特許第6931368号(P6931368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6931368電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931368
(24)【登録日】2021年8月17日
(45)【発行日】2021年9月1日
(54)【発明の名称】電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/67 20140101AFI20210823BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20210823BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20210823BHJP
   G06F 16/00 20190101ALI20210823BHJP
【FI】
   A63F13/67
   A63F13/5375
   A63F13/79
   G06F16/00
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-15495(P2019-15495)
(22)【出願日】2019年1月31日
(65)【公開番号】特開2020-54776(P2020-54776A)
(43)【公開日】2020年4月9日
【審査請求日】2019年7月1日
(31)【優先権主張番号】特願2018-186487(P2018-186487)
(32)【優先日】2018年10月1日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年2月7日にTechCon2018(https://www.slideshare.com/dena_tech/ss−87960853)において、株式会社 ディー・エヌ・エーが、田中一樹が発明した「電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法」について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年6月22日にGames & Apps Google Cloud Tech Leader Meat−upにおいて、株式会社 ディー・エヌ・エーが、田中一樹が発明した「電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法」について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年6月23日にShibuya Synapse #3(https://www.slideshare.net/juneokumura/shibuya−synapse−3)において、株式会社 ディー・エヌ・エーが、田中一樹が発明した「電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法」について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年8月24日にCEDEC 2018(https://www.slideshare.net/juneokumura/cedec 2018ai)において、株式会社 ディー・エヌ・エーが、田中一樹が発明した「電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法」について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年9月10日にBitValley 2018(https://speakerdeck.com/ikki407/bitvalley−dena−game−ai?slide=21)において、株式会社 ディー・エヌ・エーが、田中一樹が発明した「電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法」について公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 一樹
【審査官】 奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−008985(JP,A)
【文献】 特開2015−126784(JP,A)
【文献】 特許第6240359(JP,B1)
【文献】 特開2016−209033(JP,A)
【文献】 株式会社バンダイ,AI(人工知能)×カードゲーム[AI CARDDASS<エーアイカードダス>]誕生!第一弾タイトル『ZENONZARD<ゼノンザード>』を2019年にサービス開始,PRTIMES [online],2018年09月26日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000035829.html,[2020年8月18日検索]
【文献】 [オセロニア]初心者向けデッキ編成講座,逆転オセロニア攻略Wiki [online],2018年01月29日,https://othellonia.boom-app.wiki/entry/2132,[2020年8月18日検索]
【文献】 アクセンチュアアナリティクス,アソシエーション分析:購買分析からレコメンデーション応用まで,アクセンチュアのプロフェッショナルが教える データ・アナリティクス実践講座,初版第1刷,日本,株式会社翔泳社,2016年05月30日,第146-150頁
【文献】 [CEDEC 2017]ゲームの品質管理はAIに任せる時代!?スクウェア・エニックスが活用法を語る,4gamer.net [online],2017年09月02日,https://www.4gamer.net/games/328/G032883/20170902004/,[2020年8月18日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00−13/98
