(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理システムが、前記絶対キャパシタンスの変化に基づいて前記入力面近くの前記入力オブジェクトの位置情報を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0015]理解を容易にするため、同一参照番号は、できるだけ、図に共通の同一要素を示すために使用された。ひとつの実施形態に開示された要素は、特別な記述なしに他の実施形態にも有効に利用されうる。ここに引用される図面は、特に断らない限り、一律の縮尺で描かれていると理解されるべきでない。また、図面は、描写と説明を分かりやすくするために、しばしば単純化されるか詳細又は構成要素が省略される。図面及び考察は、後述される原理を説明するものであり、類似の名称は類似の要素を示す。
【0009】
[0016]
図1は、本発明の実施形態による例示的な入力装置100のブロック図である。入力装置100は、電子システム(図示せず)に入力を提供するように構成されうる。この文書で使用されるとき、用語「電子システム」(又は「電子装置」)は、広義には、情報を電子的に処理できる任意のシステムを指す。電子システムの幾つかの非限定的な例には、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、電子書籍リーダ及び携帯情報端末(PDA)など、全てのサイズ及び形状のパーソナルコンピュータが含まれる。追加の例示的な電子システムには、入力装置100と別個のジョイスティック又はキースイッチを含む物理キーボードなどの複合入力装置が含まれる。更に他の例示的な電子システムには、データ入力装置(リモートコントロールとマウスを含む)などの周辺装置と、データ出力装置(表示画面とプリンタを含む)が含まれる。他の例には、遠隔端末、キオスク、及びテレビゲーム機(例えば、ビデオゲーム機、携帯ゲーム機など)が含まれる。他の例には、通信装置(スマートフォンなどの携帯電話を含む)と媒体装置(レコーダ、エディタ、及びテレビ、セットトップボックス、音楽プレーヤ、デジタルフォトフレーム及びデジタルカメラなどのプレーヤを含む)が含まれる。更に、電子システムは、入力装置に対してホスト又はスレーブでよい。
【0010】
[0017]入力装置100は、電子システムの物理部分として実現されてもよく、電子システムから物理的に別個でもよい。必要に応じて、入力装置100は、バス、ネットワーク、及び他の有線又は無線相互接続のうちの任意の1つ以上を使用して、電子システムの部分と通信できる。例には、I
2C、SPI、PS/2、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Bluetooth、RF及びIRDAが含まれる。
【0011】
[0018]
図1では、入力装置100は、検出領域120内の1つ以上の入力オブジェクト140によって提供される入力を検出するように構成された近接センサ装置(「タッチパッド」又は「タッチセンサ装置」と呼ばれることも多い)として示される。例示的な入力オブジェクトには、
図1に示されるような指とスタイラスが含まれる。
【0012】
[0019]検出領域120は、入力装置100の上、まわり、中及び/又は近くの任意の空間を包含し、入力装置100は、ユーザ入力(例えば、1つ以上の入力オブジェクト140によって提供されるユーザ入力)を検出できる。特定検出領域のサイズ、形状及び位置は、実施形態によって大きく異なりうる。幾つかの実施形態では、検出領域120は、入力装置100の表面から空間内に1つ以上の方向に、信号対雑音比によって十分に正確なオブジェクト検出が妨げられるまで延在する。この検出領域120が特定方向に延在する距離は、様々な実施形態では、約1ミリメートル未満、数ミリメートル、数センチメートル、又はそれ以上でよく、使用される検出技術のタイプと必要な精度により大きく異なりうる。したがって、幾つかの実施形態は、入力装置100の表面との接触を含まない入力、入力装置100の入力面(例えば、タッチ面)との接触を含む入力、加えられた力又は圧力のある程度の量と結合された入力装置100の入力面との接触を含む入力、及び/又はこれらの組み合わせを含む入力を検出する。様々な実施形態では、入力面は、センサ電極が中に存在するケーシングの表面、センサ電極やケーシングなどの上に被せられた表面板などによって提供されうる。幾つかの実施形態では、検出領域120は、入力装置100の入力面に投影されたときに矩形形状を有する。
【0013】
[0020]入力装置100は、センサ構成要素と検出技術の任意の組み合わせを利用して検出領域120内のユーザ入力を検出できる。入力装置100は、ユーザ入力を検出するための1つ以上の検出要素を含む。幾つかの非限定的な例として、入力装置100は、容量、弾性、抵抗、誘導、磁気、音響、超音波及び/又は光学技術を使用できる。
【0014】
[0021]幾つかの実施態様は、一次元、二次元、三次元又はより高次元の空間に及ぶ画像を提供するように構成される。幾つかの実施態様は、特定の軸又は平面に沿った入力の投影を提供するように構成される。
【0015】
[0022]入力装置100の幾つかのキャパシタンス式の実施形態では、電圧又は電流が印加されて電界が作成される。近くの入力オブジェクトが、電界の変化を引き起こし、電圧や電流などの変化として検出されうる検出可能なキャパシタンス結合の変化を生成する。
