特許第6931004号(P6931004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許69310042−ブロモ−1−(3,3−ジニトロアゼチジン−1−イル)エタノンの静脈内投与のための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931004
(24)【登録日】2021年8月16日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】2−ブロモ−1−(3,3−ジニトロアゼチジン−1−イル)エタノンの静脈内投与のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/397 20060101AFI20210823BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20210823BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20210823BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210823BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210823BHJP
【FI】
   A61K31/397
   A61K47/46
   A61K47/12
   A61K47/10
   A61K47/18
   A61K47/36
   A61K9/08
   A61P35/00
   A61P35/02
【請求項の数】50
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-554660(P2018-554660)
(86)(22)【出願日】2017年1月11日
(65)【公表番号】特表2019-505585(P2019-505585A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】US2017012948
(87)【国際公開番号】WO2017123593
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2020年1月10日
(31)【優先権主張番号】62/277,236
(32)【優先日】2016年1月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518246958
【氏名又は名称】エピセントアールエックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】オロンスキー,ブライアン,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シシンスキー,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】キャローン,スコット
【審査官】 新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0308260(US,A1)
【文献】 特表2009−504684(JP,A)
【文献】 特開昭55−011509(JP,A)
【文献】 Drug Metabolism and Disposition,2012年,Vol.40,pp.1810-1816
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 35/00−35/768
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌に苦しむ患者に静脈内投与し癌を治療するためのABDNAZ製剤であって、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含む、製剤。
【請求項2】
全血が自己全血である、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
ABDNAZ製剤が少なくとも5mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、請求項1または2記載の製剤。
【請求項4】
ABDNAZ製剤が少なくとも10mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、請求項1または2記載の製剤。
【請求項5】
ABDNAZ製剤の静脈内投与のためにABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下である、請求項1〜4いずれか一項記載の製剤。
【請求項6】
患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者に迅速に静脈内投与するためのABDNAZ製剤であって、該製剤は、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含み、該製剤は、少なくとも10mL/時間の速度で患者に静脈内投与され、ここでABDNAZ製剤の静脈内投与のためにABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下である、製剤。
【請求項7】
ABDNAZ製剤の静脈内投与のためにABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード1以下である、請求項6記載の製剤。
【請求項8】
患者が癌に苦しむ、請求項6または7記載の製剤。
【請求項9】
癌が固形腫瘍である、請求項1〜4および8のいずれか一項記載の製剤。
【請求項10】
癌が、脳癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌または子宮癌である、請求項1〜4および8のいずれか一項記載の製剤。
【請求項11】
癌が白血病またはリンパ腫である、請求項1〜4および8のいずれか一項記載の製剤。
【請求項12】
癌がB細胞リンパ腫または非ホジキンリンパ腫である、請求項1〜4および8のいずれか一項記載の製剤。
【請求項13】
ABDNAZ製剤が少なくとも30mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、請求項1〜12いずれか一項記載の製剤。
【請求項14】
ABDNAZ製剤が少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZを含む、請求項1〜13いずれか一項記載の製剤。
【請求項15】
ABDNAZ製剤が、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、ポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる、請求項1〜14いずれか一項記載の製剤。
【請求項16】
ABDNAZ製剤が、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる、請求項1〜14いずれか一項記載の製剤。
【請求項17】
ABDNAZ製剤が、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、水、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる、請求項1〜14いずれか一項記載の製剤。
【請求項18】
ABDNAZ製剤が、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる、請求項1〜14いずれか一項記載の製剤。
【請求項19】
ABDNAZ製剤が、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、水、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる、請求項1〜14いずれか一項記載の製剤。
【請求項20】
抗凝固薬が、ABDNAZ製剤中、約0.1%wt/wt〜約15%w/wの範囲の量で存在する、請求項1〜19いずれか一項記載の製剤。
【請求項21】
全血が、ABDNAZ製剤の少なくとも30%wt/wtを構成する、請求項1〜20いずれか一項記載の製剤。
【請求項22】
ABDNAZ製剤が約50mL〜約200mLの範囲の体積を有する、請求項1〜21いずれか一項記載の製剤。
【請求項23】
ABDNAZ製剤が約10mL〜約20mLの範囲の体積を有する、請求項1〜21いずれか一項記載の製剤。
【請求項24】
ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約1時間以内に開始される、請求項1〜23いずれか一項記載の製剤。
【請求項25】
ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約6時間以内に完了する、請求項1〜24いずれか一項記載の製剤。
【請求項26】
患者から得られた全血のアリコートが使用され、患者への投与のためのABDNAZ製剤が調製される、請求項1〜25いずれか一項記載の製剤。
【請求項27】
静脈内投与が中心静脈内投与である、請求項1〜26いずれか一項記載の製剤。
【請求項28】
静脈内投与が末梢静脈内投与である、請求項1〜26いずれか一項記載の製剤。
【請求項29】
患者が成人のヒトである、請求項1〜28いずれか一項記載の製剤。
【請求項30】
患者が小児のヒトである、請求項1〜28いずれか一項記載の製剤。
【請求項31】
患者が貧血に苦しまないかまたは低下した血液体積を有さない、請求項1〜30いずれか一項記載の製剤。
【請求項32】
患者が平均的な日常血液体積の量の少なくとも95%を有する、請求項1〜30いずれか一項記載の製剤。
【請求項33】
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
を含む、患者への静脈内投与のためのABDNAZを含む静脈内製剤。
【請求項34】
製剤が、
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
からなる、請求項33記載の製剤。
【請求項35】
ポリエチレングリコールが、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールである、請求項33または34記載の製剤。
【請求項36】
ポリエチレングリコールが、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールである、請求項33または34記載の製剤。
【請求項37】
抗凝固薬が、ヘパリンおよびクエン酸塩の1つ以上を含む、請求項1〜19および3336のいずれか一項記載の製剤。
【請求項38】
抗凝固薬が、アルカリ金属クエン酸塩、デキストロースおよび水を含む溶液である、請求項1〜19および3336のいずれか一項記載の製剤。
【請求項39】
ABDNAZ製剤が少なくとも20μg/mLの濃度のABDNAZを含む、請求項3338いずれか一項記載の製剤。
【請求項40】
ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約1mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、請求項1〜13および3338のいずれか一項記載の製剤。
【請求項41】
全血が、製剤の少なくとも60%wt/wtを構成する、請求項3340のいずれか一項記載の製剤。
【請求項42】
全血が、製剤の約60%wt/wt〜約99%wt/wtを構成する、請求項1〜20および3340のいずれか一項記載の製剤。
【請求項43】
製剤中に約90mL〜約110mLの全血がある、請求項1〜21および3342のいずれか一項記載の製剤。
【請求項44】
製剤中に約10mL〜約20mLの全血がある、請求項1〜21および3342のいずれか一項記載の製剤。
【請求項45】
製剤が約50mL〜約200mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、請求項3344いずれか一項記載の製剤。
【請求項46】
