特許第6932719号(P6932719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6932719外科用器具の再使用を可能にするためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6932719
(24)【登録日】2021年8月20日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】外科用器具の再使用を可能にするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20210826BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20210826BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20210826BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
   A61B17/00 700
   A61B34/10
【請求項の数】17
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2018-551157(P2018-551157)
(86)(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公表番号】特表2019-515716(P2019-515716A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】US2017025003
(87)【国際公開番号】WO2017173073
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2020年3月30日
(31)【優先権主張番号】15/088,398
(32)【優先日】2016年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ディッカーソン・ベンジャミン・ディー
【審査官】 小宮 寛之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/138059(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0161054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 17/00
A61B 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)使用済み外科用器具の発電機接続部と連結するように構成されている発電機であって、
(i)前記使用済み外科用器具に電力を供給し、
(ii)前記使用済み外科用器具からデータを受信し、
(iii)前記使用済み外科用器具にデータを送信する、ように構成されている、発電機と、
(b)前記使用済み外科用器具に、一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を稼働させるように構成されている、外科用器具作動装置と、
(c)メモリであって、一連の命令を記憶するように構成されている、メモリと、
(d)プロセッサであって、
(i)前記使用済み外科用器具から一連の使用データを受信し、
(ii)力作動装置に、第1のモードで前記使用済み外科用器具を稼働させ、
(iii)前記第1のモードがアクティブである間に、前記使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定し、
(iv)前記一連の使用データ及び前記一連の電気的特性に基づいて、前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製する、ための前記命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を含み、
前記使用済み外科用器具のエンドエフェクタの画像をキャプチャするように位置付けられた撮像装置を更に含み、前記プロセッサは、
(i)前記撮像装置を介して前記エンドエフェクタの一連の画像データをキャプチャし、
(ii)前記一連の使用データ、前記一連の電気的特性、及び前記一連の画像データに基づいて、前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製する、ための命令を実行するように更に構成されている、システム。
【請求項2】
再調整プロファイルを作製するための前記構成が、前記一連の画像データと一連の新規装置の画像データとを比較し、使用済み外科用器具の前記エンドエフェクタの変形レベルを判定するため、前記プロセッサによって実行され得る命令を更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記エンドエフェクタを受容するように構成されているロードセルを更に含み、再調整プロファイルを作製するための前記構成は、
(i)前記使用済み外科用器具のエンドエフェクタに、前記ロードセルを稼働させて、力を加えさせ、
(ii)前記ロードセルに前記力を測定させる、ために前記プロセッサによって実行され得る命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記外科用器具作動装置が、前記使用済み外科用器具のユーザ入力を物理的に作動させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記外科用器具作動装置が、前記使用済み外科用器具に信号を送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、前記再調整プロファイルを表示するように構成されており、前記プロセッサは、前記再調整プロファイルが前記使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ選択を受信するように、更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
遠隔サーバと通信するネットワーク装置を更に含み、前記ネットワーク装置は、前記遠隔サーバに前記ユーザ選択を送信するように構成されており、前記ネットワーク装置は、前記一連の外科用器具モードのうちの1つ以上が有効であるときに、前記遠隔サーバに通知を送信するように更に構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記一連の使用データが、
(A)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の稼働カウント、
(B)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の稼働時間カウント、
(C)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具発電機の接続時間カウント、又は
(D)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の閉サイクルカウント、のうちの1つ以上を含み、
前記一連の電気的特性が、
(A)前記使用済み外科用器具に関連付けられた電気容量、
(B)前記使用済み外科用器具に関連付けられた消費電力、又は
(C)前記使用済み外科用器具に関連付けられた位相余裕、のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記再調整プロファイルが、
(A)外科用器具の再構成であって、前記使用済み外科用器具の動作を修正するために、前記使用済み外科用器具のメモリに書き込まれるように構成されている、外科用器具の再構成と、
(B)外科用器具の稼働データセットであって、前記一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を有効にするため、前記使用済み外科用器具の前記メモリに書き込まれるように構成されている、外科用器具の稼働データセットと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
(a)再調整装置において、使用済み外科用器具から一連の使用データを読み取ることと、
(b)前記再調整装置の入力作動装置を介して、前記使用済み外科用器具の一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を稼働させ、前記使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定することと、
(c)前記再調整装置を介して前記使用済み外科用器具の一連の機械的特性を測定することと、
(d)前記一連の使用データ、前記一連の電気的特性、及び前記一連の機械的特性に基づいて、前記再調整装置によって前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製することと、
(e)前記再調整プロファイルが前記使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ入力を受信することと、
(f)前記ユーザ入力に応答して、前記再調整プロファイルを前記使用済み外科用器具に適用することと、を含み、前記使用済み外科用器具に前記再調整プロファイルを適用することで、前記一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を有効にし、
前記使用済み外科用器具の前記一連の電気的特性を測定することが、
(i)前記使用済み外科用器具の超音波ブレードの音響インピーダンスを測定する活動、
(ii)前記使用済み外科用器具の稼働回路の伝導率を測定する活動、又は
(iii)前記使用済み外科用器具のトランスデューサの電気容量、消費電力、又は移相余裕のうちの少なくとも1つを測定する活動、のうちの1つ以上を含む、方法。
【請求項11】
前記再調整プロファイルが、外科用器具の再構成を含み、前記方法は、稼働時に前記使用済み外科用器具の前記電気的特性を修正するため、前記使用済み外科用器具のメモリに前記外科用器具の再構成を書き込むことを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記使用済み外科用器具の前記一連の機械的特性を測定する前記工程が、
(i)前記使用済み外科用器具のエンドエフェクタによって前記再調整装置のロードセルに加えられる力を測定する活動、
(ii)前記再調整装置の撮像装置を用いて、前記エンドエフェクタのクランプパッドの厚さを測定する活動、又は
(iii)前記再調整装置の撮像装置を用いて、前記エンドエフェクタの変形を測定する活動、のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記エンドエフェクタによって前記ロードセルに加えられる前記力が最小力閾値と最大力閾値との間にない場合に、
(a)前記再調整プロファイルの前記作製を終了する工程と、
(b)前記使用済み外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エンドエフェクタの前記クランプパッドの前記厚さが、最小厚さ閾値と最大厚さ閾値との間にない場合に、
(a)前記再調整プロファイルの前記作製を終了する工程と、
(b)前記使用済み外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記エンドエフェクタが、新規のエンドエフェクタと比較して安全でない変形を示している場合に、
(a)前記再調整プロファイルの前記作製を終了する工程と、
(b)前記使用済み外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
(a)前記再調整装置のディスプレイを介してユーザに前記再調整プロファイルを表示する工程と、
(b)前記ディスプレイを介して前記ユーザに一連の状況を表示する工程であって、前記一連の状況は、前記再調整プロファイルを前記使用済み外科用器具に適用することに関連付けられたコストを示す、工程と、
(c)前記再調整プロファイルが前記使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示す前記ユーザ入力を受信した後に、前記再調整装置のネットワーク装置を介して、前記ユーザと、前記使用済み外科用器具と、前記再調整プロファイルと、を識別する購入信号を遠隔サーバに送信する工程と、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
(a)使用済み外科用器具であって、
(i)稼働入力部と、
(ii)エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、超音波ブレードと、クランプアームと、を含み、前記クランプアームはクランプパッドを有する、エンドエフェクタと、
(iii)発電機接続部と、
(iv)外科用器具本体と、を含む、使用済み外科用器具と、
(b)再調整装置であって、
(i)外科用器具ホルダであって、前記外科用器具本体を保持するように構成されている、外科用器具ホルダと、
(ii)前記発電機接続部と連結するように構成されている発電機であって、前記発電機は、
(A)前記使用済み外科用器具に電力を供給し、
(B)前記使用済み外科用器具からデータを受信し、
(C)前記使用済み外科用器具にデータを送信する、ように構成されている、発電機と、
(iii)前記稼働入力部を作動させ、それによって前記エンドエフェクタを稼働させるように構成されている、外科用器具作動装置と、
(iv)前記エンドエフェクタの画像をキャプチャするように位置付けられている、撮像装置と、
(v)前記クランプアームのクランプ力を受け、測定するように構成されている、ロードセルと、
(vi)メモリであって、一連の命令を記憶するように構成されている、メモリと、
(vii)プロセッサであって、
(A)前記使用済み外科用器具から一連の使用データを受信し、
(B)力作動装置に、第1のモードで前記使用済み外科用器具を稼働させ、
(C)前記第1のモードがアクティブである間に、前記使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定し、
