(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程i−1)において、比[(塩基性触媒のモル量[mol])/(スターター化合物中の活性水素原子のモル量[mol])]が少なくとも1/8000である、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンの製造に好適なポリオキシアルキレンポリオールは種々の製造方法を介して得ることができる。産業規模で重要な方法の一つはH−官能性スターター化合物上へのアルキレンオキシドの塩基触媒による付加であり、別の方法は、H−官能性スターター化合物上にアルキレンオキシドを付加するための触媒としての二重金属シアン化物化合物(「DMC触媒」)の使用である。酸(ルイス)による触媒作用を受ける好適なスターター化合物上へのアルキレンオキシドの付加は、所望しない副産物を形成する傾向に起因する重要性が低いことである。
【0003】
塩基性触媒の中では、アルカリ金属水酸化物が最も有意である。それらは、短鎖ポリオキシアルキレンポリオールおよび/または高いエチレンオキシド含有量を有するポリオキシアルキレンポリオールの問題ない製造を可能にするが、一般にアルカリ性粗製ポリマー中の触媒は個別の後処理工程によって除去されなければならない。一般的に、これは場合により前の加水分解工程後の十分な強酸での中和、続く蒸留工程によって達成される。典型的にはここで沈殿する塩は濾過工程によって除去されなければならない。蒸留および濾過の方法は時間を消費し、エネルギー集約的であり、さらに再現性が良くない場合がある。したがって、濾過工程を必要としない多くの方法、そして多くの場合に蒸留工程も必要としない多くの方法が開発されてきた: 乳酸などのヒドロキシカルボン酸での中和はWO9820061に記載され、US2004167316には硬質フォーム用途のための短鎖ポリオールの後処理が記載されている;これらは広く用いられていて確立した方法である。US4521548には、重合活性部位がギ酸での反応による類似の方法でどのように非活性化され得るのかが示されている。ヒドロキシカルボン酸またはギ酸での中和後に形成された金属カルボキシレートは、ポリオキシアルキレンポリオール中の水溶液に可溶性であるので通常は最終生成物中に残されている。しかしながら、これらの方法における不利な点は、生成物に残留する比較的弱い酸の塩の触媒活性であり、これは多くのポリウレタン用途には望まれない。JP−A10−30023およびUS4110268において、中和はしたがって可溶性の塩を同様に形成する芳香族スルホン酸または有機スルホン酸を使用して達成され、ポリオキシアルキレンポリオール中に透明な溶液がもたらされるが、それらはより低い塩基性であり、かつより低い触媒活性を特徴とする。ここで極めて不利な点はスルホン酸の高いコストである。DE−A 10024313に記載されているような酸性陽イオン交換による後処理は、溶媒の使用およびその蒸留による除去を要するので同様に高いコストに関係する。同様に時々使用される相分離方法は単に加水分解工程を必要とし、中和工程は必要とせず、例えば、WO0114456、JP−A6−157743、WO9620972およびUS3823145に記載されている。コアレッサーまたは遠心分地機の使用は、アルカリ性水相からのポリオキシアルキレンポリオールの相分離を助け、ここでも、ポリアルキレンポリオール相と水相との間の密度の差を増加させるために溶媒を加えることが必要なことが多い。この種の方法はすべてのポリオキシアルキレンポリオールに適しているわけではなく、特に、それらは短鎖ポリオキシアルキレンポリオールの場合にはうまくいかない(unsuccessful)。
【0004】
製造するポリオキシアルキレンポリオールが例外的な構造特性(例えばオキシエチレン単位の十分に高い含有量)を有している場合、またはアミノ基を含有しているスターター化合物が使用された場合は、ポリオキシアルキレンポリオール中の硫酸の塩基性触媒に対する比の選択を通じて、生成物中に残留することができて後の反応を邪魔しない可溶性の硫酸塩が製造され、中性からやや弱酸性の特徴に起因してポリウレタン材料を得ることが可能となる。この種の方法はEP 2028211A1およびWO2009/152954の特許明細書に記載されている。
【0005】
例えばIonescuらにより「Advances in Urethane Science & Technology」、1998、14、p.151-218に記載されているように、H−官能性スターター化合物上にアルキレンオキシドを付加するための触媒としてアミンを使用することもできる。アミン性触媒作用では比較的低い当量モル質量を有するポリオキシアルキレンポリオールを得ることしか可能ではない。アミン性触媒の残留物もポリオキシアルキレンポリオール中に同様に可溶性であり、生成物中に残留することができる。しかしながらこれらにも当てはまることは、それらの塩基性の性質のために、恐らくは望ましくない方法で、下流の反応工程で反応の過程に影響を及ぼす場合があることである。
【0006】
活性水素原子を含有している材料の当量モル質量は、活性水素原子の数で割った活性水素原子を含有している材料の総重量を意味すると理解される。水酸基を含有している材料(例えばポリオキシアルキレンポリオール)の場合には、それらは、以下のようにOH価(ヒドロキシル価)に関係している:
当量モル質量=(56100[mg/mol])/(OH価[mg KOH/g])(I)。
【0007】
したがってポリオキシアルキレンポリオールの当量モル質量は式(I)により確認され、ここでポリオキシアルキレンポリオールのヒドロキシル価はDIN 53240によって確認することができるか、またはNIRによって分光器で決定することができる。
【0008】
これまでに言及した触媒の部類と比較して、例えば、USA5470813、EP−A700949、EP−A743093、EP−A761708、WO−A97/40086、WO−A98/16310およびWO−A00/47649に記載のように最近生成されたDMC触媒は、例外的に高い活性を有し、非常に低い触媒濃度(25ppm以下)で高い当量モル質量を有するポリオキシアルキレンポリオールの製造を可能にするので、最終製品からの触媒の除去が必要とされず、またさらなる反応工程における、DMC触媒に由来する残留物の、このように製造されたポリオールの性質への予想される影響もなくポリウレタンがもたらされる。代表例は、EP−A700949に記載された、非常に活性なDMC触媒であり、二重金属シアン化物化合物(例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛(III))および有機錯体配位子(例えばtert−ブタノール)だけでなく、500g/molを超える数平均分子量を有するポリエーテルを含有している。
【0009】
DMC触媒の特徴は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ソルビトールまたはスクロースなどの大量のスターターによって引き起こされる高濃度の水酸基および反応混合物中の極性不純物へのそれらの著しい感度である。例えばその場合のDMC触媒は反応開始相の間に重合活性型に変換することはできず、または既に進行しているアルキレンオキシドの付加反応は、水酸基濃度の存在の結果停止することができる。これは、例えば使用、硬質フォームの製造で使用が見出される200mg KOH/gのOH価を有する短鎖ポリオキシアルキレンポリマーの製造のためのDMC触媒の有用性を自然に制限する。したがってDMC触媒作用を同様に短鎖ポリオキシアルキレンポリオールの製造にも利用可能にする明確な利点を作る試みが欠かされることはなかった。
【0010】
WO2011/075333A1には、高い反応温度で、かつDMC触媒作用の下で行なわれる、最大660mg KOH/gのOH価を有するポリオキシアルキレンポリオールの完全に連続的な製造方法が記載されている。そのような連続法の不利な点は、製品の変更があった場合に柔軟性が不足されることであり;さらに、固体のスターター(例えばソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、または砂糖)の連続的な安定した計量添加は困難であることが見出される。そのようなスターターの計量添加は高いコストで加熱された計量域(metering zones)でか、または溶液中で達成しなければならない。WO2012/134849の主題は、短鎖ポリオキシアルキレンポリオールのバッチ式製造方法である。「超酸」による触媒作用を受けるアルキレンオキシドの添加工程で第一に得られるのは、前駆体の中和後にDMC触媒作用の下で後続の第二反応工程で最終生成物に変換される前駆体、140〜625mg KOH/gの間のOH価を有する短鎖ポリオキシアルキレンポリオールである。この方法の不利な点は、望まれない副産物(例えばジオキソランおよびジオキサン)の形成を促進する、第一工程における超酸の使用にある。したがって、この種の触媒は、通常商業生産の方法では使用されず、多くの場面では最初に導入されなければならないであろう。バッチ式に行なわれる方法は、WO2012/091968に同様に記載されている。DMC触媒の活性状態への変換は、マグネシウム化合物または周期表の3〜15のグループの金属の化合物またはランタニドの化合物を付加することによって促進され、その活性は増加する。当然ここでの不利な点は追加の成分の使用であり;さらに、原則として、それ以上には記載されていない方法によって実際のスターター化合物から別々に予め作製されたアルキレンオキシド付加生成物のみがDMC触媒による工程での出発化合物として好適であるように見える。DMC触媒によるバッチ式方法における水酸基の濃度を低下させるための有効な手段は、アルキレンオキシドの計量添加と並行した、低分子量のH−官能性スターター化合物の計量添加である。この「スターターの連続的な計量添加方法」はWO−A97/29146に開示されている。低い当量モル質量を有するポリオキシアルキレンポリオールを製造することを目的にした、低分子量スターター化合物とアルキレンオキシドの並行した計量添加の方法のさらなる発展は、EP1577334の教示によって提示されている。高い水酸基濃度へのDMC触媒の感度は、少量の無機または有機ブレンステッド酸を計量添加された低分子量スターター化合物へ添加することによって低下する。この方法でも、アルキレンオキシドの付加によって予め作製されたスターターポリオールを最初に充填する必要性が不利であると見出され;固体のスターター(例えばソルビトール、トリメチロールプロパン、または砂糖)の連続的な安定した計量添加は、同様に問題であることが見出されている。USA2010/0324340では、スターターの連続的な計量添加の方法では、低い当量モル質量を有するポリオキシアルキレンポリオールの製造においてスターター流で水分含有量が高すぎることは障害となることが見出された。従ってこの出願は、高価かつ不便な様式で最小の水分含有量に調節された低分子量のH−官能性スターター化合物が使用されている方法を開示している。
【発明の概要】
【0011】
したがって、先行技術の方法の不利な点がない、低い当量モル質量を有するポリオキシアルキレンポリオールを製造する効率的な方法を提供することが本発明の目的であった。より詳しくは、さらに必要に応じて、エチレンオキシドを使用することなく実行可能であり、かつ当然に触媒残渣を除去するための任意の工程を必要としない、バッチ式で実行可能な柔軟な方法が目標であった。スターター媒体物としての予め作製されたアルキレンオキシド付加生成物の使用およびスターター化合物およびアルキレンオキシドの技術的に複雑な並行計量添加は回避されることになっていた。方法のDMC触媒による工程は、好ましくは≦150ppmの反応混合物全体に対して最小のDMC触媒濃度で、≦94Daの当量モル質量を有する中間化合物を、最大280Da、好ましくは最大225Da、より好ましくは最大187Daの当量モル質量を有するポリオールに変換させることができる。
【0012】
驚くべきことに、この目的は、以下の工程:
i)i−1)塩基性触媒を用いてH官能性スターター化合物を1種以上のアルキレンオキシドB1)と反応させ、
i−2)i−1)に起因する混合物をpKa<1を有するブレンステッド酸と反応させることにより、
600〜1060mg KOH/gの計算されたOH価(OHN
A1)を有するポリオキシアルキレンポリオールA1)、および無機ブレンステッド酸の中性または酸性の塩を含んでなる成分A)を提供する工程、
ii)続けてDMC触媒の存在下で成分A)を1種以上のアルキレンオキシドB2)と反応させる工程であって、
ii−1)工程i)にから生じる成分A)をDMC触媒と混合し、145℃以下の温度T
Sでストリッピングし、かつ
ii−2)ii−1)から生じる混合物を1種以上のアルキレンオキシドB2)と反応させてポリオキシアルキレンポリオール1)を得て、ここで1時間あたりに計量添加される、計量添加されるアルキレンオキシドの合計質量のパーセンテージとして定義される、反応温度T
Rとアルキレンオキシド計量速度A
Rとの商が、
T
R/A
R<5.9[h*℃/%]であり、
かつ工程ii)の実施後に得られたポリオキシアルキレン1)のOH価が≧200mg KOH/gである、工程
とを含んでなる、少なくとも1種のH官能性スターター化合物を少なくとも1種のアルキレンオキシドと反応させることによる、ポリオキシアルキレンポリオール1)を製造するための2段階方法によって達成される。
【0013】
本発明は、本発明の方法によって得られるポリオキシアルキレンポリオール1)、ポリウレタンを製造するためのこれらポリオキシアルキレンポリオール1)の使用、および本発明のポリオキシアルキレンポリオール1)を含むポリウレタンをさらに提供する。
【0014】
