特許第6932798号(P6932798)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6932798
(24)【登録日】2021年8月20日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】外科用器具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20210826BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】17
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2020-13419(P2020-13419)
(22)【出願日】2020年1月30日
(62)【分割の表示】特願2017-531233(P2017-531233)の分割
【原出願日】2015年12月4日
(65)【公開番号】特開2020-73012(P2020-73012A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2020年1月30日
(31)【優先権主張番号】14/565,606
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−121603(JP,A)
【文献】 特開2014−018667(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/188130(WO,A1)
【文献】 特表2015−519971(JP,A)
【文献】 特表2009−502352(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103876799(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0165756(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0282052(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0023477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具アセンブリであって、
シャフト軸を含み、駆動システムの第1の駆動部分を含むシャフトと、
エンドエフェクタ軸を含み、前記駆動システムの第2の駆動部分を含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフトに回転可能に接続する関節運動継手と、
モーター、前記モーターに連結され、前記モーターが駆動した際に前記シャフトの長手方向に移動する移動部材、及び、前記移動部材の遠位に接続され、前記エンドエフェクタに連結された関節運動リンクを有し、前記モーターが、前記移動部材、及び、前記関節運動リンクを移動させることで、前記エンドエフェクタを前記関節運動継手の周りに関節運動させる関節運動作動システムと、
を備え、
前記第1の駆動部分が、前記シャフト軸の周りに回転する第1の回転可能なシャフトと前記第1の回転可能なシャフトに連結された第1の係合部とを含み、前記第2の駆動部分が、前記エンドエフェクタ軸の周りに回転する第2の回転可能なシャフトと前記第2の回転可能なシャフトに連結された第2の係合部とを含み、
前記エンドエフェクタは前記関節運動継手の周りを関節運動していない位置である第1の位置と関節運動した位置である第2の位置との間で回転可能であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は前記第2の駆動部分と係合されておらず、前記第1の回転可能なシャフトが回転しても、前記第2の回転可能なシャフトは回転せず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1の駆動部分の前記第1の係合部は前記第2の駆動部分の前記第2の係合部と係合されており、前記第1の回転可能なシャフトが回転することにより、前記第2の回転可能なシャフトは回転し、前記関節運動作動システムの動作によって前記エンドエフェクタが前記第1の位置から前記第2の位置に回転する事により、前記第2の係合部を有する前記第2の駆動部分が前記エンドエフェクタと一緒に回転し、それによって、前記第2の係合部が前記第1の係合部と係合し、前記第1の回転可能なシャフトが回転することにより、前記第2の回転可能なシャフトは回転する、外科用器具アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の位置が、前記エンドエフェクタがそれ以上前記関節運動継手の周りに関節運動できない位置である完全に関節運動した位置を含む、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項3】
前記エンドエフェクタが、前記関節運動していない位置にあるとき、前記シャフト軸と前記エンドエフェクタ軸とが整列し、前記エンドエフェクタが、前記関節運動した位置にあるとき、前記エンドエフェクタ軸が前記シャフト軸に直交する、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項4】
前記エンドエフェクタが、カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジを更に備え、前記駆動システムが、前記ステープルを前記ステープルカートリッジから放出するように構成された発射駆動装置を含む、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項5】
前記エンドエフェクタが、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
前記アンビルを開位置と閉位置との間で動かすように構成された閉鎖駆動装置と、
を更に備え、
前記閉鎖駆動装置が、前記エンドエフェクタに位置付けられたモーターを備える、請求項4に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項6】
前記エンドエフェクタが、
カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジと、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
を更に備え、
前記駆動システムが、前記アンビルを開位置と閉位置との間で動かすように構成された閉鎖駆動装置を備える、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項7】
前記エンドエフェクタが、前記ステープルを前記ステープルカートリッジから放出するように構成された発射駆動装置を更に備え、前記発射駆動装置が、前記エンドエフェクタに位置付けられたモーターを備える、請求項6に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の係合部が第1のベベル歯車であり、前記第2の係合部が第2のベベル歯車であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされている、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項9】
前記エンドエフェクタが関節運動軸の周りを回転可能であり、前記エンドエフェクタが、
カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジと、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
を更に備え、
前記アンビルは閉鎖軸の周りを回転可能であり、前記閉鎖軸は前記関節運動軸と平行である、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項10】
前記エンドエフェクタが関節運動面で回転可能であり、前記エンドエフェクタが、
カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジと、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
を更に備え、
前記アンビルは閉鎖面内で回転可能であり、前記閉鎖面は前記関節運動面と同一平面上にある、請求項1に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項11】
外科用器具アセンブリであって、
シャフトであって、
シャフト近位端部と、
シャフト遠位端部と、
前記シャフト近位端部と前記シャフト遠位端部との間に延在する長手方向のシャフト軸と、を有する、シャフトと、
エンドエフェクタ軸を含むエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部が閉鎖軸の周りを開位置と閉位置との間で前記第2の顎部に対して可動であり、前記閉鎖軸が前記エンドエフェクタ軸に対して横方向である、第2の顎部と、を備える、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフト遠位端部に回転可能に接続する関節運動継手と、
モーター、前記モーターに連結され、前記モーターが駆動した際に前記シャフトの長手方向に移動する移動部材、及び、前記移動部材の遠位に接続され、前記エンドエフェクタに連結された関節運動リンクを有し、前記モーターが、前記移動部材、及び、前記関節運動リンクを移動させることで、前記エンドエフェクタを前記関節運動継手の周りに関節運動させる関節運動作動システムと、
を備え、
前記エンドエフェクタは関節運動軸の周りを回転可能であり、前記関節運動軸は前記閉鎖軸と平行であり、
前記シャフトが駆動システムの第1の駆動部分を含み、前記エンドエフェクタが前記駆動システムの第2の駆動部分を含み、
前記第1の駆動部分が、前記シャフト軸の周りに回転する第1の回転可能なシャフトと前記第1の回転可能なシャフトに連結された第1の係合部とを含み、前記第2の駆動部分が、前記エンドエフェクタ軸の周りに回転する第2の回転可能なシャフトと前記第2の回転可能なシャフトに連結された第2の係合部とを含み、
前記エンドエフェクタが関節運動していない位置である第1の位置と関節運動した位置である第2の位置との間で前記関節運動継手の周りを回転可能であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は、前記第2の駆動部分と係合されておらず、前記第1の回転可能なシャフトが回転しても、前記第2の回転可能なシャフトは回転せず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1の駆動部分の前記第1の係合部は前記第2の駆動部分の前記第2の係合部と係合されており、前記第1の回転可能なシャフトが回転することにより、前記第2の回転可能なシャフトは回転し、前記関節運動作動システムの動作によって前記エンドエフェクタが前記第1の位置から前記第2の位置に回転する事により、前記第2の係合部を有する前記第2の駆動部分が前記エンドエフェクタと一緒に回転し、それによって、前記第2の係合部が前記第1の係合部と係合し、前記第1の回転可能なシャフトが回転することにより、前記第2の回転可能なシャフトは回転する、外科用器具アセンブリ。
【請求項12】
前記第2の位置が、前記エンドエフェクタがそれ以上前記関節運動継手の周りに関節運動できない位置である完全に関節運動した位置を含む、請求項11に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項13】
前記エンドエフェクタが、前記関節運動していない位置にあるとき、前記シャフト軸と前記エンドエフェクタ軸とが整列し、前記エンドエフェクタが、前記関節運動した位置にあるとき、前記エンドエフェクタ軸が前記シャフト軸に直交する、請求項11に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項14】
前記エンドエフェクタが、カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジを更に備え、前記駆動システムが、前記ステープルを前記ステープルカートリッジから放出するように構成された発射駆動装置を備える、請求項11に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項15】
前記エンドエフェクタが、前記第1の顎部を前記開位置と前記閉位置との間で動かすように構成された閉鎖駆動装置を更に備え、前記閉鎖駆動装置が、前記エンドエフェクタに位置付けられたモーターを備える、請求項14に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の係合部が第1のベベル歯車であり、前記第2の係合部が第2のベベル歯車であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされている、請求項11に記載の外科用器具アセンブリ。
【請求項17】
外科用器具アセンブリであって、
シャフト軸を含むシャフトと、
エンドエフェクタ軸を含むエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部が閉鎖面内で開位置と閉位置との間で前記第2の顎部に対して可動である、第2の顎部と、
を含む、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフトに回転可能に接続する関節運動継手と、
モーター、前記モーターに連結され、前記モーターが駆動した際に前記シャフトの長手方向に移動する移動部材、及び、前記移動部材の遠位に接続され、前記エンドエフェクタに連結された関節運動リンクを有し、前記モーターが、前記移動部材、及び、前記関節運動リンクを移動させることで、前記エンドエフェクタを前記関節運動継手の周りに関節運動させる関節運動作動システムと、
を備え、
前記エンドエフェクタが関節運動面内で回転可能であり、前記関節運動面が前記閉鎖面と同一平面上にあり、
前記シャフトが駆動システムの第1の駆動部分を含み、前記エンドエフェクタが前記駆動システムの第2の駆動部分を含み、
前記第1の駆動部分が、前記シャフト軸の周りに回転する第1の回転可能なシャフトと前記第1の回転可能なシャフトに連結された第1の係合部とを含み、前記第2の駆動部分が、前記エンドエフェクタ軸の周りに回転する第2の回転可能なシャフトと前記第2の回転可能なシャフトに連結された第2の係合部とを含み、
前記エンドエフェクタが関節運動していない位置である第1の位置と関節運動した位置である第2の位置との間で前記関節運動継手の周りを回転可能であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は前記第2の駆動部分と係合されておらず、前記第1の回転可能なシャフトが回転しても、前記第2の回転可能なシャフトは回転せず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1の駆動部分の前記第1の係合部は前記第2の駆動部分の前記第2の係合部と係合されており、前記第1の回転可能なシャフトが回転することにより、前記第2の回転可能なシャフトは回転し、前記関節運動作動システムの動作によって前記エンドエフェクタが前記第1の位置から前記第2の位置に回転する事により、前記第2の係合部を有する前記第2の駆動部分が前記エンドエフェクタと一緒に回転し、それによって、前記第2の係合部が前記第1の係合部と係合し、前記第1の回転可能なシャフトが回転することにより、前記第2の回転可能なシャフトは回転する、外科用器具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は外科用器具アセンブリに関し、様々な実施形態において、1つ又は2つ以上のステープルの列を生成するための外科用器具アセンブリに関する。
