(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6931979
(24)【登録日】2021年8月19日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】レンズ保持機構及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20210826BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20210826BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20210826BHJP
【FI】
G02B7/02 E
G03B17/56 Z
G03B11/00
G02B7/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-136039(P2016-136039)
(22)【出願日】2016年7月8日
(65)【公開番号】特開2018-5178(P2018-5178A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】中村 優太
【審査官】
荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−128265(JP,A)
【文献】
再公表特許第2016/017682(JP,A1)
【文献】
特開2011−043653(JP,A)
【文献】
特許第3974220(JP,B2)
【文献】
特開2011−102939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02−7/16
G03B 11/00−11/06
G03B 17/56
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、
前記レンズを固定するレンズ鏡筒と、
前記レンズより被写体側に配置された偏光板と、
前記偏光板と光軸方向に重ねて接着されることで前記偏光板を固定するとともに、前記偏光板と重ならない光軸方向に垂直な方向の領域を突出部とする平面板と、
前記レンズ鏡筒に対して固定されるとともに、前記突出部と当接し前記平面板が光軸周りに回転しないよう位置を固定する偏光板ホルダーと、
前記突出部を被写体側から押圧することで前記平面板の光軸方向の位置を固定する平面板押さえと、を備える
レンズ保持機構。
【請求項2】
前記偏光板は、前記平面板と前記レンズとの間に配置される、
請求項1に記載のレンズ保持機構。
【請求項3】
前記レンズ鏡筒と前記偏光板ホルダーとは一体的に形成されている、
請求項1または請求項2に記載のレンズ保持機構。
【請求項4】
前記レンズ鏡筒を位置固定前の状態で回動可能に支持するレンズホルダーをさらに備え、
前記偏光板ホルダーは、前記レンズホルダーによって回動が規制されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズ保持機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記レンズ保持機構と、
前記偏光板及び前記レンズを透過した光を受光して撮像する撮像部と、を備える、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、レンズ保持機構及び撮像装置(車載カメラなど)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車にカメラを搭載して障害物を検知して危険回避を行うシステムが採用されるなど、車載カメラが広く採用されつつある。このような車載カメラなどの撮像装置では、悪天候時の雨水、路面の水たまり、またはトンネルを抜けた際の日光など、急激な光量の変化が課題となることがあり、その対策のひとつとして、偏光板を備える車載カメラを採用することがある。例えば特許文献1には、このような偏光板を備えるカメラについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−212742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成の偏光板を備えるカメラでは、偏光板に与えられる応力により偏光板が歪んでしまうことがあった。このように偏光板が歪むと、撮像された画像の劣化につながっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために、一例として実施例における図面中の符号等を括弧書きで付記することがあるが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
