(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6932085
(24)【登録日】2021年8月19日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】マルチモード容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ並びに関連するデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20210826BHJP
【FI】
A61B8/12
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-567401(P2017-567401)
(86)(22)【出願日】2016年6月20日
(65)【公表番号】特表2018-519080(P2018-519080A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】IB2016053645
(87)【国際公開番号】WO2017001965
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年6月18日
(31)【優先権主張番号】62/188,222
(32)【優先日】2015年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン デイビッド
【審査官】
冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−505205(JP,A)
【文献】
特表2011−507561(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0180087(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0262014(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0246332(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0236017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部分と遠位部分とを有する可撓性の長尺部材と、
前記可撓性の長尺部材の前記遠位部分に配置された、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)の第1のアレイである第1のセンサアセンブリとを含み、
前記第1のセンサアセンブリは、圧力センサ、流量センサ及び撮像センサのうちの少なくとも2つとして動作可能であり、
前記第1のセンサアセンブリは、同一の前記第1のセンサアセンブリが、第1の期間において、第1の血管内データ種類に対応するデータを取得し、前記第1の期間とは異なる第2の期間において、前記第1の血管内データ種類とは異なる第2の血管内データ種類に対応するデータを取得し、前記第1の血管内データ種類及び前記第2の血管内データ種類は、圧力測定、流量測定又は撮像である、血管内デバイス。
【請求項2】
前記第1のセンサアセンブリは、前記可撓性の長尺部材の周りに環状の構成で配置される、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項3】
前記第1のセンサアセンブリは、側面方向又は正面方向のうちの少なくとも一方向に配置される、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項4】
CMUTの第2のアレイを備える第2のセンサアセンブリを更に含む、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項5】
前記第1のセンサアセンブリは、側面方向又は正面方向のうちの一方向に配置され、前記第2のセンサアセンブリは、前記側面方向又は前記正面方向のうちの他方向に配置される、請求項4に記載の血管内デバイス。
【請求項6】
前記可撓性の長尺部材は、ガイドワイヤ又はカテーテルを備える、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項7】
前記第1のセンサアセンブリは、平面的又は非平面的な構成に配される、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項8】
前記第1のセンサアセンブリの異なる部分が圧力センサ、流量センサ又は撮像センサとして動作可能である、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項9】
前記第1のセンサアセンブリは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサとして動作可能である、請求項1に記載の血管内デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の血管内デバイスと、
前記血管内デバイスと通信し、前記第1のセンサアセンブリによって取得された血管内データを受信するコンピューティングデバイスとを含み、
前記コンピューティングデバイスは、同一の前記第1のセンサアセンブリが、第1の期間において、第1の血管内データ種類に対応するデータを取得し、前記第1の期間とは異なる第2の期間において、前記第1の血管内データ種類とは異なる第2の血管内データ種類に対応するデータを取得し、前記第1の血管内データ種類及び前記第2の血管内データ種類は、圧力測定、流量測定又は撮像である、血管内システム。
【請求項11】
前記第1のセンサアセンブリの異なる部分が圧力センサ、流量センサ又は撮像センサとして動作可能であり、前記コンピューティングデバイスは、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するために、前記第1のセンサアセンブリの異なる部分を制御する、請求項10に記載の血管内システム。
【請求項12】
