(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景画像の解析結果によって自動的に付加画像を配置する領域を導出する場合、導出された領域が必ずしもユーザーの意図通りでない可能性がある。特許文献1には、付加画像の挿入位置をユーザーが指定できる機能が追加されてもよいことが触れられているが、その具体的方法については記載がない。背景画像においてコンテンツを配置したい領域やコンテンツを配置したくない領域をユーザーが簡便な操作で指定できることが望ましい。
本発明は、画像上にコンテンツを配置したい領域を簡便な操作でユーザーが指定可能な表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための表示制御装置は、画像を取得する画像取得部と、画像を複数の領域に分割し、分割した各領域を配置領域または非配置領域としてユーザーが選択可能に画面に出力する第1出力部と、非配置領域よりも配置領域を優先して、画像の上にコンテンツを重ねて出力する第2出力部と、を備える。
この構成によれば、提示された領域単位で配置領域または非配置領域を指定するという操作で、ユーザーはコンテンツを配置したい領域(あるいは配置したくない領域)を指定することができる。例えばコンテンツを配置したい領域(あるいは配置したくない領域)自体(位置や形状)をユーザーの操作で指定する構成(例えば矩形領域の左上の座標や右下の座標を指定する構成)と比較すると本構成は簡便な操作で領域の指定を実現できる。
【0006】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置は、画像の解析によって、領域が画像の背景部に属するか否かを判別する解析部を備え、第1出力部は、解析部によって背景部に属すると判別された領域が配置領域として選択され、解析部によって背景部に属さないと判別された領域が非配置領域として選択された状態を初期状態とする構成であってもよい。
解析部による解析結果を初期状態として提示することにより、初期状態とユーザーの意図が異なる場合等にユーザーが配置領域または非配置領域の指定を変更すればよい。したがって、ユーザーの手間を軽減可能である。
【0007】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置において、第1出力部は、ユーザーによってクリックまたはタッチされた領域について、配置領域が選択された状態と非配置領域が選択された状態とを相互に切り換える構成であってもよい。
すなわち、提示された領域をクリックまたはタッチするという簡便な操作によってユーザーは当該領域について配置領域が選択された状態と非配置領域が選択された状態とを切り替えることができる。
【0008】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置において、領域は、最小のコンテンツ以上の寸法である構成であってもよい。
この構成によれば、1つの領域は、画像上に配置されうるコンテンツのうちの最小コンテンツを内包することができる。仮に領域が最小コンテンツより小さい場合は、最小コンテンツを配置したい領域を指定するために複数の領域に対して配置領域を選択する操作を行う必要がある。しかし本構成の場合、例えば1つの最小コンテンツを配置したい領域の指定は、1つの領域に対して配置領域を選択する操作を行うことで実現可能である。
【0009】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置は、ユーザーによって指定された配置領域の優先順位を取得する優先順位取得部と、コンテンツの優先順位を記憶する優先順位記憶部と、を備え、第2出力部は、配置領域の優先順位とコンテンツの優先順位とに従って画像の上にコンテンツを重ねて出力する構成であってもよい。
この構成によれば、ユーザーが指定した配置領域の優先順位に従った領域に、コンテンツの優先順位にしたがったコンテンツを配置することができる。
【0010】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置において、優先順位記憶部は、出力画面ごとにコンテンツの優先順位を記憶し、第2出力部は、配置領域の優先順位と出力しようとする出力画面に対応するコンテンツの優先順位とに従って画像の上にコンテンツを重ねた出力画面を出力する構成であってもよい。
