(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のシステムであって、前記流体貯蔵部は、加圧ガスを含み、前記加圧ガスは、前記流体ラインおよび流体抵抗要素を通るように前記機能流体の流れを押すことを特徴とするシステム。
請求項1に記載のシステムであって、前記流体抵抗要素は、細長い流体経路を含み、前記第1の流体抵抗は、前記細長い流体経路によって生成されていることを特徴とするシステム。
請求項1に記載のシステムであって、前記流体抵抗要素は、細長い流体経路を有する細長い管を含み、前記第1の流体抵抗は、前記細長い流体経路によって生成されていることを特徴とするシステム。
請求項1に記載のシステムであって、前記流体貯蔵部の中のガスに圧力を印加し、それによって、加圧ガスを生成させるポンプ機構をさらに含むことを特徴とするシステム。
請求項1に記載のシステムであって、前記流体貯蔵部は、細長い流体経路を含み、前記細長い流体経路は、前記機能流体をその中に貯蔵するように構成されていることを特徴とするシステム。
請求項13に記載のシステムであって、前記流体抵抗要素は、細長い流体経路を含み、前記第1の流体抵抗は、前記細長い流体経路によって生成されていることを特徴とするシステム。
請求項13に記載のシステムであって、前記流体抵抗要素は、細長い流体経路を有する細長い管を含み、前記第1の流体抵抗は、前記細長い流体経路によって生成されていることを特徴とするシステム。
請求項13に記載のシステムであって、前記流体貯蔵部の中に圧力センサーをさらに含み、ポンプ機構は、前記圧力センサーからの所定の出力に応答して作動させられることを特徴とするシステム。
請求項21に記載のマイクロ流体システムであって、前記流体抵抗要素は、前記カートリッジに取り外し可能に取り付けられていることを特徴とするマイクロ流体システム。
請求項24に記載のマイクロ流体システムであって、前記流体抵抗要素の前記基板は、細長い流体経路を有する細長い管を含み、前記第1の流体抵抗は、前記細長い流体経路によって生成されていることを特徴とするマイクロ流体システム。
請求項27に記載のマイクロ流体システムであって、前記流体抵抗要素は、前記カートリッジに取り外し可能に取り付けられていることを特徴とするマイクロ流体システム。
請求項27に記載のマイクロ流体システムであって、前記流体抵抗要素の基板は、細長い流体経路を有する細長い管を含み、前記第1の流体抵抗は、前記細長い流体経路によって生成されていることを特徴とするマイクロ流体システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、さまざまな修正例および代替的な形態を受け入れる余地があるが、特定の実施形態は、図面の中で例として示されており、本明細書で詳細に説明されることとなる。しかし、本発明は、開示されている特定の形態に限定されることを意図していないということが理解されるべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されているような本発明の精神および範囲に入るすべての修正例、均等物、および代替例をカバーするべきである。
【0024】
この発明は、多くの異なる形態の実施形態を受け入れる余地があるが、本発明の好適な実施形態が、図面に示されており、また、本明細書で詳細に説明されることとなり、本開示は、本発明の原理の例証としてみなされるべきであり、本発明の広い態様を図示されている実施形態に限定するということを意図していないという理解を伴う。本詳細な説明の目的のために、単数形は、複数形を含み、また、その逆も同様である(具体的に否定されていなければ)、「および(and)」および「または(or)」という語句は、接続語および離接語の両方であるべきである。「すべて(all)」という語句は、「任意のおよびすべての(any and all)」を意味している。「任意の(any)」という語句は、「任意のおよびすべての(any and all)」を意味している。「含む(including)」という語句は、「含むがそれに限定されない(including without limitation)」を意味している。追加的に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という単数形の用語は、文脈が明示的に別段の指示をしていなければ、複数の指示対象を含む。
【0025】
本発明の態様は、1つ以上のマイクロ流体デバイスを通る滑らかで信頼性の高い流体流れを提供する、圧力駆動式のシステムに関する。この圧力駆動式のシステムは、コンパクトで超寿命の作動を提供することができる、直ぐに入手可能で電子的に制御可能な圧力調整器を利用することが可能である。そのうえ、ポンピング作用は、ガス圧力によって送られるので、その様式(modality)として、ポンピングシステムの大部分が、生物学的な液体に接触していない状態で、マイクロ流体デバイスから離れているままになっていることが可能であり、また、1つ以上のマイクロ流体デバイスを保持し得るカートリッジから離れたままになっていることが可能であるという設計を可能にする。これは、重要な利点である。その理由は、それが、カートリッジ設計を大きく簡単化し、器具に関する無菌状態または汚染の問題を低減させることができるからである。
【0026】
追加的にまたは代替的に、本発明の態様は、マイクロ流体システムの中に形成する泡によって引き起こされる損傷を防止し、阻止し、または制限し、マイクロ流体デバイスの中のコンポーネント(たとえば、細胞)の重大な損失、損傷、または劣化なしに、長期間の実験を提供する、システムおよび方法に関する。泡によって引き起こされる損傷は、定期的に増加させられる流量を使用して、マイクロ流体デバイスの自動化された流体フラッシングの使用を通して、防止され、阻止され、または制限される。驚くことには、自動化された定期的なフラッシングは、蓄積した泡をマイクロ流体システムから除去することに成功するだけでなく、それらがそうならないときに、泡が成長すること、蓄積すること、または合体することを防止または阻止することに成功する。
【0027】
定期的なフラッシングの別の利益は、泡が成長する範囲において、それらが、より小さいサイズの泡であり、それは、泡がマイクロ流体デバイスに損傷を与えるか、または、さらに下流に固定される機会を少なくするということである。これは、たとえば、細胞マイクロ流体の細胞培養デバイスおよび生体機能チップ(「OOC」)デバイスにおいて、特に有益である。その理由は、マイクロチャネルを通って流れる泡が小さいほど、たとえば、剥離による細胞に対する損傷のリスクを低減させるからである。そのうえ、より小さい泡が細胞の表面に固定される場合には、その細胞の死を引き起こすことが起こりにくくなる。その理由は、栄養物が、細胞のカバーされていない部分に対して依然として容易に利用可能であり得るからであり、または、非直接的な経路を通して細胞に浸透できるからである。有益には、定期的なフラッシングは、OOCデバイスおよび/またはシステムの細胞または臓器レベルの機能に対して損傷を引き起こすことなく、泡の除去を可能にする。
【0028】
また、システムの定期的なフラッシング機能は、OOCデバイス10を使用して実施される生理学的な研究において、刺激、薬物、サイトカイン、もしくは栄養物、または、他の分子的因子または化学的因子の短時間のボーラス投与を送達するために使用され得る。
【0029】
図1Aおよび
図1Bは、1つのタイプのOOCデバイス10を図示している。OOCデバイス10は、典型的にポリマー材料から作製されている本体部12を含む。本体部12は、第1の流体入口部14aおよび第1の流体出口部14bを含む。本体部12は、第2の流体入口部16aおよび第2の流体出口部16bをさらに含む。第1の流体入口部14aおよび第1の流体出口部14bは、流体が第1のマイクロチャネル24を通されることを可能にする。第2の流体入口部16aおよび第2の流体出口部16bは、流体が第2のマイクロチャネル26を通されることを可能にする。第1のマイクロチャネル24は、境界面領域において、膜30によって、第2のマイクロチャネル26から分離されている。膜30は、一方の側に第1の細胞層34を含み、反対側に第2の細胞層36を含むことが可能である。多くの場合、第1の細胞層34は、1つのタイプの細胞であり、一方、第2の細胞層36は、第2のタイプの細胞である。第1のマイクロチャネル24を通って移動し、第1の細胞層34が曝される流体は、第2のマイクロチャネル26を通って移動し、第2の細胞層36に曝される流体と同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0030】
用途に応じて、膜30は、第1の細胞層34と第2の細胞層36との間での、細胞、粒子、タンパク質、化学物質、および/または媒体の移行を可能にする多孔体を有することが可能である。第1の細胞層34および第2の細胞層36に与える生理学的な力の影響を理解するために、膜30は、好ましくは、可撓性および弾性的であり、それが使用の間に制御可能に引き伸ばされることを可能にする。
図1Aに示されているように、本体部12は、2つのポート40aおよび40bを含み、2つのポート40aおよび40bは、本体部12の中の圧力差を可能にし、それによって、膜30内のコントロールされた移動を引き起こす。OOCデバイス10についてのさらなる詳細は、米国特許第8,647,861号明細書に見出すことが可能であり、それは、本出願の譲受人によって所有されており、その全体が本願に引用して援用されている。
【0031】
OOCデバイス10の流体抵抗は、典型的に、非常に小さい。たとえば、5Pa未満の圧力は、所望の灌流流量を発生させるのに十分である。この圧力は、たとえば、入力貯蔵部から出力貯蔵部へ移動する流体によって引き起こされる静水頭の変化によって、容易に圧倒されるので、それを用いて作業することは非常に困難である。たとえば、1cmの流体高さ(静水頭)の変化は、おおよそ100Paの圧力変化に対応している。
【0032】
流体抵抗および圧力差に対する流量に関する理論は、オイラーの原理からくる。
ΔP=R・Q
ここで、ΔPは、差圧であり、Qは、流量であり、Rは、流体抵抗である。換言すれば、流体抵抗は、ある圧力が印加されるときに流れ抵抗がどれくらいの大きさになるかということを決定するパラメーターである(所与の圧力の下で、抵抗が高ければ高いほど、低い流量を生み出す)。オイラーの原理は、層流条件の下で適用され、3つのパラメーターの間の線形関係を推定する。