前記第1のセンサアセンブリは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサとして動作可能であり、前記コンピューティングデバイスは、それぞれの異なる時間において圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するように前記第1のセンサアセンブリを制御する、請求項10に記載の血管内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2015年7月2日出願の米国仮特許出願第62/188,222号の優先権及び利益を主張し、その全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、概して、血管内感知に関し、特には、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)を使用した異なるモダリティの感知に関する。例えば、本開示のいくつかの実施形態は、患者の血管系内の圧力、流量、及び/又は撮像データを取得するように動作可能なCMUTセンサアセンブリを有する血管内デバイスを提供する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 疾患の治療の成功のレベルの診断及び確認における革新は、もっぱら外部撮像プロセスによるものから、内部診断プロセスを含むものに進歩してきた。X線、MRI、CTスキャン、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、X線透視法、血管造影などの従来の外部画像技術に加えて、今や、小型のセンサが身体内に直接的に設けられ得る。例えば、診断機器及びプロセスは、カテーテル法処置のために使用されるカテーテル又はガイドワイヤなどの可撓性の長尺部材の遠位端部に設けられた超小型センサを用いて、血管系の閉塞及び他の血管系の疾患の診断のために発展してきた。例えば、既知の医療用感知技術としては、血管内超音波検査法(IVUS)、正面向きIVUS(FL−IVUS)、部分冠血流予備量比(FFR:fractional flow reserve)判定、Instant Wave−Free Ratio(商標)(iFR(登録商標))判定、冠血流予備能(CFR:coronary flow reserve)判定、光干渉断層撮影法(OCT)、経食道心エコー法及び画像誘導療法などがある。
【0004】
[0004] 市販のセンサは、通常、撮像、流量、圧力及び他の種類の血管内データを得るためにジルコン酸チタン酸鉛(PZT)又は圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)を組み込んでいる。PZT及びPMUTセンサはほとんどの点において満足すべきものであるが、より最近は、CMUTセンサが代替的な技術として考慮されている。CMUTセンサは、メンブレンが撓んだ際の静電容量変化の検知の原理によって動作する。しかしながら、CMUTセンサを有する現存の血管内デバイスは、通常、超音波撮像などの1つの感知モダリティに限定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 従って、マルチモード感知機能を提供する血管内感知システムが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 本開示の実施形態は、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)によって複数種類の血管内データを感知するための向上した血管内デバイスを提供する。いくつかの状況において、CMUTは、複数のゾーンに分割され又は組織され得る。各ゾーンは、異なる血管内データ種類に対応するデータ(例えば、圧力、流量及び撮像など)を取得し得る。他の状況において、CMUTは、同一のCMUTが異なる血管内データ種類に対応するデータを様々な時点で取得するように、異なる動作(例えば圧力、流量及び撮像など)を周期的に繰り返し得る。
【0007】
[0007] 例示的な態様において、本開示は、血管内デバイスに向けられている。血管内デバイスは、近位部分と遠位部分とを有する可撓性の長尺部材と、可撓性の長尺部材の遠位部分に配置された第1のセンサアセンブリであって、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)の第1のアレイを備える第1のセンサアセンブリとを含み、第1のセンサアセンブリは、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの少なくとも2つを備える。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、第1のセンサアセンブリは、可撓性の長尺部材の周りに環状の構成で配置される。いくつかの実施形態において、第1のセンサアセンブリは、可撓性の長尺部材の遠位端部に配置される。いくつかの実施形態において、第1のセンサアセンブリは、側面方向又は正面方向のうちの少なくとも一方向に配置される。いくつかの実施形態において、血管内デバイスは、CMUTの第2のアレイを備える第2のセンサアセンブリを更に含む。いくつかの実施形態において、第1のセンサアセンブリは、側面方向又は正面方向のうちの一方向に配置され、第2のセンサアセンブリは、側面方向又は正面方向のうちの他方向に配置される。いくつかの実施形態において、可撓性の長尺部材は、ガイドワイヤ又はカテーテルを備える。いくつかの実施形態において、CMUTの第1のアレイは、平面的又は非平面的な構成に配される。いくつかの実施形態において、CMUTの第1のアレイの異なる部分が圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。いくつかの実施形態において、第1のセンサアセンブリは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。
【0009】
[0009] 例示的な態様において、本開示は血管内システムに向けられている。システムは、患者の血管系に挿入されるように構成された血管内デバイスであって、近位部分と遠位部分とを有する可撓性の長尺部材と、可撓性の長尺部材の遠位部分に配置されたセンサアセンブリであって、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)のアレイを備えるセンサアセンブリとを含み、センサアセンブリは、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの少なくとも2つを備える、血管内デバイスと、血管内デバイスと通信し、センサアセンブリによって取得された血管内データを受信するように構成されたコンピューティングデバイスとを含む。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、血管内システムは、血管内デバイス及びコンピューティングデバイスと通信する患者インターフェースモジュール(PIM)を更に含む。