【文献】
石澤伸、他,診断の進歩 9.バーチャルスライドとその有用性,Annual Review 呼吸器,2009年,2009,211-219
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サーバー出力インターフェースは、前記サーバー記憶ユニットによって記憶されているデータの少なくとも一部を、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、請求項1記載のサーバー。
前記サーバー処理ユニットは、前記要求の際に、選択されたタイルが前記デジタル画像の前記関心領域に対応する一体的な領域をなすよう、前記複数の記憶されたデジタル・タイルのうちある最小数のタイルを、選択されたタイルとして決定するよう構成されており;
前記サーバー出力インターフェースは、前記選択されたタイルおよび/または前記吸収頻度ベクトルを、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、
請求項1または5記載のサーバー。
前記サーバー処理ユニットは、前記要求の際に、選択されたタイルが前記デジタル画像の前記関心領域に対応する一体的な領域をなすよう、前記複数の記憶されたデジタル・タイルのうちある最小数のタイルを、選択されたタイルとして決定するよう構成されており;
前記サーバー入力インターフェースは、各染色物質について、前記関心領域についての吸収閾値を受け取るよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、前記要求に際し、前記選択されたタイルの記憶されている吸収頻度ベクトルのエントリーであって、その関係した吸収レベルがそれぞれ関係した吸収閾値より大きいものを、選択されたエントリーとして選択するよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、前記要求に際して、前記関心領域における染色を特徴付けるスコアを、前記選択されたタイルの記憶されている吸収頻度ベクトルの前記選択されたエントリーおよび/またはすべてのエントリーの関数として計算するよう構成されており;
前記サーバー出力インターフェースは、該スコアを、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、
請求項1または5記載のサーバー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
生体物質のスライスのデジタル画像の関心領域に関係したデータの応答性(responsiveness)を容易にする必要があるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれている。
【0010】
本発明の第一の側面によれば、サーバー入力インターフェース、サーバー処理ユニット、サーバー記憶ユニットおよびサーバー出力インターフェースを有するサーバーが提供される。サーバー入力インターフェースは、生体物質のスライスのデジタル画像を受け取るよう構成される。生体物質のスライスは少なくとも一つの染色物質を加えられている。サーバー処理ユニットは、デジタル画像の各ピクセルを分類するよう構成される。ここで、ピクセルの色属性がそれぞれの染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内である場合に、ピクセルは、各染色物質について、染色されているとして分類される。サーバー記憶ユニットは、デジタル画像およびデジタル画像のピクセルの分類を記憶するよう構成される。サーバー入力インターフェースは、クライアントからデジタル画像の関心領域を示す要求を受け取るよう構成される。サーバー出力インターフェースは、記憶された分類および/または関心領域における諸ピクセルの分類に関係した他のデータを、クライアントに提供するよう構成される。
【0011】
結果として、分類は、要求より前に実行および/または完了することができる。要求が発生した場合に、関連するデータ、特に記憶されている分類が、要求の時点またはその後にこれらを計算する必要なしに、効率的に提供されうる。デジタル画像の各ピクセルが分類されているので、デジタル画像の任意の関心領域に関係したデータの利用可能性が満たされる。よって、デジタル画像の関心領域の選択に関わりなく、特に関心領域における、ピクセルの分類に関係した関連するデータが、要求に応えて提供されうる。関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータのこの高い利用可能性のため、サーバーは、高い応答性を有する。関連するデータを要求したことがありうるクライアントは、要求したデータをすぐに提供されることがあり、よって、クライアント・サイトでのパフォーマンスが向上されうる。
【0012】
一例では、サーバーは、コンピュータまたはコンピュータ・システムに関係していてもよい。
【0013】
一例では、用語「スライス」は、薄い、特に約3ないし10μmのスライスの形の生体試料物質からの切り出しに関する。
【0014】
一例では、用語「染色物質」は、生体物質、特に生体物質のスライスにおいて、コントラストを向上させるおよび/または構造をハイライトすることを可能にされた物質に関する。
【0015】
一例では、用語「染色物質」は、生体物質、特に生体物質のスライスにおいて、構造および/または分子に蛍光により標識付けすることを可能にされた、蛍光染色物質とも呼ばれる蛍光物質にも関しうる。
【0016】
一例では、ヘマトキシリン(H)、エオシン(E)またはヘマトキシリンとエオシンの組み合わせ(H&E)がスライスを染色するための染色物質として用いられてもよい。
【0017】
一例では、生体蛍光染料、免疫蛍光法および/または蛍光タンパク質が、スライスを染色するための染色物質として用いられてもよい。
【0018】
一例では、スライスを染色することで、たとえば細胞、組織および相互接続部の間の、特に筋繊維、結合組織、赤血球および/または個々の細胞内の細胞小器官の間の区別が可能になる。
【0019】
一例では、生体物質のスライスは、二つ以上の染色物質を加えられることができる。たとえば、スライスは、第一の染色物質および第二の染色物質を加えられてもよい。第一の染色物質は染色物質と呼ばれることができ、第二の染色物質は対比染色物質と呼ばれることができる。
【0020】
一例では、スライスのデジタル画像は、複数のピクセルを有する。たとえば、デジタル画像は100,000より多くのピクセルを含んでいてもよい。
【0021】
一例では、スライスの染色は、その色属性を変化させうる。よってこれは、デジタル画像の色属性に影響をもつ。色属性が、蛍光属性にも関係しうることは理解されるべきである。したがって、デジタル画像の各ピクセルの色属性は、それぞれのピクセルが、前記少なくとも一つの染色物質を加えられた前記スライスの小領域を示すかどうかを分類するために、使用されてもよい。一例では、デジタル画像のピクセルの分類は、ピクセルの色属性が染色物質固有の属性範囲であるかどうかの判定に関する。属性範囲は、特に前記少なくとも一つの染色物質のそれぞれについて、あらかじめ定義されることができる。よって、各染色物質について、特定のあらかじめ定義された属性範囲が提供されることができる。
【0022】
一例では、ピクセルの色相は、それぞれのピクセルの色属性をなす。
【0023】
一例では、属性範囲は、色帯(color-band)によって形成されてもよい。
【0024】
一例では、染色物質の吸収が、生体物質の構造および/または分子に染色物質の少なくとも一部を結合させることに関係していてもよい。たとえば、染色物質としての蛍光染色物質は、生体物質の特定の分子に結合しうる。染色物質についてのもう一つの例としてのヘマトキシリンは、生体物質の酸をもつ特定の塩に結合しうる。
【0025】
一例では、生体物質のスライスは、加えられた染色物質を少なくとも部分的に吸収する。染色物質の吸収があると、吸収が起こったところでスライスの色相が変わることがある。さらに、色相変化の度合いは、染色物質の吸収の度合いに依存しうる。よって、色帯は、特定の染色物質の吸収を示しうる。このように、異なる染色物質は異なる色帯に関係しうる。
【0026】
一例では、デジタル画像の各ピクセルを分類し、ピクセルが各染色物質について染色されていると分類される結果、デジタル画像のピクセルの分類が得られる。分類結果のことを、デジタル画像のピクセルの「分類」ということがある。
【0027】
一例では、サーバー入力インターフェースは、クライアントからデジタル画像の関心領域を示す要求を受け取る。
【0028】
一例では、クライアントは、コンピュータ、コンピュータ・システムおよび/またはソフトウェア・ユニットに関する。クライアントは、コンピュータ・ネットワークを介してサーバーにアクセスするよう構成されていてもよい。
【0029】
一例では、関心領域(ROI)は、たとえばクライアントのユーザー、好ましくは病理医によれば前記スライスの重要な部分でありうる前記スライスの対応する領域を示しうる、前記デジタル画像の領域に関する。その部分についてはさらなる分析または計算が実行されるべきである。この計算は、関心領域の染色を特徴付けるスコアの計算を含んでいてもよい。
【0030】
一例では、要求はデジタル画像の任意の領域を示しうる。それぞれのピクセルが分類されており、分類結果が記憶されているので、サーバーは、関心領域に関係した分類結果をすぐにクライアントに提供するよう構成されることができる。関心領域に関係した分類結果は、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータであってもよい。
【0031】
一例では、用語「関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータ」は、関心領域におけるピクセルの分類の結果に基づいて――直接または間接に――計算されたデータに関する。好ましくは、計算は、クライアントの要求に先立って実行されている。この場合、データは事前に計算および/または事前に処理される。
【0032】
一例では、用語「関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータ」は「関心領域に関係したデータ」とも称されうる。
【0033】
結果として、関心領域に関する事前処理されたデータは、サーバーからクライアントに、高い応答性をもって、さらなる目的のために提供されうる。クライアント・サイトにいる病理医は、デジタル画像のコピーの上で関心領域を手動で指示してもよい。サーバー・サイトにおけるある種の染色に基づく分類結果の利用可能性と、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータ、特に関心領域におけるピクセルの分類をすぐにクライアントに提供できるサーバーの構成とにより、さらなる計算のための、特にスコアを計算するための、クライアントにおける処理時間が短縮される。よって、クライアントは、クライアントのユーザーに、より高いパフォーマンスを提供することができる。
【0034】
本発明の例示的実施形態によれば、サーバー出力インターフェースは、サーバー記憶ユニットによって記憶されたデータの少なくとも一部を、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、クライアントに提供するよう構成される。
【0035】
一例では、サーバー記憶ユニットによって記憶されている分類が、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして提供される。結果として、それぞれ関心領域におけるピクセルの分類と直接または間接の関係をもつ事前計算された分類または記憶された他のデータは、要求後すぐにクライアントに提供されうる。クライアントは必ずしも、そのような計算のための、たとえばデジタル画像の各ピクセルの分類を計算するための処理パワーを必要としない。このように、クライアントによってクライアントのユーザーに提供されるパフォーマンスが向上させられる。
【0036】
本発明の例示的実施形態によれば、サーバー処理ユニットは、デジタル画像の各ピクセルにおいて、各染色物質について、当該ピクセルの色属性に基づく吸収値を計算するよう構成される。
