特許第6931441号(P6931441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931441
(24)【登録日】2021年8月18日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】トレーラーハウス
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/335 20060101AFI20210826BHJP
   B62D 21/20 20060101ALI20210826BHJP
   B62D 21/09 20060101ALI20210826BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20210826BHJP
【FI】
   B60P3/335
   B62D21/20
   B62D21/09 C
   E04B1/343 Q
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-190069(P2018-190069)
(22)【出願日】2018年10月5日
(65)【公開番号】特開2020-59321(P2020-59321A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】518356350
【氏名又は名称】株式会社パークホームズ
(74)【代理人】
【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
(74)【代理人】
【識別番号】100136928
【弁理士】
【氏名又は名称】高宮 章
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌弘
【審査官】 久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−076732(JP,A)
【文献】 実開平06−022406(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3196708(JP,U)
【文献】 韓国登録特許第10−1340483(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/335
B62D 21/00
E04B 1/343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車両によって牽引移動可能なトレーラーハウスであり、
居住空間を有するコンテナ型のハウス本体と、
ハウス本体の下方側に取付けられる走行用のタイヤと、
ハウス本体の走行方向の前端側に取付けられ、牽引車両の牽引部に連結するための連結部材と、を備え、
ハウス本体の下面側には、一体的にベースフレームが固定され、
タイヤをハウス本体のベースフレームに対して着脱可能に取り付けるタイヤ着脱手段と、
連結部材をハウス本体のベースフレームに対して着脱可能に取り付ける連結部材着脱手段と、を有し、
ベースフレームは、ハウス本体の下面側の左右両側に沿って対向配置された1対のサイドフレームと、
サイドフレームどうしの間であって、互いに前後方向に離隔して左右方向に架設された複数の横フレームと、
横フレームどうしの対向内側であって、互いに左右方向に離隔して前後方向に向けて架設された複数の縦フレームと、を備え、
タイヤ着脱手段は、タイヤの回転軸を支持する軸支装置であって、横フレーム又は縦フレームに対して着脱可能に装着される軸支装置を含み、
少なくとも横フレームと縦フレームとの連結交差部分に、軸支装置が着脱可能に取り付けられる取付部が設けられたことを特徴とするトレーラーハウス。
【請求項2】
サイドフレームは、対向内側に向けて互いに突出するフランジ部を有しており、
横フレームの左右両端は、サイドフレームの該フランジ部上に載置された状態で一体的に固定されたことを特徴とする請求項記載のトレーラーハウス。
【請求項3】
ベースフレームは、ハウス本体の下面側の前端に沿って配置されるフロントフレームを有し、
連結部材着脱手段は、連結部材の一部をフロントフレームとサイドフレームに当着した状態で締結手段により着脱可能に固定することを特徴とする請求項1又は2に記載のトレーラーハウス。
【請求項4】
ベースフレームは、サイドフレームどうしの間であって、フロントフレームに離隔して左右方向に架設された補強フレームを含み、
連結部材着脱手段は、連結部材を補強フレームに対して着脱可能に取り付けることを特徴とする請求項記載のトレーラーハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陸上輸送、海上輸送を問わず運搬に便利なトレーラーハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