【0033】
流体ポンピングシステムをより堅牢(ロバスト)にするために、貯蔵部の中の流体レベルに対する感度がより低いこと、より制御が容易であること、および、500Pa以上の圧力が、好ましい。したがって、システムは、システムの流体抵抗を、OOCデバイス10単独のものよりもはるかに高くまで増加させる。これを達成するために、本開示によるシステムは、灌流されることとなるOOCデバイス10と直列に、1つ以上の流体抵抗器を追加している。
【0034】
流れの流体抵抗を支配し、OOCデバイス10のものよりもかなり高い抵抗器を使用することの追加的な利点は、流量がチップの流体性質の変化に依存しにくいということである。とりわけ、流量は、(たとえば、製造時の)チップごとの変化またはチャネルごとの変化の影響を受けにくく、または、(たとえば、細胞成長もしくは泡に起因する)動作中の変化の影響を受けにくい。
【0035】
図2は、流体抵抗要素102を含む、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのマイクロ流体システム100の概略図である。マイクロ流体システムは、ポンプ機構104、入力流体貯蔵部106a、出力流体貯蔵部106b、流体抵抗要素102、およびOOCデバイス10を含む。ポンプ機構104は、圧力供給源108および圧力調整器110を含む。圧力供給源108は、システム100に圧縮ガスを供給する。圧力調整器110は、たとえば、バルブ(図示せず)を使用して、システムに供給される圧縮ガスの量を制御する。いくつかの実施形態では、バルブは、開状態と閉状態との間で作動させられる。開状態では、圧縮ガスが、システム100に供給される。閉状態では、バルブは、圧縮ガスがシステム100に供給されることを阻止する。いくつかの実施形態では、バルブは、閉状態および2つ以上の開状態を含む。2つ以上の開状態は、可変量の圧縮ガスをシステムに提供し、たとえば、バルブは、25%開および50%開などになっている。
【0036】
ポンプ機構104は、ガスライン112を使用して入力流体貯蔵部106aに連結されている。入力流体貯蔵部106aは、機能流体114aおよび加圧ガス116aを含有している。機能流体114aは、細胞、粒子、タンパク質、化学物質、または、それらの組み合わせの媒体または懸濁液などのような、所望の流体である。または、機能流体は、OOCデバイス10の細胞を、汚染物、汚染物質、または医薬品に曝させ、そのような暴露に対して細胞がどのように反応するかということを決定することが可能である。加圧ガス116aは、圧力を機能流体114aに印加し、入力流体貯蔵部106aから、ならびに、流体抵抗要素102およびOOCデバイス10へ、機能流体114aを移動させることが可能である。
【0037】
加圧ガス116aとして使用するための特定のガスの選択は、それが機能流体114aの中へ溶解し得るので、重要性を持っている。追加的に、多過ぎるガスを生物学的な液体の中へ溶解させることは、デバイスの中に泡を形成および蓄積させるリスクを増加させる。この問題は、より高い圧力が印加されることによって、悪化させられる。この問題を緩和または排除するために、圧力を機能流体114aに印加するために使用されるガスは、適当に選択され得る。たとえば、水の中のヘリウムの溶解度は、(機能流体114aはほとんど水であると仮定して)非常に低いので、ヘリウムが、加圧ガス116aとして、または、その成分として使用され得る。追加的にまたは代替的に、加圧ガス116aは、細胞培養の必要性にしたがって処方され得る。たとえば、空気の中の5%CO
2は、典型的な混合物である。いくつかの実施形態では、公称設定圧力が20kPaである場合に、約20%のヘリウム、および、80%の5%CO
2空気混合物の混合物が使用され得、5%CO
2空気混合物の分圧は、大気圧力における分圧以下に留められる。
【0038】
入力流体貯蔵部106aは、流体ライン118を使用して流体抵抗要素102に連結されている。流体抵抗要素102は、OOCデバイス10に関連付けられる流体抵抗よりもかなり大きい流体抵抗を機能流体114aに提供する。いくつかの実施形態では、流体抵抗要素102の流体抵抗は、OOCデバイス10の抵抗よりも、約10倍、20倍、100倍、500倍、5000倍、または50000倍大きい。この流体抵抗は、OOCデバイス10に進入する前に、流体抵抗要素102を横切って、機能流体114aの圧力降下または損失水頭(ヘッド損失)を結果として生じさせる。有益には、これは、システム100のモジュール性を提供する。その理由は、流体抵抗要素102は、ポンプ機構104およびOOCデバイス10の異なる動作条件に適応するために置き換えられ得るからである。
図3A〜
図4を参照して下記に説明されることとなるように、流体抵抗要素102は、たとえば、チャネル式(channeled)抵抗器302または管状の抵抗器402であることが可能である。
【0039】
流体抵抗要素102は、流体入力ライン120を使用してOOCデバイス10に連結されている。
図1に関して上記に説明されているように、OOCデバイス10は、たとえば、シミュレートされた臓器、組織など、細胞に関連付けられる生物学的機能をシミュレートするように構成されている。機能流体114aの1つ以上の特性は、機能流体114aがOOCデバイス10のマイクロチャネル24、26を通されて流出物114bを作り出すときに、変化し得る。そうであるので、流出物114bは、依然として機能流体114aであるが、その特性および/または構成要素は、OOCデバイス10を通過するときに、変化し得る。流出物114bは、収集およびその後の分析のために、出力流体貯蔵部106bによって収集される。
【0040】
図3Aは、OOCデバイス10とは別々になっているチャネル式流体抵抗要素302の概略図である。チャネル式流体抵抗要素302は、基板306の中にマイクロ流体チャネル304を含む。マイクロ流体チャネル304は、たとえば、ミーリング、ブロー成形、熱エンボス加工、射出成形など、いくつかの公知のプロセスから形成され得る。チャネル式流体抵抗要素302によって提供される抵抗は、マイクロ流体チャネル304の長さおよび/または断面積、ならびに、角部の数、絞り部および拡張部の数およびサイズ、断面形状などのような他の特徴を使用して、選択され得る。たとえば、チャネルの長さを増加させること、断面積を減少させること、または、チャネルによって作られるターンの数を増加させることは、流体抵抗要素302によって提供される流体抵抗を増加させることとなる。有益には、チャネル式流体抵抗要素302は、公知の技法を使用して大量生産され、要素同士の間で、したがって、システム同士の間で、一貫した抵抗を提供することが可能である。
【0041】
チャネル式流体抵抗要素302は、流体入力ライン120を使用してOOCデバイス10に連結されている。流体入力ライン120は、たとえば、流体抵抗要素302からOOCデバイス10へ機能流体114aを送る、毛細管、インターコネクトアダプター、または任意の適切なデバイスであることが可能である。
【0042】
チャネル式流体抵抗要素302は、たとえば、カートリッジに取り外し可能に接続されるように構成され得る。カートリッジは、システムとOOCデバイス10との間に、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、カートリッジは、OOCデバイス10を取り外し可能に受け入れる。いくつかの実施形態では、流体抵抗要素302は、カートリッジに取り外し可能に取り付けられており、OOCデバイス10は、流体抵抗要素302に取り外し可能に連結されている。これは、さまざまな流体抵抗要素が単一のカートリッジとともに使用されることを可能にし、したがって、システムコストを低減させる。
【0043】
代替的に、チャネル式流体抵抗要素302は、1つ以上のOOCデバイス10を保持するように構成されているカートリッジと一体的に形成され得る。流体抵抗要素302を一体化することは、よりユーザーフレンドリーなモノリシックのカートリッジを提供する。
【0044】
図3Bは、本開示の態様による、生体機能チップデバイス10’の一部である、チャネル式流体抵抗要素302の概略図である。OOCデバイス10’は、第1のマイクロチャネル24の上流に、一体型のチャネル式流体抵抗要素302および流体入力ラインを含む。有益には、チャネル式流体抵抗要素302をOOCデバイス10の上に組み込むことは、システムの中に作られることとなる接続の数を低減させ、したがって、故障のポイントを低減させ、ユーザーフレンドリー性を増加させる。
【0045】
図4は、本開示の態様による、管状の流体抵抗要素402を有するカートリッジアッセンブリ400を図示している。カートリッジアッセンブリ400は、上部側400aおよび底部側400bを有する筐体を含み、上部側400aおよび底部側400bは、一緒に連結し、カートリッジアッセンブリ400の外側シェルを形成する。上部側400aは、システム側入力ポート404、チップ側入力コネクター406、チップ側出力コネクター408、およびシステム側出力ポート410を含む。それぞれのシステム側入力ポート404は、ある長さの毛細管412を使用して、それぞれのチップ側入力コネクター406に連結されている。それぞれのチップ側出力コネクター408は、ある長さの毛細管412を使用して、それぞれのシステム側出力ポート410に連結されている。底部側400bは、複数のアパーチャーを含み、複数のアパーチャーは、それを通るチップ側入口部コネクター406、チップ側出口部コネクター408、アライメント特徴部、または締結具などのような、特徴部を受け入れるように構成されている。
【0046】
組み立てられると、OOCデバイス10は、たとえば、取り外し可能なカップリングを使用して、チップ側入力コネクター406およびチップ側出力コネクター408に連結される。有益には、毛細管412が、チップ側入力コネクター406として使用され、OOCデバイス10のポートに直接的に嵌合することが可能である。システム側入力ポート404は、システム100から機能流体114aを受け入れる。機能流体114aは、毛細管412を使用して、OOCデバイス10に移送される。毛細管412のこの長さは、いくつかの巻き線を含むことによって、流体抵抗要素402を提供し、巻き線は、システム側入力ポート404とチップ側入力コネクター406との間の毛細管412の長さを増加させる。この増加させられた長さは、機能流体114aがOOCデバイス10に進入する前に、比較的に大きい圧力降下を提供する。
