(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931972
(24)【登録日】2021年8月19日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】タービンシュラウド組立体
(51)【国際特許分類】
F01D 25/24 20060101AFI20210826BHJP
F01D 11/08 20060101ALI20210826BHJP
F16J 15/447 20060101ALI20210826BHJP
【FI】
F01D25/24 P
F01D11/08
F01D25/24 N
F16J15/447
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-1421(P2016-1421)
(22)【出願日】2016年1月7日
(65)【公開番号】特開2016-133117(P2016-133117A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2018年12月25日
(31)【優先権主張番号】14/597,772
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・トロイ・ハフナー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・ウッドロー・ロバーツ
(72)【発明者】
【氏名】ビクター・ジョン・モーガン
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0152777(US,A1)
【文献】
特開2009−052553(JP,A)
【文献】
特開2011−080468(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/099814(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/24
F01D 11/08
F16J 15/447
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシュラウド組立体(100)であって、当該タービンシュラウド組立体が、
環状に配列されてシュラウドセグメント(104)を形成する複数の弓状シュラウドブロック組立体(102、202、302、402、502)を備え、
前記複数の弓状シュラウドブロック組立体が、第1のシュラウドブロック組立体(102、202、402)を含んでいて、前記第1のシュラウドブロック組立体が、
弓状内面(110、412)及び半径方向側面(118、418)を画成する第1のシュラウドブロック(106、206、406)であって、該第1のシュラウドブロックの前記半径方向側面に画成されるシールスロット(122)を含む第1のシュラウドブロック(106、206、406)と、
前記第1のシュラウドブロックの前記弓状内面に結合された第1のシュラウドシール(108、208、408)と、
前記第1のシュラウドブロックに結合されたシール接合部材(128、228、428)と
を含んでおり、
前記シール接合部材(128、228、428)が、第1の半径方向側面(134、234、434)と、該シール接合部材の第1の半径方向側面に画成されたシールスロット(148、248、448)とを有していて、前記第1のシュラウドブロックのシールスロットと前記シール接合部材のシールスロットとが連続しており、前記シール接合部材の第1の半径方向側面が、前記第1のシュラウドブロックの半径方向側面と面一に隣接している、タービンシュラウド組立体(100)。
【請求項2】
前記シール接合部材がシール面(138、238、438)を含む、請求項1に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項3】
前記シール接合部材の前記シール面が、熱障壁コーティング又は耐摩耗性コーティングのうちの少なくとも一方で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項2に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項4】
前記シール接合部材が第1の材料から形成され、前記第1のシュラウドシールが、前記第1の材料とは異なる第2の材料から形成される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項5】
前記第1の材料が高温合金を含み、前記第2の材料がセラミックマトリクス複合材料を含む、請求項4に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項6】
前記複数の弓状シュラウドブロック組立体が、第2のシュラウドブロック組立体(102、302、502)をさらに含んでいて、前記第2のシュラウドブロック組立体が、
弓状内面(110、512)及び半径方向側面(118、318、520)を画成する第2のシュラウドブロック(106、306、506)であって、該第2のシュラウドブロックの前記半径方向側面に画成されるシールスロット(122)を含む第2のシュラウドブロック(106、306、506)と、
前記第2のシュラウドブロックの前記弓状内面に結合された第2のシュラウドシール(108、308、508)と、
前記第2のシュラウドブロックに結合されたシール接合部材(128、328、528)と
