(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊び歯車は、回転軸線のところで前記静止ハンドルに結合され、前記可動ハンドルには前記回転軸線のところで前記遊び歯車を受け入れるスロットが形成されている、請求項1記載の腹腔鏡用外科用クリップアプライヤ。
前記遊び歯車は、第1の表面、前記第1の表面と反対側の第2の表面、および前記第1の表面と前記第2の表面との間に延びる縁部を備えたプレートを有し、前記第1の複数の駆動歯は、前記第1の表面、前記第2の表面、および前記縁部のうちの1つに設けられ、前記第2の複数の駆動歯は、前記第1の表面、前記第2の表面、および前記縁部のうちの別の1つに設けられている、請求項1記載の腹腔鏡用外科用クリップアプライヤ。
前記フィードスライダは、可撓性駆動プレートに結合され、前記スライダは、前記可撓性駆動プレートと係合可能なタブを有する、請求項1記載の腹腔鏡用外科用クリップアプライヤ。
前記送り機構体は、前記可撓性駆動プレートが前記スライダの前記タブから離脱されると、前記フィードスライダを引っ込み位置に付勢する戻しばねを更に含む、請求項10記載の腹腔鏡用外科用クリップアプライヤ。
前記クランプフォークは、前記スライダを前記所定距離にわたって長手方向にいったん前進させると、前記クランプスライダに係合する、請求項10記載の腹腔鏡用外科用クリップアプライヤ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および
図2を参照すると、腹腔鏡用のクリップアプライヤのためのハンドル組立体10の一実施形態が示されている。ハンドル組立体10は、近位端から遠位端まで延びるとともにハンドル組立体の長手方向軸線を定めるハンドル本体12を含むのが良い。ハンドル本体12は、静止ハンドル14および静止ハンドルに回動可能に結合された可動ハンドル16またはトリガを有する。可動ハンドル16を静止ハンドル14に対して間隔保持または開き形態から接近または閉じ形態に回動させることができる。ハンドル組立体10は、ハンドル本体12の遠位端のところに設けられた腹腔鏡用シャフトインターフェースを更に含む。腹腔鏡用シャフトインターフェースは、腹腔鏡用シャフトインターフェースに結合された腹腔鏡用シャフトおよびジョー組立体を回転させるよう長手方向軸線回りに回転可能な回転可能カラー18を有するのが良い。
【0011】
図示の実施形態では、ハンドル組立体10は、静止ハンドル14およびこれに結合された可動ハンドル16を備えた拳銃握り形ハンドルから成る。しかしながら、他の実施形態では、他のハンドル形式は、図示の拳銃握り形ハンドル関して更に説明する特徴のうちの幾つかまたは全てを含むのが良いことが想定される。例えば、ハンドル組立体は、はさみ握り形ハンドル、全体としてインライン形のハンドル、または別のハンドル形式を有しても良い。
【0012】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、
図1のハンドル組立体に用いることができる腹腔鏡用シャフト組立体20およびジョー組立体19の一実施形態が示されている。シャフトは、近位端から遠位端まで全体として長手方向に延びている。1対の互いに反対側のジョーを含むジョー組立体19が遠位端のところに設けられている。中央部分が近位端と遠位端との間に延びている。作動組立体が近位端のところに位置決めされている。ジョー組立体は、一方のジョーが反対側のジョーから間隔を置いて保持された状態でジョーが開き形態にあるときに外科用クリップを受け入れるよう構成されている。ジョー組立体が外科用クリップをいったん受け入れると、ジョーは、外科用クリップをクランプするようジョーを互いに接近させる閉じ形態にクランプされる。次に、ジョー組立体を開き形態に戻すと、別のクリップを受け入れることができる。
【0013】
引き続き
図3Aおよび