G06F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ゲームで使用されるゲーム媒体を自動的に組み合わせてデッキとして提案するゲーム媒体自動組合せ装置であって、
電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち1つを軸となるメインゲーム媒体として決定するメインゲーム媒体決定手段と、
電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いた機械学習処理又は分析処理に基づいて前記メインゲーム媒体が選択された場合に前記メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択するゲーム媒体選択手段と、
を備え、
前記ゲーム媒体選択手段において選択されたゲーム媒体を組み合わせてデッキとして提案することを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記ゲーム媒体選択手段は、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いたアソシエーション分析にて(前記メインゲーム媒体と前記メインゲーム媒体以外の対象ゲーム媒体とを共に含むデッキの数)/(前記メインゲーム媒体を含むデッキの数)で表される前記対象ゲーム媒体に対する信頼度に基づいて、前記信頼度が高い順に前記メインゲーム媒体に組み合わせるゲーム媒体を選択することを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記ゲーム媒体選択手段は、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いたアソシエーション分析にて(前記メインゲーム媒体と前記対象ゲーム媒体が共にデッキに含まれる割合)で表される前記対象ゲーム媒体に対する支持度、及び、(前記信頼度)/(前記対象ゲーム媒体がデッキに含まれる割合)で表されるリフトをさらに参照して、
前記支持度が第1基準値以上であり、かつ前記信頼度が第2基準値以上であり、かつ前記リフトが第3基準値以上であるゲーム媒体から前記信頼度が高い順に前記メインゲーム媒体に組み合わせるゲーム媒体を選択することを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記メインゲーム媒体決定手段は、電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち指定された指定ゲーム媒体がリーダとされた出現頻度のランキングにおいて第1基準ランク以上である場合に前記指定ゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とし、前記第1基準ランクより低い場合に当該指定ゲーム媒体以外のゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とすることを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記メインゲーム媒体決定手段は、前記指定ゲーム媒体がリーダとされた出現頻度のランキングにおいて前記第1基準ランク以上である場合に前記指定ゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とし、前記第1基準ランクより低い場合に当該指定ゲーム媒体以外のゲーム媒体のうち当該ゲーム媒体がリーダとされた出現頻度のランキングにおいて前記第1基準ランク以上である場合に当該ゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とし、それ以外の場合、前記プレイヤが所有するゲーム媒体のうち最も出現頻度が高いゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とすることを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記ゲーム媒体選択手段において前記メインゲーム媒体に組み合わされるゲーム媒体が存在しない場合に前記メインゲーム媒体を変更するメインゲーム媒体変更手段を備えることを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記ゲーム媒体選択手段は、前記メインゲーム媒体に割り当てられた属性に基づいてゲーム媒体から選択を行うことを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記ゲーム媒体選択手段は、前記ゲーム媒体毎に予め割り当てられたコスト値に基づいて、提案するデッキに含まれる前記ゲーム媒体のコスト値の合計が予め設定された基準コスト値以下となるように選択を行うことを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のゲーム媒体自動組合せ装置であって、
前記ゲーム媒体選択手段は、提案するデッキに含まれる前記ゲーム媒体の組み合わせに応じて発動可能な電子ゲーム上の効果に基づいて前記ゲーム媒体の選択を行うことを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置。
【請求項10】
電子ゲームで使用されるゲーム媒体を自動的に組み合わせてデッキとして提案するゲーム媒体自動組合せプログラムであって、
コンピュータを、
電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち1つを軸となるメインゲーム媒体として決定するメインゲーム媒体決定手段と、
電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いた機械学習処理又は分析処理に基づいて前記メインゲーム媒体が選択された場合に前記メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択するゲーム媒体選択手段と、
として機能させ、
前記ゲーム媒体選択手段において選択されたゲーム媒体を組み合わせてデッキとして提案することを特徴とするゲーム媒体自動組合せプログラム。
【請求項11】