【0002】
ステープル留め器具は、一対の協働する細長い顎部材を含むことができ、各顎部材が患者の中に挿入され、ステープル留め及び切開される組織に対して位置付けられるように適合させることができる。様々な実施形態において、顎部材のうちの一方は、少なくとも2列の横方向に間隔をおいたステープルをその中に収容するステープルカートリッジを支持し、他方の顎部材は、ステープルカートリッジ内のステープルの列と整列されたステープル成形ポケットを有するアンビルを支持することができる。概して、ステープル留め器具は、顎部材に対して摺動自在な押し込みバー及びナイフブレードを更に含んで、押し込みバー上のカム面及び/又は押し込みバーによって押し込まれるウェッジスレッド上のカム面を介してステープルカートリッジからステープルを連続的に放出することができる。少なくとも1つの実施形態において、カム面は、カートリッジが有する、ステープルに付随した複数のステープルドライバを作動させて、ステープルをアンビルに対して押し込み、顎部材の間に把持された組織内に、横方向に間隔をおいた変形したステープルの列を形成するように構成することができる。少なくとも1つの実施形態において、ナイフブレードはカム面に追従し、ステープル列間の線に沿って組織を切ることができる。かかるステープル留め器具の例は、「SURGICAL STAPLES HAVING COMPRESSIBLE OR CRUSHABLE MEMBERS FOR SECURING TISSUE THEREIN AND STAPLING INSTRUMENTS FOR DEPLOYING THE SAME」と題する米国特許第7,794,475号に開示されており、その開示の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
上述の議論は、当時の本発明の分野における関連技術の様々な態様を説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書に記載される実施形態の様々な特徴が、特許請求の範囲で詳細に示される。ただし、機構及び操作方法の両方に関する様々な実施形態は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明により理解することができる。
図1】ステープルカートリッジに対して閉位置にあるエンドエフェクタのアンビルを例示する、外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタの斜視図である。
図2】例示の目的で一部が取り除かれた図1のエンドエフェクタ、及び発射部材の分解図である。
図3】ステープルカートリッジ内に画定された長手方向スロット内に位置付けられた図2の発射部材を例示する、図1のステープルカートリッジの遠位端部の詳細図である。
図4図1のステープルカートリッジの長手方向スロット内に位置付けられた組織停止部の斜視図である。
図5】完全に発射された位置にある図2の発射部材を例示する、図1のエンドエフェクタの部分的な長手方向の断面図である。
図6図5の線6−6に沿って得られた図1のエンドエフェクタの横方向の断面図である。
図7図4の組織停止部と図1のステープルカートリッジとの間の接点の詳細図である。
図8】ステープルカートリッジの分解斜視図である。
図9】第1の位置で患者の消化管をステープル留めし横切開するために用いられている図1のステープルカートリッジ、及び第2の位置で患者の消化管をステープル留めし横切開するために用いられている図8のステープルカートリッジを示し、外科手技中に患者の消化管を上部分、横切開された部分、及び下部分に分割する、略図である。
図10】円形ステープラーのアンビルが消化管の上部分に位置付けられ、円形ステープラーのシャフトが消化管の下部分に位置付けられる、図9に示された外科手技の別の工程を示す略図である。
図11】患者の消化管の上部分及び下部分が図10の円形ステープラーのアンビルとシャフトとの間で圧縮されている、図9に示された外科手技の別の工程を示す略図である。
図12】患者の消化管の上部分と下部分とを留めその間に吻合を形成するために、図10の円形ステープラーのシャフトから展開されたステープルを示す略図である。
図13】エンドエフェクタ内でステープル発射スレッドを駆動させるように構成された回転可能なシャフトを含む、少なくとも1つの別の実施形態によるエンドエフェクタの横方向の断面図である。
図14】エンドエフェクタ、シャフト、及びエンドエフェクタがシャフトに対して回転することができるように構成された関節運動継手を備える外科用ステープル留め器具の斜視図であり、エンドエフェクタは閉じた、関節運動していない、未発射の形態で例示されている。
図15図14に例示した形態でエンドエフェクタを例示する、図14の外科用ステープル留め器具の断面斜視図である。
図16図14の外科用ステープル留め器具の分解上面斜視図である。
図17図14の外科用ステープル留め器具の分解下面斜視図である。
図18図14に例示した形態でエンドエフェクタを例示する、図14の外科用ステープル留め器具の断面立面図である。
図19】エンドエフェクタが閉じた、関節運動した、未発射の形態で例示される、図14の外科用ステープル留め器具の断面立面図である。
図20】エンドエフェクタが開いた、関節運動した、未発射の形態で例示される、図14の外科用ステープル留め器具の断面立面図である。
図21図14の外科用ステープル留め器具、及びエンドエフェクタ内に位置付けられたステープルカートリッジの斜視図であり、エンドエフェクタは開いた、関節運動した、未発射の形態で例示される。
図22図21のステープルカートリッジの分解斜視図である。
図23図14の外科用ステープル留め器具によって患者の結腸に対して位置付けられている、図21のステープルカートリッジを示す略図である。
図24】患者の結腸に対して摺動されている図21のステープルカートリッジを示す略図である。
図25図21のステープルカートリッジと共に使用した、閉じた、関節運動した、未発射の形態で例示される、図14の外科用ステープル留め器具の立面図である。
図26図21のステープルカートリッジと共に使用した、開いた、関節運動した、未発射の形態で例示される、図14の外科用ステープル留め器具の立面図である。
図27図21のステープルカートリッジと共に使用した、部分的に閉じた、関節運動した、未発射の形態で例示される、図14の外科用ステープル留め器具の立面図である。
図28図21のステープルカートリッジと共に使用した、閉じた、関節運動した、発射済みの形態で例示される、図14の外科用ステープル留め器具の立面図である。
【0005】
対応する参照符合は、複数の図を通じて対応する部品を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0006】
明細書に記載され添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造及び使用の完全な理解をもたらすように、多くの具体的な詳細が示される。しかしながら、実施形態はそのような具体的な詳細なくして実施され得ることが、当業者には理解されるであろう。他の例においては、周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするために詳細に記載されていない。本明細書に記載及び図示される実施形態は非限定例であることが当業者には理解され、それ故、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は典型及び例示であり得ることが理解されるであろう。これに対する変形及び変更は、特許請求の範囲を逸脱することなく行なわれ得る。
【0007】
用語「備える(comprise)」(並びに「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(並びに「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(並びに「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、「含有する(contain)」(並びに「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、無制限の連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」か、「有する」か、「含む」か、又は「含有する」、外科用システム、デバイス、又は装置は、それら1つ以上の要素を有しているが、それら1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」か、「有する」か、「含む」か、又は「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有しているが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0008】
本明細書において「近位」及び「遠位」なる用語は、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として用いられる。「近位」なる用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」なる用語は臨床医から遠くに位置する部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0009】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な代表的な装置及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示する様々な方法及びデバイスは、例えば、開放的外科処置と関連するものを含む多数の外科的処置及び用途で使用することができることが、当業者には容易に理解されるであろう。この発明を実施するための形態を読み進めると、本明細書で開示する様々な器具が、自然開口部を通って、組織内に形成された切り込み又は穿刺孔を通ってなど、任意の方式で体の内部に挿入され得ることが、当業者には更に明らかとなろう。器具の作動部分又はエンドエフェクタ部分は、直接患者の体の内部に挿入されてもよく、あるいは、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトが前進させ得る作動チャネルを有するアクセス装置を通って挿入されてもよい。
【0010】
外科用ステープル留めシステム100を図1〜7に表す。主に図1を参照すると、外科用ステープル留めシステム100は、シャフト120と、シャフト120から延在するエンドエフェクタ110と、を備える。エンドエフェクタ110は、第1の顎部112と、第2の顎部114と、を備える。第1の顎部112は、ステープルカートリッジ140を備える。ステープルカートリッジ140は、第1の顎部112へ挿入可能であり、かつ第1の顎部112から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部112から取り外し可能でないか、又は少なくとも容易に交換可能でない別の実施例が構想される。第2の顎部114は、ステープルカートリッジ140から排出されたステープルを変形させるよう構成されたアンビル130を備える。第2の顎部114は、閉鎖軸131の周りを第1の顎部112に対して枢動可能であるが、第1の顎部112が第2の顎部114に対して枢動可能である別の実施例が構想される。外科用ステープル留めシステム100は、エンドエフェクタ110が、シャフト120に対して回転される、又は関節運動されることができるように構成された関節運動継手150を更に備える。エンドエフェクタ110は、関節運動継手150を通って延在する関節運動軸151の周りで回動可能である。関節運動軸151は、シャフト120の長手方向軸121及びエンドエフェクタ110の長手方向軸111に直交する。
【0011】
主に図2を参照すると、ステープルカートリッジ140は、カートリッジ本体142を備える。カートリッジ本体142は、近位端部148、遠位端部149、及び近位端部148と遠位端部149との間に延在するデッキ141を含む。使用時に、ステープルカートリッジ140は、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビル130は、組織の第2の側に位置付けられる。アンビル130は、ステープルカートリッジ140に向かって動かされて、組織をデッキ141に接して圧縮しクランプする。その後、カートリッジ本体142に取り出し可能に格納されたステープルは、組織内に展開されることができる。カートリッジ本体142は、その中に画定されたステープル空洞145を含み、ステープル185(図10)はステープル空洞145に取り出し可能に格納される。ステープル空洞145は、6つの長手方向列に配列される。ステープル空洞145の3つの列は、長手方向スロット143の第1の側に位置付けられ、ステープル空洞145の3つの列は、長手方向スロット143の第2の側に位置付けられる。ステープル空洞145及びステープル185の別の配列が可能であり得る。
【0012】
図2を再び参照すると、ステープル185は、カートリッジ本体142のステープルドライバ180に支持される。ドライバ180は、第1の、すなわち未発射位置と、第2の、すなわち発射済み位置との間で可動であり、ステープル185をステープル空洞145から放出する。ドライバ180は、保持体144によってカートリッジ本体142に保持され、保持体は、カートリッジ本体142の下部の周りを延在し、カートリッジ本体142を握把し保持体144をカートリッジ本体142に保持するように構成された弾性の部材147を含む。ドライバ180は、スレッド170によって未発射位置と発射済み位置との間で移動可能である。スレッド170は、近位端部148に隣接した近位位置と遠位端部149に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッド170は、ドライバ180の下を滑動しドライバ180を持ち上げるように構成された複数の傾斜表面175を含み、ステープル185がその上に、アンビル130の方を向いて支持される。
【0013】
上記に加えて、スレッド170は、発射部材160によって遠位に動かされる。発射部材160は、スレッド170に接触しスレッド170を遠位端部149に向かって押すように構成される。カートリッジ本体142内に画定された長手方向スロット143は、発射部材160を受け入れるように構成される。主に図5を参照すると、アンビル130は、発射部材160を受け入れるように構成されたスロット134を更に含む。発射部材160は、第1の顎部112と係合する第1のカム162、及び第2の顎部114と係合する第2のカム164を更に含む。発射部材160が遠位に前進されると、第1のカム162及び第2のカム164は、ステープルカートリッジ140のデッキ141とアンビル130との間の距離、すなわち組織の間隙を制御することができる。発射部材160は、ステープルカートリッジ140とアンビル130との中間に捕えられた組織に切り込みを入れるように構成されたナイフ163を更に含む。ステープル185がナイフ163に先だって放出されるように、ナイフ163が傾斜表面175に少なくとも部分的に近位に位置付けられることが望ましい。
【0014】
