(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
評価項目に対する入力欄を含む人事評価表の様式を表す情報を取得し、データベースのテーブルに予め設けられるカラムと前記入力欄とを対応付け、対応関係を表す情報を記憶装置に記憶させる設定登録部と、
被評価者である複数の第1のユーザが入力する自己の評価に関する情報であって前記入力欄に対する記載事項を表す情報を取得し、前記対応関係を表す情報に基づいて、前記入力欄に対応付けられた前記カラムのフィールドに前記記載事項を表す情報を登録するデータ登録部と、
前記フィールドに登録された情報を読み出し、読み出した情報、又は当該読み出した情報を集計した情報を、評価者である第2のユーザの装置に出力する出力制御部と、
を備える人事評価支援装置であって、
前記データ登録部が取得する前記記載事項を表す情報は、前記第1のユーザ又は前記第2のユーザの装置が保持する表計算ソフトへ入力され、入力された情報は、ユーザの操作に応じて当該表計算ソフトが実行するスクリプトによって前記人事評価支援装置へ送信され、
前記出力制御部は、複数の前記第1のユーザの評価に関する情報を一覧表示する集計用一覧表を前記第2のユーザの装置に出力し、前記第1のユーザの評価に関する情報を前記表計算ソフトの所定の表示位置にマッピングして表示させ、
前記データ登録部は、前記第2のユーザが前記表計算ソフトの前記集計用一覧表に対して直接的に入力する複数の前記第1のユーザの評価を表す情報をまとめて取得し、前記記憶装置に登録する
人事評価支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態に係るシステム1は、人事評価支援サーバ2と、ユーザ端末3(
図1では3A〜3C)とを含み、これらの構成要件がインターネット等のネットワーク4を介して接続されている。ユーザ端末3は、例えばPC(Personal Computer)やスマートフォン等の一般的なコンピュー
タである。また、ユーザ端末3は、会社等の組織において人事評価の評価者又は被評価者となるユーザによって使用される。例えば、ユーザ端末3によって実行される表計算ソフト(スプレッドシートソフトウェア)によって読み書きされる電子ファイル(以下、単に「ファイル」とも呼ぶ)に対し、ユーザが評価に関する情報を入力し、入力された情報は例えば表計算ソフトが実行するスクリプトによって人事評価支援サーバ2へ送信される。
【0018】
人事評価支援サーバ2は、例えばクラウドサーバであり、所定のOS(Operating System)上で、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、及びDB(Database)サーバの機能が提供される。なお、人事評価支援サーバ2は、組織内のLAN(Local Area Network)内に設けられてもよい。人事評価支援サーバ2は、人事担当者やシステム担当者のような管理者であるユーザのユーザ端末3から、人事評価表(人事考課表)や集計用一覧表等の様式、その他設定に関する情報を取得し、DBに格納する。また、人事評価支援サーバ2は、被評価者又は評価者となるユーザのユーザ端末3から、ユーザの目標を表す情報、自己又は他者の評価を表す情報等を取得し、DBに格納する。また、人事評価支援サーバ2は、DBに格納された情報に基づいて、人事評価に関する情報の一覧や集計結果を作成し、例えば評価者であるユーザのユーザ端末3へ出力する。
【0019】
<装置の構成>
図2は、人事評価支援サーバ2及びユーザ端末3の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
<人事評価支援サーバ>
人事評価支援サーバ2は、通信I/F(Interface)21と、記憶装置22と、入出力
装置23と、プロセッサ24とを備え、これらの構成要素がバス25を介して接続されている。
【0021】
通信I/F21は、例えばネットワークカードや通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク4を介してユーザ端末3と通信を行う。
【0022】
記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置(一次記憶装置)及びHDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)である。主記憶装置は、プロセッサの作業領域を確保したり、プロセッサが読み出したプログラムや送受信される情報を一時的に記憶したりする。補助記憶装置は、プロセッサが実行するプログラムや、送受信される情報を記憶する。
【0023】