電子ゲームで使用されるゲーム媒体を自動的に組み合わせてデッキとして提案するゲーム媒体自動組合せ方法であって、
コンピュータを用いて、
電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち1つを軸となるメインゲーム媒体として決定するメインゲーム媒体決定工程と、
電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いた機械学習処理又は分析処理に基づいて前記メインゲーム媒体が選択された場合に前記メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択するゲーム媒体選択工程と、
を実行し、
前記ゲーム媒体選択工程において選択されたゲーム媒体を組み合わせてデッキとして提案することを特徴とするゲーム媒体自動組合せ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ゲームにおけるゲーム媒体自動組合せ装置、ゲーム媒体自動組合せプログラム及びゲーム媒体自動組合せ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な特徴を有するゲーム媒体(キャラクタ、カード、アイテム)等を組み合わせたデッキを用いてゲームをプレイする電子ゲームが知られている。このような電子ゲームにおいて、よく使用されるゲーム媒体の組み合わせを求めたいという要求がある。要素の組み合わせの関連性を求める方法として、非特許文献1に記載された技術が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】"Fast Algorithms for Mining Association Rules", http://www.vldb.org/conf/1994/P487.PDF
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲーム媒体を組み合わせてプレイされる電子ゲームにおいて適切なゲーム媒体の組み合わせを自動的に行うことが望まれている。例えば、電子ゲームのプレイヤに対して自動的に組み合わされたゲーム媒体を提案することによって、電子ゲームをより容易に楽しむことができるようにすることが望まれている。また、例えば、プレイヤとコンピュータとの対戦やコンピュータ同士の対戦を実現するためにコンピュータが使用するゲーム媒体の組み合わせを自動的に決定できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、電子ゲームで使用されるゲーム媒体を自動的に組み合わせてデッキとして提案するゲーム媒体自動組合せ装置であって、電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち1つを軸となるメインゲーム媒体として決定するメインゲーム媒体決定手段と、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いた機械学習処理又は分析処理に基づいて前記メインゲーム媒体が選択された場合に前記メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択するゲーム媒体選択手段と、を備え、前記ゲーム媒体選択手段において選択されたゲーム媒体を組み合わせてデッキとして提案することを特徴とするゲーム媒体自動組合せ装置である。
【0006】
また、本発明の別の態様は、電子ゲームで使用されるゲーム媒体を自動的に組み合わせてデッキとして提案するゲーム媒体自動組合せプログラムであって、コンピュータを、電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち1つを軸となるメインゲーム媒体として決定するメインゲーム媒体決定手段と、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いた機械学習処理又は分析処理に基づいて前記メインゲーム媒体が選択された場合に前記メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択するゲーム媒体選択手段と、として機能させ、前記ゲーム媒体選択手段において選択されたゲーム媒体を組み合わせてデッキとして提案することを特徴とするゲーム媒体自動組合せプログラムである。
【0007】
また、本発明の別の態様は、電子ゲームで使用されるゲーム媒体を自動的に組み合わせてデッキとして提案するゲーム媒体自動組合せ方法であって、電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち1つを軸となるメインゲーム媒体として決定するメインゲーム媒体決定工程と、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いた機械学習処理又は分析処理に基づいて前記メインゲーム媒体が選択された場合に前記メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択するゲーム媒体選択工程と、を備え、前記ゲーム媒体選択工程において選択されたゲーム媒体を組み合わせてデッキとして提案することを特徴とするゲーム媒体自動組合せ方法である。
【0008】
ここで、前記ゲーム媒体選択手段(工程)は、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いたアソシエーション分析にて(前記メインゲーム媒体がデッキに含まれるときに前記メインゲーム媒体以外の対象ゲーム媒体がデッキに含まれる割合)/(前記メインゲーム媒体がデッキに含まれる割合)で表される前記対象ゲーム媒体に対する信頼度に基づいて、前記信頼度が高い順に前記メインゲーム媒体に組み合わせるゲーム媒体を選択することが好適である。
【0009】
