(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置が、前記ハウジング内の1つまたは複数の所定の空間領域に対応する1つまたは複数の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の1つまたは複数のパラメータの変化を測定する、請求項1に記載の無線周波数システム。
排気成分を含むハウジングと、前記ハウジングへと広がって無線周波数信号を送受信する1つまたは複数の無線周波数センサーと、制御装置と、を含む、無線周波数システムにおける前記排気成分を監視する方法であって、
前記方法は、
第1の排気成分の変化を監視するための第1の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号のマグニチュード/振幅の変化の測定と、前記第1の排気成分とは異なる第2の排気成分の変化を監視するための前記第1の所定の無線周波数信号範囲とは異なる第2の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の相の変化の測定の両方に基づいて、前記無線周波数信号を制御し、前記排気成分の変化を監視するステップを備える、前記方法。
前記ハウジング内の1つまたは複数の所定の空間領域に対応する1つまたは複数の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数の変化を測定するステップをさらに備える、請求項6に記載の方法。
前記測定の応答時間を減らすために、1つまたは複数の所定の狭い無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数をサンプリングするステップをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【背景技術】
【0005】
例えば、選択的触媒還元(SCR)システム、NOxトラップ、炭化水素トラップ、アンモニアスリップ触媒、酸化触媒、及び三元触媒などのガス状排出物を減らすべく、粒子状物質排出量、または種々の触媒、トラップ及びスクラバーを減らすために、例えば、ガソリン、ディーゼル、天然ガスなどの内燃機関、または例えば、ディーゼル微粒子フィルター(DPF)及びガソリン微粒子フィルター(GPF)などの、例えば排ガス微粒子フィルターなどの種々の排ガス後処理装置を利用する、他の種類の内燃機関の排ガス中の排気成分を監視するために、今日では種々の手段及び方法が使用されている。
【0006】
間接法(予測モデルの利用、またはいわゆる仮想センサー)が、間接的にエンジン排出量を見積もるのに採用されてきた。これらの間接法は、例えばこれらのモデルが典型的に開発され、エンジン特性ならびに運転パラメータ、燃料ならびに潤滑油の種類、劣化の要因、及び安全マージン、及びあらゆるエンジンまたはシステムに普遍的に適用可能ではない場合がある特定の一組の入力条件への同調を要し、このため各最終用途に対してある程度のカスタマイズを要する同類のもの、などを含むがこれらに限定されない、所与の特定の一組の境界条件またはシステム入力が調整されているという事実を含めて多くの欠点に悩まされてきた。
【0007】
例えば、排ガス中の排出物の構成、量、割合、または濃度などのエンジン排出量を正確に見積もるための、これらの既知の一組の運転条件に依存する仮想センサーは、予測モデルの能力外の条件または異常運転によって、本質的に、適切に機能しなかった。
【0008】
また、エンジンが古くなったり、構成部品が摩耗または故障したりすると、エンジンに起こる変化、または触媒が古くなったりあるいは汚染されたりすると、触媒に起こる変化は、予測モデルを利用して動的に捉えることができない。一般的に、システムの耐用年数に関する要件を満たすためにエンジンを新しくする場合、安全係数または劣化係数は、これらの変化を補完するために使用され、一般的に保守的過ぎる総合的な性能のトレードオフがもたらされる。予測モデルの手法はまた、システム性能が想定される安全マージンを超えて低下したかどうかを直接判断するためのフィードバック機構の不足に悩まされている。さらに、特定のエンジン及び応用に対する予測モデルの開発、調整、及び同調に時間と費用がかさんでいる。
【0009】
微粒子フィルターの場合、圧力センサーまたは差圧センサーもまた使用されてきたが、分解能及び反応の不足に悩まされている。特に、排気背圧または微粒子フィルターの差圧の測定は、排気流量、温度、粒子状物質分布、及びフィルター特性(ヒステリシス効果)などを含む、広範な雑音指数に左右される。圧力測定ではまた、排ガス中の粒子状物質の直接測定を提供せず、またエンジンのPM排出率を見積もるのに必要なフィルター上の粒子状物質の蓄積を検出する分解能が不足している。さらに、圧力測定では、例えば、エンジンを切った状態で、再生時、または一時的事象の終了後、例えば低流量(アイドリング)などの全体的な運転条件を信頼できない。したがって、この手法は、連続的な測定を提供しない。
【0010】
圧力センサーの使用はまた一般的に、測定による雑音の影響を減らすために、有意な平均化またはフィルタリングを要する。この信号加算平均またはフィルタリングは、センサーの応答時間を有意に増加させ、これによりいかなる有意義なフィードバック制御アプリケーションにも向かなくなる。
【0011】
煤センサーもまた使用して、排ガス中の煤粒子の濃度を測定してきた。しかしながら、煤センサーの測定範囲は小さいため、このセンサーは高濃度のエンジンの煤排出物により、即座に使用できないセンサーとなる。また、煤センサーは、(微粒子フィルターに関して)排ガス流中の非常に低い煤濃度を測定するためのものであり、高濃度のエンジンの粒子状物質排出量を測定するのに向いていない。さらに、煤センサーは、排ガス流中の一部を監視するたけであるため、排ガス中の全煤濃度の直接測定を提供せず、センサーに近接している(またはセンサーハウジングを流れる)排ガス中の濃度の直接測定のみを提供する。センサーが古くなると、煤センサーの精度はまた、排ガス流速、排気管中の検出要素の位置(センサーが少量の流れのみをサンプリングする場合)、温度、粒子の形態及び構成、ならびにデポジット(灰、触媒/ウォッシュコート粒子)の堆積の影響を受ける。
【0012】
蓄積型煤センサーもまた使用されてきた。しかしながら、これらのセンサーは、連続的な監視ではなく、むしろ測定状態から再生状態までの循環を提供する。再生状態は一般的に検出要素に堆積した煤を全て燃焼させるためにエネルギー入力をさらに要する。センサーはまた、センサーが最も必要とされる場合、例えば冷間始動のような一定条件時にセンサーの運転を許可しない復水保護を要する。蓄積型煤センサーはさらに、排気流中の煤粒子の数または質量ではなく、むしろ一定量の物質が検出要素に堆積するのにかかる時間を直接監視するため、排ガス中の煤濃度の間接指示のみを提供する。煤センサーはまた、耐久性が悪いこと、(例えば灰などの)汚染物質の堆積、ならびに熱衝撃(排ガスまたは凝縮液中の水)に悩まされ、このためセンサーの寿命及び耐用年数を超える精度を制限している。十分な堆積のために必要な期間に続く再生事象を含み、測定可能な反応を引き起こすセンサーの運転の間欠的な性質のため、これらのセンサーはまた、連続的な測定を提供しない。
【0013】
