(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粒状材料が、穀物の殻又は外皮、木材又は樹木由来の材料、動物の羽毛、珪藻土、パーライト、発泡体、中空粒子及び半球、エアロゲル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される疎水性材料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の無煙口腔タバコ製品。
前記粒状材料が、コルク、おがくず、雑穀殻、ポリスチレン、アルギン酸ナトリウム微小球、発泡したアルギネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性粒状材料である、請求項8に記載の無煙口腔タバコ製品。
香味剤、防腐剤、結合剤、湿潤剤、緩衝剤、崩壊助剤及び着色剤から選択される追加の成分を、前記処理ステップ(b)の前に、前記処理ステップ(b)の途中に、又は前記処理ステップ(b)の後に、前記タバコ材料に添加する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの異なる材料について測定した密度を含むグラフである。材料の重量をy軸にプロットし、重量を製品1cm
3当たりで測定した。
【
図2】粒状材料の質量中央径を測定するための、例示的な試験ふるい分け装置を示す図である。
【
図3】粒状材料の質量中央径を測定するための試験ふるい分け装置について、例示的な設定を示す図である。
【
図4】コルクの質量中央径を測定するための実施例1aの例示的なふるい分析方法での、ふるいのメッシュの大きさに対するコルクの累積質量百分率のグラフである。
【
図5】雑穀殻の質量中央径を測定するための実施例1bの例示的なふるい分析方法での、ふるいのメッシュの大きさに対する雑穀殻の累積質量百分率のグラフをである。
【
図6】上部に示す小袋製品とともに、20gの標準白色スヌースを含むブリキ缶である無煙口腔タバコ製品(右)と、上部に示す小袋製品とともに、10gのコルクスヌースを含むブリキ缶であるコルクを含む試料(左)との比較を示す図である。
【0012】
[詳細な記述]
本発明は無煙口腔タバコ製品に関する。
【0013】
本発明で使用する「粒状材料」は、タバコ以外の粒状材料である。したがって、当業者によって理解されるように、無煙口腔タバコ製品はタバコ及び本明細書で規定する粒状材料を含み、粒状材料はタバコ以外である。
【0014】
「無煙タバコ製品」は、燃焼を意図しない任意のタバコ製品を表すために本明細書で使用される。
【0015】
「無煙口腔タバコ製品」は、限られた時間、使用者の口腔内に配置され、その間使用者の唾液と製品の間に接触があるように設計された、任意の無煙タバコ製品を表すために本明細書で使用される。本明細書で使用する「無煙口腔タバコ製品」という用語は、タバコを加熱する製品を含まない。
【0016】
無煙口腔タバコ製品は、小分けされた様式、又は小分けされていない様式で使用者に提供することができる。小分けされた無煙口腔タバコ製品は、使用者によるタバコの取り扱いを低減するか無くすことができ、より良好な衛生状態、利便性及び/又は使いやすさの面から著しい利点を提供することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、本発明の無煙口腔タバコ製品は小分けされた製品である。
【0018】
無煙口腔タバコ製品は、タバコ材料を含む。
【0019】
本明細書で使用する「タバコ材料」は、タバコ及び/又はタバコ代用品若しくは代替品を含む材料を含む。いくつかの実施形態では、タバコ材料はタバコを含む。いくつかの実施形態では、タバコ材料はタバコである。いくつかの実施形態では、タバコ材料はタバコ代用品又は代替品を含む。いくつかの実施形態では、タバコ材料はタバコ代用品又は代替品である。
【0020】
本明細書で使用する「タバコ」は、タバコ属(genus Nicotiana)の任意のメンバーの葉、花又は茎などの任意の部分、及びこれらの再構成された材料を含む。いくつかの実施形態では、タバコは処理されたタバコを含む。いくつかの実施形態では、タバコは派生物、例えば抽出物であれ合成されたニコチンであれ天然タバコで見出される特定の化合物、及びタバコの葉の繊維質部分などの構造的な派生物を含む。本明細書で使用する「タバコ」という用語は、タバコ抽出物を含む。
【0021】
本明細書で使用する「タバコ代用品又は代替品」という用語は、適切に調製した場合に物理的に天然のタバコに類似している個々の化学物質及び/又は複雑な化学成分を含む、タバコ代替品を含んでいる。代わりに又は加えて、本明細書で使用する「タバコ代用品又は代替品」という用語は、使用者にニコチンを届け、タバコに類似する口当たりを提供する材料を含む。
【0022】
タバコが植物材料を含む場合、植物の規定された量の異なる部分を使用してもよい。例えば、タバコブレンド中の茎の量は、タバコ重量の50%以下、60%以下、又は70%以下であってもよい。いくつかの実施形態では、タバコ中の茎の量はタバコ重量の5%〜70%、例えばタバコ重量の10%〜65%、例えばタバコ重量の15%〜65%、例えばタバコ重量の20%〜60%、例えばタバコ重量の25%〜55%、例えばタバコ重量の30%〜50%である。
【0023】
本発明で使用するタバコは、複数種類のタバコを含んでもよく、例えば、暗色空気乾燥タバコ、熱気乾燥タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、ダークタバコ、暗色火力乾燥(dark−fired)タバコ及びラスティカタバコ、並びに他の希少又は特殊タバコを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、タバコは粉砕されたタバコ及び/又は粒子形態にある。いくつかの実施形態では、タバコはストランド又はカットラミナ(cut lamina)形態をしていない。
【0025】
いくつかの実施形態では、タバコは乾燥した又は湿った形態の嗅ぎタバコでありうる。「嗅ぎタバコ」は、典型的には乾燥し、ふるい分析によって測定した0.01〜5mm、例えば0.01〜3mm、例えば0.01〜1.0mmの質量中央径を有するように粉砕した乾燥タバコを含む、無煙タバコ製品の1部類を概して記述するために本明細書で使用される。
【0026】
いくつかの実施形態では、タバコは乾燥した嗅ぎタバコであってもよい。いくつかの実施形態では、タバコの含水量は、無煙口腔タバコ製品全体の重量の16%未満、例えば無煙口腔タバコ製品全体の重量の12%未満、例えば無煙口腔タバコ製品全体の重量の10%未満、例えば無煙口腔タバコ製品全体の重量の5%未満、例えば無煙口腔タバコ製品全体の重量の3%未満、例えば無煙口腔タバコ製品全体の重量の2%未満、例えば無煙口腔タバコ製品全体の重量の1%未満である。
【0027】
いくつかの実施形態では、タバコの一部又は全ては湿った形態である。湿ったタバコは、無煙口腔タバコ製品に組み込むのに好適な任意の形態でありうる。いくつかの実施形態では、湿ったタバコは湿った嗅ぎタバコを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、湿った嗅ぎタバコはスウェーデン方式嗅ぎタバコを含み、スヌース方式タバコ又はスヌースとも呼びうる。いくつかの実施形態では、湿った嗅ぎタバコはスウェーデン方式嗅ぎタバコ(スヌース)である。スヌースは、乾燥嗅ぎタバコの変形に由来する湿った粉末タバコ製品である。本明細書で使用する場合、スヌースは発酵しない口腔タバコ製品であるが、低温殺菌法によるなどいくぶん熱処理される。スヌースは、スヌースを上唇の下に長期間置くことにより典型的には使用される。