(D)前記一連の使用データ、前記一連の電気的特性、前記撮像装置によって視覚化されるエンドエフェクタ構造特性、及び前記クランプ力に基づいて、前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製し、
(E)前記使用済み外科用器具に前記再調整プロファイルを適用し、それによって前記使用済み外科用器具の少なくとも1つの動作モードを有効にする、ための前記命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を含む、再調整装置と、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
種々の外科用器具が、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封止するために、超可聴周波数で振動するブレード要素を有するエンドエフェクタを含む。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する圧電素子を含んでおり、それらの振動は音波導波管に沿ってブレード要素に伝達される。切断及び凝固の精度は、外科医の技術、並びに電力レベル、ブレードエッジ、組織引張、及びブレード圧力を調節することによって制御され得る。
【0002】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。このような装置及び関連する概念の更なる例は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第5,322,055号、表題「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」(1994年6月21日発行)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第5,873,873号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」(1999年2月23日発行)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」(1997年10月10日出願)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第6,325,811号、表題「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」(2001年12月4日発行)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第6,773,444号、表題「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」(2004年8月10日発行)、及びその開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第6,783,524号、表題「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日発行)に開示されている。
【0003】
超音波外科用器具のなお更なる例が、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」(2006年4月13日公開)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2007年8月16日公開)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」(2007年12月6日公開)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2008年8月21日公開)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0105750号、表題「Ergonomic Surgical Instruments」(2009年4月23日公開)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2010/0069940号、表題「Ultrasonic Device for Fingertip Control」(2010年3月18日公開)、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」(2011年1月20日公開)、及びその開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0029546号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」(2012年2月2日公開)に開示されている。
【0004】
いくつかの超音波手術器具は、関節運動シャフト部分を含み得る。このような超音波外科用器具の例は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0005701号、表題「Surgical Instruments with Articulating Shafts」(2014年1月2日公開)及びその開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0114334号、表題「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」(2014年4月24日公開)に開示されている。
【0005】
外科用器具を用いて行われる処置の重大な特質の結果として、新たに製造された器具に加えて、以前に利用されている再利用可能な器具についても、その両方で極めて厳しい許容量を必要とする可能性がある。特定の手術器具が製造時にある仕様を満たす又は超え得る一方で、何回かの使用後に、通常の損耗によって、又は使用と使用との間での加熱殺菌の結果として生じた部品の膨張によって、その性能が劣化し得る。このような製品の製造業者は、器具を廃棄すべき前の使用回数についてのガイドラインを提供することができるが、コストを意識するエンドユーザはこのようなガイドラインを無視し、エンドユーザ及び患者に対する安全上のリスク及びその他の望ましくない問題を引き起こし得る。
【0006】
これまでに外科用器具のライフサイクル管理に対して様々なシステムが作られ使用されてきたが、本発明者(単数又は複数)より以前に、本明細書に記載される技術を作った者又はこれを用いた者は誰もいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、特定の実施例に関する以下の説明を添付の図面と併せ読むことによってよりよく理解できるものと考えられ、添付の図面では、同様の参照番号は、同じ要素を特定している。
図1】例示的な外科用器具の側面図を示す。
図2】例示的な外科用器具及び例示的な再調整装置の概略図を示す。
図3図2の外科用器具のユーザビリティを決定し、更なる使用のためにそれを再調整するために、図2の再調整装置を使用して行われ得る、例示的な一連の高レベルな工程のフローチャートを示す。
図4図2の外科用器具を図2の再調整装置に接続するために実行され得る、例示的な一連の工程のフローチャートを示す。
図5図2の外科用器具から履歴情報を読み取るために、図2の再調整装置が実行し得る、例示的な一連の工程のフローチャートを示す。
図6図2の外科用器具の電気的性能を測定するために、図2の再調整装置が実行し得る、例示的な一連の工程のフローチャートを示す。
図7図2の外科用器具の機械的性能を測定するために、図2の再調整装置が実行し得る、例示的な一連の工程のフローチャートを示す。
図8図2の外科用器具のユーザビリティを評価するために、図2の再調整装置が実行し得る、例示的な一連の工程のフローチャートを示す。
図9図2の外科用器具を安全に使用するために再稼働させ、再調整するために、図2の再調整装置が実行し得る、例示的な一連の工程のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載された技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0009】
本明細書に記載された教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に記載された他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載された教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0010】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義する。用語「近位」とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。
【0011】
I.例示的な外科用器具
図1は、例示的な外科用器具(200)の側面図を示す。器具(200)は、超音波鋏のセットとして使用されるように構成され、そのため、器具(200)は、組織を切断し、ほぼ同時に組織を封止又は溶接するように動作可能である。また、器具(200)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati、Ohio)製のHarmonic ACE(登録商標)Ultrasonic Shearsとの様々な構造的及び機能的類似性を有してもよいことも理解されたい。更に、器具(200)は、本明細書で引用され、参考により本明細書に組み込まれるその他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、様々な構造的及び機能的類似性を有し得る。
【0012】
本実施例の器具(200)は、ハンドルアセンブリ(202)と、シャフトアセンブリ(212)と、エンドエフェクタ(214)と、を含む。ハンドルアセンブリ(202)は、ピストルグリップ(208)及びボタン(207)を含む本体(204)を含む。ハンドルアセンブリ(202)はまた、ピストルグリップ(208)へと向かうように、またそれから離れるように、枢動可能なトリガ(206)を含む。しかし、鉛筆把持部構成又はハサミ把持部構成を含むが、これらに限定されない、種々のその他の好適な構成を用いてもよい、と理解すべきである。更なるほんの一例として、器具(200)は、いずれもEthicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesにように構成され、動作可能であってもよい。
【0013】
超音波トランスデューサアセンブリ(210)は、ハンドルアセンブリ(202)の本体(204)から近位に延在する。いくつかの変形形態では、トランスデューサアセンブリ(210)は、本体(204)に対して取り外し可能である。いくつかの他の変形形態では、トランスデューサアセンブリ(210)は、本体(204)内に完全に収容されるか、そうでなければ、本体(204)に恒久的に固定される。トランスデューサアセンブリ(210)は、発電機(112)のソケットアセンブリ(116)に接続された、ケーブル(220)(図1に一部分のみ表示)を介して発電機(112)に連結される。トランスデューサアセンブリ(210)は発電機(112)から電力を受け、その電力を、圧電素子を介して超音波振動に変換する。トランスデューサアセンブリ(210)は、ボタン(207)のうちの1つの作動に応答して稼働する。ソケットアセンブリ(116)は、外科用器具(200)を発電機(112)に接続するための電力及び/又はデータの入出力を提供する。本実施例の発電機(112)は、ディスプレイ(118)を更に含む。ディスプレイ(118)は、発電機(112)及び取り付けられている任意の外科用器具(200)に関する情報を提供する。いくつかの変形例において、ディスプレイ(118)は、ユーザが発電機(112)の様々な設定を変更することを可能にするための制御手段又はインターフェースを更に提供する。発電機(112)は、トランスデューサアセンブリ(102)を介した超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(102)への電力プロファイルを提供するように構成されている、電源及び制御モジュールを更に含む。トランスデューサアセンブリ(210)のその他の構成も存在するが、これらは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0014】
ほんの一例として、発電機(112)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)より販売されているGEN04又はGEN11を含んでもよい。追加的に又は代替的に、発電機(112)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第8,986,302号、表題「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2015年3月24日発行)の教示の少なくとも一部に従って構築することができる。発生器(112)が取り得る更にその他の好適な形態、並びに発生器(112)が提供し得る様々な機構及び動作性は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0015】
エンドエフェクタ(214)は、超音波ブレード(216)及び枢動クランプアーム(218)を含む。クランプアーム(218)は、ピストルグリップ(208)へと向かうトリガ(206)の枢動に反応して、クランプアーム(218)が超音波ブレード(216)に向かって枢動可能になるように、かつ、ピストルグリップ(208)から離れる方向へのトリガ(206)の枢動に反応して、クランプアーム(218)が超音波ブレード(216)から離れる方向に枢動可能となるように、トリガ(206)に連結される。クランプアーム(218)をトリガ(206)と連結させ得る種々の好適な手段は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0016】
