(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記APサーバは、前記端末装置からの前記設定条件データの参照要求に対して、前記仕組債の諸条件のデータ、期日前償還の判定日のデータ又は利払日の判定日のデータを前記端末装置に選択的に表示させることを特徴とする請求項1又は2記載の営業支援システム。
前記APサーバは、前記端末装置からの仕組債の銘柄データの検索要求に対して、仕組債銘柄について前日時点で預りが発生している仕組債銘柄情報を部店別に検索を行い、検索結果を前記端末装置に表示出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の営業支援システム。
前記APサーバは、前記端末装置からの仕組債収益データの参照要求に対して、仕組債収益データを部店、課又は扱者の単位で集計して前記端末装置に表示出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の営業支援システム。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の営業支援システムは、企業が顧客との関係性を顧客情報としてデータベースに一元的に管理するCRM(Customer Relationship Management)システムを用いて、顧客の属性情報、顧客対応者が日報として作成した顧客のコンタクト情報を記憶して、営業活動を促進するために用いられる。
【0003】
尚、債券市場において、一般の債券にはない特別な仕組を有する「仕組債」がある。
仕組債は、スワップやオプションなどのデリバティブ(金融派生商品)を利用することにより、投資家や発行者のニーズに合うキャッシュフローを生み出す構造の債券である。
【0004】
仕組債は、このような仕組により、満期やクーポン(利子)、償還金などの条件を、投資家や発行者のニーズに合わせて比較的自由に設定できるようになっている。
また、仕組債は、市場が国々に複数あって、アレンジャーの証券会社によって市場の追加・削除が自由に為されている。
そのため、販売会社である証券会社の営業員にとって各仕組債の設定条件を把握するのが難しく、営業員は、顧客への営業の度に設定条件を把握している本店に問い合わせを行うようになっていた。
【0005】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2012−234269号公報「顧客対応管理システム」(特許文献1)がある。
特許文献1には、CRMシステムに蓄積された内容と通話記録装置に蓄積された内容を効率的に調べることができる顧客対応管理システムが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る営業支援システムは、APサーバが、端末装置から特定顧客の顧客情報に対応する預り明細の参照要求又は取引明細の参照要求があると、当該顧客の預り銘柄又は取引銘柄について仕組債の銘柄データを仕組債と判別できる形態で端末装置に表示出力し、端末装置から仕組債の銘柄データについて設定条件データの参照要求があると、仕組債の銘柄データに対応する設定条件データを端末装置に表示出力する営業支援システムとするものであり、複雑な仕組債に関する預り明細、取引明細を営業員が把握できると共に、仕組債の条件を容易に把握できるものである。
【0017】
特に、本発明の実施の形態に係る営業支援システムでは、APサーバが端末装置に表示出力する通常のCRM画面で、仕組債の銘柄を判別できるように表示して、設定条件データを参照できるようにしているので、営業員として、本店等に条件を問い合わせることがなく、仕組債の条件を容易に知ることができ、本店側も問い合わせに応答する煩雑さから解消されるものでる。
【0018】
[本システム:
図1]
本発明の実施の形態に係る営業支援システム(本システム)について
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの構成ブロック図である。
本システムは、
図1に示すように、AP(Application)サーバ1と、CRMデータベース(DB)2と、データ取込サーバ3と、端末装置4とを基本的に有し、ネットワーク5で各装置が接続されている。
【0019】
[本システムの各部]
次に、本システムの各部について具体的に説明する。
APサーバ1は、コンピュータの処理装置であり、制御部と、記憶部と、ネットワーク5に接続するインタフェース部を備えている。
