(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0012】
[業務管理システム1]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る業務管理システム1は、業務管理装置2と、一又は複数のスタッフ端末3と、一又は複数の利用者端末4とを含む。業務管理装置2、スタッフ端末3、及び利用者端末4は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0013】
そして、業務管理システム1は、飲食店舗のような施設におけるスタッフの業務を支援するために用いられる。具体的に、業務管理システム1では、以下に詳述するように、業務管理装置2おいて施設の予約内容が管理されており、その予約内容に基づいて施設のスタッフ各々への指示がそのスタッフが所持するスタッフ端末3に対して通知される。なお、業務管理装置2では、施設内の現在の空席状況なども管理される。
【0014】
業務管理システム1による管理対象は、例えば新年会、忘年会、バーベキュー、宴会、懇親会、同窓会、社員旅行、及びゴルフコンペ等の各種のイベントで使用される飲食店舗、イベント会場、ホテル、又はゴルフ場などである。以下、本実施形態では、前記管理対象が飲食店舗である場合を例に挙げて説明する。
【0015】
なお、本実施形態では、業務管理システム1が、業務管理装置2及びスタッフ端末3を備える構成を例に挙げて説明するが、業務管理装置2がスタッフ端末3を兼ねたスタンドアローン型のシステムであってもよい。
【0016】
[業務管理装置2]
図1に示されるように、業務管理装置2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーコンピューターである。例えば、業務管理装置2は、業務管理システム1による管理対象となる施設の内部に設けられていてもよいが、スタッフ端末3及び利用者端末4と通信可能であれば当該施設の外部に設けられていてもよい。なお、業務管理装置2は、1台のコンピューターに限らず、複数台のコンピューターが協働して動作するコンピューターシステムであってもよい。また、業務管理装置2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0017】
通信I/F24は、業務管理装置2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してスタッフ端末3及び利用者端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0019】
記憶部22は、各種の情報を記憶する半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、予約情報D1及び予約表D2などが記憶される。ここに、
図2は、予約情報D1の一例を示す図であり、
図3は、予約表D2の一例を示す図である。
【0020】
図2に示されるように、予約情報D1には、座席、予約者名、人数、利用時間、及びプランなどの予約内容を示す情報が含まれる。前記プランは、予め設定された複数の料理を含むコース料理などである。なお、施設の座席数、座席レイアウト、座席の結合・分離・移動の可否、プランごとの料理内容、プランごとのタイムスケジュールなどの情報も予め設定されて記憶部22に記憶されているものとする。
【0021】
予約表D2は、予約情報D1の内容が施設のスタッフが直感的に把握可能な態様で示される画像情報である。なお、予約情報D1は、予約処理部211によって編集され、予約表D2は、予約処理部211によって生成される。
【0022】
また、他の実施形態として、予約情報D1及び予約表D2などの情報の一部又は全部が、業務管理装置2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されていることも考えられる。そして、業務管理装置2の制御部21は、前記サーバーから各種の情報を取得して、後述の業務管理処理(
図4参照)などの各処理を実行してもよい。
【0023】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の業務管理処理(
図4参照)を実行させるための業務管理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記業務管理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピューター読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、業務管理装置2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0024】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより業務管理装置2を制御する。
【0025】
具体的に、制御部21は、
図1に示されるように、予約処理部211、報知処理部212、受付処理部213、及び判別処理部214などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記業務管理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記業務管理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0026】
予約処理部211は、施設の予約内容を示す予約情報D1を管理するための予約ステップを実行する。具体的に、予約処理部211は、スタッフ端末3を用いたスタッフからの予約要求又は利用者端末4を用いた利用者からの予約要求を受け付け可能であり、前記予約要求と予め設定された予約規則とに基づいて予約情報D1を自動更新することが可能である。ここに、係る処理が予約ステップの一例である。例えば、予約処理部211は、スタッフ端末3又は利用者端末4からのアクセスに応じて、前記予約内容を入力するための予約画面をスタッフ端末3又は利用者端末4表示させる。そして、スタッフ端末3又は利用者端末4に対するスタッフ又は利用者の操作に応じて前記予約要求を受け付ける。なお、前記予約要求には、当日施設に予約なしで直接来店した利用者の受付要求が含まれてもよい。