入出力装置23は、例えばキーボード、マウス等の入力装置や、モニタ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置といったユーザインターフェースである。
【0024】
プロセッサ24は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、ア
プリケーションを実行することにより本実施の形態に係る各処理を行う。
図2の例では、プロセッサ24内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ24は、設定管理部241、データ管理部242、及び出力制御部243として機能する。設定管理部241は、ユーザ端末3から受信する情報に基づいて、組織やユーザに関する設定情報を記憶装置22に登録したり変更したりする。設定情報は、例えば人事評価表や集計用一覧表の様式のような人事評価制度を表す情報や、組織に属するユーザについて、所属や職種、役職、等級、当該ユーザに関わる評価者及び被評価者を表すマスタデータ、保持する情報に対するアクセス権やセキュリティ要件を表す情報等を含むものであってもよい。データ管理部242は、ユーザ端末3から受信する情報に基づいて、ユーザの評価を表す情報を記憶装置22に登録したり変更したりする。出力制御部243は、記憶装置22が保持している情報を読み出し、例えば人事評価表や集計用一覧表としてユーザへ提示するためにユーザ端末3へ送信する。
【0025】
<ユーザ端末>
ユーザ端末3は、PC、スマートフォン、タブレット等の一般的なコンピュータである。ユーザ端末3は、通信I/F31と、記憶装置32と、入出力装置33と、プロセッサ34とを含み、これらの構成要件がバス35を介して接続されている。
【0026】
通信I/F31は、例えばネットワークカード又は通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、他のコンピュータと通信を行う。
【0027】
記憶装置32は、RAMやROM等の主記憶装置及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサが読み出したプログラムや人事評価に関する情報を一時的に記憶したり、プロセッサの作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサが実行するプログラムや人事評価に関する情報等を記憶する。
【0028】
入出力装置33は、例えばキーボード、マウス等の入力装置や、モニタ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置といったユーザインターフェースである。例えば、ユーザは、入出力装置33を介して人事評価支援サーバ2に対し自己又は他者の評価を表す情報を登録したり、人事評価支援サーバ2が保持している情報を表示したりする。
【0029】
プロセッサ34は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施の形態に係る各処理を行う。ユーザ端末3についても、プロセッサ34内に機能ブロックを示している。プロセッサ34は、設定登録部341、表示制御部342、及びデータ入力部343として機能する。設定登録部341は、入出力装置33に対するユーザの操作に応じて、上述した人事評価制度を表す情報や、マスタデータ、アクセス権やセキュリティ要件を表す情報等の設定情報の入力を受け、通信I/F31を介して人事評価支援サーバ2へ送信する。表示制御部342は、人事評価支援サーバ2から取得した所定の様式の人事評価表や集計用一覧表を、入出力装置33に表示させる。なお、人事評価表等には、ユーザ本人やその上司等の評価者による評価を表す情報が入力され、人事評価支援サーバ2に保持されている。これらの情報は、表示制御部342によって表示される人事評価表等にマッピングされ、ユーザに提示される。データ入力部343は、入出力装置33に対するユーザの操作に応じて、ユーザ本人の目標や評価を表す情報、ユーザが評価すべき他者の評価を表す情報等の入力を受け、通信I/F31を介して人事評価支援サーバ2へ送信する。なお、プロセッサ34は、人事評価支援サーバ2と協働して、これらの機能部を実現する。また、設定登録部341は、管理者であるユーザのユーザ端末3のみに設けられるものであってもよい。
【0030】
<様式登録処理>
図3は、人事評価表等の様式を登録する様式登録処理の一例を示す処理フロー図である。ユーザ端末3の設定登録部341は、入出力装置33を介してユーザの操作を受け付け、人事評価表、集計用一覧表等の様式を表すデータを作成する(