【0029】
いくつかの実施形態では、タバコの含水量は無煙口腔タバコ製品全体の重量の少なくとも20%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも25%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも30%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも35%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも40%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも45%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも50%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも60%である。
【0030】
無煙口腔タバコ製品がスヌースを含む実施形態では、スヌースは塩及び/又は他の香料(flavourant)を含んでもよい。代わりに又は加えて、スヌースは低温殺菌されてもよく、又は低温殺菌に類似するプロセスを経てもよく、任意選択で熟成されて、スヌースの所望のpH及び/又は含水量に到達してもよい。低温殺菌及び熟成に好適な方法及び装置は、当業者に知られている。
【0031】
代わりに又は加えて、湿った嗅ぎタバコは浸漬タバコの形態であってもよい。無煙口腔タバコ製品が浸漬タバコを含む実施形態では、浸漬タバコは発酵によって処理されてもよく、又は発酵に類似するプロセスを経てもよく、任意選択で1つ以上のさらなるプロセス、例えばエージングを経てもよい。浸漬タバコの処理に好適な方法及び装置は、当業者に知られている。
【0032】
代わりに又は加えて、タバコは米国の湿った嗅ぎタバコ及び/又は噛みタバコの形態であってもよい。
【0033】
タバコ配合物内のタバコの量は変化してもよい。いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品内のタバコの量は、無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約5%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約10%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約15%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約20%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約25%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約30%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約40%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約50%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約55%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の少なくとも約60%である。
【0034】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品内のタバコの量は、無煙口腔タバコ製品重量の約90%以下、無煙口腔タバコ製品重量の約85%以下、無煙口腔タバコ製品重量の約80%以下、無煙口腔タバコ製品重量の約75%以下、無煙口腔タバコ製品重量の約70%以下である。
【0035】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品内のタバコの量は、無煙口腔タバコ製品重量の約20%〜90%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の20%〜85%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約20%〜80%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約20%〜75%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約20%〜70%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約20%〜65%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約20%〜60%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約25%〜60%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約30%〜60%、例えば無煙口腔タバコ製品重量の約35%〜60%である。
【0036】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品を使用者に小分けされた様式で提供することができる。いくつかの知られている小分けされた無煙口腔タバコ製品では、タバコ材料は小袋に囲まれている。例えば、湿った嗅ぎタバコを提供する一般的な方法は、浸透性の小袋にタバコ材料を密封することである。
【0037】
小袋によってタバコ材料は所定位置に保持され、同時に香味料及びニコチンなどの物質が小袋を通して使用者の口中へ拡散し、使用者の粘膜を通して吸収される。
【0038】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品を使用者に小分けされていない様式で提供することができる。一実施形態では、無煙口腔タバコ製品は、容器、例えば缶、匂い袋又はブリキ缶に緩い形態で充填される。
【0039】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品を、例えば欧州特許出願公開第2649889号に記述されているあらかじめ形成された様式で使用者に提供することができる。こうした様式は、典型的には製品を収容するために小袋の使用を必要としないが、それでも小分けされていてもよい。
【0040】
タバコ材料に加えて、無煙口腔タバコ製品は粒状材料を含む。本発明に従う粒状材料は以下の性質:
i)ふるい分析によって測定した約0.3mm〜約3mmの質量中央径;
ii)約0.6g/cm
3未満のかさ密度;及び
iii)粒状材料の重量に対して約7%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する。
【0041】
本明細書で使用する場合、「粒状」という用語は、材料の粒子の平均的な長さと幅との比が2:1未満、例えば1.5:1未満、例えば約1:1であることを意味する。いくつかの実施形態では、粒状材料の粒子は実質的に球状である。いくつかの実施形態では、粒状材料は顆粒状である。
【0042】
いくつかの実施形態では、粒状材料は、ふるい分析によって測定した約0.3mm〜約2.5mm、例えば約0.3mm〜約2mm、例えば約0.3mm〜約1.5mm、例えば約0.3mm〜約1mm、例えば約0.3mm〜約0.7mmの質量中央径を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、粒状材料は、ふるい分析によって測定した約0.4mm〜約2.5mm、例えば約0.4mm〜約2mm、例えば約0.4mm〜約1.5mm、例えば約0.4mm〜約1mm、例えば約0.4〜約0.7mmの質量中央径を有する。
