(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931354
(24)【登録日】2021年8月17日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】SOECにより最適化された一酸化炭素製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 32/40 20170101AFI20210823BHJP
【FI】
C01B32/40
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-544528(P2018-544528)
(86)(22)【出願日】2017年2月20日
(65)【公表番号】特表2019-507718(P2019-507718A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2017053765
(87)【国際公開番号】WO2017144403
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2020年2月19日
(31)【優先権主張番号】PA201600122
(32)【優先日】2016年2月26日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】590000282
【氏名又は名称】ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーネ・ヘンリク・セー・オゥ
【審査官】
神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−200713(JP,A)
【文献】
特開2000−233918(JP,A)
【文献】
特開2006−176400(JP,A)
【文献】
特表2017−524631(JP,A)
【文献】
特表2015−513615(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/189064(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/154253(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素(CO2)と天然ガス及び/またはナフサを含む供給物流から一酸化炭素(CO)を製造する方法であって、
・合成ガス生成ステップであって、第一の合成ガス流を前記供給物流から生成するステップ、
・CO2除去ステップであって、CO2の少なくとも一部を前記第一の合成ガス流から除去し、そしてそれによって生成したCO2リサイクル流を前記合成ガス生成ステップにリサイクルして戻し、そして第二の合成ガス流が前記CO2除去ステップにおいて生成されるステップ、及び
・CO精製ステップであって、前記第二の合成ガス流からCOを生成するステップ、
を含み、
該方法が、CO2流が供給されるSOECユニットを更に含み、前記SOECユニットはCOを生成し、このCOは前記第一の合成ガス流にフィードバックされ、それによって、前記第一の合成ガス流中のCO濃度が高められ、
SOECユニットに供給されるCO2流が、上記CO2リサイクル流の少なくとも一部を含むリサイクルバイパス流であり、及び
前記SOECユニットが、前記CO2リサイクル流から前記SOECユニット及びパイプを通して前記第一の合成ガス流に戻る時の圧力差を前記CO2リサイクルバイパス流が克服できるように適合された圧縮機を含む、方法。
【請求項2】
合成ガス生成ステップに供給されるCO2インポート流を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
SOECユニットに供給されるCO2インポート流を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記SOECユニットが、過剰の圧力からSOECユニットを保護するために前記CO2リサイクル流の下流に減圧弁を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記SOECユニットが、SOECユニットに供給されたCO2の5〜99%をCOに転化する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記SOECユニットが、SOECユニットに供給されたCO2の20〜60%をCOに転化する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記第一の合成ガス流の圧力が2〜25Bar(g)である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記第一の合成ガス流の圧力が15〜25Bar(g)である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記CO2リサイクル流の圧力が0〜5Bar(g)である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記合成ガス生成ステップが、水素化、脱流、予備改質及び改質を含む、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記CO精製ステップが、極低温または膜CO精製を含む、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物電解セル(SOEC)スタック中で行われる電気分解の分野に属する。