レンズと、
前記レンズを固定するレンズ鏡筒(109、109b)と、
前記レンズより被写体側に配置された偏光板(103)と、
前記偏光板と光軸方向に重ねて接着により固定されるとともに、光軸方向で前記偏光板と重ならない光軸方向に垂直な方向の領域を突出部とする平面板(102)と
、
前記レンズ鏡筒に対して固定され
るとともに、前記突出部と当接し前記平面板
が光軸周りに回転しないよう位置を固定する偏光板ホルダー(109、109a)と、
前記突出部を被写体側から押圧することで前記平面版の光軸方向の位置を固定する平面板押さえ(101)と、を備える
レンズ保持機構である。
【0007】
上記構成のレンズ保持機構では、偏光板が平面板によって固定され、平面板が偏光板ホルダーにより固定されているため、偏光板に与えられる応力を軽減することが可能となり、これによって偏光板が歪んでしまうことを防止することができる。
【0010】
上記レンズ保持機構において、好ましくは、
前記偏光板は、前記平面板と前記レンズとの間に配置される。
【0011】
上記のレンズ保持機構によれば、平面板とレンズとの間に偏光板が配置されることとなり、偏光板が傷つくことを防止することなどが可能となる。
【0014】
上記レンズ保持機構において、好ましくは、
前記レンズ鏡筒と前記偏光板ホルダーとは一体的に形成されている(実施形態1のレンズ枠9)。
【0015】
上記のレンズ保持機構によれば、レンズ鏡筒及び偏光板ホルダーに対して偏光板が固定されているため、偏光板を固定しつつ、レンズの位置を調整しやすい構成とすることなどが可能となる。
【0016】
上記レンズ保持機構において、好ましくは、
前記レンズ鏡筒(109b)を位置固定前の状態で回動可能に支持するレンズホルダー(2)をさらに備え、
前記偏光板ホルダー(109a)は、前記レンズホルダー(2a)によって回動が規制されている。
【0017】
上記のレンズ保持機構によれば、レンズホルダーを基準として、レンズ鏡筒は組み立て時に回動可能であり、一方で偏光板ホルダーは組み立て時にも回動不能となっているため、レンズ鏡筒とレンズホルダーとを連結容易にしながら、偏光板による偏光方向が変化しない構成とすることができる。
【0018】
また、本発明は、
上記いずれかのレンズ保持機構と、
前記偏光板及び前記レンズを透過した光を受光して撮像する撮像部(4a)と、を備える、
撮像装置である。
【0019】
上記の撮像装置によれば、偏光板の歪みを抑制した構成とすることなどが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】第1実施形態のレンズユニットの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態1
2.実施形態2
3.本発明の特徴
4.補足事項
【0022】
<1.実施形態1>
本実施形態1及び実施形態2の撮像装置は、偏光板が平面板に接着剤等で固定され、この平面板が回動規制されながら位置固定されている点に特徴の一つがある。特に本実施形態では、レンズと偏光板とを一体的構成で支持固定するレンズ枠を備える点で、レンズ鏡筒と偏光板ホルダーとが別構成となっている実施形態2と相違している。以下、本実施形態の撮像装置の構成について具体的に説明する。なお、以下の説明にて、被写体側とは各図で示す符号A側をいい、撮像部側とは同図で示す符号B側をいう。また、本発明では、レンズと偏光板及びそれらの保持構造を含む構成をレンズユニットと呼ぶ。
【0023】
図1は、本実施形態の撮像装置の外観斜視図である。
図2は、本実施形態の撮像装置の分解斜視図である。
図3は、本実施形態の撮像装置に含まれるレンズユニットの分解斜視図である。
図4は、本実施形態の撮像装置に含まれるレンズユニットの拡大図であって、
図4(a)は撮像部側から見た図、
図4(b)は側面図、
図4(c)は被写体側から見た図である。
図5は、本実施形態の撮像装置に含まれるレンズユニットの断面図である。