例えば、NOxセンサー、酸素センサー、アンモニアセンサー、及び上記の多くの欠陥にも悩まされているその他の関連するセンサーのような、多数の様々な種類のガスセンサーも使用されている。これらのセンサーの多くは、電気化学セルを使用して測定を行う。これらの種類の検出要素は、壊れやすく、現場で多数の故障モードに悩まされる場合がある。特に、多くのガスセンサーが、とりわけ他の排ガス成分、検出要素付近の局所的なガス速度または流量の変動による誤差、及び温度依存性効果に対する交差感受性に悩まされていることがよく知られている。これらのセンサーはまた、排ガス流の一部のみをサンプリングし、その全体の流れをサンプリングしない。これらのセンサーはまた、燃料、潤滑油、または環境中の汚染物質により汚染される場合がある。別の実施例では、一定条件で使用される場合、センサーは障害を受ける場合がある。これらのセンサーの多くはまた、それらの運転を可能にするために、例えばヒーターからなど、かなりのエネルギー入力を要し、例えば一実施例における空燃比の変化、または別の実施例における冷間始動条件などのあらゆる運転条件において機能しない場合がある。
【0014】
本発明は、排ガス後処理システムを備える排ガス成分の相互作用に基づく無線周波数測定を使用して、エンジンの排気成分の濃度の直接測定、正確な測定、及び高速応答測定を提供し、上記欠陥に直接対処する。
【0015】
本発明はさらに、それ自体がセンサーとしての機能を果たす後処理システム(フィルターまたは触媒)を遠隔的に精査または監視するために、無線周波数信号を送受信するアンテナのみを使用して、排気システムにより単純かつ堅固なインターフェースを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、エンジンの排気成分を監視し、ならびに監視された排出物に基づいてフィードバック制御機能を提供する、無線周波数ベースのシステム及び方法に関する。
【0040】
本開示の目的上、排気成分という用語は、一実施例において、添加剤の使用、または例えば炭化水素添加あるいは尿素添加などの添加を通して、排気システムに導入される粒子状物質成分、または排気成分の場合と同じように、(例えば燃焼のような)上流工程から直接に生じようが生じまいが、任意の固相排出物、液相排出物、または気相排出物を指す。
【0041】
粒子状物質(PM)及び煤という用語は、同義で用いられ、炭素、炭化水素、硫酸塩、灰、または他の物質を含む場合がある粒子状物質の排気成分を指す。しかしながら、本発明は一般に、排気成分の割合を監視することに広範に適用できるが、その場合には、粒子状物質があらゆる種類の固体粒子または液体粒子、あるいはエアロゾルを含むようにより広範に定義される場合があり、排気成分は、任意の他の種類の気相排出物または液相排出物もさらに含む。
【0042】
特定の実施形態では、例えばガソリン微粒子フィルター(GPF)またはディーゼル微粒子フィルター(DPF)のような微粒子フィルターは、多数のオンロード用途またはオフロード用途向けのディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンに取り付けられる場合がある。
【0043】
別の実施形態では、例えば三元触媒(TWC)、酸化触媒、選択的触媒還元(SCR)システム、NOxトラップすなわちLNT、アンモニアスリップ触媒、炭化水素トラップ、またはその他類似の触媒などの触媒が取り付けられる場合がある。その用途には、乗用車、トラック、バス、建設機器、農業機器、発電機、船舶、及び機関車などを含む場合がある。別の実施例では、フィルターは、任意の適切な用途で取り付けられたいかなる種類の適切なフィルターまたは触媒であってもよい。
【0044】
図1は、排ガス後処理アセンブリまたはシステム102を示し、これは、一実施例では、例えば三元触媒、酸化触媒、または選択的触媒還元システムなどの追加の触媒を含む場合も含まない場合もある、ディーゼル微粒子フィルターアセンブリまたはガソリン微粒子フィルターアセンブリである。
【0045】
別の実施例では、システム102は、例えば三元触媒、酸化触媒、選択的触媒還元触媒、またはNOxトラップなどの触媒であり、いかなる種類のフィルターも含まない。
【0046】
さらに別の実施例では、システム102は、例えばフィルター上の酸化触媒、フィルターに塗布されたSCR触媒、フィルターに塗布されたTWC触媒、またはフィルターに塗布された他の任意の触媒などの、フィルターに塗布された1つまたは複数の触媒塗布を含み、いわゆる多機能フィルターを形成する。
【0047】
アセンブリ102は、入口部104、第一のモジュールまたはハウジング106、第二のモジュールまたはハウジング108、及び出口部110から成る場合がある。入口導管114は入口部104に接続され、出口導管116は出口部110に接続される。入口導管及び出口導管114または116はそれぞれ、入口部及び出口部104または110に広がる。入口部及び出口部104及び110、ならびにモジュール106及び108は、例えば、フランジまたはクランプなどを含む、相互接続112を介して接続される。
【0048】
要素118及び120はそれぞれ、モジュールまたはハウジング106及び108の内部に含まれる。2つの要素及びモジュールが示されているが、1つの要素及びモジュールのみを備えたり、2つ以上の要素及びモジュールを備えたり、または単一モジュールの内部に含まれる多数の要素を備えたりといった多数の構成が可能である。一実施形態では、要素118及び120は、触媒、フィルター、膜、またはそれらの何らかの組み合わせである。
【0049】
一実施例では、要素118は、酸化触媒、SCR触媒、LNTまたは三元触媒であり、要素120は、ガソリン微粒子フィルターまたはディーゼル微粒子フィルターである。例えばバッフル、通路、混合板または混合管などの追加要素122は、1つまたは複数の部分またはモジュールの内部に含まれる。一実施形態では、要素122は、バッフルまたは配流板である。別の実施形態では、要素122は、無線周波数のスクリーンまたはメッシュである。要素122が無線周波数のスクリーンまたはメッシュである場合、要素122は、
図1に示すように、アセンブリ102及びモジュール106の上流側か、アセンブリ102及びモジュール108の下流側のどちらか一方、または2つのモジュール106及び108の間に位置することができる。
【0050】
後処理アセンブリ102は、追加の構造、プローブ、センサーあるいはモジュールまたはハウジング106または108、あるいは入口部または出口部104または110の内部に広がる他の要素124、126、128、130、132、または134をさらに備える。一実施形態では、追加の構造124、126、128は温度センサーを備え、追加の構造128または132は酸素センサー、NOxセンサー、煤センサー、アンモニアセンサー、または圧力センサーなどを備える。
【0051】
プローブ134は、堅固であり、かつ過酷な環境問題への応用に適している誘電体導波管、発射機、及び共振器を含む、例えばロッドアンテナ、ループアンテナ、または導波管などの無線周波数測定プローブである。プローブ134は、アセンブリ102の内部に、または任意の周波数帯域(複数可)にわたって、1つまたは複数の共振モードを発生させるのに十分な無線周波数信号を送受信するように構成される。1つまたは複数のプローブ134を使用できる。プローブ134は、例えば、要素118の上流側、要素120の下流側、要素118及び120の間、またはもっと言えば要素118または120の内部などのアセンブリ102のいくつかの位置に位置することができる。多数のプローブ134がアセンブリ102に位置する場合、多数のプローブ134は、同じまたは異なる要素118及び120に位置することができ、要素118及び/または120で発生する工程、及び/またはアセンブリ102あるいはアセンブリ102のある領域によって画定された容積内で発生する工程を監視するように構成される。
【0052】