本実施例のブレード(216)は、特に組織がクランプアーム(218)とブレード(216)との間に圧迫されているとき、超音波周波数で振動して組織を効果的に切開し封止するように動作可能である。ブレード(216)は、音響ドライブトレーンの遠位端に位置付けられる。この音響ドライブトレーンは、トランスデューサアセンブリ(210)、及びシャフトアセンブリ(210)とブレード(216)との間に延在する音響導波管(図示せず)を含む。トランスデューサアセンブリ(210)は、剛性の音波導波管のホーン(図示せず)の近位に位置する、1組の圧電素子(図示せず)を含む。圧電ディスクは、電力を超音波振動に変換するように動作可能であり、超音波振動は次に、音波導波管に沿って送信され、音波導波管は、既知の構成及び技術により、シャフトアセンブリ(212)を通ってブレード(216)まで延在している。あくまで一例として、音響ドライブトレーンのこの部分は、上記の教示及び/又は本明細書に引用される様々な参考文献の様々な教示に従って構成され得る。超音波ブレード(216)が稼働状態にある(すなわち、超音波振動している)とき、超音波ブレード(216)は、特に組織がクランプアーム(218)と超音波ブレード(216)との間で圧縮されているときに、組織を効果的に切開し封止するように動作可能である。
【0017】
いくつかの変形形態では、エンドエフェクタ(214)は、組織に超音波エネルギーを印加することの加え、組織に無線周波数(RF)電気外科用エネルギーを印加するように動作可能である。ほんの一例として、エンドエフェクタ(214)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0141981号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」(2015年5月21日公開)、及び/又はその開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第8,663,220号、名称「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」(2014年3月4日発行)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され、動作可能であり得る。音響伝送アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(210)に関する他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。同様に、エンドエフェクタ(214)のその他の好適な構成も、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0018】
II.例示的な外科用器具の再調整装置
器具(200)のいくつかの変形形態は、器具(200)が外科処置で使用された後に、器具(200)が完全に又は部分的に無効化されるように構成される。しかし、いくつかの事例では、器具(200)を1回の外科処置で使用した後、器具(200)の再加工、滅菌、及び後続の外科処置での再使用を可能にすることが望ましい場合がある。それにもかかわらず、患者の安全を確保するために、器具(200)の再加工及び再使用に関するある程度の制限及び/又は品質管理を提供することも望まれ得る。そのためにも、図2は、例示的な診断及び再調整装置(270)と相互作用する例示的な外科用器具(250)を示す。本実施例では、外科用器具(250)は、上記の器具(200)と実質的に同一である。ただし、この実施例における超音波外科用器具の使用は、単に例示であることを理解されたい。更なるほんの一例として、器具(250)は、RF電気外科用器具(例えば、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製のENSEAL(登録商標)電気外科用器具と同様)、外科用ステープラ(例えば、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製のECHELON(登録商標)ステープル留め器具と同様)、及び/又は任意の他の好適な種類の外科用器具を代替的に含み得る。本明細書の教示が容易に適用され得る、様々な他の種類の器具は、当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
診断及び再調整装置(270)は、それが使用される特定の設定によって、かつ診断及び再調整装置(270)が適合する種類(単数又は複数)の外科用器具(250)によって、実際の設計が変化し得る、資本設備の一部として提供され得る。例えば、いくつかの変形形態では、診断及び再調整装置(270)は、1つの場所に恒久的に設置される単一の設備であってもよく、再配置用にカートに搭載されてもよく、又は発電機(112)、外科用器具消毒ステーション(例えば、Advanced Sterilization Products(Irvine,California)製のSTERRAD(登録商標)滅菌システムと同様)、若しくは外科用器具貯蔵ラックなどの設備の別の部分と統合されてもよい。別の例として、診断及び再調整装置(270)はまた、発電機(112)、又は種々の装置の再調整を提供するために柔軟な再構成を可能にするよう、特別に設計された設備の占有部分など、中央装置に可変接続され得る多数のモジュール構成部品であってもよい。診断及び再調整装置(270)が具現化され得る様々な他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0020】
図2に示すように、外科用器具(250)は、EEPROM(302)を収容する外科用装置の本体(300)を有する。EEPROM(302)は、外科用器具(250)が外科処置中にあるときに生成される、外科用器具(250)の様々な使用データを記憶し得る。かかる使用データとしては、外科用器具(250)が稼働した回数、使用された外科用器具(250)の機構、外科用器具(250)が発電機(112)に接続される時間の長さ、外科用器具(250)のそれぞれの個々のボタン(207)及び/又は機構(単数又は複数)が稼働した回数、器具(250)と対をなす他の装置のモデル番号及びシリアル番号(例えば、発電機(112)又はトランスデューサアセンブリ(210)など)、外科用器具(250)が使用される処置又は外科用器具(250)の性能の医師による観測結果などのカスタムユーザ入力データ、並びに他の同様の情報が挙げられ得る。EEPROM(302)はまた、外科用器具(250)の特定の機構が無効であるか否かを示す構成、特定の条件で外科用器具(250)を非稼働にさせ得るソフトウェア施行の安全機構、外科用器具(250)に供給される電力又は外科用器具(250)の機械的出力を制御するための外科用器具(250)に対する電気的及び機械的制限、並びに同様の構成などの、外科用器具(250)の様々な動作構成を含み得る。
【0021】
稼働入力部(304)は、本体(300)上に位置し、図1に示すトリガ(206)のようなトリガ、図1に示すボタン(207)のようなボタン、スイッチ、レバー、又は外科用器具に望ましくは含まれ得る任意の他のタイプの稼働入力部の形態であってもよい。また、外科用器具(250)に動力が提供され得るように、更に、使用データを更新する、動作構成を修正する、などのために、EEPROM(302)からのデータの読み取り又はそこへのデータの書き込みができるように、外科用器具(250)を発電機(112)に接続することを可能にする発電機接続部(306)も、本体(300)上に位置する。また、クランプアーム(例えば、クランプアーム(218)と同様)、超音波ブレード(例えば、ブレード(216)と同様)、並びに/又は組織を切断、封止、ステープル留め、把持、及び/若しくは別の方法で操作する別の機構のうちの1つ以上を含み得るエンドエフェクタ(308)が、装置本体(300)から延在している。
【0022】
診断及び再調整装置(270)は、外科用装置本体(300)の一部を受容、把持、又は固定化し、それによって、外科用器具(250)を診断及び再調整装置(270)に挿入又は取り付けるときに、外科用装置(250)を支持して安定させるように構成されている、外科用装置ホルダ(310)を有する。また、稼働入力部(304)に近接して配置され、存在する稼働入力部(304)のタイプによって、伸長、後退、収縮、拡張、ないしは別の方法で稼働入力部(304)を作動させるために移動するように構成されている、入力作動装置(312)も存在する。ほんの一例として、入力作動装置(312)は、モーター、ソレノイド、及び/又は制御信号に反応して作動運動を生成するように動作可能である任意の他の種類の構成部品を含んでもよい。外科用器具(250)の特定の形態により、外科用器具(250)の異なる機構を稼働させるいくつかの稼働入力部(304)が存在してもよい。その結果、診断及び再調整装置(270)のいくつかの変形形態は、いくつかの入力作動装置(312)を有してもよく、それにより、外科用器具(250)のそれぞれの機構を選択的に稼働させられ得る。図1の外科用器具を再び参照すると、診断及び再調整装置(270)は、トリガ(206)を作動させるように動作可能な第1の入力作動装置(312)と、1つのボタン(207)を作動させるように動作可能な第2の入力作動装置(312)と、他のボタン(207)を作動させるように動作可能な別の入力作動装置(312)と、を有してもよい。入力作動装置(312)に使用できる様々な好適な形態及び配置は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0023】
診断及び再調整装置(270)はまた、取り付けられた外科用器具(250)のエンドエフェクタ(308)を受容するように構成されている、エンドエフェクタレシーバ(314)を有する。例えば、超音波ブレード(216)を有する外科用器具(200)との使用に適合した診断及び再調整装置(270)の一変形形態では、エンドエフェクタレシーバ(314)は、超音波ブレード(216)を損傷することなく振動周波数又は強度を測定できるよう、動作中に超音波ブレード(216)に集束され得る光又はレーザーセンサを含んでもよい。また、クランプアーム(218)のグリップ強度、整合性、及び速度をテストするために使用され得るロードセル(316)センサが存在してもよい。ロードセル(316)は、クランプアーム(218)によって有効に把持されるように表面が寸法決め及び非平滑化されており、かつ、ロードセル(316)表面に適用される力を測定するように位置決めされた埋め込みの圧力センサ又はロードセルを有する、プレート(例えば、金属及び/又はプラスチック製など)を含んでもよい。エンドエフェクタレシーバ(314)及びロードセル(316)の特定の構成又は存在は、診断及び再調整装置(270)に接続されている外科用器具(250)の種類に依存することになる。このように、診断及び再調整装置(270)のいくつかの変形形態は、種々のテスト構成を考慮に入れて、本質的にモジュール化されてもよく、異なるタイプのエンドエフェクタレシーバ(314)が診断及び再調整装置(270)の残りの部分に取り付けられるか又は診断及び再調整装置(270)の残りの部分から取り外されることを可能にしてもよい。エンドエフェクタレシーバ(314)に使用できる様々な好適な形態及び配置は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0024】
本実施例の診断及び再調整装置(270)はまた、二次元若しくは三次元カメラ又は他の画像キャプチャ装置などの撮像装置(318)を含む。撮像装置(318)は、外科用器具(250)の現在の物理的状態及び動作のばらつきを元の仕様と比較できるよう、診断及び再調整装置(270)への接続及びテスト操作中にエンドエフェクタ(308)、装置本体(300)、稼働入力部(304)、及び/又は外科用器具(250)の他の機構を視覚的に観測するように配置されてもよい。したがって、撮像装置(318)は、外科用器具(250)の状態を感知するマシンビジョンを提供するために使用され得ることを理解されたい。例示的な例としての器具(200)を再び参照すると、撮像装置(318)は、クランプパッドが、クランプパッドの交換を保証する許容度を超えて摩耗しているか否か、又はクランプパッドの摩耗が許容できる程度であるかどうか、を判定するために、クランプアーム(218)上のクランプパッドの状態を視覚的に観測するために使用されてもよい。器具(200)を使用する別の単に説明を目的とした例として、撮像装置(318)は、クランプアーム(218)がまだブレード(216)に適切に位置合わせされているか否か、及びクランプアーム(218)がトリガ(206)の作動に反応して適切な閉鎖路に沿って移動するかどうかを確認するのに使用されてもよい。器具(200)を使用する更に別の単に説明を目的とした例として、撮像装置(318)は、ブレード(216)が何らかのひび割れ、欠け、又は他の許容できない状態を有しているか否かを判定するために使用されてもよい。
【0025】
追加的に又は代替的に、撮像装置(318)は、外科用器具(250)が診断及び再調整装置(270)に適切に固定されていることを確実にするため、外科用器具(250)の種類を識別する、ないしは別の方法で外科用器具(250)を識別するため、及び/又はその他の目的のために、マシンビジョンを提供するために使用され得る。更にほんの一例として、撮像装置(318)は、外科用器具(250)上の識別用光コード(例えば、QRコード、バーコードなど)を読み取るように構成されてもよい。別の例として、撮像装置(318)はまた、クランプアーム(218)がロードセル(316)を把持していることを視覚的に確認するなど、他の機械的又は電気的設備のアラインメントをガイドし、最適化するために使用されてもよい。更に別の例として、撮像装置(318)は、変形が生じているかどうかを判定するため、エンドエフェクタ(308)又は他の構成部品の形状を分析するために使用されてもよい。更に別の例として、撮像装置(318)は、QRコード、バーコード、又は外科用器具(250)に固着された別の光学識別子を識別し、解釈するために使用されてもよい。外科用器具(250)に存在する光学識別子は、情報を提供するか、又は遠隔システムから情報を検索するために使用され得る。このような情報は、製造業者からのデータ、滅菌及び使用状況、シリアル及びモデル番号データ、又は他のこのような情報を含み得る。撮像装置(318)が使用され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。撮像装置(318)は、いくつかの変形形態では省略してもよいことを理解されたい。