上述に加えて、発射部材160が遠位端部149に向かって遠位に動かされる際に、ナイフ163は組織に長手方向の力を加える。発射部材160が遠位に動かされる際に、ナイフ163は組織を横切開するが、ナイフ163は更に、組織をステープルカートリッジ140の遠位端部149に向かって遠位に押し得ることが理解されるべきである。様々な状況において、結果として、外科医がステープル留めするように意図された組織の一部がステープル留めされない可能性がある。以下でより詳細に記載されるように、外科用ステープル留めシステム100は、外科用ステープル留めシステム100の遠位端部からの組織の流れを妨げる及び/又は防ぐように構成された組織停止部を含む。
【0015】
主に図3及び4を参照すると、ステープルカートリッジ140は組織停止部190を含む。組織停止部190は、カートリッジ本体142内に画定された長手方向スロット143内に配置される。より詳細には、組織停止部190は、長手方向スロット143内に画定されたピン開口146内に配置されたピン部分198を含む。ピン部分198は、ピン開口146内に密着して受け入れられる。組織停止部190は、デッキ141よりも上に延在する頭部192を更に含む。主に図6を参照すると、様々な例において、アンビル130は、組織停止部190の頭部192に直接接触する、つまり当接することができる。そのような例では、組織停止部190はアンビル停止部を含むことができる。以下でより詳細に記載されるいくつかのそのような例においては、アンビル130が閉位置へ動かされるとき、アンビル130及び組織停止部190は、アンビル130とステープルカートリッジ140との間に組織を捕捉することができる。他の状況において、組織は、組織停止部190の頭部192とアンビル130との中間に位置付けられてもよい。いくつかのそのような状況において、アンビル130が閉位置へ動かされるとき、アンビル130は、組織を組織停止部190に接して圧縮することができる。ステープルカートリッジがアンビルに対して可動である他の実施形態が構想される。そのような状況において、外科用ステープル留めシステムが閉じているとき、組織停止部は組織に向かって動かされることができる。
【0016】
上述のように、ナイフ163が組織を横切開する際に、ナイフ163は組織を組織停止部190に向かって押すことができる。組織停止部190は、組織の長手方向の流れを抑止する及び/又は防ぐことができる。組織停止部190は、組織の長手方向の流れを堰止めることができる。発射部材160が最近位位置から最遠位位置に向かって動かされるとき(図5)、組織は組織停止部190に押しつけられることができ、内圧及び/又は構造のインピーダンスが組織内に発生し得る。組織停止部190は、逆転防止具を提供してもよい。組織停止部190がナイフ163の切断経路に沿って組織の流れを止めることができるように、組織停止部190の頭部192は、ナイフ163と長手方向に整列される。組織停止部190は、ピン開口146内に組織停止部190を保持するように構成された戻り止め196を含む。戻り止め196は、例えば、カートリッジ本体142に画定された縁部と係合している組織停止部190の周りを延在する1つ以上の環状リップを含み得る。戻り止め196は、組織停止部190がピン開口146から上がることを抑止することができる。様々な実施形態では、組織停止部190及びピン開口146は、組織停止部190がカートリッジデッキ141に対して動かないように構成され配置されることができる。組織停止部190がカートリッジデッキ141に対して動くことができる他の実施形態が構想される。
【0017】
上述されるように、発射部材160が組織停止部190に向かって遠位に前進される際に、ナイフ163は組織停止部190に接近することができる。組織停止部190は、その中に画定されナイフ163を少なくとも部分的に受け入れるように構成されたスロット、すなわちキャッチ194を含む。様々な例において、発射部材160がその最遠位位置に到達したとき、ナイフ163は、組織停止部190の頭部192に当接することができる。ナイフ163が組織停止部190に接触するとき、組織停止部190は更に、ナイフ停止部として機能することができる。ナイフ163が組織停止部190と接触しているとき、発射部材160が更に遠位に前進されるのを防ぐことができる。発射部材160が、外科用器具のハンドルから延在する手動で作動される発射トリガーによって前進されている場合、外科用器具を操作する外科医は、ナイフ163が組織停止部190に接触すると、発射部材160が完全に前進したことを検知することができる。そのような時点で、外科医は外科用器具を操作して発射部材160を後退させることができる。発射部材160が電動モーターによって前進されている場合、電動モーターを操作するコンピュータ又はプロセッサは、発射部材160が受ける力の急激な上昇、及び/又は電動モーターによって生成されたトルクの急激な上昇を検出するように構成されることができ、それに応答して、発射部材160の発射ストロークが完了したことを判断し、及び/又は発射部材160を近位に自動的に後退させる。
【0018】
組織停止部190は、例えばプラスチックから構成されるが、組織停止部190は任意の適した材料で構成されることができる。組織停止部190がナイフ停止部として機能するように構成されるとき、組織停止部190は、ナイフ163によって組織停止部に加えられる切り込みをつける力に耐える、又は少なくとも実質的に耐えることができる材料で構成されることができる。ナイフ163が容易に交換可能でないときは、ナイフ163を破損させない材料で組織停止部190を作製することが望ましい。ナイフ163が外科用ステープル留め器具の一部であり、交換可能カートリッジの一部ではないとき、ナイフ163は容易に交換可能でない可能性がある。ナイフ163が実際に交換可能カートリッジの一部であるとき、ナイフ163への破損は発射ストロークが完了するまで生じないであろう、及びナイフ163はその後組織を切断するために使用されないであろうという理由により、組織停止部190に接触することからのナイフ163への破損は、あまり懸念事項ではない可能性がある。
【0019】
図5を再び参照すると、ナイフ停止部として機能する組織停止部190に加えて又はその代わりに、カートリッジ本体142の遠位端部149は、発射部材160の遠位停止部として機能することができる。より具体的には、発射部材160は、スレッド170をそれが遠位端部149の内部遠位壁172に接触するまで遠位方向に押すことができ、そのような時点で、発射部材160及びスレッド170の遠位への進行が妨害され得る。
【0020】
上述に加えて、様々な例において、組織停止部190はピン開口146内で下方へ偏向又は変位しなくてもよい。そのような例においては、組織停止部190は、アンビル130が閉位置へ動かされるとき、組織停止部に加えられる下方への締付け力に耐えることができ、更に、アンビル130が発射部材160によってカートリッジ140に向かって下方へ動かされるとき、組織停止部に加えられる下方への圧縮力に耐えることができる。上述したように、発射部材160は、第1の顎部112と係合するように構成された第1のカム162、及び第2の顎部114と係合するように構成された第2のカム164を含み、発射部材160が遠位に前進されるとき、発射部材160はアンビル130をカートリッジ140に向かって引くことができ、1)アンビル130とカートリッジ140との間に捕えた組織、及び2)組織停止部190、に圧縮力を加えることができる。発射部材160によって組織停止部190に加えられた圧縮力は、発射部材160が遠位に前進されるにつれて増大することができる。例えば、発射部材160は、発射ストロークの開始時に組織停止部190に初期圧縮力を加え、発射部材160がその発射ストロークの終了に到達したとき、組織停止部190に最大圧縮力を加えることができる。戻り止め196とカートリッジ本体142との間の相互作用は、発射部材160の発射ストロークの全体にわたって、組織停止部190を適所に支持するのに十分であり得る。
【0021】
上述に加えて、様々な他の例において、組織停止部190は、ピン開口146内で偏向する、及び/又は下方へ変位してもよい。組織停止部190は、例えば、ピン開口146内に摺動可能に装着されてもよい。少なくとも1つの例において、組織停止部190は、アンビル130が閉位置へ動かされるとき、組織停止部に加えられる下方への締付け力に耐えることができ、次いで発射部材160の発射ストローク中に、偏向する、及び/又は下方へ変位することができる。場合によっては、組織停止部190は、発射部材160の発射ストロークの開始時に初期圧縮力が組織停止部190に加えられた結果として、偏向する、及び/又は下方へ変位することができる。そのような例においては、組織停止部190は、発射ストローク中に受ける荷重より小さい荷重下で凹むことに抵抗する特徴を含む。ある例においては、組織停止部190は、発射部材160の発射ストロークの終了時に最大圧縮力が組織停止部190に加えられた結果として、偏向する、及び/又は下方へ変位することができる。他の例においては、組織停止部190は、発射部材160が発射ストロークの開始時と終了時との間にあるとき、偏向する、及び/又は下方へ変位することができる。戻り止め196を含む実施形態では、戻り止め196は、組織停止部190に加えられた圧縮力が閾値力を超えるまで、組織停止部190を適所に保持するように構成されることができる。そのような時点で、戻り止め196は解除されることができ、組織停止部190は下方へ動いてピン開口146内に入ることができる。様々な実施形態では、組織停止部190の頭部192は、カートリッジ140のデッキ141の下に完全に後退してもよく、一方で、他の実施形態では、頭部192はデッキ141の下に完全に後退しなくてもよい。発射部材160の発射ストローク中に組織停止部190が変形する場合があっても、組織停止部190は変形する前に引き続き組織の遠位の流れを防ぐ及び/又は制限する機能を果たすことができる。そのような時点で、発射ストロークの一部分、恐らくは発射ストロークの大部分は完了していることができる。
【0022】
戻り止め196に加えて、又は戻り止め196の代わりに、支持体が組織停止部190の下に位置付けられて、組織停止部190が偏向する、及び/又は下方へ変位するのを防ぐことができる。支持体がもはや組織停止部190を支持せず、その結果、上述したように、発射部材160の発射ストローク中に組織停止部190が変形する又は凹むことができるように、支持体は、発射部材160の発射ストローク中に発射部材160によって遠位に押されることができる。様々な例において、例えば発射部材160の発射ストロークの終了時に、支持体は脇に押しやられることができる。他の例においては、発射部材160の発射ストロークの終了に先立って、支持体は脇に押しやられることができる。支持体は、例えば発泡体からなることができる。様々な例において、支持体は、支持体が組織停止部190の真下から押し出されるまで組織停止部190を圧縮荷重下で部分的に凹ませることができる弾性材料からなることができる。ある例においては、支持体は、支持体が組織停止部190の真下から押し出されるまで組織停止部190を凹ませない、又は少なくとも実質的に凹ませない剛性材料からなることができる。
【0023】
組織停止部190は、その中に画定されたスロット193を更に含む。スロット193は、発射部材160が遠位に動くにつれて、発射部材160の一部を受け入れるように構成された遊びスロットである。
【0024】
組織停止部190の頭部192は、任意の適した形状を有することができる。様々な例において、頭部192は、例えば実質的に円筒の形状を有することができる。場合によっては、頭部192は、例えば実質的に長方形の形状を有することができる。そのような長方形は、ドライバの最も内側の列の間の空間を利用することができ、カートリッジスロット143の側壁によって誘導されることができる。頭部192は、組織に加えられる圧力又は応力を減少させることができる丸み付けされた縁部及び/又は表面を含むことができる。
【0025】
図2に示されるステープルカートリッジ140を再び参照すると、ステープルカートリッジ140内に画定されたステープル空洞145は、長手方向スロット143と平行である長手方向スロット143の第1の側に3つの平行な列で、同じく長手方向スロット143と平行である長手方向スロット143の第2の側に3つの平行な列で、配置される。長手方向スロット143の各側で、ステープル空洞の第1の列184’は長手方向スロット143に隣接し、ステープル空洞の第2の列184’’はステープル空洞の第1の列184’に隣接し、ステープル空洞の第3の列184’’’はステープル空洞の第2の列184’’に隣接する。ステープル空洞145は、重複するステープルを含むステープルの配列を展開する。ステープル空洞145に注目すると、ステープル空洞の第1の列184’で、第1の列184’内の隣接したステープル空洞145の間に間隙が存在するが、そのような間隙は、ステープル空洞の第2の列184’’でステープル空洞145によって横方向に重なり合う。同様に、ステープル空洞の第2の列184’’の隣接したステープル空洞145の間に間隙が存在し、そのような間隙は、ステープル空洞の第3の列184’’’でステープル空洞185によって横方向に重なり合う。
【0026】
ステープルカートリッジ240を図8に表す。ステープルカートリッジ240は多くの点でステープルカートリッジ140に似ており、上述の外科用ステープル留めシステム100の一部として使用することができる。ステープルカートリッジ240が外科用ステープル留めシステム100と共に使用されるとき、そのようなシステムは外科用ステープル留めシステム200と呼ぶことができる(図9)。ステープルカートリッジ240は、カートリッジ本体242と、カートリッジ本体242上に画定されたデッキ241と、長手方向スロット243と、近位端部248と、遠位端部249と、を備える。カートリッジ本体242は、その中に画定された複数の第1のステープル空洞245a、複数の第2のステープル空洞245b、及び複数の第3のステープル空洞245cを含む。第1の空洞245aはそれぞれ、その中に取り出し可能に格納された第1のステープル285aを含む。第2のステープル空洞245bはそれぞれ、その中に取り出し可能に格納された第2のステープル285bを含む。第3のステープル空洞245cはそれぞれ、その中に取り出し可能に格納された第3のステープル285cを含む。第1のステープル285aは、第2のステープル285b及び第3のステープル285cとは異なる。第2のステープル285bは、第3のステープル285cとは異なる。第1のステープル285a、第2のステープル285b、及び第3のステープル285cは、以下で更により詳細に記載される有利なステープルパターンを画定する。
【0027】
ステープル空洞245a〜245c、及びその中に位置付けられたステープル285a〜285cは、長手方向スロット243の第1の側に3つの長手方向列で、及び長手方向スロット143の第2の側に3つの長手方向列で配置される。長手方向スロット243の第2の側のステープル空洞の3つの長手方向列245a〜245c、及びステープル285a〜285cは、長手方向スロット243の第1の側のステープル空洞の3つの長手方向列245a〜245c、及びステープル285a〜285cの鏡像であるが、第2の側が第1の側の鏡像ではない他の実施形態が構想される。図8を再び参照すると、ステープル空洞の第1の長手方向列284’は長手方向スロット283に隣接し、ステープル空洞の第2の長手方向列284’’はステープル空洞の第1の長手方向列284’に隣接し、ステープル空洞の第3の長手方向列284’’’はステープル空洞の第2の長手方向列284’’に隣接する。第1の長手方向列284’、第2の長手方向列284’’、及び第3の長手方向列284’’’は、互いに対して、及び長手方向スロット243に対して平行であるが、第1の長手方向列284’、第2の長手方向列284’’、及び/又は第3の長手方向列284’’’が互いに対して、及び/又は長手方向スロット243に対して平行ではない他の実施形態が構想される。