別の実施形態では、プローブ134は、例えば複合無線周波数プローブ/センサー、及び温度センサーなどを含む、多機能センサーである。プローブ134はまた、例えば温度センサー、圧力センサー、化学センサー、及び/または微粒子センサーなどの多数の集積センサーを含む場合がある。
【0053】
空洞アセンブリ102の無線周波数応答は、モジュール106及び108、入口部及び出口部104及び110、ならびに内部導電要素、プローブ、及びセンサーなど122、124、126、128、130、132、ならびに相互接続112の形状に影響される。
【0054】
相互接続112は、アセンブリ102に対する構造的安定性を維持し、漏れに対してアセンブリ102を密閉し、そしてモジュール106及び108の間に優れた電気接触をもたらす。クランプまたは他の分路要素を使用して、モジュール106及び108の間に優れた電気接触をもたらすことができる。また、要素118及び120の種類、ならびにモジュール106及び108の内部の位置は、それぞれ、無線周波数測定に影響を与える場合がある。プローブ(複数可)134の形状、位置、及び取り付け、ならびに付属ケーブル(不図示)を含む無線周波数制御装置の運転はまた、測定に影響を与える場合がある。
【0055】
メッシュ122は、アセンブリ102と電気接触しており、アセンブリ102の特定の領域に無線周波数信号を遮断または含有するように、アセンブリ102の内部の異なる位置に置かれる場合がある。一実施形態では、メッシュ122は、無線周波数信号を区分けして、フィルターまたは触媒要素120のみを精査するために、要素118及び120の間、または要素120と出口部110の間に置かれる場合がある。メッシュ122は、標準的なバッフル、混合器、または配流板であってもよく、多数の目的を果たす。
【0056】
メッシュ122または他の導電要素を使用して、例えば選択された共振モードを抑制したりまたは強化したりするために、アセンブリ102の内部の電界分布を優先的に制御したり、アセンブリ102の内部の電界分布に影響を与えたりする場合がある。メッシュ122または他の導電要素は、固定されたり、または可変であったりする場合がある。一実施例では、メッシュ122または他の導電要素を使用して、要素118または要素120のどちらかで発生する共振モードを強化させる場合がある。別の実施例では、メッシュ122または他の導電要素を使用して、測定に対する影響または外部変数、あるいは雑音源を減らすために、共振モードを抑制したり、または空洞120の内部の一定領域のみに向かう場を含んだりする場合がある。メッシュまたは導電要素は、複数の目的を果たす場合がある。一実施例では、メッシュまたは導電要素は、無線周波数信号に優先的に影響を与えることに加えて、バッフル、混合器、または配流装置として機能する。
【0057】
無線周波数プローブ134を使用して、アセンブリ102の無線周波数応答を監視する。無線周波数応答は、無線周波数信号のマグニチュード及び/または相から成る場合がある。測定のために利用される周波数帯域は、任意の周波数帯域であってよく、そして空洞102の内部で共振を形成する場合もしない場合もある。
【0058】
一実施例では、周波数帯域は、特定の空間領域または空洞102の内部の高い電界強度の局所的領域に対応する各モードを備える、多数の共振モードを含む場合がある。空洞102の物質の堆積に対する無線周波数応答は、電界が最強である領域に堆積された物質に対して最も敏感である。一実施例では、多数の共振モードを使用して、フィルターまたは触媒の局所的な負荷状態を監視することができる。別の実施例では、多数の共振モードを使用して、確実にフィルターまたは触媒全体の容積をサンプリングしてフィルター負荷の全変化または総変化を判定する場合がある。このように、無線周波数検出システムは、排気流全体及びフィルターまたは触媒との相互作用を監視する。
【0059】
図2は、例えば無線周波数システムによって監視されたエンジン系及び排気システムを備えるプラントを示す。プラントは、例えば化学プラント、食品加工工場、発電所、精製所、蒸留酒製造所などの任意の種類のプラント、または任意の種類のプラントもしくは工程であってもよい。プラントまたは反応器は、流動反応器であってもよく、または回分反応器であってもよい。例えば一実施例におけるエンジン、または別の実施例におけるプラントなどのマシン202は、例えば種々の構成部品及びセンサーに接続される導管206などの出口接続部を有する。マシン202は、例えば排気流、または導管206を通じて方向付けられる他の任意の流れなどの、出力ストリームを発生させる。一実施形態では、導管206は、第一のモジュール208及び第二のモジュール210に接続される。一実施形態では、モジュール208及びモジュール210は、例えば、共振空洞などの空洞であってもよく、または別の実施形態では、導波管であってもよい。
【0060】
特定の一実施形態では、モジュール208は、例えば三元触媒(TWC)、酸化触媒(OC)、選択的触媒還元(SCR)触媒、リーンNOxトラップ(LNT)、または任意の種類の触媒などの触媒要素212、及び例えば微粒子フィルターなどのフィルター要素214などの複数の要素を含む、例えば
図1に示すアセンブリ102などの微粒子フィルターアセンブリであってもよい。
【0061】
一実施形態では、モジュール210は、例えばSCR、LNT、TWC、アンモニア貯蔵、炭化水素トラップ、スクラバー、または任意の他の種類の触媒などの触媒要素216を含む触媒ハウジングである。
【0062】
別の実施形態では、モジュール208または210は存在せず、別の実施形態では、3つ以上のモジュール208及び210が存在する場合がある。モジュール208及び210の各々は、一実施例では、例えば触媒、フィルター、または膜などの1つまたは複数の要素を含み、または別の実施例では、内部要素を含まない場合がある。
【0063】
導管206は、例えばフィルター、触媒、混合器、拡散器、または他の要素などの1つまたは複数の内部要素218を含む。要素218は、導管206の内部の任意の位置に位置することができる。例えばロッドアンテナ、ループアンテナ、導波管、誘電共振器、または他の任意の適切なプローブまたはセンサーなどの、無線周波数信号を送受信するための無線周波数プローブまたはセンサー220、222、224、及び226は、導管206及びモジュール208及び210に取り付けられ、導管206及びモジュール208及び210に広がる。
【0064】
例えば吸気口、燃料経路、オイルライン、冷却水ライン、または他の類似の導管を含む、追加の導管232は、マシン202に接続される。導管232は、プラントまたはマシン202に入口流れを供給する場合がある。導管232は、例えばターボチャージャーまたは過給機を含むターボ機械230を含む。排ガス再循環(EGR)回路234は、排気導管206と入口導管232との間に流体管路を形成する。EGR回路234は、排気流を調整するためのバルブ236または他の適切な流量制御機構、あるいはアクチュエーターを含む。EGR回路234は、高圧または低圧のいずれであっても、内圧または外圧のいずれであってもよく、冷却されてもよい。入口導管232は、吸気流を調整するためのスロットルまたはバルブ228を含む。
【0065】
エンジンの形式の場合、マシン202は、1つまたは複数のシリンダーを含む場合がある。燃料は、燃料供給タンク、ポンプ、及び注入器(不図示)を含む場合がある燃料送達システム238によって、マシン202のシリンダーに供給される場合がある。燃料供給システム238は、制御装置204によって機械的かつ電気的に制御される。
【0066】