【0027】
そして、予約処理部211は、前記予約要求を受け付けた場合に、予約情報D1に基づいて、前記予約要求に対応する予約が可能であるか否かを判断し、予約が可能である場合に予約情報D1に前記予約要求に対応する予約内容を追加する。特に、予約処理部211は、前記予約規則として予め設定された座席の割当条件に基づいて選択される座席に利用者を割り当てて予約情報D1を更新する。このとき、予約処理部211は、予約情報D11に基づいて施設における座席の結合、分離、又は移動などが必要な場合には、その座席の結合、分離、又は移動を含む座席レイアウトを予約情報D1に設定する。例えば、前記座席レイアウトの変更回数が多いとスタッフの作業負荷が大きくなるため、前記割当条件としては、座席レイアウトの変更が極力不要な割り当てが行われるように座席が選択されることが考えられる。また、予約処理部211は、利用者からの予約キャンセル要求を受け付けることも可能であり、前記予約キャンセル要求に対応する予約内容を予約情報D1から削除する。このような予約情報D1の自動管理機能については各種の従来技術を使用することが可能であるため、ここでは詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では、予約情報D1が、予約処理部211によって自動的に更新される場合について説明するが、予約処理部211が、スタッフ端末3の操作に応じて任意に編集可能であってもよい。
【0028】
また、予約処理部211は、スタッフによるスタッフ端末3の操作に応じて、予約情報D1に基づいて予約表D2を生成し、予約表D2をスタッフ端末3に表示することも可能である。具体的に、予約処理部211は、予約情報D1の更新時に予約表D2を更新して記憶部22に記憶すること、又は、予約情報D1の表示要求が行われた場合に当該予約情報D1に基づいて予約表D2を生成して表示することが考えられる。なお、後述するように、業務管理装置2では、スタッフの作業内容及び作業タイミングが自動的に報知されるため予約表D2が表示される必要がないため、予約処理部211が、予約表D2の表示機能を有しないことも他の実施形態として考えられる。
【0029】
報知処理部212は、予約情報D1に基づいて、施設のスタッフが実施するべき作業内容を、その作業内容に対応して予め設定された報知タイミングでスタッフ端末3又は利用者端末4などに報知するための報知ステップを実行する。具体的に、報知処理部212は、後述するように、利用者の来店時、料理の調理開始タイミング、座席レイアウトの変更タイミングなどの報知タイミングで報知を実行する。
【0030】
ここで、報知処理部212によるスタッフ端末3への報知は、業務管理装置2にインストールされるアプリケーションとスタッフ端末3にインストールされるアプリケーションとが連携することによって実現される。なお、報知処理部212によるスタッフ端末3への報知は、例えばメール又はSNSなどによって行われてもよい。また、報知処理部212によるスタッフ端末3への報知は、ブラウザ機能を用いて行われることも考えられる。さらに、報知処理部212によるスタッフ端末3への報知は、ブラウザ機能などを利用したプッシュ通知によって行われてもよい。
【0031】
なお、本実施形態では、報知の方法として、メッセージ表示を例に挙げて説明するが、音声再生などの他の手法で報知が行われてもよい。例えば、スタッフ端末3にBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信又は有線によりマイク及びヘッドホンを含むヘッドセットが接続可能であり、スタッフ端末3の制御部21が前記ヘッドセットによって当該スタッフの音声認識によりユーザ操作を受け付け可能であり、報知処理部212による報知が前記ヘッドセットに対する音声出力によって行われることが考えられる。
【0032】
受付処理部213は、報知処理部212によって予め設定された作業内容が報知される場合に、その作業内容に対応可能であるか否かに関するスタッフ端末3の操作を受け付けるための処理を実行する。具体的に、受付処理部213は、スタッフ端末3に対するスタッフの操作入力に応じてスタッフ端末3から業務管理装置2に送信される操作信号に基づいて作業内容に対応可能であるか否かを判断可能である。
【0033】
判別処理部214は、施設に来店した利用者を判別するための処理を実行する。具体的に、判別処理部214は、利用者が携帯する利用者端末4に対する所定のチェックイン操作に応じて業務管理装置2に入力される利用者の氏名又はIDなどの識別情報を含むチェックイン情報に基づいて当該利用者端末4の利用者を識別する。また、業務管理装置2には、利用者による利用者端末4の操作に応じて、当該利用者に対応する利用者の氏名、ID、連絡先電話番号、連絡先メールアドレスなどの利用者情報が記憶されており、業務管理装置2では利用者ごとの連絡先電話番号又は連絡先メールアドレスなどの連絡先を特定することも可能である。なお、前記チェックイン操作は、利用者が施設に来店した場合などにその旨を登録するために行われる所定の操作であり、当該チェックイン操作は、利用者端末4にインストールされたアプリケーション又は業務管理装置2によって提供されるウェブページ上で受け付けられ、前記チェックイン情報が業務管理装置2に入力される。
【0034】
なお、利用者端末4は、利用者が操作するものであれば、利用者各々が個別に持参するものに限らず、例えば利用者に共通の端末としてフロントに設けられていてもよい。この場合、利用者端末4は、タッチパネルディスプレイのような操作表示部を備え、メッセージの表示により利用者への報知が可能であると共に利用者のタッチ操作を受付可能なものであってもよいが、利用者端末4が、メッセージの音声再生により利用者への報知が可能であると共に利用者の音声を認識して操作を受付可能であってもよい。
【0035】