【0047】
カートリッジアッセンブリ400は、照明アパーチャー416などのような、実験を支援するための特徴部をさらに含むことが可能である。照明アパーチャーは、OOCデバイス10に隣接して配設されており、光がそれを通過することを可能にし、さまざまな光学技法および分光技法が使用されることを提供する。
【0048】
有益には、カートリッジアッセンブリ400は、モジュラー設計を含み、再構成可能な流体抵抗を提供する。たとえば、流体抵抗は、毛細管を、異なる直径を有する管と交換することによって、流体抵抗が変更され得る。追加的にまたは代替的に、毛細管を、異なる長さを有する管と交換することによって、流体抵抗が変更され得る。カートリッジアッセンブリ400と相性の良い毛細管412は、幅広く利用可能であり、さまざまなサイズおよび材料となる。有益には、エンドユーザーは、毛細管412を交換し、異なる流体抵抗を有するカートリッジアッセンブリ400を、迅速に、容易に、および安価に作り出すことが可能である。追加的に、毛細管412の円形の断面積は、泡の一掃に関して、非円形の断面プロファイルよりも有利である。
【0049】
図5Aに示されているように、泡502は、たとえば、カートリッジとOOCデバイス10との間の、たとえば、管−チップ間のインターフェースなど、インターフェース504において、蓄積し、または捕捉される可能性がある。この泡の蓄積は、たとえば、流体抵抗を増加させることによって、または、細胞培養エリアを取り除くこと、および、細胞培養エリアに進入することによって、デバイスの性能を低下させる可能性がある。いくつかの実施形態では、この捕捉または蓄積は、たとえば、円錐など、「先の尖った」先端部を使用して低減させられる。先の尖った先端部の1つの例が、
図5Bに示されている。驚くことには、この先の尖った先端部は、先端部の疎水性の表面積、および、捕捉されることとなる泡に関する体積の両方を増加させることにかかわらず、尖っていない先端部と比較して、ポートにおける泡の捕捉または蓄積を低減させる。これは、泡が疎水性の材料に対してその固定された接触角度を維持しなければならないからであるということ、および、泡がその境界面を曲げ、角度付きの表面を湿らせるというよりも、泡が表面から押されるということが、エネルギー的に好適であるということが発見された。この驚くべき結果は、入口部において、さらに一層顕著である。管は、円錐形状の先端部もしくは先の尖った先端部を備えて製造されるか、または、製造後に、そのような形状を提供するように加工されるか、のいずれかであることが可能である。また、この先の尖った先端部は、毛細管412がシステム側出力ポート410と繋がる場所などのような、システムの他のポイントにおいて有益である可能性がある。
【0050】
いくつかの実施形態では、泡の捕捉または蓄積は、親水性の表面を使用して低減させられる。これらの表面は、水性液体によって湿らせられたままであることを好むので、泡を捕捉または蓄積させない傾向がある。たとえば、親水性の材料からノズルを形成することによって、親水性の表面が形成され得る。使用され得る親水性の材料の例は、ガラス、特定のグレードのポリスチレン、ポリプロピレン、またはアクリルである。追加的にまたは代替的に、ノズルは、たとえば、コーティング、プラズマ処理などを使用して、それらを親水性にするように処理され得る。
【0051】
図6は、流体抵抗要素102を有する例示的なマイクロ流体システム100の流量相関グラフである。流体抵抗要素102は、100μmの内径、および、235mmの長さを有するポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)管から形成された管状の抵抗器である。グラフによって示されているように、システムの静圧は、おおよそ0.2kPaである。流量は、増加する供給圧力とともに線形に増加する。有益には、流体抵抗要素102は、OOCデバイス10を通る実現される流量を毎分数マイクロリットルのオーダーに制限しながら、キロパスカルのオーダーの供給圧力が使用されることを可能にする。たとえば、6kPaの供給圧力が使用され、約6μL/分のレートで機能流体114aをOOCデバイス10に送達することが可能である。
【0052】
比較的に高い供給圧力の使用を提供することは、商用「オフザシェル」のポンプおよび供給部が使用され、システムを駆動することを可能にする。追加的に、入力貯蔵部106aとOOCデバイス10との間に流体抵抗要素102を配設することは、調整器またはポンプの脈動性などのような、システム影響に起因する流れ変動の減衰を可能にする。また、有益には、流体抵抗要素102は、流体貯蔵部106a、bの中の液体の高さによって作り出される水頭などのような、静水頭が、流量に対して小さく寄与するものとなるようにする。
【0053】
再び
図2を参照すると、いくつかのポンプ機構104が、本開示にしたがって使用され得る。これらのポンプ機構104は、圧力駆動式の構成または変位駆動式の構成を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、圧力駆動式の構成は、圧力調整器を含む。圧力調整器は、機能流体114aに所望の圧力を印加するように設定され得る。印加される圧力は、概して、OOCデバイス10を通る所望の流量に対応する。有益には、SMC Corporation(東京、日本)製の調整器のSMC ITVラインなどのような、電気的に制御される圧力調整器は、たとえば、コンピューターを使用して、圧力、および、間接的に、流量を制御することを可能にする。
【0054】
いくつかの実施形態では、変位駆動式の構成は、シリンジポンプなどのような容積ポンプ、または、蠕動ポンプ、ピエゾポンプ、ブライユ(braille)ポンプなどのような、2ポートポンプを含む。容積ポンプは、ガスの所定の体積流れを入力貯蔵部106aに送達するように構成されている。残念ながら、一定の体積流れでガスを送達することは、動作の体積流れが比較的に低くなることとなるので、システムが必要とされる圧力を構築するために長期間を必要とする可能性がある。いくつかの実施形態では、容積ポンプ、および/または、システムの他のコンポーネントは、実質的に非圧縮性の流体によって充填される。これは、ガス体積を低減させ、したがって、必要とされる圧力を構築するために、より少ない行動しか必要としない。追加的にまたは代替的に、
図12〜
図13を参照して下記に説明されることとなるように、圧力センサーは、発生させられた圧力をモニタリングするために使用され得る。ポンプは、所定の設定点に圧力を構築するために、第2の動作流量よりも高い第1の体積流量に設定され得る。有利には、2ポートポンプの使用は、シリンジポンプが必要とする往復運動を必要とせず、したがって、2ポートポンプは、中断なしに継続することが可能である。
【0055】
驚くことには、圧力駆動式のシステムは、生体組織リンキング(organ linking)、たとえば、複数のOOCデバイス10を一緒に直列に相互接続することを可能にするように修正され得る。これは、標準的な圧力駆動式のシステムが、「1ポートポンプ」であり、たとえば、蠕動ポンプのような別々の入力ポートおよび出力ポートがないからである。有益には、可動キャップは、通常、流体貯蔵部106aをシールしており、たとえば、オートサンプラーが流体貯蔵部にアクセスすることを可能にするように、必要に応じて開く。オートサンプラーについてのさらなる詳細は、本出願の譲受人によって所有されている2014年7月11日に出願された国際特許出願第PCT/US14/46439号に見出され得、その全体が本願に引用して援用されている。
【0056】
図7Aは、本開示の態様による、それを通して配設されている圧力ライン702を有する可動キャップアッセンブリ700を図示している。可動キャップアッセンブリ700は、ヒンジ706の周りに枢動するように構成されているキャップ部材704を含む。キャップ部材は、流体貯蔵部106aと実質的に気密のシールを形成するように構成されているガスケット708を含む。媒体のサンプルを受け入れないときには、可動キャップアッセンブリ700は、入力流体貯蔵部106aにシールされ、入力流体貯蔵部106aは、圧力ライン702によって加圧される。サンプルを受け入れるときには、キャップ部材704は、ヒンジ706の周りに枢動し、流体貯蔵部106aのシールを解放する。サンプルが堆積させられた後に、キャップ部材704は、ヒンジ706の周りに枢動し、流体貯蔵部106aをもう一度シールする。次いで、入力流体貯蔵部106aが所望の圧力に到達するまで、圧力ライン702は、入力流体貯蔵部106aに圧力を供給する。有益には、圧力ライン702がキャップ部材を通して配設されているということは、可動キャップアッセンブリ700および圧力ライン702が、カートリッジ自身というよりもむしろ、カートリッジとインターフェース接続するオートサンプラーまたは他の器具の一部になることを提供する。これは、カートリッジの設計を簡単化し、また、より少ない接続を必要とする便利なカートリッジ−システム間インターフェースを提供する。
図7Bは、本開示の態様による、入力貯蔵部106aの中に配設されている圧力ライン702’を有する可動キャップアッセンブリ700’を図示している。
【0057】
図8Aは、2つの流体抵抗要素102を有するマイクロ流体システム800aの概略図であり、2つの流体抵抗要素102は、それぞれ、単一のOOCデバイス10のそれぞれのマイクロ流体チャネルに動作可能に連結されている。この実施形態では、加圧ガス116aは、機能流体114aに圧力を印加する。機能流体114aは、それぞれの流体ライン118を通して、流体抵抗要素102に移送される。それぞれの流体抵抗要素102は、流体入力ライン120を使用して、OOCデバイス10のそれぞれのチャネルに連結されている。流体抵抗要素102は、異なる流体抵抗を有するように選択され得、それによって、マイクロ流体チャネルを通る異なる流量を結果として生じさせるということが企図される。
【0058】
