(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931607
(24)【登録日】2021年8月18日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】内視鏡レーザー光フィルタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20210826BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20210826BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20210826BHJP
【FI】
A61B1/00 731
A61B1/00 621
G02B23/24 B
G02B7/00 G
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-518493(P2017-518493)
(86)(22)【出願日】2015年10月6日
(65)【公表番号】特表2017-531491(P2017-531491A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(86)【国際出願番号】US2015054192
(87)【国際公開番号】WO2016057483
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2018年7月26日
(31)【優先権主張番号】62/060,735
(32)【優先日】2014年10月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】サイトウ ネイサン
【審査官】
牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−137182(JP,A)
【文献】
特開2004−344230(JP,A)
【文献】
特開2007−037783(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0051036(US,A1)
【文献】
特開2002−102158(JP,A)
【文献】
特開2002−224028(JP,A)
【文献】
特開2003−084214(JP,A)
【文献】
中国実用新案第2885155(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー手術を行うために使用されるレーザープローブ用の内視鏡レーザー光フィルタアセンブリであって、
対向する第1及び第2の側を有するフィルタ支持体と、
前記フィルタ支持体から中心軸に沿って変位した、前記フィルタ支持体の第1の側の1又は2以上の周縁フランジと、
前記フィルタ支持体の前記第1の側から前記中心軸に沿って前記1又は2以上の周縁フランジまで延びるレンズ凹部と、
を含むベース部材と、
前記フィルタ支持体の第2の側に支持されたレーザー光フィルタであってレーザー光が、前記レーザープローブから前記レーザー光フィルタを通るように構成されている、レーザー光フィルタと、
前記フィルタ支持体の第2の側において前記ベース部材に取り付けられたカバー部材と、を備え、前記レーザー光フィルタは、前記ベース部材と前記カバー部材との間に挟持される、ことを特徴とするフィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記中心軸は、前記カバー部材のアパーチャ、前記フィルタ支持体のアパーチャ、前記レンズ凹部及び前記レーザー光フィルタを通って延びる、
請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記1又は2以上の周縁フランジは、前記中心軸に垂直な平面内に延びる、
請求項1又は2に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記レンズ凹部は、前記1又は2以上の周縁フランジから前記中心軸に沿って前記フィルタ支持体に延びる、前記ベース部材の少なくとも1つのレンズ凹部側壁によって定められる、
請求項1から3のいずれかに記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレンズ凹部側壁は、環状側壁を含む、
請求項4に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記レーザー光フィルタは、前記フィルタ支持体から前記中心軸に沿って延びる、前記ベース部材の少なくとも1つのフィルタ凹部側壁によって定められるフィルタ凹部内で前記フィルタ支持体に支持される、
請求項1から5のいずれかに記載のフィルタアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフィルタ凹部側壁は、環状側壁を含む、
請求項6に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項8】
前記カバー部材の少なくとも一部は、前記フィルタ凹部内に延びる、
請求項6又は7に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項9】
前記レーザー光フィルタは、532nm又は1064nmから成る群から選択された少なくとも1つの波長を有するレーザー光を遮断又は減衰するように構成される、
請求項1から8のいずれかに記載のフィルタアセンブリ。
【請求項10】
内視鏡の撮像チャネルの近位端に取り付けられるように構成された撮像アセンブリであって、
レーザー手術を行うために使用され、レーザー光を発するように構成されたレーザープローブと、