【0037】
本発明の例示的実施形態によれば、サーバー処理ユニットは、複数のデジタル・タイルを決定するよう構成される。各タイルはデジタル画像の全領域の部分領域にある諸ピクセルに関連付けられていて、デジタル画像のピクセルの大半の各ピクセルは、少なくとも二つのタイルに関連付けられる。サーバー処理ユニットは、デジタル画像の各ピクセルの前記少なくとも一つの吸収値を、あらかじめ定義された数の吸収レベルのうちの一つに量子化するよう構成される。サーバー処理ユニットは、各タイルについて、各染色物質についての吸収頻度ベクトルを計算するよう構成される。ここで、吸収頻度ベクトルは、各吸収レベルについて、それぞれの染色物質について、当該吸収レベルにおける前記タイルの染色されたピクセルの数を示すエントリーを含む。サーバー記憶ユニットは、デジタル・タイルおよび/または吸収頻度ベクトルを記憶するよう構成される。
【0038】
一例では、各タイルは、デジタル画像のデジタル部分画像に対応する。
【0039】
一例では、隣接するタイルが重なり合ってもよく、その場合、それらはデジタル画像のピクセルの共通の集合に関連付けられる。
【0040】
一例では、吸収値は、前記吸収レベルに対応する値をなすよう量子化される。吸収レベルの数は限られており、サーバー処理ユニットによって実行されるべき前記さらなる諸段階のための処理努力が軽減できる。
【0041】
一例では、二つ以上の染色物質が生体物質のスライスに加えられている。よって、スライスのデジタル画像の部分領域に関連付けられたデジタル・タイルは、第一の染色物質によって染色されるところにより分類されたピクセルと、また第二の染色物質を用いて染色されるところにより分類されたピクセルなどとを含んでいてもよい。よって、各タイルについて、それぞれの染色物質について、吸収頻度ベクトルが計算できる。
【0042】
一例では、各吸収頻度ベクトルは染色物質の一つに関係する。吸収頻度ベクトルの各エントリーは、対応する吸収レベルにおける、染色物質固有の染色されたピクセルの数に関係していてもよい。各タイルについて、二つ以上の吸収頻度ベクトルが提供されることができる。特に、生体物質のスライスに加えられた可能性がある染色物質と同数の吸収頻度ベクトルがあってもよい。頻度ベクトルのエントリー数は好ましくは、吸収レベルの数に対応する。
【0043】
一例では、頻度ベクトルのエントリーは、当該頻度ベクトルが関係するタイルにおける、関連する染色物質を用いて分類されたピクセルの数に関する。
【0044】
結果として、吸収頻度ベクトルは、種々の吸収レベルに分類されたピクセルに固有の、それぞれの染色物質の分布頻度を与える。このように、吸収頻度ベクトルは、該吸収頻度ベクトルが関係するタイルに対応するデジタル画像の部分領域における、染色物質の分布についてのコンパクトな表現を有する。
【0045】
一例では、サーバー処理ユニットは、特定の関心領域に関係したデータの要求より前に、前記吸収頻度ベクトルを計算するよう構成されていてもよい。このように、吸収頻度ベクトルの計算は、クライアントが関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求を送りうる前に、完了されることができる。こうして、要求が行なわれるときは、関心領域におけるピクセルの分類に関係した関連データがすぐに提供されることができる。
【0046】
一例では、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータは、吸収頻度ベクトルに、特に吸収頻度ベクトルの部分集合に関係していてもよい。このように、要求に応答して、吸収頻度ベクトル、特にその部分集合が初期にクライアントに提供されることができる。この初期応答は、クライアント・サイトにおけるユーザーに提供されるパフォーマンスを向上させる。
【0047】
本発明の例示的実施形態によれば、サーバー処理ユニットは、前記複数のタイルを、四分木構造および/または一体的画像構造において決定するよう構成される。
【0048】
一例では、異なる四分木構造レベルにおけるタイルは異なるサイズを有していてもよく、および/またはデジタル画像の異なるサイズの部分領域に関連付けられる。
【0049】
一例では、異なる四分木構造レベルのタイルは重なり合ってもよい。よって、異なる四分木構造レベルにおけるタイルによって、冗長な情報が提供されることがある。
【0050】
本発明のある例示的実施形態によれば、サーバー処理ユニットは、前記要求の際に、選択されたタイルがデジタル画像の関心領域に対応する一体的な領域をなすよう、前記複数の記憶されたデジタル・タイルのある最小数のタイルを選択されたタイルとして決定するよう構成される。サーバー入力インターフェースは、それぞれの染色物質について、関心領域についての吸収閾値を受け取るよう構成される。サーバー処理ユニットは、前記要求に際して、選択されたタイルの記憶されている吸収頻度ベクトルのエントリーを選択されたエントリーとして選択するよう構成され、その関係した吸収レベルはそれぞれ、関係した吸収閾値より大きい。サーバー処理ユニットは、前記要求に際して、関心領域における染色を特徴付けるスコアを、選択されたタイルの記憶されている吸収頻度ベクトルの、選択されたエントリーおよび/またはすべてのエントリーの関数として計算するよう構成される。サーバー出力インターフェースは、該スコアを、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、クライアントに提供するよう構成される。
【0051】
一例では、選択された諸タイルは異なるサイズを有していてもよい。
【0052】
一例では、隣接する選択されたタイルは、互いに重なり合ってもよく、互いに完璧に境を接してもよい。
【0053】
一例では、デジタル画像の関心領域の中央領域に関連付けされたタイルは、デジタル画像の関心領域の外縁における別の領域と関連付けられた選択されたタイルよりも大きなサイズを有していてもよい。
【0054】
結果として、関心領域の中心領域は、より少ないがより大きなタイルで覆われてもよい。
【0055】
一例では、選択されたタイルの平均サイズは、可能な限り大きくてもよい。関心領域の一体的な領域をなす最小数のタイルを提供するためである。
【0056】
一例では、吸収閾値は、それより上ならピクセルが関心領域における染色を特徴付けるスコアを計算するために考慮されうるような、ピクセルの吸収レベルについての値または吸収値に関係していてもよい。
【0057】
結果として、吸収閾値は、実際の染色特性および/またはそれぞれのスコアに対する影響がより少ない関心領域のピクセルを無視するよう、好適に選ばれてもよい。
【0058】
一例では、頻度ベクトルの選択されたエントリーは、関係した吸収閾値以上の、関心領域のピクセルの吸収レベルに関係する。関係は、吸収頻度ベクトルが関連付けられている染色物質についてであってもよい。
【0059】
一例では、各染色物質について、関心領域についてスコアが計算されることができる。
【0060】
一例では、すべての染色物質の組み合わせについて、関心領域についてスコアが計算されることができる。
【0061】
一例では、スコアは、ある染色物質を用いての関心領域の染色を特徴付ける。よって、関心領域について、二つ以上のスコア、特にスライスに適用された染色物質と同数のスコアが提供されてもよい。
【0062】
一例では、サーバー出力インターフェースは、前記少なくとも一つのスコアを、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、クライアントに提供するよう構成される。
【0063】
結果として、サーバー処理ユニットは、吸収頻度ベクトルの重要エントリーを識別するために用いられてもよい。ここで、処理ユニットはさらに、吸収頻度ベクトルの識別されたエントリーの関数としてスコアを計算するよう構成されてもよい。それにより、該スコアがクライアントに提供されうる。
【0064】
一例では、サーバー処理ユニットは、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求に先立って、吸収頻度ベクトルを計算するよう構成されてもよい。
【0065】
さらなる例では、サーバー処理ユニットは、前記要求に際して、よって好ましくは前記要求がサーバーによって受信された後に、前記少なくとも一つのスコアを計算するよう構成されてもよい。
【0066】
結果として、サーバー処理ユニットは、サーバーに提供されたある関係した吸収レベルとともに、ある個別の関心領域に従って、前記要求に際して、最後の処理段階を計算するよう構成されてもよい。
【0067】
結果として、サーバーは、前記要求の受領より前に、前記の諸段階の大半を事前処理していてもよい。サーバーは大きな処理パワーをもちうるので、前記少なくとも一つのスコアは、非常に限られた時間内に、計算され、その後クライアントに提供されうる。結果として、サーバーは高い応答性をもつ。
【0068】
本発明の第二の側面によれば、クライアント入力インターフェース、ユーザー・インターフェースおよびクライアント出力インターフェースを有するクライアントが提供される。クライアント入力インターフェースは、少なくとも一つの染色物質を加えられた生体物質のスライスのデジタル画像を受け取るよう構成される。ユーザー・インターフェースは、デジタル画像を表示するよう構成される。ユーザー・インターフェースは、ユーザーから選択信号を受け取り、該選択信号に基づいてデジタル画像の関心領域を選択するよう構成される。クライアント出力インターフェースは、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求を、サーバーに送るよう構成される。クライアント入力インターフェースは、前記要求に際して、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータをサーバーから受け取るよう構成される。
【0069】
一例では、クライアントは、コンピュータ・ユニットまたはソフトウェア・ユニットに関する。クライアントは、コンピュータ・ネットワークを介してサーバーへのアクセスを有していてもよい。
【0070】
一例では、クライアントによって受け取られるデジタル画像は、サーバーによって受け取られるデジタル画像に対応する。よって、それらの画像は同じデジタル画像に関係していてもよい。
【0071】
一例では、ユーザー・インターフェースは、ディスプレイを有していてもよい。特に、ユーザー・インターフェースはタッチスクリーンを有していてもよい。
【0072】
一例では、ユーザー・インターフェースはグラフィカル・ユーザー・インターフェースを有していてもよい。
【0073】
一例では、ユーザー・インターフェースはキーパッドおよび/またはユーザーがユーザー入力を入力できるようにする他の任意のコンピュータ周辺機器から信号を受け取るよう構成される。
【0074】
結果として、ユーザーはクライアントを使って、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求をサーバーに送ることができる。サーバーは、好ましくは、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータを事前計算しており、初期には、応答して、このデータをクライアントに送るよう構成されていてもよい。こうして、クライアント入力インターフェースは、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータを、要求送付後短い遅延で受け取りうる。よって、クライアントは、高いパフォーマンスおよび/または応答性を提供できる。
【0075】
本発明の第三の側面によれば、本発明の第一の側面に基づくサーバーと、本発明の第二の側面に基づく少なくとも一つのクライアントとを有するシステムが提供される。
【0076】
本発明の第四の側面によれば、以下の段階を含む方法が提供される:
a)少なくとも一つの染色物質を加えられている生体物質のスライスのデジタル画像をサーバーにおいて受領する。
b)デジタル画像の各ピクセルを分類する。ピクセルの色属性がそれぞれの染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内である場合に、ピクセルは、各染色物質に関して、染色されているとして分類される。
