに巻かれる下部チェーンの両端に連結される第3、第4連結ワイヤ23、24は、図面上、挿入部の内部下側に一対に並んで配置される第3、第4作動ワイヤ13、14と連動して前記挿入部の先端を左右方向に屈曲作動させるものとして図示および説明したが、これに限定されるものではないし、上下方向および左右方向の屈曲操作は、内視鏡の設計によって、互いに逆にしてもよい。
【0042】
また、前記上・下部スプロケットの回転は、前記操作部に備えられる上・下部操作つまみを把持するオペレータの手動回転操作によって行われるものとして図示および説明したが、これに限定されるものではないし、上・下部スプロケットと組立てられた回転軸をモータのような駆動手段と連結して駆動手段を制御するジョイスティックのような別の遠隔操作手段を用いて行われてもよい。
【0043】
前記第1着脱モジュール100は、図3図4A図4B図5図6および図7に示すように、上側に配列される第1、第2ラックギヤ110、120と、下側に配列される第3、第4ラックギヤ130、140と、前記第1、第2ラックギヤとの間に配置される第1ピニオンギヤ150と、前記第3、第4ラックギヤとの間に配置される第2ピニオンギヤ160と、前記第1、第2ピニオンギヤ150、160と結合されるギヤ軸170と、これらを内部収容する第1モジュール本体180とを含む。
【0044】
前記第1モジュール本体180は、ボディの内部に長手方向に第1、第2、第3および第4直線案内孔181、182、183、184を貫通形成し、ボディの中央に長手方向と略直交する厚さ方向に第1、第2、第3および第4直線案内孔と連通する中央配置孔189を貫通形成する略直方体状のブロック構造物である。
【0045】
前記第1モジュール本体180の両側の外部面には、前記第1、第2、第3および第4直線案内孔181、182、183、184の両端がそれぞれ露出して開口し、前記第1モジュール本体180の上・下部面には、前記中央配置孔189の両端が露出して開口する。
【0046】
前記第1、第2ラックギヤ110、120は、前記挿入部の内部上側に並んで配列される第1、第2作動ワイヤ11、12の各一端に連結され、前記第2着脱モジュールと各他端が着脱可能に結合される直線バー状ギヤ部材であり、前記第3、第4ラックギヤ130、140は、前記挿入部の内部下側に並んで配列される第3、第4作動ワイヤ13、14の各一端に連結され、前記第2着脱モジュールと各他端が着脱可能に結合される直線バー状ギヤ部材である。
【0047】
前記第1ピニオンギヤ150は、互いに並んで配置される第1ラックギヤ110と第2ラックギヤ120との間でギヤ噛合することにより、前記上部操作つまみの回転操作時に挿入部の先端を上下方向に屈曲作動させるように第1、第2ラックギヤを互いに反対方向に線形移動させるギヤ部材である。
【0048】
前記第2ピニオンギヤ160は、前記第1、第2ラックギヤの直下部に互いに並んで配置される第3ラックギヤ130と第4ラックギヤ140との間でギヤ噛合することにより、前記下部操作つまみの回転操作時に挿入部の先端を左右方向に屈曲作動させるように前記第3、第4ラックギヤを互いに反対方向に線形移動させるギヤ部材である。
【0049】
前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140は、前記第1、第2、第3および第4直線案内孔に滑走移動可能に組立てられ、前記第1モジュール本体180の両側に両端が外部露出する一定長さの直線バー111、121、131、141を含み、前記直線バーに形成されて前記第1、第2ピニオンギヤ150、160の外周面に形成された円形ギヤ歯と、ギヤ噛合する一定長さの直線ギヤ歯112、122、132、142とを含む。
【0050】
前記直線ギヤ歯112、122、132、142は、前記第1ピニオンギヤと向かい合う第1、第2ラックギヤの直線バーの外部面と、前記第2ピニオンギヤと向かい合う第3、第4ラックギヤの直線バーの外部面にそれぞれ一体に備えられるものとして図示および説明したが、これに限定されるものではないし、組立式で備えられてもよい。
【0051】
このような直線ギヤ歯112、122、132、142は、前記第1、第2、第3および第4直線案内孔と中央配置孔とを互いに連通させるように切開された連通孔112a、122a、132a、142aを介して露出することにより、前記第1、第2ラックギヤと第1ピニオンギヤ、そして前記第3、第4ラックギヤと第2ピニオンギヤとは互いにギヤ噛合する。
【0052】