また、前記ゲーム媒体選択手段(工程)は、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いたアソシエーション分析にて(前記対象ゲーム媒体がデッキに含まれる割合)で表される前記対象ゲーム媒体に対する支持度、及び、(前記信頼度)/(前記対象ゲーム媒体がデッキに含まれる割合)で表されるリフトをさらに参照して、前記支持度が第1基準値以上であり、かつ前記信頼度が第2基準値以上であり、かつ前記リフトが第3基準値以上であるゲーム媒体から前記信頼度が高い順に前記メインゲーム媒体に組み合わせるゲーム媒体を選択することが好適である。
【0010】
また、前記メインゲーム媒体決定手段(工程)は、電子ゲームのプレイヤが所有するゲーム媒体のうち指定された指定ゲーム媒体がリーダとして使われ易いランキングにおいて第1基準ランク以上である場合に前記指定ゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とし、前記第1基準ランクより低い場合に当該指定ゲーム媒体以外のゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とすることが好適である。
【0011】
また、前記メインゲーム媒体決定手段(工程)は、前記指定ゲーム媒体がリーダとして使われ易いランキングにおいて前記第1基準ランク以上である場合に前記指定ゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とし、前記第1基準ランクより低い場合に当該指定ゲーム媒体以外のゲーム媒体のうち当該ゲーム媒体がリーダとして使われ易いランキングにおいて前記第2基準ランク以上である場合に当該ゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とし、それ以外の場合、前記プレイヤが所有するゲーム媒体のうち使用の人気が最も高いゲーム媒体を前記メインゲーム媒体とすることが好適である。
【0012】
また、前記ゲーム媒体選択手段(工程)において前記メインゲーム媒体に組み合わされるゲーム媒体が存在しない場合に前記メインゲーム媒体を変更するメインゲーム媒体変更手段を備えることが好適である。
【0013】
また、前記ゲーム媒体選択手段(工程)は、前記メインゲーム媒体に割り当てられた属性に基づいてゲーム媒体から選択を行うことが好適である。
【0014】
また、前記ゲーム媒体選択手段(工程)は、前記ゲーム媒体毎に予め割り当てられたコスト値に基づいて、提案するデッキに含まれる前記ゲーム媒体のコスト値の合計が予め設定された基準コスト値以下となるように選択を行うことが好適である。
【0015】
また、前記ゲーム媒体選択手段(工程)は、提案するデッキに含まれる前記ゲーム媒体の組み合わせに応じて発動可能な電子ゲーム上の効果に基づいて前記ゲーム媒体の選択を行うことが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子ゲームで使用されるゲーム媒体の適切な組み合わせを自動的に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態におけるゲーム媒体自動組合せ装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態における出現頻度データベースの登録例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態における関係性データベースの登録例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態におけるリーダ出現頻度データベースの登録例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態におけるゲーム媒体データベースの登録例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるゲーム媒体自動組合せ処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態におけるゲーム媒体選択処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<ゲーム媒体自動組合せ装置の構成>
本発明の実施の形態におけるゲーム媒体自動組合せ装置100は、図1に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14及び出力部16を含んで構成される。すなわち、ゲーム媒体自動組合せ装置100は、コンピュータの基本構成を備えており、一般的なPC等とすることができる。また、ゲーム媒体自動組合せ装置100は、その機能の一部をインターネット等の通信手段によって接続された外部サーバによって実現してもよい。
【0019】
処理部10は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部10は、記憶部12に記憶されているデータ提供プログラムを実行することによって、本実施の形態におけるゲーム媒体自動組合せ処理を実現する。記憶部12は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶手段を含む。記憶部12は、処理部10とアクセス可能に接続され、ゲーム媒体自動組合せプログラム、ゲーム媒体自動組合せ処理に供されるデータ等を記憶する。入力部14は、ゲーム媒体自動組合せ装置100に情報を入力する手段を含む。入力部14は、例えば、ユーザからの入力を受けるタッチパネルやキーボードを備える。また、入力部14は、ゲーム媒体自動組合せ装置100の外部から情報を受け取るネットワークインターフェース等を含み、ゲーム媒体自動組合せプログラム、ゲーム媒体自動組合せ処理に供されるデータを受信する。出力部16は、ゲーム媒体自動組合せ装置100で処理された情報を出力する手段を含む。出力部16は、例えば、ディスプレイを備える。また、ゲーム媒体自動組合せ装置100の外部へ情報を送信するネットワークインターフェース等を含み、外部サーバ等に情報を送信する。
【0020】
ゲーム媒体とは、電子ゲームで使用される情報であって、例えば、キャラクタ、アイテム、カード等が挙げられる。電子ゲームにおいて、ゲーム媒体には種類毎にその特徴を示す情報、すなわち電子ゲームの処理で用いられる属性、パラメータ(体力値、攻撃力、レアリティなど)、スキルの発動条件、スキル発動時の効果などが与えられる。電子ゲームをプレイする際には、複数種のゲーム媒体を組み合わせたデッキが用いられる。