図3Bを参照すると、シャフト組立体20の中央部分は、近位端から遠位端まで延びる全体として管状の部材を含む。管状部材は、外科用アクセスポート、例えばトロカールカニューレのシールインターフェースを通って位置決めされるべき全体として滑らかな外面を有する。複数の外科用クリップが管状部材内に位置決めされるのが良い。さらに、シャフト組立体は、複数の外科用クリップのうちの最も遠位側のクリップをジョー組立体に送る機構体およびジョー組立体のジョーを閉じる機構体を含むのが良い。管状部材およびジョー組立体は、特定の内径を備えた外科用アクセスポートを通って貫通可能に寸法決めされているのが良い。例えば、管状部材およびジョー組立体は、15mm、12mm、10mm、8mm、または5mmトロカールカニューレまたは別の直径を備えた外科用アクセスポートを通って挿入可能に寸法決め可能である。
【0014】
引き続き
図3Aおよび
図3Bを参照すると、シャフト組立体20の遠位端は、作動組立体を有する。シャフト組立体を外科用クリップアプライヤと組み立てると、作動組立体は、ハンドル組立体内に位置決めされる。図示のように、作動組立体は、作動組立体の遠位端のところに位置決めされた第1のスライダ22を含む。作動組立体は、作動組立体の近位端のところに位置決めされた第2のスライダ24を更に含むのが良い。第1および第2のスライダ22,24は各々、シャフト組立体に対して長手方向に摺動可能である。第1および第2のスライダ22,24を摺動させると、シャフト組立体内におけるクリップ送りおよび閉じ機構体を作動させることができ、それにより最も遠位側のクリップを複数のクリップからジョー組立体中に順次送ってクリップをクランプすることができる。さらにハンドル組立体を参照して説明するように、図示の実施形態では、第1のスライダ22は、閉じ機構体に結合され、第2のスライダ24は、クリップ送り機構体に結合されている。他の実施形態では、第1のスライダ22は、送り機構体に結合されても良く、第2のスライダ24は、閉じ機構体に結合されても良く、そしてハンドル組立体は、第1および第2のスライダ22,24を適当な順序で作動させて外科用クリップを送ってクランプするよう構成されても良いことが想定される。
【0015】
図3Bを参照すると、図示のように、第2のスライダ24は、シャフト組立体内で送り機構体に結合されている。第2のスライダ24をハンドル組立体によって長手方向遠位側に前進させているとき、管状部材内の複数のクリップのうちの一クリップがジョー組立体中に装填される。次に第2のスライダ24をハンドル組立体によって遠位側に引っ込めると、後にはクリップがジョー組立体19内に位置決めされる。第2のスライダ24を近位側に引っ込めることによっても、送り機構体をジョー組立体19から引っ込めることができ、その結果、ジョー組立体19は、送り機構体からの干渉なしで閉じることができるようになっている。
【0016】
図3Bを参照すると、図示のように、第1のスライダ22は、シャフト組立体内で閉じ機構体に結合されている。第1のスライダ22をハンドル組立体によって長手方向遠位側に前進させると、閉じ機構体は、ジョー組立体のジョーを接近させ、そしてジョー組立体19のジョー相互間に装填された外科用クリップを圧縮するよう作動される。第1のスライダ22を近位側に引っ込めると、ジョー組立体19は、開き形態に戻る。
【0017】
図4を参照すると、
図1および
図2のハンドル組立体10の分解組立て図が示されている。図示の実施形態では、ハンドル本体は、ハンドル組立体を包囲するよう例えばスナップ嵌め構造または締結具で接合できる2つのハウジング半部12a,12bから成る。シャフトの作動組立体は、ハンドル本体内で長手方向に延びるのが良い。静止ハンドル14は、ハンドル本体と一体に形成されるのが良い。可動ハンドル16は、ピボット箇所のところでハンドル本体のハウジング半部12a,12bに回動可能に結合されるのが良い。
【0018】
引き続き
図4を参照すると、図示の実施形態では、可動ハンドル16は、層状構造から成る。図示のように可動ハンドル16は、グリップ部材68、第1の閉じレバー60a、第2の閉じレバー60b、およびラチェットプレート70を有し、これらは全て、互いに層状になっていてピボット箇所回りに回転可能である。グリップ部材68、第1の閉じレバー60a、第2の閉じレバー60b、およびラチェットプレート70は、これらが単一のユニットとして回動箇所回りに回転するよう互いに接合されている。例えば、幾つかの実施形態では、可動ハンドルの個々の層は各々、隣接の層へのキー付きカップリングを有するのが良い。他の実施形態では、個々の層は、締結具、接着剤、溶接または他の溶融技術により互いに締結されるのが良い。さらに別の実施形態では、可動ハンドルは、一体型ユニットとして一体に形成されるのが良い。