c)生体物質の前記スライスの同じデジタル画像をクライアントにおいて受領する。
d)ユーザー・インターフェースによって、クライアントにおいて受領されたデジタル画像を表示する。
e)ユーザー・インターフェースを介したユーザーによって提供された選択信号の受領に際して、該選択信号に基づいて、クライアントにおいて、デジタル画像の関心領域を選択する。
f)関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求をクライアントからサーバーに送る。
g)段階b)の分類が、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求をクライアントから受領する前に完了している場合、デジタル画像の関心領域におけるピクセルの分類および/または該分類に関係した他のデータをサーバーからクライアントに送る。
【0077】
一例では、本発明の第三の側面に従ってシステムを制御するためのコンピュータ・プログラム要素であって、サーバー処理ユニットおよび少なくとも一つのクライアント・ユニットによって実行されたときに、本発明の第四の側面に基づく方法を実行するよう適応されているものが提供される。
【0078】
一例では、前記プログラム要素が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。
【0079】
本発明のある側面によれば、クライアント‐サーバー・システムが提供される。クライアントおよびサーバーは、染色物質を加えられている生体物質のスライスの同じデジタル画像を提供される。通例、サーバーは大きな処理パワーをもつ。よって、サーバーは、デジタル画像を事前処理するために使われ、要求の際に事前計算の結果をクライアントに提供する。サーバーは、デジタル画像の各ピクセルを分類するよう構成されたサーバー処理ユニットを有する。ここで、ピクセルの色属性が、スライスにおける当該ピクセルに対応するスポットを、当該染色物質で染色されていると特徴付ける場合に、ピクセルは染色されているとして分類される。ここで、スライスは、当該スポットにおいて染色物質を吸収している。こうして、デジタル画像のすべてのピクセルが分類される。すべてのピクセルの部分集合が、染色されているとして分類される。残りのピクセルは、未定義、染色されていないまたは異なる物質で染色されているとして分類されてもよい。サーバー処理ユニットは、残りのピクセルをそれぞれ分類するよう構成されることができる。
【0080】
さらに、サーバーは、デジタル画像およびピクセルの分類の結果を記憶するサーバー記憶ユニットを有する。分類結果は「ピクセルの分類」と呼ばれる。クライアント・サイトにおけるユーザーが、デジタル画像のある関心領域が、染色されているとして分類されたピクセルを含むかどうかを知りたい場合、クライアントは、ユーザー・インターフェースを介してユーザーの選択信号を受け取るよう構成される。クライアントのクライアント処理ユニットは、デジタル画像の関心領域を決定するよう構成される。こうして、クライアントは、ある関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータをサーバーに要求するよう構成される。サーバーは、デジタル画像の分類および/またはそれに基づくさらなるデータを事前処理しており、よって、初期に、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータをクライアントに提供する用意ができている。よって、サーバーは、該分類結果を、デジタル画像における関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、クライアントに提供できる。クライアントは、受領された分類結果を、好ましくはユーザー・インターフェースのディスプレイを用いて、表示することができる。その結果、ユーザーは、短い時間遅延以内に、デジタル画像の関心領域におけるピクセルが染色されているとして分類されているかどうかを見ることができる。
【0081】
さらに、サーバーは、前記分類および吸収閾値に基づいて、関心領域における染色されているとして分類されているピクセルが、デジタル画像の関心領域の染色を特徴付けるスコアに寄与するかどうかを決定するよう構成されることができる。クライアントは、吸収閾値を適応させるためにユーザーから信号を受け取り、それをサーバーに送るよう構成されることができる。一方、サーバーでは、スコアがしかるべく更新されることができる。サーバーにおいて計算されたスコアは、関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして取られて、クライアントに提供されることができる。こうして、クライアント・ユーザー・インターフェースはスコアを表示しうる。
【0082】
さらに、サーバー処理ユニットは、それぞれあるタイルに関係する、吸収頻度ベクトルを計算してもよい。複数のタイル、よって複数の吸収頻度ベクトルが提供される。前記複数のタイルのそれぞれはデジタル画像のある部分画像に関連付けられる。さらに、タイルは互いに重なり合う。特に、タイルは四分木構造に関係する。したがって、タイルは、種々のレベルにおいて範疇分けされる。ここで、異なるレベルのタイルは互いに重なり合う。同じレベルのタイルは互いに隣り合う。よって、異なるレベルのタイルは、デジタル画像についての冗長な情報を含む。各タイルは複数のピクセルを含む。
【0083】
これらのピクセルの部分集合が、染色されているとして分類されてもよい。それぞれの吸収レベルおよび関係したタイルにおける染色されたピクセルの数に対応する吸収頻度ベクトルについてのエントリーを計算するために、染色されたピクセルの色属性に依存して、染色されたピクセルの量子化が決定されてもよい。吸収レベルは、ベクトルのエントリーの数に制限される。吸収頻度ベクトルはサーバー処理ユニットにおいて事前処理され、サーバー処理ユニットにおいて記憶される。サーバーにおいて、関心領域に関係したデータに対するクライアントからの要求が発生した場合、サーバー処理ユニットは、種々のレベルからある最小数のタイルの群を選択することができる。こうして、関心領域の中心では、より大きなタイルが選択され、一方、関心領域の辺縁では、より小さなタイルが選択される。選択された諸タイルは、関心領域に対応する一体的な画像を形成する。選択された諸タイルについての諸吸収頻度ベクトルが事前処理されているので、関心領域に関係する関連情報がそれぞれの吸収頻度ベクトルによって、クライアントに提供されることができる。クライアントは、タイルの吸収頻度ベクトルのエントリーを、吸収閾値に基づいて選択することができる。たとえば、各吸収頻度ベクトルのエントリーの半分だけが、関心領域についてのスコアをクライアントにおいて計算するために取られてもよい。ここで、スコアは、吸収閾値より大きな吸収値をもつピクセルの染色を特徴付ける。これは、ユーザーが、クライアント・サイトにおいて吸収閾値を更新できるようにし、一方、クライアント処理ユニットのほうは、あらかじめ決定された吸収頻度ベクトルおよび(更新された)吸収閾値に基づいて前記スコアを計算してもよい。このように、スコアの計算の基礎としての吸収頻度ベクトルが吸収レベルの複数の異なる集合について処理済みなので、高いパフォーマンスがクライアントに提供されることができる。
【0084】
本発明のこれらおよび他の側面は、以下の実施形態から明白であり、これを参照することによって明快にされるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0086】
特に断わりのない限り、異なる図面に現われる同一または同様の参照符号は同一または同様の構成要素を示す。
【0087】
図1は、本発明のある実施形態に基づくサーバー10の第一の例を概略的に示している。サーバー10は:サーバー入力インターフェース12、サーバー処理ユニット14、サーバー記憶ユニット16およびサーバー出力インターフェース18を有する。
【0088】
サーバー入力インターフェース12は、生体物質のスライスのデジタル画像20を受け取るよう構成される。生体物質のスライスは少なくとも一つの染色物質を加えられている。
【0089】
サーバー処理ユニット14は、デジタル画像20の各ピクセル24を分類するよう構成される。ここで、ピクセル26の色属性がそれぞれの染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内である場合に、ピクセル26は、染色物質に関して、染色されているとして分類される。
【0090】
サーバー記憶ユニット16は、デジタル画像20およびデジタル画像20のピクセル24の分類を記憶するよう構成される。
【0091】
サーバー入力インターフェース12は、クライアント22から、デジタル画像20の関心領域28を示す要求を受け取るようさらに構成される。
【0092】
サーバー出力インターフェース18は、記憶された分類および/または関心領域28における諸ピクセルの分類に関係した他のデータを、クライアント22に提供するよう構成される。
【0093】
結果として、デジタル画像20のピクセル24の分類は、クライアント22からの要求より前に実行されることができる。よって、サーバー10は、クライアント22からの要求に先立って分類を実行してもよく、その後、デジタル画像20のピクセル24の分類を記憶する。サーバー入力インターフェース12がデジタル画像20の関心領域28を示す要求をクライアント22から受け取る場合、サーバー10は、関心領域28におけるピクセル24の記憶されている分類および/または関心領域28におけるピクセルの分類に関係した他のデータをクライアント22に提供しうる。こうして、関心領域28におけるピクセルの分類および/または該分類に関係した他のデータが、すぐにクライアント22に提供されうる。これは、クライアント・サイトでのパフォーマンスを向上させる。さらに、クライアント22は必ずしも、デジタル画像の各ピクセルを分類できる処理パワーを必要としない。代わりに、サーバー10のサーバー処理ユニット14がしかるべく構成されることができる。
【0094】
一例では、サーバー10はデバイスに、特にコンピュータまたはコンピュータ・システムに関係する。
【0095】
さらなる例では、サーバー10はデバイスの一部に関係する。
【0096】
サーバー入力インターフェース12は、デジタル画像20を受け取るよう構成される。生体物質のスライスのデジタル画像20の例が
図2に概略的に示されている。
【0097】
一例では、デジタル画像20は複数のピクセル24によって形成される。
【0098】
一例では、サーバー入力インターフェース12をサーバー処理ユニット14と接続する第一のデータ接続線30が提供される。よって、サーバー入力インターフェース12は、第一のデータ接続を介して、サーバー処理ユニット14にデジタル画像20を提供しうる。
【0099】
サーバー処理ユニット14は、デジタル画像20の各ピクセル24を分類するよう構成される。
【0100】
デジタル画像20において、
図2に示されるように、デジタル画像20の関心領域28が例示的にマークされている。
【0101】
一例では、関心領域28は、前記スライスのある対応する領域に関係する前記デジタル画像の領域に関係する。それは、たとえば病理医によれば前記スライスの重要な部分であり、その部分について分析が実行されるべきである。特に、スコアが計算されるべきところである。
【0102】
関心領域28は、クライアント22においてユーザーによって手動で指示されたものであってもよい。関心領域28についての情報は、次いで、クライアント22からサーバー入力インターフェース12に送られ、第一のデータ接続30を介してサーバー処理ユニット14に送信されるものであってもよい。
【0103】
デジタル画像20のピクセル24の分類は、
図3に関して例示的に記述される。
【0104】
図3は、デジタル画像20の関心領域28の拡大を示している。
【0105】
図3の関心領域28は、以前に二つの染色物質を加えられた、生体物質のスライスのデジタル画像20の一部を示す。
【0106】
第一の染色物質の適用の結果と第二の染色物質の適用の結果を簡単に区別するために、第一の染色物質によって染色されたとして分類されるデジタル画像20のピクセル24は「染色されている」または「染色されたピクセル」と呼ばれる。第二の染色物質によって染色されたとして分類されるピクセル32は例示的に「対比染色されている」または「対比染色されたピクセル」と呼ばれる。