トレーラーハウスは、一般の戸建て住宅と比較して価格が安く、牽引車両によって簡易に移動可能であり、さらに、一定条件下では、設置条件が家屋コンテナハウス等の一般的な建築物に比較して緩和される上、税金面でも有利になる場合があることから、近時では、住居や店舗、事務所として利用されたり、宿泊施設として利用されたり、大地震や水害等の自然災害後にもスピーディに設置して被災者の居住空間を確保するのに利用されたり等、活用場面も広く、需要も高くなっている。また、上記のようにコンテナハウスと比べてもトレーラーハウスの方が有利な点があることから、既存のコンテナハウスを、特許文献1のような車輪付きのシャーシを備えた積載可能な被牽引車両に積載して、トレーラーハウスとして使用する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5918789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような被牽引車両にコンテナハウスを載せてトレーラーハウスとして利用する場合では、該被牽引車両を多数の金属フレームを組み付けてコンテナハウスを載せるためのシャーシを製造する必要があるため、構造が大きく、部材点数が多くて複雑化し、製作費用が高くなる問題があった。さらに、例えば、多数のトレーラーハウスを海上輸送する場合には、大型の被牽引車両部分が場所をとり、運搬効率が悪いものであった。また、車輪が取り付けられたシャーシの上にコンテナハウスが積載されるので、従来のトレーラーハウスよりも重心が高くなって不安定となるとともに、利用者が出入りする際の高低差が大きくなり、使い勝手に劣るおそれがあった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、牽引車両に陸上を走行移動できるとともに、必要に応じてタイヤ、連結部材を取り外して海上輸送等も効率良く行えるうえ、使い勝手が良いトレーラーハウスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、牽引車両によって牽引移動可能なトレーラーハウスであり、居住空間を有するコンテナ型のハウス本体12と、ハウス本体12の下方側に取付けられる走行用のタイヤ14と、ハウス本体12の走行方向の前端側に取付けられ、牽引車両の牽引部に連結するための連結部材16と、を備え、ハウス本体12の下面側には、一体的にベースフレーム18が固定され、タイヤ14をハウス本体12のベースフレーム18に対して着脱可能に取り付けるタイヤ着脱手段20と、連結部材16をハウス本体12のベースフレーム18に対して着脱可能に取り付ける連結部材着脱手段22と、を有し、ベースフレーム18は、ハウス本体12の下面側の左右両側に沿って対向配置された1対のサイドフレーム24と、サイドフレーム24どうしの間であって、互いに前後方向に離隔して左右方向に架設された複数の横フレーム30と、横フレーム30どうしの対向内側であって、互いに左右方向に離隔して前後方向に向けて架設された縦フレーム32と、を備え、タイヤ着脱手段20は、タイヤ14の回転軸38を支持する軸支装置40であって、横フレーム30又は縦フレーム32に対して着脱可能に装着される軸支装置40を含み、少なくとも横フレーム30と縦フレーム32との連結交差部分に、軸支装置40が着脱可能に取り付けられる取付部34が設けられたこととしてもよい。
【0007】
また、サイドフレーム24は、対向内側に向けて互いに突出するフランジ部24fを有しており、横フレーム30の左右両端は、サイドフレーム24の該フランジ部24f上に載置された状態で一体的に固定されたこととしてもよい。
【0008】
また、ベースフレーム18は、ハウス本体12の下面側の前端に沿って配置されるフロントフレーム26を有し、連結部材着脱手段22は、連結部材16の一部をフロントフレーム26とサイドフレーム24に当着した状態で締結手段により着脱可能に固定することとしてもよい。
【0009】
また、ベースフレーム18は、サイドフレーム24どうしの間であって、フロントフレーム26に離隔して左右方向に架設された補強フレーム36を含み、連結部材着脱手段22は、連結部材16を補強フレーム36に対して着脱可能に取り付けることとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のトレーラーハウスによれば、牽引車両によって牽引移動可能なトレーラーハウスであり、居住空間を有するコンテナ型のハウス本体と、ハウス本体の下方側に取付けられる走行用のタイヤと、ハウス本体の走行方向の前端側に取付けられ、牽引車両の牽引部に連結するための連結部材と、を備え、ハウス本体の下面側には、一体的にベースフレームが固定され、タイヤをハウス本体のベースフレームに対して着脱可能に取り付けるタイヤ着脱手段と、連結部材をハウス本体のベースフレームに対して着脱可能に取り付ける連結部材着脱手段と、を有することから、トレーラーハウスとして設置したり陸上輸送したりする際にはタイヤを取付けた状態とし、例えば、海上輸送する場合等必要に応じてタイヤ及び連結部材部分を取り外すことができ、タイヤと連結部材を着脱することができる。