WO2012/084762には、3mg KOH/g〜150mg KOH/gのOH価を有しているポリオキシアルキレンポリオールの製造方法であって、DMC触媒による工程で使用されたスターターが同様に酸性の硫酸塩を含有しているポリオキシアルキレンポリオールである、方法が請求されている。≧200mg KOH/gのOH価を有しているポリオールの製造における反応領域(reaction regime)の特定の要求、特に、条件T
R/A
R<5.9(h*℃/%)に適合した上での高濃度の水酸基の存在下におけるDMC触媒に対する熱応力の低減は、WO2012/084762では認識されていない。
【0015】
式(II)によって決定されたポリオキシアルキレンポリオールA1)の計算されたOH価(OHN
A1):
OHN
A1=((工程i−1)で使用されたH−官能性スターター化合物の質量))×(工程i−1)で使用されたH−官能性スターター化合物のOH価)))/(工程i−1)で使用されたH−官能性スターター化合物の質量)+工程i−1))で使用されたアルキレンオキシドB1の質量 (II)。
【0016】
OHN
A1は、600〜1060mg KOH/g、好ましくは700〜1060mg KOH/g、より好ましくは800〜1060mg KOH/gである。
【0017】
i−1)
工程i−1)では、使用される塩基性触媒は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属カルボキシレートおよび/またはアルカリ土類金属カルボキシレートであってもよい。アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Csからなる群から選択され、かつアルカリ土類金属はBe、Ca、Mg、Sr、Baからなる群から選択される。
【0018】
あるいは、有機塩基性触媒(例えばアミン)を使用することも可能である。これらには、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール、N−メチルジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4−ジメチルピペラジンまたはN−メチルモルホリンなどの脂肪族アミンまたはアルカノールアミンが含まれている。同様に効率的に使用可能なものは、イミダゾールおよびアルキル置換イミダゾール誘導体などの芳香族アミン、N,N−ジメチルアニリン、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン、および4−ビニルピリジンまたはビニルイミダゾールとジビニルベンゼンとの部分的に架橋されたコポリマーである。好適なアミンの包括的な概要は、M. Ionescuらにより、「Advances in Urethanes Science and Technology」、1998、14、151-218において提供されている。好ましいアミン性触媒は第三級脂肪族アミンまたはアルカノールアミン、ならびに言及されたイミダゾールおよびイミダゾールまたはピリジンの誘導体である。この種のアミン性触媒は、得られた成分A)の量に対して、200ppm〜10000ppmの濃度で使用することができ、好ましい濃度の範囲は200ppm〜5000ppmである。
【0019】
好ましい塩基性触媒は、アルカリ金属水酸化物であり、特に好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび/または水酸化セシウムであり、非常に特に好ましいのは水酸化カリウムである。そのようなアルカリ金属を含有している触媒は水溶液の形態でか、または固体形態でH−官能性スターター化合物に供給することができる。そのような無機塩基性触媒は得られた成分A)の量に対して、例えば、40ppm〜2000ppm、好ましくは40ppm〜1000ppm、より好ましくは40ppm〜500ppmの濃度で使用してもよい。1種以上のアルキレンオキシドの計量添加開始前に、減圧下および1〜500mbarの絶対圧で、20〜200℃の温度、好ましくは80〜220℃の温度にて、溶解した水および/または活性水素原子の触媒との反応において放出された水を除去してもよい。溶解した水および/または活性水素原子の触媒との反応において放出された水はH−官能性スターター化合物中に残すことができる場合もある。
【0020】
また使用される塩基性触媒は、「ポリマーアルコキシレート」と呼ばれる、等価で0.05〜50%のアルコキシレート含有量を有するH−官能性スターター化合物の予め作製されたアルキレンオキシド付加生成物であってもよい。触媒のアルコキシレート含有量とは活性水素原子の割合が、触媒のアルキレンオキシド付加生成物の中に元々存在していたすべての活性水素原子の塩基(典型的にはアルカリ金属水酸化物)によるプロトン脱離によって除去されることを意味すると理解する。使用されるポリマーアルコキシレートの量は、成分A)の調製に所望される触媒濃度によって必然的に誘導される。
【0021】
H−官能性スターター化合物は、時として単に「活性水素」と呼ばれる、少なくとも1種のZerewitinoff活性水素原子を含有している化合物である。N、OまたはSに結合した水素は、Zerewitinoffによって発見された方法によって、ヨウ化メチルマグネシウムでの反応によりメタンをもたらす場合、Zerewitinoff活性水素と呼ばれる。Zerewitinoff活性水素を有する化合物の代表例は、官能基としてカルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、イミノまたはチオール基を含有している化合物である。好適なH−官能性スターター化合物は、通常1〜35、好ましくは1〜8の官能基数を有している。それらのモル質量は17g/mol〜1200g/molである。好ましく使用するヒドロキシ官能性スターターと同様に、アミノ官能性スターターを使用することも可能である。ヒドロキシ官能性スターター化合物の例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールの異性体、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ならびにホルムアルデヒドおよびフェノールまたは尿素のメチロール含有縮合物である。また水素化したデンプン分解能生成物に基づく高官能性のスターター化合物を使用することも可能である。これらは、例えばEP−A 1525244に記載されている。アミノ基を含有している好適なH−官能性スターター化合物の例は、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、トルイジンの異性体、ジアミノトルエンの異性体、ジアミノジフェニルメタンの異性体、およびジアミノジフェニルメタンを得るためのアニリンのホルムアルデヒドとの縮合で得たより多環の生成物、ならびにメチロール基およびMannich塩基を含有しているホルムアルデヒドとメラミンの縮合物。また使用される出発化合物は、2つの成分が合わさった後にin situで非常に速やかに形成される環式カルボン酸無水物(cycling carboxylic anhydride)およびポリオールの開環生成物であってもよい。例は、一方では無水フタル酸、無水コハク酸および無水マレイン酸の開環生成物であり、他方ではエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはソルビトールである。さらに、スターター化合物として単官能性または多官能性のカルボン酸を直接使用することも可能である。
【0022】
さらに、言及された出発化合物の予め作製したアルキレンオキシド付加生成物を方法に添加することも可能である(即ち、好ましくは>600〜1100mg KOH/g、好ましくは700〜1000mg KOH/gのOH価を有するポリオキシアルキレンポリオール)。本発明の方法では、ポリエーテルエステルを製造する目的で(共)スターター((co-)starters)として、>600〜例えば800mg KOH/gの範囲のOH価を有しているポリエステルポリオールを使用することも可能である。この目的に好適なポリエステルポリオールは、例えば既知の方法によって、有機ジカルボン酸および多価アルコール(好ましくはジオール)から調製してもよい。
【0023】
さらに、(共)スターターとして使用されるH−官能性スターター物質は好ましくはポリカーボネートポリオール、ポリエステルカーボネートポリオールまたはポリエーテルカーボネートポリオール、好ましくはポリカーボネートジオール、ポリエステルカーボネートジオールまたはポリエーテルカーボネートジオールであり、それぞれ好ましくは600〜800mg KOH/gの範囲のOH価を有している。これらは、例えば二官能性またはそれ以上の官能性のアルコールまたはポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールとの、ホスゲン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルまたは炭酸ジフェニルの反応によって調製されている。
【0024】
OHN
A1は式(II)によって、チオール基を含有しているスターター化合物の場合の−SH基の数、イミノ基を含有しているスターター化合物の場合の=NH基の数、カルボキシル基を含入しているスターター化合物の場合の−COOH基の数、アミン基を含有しているスターター化合物の場合のアミン窒素原子に結合した水素原子の数を使用して計算される。
【0025】
本発明の方法では、好ましくは、アミノ基を含まず水酸基を有しているH−官能性スターター化合物が、活性水素、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールの異性体、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ホルムアルデヒドとフェノールのメチロール含有縮合物および水素化したデンプン分解能生成物のための担体としての役割を果たす。また様々なH−官能性スターター化合物の混合物を使用することも可能である。
【0026】
好ましくは、工程i−1)では、比[(塩基性触媒のモルの量[mol])/(スターター化合物中の活性水素原子のモルの量[mol])]は少なくとも1/8000である。
【0027】
塩基性触媒と一緒に反応装置に最初に充填されるH−官能性スターター化合物は、80〜180℃、好ましくは100〜170℃の温度にて不活性ガス雰因気下で工程i−1)において1種以上のアルキレンオキシドと反応させ、ここでアルキレンオキシドは、使用する反応装置システムの安全関連の圧力制限が超過されないように標準方法で反応装置に連続的に供給される。特に、エチレンオキシド含有アルキレンオキシド混合物または純粋エチレンオキシドの計量添加の場合には、部分的不活性ガス圧力が十分に立ち上がりと計量の段階の間に反応装置内で維持されることは確保されるべきである。これは、例えば貴ガスまたは窒素によって達成することができる。反応温度は、アルキレンオキシドの計量段階中に当然に記載された範囲内で変更することができ、第一に感度の高いH−官能性スターター化合物(例えばスクロース)を低い反応温度でアルコキシル化し、スターターの変換が十分な場合にのみより高い反応温度に移ることが有利である。アルキレンオキシドは異なる方法で反応装置に供給され得る:一つの選択肢は、よく混合しながら、ゾーン内の反応装置基部に近い例えば浸漬した管または分配環を介して気相または液相へ直接計量添加することである。液相中へ計量添加の場合には、計量単位は例えば分配環の下端の測定口の導入によって自動的に空になる(self-emptying)ように設計するべきである。有利的には、装置による手段(例えば逆止め弁の据付)によって反応媒体のアルキレンオキシド誘導線および計量単位へ、またはアルキレンオキシド貯蓄容器への逆流を防止することが可能である。アルキレンオキシド混合物が計量添加されている場合、それぞれのアルキレンオキシドは、反応装置に別々にまたは混合物として供給することができる。例えば、共通の計量域中に存在する混合単位によってアルキレンオキシドを予め混合することを達成できる(「インラインブレンディング(inline blending)」)。またポンプ圧側のアルキレンオキシドを、個々にまたは予め混同した形態で、例えば熱交換器によって行われるポンプによる循環システムへと計量添加することも有用であることが見出された。その場合、反応媒体とよく混合するためには、アルキレンオキシド/反応媒体流へ高い剪断の混合装置を統合することが有利である。発熱重合(アルキレンオキシド付加反応)の温度は所望のレベルで維持されるか、または冷却によって所望のレベルに調節される。発熱反応のための重合反応装置のデザインに関係する先行技術(例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, vol. B4, pp. 167 ff., 5th ed., 1992)によれば、そのような冷却は、一般に反応装置壁(例えばジャケット、半コイル・パイプ)によって、かつ反応装置の内部および/またはポンプによる循環システムの外部(例えば、冷却コイル、冷却カートリッジ、またはプレート、シェルアンドチューブ、またはミキサー熱交換器)に配置された追加の熱交換面によって達成される。これらの熱交換面は、計量段階が開始された(即ち、充填レベルが低くおよび/または反応する反応含有物の粘度が恐らくは高い)上でも効果的な冷却が可能なように設計されるべきである。
【0028】