【0107】
図3は、ピクセル24のいくつかが染色されたピクセル26であり、ピクセル24のいくつかが対比染色されたピクセル32であることを例示的に示している。さらなるピクセルが背景にあり、それらは異なる染色をよりよく理解できるよう示されていない。
【0108】
第一の染色物質に関し、染色されたピクセル26だけが、第一の染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内の色属性をもつ。さらに、対比染色されたピクセル32は、第二の染色物質の吸収を示す異なるあらかじめ定義された属性範囲内の色属性を有する。よって、サーバー処理ユニット14は、しかるべくピクセル24を分類するよう構成される。
【0109】
一例では、第一の染色物質は第一の色、たとえば茶色であってもよい。
【0110】
一例では、第二の染色物質は異なる第二の色、たとえば青であってもよい。
【0111】
異なる色をもつ染色物質が生体物質のスライスに加えられた一例では、それらの染色物質の少なくとも一方が吸収されたところで、ピクセルは、スライスにおけるその位置を示すことができる。よって、スライスは、それぞれの位置においては、主としてそれらの染色物質の色の一方であり、たとえば主として茶色または主として青である。
【0112】
一例では、デジタル画像20のピクセル24を分類するために、いわゆるプレウーシル(Preucil)極プロット領域を使うことができる。デジタル画像20における位置(x,y)におけるピクセルは、次のように分類されてもよい。
C
x,y=染色 (r
x,y≧g
x,yかつg
x,y≧b
x,y)または(r
x,y≧b
x,yかつb
x,y>g
x,y)の場合
対比染色 (b
x,y>g
x,yかつg
x,y>r
x,y)または(b
x,y>r
x,yかつr
x,y≧g
x,y)の場合
未定義 それ以外の場合
ここで、
C
x,yは位置(x,y)におけるピクセルの分類結果に関係し、
r
x,yは位置(x,y)におけるピクセルの赤色成分に関係し、
g
x,yは位置(x,y)におけるピクセルの緑色成分に関係し、
b
x,yは位置(x,y)におけるピクセルの青色成分に関係する。
【0113】
図3において関心領域28について例示的に示されるように、第一の集合のピクセル26は染色されているとして分類され、第二の集合のピクセル32は対比染色されているとして分類されている。染色されたピクセル26および対比染色されたピクセル32の外側のピクセルは、「未定義」として分類されてもよく、および/または無視されてもよい。
【0114】
一般には、生体物質のスライスは、三つ以上の染色物質を、あるいは複数の染色物質を加えられることができる。
【0115】
一例では、生体物質のスライスは、一つの染色物質を加えられてもよい。この場合、ピクセル24の分類は次式に関係してもよい。
C
x,y=染色 (r
x,y≧g
x,yかつg
x,y≧b
x,y)または(r
x,y≧b
x,yかつb
x,y>g
x,y)の場合
未定義 それ以外の場合。
【0116】
一例では、サーバー処理ユニット14は、サーバー入力インターフェース12がデジタル画像20を受け取った直後に、デジタル画像20の各ピクセル24を分類するよう構成される。
【0117】
結果として、デジタル画像20のピクセル24は、ピクセル24の分類結果が必要とされる前に、分類されうる。
【0118】
サーバー記憶ユニット16は、デジタル画像およびデジタル画像20のピクセル24の分類を記憶するよう構成される。
【0119】
結果として、サーバー記憶ユニット16は、それぞれのデータが要求されるときはいつでも、デジタル画像20のピクセル24の分類を提供することができる。
【0120】
クライアントからのデジタル画像20の関心領域28を示しての前記要求の際、サーバー出力インターフェース18はデジタル画像20の関心領域28のピクセル24の記憶されている分類をクライアント22に提供するよう構成される。さらに、あるいはその代わりに、サーバー出力インターフェース28は、デジタル画像20の関心領域28におけるピクセルの分類に関係した他のデータをクライアント22に提供するよう構成されてもよい。
【0121】
結果として、デジタル画像20の関心領域28を示す受領された要求はすぐに応えられることができる。要求されたデータが事前処理されてサーバー記憶ユニット14に記憶されていたからである。
【0122】
一例では、サーバー処理ユニット14は第二のデータ接続34を介してサーバー記憶ユニット16と接続される。よって、サーバー処理ユニット14はデータ、たとえばデジタル画像20のピクセル24の分類をサーバー記憶ユニット16に送ることができる。さらなる例では、サーバー処理ユニット14は、サーバー記憶ユニット16から第二のデータ接続34を介してデータ、たとえばデジタル画像20のピクセル24の分類を取得してもよい。
【0123】
さらなる例では、サーバー処理ユニット14およびサーバー出力インターフェース18を接続するために第三のデータ接続36が提供される。
【0124】
一例では、サーバー処理ユニット14は、サーバー記憶ユニット16から取得されたデータを、第三のデータ接続36を介してサーバー出力インターフェース18に提供するよう構成されてもよい。
【0125】
一例では、サーバー出力インターフェース18がサーバー記憶ユニット16からデータを取得できるようにするために第四のデータ接続38が提供される。
【0126】
さらなる例では、第三のデータ接続36は、制御信号を、サーバー処理ユニット14からサーバー出力インターフェース18に送信するよう構成されてもよい。たとえば、サーバー出力インターフェース18は、サーバー記憶ユニット16から第四のデータ接続38を介してデータを取得するよう、サーバー処理ユニット14によって制御されてもよい。
【0127】
さらなる例によれば、サーバー出力インターフェース18は、サーバー記憶ユニット16によって記憶されたデータの少なくとも一部を、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成される。
【0128】
一例では、デジタル画像20の関心領域におけるピクセル24の分類結果が、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供されてもよい。
【0129】
結果として、サーバー出力インターフェース18によってクライアント22に提供されるデータの量が、特にデジタル画像20の関心領域に28に関して最も重要なデータに、制限されることができる。
【0130】
さらなる例によれば、サーバー処理ユニット14は、各染色物質について、デジタル画像20の各ピクセル24において、当該ピクセル24の色属性に基づいて吸収値a
x,yを計算するよう構成される。
【0131】
一例では、ピクセルについての吸収値は、好ましくは、当該ピクセルの対応する位置においてスライスによって吸収された染色物質の量に関係する。
【0132】
一例では、スライスにおけるスポットが、染色物質が吸収される場合、染色物質に関してその色を変える。よって、ピクセルの色属性は、デジタル画像20のそれぞれのピクセル24についての吸収値を計算するために適用されてもよい。
【0133】
一例では、デジタル画像20における位置(x,y)におけるピクセル24についての吸収値a
x,yは
a
x,y=255−(r
x,y+g
x,y+b
x,y)/3
として計算されてもよい。
【0134】
結果として、吸収値a
x,yは、各ピクセル24について、それぞれの染色物質とは独立に計算されうる。好ましくは、上記と同じ公式が、たとえば第一の染色物質および第二の染色物質について使われてもよい。
【0135】
上記で示した公式は、所与のピクセル24において染色または対比染色のみが存在し、特に両方が同時には存在しない場合にのみ有効でありうる近似でありうる。吸収値a
x,yを計算するための上記で示した公式は、非常に初歩的な近似でありうる。ピクセル24についての吸収値a
x,yを計算するための、より洗練された公式が、現状技術において提供されることがありうる。
【0136】
一例では、サーバー出力ユニット18は、吸収値a
x,yを関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成される。
【0137】
さらなる例によれば、サーバー入力インターフェース12は、それぞれの染色物質について、関心領域28についての吸収閾値a
thを受け取るよう構成される。サーバー処理ユニット14は、関心領域28における染色され分類されたピクセル26のうち、少なくとも一つの染色物質について、関係した吸収閾値a
thより大きい吸収値a
x,yをもつピクセルを、染色された選択されたピクセル26aとして選択するよう構成される。
【0138】
サーバー記憶ユニット16は、染色された選択されたピクセル26aおよび/または染色され選択されたピクセル26aの吸収値a
x,yを記憶するよう構成される。
【0139】
図4は、デジタル画像20の関心領域28のさらなる例を例示的に示している。関心領域28において、複数のピクセルが染色されたピクセル26として分類されている。関心領域28におけるピクセルのさらなる複数が対比染色されたピクセル32として分類されている。
【0140】
一例では、染色されたピクセル26および対比染色されたピクセル32それぞれの色属性、特に色相は、吸収された(対比)染色物質の量に依存する。たとえば、第一の染色物質について、染色されたピクセル26の群は、それらの色強度において異なる。よって、(対比)染色されたピクセル26、32は、みな(対比)染色されたピクセル26、32として分類されているものの、異なる吸収値に関連付けられる。
【0141】
実際的な応用では、関心領域28の染色されたピクセル26のうち、吸収値があらかじめ定義された吸収閾値a
thより大きい部分集合のみを考える場合に、関心領域における染色についての有意性を増すことができることが見出された。たとえば、
図4に関し、好ましくは、暗く染色されたピクセル26aだけがさらなる目的のために考慮される。ピクセル26、32の暗さは、ハッチの線間の距離によって示されるはずである。
【0142】
それぞれの吸収閾値a
thより大きい吸収値をもつ染色された選択されたピクセル26aが
図5に示されている。同様に、暗い染色されたピクセル32だけが
図5に示されている。
【0143】
一例では、
図5に例示的に示されるような染色された選択されたピクセル26aだけが、スライス20の染色に基づくスコアに有意に寄与する。
【0144】
一例では、サーバー出力インターフェース16は、記憶された(対比)染色された選択されたピクセル26a、32aおよび/または(対比)染色された選択されたピクセル26a、32aの記憶された吸収値a
x,yを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成される。
【0145】
結果として、(対比)染色された選択されたピクセル26a、32aおよび/または(対比)染色された選択されたピクセル26a、32aの吸収値a
x,yの計算は、要求があった際に実行されうる。
【0146】
さらなる例によれば、サーバー処理ユニット14は、前記要求に際して、関心領域28の染色を特徴付けるスコアSを、記憶された染色された選択されたピクセル26aおよび/または染色された選択されたピクセル26aの記憶された吸収値a
x,yの関数として計算するよう構成される。サーバー出力インターフェース18は、スコアSを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成される。
【0147】
図5に例示的に示されるような関心領域28は、第一の染色物質に関する染色された選択されたピクセル26および対比染色された選択されたピクセル32aとも呼ばれる第二の染色物質に関する染色された選択されたピクセル32aを含んでいてもよい。
【0148】
一例では、スコアSは次のように計算されてもよい。
【0149】
【数1】
ここで、
N
S[a]は関心領域28における吸収値a
x,yをもつ染色された(stained)選択されたピクセル26aの数に関し、