さらに取り外した連結部材及びタイヤも場所を取りにくいので、効率良く運搬することができる。すなわち、輸送状況や使用状況、保管状況等に応じてタイヤ、連結部材を着脱して変換できるので、実用性が高い。特に、例えば、海上コンテナ規格のコンテナを利用してハウス本体を形成すると、陸上の設置、輸送に加えて、海上輸送も効率良く行うことができる。また、タイヤが着脱できる構成でありながら、トレーラーハウスのハウス本体の高さが高くなりにくいように設計できるため、設置時の安定性や使い勝手も維持できる。
【0011】
また、ベースフレームは、ハウス本体の下面側の左右両側に沿って対向配置された1対のサイドフレームと、サイドフレームどうしの間であって、互いに前後方向に離隔して左右方向に架設された複数の横フレームと、横フレームどうしの対向内側であって、互いに左右方向に離隔して前後方向に向けて架設された縦フレームと、を備え、タイヤ着脱手段は、タイヤの回転軸を支持する軸支装置であって、横フレーム又は縦フレームに対して着脱可能に装着される軸支装置を含む構成とすることにより、比較的低コストでタイヤの着脱構成を具体的に実現できるとともに、タイヤを取付けた際の強度も高く保持でき、一定期間の設置状態及び公道を長距離走行する場合でも、十分に実用に耐えうる。
【0012】
サイドフレームは、対向内側に向けて互いに突出するフランジ部を有しており、横フレームの左右両端は、サイドフレームの該フランジ部上に載置された状態で一体的に固定された構成とすることにより、タイヤを取付けた際にかかる重力による荷重、公道を走行する際の負荷にも十分に耐えうるようにより高い強度のベースフレームを具体的に実現することができる。
【0013】
また、少なくとも横フレームと縦フレームとの連結交差部分に、軸支装置が着脱可能に取り付けられる取付部が設けられた構成することにより、タイヤを取り付けた状態でも高い強度を保持できる構造を具体的に実現できる。
【0014】
ベースフレームは、ハウス本体の下面側の前端に沿って配置されるフロントフレームを有し、連結部材着脱手段は、連結部材の一部をフロントフレームとサイドフレームに当着した状態で締結手段により着脱可能に固定する構成とすることにより、連結部材の着脱構成を簡単かつシンプルな構成で、低コストで実現することができる。
【0015】
また、ベースフレームは、サイドフレームどうしの間であって、フロントフレームに離隔して左右方向に架設された補強フレームを含み、連結部材着脱手段は、連結部材を補強フレームに対して着脱可能に取り付ける構成とすることにより、牽引車両との連結によって負荷がかかる連結部材及びその取付け構造を着脱構成であっても高い強度で保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の位置実施形態に係るトレーラーハウスの説明図である。
図2図1のトレーラーハウスの全体図及び要部拡大図である。
図3図2のトレーラーハウスの一部省略した底面拡大図である。
図4図3のトレーラーハウスのタイヤと連結部材を外した状態の説明図である。
図5図2のトレーラーハウスのA−A線断面の一部拡大図である。
図6】(a)図5のトレーラーハウスの一部拡大図、及び(b)タイヤを取り外した状態の説明図である。
図7図2のトレーラーハウスのA−A線断面の一部拡大図である。
図8】(a)図7のトレーラーハウスの一部拡大図及び(b)連結部材取り外した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下添付図面を参照しつつ本発明のトレーラーハウスの実施形態について説明する。本発明に係るトレーラーハウスは、牽引車両によって牽引移動可能なトレーラーハウスである。図1ないし図8は、本発明のトレーラーハウスの一実施形態を示している。図1図2図3に示すように、本実施形態では、トレーラーハウス10は、ハウス本体12と、タイヤ14と、連結部材16と、を備え、ハウス本体12にはベースフレーム18が固定されており、該ベースフレーム18に対してタイヤ14を着脱可能に取り付けるタイヤ着脱手段20と、該ベースフレーム18に対して着脱部材16を着脱可能に取り付ける着脱部材着脱手段22と、を有する。
【0018】