製剤が約10mL〜約30mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、請求項3344いずれか一項記載の製剤。
【請求項47】
ポリエチレングリコールが製剤中約0.4μL/mL〜約4μL/mLの濃度で存在する、請求項3346いずれか一項記載の製剤。
【請求項48】
製剤中、約0.2μL/mL〜約2μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミドである、請求項3346いずれか一項記載の製剤。
【請求項49】
製剤が、10mL/時間〜50mL/時間の範囲の速度での患者への製剤の静脈内投与のために静脈内投与の部位において患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下であるという特徴により特徴付けられる、請求項3348いずれか一項記載の製剤。
【請求項50】
製剤が、10mL/時間〜50mL/時間の範囲の速度での患者への製剤の静脈内投与のために静脈内投与の部位において患者が経験する任意の苦痛がグレード1以下であるという特徴により特徴付けられる、請求項3349いずれか一項記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その内容が参照により本明細書に援用される2016年1月11日に出願された米国仮特許出願第62/277,236号の利益および優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、自己全血および2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)を含み、注入の部位で何ら重大な苦痛を有さずに静脈内注入により患者に迅速に投与され得る製剤を含む、2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)の静脈内投与のための組成物および方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
癌は、この疾患を検出および治療するために多くの進歩がなされているにもかかわらず、重大な健康上の問題である。多くの患者に苦しみを与える癌の主要な種類としては、前立腺癌、乳癌および肺癌が挙げられる。前立腺癌は男性における最も一般的な形態の癌であり、50歳以上の男性において30%の発病率が推定される。さらに、臨床的な証拠により、ヒト前立腺癌は、骨に転移する傾向を有し、該疾患はアンドロゲン依存型からアンドロゲン難治性の状態に必然的に進行して患者の死亡率の増加をもたらすと考えられることが示されている。乳癌は、女性の死亡の主要な原因である。その累積的なリスクは比較的高く、ある報告は、米国において85歳までに女性の約8人に1人が何らかの種類の乳癌を発症すると予測されることを示している。同様に、肺癌は、癌関連死の主要な原因であり、非小細胞肺癌(NSCLC)はこれらの症例の約80%の原因となっている。
【0004】
癌患者の治療選択は、しばしば手術、放射線療法、化学療法、ホルモン療法またはそれらの組合せを含む。例えば米国特許7,507,842;8,299,053および8,927,527に記載される化合物ABDNAZは、癌の治療における使用のために複数の臨床試験で試験されている。ABDNAZは典型的に、水、ジメチルアセトアミドおよびポリ(エチレングリコール)の混合物として、癌に苦しむ患者への静脈内注入のために製剤化される。臨床試験において、静脈内注入により前述のABDNAZの混合物を受けている患者は、ABDNAZ混合物のために注入の部位で大きな苦痛を訴えている。ABDNAZ混合物のための注入の部位での大きな苦痛は、ABDNAZ混合物が患者に投与される速度の医療従事者による低減を必要とし、しばしば最大で8時間までの注入時間を要求する。いくつかの例において、長い注入時間および遅い投与速度は、ABDNAZがABDNAZの投与と同日に実施される放射線療法と併用される場合に、患者に投与され得るABDNAZの量を制限している。
【0005】
本発明は、注入の部位で何らの重大な苦痛を引き起こさずに患者に迅速に投与され得るABDNAZを含む新規の製剤を提供し、本明細書において以下に記載されるような他の利点を有する。
【発明の概要】
【0006】
概要
本発明は、自己全血および2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)を含む製剤を含み、静脈内注入により患者に迅速に投与され得る2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)の静脈内投与のための組成物および方法を提供する。該組成物および方法は、製剤の迅速な投与は投与のために静脈内注入の部位で重大な苦痛を何ら生じないというさらなる利点を提供する。化合物ABDNAZは以下:
【化1】
の化学構造を有する。
【0007】
ABDNAZ製剤は、全血(好ましくは自己全血)、ABDNAZおよび抗凝固薬を含む。該製剤および方法は、癌に苦しむ患者へのABDNAZの投与に特に有用である。ABDNAZ製剤は、例えば少なくとも5mL/時間、10mL/時間、30mL/時間またはそれ以上の速度で患者に静脈内投与され得る。迅速な投与速度は、癌を治療するためのABDNAZの治療有効量を投与するために必要な時間を低減し、患者が放射線療法を受けるのと同日中に大用量のADBDNAZを患者に投与する必要がある場合に、特定の利点を有する。該方法はさらに、ABDNAZ製剤の投与部位で患者が経験する苦痛の規模により特徴付けられ得、ここで患者が経験する任意の苦痛の規模は小さい。一般的に記載される本発明は、以下の局面および態様において、ならびに詳細な説明においてより詳細に説明される。
【0008】
本発明の一局面は、癌を治療するために、癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための方法を提供する。該方法は、癌を治療するために、癌の治療を必要とする患者に、本明細書に記載されるABDNAZ製剤(全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含む製剤など)の治療有効量を静脈内投与する工程を含む。ABDNAZ製剤は、例えば少なくとも5mL/時間または少なくとも10mL/時間の速度で投与され得る。該方法は、ABDNAZ製剤の投与部位で過度の苦痛を引き起こすことなくABDNAZを迅速に投与し得るという利点を提供し、任意のかかる苦痛は、例えば任意のかかる苦痛がグレード1以下の苦痛であるという特徴により特徴付けられ得る。
【0009】
本発明の別の局面は、患者が経験する注入部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の迅速な静脈内投与のための方法を提供し、ここで該方法は、例えば少なくとも10mL/時間の速度で、本明細書に記載されるABDNAZ製剤(全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含む製剤など)を患者に静脈内投与する工程を含み、ABDNAZ製剤の静脈内投与のためにABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛はグレード2以下である。ABDNAZ製剤はさらに、製剤中のABDNAZの濃度により特徴付けられ得、例えば該製剤は、例えば少なくとも10μg/mL、少なくとも20μg/mL、少なくとも50μg/mL、少なくとも100μg/mLまたは少なくとも150μg/mLの濃度のABDNAZを含む。
【0010】
本発明の別の局面は、患者への静脈内投与のためのABDNAZを含む静脈内製剤(intravenous formulation)を提供し、該製剤は:(a)製剤中少なくとも60%v/vの量の全血;(b)製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;(c)製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;(d)製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;(e)水;および(f)抗凝固薬を含む。該静脈内製剤は、本明細書に記載される方法における使用に適し、投与部位で何ら重大な苦痛を引き起こすことなく、静脈内注入により患者に迅速に投与され得るという利点を提供する。
【0011】
本発明の別の局面は、癌を治療するための、癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のためのキットを提供する。該キットは:(i)ABDNAZを含む製剤、および(ii)本明細書に記載される手順に従って癌を治療するための、癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための指示書を含む。該キットの1つの利点は、投与部位で何ら重大な苦痛を引き起こすことなく、静脈内投与により患者に迅速に投与され得るABDNAZ製剤を提供するということである。
【0012】
本発明の別の局面は、患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の迅速な静脈内投与のためのキットを提供する。該キットは:(i)ABDNAZを含む製剤、および(ii) 本明細書に記載される手順に従って、患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の迅速な静脈内投与のための指示書を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本発明は、自己全血および2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)を含み、静脈内注入により患者に迅速に投与され得る製剤を含む、2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)の静脈内投与のための組成物および方法を提供する。該組成物および方法は、製剤の迅速な投与が、静脈内注入部位で投与が原因の何ら重大な苦痛を生じないというさらなる利点を提供する。
【0014】
ABDNAZ製剤は、全血(好ましくは自己全血)、ABDNAZおよび抗凝固薬を含む。該製剤および方法は、癌に苦しむ患者にABDNAZを投与するために特に有用である。ABDNAZ製剤は、例えば少なくとも5mL/時間、10mL/時間、30mL/時間またはそれ以上の速度で患者に静脈内投与され得る。迅速な投与速度は、癌の治療のためのABDNAZの治療有効量を投与するために必要な時間を低減し、放射線療法を患者が受けるのと同日中に大用量のADBDNAZが患者に投与される必要がある場合に特別な利点を有する。該方法は、ABDNAZ製剤の投与部位で患者が経験する苦痛の規模によりさらに特徴付けられ得、患者が経験する任意の苦痛の規模は小さい。本発明の種々の局面は、以下のセクションに記載されるが、1つの特定のセクションに記載される発明の局面は、任意の特定のセクションに限定されない。
【0015】
I. 治療方法
本発明は、2-ブロモ-1-(3,3-ジニトロアゼチジン-1-イル)エタノン(ABDNAZ)の静脈内投与のための方法を提供する。該方法は、患者へのABDNAZのより迅速な投与を可能にし、ABDNAZの投与のための投与部位での任意の実質的な苦痛を回避する。該方法の種々の特徴は以下のセクションに記載される。セクションは便利さのために編集され、1つのセクション中の情報は当該セクションに限定されず、他のセクションに適用されてもよい。
【0016】
第1の方法
本発明の一局面は、癌を治療するための、癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための方法を提供する。該方法は、癌を治療するために、癌の治療を必要とする患者に、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含むABDNAZ製剤の治療有効量を静脈内投与する工程を含む。該全血は好ましくは自己全血である。
【0017】