を含んでおり、
前記シール接合部材(128、328、528)が、第2の半径方向側面(134、334、534)と、該シール接合部材の第2の半径方向側面に画成されたシールスロット(148、348)とを有していて、前記第2のシュラウドブロックのシールスロットと前記シール接合部材のシールスロットとが連続しており、前記シール接合部材の第2の半径方向側面が、前記第2のシュラウドブロックの半径方向側面と面一に隣接している、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項7】
前記複数の弓状シュラウドブロック組立体が更に、前記第1のシュラウドブロック組立体(202)と前記第2のシュラウドブロック組立体(302)との間に配置される1又はそれ以上の第3のシュラウドブロック組立体を含む、請求項6に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項8】
前記第1のシュラウドブロック組立体(402)のシール接合部材の第1の半径方向側面と前記第2のシュラウドブロック組立体(502)のシール接合部材の第2の半径方向側面との間に画成される接合部(126)をさらに含む、請求項6に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項9】
前記接合部が、タービンの内側ケーシング(32)の水平接合部(50)と同一平面にある、請求項8に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項10】
前記第1のシュラウドブロック組立体が、前記タービンの内側ケーシング(32)の上側部分(46)に結合され、前記第2のシュラウドブロック組立体が、前記タービンの内側ケーシング(32)の下側部分(48)に結合されている、請求項8に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【請求項11】
前記第1及び第2のシュラウドブロックの半径方向側面間に延びるシール(66)を更に備える、請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載のタービンシュラウド組立体(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、ターボ機械用のタービンシュラウド組立体に関する。より詳細には、本発明は、シール接合部材を有するタービンシュラウド組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン又は蒸気タービンなどのターボ機械は、一般に、タービンと、タービンセクションを通って軸方向に延びるロータシャフトとを含む。特定の構成において、タービンは、ロータシャフトから半径方向外向きに延びる複数のタービンブレードを含む。内側ケーシング又はシェルは、タービンブレードを円周方向に囲み、タービンシュラウド組立体を含む。タービンシュラウド組立体は、一般に、内側ケーシングの内面に沿って環状に配列された複数のシュラウドブロックを含む。各シュラウドブロック組立体は、1又はそれ以上のシュラウドシールが結合されており、各シュラウドシールは、シール側部又はシール面を含む。半径方向ギャップは、タービンブレードの先端部分とシュラウドシールのシール面との間に定められる。半径方向ギャップは、タービンブレードの先端部分とシュラウドシールのシール面との間に定められる。
【0003】
通常、シールは、隣接するシュラウドブロックの半径方向側面間に形成される接合部内に設けられる。シールは、半径方向接合部を通る燃焼ガス、蒸気及び/又は冷却空気の漏洩を阻止及び/又は低減する。組立の際に、シールが固着及び/又は位置ずれ状態になる可能性がある。これが生じた場合には、隣接するシュラウドブロックのシュラウドシールは、意図せずに互いに荷重が加わる可能性がある。シュラウドシールがセラミック複合材料から形成されるような特定の事例によっては、この意図しない荷重は、シュラウドシールに対して望ましくない応力を生じさせる可能性がある。従って、改善されたタービンシュラウド組立体が有用となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,250,756号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様及び利点は、以下の説明において記載され、又は本説明から明らかになることができ、或いは、本発明を実施することによって理解することができる。
【0006】
本発明の1つの実施形態は、タービンシュラウド組立体である。タービンシュラウド組立体は、環状に配列されてシュラウドセグメントを形成する複数の弓状シュラウドブロック組立体を含む。複数のシュラウドブロック組立体は、半径方向側面を定める第1のシュラウドブロックを有する第1のシュラウドブロック組立体と、半径方向側面を定める第2のシュラウドブロックを有する第2のシュラウドブロック組立体とを含む。第1のシュラウドブロック組立体は更に、シール接合部材と、第1のシュラウドブロックに結合されて、シール接合部材の側部が第1のシュラウドブロックの半径方向側面に隣接するようになったシュラウドシールとを含む。第2のシュラウドブロック組立体は更に、シール接合部材と、第2のシュラウドブロックシールに結合されて接合部材の側部が第2のシュラウドブロックの半径方向側面に隣接するようになったシュラウドシールとを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、タービンシュラウド組立体である。