【0028】
第1の長手方向列284’は列の近位端部に2つの第1のステープル空洞245aを含み、更に、2つの第1のステープル空洞245aを列の遠位端部に含む。大きい長手方向間隙が、第1の列284’において、近位の第1のステープル空洞245aと遠位の第1のステープル空洞245aとの間に存在する。この大きい長手方向間隙は、1つを超える第1のステープル空洞245aがその中に位置付けられることができるほど十分に大きい。言い換えると、第1のステープル空洞245aのパターンが等間隔で第1の列284’に配置された場合、第1のステープル空洞245aのいくつかは大きい長手方向間隙内で欠けている、つまり存在しない。ステープル空洞の第1の長手方向列284’は、ステープル空洞のパターン中に中断部を含む。中断部は、ステープル空洞の不在部を含む。結果として、ステープルの第1の長手方向列は、ステープルのパターン中に中断部を含む。この中断部は、ステープルの不在部を含む。
【0029】
上記と同様に、第2の長手方向列284’’は、その近位端部に2つの第1のステープル空洞245aを含み、加えて、その遠位端部に2つの第1のステープル空洞245aを含む。大きい長手方向間隙が、第2の列284’’において、近位の第1のステープル空洞245aと遠位の第1のステープル空洞245aとの間に存在する。この大きい長手方向間隙は、1つを超える第1のステープル空洞245aがその中に位置付けられることができるほど十分に大きい。言い換えると、第1のステープル空洞245aのパターンが等間隔で第2の列284’’に配列された場合、いくつかの第1のステープル空洞245aは大きい長手方向間隙内で欠けている、つまり存在しない。第2のステープル空洞の長手方向列284’’は、ステープル空洞のパターンに中断部を含む。中断部は、ステープル空洞の不在部を含む。その結果、第2のステープルの長手方向列は、ステープルのパターンに中断部を含む。この中断部は、ステープルの不在部を含む。
【0030】
第3の長手方向列284’’’は、その近位端部に2つの第2のステープル空洞245bを含み、加えて、その遠位端部に2つに第2のステープル空洞245bを含む。第3の列284’’’は、近位の第2のステープル空洞245bと遠位の第2のステープル空洞245bとの中間に配置された第3のステープル空洞245cを更に含む。図8に示すように、第3のステープル空洞245cは、第2のステープル空洞245bよりも長手方向により幅広である。より幅広の第3のステープル空洞245cは、第3の列284’’’において、第2のステープル空洞245bのパターンに途絶部を含む。第2のステープル空洞245b及び第3のステープル空洞245cは、ステープル空洞の連続するが途絶したパターンを含む。更に図8に示すように、第3のステープル285cは、第2のステープル285bよりも長手方向により幅広である。より幅広の第3のステープル285cは、第3の列284’’’において、第2のステープル285bのパターンに途絶部を含む。第2のステープル285b及び第3のステープル285cは、ステープルの連続するが途絶したパターンを含む。
【0031】
図8を再び参照すると、上述に加えて、ステープル空洞の第1の列284’の中断部、つまり長手方向間隙は、ステープル空洞の第2の列284’’の中断部、つまり長手方向間隙と整列される、又は少なくとも実質的に整列される。更に図8に示すように、ステープル空洞の第3の列284’’’の途絶部は、ステープル空洞の第2の列284’’の中断部、つまり長手方向間隙、及びステープル空洞の第1の列284’の中断部、つまり長手方向間隙と整列される、又は少なくとも実質的に整列される。ステープル空洞の第3の列284’’’は、ステープルカートリッジ240の近位端部248から遠位端部249に及ぶステープル空洞を含むが、第1の列284’及び第2の列284”は含まない。
【0032】
図8を再び参照すると、第1のステープル285aは、例えばワイヤーからなる。ワイヤーは、例えばステンレス鋼及び/又はチタンからなることができる。ワイヤーは、円形断面を有するが、別の断面が用いられてもよい。各第1のステープル285aは、例えば、V字型の形状又はU字型の形状等の任意の適した形状を有することができる。V字型の形状を有する第1のステープル285aは、基部、基部の第1の端部から延在する第1の脚部、及び基部の第2の端部から延在する第2の脚部を含むことができ、第1の脚部及び第2の脚部は、互いに平行ではない方向に延在する。U字型の形状を有する第1のステープル285aは、基部、基部の第1の端部から延在する第1の脚部、及び基部の第2の端部から延在する第2の脚部を含むことができ、第1の脚部及び第2の脚部は、互いに平行である方向に延在する。
【0033】
第2のステープル285bは、例えばワイヤーからなる。ワイヤーは、例えばステンレス鋼及び/又はチタンからなることができる。ワイヤーは長方形の断面を有するが、別の断面が用いられてもよい。各第2のステープル285bは、例えば、V字型の形状又はU字型の形状等の任意の適した形状を有することができる。V字型の形状を有する第2のステープル285bは、基部、基部の第1の端部から延在する第1の脚部、及び基部の第2の端部から延在する第2の脚部を含むことができ、第1の脚部及び第2の脚部は、互いに平行ではない方向に延在する。U字型の形状を有する第2のステープル285bは、基部、基部の第1の端部から延在する第1の脚部、及び基部の第2の端部から延在する第2の脚部を含むことができ、第1の脚部及び第2の脚部は、互いに平行である方向に延在する。
【0034】
第3のステープル285cは、例えばワイヤーからなる。ワイヤーは、例えばステンレス鋼及び/又はチタンからなることができる。ワイヤーは、円形断面を有するが、別の断面が用いられてもよい。各第3のステープル285cは、例えば、V字型の形状又はU字型の形状等の任意の適した形状を有することができる。V字型の形状を有する第3のステープル285cは、基部、基部の第1の端部から延在する第1の脚部、及び基部の第2の端部から延在する第2の脚部を含むことができ、第1の脚部及び第2の脚部は、互いに平行ではない方向に延在する。U字型の形状を有する第3のステープル285cは、基部、基部の第1の端部から延在する第1の脚部、及び基部の第2の端部から延在する第2の脚部を含むことができ、第1の脚部及び第2の脚部は、互いに平行である方向に延在する。
【0035】
上述のように、第3のステープル285cは、第2のステープル285bよりも長手方向により幅広である。様々な例において、第3のステープル285cは、例えば、第2のステープル285bよりも長手方向に2倍幅広である。第3のステープル285cは、例えば、第2のステープル285bよりも長手方向に少なくとも2倍幅広であることができる。場合によっては、第3のステープル285cは、例えば、第2のステープル285bよりも長手方向に3倍幅広である。上記と同様に、第3のステープル285cは、第1のステープル285aよりも長手方向により幅広である。様々な例において、第3のステープル285cは、例えば、第1のステープル285aよりも長手方向に2倍幅広である。第3のステープル285cは、例えば、第1のステープル285aよりも長手方向に少なくとも2倍幅広であることができる。場合によっては、第3のステープル285cは、例えば、第1のステープル285aよりも長手方向に3倍幅広である。第1のステープル285a、第2のステープル285b、及び第3のステープル285cが任意の適した幅広を有する他の実施形態が構想される。
【0036】
第2のステープル285bは、第3のステープル285cよりも横方向により幅広である。様々な例において、第2のステープル285bは、例えば、第3のステープル285cよりも横方向に2倍幅広である。第2のステープル285bは、例えば、第3のステープル285cよりも横方向に少なくとも2倍幅広であることができる。場合によっては、第2のステープル285bは、例えば、第3のステープル285cよりも長手方向に3倍幅広である。上記と同様に、第2のステープル285bは、第1のステープル285aよりも横方向により幅広である。様々な例において、第2のステープル285bは、例えば、第1のステープル285aよりも横方向に2倍幅広である。第2のステープル285bは、例えば、第1のステープル285aよりも横方向に少なくとも2倍幅広であることができる。場合によっては、第2のステープル285bは、例えば、第1のステープル285aよりも横方向に3倍幅広である。第2のステープル285bは、第1のステープル285a及び第3のステープル285cよりも太いワイヤー原料からなるが、第1のステープル285a、第2のステープル285b、及び第3のステープル285cが任意の好適な太さを有する他の実施形態が構想される。
【0037】
第1のステープル285a、第2のステープル285b、及び第3のステープル285cは、同じ未形成の高さを有するが、第1のステープル285aが、第2のステープル及び/又は第3のステープルとは異なる未形成の高さを有する他の実施形態が構想される。同様に、第2のステープル285bが、第3のステープル285cとは異なる未形成の高さを有する他の実施形態が構想される。第1のステープル285a、第2のステープル285b、及び第3のステープル285cは、同じ変形された高さを有するが、第1のステープル285aが、第2のステープル及び/又は第3のステープルとは異なる変形された高さを有する他の実施形態が構想される。同様に、第2のステープル285bが、第3のステープル285cとは異なる変形された高さを有する他の実施形態が構想される。2011年1月1日に発行された米国特許第7,866,528号、名称「STAPLE DRIVE ASSEMBLY」、2010年6月1日に発行された米国特許第7,726,537号、名称「SURGICAL STAPLER WITH UNIVERSAL ARTICULATION AND TISSUE PRE−CLAMP」、2010年1月5日に発行された米国特許第7,641,091号、名称「STAPLE DRIVE ASSEMBLY」、2009年12月22日に発行された米国特許第7,635,074号、名称「STAPLE DRIVE ASSEMBLY」、2011年8月16日に発行された米国特許第7,997,469号、名称「STAPLE DRIVE ASSEMBLY」、のそれぞれの開示内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0038】
列284’、284’’及び284’’’の近位端部にある第1のステープル285a及び第2のステープル285bは、ステープルカートリッジ240の近位端部上に配置された組織を密閉するように構成された近位密閉群を含む。列284’、284’’及び284’’’の遠位端部にある第1のステープル285a及び第2のステープル285bは、ステープルカートリッジ240の遠位端部上に配置された組織を密閉するように構成された遠位密閉群を含む。ステープルの密閉群は、組織をクランプし、流体、例えば、血液などがそこを通って流れるのを制限するように構成されている。密閉群は更に、組織を共に保持又は結合することができる。第3のステープル285cは、組織を共に保持又は結合するように構成された保持群又は結合群を有する。保持群又は結合群は更に、組織を密閉してもよいが、ステープルの1つの列のみで達成することができる止血法はある状況では限度があり得る。
【0039】
図8を再び参照すると、ステープルカートリッジ240は、図2に示されるステープルカートリッジ140の組織停止部190と同じ機能を行うように構成された組織停止部190を更に含む。図2を再び参照すると、最遠位ステープル空洞145、したがって最遠位ステープル185は、組織停止部190に対して横方向に位置付けられる。組織停止部190は、第1のステープル空洞列184’及び第3のステープル空洞列184’’’の遠位端部に対して近位に延在する。そのような配列は、ナイフ163を最遠位ステープル185に対して近位に停止させ、その結果、ナイフ163は、ステープル線の遠位端部を超えて切断することがない。同様に、図8を再び参照すると、最遠位ステープル空洞245a〜245c、したがって最遠位ステープル285a〜285cは、組織停止部190に対して横方向に位置付けられる。組織停止部は、少なくとも1つのステープル空洞列284’、284’’及び284’’’の遠位端部に対して近位に延在する。そのような配列は、最遠位ステープル285a〜285cに対して近位にナイフ163を停止させ、その結果、ナイフ163は、ステープル線の遠位端部を超えて切断することがない。様々な例において、組織停止部190は、ステープルパターンへ延在する又は到達するピンを含む。
【0040】
ここで図9〜12を参照すると、外科吻合を実行するための外科手技が開示される。様々な例において、吻合は患者の胃腸(GI)管の一部を除去するために行われる。図9に示すように、外科用ステープル留めシステム100は、外科用器具201に取り付け、腹腔鏡下で患者内に挿入されることができる。アンビル130及びステープル留めシステム100のステープルカートリッジ140が患者の結腸Cに対して位置付けられるように、アンビル130は開かれることができる。アンビル130が閉位置へ動かされるとき、アンビル130は、結腸Cをステープルカートリッジ140に接してクランプすることができる。様々な例において、アンビル130が閉じているとき、結腸Cがステープル留めシステム100内に完全に捕捉されることができるように、組織停止部190は結腸Cの片側に位置付けられることができる。
【0041】
更に図9に示すように、外科用ステープル留めシステム200は、外科用器具201に取り付け、腹腔鏡下で患者内に挿入されることができる。アンビル130及びステープル留めシステム200のステープルカートリッジ240が患者の結腸Cに対して位置付けられるように、アンビル130は開かれることができる。アンビル130が閉位置へ動かされるとき、アンビル130は、結腸Cをステープルカートリッジ240に接してクランプすることができる。様々な例において、アンビル130が閉じているとき、結腸Cがステープル留めシステム200内に完全に捕捉されることができるように、組織停止部190は結腸Cの片側に位置付けられることができる。そのような時点で、結腸Cの部位C’は、クランプされた第1のステープル留めシステム100とクランプされた第2のステープル留めシステム200との中間にあることができる。
【0042】
ここで図10を参照すると、第1のステープル留めシステム100は、第1の、つまり上の位置で結腸Cを完全に横切断しステープル留めするように操作されることができる。ステープル185の3つの列184は横断面の上側に植え込まれ、ステープル185の3つの列は結腸部位C’に植え込まれる。第2のステープル留めシステム200は、第2の、つまり下の位置で結腸Cを完全に横切断しステープル留めするように操作されることができる。ステープルの3つの列、すなわち、第1の列284a、第2の列285b、及び第3の列285cは、横断面の下側に植え込まれ、ステープルの3つの列、すなわち、第1の列284a、第2の列285b、及び第3の列285cは、結腸部位C’に植え込まれる。図10に示すように、結腸が上位置及び下位置で横切開されステープル留めされると、結腸部位C’は患者から取り除かれることができる。
【0043】