該方法はさらに、ABDNAZ製剤が患者に静脈内投与される速度により特徴付けられ得る。特定の態様において、ABDNAZ製剤は少なくとも3mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。特定の態様において、ABDNAZ製剤は少なくとも5mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。特定の態様において、ABDNAZ製剤は少なくとも10mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。
【0018】
上述の方法の1つの利点は、ABDNAZの投与部位で患者が経験する苦痛の量が実質的に低減されるということである。したがって、特定の態様において、該方法は、ABDNAZ製剤の静脈内投与のための、ABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下であるという特徴により特徴付けられる。特定の他の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与のための、ABDNAZ製剤の静脈内投与部位で患者が経験する任意の苦痛は、グレード1以下である。
【0019】
第2の方法
本発明の別の局面は、患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための方法を提供する。該方法は、少なくとも3mL/時間の速度で、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含むABDNAZ製剤を患者に静脈内投与する工程を含み、ここでABDNAZ製剤の静脈内投与のための、ABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛はグレード2以下である。特定の態様において、ABDNAZ製剤は少なくとも5mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。
【0020】
第3の方法
本発明の別の局面は、患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、ABDNAZ製剤の迅速な静脈内投与のための方法を提供する。該方法は、少なくとも10mL/時間の速度で、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含むABDNAZ製剤を患者に静脈内投与する工程を含み、ここでABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛はグレード2以下である。
【0021】
上述の方法の1つの利点は、ABDNAZの投与部位で患者が経験する苦痛の量が実質的に低減されるということである。したがって、特定の態様において、該方法は、ABDNAZ製剤の静脈内投与のための、ABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛はグレード1以下であるという特徴により特徴付けられる。
【0022】
特定の態様において、患者は癌に苦しんでいる。
【0023】
第4の方法
本発明の別の局面は、患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための方法を提供する。該方法は、少なくとも3mL/時間の速度で、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに赤血球細胞、血漿および全血からなる群より選択される血液生成物(blood product)を含むABDNAZ製剤を患者に静脈内投与する工程を含む。該方法はさらに、ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下であるという特徴により特徴付けられ得る。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも5mL/時間または少なくとも10mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。特定の態様において、血液生成物は赤血球細胞である。特定の態様において、ABDNAZ製剤は赤血球細胞の集団を含み、例えばABDNAZ製剤は、ABDNAZ製剤の体積当たり少なくとも約2%、5%、8%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%の量の赤血球細胞を含む。
【0024】
第1、第2、第3および第4の方法の例示的特徴
上述の方法は、さらなる特徴、例えばABDNAZ製剤の注入速度、ABDNAZ製剤中のABDNAZの濃度、ABDNAZ製剤中の構成成分の同一性、ABDNAZ製剤中の全血の量、患者に投与されるABDNAZ製剤の体積および以下により詳細に記載されるような他の特徴によりさらに特徴付けられ得る。
【0025】
ABDNAZ製剤の注入速度
該方法は、ABDNAZ製剤が患者に投与される速度によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも30mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも60mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも90mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも120mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。さらに他の態様において、ABDNAZ製剤は少なくとも150mL/時間、180mL/時間、210mL/時間、240mL/時間、270mL/時間、300mL/時間、330mL/時間または360mL/時間の速度で患者に静脈内投与される。さらに他の態様において、ABDNAZ製剤は、約100mL/時間〜約150mL/時間、約150mL/時間〜約200mL/時間、約180mL/時間〜約220mL/時間、約200mL/時間〜約250mL/時間、約250mL/時間〜約300mL/時間、約275mL/時間〜約325mL/時間または約300mL/時間〜約350mL/時間の範囲の速度で患者に静脈内投与される。
【0026】
ABDNAZ製剤中のABDNAZの濃度
該方法は、ABNDAZ製剤中のABDNAZの濃度によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも20μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも50μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも100μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも150μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約10μg/mL〜約1mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約10μg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約10μg/mL〜約250μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約20μg/mL〜約200μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約200μg/mL〜約750μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約200μg/mL〜約400μg/mL、約400μg/mL〜約600μg/mL、約500μg/mL〜約700μg/mLまたは約600μg/mL〜約700μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。
【0027】
例示的なより具体的なABDNAZ製剤
該方法に使用され得る例示的なより具体的なABDNAZ製剤としては、例えば全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、ポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上を含む製剤が挙げられる。特定の態様において、ABDNAZ製剤は本質的に、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬からなる。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、ポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、水、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、水、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる。
【0028】
抗凝固薬
該方法は、抗凝固薬の同一性および/または量によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、抗凝固薬はヘパリンおよびクエン酸塩の1つ以上を含む。特定の態様において、抗凝固薬は、アルカリ金属クエン酸塩、デキストロースおよび水を含む溶液である。特定の態様において、抗凝固薬は、約0.1%wt/wt〜約15%w/wの範囲の量でABDNAZ製剤中に存在する。特定の態様において、抗凝固薬は、約1%wt/wt〜約10%w/wの範囲の量でABDNAZ製剤中に存在する。特定の態様において、抗凝固薬は、約2%wt/wt〜約8%w/wの範囲の量でABDNAZ製剤中に存在する。
【0029】
ABDNAZ製剤中の全血の量
該方法は、ABDNAZ製剤中の全血の量によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の少なくとも30%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の少なくとも40%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の少なくとも50%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の少なくとも60%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の少なくとも75%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の少なくとも90%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の約60%wt/wt〜約99%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の約70%wt/wt〜約95%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、ABDNAZ製剤の約75%wt/wt〜約90%wt/wtを構成する。特定の態様において、約5mL〜約10mLの全血がABDNAZ製剤中にあり、約10mL〜約15mLの全血がABDNAZ製剤中にあり、約9mL〜約11mLの全血がABDNAZ製剤中にあり、約10mL〜約20mLの全血が製剤中にあり、約20mL〜約30mLの全血がABDNAZ製剤中にあり、約30mL〜約50mLの全血がABDNAZ製剤中にあり、約50mL〜約70mLの全血がABDNAZ製剤中にあり、または約70mL〜約90mLの全血がABDNAZ製剤中にある。特定の態様において、約90mL〜約110mLの全血がABDNAZ製剤中にある。特定の態様において、約95mL〜約105mLの全血がABDNAZ製剤中にある。特定の態様において、約100mLの全血がABDNAZ製剤中にある。
【0030】
患者に投与されるABDNAZ製剤の体積