【0026】
本例の診断及び再調整装置(270)はまた、診断発電機(322)を含む。診断発電機(322)は、外科用器具(250)の発電機接続部(306)に接続して、外科用器具(250)に動作電力を提供する(例えば、エンドエフェクタ(308)の稼働を可能にする)ように構成される。診断発電機(322)はまた、外科用器具(250)のEEPROM(302)に読み取り動作及び書き込み動作を提供するように構成される。診断発電機(322)は、診断発電機(322)が診断及び再調整装置(270)と共に機能することを可能にする追加の構成によって修正された変形形態の発電機(112)を含んでもよい。診断発電機(302)は、いくつかの変形形態では、上記の発電機(112)と同じ物理的ハードウェア及び装置アーキテクチャの少なくとも一部を有してもよいが、診断発電機(302)は、それ以外には従来の発電機(112)のメモリに存在し得る診断設定とは異なる機構及び/又はソフトウェアを更に有してもよい。また、診断発電機(322)は、診断及び再調整装置(270)を資本設備の一部に統合されてもよいことを理解されたい。診断発電機(322)は、外科用器具(250)との電力及びデータ接続の特性を判定するためのセンサを追加的に有してもよく、電圧、電流、データ読み取り速度、データ書き込み速度、及び他の同様の特性を判定するためのセンサを含んでもよい。
【0027】
診断発電機(322)は、外科用器具(250)の1つ以上の特性をオーバーライドすることが追加的に可能であってもよい。例えば、外科用器具(250)のEEPROM(302)が外科用器具(250)の稼働を停止し、それによって外科用器具(250)を非動作状態にするように修正された場合、診断発電機(322)は、外科用器具(250)が診断発電機(322)に取り付けられている間、外科用器具(250)を正常に機能させるオーバーライド信号をEEPROM(302)に送信するように構成されてもよい。診断及び再調整装置(270)はまた、プロセッサ及びメモリ(320)を有し、それにより、データは、EEPROM(302)及びセンサ(314、316、318、322)から受信され、記憶、操作、送信、ないしは別の方法で影響を与えられ得る。プロセッサ及びメモリ(320)は、診断及び再調整装置(270)の他の構成部品を特定のやり方で稼働又は動作させるように実行され得る命令によって、追加的に構成されてもよい。これは、例えば、撮像装置(318)が稼働して、エンドエフェクタ(308)用の画像データのキャプチャを開始するようにさせるか、診断発電機(322)が様々な電流レベルを発電機接続部(306)に提供するようにさせるか、又は入力作動装置(312)が稼働入力部(304)を作動するようにさせることを含み得る。
【0028】
診断及び再調整装置(270)はまた、診断及び再調整装置(270)がローカルエリア又はワイドエリアネットワークに接続することを可能にする、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス、光若しくは同様の有線接続などによる有線接続性、又はWi−Fi、Bluetooth、無線又は同様の無線接続などの無線接続性に対応するネットワーク装置(324)を有してもよい。ネットワーク装置(324)は、診断及び再調整装置(270)が遠隔サーバ(326)と通信して、診断及び再調整装置(270)と外科用器具(250)との両方へのソフトウェア及び構成アップデート、分析報告、外科用器具(250)の登録、外科用器具(250)の機構管理、並びに他の同様の動作を提供することを可能にし得る。別の単に説明を目的とした例として、ネットワーク装置(324)は、外科用器具(250)が使用された回数、外科用器具(250)が使用された方法に関する他のデータ、外科用器具(250)の状態に関するデータ、及び/又は他の種類の情報などの情報を、外科用器具(250)の製造業者に伝達し得る。別の例として、ネットワーク装置(324)によって伝達される情報は、製品に関する問い合わせ、顧客のクレーム、安全性リスク、及び/又は外科用器具(250)が使用される医療処置中に識別される他の問題を含み得、このような情報は、外科用器具(250)の診断プロファイルに関連付けられ、遠隔トラブルシューティングを提供するために遠隔サーバ(326)を介して評価され得る。別の例として、ネットワーク装置(324)によって伝達される情報は、外科用器具(250)の再認証プロセスに関連付けられた利用契約の条項、保証情報、価格情報、及び支払情報を含み得る。別の例として、ネットワーク装置(324)によって伝達される情報は、外科用器具(250)に関する在庫管理情報、滅菌状況、及び洗浄状況を含み得る。
【0029】
III.外科用器具の再認証の例示的な方法
図3は、外科用器具(250)のユーザビリティを判定し、更なる使用のために外科用器具(250)を再調整するために、診断及び再調整装置(270)などの装置を使用して実行され得る、例示的な一連の高レベルな工程を示す。外科用器具(250)は、エンドユーザによる外科用器具(250)の制限のない使いすぎ又は乱用を防止するため、外科処置の完了(ブロック400)時に部分的に又は完全に稼働停止させてもよい。外科用器具(250)を処置に使用し(ブロック400)、完全に又は部分的に稼働停止した後、外科用器具(250)は、大きな物質(例えば、組織片、凝固血液、他の生体材料など)を除去し、外科用器具(250)の取り扱いを安全にして診断テストを実行するため、いくらかの基本的な洗浄(ブロック402)及び滅菌を必要とし得る。外科用器具(250)を概ね洗浄した後は(ブロック402)、外科用器具(250)を診断及び再調整装置(270)に接続する(ブロック404)ことができる。上記の洗浄工程(ブロック402)は単に任意であり、いくつかの変形形態では完全に省略されてもよいことを理解されたい。また、洗浄工程(ブロック402)を行う変形形態では、洗浄工程(ブロック402)を手動で行ってもよく、自動洗浄システムを用いて行ってもよく、又は任意の他の好適な方法で行ってもよいことを理解されたい。
【0030】
この接続(ブロック404)の後、診断及び再調整装置(270)は、外科用器具(250)の使用履歴の読み取り(ブロック406)、電気的性能の分析(ブロック408)、及び機械的性能の分析(ブロック410)を含む、外科用器具(250)のデータ分析及び物理的分析に基づいた、外科用器具(250)に対する診断を実行し得る。この分析は、上記のロードセル(316)、撮像装置(318)、及び診断発電機(322)などの機構を用いて行うことができることを理解されたい。診断及び再調整装置(270)は、分析(ブロック408、ブロック410)に基づいた外科用器具(250)の将来的なユーザビリティを評価し得(ブロック412)、次いで、外科用器具(250)の1つ以上の機構又は用途を再稼働して(ブロック414)、外科用器具(250)の更なる使用を可能にし得る。外科用器具(250)が再稼働された後(ブロック414)、外科用器具(250)は、診断及び再調整装置(270)から接続解除され、後続の医療処置で使用するために、手で完全に滅菌され得る(ブロック416)。上記の滅菌工程(ブロック416)は単に任意であり、いくつかの変形形態では完全に省略されてもよいことを理解されたい。また、滅菌工程(ブロック416)を行う変形形態では、滅菌工程(ブロック406)は、自動洗浄システムを用いて行ってもよく、又は任意の他の好適な方法で行ってもよいことを理解されたい。
【0031】
図4は、外科用器具(250)を診断及び再調整装置(270)に接続するために実行され得る、例示的な一連の工程を示す。図4に示された工程は、図3を参照する上記の接続工程(ブロック404)の一環として実行される一連の副工程として見ることができることを理解されたい。図4に示すプロセスを開始するために、外科用装置本体(300)を外科用装置ホルダ(310)内に配置するなど、外科用器具(250)は、最初にホルダ内に配置されてもよい(ブロック500)。外科用装置ホルダ(310)及び本体(300)は、ホルダ(310)が本体(300)の形状を補完する形状を有するような物理的制約によって適切な配置に導かれ、それにより、本体(300)がホルダ(310)に位置合わせされ、嵌め込まれるように構成されてもよい。また、配置(ブロック500)により、入力作動装置(312)に隣接して稼働入力部(304)が配置され、それによって入力作動装置(312)が稼働入力部(304)を稼働させ得る。追加的に又は代替的に、いくつかの変形形態では、外科用器具(250)は、発電機接続部(306)を介して送信される電力又はデータ通信によって稼働されてもよい。
【0032】
また、診断及び再調整デバイス(270)に対して外科用器具(250)を適切な配置する(ブロック500)ことにより、発電機接続部(306)と診断発電機(322)との間の接続(ブロック502)が生じることになる。いくつかの変形形態では、診断及び再調整装置(270)に対して外科用器具(250)を適切に配置する(ブロック500)ことにより、診断発電機(322)のコネクタが発電機接続部(306)に近接して位置することになり、それによって発電機接続部(306)と診断発電機(322)との手動連結が容易になる(例えば、ケーブルをソケットに差し込むなど)。いくつかの他の変形形態では、診断及び再調整装置(270)に対して外科用器具(250)を適切に配置する(ブロック500)ことにより、発電機接続部(306)と診断発電機(322)との間の自動接続が生じることになる。
【0033】
また、診断及び再調整装置(270)に対して外科用器具(250)を適切に配置する(ブロック500)ことにより、撮像装置(318)が、撮像される外科用器具(250)の構成部品を標的とすることになる。撮像装置(318)は、ユーザによって手動で又は診断及び再調整装置(270)によって自動で実行され得る、微調整焦点、照明又は標的設定運動などの追加の構成(ブロック504)を必要とし得る。ほんの一例として、様々な種類の外科用器具(250)(例えば、超音波外科用器具、RF電気外科用器具など)を受容できる診断及び再調整装置(270)の変形形態では、診断及び再調整装置(270)は、診断及び再調整装置(270)に連結される特定の種類の外科用器具(250)を自動的に認識し得、それによって、検出された種類の外科用器具(250)に基づいて、撮像装置(318)を自動的に構成(ブロック504)し得る。このような検出及び構成(ブロック504)が実行され得る様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0034】
また、診断及び再調整装置(270)に対して外科用器具(250)を適切に配置する(ブロック500)ことにより、エンドエフェクタ(308)とエンドエフェクタレシーバ(314)との間の接触(ブロック506)が生じることになる。この接触(ブロック506)は、例えば、エンドエフェクタレシーバ(314)に対してエンドエフェクタ(308)を手動で配置することを可能にするため、エンドエフェクタレシーバ(314)をエンドエフェクタ(308)に近接して配置することによって生じ得る。代替的に、この接触(ブロック506)により、本体(300)がホルダ(310)に押し込まれたときに、レシーバ(314)をエンドエフェクタ(308)に対して所定の位置に伸長させる機械的システム、又はユーザ入力若しくは他の入力に基づいてレシーバ(314)を所定の位置に伸長させる電気的システムによって、エンドエフェクタ(308)とレシーバ(314)との自動ペアリングが生じ得る。
【0035】
図4の上記工程(ブロック500、ブロック502、ブロック504、ブロック506)が完了した後、外科用器具(250)は、外科用器具(250)が装置ホルダ(310)内で実質的に固定化された状態になる。電力は、診断発電機(322)を介して外科用器具(250)に提供されてもよい。EEPROM(302)は、発電機接続部(306)を介してアクセス及び修正されてもよい。外科用器具(250)は、入力作動装置(312)及び/又は発電機接続部(306)を介して稼働されてもよい。エンドエフェクタ(308)は、撮像装置(318)を介して撮像されてもよく、及び/又は、エンドエフェクタレシーバ(314)、ロードセル(316)、若しくはその両方を介して物理的にテストされてもよい。これらのプロセスの全ては、図3に参照される上記の工程(ブロック408、ブロック410)の一環として行われてもよい。
【0036】
図5は、外科用器具(250)から履歴情報を読み取るために診断及び再調整装置(270)によって実行され得る、例示的な一連の工程を示す。図5に示す工程は、図3に参照される上記の装置履歴の読み取り(ブロック406)の一環として行われる一連の副工程として見ることができることを理解されたい。図5に示すプロセスを開始するため、外科用器具(250)が診断及び再調整装置(270)に完全に接続された後で、履歴使用情報を装置のEEPROM(302)から引き出し、分析することができる。これは、外科用器具(250)が稼働した回数(ブロック600)と、外科用器具(250)が稼働していた合計時間(ブロック602)と、外科用器具(250)が発電機(112)に接続されていた合計処置時間(ブロック604)又は合計時間と、適応組織技術(「ATT」)又は他の特別な機構モードなど、外科用器具(250)の特別な機構又は特別なモードが稼働していた合計時間(ブロック606)と、クランプアーム(218)上の摩耗を示すために使用され得る、閉サイクルの数(ブロック608)と、に関する使用情報の読み取り及びコンパイルを含み得る。履歴使用データは、EEPROM(302)から読み取られると、データを所望の形式に集約するように処理され、次いで外科用器具(250)のユーザビリティの最終評価(ブロック412)時に他の要因と共に使用されるよう、メモリ(320)又は別の記憶媒体に記憶され得る。
【0037】