図10を再び参照すると、外科用ステープル留めシステム300は、結腸Cの上部分と下部分とを再結合するために利用されることができる。ステープル留めシステム300のステープルカートリッジ部分340は、患者の直腸Rに挿入され、結腸Cの下部分へ挿入されることができる。ステープル留めシステム300から延在する接続ロッド310は次に、ステープル線284cを通ってステープル284a及び284bの中断部に挿入される。ステープル留めシステム300のアンビル部分330は、結腸Cの上部分に位置付けられる。様々な例において、結腸Cの上部分の側壁が切開されることができ、次いでアンビル部分330が上部分の内部に位置付けられることができる。アンビル330の接続部分331は、結腸の上部分の側壁を通り抜けて突出し、ステープルカートリッジ部分340の接続ロッド310に接続されることができるように、位置付けられることができる。ここで図11を参照すると、接続ロッド310を後退させて、アンビル部分330をステープルカートリッジ部分340に向かって引き、結腸の上部分を結腸の下部分に向かって引くことができる。結腸の上部分及び結腸の下部分の組織がステープルカートリッジ340に接して圧縮されるまで、アンビル部分330を後退させることができる。
【0044】
ステープル留めアセンブリ300は、円形のステープル留めアセンブリを含む。円形のステープル留めアセンブリは、アンビル部分330とステープルカートリッジ部分340との間に捕えられた組織内でステープルの1つ以上の円形の環を形成することができる。ステープルカートリッジ340は、その中に取り出し可能に格納された複数のステープル385を含み、ステープルプッシャ380によってアンビル330に向かって押される。プッシャ380は、ステープル留めアセンブリ300のシャフト320内に移動可能に配置された発射部材によってアンビル部分330に向かって押される。発射部材は更に、円形ナイフ363をアンビル部分330に向かって押して、ステープルカートリッジ部分340によって作られたステープル線に対して半径方向に内向きに位置付けられた組織を横切開する。ステープル385が発射され、組織が離断された後に、アンビル部分330は、接続ロッド310から切り離される。次に、ステープル留めアセンブリ300のカートリッジ部分340は、患者の直腸から引き抜かれる。アンビル部分330が患者の結腸から取り除かれ、アンビル部分330を結腸に挿入するために用いられた切開部は、例えば、縫合によって閉じられる。上記の離断された組織は、患者の胃腸管を自然に通過する円環の形状になることが多い。2013年1月29日に発行された米国特許第8,360,297号、名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT WITH SELF ADJUSTING ANVIL」の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
図11に示されるように、第3のステープル285cがステープル385の環(単数又は複数)内に位置付けられるように、ステープル385は結腸内へ展開されることができる。ある状況において、ステープル385の環は、第3のステープル285cのいくつかと重なり合ってもよい。様々な例において、第3のステープル285cが横切開された組織の環の中に位置付けられるように、ナイフ263は組織を横切開してもよい。そのような例においては、第3のステープル285cのすべてが横切開された組織と共に取り除かれることができる。いくつかの状況において、ナイフ263は第3のステープル285cを横切してもよく、その結果、第3のステープル285cの一部は、残存する結腸組織に残されることがある。
【0046】
主に図12を参照すると、外科手技の終わりに、結腸の上部分及び結腸の下部分は、第3のステープル留めアセンブリ300によって展開されたステープル385によって留められることができる。結腸の下部分は、第1のステープル285a及び/又は第2のステープル285bによって少なくとも部分的に密閉されたままであることができる。様々な例において、第1のステープル285a及び/又は第2のステープル285のいくらかは、横切開された組織の環と共に取り除かれることができる。場合によっては、ステープル385は、第1のステープル285a及び第2のステープル285bと重なり合うことができる。
【0047】
図9を再び参照すると、外科用器具101は、ステープル留めアセンブリ100が周りで関節運動することができる関節運動継手150を備える。ステープル留めアセンブリ100は、アンビル130が周りを回転させられる回転軸131(図1)に垂直である関節運動軸151(図1)の周りで関節運動することができる。同様に、外科用器具201は、ステープル留めアセンブリ200が周りで関節運動することができる関節運動継手250を備える。更に、同様に、ステープル留めアセンブリ200は、アンビル130が周りを回転させられる回転軸131に垂直である関節運動軸の周りで関節運動することができる。2013年7月4日に公開された米国特許出願公開第2013/0168435号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0048】
図2を再び参照すると、上述のように、スレッド170は、外科用器具によって遠位に押される発射部材160によって遠位に前進される。ここで図13を参照すると、特定のその他の実施形態では、スレッド170’は回転可能な発射部材360によって遠位に押されることができる。スレッド170’は、回転可能な発射部材360の外側表面上に画定されたねじ山362と螺入可能に係合される、ねじ切り開口361を含む。スレッド170’は、ステープルカートリッジに対して回転することが抑制され、その結果、発射部材360の回転は、発射部材360が回転される方向によってスレッド170’を近位に又は遠位に変位させる。スレッド170’は、発射部材360のねじ部分によって長手方向に変位されるナットを含むことができる。2007年8月2日に公開された米国特許出願公開第2007/0175950号、名称「DISPOSABLE STAPLE CARTRIDGE HAVING AN ANVIL WITH TISSUE LOCATOR FOR USE WITH A SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT AND MODULAR END EFFECTOR SYSTEM THEREFOR」の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0049】
図13に開示される実施形態は、関節運動継手を備える、及び関節運動継手を備えない実施形態で利用することができる。関節運動継手を備えた実施形態では、例えば、発射部材360は、関節運動継手に対して近位に位置付けられた第1の回転可能なシャフト部、及び関節運動継手に対して遠位に位置付けられた第2の回転可能なシャフト部を含むことができる。第1の回転可能なシャフト部は、第1の歯車、例えばベベル歯車等を含むことができ、それは、第2の歯車、例えばベベル歯車等と係合されて、その間の回転運動を伝達する。第1の歯車及び第2の歯車は、外科用ステープル留めシステムの関節運動範囲の全体にわたって、操作可能に噛み合った状態を保つことができる。少なくとも1つの例において、関節運動継手は、例えば、アンビル130が周りを回転する回転軸131と平行である関節運動軸を含む。ある例においては、関節運動継手は、例えば、回転軸131に垂直でない関節運動軸を含むことができる。そのような例においては、外科用ステープル留めシステムは、関節運動継手150及び/又は関節運動継手250を用いて到達可能ではない可能性がある位置へ操作されることができる。少なくとも1つの例において、外科用ステープル留めシステムは、例えば、外科用ステープル留め器具のシャフトに対して90度の角度へ回転されることができる。そのような例においては、第2の回転可能なシャフトは、第1の回転可能なシャフトに直交であることができる。
【0050】
2014年10月13日に出願された米国特許出願第14/512,637号、名称「STAPLE CARTRIDGE」の開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
外科用器具アセンブリ500が図14〜20に示されている。外科用器具アセンブリ500は、エンドエフェクタ510、シャフト520、及びエンドエフェクタ510をシャフト520に回転可能に接続する関節運動継手550を備える。シャフト520は、長手方向シャフト軸521、スパイン又はフレーム522、及び外チューブ523を含む。エンドエフェクタ510は、長手方向軸511、第1の顎部512、及び第2の顎部514を含む。第1の顎部512は、容易に第1の顎部512に取り付け可能及び第1の顎部から取り外し可能である交換可能ステープルカートリッジ540を含むが、ステープルカートリッジ540が第1の顎部512から容易に取り出し可能ではない他の実施形態が構想される。ステープルカートリッジ540は、カートリッジ本体、及びそこに取り出し可能に格納された複数のステープルを含む。第2の顎部514は、ステープルがステープルカートリッジ540から放出されるとき、ステープルを変形するように構成された、アンビル530を含む。
【0052】
第2の顎部514は、第1の顎部512に対して移動可能であるが、第1の顎部512が第2の顎部514に対して可動である他の実施形態が構想される。第2の顎部514は、開位置(図20)と閉位置(図14、15、18、及び19)との間で閉鎖軸131の周りを回転可能である。閉鎖軸131は、エンドエフェクタの長手方向軸511に対して横方向である。様々な例において、閉鎖軸131は、例えばエンドエフェクタ軸511に直交する。第2の顎部514は、そこから横方向に延在するピボットピン516を含み、ピボットピンは、第1の顎部512に画定されたピボット窓517に位置付けられる。ピボットピン516及びピボット窓517は、ピボットピン516がピボット窓517内で浮遊できるような大きさに作られ構成されるが、ピボットピン516及びピボット窓517が固定旋回軸を画定する他の実施形態が構想される。いずれにしても、ピボットピン516及びピボット窓517は閉鎖軸131を画定する。
【0053】
図14〜20を再び参照すると、関節運動継手550は、シャフト520の遠位端部をエンドエフェクタ510の近位端部に接続する。主に図16を参照すると、エンドエフェクタ510の第1の顎部512はチャネル装着部513を含み、チャネル装着部はそこから横方向に延在する関節運動ピン518を含む。関節運動ピン518は、シャフト520の外チューブ523に画定された関節運動開口528に位置付けられる。関節運動ピン518は、関節運動開口528内に密着して受け入れられて固定旋回軸を形成し、固定旋回軸は、エンドエフェクタ510が周りでシャフト520に対して関節運動する関節運動軸551を画定する。関節運動軸551は、長手方向のシャフト軸521に対して横方向である。様々な例において、関節運動軸551は、例えばシャフト軸521に対して直交する。関節運動軸551は閉鎖軸131と平行である。関節運動軸551及び閉鎖軸131は、それらが正確に平行である又は実質的に平行である場合、平行である。関節運動軸551及び閉鎖軸131は、長手方向にオフセットされるが、横方向に整列される、又は同じ全体的向を向いている。
【0054】
上述のように、エンドエフェクタ510は、シャフト520に対して関節運動することができる。エンドエフェクタ510は、図14、15、及び18に示される位置などの関節運動していない位置と、図19及び20に示される位置などの関節運動した位置と、の間で可動である。図19及び20のエンドエフェクタ510の関節運動した位置は完全に関節運動した位置であるが、他の関節運動した位置が構想される。エンドエフェクタ510が関節運動していない位置では、長手方向のエンドエフェクタ軸511は、長手方向のシャフト軸521と長手方向に整列される。エンドエフェクタ510が関節運動した位置では、長手方向のエンドエフェクタ軸511は、もはや長手方向のシャフト軸521と長手方向に整列されておらず、横方向に延在する。図19及び20に示されるエンドエフェクタ510が完全に関節運動した位置では、エンドエフェクタ軸511はシャフト軸521に直交する。
【0055】
外科用器具アセンブリ500は、エンドエフェクタ510を関節運動していない位置と関節運動した位置との間で動かすように構成された関節運動作動システムを更に備える。非作動形態の関節運動作動システムが示される図15〜18を主に参照すると、関節運動作動システムは、シャフト520に位置付けられた電動モーター552を備える。より具体的には、電動モーター552のハウジングは、シャフト520のフレーム522内に画定されたモーター空洞584内に位置付けられる。電動モーター552のハウジングがシャフトフレーム522に対して回転することを防ぐ又は抑止するような方法で、電動モーター552はモーター空洞584内に載置されることができる。電動モーター552は、外科用器具アセンブリ500の、例えばハンドル又はハウジング内に位置付けられることができる外科用器具アセンブリ500の電源、例えば電池などに操作可能に連結されることができる。例えば、導電性ワイヤーは、シャフトフレーム522内に画定されたワイヤーチャネル584を通って、外科用器具アセンブリ500のハンドル又はハウジング内に位置付けられた電源及び/又は制御回路まで延在することができる。電動モーター552は、エンドエフェクタ510に向かって遠位に延在する回転可能な出力シャフト553を更に含む。
【0056】
関節運動作動システムは、シャフト520内に位置付けられた関節運動スライド554を更に含む。関節運動スライド554は、その中に画定された近位駆動開口555を含む。モーター出力シャフト553が第1の方向に回転されるとき、関節運動スライド554は遠位に前進され、モーター出力シャフト553が第2の反対の方向に回転されるとき、関節運動スライド554は近位に後退されるように、モーター出力シャフト553及びスライド駆動開口555は、螺入可能に係合されることができる。関節運動スライド554は、そこから延在する長手方向回転防止リブ556を更に含み、このリブは、シャフト520の外チューブ523内に画定された長手方向回転防止スロット526内に位置付けられ合わせられる。回転防止リブ556及びスロット526は、シャフト520内で関節運動スライド554が回転するのを防ぐ又は抑止するような大きさに作られ構成される。上記の結果、出力シャフト553の回転移動は、関節運動スライド554の長手方向の動きに変換される。
【0057】
関節運動作動システムは、関節運動スライド554から遠位に延在する関節運動リンク557を更に含む。関節運動スライド554は、関節運動リンク557の近位端部内に画定された近位リンク開口558と整列される遠位ピン開口を含む。遠位ピン開口及び近位リンク開口558は、その中に近位リンクピンを受け入れるように構成され、近位リンクピンは、関節運動スライド554の動きを関節運動リンク557へ伝達するように構成されている。チャネル装着部513は、そこから近位に延在する突出ラグを含み、ラグは、関節運動リンク557の遠位端部内に画定された遠位リンク開口559と整列された装着開口519(図17)を含む。装着ラグ開口519及び遠位リンク開口559は、その中に遠位リンクピンを受け入れるように構成され、遠位リンクピンは、関節運動スライド554及び関節運動リンク557の動きを第1の顎部512のチャネル装着部513へ伝達するように構成されている。上述したように、関節運動スライド554、関節運動リンク557、及び第1の顎部512が関節運動モーター552によって遠位に押されるとき、エンドエフェクタ510はその関節運動していない位置からその関節運動した位置へ関節運動軸551の周りを回転される。上述したように、第2の顎部514は第1の顎部512に回転可能に装着され、その結果、エンドエフェクタ510がその関節運動した位置へ回転される際に、第2の顎部514は第1の顎部512と共に回転する。