図3:S1)。本ステップでは、ユーザが、例えば一般的な表計算ソフトで読み書きできるファイル等、所定の形式で、書類のひな形となる様式を作成する。すなわち、ユーザは表計算ソフトで、被評価者及び評価者であるユーザが入力すべき欄を含む人事評価表を作成し、被評価者及び評価者が情報を記入すべき入力欄を指定する。
【0031】
図4は、業績評価シートの一例を示す図である。業績評価シートは、表計算ソフトで読み書き可能なファイルのシート(スプレッドシート)として提供される。また、業績評価シートは、ユーザが自己の目標(評価項目)とその評価を記入する人事評価表であり、例えば会社の従業者であるユーザごと且つ所定の期間ごとに1つのシートが作成される。
図4の例では、便宜上一部の項目にユーザの情報や目標、評価を表す情報等が入力されているが、
図3のS1においては業績評価シートのひな形となる様式が作成される。また、
図4の例では1つのシートを示しているが、入力する項目や操作に用いるボタンを複数に分けて、複数のシートとして提供されるようにしてもよい。
【0032】
図4の業績評価シートは、データを人事評価支援サーバ2に記憶させるための保存ボタン、面談日の表示欄、被評価者であるユーザに関する情報の表示欄、当該ユーザの目標及び評価の記入欄、賞与に関する情報の表示欄、異動希望の記入欄を含む。保存ボタンは、「一時保存」及び「確定保存」の2つのボタンを含み、例えば一時保存ボタンによりユーザが記入中の内容を人事評価支援サーバ2に一時的に保存させ、確定保存ボタンによりユーザが記入した内容を人事評価支援サーバ2に保存させるとともに自己の入力を終了させ、後続の評価者に対しデータの入力を可能にする。ユーザに関する情報は、被評価者であるユーザの氏名(
図4の例では「USER1」)、所属、職種、等級、役職、1次評価者であるユーザの名前(USER2)、2次評価者であるユーザの名前(USER3)、最終評価者であるユーザの名前(USER4)の各表示欄を含む。
図3のS1においては、これらの表示欄がシート上に配置されるとともに、各欄に表示すべき情報と、人事評価支援サーバ2が保持しているマスタデータとが対応付けられる。ユーザの目標及び評価の記入欄は、通し番号(No.)、目標、達成基準、ウェイト、難易度、振り返り、自己評価、1次上司コメント、1次評価、2次評価、2次総合の入力欄を含む。例えば目標欄に示された観点は
図3のS1において複数のユーザに共通してあらかじめ設定され、後のステ
ップにおいて各ユーザが達成基準欄に自己の目標を自由に入力するようにしてもよい。また、各目標欄は、行動評価に関する項目であるか、実績評価に関する項目であるかを識別可能に定められるようにしてもよい。例えば、評価項目には、行動評価に関する目標を入力すべき欄と、実績評価に関する目標を入力すべき欄とが予め定められていてもよい。
図3のS1においては、例えば、ユーザが属する組織の人事評価制度に応じて評価者の入力欄の数が設定され、各入力欄に対して、被評価者、1次評価者、2次評価者、最終評価者等のいずれがデータを入力できるのか定められる。また、例えばウェイトの欄には、被評価者であるユーザの職種や等級、役職といった人事上の立場に対応付けて、目標として挙げられた各観点の点数に乗じる重みを表す値が設定されるようにしてもよい。また、評価を表す点数にウェイトを乗じた値の総和に基づいて賞与欄の最終的な点数や評語が決定されるようにしてもよい。ウェイトの値は、例えばユーザの職種及び人事上の立場の少なくとも一方と対応付けて、上述した行動評価、実績評価といった評価項目の種別ごとに予め定められていてもよい。また、異動希望の欄には、例えば被評価者であるユーザや評価者である上司のユーザが自由に記述できる入力欄が設けられている。
【0033】
図5は、ウェイトマスタの一例を示す図である。ウェイトマスタは、ユーザの職種及び人事上の立場の少なくとも一方と対応付けて、行動評価及び実績評価を重視する比率を定めるテーブルである。
図5の表は、人事上の立場の一例である役職と対応付けて、評価項目に対する重みを表す値が登録されている。このような定義を、予め記憶装置22に記憶させておき、組織に属するユーザに一律に適用することができる。なお、人事上の立場は、組織内で定められるポストや等級等であってもよい。また、営業職や研究開発職、事務職といった職種ごとに異なるウェイトマスタが定義されるようにしてもよいし、1つのウェイトマスタにおいて役職に代えて職種に対応付けて評価項目に対する重みを表す値が登録されるようにしてもよい。例えば、上位の役職ほど行動評価よりも実績評価を重視するような重みが設定されるものとする。また、例えば、各評価を表す点数に、それぞれ対応するウェイトを乗じた値の総和を求め、賞与や昇給の基準として用いることができる。
【0034】