【0044】
本明細書で使用する場合、「質量中央径」という用語は、試料中のすべての粒子の全質量の2分の1は質量中央径より小さい大きさの粒子が寄与し、試料中のすべての粒子の全質量の2分の1は質量中央径より大きい大きさの粒子が寄与する大きさとして規定される。
【0045】
粒状材料の質量中央径は、ふるい分析によって測定することができる。当業者が容易に認識するように、ふるい分析(さもなければグラデーション試験(gradation test)として知られている)は、粒状材料の粒径分布を測定するために使用される方法である。典型的には、ふるい分析は、好ましくはワイヤーメッシュ布の形態のスクリーンを含むふるいの入れ子状(nested)カラムを伴う。あらかじめ秤量した試料を、カラムでトップ又は最上部のふるいへ導入することができ、最上部のふるいは最大のスクリーン開口又はメッシュの大きさ(すなわちふるいの最大細孔径)を有する。カラムのより低位の各ふるいは、上位のふるいより漸次より小さなスクリーン開口又はメッシュの大きさを有する。典型的にはふるいカラムの底部には、(最も小さなスクリーン開口又はメッシュの大きさを有する)カラムの底又は最低位のふるいのスクリーン開口の大きさ又はメッシュの大きさより小さな粒径を有する任意の粒子を収集する受け器の部分がある。
【0046】
いくつかの実施形態では、ふるいカラムは、機械的撹拌機の上又は中に配置しうる。撹拌機は、カラムの各ふるいの振動をもたらす。すべての粒子を正しいふるいで収集することを確実にするために、機械的撹拌機をあらかじめ規定した時間活性化してもよい。いくつかの実施形態では、ふるいカラムを0.5分〜10分、例えば1分〜10分、例えば1分〜5分、例えばおよそ3分の時間撹拌する。
【0047】
いったんカラムのふるいの撹拌が完了したら、各ふるいに収集された材料を秤量する。次に、各ふるいに保持された質量の百分率を得るために、各ふるいにある各試料の重量を全重量で割ることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、粒状材料の質量中央径を以下のように測定することができる:
粒状材料の試料の累積的な質量を、試料のふるい分けの前に測定する;
上で記述した方法を使用して試料のふるい分けをした後に、各ふるいで保持された集合体(aggregate)粒状材料の百分率を以下の式:
%保持=(M
Sieve/M
Total)×100%
[式中、M
Sieveはふるいにある集合体材料の質量であり、M
Totalは全体の試料の累積的な質量(又は全質量)である]を使用して計算する;
次に、各ふるいで保持された集合体試料の累積百分率を、各前のふるい(すなわち、関連するふるいの上の各ふるい)で保持されている集合体材料の全量を加算することによって計算する。各ふるいで保持された集合体試料の累積百分率は、各前のふるいで保持された相対的な百分率を100%から引くことによって、以下のように見出される:
%累積=100%−%前のふるいで保持
次に、x軸のふるいの大きさに対して、累積質量百分率のグラフをy軸にプロットする;
次に、y=50%の時(すなわち、累積質量百分率が50%である時)のxの値を計算することによって質量中央径を決定する。
【0049】
当業者が容易に認識するように、ふるい分析に使用するカラムの各ふるいのスクリーン開口の大きさ又はメッシュの大きさを、分析する試料の粒度(granularity)又は既知の最大/最小粒径に基づいて選択してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、カラムが2〜20個のふるい、例えば5〜15個のふるいを備える、ふるいカラムをふるい分析に使用してもよい。いくつかの実施形態では、カラムが10個のふるいを備える、ふるいカラムをふるい分析に使用してもよい。いくつかの実施形態では、粒状材料の質量中央径を決定するための、10個のふるいのスクリーン開口又はメッシュの大きさは以下の通りでありうる:
【表1】
【0051】
本明細書で使用する場合、粒状材料の密度は材料のかさ密度として規定される。本明細書で使用する場合、かさ密度は、粒状材料のいくつかの粒子の質量を、粒子が占める全体積で割ったものとして規定される。本明細書で使用する場合、「かさ密度」という用語は、タップしない(untapped)又は自由に沈降したかさ密度を意味する。言いかえれば、かさ密度はタップしない(すなわち、容器の振動を伴う可能性がある任意の指定の圧密化プロセスの前の)密度として測定される。
【0052】
いくつかの実施形態では、粒状材料は約0.55g/cm
3未満、例えば約0.5g/cm
3未満、例えば約0.45g/cm
3未満、例えば約0.4g/cm
3未満、例えば約0.35g/cm
3未満、例えば約0.3g/cm
3未満、例えば約0.25g/cm
3未満、例えば約0.2g/cm
3未満、例えば約0.15g/cm
3未満のかさ密度を有する。
【0053】
本明細書で使用する場合、「デンプン」という用語は、グリコシド結合によって連結された少なくとも200個のグルコース単位を含む炭水化物として規定される。
【0054】
本明細書で使用する場合、「糖質」という用語は、単糖類(例えば、グルコース及びフルクトース)、二糖類(例えば、スクロース及びマルトース)、並びにオリゴ糖類からなる群から選択される化合物として規定される。
【0055】
いくつかの実施形態では、粒状材料中のスクロース、フルクトース、マルトース及びグルコースを合わせた量は、粒状材料の重量に対して約7%未満である。したがって、好ましい態様では、無煙口腔タバコ製品はタバコ材料及び粒状材料を含んで提供され、該粒状材料は以下の性質:
i)ふるい分析によって測定した約0.3mm〜約3mmの質量中央径;
ii)約0.6g/cm
3未満のかさ密度;及び
iii)粒状材料の重量に対して約7%未満のスクロース、フルクトース、マルトース及びグルコースの合わせた内容物を有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、粒状材料は粒状材料の重量に対して約7%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する。いくつかの実施形態では、粒状材料は粒状材料の重量に対して約6%未満、例えば粒状材料の重量に対して約5.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約4.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約4%未満、例えば粒状材料の重量に対して約3.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約3%未満、例えば粒状材料の重量に対して約2.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約2%未満、例えば粒状材料の重量に対して約1.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約1%未満、例えば粒状材料の重量に対して約0.5%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、粒状材料は粒状材料の重量に対して約7%未満の全糖質含量を有する。いくつかの実施形態では、粒状材料は粒状材料の重量に対して約6%未満、例えば粒状材料の重量に対して約5.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約4.