ハウス本体12は、内部に居住空間を有するトレーラーハウスのハウス本体である。図1図2に示すように、ハウス本体12は、例えば、一方に長い直方体状のコンテナ型の構造体からなる。ハウス本体12は、例えば、船舶等で貨物輸送に用いられる従来周知の海上コンテナを使用して設けられており、20フィート又は40フィートの長さの海上コンテナの規格で鋼鉄等の金属製コンテナを改造して形成されている。ハウス本体12の居住空間は、例えば、リビングやキッチン、寝室等を含む住居用の設備を設置し、壁面に出入り口のドアや窓等が形成されている。なお、ハウス本体12は、物販や飲食店等の店舗、オフィス、事務所、宿泊施設等に利用できる設備を設置してもよい。ハウス本体12の下面側には硬質の金属製フレームを組合せて設けられたベースフレーム18が一体的に固定されている。なお、本実施形態では、ハウス本体12の長手方向に沿って走行するようにタイヤ14が取り付けられており、長手方向すなわち走行方向に沿った方向を前後方向としている。
【0019】
図1図3図4に示すように、本実施形態では、ベースフレーム18は、直方体状のコンテナ型のハウス本体12の下面側に、ハウス本体12の左右両側に沿って対向配置された1対のサイドフレーム24と、ハウス本体12の前端辺に沿って配置されるフロントフレーム26と、ハウス本体12の後端辺に沿って配置されるフロントフレーム26と、を有しており、ハウス本体12の輪郭に沿って四角枠状に固定されている。これらのサイドフレーム24、フロントフレーム26、バックフレーム28は、例えば、H形鋼からなり、ウェブを鉛直状に立てて、フランジを略水平状にしてHを90度横に倒した状態で固定されている。よって、サイドフレーム24は、対向内側に向けて突出するフランジ部24fを有している。なお、サイドフレーム24、フロントフレーム26、バックフレーム28は、H形鋼に限らず、例えば、C形鋼、L形鋼、その他の鋼材等で形成されていてもよい。
【0020】
図4に示すように、ベースフレーム18は、1対のサイドフレーム24どうしの間であって、互いに前後方向に離隔して左右方向に架設された2本の横フレーム30と、それらの横フレーム30どうしの対向内側であって、互いに左右方向に離隔して前後方向に向けて架設された2本の縦フレーム32と、を備えている。横フレーム30と縦フレーム32は、例えば、ハウス本体12の下面側の前後方向の中央よりやや後方より位置に組み付けられている。後述のように横フレーム30と縦フレーム32部分にタイヤ14がタイヤ着脱手段20を介して取り付けられる。横フレーム30と縦フレーム32は、例えば、角鋼管からなり、互いに溶接等により組み付けられている。図5図6に示すように、特に、横フレーム30の左右両端は、H形鋼からなるサイドフレーム24の該フランジ部24f上に載置された状態で、溶接によってウェブとフランジとに一体的に固定される。横フレーム30と縦フレーム32の連結部分の下面側及び縦フレーム32の下面側には、後述のタイヤ14の軸支装置を着脱可能に取り付けるための取付部34となる複数の(図4上、8個の)金属製の固定板が所定間隔で溶接等により固定されている。さらに、図4に示すように、ベースフレーム18は、サイドフレーム24どうしの間であって、フロントフレームよりやや後方側に離隔して左右方向に架設された補強フレーム36を含む。図7図8に示すように、補強フレーム36は、例えば、角鋼管からなり、該補強フレーム36の左右両端は、横フレーム同様にH形鋼からなるサイドフレーム24の該フランジ部24f上に載置された状態で、溶接によってウェブとフランジとに一体的に固定される。ベースフレーム18は、横フレーム30、縦フレーム32、及びそれらの取付部34である固定板、補強フレーム36は、サイドフレーム24の下面よりも下方に突出されておらず、ハウス本体12を船舶上や地面上に置く際にも邪魔になることがなく安定して置くことができる。
【0021】
図2図3に示すように、タイヤ14は、ハウス本体12の下方側に取付けられる走行用のタイヤである。タイヤ14は、ハウス本体12の荷重を受けるとともに、道路等を走行できるように、例えば、従来周知のトレーラーハウスに使用されるものと大きさのタイヤが利用される。図1図5図6にも示すように、タイヤ14は、タイヤ着脱手段20を介してハウス本体12のベースフレーム24に対して着脱可能に取り付けられる。タイヤ14は、該タイヤ14の回転軸38を支持する軸支装置40を介して該ベースフレーム24に取付けられている。本実施形態では、例えば、左右のタイヤ14が車輪軸としての回転軸38を介して接続されたものが3組並設されている。それぞれの車輪軸38の左右両側にはそれぞれ軸支部材42が取り付けられており、左右両側の軸支部材42を介設して、走行時のアブソーバーとなる円弧状の板バネ44の中間部位に接続されている。3対6個数の板バネ44の両端部は、縦方向に延びた支持部材46の下端に揺動自在に接続され、支持部材46の上端がベースフレーム18に着脱可能に取り付けられる。該軸支装置40の支持部材46の上端には、例えば、金属製の平板からなる取付用板48が一体的に固定されており、取付用板48をベースフレーム18の取付部34にボルト及びナット等の締結手段49を介して固定することにより、タイヤ14が着脱可能に取り付けられる。すなわち、タイヤ着脱手段20は、横フレーム30又は縦フレーム32と、それらの横フレーム30又は縦フレーム32に対して着脱可能に装着される軸支装置40と、締結手段49と、を含む。なお、図上、50は、トレーラーハウスを任意の場所に設置する際に、安定に支持するためのジャッキである。ジャッキ50は、トレーラーハウス10を移動する際には、取り外される。