【0021】
本実施の形態では、ゲーム媒体自動組合せ装置100によって、電子ゲームで使用されるゲーム媒体の組み合わせを自動的に決定する処理を行う。本実施の形態では、ゲーム媒体としてキャラクタを例として説明するが、他のゲーム媒体(アイテム、カード等)であっても同様に処理することができる。
【0022】
<ゲーム媒体自動組合せ処理に用いられ情報>
ゲーム媒体自動組合せ装置100に入力されるデータは、ゲーム媒体の出現頻度、ゲーム媒体同士の関係性(支持度、信頼度、リフト)、及びゲーム媒体のリーダとしての出現頻度の情報を含む。
【0023】
これらのデータは、電子ゲームにおいて過去に実際に使用されたデッキの情報から求めることができる。ゲーム媒体自動組合せ装置100は、過去の使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせの情報を取得し、統計的な処理を行うことによってゲーム媒体の出現頻度、ゲーム媒体同士の関係性(支持度、信頼度、リフト)、及びゲーム媒体のリーダとしての出現頻度を求める。
【0024】
ゲーム媒体の出現頻度は、電子ゲームにおいて各ゲーム媒体が使用される頻度を示すデータである。ゲーム媒体の出現頻度は、ゲーム媒体の種類毎の過去に使用されたゲーム媒体の総数に対する出現数で表される。
【0025】
図2は、ゲーム媒体の出現頻度を記録した出現頻度データベースの例を示す。出現頻度データベースには、ゲーム媒体に固有に割り当てられたゲーム媒体ID、ゲーム媒体名及び出現頻度が関連付けて登録される。出現頻度データベースは、例えば、記憶部12に記憶される。
【0026】
ゲーム媒体同士の関係性は、複数のゲーム媒体がデッキに含まれる際の関係性を示す情報である。本実施の形態では、ゲーム媒体同士の関係性を示すために過去に使用されたゲーム媒体の組み合わせであるデッキについてアソシエーション分析を適用する。アソシエーション分析によって、電子ゲームのデッキについてゲーム媒体同士の関係性を示す支持度、信頼度(確信度)及びリフトの情報を得ることができる。
【0027】
支持度(support)は、1つのデッキについてある種類のゲーム媒体が含まれているときに、他の種類のゲーム媒体が含まれる割合を示す。例えば、種類Aのゲーム媒体がデッキに含まれているときに、種類Bのゲーム媒体が同じデッキに含まれている割合である。この場合、条件部(A)に対して結論部(B)を共に含むというルールが出現する割合を示すことになる。条件部(A)及び結論部(B)に対する支持度は数式(1)で表される。
【数1】
【0028】
信頼度(Confidence)は、確信度とも呼ばれ、ある種類のゲーム媒体が出現する割合の中で当該種類のゲーム媒体と他の種類のゲーム媒体との組み合わせが出現する割合を示す。例えば、種類Aのゲーム媒体がデッキに含まれている割合の中で、種類Aのゲーム媒体と他の種類Bのゲーム媒体とを共に含むデッキが出現する割合である。条件部(A)及び結論部(B)に対する信頼度は数式(2)で表される。
【数2】
【0029】
リフト(Lift)は、数式(3)で表される。
【数3】
【0030】
図3は、ゲーム媒体同士の関係性を記録した関係性データベースの例を示す。関係性データベースには、条件部となるゲーム媒体に固有に割り当てられたゲーム媒体ID、ゲーム媒体名及びレアリティ、結論部となるゲーム媒体に固有に割り当てられたゲーム媒体ID、ゲーム媒体名及びレアリティ、条件部及び結論部の組み合わせに対する支持度、信頼度及びリフトが関連付けて登録される。関係性データベースは、例えば、記憶部12に記憶される。
【0031】
ゲーム媒体のリーダとしての出現頻度は、電子ゲームにおいて各ゲーム媒体がデッキのリーダとして使用される頻度を示すデータである。ゲーム媒体のリーダとしての出現頻度は、ゲーム媒体の種類毎の過去に使用されたゲーム媒体の総数に対してリーダとして使用された数で表される。
【0032】
図4は、ゲーム媒体のリーダとしての出現頻度を記録したリーダ出現頻度データベースの例を示す。リーダ出現頻度データベースには、ゲーム媒体に固有に割り当てられたゲーム媒体ID、ゲーム媒体名及びリーダとしての出現頻度が関連付けて登録される。リーダ出現頻度データベースは、例えば、記憶部12に記憶される。
【0033】
なお、アソシエーション分析を行う際、支持度が所定の閾値以下のゲーム媒体を計算の対象から除外し、除外されたゲーム媒体を除く残りのゲーム媒体の組み合わせについて支持度が所定の閾値以下のゲーム媒体の組み合わせを計算の対象から除外するようにしてもよい。例えば、アプリオリアルゴリズムを利用して、アソシエーション分析を行うようにしてもよい。
【0034】
また、ゲーム媒体毎に、電子ゲーム上の属性、コスト及びスキルに関する情報を割り当てて、これらの情報を利用してもよい。図5は、ゲーム媒体の属性などを記録したゲーム媒体データベースの例を示す。電子ゲーム上の属性に関する情報は、電子ゲームにおけるゲーム媒体の特徴を示す情報であり、例えば、「火」、「水」、「土」等の属性がゲーム媒体毎に割り当てられる。属性は、電子ゲームにおいてゲーム媒体を使用したときにゲーム上の効果を与える際に考慮される。例えば、「火」の属性を有するゲーム媒体を使用した場合には火に関する攻撃を相手(敵)に与えられる等、各属性に応じてゲーム上の効果に影響を与えるようにすることができる。電子ゲーム上のコストに関する情報は、電子ゲームにおいて各ゲーム媒体を使用するときに考慮されるパラメータである。例えば、1つのデッキに含まれる複数のゲーム媒体の総コストに上限を設ける等して、デッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに制限を与えるために用いられる。電子ゲーム上のスキルに関する情報は、ゲーム媒体を使用することによって得られるゲーム上の効果を示す情報である。例えば、複数の種類のゲーム媒体を同一のデッキに含めることによって初めて得られるゲーム上の効果があれば当該ゲーム媒体の組み合わせを示す情報とすることができる。また、例えば、同一のデッキに含めるとゲーム媒体が有するゲーム上の効果が現れなくなってしまうゲーム媒体同士の組み合わせがある場合、当該ゲーム媒体の組み合わせを示す情報を含んでもよい。