図8Bは、2つの流体抵抗要素102を有するマイクロ流体システム800bの概略図であり、2つの流体抵抗要素102は、それぞれ、別々の生体機能チップデバイス10のそれぞれのマイクロ流体チャネルに動作可能に連結されている。機能流体114aは、それぞれの流体ライン118を通して、流体抵抗要素102に移送される。それぞれの流体抵抗要素102は、流体入力ライン120を使用して、それぞれのOOCデバイス10のそれぞれのチャネルに連結されている。流体抵抗要素102は、異なる流体抵抗を有するように選択され得、それによって、異なるOOCデバイス10を通る異なる流量を結果として生じさせるということが企図される。
【0059】
図8Cは、複数のマイクロ流体チャネルに動作可能に連結されている1つの流体抵抗要素102を有するマイクロ流体システム800cの概略図である。示されているように、複数のマイクロ流体チャネルは、1つ以上のOOCデバイス10の上に含まれ得る。機能流体114aは、流体ライン118を通して流体抵抗要素102に移送される。流体抵抗要素102は、それぞれの流体入力ライン120を使用して、第1のOOCデバイス10の2つのチャネルに連結されており、流体入力ライン120を使用して、第2のOOCデバイス10のチャネルに連結されている。有益には、1つだけの圧力調整器とともにいくつかのOOCデバイス10を並列に使用することは、OOCデバイス10またはマイクロ流体チャネル24、26が同じ条件に曝されることを確実にすることを助けることによって、より良好なデータにつながる。
【0060】
マイクロ流体システムの中の泡の蓄積および捕捉を阻止するためにいくつかの手段がとられているが、典型的な実験の持続期間にわたって、特に、システムの初期充填の際に、泡の蓄積を完全に防止することは、一般的に不可能である。システムの中に捕捉された泡を除去するために、フラッシングサイクル、または、より高いレートもしくは圧力におけるポンピングの期間が使用され得る。しかし、このフラッシングは、潜在的な欠点を有している。第1に、OOCデバイス10のそれぞれは、ポンピングレートを有しており、そのポンピングレートは、フラッシングサイクルの持続期間および強度を制限する、剪断速度および他の生理学的に関係のあるパラメーターによって規定される。追加的に、フラッシングサイクルが長くなればなるほど、より多くの媒体が、マイクロ流体システムを通してポンプ送りされ、それは、望ましくないことには、より希釈した流出物をもたらし、それは、定量的な化学的読み出しおよび生物学的読み出しをより困難にする。これらの欠点に対処するために、本開示によるシステムは、モニタリング機構を含み、システムの全体を通して、全体的な流量を決定することが可能である。このことから、泡の蓄積が検出され得、フラッシングサイクルが、選択的に作動させられ得る。
【0061】
図9は、バルブモニタリングコンポーネント902を有するマイクロ流体システムの概略図を図示している。圧力調整器110は、比較的に高い圧力のガスを有する圧力供給源108を使用し、および大量の高圧ガスを、バルブ(図示せず)を介して出力(たとえば、ガスライン112)に移送する。いくつかの実施形態では、ソレノイドバルブなどのようなバルブが、開状態と閉状態との間で作動させられる。出力へのガスの移送の期間は、比較的に高い圧力のガスよりも低い新しいガス圧力を有する出力を結果として生じさせる。いくつかの実施形態では、バルブは、閉状態および2つ以上の開状態を含み、たとえば、バルブは、25%開および50%開などになっている。また、たとえば、25%開など、バルブが開いているレベルは、新しいガス圧力に影響を及ぼす。その理由は、バルブを横切る損失水頭が変更され、そして、出力に移送されるガスの量が変更されるからである。たとえば、所与の時間期間にわたって、25%開であるバルブは、50%開であるバルブよりも大きい損失水頭を有し、また、それよりも少ないガスを移送することとなる。
【0062】
バルブモニタリングコンポーネント902は、ポンプ機構104の圧力調整器110に連結されており、バルブに関連付けられる1つ以上の特性をモニタリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、モニタリングされる1つ以上の特性は、バルブが開いている間の時間期間、バルブが開けられている時間のパーセンテージ、バルブが開けられている量、および、それらの組み合わせを含む。このモニタリングは、たとえば、バルブに送られる電子制御信号をモニタリングするなど、さまざまな方式で行われ得る。次いで、これらの特性は、システムの推測流量に関連付けられ得る。たとえば、比較的に高い液体流量であればあるほど、より頻繁に(または、より高いガス流れで)圧力貯蔵部が補給されることを必要とし、それは、バルブがより多く開くことを引き起こす。有益には、流量とモニタリングされるパラメーターとの間の関係は、線形関係などのような、簡単な関係を必要とせず、むしろ、その間の任意の単調な関係が、たとえば、ルックアップテーブルの使用を通して、考慮され得る。
【0063】
図10は、流量と圧力バルブが開けられている時間のパーセンテージとの例示的な相関グラフである。この実施形態では、バルブが開いているままの時間がモニタリングされ、モニタリングされる合計時間と比較される。示されているように、バルブが開いている時間のパーセンテージは、システムを通る流体流量と線形関係を有している。図示されている相関関係は、一般的な定量的な結果を提供することが可能であるが、定量的な結果は、この方法が有用であるということに必要ではない。たとえば、複数のOOCデバイス10を含むシステムでは、OOCデバイス10のうちの1つが、気泡または破片によって閉塞され、システムの全体的な流量を減少させることが可能である。有益には、単に適度な忠実性(fidelity)が、制御信号をモニタリングするのに必要とされる。その理由は、1つのOOCデバイス10の閉塞が、流量の著しい低減(たとえば、3分の1の低減)を引き起こすこととなるからである。いくつかの実施形態では、3つのグループの中の1つのOOCデバイス10の閉塞が、それぞれのOOCデバイス10を通る最小流量(たとえば、1μL/分の公称流量)を有するシステムの中で検出された。
【0064】
有益には、センサーの感度は、圧力調整器110と入力貯蔵部106aとの間に、高い流体抵抗を有する1つ以上の要素を追加することによって、増加させられ得る。高い流体抵抗を有する1つ以上の要素を追加することによって、バルブは、より長い時間の期間にわたって開いたままであり、および/または、より頻繁に開く。これらの増加は、バルブモニタリングコンポーネント902の忠実度またはサンプリング時間を増加させる必要なく、検出の感度を増加させる。いくつかの実施形態では、高い流体抵抗の要素は、フィルターであり、それは、下記の
図11を参照して説明されている。
【0065】
図11は、本開示の態様による、圧力差モニタリング機構を有するマイクロ流体システム1100の概略図を図示している。差モニタリング機構は、高い抵抗1104の要素の周りに配設されている圧力差モニタリング機構1102を含む。示されているように、高い抵抗1104の要素は、ガスフィルターであり、それは、機能流体114aに接触する所望のガスの純度を増加させるために使用されることが多い。圧力差モニタリング機構1102は、高流体抵抗要素1104を横切る圧力降下をモニタリングする。供給圧力およびフィルター抵抗などのような要因は、一般に知られているので、圧力降下は、システム1100の中の流れに相関付けされ得る。有益には、より高いポンプ機構104の動作圧力は、典型的なマイクロ流体システムとともに使用されることができない、簡単に手に入る圧力差モニタリング機構1102の使用を提供する。いくつかの実施形態では、圧力差モニタリング機構1102の忠実度は、約5kPa、1kPa、または0.5kPaである。有益には、フィルターなどのような高流体抵抗要素1104は、無菌状態を確保するために、マイクロ流体システムの中に含まれる。これらの既存のフィルターの場所は、圧力差モニタリング機構1102を据え付けるのに都合の良い場所を提供する。
【0066】
動作の間に、使用される圧力差モニタリング機構1102の忠実度に応じて、抵抗性要素を横切って、測定可能であり得るわずかな平均圧力降下が存在している。システム全体が詰まった場合には、流体流れは停止することとなり、圧力は、高流体抵抗要素1104を横切って釣り合うこととなり、ゼロ差圧を結果として生じさせる。同様に、1つ以上の他のチャネルと並列の1つのマイクロ流体チャネルが詰まった場合には、高流体抵抗要素1104を横切る圧力降下が、合計流量が減少するのにつれて、減少することとなる。測定される差圧は、液体流量に関係付けするためにいくつかの処理を必要とする可能性がある。その理由は、ガス流量は、たとえば、圧力バルブの離散的な開口に起因して、間欠的であり、または不均一である可能性があるからである。この例では、平均または移動平均およびルックアップテーブルが、システムの全体的な液体流量を決定するために使用され得る。
【0067】
図12は、圧力センサー1202およびフィードバックループ1204を有するマイクロ流体システム1200の概略図を図示している。ポンプ機構104は、変位駆動式の構成を含み、変位駆動式の構成は、ある体積のガスを入力貯蔵部106aに送達するために使用され、それによって、入力貯蔵部106aを加圧する。圧力センサー1202が、ポンプ機構104と入力貯蔵部106aとの間に配設されており、所与の流量に関して発生させられる圧力についてのフィードバックを、フィードバックループ1204を介して提供する。したがって、流量および圧力の両方が、このシステムにおいて、直接的に観察可能である。
【0068】
システム1200の中に特定の流量を得るために必要とされる圧力は、ある程度の精度で推定され得る。したがって、システムが公称的に動作している限りにおいて、流量および圧力は、互いに同調しているはずである。両方の量が、このシステムにおいて直接的に観察可能であるので、この条件は、容易に検証され、圧力/流量関係からの任意の偏差は、障害物、リーク、または、他のシステム故障を示している可能性がある。これは、非常に強力なフィードバックの供給源であり、それは、さまざまな条件を高い精度で検出または診断するために使用され得る。有益には、システムは、これらのシステム故障をより選択的に修復するように作動させられ得る。いくつかの実施形態では、システム圧力が所定の閾値を下回るときにのみ、容積ポンプが動く。容積ポンプは、動きに関してモニタリングされ、閉塞が起こったかどうかということを決定することが可能である。測定されるシステム圧力が概して一定のままであるが、ある期間にわたってポンプが動いていないということによって、閉塞が示され得る。閉塞を除去するために、所定の閾値が、より高い第2の圧力まで高められ、システム圧力を増加させ、閉塞を取り除くことが可能である。