また、判別処理部214による利用者の判別手法は、前記チェックイン操作を用いるものに限らない。例えば、利用者端末4に設けられたGPSを用いて取得される位置情報に基づいて利用者の施設への来店が検出されること、又は利用者端末4との間におけるビーコン信号の送受信により利用者の施設への来店が検出されることも考えらえる。また、利用者の利用者端末4を用いた予約要求時に印刷される予約伝票に印刷されたバーコード又はQRコード(登録商標)からバーコードリーダーで読み取られる情報に基づいて利用者が判別されることも考えられる。
【0036】
[スタッフ端末3]
図1に示されるように、スタッフ端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。スタッフ端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置であり、施設のスタッフ又は利用者によって使用される操作端末である。なお、利用者端末4についてもスタッフ端末3と同様の構成であればよいため、ここでは説明を省略する。
【0037】
また、スタッフ端末3は、施設内のフロント、厨房、又はホールなどの場所に配置され、或いは、フロント、厨房、又はホールなどを担当するスタッフによって携帯される。以下では、説明の便宜上、フロント、厨房、ホールのそれぞれに対応するスタッフ端末3をスタッフ端末3A、スタッフ端末3B、スタッフ端末3Cと称し、特に区別しない場合には単にスタッフ端末3と称する。
【0038】
なお、スタッフは、スタッフ端末3で閲覧可能な所定のログインページにおいてスタッフID及びパスワードを入力することにより業務管理装置2にログインする。これにより、業務管理装置2の制御部21は、スタッフ端末3に現在ログイン中のスタッフを識別することが可能である。また、スタッフ端末3がスタッフ個人の携帯電話又はスマートフォンなどの携帯端末であることも考えられ、この場合、業務管理装置2では、スタッフと前記携帯端末との対応関係が予め設定されていればよい。
【0039】
通信I/F34は、スタッフ端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して業務管理装置2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0040】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0041】
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って業務管理装置2等の外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。
【0042】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりスタッフ端末3を制御する。
【0043】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、業務管理装置2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を業務管理装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0044】
ところで、飲食店舗のスタッフは、日常業務において、利用者の来店時の座席案内、座席レイアウトの変更、コース料理の提供タイミングの管理などの店舗の業務管理に考えを巡らせる必要がある。これに対し、本実施形態に係る業務管理システム1における業務管理方法によれば、施設のスタッフの負担を軽減することが可能である。
【0045】
[業務管理処理]
以下、
図4を参照しつつ、業務管理装置2の制御部21によって実行される業務管理処理について説明する。なお、当該業務管理処理は、スタッフ端末3の所定の操作によって途中で終了されることがある。
【0046】
また、本発明は、当該業務管理処理に含まれる一又は複数のステップを実行する業務管理方法の発明として捉えることができ、ここで説明する当該業務管理処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記業務管理処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって当該業務管理処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサーによって当該業務管理処理における各ステップが分散して実行される業務管理方法も他の実施形態として考えられる。
【0047】
<ステップS1>
ステップS1において、制御部21は、施設への利用者の来店が検出されたか否かを判断する。具体的に、制御部21は、利用者により利用者端末4に対して施設へのチェックイン操作が行われた場合に、施設への利用者の来店を検出する。ここで、利用者の来店が検出されると(S1:Yes)、処理がステップS2に移行し、利用者の来店が検出されていない場合は(S1:No)、処理がステップS4に移行する。
【0048】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部21は、ステップS1で検出された利用者を判別するための処理を実行する。前述したように、制御部21は、例えば利用者のチェックイン情報に基づいて利用者を判別することが可能である。ここに、係る処理は制御部21の判別処理部214によって実行される。
【0049】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部21は、前記ステップS2で判別された利用者と予約情報D1とに基づいて、当該利用者が利用する座席を特定し、その座席を報知するための報知ステップを実行する。即ち、利用者の施設への来店タイミングが報知タイミングの一例である。具体的に、制御部21は、予約情報D1に基づいて、前記ステップS2で判別された利用者の利用時間が到来している場合、又は、前記利用時間までの残り時間が所定時間以内である場合であって、前記利用者が利用する座席が空席になっている場合に、フロントのスタッフ端末3A又はホールのスタッフ端末3Cなどに通知して表示させる。なお、前記ステップS2で判別された利用者の利用時間が到来している場合、又は、前記利用時間までの残り時間が所定時間以内である場合に、前記利用者が利用する座席が空席になっていない場合、制御部21は、その座席を現在利用している利用者に対して退店を促す指示をスタッフ端末3Aに通知することが考えられる。