該方法は、患者に投与されるABDNAZ製剤の体積によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZ製剤は約10mL〜約200mLの範囲の体積を有する。特定の態様において、ABDNAZ製剤は約10mL〜約15mL、約15mL〜約20mL、約20mL〜約30mLまたは約30mL〜約50mLの範囲の体積を有する。特定の態様において、ABDNAZ製剤は約50mL〜約200mLの範囲の体積を有する。特定の態様において、ABDNAZ製剤は約75mL〜約150mLの範囲の体積を有する。特定の態様において、ABDNAZ製剤は約90mL〜約140mLの範囲の体積を有する。特定の態様において、ABDNAZ製剤は約100mL〜約140mLの範囲の体積を有する。特定の態様において、ABDNAZ製剤は約100mL〜約120mLの範囲の体積を有する。
【0031】
ABDNAZ製剤を投与するためのタイムライン
該方法は、ABDNAZ製剤を患者に投与するためのタイムラインによりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与は、ABDNAZ製剤の形成後の約1時間以内に開始される。特定の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与は、ABDNAZ製剤の形成後の約30分以内に開始される。特定の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与は、ABDNAZ製剤の形成後の約20分以内に開始される。特定の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与は、ABDNAZ製剤の形成後の約6時間以内に完了される。特定の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与は、ABDNAZ製剤の形成後の約4時間以内に完了される。
【0032】
ABDNAZ製剤のための全血の取得
該方法は、患者から全血のアリコートを得る工程、および次いで前記アリコートを使用して患者への投与のためのABDNAZ製剤を調製する工程を任意にさらに含み得る。
【0033】
静脈投与の位置
該方法はさらに、患者への静脈投与の位置によりさらに特徴付けられ得る。特定の態様において、静脈内投与は、中心静脈内投与である。特定の態様において、静脈内投与は、末梢静脈内投与である。
【0034】
投与されるABDNAZの用量
ABDNAZの例示的な投与量は、m2で測定される場合の患者の表面積に対する、患者に投与されるABDNAZのミリグラム数により提供される。特定の態様において、患者に投与されるABDNAZ用量は、約約1mg/m2〜約2mg/m2、約2mg/m2〜約4mg/m2、約4mg/m2〜約6mg/m2、約6mg/m2〜約8mg/m2、約8mg/m2〜約10mg/m2、約10mg/m2〜約12mg/m2、約12mg/m2〜約14mg/m2、約14mg/m2〜約16mg/m2、約16mg/m2〜約18mg/m2、約18mg/m2〜約20mg/m2、約20mg/m2〜約25mg/m2、約25mg/m2〜約30mg/m2、約30mg/m2〜約35mg/m2、約35mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約45mg/m2、約45mg/m2〜約50mg/m2、約50mg/m2〜約60mg/m2または約60mg/m2〜約75mg/m2である。
【0035】
患者に投与されるABDNAZの用量は、ABDNAZの量および静脈内注入などの送達の形態の両方によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約1mg/m2〜約90mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約1mg/m2〜約10mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約1mg/m2〜約2.5mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約2.5mg/m2〜約5mg/m2の範囲の量のABDNAを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約5mg/m2〜約10mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約5mg/m2〜約7mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約8mg/m2〜約9mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約10mg/m2〜約20mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約1mg/m2〜約1.5mg/m2、約1.5mg/m2〜約2mg/m2、約2mg/m2〜約2.5mg/m2、約2.5mg/m2〜約3mg/m2、約3mg/m2〜約3.5mg/m2、約3.5mg/m2〜約4mg/m2、約4mg/m2〜約4.5mg/m2、約4.5mg/m2〜約5mg/m2、約5mg/m2〜約5.5mg/m2、約5.5mg/m2〜約6mg/m2、約6mg/m2〜約6.5mg/m2、約6.5mg/m2〜約7mg/m2、約7mg/m2〜約7.5mg/m2、約7.5mg/m2〜約8mg/m2、約8mg/m2〜約8.5mg/m2、約8.5mg/m2〜約9mg/m2、約9mg/m2〜約9.5mg/m2、約9.5mg/m2〜約10mg/m2、約10mg/m2〜約12mg/m2、約12mg/m2〜約14mg/m2、約14mg/m2〜約16mg/m2、約16mg/m2〜約18mg/m2、約18mg/m2〜約20mg/m2、約20mg/m2〜約25mg/m2、約25mg/m2〜約30mg/m2、約30mg/m2〜約35mg/m2、約35mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約45mg/m2または約45mg/m2〜約50mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約3mg/m2〜約8mg/m2の範囲の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。
【0036】
より具体的な態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約1.25mg/m2の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約2.5mg/m2の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約5mg/m2の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約8.4mg/m2の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。特定の態様において、ABDNAZを含む製剤の各用量は、約1mg/m2、約1.5mg/m2、約2mg/m2、約2.5mg/m2、約3mg/m2、約3.5mg/m2、約4mg/m2、約4.5mg/m2、約5mg/m2、約5.5mg/m2、約6mg/m2、約6.5mg/m2、約7mg/m2、約7.5mg/m2、約8mg/m2、約8.5mg/m2、約9mg/m2、約9.5mg/m2、約10mg/m2、約12mg/m2、約14mg/m2、約16mg/m2、約18mg/m2、約20mg/m2、約25mg/m2、約30mg/m2、約35mg/m2、約40mg/m2、約45mg/m2または約50mg/m2の量のABDNAZを提供する静脈内注入により患者に投与される。
【0037】
静脈内投与の部位における任意の苦痛の程度
該方法は、ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛の程度によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛は、グレード2以下である。特定の他の態様において、ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛は、グレード1以下である。苦痛の評価のためのグレードスケールは、人工的に認識され(art-recognized)、0〜5の範囲であり、ゼロは苦痛がなく、5は強い苦痛である。苦痛グレードの一般的な記載は以下の表に示される。
【表1】
【0038】
癌の種類
癌を治療するためにABDNAZ製剤が癌に苦しむ患者に投与されている場合、該方法は、治療される癌の種類によりさらに特徴付けられ得る。例えば、特定の態様において、癌は固形腫瘍である。特定の態様において、癌は、脳癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌または子宮癌である。特定の態様において、癌は、脳癌である。特定の態様において、癌は、結腸直腸癌である。特定の態様において、癌は、胆管癌または肺癌である。
【0039】
特定の態様において、癌は、肺癌である。特定の態様において、肺癌は小細胞肺癌である。特定の他の態様において、癌は、非小細胞肺癌である。特定の態様において、癌は、白血病またはリンパ腫である。特定の態様において、癌はB細胞リンパ腫または非ホジキンリンパ腫である。
【0040】
治療のためのさらなる例示的な癌としては、例えば膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、白血病、肺癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌および子宮癌が挙げられる。さらに他の態様において、癌は、血管化した(vascularized)腫瘍、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、黒色腫、神経膠腫、神経芽腫、肉腫(例えば、血管肉腫または軟骨肉腫)、咽頭癌、耳下腺癌、胆管癌(bilary tract cancer)、甲状腺癌、末端部黒子黒色腫、光線角化症、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺様嚢胞癌、腺腫、腺肉腫、腺扁平上皮癌、肛門管癌、肛門癌、肛門直腸癌、星状細胞腫瘍、バルトリン腺癌、基底細胞癌、胆管癌(biliary cancer)、骨癌、骨髄癌、気管支癌、気管支腺癌、カルチノイド、胆管癌、軟骨肉腫(chondosarcoma)、脈絡叢(choriod plexus)乳頭腫/癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、明細胞癌、結合組織癌、嚢胞腺腫、消化器系癌、十二指腸癌、内分泌系癌、内胚葉洞腫瘍、内膜増殖症、子宮内膜間質肉腫、子宮内部腺癌(endometrioid adenocarcinoma)、内皮細胞癌、上衣癌、上皮細胞癌、ユーイング肉腫、眼および眼窩の癌、女性生殖器癌、病巣結節性過形成、胆嚢癌、胃幽門洞癌、胃底癌、ガストリノーマ、グリア芽細胞腫、グルカゴノーマ、心臓癌、血管芽腫、血管内皮芽細胞腫、血管腫、肝細胞腺癌、肝細胞腺腫症、肝臓胆管癌、肝細胞癌、ホジキン病、回腸癌、インスリノーマ、上皮内新形成(intaepithelial neoplasia)、上皮内扁平上皮新形成、肝臓内胆管癌、侵襲性扁平上皮細胞癌、空腸癌、関節癌、カポジ肉腫、骨盤癌、大細胞癌、大腸癌、平滑筋肉腫、悪性黒子黒色腫、リンパ腫、男性生殖系癌、悪性黒色腫、悪性中皮腫瘍、髄芽腫、髄上皮腫、髄膜癌、中皮癌、転移性癌、口癌、粘液性類表皮癌、多発性骨髄腫、筋肉癌、鼻腔管癌、神経系の癌、感覚上皮腺癌結節性黒色腫、非上皮性皮膚癌、非ホジキンリンパ腫、燕麦細胞癌、希突起膠細胞癌、口腔癌、骨肉腫、乳頭漿液腺癌、陰茎癌、咽頭癌、下垂体腫瘍、プラズマ細胞腫、偽肉腫、肺性芽細胞腫、直腸癌、腎細胞癌、呼吸器系の癌、網膜芽種、横紋筋肉腫、肉腫、漿液癌腫、洞癌、皮膚癌、小細胞癌、小腸癌、平滑筋癌、軟組織癌、ソマトスタチン分泌腫瘍、棘癌、扁平上皮細胞癌、横紋筋癌、中皮下癌(submesothelial cancer)、表在拡大型黒色腫、T細胞白血病、舌癌、未分化の癌、尿管癌、尿道癌、膀胱癌、泌尿器系の癌、子宮頸癌、子宮体癌、ブドウ膜黒色腫、膣癌、疣贅癌、ビポーマ、外陰癌、十分に分化した癌またはウィルムス腫瘍である。