この構成によれば、ユーザーが指定した配置領域の優先順位に従った領域に、出力画面に対応するコンテンツの優先順位にしたがったコンテンツを配置することができる。
【0011】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置において、第1出力部は、非配置領域においては画像を表示し、配置領域においては画像を表示しない構成であってもよい。
この構成によれば、コンテンツを配置領域に配置した場合に画像においてコンテンツで隠れる部分をユーザーに容易に認識させることができる。
【0012】
さらに、上記目的を達成するための表示制御装置において、第2出力部は、隣接する複数の配置領域にまたがって1つのコンテンツを配置する構成であってもよい。
この構成によると、配置領域が隣接していれば、隣接している複数の配置領域からなる領域(連結領域)にコンテンツを配置することができる。したがって例えば、コンテンツを最小サイズから拡大して表示したい場合、拡大コンテンツ用に再度配置領域または非配置領域の選択を行わなくても、拡大コンテンツを包含する連結領域があれば当該連結領域に拡大コンテンツを配置することが可能である。
【0013】
なお本発明は、上述の機能をコンピューターに実現させる表示制御プログラムの発明としても成立する。また請求項に記載された各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態:
1−1.表示制御装置の構成:
図1は、本発明の実施形態にかかる表示制御装置としての多機能プリンター(以降、単にプリンターという)1の構成を示すブロック図である。プリンター1は、コントローラー10と、不揮発性メモリー20と、UI(User Interface)部30と、通信部40と、印刷部50と、画像読取部60と、FAX通信部70とを備える。
【0016】
通信部40は、有線又は無線でインターネットに接続し、インターネットを経由して他の機器と各種の通信プロトコルに従って通信するための通信インターフェース回路を含む。また、通信部40は、プリンター1に装着された各種のリムーバブルメモリーや、有線または無線でプリンター1に接続された機器と通信するためのインターフェース回路を含む。
【0017】
印刷部50は、インクジェット方式や電子写真方式等の周知の印刷方式で種々の印刷媒体に印刷を実行するためのアクチュエーターやセンサーや駆動回路や機械部品を備えている。画像読取部60は、原稿に発光し原稿からの反射光を受光してスキャンデータとする周知のカラーイメージセンサーや光源や、原稿を搬送するためのアクチュエーターや駆動回路やセンサーや機械部品を備えている。
【0018】
FAX通信部70は、公衆交換電話網を経由して原稿を示す画像データのFAX通信を行うためのモデム、当該画像データを送受信するための制御信号を検出したり生成したりするための回路、送信データを符号化したり受信データを復号するための回路等を備えている。
【0019】
UI部30は、タッチパネル式のディスプレイやキー入力部を含む。ディスプレイは、表示パネルと、表示パネルに重ねられたタッチ検出パネルとを備える。ディスプレイは、コントローラー10の制御に基づいて様々な情報を表示パネルに表示する。また、ディスプレイはタッチ検出パネルに対する人の指等による接触を検出し、接触座標をコントローラー10に出力する。キー入力部は、電源ボタン等のキーに対する操作を検出すると操作されたキーを示すキー操作情報をコントローラー10に出力する。コントローラー10は、UI部30から取得した上記の情報に基づいてタッチパネル式のディスプレイやキー入力部に対する利用者の操作内容を取得することができ、当該操作内容に対応する処理を実行することができる。
【0020】
ディスプレイに表示される様々な画面には機能選択画面が含まれる。機能選択画面には、プリンター1がユーザーに提供する各種機能に対応する処理を起動するためのアイコンが列挙して表示される。機能選択画面は、プリンター1の動作状態等に応じて複数種類存在する。各機能選択画面において表示されるアイコンは少なくとも一部が異なる。例えば、第1機能選択画面においては、機能A、機能B、機能C、機能D、機能Eの5つのアイコンが表示され、第2機能選択画面においては、機能A、機能P、機能Q、機能R、機能S、機能T、機能Uの7つのアイコンが表示される。各機能選択画面において表示するアイコン(機能)の種類や個数は、プリンター1の動作状態に応じる以外に、ユーザーのカスタマイズによっても変化しうる。また各機能選択画面においては、共通の壁紙として選択された画像がアイコンの背景に表示される。なお、これらの機能選択画面は、出力画面の1例である。