【0050】
ここで、制御部21は、全てのスタッフ端末3A及び3Cに報知することも考えらえるが、スタッフ端末3A及び3Cのうち予め設定された優先条件に従って選択される一又は複数のスタッフ端末3A又は3Cに報知することも考えられる。また、一又は複数の座席ごとにスタッフが予め対応付けられており、案内対象の座席に対応するスタッフのスタッフ端末3Cが報知先として選択されることも考えられる。
【0051】
ここに、
図6は、ステップS3においてスタッフ端末3Aに表示される表示画面P11の一例を示す図である。
図6に示されるように、スタッフ端末3Aの表示画面P11には、利用者の氏名(XA様)、人数(4名様)、座席(A−1)、プラン(女子会飲み放題コース)などの予約内容と、その利用者の案内を促すメッセージとが表示される。
【0052】
従って、フロント又はホールのスタッフは、予約表などを参照して案内先の座席を判断することなく、スタッフ端末3A又は3Cで報知される表示画面P11を参照して容易に利用者を案内することが可能であり、施設におけるスタッフの業務効率を改善することが可能である。
【0053】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部21は、既に来店している利用者に提供される料理の調理開始タイミングが到来しているか否かを判断する。具体的に、利用者の注文内容が予め設定されたコース料理である場合には、当該コース料理に含まれる各料理の提供タイミングを予め設定されたタイムスケジュールに従って判断することが可能である。そこで、制御部21は、予約内容として予約情報D1にコース料理が含まれる場合には、当該コース料理に対応して予め設定されたタイムスケジュールと利用者の来店日時又は利用者の利用時間などに基づいて、利用者に提供する料理の調理開始タイミングを算出することが考えられる。また、利用者の注文内容がアラカルトのように任意のメニューである場合に、制御部21が、当該メニュー毎に予め設定された優先度などに基づいて、利用者に提供する料理の調理開始タイミングを判断することも考えられる。ここで、料理開始タイミングが到来したと判断されると(S4:Yes)、処理がステップS5に移行し、調理開始タイミングが到来していなければ(S4:No)、処理がステップS6に移行する。
【0054】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部21は、予約情報D1に基づいて、前記ステップS4で調理開始タイミングが到来したと判断された利用者の料理の調理開始指示を報知するための報知ステップを実行する。具体的に、制御部21は、利用者のプランに含まれる料理のうち前記ステップS4で調理開始タイミングが到来したと判断された料理の調理開始指示を、厨房の利用者のスタッフ端末3Bに通知し、スタッフ端末3Bに表示させる。即ち、調理開始タイミングが報知タイミングの一例であり、制御部21は、料理の調理開始タイミングが到来するごとに当該料理の調理開始指示をスタッフ端末3Bに報知する。
【0055】
ここに、
図7は、ステップS5においてスタッフ端末3Bに表示される表示画面P12の一例を示す図である。
図7に示されるように、スタッフ端末3Bの表示画面P12には、利用者の氏名(XA様)、人数(4名様)、座席(A−1)、プラン(女子会飲み放題コース)などの予約内容と、プランに含まれる料理(シーザーサラダ)の調理開始を促すメッセージとが表示される。なお、予約情報D1に利用者のアレルギー情報などの他の情報が含まれる場合、制御部21は、料理の調理開始タイミングを報知する際にその情報を報知してもよい。
【0056】
従って、厨房のスタッフは、予約表などを参照して各料理の調理開始タイミングを判断することなく、スタッフ端末3Bで報知される表示画面P12を参照して各料理の調理開始タイミングを判断することが可能であり、施設におけるスタッフの業務効率を改善することが可能である。また、利用者が利用者端末4を用いて、次の料理が欲しい旨の操作入力を行うことにより、利用者端末4から業務管理装置2に対して料理の調理開始要求が送信され、制御部21が、前記調理開始要求を受信した場合に前記調理開始タイミングが到来したと判断してもよい。
【0057】
<ステップS6>
ステップS6において、制御部21は、施設の座席レイアウトの変更タイミングが到来したか否かを判断する。具体的に、制御部21は、予約情報D1に基づいて、利用者の利用開始時間よりも少し前の予め設定された準備開始時間(例えば5分前又は10分前など)が到来したか否かを判断する。そして、制御部21は、前記準備開始時間が到来したと判断されると、当該利用者が利用する座席について座席レイアウトを変更する必要があるか否かが判断され、座席レイアウトを変更する必要があると判断されると、制御部21は、座席レイアウトの変更タイミングが到来したと判断する。ここで、座席レイアウトの変更タイミングが到来したと判断されると(S6:Yes)、処理がステップS7に移行し、座席レイアウトの変更タイミングが到来していなければ(S6:No)、処理がステップS9に移行する。
【0058】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部21は、予約情報D1に基づいて、前記ステップS6で座席レイアウトの変更タイミングが到来したと判断された利用者の座席について、座席レイアウトの変更内容を報知するための報知ステップを実行する。即ち、座席レイアウトの変更タイミングが報知タイミングの一例である。具体的に、制御部21は、前記ステップS6で座席レイアウトの変更タイミングが到来したと判断された利用者の座席の変更前後の座席レイアウトを示す模式画像又はメッセージなどをホールの利用者のスタッフ端末3Cに通知し、スタッフ端末3Cに表示させる。前記座席レイアウトの変更内容は、例えば座席の結合、分離、又は移動である。