【0069】
図13は、供給ガスの連続的な体積流量を有する、例示的なシステムにおける経時的な液体流量のグラフである。グラフを発生させるために、シリンジポンプセットが、2μL/分の一定のレートで使用され、システムにガスを供給した。示されているように、この一定の流量において、液体流量がガス流量の90%に到達するのに、おおよそ2時間かかった。有益には、この時間は、シリンジポンプを、より高い第1の体積流量(たとえば、1mL/分)に設定することによって、および、システムの圧力をモニタリングすることによって、劇的に低減させられ得る。圧力が第1の所定の値に到達するときに、シリンジポンプは、より低い第2の体積流量(たとえば、2μL/分)に低減させられ得る。いくつかの実施形態では、第2の体積流量は、システムを通る機能流体114aの体積流量におおよそ等しい。いくつかの実施形態では、第1の体積流量は、第2の体積流量よりも約10倍大きい。いくつかの実施形態では、第1の体積流量は、第2の体積流量よりも約100倍大きい。いくつかの実施形態では、第1の体積流量は、第2の体積流量よりも約1000倍大きい。1つの例では、立ち上げ時間は、第1の体積流量および第2の体積流量を使用して、約2時間から約1.5分に低減される。有益には、そのような立ち上げ時間の低減は、実験に関する遅延時間の量、および、実験的なデータの品質を低減させる。たとえば、比例−積分−微分(PID)制御、または、そのサブセットなど、より洗練された制御戦略が、シリンジレートを設定するために使用され得るということが企図される。
【0070】
泡の蓄積または破片の蓄積とともに生じる追加的な問題は、入力、出力、または、システムのコンポーネントの中における蓄積が、完全に流れを停止させ、重大でときには不可逆的なシステムの故障につながる可能性があるということである。そのうえ、特別な行動がなければ、システムは、障害物を除去することができず、特別な行動なしでは回復できない可能性がある。たとえば、システムは、障害物に対する固定作用を克服するのに十分に高い設定点を含まなくてもよい。
【0071】
図14は、バブル制限システムに関して、圧力が増加させられたときの流量のグラフである。示されているように、システムの流量は、固定作用が3.85kPaにおいて克服されるまで、ゼロのままである。このポイントの後に、流量は、3.85kPaの圧力に関して予期される公称流量に戻る。したがって、システムの公称流量に関する設定点が、3.85kPa未満を必要とする場合には、障害物は決して取り除かれず、システムは故障することとなる。
【0072】
有益には、システムに印加される圧力は、圧力調節プロファイルにしたがうことが可能であり、圧力調節プロファイルは、泡および/または破片の蓄積がシステム全体を妨害する前に、それらの蓄積を取り除くことを支援することとなる。追加的にまたは代替的に、システム全体を妨害した泡および/または破片の蓄積を取り除くことを支援することとなる圧力調節プロファイルが使用され得る。圧力調節プロファイルは、所定の量の時間にわたって、所望の圧力を印加し、次いで、定期的に、印加された圧力を、第1の所望の圧力に戻る前に、ある期間にわたって第2の所望の圧力まで増加させる。
【0073】
図15は、本開示の態様による、例示的な圧力調節プロファイルを図示している。図示されている例では、1kPaの圧力が印加され、システムを通る所望の公称流量を生み出している。定期的に、圧力が、短期間にわたって所定のレベルまで増加させられる。図示されている実施形態では、所定のレベルの10kPaが使用され、システムから任意の障害物を取り除く。定期的なサイクルは、約1分に1回起こり、所定の圧力が、約5秒にわたって印加される。有益には、圧力調節プロファイルの使用は、流量モニタリングなどに伴うシステムのコストを著しく増加させることなく、システムから障害物を取り除くことを可能にする。そのうえ、圧力調節プロファイルの使用は、積極的な行動なしに、システムから障害物を取り除くことを可能にする。さらに、OOCデバイス10の中の2つのマイクロ流体チャネルの中の圧力の協調された調節は、チャネルが多孔性の膜によってリンクされている場合に、有用である可能性がある。
【0074】
図16は、入力貯蔵部106a、圧力供給源1602、OOCデバイス10、および出力貯蔵部106bを含むシステム1600である。図示されている実施形態では、圧力供給源1602は、入力貯蔵部106aとOOCデバイス10との間で、流体ラインに連結されている。圧力供給源1602は、OOCデバイス10の中への流体の体積流量を増加させるように構成されている。圧力供給源1602は、圧力供給源1602の動作を制御するコントローラー(図示せず)に連結されている。いくつかの実施形態では、圧力供給源1602は、容積ポンプなどのようなポンプである。圧力供給源1602は、上流の入力貯蔵部106aからOOCデバイス10に向けて流体を移動させるように力を印加する。いくつかの実施形態では、ポンプは、機能流体と直接的に連通している。たとえば、容積ポンプは、流体と直接的に連通して設置され得、ポンプが、流体を含有するある長さの毛細管に作用し、流体を変位させ、ある体積の流体を下流に移動させるようになっている。圧力が印加される頻度が、増加または減少するときに(たとえば、蠕動ポンプのr.p.m.を増加または減少させる)、流量も同様に増加または減少する。
【0075】
図17は、圧力供給源1602によって所定の時間にトリガーされる、
図16のシステム1600における定期的なフラッシングサイクルを有する例示的な調節された流れプロファイルを図示している。また、この調節された流れプロファイルは、
図1〜
図15において上記に述べられている他のマイクロ流体システムに印加され得る。図示されている実施形態では、システム1600は、通常動作モードとフラッシングモードとの間で定期的に移行する。示されているように、流体の流量は、通常動作モードからフラッシングモードへ移行するときに増加させられ、フラッシングモードから通常動作モードへ移行するときに減少させられる。
【0076】
図17の図示されている実施形態では、通常動作モードの間の流量αは、実験の間に概して一定のままである。所定の第1の時間Xにおいて、システムの流量が、通常動作流量αからフラッシング流量βへ増加させられる。流量におけるこの立ち上げは、たとえば、ポンプの速度を増加させることによって、または、流体を駆動する圧力を増加させることによって、引き起こされ得る。システムは、所定の期間にわたって、フラッシング流量βのままであり、次いで、通常動作流量αの通常動作モードに戻る。次いで、システムは、第2の所定の時間Yに到達するまで、通常動作モードで進行し、そのポイントにおいて、フラッシングサイクルが再びトリガーされる。いくつかの実施形態では、フラッシング流量は、動作流量よりも少なくとも10倍高い。いくつかの実施形態では、フラッシング流量は、動作流量よりも少なくとも100倍高い。いくつかの実施形態では、フラッシングサイクルは、一貫した間隔を置いて配置された時間間隔においてトリガーされる。
【0077】
通常条件の動作の間に、望ましくない凝集(たとえば、泡)が、流体経路の中の第1のポイントにおいて形成することとなる。流体経路の流れ特性は、凝集が特定のポイントまでは成長しないこととなるように、また、凝集が流体経路を完全に閉鎖するように成長しないこととなるようになっている。フラッシングサイクルは、望ましくない凝集の少なくとも一部分が第1の位置から下流の第2の位置に向けて移動することを引き起こすように構成されている。有益には、流体経路を通した望ましくない凝集の移動は、その凝集が、たとえば、センサーによって検出可能でない場合でも、フラッシングサイクルに起因して起こることとなる。
【0078】
いくつかの実施形態では、通常動作モードは、約2時間から約8時間の間にわたって進行する。いくつかの実施形態では、通常動作モードは、約2時間から約6時間の間にわたって進行する。いくつかの実施形態では、通常動作モードは、約4時間にわたって進行する。いくつかの実施形態では、フラッシングサイクルは、約5秒から約120秒の間にわたって続く。いくつかの実施形態では、フラッシングサイクルは、約10秒から約90秒の間にわたって続く。いくつかの実施形態では、フラッシングサイクルは、約20秒から約75秒の間にわたって続く。たとえば、驚くことには、4時間にわたり通常動作モードで動作し、次いで、通常動作モードに戻る前に20秒から75秒の間の持続期間続くフラッシングサイクルに進入したシステムは、7日よりも多い灌流に関して、肺機能チップ(Lung−On−a−Chip)デバイスの実行可能性および機能を一貫して維持することができた。
【0079】
いくつかの実施形態では、隣接する流体経路のフラッシングは、システムのコンポーネントに対する損傷を阻止するために、同時にトリガーされる。たとえば、OOCデバイス10の第1のマイクロチャネル24および第2のマイクロチャネル26に関する流体経路は、流体経路の1つがそれほど頻繁にはフラッシングされる必要がない可能性があったとしても、同時にフラッシングされ得る。有益には、同時のフラッシングは、フラッシングサイクルの間の膜30を横切る圧力差を低減させるかまたは維持することによって、マイクロチャネル同士の間の膜30に対する応力を低減させる。
【0080】
通常動作流量αは、動作の間に、特定の実験的な設計に応じて、既知の量だけ増加または減少することが可能であるということが企図される。通常動作モードの間のこの既知の増加および/または減少が考慮され得、フラッシングサイクル同士の間の期間、通常動作モードとフラッシングモードとの間の流量の差、フラッシングモードの持続期間、および/または、それらの組み合わせなどのような性質が、動作モードにおけるこれらの既知の変化を考慮に入れるために変更され得る。
【0081】