【0021】
コントローラー10は、図示しないCPUやROMやRAM等を備え、不揮発性メモリー20に記録された種々のプログラムをCPUが実行しプリンター1の各部を制御することができる。コントローラー10が実行する種々のプログラムには、表示制御プログラム11が含まれる。表示制御プログラム11は、アイコン配置設定機能と、設定内容に基づくアイコン配置機能と、をコントローラー10に実現させる。アイコン配置設定機能は、壁紙として選択された画像を背景に表示する機能選択画面に対するアイコンの配置領域/非配置領域の選択や配置領域の優先順位の指定をユーザーに行わせる機能である。アイコン配置機能は、背景に壁紙として選択された画像の上に、アイコン配置設定機能において配置領域として選択された領域にアイコンを配置した機能選択画面をディスプレイに表示する機能である。アイコン配置設定機能とアイコン配置機能を実現するため表示制御プログラム11は、画像取得部11aと、第1出力部11bと、解析部11cと、第1優先順位取得部11dと、第2優先順位取得部11eと、第2出力部11fを備えている。
【0022】
画像取得部11aは、機能選択画面の壁紙とする画像を取得する機能をコントローラー10に実現させるプログラムモジュールである。ユーザーはUI部30を操作して所望の画像(画像データ20a)を壁紙の画像として選択することができる。例えばユーザーは画像を、画像読取部60によって読み取らせて不揮発性メモリー20に保存してもよいし、通信部40やFAX通信部70を介してリムーバブルメモリーや外部機器から取得し不揮発性メモリー20に保存してもよい。不揮発性メモリー20に保存された画像データ20aを機能選択画面の壁紙としてユーザーが指定すると、画像取得部11aの処理によりコントローラー10は不揮発性メモリー20から画像データ20aを取得する。
【0023】
第1出力部11bは、機能選択画面の壁紙として取得した画像を複数の領域に分割し、分割した各領域を配置領域または非配置領域としてユーザーが選択可能にディスプレイに表示する機能をコントローラー10に実現させるプログラムモジュールである。
図2は、壁紙として取得した画像データ20aが示す画像の一例を示している。
図2は、平原に立つ1本の木の写真画像を示している。なお本実施形態においては、壁紙として取得した画像のアスペクト比は、機能選択画面の壁紙表示領域(後述する
図13,14のAw)のアスペクト比と一致しているとして説明を行う。仮に、機能選択画面の壁紙表示領域のアスペクト比と取得した画像のアスペクト比とが相違する場合は、例えばトリミングや画像の端部への余白画像の付加等によってアスペクト比を一致させる処理がなされてもよい。当該処理はコントローラー10が画像を解析して自動的に実行する構成であってもよいし、ユーザーの指示に応じた範囲のトリミングや余白画像の付加を実行する構成であってもよい。
【0024】
図3は、壁紙表示領域の全体に渡って表示する画像を複数の領域に分割した状態を示している。以降では、分割した各領域のことを分割領域と呼ぶ。1つの分割領域は、機能選択画面に1つのアイコンを配置する際の占有領域に相当する。なお、プリンター1においてアイコンのサイズは変更可能であるが、本実施形態においては第1出力部11bにおいて設定される1つの分割領域は、プリンター1において定義されている最小サイズのアイコン1個分の占有領域に相当する。したがって本実施形態においては、1つの最小サイズのアイコンを配置したい領域の指定は、1つの分割領域に対して配置領域を選択する操作を行うことで実現可能である。
【0025】
図3は、壁紙として選択された画像を壁紙表示領域の全体に渡って表示する場合に、分割領域が40個(=8×5)設定されることを示している。本実施形態においては、縦方向に並ぶ分割領域の列をa〜hで識別し、横方向に並ぶ分割領域の列を1〜5で識別する。個別の分割領域は、縦方向の列番号と横方向の列番号とで識別する。例えば左上の分割領域はa1である。
【0026】
図4は、アイコン配置領域選択画面を示している。第1出力部11bによりコントローラー10は、アイコン配置領域選択画面をディスプレイに表示する。アイコン配置領域選択画面においては、領域Aaに、