前記第1、第2、第3および第4直線案内孔181、182、183、184は、前記第1、第2、第3および4ラックギヤ110、120、130、140の各直線バーの外周面と内部面とが接して案内される略円形の案内孔181a、182a、183a、184aと、前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の各ギヤ歯が干渉なく案内移動されるように前記案内孔から外側に延びる延長孔181b、182b、183b、184bとで備えられる。
【0053】
このとき、前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の各直線バーの外周面と前記第1、第2、第3および第4直線案内孔の各案内孔の内周面とは全体的に接触するものとして図示および説明したが、これに限定されるものではないし、前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の各直線バーの外周面と前記第1、第2、第3および第4直線案内孔の各案内孔の内周面とが互いに部分的に接触して接触面積を減らすことにより、これらの間の摩擦抵抗を低減しながら直線案内移動を円滑に行えるように、前記直線バーの外周面や前記案内孔の内周面に案内方向に一定長さの直線状突出部を備えることができる。
【0054】
前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140に対応する第1モジュール本体180の両側の外部面には直線状案内スリット185、186、187、188を切開形成し、前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の各直線バーには、前記直線状案内スリットに沿って移動される移動体113、123、133、143を含む。
【0055】
このような移動体113、123、133、143は、直線バー111、121、131、141の長手中央に陥没形成される組立溝に締結部材によって着脱可能に組立てられ、前記直線ギヤ歯と移動体は、約90度の位相差をおいて前記直線バーの外部面に備えられることが好ましい。
【0056】
また、前記第1、第2、第3および第4作動ワイヤ11、12、13、14に対応する第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の各一端部には、前記第1、第2、第3および第4作動ワイヤの各一端に連結される第1、第2、第3および第4結合具114、124、134、144を備える。
【0057】
前記第2着脱モジュール200に対応する第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の各他端部には、前記第2着脱モジュール200に備えられる第1、第2、第3および第4連結軸210、220、230、240の各端部に備えられる第1、第2、第3および第4被接続具215、225、235、245と係止連結される第1、第2、第3および第4接続具115、125、135、145を備える。
【0058】
ここで、第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の第1、第2、第3および第4接続具115、125、135、145と前記第1、第2、第3および第4連結軸210、220、230、240の第1、第2、第3および第4被接続具215、225、235、245との間の係止連結によって、前記操作部に備えられる上・下部操作つまみによる回転操作時に挿入部の先端を上下方向および左右方向に屈曲作動させることができるように、前記第1、第2、第3および第4作動ワイヤを選択的に往復作動させる動力を伝達できるのである。
【0059】
前記ギヤ軸170は、前記第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140とギヤ噛合する第1、第2ピニオンギヤ150、160が上下一定間隔をおいて回転可能に組立てられ、前記第1モジュール本体の中央配置孔189に対応挿入されて固定設置される軸部材である。
【0060】
このようなギヤ軸170の下部端には、前記中央配置孔189の開口端の一端を覆いながら、前記第1モジュール本体の外部面に接して締結部材によって組立てられる板ブラケット173を一体に備え、前記ギヤ軸の上部端には、前記第1、第2ピニオンギヤの外部離脱を防止する離脱防止用クリップ156を備える。
【0061】
前記第1ピニオンギヤ150と離脱防止用クリップ156との間には、これらの間の間隔を維持するように第1円筒スリーブ155を備え、前記第1ピニオンギヤ150と第2ピニオンギヤ160との間にも、これらの間の間隔を維持するように第2円筒スリーブ165を備える。