一般に、反応装置含有物の良好な混合は、設計および標準の撹拌装置の使用を通じてすべての反応段階で確保されるべきであり、ここで特に好適な装置は1つ以上のレベルに調節される撹拌機または充填の全高(full fill height)に対して作用する攪拌機である(例えば、Handbuch Apparate [Apparatus Handbook]; Vulkan-Verlag Essen, 1st ed. (1990), p. 188-208を参照のこと)。ここで特に技術的に関連しているのは、撹拌装置自体の領域にわたり導入される混合エネルギーであり、対応するより高い局所電源入力(local power inputs)で、一般的に、また比較的低い充填レベルの場合でも、0.2〜5W/Lの範囲である。最適な撹拌効果を達成するために、調節板(例えば、平面または管状流調節板)および冷却コイル(または、冷却キャンドル)の組み合わせは、一般的な先行技術による反応装置内に配置してもよく、これらは容器基部を横切って延長してもよい。臨界反応相中の特に高い混合エネルギー入力を確保するために、測定相中の充填レベルの関数として混合装置の撹拌出力を変更させてもよい。例えば、スクロースを使用した場合に、例えば、反応の最初に存在し得る、固体含有分散物を特に激しく混合させることが有利であり得る。さらに、特に固体のH−官能性スターター化合物を使用した場合に、撹拌装置の選択を通じて反応混合物中の固体の十分な分散が確保されることを確保するべきである。ここで好ましいのは、基部の間隔が狭い(close base clearance)を有する撹拌機ステージ、特に懸濁に好適な撹拌装置の使用である。さらに、撹拌機の形状は反応生成物の発泡を軽減させることに寄与するべきである。例えば、残留するアルキレンオキシドが1〜500mbarの範囲での絶対圧で、減圧下にてさらに除去される場合、計量および後反応相が終わってから、反応混合物の発泡を観察することができる。そのような場合については、液表面の連続混合を達成する撹拌装置が好適であることが見出された。必要に応じて、撹拌機シャフトには容器内に基部軸受および場合により追加の補助軸受がある。撹拌機シャフトは、頂部からまたは底部から搭載してもよい(そしてシャフトの配置は中央または偏心的である)
。
【0029】
あるいは、必要な混合を、もっぱら熱交換器の運転でのポンプによる循環システムを介して達成することが可能であり、またはこのポンプによる循環システムを撹拌装置に加えて追加の混合部品として運転させることが可能であり、この場合には必要に応じて反応装置含有物をポンプで循環させる(典型的には1時間あたりに1〜50回)。ポンプでの循環による(例えば外部熱交換器による)か、あるいは反応装置への循環の場合にはノズルまたは射出機により導入される特定の混合出力は、同様に平均して0.2〜5W/Lとなり、これは反応段階の終わりの、反応装置およびポンプによる循環システムの中に存在する液体容積に基づくものである。
【0030】
種々様々の異なる反応装置の種類が本発明の方法の実行に好適である。好ましいのは、1:1〜10:1の高さ/直径比を有している筒状容器の使用である。例えば、有用な反応装置基部には半球状、皿状、平面状または円錐状の基部が含まれる。
【0031】
工程i−1)におけるアルキレンオキシドの計量添加が終わると、残留アルキレンオキシドが使い果たされる追加の反応段階が続く。この追加の反応段階の終わりは、反応容器中のさらなる圧力降下が検出できない場合に達成される。反応段階後に、微量の反応しないエポキシドを場合により1〜500mbarの絶対圧で減圧下にて除去することができる。アルカリ性アルキレンオキシド付加生成物は水によって加水分解することができる。しかしながら、この加水分解工程は本発明の方法の実施にとって必須ではない。ここでの水の量は、通常、アルカリ性アルキレンオキシド付加生成物の量に対して最大15重量%である。
【0032】
本発明の方法に様々なアルキレンオキシドB1)を使用することが可能である。それらは、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシドおよび2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)からなる群から選択される1種以上の化合物である。
【0033】
本発明の方法において、工程i−1)では、使用したアルキレンオキシドB1)は、より好ましくはプロピレンオキシド、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物を使用した場合、これらは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物の全質量に対して、好ましくは最大50質量%のエチレンオキシド、より好ましくは最大30質量%のエチレンオキシドを有している。単独にプロピレンオキシドを使用することが非常に特に好ましい。アルキレンオキシドは反応装置に個々の成分としてか、または混合物として供給することができる。同様に反応装置に2種以上のアルキレンオキシドを連続して供給することが可能であり、これはこれによってブロック構造でポリオキシアルキレン鎖を実行することが可能であることを意味する。2種以上のアルキレンオキシドの計量添加では、連続的にまたは瞬間的に供給されたアルキレンオキシド流の組成を変更することが可能である。
【0034】
i−2)
本発明によれば、工程i−1)からの粗製の、加水分解されていてもよい成分A)中のアルカリ性重合活性部位は、pKaが<1、好ましくは<0、より好ましくは<−1であるブレンステッド酸の付加により工程i−2)で中和され、この結果、アルカリ性触媒の残留物での反応により、このブレンステッド酸の中性または酸性の塩の形成がもたらされる。そのようなブレンステッド酸の例は、HCLO
4、HI、HBr、HCl、H
2SO
4、H
2SeO
4、HClO
3、HNO
3、FSO
3H、CH
3SO
3H、CF
3SO
3H、CF
3COOH、HPF
6およびp−トルエンスルホン酸である。酸は、純物質の形態または希釈水溶液の形態で導入されてもよい。好ましいのはブレンステッド酸の希釈水溶液を使用することである。酢酸塩は、塩基性触媒の完全な中和に必要とされる最小限の量より多い量で、多塩基酸(例えば硫酸またはセレン酸)を使用することにより得られる。硫酸でKOHまたはCa(OH)
2を中和した後に、例えば、KHSO
4およびCa(HSO
4)
2が得られ、また同様に恐らくK
2SO
4およびCaSO
4も得られる。言及された多塩基酸のうち、硫酸の使用が好ましい。使用される硫酸の量は、好ましくはアルカリ性触媒の中和における第一解離段階のみが、少なくとも66%のみで活性となる量である。水酸化カリウムを中和する場合には、例えば、少なくとも0.75molの硫酸が1モル当たりのKOHに使用されることを意味する。言及された一塩基酸のうち、過塩素酸の使用が好ましい。
【0035】
温度は、加水分解および中和において広い範囲内で変更させることができ;中和容器の材料の耐食性、またはポリオール構造から、ここで制限が生じるかもしれない。加水分解感受性(hydrolysis-sensitive)の基(例えばエステル基)が生成物中に存在する場合、例えば中和を室温で実施することができる。そのような場合、上流で個別の加水分解工程を省くことも推奨される。
【0036】
ブレンステッド酸の希釈水溶液での中和によって導入された任意の微量の水は、1〜500mbarの絶対圧で減圧下にて高温で除去され、これは場合により液相へ不活性ガスを導入することによって促進される。
【0037】
中和の間またはその後、必要に応じて、このように、例えば成分A)がその更なる変換前にすぐに保管される場合に、得られた成分A)に老朽化安定剤または酸化防止剤を添加することができる。例えば濾過などのさらなる後処理工程は昼用とされない。成分A)は53〜94Daの当量モル質量を有している。
【0038】
工程ii)
工程ii)では、DMC触媒は、工程i−1)およびi−2)によって得られた成分A)に加えられ、>200mg KOH/gの、好ましくは>250mg KOH/gの、より好ましくは>300mg KOH/gのOH価を有しているポリオキシアルキレンポリオール1)が得られるまで、1種以上のアルキレンオキシドB2)と反応させる。さらに、例えば、WO99/14258に記載されているように、DMC触媒を付加する前に少量(1〜500ppm)の他の有機または無機酸を成分A)に加えることも可能である。DMC触媒作用下での1種以上のアルキレンオキシドB1)との、工程ii)中の成分A)の反応は、原則として工程i−1)およびi−2)中の成分A)の調製と同一の反応装置中で達成することができる。ポリオキシアルキレンポリオール1)の量に基づいて計算されたDMC触媒の濃度は、20〜1000ppmの範囲、好ましくは30〜400ppm、より好ましくは30〜200ppmの範囲である。
【0039】
本発明の方法に適しているDMC触媒は、原則として先行技術から知られている(例えば、US−A 3404109、US−A 3829505、US−A 3941849およびUS−A 5158922を参照)。例えば、US−A 5470813、EP−A 700949、EP−A 743093、EP−A 761708、WO97/40086、WO98/16310およびWO00/47649に記載されたDMC触媒は、アルキレンオキシドの重合におい非常に高い活性を有し、非常に低い触媒濃度(100ppm以下)で最適条件下にてポリオキシアルキレンポリオールの調製を可能にする、そのため、最終製品からの触媒除去は通常もはや必要ではない。典型例は、EP−A700949に記載の、非常に活発なDMC触媒であり、二重金属シアン化物化合物(例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛(III))および有機錯体配位子(例えばtert−ブタノール)だけでなく、数平均分子量が>500g/molであるポリオキシアルキレン化合物も含まれる。さらに、EP出願番号10163170.3に開示されたアルカリ性DMC触媒を使用することも可能である。
【0040】
二重金属シアン化物化合物の調製に好適なシアン化物を含まない金属塩は好ましくは一般式(III)を有する。
M(X)n (III)
[式中、
Mは金属陽イオンZn
2+、Fe
2+、Ni
2+、Mn
2+、Co
2+、Sr
2+、Sn
2+、Pb
2+およびCu2+から選択され;
Mは好ましくはZn
2+、Fe
2+、Co
2+、またはNi
2+であり、
Xは、1種以上(即ち、異なる)の陰イオン、好ましくはハロゲン化物(即ち、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、ヒドロキシド、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレートおよびニトレートから選択される陰イオンであり、
X=スルフェート、カーボネートまたはオキサレートの場合、nは1であり、
X=ハロゲン化物、ヒドロキシド、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネートまたはニトレートである場合、nは2である]
あるいは好適なシアン化物を含まない金属塩は一般式(IV)を有している。
M
r(X)
3 (IV)
[式中、
Mは、金属陽イオンFe
3+、Al
3+およびCr
3+から選択され、
Xは、1種以上(即ち、異なる)の陰イオン、好ましくはハロゲン化物(即ち、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、ヒドロキシド、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレートおよびニトレートから選択される陰イオンであり、
X=スルフェート、カーボネートまたはオキサレートの場合、rは2であり、
X=ハロゲン化物、ヒドロキシド、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレートまたはニトレートである場合、rは1である]
あるいは好適なシアン化物を含まない金属塩は一般式(V)を有している。
M(X)
s (V)
[式中、
Mは、金属陽イオンMo
4+、V
4+およびW
4+から選択され、
Xは、1種以上(即ち、異なる)の陰イオン、好ましくはハロゲン化物(即ち、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、ヒドロキシド、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレートおよびニトレートから選択される陰イオンであり、
X =スルフェート、カーボネート、またはオキサレートの場合、sは2であり、
X=ハロゲン化物、ヒドロキシド、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレートまたはニトレートである場合、sは4である]
あるいは好適なシアン化物を含まない金属塩は一般式(VI)を有している。
M(X)
t (VI)
[式中、
Mは金属陽イオンMo
6+およびW
6+から選択され、
Xは、1種以上(即ち、異なる)の陰イオン、好ましくはハロゲン化物(即ち、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、ヒドロキシド、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレートおよびニトレートから選択される陰イオンであり、
X =スルフェート、カーボネート、またはオキサレートの場合、tは3であり、
X=ハロゲン化物、ヒドロキシド、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレートまたはニトレートである場合、tは6である]。
【0041】
好適なシアン化物を含まない金属塩の例は、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、アセチル酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)、塩化ニッケル(II)および硝酸ニッケル(II)である。また、異なる金属塩の混合物を使用することも可能である。
【0042】