対向する第1及び第2の側を有するフィルタ支持体と、
前記フィルタ支持体から中心軸に沿って変位した、前記フィルタ支持体の第1の側の1又は2以上の周縁フランジと、
前記フィルタ支持体の第1の側から延びるレンズ凹部と、
を含むベース部材と、
前記フィルタ支持体の第2の側に支持されたレーザー光フィルタであって、前記レーザー光が前記レーザー光フィルタを通るようになっているレーザー光フィルタと、
を含むフィルタアセンブリと、
前記1又は2以上の周縁フランジを前記撮像チャネルの近位端に対して挟み付けて、前記フィルタアセンブリを前記撮像チャネルの近位端に固定するように構成された取り付け部材と、
前記フィルタ支持体の第2の側において前記ベース部材に取り付けられたカバー部材と、を備え、
前記レーザー光フィルタは、前記ベース部材と前記カバー部材との間に挟持される、ことを特徴とする撮像アセンブリ。
【請求項11】
前記レンズ凹部は、前記中心軸に沿って前記1又は2以上の周縁フランジに延び、
前記撮像アセンブリは、前記中心軸に沿って前記レンズ凹部内に突出するレンズを含む撮像ユニットを備える、
請求項10に記載の撮像アセンブリ。
【請求項12】
前記中心軸は、前記カバー部材のアパーチャ、前記フィルタ支持体のアパーチャ、前記レンズ凹部及び前記レーザー光フィルタを通って延びる、
請求項10に記載の撮像アセンブリ。
【請求項13】
前記レンズ凹部は、前記1又は2以上の周縁フランジから前記中心軸に沿って前記フィルタ支持体に延びる、前記ベース部材の少なくとも1つのレンズ凹部側壁によって定められる、
請求項10から12のいずれかに記載の撮像アセンブリ。
【請求項14】
前記レーザー光フィルタは、前記フィルタ支持体から前記中心軸に沿って延びる、前記ベース部材の少なくとも1つのフィルタ凹部側壁によって定められるフィルタ凹部内で前記フィルタ支持体に支持される、
請求項10から13のいずれかに記載の撮像アセンブリ。
【請求項15】
前記カバー部材の少なくとも一部は、前記フィルタ凹部内に延びる、
請求項14に記載の撮像アセンブリ。
【請求項16】
前記撮像ユニットは、前記レンズに隣接する画像センサを含む、
請求項11に記載の撮像アセンブリ。
【請求項17】
前記1又は2以上の周縁フランジは、前記中心軸に垂直な平面内に延びる、
請求項10から16のいずれかに記載の撮像アセンブリ。
【請求項18】
前記レーザー光フィルタは、532nm又は1064nmから成る群から選択された少なくとも1つの波長を有する前記レーザー光を遮断又は減衰するように構成される、
請求項10から17のいずれかに記載の撮像アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に内視鏡に関し、具体的には、レーザー手術中の撮像を改善するように内視鏡と共に使用するレーザー光フィルタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、体腔を観察するために体腔内に挿入できる遠位端を有する医療機器である。従来の内視鏡は、内視鏡の遠位端の位置を可視化するために使用できるカメラを含む。医師は、カメラが生成した画像を用いて遠位端を所望の治療部位に操作し、治療部位を可視化することができる。
【0003】
従来の内視鏡は、治療部位の医療手術を行うために器具を挿入できる1又は2以上のチャネルも含む。このような1つ器具に、治療部位において遠位端からレーザーエネルギーを放出することによってレーザー手術を行うために使用できるレーザープローブがある。レーザー手術は、例えば治療部位における組織の切除、焼灼、気化、凝固及び切断に使用することができる。
【0004】
内視鏡のカメラは、体腔内の治療部位で行われるレーザー手術を可視化するために使用されることが多い。通常は、臨床医による治療部位の観察能力を高めるために、内視鏡のカメラと組み合わせて、レーザー光の視認性を高めるように設計されたカメラフィルタが使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、一般に内視鏡を通じて伝わる光を撮像前にフィルタ処理するために内視鏡と共に使用するレーザー光フィルタアセンブリと、内視鏡の撮像チャネルの近位端に取り付けられるように構成された、レーザー光フィルタアセンブリを含む撮像アセンブリとに関する。内視鏡レーザー光フィルタアセンブリの1つの実施形態は、対向する第1及び第2の側を有するフィルタ支持体と、1又は2以上の周縁フランジと、レーザー光フィルタとを含む。1又は2以上の周縁フランジは、フィルタ支持体の第1の側に位置し、フィルタ支持体から中心軸に沿って変位する。レーザー光フィルタは、フィルタ支持体の第2の側に支持される。
【0006】
撮像アセンブリの1つの実施形態は、フィルタアセンブリと、取り付け部材とを含む。フィルタアセンブリは、対向する第1及び第2の側を有するフィルタ支持体と、1又は2以上の周縁フランジと、レーザー光フィルタとを含む。1又は2以上の周縁フランジは、フィルタ支持体の第1の側に位置し、フィルタ支持体から中心軸に沿って変位する。レーザー光フィルタは、フィルタ支持体の第2の側に支持される。取り付け部材は、1又は2以上の周縁フランジを撮像チャネルの近位端に対して挟み付けて、フィルタアセンブリを撮像チャネルの近位端に固定するように構成される。
【0007】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する概念を選択したものを単純な形で紹介するために示すものである。この概要は、特許請求する主題の重要な又は必須の特徴を識別するためのものでも、特許請求する主題の範囲を決定する支援として使用するためのものでもない。特許請求する主題は、背景技術に示した一部又は全部の不利点を解決する実装に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態による、内視鏡に取り付けた撮像アセンブリの簡略ブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による、内視鏡の撮像チャネルの遠位端に取り付けた撮像アセンブリの簡略垂直断面図である。