図2は、1つの入口導管232及び1つの出口導管206を有するようなマシン202を示すが、マシン202は、多数の入口導管及び出口導管を含む場合も全く含まない場合もある。導管232及び206の各々は、例えば配管システムまたはダクトシステムなどの接続部、通路、及び導管のネットワーク(不図示)、または大きさ及び形状を変化させる相互接続された導管から成るネットワークから成る場合がある。例えば多数のモジュール208、210または218などの追加のモジュールは、入口導管または出口導管に存在する場合も存在しない場合もある。
【0067】
例えば、添加体240などの排気成分添加装置または排気成分注入装置が、マシン202に存在する。一実施形態では、添加体240は、微粒子フィルター208の再生を開始するために使用される注入炭化水素に対する炭化水素の添加体である。別の実施形態では、燃料注入システム238を使用して同じ機能を果たす。別の実施形態では、添加体240は、SCR触媒に尿素またはアンモニアを供給するための尿素の添加体または気体アンモニア注入器であってもよい。添加体240は、排気導管に沿ってどこでも位置付けられることができる。一実施例では、モジュール210がSCR触媒である場合、添加体240は、モジュール208の下流側以外の、モジュール201の上流側の導管206に位置付けられる尿素の添加体であってもよい。別の実施例では、添加体240は、微粒子フィルターの上流側に位置付けられる炭化水素の添加体であってもよい。
【0068】
無線周波数プローブ220、222、224、及び226は、エンジン制御装置204に接続される。単一または多数の制御装置204を使用して全ての無線周波数プローブを監視及び制御することができる。例えば温度センサー、圧力センサー、ガス組成センサー(NOx、PM、酸素、アンモニア)、または他の種類のセンサーなどの図示していない追加のセンサーを使用することができる。これらの補助センサーは、制御装置204、または制御装置204と通信する場合があるが、図示されていない、例えばエンジン制御装置、プラント制御装置、またはプロセス制御装置などの他の制御装置に接続される場合もある。
【0069】
制御装置204は、処理ユニット、及び命令、アルゴリズム、データ、ルックアップテーブル、及び接続されたセンサー及びマシンを制御するのに必要な任意の他の情報を含むコンピュータ可読記憶媒体242を含む。制御装置204はまた、イーサネット(登録商標)、USB、アナログ、CAN、シリアル、または他の何らかの種類の接続、無線接続あるいは電源接続などの通信接続を備える接続部244及び246を含む。接続部246は、プラント制御装置、車両中のエンジン制御装置(ECU)、またはオペレータに制御装置及び潜在的な問題の状態を知らせるために接続される場合がある。
【0070】
制御装置204は、例えば発振器または合成器、ならびに例えばダイオード、電力検出器、または任意の他の種類の検出器などの無線周波数信号を検出するための検出器などの、無線周波数信号を送信するためのハードウェアまたは電子機器を含む。制御装置204は、無線周波数信号を制御、調節、送信、及び監視するための混合器、スプリッター、方向性結合器、開閉器、及び他の構成部品をさらに含む場合がある。別の実施例では、制御装置204は、ネットワーク分析器であっても、またはスペクトル分析器であってもよい。
【0071】
制御装置204は、無線周波数プローブ220、222、224、及び226のいずれかを介して無線周波数信号を送受信及び制御するように構成される。各プローブは、例えば、透過、反射、及び透過または反射を含むマルチポートネットワークなどで、無線周波数信号を送信、受信、または送受信するように独立に制御される場合がある。
【0072】
制御装置204はまた、以下でより詳細に説明するように、無線周波数信号の1つまたは複数のパラメータの変化に基づいて、1つまたは複数の排気成分の変化を監視するように構成される。
【0073】
制御装置204はさらに、無線周波数測定に基づいて、より具体的には無線周波数信号の1つまたは複数のパラメータの変化に基づいて、エンジン、マシン、または排ガス後処理システムの運転を修正するように構成されてもよい。システムの運転に対する修正の例として、故障状態の誘発、または例えば燃料注入、空気の流れ、給気圧、または任意の他のプロセス制御パラメータなどのエンジンの運転の変更が挙げられる。
【0074】
無線周波数信号は、1つまたは複数の共振モードを確立するために周波数帯域に広がる場合があり、または共振モードを含まない周波数帯域に広がる場合があり、または単一の周波数であっても多数の不連続な周波数であってもよい。種々のモジュール208、210、及び導管206は、マイクロ波共振空洞または導波管としての機能を果たす場合があり、または監視された装置の限られた領域をサンプリングするために使用可能な共振器(例えば誘電共振器)を含む場合がある。
【0075】
システムの負荷状態の変化を監視するために、共振曲線、絶対振幅、相対振幅(すなわち、プローブによって送信される電力に正規化される)、相、共振周波数シフト、周波数シフト、または極大値あるいは極小値、または絶対最大値あるいは絶対最小値を含むそれらの導関数、共振時のまたは共振から遠ざかる(例えばノッチなどの)周波数シフト、位相シフト、平均値、線質係数、総計、領域、ピーク幅、または他のパラメータを含む、無線周波数信号は、システムの状態と相関がある場合があり、また制御装置204によって使用される場合がある。
【0076】
システム102及び制御装置204の1つの運転方法では、
図3に示すように、無線周波数信号は、1つまたは複数の共振モードを発生させるのに十分な広い周波数帯域に広がる場合がある。別の実施形態では、例えば
図3の領域(A)、(B)、(C)、及び(D)のように一般的に表される領域などの、広い周波数帯域のうち一定領域のみが、サンプリングされる場合がある。関心領域は、次の基準の1つまたは複数に基づいて、事前に定義されたり、選択されたりする場合がある。すなわち、全共振曲線を監視するよりもむしろ一定の周波数帯域のみをサンプリングすることによる、測定時間の減少(応答性の迅速化);空洞内の様々な空間的位置に対応し得る、特定の周波数帯のみの監視;測定される特定パラメータ(汚染物質/排気成分の種類)に対して敏感である周波数領域のみを含むこと;または関心パラメータとして、例えば単調挙動のような好ましい挙動を示す周波数帯のみの監視、である。
【0077】
広い周波数帯域を使用して説明されているが、その帯域は広くなくてもよい。狭い周波数帯域またはさらに単一の離散周波数もまた、場合によっては使用できる。いくつかの周波数帯域または単一の周波数は、測定特性を改善するために、重み関数またはバイアス関数を用いても用いなくても、単一の測定に使用できる。
【0078】
別の実施形態では、1つまたは複数の狭い周波数帯域を使用してセンサーの応答時間を減らすことができる。狭い周波数帯域を使用すると、特定の周波数帯の間でホッピングが可能となり、これにより測定の速度を増すことができる。狭い周波数帯は、特定の共振モードに対応する場合がある。測定応答時間を増やす他の手段としては、周波数帯域全体を減らすこと、または周波数帯域にわたってサンプリングされたポイント数を減らすことが挙げられる。
【0079】
一実施形態では、特定の共振モードまたはそれに近いモードで、あるいは反共振(谷)で、高解像度の測定を行う。測定を実行するのに必要な時間を減らすことは、より迅速なセンサー応答を可能にするのに望ましいことである。
【0080】
別の実施形態では、例えば
図3の領域(A)及び(B)のような、共振曲線の一部のみを、特定の場合において、共振曲線、またはそれに続く時点でサンプリングされた全曲線の広い範囲でサンプリングする。
【0081】