【0041】
抗癌効果の特徴付け
癌を治療するためにABDNAZ製剤が癌患者に投与されている場合、治療方法は、(i)患者における少なくとも1つの腫瘍の大きさの低減および/または(ii)患者における腫瘍の数の低減などの治療の抗癌効果によりさらに特徴付けられ得る。
【0042】
したがって、特定の態様において、治療方法は、患者における少なくとも1つの腫瘍の大きさの少なくとも20%の低減により特徴付けられる。特定の他の態様において、患者における少なくとも1つの腫瘍の大きさの少なくとも35%の低減がある。特定の他の態様において、患者における少なくとも1つの腫瘍の大きさの少なくとも50%の低減がある。特定の他の態様において、患者における少なくとも1つの腫瘍の大きさの少なくとも60%、70%、80%または90%の低減がある。特定の他の態様において、患者における少なくとも1つの腫瘍の大きさの約5%〜50%、10%〜50%、20%〜50%、5%〜75%、10%〜75%、20%〜75%または50%〜90%の低減がある。
【0043】
治療される癌が脳転移である場合、該方法は、脳転移の数および/または大きさの低減によりさらに特徴付けられ得る。特定の態様において、患者における脳転移の数の少なくとも20%の低減がある。特定の他の態様において、患者における脳転移の数の少なくとも35%の低減がある。さらに他の態様において、患者における脳転移の数の少なくとも50%の低減がある。特定の他の態様において、患者における脳転移の数の少なくとも60%、70%、80%または90%の低減がある。特定の他の態様において、患者における脳転移の数の約5%〜50%、10%〜50%、20%〜50%、5%〜75%、10%〜75%、20%〜75%または50%〜90%の低減がある。
【0044】
治療のための患者
治療方法は、治療される患者によりさらに特徴付けられ得る。特定の態様において、患者は成人のヒトである。特定の他の態様において、患者は小児のヒトである。
【0045】
特定の態様において、患者は貧血に苦しまないかまたは血液体積の低減を有さない。特定の態様において、患者は、その平均的な日常血液体積の量の少なくとも95%の量を有する。
【0046】
ABDNAZの形態
特定の態様において、ABDNAZの薬学的に許容され得る塩が患者に投与され得る。
【0047】
III. 例示的なより具体的なABDNAZ製剤
1つの例示的なより具体的な製剤は、
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
を含む、患者への静脈内投与のためのABDNAZを含む静脈内製剤である。
【0048】
別の例示的なより具体的な製剤は、本質的に
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
からなる製剤である。
【0049】
別の例示的なより具体的な製剤は、
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
からなる製剤である。
【0050】
別の例示的なより具体的な製剤は、
a. 製剤の少なくとも30% v/vの量の血液生成物(例えば、赤血球細胞、血漿または全血);
b. 任意に製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 任意に製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 任意に水;および
f. 任意に抗凝固薬
を含む、患者への静脈内投与のためのABDNAZを含む静脈内製剤である。
【0051】
別の例示的なより具体的な製剤は、
a. 製剤の少なくとも30% v/vの量の全血;
b. (例えば、製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度の)ポリエチレングリコール;
c. (例えば、製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度の)N,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
を含む、患者への静脈内投与のためのABDNAZを含む静脈内製剤である。
【0052】
別の例示的なより具体的な製剤は、本質的に
a. 製剤の少なくとも30% v/vの量の全血;
b. (例えば、製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度の)ポリエチレングリコール;
c. (例えば、製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度の)N,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
からなる製剤である。
【0053】
静脈内製剤の例示的な特徴
静脈内製剤は、例えばポリエチレングリコールの同一性、抗凝固薬、ABDNAZの濃度、全血の量および本明細書に以下に記載される他の特徴により特徴付けられ得る。
【0054】
ポリエチレングリコール
製剤は、ABDNAZ製剤中のポリエチレングリコールの同一性によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ポリエチレングリコールは、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールである。特定の態様において、ポリエチレングリコールは、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールである。
【0055】
特定の態様において、ポリエチレングリコールは製剤中約0.4μL/mL〜約4μL/mLの濃度で存在する。特定の態様において、N,N-ジメチルアセトアミドは製剤中約0.2μL/mL〜約2μL/mLの濃度である。
【0056】
抗凝固薬
製剤は、ABDNAZ製剤中の抗凝固薬の同一性によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、抗凝固薬はヘパリンおよびクエン酸塩の1つ以上を含む。特定の態様において、抗凝固薬は、アルカリ金属クエン酸塩、デキストロースおよび水を含む溶液である。
【0057】
ABDNAZの濃度
製剤は、ABDNAZ製剤中のABDNAZの濃度によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも20μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも50μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも100μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、少なくとも150μg/mLの濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約10μg/mL〜約1mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約10μg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約10μg/mL〜約250μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。特定の態様において、ABDNAZ製剤は、約20μg/mL〜約200μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む。
【0058】
全血の量
製剤は、ABDNAZ製剤中の全血の量によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、全血は、製剤の少なくとも30%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の少なくとも40%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の少なくとも50%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の少なくとも75%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の少なくとも90%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の約60%wt/wt〜約99%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の約70%wt/wt〜約95%wt/wtを構成する。特定の態様において、全血は、製剤の約75%wt/wt〜約90%wt/wtを構成する。特定の態様において、製剤中に約90mL〜約110mLの全血がある。特定の態様において、製剤中に約95mL〜約105mLの全血がある。特定の態様において、製剤中に約100mLの全血がある。
【0059】
静脈内製剤の単位用量形態
製剤はさらに、ABDNAZ製剤の単位用量の体積によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、製剤は、約10mL〜約200mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。特定の態様において、製剤は、約10mL〜約15mL、約15mL〜約20mL、約20mL〜約30mL、約30mL〜約40mLまたは約40mL〜約50mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。特定の態様において、製剤は、約50mL〜約200mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。特定の態様において、製剤は、約75mL〜約150mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。特定の態様において、製剤は、約90mL〜約140mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。特定の態様において、製剤は、約100mL〜約140mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。特定の態様において、製剤は、約100mL〜約120mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である。
【0060】
患者への静脈内投与の際の苦痛効果の特徴付け
製剤は、ABDNAZ製剤の患者への静脈投与の際の患者が経験する苦痛の程度によりさらに特徴付けられ得る。したがって、特定の態様において、製剤は、10mL/時間〜50mL/時間の範囲の速度での患者への製剤の静脈内投与のための静脈内投与の部位における患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下であるという特徴により特徴付けられる。特定の態様において、製剤は、10mL/時間〜50mL/時間の範囲の速度での患者への製剤の静脈内投与のための静脈内投与の部位における患者が経験する任意の苦痛がグレード1以下であるという特徴により特徴付けられる。
【0061】
上述の記載は、本発明の複数の局面および態様を記載する。本特許出願は、具体的に、該局面および態様の全ての組合せならびに順列を企図する。
【0062】
IV. 医学的適用における使用のためのキット
本発明の別の局面は、癌を治療するための癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のためのキットを提供する。該キットは、(i) ABDNAZを含む製剤、および(ii) 本明細書に記載される手順に従って癌を治療するための癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための指示書を含む。
【0063】