そして、APサーバ1は、CRMDB2の顧客情報にアクセスして端末装置4に顧客情報を提供し、端末装置4から入力された営業活動の情報をCRMDB2に記憶させると共に、端末装置4に営業活動の情報を提供する。
【0020】
CRMDB2は、データを記憶する記憶装置であり、制御部と、記憶部と、ネットワーク5に接続するインタフェース部を備えている。
そして、CRMDB2は、顧客関連情報を記憶すると共に、営業活動の情報等も記憶する。
また、CRMDB2には、仕組債の銘柄データと条件データとが顧客コードに対応付けて記憶される。
【0021】
データ取込サーバ3は、コンピュータの処理装置であり、制御部と、記憶部と、ネットワーク5に接続するインタフェース部を備えている。
データ取込サーバ3は、一般的に企業情報システムにおいてCSV(Comma Separated Value)ファイル等のデータファイルを取り込み、各システムへ振り分ける機能を有するサーバである。特に、本システムでは、仕組債の銘柄に関連するデータ(仕組債の銘柄データ)と仕組債の諸条件、判定日等のデータ(設定条件データ)を取り込み、CSVデータを変換してCRMDB2に仕組債の銘柄データと設定条件データを記憶する。
【0022】
端末装置4は、コンピュータ装置であり、制御部と、記憶部と、インタフェース部と、表示部と、入力部とを備え、ネットワーク5に接続している。
ここで、本店の端末装置4は、仕組債の銘柄データと条件データの登録をデータ取込サーバ3に行うと共に、データ取込サーバ3に登録した仕組債の銘柄データと条件データを変換してCRMDB2に記憶させる指示を出力する。
【0023】
また、支店の端末装置4は、APサーバ1にアクセスし、顧客情報及び営業情報を表示すると共に、仕組債の銘柄データと設定条件データを表示する。
これにより、支店の端末装置4は、本店に仕組債の条件等を電話で問い合わせることなく、APサーバ1からのCRM画面で確認できる。
【0024】
[本システムにおける処理]
次に、本システムにおける処理について説明する。
本システムでは、設定条件取込処理、預り明細連携処理、取引明細連携処理、設定条件設定処理、仕組債銘柄検索処理、仕組債収益登録処理、仕組債収益データ参照処理等が為される。これらの処理は、各サーバで動作するプログラムによる各機能実現手段で実行される。
以下、各処理について具体的に説明する。
【0025】
[設定条件取込処理]
設定条件取込処理は、データ取込サーバ3で為されるもので、本店の端末装置4からデータ取込サーバ3に登録された仕組債の銘柄データと条件データをCRMDB2に記憶させる指示をデータ取込サーバ3に出力すると、データ取込サーバ3が仕組債の銘柄データと条件データをCRMDB2用に変換して、CRMDB2に出力して記憶させる。データ変換は、具体的にはCSVファイルに変換するものであり、変換されたデータは、CRMDB2と連携する。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「設定条件取込処理手段」と称する。
【0026】
[預り明細連携処理]
預り明細連携処理は、APサーバ1でのプログラム処理で実行され、本店又は支店の端末装置4の表示部に預り明細画面を表示出力する処理である。端末装置4の入力部からの指示、データが入力されると実行されるものである。
【0027】
具体的には、預り明細連携処理は、顧客コードに対応して保有する(預る)銘柄を表示する預り明細画面で、表示されている複数の銘柄コードの内で、仕組債の諸条件等が登録(設定)されている銘柄コード(仕組債銘柄コード)をアンカー表示とし、当該銘柄コードと設定条件データを連携(リンク)させ、表示されたアンカー部分をクリックすると、当該銘柄コードの仕組債の設定条件の画面に移行できるようになっている。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「預り明細連携処理手段」と称する。預り明細連携処理手段によって提供される預り明細画面については後述する。
【0028】
[取引明細連携処理]
取引明細連携処理は、預り明細連携処理と同様に、APサーバ1でのプログラム処理で実行され、本店又は支店の端末装置4の表示部に取引明細画面を表示出力する処理である。端末装置4の入力部からの指示、データが入力されると実行されるものである。
【0029】