タービンシュラウド組立体は、環状に配列されて連続シュラウドリングを形成する複数の弓状シュラウドブロック組立体を含む。複数のシュラウドブロック組立体は、第1の半径方向側面を定める第1のシュラウドブロックを有する第1のシュラウドブロック組立体と、第1のシュラウドブロック組立体に隣接した第2のシュラウドブロック組立体とを含む。第2のシュラウドブロック組立体は、第2のシュラウドブロックを含む。第2のシュラウドブロックは、第2の半径方向側面を定める。第1及び第2の半径方向側面の間に接合部が定められる。第1のシュラウドブロック組立体は更に、シール接合部材と、第1のシュラウドブロックの内面に結合されたシュラウドシールと、を含む。シール接合部材は、第1のシュラウドブロックの半径方向側面に隣接した側部を有する。第2のシュラウドブロック組立体が更に、シール接合部材と、第2のシュラウドブロックの内面に結合されたシュラウドシールと、を含む。シール接合部材はまた、第2のシュラウドブロックの半径方向側面に隣接した側部を有する。第1のシュラウドブロック組立体のシール接合部材の側部と第2のシュラウドブロック組立体のシール接合部材の側部が隣接している。
なお、本願において、環状に配列されるシュラウドブロック組立体を構成するシュラウドブロックに関して、「外面」とは半径方向外側の面をいい、「内面」とは半径方向内側の面をいう。
【0008】
当業者であれば、本明細書を精査するとこのような実施形態の特徴及び態様、並びにその他がより理解されるであろう。
【0009】
添付図面の参照を含む本明細書の残りの部分において、当業者に対してなしたその最良の形態を含む本発明の完全かつ有効な開示をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の種々の実施形態を組み込むことができる例示的なターボ機械、詳細にはガスタービンターボ機械の側断面図。
【
図2】本発明の種々の実施形態において組み込むことができるターボ機械の例示的な内側及び外側ケーシングの斜視図。
【
図3】本発明の1又はそれ以上の実施形態による、
図2に示す内側ケーシングの一部の斜視図。
【
図4】本発明の実施形態による、例示的なタービンシュラウド組立体の一部の前方斜視側面図。
【
図5】本発明の少なくとも1つの実施形態による、
図4に示したタービンシュラウド組立体の例示的なシュラウドブロックの斜視側面図。
【
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態による、
図5に示したタービンシュラウド組立体のシュラウドブロック組立体のシュラウドブロックの反対側の斜視側面図。
【
図7】種々の実施形態による例示的なシール接合部材の側面図。
【
図8】本発明の実施形態による、
図4に示すタービンシュラウド組立体の一部の前方斜視側面図。
【
図9】本発明の実施形態による、例示的なシュラウドブロック組立体の一部の斜視側面図。
【
図10】本発明の実施形態による、タービンシュラウド組立体の一部の簡易側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、その1つ又はそれ以上の実施例が添付図面に例示されている本発明の実施形態について詳細に説明する。詳細な説明では、図面中の特徴部を示すために参照符号及び文字表示を使用している。本発明の同様の又は類似の要素を示すために、図面及び説明において同様の又は類似の記号表示を使用している。本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために同義的に用いることができ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図したものではない。加えて、用語「上流側」及び「下流側」は、流体経路における構成要素の相対的位置を示している。例えば、流体が構成要素Aから構成要素Bに流れる場合、構成要素Aは、構成要素Bの上流側にある。逆に、構成要素Bが構成要素Aから流体を受け取る場合、構成要素Bは構成要素Aの下流側にある。
【0012】
各実施例は、本発明の限定ではなく、例証として提供される。実際に、本発明の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、修正形態及び変形形態を本発明において実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。従って、本発明は、そのような修正及び変形を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
【0013】
ここで図面を参照すると、
図1は、本発明の種々の実施形態を組み込むことができる例示的なターボ機械、詳細にはガスタービン10ターボ機械の側断面図を示している。図示のように、ガスタービン10は一般に、軸流圧縮機16の上流側端部に配置された入口14を有する圧縮機セクション12を含む。ガスタービン10は更に、圧縮機16から下流側に位置付けられた1又はそれ以上の燃焼器20を有する燃焼セクション18と、燃焼セクション18から下流側にあるタービンセクション22とを含む。ロータシャフト24は、ガスタービン10を通ってほぼ軸方向に延びる。タービンセクション22は一般に、シャフト24の軸方向中心線30に沿ってタービンセクション22内に位置付けられた固定ノズル26及びタービンロータブレード28の交互する段を含む。内側ケーシング又はシェル32は、固定ノズル26及びタービンロータブレード28の交互する段を円周方向に囲む。外側ケーシング又はシェル34は、内側ケーシング32を円周方向に囲む。