図6は、診断及び再調整装置(270)が外科用器具(250)の電気的性能を測定するために実行し得る、例示的な一連の工程を示す。図6に示す工程は、図3に参照される上記の電気的性能分析工程(ブロック408)の一環として実行される一連の副工程トとして見ることができることを理解されたい。測定され得る電気的性能の1つの特性は、エンドエフェクタ(308)の音響インピーダンスであり(ブロック700)であり、エンドエフェクタ(308)は、超音波ブレード(216)を含む。音響インピーダンスが測定され得る(ブロック700)様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。ほんの一例として、音響インピーダンスを測定すること(ブロック700)は、エンドエフェクタレシーバ(314)、外科用装置ホルダ(310)、診断発電機(322)、及び/又は音響インピーダンスセンサに好適であり得る任意の他の位置などにある、診断及び再調整装置(270)に位置する1つ以上の音響インピーダンスセンサを介して実現することができる。入力作動装置(312)は、外科用器具(250)の音響ドライブドレインを稼働させると同時に、エンドエフェクタレシーバ(314)を、所望の接触をシミュレートするため、エンドエフェクタ(308)と様々なレベルで接触するように移動させ、それによって音響インピーダンスセンサがデータを収集できるように、稼働し得る。音響インピーダンスが許容範囲外である場合、これは、エンドエフェクタ(308)及び/又はその機械的若しくは電気的コネクタのうちの1つ以上が物理的に損傷していることを示し得ることが理解されよう。
【0038】
測定され得る電気的性能の別の特性は、スイッチの完全性である(ブロック702)。スイッチの完全性は、外科用器具(250)の使用の結果として減少する場合があり、外科用器具(250)の回路に沿った電気信号の伝送の干渉又は損失をもたらし得る。例えば、稼働入力部(304)は、普段の視覚的な観測に基づくと破損していないように見られ得るが、稼働入力部(304)の作動によって接続又は稼働する外科用装置本体(300)に含まれる回路機構は、外科用処置、洗浄、滅菌、又はそれ以外の方法での外科用器具(250)の使用による応力によって劣化し得る。回路機構が劣化すると、稼働入力部(304)の作動の結果として生成又は送信される信号は、不安定になり得るか、又は完全に停止し得る。診断発電機(322)は、外科用装置の稼働入力部(304)及び/又は他のスイッチの作動の結果として生成される信号を受信して分析する、1つ以上のセンサを含んでもよい。入力作動装置(312)は、外科用器具(250)に、超音波ブレード(216)の稼働、RF電極の稼働、切断、クランピングなど、1つ以上の機構を実行させ、それによってデータがセンサによって収集され得るように稼働し得る。
【0039】
測定され得る電気的性能の別の特性は、一体化されたトランスデューサ(例えば、トランスデューサアセンブリ(210)など)を有する外科用器具(250)の変形形態に関するトランスデューサ性能である(ブロック704)。診断発電機(322)は、使用中に外科用器具(250)の電力消費及び出力を検出することができる1つ以上のセンサを含み得る。入力作動装置(312)は、外科用器具(250)に、トランスデューサアセンブリ(210)を利用する1つ以上の機構を実行させるように稼働し得、結果として得られるメトリクスが測定され得る(704)。センサによって測定されるメトリクスは、静電容量、消費電力、及び位相余裕を含み得る。次いで、トランスデューサ性能測定値(ブロック704)は、スイッチ完全性(ブロック702)及び音響インピーダンス(ブロック700)と共にメモリ(320)又は他の記憶媒体に保存され、装置のユーザビリティ評価工程(ブロック412)時に使用され得る。
【0040】
図7は、外科用器具(250)の機械的性能を測定するために診断及び再調整装置(270)によって実行され得る、例示的な一連の工程を示す。図7に示す工程は、図3に参照される上記の機械的性能分析工程(ブロック410)の一環として実行される一連の副工程として見ることができることを理解されたい。図7に示すプロセスを開始するために、測定され得る機械的性能の1つの特性は、エンドエフェクタ性能である(ブロック800)。これは、ロードセル(316)によって測定されるクランプアーム(218)の把持力又はクランプ力などの特性を測定することを含み得る。エンドエフェクタ性能を測定すること(ブロック800)はまた、切断力、焼灼温度、超音波エフェクタ周波数、及び/又は他のエンドエフェクタ(308)の性能特性を測定することを含み得る。エンドエフェクタレシーバ(314)又はロードセル(316)に配置される1つ以上のセンサは、外科用器具(250)が入力作動装置(312)によって稼働している間に、このような特性を測定するように構成されてもよい。
【0041】
外科用器具(250)がクランプパッドを有するクランプアーム(例えば、クランプアーム(218)など)を含む変形形態では、測定され得る別の機械的特性は、パッド寸法(ブロック802)である。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は何らかの他の種類の比較的柔らかい材料で形成されたクランプパッドを有する外科用器具(250)の変形形態では、クランプパッドを形成する材料は、外科処置における外科用器具(250)の使用中に劣化する傾向にあり得る。使用されるクランプパッドの特性が測定され得る(ブロック802)様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。ほんの一例として、クランプパッドの厚さ及び/又は他の寸法は、残りのパッド若しくは表面の深さを推定するために検査され得る画像データを生成するため、又は、新しく製造されたクランプパッド若しくは表面からの画像データと比較するため、撮像装置(318)によって視覚的に観測され得る。本例は、クランプパッドの寸法を測定すること(ブロック802)を含むが、外科処置における外科用器具(250)の使用時に劣化する傾向にあり得る外科用器具(250)の他の構成部品又は機構(例えば、コーティングなど)に対して同様の測定を行い得ることを理解されたい。
【0042】
測定され得る別の機械的特性は、エンドエフェクタの変形(ブロック804)である。エンドエフェクタ(308)のいくつかの変形形態は、外科処置中に繰り返し使用されることによって変形する傾向にあり得、このような変形は、エンドエフェクタ(308)の性能に悪影響を及ぼす場合があることを理解されたい。例えば、クランプアーム(218)又はブレード(216)は歪む場合があり、クランプアーム(218)とシャフトアセンブリ(212)との枢軸連結は変形する場合があり、その結果、クランプアーム(218)とブレード(216)との間の位置ずれが生じ、及び/又はブレード(216)に対するクランプアーム(218)の許容できない閉鎖プロファイルが生じる。エンドエフェクタの変形が測定され得る(ブロック804)様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。ほんの一例として、撮像装置(318)は、1つ以上の位置からエンドエフェクタ(308)の画像をキャプチャし得る。いくつかのこのような変形形態では、撮像装置(318)は、伸長、後退、回転、又はそれ以外の方法で機械的に移動され得る、移動可能な要素上に装着されてもよく、それによってエンドエフェクタ(308)は、異なる位置から撮像され得る。追加的に又は代替的に、撮像装置(318)は静止したままであり得る一方、外科用装置ホルダ(310)は、外科用器具(250)自体の位置を操作して、複数の位置からのキャプチャ画像を可能にする。更に他の変形形態では、エンドエフェクタ(308)の撮像は、単一の位置のみから実行され得るか、又は3次元対応の撮像装置(318)によって単一の位置から実行され得る。
【0043】
エンドエフェクタ(308)の撮像から生成される画像データは、使用又は乱用によって生じた変形を判定するため、新しく製造された例と比較するのに使用されてもよく、又は理想的な若しくは許容可能な物理的状態にあるエンドエフェクタの仮想モデルと比較し得る、エンドエフェクタ(308)の仮想モデルを生成するのに使用されてもよい。測定されたエンドエフェクタ性能(ブロック800)、パッド品質(ブロック802)、及びエンドエフェクタの変形(ブロック804)は、メモリ(320)又は他の記憶媒体に保持し、装置のユーザビリティ評価工程(ブロック412)で使用することができる。
【0044】
図8は、診断及び再調整装置(270)が外科用器具(250)のユーザビリティを評価するために実行し得る、例示的な一連の工程を示す。図8に示す工程は、図3に参照される上記の装置のユーザビリティ評価工程(ブロック412)の一環として実行される一連の副工程として見ることができることを理解されたい。好適な情報及びメトリクスが使用可能になると(ブロック406、ブロック408、ブロック410)、外科用器具(250)の現在の物理的状態について、及び外科用器具(250)の状態が外科用器具(250)を再調整し、部分的又は完全に再稼働することが可能なものであるか否か、の判定を行うことができる。
【0045】
図8に示すプロセスは、使用履歴(ブロック406)が、更なる使用のために外科用器具(250)の安全な再調整を提供するのに十分に許容可能であるか否かの判断(ブロック900)から始まり得る。外科用器具(250)が、使用履歴に基づいて(ブロック900)安全に使用又は再調整され得ないと判断された場合、診断及び再調整装置(270)は、外科用器具(250)の再調整が不可能であること(ブロック920)を報告する。例えば、超音波外科用器具(200)は、発電機(112)に接続された合計時間に基づいた装置のロックアウトを防止するため、超音波外科用器具(200)が組織を切断するように活発に使用されている非常に短い期間を除き、おそらくは超音波外科用器具(200)を発電機(112)から接続解除したままにすることにより、その通常の寿命を超えてユーザに使用されている場合、装置の使用履歴は、6時間を超える稼働時間を示し得る。このような超音波外科用器具(200)が、最大3時間の稼働時間のみで安全に使用されることをテスト又は認証されている場合、装置の使用履歴は許容できず(ブロック900)、したがって再調整が不可能である(ブロック920)と判断され得る。外科用器具(250)の使用履歴が、再調整が不可能である(ブロック920)(又はそれ以外に許容できない)ことを示し得る他の状況は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0046】
代わりに、超音波外科用器具(200)が合計1時間しか稼働しておらず、安全性テストが、超音波外科用器具(200)の安全使用寿命が3時間であることを示しているなど、外科用器具(250)が、許容可能な使用履歴(ブロック900)を有すると判断される場合、装置の使用履歴に基づいて何らかの再構成が必要であるかどうかの判定がなされる(ブロック902)。必要とされ得る再構成としては、例えば、外科用器具(250)が程度の差こそあれ使用時に誤差を報告しやすくなるように、以前の広範な使用に応じて外科用器具(250)の誤差閾値を調節すること、以前の高頻度の使用に基づいて、外科用器具(250)の最大動作出力を調節すること、又は同様の再構成などが挙げられ得る。
【0047】
何らかの必須又は任意の再構成(ブロック902)があり得ると判断される場合、これらの再構成は、様々なタイプの将来的な使用を可能にするために、外科用器具(250)に対して行う必要のある変更又は選択的に行い得る変更を個別に記載した、1つ以上の履歴プロファイル(ブロック904)に編成される。例えば、ある履歴プロファイルは、外科用器具(250)の以前の高頻度の使用によって必要とされる再構成であってもよい。別の履歴プロファイルは、外科用器具(250)の特定の任意の機構の再稼働に起因する、任意の再構成であってもよい。例えば、超音波外科用器具(200)がATTなどの特別な機構を有する場合、特別な機構の使用によって超音波外科用器具(200)に付加される追加の応力により、この特別な機構は少量の使用後に無効になり得る。装置の使用量に基づいて、この機構は任意選択的に再有効化され得るが、必要性はない。任意であるか必須であるか、又は識別された履歴に基づいた再構成がないかどうか(ブロック902)が履歴プロファイルで判定されたら(ブロック904)、装置の使用履歴に基づいた装置のユーザビリティ評価は完了する。
【0048】
次に、装置性能に基づいた装置のユーザビリティの判定(ブロック906)により、外科用器具(250)の現在の機械的及び電気的状況並びに性能が、装置の安全な更なる使用を可能にさせるかどうかの判定がなされ得る。外科用器具(250)の性能が、再調整の許容可能レベルの範囲外であると判定された場合、診断及び再調整装置(270)は、再調整が不可能であることを報告する(ブロック920)。これは、例えば、現在の音響インピーダンス、スイッチの完全性、トランスデューサ性能、エンドエフェクタ性能、パッド品質、又はエンドエフェクタの変形が、許容範囲外にあり、外科用器具(250)が安全に使用できないこと、及び外科用器具(250)の安全な使用をもたらす構成変更が不可能であることを示している場合に発生し得る。外科用器具(250)の性能特性が許容範囲内にある(ブロック906)場合、何らかの必須又は任意の再構成が必要又は可能であるかどうかが判定される(ブロック908)。これは、外科用器具(250)が最初に製造され構成されてから変更された外科用器具(250)の物理的特性を考慮するため、EEPROM(302)に記憶された1つ以上の構成を調整することを含み得る。
【0049】
例えば、超音波外科用器具(200)の観点から、クランプアーム(218)のクランプパッドが50%の厚さであると判定された場合には、減少したクランプパッドの厚さを考慮しながら、クランプアーム(218)の最大クランプ強度又は最大クランプ移動距離を再構成して、外科用器具(200)の追加使用を可能にし得る。別の例として、スイッチの完全性が劣化していると判定された場合には、外科用器具(250)は、稼働入力部(304)の代わりにフットスイッチなどの代替スイッチによって外科用器具(250)を稼働できるように再構成され得る。別の例として、電気容量、消費電力、及び/又は位相余裕が製造時から変化している場合、外科用器具(250)によって引き込まれる電圧及び電流は、電気容量、消費電力、及び/又は位相余裕を元のメトリクスに戻すように再構成され得る。機械的又は電気的性能の変化を考慮に入れる再構成の更なる例が存在するが、これらは本明細書に記載の開示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0050】