本発明のさらに別の局面は、患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の迅速な静脈内投与のためのキットを提供する。該キットは、(i) ABDNAZを含む製剤、および(ii) 本明細書に記載される手順に従って患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、ABDNAZ製剤の患者への迅速な静脈内投与のための指示書を含む。
【0064】
V. 定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語および句を以下に定義する。
【0065】
本明細書で使用する場合、用語「a」または「an」は「1つ以上」を意味し、文脈が不適切でなければ複数を含む。
【0066】
本明細書で使用する場合、用語「患者」は、本発明の方法により治療される生物をいう。かかる生物は、好ましくは哺乳動物(例えばマウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)、およびより好ましくはヒトである。
【0067】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」は、有益または所望の結果を生じるために十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量をいう。有効量は、1回以上の投与(administration)、適用または投与(dosage)において投与され得、特定の製剤または投与経路に限定されることを意図しない。
【0068】
本明細書で使用する場合、用語「治療」は、状態、疾患、障害等の改善またはそれらの徴候を緩和することを生じる、任意の効果、例えば小さくすること、低減すること、調節すること、緩和することまたは排除することを含む。
【0069】
本明細書で使用する場合、用語「緩和する(alleviate)」および「緩和すること(alleviating)」は、重症度を、例えば少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%低減することなど、状態の重症度を低減することをいう。
【0070】
本明細書で使用する場合、用語「医薬組成物」は、活性剤と、該組成物をインビボまたはエキソビボにおける診断または治療的使用に特に適切にするような担体、不活性もしくは活性の組合せをいう。
【0071】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る担体」は、リン酸緩衝化食塩水溶液、水、エマルジョン(例えば、油/水または水/油エマルジョンなど)、および種々の型の湿潤剤などの標準医薬担体のいずれかをいう。該組成物はまた、安定化剤および保存剤を含み得る。担体、安定化剤およびアジュバントの例については、例えばMartin, Remington's Pharmaceutical Sciences, 第15版、Mack Publ. Co., Easton, PA [1975]参照。
【0072】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容され得る塩」は、被験体への投与の際に、本発明の化合物または活性代謝産物あるいはそれらの残渣を提供し得る本発明の化合物の任意の薬学的に許容され得る塩(例えば酸または塩基)をいう。当業者に公知のように、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機の酸および塩基に由来し得る。酸の例としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、蟻酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。それ自体では薬学的に許容され得ないが、シュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容され得る酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製において使用され得る。
【0073】
塩基の例としては限定されないが、水酸化アルカリ金属(例えばナトリウム)、水酸化アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニア、および式NW4+(式中、WはC1-4アルキル)の化合物等が挙げられる。
【0074】
塩の例としては限定されないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩等が挙げられる。塩の他の例としては、Na+、NH4+およびNW4+(式中WはC1-4アルキル基)などの適切なカチオンにより化合物化された本発明の化合物のアニオン等が挙げられる。
【0075】
治療的使用のために、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容され得ることが企図される。しかしながら、薬学的に許容され得ない酸および塩基の塩も例えば薬学的に許容され得る化合物の調製または精製における使用において見られ得る。
【0076】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、測定可能な値(例えば重量、時間および用量)について言及される場合には、具体的な値の±10%、±5%、±1%または±0.1%などの変数を包含することを意味する。
【0077】
本明細書の全体を通じて、組成物が、具体的な構成成分を有する、含む(including)または含む(comprising)と記載されるか、またはプロセスおよび方法が具体的な工程を有する、含むまたは含むと記載されている場合、さらに記載される構成成分から本質的になるまたはそれからなる本発明の組成物が存在すること、および記載されるプロセス工程から本質的になるまたはそれからなる本発明によるプロセスおよび方法が存在することが企図される。
【0078】
一般的な事項として、パーセンテージを特定する組成物は、そうではないと特定されなければ重量パーセントである。さらに、変数が定義を伴わなければ、前述の変数の定義が支配する。
【実施例】
【0079】
実施例
ここで、一般的に記載される本発明は、以下の実施例を参照してより容易に理解される。該実施例は、本発明の特定の局面および態様の例示のためだけに含まれ、本発明を限定することを意図しない。
【0080】
実施例1-全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を組み合わせて形成されるABDNAZ製剤の静脈内投与
臨床試験の一部として、12名の成人のヒト患者に、全血、ABDNAZ (4mg)、抗凝固薬および以下により詳細に記載される特定の他の材料を組み合わせて形成されたABDNAZ製剤を静脈内投与した。ABDNAZ製剤の静脈内投与は、5mL/分の初期流速で行った。該手法は、患者に許容され得る場合に流速を増加し得た。注射部位で苦痛を経験したことを報告した患者はいなかった。実験手順および結果のさらなる記載を以下に示す。
【0081】
パートI-実験手順
臨床試験の一部として、12名の成人のヒト患者にABDNAZ製剤を静脈内投与した。静脈内投与は中心静脈投与であった。ABDNAZ製剤は以下の通りに調製した。
(1)約100mLの患者の血液を抜き取り(ass drawn)、次いで11mLアリコートのACD-A溶液(クエン酸ナトリウムを含む抗凝固薬溶液、例えばCitra Labsから市販される)と合わせて溶液No. 1を作製した;
(2)溶液No. 1を、ABDNAZ (4mg)、400g/mol (6% w/w)の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ジメチルアセトアミド(3% w/w)および注射用水を含む4mLの溶液と混合し、ABDNAZ製剤を作製した。
【0082】
ABDNAZ製剤をろ過滅菌に通して、5mL/分の初期流速で患者に静脈内投与した。患者が許容可能な場合は流速を上げることができた。5mL/分の注入速度で、115mLの体積を有するABDNAZ製剤を約23分で静脈内投与し得る。
【0083】
パートII-結果
注射部位で苦痛を経験したことを報告した患者はいなかった。
【0084】
実施例2-ABDNAZ、PEG-400、ジメチルアセトアミドおよび水を含むABDNAZ製剤の静脈内投与
ABDNAZの水溶液を、フェーズI臨床試験の一部として25名のヒト患者に静脈内投与した。水溶液は、ABDNAZ (2mg/mL)、400g/mol (6% w/w)の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ジメチルアセトアミド(3% w/w)および注射用水を含んだ。患者に、10mg/m2、16.7mg/m2、24.6mg/m2、33mg/m2、55mg/m2または83mg/m2の量のABDNAZの用量を送達するのに十分なABDNAZの水溶液の体積を投与した。ABDNAZの水溶液の投与のための注射部位での苦痛は、84%の患者が経験した。10mg/m2の用量のABDNAZを送達するための20分にわたる中心静脈内投与によりABDNAZの水溶液を受けた第1の患者は、注入部位の苦痛およびかかる高強度の鼻咽頭の焼けるような感覚を経験し、このような患者は自発的に試験から抜けた。その後、肘前または前腕領域における末梢静脈内投与を使用して、より長い持続時間を使用して注入を行った(例えば、注入に耐える患者の能力に基づいて0.5mL/時間の増加で増減して調節し得る3.5mL/時間の速度で投与しながら2時間〜8時間の範囲)。実験手順および結果のさらなる記載を以下に示す。
【0085】
パートI-実験手順
この非盲検のヒト用量増加フェーズ1試験において、3+3用量増加設計を使用してABDNAZの安全性、許容性および薬物動態学を評価した。患者はUniversity of California-San Diego Moores Cancer Center, La Jolla, CA, USAおよびthe Sarah Cannon Research Institute, Nashville, TN, USAから登録された。適格な患者は、標準的な病気に効く治療が存在しない組織学的に確認された進行した固形腫瘍を有する18歳以上であった。全ての患者は2以下のEastern Cooperative Groupパフォーマンスステータス、少なくとも12週間の推定期待寿命、および適切な実験室パラメータ(絶対好中球数1L当たり≧1.5×106細胞、血小板数1L当たり≧7.5×106細胞、ヘモグロビン≧90g/L、血清総ビリルビン≦427.5μmol/L、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼおよびアラニンアミノトランスフェラーゼ濃度≦2.5倍の標準上限 [ULN;肝臓関連(involvement)について<5倍のULN]、およびクレアチニンクリアランス1分あたり>50mL)を有した。前の抗新形成治療は介入の開始前に少なくとも6週間中断させる必要があり、患者は前の治療の残存副作用がないことを示すことができた。患者はABDNAZを受けながら効果的な避妊を実施することが求められた。全ての患者は評価可能な疾患を有した。重要な除外基準としては、低アルブミン血症(アルブミン<30g/L)、活性脳転移(しかし安定な脳転移を有する患者は適格であった)、妊娠または授乳、コンプライアンスまたは終点評価に影響を及ぼし得る任意の他の臨床的に有意な病気または精神医学的障害、および任意の他の検査薬の同時使用が挙げられた。
【0086】
治療開始前の16日未満に臨床部位でスクリーニング評価を行い、心電図、尿検査、改変ボルグ呼吸困難評価(Modified Borg Dyspnea Assessment)、パルスオキシメトリーおよび放射線腫瘍測定が含まれた。病歴、身体検査、妊娠試験、パフォーマンスステータス、完全血球算定、包括的血清化学および尿検査を最初の投与から16日以内に行った。
【0087】
プロトコルはMoores Cancer CenterおよびSarah Cannon Research Instituteの検査再検討会議により再検討され承認された。全ての手順はヘルシンキ宣言で確立された原則に従って実施された。患者は、登録の前に全ての臨床検査の観点について、国内および機関のガイドラインに従ってなされた書面のインフォームドコンセントを受けた。