【
図3】本発明の実施形態による内視鏡レーザー光フィルタアセンブリの垂直断面図である。
【
図4】
図3の内視鏡レーザー光フィルタアセンブリの簡略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態をさらに完全に説明する。同一又は同様の参照文字を用いて識別する要素は、同一又は同様の要素を示す。しかしながら、本発明の様々な実施形態は多くの異なる形で具体化することができ、本明細書で説明する実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を徹底的かつ完全なものとし、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように示すものである。
【0010】
以下の説明では、実施形態を完全に理解できるように具体的な詳細を示す。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細を伴わずに実施形態を実施することもできると理解する。例えば、回路、システム、ネットワーク、処理、フレーム、支持体、コネクタ、モーター、プロセッサ及びその他のコンポーネントについては、実施形態を不必要に曖昧にしないように図示していないことも、或いはブロック図形式で示していることもある。
【0011】
本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使用する単数形の「1つの(英文不定冠詞)」及び「その(英文定冠詞)」は、その文脈で別途明確に示していない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、「備える、含む(comprises及び/又はcomprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、上述した特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を示すが、1又は2以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外するものではないと理解されるであろう。
【0012】
ある要素が別の要素に「接続(connected)」又は「結合(coupled)」されていると言う場合、この要素は別の要素に直接接続又は結合することも、或いは介在要素が存在することもあると理解されたい。一方で、ある要素が別の要素に「直接接続(directly connected)」又は「直接結合(directly coupled)」されていると言う場合、介在要素は存在しない。
【0013】
本明細書では、様々な要素を説明するために「第1の」、「第2の」などの用語を使用することがあるが、これらの要素をこれらの用語によって限定すべきではないと理解されるであろう。これらの用語は、要素を互いに区別するために使用するものにすぎない。従って、本発明の教示から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともできる。
【0014】
特に定めがない限り、本明細書で使用する(技術用語及び科学用語を含む)全ての用語は、本発明が属する技術の当業者が一般に理解している意味と同じ意味を有する。さらに、一般に使用される辞書で定義されるような用語については、関連技術の文脈におけるこれらの意味に従う意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明確に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味で解釈されるものではないと理解されるであろう。
【0015】
本発明の実施形態は、一般に内視鏡を通じて伝わる光を撮像前にフィルタ処理するために内視鏡と共に使用するレーザー光フィルタアセンブリと、内視鏡の撮像チャネルの近位端に取り付けられるように構成された、レーザー光フィルタアセンブリを含む撮像アセンブリとに関する。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリが、内視鏡のチャネルを通じて挿入されるレーザープローブを用いたレーザー手術の実行中に内視鏡と共に使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタアセンブリが、レーザーエネルギーの波長を遮断して、内視鏡の撮像チャネルを通じた良好なレーザー手術の撮像を容易にするように構成されたレーザー光フィルタを含む。
【0016】
図1は、本発明の実施形態による、内視鏡106の撮像チャネル104の近位端102に取り付けられた撮像アセンブリ100の簡略ブロック図である。いくつかの実施形態では、内視鏡106が、患者の所望の治療部位においてレーザー手術を行えるように内視鏡106の遠位端112にレーザープローブ110を案内するレーザープローブチャネル108を含む。いくつかの実施形態では、レーザープローブ110が、従来の技術を用いてレーザーエネルギー115を生成し、プローブ110を通じてレーザーエネルギー115を伝えるように構成されたレーザー光源114に結合される。レーザーエネルギー115は、治療部位においてレーザー手術を行うために、レーザープローブ110の遠位端116を通じて治療部位に放出される。例示的なレーザー手術としては、気化術、切断術、切除術、凝固術又はその他のレーザー手術が挙げられる。