図3に示したように壁紙画像が分割された状態でユーザーに提示される。また、アイコン配置領域選択画面では、アイコンの配置領域においては壁紙の画像は表示されず、アイコンの非配置領域においては画像が表示される。このように配置領域と非配置領域とで表示態様を相違させることで、各領域が配置領域か非配置領域のいずれであるかをユーザーに認識させることができる。また、配置領域において壁紙の画像を表示しないことにより、配置領域にアイコンを表示した場合に壁紙の画像内のアイコンで隠れる部分をユーザーにイメージさせやすい。
【0027】
また、アイコン配置領域選択画面において、各分割領域はユーザーのタッチ操作を受け付ける領域として設定される。第1出力部11bによりコントローラー10は、ユーザーがタッチした分割領域を、配置領域が選択された状態と非配置領域が選択された状態とで相互に切り換える。例えば
図4に示す分割領域a1は配置領域が選択された状態を示しているが、分割領域a1へのタッチ操作を検知するとコントローラー10は、分割領域a1を非配置領域が選択された状態に切り替える。なお当該切り替えに伴ってコントローラー10は、分割領域a1において壁紙の画像を表示するように画面表示を更新する。
【0028】
解析部11cは、壁紙の画像を解析し、各分割領域が画像の背景部に属するか否かを判別する機能をコントローラー10に実現させるプログラムモジュールである。解析部11cによりコントローラー10は、画像内において、予め決められた特徴を有するオブジェクトと当該オブジェクト以外の背景部とを区別する。第1出力部11bにおいては、解析部11cの処理によって背景部に属すると判別された領域が配置領域として選択され、解析部11cの処理によって背景部に属さないと判別された領域が非配置領域として選択された状態を初期状態とする。
【0029】
上述のオブジェクトとしては例えば、文字や、人物の顔や体、乗り物等、写真の主題として採用されやすいオブジェクトを想定してよい。それらのオブジェクトが画像に含まれる場合、当該オブジェクト以外の領域をコントローラー10は背景部と判別する。また、それらのオブジェクトが画像内に含まれない場合は別の方法によって背景部を判別してもよい。例えば、アイコンは濃度変化が相対的に少ない領域において画像に重畳される方が、視認性が向上するという設計思想を採用する場合、コントローラー10は、画像内において濃度変化が相対的に低い領域を背景部と判別するようにしてもよい。
【0030】
優先順位取得部に相当する第1優先順位取得部11dは、ユーザーによって指定された配置領域の優先順位を取得する機能をコントローラー10に実現させるプログラムモジュールである。配置領域の優先順位は、複数の配置領域においてアイコンを優先的に配置する順序を示している。コントローラー10は、後述する配置順指定画面(
図6〜
図8)をディスプレイに表示し、配置領域として選択された分割領域についてユーザーがタッチした順番に基づいて配置領域の優先順位を取得する。コントローラー10は、ユーザーから取得した優先順位(配置領域の優先順位情報20b)を不揮発性メモリー20に記録する。
図9は配置領域の優先順位情報20bの例を示している。もちろん、配置領域の優先順位を予め規定しておいた順位決定アルゴリズムに基づいて自動で取得するようにしてもよい。
【0031】
第2優先順位取得部11eは、アイコンの優先順位(コンテンツの優先順位)を取得する機能をコントローラー10に実現させるプログラムモジュールである。優先順位記憶部に相当する不揮発性メモリー20には、アイコンの優先順位情報20cが記録されている。アイコンの優先順位情報20cは、機能選択画面に表示するアイコンの表示順を示す情報である。アイコンの優先順位情報20cは、例えば
図10に示すように機能選択画面ごとに決められている。もちろんユーザーがアイコンの優先順位をカスタマイズすることができてもよい。なおユーザーがアイコンの優先順位を明示的に指定しなくても、該当する機能選択画面に表示するアイコンとしてユーザーが登録した順序(アイコンの登録順)がアイコンの優先順位として扱われる構成であってもよい。コントローラー10は第2優先順位取得部11eの処理により不揮発性メモリー20からアイコンの優先順位情報20cを取得する。
【0032】
第2出力部11fは、機能選択画面において壁紙の画像における配置領域の上にアイコンを重ねて表示する機能をコントローラー10に実現させるプログラムモジュールである。コントローラー10は、配置領域の優先順位とアイコンの優先順位とに従って画像の上にアイコンを重ねて表示する。すなわち、配置領域の優先順位がn位の分割領域に、表示対象の機能選択画面に対応するアイコンの優先順位がn位の機能に対応付けられたアイコンが配置されることとなる。アイコンを示すアイコン画像データ20dは各機能に対応付けて不揮発性メモリー20に記録されている。コントローラー10は、機能選択画面の壁紙表示領域に画像データ20aが示す壁紙の画像を配置し、壁紙の画像上のn位の分割領域の位置に、n位の機能に対応付けられたアイコン画像データ20dが示すアイコンを重畳して表示する。