【0014】
図2は、内側及び外側ケーシング32、34の斜視図を示す。通常、
図3に示されるように、内側ケーシング32及び外側ケーシング34は、内側及び外側ケーシング32、34の共通の軸方向中心線42に平行に延びる水平面に沿って分けられる。外側ケーシング34は、上部(明確にするために取り外されている)と底部44とに分けられる。上部は、内側ケーシング32にアクセスするために、例えばクレーン又は他のリフト装置により底部から分離することができる。
【0015】
内側ケーシング32は通常、水平面40に沿って上側部分46と下側部分48とに分けられる。水平接合部50は、上側及び下側部分46、48の間に定められる。上側部分46は、組立及び/又は分解の際に内側ケーシング32の下側部分48にアクセスするために、クレーン又は他のリフト装置により下側部分48から分離され、及び/又は下側部分48の上に降ろすことができる。上側及び下側部分46、48は更に、複数の弓状セクションに分割することができる。例えば、
図2に示すように、上側部分46は、少なくとも2つの弓状セクション52、54に分離することができ、下側部分48は、少なくとも2つの弓状セクション56、58に分離することができる。
【0016】
図3は、1又はそれ以上の実施形態による、内側ケーシング32の一部の斜視図を示す。
図2及び3に示すように、内側ケーシング32の内面60は通常、チャンネル、スロットフック、又は他の結合もしくは装着特徴要素62を定め及び/又は含む。
図3に示すように、装着特徴要素62は、タービンシュラウド組立体のシュラウドブロック64を取り付けるのに用いることができる。
【0017】
図4は、本発明の実施形態による、例示的なタービンシュラウド組立体100の一部の前方斜視側面図を示す。1つの実施形態において、
図4に示すように、タービンシュラウド組立体100は、環状に配列されてシュラウドセグメント104を形成する複数の弓状シュラウドブロック組立体102を含む。タービンシュラウド組立体100は、単一のシュラウドセグメント104から、又は共に結合されて少なくとも部分的にシュラウドリングを形成する複数のシュラウドセグメント104から構成することができる。各シュラウドブロック組立体102は、シュラウドブロック106と、該シュラウドブロック106に結合及び/又は装着されるシュラウドシール108とを含む。
【0018】
図5は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、
図4に示したタービンシュラウド組立体100の例示的なシュラウドブロック106の斜視側面図を示す。
図6は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、
図5に示したタービンシュラウド組立体100のシュラウドブロック106の反対側の斜視側面図を示す。
図5及び6に示すように、シュラウドブロック106は一般に、弓状外面112から半径方向に離隔された弓状内面110を含む。外面112は、内側ケーシング32の内面60の装着特徴要素62に結合又は接続されるよう構成される。内面110は、シュラウドシール108(
図4)を受け入れ及び/又は接続されるように構成される。例えば、
図6に示すように、内面110は、弓状スロット又は溝114、116を含む及び/又は定めることができる。
【0019】
図5及び
図6に全体として示されるように、シュラウドブロック106はまた、円周方向に対向する半径方向側面118、120を含む及び/又は定める。半径方向側部又は面118、120は、ほぼ同じように構成することができる。例えば、1つの実施形態において、半径方向側面118、120のうちの少なくとも一方は、シールスロット122,124を含む及び/又は定める。半径方向側面118、120は、実質的に平坦とすることができる。
図4に示すように、接合部126は、隣接するシュラウドブロック106の半径方向側面118,120間に形成される。
【0020】
特定の実施形態において、
図5及び
図6に示すように、少なくとも1つのシュラウドブロック組立体102は、シール接合部材128を含む。シール接合部材128は、タービンシュラウド組立体100及び/又は内側ケーシング32の組立及び分解時にその場でシュラウドシール108を保持するのに用いることができる。
【0021】
図5及び
図6に示すように、例示的なシール接合部材128は、前縁部130、後縁部132、半径方向側部
(本願では「半径方向側面」ともいう。)134(
図5)、対向する半径方向側部136(
図6)、及びシール面138を含む。特定の実施形態において、
図4に示すように、半径方向側部134は、半径方向側面120に隣接し及び/又は一体となっている。
【0022】
1つの実施形態において、
図5に示すように、半径方向側部134は、半径方向側面118に隣接し及び/又は一体となっている。半径方向側部134は、対応する半径方向側面118と連続的、平坦、又は面一とすることができる。他の実施形態において、半径方向側部134は、外側半径方向側面118、120から外向きに延びることができる。1つの実施形態において、シール接合部材128は、第1の材料から形成され、シュラウドシール108は、第1の材料とは異なる第2の材料から形成される。例えば、1つの実施形態において、第1の材料は、高温合金を含み、第2の材料は、セラミックマトリクス複合材料を含む。特定の実施形態において、シール接合部材128は、シュラウドブロック106の一体形の構成要素又は特徴要素として形成又は鋳造することができる。