【0019】
引き続き
図4を参照すると、図示の実施形態では、ハンドル組立体は、歯車列を有する送り機構体を更に含む。図示の実施形態では、歯車列は、遊び歯車40、長手方向スライダ50、および駆動プレート26を含む。遊び歯車40は、可動ハンドル16の回動運動に応動して駆動される。遊び歯車40は、ハンドル本体12に回転可能に結合されており、この遊び歯車は、可動ハンドル16に形成された弧状スロットを貫通して延びる軸線回りに回転する。遊び歯車40は、ピニオン歯車部分42および複数の歯車歯44を含む少なくとも1つの駆動歯車部分を有するのが良い。ピニオン歯車部分42は、可動ハンドル16に設けられた複数の駆動歯車歯によって駆動されるよう位置決めされている。
【0020】
引き続き
図4を参照すると、図示の実施形態では、遊び歯車40は、長手方向スライダ50と噛み合い係合状態にある。かくして、可動ハンドル16の回動運動に応動した遊び歯車40の回転により、長手方向スライダ50の少なくとも1つのラック部分54と対応関係をなして噛み合っている遊び歯車40の少なくとも1つの駆動歯車部分が回転する。長手方向スライダ50は、作動組立体に隣接してハンドル本体12内の長手方向棚部27上に位置決めされている。したがって、可動ハンドルの回動運動は、送り機構体の歯車列を介して伝達され、その結果、長手方向スライダ50の長手方向摺動が生じる。
【0021】
引き続き
図4を参照すると、長手方向スライダ50は、駆動プレート26と係合可能な突出部52を有するのが良い。駆動プレート26は、長手方向スライダ50が駆動プレート26と係合した状態で長手方向スライダ50の長手方向運動により作動組立体の第2のスライダ24がこれに対応して動くよう第2のスライダ24に結合されるのが良い。
【0022】
作動組立体の第1のスライダ22は、閉じ機構体によって可動ハンドル16に結合されている。図示の実施形態では、閉じ機構体は、可動ハンドル16に結合された第1の閉じレバー60aおよび第2の閉じレバー60bを含む。第1の閉じレバー60aおよび第2の閉じレバー60bは、第1のスライダ22の互いに反対側の側部に側方に位置決めされている。第1の閉じレバー60aおよび第2の閉じレバー60bは各々、閉じフォーク62および引っ込みフォーク64を備えたジョーク状端部を有する。第1のスライダ22は、側方に延びる突出部、例えばラグまたは出張り23を有し、これらラグは、可動ハンドル16の回動運動に応動して第1のスライダ22を長手方向に前進させまたは引っ込めるよう第1および第2の閉じレバー60a,60bのフォーク状端部と係合することができる。
【0023】
引き続き
図4を参照すると、ハンドル組立体は、ラチェット機構体を更に含むのが良い。ラチェット機構体は、装填状態のクリップを所定量にわたってクランプする前に可動ハンドルが解除されるのを阻止するよう可動ハンドル16に結合されるのが良い。有利には、このラチェット機構体は、クリップのつかえまたはクランプ度が不十分なクリップの意図しない展開の発生を減少させることができる。図示の実施形態では、ラチェット機構体は、ラチェットプレート70を有し、このラチェットプレートは、この上に形成されたラチェットラック80およびラチェットラック80と係合可能な爪82を有する。爪82は、ハンドル本体12に結合されており、この爪は、可動ハンドル16をいったん開き形態から最初の増分にわたって回動させると、ラチェットラック80と係合するよう位置決めされている。
【0024】