固体酸化物電解セルは、例えば水の電気分解によって酸素及び水素ガスを生産するために固体酸化物またはセラミック電解質を使用する、反転モードで運転される固体酸化物燃料電池(SOFC)である。これは、SOECコアを含み、そこにはSOECスタックが、プロセスガスのための入口及び出口と一緒に収容されている。しばしば燃料ガスと称される供給ガスは、スタックのカソード部分に案内され、そこから、電気分解からの製品ガスが取り出される。スタックのアノード部分は、酸素側とも称される、というのも、この側で酸素が生成されるからである。
【0002】
本発明は、水蒸気改質ベースのCOプラントにおける一酸化炭素(CO)製造を、固体酸化物電解セル(SOEC)またはSOECスタックにおいて二酸化炭素(CO
2)から一酸化炭素(CO)を製造するための方法に関連させるものであり、この際、CO
2が、電流をかけたスタックの燃料側に案内され、そして過剰の酸素がスタックの酸素側に輸送され、ここで、任意選択的に、酸素側を洗い流すために空気または窒素を使用し、及びCO2と混合したCOを含むSOECからの製品流を、分離プロセスに付す。
【0003】
本発明においては、SOECスタック(複数可)は、水蒸気改質合成ガス及びその後の極低温もしくは膜CO精製を用いて稼働される既存の水蒸気改質ベースのCO製造設備においてCO製造を促進する。
【背景技術】
【0004】
水蒸気改質によるCO製造では、地域の事情に依存して価値が高かったり、低かったりし得る水素が同時に製造される。水素の価値が低い場合には、水素の製造は、高いC/H比率を有する供給原料、例えばナフサを使用する、改質器を低いS/C比率及び/もしくは高温で稼働する、CO2除去ユニットからCO2をリサイクルする及び/またはインポートCO2を加えることによって、抑制することおができる。
【0005】
しかし、改質触媒上での炭素生成の可能性が高まるために、どのような所与の供給原料でも、いかほど低いH2/CO比率を、上記の策略を適用する水蒸気改質中に強いることができるかの限界があることは広く知られている。その結果、当然に、炭素の生成が始まる前にまたは装置がその伝熱限界に達する前に、所与のサイズの改質器がどれほどのCOを製造できるには限界がある。この点に到達した時に追加的なCO能力が必要な場合には、追加のCOを製造するためのオプションは、水蒸気改質能力を追加することのみである。改質能力の追加は、典型的には、妥当な規模の経済を達成するためには比較的大きな増分でしか可能ではなく、合成ガスプラントの残りのセクションへの負荷は、コスト、時間及び既存の設備の改修の煩雑さを増大させる追加された改質能力と共に線形に大きくなる(または熱交換改質(hex reforming)が適用される場合にはより大きくなる)。それ故、増分のCO商機は、新しい合成ガスプラントの実現可能性または既存の設備のデボトルネッキングのための必要な規模の経済を得るために十分な大きさである必要がある。
【0006】
COは、電気分解によってCO
2から製造できることは既知である。例えば、US2007/0045125A1(特許文献1)は、ナトリウム伝導性電気化学セルを用いて二酸化炭素及び水から合成ガス(一酸化炭素と水素とを含む合成ガス)を製造する方法を記載している。合成ガスは、固体酸化物電解セル中での二酸化炭素及び水蒸気の共電気分解によっても製造される。
【0007】
US8,138,380B2(特許文献2)は、二酸化炭素を還元転化することによってメタノールを製造する環境的に有益な方法を記載しており、この際、上記方法は、リサイクルされた二酸化炭素を、電気化学セル中で一酸化炭素に還元するステップを含む。
【0008】
US2008/0023338A1(特許文献3)からは、高温電気分解による少なくとも一種の合成ガス成分を製造するための方法が知られている。合成ガス成分である水素及び一酸化炭素は、固体酸化物電解セル中で二酸化炭素及び水または水蒸気を分解して、一酸化炭素及び水素を形成することによって生成することができ、その水素の一部は、いわゆる逆水性ガスシフト(WGS)反応を利用して二酸化炭素と反応させて一酸化炭素を生成することができる。
【0009】
US2012/0228150A1(特許文献4)は、YSZ電解質と統合した、酸素欠乏フェライト(ODF)の電極を使用して、連続プロセスにおいてCO
2をC/CO及びO
2に分解する方法を記載している。ODF電極は、この電極に小さな電位バイアスをかけることによって活性に維持することができる。CO
2及び水は同時に電気分解して合成ガス(H
2+CO)及びO
2を連続的に生成することもできる。それよって、CO
2を、炭化水素燃料のCO
2中性使用を可能にする価値の高い燃料源に変換することができる。
【0010】