いくつかの実施形態において、血管内システムは、コンピューティングデバイスと通信し、血管内データのグラフィック描写(graphical representation)を表示するように構成されたディスプレイを更に含む。いくつかの実施形態において、CMUTのアレイの異なる部分が圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、CMUTのアレイのそれぞれの異なる部分によって取得された圧力データ、流量データ又は撮像データを受信するように構成される。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するために、CMUTのアレイのそれぞれの異なる部分を制御するように構成される。いくつかの実施形態において、センサアセンブリは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、それぞれの異なる時間においてセンサアセンブリによって取得された圧力データ、流量データ又は撮像データを受信するように構成される。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、それぞれの異なる時間において、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するようにセンサアセンブリを制御するように構成される。
【0011】
[0011] 例示的な態様において、本開示は、血管内データを取得する方法に向けられている。方法は、コンピューティングデバイスにおいて、患者の血管系内に挿入されるとともにコンピューティングデバイスと通信する血管内デバイスによって取得された、異なるモダリティに関連付けられた第1及び第2の血管内データを受信するステップであって、血管内デバイスは、近位部分と遠位部分とを有する可撓性の長尺部材と、可撓性の長尺部材の遠位部分に配置されたセンサアセンブリであって、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)のアレイを備えるセンサアセンブリとを含み、センサアセンブリは、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの少なくとも2つを備える、ステップと、コンピューティングデバイスにおいて、第1及び第2の血管内データを処理するステップと、コンピューティングデバイスからコンピューティングデバイスと通信するディスプレイへと、処理された第1及び第2の種類の血管内データのグラフィック描写を表示のために提供するステップと、を有する。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、第1及び第2の血管内データは、血管内デバイスによって同時に取得される。いくつかの実施形態において、CMUTのアレイの異なる部分が圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。いくつかの実施形態において、方法は、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するために、CMUTのアレイのそれぞれの異なる部分を制御するステップを更に有する。いくつかの実施形態において、第1及び第2の血管内データは、異なる時間において血管内デバイスによって取得される。いくつかの実施形態において、センサアセンブリは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。いくつかの実施形態において、方法は、それぞれの異なる時間において、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するようにセンサアセンブリを制御するステップを更に有する。
【0013】
[0013] 本開示の更なる態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0014】
[0014] 本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015] 本開示の態様に従った、血管内感知システムの概略的な構成図である。
【
図2】[0016] 本開示の態様に従った、血管内デバイスの概略的な側面図である。
【
図3】[0017] 本開示の態様に従った、CMUTのアレイの概略的な上面図である。
【
図4】[0018] 本開示の態様に従った、CMUTのアレイの概略的な上面図である。
【
図5】[0019] 本開示の態様に従った、血管内データ取得プロトコルの概略的な図である。
【
図6】[0020] 本開示の態様に従った、血管内データを取得する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0021] 本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施態様がここで参照され、それらを説明するために特定の用語が使用される。しかしながら、本開示の範囲を限定することが意図されないことは理解されよう。本開示が関連する技術分野の当業者なら通常思いつくように、説明されるデバイス、器具及び方法に対する任意の改変及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる適用は、完全に企図されている。特には、1つ又は複数の実施態様に関して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実施態様に関して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わされ得ることが完全に企図されている。簡潔さのために、いくつかの場合において、同一の参照番号が複数の図面を通じて同一の又は類似の部品を指すために使用される。
【0017】
[0022] 本開示は、概して、複数の異なる血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するように動作可能なCMUTアレイを有する血管内感知デバイス、システム及び方法に関する。いくつかの実施形態において、CMUTアレイの異なる部分が、圧力センサ、流量センサ、撮像センサなどのうちの異なるものとして動作可能である。いくつかの実施形態において、CMUTアレイは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ、撮像センサなどとして動作可能である。複数のCMUTアレイが血管内デバイスに備えられ得る。各CMUTアレイの位置決め及び方向は、特定の血管内モダリティに関連付けられたデータの収集を最適化するように選択され得る。