具体的には、取引明細連携処理は、顧客コードに対応して取引があった銘柄を表示する取引明細画面において、表示されている複数の銘柄コードの内で、仕組債の諸条件等が登録(設定)されている銘柄コード(仕組債銘柄コード)をアンカー表示とし、当該銘柄コードと条件データを連携(リンク)させ、表示されたアンカー部分がクリックされると、当該銘柄コードの仕組債の設定条件の画面に移行できるようになっている。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「取引明細連携処理手段」と称する。取引明細連携処理手段によって提供される取引明細画面については後述する。
【0030】
[設定条件設定処理]
設定条件設定処理は、APサーバ1でのプログラム処理で実行されるものであり、本店の端末装置4からの操作によって、設定条件取込処理でCRMDB2に取り込まれた仕組債の設定条件データと仕組債銘柄の銘柄コードとを結び付け、仕組債銘柄コードのアンカー表示がクリックされることで、容易に設定条件データを参照可能とするものである。
【0031】
具体的には、設定条件について、「諸条件」「判定日(期限前償還日)」「判定日(利払日)」をタブ表示により選択的に切り替えて表示できるようにしている。
諸条件の特定項目は、CSVファイルの設定内容により表示/非表示とすることができる。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「設定条件設定処理手段」と称する。設定条件設定処理手段によって提供される諸条件画面等については後述する。
【0032】
[仕組債銘柄検索処理]
仕組債銘柄検索処理は、APサーバ1でのプログラム処理で実行されるものであり、本店又は支店の端末装置4からの検索指示に従って、諸条件が登録されている仕組債銘柄について、前日時点で預りが発生している仕組債銘柄情報を部店別に一覧検索を行うものである。検索結果は、画面に表示及びCSV形式で出力することもできる。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「仕組債銘柄検索処理手段」と称する。仕組債銘柄検索手段によって提供される仕組債銘柄検索画面については後述する。
【0033】
[仕組債収益登録処理]
仕組債収益登録処理は、APサーバ1でのプログラム処理で実行されるものであり、本店又は支店の端末装置4から取引明細単位の仕組債収益データのファイルのアップロードの指示により、CRMDB2に当該ファイルをアップロードする。
具体的には、取引明細の部店手数料、約定金額を日々アップロードする。
アップロードされて登録された仕組債収益データの明細は、計上年月単位でCSV形式にて出力できるようになっている。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「仕組債収益登録処理手段」と称する。
【0034】
[仕組債収益データ参照処理]
仕組債収益データ参照処理は、APサーバ1でのプログラム処理で実行されるものであり、本店又は支店の端末装置4の仕組債収益データ参照画面での入力事項に従って仕組債収益データを部店、課、扱者単位に集計する演算を行い、端末装置4に表示出力する。
当該処理をプログラムにより実現する手段を「仕組債収益データ参照処理手段」と称する。仕組債収益データ参照処理手段によって提供される仕組債収益データ参照画面については後述する。
【0035】
[CRM通常画面]
ここで、APサーバ1が端末装置4に提供するCRM通常画面について説明する。
CRM通常画面(ログイン後の初期画面)では、画面上側にメニューバーが表示されるようになっており、本システムのメニューバーの選択項目から顧客情報を参照したり、営業活動の記録を入力できるようになっている。
特に、そのメニューバーでは、ユーザの権限に応じて、仕組債銘柄検索、仕組債収益データ参照、仕組債収益登録等を行うことができるようになっている。また、預り明細又は取引明細のいずれかを選択できるようになっている。
【0036】
[本システムの表示フロー:
図2]
次に、本システムの表示処理について
図2を参照しながら説明する。
図2は、本システムの表示処理を示すフローチャートである。
図2では、特に、仕組債の預り明細又は取引明細の表示と、設定条件(
図2では「諸条件」としている)表示のフローを示している。
APサーバ1は、まず、端末装置4の表示部に対してCRM通常画面を表示し(S1)、端末装置4の入力部から顧客コードが入力される(S2)と、仕組債の預り明細又は取引明細のいずれかを表示するのかを選択させる選択画面を表示する(S3)。
【0037】
そして、預り明細の表示(預り表示)が選択されると、預り明細の画面を表示する(S4)。また、取引明細の表示(取引表示)が選択されると、取引明細の画面を表示する(S5)。
その後に、諸条件表示が指示されたかどうかを判定し(S6)、諸条件表示が指示されなければ(Noの場合)、処理S1に戻る。