【0035】
<ゲーム媒体自動組合せ処理>
以下、図6のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるゲーム媒体自動組合せ処理について説明する。ここで、電子ゲームのプレイヤとなるユーザが既に所有している複数のゲーム媒体から組み合わせを決定する処理を行う。したがって、ユーザは、既に複数のゲーム媒体を所有しているものとし、当該ゲーム媒体はユーザに関連付けられて記憶部12に記憶されているものとする。
【0036】
ステップS10では、デッキを構成するゲーム媒体の組み合わせの初期条件が設定される。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100は初期設定手段として機能する。初期条件としては、デッキに含めるゲーム媒体の総数、デッキに含めることができるゲーム媒体の総コスト等の条件が設定される。
【0037】
ステップS12では、デッキにおいてリーダとなるゲーム媒体を設定する。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はリーダゲーム媒体決定手段として機能する。
【0038】
ゲーム媒体自動組合せ装置100は、ユーザからリーダとなるゲーム媒体の指定を受け付ける。ユーザは、入力部14を用いて、軸となるゲーム媒体を特定する情報(例えば、ゲーム媒体ID又はゲーム媒体名)を入力する。このとき、ユーザが所有しているゲーム媒体のリストを出力部16に表示させ、そのリストの中からゲーム媒体を選択させるようにしてもよい。ゲーム媒体自動組合せ装置100は、ユーザによって入力されたゲーム媒体をリーダゲーム媒体として決定する。
【0039】
なお、リーダゲーム媒体を設定する際に、リーダ出現頻度データベースに基づいてリーダゲーム媒体を決定する処理としてもよい。例えば、ユーザが入力したゲーム媒体がリーダ出現頻度データベースにおいて所定の第1基準ランク以上の出現頻度である場合に軸となるリーダゲーム媒体として決定する。例えば、ユーザが入力したゲーム媒体がリーダ出現頻度データベースにおいてトップから30位までの第1基準ランクに含まれている場合にリーダゲーム媒体として決定する。一方、当該第1基準ランクより低いランクである場合にはリーダゲーム媒体として決定しないようにする。この場合、ユーザに他のゲーム媒体を再度入力させるようにしてもよい。また、リーダ出現頻度データベースにおいて所定の第2基準ランク以上の出現頻度であり、ユーザが所有する他のゲーム媒体が存在する場合、当該ゲーム媒体をリーダゲーム媒体として自動的に決定するようにしてもよい。このとき、該当するゲーム媒体が複数存在する場合、リーダ出現頻度データベースにおいてよりランクが高いゲーム媒体をリーダゲーム媒体として決定してもよい。さらに、ユーザが所有するゲーム媒体において第2基準ランク以上の出現頻度を有するゲーム媒体が存在しない場合、ユーザが所有するゲーム媒体のうち使用の人気が最も高いゲーム媒体をリーダゲーム媒体としてもよい。すなわち、ユーザが所有するゲーム媒体のうち出現頻度データベースにおいて最も出現頻度が高いゲーム媒体をリーダゲーム媒体として自動的に決定するようにしてもよい。
【0040】
ステップS14では、ゲーム媒体の組み合わせの軸となるゲーム媒体をメインゲーム媒体として決定する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はメインゲーム媒体決定手段として機能する。ここでは、ステップS12においてリーダゲーム媒体としたゲーム媒体を軸となるメインゲーム媒体として決定する。
【0041】
ステップS16では、組み合わせるゲーム媒体の設定が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はゲーム媒体選択手段として機能する。当該ステップは、図7に示すフローチャートに沿って、ステップS30〜S36において処理される。
【0042】
ステップS30では、所定の選択ルールに従ってメインゲーム媒体に対して相性の良いゲーム媒体が組み合わせの候補となるゲーム媒体候補として選択される。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はゲーム媒体候補選択手段として機能する。
【0043】
本実施の形態では、電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータに基づいてメインゲーム媒体が選択された場合に当該メインゲーム媒体と組み合わせて使用されるゲーム媒体をデッキに含める候補として選択する。以下の処理では、ユーザが所有するゲーム媒体のうちメインゲーム媒体及び既にデッキに含めるゲーム媒体として選択されたゲーム媒体を除いたゲーム媒体から次のゲーム媒体候補を選択するものとする。
【0044】
具体的には、電子ゲームにおいて過去に使用されたデッキに対するアソシエーション分析に基づいてゲーム媒体候補を求める。上記のように電子ゲームで過去に使用されたデッキに含まれるゲーム媒体の組み合わせに関するデータを用いたアソシエーション分析にて求めた信頼度に基づいてゲーム媒体候補を決定することが好適である。関係性データベースを参照して、メインゲーム媒体を条件部とし、ユーザが所有するゲーム媒体のうちメインゲーム媒体以外のゲーム媒体を結論部とした場合の信頼度に基づいて、当該信頼度が高い順にメインゲーム媒体に組み合わせるゲーム媒体候補を選択することが好適である。
【0045】