【0018】
[0023] 本開示の血管内感知デバイス、システム及び方法は、複数の利点を提供する。例えば、CMUTアレイの利用は、血管内デバイスの長さに沿って延在する導体をより少なくする。例えば、CMUTは、2つの電極へとそれぞれ延在する2つの導体を含む。電極間の静電容量変化は、取得される血管内データを表し得る。また、CMUTアレイは、通信する複数の個別のCMUTを有利に利用する。この点に関して、CMUTアレイ内の個別のCMUT及び/又はゾーンは、個別に取り扱われ及び/又はさもなければ制御され得る。また、静電容量変化の検知は使用されるプロセス/メモリが少ないので、CMUTアレイは、プロセッサによって実施される処理及び/又はメモリに記憶されるデータを有利に減少させる。また、CMUTアレイは、より小型で、最小限の侵襲性のセンサ及び血管内デバイスを可能にする。
【0019】
[0024]
図1を参照すると、そこに図示されるのは血管内感知システム100である。システム100は、センサアセンブリ112及び116を有する血管内デバイス110と、コンピューティングデバイス120と、患者インターフェースモジュール(PIM)122と、ディスプレイ130とを含む。血管内感知システム100は、例えば、病院又は他の医療サービス提供者のカテーテル処置室内に実現され得る。血管内デバイス110は、より詳細に、
図2においても示される。
【0020】
[0025]
図1及び
図2の両図を参照すると、血管内デバイス110は、可撓性の長尺部材106と、センサアセンブリ112、116とを含む。血管内デバイス110は、血管内感知処置中に、外科医又は他の医療従事者などのユーザによって患者の血管系内に挿入されるように構成される。この点に関して、血管内デバイス110は、カテーテル、ガイドワイヤ又はガイドカテーテルであってよい。可撓性の長尺部材106は、遠位部分102と近位部分104とを有する。長さ及び直径を含む可撓性の長尺部材106の寸法は、異なる実施形態において様々であってよい。例えば、可撓性の長尺部材106は、冠状動脈、末梢血管、心臓及び/又は患者の血管系の他のエリアにおける使用のための大きさ及び形状に形成され得る。
【0021】
[0026] 異なる実施形態において、血管内デバイス110は、可撓性の長尺部材106に結合された1つ、2つ、3つ、4つ又はそれより多くのセンサアセンブリを含み得る。
図1及び
図2は、血管内デバイス110の遠位部分102に配置された2つのセンサアセンブリ112、116を示す。各センサアセンブリ112、116は、CMUTのアレイ又は複数のCMUTを含む。この点に関して、各アレイは、平面的、非平面的、及び/又は他の適切な構成に配され得る。例えば、アレイは、(例えば、
図4に図示されるような)実質的に2次元的にレイアウトされたCMUTを含み得る。また、アレイは、非平面的な構成に配され得る。例えば、実質的に2次元的にレイアウトされたCMUTを有するアレイは、血管内デバイス(例えば、
図1及び
図2のセンサアセンブリ112)の周囲に巻き付けられたときに、円筒状の又は非平面的な構成に配され得る。CMUTアレイは、2次元的又は3次元的なものとして説明され得ることが理解される。この点に関して、実質的に2次元的(x及びy)にレイアウトされたCMUTを有するアレイは、第3の次元(z)に少なくともいくらかの値だけ延在する。他の適切な2次元的又は3次元的な構成も企図される。
【0022】
[0027]
図1及び
図2においては、各CMUTのレイヤの最も外側が可視化されている。例えば、各CMUTは、電圧が印加された際に撓んで、(例えば、超音波信号を送信するために)圧力波を生み出すように、又は(例えば、超音波エコーを受信した際に)静電容量の変化として電子的に感知される圧力を検知/測定するように構成されたセンサメンブレン又はダイヤフラム140を含む。CMUTは、2012年6月19日発行の「CMUTs with a high−k dielectric」と題された米国特許第8,203,912号;2003年10月14日発行の「Fabrication of capacitive micromachined ultrasonic transducers by micro−stereolithography」と題された米国特許第6,632,178号;2012年12月11日発行の「Method for production and using a capacitive micro−machined ultrasonic transducer」と題された米国特許第8,327,521号;2000年6月15日発行の「Capacitive micromachined ultrasonic transducers」と題された米国特許第6,443,901号;2003年12月9日発行の「Micromachined ultrasound transducer and method for fabricating same」と題された米国特許第6,659,954号;2014年9月3日出願の「Capacitive micro−machined ultrasound transducer device with charging voltage source」と題された米国特許出願第14/382,560号;2013年12月13日出願の「Ultrasound transducer assembly and method of manufacturing the same」と題された米国特許出願第14/125,958号;2014年6月16日出願の「Ultrasound transducer device and method of manufacturing the same」と題された米国特許出願第14/365,647号;2014年7月1日出願の「Capacitive micro−machined transducer and method of manufacturing the same」と題された米国特許出願第14/370,110号;2014年6月27日出願の「Capacitive micro−machined transducer and method of manufacturing the same」と題された米国特許出願第14/369,341号;2011年3月8日出願の「Capacitive micromachine ultrasound transducer」と題された米国特許出願第13/062,744号;2013年9月3日出願の「Catheter comprising capacitive micromachined ultrasonic transducers with an adjustable focus」と題された米国特許出願第13/885,791号;2012年3月13日出願の「Ultrasonic CMUT with suppressed acoustic coupling to the substrate」と題された米国特許出願第14/000,891号;及び2014年6月16日出願の「Ultrasound transducer device and method of manufacturing the same」と題された米国特許出願第14/365,647号、において説明されているものと類似のものでよく、これらの全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