【0016】
[0023]幾つかのキャパシタンス式の実施形態は、配列又は他の規則若しくは不規則パターンのキャパシタンス検出要素を利用して電界を作り出す。幾つかのキャパシタンス式の実施形態では、個別の検出要素をオーム的に短絡してより大きいセンサ電極を構成できる。幾つかのキャパシタンス式の実施形態は、均一な抵抗を有しうる抵抗シートを利用する。
【0017】
[0024]幾つかのキャパシタンス式の実施形態は、センサ電極と入力オブジェクトの間のキャパシタンス結合の変化に基づく「自己容量」(又は、「絶対キャパシタンス」)検出方法を利用する。様々な実施形態では、センサ電極近くの入力オブジェクトは、センサ電極近くの電界を変化させ、したがって、測定されるキャパシタンス結合が変化する。一実施態様では、絶対キャパシタンス検出方法は、センサ電極を基準電圧(例えば、系統接地)に対して変調させ、センサ電極と入力オブジェクトの間のキャパシタンス結合を検出することによって機能する。
【0018】
[0025]幾つかのキャパシタンス式の実施形態は、センサ電極間のキャパシタンス結合の変化に基づく「相互キャパシタンス」(又は「トランスキャパシタンス(transcapacitance)」)検出方法を利用する。様々な実施形態では、センサ電極近くの入力オブジェクトが、センサ電極間の電界を変化させ、それにより測定されたキャパシタンス結合が変化する。一実施態様では、トランスキャパシタンス検出方法は、1つ以上のトランスミッタセンサ電極(「トランスミッタ電極」又は「トランスミッタ」とも呼ばれる)と1つ以上のレシーバセンサ電極(「レシーバ電極」又は「レシーバ」とも呼ばれる)間のキャパシタンス結合を検出することによって機能する。トランスミッタセンサ電極は、基準電圧(例えば、系統接地)に対して変調されてトランスミッタ信号が送信される。レシーバセンサ電極は、派生信号の受け取りを容易にするために基準電圧に対して実質的に一定に保持されうる。派生信号は、1つ以上のトランスミッタ信号、及び/又は1つ以上の環境的干渉源(例えば、他の電磁気信号)に対応する作用を含みうる。センサ電極は、専用のトランスミッタ又はレシーバでもよく、送信と受信の両方を行うように構成されてもよい。
【0019】
[0026]
図1で、処理システム110は、入力装置100の一部として示される。処理システム110は、入力装置100のハードウェアを動作させて検出領域120内の入力を検出するように構成される。処理システム110は、1つ以上の集積回路(IC)及び/又は他の回路構成要素の一部又は全てを含む。例えば、相互キャパシタンスセンサ装置のための処理システムは、トランスミッタセンサ電極によって信号を送るように構成されたトランスミッタ回路、及び/又はレシーバセンサ電極によって信号を受け取るように構成されたレシーバ回路を含みうる。幾つかの実施形態では、処理システム110は、ファームウェアコード、ソフトウェアコードなどの電子的に読み取り可能な命令を含む。幾つかの実施形態では、入力装置100の近接検出要素など、処理システム110を構成する構成要素が一緒に配置される。他の実施形態では、処理システム110の構成要素は、入力装置100の検出要素の近くにある1つ以上の構成要素、及び他の場所にある1つ以上の構成要素と物理的に別個である。例えば、入力装置100は、デスクトップコンピュータに結合された周辺装置でもよく、処理システム110は、デスクトップコンピュータの中央処理装置及び中央処理装置とは別個の1つ以上のIC(多くの場合、関連ファームウェアを有する)上で動作するように構成されたソフトウェアを含みうる。別の例として、入力装置100は、電話に物理的に組み込まれてもよく、処理システム110は、電話の主処理装置の一部である回路とファームウェアを含みうる。幾つかの実施形態では、処理システム110は、入力装置100の実現に専用化される。他の実施形態では、処理システム110は、表示画面の動作や触覚アクチュエータの駆動などの他の機能を実行する。
【0020】
[0027]処理システム110は、処理システム110の様々な機能を処理する1組のモジュールとして実現されうる。各モジュールは、処理システム110の一部である回路、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせを含みうる。様々な実施形態では、モジュールの様々な組み合わせが使用されうる。例示的なモジュールには、センサ電極や表示画面などのハードウェアを操作するためのハードウェア操作モジュール、センサ信号や位置情報などのデータを処理するためのデータ処理モジュール、及び情報を報告するための報告モジュールが含まれる。更に他の例示的なモジュールには、入力を検出する検出要素を操作するように構成されたセンサ操作モジュール、モード変更ジェスチャなどのジェスチャを識別するように構成された識別モジュール、及び動作モードを変更するためのモード変更モジュールが含まれる。
【0021】
[0028]幾つかの実施形態では、処理システム110は、1つ以上のアクションを行うことによって、検出領域120内のユーザ入力(又は、ユーザ入力がないこと)に直接応答する。例示的なアクションには、動作モードの変更、並びにカーソル移動、選択、メニューナビゲーション及び他の機能などのGUIアクションが含まれる。幾つかの実施形態では、処理システム110は、入力(又は、入力がないこと)に関する情報を電子システムのある部分に(例えば、別個の中央処理システムが存在する場合は、処理システム110とは別個の電子システムの中央処理システムに)提供する。幾つかの実施形態では、電子システムのある部分は、処理システム110から受け取った情報を処理して、ユーザ入力に対応し、例えば、モード変更アクションとGUIアクションを含むあらゆる種類のアクションを容易にする。