N
C[a]は該関心領域の吸収値a
x,yをもつ対比染色された(counter-stained)選択されたピクセル32aの数に関し、
【0151】
上記で与えたスコアSは面積スコア(area score)と称されてもよい。スコアを計算するためのさらなる例は次のように与えられてもよい。
【0152】
【数3】
スコアSを計算するための上記で与えた公式は、強度スコア(intensity score)と呼ばれてもよい。
【0153】
スコアSを計算するために、面積スコアと強度スコアの組み合わせを考えてもよい。
【0154】
一例では、スコアSはN
S[a]およびN
C[a]の関数:
S=f(a,N
S[a],N
C[a])
であってもよい。
【0155】
図2、
図4、
図5に関し、関心領域28および吸収閾値a
thはあらかじめ定義されていてもよい。しかしながら、要求はクライアント22によって変更されてもよく、よって異なる関心領域28および/または異なる吸収閾値a
thがサーバー10に新しい要求として提供されてもよい。
【0156】
本発明の例示的実施形態によれば、サーバー処理ユニット14は複数のデジタル・タイル40を決定するよう構成される。各デジタル・タイルはデジタル画像20の全領域の部分領域におけるピクセル24に関連付けられており、デジタル画像20のピクセル24の大半の各ピクセルは少なくとも二つのタイル40によって関連付けられる。サーバー処理ユニット14は、デジタル画像の各ピクセル24の前記少なくとも一つの吸収値a
x,yを、あらかじめ定義された数kの吸収レベルa
pのうちの一つに量子化するよう構成される。サーバー処理ユニット14は、各タイル40について、各染色物質についての吸収頻度ベクトルNを計算するよう構成される。吸収頻度ベクトルNは、各吸収レベルa
pについて、当該吸収レベルa
pにおけるタイル40の染色されたピクセル26の数をそれぞれの染色物質について示すエントリーを含む。サーバー記憶ユニット16はデジタル・タイル40および/または吸収頻度ベクトルNを記憶するよう構成される。
【0157】
デジタル画像20のサンプル領域42が
図6に示されている。サンプル領域42は四つのタイル40に分割されている。タイル40のそれぞれは、デジタル画像20の部分領域におけるピクセルに関連付けられている。換言すれば、各タイル40はデジタル画像20の部分画像をなしうる。
【0158】
サンプル領域42のさらなる例が
図7に示されている。
図7に示されるサンプル領域42は、好ましくは
図6に示されるサンプル領域42と同じピクセルの部分領域に関連付けられている。換言すれば、
図6および
図7のサンプル領域42はデジタル画像20の同じ部分領域にマッピングされる。
【0159】
図7に示される部分領域42は16個のタイル40に分割されている。
図7の部分領域42のタイル40は、デジタル画像20のピクセルに関連付けられている。
図6と
図7の間の比較で見て取れるように、デジタル画像の同じピクセルが、
図6のサンプル領域42のタイル40によって関連付けられている。
図6の部分領域42のタイル40は
図7に示したタイル40より大きいので、
図6のタイル40はデジタル画像20の一層多くのピクセルと関連付けられている。
【0160】
複数のタイル40に分割されたサンプル領域42のさらなる例が
図8に示されている。
図8のサンプル領域42は
図6および
図7のサンプル領域42に対応する。よって、サンプル領域42は好ましくは、
図6および
図7のサンプル領域42と同じピクセル24のデジタル画像20に関連付けられている。
【0161】
図8から見て取れるように、サンプル領域42は64個のタイル40に分割されている。
【0162】
図6ないし
図8は、タイルについての四分木構造の例を示している。
図6は第一の四分木レベルの例を示し、
図7は第二の四分木レベルを示し、
図8は第三の四分木レベルを示す。サンプル領域42について、タイル40の数は増大する、特に指数関数的に増大する。しかしながら、異なる四分木レベルにおけるサンプル領域42のタイル40は少なくとも部分的にはデジタル画像20の同じピクセル24に関連している。
【0163】
結果として、デジタル画像20のピクセル24の大半の各ピクセルは、特にタイル40が複数の異なる四分木レベルで構造化されるところでは、少なくとも二つのタイル40によって関連付けられている。
【0164】
さらなる結果として、手順は一体的画像技法の使用によって容易にされうる。タイル40は好ましくは長方形の形である。よって、関心領域28の部分領域は、それぞれ相異なる位置(x,y)にある点A、B、C、Dによって定義される長方形の領域に関係しうる。さらに、点A、B、C、Dのそれぞれは、長方形の一体的画像タイルの意味でタイル40の隅の点に関係し、よってそれぞれ一体的画像タイルを形成する。ここで、前記一体的画像タイルは、任意の四分木レベルにおいて上記で説明したようにタイル40から適正に選ばれる。
【0165】
一例では、点A、B、C、Dによって定義される領域のスコアSは次のように計算されうる。
【0166】
【数4】
ここで、
Aは位置(x
A,y
A)に関係し;
Bは位置(x
B,y
B)に関係し;
Cは位置(x
C,y
C)に関係し;
Dは位置(x
D,y
D)に関係し;
I
S[x,y,a]は、デジタル画像20の位置(x,y)の左上の領域における、吸収値aをもつ染色された選択されたピクセル26aの数に関係し;
I
C[x,y,a]は、デジタル画像20の位置(x,y)の左上の領域における、吸収値aをもつ対比染色された選択されたピクセル32aの数に関係する。
【0167】
サーバー10によけるさらなる処理を一層容易にするために、サーバーにおけるさらなる前処理が提供される。
【0168】
ピクセル24の吸収値a
x,yはその値が大きく変わることがありうる。その処理努力を軽減するために、デジタル画像20の各ピクセル24の吸収値a
x,yはサーバー処理ユニット14において、あらかじめ定義されたk個の吸収レベルa
pのうちの一つに量子化されてもよい。よって、可能性としては多数の吸収値a
x,yが、特にk個の吸収レベルa
pによって定義される、小さな集合にマッピングされうる。
【0169】
各タイル40はデジタル画像20の複数のピクセル24に関連付けられる。よって、それぞれのタイル40によって関連付けられるピクセルに関して、種々の吸収レベルa
pの分布があってもよい。
【0170】
タイル40におけるピクセル24の吸収レベルa
pの分布についての情報が、吸収頻度ベクトルNにおいて配置されてもよい。
【0171】
各タイル40について、二つ以上の、特に各染色物質について一つの、吸収頻度ベクトルNが提供されてもよい。
【0172】
一例では、各吸収頻度ベクトルNのエントリーの数は、吸収レベルa
pの数kに対応する。よって、エントリーは、それぞれの染色物質について、関係した吸収レベルa
pにおけるそれぞれのタイルにおける染色されたピクセルの数を示す。
【0173】
換言すれば、一例では、各タイル40について、関係した吸収頻度ベクトルNのエントリーは、種々の吸収レベルa
pにおける、当該タイル40の吸収物質固有の染色されたピクセル24の数、つまりそれぞれの染色物質で染色されたと分類されているピクセル24の数に対応する。
【0174】
たとえば、吸収頻度ベクトルNの第一のエントリーは、第一の吸収レベルa
pに関係する。さらなる例では、タイル40は、第一の吸収レベルa
pに関連付けられた10個のピクセルを含んでいてもよく、よって、このタイル40についての吸収頻度ベクトルNの第一のエントリーは、値10を有していてもよい。吸収頻度ベクトルNのさらなるエントリーは、当該タイル40について同様にして計算される。
【0175】
一例では、サーバー処理ユニット14は、それぞれのタイル40について、各染色物質についての吸収頻度ベクトルNを事前計算するよう構成されてもよい。
【0176】
結果として、吸収頻度ベクトルNの計算は、クライアント22からの要求より前に実行および/または完了されることができる。
【0177】
さらなる結果として、クライアント22からの要求が発生する場合、サーバー10は、上記前処理のおかげで、初期に、関心領域29に関係したデータを提供する用意ができている。これはクライアント・サイトにおけるユーザーにとってのパフォーマンスを向上させる。
【0178】
一例では、サーバー出力インターフェース18は、記憶されたデジタル・タイル40および/または記憶された吸収頻度ベクトルNを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとして提供するよう構成される。
【0179】
本発明の一例によれば、サーバー処理ユニット14は、前記複数のタイル40を、四分木構造および/または一体的画像構造において決定するよう構成される。
【0180】
データを配置するための四分木構造は現状技術において一般に知られている。
【0181】
データを配置するための一体的画像構造も現状技術において一般に知られている。
【0182】
一例では、四分木構造は、少なくとも二つのレベルにおけるタイル40を含む。
図6ないし
図8に関し、異なる四分木レベルにあるタイル40が例示的に記述されている。異なる四分木レベルのタイル40は、デジタル画像20の同じ複数のピクセル24に関連付けられていてもよい。
【0183】
本発明のさらなる例によれば、
図9および
図10に例示的に示されるように、サーバー処理ユニット14は、前記要求に際して、前記複数の記憶されているデジタル・タイル40のある最小数のタイルを選択されたタイル44として決定するよう構成される。選択されたタイル44は、デジタル画像20の関心領域28に対応する一体的な領域をなす。サーバー出力インターフェース18は、選択されたタイル44および/または選択されたタイル44の吸収頻度ベクトルNを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成される。
【0184】
結果として、クライアント22に提供されるデータの量が、特に関心領域28に関して制限されうる。
【0185】
さらなる結果として、選択プロセスはクライアント22において実行される必要はない。代わりに、サーバー処理ユニット14のパフォーマンスが選択されたタイル44の決定のために利用されることができる。このように、クライアント・サイトにおけるユーザーにとってのパフォーマンス向上が提供できる。
【0186】
一例では、一体的画像(integral image)は、デジタル画像20の関心領域28に対応する最小の一体的な領域である。
【0187】
図9はデジタル画像20を例示的に示している。関心領域28をなす部分領域を含むサンプル領域42がデジタル画像20においてマークされている。
【0188】
図10はサンプル領域42を拡大したものを示す。
【0189】
図6ないし
図8に関する説明に関し、サンプル領域42は、異なる四分木レベルにおける異なるサイズをもつタイル40に分割されてもよい。
【0190】
関心領域28内で、選択されたタイル44が示されている。選択されたタイル44は、それぞれの四分木レベルに対応する異なるサイズを含んでいてもよい。
【0191】
関心領域28の中央では、選択されたタイル44はより大きなサイズを有していてもよく、第一の四分木レベルに関係していてもよい。関心領域28の境界に向かう方向で、選択されたタイル44のサイズは減少し、それぞれの選択されたタイル44は、より高い四分木レベルのタイル40に関係する。
【0192】
一例では、選択されたタイル44は異なる四分木レベルから、選択されたタイル44がデジタル画像20の関心領域28に対応する一体的な領域をなすよう、選択される。
【0193】
一例では、関心領域28についてのクライアント22からの要求がサーバー10において現われる場合、サーバー出力インターフェース18は、選択されたタイル44の吸収頻度ベクトルNを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成されてもよい。
【0194】
結果として、クライアント22は、最小限のデータを受け取ることができる。選択されたタイル44は関心領域28に対応する一体的な領域をなす最小数のタイルをなしうるからである。こうして、選択されたタイル44に関係した吸収頻度ベクトルNも、関心領域28に関係する最小数の吸収頻度ベクトルNをなしうる。