[0028] センサアセンブリ112、116は、任意の所望の仕方で、可撓性の長尺部材106に位置決め、配列、配向及び/又はさもなければ配置され得る。例えば、センサアセンブリ112、116は、可撓性の長尺部材106の長さに沿った任意のポイントに位置決めされ得る。センサアセンブリ112、116は、線形状、矩形状、円形状、楕円形状、環状及び/又は他の適切な形状に形成されたCMUTのアレイを含み得る。センサアセンブリ112、116は、可撓性の長尺部材106に、側面向き、正面向き、他の適切な方向及び/又はそれらを組み合わせた方向において結合される。示された実施形態において、センサアセンブリ112は、可撓性の長尺部材106の周囲の又はそれの周りに環状の構成で配置される。センサアセンブリ112は、例えば、視野114をカバーする側面方向に配置され得る。この点に関して、センサアセンブリ112は、血管内の撮像及び/又は圧力データを取得するために有利に位置決めされる。センサアセンブリ116は、可撓性の長尺部材106の遠位端部に配置される。センサアセンブリ116は、例えば、視野118をカバーする正面方向に配置される。この点に関して、センサアセンブリ116は、血管内の撮像、圧力データ及び/又は流量データを取得するために有利に位置決めされる。いくつかの場合において、2つ以上のセンサアセンブリが、既知の離間距離(例えば10cm、20cmなど)で、可撓性の長尺部材106に結合され得る。例えば、3つのセンサアセンブリを有する実施形態において、第1及び第2のセンサアセンブリは第1の距離だけ離間され得、第1及び第3のセンサアセンブリは第2の距離だけ離間され得る。このような実施形態において、センサアセンブリは、圧力を感知して1つ又は複数の圧力量(iFR、FFR、Pd/Paなど)を計算するために有利に利用される。例えば、第1のセンサアセンブリは、病変に対して近位方向の場所(例えば、大動脈又はその近傍、冠状動脈など)に位置決めされ得、第2及び第3のセンサアセンブリは、病変に対して遠位方向の場所に位置決めされ得る。従って、センサアセンブリは、例えば、血管内デバイスが血管系内に静止して保持されている状態で、近位圧力(例えば、Pa)及び2つの遠位圧力(例えば、近位圧力を測定した場所から異なる距離におけるPd
1、Pd
2)を測定し得る。
【0024】
[0029] センサアセンブリ112、116は、実質的に単体のコンポーネントであってよく、又は構成要素によって形成されてよい。例えば、センサアセンブリ116は、単一のコンポーネントであってよい。例えば、センサアセンブリ112は、複数のパネル142、144、146を含み得る。センサアセンブリ112は、血管内デバイス110の
図1及び
図2では不可視の側に他のパネルを含み得る。パネル142、144、146は、全体として矩形状であるように図示されているが、異なる実施形態において、それらは他の形状に形成され得る。センサアセンブリ112は、平面的な構成のパネル142、144、146を有して製造され得る。血管内デバイス110の組み付け中に、パネル142、144、146は、環状の構成に折り畳まれ得る。この点に関して、もしもユーザが望むならば、センサアセンブリ116は、ソリッドステート又はフェーズドアレイ圧電トランスデューサアレイと同様の仕方で動作され得る。例えば、個別のパネルが、(例えば、超音波信号を送信するため、超音波信号を受信するためなど)掃引式に一つずつ作動され得る。
【0025】
[0030] センサアセンブリ112、116は、撮像データ、圧力データ、ドップラ又はベロシティ流量データ、容積又は質量流量データ、温度データ、他の診断データ及び/又はこれらの組み合わせを感知、収集、及び/又は他の仕方で取得するように構成される。いくつかの実施形態において、センサアセンブリ112及びセンサアセンブリ116は、異なる種類又はモダリティの血管内データを取得するように動作可能である。例えば、センサアセンブリ112が圧力データを取得する一方、センサアセンブリ116が流量データを取得する。いくつかの実施形態において、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116は各々、一種類の血管内データを取得するように固定的に構成される。この点に関して、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116は、例えば製造中に、特定の血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するように最適化され得る。いくつかの実施形態において、センサアセンブリ112、116は、同一の血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するように動作可能である。
【0026】
[0031] いくつかの実施形態において、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116は、異なる血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するように可変的に構成される。この点に関して、センサアセンブリ112、116は、任意の1つ又は複数の血管内感知モダリティを取得するように動作可能である。例えば、センサアセンブリ112は、圧力データを取得し、その後に流量データを取得し得る。このような実施形態は、