【0058】
上記に加えて、エンドエフェクタ510をその関節運動していない位置に戻すために、関節運動モーター552を反対方向に操作させて、関節運動スライド554、関節運動リンク557、及び第1の顎部512を後退させ、エンドエフェクタ510を関節運動軸511の周りで反対方向に回転させる。様々な例において、関節運動作動システムは、エンドエフェクタ510が関節運動していない位置と完全に関節運動した位置との間で動かされる、完全な関節運動ストロークによって動かされることができる。関節運動ストロークの開始及び終了は、機械的に及び/又は電子工学的に制御されることができる。例として、外科用器具アセンブリ500は、例えば、関節運動モーターシャフト553の回転を数え、かつ所定の最高回転数に達すると関節運動モーター552への電源供給を中断するように構成された、エンコーダ及びマイクロプロセッサを含む、制御システムを備えることができる。更に、例として、シャフトチューブ523内に画定された回転防止スロット526は、関節運動スライド554の回転防止リブ556の遠位の動きを制限し、したがってエンドエフェクタ510の関節運動を制限する、遠位端部を含むことができる。同様に、回転防止スロット526は、回転防止リブ556の近位の動きを制限し、したがってエンドエフェクタ510の戻り関節運動を制限する、近位端部を含むことができる。
【0059】
外科用器具アセンブリ500は、上述のように、ステープルカートリッジ540からステープルを放出するように構成された発射駆動装置を更に備える。発射駆動装置は、シャフト520内に第1の駆動部分、及びエンドエフェクタ510内に第2の駆動部分を含む。主に図15及び18を参照すると、エンドエフェクタ510の関節運動していない位置では、第1の駆動部分は、第2の駆動部分と操作可能に係合されていない。したがって、第1の駆動部分が誘導されても、第2の駆動部分は、第1の駆動部分の誘導に反応しない。図19及び20に示されるように、エンドエフェクタ510が関節運動したとき、エンドエフェクタ510の第2の駆動部分は、シャフト520の第1の駆動部分と係合される。様々な実施形態において、第2の駆動部分は、エンドエフェクタ510が完全に関節運動したときのみ、第1の駆動部分と係合され、エンドエフェクタ510が部分的にだけ関節運動した位置にあるときは係合されない。他の実施形態では、第2の駆動部分は、エンドエフェクタ510が部分的に関節運動した位置にあるとき、すなわち、エンドエフェクタ510が完全に関節運動した位置に到達する前に、第1の駆動部分と係合されることができる。少なくとも1つのそのような実施形態において、エンドエフェクタ510の第2の駆動部分は、エンドエフェクタ510の関節運動位置の範囲全体で、シャフト520の第1の駆動部分と係合されている。
【0060】
シャフト520の第1の駆動部分は、回転可能な駆動シャフト580を含む。駆動シャフト580は、例えば、電動モーター及び/又は機械的ハンドクランクなど、任意の好適な手段によって回転可能である。電動モーター及び/又は機械的ハンドクランクは、上述のハンドル又はハウジング内に位置付けられることができる。場合によっては、ハンドル又はハウジングは、関節運動作動駆動装置を操作するための関節運動モーター、及び発射駆動装置を操作するための別個の発射モーターを備えることができる。他の例においては、関節運動駆動装置及び発射駆動装置は、同じ電動モーターによって操作されることができる。2014年3月7日に出願され、現在は米国特許出願公開第2014/0263539号である米国特許出願第14/200,111号、名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。駆動シャフト580は、フレーム522を通って延在する軸受開口581、及び関節運動スライド554を通って延在する軸受開口582内に回転可能に支持されている。駆動シャフト580の遠位端部は、駆動シャフト580の回転がシャフトベベル歯車569に伝達されるように駆動シャフト580に装着されるシャフトベベル歯車569を含む。
【0061】
シャフト520の第2の駆動部分は、転送シャフト567の近位端部に装着されたエンドエフェクタベベル歯車568を含む。転送シャフト567は、チャネル装着部513内に画定された軸受開口の中で回転可能に支持されている。転送シャフト567の遠位端部は、転送シャフト567の回転がピニオン歯車566に伝達されるように転送シャフト567に装着されるピニオン歯車566を含む。ピニオン歯車566は、チャネル装着部513内に回転可能に支持されている中間歯車565と噛み合って係合されている。中間歯車565は、発射シャフト560に装着された被動歯車562と噛み合って係合されている。ピニオン歯車566の回転が被動歯車562に伝達されるように、被動歯車562は中間歯車565と噛み合わされ、中間歯車565はピニオン歯車566と噛み合わされる。被動歯車562は、被動歯車562の回転が発射シャフト560に伝達されるように発射シャフト560に取り付けられる。以下でより詳細に記載されるように、第1の方向に発射シャフト560が回転することは、ステープルカートリッジ540からステープルを発射又は放出する。
【0062】
図15及び18に示されるように、エンドエフェクタ510がその関節運動していない形態にあるとき、シャフトベベル歯車569は、エンドエフェクタベベル歯車568と操作可能に係合されない。言い換えると、エンドエフェクタ510がその関節運動していない位置にあるとき、シャフトベベル歯車569の歯は、エンドエフェクタベベル歯車568の歯と噛み合って係合されていない。結果として、エンドエフェクタ510がその関節運動していない位置にあるとき、駆動シャフト580は発射シャフト560を駆動することができない。図19及び20に示されるように、エンドエフェクタ510がその関節運動した位置へ回転されるとき、エンドエフェクタベベル歯車568の歯は、シャフトベベル歯車569の歯と噛み合って係合されることができる。そのような時点で、駆動シャフト580は発射シャフト560を駆動することができる。ベベル歯車568及び569が操作可能に係合されているとき、駆動シャフト580は回転していないことが想定されるが、駆動シャフト580が動いているとき、エンドエフェクタベベル歯車568がシャフトベベル歯車569と嵌合することができる他の実施形態が可能である。
【0063】
上述に加えて、様々な例において、駆動シャフト580及び転送シャフト567のうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタベベル歯車568の歯とシャフトベベル歯車569との間の不整列に対応し調整するために、自由に回転することができる。言い換えると、エンドエフェクタベベル歯車568は、必ずしも完全な整列でシャフトベベル歯車569に持ってこられるとは限らない場合があり、その結果、ベベル歯車568及び569のうちの1つ又は両方は、互いに完全に噛み合うためにわずかに回転する必要があり得る。2014年4月9日に出願され、現在は米国特許出願公開第2014/0305987号である米国特許出願第14/248,590号、名称「MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKABLE DUAL DRIVE SHAFTS」の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。どちらの場合でも、エンドエフェクタ510が関節運動した位置にあるとき、駆動シャフト580は発射シャフト560を駆動することができる。エンドエフェクタ510がその関節運動した位置からその関節運動していない位置に向かって回転されるとき、エンドエフェクタベベル歯車568はシャフトベベル歯車569から操作可能に脱連結されることができ、その結果、駆動シャフト580は発射シャフト560を駆動することができない。
【0064】
上述に加えて、発射シャフト560は、第1の顎部512内の発射シャフト560を回転可能に支持する、その近位端部に位置付けられた近位軸受564及びその遠位端部に位置付けられた遠位軸受563を含む。発射シャフト560は、発射部材又はスレッド570と螺入可能に係合されているねじ切り部分561を更に含む。主に図17を参照すると、発射シャフト560が第1の方向に回転するとき、スレッド570が遠位軸受563に向かって遠位に前進され、発射シャフト560が第2の反対の方向に回転するとき、スレッド570が近位軸受564に向かって近位に後退されるように、スレッド570は、発射シャフト560のねじ切り部分561と螺入可能に係合されているねじ切り開口571を含む。スレッド570は、スレッド570が遠位に前進される際に、ステープルカートリッジ540内に画定されたステープル空洞541内に可動式に位置付けられたドライバの下を滑動するように構成された1つ以上の斜面575を含む。斜面575は、ステープルドライバ、及びステープル空洞541内に位置付けられたステープルを、カートリッジ540上に画定された上面又はデッキ表面542に向かって持ち上げ、次にステープルがアンビル530と接触するように持ち上げ続け、そこでステープルは適した形状へ変形される。スレッド570は、ステープルカートリッジ540内に画定された長手方向スロット543内で及び/又はそれに対して動く、例えばナイフの刃等の切断部分573を更に含む。ナイフの刃は、発射ストローク中に組織がステープル留めされている際に、ステープルカートリッジ540とアンビル530との間に捕えられた組織を横切開する。切断部分573は斜面575と一体的に形成されるが、切断部分573及び斜面575が別個の構成要素を含む他の実施形態が構想される。
【0065】
発射ストロークの開始及び終了は、機械的に及び/又は電子的に制御されることができる。例えば、外科用器具アセンブリ500は、例えば、駆動シャフト580の回転を数え、所定の最高回転数に達すると発射駆動モーターに供給された電力を中断する及び/又は電力の極性を逆にするように構成されたエンコーダ及びマイクロプロセッサを含む、制御システムを備えることができる。更に、例えば、ステープルカートリッジ540は、発射ストロークの終わりでスレッド570によって接触される遠位停止部を含むことができる。
【0066】
スレッド570は、第1の顎部512と係合するように構成された第1のカム部材572、及び第2の顎部514と係合するように構成された第2のカム部材574を更に含む。第1のカム部材572及び第2のカム部材574は、スレッド570が遠位に前進される際に、第2の顎部514を第1の顎部512に対して位置付けるように協働することができる。そのような例においては、カム部材572及び574は、アンビル530とステープルカートリッジ540との間の間隙又は組織間隙を制御するように、アンビル530をステープルカートリッジ540に対して位置付ける。更に、カム部材572及び574は、ステープルドライバとアンビル530との間に形成される距離を制御し、その結果、ステープルの形成高さを制御する。上述に加えて、ステープルカートリッジがアンビルに対して動かされる他の実施形態が構想される。そのような実施形態では、カム部材572及び574は、ステープルカートリッジをアンビルに対して位置付けることができる。
【0067】
上述のように、スレッド570は、ステープルをステープルカートリッジ540から発射するように構成された発射システムの一部である。スレッド570はまた、第2の顎部514を閉じるように構成された閉鎖システムの一部であってもよい。そのような例においては、スレッド570は、遠位に前進されて第2の顎部514と接触し、組織をステープルカートリッジ540に接してクランプするためにアンビル530をステープルカートリッジ540に向かって動かしてもよい。より具体的には、第2のカム部材574は、第2の顎部514と接触して、第2の顎部514を閉位置へ動かすことになる。第2の顎部514を再度開き、エンドエフェクタ510を再度位置付けるためには、例えば、第2のカム部材574がもはや第2の顎部514と接触しないようにスレッド570を近位に後退させることができる。例えば、ばね等の付勢部材は、第2の顎部514を付勢してその開位置へ戻すことができる。
【0068】
上述に加えて又は上述の代わりに、外科用器具アセンブリ500は、閉鎖駆動システムを更に備える。閉鎖駆動システムは、チャネル装着部513内に位置付けられた閉鎖モーター590を備える。閉鎖モーター590は、チャネル装着部513によって支持されるモーターハウジングを含み、その結果、モーターハウジングがチャネル装着部513に対して回転するのを防ぐ又は抑止する。特に、閉鎖モーター590は、関節運動継手550に対して遠位に位置付けられる。閉鎖モーター590は、外科用器具アセンブリ500の、例えばハンドル又はハウジング内に位置付けられることができる外科用器具アセンブリ500の動力源、例えば電池などに操作可能に連結されることができる。電池は、関節運動継手550に対して遠位に又は近位に位置付けられることができる。導電性ワイヤーは、例えば、シャフトフレーム522内に画定されたワイヤーチャネルを通って、外科用器具アセンブリ500のハンドル又はハウジング内に位置付けられた電源及び/又は制御回路まで延在することができる。電源及び/又は制御回路が関節運動継手550に対して近位に位置するとき、電線は関節運動継手550を横断することができる。
【0069】
関節運動モーター590は、エンドエフェクタ510の遠位端部に向かって遠位に延在する回転可能な出力シャフト591を更に含む。閉鎖駆動装置は、第1の顎部512のチャネル装着部513に可動式に装着された閉鎖スライド592を更に含む。閉鎖スライド592は近位ねじ切り開口593を含む。モーター出力シャフト591が第1の方向に回転されるとき、閉鎖スライド592が遠位に前進され、モーター出力シャフト591が第2の、すなわち反対の方向に回転されるとき、閉鎖スライド592が近位に後退されるように、モーター出力シャフト591は、閉鎖スライド592内に画定されたねじ切り開口593と螺入可能に係合されるねじ切り部分を含む。閉鎖スライド592は、第1の顎部512のチャネル装着部513内に画定された横方向スロット内に受け入れられる横方向ガイド594を少なくとも1つ含み、閉鎖スライド592の動きを抑制することができる。閉鎖スライド592は、近位位置と遠位位置との間で長手方向に摺動するように抑制されることができるが、閉鎖スライド592が任意の適した動きを有する他の実施形態が構想される。
【0070】
第2の顎部514は、その近位端部から上方に延在する閉鎖タブ515を含む。閉鎖タブ515は、閉鎖スライド592の遠位端部内に画定されたウィンドウ595内に位置付けられる。閉鎖スライド592が遠位に前進されるとき、ウィンドウ595の近位側壁が閉鎖タブ515と接触し、第2の顎部514のアンビル530を第1の顎部512のステープルカートリッジ540に向かって回転させる。閉鎖スライド592は更に、第2の顎部514を第1の顎部512に接続する閉鎖ピボット継手によって動きが調整される場合には、第2の顎部514を遠位に押す又は並進させることができる。閉鎖ピボット継手が固定旋回軸を含む場合は、第2の顎部514の動きは回転運動に制限される。閉鎖スライド592が近位に後退されるとき、ウィンドウ595の遠位側壁が閉鎖タブ515と接触し、第2の顎部514のアンビル530を第1の顎部512のステープルカートリッジ540から離れるように回転させる。閉鎖スライド592は更に、閉鎖ピボット継手によって動きが調整される場合には、第2の顎部514を近位に押す又は並進させることができる。