【0024】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の撮像装置は、レンズユニット1、レンズホルダー2、板金3、及び基板4を含んで構成される。基板4は、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)であって、撮像素子4aが搭載されている。撮像素子4aは、例えばCCDまたはC−MOSなどの光電変換素子であるが、撮像素子4aに代えてフィルムなどの撮像部材を備える構成としてもよい。本発明では、撮像素子及びフィルムなどの撮像機能を備える構成を総称して撮像部と呼ぶ。レンズホルダー2は、レンズユニット1を固定して支持する。本発明のレンズ保持機構は、本実施形態のレンズユニット1、またはレンズユニット1及びレンズホルダー2を含む構成を指す。本実施形態の撮像装置は、図示されている構成以外に、必要に応じてシャッター(例えば、レンズシャッター、またはフォーカルプレンシャッターなど)などを含んで構成される。撮像部、及びシャッターなどの構成は、従来の構成と同様のものであるためそれらの説明を省略している。
【0025】
<レンズユニット1>
上記のとおり、
図3〜
図5は本実施形態のレンズユニット1を示す図である。レンズユニット1は、図示されているように、平面板押さえ101、平面板102、偏光板103、スペーサー104、第1レンズ105、スペーサー106、口径板107、第2レンズ108、レンズ枠109、第3レンズ110、スペーサー111、第4レンズ112、口径板113、第4レンズ押さえ114、及び赤外線カットフィルタ115を含んで構成される。
図5の断面図に示されるように、レンズ等の各構成はレンズ枠109に支持され収容されるよう構成される。
【0026】
レンズユニット1は、上記のように、第1レンズ105、第2レンズ108、第3レンズ110、及び第4レンズ112といった複数のレンズを含んでいる。第1レンズ105及び第2レンズ108は、レンズ枠109、スペーサー104、及びスペーサー106により適切な光軸方向の位置にて固定されている。また、スペーサー106と第2レンズ108との間には口径板107が配置されており、被写体側からの光量を適度に規制している。第3レンズ110及び第4レンズ112は、レンズ枠109、及びスペーサー111により適切な光軸方向の位置にて固定されている。また、第3レンズ110、スペーサー111、及び第4レンズ112は、第4レンズ112と当接するよう配置され、レンズ枠109とねじ嵌合するよう構成された第4レンズ押さえ114によって光軸方向の移動を規制されている。第4レンズ112と第4レンズ押さえ114との間には口径板113が配置されており、上記口径板107とともに被写体側からの光量を適度に規制している。第4レンズ押さえ114よりも撮像部側には、透過してきた光に含まれる赤外線成分(赤外線領域の周波数成分の光)をカット(遮蔽または抑制)する赤外線カットフィルタ115が配置されている。
【0027】
<レンズ枠109>
レンズ枠109は、被写体側に形成された偏光板ホルダー部分と、撮像部側に形成されたレンズ鏡筒部分とを含むよう構成されている。レンズ枠109のレンズ鏡筒部分は、第1レンズ105、第2レンズ108、第3レンズ110、及び第4レンズ112を含む複数のレンズを収容しながら支持するよう構成される。レンズ枠109の偏光板ホルダー部分は、偏光板103を接着支持する平面板102を回動規制しながら支持するよう構成される。
【0028】
<偏光板の支持構造>
第1レンズ105よりも被写体側には、偏光板103と、偏光板103を支持固定するための構成であるスペーサー104、平面板102、及び平面板押さえ101が配置されている。
【0029】
<偏光板103>
偏光板103は、被写体側からの入射光のうち、特定方向の偏光または偏波した光のみを透過させ、それ以外の光を遮蔽(または抑制)するよう板状に形成された偏光子である。本実施形態の偏光板103は、図示されているように矩形状に形成されているが、偏光板103は任意の形状に形成される。偏光板103は、所定の回転位置で平面板102に接着剤等で固定される。
【0030】
<平面板102>
平面板102は、入射光を透過するガラスまたは樹脂などで平面状に形成されたものであって、接着剤などで固定された偏光板103を支持するよう構成される。平面板102は、偏光板103を歪まないように支持するために、偏光板103より厚みをもって形成されるなど、偏光板103よりも応力に対して強く形成されている。平面板102は、平面板押さえ101によって固定される。平面板102は、偏光板103よりも広い面積を有するよう形成されており、これにより、偏光板103に対して光軸方向に垂直な方向に突出する(はみ出す)突出部が形成されている。平面板102は、この突出部(はみ出し部分)を介して、レンズ枠109の被写体側に形成された矩形状の偏光板ホルダー部分により回動規制されながら支持される。また、組み立て時に偏光板103の装着方向を誤らないよう、平面板102には切り欠きなどが形成されている。