図5に関してより詳細に説明される。他の実施形態において、センサアセンブリ112、116によって取得されるデータ種類は、ユーザによって、(例えば血管内感知処置の前及び/又はその最中に)選択及び制御され得る。いくつかの実施形態において、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116のうちの1つが一種類の血管内データを取得するように固定的に構成される一方、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116の他方は異なる種類の血管内データを取得するように可変的に構成される。
【0027】
[0032] いくつかの実施形態において、センサアセンブリ(例えば、センサアセンブリ112、センサアセンブリ116など)を形成するCMUTのアレイの異なる部分が、異なるモダリティに関連付けられた血管内データを取得するように動作可能である。
図3及び
図4に関してより詳細に説明されるように、CMUTアレイの一部分が撮像データを取得するように構成され得、一部分が圧力データを取得するように構成され得、一部分が流量データを取得するように構成され得る、などとなる。いくつかの実施形態において、センサアセンブリの異なる部分は各々、一種類の血管内データを取得するように固定的に構成され得る。この点に関して、異なる部分が、例えば製造中に、それぞれのデータ種類を取得するように最適化され得る。いくつかの実施形態において、CMUTアレイの異なる部分は各々、異なる種類の血管内データを取得するように可変的に構成され得る。例えば、CMUTアレイの第1の部分は圧力データを取得し、その後に流量データを取得し得る。他の実施形態において、CMUTアレイの異なる部分によって取得されるデータ種類は、ユーザによって、(例えば血管内感知処置の前及び/又はその最中に)選択及び制御され得る。
【0028】
[0033] 血管内デバイス110は、センサアセンブリ112、116、コンピューティングデバイス120、及び/又はPIM122の間での信号の送信を促進するための様々な他のコンポーネントを含み得る。例えば、血管内デバイス110は、センサアセンブリ112、116、コンピューティングデバイス120、及び/又はPIM122を電気的に結合する導体を含み得る。この点に関して、導体は、CMUTの電極、CMUTアレイの特定の部分、及び/又はセンサアセンブリ112、116と接触している。血管内デバイス110は、センサアセンブリ112、116及び/又はその特定の部分を制御するように構成された集積回路コントローラチップ又は特定用途向け集積回路も含み得る。例えば、コントローラチップは、送信器回路を作動させて、電気パルスを生成してCMUTアレイ要素を励起させるとともに、コントローラチップに含まれる増幅器を介してCMUTアレイ要素から受信された増幅されたエコー信号を受け取る。コントローラチップは、センサアセンブリ112、116及び/又はその部分に対して信号を提供して、特定の血管内感知モダリティに関連付けられたデータを取得することもできる。この点に関して、コントローラチップは、関連付けられたモダリティを判定するために、取得されたデータの前処理を実施するように構成される。いくつかの場合において、例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2013年12月18日出願の「Intravascular Devices Having Information Stored Thereon And/Or Wireless Communication Functionality,Including Associated Devices,Systems,And Methods」と題された米国特許出願第14/133,331号において説明されるように、コントローラチップは、デジタル信号処理機能、増幅器機能、無線機能を実施し得る。
【0029】
[0034] 再び
図1を参照すると、血管内デバイス110及び/又はセンサアセンブリ112、116は、コンピューティングデバイス120及び/又はPIM122と通信する。例えば、コンピューティングデバイス120は、血管内デバイス110によって取得された血管内データを受信し、この血管内データを処理して、取得されたデータのグラフィック描写を生成する。例えば、コンピューティングデバイス120は、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116からPIM122を経由して圧力データを受信し得る。コンピューティングデバイス120はデータを処理して、1つ又は複数の圧力量(例えば、FFR、iFRなど)を計算し得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス120は、取得されたデータを血管のX線透視/血管造影画像と相互位置合わせ(co−register)し得る。コンピューティングデバイス120は、血管の画像に重畳された圧力量などの処理されたデータのグラフィック描写をディスプレイ130に出力し得る。別の例として、コンピューティングデバイス120は、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116からの超音波エコーを表す撮像データを受信し得る。コンピューティングデバイス120は、データを処理して、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116の周囲の媒体内の組織構造の画像を再構成し得る。ディスプレイ130に提供され、そこに表示される画像は、血管内デバイス110の長手軸に垂直な平面内の組織の2次元的な解剖学的構造を表すBスキャン画像と類似のものであり得、画像の任意のポイントの明るさは、組織内の対応する場所から受信されたエコー信号の強さを表す。いくつかの実施形態において、血管内デバイス110によって取得された撮像データは、ルーメンのマッピングに使用される。コンピューティングデバイス120は、撮像データを受信、処理して、患者の血管系のルーメンの輪郭を示す画像を生成し得る。更に別の例として、コンピューティングデバイス120は、流量データを受信、処理して、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116の周囲の媒体内の要素の、血流などの運動の視覚的描写を生成し得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス120は、コントローラチップに関して上述された1つ又は複数の機能を実施する。例えば、コンピューティングデバイス120は、信号を生成してセンサアセンブリ112、116及び/又はその部分に対して提供し、特定の血管内感知モダリティに関連付けられたデータを取得し得る。
【0030】