二重金属シアン化物化合物の調製に好適な金属シアン化物塩は好ましくは一般式(VII)を有している。
(Y)
aM’(CN)
b(A)
c (VII)
[式中、
M’は、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Ir(III)、Ni(II)、Rh(III)、Ru(II)、V(IV)およびV(V)からなる群からの1種以上の金属陽イオンから選択され;好ましくはM’は、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(III)、Ir(III)およびNi(II)からなる群から選択される1種以上の金属陽イオンであり、
Yは、アルカリ金属(即ち、Li
+、Na
+、K
+、Rb
+、Cs
+)およびアルカリ土類金属(即ち、Be
2+、Ca
2+、Mg
2+、Sr
2+、Ba
2+)からなる群からの1種以上の金属陽イオンから選択され、
Aは、ハロゲン化物(即ち、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、ヒドロキシド、スルフェート、カーボネート、シアネート、チオシアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、カルボキシレート、オキサレートまたはニトレート
からなる群からの1種以上の陰イオンから選択され、かつ
a、bおよびcは整数であり、a、bおよびcの値は、金属シアン化物塩の電子中性を確保するように選択され;aは好ましくは、1、2、3または4;bは好ましくは4、5または6である;cは好ましくは0の値を有している。]
【0043】
好適な金属シアン化物塩の例は、ヘキサシアノコバルト酸(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄酸(II)カリウム、ヘキサシアノ鉄酸(III)カリウム、ヘキサシアノコバルト酸(III) カルシウムおよびヘキサシアノコバルト酸(III)リチウムである。
【0044】
本発明のDMC触媒中に存在する好ましい二重金属シアン化物化合物は一般式(VIII)の化合物である。
M
x[M’
x,(CN)
y]
z (VIII)
[式中、
Mは、式(III)〜(VI)で定義された通りであり、かつ
M’は、式(VII)で定義された通りであり、かつ
x、x’、yおよびzは整数であり、電子的に中性の二重金属シアン化物化合物がもたらされるように選択される]。
【0045】
好ましくは、
x=3、x’=1、y=6およびz=2、
M=Zn(II)、Fe(II)、Co(II)またはNi(II)および
M’=Co(III)、Fe(III)、Cr(III)またはIr(III)である。
【0046】
好適な二重金属シアン化物化合物の例は、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛(III)、亜鉛ヘキサシアノイリデート(III)(zinc hexacyanoiridate(III))、ヘキサシアノ鉄酸(III) 亜鉛およびヘキサシアノコバルト酸(III) コバルト(II)である。好適な二重金属シアン化物化合物のさらなる例は、例えばUS−A 5158922(第8欄、29〜66行目)で見出すことができる。ヘキサシアノコバルト酸亜鉛(III)の使用が特に好ましい。
【0047】
DMC触媒の調製で加えられる有機錯体配位子は、例えば、US−A 5158922(特に第6欄、9〜65行目を参照)、US−A 3404109、US−A 3829505、US−A 3941849、EP−A 700949、EP−A 761708、JP−A 4145123、US−A 5470813、EP−A 743 093およびWO−1 97/40086に開示されている。例えば、使用される有機錯体配位子は、酸素、窒素、リンまたはイオウなどのヘテロ原子を有する水溶性有機化合物であり、これらは、二重金属シアン化物化合物と複合体を形成することができる。好ましい有機錯体配位子は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、アミド、尿素、ニトリル、スルフィドおよびそれらの混合物である。特に好ましい有機錯体配位子は、脂肪族エーテル(ジメトキシエタンなど)、水溶性脂肪族アルコール(エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、2−メチル−3−ブテン−2−オールおよび2−メチル−3−ブチン−2−オールなど)、脂肪族または脂環式両方のエーテル基を含有している化合物、および脂肪族水酸基(例えばエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび3−メチル−3−オキセタンメタノール)である。最も好ましい有機錯体配位子は、ジメトキシエタン、tert−ブタノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルおよび3−メチル−3−オキセタンメタノールからなる群からの1種以上の化合物から選択される。
【0048】
場合により、本発明のDMC触媒の調製で、ポリオキシアルキレン化合物、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアルキレングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−コ−マレイン酸)、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、ポリ−N‐ビニルピロリドン、ポリ(N‐ビニルピロリドン−コ−アクリル酸、ポリビニルメチルケトン、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(アクリル酸−コ−スチレン)、オキサゾリンポリマー、ポリアルキレンイミン、マレイン酸、無水マレイン酸コポリマー、ヒドロキシエチルセルロースおよびポリアセタールの化合物クラス、あるいはグリシジルエーテル、グリコシド、多価アルコールのカルボン酸エステル、胆汁酸または塩、それらのエステルまたはアミド、シクロデキストリン、リン化合物、α,β−不飽和のカルボン酸エステル、イオン表面活性化合物またはイオン界面活性化合物からの1種以上の複合体成形成分が使用される。
【0049】
好ましくは本発明のDMC触媒の調製において、第一工程では、金属シアン化物塩に対して、化学量論的に超過(少なくとも50mol%)で使用された金属塩(例えば塩化亜鉛) の水溶液(即ち、少なくとも2.25:1.00の、シアン化物を含まない金属塩の、金属シアン化物塩に対する分子比)、および金属シアン化物塩(例えばヘキサシアノコバルト酸カリウム)の水溶液は、有機錯体配位子(例えばtert-ブタノール)の存在下で変換され、その結果、二重金属シアン化物化合物(例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛)、水、過剰なシアン化物を含まない金属塩および有機錯体配位子を含有している懸濁物が形成される。この有機錯体配位子は、シアン化物を含まない金属塩、および/または金属シアン化物塩の水溶液中に存在していてもよく、または二重金属シアン化物化合物を析出した後に得られる懸濁液に直接加えられる。シアン化物を含まない金属塩と金属シアン化物塩の水溶液および有機錯体配位子の水溶液を激しく撹拌することによって混合することが有利であることが見出された。場合により、第一工程で形成された懸濁液は、追加の複合体形成成分で続けて処理する。複合体形成成分は、水と有機錯体配位子の混合物中で使用することが好ましい。第一工程(即ち懸濁液の調製)を行なう好ましい方法はミキシングノズル、より好ましくはWO-A 01/39883に記載されているようなジェット分散機を使用して達成される。
【0050】
第二工程では、固体(即ち本発明の触媒の前駆体)は、遠心分離または濾過などの既知の技術によって懸濁液から分離される。
【0051】
触媒を調製するための好ましい変種では、単離された固体は、有機錯体配位子の水溶液で第三の処理工程において続けて洗浄される(例えば再懸濁によっておよび後続の濾過または遠心分離による再単離によって)。例えば塩化カリウムなどの水溶性の副産物は、このように本発明の触媒から除去することができる。好ましくは、洗浄水溶液中の有機錯体配位子の量は、溶液全体に対して40質量%〜80質量%の間である。
【0052】
場合により、第三の工程では、洗浄水溶液は、1種以上の追加の複合体形成成分と、好ましくは溶液全体に対して、0.5質量%〜5質量%の間の範囲で混合される。
【0053】
また単離された固体を一度以上洗浄することも有利である。この目的のために、例えば、第一洗浄手順を繰り返すことができる。しかしながら、追加の洗浄操作では非水溶液、例えば、有機錯体配位子と追加の複合体形成成分の混合物、を使用することが好ましい。
【0054】
単離され、かつ場合により洗浄された固体は、場合により粉末化後に、一般に20〜100℃の温度および、一般に0.1mbar〜大気圧(1013mbar)絶対圧で乾燥させる。
【0055】
濾過による懸濁液から本発明のDMC触媒を単離する好ましい方法として、WO−A 01/80994に、濾過ケーキ洗浄および乾燥が記載されている。
【0056】
DMC触媒反応工程ii)は、通常、塩基性触媒作用で達成された工程i-1)における成分A)の前駆体の調製と同一の化学工学法則によって実施することができる。DMC触媒反応工程ii)のいくつかの化学工学特色は、以下に紹介される。
【0057】
好ましい手順では、反応装置含有物は、好ましくは10〜60分の期間にわたって撹拌しながら、60〜145℃の温度T
S、より好ましくは90〜135℃の温度、最も好ましくは100〜130℃の温度で、不活性ガス(窒素または貴ガス、例えばアルゴン)で最初にストリッピングされる。この間に、揮発性成分は、5〜500mbarの絶対圧で減圧を同時に適用して、液相中へ不活性ガスを導入して除去される。続けて温度は、下流工程(例えば、活性化工程および/またはアルキレンオキシド付加工程)の反応温度に調節することができるが、ただしストリッピング温度とは同一でない。最終的な反応温度は、例えば放出された反応熱の利用と共に、アルキレンオキシド計量の初期段階においてのみ代替的に確立することができる。
【0058】
実際の重合(アルキレンオキシド付加)に先行する生産工程では、DMC触媒は、工程ii)中で使用される成分A)の量に対して、典型的には2質量%〜20質量%のアルキレンオキシドを加えることによって、別々に最初に活性化することができる。少なくとも1種のアルキレンオキシドの添加は、反応装置含有物をストリッピング温度または反応温度に加熱する前、間または後に行うことができ;その後にストリッピングが続くことが好ましい。一旦典型的には、工程ii)で使用される成分A)に基づき2質量%〜20質量%の少なくとも1種のアルキレンオキシドが加えられて、アルキレンオキシドの計量添加が停止された後に、DMC触媒の活性は反応装置圧力の促進された降下によって明示され、それは、アルキレンオキシド変換の開始を示す。その後、即ち、活性が完成した上で、所望されるポリオキシアルキレンポリオール(1)の調製に供給される少なくとも1種のアルキレンオキシドB2)の合計量の残りの部分が反応混合物に供給される。多くの場合では、触媒は非常に速く活性化されるので、アルキレンオキシドの計量添加の中断を省くことができ1種のアルキレンオキシドまたは2種以上のアルキレンオキシドB2)の連続的な計量添加を直接に開始することができる。
【0059】
工程ii)で選択される反応温度T
Rはアルキレンオキシド測定相中に変化させることができる。請求項1の文脈では、T
Rはアルキレンオキシドを測定する段階の間にわたる反応する液体に存在する温度の平均を意味すると理解される。反応温度を、例えば、アルキレンオキシド測定の最終段階およびさらなる反応段階において、アルキレンオキシド計量段階の終わりに向かって上昇させてアルキレンオキシド変換の促進を達成するために変化させることが有利であると見出されるかもしれない。典型的には、反応温度T
Rはアルキレンオキシド計量段階において一定のままである。工程ii)において、好ましくは、80〜200℃の範囲、より好ましくは100〜160℃の反応温度T
Rが選択される。「アルキレンオキシド計量段階(Alkylene oxide metering phase)」は、アルキレンオキシドが反応装置内へ計量添加される工程ii)の段階を意味すると理解される。したがって、前の段落で記載されているように、アルキレンオキシド計量段階は実際の主要な添加段階前の活性化工程を含んでいる。請求項1の文脈では、アルキレンオキシド計量速度A
Rは、工程ii)での1時間あたりに計量添加されるアルキレンオキシドの合計質量の平均パーセンテージを意味すると理解される。
【0060】
また、ポリオキシアルキレンポリマーA1)の計算されたOH価(OHN
A1)の、工程ii)における反応温度T
Rの比は、次の方程式(IX)を満たすことが好ましい。
OHN
A1/T
R<6.3[mg KOH/(g*℃)] (IX)
【0061】
工程ii)では、少なくとも1種のアルキレンオキシドB2は、DMC触媒反応工程において異なる方法で反応装置に同様に供給することができる:一つの選択肢は、よく混合しながら、例えば、ゾーンにおける反応装置基部付近の浸漬した管または分配環を介して、ガス相へ計量添加するかまたは液相への直接の計量添加することである。DMC触媒方法の場合には、液相中の計量添加が好ましい変種である。
【0062】