別の実施形態では、1つまたは複数の送信子によって送信される電力は、測定に利用できる信号を改善するために変化する場合がある。この電力出力の変化は、運転条件によって定義されるであろう。電力出力は、可変電力出力合成器または発振器を使用して、または増幅器、減衰器、または送信される電力を操作する他のある手段を加えることによって可変となる場合がある。
【0082】
無線周波数応答は、無線周波数信号のマグニチュード及び/または相の変化、無線周波数信号の位相、振幅、または周波数から導かれるまたは算出される信号あるいは任意のパラメータの周波数シフトによって特徴づけられる場合がある。
【0083】
図4Aに示すように、排気成分の堆積がないきれいなフィルターまたは触媒と比較して、微粒子フィルター中の排気成分の堆積または貯蔵、あるいは排気成分の触媒との相互作用が、一定の周波数帯域にわたるマグニチュード/振幅応答に与える影響はそれぞれ、2つの共振状態/曲線(A)及び(B)によって示されている。共振状態(A)及び(B)に対する変化は、汚染物質ならびに相互作用または変位する物質または媒体の誘電特性に依存する。
図4Aに示す共振状態の変化は、振幅または周波数に対する変化であってもよい。
【0084】
一実施例では、煤またはアンモニアなどの排気成分の場合、微粒子フィルターまたは触媒上の煤またはアンモニアの堆積はそれぞれ、共振信号の振幅/マグニチュードを減らし、または共振信号の周波数シフトをもたらす場合がある。別の実施例では、灰などの排気成分の場合、微粒子フィルター上の灰の堆積は、振幅には影響を与えず、周波数シフトのみをもたらす場合がある。さらに別の実施例では、三元触媒の酸素の堆積または貯蔵は、反対の挙動を引き起こす場合があり、酸素が存在する場合には振幅を増加させ、酸素が欠乏した状態では、振幅を減少させる。したがって、特定の共振応答は、排ガスまたは排気成分物質の性質、及びフィルターまたは触媒との相互作用に依存することになる。
【0085】
図4Bに示すように、フィルターまたは触媒上の排気成分の堆積はまた、
図4Bの異なる曲線(A)及び(B)によって示されているように、無線周波数信号の相のシフトをもたらす場合がある。監視される相は、絶対的である場合も相対的である場合もある。振幅/マグニチュードを監視することに加えて、またはその代わりに、制御装置204を使用して相を監視することによる1つの長所は、振幅信号が高い微粒子フィルター濃度または高い触媒負荷レベルで、またはシステムの経年劣化あるいは汚染により、飽和状態になる場合があることで、一方、位相シフトが同じ飽和限界に悩まされる場合がなければ、相測定によってより広い運転範囲が提供されることである。
【0086】
一実施例では、RF信号の相及び/またはマグニチュード/振幅は、1つの汚染物質/排気成分を測定するために事前に定義される場合がある1つの周波数帯域で監視される場合があるが、一方、RF信号の相及び/またはマグニチュード/振幅は、別の汚染物質または排気成分の種類を測定するために事前に定義される場合がある別の周波数帯域で監視される場合がある。
【0087】
特定の実施例では、一種の汚染物質または排ガス/排気成分は、RF信号の振幅を使用して監視される場合があり、一方、二番目の種類の汚染物質または排ガス/排気成分は、RF信号の相によって監視される場合がある。
【0088】
さらに特定の実施例では、汚染物質または排ガス/排気成分は、RF信号のマグニチュードまたは相の周波数シフトによって監視される場合がある。
【0089】
別の特定の実施例では、RF信号のマグニチュードの種々の周波数領域を使用して、1つまたは複数の排気成分を監視することができ、この周波数領域には1つの排気成分を監視するために使用されるRF信号のマグニチュードの第1の周波数領域、及び第2の排気成分を監視するために使用されるRF信号のマグニチュードの第2の周波数領域を含む。
【0090】
さらに別の特定の実施例では、RF信号の相の種々の周波数領域を使用して、1つまたは複数の排気成分を監視することができ、この周波数領域には1つの排気成分を監視するために使用されるRF信号の相の第1の周波数領域、及び第2の排気成分を監視するために使用されるRF信号の相の第2の周波数領域を含む。
【0091】
またさらに別の特定の実施例では、種々のRF信号特性を使用して、例えば周波数(シフト)の変化、マグニチュードの変化、またはRF信号の相の変化を監視することなどによって、同じ周波数領域内で2つ以上の排気成分を監視することができる。
【0092】
さらに別の実施例では、監視される汚染物質/排気成分は、固相成分、液相成分、または気相成分であってもよい。別の実施例では、周波数、振幅または相の測定、あるいはそれらから生じるパラメータは、例えば経年状態、時効状態、健全性、または機能性などの触媒、フィルター、または空洞の状態に関する場合がある。
【0093】
測定手法として、マグニチュード/振幅測定、または相測定のいずれかまたは両方の利用を適用して、微粒子フィルター中の排気成分/粒子状物質の濃度を判定するだけでなく、フィルターに堆積するまたはフィルターから離れる、すなわちフィルターから逃れるまたは酸化によるのいずれかの粒子状物質の割合を監視することができる。例えば振幅、周波数、または相などの監視された無線周波数パラメータ、またはそれらから生じるパラメータが任意の周波数帯域にわたって存在してもよい。
【0094】
同様に、測定手法として、マグニチュード測定、または相測定のいずれかまたは両方の利用を適用して、触媒の貯蔵状態を判定するだけでなく、吸着、消費、酸化または他の何らかの手段によって触媒から除去された1つまたは複数の排気成分の割合を監視することができる。マグニチュード及び/または相信号を直接利用することができ、あるいは例えば平均、最大、最小、線質係数(Q)、周波数シフト、位相シフト、積分または時間導関数などから生じるパラメータを算出及び使用して、例えばエンジンの排出率、フィルターまたは触媒の堆積濃度、添加率、あるいは排気成分の排気流(例えば、炭化水素または尿素)への追加、フィルターから失われる粒子状物質の質、または触媒によって消費される、あるいは触媒から失われる他の気種または液種などの排ガスの排出パラメータを判定することができる。
【0095】
無線周波数信号の変化率は、2つ以上の無線周波数信号測定あるいはいくつかの無線周波数信号測定の平均に基づき算出されてもよい。現在の無線周波数信号測定及び過去の無線周波数信号情報に基づき他の算出を採用してもよい。
【0096】
図5A及び
図5Bは、無線周波数信号の監視時における変化率の実施例を提供し、
図5Aは、全微粒子フィルターまたは触媒負荷レベルにおける変化率を示し、
図5Bは、3つの異なる運転体制(A)、(B)、及び(C)に対する導関数を示しており、それぞれ対応する変化率を示す。運転体制(A)及び(C)は、より低濃度の粒子捕集フィルターまたは触媒における排気成分の蓄積を示し、一方運転体制(B)は、比較的高濃度の排気成分の蓄積を示す。
【0097】
例示的な一実施形態では、2つ以上の無線周波数信号測定の間で、フィルターの粒子状物質の負荷レベルまたは触媒貯蔵レベルの変化を算出し、時間(相対的時間の何らかの指示)で割ることができる。結果として生じるフィルターの負荷レベルまたは触媒の負荷状態の変化率は、一実施例では、エンジンの煤排出物、別の実施例では、炭化水素または尿素の添加率、またさらに別の実施例では、触媒上の酸素、NOx、アンモニアまたは他の排気成分の貯蔵率に関する場合がある。
【0098】
このように、無線周波数信号の変化を生かして、フィルター上の粒子状物質の蓄積に関する変化を監視することによって、エンジンの煤排出物を直接監視し、あるいは別の例では、SCR触媒上のアンモニアの堆積または貯蔵を監視することによって、尿素の添加率を監視または制御することができる。
【0099】