【0059】
ここで、制御部21は、全てのスタッフ端末3Cに報知することも考えらえるが、スタッフ端末3Cのうち予め設定された優先条件に従って選択される一又は複数のスタッフ端末3Cに報知することも考えられる。また、一又は複数の座席ごとにスタッフが予め対応付けられており、変更対象の座席に対応するスタッフのスタッフ端末3Cが報知先として選択されることも考えられる。
【0060】
ここに、
図8は、ステップS6においてスタッフ端末3Cに表示される表示画面P13の一例を示す図である。
図8に示されるように、スタッフ端末3Cの表示画面P13には、氏名(XC様)、人数(8名)、座席(A)、及び時間(22時)などの予約内容と、座席レイアウトの変更内容及び変更作業を促すメッセージ(A−1、A−2を結合してください)とが表示される。例えば、4名の座席として座席「A−1」、「A−2」が分離して使用された後、8名の座席として座席「A−1」、「A−2」が使用される場合に、その座席「A−1」、「A−2」を結合するよう促される。
【0061】
ここに、
図9は、ステップS6においてスタッフ端末3Cに表示される表示画面P14の一例を示す図である。
図9に示されるように、スタッフ端末3Cの表示画面P14には、氏名(ZB様)、人数(4名)、座席(C−1)、及び時間(21時)などの予約内容と、座席レイアウトの変更内容及び変更作業を促すメッセージ(C−1を分離してください)とが表示されている。例えば、12名の座席として座席「C−1」〜「C−3」が結合されて使用された後、4名の座席として座席「C−1」が使用される場合に、その座席「C−1」を分離するよう促される。
【0062】
従って、ホールのスタッフは、予約表などを参照して座席レイアウトの変更要否、変更内容、変更タイミングなどを判断することなく、スタッフ端末3Cで報知される表示画面P13又はP14を参照して座席レイアウトの変更要否、変更内容、変更タイミングなどを把握することが可能であり、施設におけるスタッフの業務効率を改善することが可能である。
【0063】
<ステップS8>
ステップS8において、制御部21は、前記ステップS7における座席レイアウトの変更内容の報知後、その報知を受けたスタッフ端末3の所持者であるスタッフが対応可能であるか否かに応じた処理を実行する対応可否制御処理を実行する。前記対応可否制御処理については後段で詳述する。なお、前記対応可否制御処理は、座席レイアウトの変更の報知時に限らず、利用者の来店の報知時又は調理開始の報知時などに実行されてもよい。
【0064】
<ステップS9〜S10>
ステップS9〜S10において、制御部21は、上述した作業タイミングを除く他の作業タイミングが到来したか否かを判断し(S9)、当該他の作業タイミングが到来した場合に、当該他の作業タイミングに対応する作業内容をスタッフ端末3に報知する(S10)。例えば、制御部21は、利用者にラストオーダーを聞く作業タイミングが到来した場合に、その旨をスタッフ端末3に報知することが考えられる。また、制御部21は、利用者に退店を促す作業タイミングが到来したか否かを判断し、その旨をスタッフ端末3に報知することが考えられる。さらに、制御部21は、食材の仕入れが行われる予約対象日の前日又は当日の予め設定された作業タイミングが到来した場合に、に当該予約対象日の予約情報D1に基づいて必要な食材量などを判断し、その食材量をスタッフ端末3に報知することも考えられる。また、制御部21は、例えばプランの内容が鍋コースである場合に鍋セットの準備を、当該プランに対応する利用者の利用時間の少し前の予め設定された作業タイミングでスタッフ端末3に報知することも考えられる。
【0065】
以上説明したように、業務管理装置2によれば、予約情報D1などに基づいて、スタッフに必要な各種の作業などが適切なタイミングで自動的に報知されるため、スタッフは予約表D2などを参照しながら考えを巡らせて業務を行う必要がなく、スタッフの負担を軽減することが可能である。特に、業務管理装置2では、スタッフ端末3のうち作業内容に応じて予め設定されたスタッフ端末3に対して報知が行われるため、スタッフ各々は必要な情報のみを効率的に参照することが可能である。例えば、利用者の来店時はフロントのスタッフ端末3Aに報知が行われ、調理の開始時は厨房のスタッフ端末3Bに報知が行われ、座席レイアウト変更時はホールのスタッフ端末3Cに報知が行われる。
【0066】
さらに、前述したように、業務管理装置2が、利用者又はスタッフからの予約要求に応じて自動的に配席を行って予約情報D1を更新する自動配席機能を有する構成では、スタッフが配席を行う手間に加えて、日常業務における店内オペレーションの手間が省減されるため、スタッフの業務効率の更なる向上を図ることが可能である。また、業務管理装置2では、予約表D2が表示されない構成であってもよく、この場合、制御部21は、予約情報D1に基づいて予約表D2を生成して記憶部22に記憶させる必要がないため記憶部22に必要な記憶容量が省減され、制御部21のRAMの使用効率も改善される。また、作業内容だけが報知されることになるため、例えばスタッフ端末3各々に予約表D2を表示させる場合に比べてデータ通信量が抑制され、処理の高速化が実現可能である。
【0067】
[対応可否制御処理]
続いて、
図5を参照しつつ、前記ステップS8において実行される前記対応可否制御処理の一例について説明する。
【0068】
<ステップS11>
ステップS11において、制御部21は、座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフ端末3Cに対する対応可能操作を受け付けたか否かを判断する。具体的に、スタッフ端末3Cでは、制御部31が、座席レイアウトの変更の報知メッセージと共に、その座席レイアウトの変更に対応可能である旨を示す操作キーK11(