アルキレンオキシドの計量添加の終了または計量添加されるアルキレンオキシド混合物の組成の変化に後に、さらなる反応段階が続いてもよく、またはそこに、圧力をモニタリングすることにより未反応アルキレンオキシドの濃度の低下を定量化することができる、さらなる反応段階が介在していてもよい。場合により、最後のさらなる反応段階が終了した後に、減圧下、例えば1〜500mbarの絶対圧で、またはストリッピングにより、少量の未変換アルキレンオキシドの反応混合物を完全に排出することも可能である。ストリッピングは、減圧を同時に適用しながら、液相内へ不活性ガスおよび/または流を導入(例えば5〜500mbarの絶対圧で不活性ガスを通過させることによる)すると共に、揮発性成分、例えば(残留)アルキレンオキシドを除去する。減圧下での、またはストリッピングによる揮発性成分(例えば未変換のアルキレンオキシド)の除去は、通常20〜200℃、好ましくは50〜160℃の温度、および好ましくは撹拌しながら反応温度で達成される。このようなストリッピング操作は、不活性ガスまたは蒸気流が生成物流に反するように通過する、ストリッピングコラムと呼ばれるものの中で行なうことができる。この目的のためにはランダムパッキングまたは内部があるストリッピングコラムを使用することが好ましい。またこのようなストリッピング操作は、例えば、バッファー容器内のストリッピングされていない材料を回収して、そこからストリッピングコラムに連続的に供給することによって、連続的に行うことができる。さらなる反応段階において、および場合により減圧および/またはストリッピングによって揮発性成分を除去した後に一定圧を達成すると、生成物を反応装置から放出させることができる。
【0063】
本発明の方法によって調製されたポリオキシアルキレンポリオールに、老朽化安定剤(例えば酸化防止剤)を加えることも場合により可能である。
【0064】
好ましくは、DMC触媒は最終製品(1)に残るが、例えば、吸着剤での処理によって除去することもできる。DMC触媒を除去する方法は、US−A 4987271、DE−A 3132258、EP−A 406440、US−A 5391722、US−A 5099075、US−A 4721818、US−A 4877906およびEP−A 385619に記載されている。
【0065】
工程ii)でのDMC触媒作用下で変換された少なくとも1種のアルキレンオキシドB2)は2〜24個の炭素原子を有している。2〜24個の炭素原子を有しているアルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘプテンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ノネンオキシド、1−デセンオキシド、1−ウンデセンオキシド、1−ドデセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチレンオキシド、メチルスチレンオキシド、ピネンオキシド、モノ−、ジ−およびトリグリセリドとしてモノ−またはポリエポキシド化脂肪、エポキシド化脂肪酸、エポキシド化脂肪酸のC
1〜C
24エステル、エピクロロヒドリン、グリシドール、ならびにグリシドールの誘導体(例えばメチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル)ならびにエポキシ官能性アルキルオキシシラン、例えば3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシランおよび3−グリシジルオキシプロピルトリイソプロポキシシランからなる群から選択される1種以上の化合物である。
【0066】
本発明の方法による工程ii)でのDMC触媒作用下の、アルキレンオキシドと共重合可能な追加モノマーは、例えば脂肪族ラクトン、芳香族ラクトン、ラクチド、好ましくは炭酸塩基、脂肪族環式無水物、芳香族環式無水物および二酸化炭素の酸素原子間に少なくとも3つの場合により置換されたメチレン基を有する環式カーボネートである。
【0067】
脂肪族または芳香族ラクトンは環にエステル結合を含有している環式化合物である。好ましい化合物は、β−プロビオラクトン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチル−β−バレロラクトンなどの4員環ラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、5−メチルフラン−2(3H)−オン、5−メチリデンジヒドロフラン−2(3H)−オン、5−ヒドロキシフラン−2(5H)−オン、2−ベンゾフラン−1(3H)−オンおよび6−メチル−2−ベンゾフラン−1(3H)−オンなどの5員環ラクトン、δ−バレロラクトン、1,4−ジオキサン−2−オン、ジヒドロクマリン、1H−イソクロメン−1−オン、8H−ピラノ[3,4−b]ピリジン−8−オン、1,4−ジヒドロ−3H−イソクロメン−3−オン、7,8−ジヒドロ−5H−ピラノ[4,3−b]ピリジン−5−オン、4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−ピラノ[3,4−b]ピリジン−1−オン、6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−1−オン、7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−オン、3−エチル−1H−イソクロメン−1−オン、3−(ヒドロキシメチル)−1H−イソクロメン−1−オン、9−ヒドロキシ−1H,3H−ベンゾ[de]イソクロメン−1−オン、6,7−ジメトキシ−1,4−ジヒドロ−3H−イソクロメン−3−オンおよび3−フェニル−3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−1−オンなどの6員環ラクトン、ε−カプロラクトン、1、5−ジオキセパン−2−オン、5−メチルオキセパン−2−オン、オキセパン−2,7−ジオン、チエパン−2−オン、5−クロロオキセパン−2−オン、(4S)−4−(プロパン−2−イル)オキセパン−2−オン、7−ブチルオキセパン−2−オン、5−(4−アミノブチル)オキセパン−2−オン、5−フェニルオキセパン−2−オン、7−ヘキシルオキセパン−2−オン、(5S,7S)−5−メチル−7−(プロパン−2−イル)オキセパン−2−オン、4−メチル−7−(プロパン−2−イル)オキセパン−2−オンなどの7員環ラクトン、ならびに(7E)−オキサシクロヘプタデカ−7−エン−2−オンなどの環員数が高いラクトンである。
【0068】
ラクチドは環に2つ以上のエステル結合を含有している環式化合物である。好ましい化合物は、グリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、L−ラクチド(L−3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソラクチドおよび3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンである、3−ヘキシル−6−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、および3,6−ジ(ブト−3−エン−1−イル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(各場合の光学的に活性な形態も含む)である。特に好ましいのはL−ラクチドである。
【0069】
使用される環式カーボネートは、好ましくは、炭酸塩基の酸素原子間に少なくとも3つの場合により置換されたメチレン基を有する化合物である。好ましい化合物は、炭酸トリメチレン、炭酸ネオペンチルグリコール(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン)、炭酸2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、炭酸2,2−ジメチルブタン−1,3−ジオール、炭酸ブタン−1,3−ジオール、炭酸2−メチルプロパン−1,3−ジオール、炭酸ペンタン−2,4−ジオール、炭酸2−メチルブタン−1,3−ジオール、TMPモノアリルエーテルカーボネート、ペンタエリスリトールジアリルエーテルカーボネート、5−(2−ヒドロキシ−エチル)−1,3−ジオキサン−2−オン、5−[2−(ベンジルオキシ)エチル]−1,3−ジオキサン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキソラン−2−オン、5−エチル−5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジエチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−メチル−5−プロピル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−(フェニルアミノ)−1,3−ジオキサン−2−オンおよび5,5−ジプロピル−1,3−ジオキサン−2−オンである。特に好ましいのは炭酸トリメチレンおよび炭酸ネオペンチルグリコールである。
【0070】
本発明の方法の条件下では、炭酸塩基の酸素原子間に3つ未満の場合により置換されたメチレン基を有する環式カーボネートは、全くポリマー鎖に組み込まれていないか、もしくは少ない程度でのみ組み込まれている。
【0071】
環式無水物は環に無水物基を含有している環式化合物である。好ましい化合物はコハク酸無水物、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、ジフェン酸無水物(diphenic anhydride)、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ノルボネンジオン酸(norbornenedioic)無水物、およびそれらの塩素化生成物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、ジグリコール酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、コハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、テトデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、3−および4−ニトロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、テトラブロモフタル酸無水物、イタコン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、アリルノルボネンジオン酸(allylnorbornenedioic)無水物、3−メチルフラン−2,5−ジオン、3−メチルジヒドロフラン−2,5−ジオン、ジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオン、1,4−ジオキサン−2,6−ジオン、2H−ピラン−2,4,6(3H,5H)−トリオン、3−エチルジヒドロフラン−2,5−ジオン、3−メトキシジヒドロフラン−2,5−ジオン、3−(プロプ−2−エン−1−イル)ジヒドロフラン−2,5−ジオン、N−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)ホルムアミドおよび3[(2E)−ブト−2−エン−1−イル]ジヒドロフラン−2,5−ジオンである。特に好ましいのは無水コハク酸、無水マレイン酸および無水フタル酸である。
【0072】
それらの使用は、US−A 3538043、US−A 4500704、US−A 5032671、US−A 6646100、EP−A 222453およびWO−A 2008/013731に記載されている。
【0073】
本発明の方法によって、2つの反応工程のうちの1つでだけでなく、塩基触媒によるアルキレンオキシド付加工程(工程i−1)およびi−2))からDMC触媒アルキレンオキシド付加工程(工程ii))までの切り替えでも、アルキレンオキシド混合物の組成物を変更することが可能である。
【0074】
本発明の方法において工程ii)では、使用したアルキレンオキシドB2)は、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物が使用される場合、これらは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物の合計質量に対して、最大50質量%のエチレンオキシド、好ましくは最大30質量%のエチレンオキシドを有している。非常に特に好ましいのは排他的にプロピレンオキシドを使用することである。DMC触媒アルキレンオキシドの付加工程ii)で異なるアルキレンオキシドB2)を使用する場合、これらは混合物としてか、または逐次的に再び計量添加してもよい。後者の計量添加の態様において、DMC触媒作用下で成長し続けるポリオキシアルキレン鎖はブロック構造を採用している。末端ブロックとしてよく計量添加されるのは、純粋エチレンオキシドまたは高いエチレンオキシド含有量を有する、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物であり、その結果、調製されたポリオキシアルキレンポリオールは40%〜100%の一級OH基を有する。
【0075】
2つ以上のアルキレンオキシドの計量添加では、連続的にまたは瞬間的に供給されたアルキレンオキシド流の組成を変更することが可能である。
【0076】
本発明の方法のさらなる実施態様では、工程ii)で得られるポリオキシアルキレンポリオール1)のモル質量は、工程i)得られるポリオキシアルキレンA1)のモル質量より、少なくとも44g/mol、好ましくは少なくとも58g/mol、最も好ましくは少なくとも88g/mol多い。
【0077】
単独または場合により混合物でのポリオキシアルキレンポリオール1)は、追加のイソシアネート反応性成分と、場合により、発泡剤の存在下で、触媒の存在下で、場合により追加の添加剤(例えばセル安定剤)と一緒に、有機ポリイソシアネートと反応させることができ、その結果、固体または発泡したポリウレタン、例えば軟質ポリウレタンフォーム、特にスラブストック軟質ポリウレタンフォームおよび成型軟質ポリウレタンフォームとしての役割を果たすことができる。