動作原理を説明すると、クリップ送りおよびクランプサイクルと関連して、爪82がラチェットラック80といったん係合すると、ラチェット機構体は、接近形態に向かう可動ハンドル16の運動の続行を可能にするが、開き形態に向かう可動ハンドル16の運動を妨げる。可動ハンドル16をいったん回動させてクリップをジョー組立体に送り、そしてクリップを所定量クランプすると、爪82は、ラチェットラック80の端に達し、そしてラチェットラック80から外れる。爪82がラチェットラック80から外された状態で、可動ハンドル16は、開き形態に向かって回動するよう解除可能である。ハンドル組立体は、可動ハンドル16を開き形態に向かって付勢する付勢部材、例えば引っ張りばね72を含むのが良い。
【0025】
図5〜
図12を参照すると、ハンドル組立体のクリップ送りおよび閉じサイクル全体が示されている。
図5を参照すると、ハンドル組立体の部分切除図は、可動ハンドル16が初期開き形態にある状態のハンドル組立体を示している。ハンドルが開き形態にある状態で、作動組立体の第1および第2のスライダ22,24は各々、完全に近位側に引っ込められた位置にあり、ジョー組立体内にはクリップが存在しない。
【0026】
ハンドル組立体が開き形態にある状態で、閉じ機構体の閉じフォーク62は、作動組立体の第1のスライダ22から外されている。これとは異なり、閉じ機構体の引っ込みフォーク64は、第1のスライダ22に係合することができ、引っ込みフォーク64と閉じフォーク62との間のフォーク隙間が閉じフォーク62を第1のスライダ22から隔てている。したがって、可動ハンドル16の初期運動時、閉じレバー60は、可動ハンドル16によって直接回動されるが、閉じ機構体は、第1のスライダ22には係合しない。
【0027】
ハンドル組立体が開き形態にある状態で、送り機構体の歯車列に属する遊び歯車40の駆動歯車部分44は、長手方向スライダ50の対応の駆動ラック部分54と噛み合い係合状態にある。図示のように、長手方向スライダ50は、近位側の位置にある。可動ハンドル16の初期運動時、遊び歯車40は、回転して長手方向スライダ50を近位側に前進させる。加うるに、長手方向スライダ50が近位側の位置にある状態で、長手方向スライダ50の突出部52またはフィンは、駆動プレート26に係合することができる。かくして、長手方向スライダ50を遠位側に前進させると、駆動プレート26および第2のスライダ24は、これに対応して遠位側に送り進められる。長手方向スライダ50、駆動プレート26、および第2のスライダ24は、ハンドル本体12に結合された付勢部材、例えば引っ張りばね32によって近位側の位置に付勢可能である。
【0028】
動作原理を説明すると、可動ハンドル16を当初、
図5に示されている開き形態から閉じ形態に向かって動かしているとき、閉じ機構体は、第1のスライダ22から離脱し、それによりジョー組立体は、開き形態のままでいることができる。しかしながら、送り機構体は、第2のスライダ24と係合し、長手方向スライダ50は、作動組立体の第2のスライダ24を長手方向遠位側へ前進させてクリップをジョー組立体中に装填する。ハンドル本体12は、長手方向スライダ50の初期運動中、駆動プレート26を長手方向スライダ50の突出フィン52と係合関係に維持するよう位置決めされた少なくとも1つの案内30を有するのが良い。
【0029】
図6を参照すると、可動ハンドル16を開き形態から第1の距離にわたっていったん動かすと、閉じレバー60の閉じフォーク62は、作動組立体の第1のスライダ22に係合し、その結果、第1の距離を超える可動ハンドル16の運動により、第1のスライダ22が長手方向に前進してジョー組立体を閉じるようになっている。したがって、可動ハンドル16を第1の距離にわたって動かすと、送り機構体が作動して外科用クリップを装填し、次にこの外科用クリップをいったん可動ハンドル16が第1の距離を超えて動かされるとクランプすることができる。かくして、ハンドル組立体の送り機構体は、クリップがいったん送られると、作動組立体の第2のスライダ24から離脱するよう構成されているのが良い。
【0030】