図6は、コンピテンシーシートの一例を示す図である。コンピテンシーシートも、表計算ソフトで読み書き可能なファイルのシートとして提供される。また、コンピテンシーシートは、ユーザに共通して適用される評価項目に対し各ユーザが評価を記入する人事評価表であり、例えば会社の従業員であるユーザごと且つ所定の期間ごとに1つのシートが作成される。
図6の例も、便宜上一部の項目にユーザの情報等が入力されているが、
図3のS1においては業績評価シートのひな形となる様式が作成される。また、
図6の例では1つのシートを示しているが、複数のシートとして提供されるようにしてもよいし、上述した業績評価シートと合わせて1つのシートが提供されるようにしてもよい。
【0035】
図6のコンピテンシーシートは、データを人事評価支援サーバ2に記憶させるための保存ボタン、被評価者であるユーザに関する情報の表示欄、予め定められた所定の観点に対する評価を表す情報の統計表示欄、評価をグラフ化したレーダーチャート、細分化された所定の観点に対する評価を表す情報の入力欄を含む。保存ボタン、ユーザに関する情報は、
図4に示した業績評価シートと同様である。所定の観点に対する評価の統計表示欄には、ユーザが入力した点数を例えば平均して表示する。レーダーチャートには、所定の観点について平均された値がグラフとして描画される。なお、平均の算出等の統計処理は、表計算ソフトが備える機能により行うことができる。また、細分化された所定の観点に対する評価を表す情報の入力欄は、通し番号(No.)、観点、項目、内容、自己評価コメント、自己評価(点数)、1次評価コメント、1次評価(点数)の入力欄を含む。観点、項目の各入力欄には、例えば組織が採用する人事評価制度や事業の範囲、ユーザの業務の範囲に応じて、
図3のS1において観点の数や内容が設定される。また、自己や評価者のコメント、点数の入力欄は、
図3のS1において欄の数やタイトルが設定され、後のステップにおいて各ユーザに内容を入力させる。また、各入力欄に対して、被評価者、1次評価
者等のいずれがデータを入力できるのか定められる。
【0036】
図7は、評価一覧シートの一例を示す図である。評価一覧シートも、表計算ソフトで読み書きするファイルのシートとして提供される。また、評価一覧シートは、評価者であるユーザが閲覧可能に設定され、被評価者であるユーザの一覧を表示する集計用一覧表である。また、評価一覧シートは、例えば会社の全社員について又は部署ごと且つ所定の期間ごとに1つのシートが作成される。
図7の例も、便宜上一部の項目にユーザの評価を表す情報が入力されているが、
図3のS1においては評価一覧シートのひな形となる様式が作成される。また、評価一覧シートにおいては、例えば既存の表計算ソフトの機能を利用して、評価作業の工程における段階を示すステータスや、被評価者の所属、評価者、職種、等級などに基づいて検索し、表示する被評価者を絞り込めるようにしてもよい。
【0037】
図7の評価一覧シートは、表計算ソフトに入力された情報を人事評価支援サーバ2に記憶させるための登録ボタン、点数の範囲に対する統計を表すテーブル、被評価者であるユーザの一覧を表すテーブルを含む。登録ボタンが押下されると、ユーザが記入又は変更した内容を人事評価支援サーバ2に保存させる。点数の範囲に対する統計を表すテーブルには、任意の評価項目について、点数の範囲と当該点数が付与された被評価者の人数、全体に占める当該範囲の点数が付与されたユーザの割合を表す分布率が算出され、表示される。なお、このような統計処理も、表計算ソフトが備える機能により実現することができる。被評価者であるユーザの一覧を表すテーブルには、ステータス、氏名、職種、等級、所属、1次評価者、2次評価者、並びに業績評価及びコンピテンシーに関する評価項目に対して付与された点数の各表示欄が設けられている。そして、1つのレコードに被評価者であるユーザの情報が1人分表示される。ステータスの表示欄には、当該レコードが示す被評価者の、評価の工程を表す情報が表示される。評価の工程を表す情報とは、例えば「自己評価中」、「1次評価中」、「2次評価中」、「最終評価中」のように、複数の被評価者であるユーザによって段階的に行われる評価作業の段階を表す情報をいうものとする。氏名、職種、等級、所属、1次評価者、2次評価者の各表示欄には、当該レコードが示す被評価者の情報が表示される。また、業績評価及びコンピテンシーに関する評価項目に対して付与された点数の各表示欄には、被評価者自身や評価者が付けた点数が表示される。また、評価一覧を閲覧する権限が与えられた評価者であるユーザは、評価一覧シートに対して点数の値を入力又は変更し、人事評価支援サーバ2が保持する情報を更新することができるものとする。例えば、1次評価者、2次評価者、最終評価者であるユーザには、それぞれ自己が評価すべき被評価者であるユーザが定められており、自身が評価すべき評価者の情報に対して閲覧権限や点数の修正権限が設定されるようにしてもよい。
【0038】