【0195】
結果として、クライアント22は、さらなる目的のために、関心領域28に関する、より少ないデータ・セットを処理することができる。これは、クライアント・サイトにおけるパフォーマンスを向上させる。
【0196】
本発明の一例によれば、サーバー処理ユニット14は、前記要求に際して、前記複数の記憶されたデジタル・タイル40のある最小数のタイルを選択されたタイル44として決定し、選択されたタイル44がデジタル画像20の関心領域28に対応する一体的な領域をなすようにするよう構成される。サーバー入力インターフェース12は、各染色物質について、関心領域28についての吸収閾値a
thを受け取るよう構成される。サーバー処理ユニット14は、前記要求に際して、選択されたタイル44の記憶されている吸収頻度ベクトルNのエントリーを選択されたエントリーとして選択するよう構成される。選択されたエントリーにおいて、関係した吸収レベルa
pはそれぞれ関係した吸収閾値a
thより大きい。サーバー処理ユニット14は、前記要求に際して、関心領域28における染色を特徴付けるスコアSを、選択されたタイル44の記憶されている吸収頻度ベクトルNの選択されたエントリーおよび/またはすべてのエントリーの関数として、計算するよう構成される。サーバー出力インターフェース18は、スコアSを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータとしてクライアント22に提供するよう構成される。
【0197】
結果として、サーバー処理ユニット14は、関心領域28におけるピクセルの分類に関係した吸収頻度ベクトルNの重要エントリーを識別するために用いられうる。ここで、処理ユニット14はさらに、吸収頻度ベクトルNの識別されたエントリーの関数として前記スコアSを計算するよう構成されてもよい。
【0198】
一例では、前記複数のデジタル・タイル14の前記決定は、サーバー処理ユニット14によって事前処理され、前記複数のデジタル・タイル14はサーバー記憶ユニット16によって記憶される。よって、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータに対する要求がクライアント22からサーバー入力インターフェース12において受信される場合、サーバー処理ユニット14は、選択されたタイル44がデジタル画像20の関心領域28に対応する一体的な領域をなすよう、関連タイル44を選択する。このように、選択は、サーバー10において、ただし通例高性能のサーバー処理ユニットを用いて、実行されることができる。前記複数のデジタル・タイル40はすでに記憶されているので、選択プロセスは迅速に実行できる。
【0199】
吸収閾値a
thに関しては、上記で説明した吸収閾値a
thに対する説明が参照される。
【0200】
一例では、それぞれの記憶されている吸収頻度ベクトルNは、好ましいk個の吸収レベルa
pに関係するエントリーを含む。しかしながら、関心領域28における染色についての構想されているスコアSに寄与する関連エントリーを選択するよう、吸収閾値a
thに基づいて、記憶されている吸収頻度ベクトルNのエントリーの選択が実行されることができる。よって、吸収閾値a
thを適応させることによって、吸収頻度ベクトルNのエントリーについての寄与が適応されうる。
【0201】
吸収頻度ベクトルがサーバー処理ユニット14によって事前処理されてサーバー記憶ユニット16によって記憶される場合、吸収閾値a
thに関しての記憶されている吸収頻度ベクトルNのエントリーの選択は、サーバー処理ユニット14によって迅速に実行されうる。吸収閾値a
thの適応が、サーバー処理ユニット14に選択されたエントリーを更新することを開始させてもよい。この更新も迅速に実行できる。
【0202】
一例では、すでに上述したように、スコアSは次のように計算されてもよい。
【0203】
【数5】
結果として、サーバー処理ユニット14は、関心領域28に関係したデータに対する、特に関係した吸収閾値a
thを伴った要求がサーバー入力インターフェース12に到達する場合に、最終的な処理段階(単数または複数)を計算するよう構成される。
【0204】
さらなる結果として、サーバー処理ユニット14は、前記スコアを迅速に計算しうる。スコアを計算する基礎になるデータ、特に頻度分布ベクトルNが事前処理されて記憶されているからである。
【0205】
本発明のさらなる側面によれば、クライアント22が提供される。クライアント22は、
図11に例示的に示されている。クライアント22は、クライアント入力インターフェース46、ユーザー・インターフェース48およびクライアント出力インターフェース50を有する。クライアント入力インターフェース46は、少なくとも一つの染色物質を加えられた生体物質のスライスのデジタル画像20を受け取るよう構成される。ユーザー・インターフェース48は、デジタル画像20を表示するよう構成される。ユーザー・インターフェース48は、ユーザーの選択信号を受け取り、該選択信号に基づいてデジタル画像20の関心領域28を選択するよう構成される。クライアント出力インターフェース50は、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータの要求を、サーバー10に送るよう構成される。クライアント入力インターフェース46は、前記要求に際して、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータをサーバー10から受け取るよう構成される。
【0206】
一例では、クライアント22によって受け取られるデジタル画像20は、サーバー10によって受け取られるデジタル画像20に対応する。よって、それらのデジタル画像20は同じデジタル画像20に関係していてもよい。
【0207】
一例では、クライアント入力インターフェース46は、サーバー10から受領されたデータを、データ接続76を介してクライアント22のユーザー・インターフェース48に提供するよう構成されてもよい。
【0208】
本発明の一例によれば、クライアント22のユーザー・インターフェース48は、関心領域28におけるピクセルの分類に関係した受領されたデータを表示するよう構成される。
【0209】
一例では、ユーザー・インターフェース48はグラフィカル・ユーザー・インターフェースを有していてもよい。
【0210】
一例では、ユーザー・インターフェース48はディスプレイを有していてもよい。特に、ユーザー・インターフェースはタッチスクリーンを有していてもよい。
【0211】
一例では、クライアント入力インターフェース48はハードウェア入力インターフェースおよび/またはソフトウェア入力インターフェースである。
【0212】
一例では、ユーザー・インターフェース48は、キーパッド、マウスおよび/またはユーザーがユーザー入力を入力できるようにする他の任意のコンピュータ周辺機器から信号を受け取るよう構成される。
【0213】
一例では、ユーザー・インターフェース48は、データ接続78を介してデータおよび/または要求をクライアント出力インターフェース50に提供するよう構成されてもよい。
【0214】
結果として、ユーザーは、クライアント22を使って、関心領域28に関係したデータの要求をサーバー10に送ることができる。サーバーは、好ましくは、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータを事前計算しており、初期に、応答して、このデータをクライアント22に送るよう構成されていてもよい。こうして、クライアント入力インターフェース48は、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータを、要求送付後短い遅延で受け取りうる。よって、クライアント22は、高いパフォーマンスおよび/または応答性を提供できる。
【0215】
一例では、クライアント出力インターフェース50はハードウェア出力インターフェースおよび/またはソフトウェア出力インターフェースである。一例では、クライアント入力インターフェース46およびクライアント出力インターフェース50はクライアント・インターフェースとして組み合わされる。
【0216】
一例では、クライアント入力インターフェース48は、コンピュータ・ネットワークを介してデータを受け取るよう構成される。
【0217】
一例では、クライアント出力インターフェース50は、コンピュータ・ネットワークを介してデータを送るよう構成される。
【0218】
図12は、ユーザー・インターフェース48によって、特にユーザー・インターフェース48のディスプレイによって表示されることのできる画像表示52を例示的に示している。
【0219】
一例では、画像表示52はデジタル画像20を含む。
【0220】
一例では、関心領域28がデジタル画像20においてハイライトされる。
【0221】
さらなる例では、関心領域28におけるサンプル領域42が、ユーザー・インターフェース48を介して、よってユーザーによって選択されてもよい。
【0222】
一例では、サンプル領域42は、画像表示52の中で拡大されて示される。
【0223】
一例では、拡大されたサンプル領域42において、染色されたピクセル26および対比染色されたピクセル32が示される。
【0224】
さらに、画像表示52において、染色物質(第一の染色)についての吸収閾値a
thstainを示すおよび/または調整するために第一のスライダーが設けられる。
【0225】
一例では、画像表示52において、対比染色物質(第二の染色物質)の吸収閾値a
thcounter-stainを示すおよび/または調整するためにさらなるスライダーが設けられる。
【0226】
吸収閾値a
thstainに関し、染色されたピクセル26のうち有意なピクセルが、染色された選択されたピクセル26aとして選択されることができる。
【0227】
吸収閾値a
thcounter-stainに関し、染色されたピクセル32のうち有意なピクセルが、染色された選択されたピクセル32aとして選択されることができる。
【0228】
それぞれの選択は、画像表示52における(さらなる)サンプル領域42において示されてもよい。このサンプル領域42は、染色された選択されたピクセル26aおよび対比染色された選択されたピクセル32aを示してもよい。
【0229】
一例では、染色された選択されたピクセル26aおよび対比染色された選択されたピクセル32aならびにそれぞれの吸収値a
x,yに基づいて、スコアSが計算されることができる。
【0230】
一例では、スコアSは画像表示52において示されることができる。
【0231】
さらなる例では、画像表示52は、スコアSを計算するための公式を選択するためのチェックボックス54を示す。
【0232】
さらなる例では、画像表示52は更新ボタンを含んでいてもよい。更新ボタンを選択すると、スコアSの更新計算が開始されてもよい。これは、調整された吸収閾値a
thまたはスコアを計算するための公式についての適応された選択を考慮に入れてもよい。
【0233】
一例では、スコアSがサーバー10によってクライアント22に提供される。クライアント22はスコアAをユーザー・インターフェース48を介して表示してもよい。
【0234】
一例では、クライアント入力インターフェース46は、関心領域28におけるピクセル24の分類を、関心領域28に関係したデータの少なくとも一部として、サーバー10から受け取るよう構成される。
【0235】
一例では、画像表示52は、関心領域28におけるピクセル24の分類を示すための領域を有していてもよい。特に、分類は、デジタル画像20においてハイライトされてもよい。
【0236】
一例では、クライアント22はクライアント処理ユニット58を有する。
【0237】
一例では、
図13に例示的に示されるように、クライアント処理ユニット14は、データ接続82を介してクライアント入力インターフェース46に、データ接続80を介してユーザー・インターフェース48に、および/またはデータ接続84を介してユーザー出力インターフェース50に接続されてもよい。
【0238】
結果として、クライアント22は、関心領域28に関係したデータの要求に際して、サーバー10によって提供されるデータに基づいて、後処理段階を実行するよう構成されてもよい。
【0239】