図6を参照すると、ハンドル組立体は、駆動プレート26を長手方向スライダ50の突出部52またはフィンから離脱されるよう位置決めされるとともに構成されたランプまたは傾斜路28を含むのが良い。駆動プレート26を長手方向に前進させてこれをハンドル組立体のランプ28に係合させると、駆動プレート26の遠位端部が持ち上げられて駆動プレート26を撓ませる。駆動プレート26がランプによっていったん十分に撓むと、駆動プレート26を持ち上げてこれを長手方向スライダ50のフィンから離脱させる。作動組立体の第2のスライダ24が長手方向スライダ50から外された状態で、付勢部材、例えば引っ張りばね32は、第2のスライダ24を近位側に迅速に引き寄せることができる。ハンドル組立体の送り機構体は、クリップを完全に装填し、そして送り部材がジョーの閉じを妨害する可能性のある前に、送り部材をジョー組立体から引っ込めるよう構成されているのが良い。かくして、有利には、ハンドル組立体の送り機構体は、クリップ送りのつかえの恐れを減少させるよう構成されているのが良い。
【0031】
図7を参照すると、ハンドル組立体の部分切除図が示されており、第1のクランプレバーは、ハンドル組立体のある特定の観点を更に示すために省かれている。幾つかの実施形態では、ハンドル組立体は、クリップ送りのつかえの恐れを減少させるためにハンドル組立体の動作を協調させるラチェット組立体を更に含む。ラチェット機構体は、可動ハンドルを次のクリップの送りおよび閉じのための開き形態に戻すことができるようにする前に、送りおよび閉じ機構体のクリップ送りおよび閉じサイクル全体に対応した作動ストローク全体にわたり可動ハンドルの作動を容易にすることができる。
【0032】
引き続き
図7を参照すると、図示のラチェット機構体は、可動ハンドル16に結合されたラチェットプレート上に位置決めされているラチェットラック80を含む。ラチェット機構体は、ハンドル組立体に結合されたラチェット爪82を更に含む。ラチェット機構体は、ラチェット爪82をハンドル組立体に結合する爪ばね84を更に含むのが良く、それによりラチェット爪82を付勢してこれをラチェットラック80に係合させ、それにより一方向ラチェット機構体が構成される。可動ハンドル16を開き形態から閉じ形態に向かって所定距離にわたりいったん動かすと、ラチェット爪82は、ラチェットラック80の第1の歯に係合し、その結果、可動ハンドル16は、引き続き閉じ形態に向かって動くことができるが、ラチェット機構体によって開き形態に向かって動くのが阻止される。
【0033】
図8を参照すると、ハンドル組立体の部分切除図が示されており、把持部材は、ハンドル組立体のある特定の観点を更に示すために省かれている。図示のように、遊び歯車40は、把持部材に設けられたスロット内に形成されている駆動ラックに係合するよう位置決めされたピニオン歯車部分42を有している。遊び歯車40は、その外縁部上に形成されていて長手方向スライダ50に設けられている第1の駆動ラック54と噛み合う第1の複数の駆動歯44を更に有している。図示の実施形態では、送り機構体は、順次長手方向スライダ前進輪郭形状を対応関係をなして定める順次噛み合い可能な歯車装置または方式(gearing)を有する歯車列を含む。例えば、図示の実施形態では、遊び歯車40は、その外縁部上に形成されていて長手方向スライダが可動ハンドルの一回転度あたり第1の長手方向距離前進することによって定められる長手方向スライダの第1の前進輪郭形状を定める第1の複数の駆動歯44および長手方向スライダの第2の前進輪郭形状を定める第2の複数の駆動歯を有する。
【0034】
引き続き
図8を参照すると、長手方向スライダ50を第1の距離いったん前進させると、第2の複数の駆動歯46(
図12)は、長手方向スライダ50の第2の前進輪郭形状を定めるよう長手方向スライダ50に設けられた第2の駆動ラック56と噛み合う。ある特定の実施形態では、第2の複数の駆動歯46は、ピニオン歯車と反対側で遊び歯車の表面上に形成されるのが良い。ある特定の実施形態では、第2の複数の駆動歯46は、遊び歯車40の回転軸線に対して第1の複数の駆動歯44の半径方向内方に位置決めされるのが良い。第2の駆動ラック56は同様に、半径方向内方に位置決めされた駆動歯と噛み合うよう位置決めされるのが良い。半径方向内方の位置決めにより、可動ハンドルを所与の距離動かすと、その結果として、第1の駆動歯54を第1の複数の駆動歯44と噛み合わせた場合と比較して、第2の駆動ラック56を第2の複数の駆動歯46と噛み合わせた場合には可動ハンドル16の一回転あたりの長手方向スライダの比較的小さい長手方向並進度によって定められる第2の前進輪郭形状が得られる。有利には、図示の実施形態の順次噛み合い可能な歯車方式は、可動ハンドルを開き形態から閉じ形態に作動させているときに長手方向スライダの全長手方向並進距離を減少させることができる。かくして、望ましくは、ハンドル本体は、使用性を高めるとともにパッケージ化および貯蔵要件を緩和する比較的コンパクトな長さを有することができる。