図3のS1においては、例えば、人事担当者やシステム担当者等の管理者であるユーザが、
図4〜
図7に例示したような人事評価のための情報入力に用いる様式を、表計算ソフトで作成する。すなわち、管理者であるユーザは、自己が所属する組織の人事評価制度に応じて入力項目の数や内容、評価作業の工程の数等を決定することができる。なお、表計算ソフトで読み書き可能なファイルは、管理者であるユーザがすべて作り上げるのでなく、ひな型が提供されるようにしてもよい。また、各シートに設けられる入力欄には、入力できる情報のデータ型や内容があらかじめ管理者であるユーザによって定められるようにしてもよい。例えば、点数の入力欄には、所定の範囲の数値の入力のみが許される。また、入力できる内容は、あらかじめ定められた選択肢の中から例えばプルダウン形式で選択できるようにしてもよい。
【0039】
そして、ユーザ端末3の設定登録部341は、通信I/F31を介して人事評価支援サーバ2に対し、S1で作成された様式データを送信する(
図3:S2)。本ステップでは、
図4〜
図7に例示したようなファイルが送信される。
【0040】
一方、人事評価支援サーバ2の設定管理部241は、通信I/F21を介してユーザ端末3から様式データを受信する(
図3:S3)。そして、設定管理部241は、様式データに設けられた情報の入力欄と、予め記憶装置22に記憶されている汎用的なデータベースのテーブルに予め設けられるカラムとを対応付け、対応関係を表す情報を記憶装置22に保持させる(
図3:S4)。
【0041】
図8は、人事評価支援サーバ2の記憶装置に記憶される汎用的なデータベースのテーブルの一例を示す図である。なお、本実施形態で示すテーブルのデータ構造は一例であり、適宜正規化又は非正規化して実装することができる。
図8のテーブルは、ユーザ、期間を登録するカラム(属性)、及び所望の情報を保持することができるカラムが複数設けられている。各カラムは、例えば文字列型で、人事評価表の入力に十分なデータサイズが確保されているものとする。
【0042】
図9は、人事評価支援サーバ2の記憶装置に記憶される汎用的なデータベースのテーブルのカラムと、様式データに設けられた情報の入力欄との対応付けを表すデータの一例を示す図である。
図9に示すテーブルは、データベース、様式の各カラムを有する。データベースのカラムには、
図8に例示した汎用的なデータベースのカラムの識別情報が登録されている。様式のカラムには、
図4〜
図7に例示した様式データの入力項目を示す情報が登録されている。様式データの入力項目を示す情報は、表計算ソフト上の行及び列で表される識別情報や、表計算ソフト上のセルに付されるラベル等の識別情報で表されるものであってもよい。
図9の例では、便宜上、シート及び入力項目の名称を示している。
【0043】
図3のS4においては、
図9に示したような対応関係を表す情報が記憶される。なお、人事評価支援サーバ2は、ユーザ端末3において表計算ソフトに入力される人事評価に関する情報を、当該情報が入力された入力欄の識別情報と共に受信した場合、データベースのテーブルのカラムと、様式データに設けられた情報の入力欄との対応付けを表すデータに基づいて、
図8に示したような汎用的なテーブルの対応するカラムに格納することができるようになる。以上で、
図3に示した様式登録処理を終了する。
【0044】
<人事評価支援処理>
図10は、人事評価支援処理の一例を示す図である。人事評価支援処理は、評価作業の核工程において、被評価者や評価者が操作するユーザ端末3から人事評価支援サーバ2へ情報の参照要求が送信されると開始されるものとする。
【0045】
ユーザ端末3の表示制御部342は、通信I/F31を介して人事評価支援サーバ2へ、人事評価に関する情報の参照を要求する(
図10:S11)。本ステップでは、被評価者であるユーザが、自己の目標や評価を入力するための情報を、例えば表計算ソフトのファイル等の形式でダウンロードするための要求が送信される。
【0046】
一方、人事評価支援サーバ2の出力制御部243は、通信I/F21を介してユーザ端末3から要求を受信する(
図10:S12)。そして、ユーザ端末3を使用するユーザにデータの閲覧権限があるか判断する(
図10:S13)。なお、所定の部署やグループ会社等、ユーザに対し定められる閲覧可能のある他のユーザの範囲をさらに用いて閲覧権限の有無を判断するようにしてもよい。また、要求時に認証処理を行うか否かの設定や、認証処理に利用できるパスワードの文字種及びデータ長を含むセキュリティ要件を別途定めるようにしてもよい。
【0047】
図11は、人事評価支援サーバ2の記憶装置22に予め格納されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図11に示すテーブルは、氏名、所属、職種、等級、役職、1次評価者、2次評価者、最終評価者、期間の各カラムを有する。氏名、所属、職種、等級、