【0023】
図7は、種々の実施形態による、シール接合部材128の側面図を示す。特定の実施形態において、
図7に示すように、シール接合部材128は、該シール接合部材128をシュラウドブロック106に装着又は結合するための1又はそれ以上のスロット140を含むことができる。これに加えて、又は代替として、シール接合部材128は、該シール接合部材128をシュラウドブロック106に固定するピン又はファスナー孔142を含むことができる。
【0024】
特定の実施形態において、シール接合部材128のシール面138は、熱障壁コー
ティング及び/又は摩耗コーティングなどのコーティング144を含むことができる。コーティング144は、前縁130及び/又は後縁132全体に延在させることができる。1つの実施形態において、シール接合部材128は、タービンの作動中にシール接合部材128の冷却をもたらすことができる複数の孔又は通路146を含む。特定の実施形態において、
図5及び
図7に示すように、シール接合部材128の半径方向側部134は、少なくとも1つのシールスロット148を定める。シールスロット148は、シュラウドブロック106のシールスロット122,124と連続及び/又は整列することができる。
【0025】
タービンシュラウド組立体100は、シュラウドブロック組立体102を含み、該シュラウドブロック組立体102は、本明細書で既に説明され、
図4、5、6、及び7に例示されるように、シュラウドブロック106、接合部材128、シュラウドシール108、及び種々の他の構成要素及び特徴要素を含む。
図8は、
図4に示したタービンシュラウド組立体100の一部の前方斜視側面図を示し、
図9は、本発明の実施形態による、シュラウドブロック組立体の一部の斜視側面図を示す。
【0026】
1つの実施形態において、
図8に示すように、複数の弓状シュラウドブロック組立体102は、半径方向側面120を定めるシュラウドブロック106を有する第1のシュラウドブロック組立体202と、半径方向側面318(
図9)を定めるシュラウドブロック306を有する第2のシュラウドブロック組立体302とを含む。第1のシュラウドブロック組立体202は更に、シール接合部材228と、第1のシュラウドブロック206に結合されたシュラウドシール208とを備える。シール接合部材228の半径方向側部234は、第1のシュラウドブロック206の半径方向側面220に隣接している。第2のシュラウドブロック組立体302は更に、シール接合部材328と、第2のシュラウドブロック306に結合されたシュラウドシール308とを備える。
図9に示すように、シール接合部材328の半径方向側部334は、第2のシュラウドブロック306の半径方向側面318に実質的に隣接している。
【0027】
1つの実施形態において、
図8に示すように、シール接合部材228は、熱障壁コー
ティング又は耐摩耗性コーティングのうちの少なくとも一方でコーティングされたシール面238を含む。1つの実施形態において、
図8に示すように、シール接合部材328は、熱障壁コー
ティング又は耐摩耗性コーティングのうちの少なくとも一方でコーティングされたシール面338を含む。1つの実施形態において、シール接合部材228の半径方向側部234は、シールスロット224を定める。1つの実施形態において、シール接合部材228の半径方向側部234は、シールスロット248を定める。1つの実施形態において、第2のシュラウドブロック組立体のシール接合部材の半径方向側部334は、シールスロット348を定める。1つの実施形態において、シール接合部材228及びシール接合部材328は、第1の材料から形成され、シュラウドシール208及びシュラウドシール308は、第1の材料とは異なる第2の材料から形成される。1つの実施形態において、第1の材料は高温合金を含み、第2の材料はセラミックマトリクス複合材料を含む。1つの実施形態において、複数の弓状シュラウドブロック組立体102は更に、第1のシュラウドブロック組立体202と第2のシュラウドブロック組立体302との間に円周方向に配置される1又はそれ以上のシュラウドブロック組立体102を含む。
【0028】
図10は、本発明の実施形態による、タービンシュラウド組立体100の一部の簡易側断面図を示す。
図10に示すように、第1のシュラウドブロック組立体402は、第1の半径方向側面418を定める第1のシュラウドブロック406を含み、第2のシュラウドブロック組立体502は、第1のシュラウドブロック組立体402に隣接している。第2のシュラウドブロック組立体502は、第2の半径方向側面520を定める第2のシュラウドブロック506を含む。接合部426は、第1及び第2の半径方向側部418、520の間に定められる。第1のシュラウドブロック組立体402は更に、シール接合部材428と、第1のシュラウドブロック406に結合又は一体形成されたシュラウドシール408とを備える。シール接合部材428は、第1のシュラウドブロック406の半径方向側面418に隣接した半径方向側部434を有する。第2のシュラウドブロック組立体502は更に、シール接合部材528と、第2のシュラウドブロックの内面512に結合されたシュラウドシール508とを備える。シール接合部材528は、第2のシュラウドブロック506の半径方向側面520に隣接した側部534を有する。シール接合部材428の側部434とシール接合部材528の側部534は隣接し及び/又は円周方向に整列されている。