【0022】
[0029]例えば、幾つかの実施形態では、処理システム110は、入力装置100の検出要素を操作して、検出領域120内の入力(又は、入力がないこと)を示す電気信号を生成する。処理システム110は、電子システムに提供される情報を生成する際に、電気信号に適切な量の処理を実行できる。例えば、処理システム110は、センサ電極から得られたアナログ電気信号をデジタル化できる。別の例として、処理システム110は、フィルタリング又は他の信号調整を実行できる。更に別の例として、処理システム110は、情報が電気信号とベースラインとの差を反映するように、ベースラインを除去するか他の形で考慮できる。更に他の例では、処理システム110は、例えば、位置情報を決定し、入力を命令と認識し、手書きを認識できる。
【0023】
[0030]「位置情報」は、ここで使用されるとき、絶対位置、相対位置、速度、加速度及び他のタイプの空間情報を広義に包含する。例示的な「ゼロ次元」位置情報には、近/遠又は接触/非接触情報が含まれる。例示的な「一次元」位置情報には、軸に沿った位置が含まれる。例示的な「二次元」位置情報には、平面内の動きが含まれる。例示的な「三次元」位置情報には、空間内の瞬間又は平均速度が含まれる。更に他の例には、空間情報の他の表現が含まれる。また、例えば、ある期間にわたって位置、動き又は瞬間速度を追跡する履歴データを含む一種類以上の位置情報に関する履歴データが、決定及び/又は記憶されうる。
【0024】
[0031]幾つかの実施形態では、入力装置100は、処理システム110又は何らかの他の処理システムによって操作される付加的な入力構成要素によって実現される。そのような付加的な入力構成要素は、検出領域120内に入力するための冗長機能又は何らかの他の機能を提供できる。
図1は、検出領域120の近くにあって、入力装置100を使用してアイテムの選択を容易にするために使用できるボタン130を示す。他の種類の付加的な入力構成要素には、スライダ、ボール、ホイール、スイッチなどが含まれる。これと反対に、幾つかの実施形態では、入力装置100は、他の入力構成要素なしに実現されうる。
【0025】
[0032]幾つかの実施形態では、入力装置100は、タッチスクリーンインタフェースを備え、検出領域120は、表示画面のアクティブ領域の少なくとも一部分と重なる。例えば、入力装置100は、表示画面を覆う実質的に透明なセンサ電極を備え、関連電子システムのためのタッチスクリーンインタフェースを提供できる。表示画面は、ユーザに視覚インタフェースを表示できる任意のタイプの動的表示装置でよく、かつ任意のタイプの発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、エレクトロルミネセンス(EL)又は他の表示技術を含みうる。入力装置100と表示画面は、物理要素を共用できる。例えば、幾つかの実施形態は、表示と検出に同じ電気構成要素の幾つかを利用できる。別の例として、表示画面は、処理システム110によって一部分が操作されてもよく全体が操作されてもよい。
【0026】
[0033]本発明の多くの実施形態が、完全に機能する装置の文脈で記述されるが、本発明の機構は、様々な形態のプログラム製品(例えば、ソフトウェア)として分散可能であることを理解されたい。例えば、本発明の機構は、電子処理装置によって読み取り可能な情報支持媒体(例えば、処理システム110によって読取り可能な非一時的コンピュータ読み取り可能及び/又は記録可能/書き込み可能な情報支持媒体)上にソフトウェアプログラムとして実装及び分散されうる。更に、本発明の実施形態は、分散を行うために使用される媒体の特定のタイプに関係なく等しく適用される。非一時的電子的読取り可能媒体の例には、様々なディスク、メモリスティック、メモリカード、メモリモジュールなどが含まれる。電子的読取り可能媒体は、フラッシュ、光学、磁気、ホログラフィ、又は任意の他の記憶技術に基づきうる。
【0027】
[0034]
図2Aは、幾つかの実施形態による例示的パターンの検出要素の一部を示す。実例と記述を分かりやすくするために、
図2Aは、検出要素を単純な長方形パターンで示し、検出要素と処理システム110の間の様々な相互接続などの様々な構成要素を示していない。電極パターン250Aは、第1の複数のセンサ電極260(260−1,260−2,260−3,...260−n)と、第1の複数の電極260の上に配置された第2の複数のセンサ電極270(270−1,270−2,270−3,...270−m)とを含む。示された例では、n=m=4であるが、一般にnとmはそれぞれ正整数であり、必ずしも互いに等しくない。様々な実施形態では、第1の複数のセンサ電極260は、複数のトランスミッタ電極(具体的には「トランスミッタ電極260」と呼ばれる)として作動され、第2の複数のセンサ電極270は、複数のレシーバ電極(具体的には「レシーバ電極270」と呼ばれる)として作動される。別の実施形態では、ある複数のセンサ電極が、送受信するように構成され、他の複数のセンサ電極が、送受信するように構成されうる。更に他の処理システム110は、派生信号を第1及び/又は第2の複数のセンサ電極の1つ以上のセンサ電極によって受け取り、1つ以上のセンサ電極が、絶対キャパシタンス検出信号によって変調される。第1の複数のセンサ電極260、第2の複数のセンサ電極270又はこれらの両方は、検出領域120内に配置されうる。電極パターン250Aは、処理システム110に結合されうる。