このとき、支持度、信頼度及びリフトに基準値を設け、メインゲーム媒体に対してこれらの値のいずれか1つが基準値に対して所定の条件を満たすゲーム媒体からゲーム媒体候補を選択することがより好適である。例えば、関係性データベースを参照して、メインゲーム媒体を条件部とし、ユーザが所有するゲーム媒体のうちメインゲーム媒体以外のゲーム媒体を結論部とした場合の支持度に基づいて、当該支持度が第1基準値以上であるゲーム媒体からゲーム媒体候補を選択することが好適である。第1基準値は、例えば、0.01に設定するとよい。また、例えば、関係性データベースを参照して、メインゲーム媒体を条件部とし、ユーザが所有するゲーム媒体のうちメインゲーム媒体以外のゲーム媒体を結論部とした場合の信頼度に基づいて、当該信頼度が第2基準値以上であるゲーム媒体からゲーム媒体候補を選択することが好適である。第2基準値は、例えば、0.01に設定することが好適である。また、例えば、関係性データベースを参照して、メインゲーム媒体を条件部とし、ユーザが所有するゲーム媒体のうちメインゲーム媒体以外のゲーム媒体を結論部とした場合のリフトに基づいて、当該リフトの値が第3基準値以上であるゲーム媒体からゲーム媒体候補を選択することが好適である。第3基準値は、例えば、0.09に設定することが好適である。
【0046】
これらの支持度、信頼度及びリフトに対する条件は、それぞれ単独で適用してもよいし、2つ以上の条件を組み合わせて適用してもよい。例えば、メインゲーム媒体に対する支持度が第1基準値以上であり、信頼度が第2基準値以上であり、リフトの値が第3基準値以上であるゲーム媒体から信頼度が高い順にメインゲーム媒体に組み合わせるゲーム媒体候補を選択することが好適である。
【0047】
また、第1基準値、第2基準値及び第3基準値を変更できるようにしてもよい。これらの基準値を変更することによってメインゲーム媒体に対して組み合わされるゲーム媒体候補として選択されるゲーム媒体を変更することができるので、ゲーム媒体候補の選択についてバリエーションを与えることができる。
【0048】
具体的には、ユーザからの設定によって第1基準値、第2基準値及び第3基準値を変更できるようにしてもよい。例えば、ゲーム媒体同士の組み合わせについてユーザによってより支持されている組み合わせとするかバリエーションに富んだ組み合わせとするかの設定をユーザに設定させ、前者の場合には後者の場合に比べて支持度に対する第1基準値を高く設定するようにすればよい。このように、第1基準値、第2基準値及び第3基準値の設定によって、メインゲーム媒体に対して組み合わされるゲーム候補媒体が異なってくるので、ユーザの設定に応じてそれぞれの基準値を変更すればよい。
【0049】
また、電子ゲームの進行に応じて第1基準値、第2基準値及び第3基準値を変更できるようにしてもよい。例えば、電子ゲームが進行するにつれて支持度に対する第1基準値を高くするように設定するようにすればよい。これによって、進行につれて難しくなる電子ゲームにおいて、電子ゲームの進行につれてユーザにより支持されているゲーム媒体同士の組み合わせを提案できる。逆に、電子ゲームが進行するにつれて支持度に対する第1基準値を低くするように設定するようにすればよい。これによって、電子ゲームの進行につれてユーザにより支持されていないゲーム媒体同士の組み合わせを提案するようにして電子ゲームの困難性を高めるようにすることできる。このように、第1基準値、第2基準値及び第3基準値の設定によって、メインゲーム媒体に対して組み合わされるゲーム候補媒体が異なってくるので、電子ゲームの進行に応じてそれぞれの基準値を変更すればよい。
【0050】
具体的には、ユーザが所有するゲーム媒体の状態に応じて第1基準値、第2基準値及び第3基準値を変更できるようにしてもよい。例えば、ユーザが所有するゲーム媒体の数に応じて第1基準値、第2基準値及び第3基準値の設定を変更するようにすればよい。これによって、メインゲーム媒体の数に応じてメインゲーム媒体に対して組み合わされるゲーム候補媒体の選択肢の広がりを変更することができ、より適切な組み合わせがなされるようにすることができる。
【0051】
また、アソシエーション分析に代えて、機械学習を用いてゲーム媒体候補を選択するようにしてもよい。この場合、過去にデッキとして組み合わせて使用されたゲーム媒体の情報を入力として、どのような組み合わせの頻度がより高いかを機械学習させる。そして、その結果得られたモデルを用いてメインゲーム媒体に対してゲーム媒体候補を選択するようにしてもよい。
【0052】
ステップS32では、コストチェック処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はコストチェック手段として機能する。すなわち、メインゲーム媒体に組み合わせてデッキに含めるゲーム媒体のコスト値に関する条件が定められている場合に当該条件を満たすように処理が行われる。
【0053】
例えば、1つのデッキに含めることができるゲーム媒体の総コスト基準値が決まっている場合、ゲーム媒体データベースを参照して、すでに選択されているゲーム媒体のコストとステップS30において選択されたゲーム媒体候補のコストの合計値を算出し、当該合計値が総コスト基準値を上回っているか否かを判定する。もし、合計値が総コスト基準値を上回っている場合にはステップS30で選択されたゲーム媒体候補を候補から外す。この場合、ステップS30に処理を戻し、次のゲーム媒体候補を選択するようにしてもよい。合計値が総コスト基準値以下である場合、ステップS34に処理を移行させる。
【0054】
なお、コストチェック処理で行われる処理は、当該例に限定されるものではなく、ゲーム媒体のコストに関係するものであればよい。
【0055】
ステップS34では、属性チェック処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100は属性チェック手段として機能する。すなわち、メインゲーム媒体に組み合わせてデッキに含めるゲーム媒体の属性に関する条件が定められている場合に当該条件を満たすように処理が行われる。
【0056】
例えば、1つのデッキに含めることができるゲーム媒体の属性の組み合わせが限定されている場合、ゲーム媒体データベースを参照して、ステップS30において選択されたゲーム媒体候補の属性が既にメインゲーム媒体に組み合わされるゲーム媒体として選択されているゲーム媒体の属性に対して条件を満たしているか否かを判定する。例えば、「火」の属性が割り当てられているゲーム媒体に対して「水」の属性が割り当てられているゲーム媒体の組み合わせが禁止されている場合、既に選択済みのゲーム媒体とステップS30において新たに選択されたゲーム媒体候補の属性が当該組み合わせに該当しているか否かが判定される。そして、組み合わせの条件を満たしていない場合、ステップS30で選択されたゲーム媒体候補を候補から外す。この場合、ステップS30に処理を戻し、次のゲーム媒体候補を選択するようにしてもよい。組み合わせの条件を満たしている場合、ステップS36に処理を移行させる。