さらに別の実施例では、他の固相排出物、液相排出物、または気相排出物のエンジンの排出率は同様に、触媒またはフィルターからのこれらの種の貯蔵あるいは喪失の時間変化率の判定に基づき、制御装置204によって監視または制御される場合がある。一実施例では、無線周波数信号の変化は、無線周波数信号によって精査または監視されたエンジンの煤センサーの堆積としての機能を果たす微粒子フィルターを備えたエンジンの煤排出率に関する場合がある。
【0100】
別の実施例では、無線周波数信号の変化は、ガス種のエンジンの排出率または無線周波数手段によって精査または監視されたエンジンのガスセンサーとしての機能を果たす触媒を備えた排気成分に関する場合がある。したがってこの手法は、検出要素としてフィルターまたは触媒を利用し、エンジンの排出率または排気成分の全レベルまたは大部分のレベルを監視できるようになる。
【0101】
さらに別の実施例では、監視された特定の排気成分の変化率を使用して、監視された変化率を期待されている変化率と比較することによって、システムの運転を診断することができる。一実施例では、監視された煤の酸化率または特定の排気種の酸化率を期待されている酸化率と比較することによって、酸化触媒の働きを診断することができる。期待されている酸化速度よりも遅いと、触媒機能または触媒活性の喪失を示す場合がある。同様に、別の実施例では、例えば三元触媒上での酸素の貯蔵、SCR触媒上でのアンモニアの貯蔵、LNT上でのNOxの貯蔵、または炭化水素トラップ上での炭化水素の貯蔵など、触媒貯蔵能力または摂取率を監視することができる。期待されている貯蔵率よりも低いと、触媒活性の喪失も示す場合があり、これを使用して経年劣化した、汚染された、または欠陥のある触媒を診断または検出することができる。
【0102】
多数の共振を監視すれば、触媒の貯蔵状態または触媒の工程の局所的な変化率の指示が提供される。一実施例では、触媒上の局所的(空間的)な貯蔵の位置の変化によって、触媒機能の喪失が局所的に示される場合がある。一実施例では、触媒が経年劣化したり、汚染されたりする場合、触媒上の貯蔵された排気種の位置を触媒の前部から後部へと変えることができる。この局所的な貯蔵レベルの変化を監視すると、触媒の健全性に関する追加情報が提供され、この触媒を使用して触媒の働きまたはフィルターの働きを診断することができる。別の実施例では、局所的な貯蔵レベルの変化を中心部と周辺部との間の差によって放射状にもたらすことができる。
【0103】
別の実施例では、制御装置204によって、排気成分の貯蔵率を使用して、例えばエンジンの排出物などの上流工程を診断することができる。触媒またはフィルター上の高い濃度の貯蔵または貯蔵率は、例えば煤の高排出または例えばNOx、炭化水素、二酸化炭素またはその他のガス種などの一定のガス種の高排出など、エンジンの高排出を示す場合がある。
【0104】
一実施例では、NOxトラップ上の監視された高貯蔵率を有するNOx、あるいはSCR触媒上の高消費率を有するアンモニア、あるいは触媒された微粒子フィルター上の高酸化率を有する煤のいずれかによって判定されたエンジンの高排出率を有するNOxを使用して、例えば欠陥のある排ガス再循環(EGR)システム及び間違った燃焼状態など、高排出量のNOxをもたらすエンジンの状態または故障を検出または診断することができる。同じような方法で、微粒子フィルター上の高排出率を有する煤の堆積によって検出されたエンジンの高排出率を有する煤を使用して、例えば噴射装置の問題、不完全燃焼、気流の欠如、及びEGRの故障など、高排出量の煤をもたらすエンジンの障害または故障を診断することができる。
【0105】
別の実施例では、診断された上流工程はエンジンに直接関係しないが、例えば炭化水素添加システムまたは尿素添加システムなどの補助システムには関係する場合がある。一実施例では、SCR触媒上のRFで監視されたアンモニアの貯蔵率と、期待されているアンモニアの貯蔵率との制御装置204による比較を使用して、尿素または気体アンモニアの噴射システムが正常に機能しているかどうか、または適正な質の尿素が使用されているかどうかを判断することができる。同様に、炭化水素添加システムの機能は、微粒子フィルター上のRFで監視された煤の酸化率と、要求された炭化水素添加レベル及び期待されている煤の酸化率とを比較することによって、監視される場合がある。別の実施例では、同じ比較を使用して、触媒の健全性を判断することができる。
【0106】
触媒またはフィルター上のRFによる測定量の監視された変化率の比較を、モデルまたはシミュレーション、他のセンサーによる測定、例えばルックアップテーブル内の貯蔵値、または任意の他の適切な手段からの期待値を使用して行う場合がある。システムに対して既知の変更または刺激を与え、システム応答を監視することによって、既知の運転条件で、通常のシステム運転(例えば、アプリケーションの典型的な運転サイクルまたはデューティーサイクル特性)で、または貫入試験によって比較を行う場合がある。
【0107】
監視された状態からのフィードバック、あるいはフィルターまたは触媒の健全性もまた使用して、例えば警告などの措置を開始したり、故障コードを始動させたりすることができる。別の実施例では、措置を使用して、フィルターまたは触媒システムの性能の低下を相殺することができる。一実施例では、特定の排気成分の排出量を減らすような措置を行ってもよい。別の実施例では、尿素の添加量または炭化水素の添加量を増減させて、システムの温度を上昇させるような措置を行ってもよい。様々な措置を使用して、監視されたRFの性能に基づき、フィルターまたは触媒の性能をさらに診断、制御または改良してもよい。
【0108】
測定の時間応答によって、システムの時間分解能が定義される。1秒未満の応答時間が、最大1GHzに及ぶ広範な周波数帯域及び1000を超える測定点に対して容易に達成されている。周波数帯域または測定点の数を減らすと、さらにもっと測定応答時間を減らすことができる。別の実施例では、信号加算平均を使用して、または、例えば増幅器または可変利得を使用することなどによって信号出力を改良して、信号対雑音比を改良することができる。さらに別の実施例では、動作周波数帯域を改良することによって、信号対雑音比を改良することができる。
【0109】
別の実施例では、フィルターの負荷レベルにおける変化率は、例えばフィルター再生などによる微粒子フィルター上の煤の酸化率に関連する場合があり、またさらに別の実施例では、フィルターの負荷における変化率は、例えば機能不全のフィルターなどのフィルターから逃れている粒子状物質の割合に関連する場合がある。
【0110】
別の実施例では、異なる共振モードから異なるパラメータを算出する場合があり、またさらに別の実施例では、同じモードからであってもそうでなくてもよい1つまたは複数の共振モード、または共振モード由来のパラメータの変化率が監視される場合がある。
【0111】
別の実施形態では、エンジン運転パラメータの知識または運転履歴を使用して、無線周波数信号測定を改善したり改良したりする場合がある。特定の実施形態では、例えば、排気温度に基づく煤の酸化モードまたは単純なルックアップテーブルなどからの、微粒子フィルター上の煤の酸化率の推定値を使用して、エンジンの煤の排出レベルの無線周波数ベースの推定値を補正することができる。一実施例では、ある一定の期間にわたって酸化されて推定された煤の量は、微粒子フィルターの煤レベルの変化についての無線周波数ベースの測定結果に加えてもよく、これにより受動的または能動的な煤の酸化工程が構成される。別の実施例では、例えば300℃未満などの低排気温度条件、低NOx、低PM率で無線周波数測定のみを実施することができるが、この場合、微粒子フィルター上の受動的な煤の酸化は、取るに足りない場合がある。