最後に、US8,366,902B2(特許文献5)は、一つまたは複数の固体酸化物電解セルを用いた水及び/または二酸化炭素の分解を援助するために炭素質燃料の熱化学的転化からの熱を利用して合成ガスを製造するための方法及び装置を記載している。一つまたは複数の固体酸化物電解セルによる二酸化炭素及び水または水蒸気の同時分解を、水素及び一酸化炭素を製造するために使用することができる。
【0011】
上記の特許及び特許出願の他に、固体酸化物電解セル中でCO
2を電気分解するというコンセプトは、Hong Kong Polytechnic UniversityのMeng Niによる刊行物である“Modeling of a Solid Oxide Electrolysis Cell for Carbon Dioxide Electrolysis”(非特許文献1)に、及びSune Dalgaard Ebbesen and Mogens Mogensenによって、Journal of Power Sources 193,349−358(2009)(非特許文献2)に“Electrolysis of Carbon Dioxide in Solid Oxide Electrolysis Cells”というタイトルの論文にも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US2007/0045125A1
【特許文献2】US8,138,380B2
【特許文献3】US2008/0023338A1
【特許文献4】US2012/0228150A1
【特許文献5】US8,366,902B2
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Meng Ni,“Modeling of a Solid Oxide Electrolysis Cell for Carbon Dioxide Electrolysis”
【非特許文献2】Journal of Power Sources 193,349−358(2009)
【発明の概要】
【0014】
具体的には、本発明者らが請求する発明は、比較的少ない投資及び稼働停止時間で、作業者/所有者がそれらの現在のCO製造能力を超える増分のCO商機を利用することを可能にする水蒸気改質をベースとするCOプラントのSOECデボトルネッキングである。該SOECは、低圧CO2(好ましくは、CO2除去ユニットの排気。というのも、これは触媒毒を含まないからであり、他方、インポートCO2は汚染物を含む場合がある)で作動し、そしてそれの5〜99%をCOに転化する。利点は、CO2圧縮及び合成ガス生成負荷が変化しないこと、すなわち改修または投資が必要ないことである。
【0015】
CO2除去ユニットへの負荷が増すが、追加的な改質能力と比べればかなり少なく、そのため、僅かな改修/投資/稼働停止時間が必要とされるだけである。乾燥機及びCO生成ユニットへの負荷の増加は、本質的に過剰のCO(それと、SOEC製品中に存在するかもしれない低濃度のH
2、N
2)に制限され、すなわち改修/投資/稼働停止時間は同様に必要ないかまたは僅かにしか必要ではない。
【0016】
SOECにおける電気分解プロセスは、650℃と850℃との間の作動温度を必要とする。特定の作動条件、スタック構成及びスタックの完全性に依存して、その稼働は全体としては熱を消費し得るか(すなわち吸熱性)、またはこれは熱的に中性であり得るかまたは熱を生成し得る(すなわち発熱性)。このような高温で行われた稼働はいずれの場合でも、かなりの熱の損失も招く。このことは、これが典型的には、望ましい作動温度に達しそしてそれを維持するために外部加熱を必要とすることを意味する。
【0017】
SOECスタック中で十分に大きな電流で作動させる場合には、必要な熱は結局は生成されるが、同時にスタックの劣化が大きくなる。それ故、該プロセスの他の態様の一つでは、SOECスタックに熱を供給して、それによりこの問題を軽減するために、酸素側及び燃料側の入口ガスを加熱するために外部加熱器が使用される。このような外部加熱器は、SOECがそれの作動温度に到達するのを助けるための熱を供することができるため、スタートアップの時にも有用である。適当な供給ガス温度は、700〜850℃程であろう。外部加熱器は電気式であることができるが、ガス燃料または液体燃料の外部加熱器も使用し得る。
【0018】
必要な作動温度を得るために入口ガス加熱器を用いることの他に、酸素側及び燃料側の高温の排気ガスを、入口ガスを加熱するために使用し得る。これは、SOECのための適当な作動温度を維持し及びそれと同時に加熱器への負荷を減少するための他の方策である。それ故、酸素側及び燃料側の両方に供給物流出物熱交換器を導入することによって、高温作動及び熱損失に関する問題が更に軽減される。SOEC作動の特質に依存して、質量(O
2)は、燃料側から酸素側へと移送され、これは、燃料側の供給物流出物熱交換器中だけで到達できる最大温度に対する制限をまねく。その結果、酸素側でSOECを通る質量が増加し、これが、SOEC酸素出口流中で過剰の熱を発生させる。そうしてこれは、酸素側の供給物流出物熱交換器からの出口流中でも余剰の熱を発生させる。それ故、酸素側のこの過剰の熱を利用するために、第三の供給物流出物熱交換器が提供され、この第三の熱交換器は、酸素側の供給物流出物熱交換器の高温の出口側からの熱を、燃料側の供給物流出物熱交換器の低温の入口へと伝達する。加熱器と熱交換器との間並びに熱交換器、加熱器及びスタックとの間の接続パイプに、高温断熱と組み合わせて電気追跡手段を使用することによって、SOECスタック中の所望の温度レベルを更に一定に保つことができる。