【0031】
<スペーサー104>
スペーサー104は、第1レンズ105よりも被写体側に配置され、第1レンズ105と平面板102との間隔を所定距離にするよう配置される。
【0032】
<平面板押さえ101>
平面板押さえ101は、レンズ枠109に対して、光軸方向に移動しないよう平面板102を押さえながら固定するよう構成される。
【0033】
<2.実施形態2>
本実施形態の撮像装置は、実施形態1に対して、レンズ枠に代えてレンズ鏡筒と偏光板ホルダーとを備える構成となっている点と、レンズホルダーが偏光板の回動を規制するよう形成されている点とで相違している。以下、本実施形態の撮像装置の構成について、特に実施形態1との相違点を中心に具体的に説明する。なお、以下の説明では、実施形態1と同様の構成についてはその説明を省略する。
【0034】
図6は、本実施形態の撮像装置の外観斜視図である。
図7は、本実施形態の撮像装置の分解斜視図である。
図8は、本実施形態の撮像装置のレンズユニット(偏光板ホルダー及びレンズ鏡筒)の拡大図であって、
図8(a)は側面図、
図8(b)は被写体側から見た図である。
図9は、本実施形態の撮像装置に含まれるレンズユニット(偏光板ホルダー及びレンズ鏡筒)の断面図である。
【0035】
図6及び
図7に示されるように、本実施形態の撮像装置は、実施形態1と同様に、レンズユニット1、レンズホルダー2、板金3、及び基板4を含んで構成される。レンズユニット1は、平面板押さえ201、平面板102、偏光板103、偏光板ホルダー109a、及びレンズ鏡筒109bを含んで構成される。本実施形態の偏光板ホルダー109aとレンズ鏡筒109bとを一体的に形成した構成が、実施形態1のレンズ枠109に対応する。平面板押さえ201は、実施形態1の平面板押さえ101と同様に、レンズ鏡筒109bに対して、光軸方向に移動しないよう平面板102を押さえながら固定するよう構成される。
【0036】
<レンズ鏡筒109b>
レンズ鏡筒109bは、第1レンズ105、スペーサー106、口径板107、第2レンズ108、レンズ枠109、第3レンズ110、スペーサー111、第4レンズ112、口径板113、第4レンズ押さえ114、及び赤外線カットフィルタ115を支持固定するよう構成される。
【0037】
<偏光板ホルダー109a>
図9に示されるように、偏光板ホルダー109aは、平面板102を当接しながら支持する偏光板支持部109a1と、レンズ鏡筒109bと径嵌合(またはねじ嵌合、螺合)する嵌合部109a2とに機能的に分けられるが、偏光板支持部109a1と嵌合部109a2とは一体的に形成されている。偏光板ホルダー109aは、実施形態1の偏光板ホルダー部分と同様に、回動規制しながら平面板102を支持することで、間接的に偏光板103を支持する。
【0038】
レンズホルダー2には、偏光板ホルダー回動規制部2aが形成されている。偏光板ホルダー回動規制部2aは、偏光板ホルダー109aに当接しながら偏光板ホルダー109aの回動を規制しており、これによって、レンズホルダー2に対して偏光板103の回転位置が固定されている。
【0039】
本実施形態の撮像装置では、上記構成によって、レンズホルダー2を基準として、偏光板103が回動しないよう固定されている。一方で、レンズ鏡筒109bはレンズホルダー2に対して、固定前の状態では回動自在になるよう径嵌合(またはねじ結合、螺合)されており、これによって、製品組み立て時に光軸方向にピント調整(フォーカス調整)することが可能となっている。
【0040】
<3.本発明の特徴>
上記実施形態1及び実施形態2に記載の撮像装置におけるレンズユニット1を含むレンズ保持機構は、いずれも、平面板102と、平面板102に固定され、平面板102に対して光軸方向に垂直な方向に突出する突出部(平面板102と貼り合わせた際にはみ出る部分など)を有する偏光板103と、レンズ鏡筒109b(またはレンズ枠109のレンズ鏡筒部分)に対して固定され、突出部と当接し平面板102の位置を固定する偏光板ホルダー109a(またはレンズ枠109の偏光板ホルダー部分)と、を備える構成となっている。これにより、偏光板103が平面板102によって固定され、平面板102が偏光板ホルダー109a(またはレンズ枠109の偏光板ホルダー部分)により固定されているため、偏光板103が直接的に指示される構成と比較して偏光板103に与えられる応力を軽減することが可能となり、これによって偏光板103が歪んでしまうことを防止することができる。ひいては、偏光板103の歪みによって生じる撮像画像の劣化を防止することが可能となる。