【0033】
以上の構成を備えることにより、ユーザーがアイコンを配置したくない領域を避け配置したい領域にアイコンを表示させることが簡便な操作によって実現可能である。そのため、例えば壁紙の画像の中の人物像を避けてその周囲にアイコンを表示させること等が可能である。また、壁紙の画像は各機能選択画面において共通して表示されるが、機能選択画面によってアイコンの表示数や種類が変化しても自動的に壁紙の画像の中の人物像を避けてアイコンが配置される。そのためユーザーは、各機能選択画面について当該機能選択画面に表示するアイコンごとに配置を指定する必要がなく、ユーザーの手間を軽減できる。
【0034】
1−2:アイコン配置設定処理とアイコン配置処理:
図11はアイコン配置設定処理を示すフローチャートである。
図11に示すアイコン配置設定処理は、アイコン配置設定機能を実行することをユーザーが選択した場合に開始される。アイコン配置設定処理が開始されると、画像取得部11aの処理によりコントローラー10は、壁紙とする画像を取得する(ステップS100)。具体的にはコントローラー10は、図示しない画像選択画面をディスプレイに表示し、壁紙として採用する画像をユーザーに選択させる。そしてユーザーが不揮発性メモリー20に保存された画像データ20aを選択した場合には、選択した画像を示す画像データ20aを不揮発性メモリー20から取得する。また、不揮発性メモリー20に保存されていない画像をユーザーが選択した場合には、画像読取部60や通信部40やFAX通信部70等を用いて画像を取得し、取得した画像を不揮発性メモリー20に保存するようにする。
【0035】
続いて解析部11cの処理によりコントローラー10は、取得した壁紙の画像を解析する(ステップS105)。コントローラー10は画像を解析し、画像内において予め決められた特徴を有するオブジェクトと当該オブジェクト以外の背景部とを区別する。また、コントローラー10は、画像を上記の領域に分割した分割領域を設定する。そしてコントローラー10は、各分割領域が画像の背景部に属するか否かを判別する。具体的には例えば、
図3に示す分割領域の全体が背景部に属するか否かをコントローラー10は判別する。
【0036】
続いてコントローラー10は解析部11cの処理により初期状態を決定する(ステップS110)。コントローラー10は、分割領域の全体が背景部に属すると判別された分割領域が配置領域として選択され、分割領域の少なくとも一部が背景部に属さないと判別された分割領域が非配置領域として選択された状態を初期状態として決定する。例えば
図3に示す画像の場合、コントローラー10は分割領域a1〜a5、b5、c5、d5、e5、f5、g5、h1〜h5が配置領域、それ以外の分割領域が非配置領域として選択された状態(
図4を参照)を初期状態とする。
【0037】
続いてコントローラー10は第1出力部11bの処理により、アイコン配置領域選択画面をディスプレイに表示する(ステップS115)。ステップS110からステップS115に進む場合、ステップS115ではコントローラー10は、壁紙の画像を各分割領域にステップS110の初期状態が反映された状態で表示する。
図4は、アイコンの配置領域と非配置領域とについて初期状態を反映させたアイコン配置領域選択画面を示している。アイコン配置領域選択画面には、領域分割され各分割領域が配置領域または非配置領域が選択された状態の壁紙の画像と、中止ボタンBcと、確定ボタンBoと、が含まれる。
【0038】
アイコン配置領域選択画面が表示されている状態でコントローラー10は、ユーザーの操作を判定する(ステップS120)。すなわちコントローラー10は、ユーザーがいずれかの分割領域か、または、確定ボタンBoか、または、中止ボタンBcにタッチしたか否かを判定する。ステップS120においていずれかの分割領域にタッチされたと判定された場合、コントローラー10は当該分割領域について選択状態を配置領域と非配置領域とで切り替える(ステップS125)。すなわちコントローラー10は、配置領域が選択された状態の分割領域にタッチされた場合は、当該分割領域を非配置領域が選択された状態に切り替え、非配置領域が選択された状態の分割領域にタッチされた場合は、当該分割領域を配置領域が選択された状態に切り替える。