【0088】
ABDNAZの水溶液を患者に静脈内投与した。水溶液は、ABDNAZ (2mg/mL)、400g/mol (6% w/w)の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、ジメチルアセトアミド(3% w/w)および注射用水を含んだ。患者は、10mg/m2、16.7mg/m2、24.6mg/m2、33mg/m2、55mg/m2または83mg/m2の量のABDNAZの用量を送達するのに十分なABDNAZの水溶液の体積を投与された。3名の患者は10mg/m2のABDNAZの開始用量を受けた後用量増加(16.7mg/m2、24.6mg/m2、33mg/m2、55mg/m2および83mg/m2まで)を受け、投与コホート当たり少なくとも3名の患者は用量増加の前に2週間の観察期間を受けた。注入の持続時間は患者の許容に対して滴定され(titrated)、投与コホート間および患者間で異なった。しかしながら、10mg/m2投与コホートの第1の患者について、ABDNAZの水溶液を20分かけて中心に投与し、患者は注入部位での苦痛およびかかる高強度の鼻咽頭の焼けるような感覚を経験し、このような患者は自発的に試験から抜けた。その後、肘前または前腕領域における末梢静脈内送達を使用して、より長い持続時間を使用して注入を行った(例えば、注入に耐える患者の能力に基づいて0.5mL/時間の増加で増減して調節し得る3.5mL/時間の速度で投与しながら2時間〜8時間の範囲)。末梢静脈内送達はより許容され、ほとんどの患者は、前腕における顕著な用量依存的血管拡張および一過的な軽い〜中位の苦痛を示した。最高の投与コホート(83mg/m2)における数人の患者について、本発明者らはABDNAZの総用量および送達を1週間に2回の養生法に分ける必要があった。最高投与コホートにおける3名の患者および終わりから2番目の投与コホート(55mg/m2)における1名の患者は、局所的な注入の苦痛のために33mg/m2までの用量低下を必要とした。
【0089】
パートII-結果
ほとんどがグレード1およびグレード2であった注射部位での苦痛は、治療に関連する最も一般的な有害事象であって、21名(84%)の患者が経験した。他の一般的なABDNAZ関連有害事象は、腕の膨脹または水腫(8名[32%]の患者)および静脈の硬化(7名[28%]の患者)を含んだ。ABDNAZに由来する注入の苦痛の管理に関連する時間拘束は83mg/m2の最大限に実行可能な用量を生じた。試験の間に観察されたABDNAZ関連有害事象を以下の表に列挙する。
【表2】
【0090】
参照による援用
本明細書に参照される特許文献および科学文献のそれぞれの全開示は、全ての目的のために参照により援用される。
【0091】
均等物
本発明は、その精神または本質的な特徴を逸脱することなく、他の具体的な形態で体現され得る。そのため、前述の態様は、全ての点において本明細書に記載される発明の限定ではなく例示であると考えられる。したがって、本発明の範囲は、前述の記載ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の同等物の意味および範囲内でなされる全ての変更が本発明に包含されることが意図される。
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
[1]癌を治療するための癌に苦しむ患者へのABDNAZ製剤の静脈内投与のための方法であって、癌を治療するために、全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含むABDNAZ製剤の治療有効量を、癌の治療を必要とする患者に静脈内投与する工程を含む、方法。
[2]全血が自己全血である、[1]記載の方法。
[3]ABDNAZ製剤が少なくとも5mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]または[2]記載の方法。
[4]ABDNAZ製剤が少なくとも10mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]または[2]記載の方法。
[5]癌が固形腫瘍である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[6]癌が、脳癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌または子宮癌である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[7]癌が脳癌である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[8]癌が結腸直腸癌である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[9]癌が胆管癌または肺癌である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[10]癌が白血病またはリンパ腫である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[11]癌がB細胞リンパ腫または非ホジキンリンパ腫である、[1]〜[4]いずれか一項記載の方法。
[12]ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下である、[1]〜[11]いずれか一項記載の方法。
[13]ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード1以下である、[1]〜[11]いずれか一項記載の方法。
[14]患者が経験する注射部位での苦痛を最小限にしながら、患者へのABDNAZ製剤の迅速な静脈内投与のための方法であって、少なくとも10mL/時間の速度で全血、ABDNAZおよび抗凝固薬を含むABDNAZ製剤を患者に静脈内投与する工程を含み、ここでABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下である、方法。
[15]ABDNAZ製剤の静脈内投与のためのABDNAZ製剤の静脈内投与の部位で患者が経験する任意の苦痛がグレード1以下である、[14]記載の方法。
[16]患者が癌に苦しむ、[14]または[15]記載の方法。
[17]癌が固形腫瘍である、[16]記載の方法。
[18]癌が、脳癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、胃癌、精巣癌または子宮癌である、[16]記載の方法。
[19]癌が脳癌である、[16]記載の方法。
[20]癌が結腸直腸癌である、[16]記載の方法。
[21]癌が胆管癌または肺癌である、[16]記載の方法。
[22]癌が白血病またはリンパ腫である、[16]記載の方法。
[23]癌がB細胞リンパ腫または非ホジキンリンパ腫である、[16]記載の方法。
[24]ABDNAZ製剤が少なくとも30mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]〜[23]いずれか一項記載の方法。
[25]ABDNAZ製剤が少なくとも60mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]〜[23]いずれか一項記載の方法。
[26]ABDNAZ製剤が少なくとも90mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]〜[23]いずれか一項記載の方法。
[27]ABDNAZ製剤が少なくとも120mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]〜[23]いずれか一項記載の方法。
[28]ABDNAZ製剤が少なくとも200mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]〜[23]いずれか一項記載の方法。
[29]ABDNAZ製剤が少なくとも300mL/時間の速度で患者に静脈内投与される、[1]〜[23]いずれか一項記載の方法。
[30]ABDNAZ製剤が少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[31]ABDNAZ製剤が少なくとも20μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[32]ABDNAZ製剤が少なくとも50μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[33]ABDNAZ製剤が少なくとも100μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[34]ABDNAZ製剤が少なくとも150μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[35]ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約1mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[36]ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[37]ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約250μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[38]ABDNAZ製剤が約20μg/mL〜約200μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[1]〜[29]いずれか一項記載の方法。
[39]ABDNAZ製剤が本質的に全血、ABDNAZおよび抗凝固薬からなる、[1]〜[38]いずれか一項記載の方法。
[40]ABDNAZ製剤が全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、ポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる、[1]〜[38]いずれか一項記載の方法。
[41]ABDNAZ製剤が、全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる、[1]〜[38]いずれか一項記載の方法。
[42]ABDNAZ製剤が全血、ABDNAZ、抗凝固薬、水、約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる、[1]〜[38]いずれか一項記載の方法。
[43]ABDNAZ製剤が全血、ABDNAZ、抗凝固薬、ならびに任意に水、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドの1つ以上からなる、[1]〜[38]いずれか一項記載の方法。
[44]ABDNAZ製剤が全血、ABDNAZ、抗凝固薬、水、約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールおよびN,N-ジメチルアセトアミドからなる、[1]〜[38]いずれか一項記載の方法。
[45]抗凝固薬が、ヘパリンおよびクエン酸塩の1つ以上を含む、[1]〜[44]いずれか一項記載の方法。
[46]抗凝固薬が、アルカリ金属クエン酸塩、デキストロースおよび水を含む溶液である、[1]〜[44]いずれか一項記載の方法。
[47]抗凝固薬が、ABDNAZ製剤中、約0.1%wt/wt〜約15%w/wの範囲の量で存在する、[1]〜[46]いずれか一項記載の方法。