【0041】
また、本発明のレンズ保持機構では、偏光板103が、平面板102と第1レンズ105との間に配置されているので、偏光板103が傷つくことを防止することなどが可能となっている。
【0042】
また、本発明のレンズ保持機構では、偏光板103が回動しないよう固定されているため、組み立て時に偏光板103が回動して偏光方向が変化してしまうことを防止する構成とすることができる。
【0043】
また、実施形態1のレンズ保持機構では、レンズ枠109がレンズ鏡筒部分と偏光板ホルダー部分とが一体的に形成された構成となっているため、レンズ鏡筒部分及び偏光板ホルダー部分に対して偏光板103が固定されている。そのため、偏光板103を固定しつつ、レンズの位置を調整しやすい構成とすることなどが可能となる。
【0044】
また、実施形態2のレンズ保持機構では、レンズホルダー2を基準として、レンズ鏡筒109bは組み立て時に回動可能であり、一方で偏光板ホルダー109aは組み立て時にも回動不能となっているため、レンズ鏡筒109bとレンズホルダー2とを連結容易にしながら、偏光板103による偏光方向が変化しない構成とすることができる。また、レンズ鏡筒(109b)に収容されたレンズの光軸位置を調整しやすい構成となるため、ピント調整(フォーカス調整)などが容易となる。
【0045】
また、本発明の撮像装置では、第1レンズ105に近接した位置に偏光板103を配置可能であるため、偏光板103の大きさを最小限にすることが可能となり、これによってコスト削減などが可能となっている。この「近接した位置」は、例えば第1レンズと偏光板105との間隔が0.5mm〜1mm程度(好ましくは0.5mm〜1mm)、を満たす位置である。
【0046】
<4.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明では、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0047】
例えば、上記実施形態では、平面板102及び偏光板103がいずれも矩形状に形成されていたが、これらの形状は任意に変更可能である。例えば、平面板102及び偏光板103がいずれも円形状または楕円形状などであってもよいし、正方形に形成されてもよい。ただし、偏光板103は光軸に垂直な方向で回転しないよう装着されることが重要であるため、偏光板103の回転位置が確定されるよう、偏光板103と平面板102との結合位置、及び平面板102の固定位置がずれないよう、それぞれの構成に切り欠きなどが形成されるなど、回転位置を確定可能な構成とすることが好ましい。
【0048】
また、上記実施形態では一例として4つのレンズを含む構成を例に挙げているが、レンズの数は任意に決定可能であるし、スペーサーや口径板の数や配置についても任意に変更可能である。
【0049】
また、上記実施形態の撮像装置に含まれる複数のレンズは、プラスチックを素材としても良いし、ガラスを素材としても良いし、透過性を有する他の素材を用いても良い。
【0050】
また、上記実施形態の平面板102は偏光板103に対して四方に大きく(広く)形成されることが好ましく、このとき、言い換えれば偏光板103に対して平面板102の外径サイズが大きくなっている。この場合、平面板102と偏光板103とを重ね合わせた際にはみ出す部分が突出部となる。
【0051】
なお、本発明では撮像部とレンズ保持機構を備える構成を指して撮像装置と呼んでいるが、撮像装置にはカメラモジュールも含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、偏光板を備えるレンズ保持機構などとして効果的に利用される。
【符号の説明】
【0053】
1…レンズユニット
2…レンズホルダー
2a…偏光板ホルダー回動規制部
3…板金
4…基板
4a…撮像素子
101、201…平面板押さえ
102…平面板
103…偏光板
104…スペーサー
105…第1レンズ
106…スペーサー
107…口径板
108…第2レンズ
109…レンズ枠
109a…偏光板ホルダー
109b…レンズ鏡筒
110…第3レンズ
111…スペーサー
112…第4レンズ
113…口径板
114…第4レンズ押さえ
115…赤外線カットフィルタ