【0035】
幾つかの実施形態では、歯車列の順次噛み合い可能な歯車方式は、第1の複数の駆動歯44と第1の駆動ラック54の噛み合い状態から第2の複数の駆動歯46と第2の駆動ラック56の噛み合い状態への滑らかな移行を容易にするための移行領域を有するのが良い。例えば、図示の実施形態では、第1の複数の駆動歯44は、第1の寸法を備えた複数の歯および第1の寸法よりも大きな第2の寸法を備えた少なくとも1つの移行歯を含む。第1の駆動ラック54は、第1の寸法を備えた複数の歯を受け入れるよう配置された対応の複数の歯および第1の複数の駆動歯の少なくとも1つの移行歯を受け入れるよう配置された少なくとも1つの歯を含む。少なくとも1つの移行歯の比較的大きな寸法は、第1の複数の駆動歯44および第1の駆動ラック54ならびに第2の複数の駆動歯46および第2の駆動ラック56からの移行全体を通じて長手方向スライダ50と遊び歯車40との噛み合い係合状態を維持する。
【0036】
図9を参照すると、ハンドル組立体の一実施形態が示されており、可動ハンドル16が閉じ形態に接近している。図示のように、作動機構体の第2のスライダ24が送り機構体から外されて引っ張りばね32によって近位側に引き寄せられてある。順次噛み合い可能歯車方式を備えたある特定の実施形態では、遊び歯車の第2の複数の駆動歯は、送り機構体の長手方向スライダ50の第2のラックと噛み合っている。したがって、可動ハンドル16を第1の距離を超えて引き続き動かしてクリップを送ると、長手方向スライダ50は、ハンドル本体に対して比較的短い距離動く。
【0037】
引き続き
図9を参照すると、図示のハンドル組立体の可動ハンドル16は、第1の距離を超えて第2の距離動いた閉じ形態に接近している。第2の距離にわたり、閉じレバー60の閉じフォーク62は、作動組立体の第1のスライダ22を前進させてジョー組立体内に位置決めされたクリップをクランプしている。有利には、図示の実施形態では、第1のスライダ22は、第1のスライダ22のラグ23のところで可動ハンドル16に直接連結されており、クリップがクランプされているときにユーザに手応えがもたらされる。
【0038】
図10を参照すると、ハンドル組立体の部分切除図が示されており、第1の閉じレバーは、ハンドル組立体のある特定の観点を示すために隠されている。図示のように、可動ハンドル16が閉じ形態に接近している状態で、ラチェット機構体のラチェット爪82は、可動ハンドル16のラチェットプレート70上に位置決めされたラチェットラック80の最後の歯に接近しているのが良い。ラチェット爪82をラチェットラック80の最後の歯を超えていったん前進させると、可動ハンドル16をラチェット機構体からの制約なしに開き形態に戻すことができる。種々の実施形態では、ラチェット機構体は、クリップが実質的に完全に閉じられた後にのみラチェット爪82がラチェットラック80の最後の歯を通過するよう構成されているのが良い。他の実施形態では、ラチェット機構体は、クリップがいったん部分的に閉じられると、ラチェット爪82がラチェットラック80の最後の歯を通過するよう構成されているのが良い。
【0039】
引き続き
図10を参照すると、遊び歯車40の回転ハブ41を受け入れるための弧状スロット66が可動ハンドル16を貫通して形成されるのが良い。したがって、遊び歯車40は、例えば可動ハンドル16を貫通したピン留め連結部によってハンドル本体の両方のハンドル半部に回転可能に結合されるのが良い。幾つかの実施形態では、弧状スロット66は、可動ハンドル16の開き形態から可動ハンドル16の閉じ形態までの作動ストロークを定める両端を有するのが良い。他の実施形態では、弧状スロット66は、可動ハンドル16の作動ストロークよりも長い長さを有するのが良く、したがって、スロット66は、可動ハンドル16が開き形態または閉じ形態にあるときに遊び歯車40の回転ハブ41から間隔を置いて設けられた両端を有する。