【0028】
[0035]第1の複数の電極260と第2の複数の電極270は、典型的には、互いにオーム的に分離される。即ち、1つ以上の絶縁体が、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270を分離し、それらの電極が互いに電気的に短絡するのを防ぐ。幾つかの実施形態では、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270は、交差領域で間に配置された絶縁材料によって分離され、そのような構造では、第1の複数の電極260及び/又は第2の複数の電極270が、同じ電極の異なる部分を接続するジャンパによって構成されうる。幾つかの実施形態では、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270が、1つ以上の絶縁材料層によって分離される。そのような実施形態では、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270が、共通基板の別個の層上に配置されうる。他の幾つかの実施形態では、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270が、1つ以上の基板によって分離され、例えば、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270が、同じ基板の両側に配置されてもよく、積層された異なる基板上に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の複数の電極260と第2の複数の電極270が、単一基板の同じ側に配置されうる。
【0029】
[0036]第1の複数のセンサ電極260と第2の複数センサ電極270の間の局所的なキャパシタンス結合領域が、「キャパシタンス画像」の「キャパシタンス画素」を構成する。第1と第2の複数のセンサ電極260と270間のキャパシタンス結合は、検出領域120内の入力オブジェクトの近さと動きにより変化する。更に、様々な実施形態では、第1の複数のセンサ電極260と第2の複数のセンサ電極270のそれぞれと入力オブジェクトとの間の局所的なキャパシタンス結合は、「キャパシタンス画像」の「キャパシタンス画素」と呼ばれうる。幾つかの実施形態では、第1の複数のセンサ電極260と第2の複数のセンサ電極270のそれぞれと入力オブジェクトとの間の局所的なキャパシタンス結合は、「キャパシタンスプロファイル」の「キャパシタンス測定値」と呼ばれうる。
【0030】
[0037]処理システム110は、センサ回路204を有するセンサモジュール208を含みうる。センサモジュール208は、電極パターン250Aを作動させて、検出周波数を有するキャパシタンス検出信号を使用する電極パターンの電極から派生信号を受け取る。処理システム110は、派生信号からキャパシタンス測定値を決定するように構成された処理モジュール220を含みうる。処理モジュール220は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサなどのプロセッサ回路222を含みうる。処理モジュール220は、本明細書に記載された機能を実施するためにプロセッサ回路222によって実行するように構成されたソフトウェア及び/又はファームウェアを含みうる。あるいは、プロセッサモジュール220の機能の幾つか又は全ては、ハードウェアで完全に実現されうる(例えば、集積回路を使用して)。処理モジュール220は、キャパシタンス測定値の変化を追跡して検出領域120の入力オブジェクトを検出できる。処理システム110は、他のモジュール構成を含むことができ、また、センサモジュール208と処理モジュール220によって実行される機能は、一般に、処理システム110内の1つ以上のモジュール又は回路によって実行されうる。処理システム110は、他のモジュール及び回路を含むことができ、以下の幾つかの実施形態で記述されるような他の機能を実行できる。
【0031】
[0038]処理システム110は、絶対キャパシタンス検出モード又はトランスキャパシタンス検出モードで動作できる。絶対キャパシタンス検出モードでは、センサ回路204内のレシーバが、電極パターン250Aのセンサ電極上の電圧、電流又は電荷を測定し、センサ電極が、絶対キャパシタンス検出信号で変調されて派生信号を生成する。処理モジュール220は、派生信号から絶対キャパシタンス測定値を生成する。処理モジュール220は、絶対キャパシタンス測定値の変化を追跡して検出領域120内の入力オブジェクトを検出できる。
【0032】
[0039]トランスキャパシタンス検出モードでは、センサ回路204内のトランスミッタが、第1の複数の電極260の1つ以上を、キャパシタンス検出信号(トランスキャパシタンス検出モードではトランスミッタ信号又は変調信号とも呼ばれる)によって駆動する。センサ回路204内のレシーバは、第2の複数の電極270の1つ以上における電圧、電流及び電荷を測定して派生信号を生成する。派生信号は、検出領域120内のキャパシタンス検出信号及び入力オブジェクトの影響を含む。処理モジュール220は、派生信号からトランスキャパシタンス測定値を生成する。処理モジュール220は、トランスキャパシタンス測定値の変化を追跡して検出領域120内の入力オブジェクトを検出できる。