[本発明の特徴]
1.二酸化炭素(CO2)と天然ガス及び/またはナフサを含む供給物流から一酸化炭素(CO)を製造する方法であって、
・合成ガス生成ステップであって、第一の合成ガス流を前記供給物流から生成するステップ、
・CO2除去ステップであって、CO2の少なくとも一部を前記第一の合成ガス流から除去し、そしてそれによって生成したCO2リサイクル流を前記合成ガス生成ステップにリサイクルして戻し、そして第二の合成ガス流が前記CO2除去ステップにおいて生成されるステップ、
・CO精製ステップであって、前記第二の合成ガス流からCOを生成するステップ、
を含み、
該方法が、CO2流が供給されるSOECユニットを更に含み、前記SOECユニットはCOを生成し、このCOは第一の合成ガス流にフィードバックされ、それによって、前記第一の合成ガス流中のCO濃度が高められる、方法。
2.SOECユニットに供給されるCO2流が、上記CO2リサイクル流の少なくとも一部を含むリサイクルバイパス流である、前記特徴1による方法。
3.合成ガス生成ステップに供給されるCO2インポート流を含む、上記特徴のいずれか一つによる方法。
4.SOECユニットに供給されるCO2インポート流を含む、上記特徴のいずれか一つによる方法。
5.前記SOECユニットが、前記CO2リサイクル流から前記SOECユニット及びパイプを通して前記第一の合成ガス流に戻る時の圧力差を前記リサイクルバイパス流が克服できるように適合された圧縮機を含む、上記特徴2による方法。
6.前記SOECユニットが、過剰の圧力からSOECユニットを保護するために前記CO2リサイクル流の下流に減圧弁を含む、上記特徴5による方法。
7.前記SOECユニットが、SOECユニットに供給されたCO2の5〜99%をCOに転化する、上記特徴のいずれか一つによる方法。
8.前記SOECユニットが、SOECユニットに供給されたCO2の20〜60%をCOに転化する、上記特徴のいずれか一つによる方法。
9.前記第一の合成ガス流の圧力が2〜25Bar(g)である、上記特徴のいずれか一つによる方法。
10.前記第一の合成ガス流の圧力が15〜25Bar(g)である、上記特徴のいずれか一つによる方法。
11.前記CO2リサイクル流の圧力が0〜5Bar(g)である、上記特徴のいずれか一つによる方法。
12.前記合成ガス生成ステップが、水素化、脱流、予備改質及び改質を含む、上記特徴のいずれか一つによる方法。
13.前記CO精製ステップが、極低温または膜CO精製を含む、上記特徴のいずれか一つによる方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一態様によるプロセスの図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の他の一態様によるプロセスの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を、本発明の態様の例を示す添付の図面によって更に説明する。
【0021】
図1の図は、本発明の一態様によるCO製造プロセスを示す。天然ガス及び/またはナフサ供給物を含む供給物流01は、合成ガス生成ステップ02に導かれ、ここでこれは、触媒反応によって合成ガスに変換される。それによって生成した第一の合成ガス流03は、次いでCO2除去ステップに導かれ、このステップはCO2リサイクル流と第二の合成ガス流06を生成し、前記CO2リサイクル流は、CO2リサイクル圧縮機を用いて供給物流にリサイクルして戻され、そして前記第二の合成ガス流06は、次に、合成ガス乾燥機を介してCO精製ステップ07に送られる。前記第二の合成ガス流からは、CO精製ステップ中で行われる反応によってCO生成物流が形成される。
【0022】
この既知のプロセスの効率を高めるために、SOECユニットが該プロセスに加えられ、このSOECユニットは、CO2からCOを生成する。本態様では、CO2除去ステップで生成したCO2リサイクル流の少なくとも一部が該SOECユニットに供給される。該SOEC中で生成したCOは、次いで、第一の合成ガス流中にフィードバックされ、それによって、この流れのCO濃度を高め、そして既存のプロセスの全体的なCO製造能力を増加させる。既存のプロセスの能力が高まるために、CO2インポート流10を該装置に使用することが実行可能であり得、前記CO2インポート流は、前記CO2リサイクル流中に供給し得る。それ故、本発明は、既存CO製造プラントを改修して、大規模な機器取り替え無しにそれらのCO製造能力を高めるのにも適している。
【0023】
図2による本発明の態様では、CO2インポート流がSOECユニットに直接供給される。この態様は、必要な配管及び既存のプラントの改修が最小で済むため有利であり得る。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.