【0062】
前記第1、第2ピニオンギヤ150、160に対応するギヤ軸170の外部面には第1、第2リング状凹溝をそれぞれ陥没形成し、前記第1、第2リング状凹溝には、前記第1、第2ピニオンギヤ150、160の内周面と外周面とが弾力的に接するようにゴム素材からなる第1、第2弾性リング171、172を備える。
【0063】
前記第1、第2ピニオンギヤ150、160の各内周面と前記第1、第2弾性リング171、172の外周面との間の弾力的な接触によって、第1、第2ラックギヤ110、120と第1ピニオンギヤ150、そして第3、第4ラックギヤ130、140と第2ピニオンギヤ160とのギヤ噛合時に発生するバックラッシュに起因して騒音が発生することを低減することができ、挿入部の先端の上下方向および左右方向の屈曲作動時、第1、第2ラックギヤを潤滑剤の使用なしに互いに反対方向により滑らかに線形移動させ、第3、第4ラックギヤを潤滑剤の使用なしに互いに反対方向により滑らかに線形移動させることができる。
【0064】
また、前記第1着脱モジュール100は、図4A図4Bおよび図8に示すように、前記第1、第2、第3および第4ラックギヤの一端と結合される第1、第2、第3および第4作動ワイヤ11、12、13、14の線形移動を支持するワイヤ支持部190を含む。
【0065】
前記ワイヤ支持部190は、前記第1、第2、第3および第4作動ワイヤ11、12、13、14が対応挿入される支持孔を貫通形成した第1、第2、第3および第4支持体191、192、193、194を備え、前記第1、第2、第3および第4支持体を一端部に固定設置する支持ブロック195を備え、前記支持ブロック195を前記第1モジュール本体180の一端部に複数の締結部材によって着脱可能に組立てる連結ブラケット196を備える。
【0066】
前記第1、第2、第3および第4支持体191、192、193、194は、支持孔をボディの中央に貫通形成し、外部面に環リング状凹溝を陥没形成した円筒部材からなり、前記支持ブロック195の一端部には、前記第1、第2、第3および第4支持体の各外部面に形成された凹溝が対応挿入されて固定される複数の篏合固定片を備える。
【0067】
上記の構成を有する第1着脱モジュール100は、第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140の長手中央に第1、第2ピニオンギヤ150、160が位置する初期待機状態で、前記操作部の第2着脱モジュールに対応する第1、第2、第3および第4接続具の各先端は同一の垂直面上に位置する。
【0068】
この状態で、前記挿入部の後端に備えられる第1着脱モジュールと前記操作部の先端に備えられる第2着脱モジュールとが互いに結合すれば、前記第1着脱モジュールの第1、第2、第3および第4ラックギヤ110、120、130、140に備えられる第1、第2、第3および第4接続具115、125、135、145と、前記第2着脱モジュール200の第1、第2、第3および第4連結軸210、220、230、240の第1、第2、第3および第4被接続具215、225、235、245とが互いに係止連結される。
【0069】
そして、前記第1、第2、第3および第4接続具115、125、135、145と第1、第2、第3および第4被接続具215、225、235、245とが互いに係止連結された状態で、前記操作部に備えられる上部操作つまみ28の正方向回転によって、前記第1ラックギヤが図面上左側方向に一定距離移動されれば、前記第1、第2ラックギヤと第1ピニオンギヤとのギヤ噛合によって、前記第2ラックギヤは、反対方向である右側方向に同一の一定距離で線形移動されながら第1作動ワイヤを定量的に引き移動させると同時に、第2作動ワイヤを定量的に押し移動させることが可能なため、上部操作つまみ28の正方向回転量に比例して前記挿入部の先端に上方向に一定角度屈曲作動させることができるのである。
【0070】
逆に、前記上部操作つまみ28の逆方向回転によって、前記第2ラックギヤが図面上左側方向に一定距離移動されれば、前記第1、第2ラックギヤと第1ピニオンギヤとのギヤ噛合によって、前記第1ラックギヤは、反対方向である右側方向に同一の一定距離で線形移動されながら第2作動ワイヤを定量的に引き移動させると同時に、第1作動ワイヤを定量的に押し移動させることが可能なため、上部操作つまみ28の逆方向回転量に比例して前記挿入部の先端を下方向に一定角度屈曲作動させることができるのである。