【0033】
[0040]幾つかの実施形態では、処理システム110は、電極パターン250Aを「走査」してキャパシタンス測定値を決定する。トランスキャパシタンス検出モードでは、処理システム110は、第1の複数の電極260を駆動してトランスミッタ信号を送信する。処理システム110は、1つのトランスミッタ電極が一度に送信するか複数のトランスミッタ電極が同時に送信するように、第1の複数の電極260を作動できる。複数のトランスミッタ電極が同時に送信する場合、それらの複数のトランスミッタ電極が、同じトランスミッタ信号を送信し、より大きいトランスミッタ電極を有効に生成してもよく、それらの複数のトランスミッタ電極が、異なるトランスミッタ信号を送信してもよい。例えば、複数のトランスミッタ電極は、様々なトランスミッタ信号を、第2の複数の電極270の派生信号に対する複合効果を独立に決定可能にする1つ以上のコード体系に従って、送信できる。絶対キャパシタンス検出モードでは、処理システム110は、派生信号を、1つのセンサ電極260,270から一度に受け取ってもよく、複数のセンサ電極260,270から一度に受け取ってもよい。いずれのモードでも、処理システム110は、第2の複数の電極270を単独又は一緒に作動させて派生信号を取得できる。絶対キャパシタンス検出モードでは、処理システム110は、1つ以上の軸に沿った全ての電極を同時に駆動できる。幾つかの例では、処理システム110は、1つの軸に沿った(例えば、第1の複数のセンサ電極260に沿った)電極を駆動でき、同時に別の軸に沿った電極が、シールド信号やガード信号などによって駆動される。幾つかの例では、1つの軸に沿った幾つかの電極と他の軸に沿った幾つかの電極が、同時に駆動されうる。
【0034】
[0041]トランスキャパシタンス検出モードでは、処理システム110は、派生信号を使用してキャパシタンス画素におけるキャパシタンス測定値を決定できる。キャパシタンス画素からの1組の測定値が、画素におけるキャパシタンス測定値を表す「キャパシタンス画像」(「キャパシタンスフレーム」とも呼ばれる)を構成する。処理システム110は、複数の時間期間にわたる複数のキャパシタンス画像を取得でき、キャパシタンス画像の間の差を決定して検出領域120内の入力に関する情報を取得できる。例えば、処理システム110は、連続時間期間にわたって取得された連続キャパシタンス画像を使用して、検出領域120に入る、出る、及びその中の1つ以上の入力オブジェクトの動きを追跡できる。
【0035】
[0042]絶対キャパシタンス検出モードで、処理システム110は、派生信号を使用して、センサ電極260の軸及び/又はセンサ電極270の軸に沿ったキャパシタンス測定値を決定できる。1組のそのような測定値が、軸に沿ったキャパシタンス測定値を表す「キャパシタンスプロファイル」を構成する。処理システム110は、複数の時間期間にわたって軸の一方又は両方に沿った複数のキャパシタンスプロファイルを得ることができ、キャパシタンスプロファイル間の差を決定して検出領域120内の入力に関する情報を取得できる。例えば、処理システム110は、連続時間期間にわたって取得された連続キャパシタンスプロファイルを使用して、検出領域120内の入力オブジェクトの位置又は近さを追跡できる。他の実施形態では、各センサは、キャパシタンス画像のキャパシタンス画素でよく、絶対キャパシタンス検出モードを使用して、キャパシタンスプロファイルの追加又は代替としてキャパシタンス画像を生成できる。
【0036】
[0043]入力装置100のベースラインキャパシタンスは、検出領域120内の入力オブジェクトと関連しないキャパシタンス画像又はキャパシタンスプロファイルである。ベースラインキャパシタンスは、環境及び動作条件により変化し、処理システム110は、ベースラインキャパシタンスを様々な方法で評価できる。例えば、幾つかの実施形態では、処理システム110は、検出領域120内に入力オブジェクトがないことが決定されたときに「ベースライン画像」又は「ベースラインプロファイル」を取得し、そのベースライン画像又はベースラインプロファイルをベースラインキャパシタンスの評価として使用する。処理モジュール220は、キャパシタンス測定値におけるベースラインキャパシタンスを考慮でき、したがって、キャパシタンス測定値は、「デルタキャパシタンス測定値」と呼ばれうる。したがって、用語「キャパシタンス測定値」は、本明細書で使用されるとき、決定されたベースラインに対するデルタ測定値を含む。
【0037】