【0039】
例えば分割領域の配置領域または非配置領域の選択状態が
図4に示す状態から、ユーザーがb5、c5、d5、e5、f5、g5の6個の分割領域(
図4においては配置領域が選択された状態である)にそれぞれタッチしたことを検知した場合、コントローラー10はタッチされたことに応じて当該6個の分割領域を非配置領域が選択された状態に切り替える。
図5は当該6個の領域が、非配置領域が選択された状態に切り替えられたことを示している。
【0040】
ステップS120において中止ボタンBcがタッチされたと判定された場合、コントローラー10はアイコン配置領域選択画面を終了し(ステップS127)、アイコン配置設定処理を終了する。ステップS120において確定ボタンBoがタッチされたと判定された場合、コントローラー10は配置領域の数が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS130)。当該閾値は、機能選択画面に配置するアイコンの数の最小値を示している。閾値は機能選択画面ごとに異なる値が採用されてもよいし同じであってもよい。確定ボタンBoがタッチされた時点で、配置領域が選択されている個数が閾値未満であれば(ステップS130:N判定)、ステップS120に戻りコントローラー10は閾値以上の個数の分割領域を配置領域として選択するようにユーザーに促す。すなわち、機能選択画面には少なくとも閾値個のアイコンが表示されることが予め決まっているため、ユーザーが選択した配置領域の個数が閾値未満の場合は、本実施形態においてはユーザーに閾値個以上の個数の配置領域を選択させる構成を採用している。
【0041】
ステップS130においてY判定の場合、すなわち配置領域として選択されている分割領域の個数が閾値以上と判定された場合、コントローラー10はアイコン配置領域選択画面の表示を終了し、配置順指定画面をディスプレイに表示する(ステップS135)。
図6〜
図8は配置順指定画面を示している。配置順指定画面には、配置領域が閾値以上の個数選択された状態の壁紙の画像と、中止ボタンBcと、確定ボタンBoが含まれる。
【0042】
続いてコントローラー10は配置順指定画面において、ユーザーの操作を判定する(ステップS140)。すなわちコントローラー10は、いずれかの配置領域か、または、確定ボタンBoか、または、中止ボタンBcがタッチされたか否かを判定する。なおコントローラー10は、配置順指定画面において非配置領域が選択されている分割領域に対するタッチ操作を受け付けない。ステップS140において、ユーザーがいずれかの配置領域(
図6〜
図8におけるグレーで表示された領域)をタッチしたと判定される場合、第1優先順位取得部11dの処理によりコントローラー10は、タッチされた順にタッチされた配置領域に優先順位を示す数字を表示する(ステップS145)。例えば
図7は、分割領域a1が最初にタッチされたことを示している。なお、隣接する領域を連続的になぞる操作によってユーザーは優先順位の指定を行うことができてもよい。
【0043】
ステップS140において中止ボタンBcがタッチされたと判定された場合、コントローラー10は、配置順指定画面の表示を終了し(ステップS147)、ステップS115に戻る。ステップS147からステップS115に戻る場合、配置領域/非配置領域の選択内容は、ステップS135における選択内容が採用されてもよいし、ステップS110からステップS115に進む際の初期状態が反映されてもよい。
【0044】
ステップS140において確定ボタンBoがタッチされたと判定された場合、コントローラー10は、配置領域の優先順位を配置領域の優先順位情報20bとして不揮発性メモリー20に保存する(ステップS150)。
図8は全ての配置領域に対して優先順位が指定された状態を示している。なお、配置領域の全てに対してユーザーが優先順位を指定していない状態で確定ボタンBoがタッチされた場合、コントローラー10は、配置領域の全てに対して優先順位を指定してから確定ボタンBoをタッチするようにユーザーに促してステップS140に戻ってもよい。あるいは配置領域の全てに対してユーザーが優先順位を指定していない状態で確定ボタンBoがタッチされた場合、コントローラー10は予め決められた規則に従って優先順位が指定されていない配置領域に対して優先順位を指定するようにしてもよい。当該規則としては例えば、左側の分割領域ほど優先順位が高いことや、上側の分割領域ほど優先順位が高いこと、等が採用されてよい。