本発明によるシステムおよび方法は、センサーを含み、流量、圧力などのような、流体ラインに関連付けられる性質をモニタリングすることが可能であるということがさらに企図される。たとえば、センサーは、システムの中の1つ以上の泡などのようなトリガー条件の存在を直接的にまたは間接的に検出するために使用され得る。次いで、制御機構が、トリガー条件に応答して、フラッシングサイクルをトリガーするために使用され得、そのフラッシングサイクルは、定期的なフラッシングに加えてのものであるか、または、定期的なフラッシングの代わりのものである。いくつかの実施形態では、光学的な泡センサーが、流路の中の泡の発達を直接的に決定するために使用される。いくつかの実施形態では、流量センサーが、増大した流れ抵抗を検出することによって(たとえば、流量または圧力の予期せぬ変化を検出することによって)、泡の存在を検出するために使用される。
【0082】
流れ性質の測定および分析、ならびに/または、追加的なフラッシングサイクルをトリガーすることが使用され、フラッシングサイクル同士の間の時間期間を調節すること、フラッシングサイクルの間に使用される流量を調節すること、フラッシングサイクルの持続期間を調節することなどが可能である。いくつかの実施形態では、泡の検出、および、非定期的なフラッシングの開始は、システムがフラッシングサイクル同士の間の時間期間を低減させることを引き起こすこととなる。いくつかの実施形態では、通常動作モードの間の予期せぬ流れ性質の検出は、システムが、フラッシングサイクルの間に使用される流量を増加させること、または、フラッシングサイクルの持続期間を増加させることを引き起こすこととなる。
【0083】
システムを通る流れを増加または減少させる上述の例の多くは、ポンプ速度または駆動圧力を増加または減少させることを参照して行われてきたが、バルブが、流量の制御を提供するために、システムの中で使用され得るということが企図される。たとえば、バルブ、とりわけ、マイクロ流体のバルブが、流体経路を収縮または拡張させるために使用され得、より低いまたはより高い機能流体の流量につながる。
【0084】
圧力駆動式の本発明の態様は、システムを通る機能流体114aを押すために圧力を印加するものとして説明されてきたが、いくつかの実施形態では、真空が、出力貯蔵部106bに印加され、システムを通る機能流体114aを引っ張る。そのような場合では、流体抵抗要素102は、機能流体が入力貯蔵部に引き込まれるときに、流体流れのより良好な制御を依然として可能にする。さらに、これは、より幅広い範囲の加圧ガスが使用されることを可能にする。その理由は、加圧ガスが、OOCデバイス10の中の細胞に接触した後に、機能流体114aに接触しているからである。そのうえ、入力貯蔵部106aに適用される加圧ガス116aと組み合わせて、真空が出力貯蔵部106bに印加される場合には、真空が流出物114bをガス放出することとなるので、より幅広い範囲の加圧ガスが使用され得る。
【0085】
図2、
図9、
図11、および
図12は、大気圧力におけるガス116bを有する出力流体貯蔵部106bを参照しているが、より高い圧力も使用され得るということが企図される。有益には、より高い圧力におけるガス116bを有する出力貯蔵部106bは、システムがより高い全体的な圧力で動作することを提供する。システムを横切るこのより高い動作圧力は、システムが、たとえば腎臓の生物学的な条件など、選択される生物学的な条件をより厳密に再現することなどのような、有益な特性を提供することが可能である。
【0086】
入力流体貯蔵部106aおよび出力流体貯蔵部106bは、流体をまとめて貯蔵するものとして説明されてきたが、毛細管貯蔵部が、追加的にまたは代替的に使用され得るということが企図される。毛細管貯蔵部は、細長い流体経路を含む。細長い流体経路は、機能流体114aをその中に貯蔵するように構成されている。有益には、この細長い流体経路は、サンプル入力同士の間での機能流体114aの混合を阻止するように構成され得る。すなわち、細長い流体経路は、有益には、第1の時間に貯蔵部の中に注入されるサンプルと、第2の時間に注入されるサンプルとの間の、時間ベースの差を保持する。これは、システムによって収集されるデータに対する追加的な感度を提供する。
【0087】
図2〜
図4、
図8A〜
図9、および
図11〜
図12は、OOCデバイス10から上流に配設されているものとして流体抵抗要素102を示しているが、他の構成も使用され得るということが企図される。いくつかの実施形態では、抵抗器は、OOCデバイス10から下流に配設されている。有益には、これは、OOCデバイス10に関して、より高い動作圧力を提供することが可能である。OOCデバイス10を横切るこのより高い動作圧力は、OOCデバイス10が、たとえば、腎臓の生物学的な条件など、選択される生物学的な条件をより厳密に再現するということなど、有益な特性を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、流体抵抗要素102は、OOCデバイス10から上流および下流の両方に配設されている。有益には、OOCデバイス10の上流および下流の両方に流体抵抗要素102を配設することは、入力流体貯蔵部106aおよび出力流体貯蔵部106bにおいて、より幅広い範囲の圧力が使用されるということを提供する。
【0088】
図9〜
図15は、OOCデバイス10およびマイクロ流体デバイスを全体的に参照して説明されてきた。しかし、これらのシステムの利点は、マイクロ流体の用途に限定されず、他の流体システムにまで及ぶ。
【0089】
有益には、圧力によって駆動される流れを有するシステムは、容易に修正され、または、そのままでも使用され、OOCデバイス10の上の1つ以上のマイクロチャネルを通してガスをポンプ送りすることが可能である。これは、たとえば、肺機能チップの気道チャネルに関して有用であり、そこでは、押し込まれたガスが使用され、気道チャネルから液体を取り除き、または、それを空気で灌流し、呼吸をシミュレートすることが可能である。いくつかの実施形態では、別々の調整器が使用されるが、供給ラインを共有し、したがって、システムのコストおよび複雑さを低減させる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(a) 第1のマイクロチャネル、第2のマイクロチャネル、および、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を有するマイクロ流体デバイスであって、膜は、第1のマイクロチャネルの方を向く第1の側面、および、第2のマイクロチャネルの方を向く第2の側面を含み、第1の側面は、それに付着された細胞を有している、マイクロ流体デバイスと、
(b) 第1のマイクロチャネルから流体貯蔵部へ、または、流体貯蔵部から第1のマイクロチャネルへ、それぞれ、機能流体を送達するための流体ラインと、
(c) 流体ラインに連結されている流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0091】
随意的に、流体貯蔵部は、機能流体および加圧ガスを含む。加圧ガスは、流体ラインおよび流体抵抗要素を通るように機能流体の流れを押す。
【0092】
随意的に、流体抵抗要素は、細長い流体経路を有するチップを含む。第1の流体抵抗は、細長い流体経路によって生成されている。
【0093】
随意的に、流体抵抗要素は、細長い流体経路を有する細長い毛細管を含む。第1の流体抵抗は、細長い流体経路によって生成されている。
【0094】
随意的に、毛細管は、流体抵抗要素の筐体の中に複数の巻き線を経る。
【0095】
随意的に、システムまたはデバイスは、流体貯蔵部の中のガスに圧力を印加し、それによって、加圧ガスを生成させるポンプ機構をさらに含むことが可能である。
【0096】
随意的に、ガスは、機能流体に実質的に不溶性である。
【0097】
随意的に、ガスは、ガスの混合物であり、混合物は、機能流体に実質的に不溶性のガスを含む。
【0098】
随意的に、第1の流体抵抗は、第2の流体抵抗よりも少なくとも約100倍大きい。
【0099】
随意的に、流体貯蔵部は、細長い流体経路を含む。細長い流体経路は、機能流体をその中に貯蔵するように構成されている。
【0100】
本発明の他の実施形態によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのデバイスは、
(a) 第1のマイクロチャネル、第2のマイクロチャネル、および、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を有する本体部であって、膜は、第1のマイクロチャネルの方を向く第1の側面、および、第2のマイクロチャネルの方を向く第2の側面を含み、第1の側面は、それに付着された細胞を有している、本体部を含み、
(b) 本体部は、第1のマイクロチャネルに連結されている内部流体抵抗要素をさらに画定しており、内部流体抵抗要素は、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい。
【0101】
随意的に、第1の流体抵抗は、第2の流体抵抗よりも少なくとも約100倍大きい。
【0102】
本発明のさらなる実施形態によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(c) 第1のマイクロチャネル、第2のマイクロチャネル、および、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を有するマイクロ流体デバイスであって、膜は、第1のマイクロチャネルの方を向く第1の側面、および、第2のマイクロチャネルの方を向く第2の側面を含み、第1の側面は、それに付着された細胞を有している、マイクロ流体デバイスと、
(d) 機能流体および加圧ガスを有する流体貯蔵部と、
(e) 流体貯蔵部に連通し、加圧ガスの所望の圧力を維持するポンプ機構と、
(f) 流体貯蔵部と第1のマイクロチャネルとの間の流体経路の中に位置付けされている流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0103】
随意的に、流体抵抗要素は、細長い流体経路を有する基板を含む。第1の流体抵抗は、細長い流体経路によって生成されている。
【0104】
随意的に、流体抵抗要素は、細長い流体経路を有する細長い毛細管を含む。第1の流体抵抗は、細長い流体経路によって生成されている。
【0105】
随意的に、毛細管は、流体抵抗要素の筐体の中に複数の巻き線を経る。
【0106】
随意的に、システムまたはデバイスは、流体貯蔵部の中に圧力センサーをさらに含むことが可能であり、ポンプ機構は、圧力センサーからの所定の出力に応答して作動させられる。