[0044]幾つかのタッチスクリーン実施形態では、第1の複数のセンサ電極260と第2の複数のセンサ電極270の少なくとも一方は、「Vcom」電極(コモン電極)、ゲート電極、ソース電極、アノード電極及び/又はカソード電極の1つ以上のセグメントなど、表示画面の表示の更新に使用される表示装置280の1つ以上の表示電極を備える。これらの表示電極は、適切な表示画面基板上に配置されうる。例えば、表示電極は、何らかの表示画面(例えば、インプレーンスイッチング(IPS)又はプレーントゥラインスイッチング(PLS)有機発光ダイオード(OLED))内の透明基板(ガラス基板、TFTガラス、又は他の透明材料)上、放射層(OLED)の上の何らかの表示画面のカラーフィルタガラス(例えば、パターンドバーチカルアライメント(Patterned Vertical Alignment)(PVA)又はマルチドメインバーチカルアライメント(Multi-domain Vertical Alignment)(MVA))の底面上などに配置されうる。表示電極は、表示更新及びキャパシタンス検出の機能を実行するので、「組み合わせ電極」とも呼ばれうる。様々な実施形態では、第1及び第2の複数のセンサ電極260及び270の各センサ電極は、1つ以上の組み合わせ電極を含む。他の実施形態では、第1の複数のセンサ電極260の少なくとも2つのセンサ電極、又は第2の複数のセンサ電極270の少なくとも2つのセンサ電極が、少なくとも1つの組み合わせ電極を共用できる。更に、一実施形態では、第1の複数のセンサ電極260と第2の複数電極270の両方が、表示画面基板上の表示スタック内に配置される。更に、表示スタック内のセンサ電極260,270の少なくとも1つが、組み合わせ電極を含みうる。しかしながら、他の実施形態では、第1の複数のセンサ電極260又は第2の複数のセンサ電極270だけ(両方ではなく)が、表示スタック内に配置され、一方、他のセンサ電極は、表示スタックの外側にある(例えば、カラーフィルタガラスの反対側に配置される)。
【0038】
[0045]一実施形態では、処理システム110は、センサモジュール208、処理モジュール220及び任意の他のモジュール及び/又は回路を有する、特定用途向け集積回路(ASIC)などの単一の一体型コントローラを備える。別の実施形態では、処理システム110は、複数の集積回路を含むことができ、センサモジュール208、処理モジュール220、及び任意の他のモジュール及び/又は回路が集積回路間に分割されうる。例えば、センサモジュール208が、1つの集積回路上にあってもよく、処理モジュール220及び任意の他のモジュール及び/回路が、1つ以上の他の集積回路でよい。幾つかの実施形態では、センサモジュール208の第1の部分が、1つの集積回路上にあってもよく、センサモジュール208の第2の部分が、第2の集積回路上にあってもよい。そのような実施形態では、第1と第2の集積回路の少なくとも一方が、ドライバモジュール及び/又は表示ドライバモジュールなどの他のモジュールの少なくとも一部分を含む。
【0039】
[0046]
図2Bは、幾つかの実施形態による検出要素の別の例示的パターンの一部分を示す。例証と記述を分かりやすくするために、
図2Bは、検出要素を矩形マトリクスで示し、処理システム110と検出要素の間の様々な相互接続などの様々な構成要素を示していない。電極パターン250Bは、矩形マトリクスに配置された複数のセンサ電極210を含む。電極パターン250Bは、J行K列で配列されたセンサ電極210
J,K(集合的にセンサ電極210と呼ばれる)を含み、ここで、JとKは正整数であるが、1又はJ及びKはゼロであってもよい。電極パターン250Bが、極配列(polar array)、繰り返しパターン、非繰り返しパターン、不均一配列、単一行又は列、又は他の適切な配列など、センサ電極210の他のパターンを含みうる。更に、センサ電極210は、円形、矩形、菱形、星形、四角形、非凸状、凸状、非凹状、凹状などの任意の形状でよい。更に、センサ電極210は、複数の別個のサブ電極に細分されうる。電極パターン250は、処理システム110に結合される。
【0040】
[0047]センサ電極210は、典型的には、互いにオーム的に分離される。更に、センサ電極210が複数のサブ電極を含む場合、サブ電極は、互いにオーム的に分離されうる。更に、一実施形態では、センサ電極210は、センサ電極210の間にあるグリッド電極218からオーム的に分離されうる。一例では、グリッド電極218は、グリッド電極218の窓216内に配置されたセンサ電極210の1つ以上を取り囲みうる。幾つかの実施形態では、電極パターン250Bは、複数のグリッド電極218を含みうる。幾つかの実施形態では、グリッド電極218は、1つ以上のセグメントを含みうる。グリッド電極218は、シールドとして使用されるか、センサ電極210によるキャパシタンス検出を行なうときに使用するガード信号を伝えるために使用されうる。代替又は追加として、グリッド電極218は、キャパシタンス検出を行なうときのセンサ電極として使用されうる。更に、グリッド電極218は、センサ電極210と同一平面でよいが、これは要件ではない。例えば、グリッド電極218は、異なる基板上、又はセンサ電極210と同じ基板の異なる側に配置されうる。グリッド電極218は必須ではなく、幾つかの実施形態では、グリッド電極218は存在しない。
【0041】
[0048]第1の動作モードで、処理システム110は、少なくとも1つのセンサ電極210を使用して、絶対キャパシタンス検出により入力オブジェクトの存在を検出できる。センサモジュール208は、センサ電極210上の電圧、電荷又は電流を測定して、センサ電極210と入力オブジェクト間のキャパシタンスを示す派生信号を取得できる。処理モジュール220は、派生信号を使用して絶対キャパシタンス測定値を決定する。電極パターン250Bのとき、絶対キャパシタンス測定値を使用してキャパシタンス画像を形成できる。
【0042】