【0071】
上述に加えて、閉鎖スライド592は、完全な閉鎖ストロークによって第2の顎部514を開位置と閉位置との間で動かし、更に、完全な開放ストロークによって第2の顎部514を閉位置と開位置との間で動かすように、閉鎖モーター590によって可動である。チャネル装着部513は、閉鎖スライド592の近位の動きを止め、第2の顎部514の開く動きを制限するように構成された、近位停止部を含むことができる。チャネル装着部513は、閉鎖スライド592の遠位の動きを止め、第2の顎部514の閉じる動きを制限するように構成された、遠位停止部を更に含むことができる。ある例においては、外科用器具アセンブリ500は、閉鎖モーターシャフト591の回転を数え、所定の最高回転数に達すると閉鎖モーター590に供給された電力を中断するように構成された、例えばエンコーダ及びマイクロプロセッサを含む、制御システムを含むことができる。
【0072】
閉鎖スライド592は、完全な閉鎖ストロークによって遠位に動かされて組織をステープルカートリッジ540に接してクランプすることができ、次いで臨床医がエンドエフェクタ510内の組織の位置決めに満足しない場合、完全な開放ストロークによって近位に後退されることができる。場合によっては、閉鎖スライド592は、単に部分的な閉鎖ストロークによって動かされて組織をステープルカートリッジ540に接してクランプしてもよい。そのような例においては、臨床医は、第2の顎部514を完全に閉じる前に組織がエンドエフェクタ510内に適切に位置付けられているかどうかを評価することができる。場合によっては、閉鎖スライド592は、開放ストロークによって単に部分的に動かされて組織を解放してもよい。そのような例においては、エンドエフェクタ510は、第2の顎部514を完全に開く必要なしに組織に対して再度位置付けられることができる。
【0073】
ある例においては、使用時に、例えばステープルカートリッジ530が第1の顎部512に挿入されることができるように、第2の顎部514は開位置へ動かすことができる。次に、少なくとも外科用器具アセンブリ500のエンドエフェクタ510がトロカールを通じて患者に挿入されることができるように、第2の顎部514は、閉位置へ、又は少なくとも実質的に閉じた位置へ動かすことができる。エンドエフェクタ510は、トロカールを通じて挿入されるとき、関節運動していない形態にあることができる。エンドエフェクタ510がトロカールを通過すると、エンドエフェクタ510は、上述のように、関節運動作動システムによってその関節運動した位置へ回転されることができ、及び/又は、同様に上述のように、第2の顎部514は、閉鎖駆動システムによって再度開かれることができる。外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は、エンドエフェクタ510が関節運動していない位置及び/又は関節運動した位置にあるときに、閉鎖駆動システムが操作されることができるように構成されることができる。
【0074】
上述に加えて、場合によっては、関節運動作動システムと同時に閉鎖駆動システムを操作することが望ましい場合がある。そのような例は、外科用器具アセンブリ500を容易に操作可能にすることができる。他の例においては、関節運動駆動システムと同時に閉鎖駆動システムを操作することは、経験の浅い臨床医にとって、外科用器具アセンブリ500を制御することを困難にし得るので、そうすることは望ましくない場合がある。そのような例においては、外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は、関節運動モーター552が操作されているとき、閉鎖モーター590への電力の供給を中断するように構成されることができる。同様に、外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は、閉鎖モーター590が操作されているとき、関節運動モーター552への電力の供給を中断するように構成されることができる。組織がアンビル530とステープルカートリッジ540との間にクランプされているとき、エンドエフェクタ540を関節運動させることは望ましくない場合がある。第2の顎部514が少なくとも部分的に閉じた位置にあり、エンドエフェクタ510が関節運動した位置にあるとき、外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は関節運動モーター552への電力を中断することができる。ある例においては、外科用器具アセンブリ500は、2010年1月12日に発行されたに米国特許第7,644,848号、名称「ELECTRONIC LOCKOUTS AND SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING SAME」に開示されるもののような電子ロックアウトシステムを含み得る。米国特許第7,644,848号、名称「ELECTRONIC LOCKOUTS AND SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING SAME」の開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
読者には、エンドエフェクタ510が関節運動していない位置にあるとき、閉鎖駆動システムは操作されることができるが、エンドエフェクタ510が関節運動していない位置にあるとき、発射駆動システムの第2の駆動部分は発射駆動システムの第1の駆動部分から操作可能に分離されていることが理解されるであろう。外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は、第1の駆動部分が第2の駆動部分と操作可能に係合されていない位置にエンドエフェクタ510があるときを検出し、発射駆動システムの第1の駆動部分が操作されるのを防ぐように構成されることができる。上記と同様に、発射駆動システムの電気モーターへ供給される電力は、発射駆動システムの第1の駆動部分が操作されるのを防ぐために中断されることができる。そのような例においては、スレッド570のハードスタート又は急なスタートは、第1の駆動部分が既に動いている第2の駆動部分と係合するのを防ぐ又は少なくともその可能性を低減することによって、回避されることができる。第1の駆動部分が第2の駆動部分と係合されている位置にエンドエフェクタ510があることを電気的制御手段が検出すると、電気的制御手段は、発射駆動システムの第1の駆動部分が操作されるのを可能にすることができる。
【0076】
エンドエフェクタ510が好適に関節運動され、発射駆動システムの第2の駆動部分が第1の駆動部分と係合され、組織がアンビル530とステープルカートリッジ540との間に適切にクランプされると、発射駆動システムは、組織をステープル留めし切開するために、発射ストロークによってスレッド570を遠位に前進させるように操作されることができる。第1のカム部材572及び第2のカム部材574は協働して、ステープルカートリッジ540に対してアンビル530を位置付け、ステープルが形成される高さを制御することができる。発射ストローク中にエンドエフェクタ510が関節運動されないことが望ましい場合がある。外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は、発射駆動システムが操作されている間、関節運動作動システムが操作されるのを防いでもよい。同様に、発射ストローク中に閉鎖駆動装置が第2の顎部514を開こうとするのを防ぐことが望ましい場合がある。外科用器具アセンブリ500の電気的制御手段は、発射駆動装置が操作されている間、閉鎖駆動システムが操作されるのを防いでもよい。更に、発射駆動システムが現在操作中であるか否かに関係なく、スレッド570が少なくとも部分的に前進されている場合は、関節運動作動システム及び閉鎖駆動システムが操作されるのを防ぐことが望ましい場合がある。ステープルカートリッジ540に格納されたステープルのうちの少なくともいくつかが発射された後で、アンビル530が再度開かれて組織を解放することができる前に、スレッド570は後退されなければならない。組織が解放されると、エンドエフェクタ510はその関節運動していない位置へ戻ることができ、エンドエフェクタ510が、例えば、トロカールを通じて患者から引き抜かれる前に、第2の顎部514は再度閉じられることができる。
【0077】
上述のように、外科用器具アセンブリ500の発射駆動システムは、エンドエフェクタ510が関節運動したとき、操作可能に連結される。例えば閉鎖駆動システムなどの任意の適した駆動システムが、エンドエフェクタが手術部位へ導入されるときに操作可能に連結され、次いで、例えば関節運動される、他の実施形態が構想される。
【0078】
外科用器具アセンブリ500が更に図21〜28に示される。これらの図では、ステープルカートリッジ640は、ステープルカートリッジ540の代わりに第1の顎部512内に位置付けられる。ステープルカートリッジ640は、上述のステープルカートリッジ240に多くの点で類似している。ステープルカートリッジ240と同様に、ステープルカートリッジ640も組織停止部を含む。ステープルカートリッジ640は、エンドエフェクタ510内で組織の遠位移動を防ぐ又は少なくとも抑止するように構成された組織停止部690を含む。組織停止部690は、図25に示される展開していない位置と図26に示される展開した位置との間で展開可能である。主に図21及び22を参照すると、組織停止部690は、ステープルカートリッジ640の長手方向スロット243の遠位端部に位置付けられる。組織停止部690は、カートリッジ本体に回転可能に装着された第1の端部691、及びアンビル530と接触しているように構成された第2の端部692を含む。ステープルカートリッジ640は、組織停止部690をその展開した位置に向かって付勢するように構成された、例えばねじりバネなどの付勢部材を更に含む。
【0079】
図25を参照すると、使用時に、ステープルカートリッジ640は、第1の顎部512内に位置付けられることができ、エンドエフェクタ510が、例えば、トロカールを通じて患者に挿入される際に、組織停止部690は、第2の顎部514によってその展開していない位置に保持されることができる。そのような展開していない位置では、組織停止部690は、少なくとも部分的に長手方向スロット243内に収容されることができる。図26を参照すると、組織をアンビル530とステープルカートリッジ640との間に位置付けるために第2の顎部514が開位置へ動かされるとき、ねじりバネは組織停止部690をその展開した位置へ付勢することができる。主に図23を参照すると、様々な例において、ステープルカートリッジ640は、患者の結腸Cの第1の側に位置付けられることができ、アンビル530は、結腸Cの第2の側に位置付けられることができる。図23及び24を参照すると、外科用器具アセンブリ500の設計は、関節運動したエンドエフェクタ510を結腸Cに対して容易に位置付けるために有利に利用されることができる。図26に示されるように、結腸Cが組織停止部690に対して近位に位置付けられるように、結腸Cは、エンドエフェクタ510内に位置付けられることができる。図27に示されるように、第2の顎部514が再度閉じられるとき、アンビル530は、組織停止部690の第2の端部692に接触し、結腸Cをエンドエフェクタ510内に捕捉することができる。様々な例において、アンビル530は次に、ステープルカートリッジ640に向かって駆動されて組織停止部690を変形させ、アンビル530を完全に閉じた位置へ動かすことができる。そのような変形は、塑性変形及び/又は弾性変形であり得る。ある例においては、アンビル530は組織停止部690を恒久的に変形することができる。少なくとも1つの例において、アンビル530は、図28に示されるように、組織停止部690を圧砕することができる。ステープルカートリッジ640は、組織停止部690をその展開した形態に保持するように構成されたロックを含むことができる。様々な例において、組織停止部690は、例えば、プラスチックからなることができる。
【0080】
上述に加えて、様々な例において、エンドエフェクタ510の発射ストロークに先立って、アンビル530は組織停止部690を変形してもよい。他の例においては、エンドエフェクタ510の発射ストロークに先立って、アンビル530は組織停止部690を変形しなくてもよい。スレッド570が遠位に前進される際に、アンビル530は組織停止部690を変形してもよい。少なくとも1つの例において、スレッド570が遠位に前進される際に、アンビル530は組織停止部690を徐々に変形することができる。そのような例においては、組織停止部690が変形される量は、スレッド570の位置の関数である。この関数は、例えば、線形関数であってもよいし、又は非線形関数であってもよい。他の例においては、組織停止部690は、急に変形する、座屈する、及び/又は押しつぶされることができる。組織停止部690は、発射ストロークの初めに又は発射ストロークのいくらか後の時点で、押しつぶされることができる。
【0081】
以下のすべての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、表題「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、
2006年2月21日に発行された米国特許第7,000,818号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、
2008年9月9日に発行された米国特許第7,422,139号、表題「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、
2008年12月16日に発行された米国特許第7,464,849号、表題「ELECTRO−MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、
2010年3月2日に発行された米国特許第7,670,334号、表題「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、
2010年7月13日に発行された米国特許第7,753,245号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、
2013年3月12日に発行された米国特許第8,393,514号、表題「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、
米国特許出願第11/343,803号、表題「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、現在は米国特許第7,845,537号、
2008年2月14日に出願された米国特許出願第12/031573号、表題「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、
2008年2月15日に出願され、現在は米国特許第79,804,43号である米国特許出願第12/031,873号、表題「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、
現在は米国特許第8,210,411号である米国特許出願第12/235,782号、表題「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」、
現在は米国特許第8,608,045号である米国特許出願第12/249,117号、表題「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、