【0078】
同様に本発明はポリウレタン、好ましくは固体または発泡したポリウレタン、特に軟質ポリウレタンフォーム、例えば本発明のポリオキシアルキレンポリオール1)を含む、スラブストック軟質ポリウレタンフォームおよび成型軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【実施例】
【0079】
概論:
圧力は、基本的には絶対圧として理解されるべきである。反対の記載がない限り、パーセンテージは重量パーセントとして理解されるべきである。
【0080】
方法:
OH価および粘度
OH価はDIN 53240の方法によって決定した。粘度は、DIN 53018の方法によって回転式粘度計(Physica MCR 51、製造会社: Anton Paar)によって決定した。
カリウム含有量の測定
カリウム含有量は光学発光分光分析(ICP−OES)によって決定した。
反応温度TRの測定
反応温度T
Rは、使用する反応装置の基部領域内に存在する熱電対によって決定した。反応温度T
Rは反応液の温度を意味すると了解される。
【0081】
使用原料
アルキレンオキシド付加のための触媒(DMC触媒):
WO−A 01/80994、例6に記載の、1000g/molの数平均分子量を有し、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛、tert−ブタノールおよびポリプロピレングリコールを含有している二重金属シアン化物触媒。
IRGANOX(商標)1076:
3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル(BASF SE)
【0082】
実施例1
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で382.8gのトリメチロールプロパン(TMP)と0.204gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約100mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は320mbarに増加した。150℃にて、2.7時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、267.3gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに2.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は739mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.315gの12.33%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0083】
0.063gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を100〜120mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで同様に130℃にて、ただし800rpmにて撹拌しながら、3.96時間にわたり、オートクレーブの上部空間に550.1gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。0.42時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.612gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は391mg KOH/gであり、粘度は、25℃で777mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0084】
実施例2
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で333.0gのグリセロールと0.230gの46.44%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約50mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は130mbarに増加した。150℃にて、6.83時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、675.4gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに7.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.566gの12.05%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0085】
0.078gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を約180mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで同様に130℃にて、ただし800rpmにて撹拌しながら、2.16時間にわたり、オートクレーブの上部空間に513.5gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。0.38時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.747gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は392mg KOH/gであり、粘度は、25℃で381mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0086】
実施例3
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で290.7gの70%水中ソルビトール溶液と87.7gのグリセロールと0.265gの46.72%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)、温度を115℃に上昇させ、圧力を約50mbarに低下させた。真空ポンプの稼働を継続させながら、約15分後に、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素の導入が開始されると圧力は約200mbarに増加した。3時間後、窒素の導入を停止し、短い真空段階後に混合物を反応温度(150℃)に加熱した。この過程で80mbarの圧力が達成された。150℃にて、6.03時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、602.8gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに7.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.863gの11.83%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0087】
0.123gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を約190mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで同様に130℃にて、ただし800rpmにて撹拌しながら、3時間にわたり、オートクレーブの上部空間に301.6gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。0.33時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.608gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は425mg KOH/gであり、粘度は、25℃で5155mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0088】
実施例4
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で382.7gのTMPと0.191gの46.44%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約100mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は180mbarに増加した。150℃にて、4.2時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、417.3gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに6.5時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.287gの12.14%硫酸水溶液を加えた。90℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0089】
0.066gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を100〜130mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで同様に130℃にて、ただし800rpmにて撹拌しながら、2.07時間にわたり、オートクレーブの上部空間に400.0gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.04barの圧力で開始された。0.33時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.603gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は391mg KOH/gであり、粘度は、25℃で756mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0090】
実施例5
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で382.7gのTMPと0.181gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約70mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は100mbarに増加した。150℃にて、1.02時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、189.1gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに3.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は840mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.206gの12.07%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0091】
0.064gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を190mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで混合物を140℃に加熱し、この温度にて、800rpmにて撹拌しながら、4.02時間にわたり、オートクレーブの上部空間に628.3gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。0.88時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での140℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.601gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は393mg KOH/gであり、粘度は、25℃で767mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0092】
実施例6
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で383.2gのTMPと0.194gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約60mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は110mbarに増加した。150℃にて、1.02時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、189.1gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに3.32時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は840mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.288gの12.07%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0093】