【0017】
いくつかの実施形態では、レーザー光源114が、1又は2以上のレーザー手術を行うのに適した従来のレーザーエネルギーを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光源114が、行うべきレーザー手術のタイプに応じて、異なる波長を有するレーザーエネルギー115を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光源114が、気化術、切除術及び切断術において有用な約532nm(ナノメートル)の基本波長を有するレーザーエネルギー115を生成するように構成されたレーザー共振器又は他の好適なレーザー生成器を含む。いくつかの実施形態では、レーザーエネルギー115が、ほとんどの組織で強く吸収されずに組織内に深く進入して凝固術の効果を高める1,064nmの基本波長を有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、レーザー光源114がイットリウム・アルミニウム・ガーネット・クリスタルロッドを含み、YAGロッド内にネオジム原子が分散してNd:YAGレーザー素子又は利得媒体を形成する。他の従来のレーザー素子を用いて所望のレーザーエネルギー115を生成することもできる。
【0019】
内視鏡106の撮像チャネル104は、例えばレーザープローブ110を用いて行われる治療部位でのレーザー治療を含む、遠位端112における治療部位の撮像を容易にする。いくつかの実施形態では、撮像チャネル104が望遠鏡機器である。一般に、光118は、撮像チャネル104を通じて内視鏡の近位端102に伝わる。撮像アセンブリ100は、撮像チャネル104の近位端102に撮像ユニット120を支持し、撮像ユニット120が光118を処理して遠位端112で行われている治療の画像を生成できるようにするよう構成される。いくつかの実施形態では、撮像ユニット120が、従来の技術に従ってディスプレイ122上に画像を生成する。
【0020】
いくつかの実施形態では、撮像ユニット120が、画像センサ124と、画像センサ124上に光118の焦点を合わせるように構成されたレンズ126とを含む。画像センサ124は、電荷結合素子(CCD)又はその他の好適な画像センサなどの従来の画像センサとすることができる。画像センサ124からの出力信号を撮像ユニット120又は外部プロセッサが処理して、内視鏡106の遠位端112における治療部位の画像がディスプレイ122上に表示されるようにすることができる。
【0021】
内視鏡106の遠位端112におけるレーザー手術中には、レーザーエネルギー115の一部が光118として撮像チャネル104を通じて伝わり、治療部位及びレーザー手術の好適な画像を生成するセンサ124の能力に悪影響が及ぶことがある。いくつかの実施形態では、撮像ユニット120が、画像センサ124によって生成される画像に悪影響を及ぼす恐れがある光118の波長を、画像センサに光118が到達する前に遮断又は減衰するように構成されたレーザー光フィルタ132を有するレーザー光フィルタアセンブリ130を含む。この結果、画像センサ124による治療部位の撮像が改善される。
【0022】
いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタ132が、レーザーエネルギー115の波長に対応する波長を遮断又は減衰する一方で、光118の他の波長は画像センサ124に通過させるように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタ132が、レーザー光源114によって生成されるレーザーエネルギー115の532ナノメートル(nm)の波長、1064nmの波長、又はその他の波長を遮断するように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタ132が、レーザー光源114によって生成されるレーザーエネルギー115の波長の範囲外の電磁エネルギーも遮断する。
【0023】
いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタ132が、撮像チャネル104を通じて伝わる光118の所望の波長を遮断するように構成された従来のフィルタである。従って、レーザー光フィルタ132は、ガラスフィルタ又はその他の従来のフィルタとすることができる。
【0024】
以下、
図2〜
図4を参照しながら、撮像アセンブリ100及びレーザー光フィルタアセンブリ130の実施形態をさらに詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態による、内視鏡106の撮像チャネル104の近位端102に取り付けられた撮像アセンブリ100の簡略垂直断面図である。
図3は、本発明の実施形態によるレーザー光フィルタアセンブリ130の垂直断面図である。
図4は、
図3のレーザー光フィルタアセンブリ130の平面図である。
【0025】
一般に、内視鏡レーザー光フィルタアセンブリ130は、
図2に想像線で示すレンズ133を含むことができる撮像チャネル104の近位端102に取り付けられるレーザー光フィルタ132を支持するように構成される。これにより、フィルタ132は、光118を撮像ユニット120に到達する前にフィルタ処理することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ130が、