[0035] コンピューティングデバイス120は、概して、本開示内で論じられる処理及び分析技術を実施するために適した任意のデバイスを表し得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス120は、プロセッサ、ランダムアクセスメモリ及び記憶媒体を含む。コンピューティングデバイス120は、本明細書において説明されるデータ取得及び分析に関連付けられたステップを実行するように動作可能である。従って、データ取得、データ処理、器具制御、及び/又は本開示の他の処理及び制御態様に関連する任意のステップは、コンピューティングデバイスによってアクセスされ得る非一時的コンピュータ可読媒体上に又はその内部に記憶された対応する命令を使用してコンピューティングデバイスによって実施されることが理解される。いくつかの場合において、コンピューティングデバイス120は、コンソールデバイスである。いくつかの特定の場合において、コンピューティングデバイス120は、Volcano Corporationから各々が入手可能な、s5(商標)Imaging System又はs5i(商標)Imaging Systemに類似のものである。いくつかの場合において、コンピューティングデバイス120は持ち運び可能(例えば、ハンドヘルド型、ローリングカート上、など)である。更に、いくつかの場合において、コンピューティングデバイス120は、複数のコンピューティングデバイスを備えることが理解される。この点に関して、本開示の異なる処理及び/又は制御態様は、複数のコンピューティングデバイスを使用して、別個に又は予め定められたグループ内で実施され得ることが、特に理解される。複数のコンピューティングデバイスにわたった以下に説明される処理及び/又は制御態様の任意の分割及び/又は組み合わせは、本開示の範囲内にある。
【0031】
[0036] PIM122は、コンピューティングデバイス120と血管内デバイス110のセンサアセンブリ112、116との間の信号の通信を促進する。いくつかの実施形態において、PIM122は、取得された血管内データの予備的な処理を、データをコンピューティングデバイス120に中継するのに先立って実施する。このような実施形態の例において、PIM122は、データの増幅、フィルタリング、及び/又は集約を実施する。一実施形態において、PIM122は、センサアセンブリ112、116内の回路を含む血管内デバイス110の動作を支援するために高及び低電圧DC電力の供給も行う。PIM122は、受信された血管内データをコンピューティングデバイス120に送り、そこでは、とりわけ、処理されたデータのグラフィック描写が生成されてディスプレイ130に表示される。いくつかの実施形態において、PIM122は、例えば血管内データの送信及び受信に関連する無線機能を実施するように構成される。例示的なPIMは、例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2013年12月18日出願の「Wireless Interface Devices,Systems,and Methods for Use with Intravascular Pressure Monitoring Devices」と題された米国特許出願第14/133,406号において説明されている。
【0032】
[0037]
図3を参照すると、そこに図示されるのはCMUTアレイ300の上面図である。この点に関して、アレイ300は、全体的な又は部分的なセンサアセンブリを備え得る。例えば、CMUTアレイ300は、センサアセンブリ112であってよく、又は個別のパネル142、144、146(
図2)であってよい。CMUTアレイ300は、複数のセンサメンブレン340を含む。この点に関して、センサメンブレン340の大きさは、図面において必ずしも縮尺通りではない。いくつかの実施形態において、センサメンブレン340の各々の直径は、約1μmから約200μmの間、約10μmから約200μmの間、約20μmから約200μmの間、及び/又はこれらよりも大きい及び小さい他の適切な値であってよい。
【0033】
[0038] いくつかの実施形態において、CMUTアレイ300の異なる部分又はゾーンが、異なる血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するように動作可能である。例えば、ゾーン352は圧力データを取得するように構成され得、ゾーン354は流量データを取得するように構成され得、ゾーン356は撮像データを取得するように構成され得る。すなわち、CMUTアレイ300の異なる部分が、圧力センサ、流量センサ及び/又は撮像センサを備える。ゾーン352、354、356は、似通った大きさ及び形状に形成されるように図示されているが、ゾーンは互いに異なる大きさ及び形状に形成されてよいことが理解される。同様に、示された実施形態は矩形状のゾーンを示している。様々な実施形態において、円形状、楕円形状、多角形状などの他の形状がゾーンを画定するために使用される。いくつかの実施形態において、同一の機能を実施する個別のCMUT及び/又はゾーンは、アレイ内で連続的に配される。他の実施形態において、アレイ内で互いから離間された(例えば不連続的な)個別のCMUT及び/又はゾーンが同一の機能を実施する。例えば、コンピューティングデバイスは、異なるゾーンにおいて収集された血管内データを処理して、合成データを生成し得る。いくつかの場合において、個別のゾーンは、個別の圧力センサ、流量センサ、及び/又は撮像センサとして説明され得る。
【0034】
[0039]
図4を参照すると、そこに図示されるのはCMUTアレイ400の上面図である。CMUTアレイ400は、CMUTアレイ300(
図3)と多くの点において類似のものである。この点に関して、アレイ400は、全体的な又は部分的なセンサアセンブリを備え得る。例えば、CMUTアレイ400は、センサアセンブリ116(
図2)であってよい。CMUTアレイ400は、複数のセンサメンブレン440を含む。いくつかの実施形態において、CMUTアレイ400の異なる部分又はゾーンが、異なる血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するように動作可能である。例えば、ゾーン452は圧力データを取得するように構成され得、ゾーン454は流量データを取得するように構成され得、ゾーン456は撮像データを取得するように構成され得る。すなわち、CMUTアレイ400の異なる部分が、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサを備える。示された実施形態において、ゾーン456は円形状である一方、ゾーン452及び454は、環状、輪状又はドーナツ形状である。ゾーン452、454、456は、同心状でもある。様々な実施形態において、ゾーンは異なる大きさ及び形状に形成されてよいことが理解される。