0.073gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を190mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで混合物を150℃に加熱し、この温度にて、800rpmにて撹拌しながら、0.9時間にわたり、オートクレーブの上部空間に628.3gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.08barの圧力で開始された。0.88時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での150℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.603gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は394mg KOH/gであり、粘度は、25℃で776mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0094】
実施例7
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で241.5gのエチレングリコールと、215.8gのスクロースと0.257gの46.72%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約130mbarに低下させた。120℃の反応温度へ加熱している間に圧力は370mbarに増加した。120℃にて、7.45時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、742.7gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに9時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて120℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.794gの11.83%硫酸水溶液を加えた。90℃で1時間撹拌した後に、混合物を3時間、110℃に加熱し、硫酸水溶液を介して導入された水を減圧下(60mbar)で除去した。その後、反応性含有物を室温に冷ますために放置し、中間体を排出した。
【0095】
このように調製された880.1gの中間体を窒素雰囲気下で2Lの実験室用オートクレーブに導入した。0.039gの85%リン酸水溶液および0.122gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を180mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。130℃の温度にて、800rpmにて撹拌しながら、3.08時間にわたり、オートクレーブの上部空間に320gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。3.15時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.638gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は431mg KOH/gであり、粘度は、25℃で403mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0096】
実施例8
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で382.9gのTMPと0.209gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約70mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は140mbarに増加した。150℃にて、1.0時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、132.3gのプロピレンオキシドと56.2gのエチレンオキシドの混合物をオートクレーブ内へ計量添加した。さらに2.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は840.5mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.432gの11.645%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0097】
0.184gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を190mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで混合物を140℃に加熱し、439.8gのプロピレンオキシドと188.2gのエチレンオキシドの混合物を800rpmにて撹拌しながら、3.97時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加した。アルキレンオキシドの計量添加は、0.06barの圧力で開始された。0.33時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での140℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.605gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は382mg KOH/gであり、粘度は、25℃で501mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0098】
実施例9
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で382.8gのTMPと0.212gの46.44%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約50mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は130mbarに増加した。150℃にて、1.95時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、208.7gのプロピレンオキシドと208.7gのエチレンオキシドの混合物をオートクレーブ内へ計量添加した。さらに2.3時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.456gの11.645%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0099】
0.184gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を150mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで混合物を140℃に加熱し、200.0gのプロピレンオキシドと199.4gのエチレンオキシドの混合物を800rpmにて撹拌しながら、3.98時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加した。アルキレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。0.33時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での140℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.603gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は384mg KOH/gであり、粘度は、25℃で399mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0100】
実施例10
10Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で1969.8gのグリセロールと1.322gの46.49%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(ゲート撹拌機、450rpm)圧力を約30mbarに低下させた。6.8時間にわたり、かつ450rpmの攪拌機速度で150℃に加熱している間に4030.7gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに6.5時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって30mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、5.435gの20.35%過塩素酸溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、混合物を3時間110℃に加熱し、過塩素酸溶液を介して導入された水を減圧(60mbar)で除去した。その後反応性含有物を室温に冷ますために放置し、中間体を排出した。
【0101】
このように調製された500.1gの中間体を窒素雰囲気下で10Lの実験室用オートクレーブに導入した。0.077gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を160mbarの圧力で減圧下にて、130rpmにて、130℃にてストリッピングした。130℃の温度にて、450rpmにて撹拌しながら、2.03時間にわたり、オートクレーブの上部空間に235.1gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。0.92時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、50mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.399gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は402mg KOH/gであり、粘度は、25℃で393mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0102】
実施例11
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で574.1gのTMPと0.271gの46.44%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約70mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は150mbarに増加した。150℃にて、5.1時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、626.0gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに7時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって50mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.121gの20.35%過塩素酸溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、混合物を3時間、110℃に加熱し、過塩素酸溶液を介して導入された水を減圧下(160mbar)で除去した。その後、反応性含有物を室温に冷ますために放置し、中間体を排出した。
【0103】
このように調製された500.0gの中間体を窒素雰囲気下で2Lの実験室用オートクレーブに導入した。0.079gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を160mbarの圧力で減圧下にて、200rpm(クロスビーム攪拌機)にて、130℃にてストリッピングした。130℃の温度にて、800rpmにて撹拌しながら、2.03時間にわたり、オートクレーブの上部空間に235.1gのプロピレンオキシドを計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.04barの圧力で開始された。0.67時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、50mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.380gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は395mg KOH/gであり、粘度は、25℃で745mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0104】
実施例12