【0112】
さらに別の実施例では、ガソリンエンジンの場合と同様である可能性があるが、一実施例では、例えば酸素欠乏状態のような煤の酸化に向かないような条件で測定が行われる場合がある。
【0113】
同様に、例えば、一実施例におけるSCR触媒上の監視されたアンモニアの消費によるNOx排出量の削減、または別の実施例における三元触媒上の監視された貯蔵酸素量の削減による、一酸化炭素または炭化水素の酸化など、他の気体の排気成分の消費率が監視される場合がある。さらなる実施例では、無線周波数測定のみを、測定に好ましい状態または監視されたパラメータのより高精度な測定を可能にする状態で実施することができる。このような多くの状態が存在する。一実施例では、アンモニアの酸化が取るに足りない場合または排気状態が酸化に向かない場合、SCR触媒上の監視されたアンモニアの貯蔵率または消費率により、低排気温度で無線周波数測定のみを実施することができる。測定はまた、ある一定の工程の方を好み、他のものを阻止するリーンまたはリッチな空燃比のいずれか、または低排気湿度、水あるいは水分レベル/凝縮液レベルで実施することができる。別の実施例では、例えばシステム状態に関する知識、または特定の雑音因子の有無に基づく、測定値の既知のオフセットまたはシフトを適用するなど、信号中の1つまたは複数の雑音因子の補正を行うことができる。
【0114】
図6A及び
図6Bは、無線周波数を使用して、(i)排気成分の変化率を備えた状態で、(ii)3つの運転体制(A)、(B)、及び(C)に関連する、監視された微粒子フィルターの煤レベルあるいは触媒貯蔵レベルまたは負荷レベルの変化を示す。ここで、体制(A)は、特定の高濃度の排気成分に対応し、(B)は、フィルターまたは触媒上の排気成分の堆積率または貯蔵率が、排気成分の消費率、酸化率または喪失率と等しいという平衡条件に対応し、そして(C)は、排気成分の喪失率、消費率、または酸化率が堆積率を上回るという条件に対応する。
図6Aはまた、指定された曲線(A
*)、(B
*)、及び(C
*)によって示されたフィルター上の煤の酸化、または触媒からのガス種の酸化あるいは喪失に対する補正の適用後の無線周波数応答を示す。
【0115】
一実施例におけるアンモニア、別の実施例における酸素などの、煤の酸化、特定の排気または排出成分種の酸化もしくは消費の原因となるこのような手法を行うことによって、フィルターまたは触媒上のガス種における全体的な煤レベルは不変、あるいは減少しているという条件に対しても、測定された微粒子フィルターの煤負荷レベルまたは触媒貯蔵レベルの変化に基づいて、エンジンの煤排出物、またはガス種の排出物、あるいは添加についての正確な測定が可能になる。
【0116】
別の実施形態では、排気システム中の圧力センサーまたは温度センサーからの測定をさらに使用して、無線周波数信号を補正することができ、またさらに別の実施形態では、例えば煤センサー、NOxセンサー、またはアンモニアセンサー、あるいは酸素センサーなどのガスセンサーからの測定を使用して、無線周波数測定を補正することができる。別の実施例では、モデルまたはシミュレーションの結果あるいは貯蔵値を使用して、信号を補正することができる。
【0117】
一実施例では、排気温度及びNOx濃度または酸素濃度の測定を使用して、煤の酸化率を推定し、別の実施例では、フィルターまたはRF測定されたエンジンの煤排出物上のRFセンサーで測定された煤の堆積を補正することができる。別の実施例では、SCR触媒上のアンモニアの酸化率または三元触媒上の酸素の消費率を推定することができる。さらなる実施例では、モジュールまたはルックアップテーブルなどに基づいて補正を行うことができる。さらに別の実施例では、既存の排気センサーまたはモジュール(仮想センサー)からの測定を使用して、煤の酸化が取るに足りない、または触媒上に貯蔵されたガス種の酸化が取るに足りない場合の状態を判定することができ、これらの状態は、フィルター上の煤の堆積率または触媒上のガス種の貯蔵率の高精度なRF測定に好ましい。
【0118】
別の実施形態では、無線周波数信号に基づくエンジンの排気成分の測定を、エンジンの排気物モデル、または排気種酸化モデルに対する妥当性確認としてさらに使用してもよい。特定の実施形態では、無線周波数測定を使用して、車載診断用途で、例えば煤センサーまたはアンモニアセンサー、あるいはNOxセンサーなどの下流側センサーからの測定との比較のために使用される、エンジンの排気物モデルの精度を改良することができる。
【0119】
エンジンの排気成分のレベルを通常のエンジン運転にわたって監視することができる。異常に高いレベルまたは低いレベルのエンジンの排気成分を使用して、例えば注入器の故障、添加システムの不良、誤った流体の使用、低または高EGR率、吸入またはターボチャージャーの問題、オイルの高消費、制御システムの問題、排気漏れ、及び後処理システムの問題などのエンジンまたは構成部品の故障または不良を診断することができる。
【0120】
別の実施例では、エンジン運転パラメータを積極的に操作して、既知のレベルのエンジンの排気成分の排出物を発生させることができ、微粒子フィルターまたはその触媒上の堆積を、
図4、5、及び6に示す無線周波数信号の変化によって検出及び監視することができる。一実施例では、エンジン燃料、吸気、EGR、圧力上昇、噴射時期、尿素添加、アンモニア添加、または炭化水素添加、あるいは同様のパラメータを改良して、エンジンの排気成分の変化を誘発させることができる。貫入試験中また貫入試験後のどちらかで、微粒子フィルター上の煤の堆積率、または触媒上のガス状排出物の貯蔵率を監視することによって、情報が提供され、フィルターまたはエンジンの状態が診断される。状況に基づいて、かかる貫入試験の種類、期間、及び頻度を固定したり変動させたりしてよい。特定の一実施形態では、OBDの目的でかかる貫入試験を使用してもよい。別の実施形態では、無線周波数信号から決定されるエンジンの排出物の測定を使用して、例えば一実施例における燃料注入または噴射時期、または別の実施例におけるEGR率あるいは吸入空気流量、またはさらに別の実施例における尿素添加、アンモニア添加、または炭化水素添加など、エンジン運転を改良または制御することができる。
【0121】
別の実施例では、無線周波数信号の変化によって測定されるエンジンの廃棄率を使用して、エンジン燃焼工程を監視または診断することができ、あるいはエンジン燃焼工程またはエンジン運転にフィードバック制御ループを提供することができる。監視または診断されてもよいエンジンパラメータとしては、吸入空気流量、燃料噴射、噴射時期、圧力上昇、ブーストまたはターボチャージャーの運転、EGRシステム、アクチュエーター、他のセンサー、及び制御システムならびに他のパラメータが挙げられる。
【0122】
微粒子フィルターまたは触媒の性能を改善するために、排気成分をエンジンから制御することもできる。例えば、完全再生後、例えばフィルターの調子を整え、フィルターの表面のケーキ層を確立するために、エンジンの煤排出物を調整することができる。フィルターの監視を使用して排出物を制御する。さらに、例えば、ケーキ層を形成するのに最適な特性をもつ煤を作り、孔のろ過を防ぐことによって、または別の実施例では、多かれ少なかれ酸化に適した特性をもつ煤を発生させることによって、煤特性を調整するために、エンジン運転を設定することができる。一実施例では、粒径を制御することができる。別の実施例では、可溶性有機成分を含むように粒子物質組成を制御することができる。フィルターがいったん調整されて無線周波数センシングによって測定されると、エンジン運転が通常に戻される。
【0123】