【0071】
また、前記操作部に備えられる下部操作つまみ29の正方向または逆方向回転によって、前記第3、第4ラックギヤを互いに反対方向に一定距離線形移動させて前記第3、第4作動ワイヤを互いに反対方向に引き移動させるか押し移動させることにより、前記挿入部の先端を左右方向に一定角度屈曲作動させることは、第1、第2ラックギヤの線形移動と同一であることから、これに関する説明は省略する。
【0072】
これによって、内視鏡手術の際、前記操作部に備えられる上・下部操作つまみの選択的な回転操作によって、体内に挿入された挿入部の先端を上下方向および左右方向に屈曲作動させて体内の病変部位を照明して撮影して確認しながら、前記挿入部の内部に進入する処置具によって病変部位を除去または治療する内視鏡手術を行うことができるのである。
【0073】
一方、前記屈曲制御部300は、図3図4A図4Bおよび図8に示すように、内視鏡手術前、大腸内視鏡や胃内視鏡のような内視鏡手術条件に合わせて、内視鏡手術前に上下方向または左右方向に屈曲変位する挿入部10の先端に対する屈曲角度を調節できるように、第1調節部310と、第2調節部320とを含む。
【0074】
前記第1調節部310は、前記操作部の上部操作つまみによる選択的な回転操作に際して、前記第1モジュール本体180の第1、第2直線案内孔181、182に沿って往復移動される第1、第2ラックギヤの線形移動距離を制御することにより、前記第1、第2作動ワイヤ11、12に伝達される外力によって前記挿入部の先端を左右方向に屈曲変位させる屈曲角度を可変させることができる。
【0075】
このような第1調節部310は、前記第1、第2ラックギヤ110、120と並んで配置される一定長さの第1、第2制御軸311、312の各一端を回転可能に支持する上部第1固定ブロック315を備え、前記第1、第2制御軸311、312の各他端を回転可能に支持する上部第2固定ブロック316を含み、前記第1、第2ラックギヤとともに移動される第1、第2移動体113、123の移動経路上に一端が位置するように前記第1、第2制御軸の各外部面にねじ結合されて位置移動可能に備えられる第1、第2ストッパ313、314を含む。
【0076】
ここで、前記上部第1固定ブロック315は、前記第1、第2ラックギヤに対応する第1モジュール本体180の上部面に締結部材によって組立てられて固定設置されるブロック構造物であり、前記上部第2固定ブロック316は、前記上部第1固定ブロック315と一定間隔をおいて前記第1モジュール本体180の上部面の一側に固定設置されるブロック構造物である。
【0077】
前記第1、第2制御軸311、312の一端は、前記上部第1固定ブロックの両端に備えられるベアリング部材のような回転支持部315a、315bを介在して回転可能に組立てられ、前記上部第2固定ブロックの両端に貫通形成された他の回転支持部316a、316bに回転可能に支持される一定長さのスクリュー部材である。
【0078】
前記第1、第2ストッパ313、314は、前記第1、第2制御軸の外部面に形成された雄ねじ部とねじ結合される雌ねじ部を貫通形成した本体を含み、このような本体の各一側端には、前記第1モジュール本体の上部面に切開形成された第1、第2直線状スリットに沿って往復移動される第1、第2移動体113、123と選択的に接しながら、第1、第2作動ワイヤの引き移動を制限する突出部313a、314aを突出形成する。
【0079】
前記上部第2固定ブロック316の回転支持部316a、316bを介して外側に延びる第1、第2制御軸311、312の各一端部には、道具による回転操作が容易となるように一字状または十字状溝を形成することが好ましい。
【0080】
一方、前記第1調節部310は、前記第1、第2制御軸の回転操作をより容易に行えるように、前記第1、第2制御軸の各一端が進入して配置される第1、第2案内孔331、332を貫通形成した上部補助ブロック330を含む。
【0081】
このような上部補助ブロック330が前記ワイヤ支持部190の支持ブロック195の上部面に固定設置されることにより、前記上部補助ブロックに貫通形成された第1、第2案内孔を介してスクリュードライバのような道具を進入させた後、前記第1、第2制御軸の各一端に形成された一字状溝または十字状溝に先端が接する道具を正方向または逆方向に回転させることにより、前記第1、第2移動体に対して第1、第2ストッパ313、314を相対的に近接するか遠くなるように位置移動させる作業を簡便に行うことができる。
【0082】