【0038】
諸条件表示が指示された場合(Yesの場合)、諸条件明細の画面を表示する(S7)。
その後、諸条件明細の画面の終了指示が入力されたか否かを判定し(S8)、終了指示が入力されていなければ(Noの場合)、処理S7に戻り、終了指示が入力された場合(Yesの場合)は、処理S1に戻る。
【0039】
[預り明細画面:
図3]
次に、
図2における処理S4で表示される預り明細画面について
図3を参照しながら説明する。
図3は、預り明細画面を示す概略図である。
預り明細画面は、顧客が保有する銘柄の一覧を表示するものである。
預り明細か取引明細かを選択できる画面から、預り明細を選択すると、
図3に示すように、入力された顧客コードに対応付けて顧客名、預りに係る銘柄コード、銘柄名、預り数量、評価額等が表示される。
【0040】
預り明細画面では、顧客コード、顧客名、口座区分、商品区分、銘柄コード、銘柄名、預り区分、通貨、数量、償還日/決算日、利払日、時価単価、為替、評価額概算、売却禁止等が表示される。
特に、仕組債に該当する銘柄コードは、アンカー(銘柄コードに下線と色が付されて)表示され、そのアンカー部分をクリックすると、当該銘柄コードの仕組債の設定条件が画面表示されるようになっている。
図3では、太枠で囲んだ銘柄コードがアンカー表示されている。
【0041】
[取引明細画面:
図4]
次に、
図2における処理S5で表示される取引明細画面について
図4を参照しながら説明する。
図4は、取引明細画面を示す概略図である。
取引明細画面は、顧客に関する取引の一覧を表示するものである。
預り明細か取引明細かを選択できる画面から、取引明細を選択すると、
図4に示すように、入力された顧客コードに対応付けて顧客名、取引に係る銘柄コード、銘柄名、約定数量等が表示される。
【0042】
取引明細画面では、顧客コード、顧客名、口座区分、約定日、商品、取引種類、銘柄コード、銘柄名、決済、市場通貨、売買における数量、単価、約定代金、為替レート、手数料、受渡金額等が表示される。
取引明細画面においても、預り明細画面と同様に、仕組債に該当する銘柄コードはアンカー表示され、そのアンカー表示をクリックすると、当該銘柄コードの仕組債の設定条件が画面表示されるようになっている。
【0043】
尚、償還後、定義期間を経過した取引は、アンカー表示されなくなり、対応する仕組債の設定条件は抹消される機能を有する。
図3及び
図4の銘柄コードにおいて、アンカー表示されている部分をクリックすると、銘柄コードに対応した仕組債の諸条件等の設定条件画面が表示される。
【0044】
[設定条件画面]
設定条件画面について説明する。
設定条件画面では、「全て」「諸条件」「判定日(期限前償還)」「判定日(利払日)」の各表示画面をタブによって切り替えて表示するものとなっている。
[全ての表示画面]
「全て」のタブ表示画面では、「諸条件」「判定日(期限前償還)」「判定日(利払日)」を一画面で表示し、その他のタブ表示画面では、個々の内容を表示するものとなっている。
【0045】
[諸条件画面:
図5]
諸条件画面について
図5を参照しながら説明する。
図5は、諸条件画面を示す概略図である。
諸条件画面は、仕組債の銘柄コードに対応する仕組債の諸条件を表示するものである。
諸条件画面は、
図5に示すように、銘柄コードと銘柄名、ストラクチャー(仕組債)の名称と通貨、条件決定日、発行日、受渡日、償還日等、更に利率、資産の諸条件等が表示されている。
【0046】
図5では、当該仕組債に組み込まれている転換先銘柄(資産)毎の条件が示されており、
図5の例では、転換先銘柄A,B,Cの3つが組み込まれており、それぞれについての条件が規定されている。
そして、諸条件画面の最下段には、その他1〜8として、諸条件における注意事項が表示されている。
【0047】
[判定日画面:
図6]
判定日画面について
図6を参照しながら説明する。
図6は、判定日画面を示す概略図であり、(a)が判定日(期限前償還)であり、(b)が判定日(利払日)である。
図6(a)に示すように、判定日(期限前償還)画面では、期限前償還判定日、期限前償還日、転換先銘柄コードと転換先銘柄名について、期限前償還判定価格が表示される。
図6(b)に示すように、判定日(利払日)画面では、利率、利率判定日、利払日、転換先銘柄コードと転換先銘柄名について、利率判定価格が表示される。
【0048】
[仕組債銘柄検索画面:
図7]
次に、仕組債銘柄検索画面について
図7を参照しながら説明する。
図7は、仕組債銘柄検索画面を示す概略図である。