【0040】
図11を参照すると、ハンドル組立体の部分切除図が示されており、第1の閉じレバーおよび把持部材は、ハンドル組立体のある特定の観点を示すために隠されている。図示のように、遊び歯車40の第2の複数の歯車歯46は、長手方向スライダ50の第2のラックと噛み合っている。さらに、遊び歯車40の第1の複数の歯車歯44は、長手方向スライダ50の第1のラック54から外されている。
図12は、ハンドル組立体の反対側から見たハンドル組立体の部分切除図である。図示のように、第2の複数の歯車歯46は、ピニオン歯車部分と反対側の遊び歯車40のフェース上に設けられている。さらに、第2の複数の歯車歯46は、遊び歯車40の回転軸線から第2の半径方向距離R
2離れたところに位置決めされている。第2のラック56は、第2の複数の駆動歯46と噛み合うよう長手方向スライダ50上に位置決めされている。図示の実施形態では、第2の半径方向距離R
2は、第1の複数の駆動歯44の第1の半径方向距離R
1と比較して比較的短い(
図11)。
【0041】
図13を参照すると、ハンドル組立体の一実施形態が示されており、可動ハンドルは、開き形態に戻されている。クリップ送りおよび閉じサイクルがいったん完了すると、
図5〜
図12に示されているように、可動ハンドル16を解除して可動ハンドル16を開き形態に戻すのが良い。付勢部材、例えばハンドルばね72が可動ハンドル16を開き形態に付勢するのが良い。可動ハンドル16が開き形態に向かって動いているとき、閉じレバーの引っ込みフォーク64は、作動組立体の第1のスライダ22を近位側に引っ込めるのが良い。第1のスライダ22のこの引っ込みにより、ジョー組立体のジョーが開く。加うるに、可動ハンドルが開き形態に向かって動いている間、この可動ハンドルは、遊び歯車40を回転させ、この遊び歯車は、長手方向スライダ50を近位側の位置まで近位側に戻す。長手方向スライダ50が近位側の位置に近づくと、長手方向スライダ50の突出部またはフィン52は、駆動プレート26に係合する。長手方向スライダ50のフィンは、その近位端部のところに位置していて駆動プレート26を撓み形態およびフィンとの係合状態に案内するテーパ付きまたは傾斜した輪郭形状を有するのが良い。かくして、ハンドル組立体を開き形態にいったん戻すと、送り機構体は、可動ハンドルを次に閉じたときに次のクリップを送るよう第2のスライダ24と係合する。
【0042】
図14を参照すると、ハンドル組立体の一実施形態の部分切除図が示されており、第2のクランプレバーは、ハンドル組立体のある特定の観点を可視化するよう隠されている。図示のように、遊び歯車40のピニオン歯車部分に係合する駆動ラック74が可動ハンドル16内に形成されている。駆動ラック74は、可動ハンドル16の把持部材68に形成された凹部76またはスロット内に位置決めされるのが良い。この凹部76は、可動ハンドル16をハンドル本体および遊び歯車40の回転軸線に対して回動可能に動かすことができるよう全体として弧状の輪郭形状を有する。図示の実施形態では、駆動ラック74は、可動ハンドル16の把持部材68に形成された凹部76内に位置決めされている。図示のように、把持部材68は、凹部76を貫通して形成されていてハンドル組立体の遊び歯車40の回転カップリング、例えばピボットピンを受け入れる弧状スロット66を更に有する。
【0043】
図15A〜
図15Dを参照すると、本明細書において説明するハンドル組立体のための遊び歯車40の一実施形態が示されている。図示の遊び歯車40は、順次噛み合い可能な歯車方式を提供するよう構成されている。したがって、遊び歯車40は、その第1の表面43上に位置決めされたピニオン歯車部分42、その縁部45上に位置決めされた第1の複数の歯車歯44、および第1の表面43と反対側のその第2の表面47上に位置決めされた第2の複数の歯46を有する。遊び歯車40は、ピニオン歯車部分42を貫通した回転ハブ41を更に有する。