図3に示す中心軸142に対してフィルタ132を支持するように構成されたフィルタ支持体140を含む。いくつかの実施形態では、フィルタ支持体140が、実質的に中心軸142と垂直な平面内にフィルタ132を支持する1又は2以上のフランジ144と、アパーチャ146とを含む。いくつかの実施形態では、1又は2以上のフランジ144が、環状フランジ又は同等の構造を含む。いくつかの実施形態では、環状フランジ144が、
図3及び
図4に示す中心軸142と同心である。1又は2以上のフランジ144のための他の構造を使用することもできる。
【0027】
いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ130が、フィルタ132が支持されるフィルタ支持体140の側152とは反対側のフィルタ支持体140の側150に位置する1又は2以上の周縁フランジ148を含む。
図3に示すように、1又は2以上のフランジ148は、中心軸142に対して半径方向に広がり、実質的に中心軸142と垂直に配向される。いくつかの実施形態では、1又は2以上のフランジ148が、環状フランジ又は同等の構造を含む。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、環状の周縁フランジ148が中心軸142と実質的に同心である。1又は2以上のフランジ148のための他の構造を使用することもできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、1又は2以上のフランジ148が、中心軸142に沿ってフィルタ支持体140から変位する。いくつかの実施形態では、フランジ148が、中心軸142に沿って、例えば1mm、2mm、3mm、4mm又は5mmなどの1〜5ミリメートル(mm)の距離だけフィルタ支持体140から変位する。
【0029】
いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ130が、フィルタ支持体140の側150に位置するレンズ凹部154を含む。いくつかの実施形態では、レンズ凹部154が、
図2に示して
図3に概略的に示す撮像ユニット120のレンズ126を収容する。いくつかの実施形態では、レンズ凹部154が、フィルタ支持体140の側150に、中心軸142に垂直な平面内で広がる、アパーチャ146の直径よりも大きな直径を有する開口部をもたらす。いくつかの実施形態では、1又は2以上のフランジ148が、レンズ凹部154から中心軸142に対して半径方向に広がる。
【0030】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、フィルタアセンブリ130が、フィルタ支持体140と、1又は2以上のフランジ148とを含むベース部材156を含む。いくつかの実施形態では、レンズ凹部154が、周縁フランジ148から中心軸142に沿ってフィルタ支持体140に延びる、ベース部材156の少なくとも1つのレンズ凹部側壁158によって定められる。いくつかの実施形態では、
図3及び
図4に示すように、少なくとも1つのレンズ凹部側壁158が、円錐形又は円筒形のレンズ凹部154を形成する環状側壁である。
【0031】
いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタ132が、フィルタ凹部160内でフィルタ支持体140の側152に支持される。いくつかの実施形態では、フィルタ凹部160が、フィルタ支持体140から中心軸142に沿って延びる少なくとも1つのフィルタ凹部側壁162によって定められる。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、少なくとも1つのフィルタ凹部側壁162が、ベース部材156の一部である。いくつかの実施形態では、
図4で最も良く分かるように、少なくとも1つのフィルタ凹部側壁162が環状側壁を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、フィルタアセンブリ130が、フィルタ支持体140の側152においてベース部材156に取り付けられたカバー部材166を含む。いくつかの実施形態では、カバー部材166が、レーザー光フィルタ132をフィルタ凹部160内に固定する働きをする。いくつかの実施形態では、カバー部材166が、フィルタ132をフィルタ支持体140に対して挟み込む。いくつかの実施形態では、カバー部材166が、フィルタ132の周辺部をフィルタ支持体140に対して挟み付ける1又は2以上のフランジ168を含む。いくつかの実施形態では、1又は2以上のフランジ168が、
図3に示すような環状フランジ、又はその他の好適な構造を含む。いくつかの実施形態では、環状フランジ168が、中心軸142と実質的に同心である。
【0033】
いくつかの実施形態では、カバー部材166が、アパーチャ170を含む。いくつかの実施形態では、アパーチャ170が、中心軸142と同心である。
【0034】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、カバー部材166の一部172が、フィルタ凹部160内に延びる。或いは、部分172は、1又は2以上のフィルタ凹部側壁162の外周回りに延びるように構成することもできる。いくつかの実施形態では、部分172が、ベース部材156の1又は2以上の側壁162との間に締まり嵌めを形成してカバー部材166をベース部材156に固定する。或いは、カバー部材166は、接着、溶接又はその他の好適な締結技術を用いてベース部材156に固定することもできる。
【0035】
いくつかの実施形態では、ベース部材156及びカバー部材166が、同じ材料又は異なる材料で形成される。いくつかの実施形態では、ベース部材156及びカバー部材166がアルミニウムを含む。
【0036】