【0107】
随意的に、流体抵抗要素は、第1のマイクロチャネルの上流に位置付けされている。
【0108】
随意的に、流体抵抗要素は、第1のマイクロチャネルの下流に位置付けされている。
【0109】
随意的に、第1の流体抵抗は、第2の流体抵抗よりも少なくとも約100倍大きい。
【0110】
本発明のさらなる別の実施形態によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(g) 第1のマイクロチャネル、第2のマイクロチャネル、および、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を有するマイクロ流体デバイスであって、膜は、第1のマイクロチャネルの方を向く第1の側面、および、第2のマイクロチャネルの方を向く第2の側面を含み、第1の側面は、それに付着された細胞を有している、マイクロ流体デバイスと、
(h) 機能流体および加圧ガスを有する流体貯蔵部であって、流体ラインを介して第1のマイクロチャネルに連結されている、流体貯蔵部と、
(i) 流体貯蔵部に連通し、加圧ガスの所望の圧力を維持する圧力調整器であって、加圧ガスは、機能流体が第1のマイクロチャネルを通って移動することを引き起こす、圧力調整器と、
(j) 流体ラインまたは第1のマイクロチャネルの中の流体抵抗の増加を決定するために、圧力調整器の活動をモニタリングするためのセンサーと
を含む。
【0111】
随意的に、システムまたはデバイスは、流体貯蔵部と第1のマイクロチャネルとの間の流体経路の中に位置付けされている流体抵抗要素をさらに含むことが可能である。流体抵抗要素は、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい。
【0112】
随意的に、センサーは、圧力調整器のバルブに関連付けられる1つ以上の特性をモニタリングする。
【0113】
随意的に、1つ以上の特性は、バルブが開いている時間のパーセンテージである。
【0114】
随意的に、センサーは、バルブに送られる制御信号をモニタリングする。
【0115】
随意的に、システムまたはデバイスは、圧力調整器と流体貯蔵部との間のガスラインの中に位置付けされているガスフィルターをさらに含むことが可能である。センサーは、ガスフィルターを横切る圧力差を測定する。
【0116】
随意的に、流体抵抗の増加は、流体ラインまたは第1のマイクロチャネルの中の泡によって引き起こされる。
【0117】
随意的に、流体抵抗の増加は、流体ラインまたは第1のマイクロチャネルの中の閉塞によって引き起こされる。
【0118】
随意的に、閉塞は、第1のマイクロチャネルの中の細胞に関連付けられる。
【0119】
随意的に、センサーが流体抵抗の増加を決定することに応答して、圧力調整器は、加圧ガスの第2の圧力を維持し、第2の圧力は、閉塞を取り除くように選択されている。
【0120】
本発明の他の実施形態によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(k) 第1のマイクロチャネル、第2のマイクロチャネル、および、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を有するマイクロ流体デバイスであって、膜は、第1のマイクロチャネルの方を向く第1の側面、および、第2のマイクロチャネルの方を向く第2の側面を含み、第1の側面は、それに付着された細胞を有している、マイクロ流体デバイスと、
(l) 機能流体および加圧ガスを有する流体貯蔵部であって、流体ラインを介して第1のマイクロチャネルに連結されている、流体貯蔵部と、
(m) 流体貯蔵部に連通し、加圧ガスに圧力を生じさせる容積ポンプであって、加圧ガスは、機能流体が第1のマイクロチャネルを通って移動することを引き起こす、容積ポンプと、
(n) 流体貯蔵部と容積ポンプとの間に位置付けされているセンサーであって、システムの中のガスの圧力をモニタリングするためのものである、センサーと
を含む。
【0121】
随意的に、圧力が所定の値を下回ることに応答して、容積ポンプは、第1の体積流量で流体貯蔵部にガスを供給する。そして、圧力が所定の値以上であることに応答して、容積ポンプは、第2の体積流量で流体貯蔵部にガスを供給する。第2の体積流量は、第1の体積流量よりも小さい。
【0122】
随意的に、第2の体積流量は、第1のマイクロチャネルを通る機能流体の体積流量におおよそ等しい。
【0123】
随意的に、第1の体積流量は、第2の体積流量よりも少なくとも約100倍大きい。
【0124】
本発明のさらなる他の態様によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(o) 第1のマイクロチャネル、第2のマイクロチャネル、および、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を有するマイクロ流体デバイスであって、膜は、第1のマイクロチャネルの方を向く第1の側面、および、第2のマイクロチャネルの方を向く第2の側面を含み、第1の側面は、それに付着された細胞を有している、マイクロ流体デバイスと、
(p) 機能流体および加圧ガスを有する流体貯蔵部であって、流体ラインを介して第1のマイクロチャネルに連結されており、加圧ガスは、機能流体が第1のマイクロチャネルを通って移動することを引き起こす、流体貯蔵部と、
(q) 流体貯蔵部に連通しており、圧力調節プロファイルを提供する圧力供給源であって、圧力調節プロファイルは、定期的な圧力増加を含み、システムの中の泡または破片の蓄積を阻止する、圧力供給源と
を含む。
【0125】
別の態様によれば、本発明は、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域の上に位置付けされている膜を有するデバイスの中で、生物学的機能をモニタリングする方法に関わる。膜の第1の側面は、機能流体を受け入れる第1のマイクロチャネルに面しており、それに付着された第1のタイプの細胞を有している。方法は、
(r) ガスおよび機能流体を含有する流体貯蔵部の中のガスに圧力を印加することに応答して、流体抵抗要素を通して機能流体を移動させるステップと、
(s) 流体抵抗要素を通して機能流体を移動させるステップの後に、第1のマイクロチャネルの中へ機能流体を移送するステップと
を含む。
【0126】
随意的に、流体抵抗要素は、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい。
【0127】
随意的に、第1の流体抵抗は、第2の流体抵抗よりも少なくとも100倍大きい。
【0128】
随意的に、流体抵抗要素は、第1のマイクロチャネルの前の流体経路の中のデバイスの中に位置付けされている。
【0129】
また、さらなる別の態様によれば、本発明は、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域の上に位置付けされている膜を有するマイクロ流体デバイスの中の流体閉塞を検出する方法に関わる。膜の第1の側面は、機能流体を受け入れる第1のマイクロチャネルに面しており、それに付着された第1のタイプの細胞を有している。方法は、
(t) ガスおよび機能流体を含有する流体貯蔵部の中のガスに圧力を印加することに応答して、第1のマイクロチャネルを通して機能流体を移動させるステップと、
(u) ガスに圧力を提供する圧力供給源の活動をモニタリングするステップと
を含む。
【0130】
随意的に、モニタリングするステップは、圧力供給源に関連付けられるバルブをモニタリングするステップを含む。
【0131】
随意的に、モニタリングするステップは、圧力調整器と流体貯蔵部との間のガスラインの中に位置付けされているフィルターを横切る圧力差をモニタリングするステップを含む。
【0132】
随意的に、モニタリングするステップは、容積ポンプの動きをモニタリングするステップを含み、容積ポンプは、ガスに対する圧力が所定の閾を下回るときに、動くように構成されている。
【0133】
随意的に、方法は、容積ポンプが一定の期間にわたって動いていないことに応答して、所定の閾値を第2の所定の閾値まで上昇させるステップをさらに含むことが可能である。
【0134】
一層さらなる態様によれば、本発明は、第1のマイクロチャネルと第2のマイクロチャネルとの間の境界面領域に位置付けされている膜を備えるデバイスを有するマイクロ流体システムの中の泡の蓄積を阻止する方法を含む。膜の第1の側面は、機能流体を受け入れる第1のマイクロチャネルに面しており、それに付着された第1のタイプの細胞を有している。マイクロ流体システムは、デバイスの中の第1のマイクロチャネルにつながる流体抵抗要素を備える流体ラインを含む。方法は、
(v) ガスおよび機能流体を含有する流体貯蔵部の中のガスに圧力を印加することに応答して、流体抵抗要素を通して第1のマイクロチャネルの中へ機能流体を移動させるステップと、
(w) 流体貯蔵部の中のガスに対する圧力を定期的に増加させ、第1のマイクロチャネルおよび流体ラインを通して泡を前進させるステップと
を含む。
【0135】
随意的に、圧力は、圧力供給源に関連付けられているバルブを開けることによって、システムから泡を除去することが知られているレベルまで増加させられる。
【0136】
随意的に、定期的な圧力の増加は、毎分1サイクルで起こる。
【0137】
本発明の他の態様によれば、マイクロ流体システムは、
(x) 第1のマイクロチャネルを有するマイクロ流体デバイスと、
(y) 流体貯蔵部と、
(z) 第1のマイクロチャネルから流体貯蔵部へ、または、第1のマイクロチャネルへ、機能流体を送達するための流体ラインと、
(aa) 流体ラインの中の流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0138】
本発明のさらなる別の態様では、マイクロ流体システムは、
(bb) 第1のマイクロチャネルを有するマイクロ流体デバイスと、
(cc) 機能流体および加圧ガスを有する流体貯蔵部と、
(dd) 流体貯蔵部に連通し、加圧ガスの所望の圧力を維持するポンプと、
(ee) 流体貯蔵部と第1のマイクロチャネルとの間の流体経路の中に位置付けされている流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0139】
本発明の一層さらなる態様によれば、流体システムは、