二酸化炭素(CO2)と天然ガス及び/またはナフサを含む供給物流から一酸化炭素(CO)を製造する方法であって、
・合成ガス生成ステップであって、第一の合成ガス流を前記供給物流から生成するステップ、
・CO2除去ステップであって、CO2の少なくとも一部を前記第一の合成ガス流から除去し、そしてそれによって生成したCO2リサイクル流を前記合成ガス生成ステップにリサイクルして戻し、そして第二の合成ガス流が前記CO2除去ステップにおいて生成されるステップ、及び
・CO精製ステップであって、前記第二の合成ガス流からCOを生成するステップ、
を含み、
該方法が、CO2流が供給されるSOECユニットを更に含み、前記SOECユニットはCOを生成し、このCOは前記第一の合成ガス流にフィードバックされ、それによって、前記第一の合成ガス流中のCO濃度が高められる、方法。
2.
SOECユニットに供給されるCO2流が、上記CO2リサイクル流の少なくとも一部を含むリサイクルバイパス流である、前記1に記載の方法。
3.
合成ガス生成ステップに供給されるCO2インポート流を含む、前記1または2に記載の方法。
4.
SOECユニットに供給されるCO2インポート流を含む、前記1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5.
前記SOECユニットが、前記CO2リサイクル流から前記SOECユニット及びパイプを通して前記第一の合成ガス流に戻る時の圧力差を前記CO2リサイクルバイパス流が克服できるように適合された圧縮機を含む、前記2に記載の方法。
6.
前記SOECユニットが、過剰の圧力からSOECユニットを保護するために前記CO2リサイクル流の下流に減圧弁を含む、前記5に記載の方法。
7.
前記SOECユニットが、SOECユニットに供給されたCO2の5〜99%をCOに転化する、前記1〜6のいずれか一つに記載の方法。
8.
前記SOECユニットが、SOECユニットに供給されたCO2の20〜60%をCOに転化する、前記1〜7のいずれか一つに記載の方法。
9.
前記第一の合成ガス流の圧力が2〜25Bar(g)である、前記1〜8のいずれか一つに記載の方法。
10.
前記第一の合成ガス流の圧力が15〜25Bar(g)である、前記1〜9のいずれか一つに記載の方法。
11.
前記CO2リサイクル流の圧力が0〜5Bar(g)である、前記1〜10のいずれか一つに記載の方法。
12.
前記合成ガス生成ステップが、水素化、脱流、予備改質及び改質を含む、前記1〜11のいずれか一つに記載の方法。
13.
前記CO精製ステップが、極低温または膜CO精製を含む、前記1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【符号の説明】
【0024】
01.供給物流
02.合成ガス生成ステップ
03.第一の合成ガス流
04.CO2除去ステップ
05.CO2リサイクル流
06.第二のの合成ガス流
07.CO精製ステップ
08.SOECユニット
09.CO2流
10.CO2インポート流