本発明の一例によれば、クライアント22のユーザー・インターフェース48は、ユーザーの検査(inspection)信号を受け取るよう構成される。クライアント処理ユニット58は、検査信号に基づいて、関心領域28におけるサンプル領域42を決定するよう構成される。ユーザー・インターフェース48は、サンプル領域42を、第一の詳細ウィンドーにおいて拡大して表示するよう構成される。ユーザー・インターフェース48は、サンプル領域42のピクセルの分類結果を第二の詳細ウィンドーにおいて表示するよう構成される。
【0240】
結果として、ユーザーは手作業で、第一の詳細ウィンドーにおいてサンプル領域42を手作業で検査するときに、第二の詳細ウィンドーに示される分類が、特に吸収閾値(単数または複数)a
thの現在の設定(単数または複数)について、期待される結果に対応するかどうかを検証できる。
【0241】
本発明のさらなる例によれば、クライアント入力インターフェース48は、それぞれの染色物質について、関心領域28についての吸収閾値a
thを受け取るよう構成される。クライアント出力インターフェース50は、前記少なくとも一つの吸収閾値a
thを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータの要求とともに、サーバー10に送るよう構成される。クライアント入力インターフェース46は、前記要求に際して、サーバー10から、関心領域28における染色された選択されたピクセル26a、32aの吸収値a
x,yを受け取るよう構成される。ここで、染色された選択されたピクセル26a,32aは、染色されていると分類されており、それらの吸収閾値a
thよりも大きな吸収値a
x,yをもつ。クライアント22はクライアント処理ユニット58を有する。クライアント処理ユニット58は、関心領域28の染色を特徴付けるスコアSを、染色された選択されたピクセル26a、32aの吸収値a
x,yの関数として計算するよう構成される。ユーザー・インターフェース48は、スコアSを表示するよう構成される。
【0242】
結果として、最終段階は代わりにクライアント22において、つまりサーバーで事前処理されたデータまたは(サーバー10における)以前に記憶されたデータに基づいて、実行されてもよい。
【0243】
クライアント22の上記で説明した好ましい構成に関し、サーバー10の対応する構成が参照される。同様の特徴およびその説明がクライアント22において実装されてもよい。よって、本発明のサーバー10を参照して与えた説明におけるすべての例をここで繰り返すことなく、記憶されているデータに基づく処理段階はクライアント処理ユニット50によって実行されうることは理解されるべきである。特に、クライアント処理ユニット50は、これらの段階の少なくとも一つを実行するよう構成されてもよい。
【0244】
結果として、スコアSは、クライアント22において、ただしサーバー10によって事前処理されたデータに基づいて、計算されることができる。これは、クライアント22によってユーザーに提供される応答性および/またはパフォーマンスを向上させる。
【0245】
本発明のさらなる例によれば、クライアント入力インターフェース46は、関心領域28についての吸収閾値a
thをそれぞれの染色物質について受け取るよう構成される。クライアント出力インターフェース50は前記少なくとも一つの吸収閾値a
thを、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータの要求とともに、サーバー10に送るよう構成される。クライアント入力インターフェース46は、サーバー10から、関心領域28の選択されたデジタル・タイル44の吸収頻度ベクトルNを受け取るよう構成される。選択されたタイル46は関心領域28に対応する一体的な領域をなす。それぞれの選択されたタイル44およびそれぞれの染色物質について、関連付けられた吸収頻度ベクトルNが提供される。各吸収頻度ベクトルNは、吸収レベルa
pについて、当該吸収レベルa
pにおける当該タイル44の染色されたピクセル26の数を当該染色物質について示すエントリーを含む。クライアント22は、クライアント処理ユニット58を有する。クライアント処理ユニット58は、吸収頻度ベクトルNのエントリーを選択されたエントリーとして選択するよう構成される。その関連付けられた吸収レベルa
pはそれぞれ関係した吸収閾値a
thより大きい。クライアント処理ユニット28は、前記要求に際して、関心領域28における染色を特徴付けるスコアSを、吸収頻度ベクトルNの選択されたエントリーおよび/またはすべてのエントリーの関数として計算するよう構成される。ユーザー・インターフェース48は、スコアSを表示するよう構成される。
【0246】
クライアント22の先に説明した好ましい構成に関し、サーバー10の対応する構成が参照される。同様の特徴およびその説明がクライアント22において実装されてもよい。よって、本発明のサーバー10を参照して与えた説明におけるすべての例をここで繰り返すことなく、記憶されているデータに基づく処理段階はクライアント処理ユニット50によって実行されうることは理解されるべきである。
【0247】
結果として、スコアSは、クライアント10において、ただしサーバー10によって事前処理されたデータに基づいて、計算されることができる。これは、クライアント22によってユーザーに提供される応答性および/またはパフォーマンスを向上させる。
【0248】
結果として、関心領域28および/または吸収閾値a
thが変えられることができ、スコアSはすでに受領されたデータに基づいて再計算されることができる。画像表示52はしかるべく更新されることができる。
【0249】
結果として、事前処理されたデータがサーバー10からクライアント22に一度送信されればよい。たとえ異なる関心領域および/または吸収閾値a
thを用いてでも、該送信されたデータがスコアを計算するための基礎となりうるからである。
【0250】
本発明の第三の側面によれば、システム60が提供される。システム60は
図14に例示的に示されている。システム60は、先の例の一つに基づくサーバーを有する。システム60は、先の例の一つに基づく少なくとも一つのクライアント22をも有する。
【0251】
サーバー10および/またはクライアント22を参照して与えたすべての例および説明をここで繰り返すことなく、本発明のシステムはしかるべく構成されることが意図されていることは理解されるべきである。このように、上記の例および説明は、まずサーバー10および/またはクライアント22を参照して与えたが、システム60によって実装されることも意図されている。これはたとえば、好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアによって達成されることができる。
【0252】
一例では、前記サーバー10と前記少なくとも一つのクライアント22との間のデータ接続86が提供される。データ接続86はデータおよび/または要求を送信するよう構成されてもよい。
【0253】
本発明の第四の側面によれば、方法61が提供される。方法61は
図15に例示的に示されている。方法61は以下の段階を含む。
【0254】
段階a)とも称される第一の受領段階62において、少なくとも一つの染色物質を加えられている生体物質のスライスのデジタル画像がサーバー10において受領される。
【0255】
段階b)とも称される第二の分類段階64において、デジタル画像20の各ピクセル24がサーバー10において分類される。ピクセル24の色属性がそれぞれの染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内である場合に、ピクセル24は、各染色物質に関して、染色されているとして分類される。
【0256】
段階c)とも称される第三の受領段階66では、生体物質の前記スライスの同じデジタル画像20がクライアント22において受領される。
【0257】
段階d)とも称される第四の表示段階68では、クライアント22のユーザー・インターフェース48によって、クライアント22において受領されたデジタル画像22が表示される。
【0258】
段階e)とも称される第五の選択段階70では、ユーザー・インターフェース48を介したユーザーの選択信号の受領に際して、該選択信号に基づいて、クライアント22において、デジタル画像20の関心領域29が選択される。
【0259】
段階f)とも称される第六の送付段階72では、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータの要求がクライアント22からサーバー10に送られる。
【0260】
段階g)とも称される第七の送付段階74では、段階b)の分類が、関心領域28におけるピクセルの分類に関係したデータの要求をクライアント22から受領する前に完了されている場合、デジタル画像20の関心領域28におけるピクセルの分類および/または該分類に関係した他のデータがサーバー10からクライアント22に送られる。
【0261】
一例では、段階a)およびb)の第一グループは、段階c)ないしf)の第二グループの前に、後に、並行して、重なり合って、あるいは他の任意の時間順序で、実行されうる。
【0262】
一例では、第一グループの段階は記載した順序で実行される。
【0263】
一例では、第二グループの段階は記載した順序で実行される。
【0264】
サーバー10およびクライアント22を参照して与えたすべての例および説明をここで繰り返すことなく、本発明の方法61はサーバー10および/またはクライアント22の方法段階をそれぞれ実行するよう形成されることが意図されていることは理解されるべきである。このように、上記の例および説明のすべては、まずサーバー10およびクライアント22をそれぞれ参照して与えたが、方法61によって実装されることも意図されている。
【0265】
本発明のさらなる例によれば、前記サーバー10および前記少なくとも一つのクライアント22によって実行されるときに上記の方法61を実行するよう適応されているコンピュータ・プログラム要素が提供される。
【0266】
本発明のさらなる例によれば、本発明のシステム60によって実行されるときに上記の方法61を実行するよう適応されているコンピュータ・プログラム要素が提供される。
【0267】
本発明のさらなる例によれば、サーバー10および/またはクライアント22によって実行されるときに上記の方法61を実行するよう適応されているプログラム要素が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。
【0268】
本発明のさらなる例によれば、前記システムによって実行されるときに上記の方法61を実行するよう適応されているプログラム要素が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。
【0269】
コンピュータ・プログラムは、他のハードウェアと一緒にまたは他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体または半導体媒体のような好適な媒体上で記憶および/または頒布されてもよいが、インターネットまたは他の有線もしくは無線の遠隔通信システムを介してなど、他の形で頒布されてもよい。
【0270】
本発明の実施形態が種々の主題を参照して記述されていることを注意しておく必要がある。特に、いくつかの実施形態は方法型の請求項を参照して記述され、他の実施形態は装置型の請求項、たとえばサーバー10および/またはクライアント22を参照して記述される。しかしながら、当業者は、上記および下記の記述から、特に断わりのない限り、ある型の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴の間の他の任意の組み合わせも本願で開示されていると考えられることを理解するであろう。しかしながら、特徴の単なる寄せ集め以上の相乗効果を提供するすべての特徴が組み合わされることができる。
【0271】
本発明は図面および以上の記述において詳細に図示され、記述されているが、そのような図示および記述は制約ではなく例解または例示するものと考えられるべきである。本発明は開示されている実施形態に限定されるものではない。開示されている実施形態に対する他の変形が、図面、本開示および付属の請求項の吟味から、特許請求される発明を実施する際に当業者によって理解され、実施されることができる。