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約4%未満、例えば粒状材料の重量に対して約3.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約3%未満、例えば粒状材料の重量に対して約2.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約2%未満、例えば粒状材料の重量に対して約1.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約1%未満、例えば粒状材料の重量に対して約0.5%未満の全糖質含量を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、粒状材料は粒状材料の重量に対して約7%未満の全デンプン含量を有する。いくつかの実施形態では、粒状材料は粒状材料の重量に対して約6%未満、例えば粒状材料の重量に対して約5.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約4.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約4%未満、例えば粒状材料の重量に対して約3.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約3%未満、例えば粒状材料の重量に対して約2.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約2%未満、例えば粒状材料の重量に対して約1.5%未満、例えば粒状材料の重量に対して約1%未満、例えば粒状材料の重量に対して約0.5%未満の全デンプン含量を有する。
【0059】
一実施形態では、粒状材料はふるい分析によって測定した約0.3mm〜約1mmの質量中央径、約0.4g/cm
3未満のかさ密度、及び粒状材料の重量に対して約7%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する。
【0060】
一実施形態では、粒状材料はふるい分析によって測定した約0.3mm〜約0.7mmの質量中央径、約0.25g/cm
3未満のかさ密度、及び粒状材料の重量に対して約5%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、粒状材料は疎水性である。いくつかの実施形態では、粒状材料は、エアロゲル、中空粒子及び半球、発泡体、繊維、植物由来の材料、木材又は樹木由来の材料、動物由来の材料、鉱物由来の材料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される疎水性粒状材料である。
【0062】
いくつかの実施形態では、粒状材料は、穀物の殻又は外皮、木材又は樹木由来の材料、動物の羽毛、珪藻土、パーライト、発泡体、中空粒子及び半球、エアロゲル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される疎水性材料である。
【0063】
穀物の殻又は外皮は、穀物の栄養になる種子を閉じ込めている可能性があり、典型的には食品産業の廃棄物である。いくつかの実施形態では、穀物の殻又は外皮は、そば殻、雑穀殻、及びこれらの混合物から選択されうる。穀物のこうした殻又は外皮は、典型的には本来親水性であるが、本発明の目的のために表面処理によって疎水性にしてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、動物の羽毛はニワトリの羽毛、ダウン及びこれらの混合物から選択される。動物の外側の羽毛は、それらの天然の状態で典型的には疎水性である。しかしながら、ダウンは天然に親水性であるが、アウトドア用衣類で使用するのにダウンの天然の親水性が大きな欠点であったので、ダウンを疎水性にするためにいくつかの処理を利用することができる。現在様々なアウトドア会社は、水分をはじく処理をしたダウンを有する商品を提供している。銘柄としては、ラブハイドロフォービックダウン(Rab Hydrophobic Down)、ザノースファクトプロダウン(The North Fact ProDown)(商標)、バーグハウスハイドロダウン(Berghaus HydroDown)(商標)及びマウンテンハードウエアQ.シールドダウン(Mountain Hardwear Q.Shield Down)が挙げられる。
【0065】
珪藻土(ダイアトマイト(diatomite)又はキーセルガ(kieselgur/kieselguhr)としても知られている)は、天然に発生する柔らかい珪質堆積岩である。珪藻土は典型的には約80%のシリカ及び約20%の珪藻を含み、珪藻は殻の堅い藻の種類である。珪藻土は天然には親水性であるが、疎水性のグレードを得るために処理を利用することができる。
【0066】
パーライトは、主としてケイ酸アルミニウムを含む、火山由来の軽い材料である。パーライトは、熱処理の後に膨張した形態でしばしば見出される。珪藻土と同様に、パーライトは天然には親水性であるが、疎水性のグレードを得るために処理を利用することができる。
【0067】
発泡体は、ガスのポケットを材料中に閉じ込めることにより典型的には形成される。発泡体は連続気泡(open cell)発泡体及び/又は独立気泡(closed cell)発泡体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発泡体は、原料、例えばポリマー、シリコーン、天然ゴム、ナノセルロース、アルギネート及びこれらの混合物から形成される。いくつかの実施形態では、発泡体は、国際公開第2013/090653号に記述されているアルギン酸ナトリウム、ポリエチレン、ポリスチレン及び低密度チューインガムから選択される。低密度チューインガムは少なくとも50%のポリマー、並びに40%未満の、増量剤(bulking agent)及び充填剤を合わせたものを含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、粒状材料は発泡したアルギネート、例えば国際公開第2014/096816号に記述されているものである。いくつかの実施形態では、発泡したアルギネートは発泡したアルギン酸ナトリウムである。
【0069】
中空粒子及び半球は、バルク材(bulk material)より軽い密度を確実にするために、空気を充填したポリマーから形成してもよい。中空粒子及び半球は、エクスパンセル(Expancel)(AkzoNobel)、デュアライト(Dualite)(登録商標)(Henkel)、及びサンスフィア(Sunspheres)(商標)(The DOW Chemical Company)を含む群から選択されうる。これらの各中空粒子及び半球の疎水性グレードを利用することができる。中空粒子及び半球もアルギン酸ナトリウム粒子から形成してもよい。
【0070】
エアロゲルは、ゲルの液体成分から損なわれずに分離されたゲルの乾燥した、低密度の、多孔質である固体骨格であってもよい。エアロゲルは開放多孔質(open−porous)であってもよく、直径<1〜100nmの範囲の細孔を有する。いくつかの実施形態では、エアロゲルは、シリカ、金属酸化物、有機ポリマー、生物学的ポリマー(例えばゼラチン、ペクチン及び寒天)を含む種々様々な物質から作製することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、粒状材料は木材又は樹木由来の疎水性粒状材料である。例えば、いくつかの実施形態では、粒状材料はおがくずである。おがくず(さもなければ木材粉塵と呼ばれる)は、切断、粉砕、穴あけ、研摩、又はさもなければ微粉砕した木材の副生物である。おがくずは、典型的には木材の微粒子から構成される。いくつかの実施形態では、粒状材料はコルクである。コルクは、主としてコナラ族(Quercus)のコルク質(suber)から収穫される樹皮組織の主要な一部である。コルクは、疎水性物質であるスベリンを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、粒状材料は、コルク、雑穀殻、ポリスチレン、アルギン酸ナトリウム微小球、発泡したアルギネート及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性粒状材料である。