[48]全血が、ABDNAZ製剤の少なくとも30%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[49]全血が、ABDNAZ製剤の少なくとも60%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[50]全血が、ABDNAZ製剤の少なくとも75%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[51]全血が、ABDNAZ製剤の少なくとも90%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[52]全血が、ABDNAZ製剤の約60%wt/wt〜約99%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[53]全血が、ABDNAZ製剤の約70%wt/wt〜約95%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[54]全血が、ABDNAZ製剤の約75%wt/wt〜約90%wt/wtを構成する、[1]〜[47]いずれか一項記載の方法。
[55]ABDNAZ製剤中約90mL〜約110mLの全血がある、[1]〜[54]いずれか一項記載の方法。
[56]ABDNAZ製剤中約95mL〜約105mLの全血がある、[1]〜[54]いずれか一項記載の方法。
[57]ABDNAZ製剤中約100mLの全血がある、[1]〜[54]いずれか一項記載の方法。
[58]ABDNAZ製剤中約10mL〜約20mLの全血がある、[1]〜[54]いずれか一項記載の方法。
[59]ABDNAZ製剤中約10mLの全血がある、[1]〜[54]いずれか一項記載の方法。
[60]ABDNAZ製剤が約50mL〜約200mLの範囲の体積を有する、[1]〜[59]いずれか一項記載の方法。
[61]ABDNAZ製剤が約75mL〜約150mLの範囲の体積を有する、[1]〜[59]いずれか一項記載の方法。
[62]ABDNAZ製剤が約90mL〜約140mLの範囲の体積を有する、[1]〜[59]いずれか一項記載の方法。
[63]ABDNAZ製剤が約100mL〜約140mLの範囲の体積を有する、[1]〜[59]いずれか一項記載の方法。
[64]ABDNAZ製剤が約100mL〜約120mLの範囲の体積を有する、[1]〜[59]いずれか一項記載の方法。
[65]ABDNAZ製剤が約10mL〜約20mLの範囲の体積を有する、[1]〜[59]いずれか一項記載の方法。
[66]ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約1時間以内に開始される、[1]〜[65]いずれか一項記載の方法。
[67]ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約30分以内に開始される、[1]〜[65]いずれか一項記載の方法。
[68]ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約20分後以内に開始される、[1]〜[65]いずれか一項記載の方法。
[69]ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約6時間以内に完了する、[1]〜[68]いずれか一項記載の方法。
[70]ABDNAZ製剤の静脈内投与がABDNAZ製剤の形成後の約4時間以内に完了する、[1]〜[68]いずれか一項記載の方法。
[71]患者から全血のアリコートを得る工程、その後該アリコートを使用して患者への投与のためのABDNAZ製剤を調製する工程をさらに含む、[1]〜[70]いずれか一項記載の方法。
[72]静脈内投与が中心静脈内投与である、[1]〜[71]いずれか一項記載の方法。
[73]静脈内投与が末梢静脈内投与である、[1]〜[71]いずれか一項記載の方法。
[74]患者が成人のヒトである、[1]〜[73]いずれか一項記載の方法。
[75]患者が小児のヒトである、[1]〜[73]いずれか一項記載の方法。
[76]患者が貧血に苦しまないかまたは低下した血液体積を有さない、[1]〜[75]いずれか一項記載の方法。
[77]患者が平均的な日常血液体積の量の少なくとも95%を有する、[1]〜[75]いずれか一項記載の方法。
[78]a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
を含む、患者への静脈内投与のためのABDNAZを含む静脈内製剤。
[79]製剤が本質的に、
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
からなる、[78]記載の静脈内製剤。
[80]製剤が、
a. 製剤の少なくとも60% v/vの量の全血;
b. 製剤中約0.4μL/mL〜約30μL/mLの濃度のポリエチレングリコール;
c. 製剤中約0.2μL/mL〜約15μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミド;
d. 製剤中少なくとも10μg/mLの濃度のABDNAZ;
e. 水;および
f. 抗凝固薬
からなる、[78]記載の静脈内製剤。
[81]ポリエチレングリコールが約200g/mol〜約600g/molの範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールである、[78]〜[81]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[82]ポリエチレングリコールが約400g/molの数平均分子量を有するポリエチレングリコールである、[78]〜[81]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[83]抗凝固薬が、ヘパリンおよびクエン酸塩の1つ以上を含む、[78]〜[82]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[84]抗凝固薬が、アルカリ金属クエン酸塩、デキストロースおよび水を含む溶液である、[78]〜[82]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[85]ABDNAZ製剤が少なくとも20μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[86]ABDNAZ製剤が少なくとも50μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[87]ABDNAZ製剤が少なくとも100μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[88]ABDNAZ製剤が少なくとも150μg/mLの濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[89]ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約1mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[90]ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約0.5mg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[91]ABDNAZ製剤が約10μg/mL〜約250μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[92]ABDNAZ製剤が約20μg/mL〜約200μg/mLの範囲の濃度のABDNAZを含む、[78]〜[84]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[93]全血が、製剤の少なくとも60%wt/wtを構成する、[78]〜[92]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[94]全血が、製剤の少なくとも75%wt/wtを構成する、[78]〜[92]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[95]全血が、製剤の少なくとも90%wt/wtを構成する、[78]〜[92]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[96]全血が、製剤の約60%wt/wt〜約99%wt/wtを構成する、[78]〜[92]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[97]全血が、製剤の約70%wt/wt〜約95%wt/wtを構成する、[78]〜[92]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[98]全血が、製剤の約75%wt/wt〜約90%wt/wtを構成する、[78]〜[92]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[99]製剤中に約90mL〜約110mLの全血がある、[78]〜[98]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[100]製剤中に約95mL〜約105mLの全血がある、[78]〜[98]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[101]製剤中に約100mLの全血がある、[78]〜[98]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[102]製剤中に約10mL〜約20mLの全血がある、[78]〜[98]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[103]製剤が約50mL〜約200mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、[78]〜[102]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[104]製剤が約75mL〜約150mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、[78]〜[102]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[105]製剤が約90mL〜約140mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、[78]〜[102]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[106]製剤が約100mL〜約140mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、[78]〜[102]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[107]製剤が約100mL〜約120mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、[78]〜[102]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[108]製剤が約10mL〜約30mLの範囲の体積を有する単位用量の形態である、[78]〜[102]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[109]ポリエチレングリコールが製剤中約0.4μL/mL〜約4μL/mLの濃度で存在する、[78]〜[108]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[110]製剤中、約0.2μL/mL〜約2μL/mLの濃度のN,N-ジメチルアセトアミドである、[78]〜[108]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[111]製剤が、10mL/時間〜50mL/時間の範囲の速度での患者への製剤の静脈内投与のための静脈内投与の部位において患者が経験する任意の苦痛がグレード2以下である、という特徴により特徴付けられる、[78]〜[110]いずれか一項記載の静脈内製剤。
[112]製剤が、10mL/時間〜50mL/時間の範囲の速度での患者への製剤の静脈内投与のための静脈内投与の部位において患者が経験する任意の苦痛がグレード1以下である、という特徴により特徴付けられる、[78]〜[111]いずれか一項記載の静脈内製剤。