また、前記第2調節部320は、前記操作部の下部操作つまみによる選択的な回転操作に際して、前記第1モジュール本体180の第3、第4直線案内孔183、184に沿って往復移動される第3、第4ラックギヤの線形移動距離を制御することにより、前記第3、第4作動ワイヤ13、14に伝達される外力によって、前記挿入部の先端を上下方向に屈曲変位させる角度を可変させることができる。
【0083】
このような第2調節部320は、前記第3、第4ラックギヤ130、140と並んで配置される一定長さの第3、第4制御軸321、322の各一端を回転可能に支持する下部第1固定ブロック325を備え、前記第3、第4制御軸321、322の各他端を回転可能に支持する下部第2固定ブロック326を含み、前記第3、第4ラックギヤとともに移動される第3、第4移動体133、143の移動経路上に一端が位置するように前記第3、第4制御軸の各外部面にねじ結合されて位置移動可能に備えられる第3、第4ストッパ323、324を含む。
【0084】
ここで、前記下部第1固定ブロック325は、前記第3、第4ラックギヤに対応する第1モジュール本体180の下部面に締結部材によって組立てられて固定設置されるブロック構造物であり、前記下部第2固定ブロック326は、前記下部第1固定ブロック325と一定間隔をおいて前記第1モジュール本体180の下部面の一側に固定設置されるブロック構造物である。
【0085】
前記第3、第4制御軸321、322の一端は、前記下部第1固定ブロックの両端に備えられるベアリング部材のような回転支持部325a、325bを介在して回転可能に組立てられ、前記下部第2固定ブロックの両端に貫通形成された他の回転支持部326a、326bに回転可能に支持される一定長さのスクリュー部材である。
【0086】
前記第3、第4ストッパ323、324は、前記第3、第4制御軸の外部面に形成された雄ねじ部とねじ結合される雌ねじ部を貫通形成した本体を含み、このような本体の各一側端には、前記第1モジュール本体の下部面に切開形成された第3、第4直線状スリット187、188に沿って往復移動される第3、第4移動体133、143と選択的に接しながら、第3、第4作動ワイヤの引き移動を制限する突出部323a、324aを突出形成する。
【0087】
前記下部第2固定ブロック326の回転支持部326a、326bを介して外側に延びる第3、第4制御軸321、322の各一端部には、道具による回転操作が容易となるように一字状または十字状溝を形成することが好ましい。
【0088】
一方、前記第2調節部320は、前記第3、第4制御軸の回転操作をより容易に行えるように、前記第3、第4制御軸の各一端が進入して配置される第3、第4案内孔341、342を貫通形成した下部補助ブロック340を含む。
【0089】
このような下部補助ブロック340が前記ワイヤ支持部190の支持ブロック195の下部面に固定設置されることにより、前記下部補助ブロックに貫通形成された第3、第4案内孔を介してスクリュードライバのような道具を進入させた後、前記第3、第4制御軸の各一端に形成された一字状溝または十字状溝に先端が接する道具を正方向または逆方向に回転させることにより、前記第3、第4移動体に対して第3、第4ストッパ323、324を相対的に近接するか遠くなるように位置移動させる作業を簡便に行うことができる。
【0090】
上記の構成を有する屈曲制御部300の第1調節部310と第2調節部320とを用いた前記操作部の選択的な回転操作によって、前記挿入部10の先端を上下方向に屈曲作動させる屈曲角度の最大値と、左右方向に屈曲作動させる屈曲角度の最大値とを、胃内視鏡手術や大腸内視鏡手術のような手術条件に合わせて簡便かつ精密に調節することができる。
【0091】
すなわち、前記上部補助ブロック330の第1、第2案内孔を通して進入するスクリュードライバのような道具を用いて前記第1、第2制御軸311、312を正方向または逆方向に回転操作することにより、前記第1、第2制御軸の回転量に比例して、前記第1、第2ストッパ313、314は、前記上部第1固定ブロックと上部第2固定ブロックとの間の該当する区間で往復移動されながら、前記第1、第2移動体と第1、第2ストッパとの間に形成される移動制限距離Lを可変させることができる。
【0092】
ここで、前記移動制限距離Lは、前記図9(a)に示すように、第1着脱モジュールの待機停止時、前記第1、第2移動体113、123の位置と前記第1、第2制御軸に移動可能に組立てられた第1、第2ストッパの位置との間に測定される直線距離である。
【0093】