【0073】
いくつかの実施形態では、粒状材料はコルクである。コルクはタバコより低い密度を有する材料である。いくつかの実施形態では、粒状材料はコルクであり、コルクのかさ密度は、0.05〜0.4g/cm
2、例えば0.05〜0.3g/cm
3、例えば0.05〜0.29g/cm
3、例えば0.05〜0.28g/cm
3、例えば0.05〜0.27g/cm
3、例えば0.05〜0.26g/cm
3である。いくつかの実施形態では、コルクの密度は0.05〜0.1g/cm
3である。いくつかの実施形態では、コルクの密度は0.17〜0.26g/cm
3である。
【0074】
図1は、いくつかの異なる材料について測定した密度を含む図を示す。材料の重量をy軸にプロットし、重量は製品1cm
3当たりで測定した。
【0075】
無煙口腔タバコ製品でのタバコ材料と粒状材料との好適な重量比は、無煙口腔タバコ製品の所望の性質に依存する。例えば、タバコ材料と粒状材料との重量比は、無煙口腔タバコ製品の所望の乾燥度及び密度に依存するであろう。
【0076】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品での粒状材料とタバコ材料との重量比は、20:1〜1:20、例えば15:1〜1:15、例えば10:1〜1:10、例えば9:1〜1:9、例えば8:1〜1:8、例えば7:1〜1:7、例えば6:1〜1:6、例えば5:1〜1:5、例えば4:1〜1:4、例えば3:1〜1:3、例えば2:1〜1:2である。
【0077】
いくつかの実施形態では、粒状材料はコルクである。いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品でのコルクとタバコ材料との重量比は、20:1〜1:20、例えば15:1〜1:15、例えば10:1〜1:10、例えば9:1〜1:9、例えば8:1〜1:8、例えば7:1〜1:7、例えば6:1〜1:6、例えば5:1〜1:5、例えば4:1〜1:4、例えば3:1〜1:3、例えば2:1〜1:2である。
【0078】
いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品での粒状材料とタバコ材料との重量比は、1:1.5〜1:10、例えば1:1.5〜1:9、例えば1:1.5〜1:8、例えば1:1.5〜1:7、例えば1:1.5〜1:6、例えば1:1.5〜1:5、例えば1:1.5〜1:4、例えば1:1.5〜1:3、例えば1:1.5〜1:2である。
【0079】
いくつかの実施形態では、粒状材料はコルクである。いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品でのコルクとタバコ材料との重量比は、1:1.5〜1:10、例えば1:1.5〜1:9、例えば1:1.5〜1:8、例えば1:1.5〜1:7、例えば1:1.5〜1:6、例えば1:1.5〜1:5、例えば1:1.5〜1:4、例えば1:1.5〜1:3、例えば1:1.5〜1:2である。
【0080】
いくつかの実施形態では、粒状材料は無煙口腔タバコ製品重量の1〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の2〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の3〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の4〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜75%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜70%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜65%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜60%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜55%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜50%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜45%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜40%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の10〜40%の量で含まれる。
【0081】
いくつかの実施形態では、粒状材料はコルクである。いくつかの実施形態では、コルクは無煙口腔タバコ製品重量の1〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の2〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の3〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の4〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜80%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜75%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜70%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜65%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜60%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜55%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜50%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜45%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の5〜40%の量で、例えば無煙口腔タバコ製品重量の10〜40%の量で含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、粒状材料はタバコ材料の芳香/匂いに干渉しない。例えば、コルクは芳香が中性である点で有利であり、タバコ材料の芳香/匂いに干渉せず、したがって使用者の体験に悪影響を及ぼさない。
【0083】
本発明の利点は、製品の官能的(organoleptic)性質を維持する一方で、本発明による無煙口腔タバコ製品で使用するタバコの量を低減できることである。
【0084】