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で239.4gのTMPと0.114gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約100mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は210mbarに増加した。150℃にて、1.02時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、118gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに4.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は840.5mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、0.753gの12.22%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0105】
0.063gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を130mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで混合物を150℃に加熱し、843gのプロピレンオキシドを800rpmにて撹拌しながら、2.02時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加した。プロピレンオキシドの計量添加は、0.08barの圧力で開始された。0.45時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での150℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.616gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は244mg KOH/gであり、粘度は、25℃で413mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0106】
実施例13
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で287.1gのTMPと0.135gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約70mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は140mbarに増加した。150℃にて、3.1時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、313.0gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに6.5時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって10mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、0.65gの12.220%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0107】
0.068gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を180mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。800rpmにて撹拌しながら、同様に130℃にて、600.1gのプロピレンオキシドを3.03時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加した。アルキレンオキシドの計量添加は、0.07barの圧力で開始された。0.97時間のさらなる反応時間の後に、0.5時間、1mbarの絶対圧での130℃にての液化が行われ、次に、80℃への冷却、0.604gのIRGANOX(商標)1076の添加が行われた。生成物のOH価は292mg KOH/gであり、粘度は、25℃で477mPasであった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0108】
比較例V1
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で383.0gのTMPと0.185gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)圧力を約110mbarに低下させた。150℃の反応温度へ加熱している間に圧力は150mbarに増加した。150℃にて、1.02時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、189.1gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに3.6時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって50mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は840mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.192gの12.33%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0109】
0.066gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を150mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで混合物を150℃に加熱し、628.3gのプロピレンオキシドを800rpmにて撹拌しながら、4.0時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加する試みがなされた。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。311.5gのプロピレンオキシドが計量添加された後(計量時間2.0時間)に反応は停止し、それは触媒が初期に活性化されるとそれらは不活性化されたためであり、これは3.4barの圧力上昇から明白であった。さらに5.5時間の反応時間後に、圧力は単に2.79barに降下した。大量の未反応のプロピレンオキシドを減圧下で除去しなければならなかった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0110】
比較例V2
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で706.5gのTMPと8.139gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、水酸化カリウム水溶液で導入された水および反応で形成された水を撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、200rpm)、3時間にわたり、70mbarの圧力で、減圧下にて115℃で除去した。その後、温度を150℃の反応温度へ上昇させ、圧力は180mbarに増加した。150℃にて、1.75時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、493.6gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに0.5時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって50mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は738mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、120gの水を加えた。その後、25.839gの12.33%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、3時間にわたり、115℃にて、1mbarの圧力で水を除去した。80℃で、0.613gのIRGANOX(商標)1076が加えられ、混合物を1時間撹拌した。続けて析出したカリウム塩を深度フィルター(T750、Seitzより)による濾過によって除去した。残留カリウム含有量は9ppmであった。
【0111】
このように調製された651.7gの中間体を窒素雰因気下で2Lの実験室用オートクレーブに導入した。0.060gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を220mbarの圧力で減圧下にて、200rpm(クロスビーム攪拌機)にて、130℃にてストリッピングした。550gのプロピレンオキシドを800rpmにて撹拌しながら、4.0時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加する試みがなされた。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。127.2gのプロピレンオキシドが計量添加された後に反応は停止し、その理由としてはDMC触媒を十分に活性化させることが可能でなかったためであり、これは3.48barへの急激な圧力上昇から明白であった。さらに1.5時間の反応時間以内に、実質的な圧力低下はなかった。大量の未反応のプロピレンオキシドを減圧下で除去しなければならなかった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0112】
比較例V3
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で383.7gのTMPと0.195gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)、圧力を約40mbarに下げた。150℃の反応温度へ加熱している間、圧力は60mbarに増加した。150℃にて、1.02時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、189.1gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに3.0時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって50mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は840mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、1.254gの12.33%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0113】
0.066gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を220mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、150℃にてストリッピングした。次いで628.3gのプロピレンオキシドを800rpmにて撹拌しながら、3.5時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加する試みがなされた。プロピレンオキシドの計量添加は、0.05barの圧力で開始された。256.2gのプロピレンオキシドが計量添加された後に反応は停止し、それはDMC触媒を活性化させることが可能でなかったためであり、これは5.3barの圧力上昇から明白であった。さらに4時間の反応時間後に、圧力は単に5.0barに降下した。大量の未反応のプロピレンオキシドを減圧下で除去しなければならなかった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0114】
比較例V4
2Lの実験室用オートクレーブは、窒素雰囲気下で287.2gのTMPと0.134gの44.81%の水中KOH溶液で充填された。オートクレーブを閉じ、撹拌しながら(クロスビーム撹拌機、800rpm)、圧力を約80mbarに下げた。150℃の反応温度へ加熱している間、圧力は160mbarに増加した。150℃にて、1.57時間にわたり、かつ800rpmの撹拌機速度で、313.1gのプロピレンオキシドをオートクレーブ内へ計量添加した。さらに5.8時間反応させた後に、反応装置の含有物を30分間にわたって80mbarの圧力で減圧下にて150℃で加熱した。このポリオキシアルキレンポリオールA1の計算されたOH価は600mg KOH/gであった。反応装置の含有物は、80℃に冷却し、0.434gの12.22%硫酸水溶液を加えた。80℃で1時間撹拌した後に、反応装置の含有物を室温に冷ますために放置した。
【0115】
0.065gのDMC触媒を加え、30分間、液体水位の下の分配環を介して1分当たりに50mLの窒素を導入しながら、オートクレーブの含有物を180mbarの圧力で減圧下にて、200rpmにて、130℃にてストリッピングした。次いで310.7gのプロピレンオキシドを800rpmにて撹拌しながら、3.0時間にわたり、オートクレーブの上部空間に計量添加する試みがなされた。プロピレンオキシドの計量添加は、0.07barの圧力で開始された。1.25時間にわたり250gのプロピレンオキシドが計量添加された後に反応は停止し、それはDMC触媒を活性化させることが可能でなかったためであり、これは5.5barの圧力上昇から明白であった。さらに2時間の反応時間後に、圧力は4.2barに降下したが、DMC触媒の活性化に典型的な圧力プロファイルを認識することは不可能であった。次に、0.28時間にわたって第二部の61gのプロピレンオキシドを計量添加した。続く3.5時間のさらなる反応時間で、圧力は3.5barに降下した。またしても触媒の活性化は観察されなかった。大量の未反応プロピレンオキシドを減圧下で除去しなければならなかった。さらなる関連データは表1で提供される。
【0116】
【表1】