図9は、
図8に示すように配置領域に対して優先順位が指定された場合の配置領域の優先順位情報20bを示す図である。続いてコントローラー10は、配置順指定画面の表示を終了して(ステップS155)、アイコン配置設定処理を終了する。
【0045】
図10に示すように、アイコンの優先順位は機能選択画面ごとに記憶されている。
図10には例として2種類の機能選択画面について図示されているがプリンター1において機能選択画面は2種類であることに限定されない。
図11のアイコン配置設定処理が終了した後、機能選択画面の表示を要求するイベントが検知されると、コントローラー10は
図12に示すアイコン配置処理を実行する。アイコン配置処理ではコントローラー10は第2出力部11fの処理により、機能選択画面の壁紙表示領域に壁紙の画像を配置し、配置領域の優先順位情報20bとアイコンの優先順位情報20cとに従った順序と位置で壁紙の画像上にアイコンを配置した機能選択画面をディスプレイに表示する(ステップS200)。
【0046】
例えば、第1機能選択画面の表示を要求するイベントが発生した場合、コントローラー10は、第1機能選択画面においてアイコンの優先順位が1位の機能A(
図10を参照)のアイコンを配置領域の優先順位が1位である分割領域a1(
図9を参照)において壁紙の画像上に配置する。コントローラー10は、アイコンの優先順位が5位の機能Eのアイコンまで、同様に配置する。
図13はこのようにして、壁紙表示領域Awに壁紙の画像が表示され、5個のアイコンが壁紙の画像に重畳表示された第1機能選択画面を示している。
【0047】
また例えば、第2機能選択画面の表示を要求するイベントが発生した場合、コントローラー10は、第2機能選択画面においてアイコンの優先順位が1位の機能A(
図10を参照)のアイコンを配置領域の優先順位が1位である分割領域a1(
図9を参照)において壁紙の画像上に配置する。アイコンの優先順位が7位の機能Uのアイコンまで、同様に配置する。
図14はこのようにして、壁紙表示領域Awに壁紙の画像が表示され、7個のアイコンが壁紙の画像に重畳表示された第2機能選択画面を示している。
【0048】
このように、本実施形態によると、ユーザーは所望する壁紙の画像に対して一度アイコンの配置領域を選択すれば、機能選択画面ごとに表示するアイコンの個数が変化しても、配置領域に各機能選択画面に対応するアイコンが自動的に配置されることとなる。したがってユーザーは機能画面ごとにアイコンの表示位置を指定する必要がない。また、アイコンの配置領域は、アイコン配置領域選択画面において壁紙の画像に設定された分割領域をタッチすることによってユーザーは容易に選択可能である。したがってユーザーは壁紙の画像の内容に応じて所望する位置をアイコンの配置領域として選択することができる。
【0049】
2.他の実施形態:
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明は、パーソナルコンピューターやタブレット、スマートフォン等、表示画面を備えた様々な電子機器に適用可能である。また、表示制御装置に対するユーザーの操作はタッチパネルに対するタッチ操作以外にも、マウスを用いてクリックする構成を採用してもよいし、他のポインティングデバイスを用いて操作する構成を採用してもよいし、矢印ボタンと決定ボタンとを用いて操作する構成を採用してもよい。
【0050】
第1出力部は、ユーザーによってクリックやタッチ等の操作がなされた領域について、配置領域が選択された状態(配置領域選択状態)と非配置領域が選択された状態(非配置領域選択状態)とをトグル動作で切り換える構成以外にも、例えば、配置領域選択状態と非配置領域選択状態と無選択状態(配置領域も非配置領域も選択されていない状態)とを切り替える構成を採用してもよい。
【0051】
また、第1出力部において、分割された領域は、第1実施形態のように互いに隙間無く表示されてもよいし、各領域間に隙間を設けて表示されてもよい。また、分割された領域は壁紙表示領域の全体に設定されなくてもよく、壁紙表示領域の一部において設定されてもよい。また、分割された領域は全てが同じ大きさでなくてもよい。また例えば、分割された領域は第1実施形態のように格子状に配列されていてもよいし、格子状以外(例えば、矩形の第1分割領域の上辺又は下辺が第1分割領域の右又は左に隣接する矩形の第2分割領域の上辺又は下辺と一直線とならないような状態)で配置されていてもよい。また、分割された領域は第1実施形態のように四角形であってもよいし、四角形以外の三角形や六角形等であってもよい。