図8参照)を操作表示部33に表示する。そして、制御部31は、操作キーK11の操作に応じて座席レイアウトの変更に対応可能であると判断する。ここで、前記対応可能操作が行われたと判断すると(S11:Yes)、当該対応可否制御処理は終了し、前記対応可能操作が行われていなければ(S11:No)、処理がステップS12に移行する。
【0069】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部21は、座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフ端末3Cに対する対応不可操作を受け付けたか否かを判断する。具体的に、スタッフ端末3Cでは、制御部31が、座席レイアウトの変更の報知メッセージと共に、その座席レイアウトの変更に対応不可である旨を示す操作キーK12(
図8参照)を操作表示部33に表示する。そして、制御部31は、操作キーK12の操作に応じて座席レイアウトの変更に対応不可であると判断する。ここで、前記対応不可操作が行われたと判断すると(S12:Yes)、処理がステップS13に移行し、前記対応可能操作が行われていなければ(S12:No)、処理がステップS11に戻される。
【0070】
また、ステップS12において、制御部21は、座席レイアウトの変更がスタッフ端末3Cに報知された後、予め設定された待機時間が経過するまでの間に、当該スタッフ端末3Cに対するスタッフによる対応可能操作などの確認操作が行われなかった場合に、前記対応不可操作を受け付けた場合と同様に処理をステップS13に移行させることも考えられる。これにより、例えばスタッフが他の作業をしておりスタッフ端末3Cを操作することができないような場合でも、当該座席レイアウトの変更が既に報知されたスタッフ端末3Cとは異なるスタッフ端末3Cに前記作業内容を報知することが可能である。
【0071】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部21は、既に当該座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフ端末3Cの他にホールに対応するスタッフ端末3Cが存在するか否かを判断する。ここで、他のスタッフ端末3Cが存在すると判断されると(S13:Yes)、処理がステップS15に移行し、他のスタッフ端末3Cが存在しないと判断されると(S13:No)、処理がステップS14に移行する。
【0072】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部21は、当該座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフ端末3Cに対して、他のスタッフが対応不可である旨を報知する。なお、当該ステップS14において、制御部21は、直前に当該座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフ端末3Cのみに、他のスタッフが対応不可である旨を報知することが考えられる。また、他の実施形態として、当該ステップS14において、制御部21が、当該座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフ端末3C各々に、他のスタッフが対応不可である旨を報知することも考えられる。また、制御部21は、当該ステップS14にける報知後、予め設定された時間が経過した場合に、当該座席レイアウトの変更のような作業内容の報知を再実行することも考えられる。
【0073】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部21は、前記ステップS7で報知を受けたスタッフ端末3Cとは異なる他のスタッフ端末3のいずれか一つ又は複数を報知対象として、前記座席レイアウトの変更の報知を実行する。これにより、前記座席レイアウトの変更の報知を受けたスタッフがその座席レイアウトの変更に対応できない場合には、他のスタッフ端末3Cに同様の座席レイアウトの変更の報知が行われ、他のスタッフによる対応が期待されるため、施設のスタッフの業務効率が改善される。
【0074】
ところで、本実施形態では、前記ステップS3において、利用者の座席がスタッフ端末3Aに報知される場合について説明した。一方、前記ステップS3において、制御部21が、施設にチェックインした利用者の利用者端末4に対して当該利用者の座席を報知することも考えられる。これにより、利用者は、自分の座席を把握して自ら座席に移動することが可能であり、施設のスタッフの作業負担を軽減することが可能である。また、制御部21による座席の報知手法としては、フロントから各座席への通路に配置されたLED等の発光体のうちフロントから当該利用者が利用する座席に続く発光体を点灯させることも考えられる。
【0075】
また、制御部21が、前記ステップ5における調理開始の報知時に、利用者の利用者端末4に料理の調理開始を報知することも考えられる。これにより、利用者は、料理各々の調理が開始されることをその都度認識することができる。さらに、制御部21は、前記ステップS10において、ラストオーダーの時間到来のお知らせ、又は退店時間の到来のお知らせなどを利用者端末4に報知することも考えられる。これにより、これらの事項が利用者に直接通知されるため、施設のスタッフの手間がより一層軽減される。
【0076】
また、本実施形態では、複数のスタッフ端末3が設けられている場合を例に挙げて説明したが、業務管理システム1に設けられたスタッフ端末3が単一であることも他の実施形態として考えられる。具体的に、本実施形態で説明した前記業務管理処理のステップS3、S5、S7、S10における報知が当該単一のスタッフ端末3に対して行われ、ステップS8が省略されることが考えられる。例えば、前記単一のスタッフ端末3は、フロント、厨房、又はホールのいずれかのスタッフが参照可能なスタッフ端末3A、3B、又は3Cのいずれかである。これにより、例えば施設の業務管理者が、当該単一のスタッフ端末3に報知される情報を参照して、他のスタッフへの指示などのオペレーション業務を行うことが可能である。また、業務管理システム1が、フロント、厨房、及びホールなどの業務種別ごとに対応するスタッフ端末3を1台ずつ備える構成であってもよい。なお、業務管理システム1に単一のスタッフ端末3が設けられる場合には、報知先は全て当該スタッフ端末3であればよいが、複数のスタッフ端末3が設けられる場合には、業務内容ごとの報知先が予め設定される必要がある。そのため、制御部21は、報知内容ごとに対応する報知先のスタッフ又はスタッフ端末3を、業務管理装置2又はスタッフ端末3に対するユーザ操作に応じて予め任意に設定することが可能である。