必須及び任意の再構成が判定され、性能プロファイルに編成されたら(ブロック910)、診断及び再調整装置(270)は、外科用器具(250)がバッテリを含む場合にバッテリ特性を評価し得る(ブロック912)。これは、外科用器具(250)のいくつかの変形形態において、外科用器具(250)に電力を提供する発電機(112)に加え、又はその代わりに、外科用器具(250)に電力を提供し得る、内部バッテリ又は外部の取り外し可能バッテリを含み得る。バッテリの寿命を判定するとき(ブロック912)、診断及び再調整装置(270)は、バッテリの電流電荷を判定してもよく、バッテリの充電を試みてもよく、バッテリが充電可能である速度を判定してもよく、かつバッテリの追加テストを実行してもよい。バッテリを再構成又は維持する必要がある場合(ブロック914)、診断及び再調整装置(270)は、バッテリから引き出された電圧又は電流の再構成、バッテリ充電速度の再構成、バッテリの最大充電レベルの再構成、バッテリ交換の示唆、又は他の同様の変更などの、必須又は任意の変更を含み得る、バッテリプロファイルを判定し得る。バッテリが存在しない場合、又はバッテリがフル充電され、エラーがないか若しくは必要な再構成がない場合、装置のユーザビリティ評価は完了する(ブロック918)。
【0051】
図9は、診断及び再調整装置(270)が、外科用器具(250)を安全に使用するために再稼働及び再調整するように実行し得る、例示的な一連の工程を示す。装置のユーザビリティ評価(ブロック412)は、外科用器具(250)を再構成及び再稼働できないと判断した場合(ブロック1000)、外科用器具(250)が、再調整が不可能である又は許容できない寿命末期の状態に達していることが、ユーザ及び供給メーカーに通知され得る(ブロック1014)。ユーザには、診断及び再調整装置(270)のディスプレイを介して及び/又は外科用器具(250)のディスプレイを介して、外科器具(250)が余寿命を有していないこと、及び外科用器具(250)が廃棄されるか又は製造業者に戻されるべきであることが通知され得る。外科用器具(250)が位置する病院には、外科用器具(250)が使用できなくなったことも通知され得る。例えば、この通知は、ネットワーク装置(324)を介して病院の在庫管理システムに送信されてもよく、それによって、病院の在庫管理システムは次いで、使用済みの外科用器具(250)の交換を調整し得る。製造業者又は供給メーカーはまた、例えば、ネットワーク装置(324)を介して遠隔サーバ(326)に送信された通知によって通知されてもよく、それにより、供給メーカーは、外科用器具(250)の登録記録を更新するか、又は交換用の外科用器具(250)の配送を手配するためにユーザとの連絡を開始することができる。通知は、例えば、外科用器具(250)の使用量、機械的性能、電気的性能、外科用器具(250)について判定された様々な再構成プロファイル、及び外科用器具(250)を再調整できない理由を示す情報を含む、診断及び再調整プロセス時に生成される追加情報及び分析を含んでもよい。
【0052】
ユーザビリティ評価(ブロック412)が、外科用器具(250)が再使用可能であることを示している場合、診断及び再調整装置(270)は、1つ以上の再調整プロファイル(ブロック1002)をユーザに表示する。再調整プロファイル(ブロック1002)は、ユーザビリティ評価(ブロック412)時に外科用器具(250)に関して判定された全ての必須及び任意の再構成(ブロック904、ブロック910、ブロック916)のリストを含んでもよい。再調整プロファイルとしては、例えば、外科用器具(250)の元の機構の全てを有効にすること、外科用器具(250)の主要な機構のみを有効にすること、外科用器具(250)のトリガ、スイッチ、又は他の入力の機能性を修正すること、外科用器具(250)への電力供給のための電流セットポイントを修正すること、ATTセットポイントを修正すること、外科用器具(250)の速度又は電力を制限するためにモーター出力を制限すること、又は他の同様の再構成など、異なるレベルの機能性で外科用器具(250)を再稼働することが挙げられ得る。
【0053】
表示される再調整(ブロック1002)プロファイルは、外科用器具(250)が再調整され得る異なるレベルを示すように、1つにまとめられ得る。例えば、最小の再調整プロファイルは、外科用器具(250)を最小のユーザビリティ状態にするために適用する必要がある、全ての必須の再構成プロファイルを含み得るが、ATTなどの特別な機構を再稼働することなど、任意の再構成を含むことはできない。任意の再調整プロファイルは、全ての必須の再構成プロファイルに加え、外科用器具(250)を非中核機構又は特別な機構を含むユーザビリティ状態にする1つ以上の任意の再構成プロファイルを含んでもよい。本質的に、ユーザは、いくつかのオプションが提示されてもよく、そのうちの1つ以上を選択することができ、選択を変えることによって、外科用器具(250)を後続の使用のために部分的に再稼働するか、又は後続の使用のために完全に再稼働するかのいずれかとなる。それぞれのオプションは、オプションを選択するための条件又は要件と共に更に提示されてもよく、これには、再調整された外科用器具(250)の使用に対する契約上の制限と、再調整された外科用器具(250)の仕様に関する責任に対する制限と、外科用器具(250)の再調整を完了させることに関する価格設定オプション又は計画と、が含まれてもよい。
【0054】
プロファイルを表示した後、診断及び再調整装置(270)は、外科用器具(250)が再調整されるべきであるユーザビリティレベルを示す、1つ以上のユーザビリティプロファイルからのユーザ選択を受信し得る(ブロック1004)。選択された再調整プロファイルを供給メーカーに通知する通知は、ネットワーク装置(324)を介して供給メーカー(ブロック1006)又は製造業者に送信されてもよい。再調整の供給メーカーによる承認は手動又は自動で行われてもよく、送信された承認は、ネットワーク装置(324)を介して診断及び再調整装置(270)によって受信される(ブロック1008)。供給メーカーによる確認が受信されると(ブロック1008)、選択された再調整プロファイルが、診断発電機(322)のデータ接続を介してEEPROM(302)のコンテンツを修正することにより、外科用器具(250)に適用され(ブロック1010)、それにより、外科用器具(250)の構成が恒久的に変更され得る。外科用器具(250)に再調整プロファイルを適用すること(ブロック1010)はまた、EEPROM(302)のコンテンツを修正して、外科用器具(250)を後続の処置のために部分的に又は完全に再稼働することを含んでもよく、また、EEPROM(302)の装置使用履歴を修正して、後続の使用における外科用器具(250)の早期稼働停止を防止することを含んでもよい。
【0055】
再調整プロファイルが外科用器具(250)に正常に適用された後(ブロック1010)、診断及び再調整装置(270)は、入力作動装置(312)、エンドエフェクタレシーバ(314)、ロードセル(316)、及び/又は撮像装置(318)を使用して外科用器具(250)の様々な機能をテストし、構成が正常であること及び外科用器具(250)を後続の処置で安全に使用できることを確認し得、供給メーカーが装置の登録記録を更新し、請求書若しくは他の書状を生成し、かつ/又は他の措置を取ることができるよう、再調整に成功したことを供給メーカーに通知する(ブロック1012)。ユーザは、この時点で、外科用器具(250)の更なる洗浄及び滅菌のために外科用器具(250)を別のステーションに送ることができ、それにより、外科処置での外科用器具(250)の使用を有効にするために必要なプロセスが完了する。
【0056】
外科用器具(250)の稼働停止及び再稼働の管理は、製造業者又は供給メーカーが意図しないやり方で外科用器具(250)が再稼働されることを防止するため、様々な方法で実施され得る。例えば、いくつかの変形形態では、無効化機能状態から有効化機能状態へ外科用器具(250)を切り換えるために、物理的又は電気的スイッチが作動されてもよい。簡単なアプローチであると同時に、このアプローチはまた、診断及び再調整装置(270)を回避し、物理的又は電気的スイッチと直接相互作用することができるエンドユーザによって巧みに回避又は乱用され得る。いくつかの変形形態では、外科用器具(250)は、マッチングキー又は認証要件を供給できない再稼働の試みを防止する、暗号化再稼働キー又は認証要件によって構成され得る。診断及び再調整装置(270)又は発電機(112)は、一連の再稼働キー又は再稼働キー若しくは認証を一致させるために必要な他のデータによって構成され得る。このようなアプローチは、外科用器具(250)が直接操作により再稼働され得る可能性を低減させることができる。発電機(112)又は診断及び再調整装置(270)上の再稼働キーは、USBドライブなどの接続された記憶域から、又はインターネット接続された装置のインターネット接続から、ソフトウェアアップデートが受信されるときに随時更新することができる。
【0057】
上の例は、全て同じ単一の診断及び再調整装置(270)によって実行されている診断機能(例えば、図4図8に示す工程)及び再調整機能(例えば、図9に示す工程)を含むが、いくつかの変形形態は、2つの別個の装置でこのような機能を提供し得ることを理解されたい。例えば、診断装置が、上記の診断機能を提供し得る一方、別個の再調整装置が、上記の再調整機能を提供し得る。本明細書に記載の方法を実行するのに使用され得る、ハードウェアの他の好適な配置及び構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0058】
本明細書の教示は、主に超音波外科用器具(250)の観点から提供されてきたが、本明細書の教示はまた、様々な他の種類の機器に容易に適用され得ることを理解されたい。ほんの一例として、本明細書の教示は、超音波外科用器具(250)が、複合型超音波及び電気外科用機能を提供する器具と交換されるという状況において、容易に適用され得る。このような複合型超音波及び電気外科器具の例は、その開示が、本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0141981号及び米国特許第8,663,220号に記載されている。したがって、診断及び再調整装置(270)の変形形態と、本明細書に記載された関連する方法の変形形態と、は、複合型超音波及び電気外科用器具と共に使用されてもよいことを理解されたい。
【0059】
更なるほんの一例として、本明細書の教示は、超音波外科用器具(250)が、超音波機能を提供せずに電気外科用機能を提供する器具と交換される状況において、容易に適用され得る。そのような電気外科用器具の一例は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製のENSEAL(登録商標)電気外科用器具である。電気外科用器具の更なる例は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0078243号、表題「Control Features for Articulating Surgical Device」(2012年3月29日公開)に記載されている。したがって、診断及び再調整装置(270)の変形形態と、本明細書に記載された関連する方法の変形形態と、は、電気外科用器具と共に使用されてもよいことを理解されたい。
【0060】
更なるほんの一例として、本明細書の教示は、超音波外科用器具(250)が、外科用ステープル留め器具と交換される状況において、容易に適用され得る。このような外科用ステープル留め器具の一例は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製のECHELON(登録商標)ステープル留め器具である。外科用ステープル留め器具の更なる例は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0272575号、表題「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」(2015年10月1日公開)に記載されている。したがって、診断及び再調整装置(270)の変形形態と、本明細書に記載された関連する方法の変形形態と、は、外科用ステープル留め器具と共に使用されてもよいことを理解されたい。
【0061】
再調整装置(270)の変形形態及び本明細書に記載された関連する方法の変形形態を含む、診断及び再調整装置(270)及び本明細書に記載の関連する方法と共に使用され得る、更に他の好適な器具は、当業者に明らかとなるであろう。
【0062】
IV.代表的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれかの理由により追加されたものとしても、仮定されるべきではない。
【実施例】
【0063】
(実施例1)
(a)使用済み外科用器具の発電機接続部に連結されるように構成されている発電機であって、(i)使用済み外科用器具に電力を供給し、(ii)使用済み外科用器具からデータを受信し、(iii)使用済み外科用器具にデータを送信する、ように構成されている、発電機と、(b)使用済み外科用器具に、一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を稼働させるように構成されている、外科用器具作動装置と、(c)メモリであって、命令の集合を記憶するように構成されているメモリと、(d)プロセッサであって、(i)使用済み外科用器具から一連の使用データを受信し、(ii)入力作動装置に、使用済み外科用器具を第1のモードで稼働させ、(iii)第1のモードがアクティブである間に、使用済み外科用器具の電気的特性を測定し、(iv)一連の使用データ及び一連の電気的特性に基づいて、使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製する、ための命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を含む、システム。
【0064】
(実施例2)