2009年12月24日に出願された米国特許出願第12/647,100号、表題「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、現在は米国特許第8,220,688号
2012年9月29日に出願され、現在は米国特許第8,733,613号である米国特許出願第12/893,461号、表題「STAPLE CARTRIDGE」、
2011年2月28日に出願された、現在は米国特許第8,561,870号である米国特許出願第13/036,647号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、
現在は米国特許出願公開第2012/0298719号である米国特許出願第13/118,241号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、
2012年6月15日に出願され、現在は米国特許出願公開第2013/0334278号である米国特許出願第13/524049号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、
2013年3月13日に出願され、現在は米国特許出願公開第2014/0263551号である米国特許出願第13/800,025号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、
2013年3月13日に出願され、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号である米国特許出願第13/800,067号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、
2006年1月31日に出願された米国特許出願公開第2007/0175955号、名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、及び
2010年4月22日に出願され、現在は米国特許第8,308,040号である米国特許出願公開第2010/0264194号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」。
【0082】
特定の開示された実施形態と結びつけて装置の様々な実施形態について本明細書で説明したが、それらの実施形態に対して多くの修正及び変更が実施可能である。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態により、所定の機能又は複数の機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素によって置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素によって置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形をすべて包含することが意図される。
【0083】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよいし、又は複数回使用されるように設計されてもよい。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部分が洗浄及び/又は交換されると、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによるいずれかによって再組立することができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本出願の範囲内にある。
【0084】
好ましくは、本明細書に記載する発明は、手術の前に処理される。最初に、新しい又は使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄する。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され封止された容器に入れられる。次に、容器及び器具は、γ線、X線、及び高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に入れられる。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。次に、滅菌された器具を滅菌容器に格納することができる。封止された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0085】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。更に、本出願は、本開示からのかかる逸脱を、本発明が関連する分野において知られている又は慣例になってきたものとして包含するものとする。
【0086】
全体又は部分的に、参照によって本明細書に組み込まれるとされるいずれの特許、刊行物又はその他の開示物も、援用される内容が既存の定義、記載、又は本開示に記載されているその他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれるものとする。したがって、本明細書で明示的に記載された開示内容は、必要範囲まで、本明細書で参照により援用されるすべての抵触内容よりも優先される。援用された内容と既存の開示内容との間に抵触が発生しない限り、本明細書で参照により援用されるものと述べられたが、既存の定義、記載又は本開示の中で記載されるその他の開示内容と抵触するすべての内容又はその一部が、組み込まれる。
【0087】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具アセンブリであって、
駆動システムの第1の駆動部分を含むシャフトと、
前記駆動システムの第2の駆動部分を含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフトに回転可能に接続する関節運動継手と、
を備え、
前記エンドエフェクタは前記関節運動継手の周りを第1の位置と第2の位置との間で回転可能であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は前記第2の駆動部分と操作可能に係合されておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は前記第2の駆動部分と操作可能に係合されている、外科用器具アセンブリ。
(2) 前記エンドエフェクタの前記第1の位置が、関節運動していない位置を含み、前記第2の位置が、関節運動した位置を含む、実施態様1に記載の外科用器具アセンブリ。
(3) 前記第2の位置が、完全に関節運動した位置を含む、実施態様2に記載の外科用器具アセンブリ。
(4) 前記シャフトが長手方向のシャフト軸を含み、前記エンドエフェクタが長手方向のエンドエフェクタ軸を含み、前記エンドエフェクタが、前記関節運動していない位置にあるとき、前記シャフト軸と前記エンドエフェクタ軸とが整列し、前記エンドエフェクタが、前記関節運動した位置にあるとき、前記エンドエフェクタ軸が前記シャフト軸に直交する、実施態様2に記載の外科用器具アセンブリ。
(5) 前記エンドエフェクタが、カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジを更に備え、前記駆動システムが、前記ステープルを前記ステープルカートリッジから放出するように構成された発射駆動装置を含む、実施態様1に記載の外科用器具アセンブリ。
【0088】
(6) 前記エンドエフェクタが、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
前記アンビルを開位置と閉位置との間で動かすように構成された閉鎖駆動装置と、
を更に備え、
前記閉鎖駆動装置が、前記エンドエフェクタに位置付けられたモーターを備える、実施態様5に記載の外科用器具アセンブリ。
(7) 前記エンドエフェクタが、
カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジと、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
を更に備え、
前記駆動システムが、前記アンビルを開位置と閉位置との間で動かすように構成された閉鎖駆動装置を備える、実施態様1に記載の外科用器具アセンブリ。
(8) 前記エンドエフェクタが、前記ステープルを前記ステープルカートリッジから放出するように構成された発射駆動装置を更に備え、前記発射駆動装置が、前記エンドエフェクタに位置付けられたモーターを備える、実施態様7に記載の外科用器具アセンブリ。
(9) 前記第1の駆動部分が、第1の回転可能なシャフトと前記第1の回転可能なシャフトに装着された第1のベベル歯車とを含み、前記第2の駆動部分が、第2の回転可能なシャフトと前記第2の回転可能なシャフトに装着された第2のベベル歯車とを含み、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされている、実施態様1に記載の外科用器具アセンブリ。
(10) 前記エンドエフェクタが関節運動軸の周りを回転可能であり、前記エンドエフェクタが、
カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジと、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
を更に備え、
前記アンビルは閉鎖軸の周りを回転可能であり、前記閉鎖軸は前記関節運動軸と平行である、実施態様1に記載の外科用器具アセンブリ。
【0089】
(11) 前記エンドエフェクタが関節運動面で回転可能であり、前記エンドエフェクタが、
カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジと、
前記ステープルカートリッジに対して可動であるアンビルと、
を更に備え、
前記アンビルは閉鎖面内で回転可能であり、前記閉鎖面は前記関節運動面と同一平面上にある、実施態様1に記載の外科用器具アセンブリ。
(12) 外科用器具アセンブリであって、
シャフトであって、
シャフト近位端部と、
シャフト遠位端部と、
前記シャフト近位端部と前記シャフト遠位端部との間に延在する長手方向のシャフト軸と、を有する、シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部が閉鎖軸の周りを開位置と閉位置との間で前記第2の顎部に対して可動であり、前記閉鎖軸が前記シャフト軸に対して横方向である、第2の顎部と、を備える、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフトの前記遠位端部に回転可能に接続する関節運動継手と、
を備え、
前記エンドエフェクタは関節運動軸の周りを回転可能であり、前記関節運動軸は前記閉鎖軸と平行である、外科用器具アセンブリ。
(13) 前記シャフトが駆動システムの第1の駆動部分を含み、前記エンドエフェクタが前記駆動システムの第2の駆動部分を含み、前記エンドエフェクタが第1の位置と第2の位置との間で前記関節運動継手の周りを回転可能であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は、前記第2の駆動部分と操作可能に係合されておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1の駆動部分は前記第2の駆動部分と操作可能に係合されている、実施態様12に記載の外科用器具アセンブリ。
(14) 前記エンドエフェクタの前記第1の位置が、関節運動していない位置を含み、前記第2の位置が、関節運動した位置を含む、実施態様13に記載の外科用器具アセンブリ。
(15) 前記第2の位置が、完全に関節運動した位置を含む、実施態様14に記載の外科用器具アセンブリ。
【0090】
(16) 前記エンドエフェクタが長手方向のエンドエフェクタ軸を含み、前記エンドエフェクタが、前記関節運動していない位置にあるとき、前記シャフト軸と前記エンドエフェクタ軸とが整列し、前記エンドエフェクタが、前記関節運動した位置にあるとき、前記エンドエフェクタ軸が前記シャフト軸に直交する、実施態様14に記載の外科用器具アセンブリ。
(17) 前記エンドエフェクタが、カートリッジ本体と前記カートリッジ本体に取り出し可能に格納された複数のステープルとを含むステープルカートリッジを更に備え、前記駆動システムが、前記ステープルを前記ステープルカートリッジから放出するように構成された発射駆動装置を備える、実施態様13に記載の外科用器具アセンブリ。
(18) 前記エンドエフェクタが、前記第1の顎部を前記開位置と前記閉位置との間で動かすように構成された閉鎖駆動装置を更に備え、前記閉鎖駆動装置が、前記エンドエフェクタに位置付けられたモーターを備える、実施態様17に記載の外科用器具アセンブリ。
(19) 前記第1の駆動部分が、第1の回転可能なシャフトと前記第1の回転可能なシャフトに装着された第1のベベル歯車とを含み、前記第2の駆動部分が、第2の回転可能なシャフトと前記第2の回転可能なシャフトに装着された第2のベベル歯車とを含み、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1のベベル歯車は前記第2のベベル歯車と噛み合わされている、実施態様13に記載の外科用器具アセンブリ。
(20) 外科用器具アセンブリであって、
シャフトと、
エンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部が閉鎖面内で開位置と閉位置との間で前記第2の顎部に対して可動である、第2の顎部と、
を含む、エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフトに回転可能に接続する関節運動継手と、
を備え、
前記エンドエフェクタが関節運動面内で回転可能であり、前記関節運動面が前記閉鎖面と同一平面上にある、外科用器具アセンブリ。
(21) 外科用器具アセンブリであって、
駆動システムの第1の駆動部分を含むシャフトと、
前記駆動システムの第2の駆動部分を含むエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタを前記シャフトに回転可能に接続する関節運動継手と、
モーター、及び、前記モーターが駆動した際に前記シャフトの長手方向に移動する移動部材を有し、前記エンドエフェクタを前記関節運動継手の周りに関節運動させる関節運動作動システムと、
を備え、
前記第1の駆動部分が、第1の回転可能なシャフトと前記第1の回転可能なシャフトに連結された第1の係合部とを含み、前記第2の駆動部分が、第2の回転可能なシャフトと前記第2の回転可能なシャフトに連結された第2の係合部とを含み、
前記エンドエフェクタは前記関節運動継手の周りを関節運動していない位置である第1の位置と関節運動した位置である第2の位置との間で回転可能であり、前記エンドエフェクタが前記第1の位置にあるとき、前記第1の駆動部分の前記第1の係合部は前記第2の駆動部分の前記第2の係合部と操作可能に係合されておらず、前記エンドエフェクタが前記第2の位置にあるとき、前記第1の駆動部分の前記第1の係合部は前記第2の駆動部分の前記第2の係合部と操作可能に係合されており、前記関節運動作動システムの動作によって前記エンドエフェクタが前記第1の位置から前記第2の位置に回転する事により、前記第2の係合部を有する前記第2の駆動部分が前記エンドエフェクタと一緒に回転し、それによって、前記第2の係合部が前記第1の係合部と操作可能に係合する、外科用器具アセンブリ。
図1
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