役職の各カラムには、被評価者であるユーザの各情報が登録される。また、1次評価者、2次評価者、最終評価者の各カラムには、被評価者であるユーザを評価する、評価者であるユーザの識別情報が登録される。また、期間のカラムには、期間の始期及び終期を示す情報が登録される。所望の期間において、閲覧の要求元のユーザの本人であったり、当該ユーザが評価者である場合は、S13において当該ユーザの人事評価に関する情報の閲覧権限があると判断される。
【0048】
閲覧権限がないと判断された場合は、ユーザ端末3には人事評価に関する情報が送信されない(図示せず)。一方、閲覧権限があると判断された場合は、出力制御部243は、例えば要求に応じて、
図4〜
図7に示したような表計算ソフトのファイルを送信する(
図10:S14)。本ステップで送信されるファイルには、被評価者及び評価者を示す情報が所定の入力欄に入力され、送信される。また、ファイルを送受信する際に通信を暗号化するか否か、ファイルにパスワードを設定して圧縮するか否か、予め定めておくようにしてもよい。なお、ユーザ端末3が過去に人事評価表等をダウンロードしている場合は、例えば人事評価表等のファイルに付されたバージョン情報やタイムスタンプ等を基準に更新の有無を判断し、更新されている場合に、出力制御部243がファイルを送信するようにしてもよい。
【0049】
一方、ユーザ端末3の表示制御部342は、通信I/F31を介して人事評価支援サーバ2からファイルを受信する(
図10:S15)。そして、ユーザ端末3のデータ入力部343は、ユーザから情報の入力を受け付ける(
図10:S16)。本ステップでは、ユーザの目標や評価を表す情報が入力される。なお、本実施形態では表計算ソフトのファイルを利用するため、ユーザは入力中の情報を任意のタイミングで自己のユーザ端末3の記憶装置32に保存しておくことができる。
【0050】
また、データ入力部343は、ユーザの操作に応じて、ファイルの入力欄に入力された情報を通信I/F31を介して人事評価支援サーバ2へ送信する(
図10:S17)。本ステップでは、
図4、
図6の一時保存ボタン若しくは確定保存ボタン、又は
図7の登録ボタンが押下された場合、データ入力部343は、例えば被評価者であるユーザの識別情報、評価対象の期間、入力欄の識別情報と入力された情報との組み合わせを人事評価支援サーバ2へ送信する。
【0051】
一方、人事評価支援サーバ2のデータ管理部242は、通信I/F21を介してユーザ端末3から情報を受信する(
図10:S18)。そして、データ管理部242は、受信した情報を用いて記憶装置22の汎用的なテーブルを更新する(
図10:S19)。本ステップでは、データ管理部242は、記憶装置22に記憶されている、データベースのテーブルのカラムと、様式データに設けられた情報の入力欄との対応付けを表すデータに基づいて、受信した情報を汎用的なデータベースのテーブルのフィールドに格納する。なお、受信した情報は、被評価者であるユーザの識別情報及び評価対象の期間に対応付けて格納される。なお、本ステップでは、データ管理部242は、評価作業の工程における順序を表す情報に基づいて、先に評価するユーザが入力すべきフィールドに情報が入力されている場合、後に評価するユーザから情報の入力を受け付けるようにしてもよい。すなわち、前の工程において入力を行うべきユーザが
図4、
図6の確定保存ボタンを押下して情報を格納した場合、前のユーザの工程が完了し、
図11に示した1次評価者、2次評価者等、次の工程において入力を行うべきユーザが情報を入力できるようになる。
【0052】
このように、人事評価支援サーバ2は、ユーザ端末3において表計算ソフトに入力される人事評価に関する情報を、当該情報が入力された入力欄の識別情報と共に受信した場合、データベースのテーブルのカラムと、様式データに設けられた情報の入力欄との対応付けを表すデータに基づいて、
図8に示したような汎用的なテーブルの対応するカラムに格
納することができる。以上で、
図10に示した人事評価支援処理を終了する。
【0053】
<様式の変更>
図4〜
図7に示したような様式を、管理者であるユーザが変更する場合、
図3と同様の設定登録処理が行われる。すなわち、
図3のS1において変更後の様式を表す情報が、例えば表計算ソフトのファイルの形式で作成される。例えば、
図4に示した業務評価シートに入力すべき目標の数が増減されたり、
図6に示したコンピテンシーシートに予め設定される観点や項目が変更される。そして、
図4や
図6と整合するように、
図7に示した評価一覧シートにおいて一覧表示される評価項目の数や内容が変更される。
【0054】