同様に、エンジンから排気成分を制御して、触媒の性能を改善することもできる。一実施例では、SCR触媒の性能を脱硫酸化事象または再生によって改善し、堆積された硫酸を除去することができ、これにより、触媒性能の無線周波数信号測定に基づき始動させることができる。硫酸の堆積量の増加は、局所的または全体的な総アンモニア貯蔵レベルまたはアンモニアの貯蔵レベルの変化率に基づき、予め定められた添加事象に従って、無線周波数信号の変化によって、またはアンモニアの貯蔵量またはアンモニアの貯蔵率の減少によって直接検出される場合がある。別の実施例では、SCR触媒は、アンモニアの在庫をRF測定に基づいて決定された特定のレベルに管理することによって調整されてもよい。他の実施例では、三元触媒で特定の酸素貯蔵量を達成するために、空燃比を調節することを含む。またさらに別の実施例では、エンジンの排出物を修正し、例えば煤の酸化(例えばNOxまたは酸素を増加させることによって)のような触媒工程、または別の実施例では、例えば受動的なアンモニア発生のような定期的なリッチまたはリーン行程に優先的に影響を与える場合がある。特定の実施例では、RF測定を使用して、受動的なSCRシステム、すなわち、いわゆる炭化水素のSCRシステムに対するアンモニア発生を制御することができる。
【0124】
さらに別の実施形態では、エンジン運転パラメータに関する情報を利用して、無線周波数測定を補正、改良または最適化することができる。特定の実施例では、エンジンの情報としては、エンジン速度、燃料注入、トルク、EGR率、吸入空気流量、及び他のパラメータが挙げられる。
【0125】
エンジンの排出物のRF測定は、特定の共振モードまたは周波数帯域の応答に基づいて、フィルターの負荷レベルまたは触媒の貯蔵レベルの総合的変化、あるいはフィルター負荷または触媒貯蔵の局所的変化をもとに決定される場合がある。
【0126】
上記実施形態の非常に多くのバリエーション及び変更は、本発明の新規の特徴の精神及び範囲から逸脱することなく実施可能である。本明細書に記載の無線周波数システム及びエンジンの排出物を監視するための方法に関する制限がないことが意図されており、推定されるべきであることが理解されるべきである。添付の特許請求の範囲によって、請求項の範囲に含まれるような全ての変更を含めることを意図することは、言うまでもない。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
エンジンの排気成分を監視する無線周波数システムであって、
前記排気成分を含むハウジングと、
前記ハウジングへと広がって無線周波数信号を送受信する1つまたは複数の無線周波数センサーと、
前記無線周波数信号の1つまたは複数のパラメータの変化に基づいて前記無線周波数信号を制御して前記排気成分の変化を監視する制御装置と、を備える、前記無線周波数システム。
<請求項2>
前記無線周波数信号が、無線周波数信号範囲に広がり、
前記制御装置が、前記無線周波数信号範囲の所定の領域における前記無線周波数信号の前記パラメータのうちの1つまたは複数の変化を測定する、請求項1に記載の無線周波数システム。
<請求項3>
前記制御装置が、前記ハウジング内の1つまたは複数の所定の空間領域に対応する1つまたは複数の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記パラメータのうちの1つまたは複数の変化を測定する、請求項1に記載の無線周波数システム。
<請求項4>
前記制御装置が、前記無線周波数信号のマグニチュードまたは振幅の変化及び/または前記無線周波数信号の相の変化を測定する、請求項1に記載の無線周波数システム。
<請求項5>
1つまたは複数の排気成分が、1つまたは複数の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記マグニチュード及び/または前記相の変化を測定することによって監視される、請求項4に記載の無線周波数システム。
<請求項6>
前記制御装置が、前記排気成分の変化率を監視するために、前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数のパラメータの変化率を測定する、請求項1に記載の無線周波数システム。
<請求項7>
前記1つまたは複数の無線周波数センサーに送信された電力を変化させて、前記無線周波数信号を改良する、請求項1に記載の無線周波数システム。
<請求項8>
前記制御装置が、前記排気成分の排出率、蓄積率、及び/または消耗率を監視する、請求項6に記載の無線周波数システム。
<請求項9>
排気成分を含むハウジングと、前記ハウジングへと広がって無線周波数信号を送受信する1つまたは複数の無線周波数センサーと、制御装置と、を含む、無線周波数システムにおける前記排気成分を監視する方法であって、
前記方法は、前記無線周波数信号の1つまたは複数のパラメータの変化に基づいて前記無線周波数信号を制御するステップと、前記排気成分の変化を監視するステップと、を備える、前記方法。
<請求項10>
前記無線周波数信号が、無線周波数信号範囲に広がり、前記無線周波数信号範囲の所定の領域における前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数の変化を測定するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
<請求項11>
前記ハウジング内の1つまたは複数の所定の空間領域に対応する1つまたは複数の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数の変化を測定するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
<請求項12>
前記所定の空間領域が、測定される前記無線周波数信号の前記パラメータに対して敏感である所定の空間領域に対応する、請求項11に記載の方法。
<請求項13>
前記所定の空間領域が、測定される前記無線周波数信号の前記パラメータに対して好ましい振る舞いを示す所定の空間領域に対応する、請求項11に記載の方法。
<請求項14>
前記測定の応答時間を減らすために、1つまたは複数の所定の狭い無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数をサンプリングするステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
<請求項15>
前記1つまたは複数の所定の狭い無線周波数信号範囲が、前記無線周波数信号の1つまたは複数の所定の共振モードに対応する、請求項14に記載の方法。
<請求項16>
前記無線周波数信号のマグニチュードまたは振幅の変化及び/または前記無線周波数信号の相の変化を測定するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
<請求項17>
1つまたは複数の排気成分が、1つまたは複数の所定の無線周波数信号範囲における前記無線周波数信号の前記マグニチュード及び/または前記相の変化を測定することによって監視される、請求項16に記載の方法。
<請求項18>
前記排気成分の変化率を監視するために、前記無線周波数信号の前記パラメータの1つまたは複数の変化率を測定するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
<請求項19>
前記排気成分の前記変化率を、前記排気成分の前記変化率の期待値と比較するステップをさらに備える、請求項9に記載の方法。
<請求項20>
前記排気成分の排出率、蓄積率、及び/または消耗率を監視するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。