仕組債銘柄検索画面は、条件に合致する仕組債を検索するために、検索条件を入力する画面である。
仕組債銘柄検索画面は、
図7に示すように、CRMの通常画面のメニューバーから「仕組債銘柄検索」を選択すると表示されるものである。
【0049】
具体的には、検索の「条件」「期間」、銘柄に関する「転換先銘柄コード」「発行体」「銘柄コード」等が入力され、区分「全て」「私売出」「公募」、表示項目「利率」「期限前償還判定日」「期限前償還日(海外時間(予定))「利率判定日」「利払い日」にチェックが入力されて、「検索」をクリックすると、検索条件に合致する仕組債が抽出されて、
図8の表示例が表示される。
【0050】
[仕組債銘柄検索結果画面:
図8]
次に、
図7の検索画面で検索された結果の画面について
図8を参照しながら説明する。
図8は、仕組債銘柄検索結果画面を示す概略図である。
仕組債銘柄検索結果画面は、検索条件に従って合致した仕組債の銘柄の一覧を表示するもので、
図8(a)と
図8(b)が必ず表示され、また、
図7の表示項目のチェックに従って選択的に表示される。
全ての表示例は、
図8(a)のコード(銘柄コード)に対応したものとなっている。具体的には、表示例1,2の1行目はコード「xxx1」に対応し、2行目はコード「xxx2」に対応し、3行目はコード「xxx3」に対応している。
【0051】
仕組債銘柄検索結果画面は、
図8(a)に示すように、表示例1として、条件項目として、銘柄コード(コード)、区分、条件決定日、銘柄名、残高、発行日、償還日、ノックイン発生有無、コーポレートアクション有無が表示される。
尚、
図7の表示項目でチェックした項目に応じて表示される表示例も他にあるが、ここでは図示しないことにする。
図8(b)の表示例2では、
図7の表示項目とは関係なく必ず表示されるもので、資産(仕組債に組み込まれている転換先銘柄)毎に表示される。表示例2では、資産1についてのみの表示となっている。
【0052】
[仕組債収益データ参照画面:
図9]
次に、仕組債収益データ参照画面について
図9を参照しながら説明する。
図9は、仕組債収益データ参照画面を示す概略図である。
仕組債収益データ参照画面は、仕組債の収益が登録されたデータを参照するための画面である。
仕組債収益データ参照画面は、
図9に示すように、支店の端末装置4のCRMの通常画面のメニューバーから「仕組債収益データ参照」を選択すると表示され、仕組債収益データを参照するために、期間、分析単位、分類が指定され、出力単位も指定され、「検索」ボタンがクリックされると、検索結果として
図9の下半分の画面が表示される。
【0053】
分析単位、分類は、仕組債の銘柄情報や設定条件に含まれる項目から定義できる。
図9の検索例では、分析単位は仕組債の公募/私募の分類を分析単位として定義した例であり、総合計、私売出し、売出しとなっている。分類は、仕組債の商品分類である。EB債、日経リンク債を分類として定義した例となっている。
【0054】
図9の検索結果の画面例では、期間が月単位で3カ月であり、月毎に特定の支店の全課について、分析単位を総合計、分類を全スキームとしたものが表示される。
EB債と日経リンク債の金額を月単位で合計すると、総合計の月単位の金額になっている。
【0055】
[端末装置の権限]
尚、端末装置4を操作する者は、権限が付与されており、各処理を行うことができる権限を細かく設定することができる。
設定条件取込処理、設定条件設定処理、仕組債収益登録処理については、仕組債の条件を設定した管理者のみが行うようにし、仕組債収益参照処理では、職種によって参照できる範囲を限定するものである。
【0056】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、APサーバ1が、端末装置4から特定顧客の顧客コードに対応する預り明細の参照要求又は取引明細の参照要求があると、当該顧客の預り銘柄又は取引銘柄について仕組債の銘柄データを仕組債と判別できるアンカー形式で端末装置4に表示出力し、端末装置4から仕組債の銘柄データについて設定条件データの参照要求があると、仕組債の銘柄データに対応する設定条件データを端末装置4に表示出力するものとしているので、複雑な仕組債に関する預り明細、取引明細を営業員が把握できると共に、仕組債の条件を容易に把握できる効果がある。
【0057】
これにより、例えば、支店の営業員は、複雑な仕組債の条件をCRM通常画面で確認できるので、本店に仕組債の条件を問い合わせる必要がなく、本店側も、仕組債の条件の問い合わせに対して回答するという煩雑な作業から解放され、業務の効率化を図ることができる効果がある。