拘束されることを望むものではないが、本明細書に記述する性質を有する粒状材料を本発明で使用することにより、タバコ材料からの成分、例えば、無煙口腔タバコ製品の香味料及び/又はニコチンの放出を増加させることができ、使用者の体験を高めることができる点は有利である。本明細書に記述する性質を有する粒状材料を包含することによって、より開放された構造を有する、より低密度の無煙口腔タバコ製品がもたらされる。これは、タバコ製品及び口内での流体のより自由な動きをもたらすことができ、続いて無煙口腔タバコ製品からの成分の改善された放出をもたらすことができる。
【0085】
本発明者らは、無煙口腔タバコ製品に含まれる粒状材料の重量比を変更することが、製品の密度及びち密度の変更をもたらし、それによって香味料及びニコチンの抽出速度を調節できる可能性があることを、意外にも見出した。
【0086】
本発明の別の利点は、使用者の体験に悪影響を及ぼすことなく、使用者に提供されるタバコの量を調節できることである。(任意選択で小袋に)小分けされて提供される無煙口腔タバコ製品では、使用者に提供される小分けされたものの大きさを減少させることは望ましくない。なぜならこうすると、小分けされたものが使用者の上唇の下のある特定の大きさの部分を使用することに使用される可能性があり、使用者の体験に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
【0087】
緩い形態の無煙口腔タバコ製品では、いくつかの実施形態では、使用者が容器から取ることができる製品の量(すなわち、製品の「ひとつまみ」)を依然として維持する一方で、使用者に提供されるタバコの量を変化させることができる可能性がある。そのうえ、緩い形態の無煙口腔タバコ製品では、製品の「ひつつまみ」を使用者が容器から取る場合、製品がより柔らかく、より弾性のある感触を有していると使用者が知覚することが、意外にも見出された。これは、容器から緩い形態で取る場合、製品に触ることがより心地よい可能性があるので、改善された全体的な使用者の体験をもたらす。
【0088】
本明細書に記述する性質を有する粒状材料を本発明で使用すると、粒状材料を含まない通常の無煙口腔タバコ製品と比較して、無煙口腔タバコ製品の全体的密度を減少させることができる。したがって、使用者に提供される小分けされたものの全体的な大きさを維持する一方で、製品の小分けされたものの重量を変化させうることが意外にも見出された。例えば、製品の体積を対応して全く低減することなく、製品の重量を低減することができる。
【0089】
本発明のさらなる利点は、製品の使用中に消費者が知覚する、のどの後ろの刺激の量を低減できることである。無煙口腔タバコ製品に関連する1つの問題は、使用中に生じる使用者ののどの奥の神経の鋭敏化である。これは、消費者が通常「ドリップ(drip)」と呼ぶ、のどの奥の刺激をもたらすおそれがある。本発明に従う粒状材料を包含することが、粒状材料を含まない標準的な口腔タバコ製品に比べてより乾燥していると消費者が知覚する製品をもたらし、無煙口腔タバコ製品の使用者ののどの後ろで刺激を知覚する程度を低減もすることが意外にも見出された。
【0090】
したがって、一実施形態では、無煙口腔タバコ製品を使用中の使用者ののどの奥の刺激を低減するために、以下の性質:
i)ふるい分析によって測定した約0.3mm〜約3mmの質量中央径;
ii)約0.6g/cm
3未満のかさ密度;及び
iii)粒状材料の重量に対して約7%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する粒状材料の使用が提供される。
【0091】
一実施形態では、無煙口腔タバコ製品を使用中の口腔の不快感(harshness)を低減するために、以下の性質:
i)ふるい分析によって測定した約0.3mm〜約3mmの質量中央径;
ii)約0.6g/cm
3未満のかさ密度;及び
iii)粒状材料の重量に対して約7%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有する粒状材料の使用が提供される。
【0092】
加えて、本発明の無煙口腔タバコ製品は、本明細書に記述する性質を有する粒状材料を含まない無煙口腔タバコ製品と比較して、改善された口当たりを有することが見出された。拘束されることを望むものではないが、改善された口当たりは、本発明の製品を使用中の改善された柔軟性及び改善された形状保持力に起因すると考えられる。
【0093】
したがって、使用者に提供される製品の全体積に全く悪影響がなく、製品の口当たりが改善されて、無煙口腔タバコ製品のタバコの量を変化させうる。
【0094】
この場合、無煙口腔タバコ製品は高いニコチン含量のタバコを含んでもよい。したがって、無煙口腔タバコ製品の全体的なニコチン含量は、重量でより少量のタバコを使用しているにもかかわらず維持されうる。
【0095】
いくつかの実施形態では、タバコ材料のニコチン含量は、タバコ材料の重量の0.02%〜7.5%である。いくつかの実施形態では、タバコ材料のニコチン含量は、タバコ材料の重量の0.03%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.04%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.05%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.06%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.07%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.08%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.09%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.1%〜7.5%、例えばタバコ材料の重量の0.1%〜7%である。
【0096】
無煙口腔タバコ製品はさらに他の成分を含んでもよい。これらの成分は、例えば配合物の官能的性質を変えるために含まれて、消費者による感覚認知(sensory perception)に寄与する可能性がある。特定の成分及び本発明の無煙口腔タバコ製品にそれらが含まれる量は、所望の香味料、触感及び他の特性に依存して変化するであろう。
【0097】
例えば、香味剤(flavouring agent)、防腐剤、結合剤、湿潤剤、緩衝剤、崩壊助剤及び/又は着色剤を無煙口腔タバコ製品は含んでもよい。
【0098】
本明細書で使用する場合、「香味料」及び「香料」という用語は、地域の規制が許可する場合、成人消費者用の製品に所望の味覚又は芳香を作り出すために使用することができる材料を意味する。これらの材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキ(Japanese white bark magnolia)の葉、カモミール、コロハ、ショウコウ、メントール、ハッカ、アニス、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、桜、ベリー、ピーチ、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア桂皮、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのミント油)、香味強化剤、苦味レセプター部位遮断剤、知覚レセプター部位活性化剤若しくは刺激剤、糖質及び/若しくは糖質代替品(例えばスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール若しくはマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば木炭、葉緑素、ミネラル、植物性薬品(botanicals)、又は息清涼剤を含んでもよい。これらの材料は模造品、合成成分若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。これらの材料は任意の好適な形態、例えば油、液体又は粉末であってもよい。