使用済み外科用器具のエンドエフェクタの画像をキャプチャするように位置付けられた撮像装置を更に含み、プロセッサは、(i)撮像装置を介してエンドエフェクタの一連の画像データをキャプチャし、(ii)一連の使用データ、一連の電気的特性、及び一連の画像データに基づいて、使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製する、ための命令を実行するように更に構成されている、実施例1に記載のシステム。
【0065】
(実施例3)
一連の画像データが、使用済み外科用器具の機構の1つ以上の画像を含み、プロセッサが、(i)機構の厚さが安全閾値を満たしているときに、再調整プロファイルを判定し、(ii)機構の厚さが第1の測定値によって安全閾値を下回るときに、再調整プロファイルを判定し、機構の厚さが安全閾値を満たすことができる外科用器具の再構成を再調整プロファイルに取り入れ、(iii)機構の厚さが第2の測定値によって安全閾値を下回るときに、再調整プロファイルを作製しない、ように更に構成されており、第2の測定値は、第1の測定値より大きい、実施例2に記載のシステム。
【0066】
(実施例4)
再調整プロファイルを作製するための構成が、一連の画像データと一連の新規装置の画像データとを比較し、使用済み外科用器具のエンドエフェクタの変形レベルを判定するため、プロセッサによって実行され得る命令を更に含む、実施例2〜3のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0067】
(実施例5)
エンドエフェクタを受容するように構成されているロードセルを更に含み、再調整プロファイルを作製するための構成は、(i)外科用器具のエンドエフェクタにロードセルを稼働させて、力を加えさせ、(ii)ロードセルに力を測定させる、ためにプロセッサによって実行され得る命令を更に含む、実施例1〜4のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0068】
(実施例6)
外科用器具作動装置が、使用済み外科用器具のユーザ入力を物理的に作動させるように構成されている、実施例1〜5のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0069】
(実施例7)
外科用器具作動装置が、使用済み外科用器具に信号を送信するように構成されている、実施例1〜6のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0070】
(実施例8)
ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、再調整プロファイルを表示するように構成され、プロセッサは、再調整プロファイルが使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ選択を受信するように、更に構成されている、実施例1〜7のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0071】
(実施例9)
遠隔サーバと通信するネットワーク装置を更に含み、ネットワーク装置は、遠隔サーバにユーザ選択を送信するように構成されており、ネットワーク装置は、一連の外科用器具モードのうちの1つ以上が有効であるときに、遠隔サーバに通知を送信するように更に構成されている、実施例8に記載のシステム。
【0072】
(実施例10)
一連の使用データが、(A)使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の稼働カウント、(B)使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の稼働時間カウント、(C)使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具発電機の接続時間カウント、又は(D)使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の閉サイクルカウント、のうちの1つ以上を含み、一連の電気的特性が、(A)使用済み外科用器具に関連付けられた電気容量、(B)使用済み外科用器具に関連付けられた消費電力、又は(C)使用済み外科用器具に関連付けられた位相余裕、のうちの1つ以上を含む、実施例1〜9のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0073】
(実施例11)
再調整プロファイルが、(A)外科用器具の再構成であって、使用済み外科用器具の動作を修正するために、使用済み外科用器具のメモリに書き込まれるように構成されている、外科用器具の再構成と、(B)外科用器具の稼働データセットであって、一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を有効にするため、使用済み外科用器具のメモリに書き込まれるように構成されている、外科用器具の稼働データセットと、を含む、実施例1〜10のいずれか1つ以上に記載のシステム。
【0074】
(実施例12)
(a)再調整装置において、使用済み外科用器具から一連の使用データを読み取ることと、(b)再調整装置の入力作動装置を介して、使用済み外科用器具の一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を稼働させ、使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定することと、(c)再調整装置を介して使用済み外科用器具の一連の機械的特性を測定することと、(d)一連の使用データ、一連の電気的特性、及び一連の機械的特性に基づいて、再調整装置によって使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製することと、(e)再調整プロファイルが使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ入力を受信することと、(f)ユーザ入力に応答して、再調整プロファイルを使用済み外科用器具に適用することと、を含み、使用済み外科用器具に再調整プロファイルを適用することで、一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を有効にする、方法。
【0075】
(実施例13)
使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定する工程が、(i)使用済み外科用器具の超音波ブレードの音響インピーダンスを測定する活動、(ii)使用済み外科用器具の稼働回路の伝導率を測定する活動、又は(iii)使用済み外科用器具のトランスデューサの電気容量、消費電力、又は移相余裕のうちの少なくとも1つを測定する活動、のうちの1つ以上を含む、実施例12に記載の方法。
【0076】
(実施例14)
再調整プロファイルが、外科用器具の再構成を含み、方法は、稼働時に使用済み外科用器具の電気的特性を修正するため、使用済み外科用器具のメモリに外科用器具の再構成を書き込むことを更に含む、実施例12〜13のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0077】
(実施例15)
使用済み外科用器具の一連の機械的特性を測定する工程が、(i)使用済み外科用器具のエンドエフェクタによって再調整装置のロードセルに加えられる力を測定する活動、(ii)再調整装置の撮像装置を用いて、エンドエフェクタのクランプパッドの厚さを測定する活動、又は(iii)再調整装置の撮像装置を用いて、エンドエフェクタの変形を測定する活動、のうちの1つ以上を含む、実施例12〜14のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0078】
(実施例16)
エンドエフェクタによってロードセルに加えられる力が最小力閾値と最大力閾値との間にない場合に、(a)再調整プロファイルの作製を終了する工程と、(b)外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、実施例15に記載の方法。
【0079】
(実施例17)
エンドエフェクタのクランプパッドの厚さが、最小厚さ閾値と最大厚さ閾値との間にない場合に、(a)再調整プロファイルの作製を終了する工程と、(b)外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、実施例15〜16のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0080】
(実施例18)
エンドエフェクタが、新規のエンドエフェクタと比較して安全でない変形を示している場合に、(a)再調整プロファイルの作製を終了する工程と、(b)外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、実施例15〜17のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0081】
(実施例19)
(a)再調整装置のディスプレイを介してユーザに再調整プロファイルを表示する工程と、(b)ディスプレイを介してユーザに一連の状況を表示する工程であって、一連の状況は、再調整プロファイルを使用済み外科用器具に適用することに関連付けられたコストを示す、工程と、(c)再調整プロファイルが使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ入力を受信した後に、再調整装置のネットワーク装置を介して、ユーザと、使用済み外科用器具と、再調整プロファイルと、を識別する購入信号を遠隔サーバに送信する工程と、を更に含む、実施例12〜18のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0082】
(実施例20)
(a)使用済み外科用器具であって、(i)稼働入力部と、(ii)エンドエフェクタであって、エンドエフェクタは、超音波ブレードと、クランプアームと、を含み、クランプはクランプパッドを有する、エンドエフェクタと、(iii)発電機接続部と、(iv)外科用器具本体と、を含む、使用済み外科用器具と、(b)再調整装置であって、(i)外科用器具ホルダであって、外科用器具本体を保持するように構成されている、外科用器具ホルダと、(ii)発電機接続部と連結するように構成されている発電機であって、発電機は、(A)使用済み外科用器具に電力を供給し、(B)使用済み外科用器具からデータを受信し、(C)使用済み外科用器具にデータを送信する、ように構成されている、発電機と、(iii)稼働入力部を作動させ、それによってエンドエフェクタを稼働させるように構成されている、外科用器具作動装置と、(iv)エンドエフェクタの画像をキャプチャするように位置付けられている、撮像装置と、(v)クランプアームのクランプ力を受け、測定するように構成されている、ロードセルと、(vi)メモリであって、一連の命令を記憶するように構成されている、メモリと、(vii)プロセッサであって、(A)使用済み外科用器具から一連の使用データを受信し、(B)入力作動装置に、第1のモードで使用済み外科用器具を稼働させ、(C)第1のモードがアクティブである間に、使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定し、(D)一連の使用データ、一連の電気的特性、撮像装置によって視覚化されるエンドエフェクタ構造特性、及びクランプ力に基づいて、使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製し、(E)使用済み外科用器具に再調整プロファイルを適用し、それによって使用済み外科用器具の少なくとも1つの動作モードを有効にする、ための命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を含む、再調整装置と、を含む、システム。
【0083】
V.その他
本明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、種々のその他の特徴を含んでもよい、と理解すべきである。実施例のみの目的で、本明細書に記載される器具のいずれもが、本明細書に参考として組み込まれる種々の参考文献のいずれかにおいて開示される種々の特徴のうちの、1つ以上を含むことができる。また、多数の方法にて、本明細書の引用文献のいずれかの教示と本明細書の教示とを容易に組み合わせ得るように、本明細書の教示は、本明細書のその他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得る、とも理解すべきである。本明細書の教示が組み込まれ得るその他の種類の器具が、当業者に明らかであろう。
【0084】
また、本明細書で言及する値のあらゆる範囲がこのような範囲の上下限を含む、と読み取るべきである、とも理解すべきである。例えば、「約2.54センチメートル〜約3.8センチメートル(約1.0インチ〜約1.5インチ)」に及ぶ値域を定めるように表現された範囲は、それらの上限と下限との間の値を含むことに加えて、約2.54センチメートル及び約3.8センチメートル(約1.0インチ及び約1.5インチ)を含む、と解釈されなければならない。
【0085】
本明細書に参考として組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0086】
上記の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有してよい。実施例のみの目的で、本明細書の種々の教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(サニーベール、カリフォルニア)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれてよい。同様に、本明細書の種々の教示は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第6,783,524号、表題:「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の種々の教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者は理解するであろう。
【0087】