[0049]第2の動作モードで、処理システム110は、センサ電極210群を使用して、トランスキャパシタンス検出によって入力オブジェクトの存在を検出できる。センサモジュール208は、センサ電極210の少なくとも1つのセンサ電極をトランスミッタ信号によって駆動でき、またセンサ電極210の少なくとも1つの他のセンサ電極から派生信号を受け取りうる。処理モジュール220は、派生信号を使用してトランスキャパシタンス測定値を決定しかつキャパシタンス画像を形成する。
【0043】
[0050]入力装置100は、前述したモードのいずれでも動作するように構成されうる。また、入力装置100は、前述したモードのいずれか2つ以上のモード間で切り替わるように構成されうる。処理システム110は、
図2Aに関して前述したように構成されうる。
【0044】
[0051]幾つかの実施形態では、処理システム110は、更に、入力オブジェクトのフォース情報を決定するように構成される。処理システム110は、表示装置に組み込まれたセンサ電極から得られた絶対キャパシタンス測定値に応じたフォース情報を決定できる。更に後述するように、入力装置100の表示装置は、入力オブジェクトによって加えられる力に応じて湾曲できる。表示装置が湾曲する結果、表示装置に組み込まれたセンサ電極の少なくとも一部分が平衡状態から撓む。加えられた力によってセンサ電極が撓む結果、絶対キャパシタンス測定値が変化する。フォース情報は、センサ電極の構成により、「フォース画像」、「フォースプロファイル」又はスカラフォース値を含みうる。例えば、センサ電極パターン250Bから得られた絶対キャパシタンス測定値を使用して、フォース画像又はフォーススカラ値を生成できる。別の例では、センサ電極パターン250Aから得られた絶対キャパシタンス測定値を使用して、フォースプロファイル又はフォーススカラ値を生成できる。いずれの場合も、フォース情報を位置情報と組み合わせて、入力オブジェクトの位置と、入力オブジェクトによって加えられる力の両方を決定できる。別の実施形態では、力の大きさを測定してスカラフォース値を決定できる。スカラフォース値を位置情報と組み合わせてフォース画像又はフォースプロファイルを生成できる。
【0045】
[0052]
図3は、一実施形態による入力装置100の断面を示すブロック図である。入力装置100は、入力面301、表示セル314A、バックライト308、空隙/圧縮性層310、及び少なくとも1つの導電性電極(導電性電極312)を備える。入力面301は、ガラス基板などの透明基板を含みうる。導電性電極312は、金属電極でよい。一実施形態では、導電性電極312は、単一の導電性バックプレーンを含む。別の実施形態では、導電性バックプレーンを部分に細分でき、導電性電極312は、導電性バックプレーンの一部分を含みうる。導電性電極312は、電気接地又は系統接地などの基準電圧に電気的に結合されうる。
【0046】
[0053]一実施形態では、表示セル314Aは、カラーフィルタ基板302、内部層305、及び薄膜トランジスタ(TFT)基板306を含む。内部層305は、カラーフィルタ層、液晶ディスプレイ(LCD)材料層、導電体層、絶縁体層などの様々な層を含みうる。詳細には、内部層305は、センサ電極304を構成する1つ以上の導電体層を含む。カラーフィルタ基板302、内部層305及びTFT基板306は柔軟であり、その結果、表示セル314Aが柔軟になる。
【0047】
[0054]センサ電極304は、様々な構成を有しうる。一例では、センサ電極304は、センサ電極パターン250Aの複数のセンサ電極260を含みうる。一例では、センサ電極304は、センサ電極パターン250Aの複数のセンサ電極260と複数のセンサ電極270を含みうる。別の例では、センサ電極304は、センサ電極パターン250Bのセンサ電極210を含みうる。任意の構成で、センサ電極304はそれぞれ、表示更新及びキャパシタンス検出のために構成された少なくとも1つのコモン電極を備える。
【0048】
[0055]表示セル314Aは、入力面301とバックライト308の間に配置される。表示セル314Aは、柔軟であり、力が入力面301に加えられたときに屈曲又は湾曲できる。この例では、導電性電極312は、空隙又は圧縮性層310でよい空隙/圧縮性層310によってバックライト308から分離される。従って、センサ電極304は、入力面301と導電性電極312の間に配置される。センサ電極304は、入力面301に加えられた力に応じて表示セル314が空隙/圧縮性層310内に湾曲するときに導電性電極312の方に撓むように構成される。入力面301に加えられる力の位置によって、センサ電極304の少なくとも一部分が、印加力に応じて導電性電極312の方に撓む。
【0049】
[0056]
図4は、一実施形態による別の表示セル314Bの断面を示すブロック図である。一実施形態では、表示セル314Bは、表示セル314Aの代わりに使用されうる。表示セル314B内で、レシーバ電極316が、カラーフィルタ基板302上に配置される。一実施形態では、センサ電極304は、トランスミッタ電極として動作する複数のセンサ電極260を含みうる。レシーバ電極316は、センサ電極パターン250Aの複数のセンサ電極270を含みうる。別の実施形態では、レシーバ電極316は、カラーフィルタ基板316上ではなく、内部層305内に配置される。更に別の実施形態では、レシーバ電極316は、センサ電極304と同じ層上に配置される。
【0050】
[0057]
図5は、別の実施形態による入力装置100の断面を示すブロック図である。この実施形態では、導電性電極312は、表示セル314の下でかつバックライト308の上に配置される。