一般に、撮像アセンブリ100は、本明細書で説明する1又は2以上の実施形態に従って形成された内視鏡レーザー光フィルタアセンブリ130と、
図2に示すようにフィルタアセンブリ130を内視鏡106の撮像チャネル104の近位端102などに固定するように構成された取り付け部材180とを含む。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、1又は2以上のフランジ148が、撮像チャネル104のフランジ182と取り付け部材180の少なくとも1つの部分184との間に挟持される。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、取り付け部材180が、フィルタアセンブリ130の中心軸142が撮像チャネル104と実質的に同心になるようにフィルタアセンブリ130を内視鏡撮像チャネル104の近位端102に固定する。
【0037】
いくつかの実施形態では、取り付け部材180が、撮像チャネル104の近位端102を受け取る取り付けリングの形を取り、中心軸142を中心とした取り付けリング180の回転に応答して、1又は2以上の周縁フランジ148を撮像チャネル104の少なくとも1つのフランジ182又は内視鏡106の一部に対して挟み付ける。他のタイプの取り付け部材180を使用することもできる。
【0038】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、内視鏡106が、1又は2以上の周縁フランジ148のみにおいてレーザー光フィルタアセンブリ130に接触する。いくつかの実施形態では、この接触が、少なくとも1つのフランジ182のみによる。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、取り付け部材180が、1又は2以上の周縁フランジ148のみにおいてレーザー光フィルタアセンブリ130に接触する。いくつかの実施形態では、この接触が、少なくとも1つの部分184のみによる。
【0039】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、取り付け部材180が、撮像ユニット120のレンズ126を支持する。いくつかの実施形態では、
図2及び
図3に示すように、取り付け部材180が、レンズ126をレンズ凹部154内に突出するように支持する。従って、
図2及び
図3に示すように、レンズ126の一部は、中心軸142に対して垂直に広がる平面及び1又は2以上のフランジ148を通じて中心軸142に沿ってレンズ凹部154内に延びる。
【0040】
いくつかの実施形態では、取り付け機構180が、近位端188に、画像センサ124又は画像センサ124を含むカメラを接続するように構成されたコネクタ186を含む。いくつかの実施形態では、コネクタ186が、画像センサを中心軸142と一直線上に支持する。
【0041】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、内視鏡撮像チャネル104の近位端102に取り付け部材180を固定した時に、アパーチャ170、レーザーフィルタ132、アパーチャ146、周縁フランジ148、フィルタ支持体140、フィルタ凹部160、レンズ凹部154、撮像チャネル104及び/又はレンズ126が中心軸142と実質的に同心である。いくつかの実施形態では、中心軸142が、アパーチャ170、レーザーフィルタ132、フィルタ凹部160、レンズ凹部154及びレンズ126を通って延びる。この結果、いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ130が、撮像チャネル104を通じて伝わった光118がフィルタ支持体140の側152から中心軸142に沿ってフィルタ132を通ってフィルタ支持体140を越えてレンズ126を通って進むように支持される。
【0042】
アセンブリ130のレーザーフィルタ132を通じた光118の光路は、センサ124が光118に曝される前に、レーザーエネルギー115(
図1)に対応する波長などの光118の波長の一部を遮断又は減衰する。これにより、画像センサ124からの出力を用いて形成される画像に悪影響を及ぼす恐れのある光118の波長の大きさが少なくとも減少する。この結果、画像センサ142は、レーザー手術中に、レーザー光フィルタアセンブリ130及びレーザー光フィルタ132を使用せずに得られる品質よりも高品質な画像を生成することができる。
【0043】
上述の例では、画像センサ124を用いたレーザー手術又はその他の手術中に、レーザー光フィルタアセンブリ130を内視鏡106と共に使用して、内視鏡の撮像チャネル104を通じて伝わる光118をフィルタ処理して治療部位の撮像を改善する実施形態に焦点を当てた。他の実施形態では、内視鏡の撮像チャネル104の近位端102においてレーザー光フィルタアセンブリ130を支持する撮像アセンブリ100に焦点を当てた。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ130が、内視鏡106のチャネル108を通じて挿入されたレーザープローブ110を用いたレーザー手術の実行中に使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光フィルタアセンブリ130が、レーザープローブ110から放出されるレーザーエネルギー115の波長を遮断して、画像センサ124による内視鏡106の撮像チャネル104を通じた良好なレーザー手術の撮像を容易にするように構成されたレーザー光フィルタ132を含む。
【0044】
好ましい実施形態を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細を変更することもできると認識するであろう。