上記の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、又は、それらは複数回使用されるように設計されてもよい。一方又はその両方の場合において、種々の変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立て工程の、任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設にて、又は手術の直前に操作者により、のどちらかで、その後の使用のために再組立てされてもよい。装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立てのための種々の技術を利用することができることを、当業者は理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0088】
実施例のみの目的で、本明細書に記載される変形形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてよい。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管してよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0089】
以上、本発明の種々の実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0090】
〔実施の態様〕
(1) (a)使用済み外科用器具の発電機接続部と連結するように構成されている発電機であって、
(i)前記使用済み外科用器具に電力を供給し、
(ii)前記使用済み外科用器具からデータを受信し、
(iii)前記使用済み外科用器具にデータを送信する、ように構成されている、発電機と、
(b)前記使用済み外科用器具に、一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を稼働させるように構成されている、外科用器具作動装置と、
(c)メモリであって、一連の命令を記憶するように構成されている、メモリと、
(d)プロセッサであって、
(i)前記使用済み外科用器具から一連の使用データを受信し、
(ii)前記入力作動装置に、第1のモードで前記使用済み外科用器具を稼働させ、
(iii)前記第1のモードがアクティブである間に、前記使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定し、
(iv)前記一連の使用データ及び前記一連の電気的特性に基づいて、前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製する、ための前記命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を含む、システム。
(2) 前記使用済み外科用器具のエンドエフェクタの画像をキャプチャするように位置付けられた撮像装置を更に含み、前記プロセッサは、
(i)前記撮像装置を介して前記エンドエフェクタの一連の画像データをキャプチャし、
(ii)前記一連の使用データ、前記一連の電気的特性、及び前記一連の画像データに基づいて、前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製する、ための命令を実行するように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記一連の画像データが、前記使用済み外科用器具の機構の1つ以上の画像を含み、前記プロセッサが、
(i)前記機構の厚さが安全閾値を満たしているときに、前記再調整プロファイルを判定し、
(ii)前記機構の前記厚さが第1の測定値によって前記安全閾値を下回るときに、前記再調整プロファイルを判定し、前記機構の前記厚さが前記安全閾値を満たすことができる外科用器具の再構成を前記再調整プロファイルに取り入れ、
(iii)前記機構の前記厚さが第2の測定値によって前記安全閾値を下回るときに、前記再調整プロファイルを作製しない、ように更に構成されており、前記第2の測定値は、前記第1の測定値より大きい、実施態様2に記載のシステム。
(4) 再調整プロファイルを作製するための前記構成が、前記一連の画像データと一連の新規装置の画像データとを比較し、使用済み外科用器具の前記エンドエフェクタの変形レベルを判定するため、前記プロセッサによって実行され得る命令を更に含む、実施態様2に記載のシステム。
(5) 前記エンドエフェクタを受容するように構成されているロードセルを更に含み、再調整プロファイルを作製するための前記構成は、
(i)前記外科用器具のエンドエフェクタに、前記ロードセルを稼働させて、力を加えさせ、
(ii)前記ロードセルに前記力を測定させる、ために前記プロセッサによって実行され得る命令を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
【0091】
(6) 前記外科用器具作動装置が、前記使用済み外科用器具のユーザ入力を物理的に作動させるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記外科用器具作動装置が、前記使用済み外科用器具に信号を送信するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) ディスプレイを更に含み、ディスプレイは、前記再調整プロファイルを表示するように構成されており、前記プロセッサは、前記再調整プロファイルが前記使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ選択を受信するように、更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(9) 遠隔サーバと通信するネットワーク装置を更に含み、前記ネットワーク装置は、前記遠隔サーバに前記ユーザ選択を送信するように構成されており、前記ネットワーク装置は、前記一連の外科用器具モードのうちの1つ以上が有効であるときに、前記遠隔サーバに通知を送信するように更に構成されている、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記一連の使用データが、
(A)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の稼働カウント、
(B)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の稼働時間カウント、
(C)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具発電機の接続時間カウント、又は
(D)前記使用済み外科用器具に関連付けられた外科用器具の閉サイクルカウント、のうちの1つ以上を含み、
前記一連の電気的特性が、
(A)前記使用済み外科用器具に関連付けられた電気容量、
(B)前記使用済み外科用器具に関連付けられた消費電力、又は
(C)前記使用済み外科用器具に関連付けられた位相余裕、のうちの1つ以上を含む、実施態様1に記載のシステム。
【0092】
(11) 前記再調整プロファイルが、
(A)外科用器具の再構成であって、前記使用済み外科用器具の動作を修正するために、前記使用済み外科用器具のメモリに書き込まれるように構成されている、外科用器具の再構成と、
(B)外科用器具の稼働データセットであって、前記一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を有効にするため、前記使用済み外科用器具の前記メモリに書き込まれるように構成されている、外科用器具の稼働データセットと、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(12) (a)再調整装置において、使用済み外科用器具から一連の使用データを読み取ることと、
(b)前記再調整装置の入力作動装置を介して、前記使用済み外科用器具の一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を稼働させ、前記使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定することと、
(c)前記再調整装置を介して前記使用済み外科用器具の一連の機械的特性を測定することと、
(d)前記一連の使用データ、前記一連の電気的特性、及び前記一連の機械的特性に基づいて、前記再調整装置によって前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製することと、
(e)前記再調整プロファイルが前記使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示すユーザ入力を受信することと、
(f)前記ユーザ入力に応答して、前記再調整プロファイルを前記使用済み外科用器具に適用することと、を含み、前記使用済み外科用器具に前記再調整プロファイルを適用することで、前記一連の外科用器具モードのうちの1つ以上を有効にする、方法。
(13) 前記使用済み外科用器具の前記一連の電気的特性を測定する前記工程が、
(i)前記使用済み外科用器具の超音波ブレードの音響インピーダンスを測定する活動、
(ii)前記使用済み外科用器具の稼働回路の伝導率を測定する活動、又は
(iii)前記使用済み外科用器具のトランスデューサの電気容量、消費電力、又は移相余裕のうちの少なくとも1つを測定する活動、のうちの1つ以上を含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記再調整プロファイルが、外科用器具の再構成を含み、前記方法は、稼働時に前記使用済み外科用器具の前記電気的特性を修正するため、前記使用済み外科用器具のメモリに前記外科用器具の再構成を書き込むことを更に含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記使用済み外科用器具の前記一連の機械的特性を測定する前記工程が、
(i)前記使用済み外科用器具のエンドエフェクタによって前記再調整装置のロードセルに加えられる力を測定する活動、
(ii)前記再調整装置の撮像装置を用いて、前記エンドエフェクタのクランプパッドの厚さを測定する活動、又は
(iii)前記再調整装置の撮像装置を用いて、前記エンドエフェクタの変形を測定する活動、のうちの1つ以上を含む、実施態様12に記載の方法。
【0093】
(16) 前記エンドエフェクタによって前記ロードセルに加えられる前記力が最小力閾値と最大力閾値との間にない場合に、
(a)前記再調整プロファイルの前記作製を終了する工程と、
(b)前記外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記エンドエフェクタの前記クランプパッドの前記厚さが、最小厚さ閾値と最大厚さ閾値との間にない場合に、
(a)前記再調整プロファイルの前記作製を終了する工程と、
(b)前記外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記エンドエフェクタが、新規のエンドエフェクタと比較して安全でない変形を示している場合に、
(a)前記再調整プロファイルの前記作製を終了する工程と、
(b)前記外科用器具の再調整が不可能であることをユーザに示す工程と、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) (a)前記再調整装置のディスプレイを介してユーザに前記再調整プロファイルを表示する工程と、
(b)前記ディスプレイを介して前記ユーザに一連の状況を表示する工程であって、前記一連の状況は、前記再調整プロファイルを前記使用済み外科用器具に適用することに関連付けられたコストを示す、工程と、
(c)前記再調整プロファイルが前記使用済み外科用器具に適用されるべきであることを示す前記ユーザ入力を受信した後に、前記再調整装置のネットワーク装置を介して、前記ユーザと、前記使用済み外科用器具と、前記再調整プロファイルと、を識別する購入信号(purchase signal)を遠隔サーバに送信する工程と、を更に含む、実施態様12に記載の方法。
(20) (a)使用済み外科用器具であって、
(i)稼働入力部と、
(ii)エンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、超音波ブレードと、クランプアームと、を含み、前記クランプはクランプパッドを有する、エンドエフェクタと、
(iii)発電機接続部と、
(iv)外科用器具本体と、を含む、使用済み外科用器具と、
(b)再調整装置であって、
(i)外科用器具ホルダであって、前記外科用器具本体を保持するように構成されている、外科用器具ホルダと、
(ii)前記発電機接続部と連結するように構成されている発電機であって、前記発電機は、
(A)前記使用済み外科用器具に電力を供給し、
(B)前記使用済み外科用器具からデータを受信し、
(C)前記使用済み外科用器具にデータを送信する、ように構成されている、発電機と、
(iii)前記稼働入力部を作動させ、それによって前記エンドエフェクタを稼働させるように構成されている、外科用器具作動装置と、
(iv)前記エンドエフェクタの画像をキャプチャするように位置付けられている、撮像装置と、
(v)前記クランプアームのクランプ力を受け、測定するように構成されている、ロードセルと、
(vi)メモリであって、一連の命令を記憶するように構成されている、メモリと、
(vii)プロセッサであって、
(A)前記使用済み外科用器具から一連の使用データを受信し、
(B)前記入力作動装置に、第1のモードで前記使用済み外科用器具を稼働させ、
(C)前記第1のモードがアクティブである間に、前記使用済み外科用器具の一連の電気的特性を測定し、
(D)前記一連の使用データ、前記一連の電気的特性、前記撮像装置によって視覚化されるエンドエフェクタ構造特性、及び前記クランプ力に基づいて、前記使用済み外科用器具に適用され得る再調整プロファイルを作製し、
(E)前記使用済み外科用器具に前記再調整プロファイルを適用し、それによって前記使用済み外科用器具の少なくとも1つの動作モードを有効にする、ための前記命令を実行するように構成されている、プロセッサと、を含む、再調整装置と、を含む、システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9