(ff) 機能流体を受け入れるための第1のチャネルを有するデバイスと、
(gg) 機能流体を保持するための入力流体貯蔵部と、
(hh) 機能流体がデバイスを通過した後に機能流体を保持するための出力流体貯蔵部と、
(ii) 入力流体貯蔵部から出力流体貯蔵部へ機能流体を送達するための流体ラインであって、デバイスは、流体ラインに連結されている、流体ラインと、
(jj) 流体ラインの中の流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0140】
本発明のいくつかの他の構成によれば、流体システムは、
(kk) 機能流体を受け入れるための第1のチャネルを有するデバイスと、
(ll) 機能流体および加圧ガスを保持するための流体貯蔵部と、
(mm) 流体貯蔵部およびデバイスを連結する流体ラインと、
(nn) 流体貯蔵部に連通しており、加圧ガスの所望の圧力を維持し、デバイスを通して機能流体を移送するようになっているポンプと、
(oo) 流体ラインの中の流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0141】
一層さらなる態様によれば、本発明は、マイクロ流体システムの中の閉塞の形成を阻止するための方法であって、
(pp) 第1の時間期間にわたって第1の流量でマイクロ流体システムを通して機能流体を流すステップであって、望ましくない泡の凝集が、第1の時間期間の間に、マイクロ流体システムの中の第1の位置に形成する、ステップと、
(qq) 第1の時間期間が終了することに応答して、機能流体の流量を第2の時間期間にわたって第2の流量まで増加させ、望ましくない泡の少なくとも一部分が第1の位置から第2の位置に向けて移動することを引き起こすステップと、
(rr) 流す行為および増加させる行為を繰り返し、マイクロ流体システムの中に定期的なバブルフラッシングを引き起こすステップと
を含む。
【0142】
随意的に、方法は、
(ss) マイクロ流体システムの性質を測定するステップと、
(tt) 測定するステップに応答して、繰り返すステップの間に、第1の時間期間および第2の時間期間のうちの少なくとも1つを調節するステップと
をさらに含むことが可能である。
【0143】
随意的に、調節された第1の時間期間は、初期の第1の時間期間よりも長い。
【0144】
随意的に、増加させるステップは、機能流体に直接的に連通しているポンプによって引き起こされる。
【0145】
随意的に、方法は、
(uu) マイクロ流体システムの性質を測定するステップと、
(vv) 測定するステップに応答して、繰り返すステップの間に第2の流量を調節するステップと
をさらに含むことが可能である。
【0146】
随意的に、調節された第2の流量は、初期の第2の流量よりも大きい。
【0147】
随意的に、方法は、
(ww) 第1の時間期間の間に、マイクロ流体システムの性質を測定するステップと、
(xx) トリガー条件の発生のために、マイクロ流体システムの性質を分析するステップと、
(yy) トリガー条件に応答して、機能流体が第3の流量でマイクロ流体システムを通って流れることを引き起こすステップと、
(zz) トリガー条件に応答した後に、マイクロ流体システムを通る機能流体の流れを第1の流量に戻すステップと
をさらに含むことが可能である。
【0148】
随意的に、機能流体が第3の流量でマイクロ流体システムを通って流れることを引き起こす行為、および、機能流体を第1の流量に戻す行為は、第1の時間期間の終了に影響を及ぼさない。
【0149】
随意的に、第3の流量は、第2の流量に等しい。
【0150】
随意的に、トリガー条件は、泡の検出である。
【0151】
随意的に、第1の位置における望ましくない泡の凝集が、少なくとも1つの細胞に当接する。
【0152】
本発明のさらなる別の態様によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(aaa) 表面を含むマイクロチャネルを有するマイクロ流体デバイスであって、細胞が、その表面に付着されている、マイクロ流体デバイスと、
(bbb) マイクロ流体デバイスの第1のマイクロチャネルを含む流体経路に沿って、機能流体が流れることを引き起こすように構成されている圧力供給源と、
(ccc) 圧力供給源に連結されているコントローラーであって、圧力供給源が通常動作モードおよびフラッシングモードで動作可能であるということを引き起こし、通常動作モードは、機能流体がマイクロチャネルの中の細胞を第1の流量で通過して流れることを含み、フラッシングモードは、機能流体がマイクロチャネルの中の細胞を第2の流量で通過して流れることを含み、第2の流量は、第1の流量よりも高く、望ましくない泡の凝集を、流体経路の中の第1の位置から、流体経路に沿った第2の位置に向けて移動させ、コントローラーは、所定の条件に応答して、フラッシングモードに切り替える、コントローラーと
を含む。
【0153】
随意的に、所定の条件は、所定の時間の間隔である。
【0154】
随意的に、システムまたはデバイスは、システムの性質を測定するためのセンサーをさらに含むことが可能であり、所定の時間の間隔は、測定される性質に応答して調節される。
【0155】
随意的に、システムまたはデバイスは、システムの性質を測定するためのセンサーをさらに含むことが可能である。
【0156】
随意的に、所定の条件は、トリガーイベントを検出するセンサーに応答する。
【0157】
随意的に、トリガーイベントは、望ましくない泡の凝集が所定の閾値に到達することを感知している。
【0158】
随意的に、第2の流量は、測定された性質に応答して調節される。
【0159】
随意的に、圧力供給源は、機能流体に直接的に連通するポンプである。
【0160】
随意的に、ポンプは、容積ポンプである。
【0161】
随意的に、第1の位置における望ましくない泡の凝集が、少なくとも1つの細胞に当接する。
【0162】
別の態様によれば、本発明は、生きている細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするための方法であって、
(ddd) 通常動作モードの間に、既知の流体流れ条件で、マイクロ流体デバイスのマイクロチャネルを含む流体経路に沿って、機能流体を流すステップであって、マイクロチャネルは、その中に配設されている細胞を有している、ステップと、
(eee) 通常動作モードの間に定期的に、一定の時間期間にわたって、フラッシング流量で流体経路を自動的にフラッシングし、望ましくない凝集の少なくとも一部分を流体経路から除去するステップと
を含む。
【0163】
随意的に、定期的ということは、一貫した間隔を置いて配置された時間間隔で、自動的にフラッシングすることである。
【0164】
随意的に、方法は、少なくとも7日間にわたり実施される。
【0165】
随意的に、自動的なフラッシングは、望ましくない凝集に起因する細胞の死を阻止する。
【0166】
随意的に、望ましくない凝集は、気泡の蓄積である。
【0167】
随意的に、フラッシング流量は、通常動作モードに関連付けられる第1の流量よりも高い。
【0168】
随意的に、望ましくない凝集は、通常動作モードにおいて機能流体が連続的に流れる状態では、閉塞を形成しないこととなる。
【0169】
随意的に、方法は、
(fff) 流体経路に沿って泡の存在を検出するステップと、
(ggg) 検出に応答して、および、自動的なフラッシングから独立して、第2のフラッシング流量で流体経路をフラッシングするステップと
をさらに含むことが可能である。
【0170】
随意的に、第2のフラッシング流量は、フラッシング流量とは異なる。
【0171】
随意的に、自動的なフラッシングは、機能流体に直接的に連通するポンプによって引き起こされる。
【0172】
随意的に、自動的なフラッシングは、流体貯蔵部を保持する流体貯蔵部の高さを上昇させることによって引き起こされる。
【0173】
随意的に、自動的なフラッシングは、流体経路の中のバルブを変更することによって引き起こされる。
【0174】
本発明のいくつかの他の態様によれば、細胞に関連付けられる生物学的機能をモニタリングするためのシステムは、
(hhh) マイクロチャネルを有するマイクロ流体デバイスと、
(iii) 流体貯蔵部からマイクロチャネルへ、または、マイクロチャネルから、機能流体を送達するための流体ラインと、
(jjj) 流体ラインに連結されている流体抵抗要素であって、第1の流体抵抗を有しており、第1の流体抵抗は、第1のマイクロチャネルに関連付けられる第2の流体抵抗よりもかなり大きい、流体抵抗要素と
を含む。
【0175】
随意的に、流体貯蔵部は、機能流体および加圧ガスを含む。加圧ガスは、流体ラインおよび流体抵抗要素を通るように機能流体の流れを押す。
【0176】
随意的に、流体抵抗要素は、細長い流体経路を有するチップを含む。第1の流体抵抗は、細長い流体経路によって生成されている。
【0177】
随意的に、流体抵抗要素は、細長い流体経路を有する細長い毛細管を含む。第1の流体抵抗は、細長い流体経路によって生成されている。
【0178】
随意的に、毛細管は、流体抵抗要素の筐体の中に複数の巻き線を経る。
【0179】
随意的に、システムまたはデバイスは、流体貯蔵部の中のガスに圧力を印加し、それによって、加圧ガスを生成させるポンプ機構をさらに含むことが可能である。
【0180】
随意的に、ガスは、機能流体に実質的に不溶性である。
【0181】
随意的に、ガスは、ガスの混合物である。混合物は、機能流体に実質的に不溶性のガスを含む。
【0182】
随意的に、第1の流体抵抗は、第2の流体抵抗よりも少なくとも約100倍大きい。
【0183】
随意的に、流体貯蔵部は、細長い流体経路を含み、細長い流体経路は、機能流体をその中に貯蔵するように構成されている。
【0184】
本発明は、1つ以上の特定の実施形態または構成を参照して説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく多くの変形が行われ得るということを、当業者は認識することとなる。これらの実施形態または構成のそれぞれ、および、その明らかな変形例は、本発明の精神および範囲の中に入るものとして企図されている。また、本発明の態様による追加的な実施形態は、本明細書で説明されている実施形態または構成のいずれかからの任意の数の特徴を組み合わせることが可能であるということが企図される。