【0077】
[予約制御処理]
また、制御部21は、前記業務管理処理と略並行して、予約情報D1と利用者の来店状況とに基づく予約制御処理を実行する。ここに、
図10は前記予約制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、当該予約制御処理は、制御部21の予約処理部211によって実行される。
【0078】
[ステップS21]
ステップS21において、制御部21は、スタッフ又は利用者によるスタッフ端末3又は利用者端末4からの予約要求が行われたか否かを判断する。ここで、予約要求が行われたと判断されると(S21:Yes)、処理がステップS22に移行し、予約要求が行われていなければ(S21:No)、処理がステップS23に移行する。
【0079】
[ステップS22]
ステップS22において、制御部21は、前記予約要求と予約情報D1とに基づいて予約情報D1を更新する予約情報更新処理を実行する。具体的に、制御部21は、前述したように、予約情報D1に基づいて、前記予約要求に対応する予約が可能であるか否かを判断し、予約が可能である場合に予約情報D1に前記予約要求に対応する予約内容を追加する。なお、前記予約要求には、新規予約、予約変更、予約キャンセルが含まれる。例えば、制御部21は、利用者からの予約キャンセル要求を受け付けると、当該予約キャンセル要求に対応する予約内容を予約情報D1から削除する。また、制御部21は、利用者からの予約変更要求を受け付けると、当該予約変更要求に応じた予約が可能であるか否かを判断し、予約が可能である場合に予約情報D1を変更する。
【0080】
[ステップS23]
ステップS23において、制御部21は、予約情報D1に基づいて、利用時間に来店していない利用者が居るか否かを判断する。具体的に、制御部21は、利用者のチェックイン操作などに応じて来店を受け付け、予約情報D1における予約レコードごとに利用者の来店の有無を記録する。これにより、制御部21は、予約情報D1利用時間に利用者が来店しているか否かを判断可能である。ここで、利用者が来店していないと判断されると(S23:Yes)、処理がステップS24に移行し、利用者が来店していると判断されると(S23:No)、当該予約制御処理は終了する。なお、ここでは、前記利用時間に来店しているか否かが判断される場合を例に挙げて説明するが、利用時間の所定時間前の時点のような前記利用時間を基準として予め設定された確認時間(例えば利用時間の5分前又は10分前など)に来店しているか否かが判断されてもよい。
【0081】
[ステップS24]
ステップS24において、制御部21は、前記ステップS23で利用時間に来店していないと判断された利用者に、予約情報D1のうち少なくとも前記利用時間などを含む予約内容を通知する予約確認通知処理を実行する。当該予約確認通知処理で通知される予約内容は、利用者に予約情報D1に記録された利用時間、利用者名、利用店舗名、人数、又はプランなどの情報である。具体的に、制御部21は、利用者の前記利用者情報として登録されている利用者電話番号を宛先として電話回線を介する自動音声案内の通話処理を実行することにより前記予約内容を通知する。また、制御部21は、利用者の前記利用者情報として登録されている利用者メールアドレスを宛先として通信網N1を介したメール送信処理を実行することにより前記予約内容を通知してもよい。これにより、利用者に自動的に予約内容が通知されることになるため、スタッフは、利用者各々が利用時間に来店しているか否かの確認作業、及び来店していない場合の連絡作業を省略することが可能である。
【0082】
また、他の実施形態として、ステップS24において、制御部21は、前記ステップS23で利用時間に来店していないと判断された利用者の前記利用者情報に基づいて、スタッフに前記予約内容を通知する予約確認通知処理を実行することが考えられる。具体的に、制御部21は、スタッフ端末3のうち例えばフロントに設置されたスタッフ端末3Aに対して利用者が利用時間に来店していない旨、及び利用者の連絡先電話番号(連絡先メールアドレス)を表示させ、利用者への予約確認を促すことが考えられる。これにより、スタッフは、利用者への連絡を行う必要はあるが、利用者各々が利用時間に来店しているか否かの確認作業は省略することが可能である。なお、ステップS24において、制御部21は、前記ステップS23で利用時間に来店していないと判断された利用者の前記利用者情報に基づいて前記予約内容を利用者及びスタッフ各々に通知することも考えられる。
【0083】
[ステップS25]
次に、ステップS25において、制御部21は、予約情報D1に含まれる予約レコードのうち前記ステップS24において予約確認通知処理の対象となった予約レコードうち、前記予約確認通知処理による通知後の予め設定された所定時間内に予約確認操作が行われなかった予約レコードが存在するか否かを判断する。
【0084】
具体的に、制御部21は、利用者が利用者端末4に対して前記予約確認通知処理の対象となった予約レコードについて予定通り来店する旨の操作を行った場合に、利用者端末4から業務管理装置2に入力される操作信号に基づいて予約確認操作が行われたと判断する。また、制御部21は、スタッフがスタッフ端末3に対して前記予約確認通知処理の対象となった予約レコードについて予定通り来店する旨の操作を行った場合に、利用者端末4から業務管理装置2に入力される操作信号に基づいて予約認操作が行われたと判断する。
【0085】