【0099】
本発明は、本明細書に記述する無煙口腔タバコ製品を含む消費者向け包装品も提供する。いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品は非小分けされておらず、消費者向け包装品は容器、例えば箱又は缶を含む。いくつかの実施形態では、無煙口腔タバコ製品は小分けされている。小分けされた無煙口腔タバコ製品は、小袋で提供されてもよい。
【0100】
したがって、一実施形態では、本明細書に記述する無煙口腔タバコ製品を含む小袋が提供される。
【0101】
本発明は、タバコ材料及び粒状材料を含む無煙口腔タバコ製品を製造する方法であって、該粒状材料は以下の性質:
i)ふるい分析によって測定した約0.3mm〜約3mmの質量中央径;
ii)約0.6g/cm
3未満のかさ密度;及び
iii)粒状材料の重量に対して約7%未満のデンプン及び糖質を合わせた含量を有し、
タバコ材料はタバコ、又はタバコ代用品若しくは代替品を含み、以下のステップ:
(a)タバコ材料を供給するするステップ;
(b)タバコ材料を処理するステップ;及び、
(c)処理ステップ(b)の前に、処理ステップ(b)の途中に、又は処理ステップ(b)の後に、タバコ材料へ粒状材料を添加するステップを含む、方法も提供する。
【0102】
スヌース用タバコ配合物を製造するために、タバコ粒子のブレンドを、水及び典型的には塩と混合してもよい。タバコからの残留水分及び添加した水分により、少なくとも20%まで、いくつかの実施形態では少なくとも25%まで、いくつかの実施形態では約20〜60%まで、いくつかの実施形態では約25〜60%まで、混合物の水分レベルは合わせて上がる。塩は香料の1つの形態であり;任意選択で塩を除外してもよく、及び/又は別の香料をこの段階で添加してもよい。タバコブレンドは、処理ステップ(b)の前に、処理ステップ(b)の途中に、又は処理ステップ(b)の後に水及び/又は塩と混合してもよい。一実施形態では、タバコブレンドは処理ステップ(b)の前に、水及び任意選択で塩と混合する。
【0103】
一実施形態では、タバコ配合物は粒状であり、ふるい分析によって測定した約0.01〜1mmの質量中央径、例えば約0.1〜0.5mmの質量中央径、又は約0.25〜0.4mmの質量中央径を有するタバコ粒子を含む。
【0104】
一実施形態では、粒状タバコは、タバコの茎粒子及びタバコのラミナ粒子の混合物を含む。いくつかの実施形態では、粒状タバコは、タバコの茎粒子及びタバコのラミナ粒子を合わせた量の重量の、5%〜70%の量でタバコ茎粒子を含む。
【0105】
タバコが粒状スヌースを含む実施形態では、粒状スヌースタバコに、20〜50%の水分を加湿してもよく、及び/又は塩を加えてもよい。タバコが粒状スヌースを含む実施形態では、粒状スヌースタバコに、約50%の水分を加湿してもよく、及び/又は塩を加えてもよい。
【0106】
タバコ配合物内のタバコの量は変化してもよい。いくつかの実施形態では、タバコ配合物内のタバコの量は、湿重量基準で少なくとも約25%、例えば湿重量基準で少なくとも約30%、例えば湿重量基準で少なくとも約40%である。
【0107】
いくつかの実施形態では、タバコブレンド(任意の水及び塩と一緒)は低温殺菌の要求を満たすのに十分長い時間及び十分高い温度で熱処理する。低温殺菌の要求を満たすために、タバコブレンドは典型的には1時間熱処理する。タバコは天然の製品であるので、ブレンドにはある程度の微生物が存在することを予想することができる。熱処理は、容認可能な低レベルの腐敗微生物を有する製品を製造するのに十分な、任意の形態をとることができる。熱処理は低温殺菌の要求を満たすことができ、したがって製品の滅菌をもたらす形態をとることができる。例としては、高温又は低温、例えば約80〜140℃で少なくとも約30分間熱風、蒸気、マイクロ波若しくは他の手段を介した熱処理、又は冷たい低温殺菌を含む。他の例としては、照射及び化学処理を含む。選択する熱処理法についての1つの制約は、ヒトの口腔消費を意図した製品で使用するのに適切であることである。別の制約は、熱処理法が、最終的な無煙口腔タバコ製品の味覚、稠性(consistency)又は他の官能的性質に、過度の悪影響を与えるべきでないということである。
【0108】
熱処理は、混合物に触感及び色も与える。
【0109】
タバコ代用品又は代替品を使用して本発明を実行する場合、熱処理ステップはタバコ代用品又は代替品が微生物で汚染されないことを確実にすることを含み、このステップが製品の他のいかなる操作も必要としなくてもよいことは、熟練作業者には明白であるべきである。
【0110】
熱処理の後、ブレンドのpHをチェックして、場合により調整することが望ましい可能性がある。無煙口腔タバコ製品のある特定の商業的ブレンドの所望の特性を達成するために、プロセスのこの段階でおよそ7〜12のpHが好ましい可能性がある。
【0111】
熱処理したブレンドを任意選択で熟成してもよい。熟成は、一定温度で、例えばおよそ40〜75℃、好ましくは約50℃にブレンドを保持しながら、ゆっくりブレンドを混合することによって行うことができる。緩やかな撹拌を約1〜24時間、特に約3〜15時間継続することができる。この段階は、使用するタバコの種類及び製造する特定のスヌース製品に応じて、pHを低減すること、及びことによると水分を無煙口腔タバコ製品の重量に対して約20〜55%まで低減することが有効でありうる。
【0112】
香料を熟成段階の途中で添加してもよい。典型的には、この段階で添加する香料は液体の形態であり、無煙口腔タバコ製品重量の約0.1〜5%添加する。液体の香料は、タバコブレンド上にしばしば噴霧される。湿潤剤を用いる場合は、従来、この段階で同様に添加する。
【0113】
しかしながらいくつかの実施形態では、香料及び他の添加剤(例えば、防腐剤、結合剤、湿潤剤、緩衝剤、崩壊助剤及び着色剤)を、低温殺菌及び/又は熟成の前又は後にタバコブレンドに添加してもよい。いくつかの実施形態では、香料及び他の添加剤(例えば、防腐剤、結合剤、湿潤剤、緩衝剤、崩壊助剤及び着色剤)を、低温殺菌及び/又は熟成の段階の前又は後にタバコブレンドに添加してもよい。
【0114】
本発明によれば、粒状材料を熱処理の前に、途中に、又は後に、タバコ材料に添加してもよい。いくつかの実施形態では、粒状材料を熱処理ステップの前に添加する。いくつかの実施形態では、粒状材料を熱処理ステップの途中に添加する。いくつかの実施形態では、粒状材料を熱処理ステップの後に添加する。
【0115】
粒状材料がタバコ材料と同じ様式で熱処理されるように、粒状材料を熱処理の前にタバコ材料と混合することが好ましい。
【0116】
[実施例]
実施例1−試料の質量中央径の測定
本発明に従うふるい分析方法をここに記述する。
【0117】
実施例1a−コルクの質量中央径の測定
コルク粒子の試料を、Haver&Boecker OHG,Partikelanalyse presse,Ennigerloher St.64,D−59302 Oelde,Germany製Haver&Boeckerふるいを使用する、試験ふるい分け装置(Haver EML 200 digital plus N)を使用してふるい分けした。粒径によるコルクの画分を機械的に分離するために、この機器を使用した。
【0118】
上で特定した試験ふるい分け装置を
図2に示し、以下のメッシュの大きさを有する10個のふるいを含む:
【表2】
【0119】
ふるいは機械的アジテーター使用し、以下の設定(
図3に示す)を使用して3分間揺動した(agitate):
2.4mmの振幅設定
間隔:5秒オン、1秒オフ
ふるいボールはこの実施例による方法では使用しなかった。
【0120】
コルク粒子の3つの試料を、上述の方法を使用して試験した。分析したコルク粒子について、以下の結果を得た:
【表3】
試料の平均累積質量は49.77gと計算された。
【0121】
各ふるいに収集した集合体の累積質量百分率は、したがって以下のように計算された:
【表4】
【0122】
メッシュの大きさ又は各ふるい(x軸)に対する累積質量百分率(y軸)をプロットしたグラフを、
図4に示す。最良適合の一次直線を、いくつかのデータポイントを通して引いた。
【0123】
このプロットに対する式は、y=0.1526x−36.534と計算された。したがって、y=50%の時、コルクの質量中央径は567.06μm(0.567mmと同等)と計算される。
【0124】
実施例1b−雑穀殻の質量中央径の測定
実施例1aでの記述と同じ方法を使用して、雑穀殻の試料の質量中央径を決定した。
【0125】
結果は以下の通りであった:
【表5】
試料の平均累積質量は50.17gと計算された。
【0126】
各ふるいに収集した集合体の累積質量百分率は、したがって以下のように計算された:
【表6】
メッシュの大きさ(x軸)に対する累積質量百分率(y軸)をプロットしたグラフを、
図5に示す。最良適合の一次直線を、いくつかデータポイントを通して引いた。
【0127】
このプロットに対する式は、y=0.1371x−23.841と計算された。したがって、y=50%の時、コルクの質量中央径は538.59μm(0.539mmと同等)と計算される。
【0128】
実施例2
3,600gのタバコ及び2,400gのコルク(かさ密度が0.055〜0.060g/cm
3のコルク粒;およそ0.55〜0.65mmの質量中央径、Cork Link,Portugalから供給)、水、塩化ナトリウム、並びに他の成分を、水平型ミキサー、円筒型ミキサー、プラウシェアミキサーに添加することによって、重量比60:40(タバコ:コルク)のあらかじめ処理した材料を使用して、スヌースのバッチを作った。次に、成分の混合物を撹拌し、スヌースの安全な微生物学的状態を確実にするために、十分長時間熱を加えた。熱処理に続いて、製品は、ミキサー内のミキサー羽根の低速で連続的な間欠撹拌をしながら、高温で数時間の熟成期間を有した。香味料の添加、炭酸ナトリウムの添加によるpH約8.5への調節、及び最終含水量が45%(w/w)であることを確実にするために水分含量を測定することによって、処理を終えた。
【0129】
次に、完成したコルク含有スヌースをプラスチック袋に移し、低温室で1週間熟成させた。これに続いて、スヌースをMertzスヌース包装機(Merz Verpackungsmaschinen GmbH,Bahnhofstrasse 25,D−35423 Lich,Deutschland)を使用して小袋に詰め、かさ密度を測定した。かさ密度は、Engelsmann Jolting Voltumeter STAV IIを使用して測定した。かさ密度は、粒状材料のある特定の質量の所与の体積について、あらかじめ振動を与えて(pre−jolt)計算した。
【0130】
最終ステップとして、コルクを含有するスヌースの感覚的な性質を評価した。
【0131】
実施例3
80:20のタバコ:コルク重量比を含有するスヌースのバッチを調製し、実施例2の方法を使用して分析した。この時、4,000gのタバコを混合物に添加し、1,000gのコルクを添加した。
【0132】
実施例4
95:5のタバコ:コルク重量比を含有するスヌースのバッチを調製し、実施例2の方法を使用して分析した。この時、4,750gのタバコを混合物に添加し、250gのコルクを添加した。
【0133】
実施例5(比較例)
コルクを含有しないスヌースのバッチ(すなわち、100:0のタバコ:コルク重量比)を調製し、実施例2の方法を使用して分析した。この時、5,000gのタバコを混合物に添加し、0gのコルクを添加した。
【0134】
結果
本発明に従う無煙口腔タバコ製品(実施例2〜4)を分析し、全デンプン及び糖質含量を決定して、以下の結果を得た:
グルコース<0.04g/100g
フルクトース<0.04g/100g
スクロース<0.04g/100g
マルトース<0.04g/100g
全デンプン及び糖質<1%w/w
【0135】
実施例2〜5で調製した無煙口腔タバコ製品の性質を表Iに示す。
【表7】
【0136】
最終スヌース製品中のコルクの割合は水分レベル及び他の成分に依存するので、記載されているコルクのレベルは、最終スヌース製品中のコルクの割合を意味しないことに留意されたい。40%のコルクを含有する白色スヌース混合物の場合、45%の最終水分で、コルクの最終重量百分率は約18〜20%w/wである。しかしながら、上記実施例及び表Iで、コルクの量は、他のいかなる成分も添加される前の、粉砕され、あらかじめ処理された全タバコ混合物の割合として指定される。
【0137】
表Iに示すように、スヌース製品中にコルクを包含することにより、類似する充填値で、無煙口腔タバコ製品のかさ密度及び得られる小袋質量の相当な減少がもたらされる。
【0138】
実施例2及び5の製品を
図6に示し、40%w/wのコルク(実施例2)を含む製品を左手側に示し、0%w/wのコルク(実施例5)を含む製品を右手側に示す。
【0139】
実際、同じ重量の製品に対して、40%w/wのコルクを含む製品(実施例2)は、0%w/wのコルクを含む製品(実施例5)より51.3%低いかさ密度を有した。
【0140】
標準のスヌース製品は0.9gのタバコを含有する。0%のw/wコルクを有する実施例5によるスヌース製品の0.9gは、1.8cm
3と計算される体積を有する。0.207g/cm
3のかさ密度で、40%w/wのコルクを含む実施例2によるスヌース製品が、体積1.8cm
3を充填するのに必要な重量は、0.3726gである。これは同じ体積に対して、材料重量で58.6%の低減をもたらす。
【0141】
加えて本発明者らは、コルクを含む試料が非常に柔らかく可撓性であることを意外にも見出した。0%w/wのコルクを含む試料(実施例5)は、崩壊し始めて試験した時に平坦に感じ、一方コルクを含む試料(実施例2)は長期間にわたって試料の形状を保った。加えて、コルクを含む試料(実施例2)は、実施例5の試料と比較して乾燥していると知覚された。
【0142】
コルクが中性の芳香及び味覚を有することも見出され、したがって、タバコ製品に目立つ芳香又は味覚を添加しなかった。
【0143】
本明細書に記述する様々な実施形態は、権利を主張する特徴の理解及び教示を単に補助するために提示される。これらの実施形態は実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書に記述する利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造及び/又は他の態様は、特許請求の範囲が規定する本発明の範囲を制限する又は特許請求の範囲の等価物を制限すると考えるべきものではなく、権利を主張する発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、変更してもよいと理解すべきである。本発明の様々な実施形態は、本明細書に特に記述されたもの以外に、開示された要素、成分、特徴、部分、ステップ、手段、その他の適切な組合せを、好適に含む、からなる、又は本質的になってもよい。加えて、本開示は現在権利を主張していないが、将来権利を主張する可能性のある他の発明を含んでもよい。