【0057】
なお、属性チェック処理で行われる処理は、当該例に限定されるものではなく、ゲーム媒体の属性に関係するものであればよい。
【0058】
ステップS36では、スキル発動チェック処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はスキル発動チェック手段として機能する。すなわち、メインゲーム媒体に組み合わせてデッキに含めるゲーム媒体のスキルの発動に関する条件が定められている場合に当該条件を満たすように処理が行われる。
【0059】
例えば、1つのデッキに含めることができるゲーム媒体の組み合わせによってゲーム媒体のスキルが発動できなくなる条件がある場合、ゲーム媒体データベースを参照して、ステップS30において選択されたゲーム媒体候補をデッキに含めることによって既にメインゲーム媒体に組み合わされるゲーム媒体として選択されているゲーム媒体のスキルが発動できなくなるか否かを判定する。そして、スキルが発動できなくなる組み合わせに該当する場合、ステップS30で選択されたゲーム媒体候補を候補から外す。この場合、ステップS30に処理を戻し、次のゲーム媒体候補を選択するようにしてもよい。スキルが発動できる組み合わせになっている場合、メインルーチンのステップS16に処理を移行させる。
【0060】
なお、スキル発動チェック処理で行われる処理は、当該例に限定されるものではなく、ゲーム媒体のスキルの発動に関係するものであればよい。
【0061】
また、ステップS32〜S36における処理は、必要に応じて適用すればよく、必須の構成ではない。また、ゲーム媒体候補を選択する際に、他の条件に関する処理を組み合わせてもよい。
【0062】
ステップS16では、ゲーム媒体候補を新たにデッキに加える処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はゲーム媒体追加手段として機能する。ステップS14で選択されたゲーム媒体候補がユーザが所持するゲーム媒体に含まれていれば、現在のメインゲーム媒体に組み合わされる新たなゲーム媒体としてデッキに追加する。
【0063】
ステップS18では、提案するデッキに含めるゲーム媒体数に到達したか否かが判定される。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はゲーム媒体数判定手段として機能する。ステップS16にて新たなゲーム媒体を加えられることによってデッキに含まれるゲーム媒体の数が所定の基準数に到達したか否かが判定される。ゲーム媒体の数が基準数未満である場合にはステップS22に処理を移行させ、基準数以上になった場合にはステップS26に処理を移行させる。
【0064】
ステップS22では、メインゲーム媒体を変更する必要があるか否かが判定される。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はメインゲーム媒体判定手段として機能する。ステップS16のゲーム媒体候補の選択処理において現在のメインゲーム媒体に組み合わされる次のゲーム媒体が存在しない状況である場合、メインゲーム媒体を変更する必要がある。メインゲーム媒体を変更する必要がある場合にはステップS24に処理を移行させ、メインゲーム媒体を変更する必要がない場合にはステップS16に処理を戻して次のゲーム媒体候補の選択処理を行う。
【0065】
ステップS24では、新たな軸となるメインゲーム媒体を設定する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はメインゲーム媒体変更手段として機能する。すなわち、ユーザが所持するゲーム媒体のうち既にデッキとして組み合わされているゲーム媒体から次のメインゲーム媒体を決定する。デッキにおいてリーダとなるゲーム媒体を設定する。
【0066】
例えば、リーダ出現頻度データベースを参照して、既にデッキとして組み合わされているゲーム媒体からリーダとしての出現頻度が最も高いゲーム媒体を新たなメインゲーム媒体として設定する。なお、新たなメインゲーム媒体の選択方法は、これに限定されるものではなく、他の条件に基づいて新たなメインゲーム媒体を選択するようにしてもよい。
【0067】
ステップS26では、ゲーム媒体の組み合わせであるデッキの候補をユーザ(プレイヤ)に提示する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、ゲーム媒体自動組合せ装置100はデッキ提案手段として機能する。出力部16を用いて、ステップS10〜S24の処理によって得られたゲーム媒体の組み合わせをデッキの候補としてユーザに提示する。このとき、当該デッキの候補を採用するか否かをユーザに選択させるようにしてもよい。
【0068】
なお、本実施の形態では、デッキの枠のすべてが埋まるようにゲーム媒体の組み合わせを決定する態様について説明したがこれに限定されるものではない。デッキの枠のうち所定数以上を埋めるようにゲーム媒体の組み合わせを決定するようにしてもよい。具体的には、ステップS18において、デッキの枠のうち所定数以上のゲーム媒体が選択されたか否かを判定すればよい。
【0069】
以上のように、本実施の形態におけるゲーム媒体自動組合せ装置100によれば、電子ゲームで使用されるゲーム媒体の適切な組み合わせを自動的に決定することができる。
【0070】
また、ユーザ端末からゲーム媒体の組み合わせ処理に関する情報(属性、コスト等)をサーバに送信し、サーバにてゲーム媒体を自動的に組み合わせる処理を行い、結果をユーザ端末に送信するようにしてもよい。また、ユーザ端末においてゲーム媒体の自動的な組み合わせのすべての処理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、100 データ分析装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7