【0035】
[0040]
図5を参照すると、そこに図示されるのは血管内データ収集プロトコル500を表す図である。概して、プロトコル500は、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ及び/又は撮像センサを備える1つのセンサアセンブリを表す。センサアセンブリの異なる機能を迅速に周期的に繰り返すことによって、同一のセンサアセンブリが、複数の血管内モダリティに関連付けられたデータを取得するために利用され得る。例えば、プロトコル500は、センサアセンブリ112及び/又はセンサアセンブリ116(
図1及び
図2)を使用して実施される。
【0036】
[0041] プロトコル500は、期間570、572、574、576、578を含み、これらの期間中にセンサアセンブリは異なる機能を実施する。示された実施形態において、期間570、572、574、576、578は各々10msであると図示されている。期間570、572、574、576、578の持続期間は、他の実施形態においては、異なってよいことが理解される。同様に、1つ又は複数の期間570、572、574、576、578は、1つ又は複数の他の期間570、572、574、576、578よりも長い又は短い持続期間を有してもよいことが理解される。例えば、期間570中に、センサアセンブリは圧力データを取得するように動作可能である。期間572、574は、撮像データに関連付けられ得る。特には、期間572中に、センサアセンブリは、超音波を送信するように動作可能であり、期間574中に、センサアセンブリは、患者の血管内の組織構造から反射された超音波エコーを受信するように動作可能である。期間576中に、センサアセンブリは、流量データを取得するように動作可能である。サイクル560は、感知処置の全体的持続期間中に、複数回繰り返され得る。
【0037】
[0042]
図6は、血管内データを取得する方法600のフローチャートを示す。示されるように、方法600は、いくつかの列挙されたステップを有するが、方法600の実施態様は、列挙されたステップの前、後及びその間に追加的なステップを有してよい。いくつかの実施態様において、列挙されたステップのうちの1つ又は複数は、省略されてよく、又は異なる順番で実施されてよい。方法600のステップは、コンピューティングデバイス120(
図1)などのプロセッサによって実施される。
【0038】
[0043] ステップ610において、方法600は、コンピューティングデバイスにおいて、異なるモダリティに関連付けられた第1及び第2の血管内データを受信することを有する。第1及び第2の血管内データは、患者の血管系内に挿入された血管内デバイスによって取得される。血管内デバイスは、コンピューティングデバイスと通信する。血管内デバイスは、血管内デバイス110(
図1及び
図2)と類似のものでよく、近位部分と遠位部分とを有する可撓性の長尺部材と、可撓性の長尺部材の遠位部分に配置されたセンサアセンブリとを含む。センサアセンブリは、CMUTのアレイを含み得る。センサアセンブリは、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの少なくとも2つを備え、又は圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの少なくとも2つの機能を実施するように動作可能である。
【0039】
[0044] いくつかの実施形態において、第1及び第2の血管内データは、血管内デバイスによって同時に取得される。例えば、CMUTのアレイの異なる部分が、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの異なるものを備え得、又は圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの異なるものとして動作し得る。この点に関して、方法600は、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するために、CMUTのアレイのそれぞれの異なる部分を制御することを有し得る。
【0040】
[0045] いくつかの実施形態において、第1及び第2の血管内データは、血管内デバイスによって異なる時間において取得される。例えば、センサアセンブリは、異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの異なるものを備え得、又は異なる時間において、圧力センサ、流量センサ又は撮像センサのうちの異なるものとして動作し得る。この点に関して、方法600は、それぞれの異なる時間において、圧力データ、流量データ又は撮像データを取得するようにセンサアセンブリを制御することを有し得る。
【0041】
[0046] ステップ620において、方法600は、コンピューティングデバイスにおいて、第1及び第2の血管内データを処理することを有する。第1及び第2の血管内データを処理することは、取得されたデータをフィルタリング、分析、及び/又は他の仕方で操作するための1つ又は複数の計算ステップを含み得る。この点に関して、第1及び第2の血管内データを処理することは、第1及び第2の血管内データに関連付けられた血管内モダリティを判定することを含み得る。
【0042】
[0047] ステップ630において、方法600は、コンピューティングデバイスからコンピューティングデバイスと通信するディスプレイへと、処理された第1及び第2の種類の血管内データのグラフィック描写を表示のために提供することを有する。グラフィック描写は、患者の血管系の画像、量、色、陰影、及び/又は処理されたデータを表す他の適切な情報を含み得る。
【0043】
[0048] 当業者は、上述された装置、システム及び方法は、様々な仕方で修正され得ることも認識されよう。従って、当業者は、本開示によって含まれる実施形態は、上述された特定の例示的な実施形態に限定されるものではないことを理解されよう。この点に関して、例示的な実施形態が図示及び説明されたが、前述の開示において広範な修正、変更及び置換が企図される。このような変形は、前述のものに対して、本開示の範囲から逸脱することなしになされ得るものと理解される。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示と一貫した仕方で、広く解釈されるべきであると理解される。