【0044】
引き続き
図15A〜
図15Dを参照すると、図示の遊び歯車40の順次噛み合い可能歯車方式プロフィールは、回転半径のところに一方の複数の歯車歯を有し、この回転半径は、他方の複数の歯車歯の回転半径と比較して比較的大きく、それにより長手方向スライダをピニオン歯車部分の入力回転に対して変化するのが良い前進輪郭形状に沿って駆動することができる。例えば、第1の複数の歯車歯44は、回転ハブ41から第1の半径方向距離R
1離れたところに位置決めされるのが良く、第2の複数の歯車歯は、回転ハブ41から第1の半径方向距離R
1よりも短い第2の半径方向距離R
2離れたところに位置決めされるのが良い(
図15C)。ハンドル組立体の他の実施形態では、遊び歯車の他の構成を使用することができる。例えば、遊び歯車の表面および縁部上のピニオン、第1および第2の複数の駆動歯の位置は、図示の実施形態から様々に異なっていても良い。
【0045】
図示の実施形態では、遊び歯車40の順次噛み合い可能歯車方式は、第1の複数の駆動歯44と第1の駆動ラックの噛み合い状態から第2の複数の駆動歯46と第2の駆動ラックとの噛み合い状態への滑らかな移行を容易にする移行領域を有する。幾つかの実施形態では、複数の駆動歯44,46のうちの一方は、移行領域を定めるよう非対称輪郭形状を有するのが良い。図示のように、第1の複数の駆動歯44は、第1の寸法を備えた複数の歯48および第1の寸法よりも大きな第2の寸法を備えた少なくとも1つの移行歯49を含む。第1の駆動ラックは、第1の寸法を備えた複数の駆動歯を受け入れるよう配置された対応の複数の歯および第1の複数の駆動歯44の少なくとも1つの移行歯49を受け入れるよう配置された少なくとも1つの歯を有する。図示の実施形態では、第2の複数の駆動歯46は、全体として対称の形態を有する複数の歯を含み、したがって、各歯は、実質的に同一の幾何学的輪郭形状を有する。幾つかの実施形態では、第2の複数の駆動歯46もまた、第1の複数の駆動歯44上の移行歯49に代えてまたはこれに加えて、異なる寸法を備えた移行歯を含む非対称輪郭形状を有するのが良いことが想定される。
【0046】
ある特定の実施形態では、本明細書において説明するハンドル組立体は、所望の開きシーケンスを提供するよう構成されているのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、可動ハンドルは、開き形態から閉じ形態までの約40°の作動ストロークにわたって回動可能であるのが良い。送り機構体は、クリップをジョー組立体中に装填するよう作動ストロークのほぼ最初の18°にわたって作動される。閉じ機構体は、作動ストロークの残りの22°にわたって作動される。有利には、歯車付きクリップ送り機構体は、クリップにレバー作動式装填機構体と比較して比較的一定の力プロフィールで装填することができ、それによりユーザの操作性が向上する。さらに、レバーを介する前側スライダへの可動ハンドルの直接的連結により、作動ストロークのクリップクランプ部分中におけるユーザの感触が高められる。他の実施形態では、作動ストローク、送り機構体部分、および閉じ機構体部分は、所望通りに、ハンドルが所望のクリップ装填力、ユーザフィードバックを有し、または送りおよび閉じ機構体を所望のハンドル組立体寸法および形状で収容するようハンドル組立体を構成する他のアーク長さを有することができる。
【0047】
本願は、ある特定の好ましい実施形態および実施例を開示しているが、当業者であれば理解されるように、本発明は、具体的に開示した実施形態を超えて他の変形実施形態および/または本発明の使用ならびにその明白な改造例および均等例に及ぶ。さらに、本発明の種々の特長は、単独でまたは上記において明示的に説明した特徴以外の本発明の他の特徴と組み合わせで使用できる。かくして、本明細書において開示した本発明の範囲は、上述の特定の開示した実施形態によって制限されず、特許請求の範囲に記載の公正な読みによってのみ定められるべきである。