【0029】
1つの実施形態において、接合部426は、ターボ機械10の内側ケーシング32の水平接合部50と一致する。1つの実施形態において、第1のシュラウドブロック組立体402は、タービン内側ケーシング32の第1の弓状セクション52の内面60に結合され、第2のシュラウドブロック組立体502は、内側ケーシング32の第2の弓状セクション54の内面60に結合される。
【0030】
1つの実施形態において、シール接合部材428及び528のうちの少なくとも1つは、シール面438、538を含む。1つの実施形態において、シール面438及びシール面538のうちの少なくとも一方は、熱障壁コーティング又は耐摩耗性コーティングのうちの少なくとも一方で少なくとも部分的にコーティングされる。1つの実施形態において、シール接合部材428の側面434及びシール接合部材528の側面534のうちの少なくとも1つがシールスロット522を定める。1つの実施形態において、半径方向側面418及び半径方向側面
520の少なくとも1つがシールスロット448、548を定める。1つの実施形態において、シール66は、半径方向側面418と520との間を延びる。1つの実施形態において、シール接合部材428及びシール接合部材528は、金属から形成され、第1のシュラウドシール408及び/又は第2のシュラウドシールは、セラミックマトリクス複合材料から形成される。本明細書で上述され例示されるタービンシュラウド組立体100は、公知のタービンシュラウド組立体に優る様々な技術的利点をもたらす。例えば、シール接合部材128は、隣接するシュラウドシール間の望ましくない応力を低減することができる。これは、シュラウドシールの少なくとも1つがセラミックマトリクス複合材料から形成されている場合に特に有利である。加えて、シール接合部材128は、内側タービンケーシング32の組立及び分解時にその場でシュラウドシール108を保持するのに用いることができる。加えて、シール接合部材128は、異なるシュラウドシールタイプを互いに分離することにより、試験及び/又は検証時に複数のタイプのシュラウドシールを共通のタービンシュラウド組立体で用いることを可能にし、従って、新規すなわち開発中のシュラウドシールの可能性のある故障を非開発中のシュラウドシールと切り離すことができる。1又は複数の接合部材128は、1つのシュラウドセグメントにおける1つのシール構成又はシールタイプの適合を可能にし、別個の又は隣接するシュラウドセグメントにおける異なるシール構成又はシールタイプの適合を可能にすることができる。これに加えて、又は代替として、1又は複数の接合部材128は、接合部材にわたってインピンジメント後圧力及び/又は温度の分離を提供し、従って、冷却流が隣接するシュラウドセグメント間から漏洩又は放出されるのを防ぐための流れダム又は障壁部として機能することができる。
【0031】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、あらゆる当業者が、あらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0032】
10 ガスタービン
12 圧縮機セクション
14 入口
16 圧縮機
18 燃焼セクション
20 燃焼器
22 タービンセクション
24 ロータシャフト
26 ノズル
28 タービンロータブレード
30 軸方向中心線
32 内側ケーシング
34 外側ケーシング
40 水平面
42 軸方向中心線
44 底部
46 上側部分
48 下側部分
50 水平接合部
52 弓状セクション
54 弓状セクション
56 弓状セクション
58 弓状セクション
60 内面
62 装着特徴要素
64 シュラウドブロック
66 シール
100 タービンシュラウド組立体
102 シュラウドブロック組立体
104 シュラウドセグメント
106 シュラウドブロック
108 シュラウドシール
110 内面
112 外面
114 弓状スロット/溝
116 弓状スロット/溝
118 半径方向側部/面
120 半径方向側部/面
122 シールスロット
124 シールスロット
126 接合部
128 シール接合部材
130 前縁
132 後縁
134 半径方向側部
136 半径方向側部
138 シール面
140 スロット
142 ファスナー孔
144 コーティング
146 孔/通路
148 シールスロット
202 第1のシュラウドブロック組立体
206 シュラウドブロック
208 シュラウドシール
220 半径方向表面
228 接合部材
234 半径方向側部
238 シール面
248 シールスロット
302 第2のシュラウドブロック組立体
306 シュラウドブロック
308 シュラウドシール
318 半径方向表面
328 接合部材
334 半径方向側部
338 シール面
348 シールスロット
402 第1のシュラウドブロック組立体
406 第1のシュラウドブロック
408 シュラウドシール
418 第1の半径方向側面
428 接合部材
434 半径方向側部
438 シール面
448 シールスロット
502 第2のシュラウドブロック組立体
506 第2のシュラウドブロック
508 シュラウドシール
520 第2の半径方向側面
528 接合部材
534 半径方向側部
538 シール面
548 シールスロット