ここで、所定時間内に予約確認操作が行われなかったと判断されると(S25:Yes)、処理がステップS26に移行し、所定時間内に予約確認操作が行われなかったと判断されなければ(S25:No)、当該予約制御処理は終了する。なお、スタッフ端末3又は利用者端末4に対して前記予約レコードについてのキャンセル操作が行われた場合も同様に処理がステップS26に移行することが考えられる。
【0086】
[ステップS26]
ステップS26において、制御部21は、前記ステップS25において前記所定時間内に予約確認操作が行われなかった予約レコードをキャンセルする予約キャンセル処理を実行する。具体的に、制御部21は、当該予約レコードを予約情報D1から自動的に削除することにより当該予約レコードに対応する座席及び利用時間を空席に設定する。これにより、制御部21の予約処理部211が、当該キャンセルされた予約レコードの利用時間にその予約レコードの座席について他の利用者の利用を許容することが可能となる。
【0087】
[ステップS27]
ステップS27において、制御部21は、前記ステップS25において前記所定時間内に予約確認操作が行われなかった予約レコードについて、利用者に対してキャンセル料を請求するための処理を実行する。具体的に、制御部21は、利用者の利用者メールアドレスに対してキャンセル料の支払いを行うための案内メッセージを送信することが考えられる。これにより、例えば利用者は、前記案内メッセージに従って、クレジットカード又は銀行振込などによるキャンセル料の支払い操作を実行することになる。従って、スタッフが利用者にキャンセル料の支払いを要求する作業が省略される。
【0088】
このように、業務管理装置2において、前記業務管理処理及び前記予約制御処理が実行されることにより、利用者による予約要求の受付から利用者の来店又は利用者の予約キャンセルが行われるまでの一連の手順における施設のスタッフの手間を軽減することが可能であり、施設の業務効率を向上させることが可能である。
【0089】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の技術思想について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0090】
<付記1>
施設の予約内容を示す予約情報を管理する予約処理部と、
前記予約情報に基づいて、前記施設のスタッフの作業内容を当該作業内容に対応して予め設定された報知タイミングで前記スタッフに報知する報知処理部と、
を備える業務管理装置。
【0091】
<付記2>
前記予約処理部は、利用者又はスタッフからの予約要求を受け付け可能であり、前記予約要求と予め設定された予約規則とに基づいて前記予約情報を自動更新する、
付記1に記載の業務管理装置。
【0092】
<付記3>
前記予約処理部は、前記予約要求に応じて前記施設における座席の結合、分離、又は移動を含む座席レイアウトを設定可能であり、
前記報知処理部は、前記予約処理部によって設定された前記座席レイアウトを前記作業内容として報知する、
付記2に記載の業務管理装置。
【0093】
<付記4>
前記施設に来店した利用者を判別する判別処理部を備え、
前記報知処理部が、前記利用者判別処理により判別された前記利用者と前記予約情報とに基づいて前記利用者に対応する座席を報知する、
付記1〜3のいずれかに記載の業務管理装置。
【0094】
<付記5>
前記報知処理部は、前記作業内容を予め設定された一又は複数のスタッフに対応するスタッフ端末に表示させる、
付記1〜4のいずれかに記載の業務管理装置。
【0095】
<付記6>
前記報知処理部は、前記スタッフごとに予め対応付けられたスタッフ端末のうち前記作業内容について予め選択される一又は複数の前記スタッフに対応するスタッフ端末に当該作業内容を報知する、
付記1〜4のいずれかに記載の業務管理装置。
【0096】
<付記7>
前記作業内容が報知された前記スタッフ端末に対する前記スタッフによる前記作業内容の拒否操作を受け付け可能な受付処理部を備え、
前記報知処理部は、前記受付処理部によって前記拒否操作が受け付けられた場合に前記スタッフ端末とは異なる前記スタッフ端末に前記作業内容を報知する、
付記6に記載の業務管理装置。
【0097】
<付記8>
前記報知処理部は、前記作業内容が前記スタッフ端末に報知された後、予め設定された時間が経過するまでの間に、当該スタッフ端末に対する前記スタッフによる前記作業内容の確認操作が行われなかった場合に、前記スタッフ端末とは異なる前記スタッフ端末に前記作業内容を報知する、
付記6又は7に記載の業務管理装置。
【0098】
<付記9>
前記報知処理部は、前記予約情報に予め設定された複数の料理を含むコース料理が含まれる場合に、当該コース料理について予め設定されたタイムスケジュールに従って前記料理の調理開始タイミングを算出し、当該料理の調理開始タイミングが到来するごとに、当該料理の調理開始指示を予め指定されたスタッフ端末に報知する、
付記1〜8のいずれかに記載の業務管理装置。
【0099】
<付記10>
前記予約処理部は、前記予約情報のうち利用時間を基準として予め設定された確認時間に利用者が来店していない場合に利用者又はスタッフの少なくとも一方に当該利用者の予約内容を通知する、
付記1〜9のいずれかに記載の業務管理装置。
【0100】
<付記11>
前記予約処理部は、前記予約内容の通知後の予め設定された所定時間内に予約確認操作が行われなかった場合に、当該予約内容に対応する予約レコードを前記予約情報から削除する、
付記10に記載の業務管理装置。
【0101】
<付記12>
コンピューターにより、
施設の予約内容を示す予約情報を管理する予約ステップと、
前記予約情報に基づいて、前記施設のスタッフの作業内容を当該作業内容に対応して予め設定された報知タイミングで前記スタッフに報知する報知ステップと、
を実行する業務管理方法。
【0102】
<付記13>
コンピューターに、
施設の予約内容を示す予約情報を管理する予約ステップと、
前記予約情報に基づいて、前記施設のスタッフの作業内容を当該作業内容に対応して予め設定された報知タイミングで前記スタッフに報知する報知ステップと、
を実行させるための業務管理プログラム。