【0022】
図1図2図3に示すように、連結部材16は、ハウス本体12の走行方向の前端側(図上右側)に取付けられ、例えば、トレーラー等の牽引車両の牽引部に連結するための連結部を構成する。連結部材16は、連結部材着脱手段22を介して、ハウス本体12のベースフレーム18に対して着脱可能に取り付けられている。連結部材16は、例えば、H形鋼等の金属製フレームを略V字状に組み合わせて設けられたヒッチメンバ52と、ヒッチメンバ52のV字の先端部分にトレーラー等の牽引車両の牽引部に連結されるヒッチ部となる連結器54と、を含む。図7図8に示すように、連結部材16を着脱可能に連結する連結部材着脱手段22は、例えば、該連結部材16の略V字状に延びた部分の一部をベースフレーム18のフロントフレーム26とサイドフレーム24、並びに補強フレーム36の下面側に当着した状態で、ボルト及びナット等の締結手段により着脱可能に固定する。具体的には、H形鋼からなるフロントフレーム26とサイドフレーム24の下側のフランジの連結部材16が当着位置に、ボルト孔が穿孔され、連結部材16の取付部を構成している。補強フレーム36の下面には、金属製平板からなる固定板56が溶接等により固定されており、該固定板56が連結部材16の取付部となっている。連結部材16には、H形鋼のフランジのベースフレーム側のボルト孔に合わせた位置にボルト孔が穿孔されている。すなわち、連結部材着脱手段22は、フロントフレーム26又はサイドフレーム24と、補強フレーム36と、連結部材の一部と、を締結する締結手段58と、を含む。なお、ヒッチメンバ52の形状や連結器54等はハウス本体の大きさや牽引車両等に応じて任意に設計してもよい。
【0023】
次に本実施形態に係るトレーラーハウス10の作用について説明する。例えば、数多くのトレーラーハウス10を海上輸送する場合には、ハウス本体12からタイヤ14及び連結部材16を取り外した状態で、船舶に積載する。ハウス本体12は、例えば、海上コンテナ規格で形成されていると、船舶への積載を効率良く行える。また、取り外したタイヤ14及び連結部材16も場所を取りにくい。船舶が港に到着して、トレーラーハウス10を陸上の目的の設置場所に輸送する際には、例えば、コンテナ輸送用のトレーラーにハウス本体12を積載して移動して、現地に到着したらハウス本体12にタイヤ14と連結部材16を取付けるようにしてもよい。また、港において、ハウス本体12にタイヤ14と連結部材16を取付けて、牽引車両によって牽引して現地まで輸送することとしてもよい。トレーラーハウス10を目的地に設置したら、例えば、複数のジャッキ50によって支持して、ハウス本体12が水平な状態で安定的に設置する。また、トレーラーハウス10を所定期間設置した後に、移動する必要がある場合には、ジャッキ50を撤去して、連結部材16を介してトレーラー等の牽引車両によって牽引することで、搬送できる。上記同様に、海上輸送等の必要がある場合には、ハウス本体12からタイヤ14及び連結部材16を取り外した状態で、船舶に積載することができる。このようにハウス本体12に対してタイヤや連結部材を着脱できる構成であるので、陸上や海上等の輸送条件(輸送状況)に応じて、輸送効率、輸送コスト等が良い方法で輸送することができる。その結果、例えば多数のトレーラーハウスを一度に運搬する必要がある場合にも有利である。また、例えば、使用していない複数のトレーラーハウス10を保管管理する場合等でも、タイヤ及び連結部材を取り外した状態で、例えば、ハウス本体どうしを密着させたり積載したりして、効率良く保管や収容することができる。
【0024】
以上説明した本発明のトレーラーハウスは、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明のトレーラーハウスは、所定の場所で住居、店舗、事務所、宿泊施設等として利用することができるとともに、状況に応じてタイヤ、連結部材を着脱して、効率的に運搬することができる。
【符号の説明】
【0026】
10 トレーラーハウス
12 ハウス本体
14 タイヤ
16 連結部材
18 ベースフレーム
20 タイヤ着脱手段
22 連結部材着脱手段
24 サイドフレーム
26 フロントフレーム
30 横フレーム
32 縦フレーム
34 取付部
36 補強フレーム
38 回転軸
40 軸支装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8