【0272】
請求項において、「有する/含む」の語は他の要素やステップを排除するものではない。単数表現は複数を排除するものではない。ある処理ユニットまたは他のユニットが、請求項において記述されているいくつかの項目の機能を充足してもよい。ある種の施策が互いに異なる従属請求項において記載されているというだけの事実が、これらの施策の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。請求項に参照符号があったとしても、範囲を限定するものと解釈するべきではない。
いくつかの態様を記載しておく。
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
・サーバー入力インターフェース;
・サーバー処理ユニット;
・サーバー記憶ユニット;および
・サーバー出力インターフェースを有するサーバーであって、
前記サーバー入力インターフェースは、少なくとも一つの染色物質を加えられた生体物質のスライスのデジタル画像を受け取るよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、前記デジタル画像の各ピクセルを分類するよう構成されており、ここで、ピクセルは、染色物質に関し、そのピクセルの色属性が当該染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内である場合に、染色されているとして分類され;
前記サーバー記憶ユニットは、前記デジタル画像および前記デジタル画像のピクセルの分類を記憶するよう構成されており;
前記サーバー入力インターフェースはさらに、クライアントから前記デジタル画像の関心領域を示す要求を受け取るよう構成されており;
前記サーバー出力インターフェースは、前記関心領域におけるピクセルの記憶されている分類および/または分類に関係した他のデータを、前記クライアントに提供するよう構成されている、
サーバー。
〔態様2〕
前記サーバー出力インターフェースは、前記サーバー記憶ユニットによって記憶されているデータの少なくとも一部を、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、態様1記載のサーバー。
〔態様3〕
前記サーバー処理ユニットは、前記デジタル画像の各ピクセルにおいて、各染色物質について、当該ピクセルの色属性に基づく吸収値ax,yを計算するよう構成されている、態様1または2記載のサーバー。
〔態様4〕
前記サーバー入力インターフェースは、各染色物質について、前記関心領域についての吸収閾値athを受け取るよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、前記関心領域における染色された分類されたピクセルのうち、少なくとも一つの染色物質について、関係した吸収閾値より大きい吸収値をもつピクセルを、染色された選択されたピクセルとして選択するよう構成されており;
前記サーバー記憶ユニットは、前記染色された選択されたピクセルおよび/または前記染色された選択されたピクセルの吸収値を記憶するよう構成されている、
態様3記載のサーバー。
〔態様5〕
前記サーバー処理ユニットは、前記要求に際して、前記関心領域における染色を特徴付けるスコアSを、記憶されている染色された選択された選択されたピクセルおよび/または前記染色された選択されたピクセルの記憶されている吸収値の関数として計算するよう構成されており;
前記サーバー出力インターフェースは、該スコアを、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、
態様4記載のサーバー。
〔態様6〕
前記サーバー処理ユニットは、複数のデジタル・タイルを決定するよう構成されており、各タイルは前記デジタル画像の全領域の部分領域にある諸ピクセルに関連付けられ、前記デジタル画像のピクセルの大半の各ピクセルは、少なくとも二つのタイルに関連付けられ;
前記サーバー処理ユニットは、前記デジタル画像の各ピクセルの前記少なくとも一つの吸収値を、あらかじめ定義された数の吸収レベルapのうちの一つに量子化するよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、各タイルについて、各染色物質についての吸収頻度ベクトルNを計算するよう構成されており、ここで、吸収頻度ベクトルは、各吸収レベルについて、それぞれの染色物質について、当該吸収レベルにおけるそのタイルの染色されたピクセルの数を示すエントリーを含み;
前記サーバー記憶ユニットは、前記デジタル・タイルおよび/または前記吸収頻度ベクトルを記憶するよう構成されている、
態様3記載のサーバー。
〔態様7〕
前記サーバー処理ユニットは、前記複数のタイルを、四分木構造および/または一体的画像構造において決定するよう構成されている、態様6記載のサーバー。
〔態様8〕
前記サーバー処理ユニットは、前記要求の際に、選択されたタイルが前記デジタル画像の前記関心領域に対応する一体的な領域をなすよう、前記複数の記憶されたデジタル・タイルのうちある最小数のタイルを、選択されたタイルとして決定するよう構成されており;
前記サーバー出力インターフェースは、前記選択されたタイルおよび/または前記吸収頻度ベクトルを、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、
態様6または7記載のサーバー。
〔態様9〕
前記サーバー処理ユニットは、前記要求の際に、選択されたタイルが前記デジタル画像の前記関心領域に対応する一体的な領域をなすよう、前記複数の記憶されたデジタル・タイルのうちある最小数のタイルを、選択されたタイルとして決定するよう構成されており;
前記サーバー入力インターフェースは、各染色物質について、前記関心領域についての吸収閾値を受け取るよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、前記要求に際し、前記選択されたタイルの記憶されている吸収頻度ベクトルのエントリーであって、その関係した吸収レベルがそれぞれ関係した吸収閾値より大きいものを、選択されたエントリーとして選択するよう構成されており;
前記サーバー処理ユニットは、前記要求に際して、前記関心領域における染色を特徴付けるスコアを、前記選択されたタイルの記憶されている吸収頻度ベクトルの前記選択されたエントリーおよび/またはすべてのエントリーの関数として計算するよう構成されており;
前記サーバー出力インターフェースは、該スコアを、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータとして、前記クライアントに提供するよう構成されている、
態様6または7記載のサーバー。
〔態様10〕
・クライアント入力インターフェース;
・ユーザー・インターフェース;および
・クライアント出力インターフェースを有するクライアントであって、
前記クライアント入力インターフェースは、少なくとも一つの染色物質を加えられた生体物質のスライスのデジタル画像を受け取るよう構成されており;
前記ユーザー・インターフェースは、前記デジタル画像を表示するよう構成されており;
前記ユーザー・インターフェースは、ユーザーから選択信号を受け取り、該選択信号に基づいて前記デジタル画像の関心領域を選択するよう構成されており;
前記クライアント出力インターフェースは、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求を、サーバーに送るよう構成されており;
前記クライアント入力インターフェースは、前記要求に際して、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータを前記サーバーから受け取るよう構成されている、
クライアント。
〔態様11〕
前記ユーザー・インターフェースが、受け取られた、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータを表示するよう構成されている、態様10記載のクライアント。
〔態様12〕
前記クライアント入力インターフェースが、前記関心領域についての吸収閾値を、各染色物質について受け取るよう構成されており;
前記クライアント出力インターフェースは、前記少なくとも一つの吸収閾値を、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求とともに前記サーバーに送るよう構成されており;
前記クライアント入力インターフェースが、前記要求に際して、前記サーバーから、前記関心領域におけるピクセルのうち染色された選択されたピクセルの吸収値を受け取るよう構成されており、前記染色された選択されたピクセルは、染色されていると分類されており、かつ関係する吸収閾値よりも大きな吸収値を有するものであり;
当該クライアントはクライアント処理ユニットを有しており;
前記クライアント処理ユニットは、前記関心領域の染色を特徴付けるスコアを、前記染色された選択されたピクセルの吸収値の関数として、計算するよう構成されており;
ユーザー・インターフェースは前記スコアを表示するよう構成されている、
態様10または11記載のクライアント。
〔態様13〕
前記クライアント入力インターフェースが、前記関心領域についての吸収閾値を、各染色物質について受け取るよう構成されており;
前記クライアント出力インターフェースは、前記少なくとも一つの吸収閾値を、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求とともに前記サーバーに送るよう構成されており;
前記クライアント入力インターフェースが、前記サーバーから、前記関心領域の選択されたデジタル・タイルの吸収頻度ベクトルを受け取るよう構成されており、前記選択されたタイルは、前記関心領域に対応する一体的な領域をなすものであり、それぞれの選択されたタイルおよび染色物質について、関連付けられた吸収頻度ベクトルは、各吸収レベルについて、当該吸収レベルにおける当該タイルの染色されたピクセルの数を示し;
当該クライアントはクライアント処理ユニットを有しており;
前記クライアント処理ユニットは、前記吸収頻度ベクトルのエントリーであって、その関連付けられた吸収レベルがそれぞれ関係した吸収閾値より大きいものを、選択されたエントリーとして選択するよう構成されており;
前記クライアント処理ユニットは、前記要求に際して、前記関心領域における染色を特徴付けるスコアを、前記吸収頻度ベクトルの前記選択されたエントリーおよび/またはすべてのエントリーの関数として計算するよう構成されており;
前記ユーザー・インターフェースは前記スコアを表示するよう構成されている、
態様10または11記載のクライアント。
〔態様14〕
・態様1ないし9のうちいずれか一項記載のサーバーと;
・態様10ないし13のうちいずれか一項記載の少なくとも一つのクライアントとを有する、
システム。
〔態様15〕
a)サーバーにおいて、少なくとも一つの染色物質を加えられた生体物質のスライスのデジタル画像をサーバーにおいて受領する段階と;
b)前記サーバーにおいて、前記デジタル画像の各ピクセルを分類する段階であって、ピクセルは、各染色物質に関して、そのピクセルの色属性が当該染色物質の吸収を示すあらかじめ定義された属性範囲内である場合に、染色されているとして分類される、段階と;
c)クライアントにおいて、生体物質の前記スライスの同じデジタル画像を受領する段階と;
d)前記クライアントのユーザー・インターフェースによって、前記クライアントにおいて受領されたデジタル画像を表示する段階と;
e)前記ユーザー・インターフェースを介したユーザーによって提供された選択信号の受領に際して、該選択信号に基づいて、前記クライアントにおいて、前記デジタル画像の関心領域を選択する段階と;
f)前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求を前記クライアントから前記サーバーに送る段階と;
g)段階b)の分類が、前記関心領域におけるピクセルの分類に関係したデータの要求を前記クライアントから受領する前に完了している場合、前記デジタル画像の前記関心領域におけるピクセルの分類および/または該分類に関係した他のデータを前記サーバーから前記クライアントに送る段階とを含む、
方法。