表示セル314は、表示セル314A、表示セル314Bなどを含みうる。例えば、導電性電極312は、
表示セル314のTFT基板306の下に配置されうる。導電性電極3
12は、空隙/圧縮性層310によって表示セル314から分離される。
【0051】
[0058]
図3〜
図5の実施形態で、OLEDディスプレイなどの他のタイプのフレキシブル表示セルが使用されうる。一般に、表示セルは、LED、OLED、プラズマセル、電子インク素子、LCD構成要素、又はフレキシブルディスプレイと適合する他の適切な表示画素構造から構成された表示画素を含みうる。センサ電極304は、表示セル内に配置され、フレキシブルディスプレイを曲げる力が加えられたときに導電性電極312の方に撓む。
【0052】
[0059]
図6は、一実施形態による入力オブジェクトによって入力装置100に加えられた力を示す概略断面図である。入力オブジェクト(例えば、指)が、入力面(
図6に示されず)に力を加え、その力が、表示セル314を曲げる。表示セル314内に配置されたセンサ電極305が、導電性電極312の方に撓む。
図7は、
図6に示された印加力が与えられた入力装置100の平面図である。
図7の例では、センサ電極304は、センサ電極パターン250Bのセンサ電極210を含む。領域702内のセンサ電極210の一部分は、印加力に応じて導電性電極312の方に撓む。センサ電極パターン250Bは、例で示されているが、他のセンサ電極パターンを使用できる(例えば、センサ電極パターン250A)。一般に、入力装置100に加えられる所定の力によって、センサ電極305の少なくとも一部分が導電性電極312の方に撓む。
図7の例では、導電性電極312は、単一のバックプレーンを含むが、前述のような他の構成も使用できる。一実施形態では、導電性電極312の表面積は、センサ電極305それぞれの表面積より大きい。
【0053】
[0060]
図8は、一実施形態による一体型表示装置及びキャパシタンス検出装置を作動させる方法800を示す流れ図である。方法800は、前述された処理システム110によって、入力装置100と相互作用する入力オブジェクトのフォース情報、又はフォース情報と位置情報両方を決定するために実行されうる。一実施形態では、処理システム110は、垂直帰線消去時間や水平帰線消去時間などの非表示更新時間中に、方法800の全て又は一部を実行する。別の実施形態では、非表示更新時間は、表示フレームの表示線更新の間に生じかつ少なくとも表示線更新期間と同じ長さの水平帰線消去期間でよい。幾つかの実施形態では、1つの非表示更新期間をフォース検出のために使用でき、他の非表示更新期間をタッチ検出のために使用できる。
【0054】
[0061]方法800は、ステップ802で始まり、処理システム110は、キャパシタンス検出のためのセンサ電極を作動させる。センサ電極パターン250A又はセンサ電極パターン250Bのための絶対キャパシタンス検出やトランスキャパシタンス検出などのキャパシタンス検出のための様々な技術については前述された。
【0055】
[0062]ステップ804で、処理システム110は、絶対キャパシタンス検出のためのセンサ電極を駆動する。絶対キャパシタンス検出の技術については前述された。センサ回路204は、絶対キャパシタンス検出のためにセンサ電極260又はセンサ電極210を駆動できる。一実施形態では、ステップ806で、処理システム110は、トランスキャパシタンス検出のためにセンサ電極を駆動できる。トランスキャパシタンス検出の技術については前述された。センサ電極パターン250Aの場合、センサ回路204は、センサ電極270から派生信号を受け取りながらセンサ電極260をトランスミッタ信号で駆動できる。センサ電極パターン250Bの場合、センサ回路204は、他のセンサ電極210から派生信号を受け取りながら幾つかのセンサ電極210をトランスミッタ信号で駆動できる。
【0056】
[0063]ステップ808で、処理システム110は、センサ電極の少なくとも一部分の絶対キャパシタンスの変化を決定する。ステップ810で、処理システム110は、絶対キャパシタンスの変化に基づいて入力オブジェクトのフォース情報を決定する。前述したように、入力装置100に加えられる力に応じて、フレキシブルディスプレイ内のセンサ電極の一部分が、導電性電極の方に撓む。そのような撓んだ電極の絶対キャパシタンスは、その電極が導電性電極の方に撓むときに変化する。絶対キャパシタンスのこの変化を測定することによって、処理システム110は、フォース情報を決定できる。
【0057】
[0064]ステップ812で、処理システム110は、また、絶対キャパシタンス測定値及び/又はトランスキャパシタンス測定値に基づいて入力オブジェクトの位置情報を決定できる。処理システム110は、位置情報とフォース情報を組み合わせて、入力オブジェクトの位置と、入力オブジェクトによって入力装置100に加えられた力を決定できる。
【0058】
[0065]ここに述べられた実施形態及び例は、本技術とその特定の応用による実施形態を最もよく説明し、それにより当業者が本発明を作成し使用できるようにするために提示された。しかしながら、当業者は、以上の記述と例が、例証と実施例のためのみに提示されたことを理解するであろう。示された記述は、網羅的なものではなく、本発明を開示された厳密な形に限定するものでもない。
【0059】
[0066]以上を考慮して、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。