前記第1、第2ストッパ313、314が第1、第2移動体側に近接するように、図面上左側に位置移動されてこれらの間の移動制限距離Lが短くなれば、図9(b)に示すように、前記操作部の選択的な回転操作によって、第1、第2直線状スリット185、186に沿って直線移動される第1、第2移動体の移動距離とともにこれに連動して引かれるか押される第1、第2作動ワイヤの移動距離が短くなるため、前記挿入部の先端を上下方向に屈曲作動させる屈曲角度を大腸内視鏡手術条件に合わせて小さい角度に設定することができる。
【0094】
これに対し、前記第1、第2ストッパ313、314が第1、第2移動体側に遠くなるように、図面上右側に位置移動されて前記移動制限距離が長くなれば、図9(c)に示すように、前記操作部の選択的な回転操作によって、第1、第2直線状スリット185、186に沿って直線移動される第1、第2移動体の移動距離とともにこれに連動して引かれるか押される第1、第2作動ワイヤの移動距離が長くなるため、前記挿入部の先端を上下方向に屈曲作動させる屈曲角度を胃内視鏡手術条件に合わせて大きい角度に設定することができる。
【0095】
このとき、前記第1、第2移動体113、123と接して第1、第2作動ワイヤ11、12が引かれる移動距離を制御する第1、第2ストッパ313、314は、前記挿入部の先端を上下方向に同一の屈曲角度に屈曲作動させることができるように、同一の移動制限距離Lを形成するように位置移動されるものとして図示および説明したが、これに限定されるものでないし、前記第1、第2ストッパは、互いに異なる移動制限距離を形成するようにそれぞれ独立して位置移動させることができる。
【0096】
すなわち、前記第1ストッパの停止位置と第2ストッパの停止位置とを互いに異なって設定すれば、前記第1、第2移動体が前記第1、第2ストッパに接して停止するまでの移動制限距離を互いに異なって設定できるため、前記操作部の選択的な回転操作によって、挿入部の先端を上方向または下方向に屈曲作動させる屈曲角度を胃内視鏡手術条件と大腸内視鏡手術条件とでそれぞれ互いに異なって設定可能である。
【0097】
一方、前記下部補助ブロック340の第3、第4案内孔を通して進入するスクリュードライバのような道具を用いて前記第3、第4制御軸321、322を正方向または逆方向に回転操作する。
【0098】
このような回転操作によって、前記第3、第4制御軸の回転量に比例して、前記第3、第4ストッパ323、324を前記下部第1固定ブロックと下部第2固定ブロックとの間の該当する区間で位置移動させることにより、前記第3、第4移動体と第3、第4ストッパとの間に形成される移動制限距離Lを可変させ、このような移動制限距離を可変させて挿入部の先端を左右方向の最大屈曲角度を胃内視鏡手術や大腸内視鏡手術のような手術条件に合わせて調節することは、第1調節部の作動と同一であることから、これに関する説明は省略する。
【0099】
そして、前記第1、第2調節部の第1、第2、第3および第4制御軸は、前記上・下部補助ブロックに進入するスクリュードライバのような道具を用いた手作業が行われるものとして図示および説明したが、これに限定されるものではないし、前記第1、第2、第3および第4制御軸の各一端を、電源印加時に回転駆動力を発生させる駆動モータによって精密制御することができる。
【0100】
以上説明した本発明は、上述した実施例および添付した図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形および変更が可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に自明であろう。
【符号の説明】
【0101】
1:着脱分離型内視鏡
1a:着脱ユニット
10:挿入部
11、12、13、14:第1、第2、第3および第4作動ワイヤ
20:操作部
21、22、23、24:第1、第2、第3および第4連結ワイヤ
28、29:上・下部操作つまみ
100:第1着脱モジュール
110、120、130、140:第1、第2、第3および第4ラックギヤ
150、160:第1、第2ピニオンギヤ
170:ギヤ軸
180:第1モジュール本体
200:第2着脱モジュール
300:屈曲制御部
310:第1調節部
311、312:第1、第2制御軸
313、314:第1、第2ストッパ
315、316:上部第1、第2固定ブロック
320:第2調節部
321、322:第3、第4制御軸
323、324:第3、第4ストッパ
325、326:下部第1、第2固定ブロック
L:移動制限距離
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9