そして、
図3のS4においては、変更後の入力欄と、汎用的なデータベースのテーブルのカラムとの対応付けがなされる。なお、
図9に示した対応付けを表す情報は、例えば期間を示す情報と対応付けて、様式が変更されるごとに作成される。このように、例えば新たな期間から人事評価制度が変更されるような場合、ユーザは人事評価システムを容易に変更することができる。
【0055】
また、
図10のS14においては、変更後の様式に従ったファイルが送信される。そして、被評価者又は評価者であるユーザは、変更後のファイルに対し、人事評価に関する情報を入力することができる。
【0056】
<効果>
本実施形態に係るシステムによれば、管理者であるユーザは所望の人事評価表を作成し、被評価者及び評価者であるユーザが入力すべき欄やその内容を指定することで、人事評価支援サーバ2は、データベースのテーブルに予め設けられるカラムと人事評価表の入力欄とを対応付ける。したがって、大掛かりなシステム開発を行うことなく、人事評価制度に応じた人事評価表を定義し、カラムと入力欄との対応付けに基づいて、入力される情報をデータベースのテーブルに記憶させることができる。また、カラムと入力欄との対応付けに基づいて、テーブルに記憶させた情報を、人事評価表や集計用一覧表にマッピングして表示させたり、集計して表示させることができる。なお、評価者は、複数の被評価者のレコードを一覧表示する集計用一覧表に対して、表計算ソフト上でまとめて評価を入力し、一度に登録することができるため、評価対象の人数が多い場合も入力作業が容易である。
【0057】
また、例えば
図11に示したように、被評価者と評価者との関係が期間に対応付けて記憶されているため、例えば部下のような自身が評価すべきユーザを所望の期間について適切に抽出し、ユーザに入力させることができるようになる。また、自己評価、1次評価、2次評価、・・・のような評価する順序を表す情報に基づいて、先に評価するユーザの入力が完了した場合に、後に評価するユーザからの入力を受け付けることで、業務のワークフローに沿ったシステムを実現できる。また、自己評価中、1次評価中、2次評価中、・・・のような評価作業の工程における段階を表すステータスを表示することで、処理の状況や、自身が処理すべき対象の被評価者をユーザが認識し易くなる。
【0058】
また、ユーザとのインターフェースに表計算ソフトのファイルを利用するため、ユーザは入力中の情報を任意のタイミングで自己のユーザ端末3に保存することができる。したがって、例えば、評価者であるユーザは、会議室や個室に移動してオフラインで評価を入力する作業を行い、自席に戻ってオンラインで評価を登録するような使い方もできる。このようにすれば、入力作業中に被評価者に内容を見られるようなことを避けられる。また、ウェブページに情報を入力する場合と異なり、入力作業中に通信のセッションがタイムアウトするようなこともない。
【0059】
<その他>
実施形態及び変形例の構成は例示であり、本発明は上述した構成に限定されない。また、実施形態及び変形例に示した構成は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。
【0060】
表計算ソフトのファイルに代えて、目標や評価を入力するためのウェブページを用いてユーザに評価等を入力させるようにしてもよい。
図12は、ウェブページを表示するユーザ端末3の一例を示す図である。
図12の例は、
図4に示した入力項目をスマートフォンやタブレット用の業績評価シート入力画面であり、ユーザ端末3にインターネットブラウザが搭載されていれば、表計算ソフトを有していなくても入力が可能になっている。ウェブページは、ユーザ端末3のインターネットブラウザで表示することができる。なお、ウェブページでなく、ユーザが評価等を入力するためのアプリケーションソフトウェアを提供するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、社員であるユーザには貸与されたPCから表計算ソフトを用いて人事評価に関する情報を入力させ、アルバイトやパートであるユーザには共有のPCや各自の携帯端末から人事評価に関する情報を入力させるような使い方ができる。
【0061】
本発明は上述の処理を実行するコンピュータプログラムを含む。さらに、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に属する。当該プログラムが記録された記録媒体については、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、上述の処理が可能となる。
【0062】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。