【0052】
また、第1実施形態では分割された領域は最小のコンテンツに対応する寸法であったが、分割された領域は最小のコンテンツより大きい寸法に対応していてもよい。なお、第1実施形態においては、アイコン配置領域選択画面において壁紙の画像は機能選択画面の壁紙表示領域Aw(
図13を参照)よりも小さい領域Aa(
図4を参照)に表示される構成である。そのため、アイコン配置領域選択画面における分割領域は機能選択画面において表示される最小のアイコンの占有領域に相当する領域ではあるが、機能選択画面における最小のアイコンの実際の占有領域よりは小さい。他の実施形態として、アイコン配置領域選択画面において、機能選択画面にて壁紙表示領域が設定される領域と同じ寸法の領域に壁紙の画像を表示する構成を採用してもよい(確定操作や中止操作は例えばキー入力部のOKボタンやキャンセルボタンで行う構成であってもよい)。この構成を採用する場合、第1出力部において壁紙の画像を分割した領域は、最小のアイコンの専有領域と同じ寸法となる。
【0053】
また、第1実施形態においては、第1出力部は、非配置領域においては画像を表示し、配置領域においては画像を表示しない構成であったが、非配置領域と配置領域とをユーザーが区別可能に表示態様を相違させる他の構成を採用してもよい。例えば壁紙の画像を表示するレイヤー(第1レイヤー)の上に壁紙と重なる領域において単色の画像を表示するレイヤー(第2レイヤー)が設定される場合、非配置領域においては第2レイヤーを100%透過し、配置領域においては第2レイヤーを50%透過するようにしてもよい。
【0054】
また第1実施形態においては、第1出力部は解析部の解析結果を初期状態として採用する構成であったが、解析部の解析結果を初期状態として採用しなくてもよい。その場合は、全ての領域が配置領域として選択された状態を初期状態としてもよいし、全ての領域が非配置領域として選択された状態を初期状態としてもよい。なお後者の場合、配置領域の選択と、配置領域の優先順位の指定とが同時に行われてもよい。すなわち、全ての領域が非配置領域として選択された初期状態から、ユーザーが所望する配置領域の優先順に配置領域としたい領域を選択する操作を行うことで、配置領域の選択と、配置領域の優先順位の指定とを行う構成であってもよい。
【0055】
また、第2出力部は、非配置領域よりも配置領域を優先して、壁紙の画像の上にコンテンツを重ねて出力することができればよい。例えば、第2出力部において表示するコンテンツの個数が、第1出力部において選択された配置領域の個数より多い場合、配置領域に優先的にコンテンツを配置し、配置領域に配置できなかったコンテンツ(あぶれたコンテンツ)は非配置領域に配置する構成であってもよい。その場合、例えば、配置領域に隣接している非配置領域に優先的に配置してもよい。また例えば、配置領域の画像に画像の特徴が類似している非配置領域に優先的に配置してもよい。
【0056】
また、第2出力部は、隣接する複数の配置領域にまたがって1つのコンテンツを表示する構成であってもよい。例えば
図15は、分割領域a1〜a5、b1〜b5、g1〜g5、h1〜h5が配置領域として選択されていることを示している。分割領域a1〜a5は分割領域b1〜b5に隣接しており、分割領域g1〜g5は分割領域h1〜h5に隣接している。
図16は、配置領域が
図15のように選択されている状態における、機能A〜機能Eの5つのアイコンの最小のアイコンサイズでの表示例を示している。アイコンサイズを最小のアイコンサイズより大きなサイズで表示するように切り替えた場合であって、
図15に示すように隣接する配置領域が存在している場合、
図17に示すように隣接する配置領域にまたがって1つのコンテンツを表示するようにしてもよい。すなわち隣接する複数の配置領域を連結した連結領域内に拡大アイコンの占有領域を包含可能であれば、連結領域に拡大アイコンが配置される。
図17は、分割領域a1〜a5、b1〜b5からなる第1連結領域に配置しきれなかったアイコンは分割領域g1〜g5、h1〜h5からなる第2連結領域に移動して配置されることを示している。このように本構成によると、最小のアイコンサイズより大きいサイズでアイコンを表示するように変更する場合も、配置領域の再設定をすることなく大きいサイズのアイコンを壁紙の画像の上に重ねて表示することも可能である。
【0057】
なお、第2出力部において画像の上に重ねるコンテンツは、アイコン以外にも様々なオブジェクトを想定してよい。例えば、1年分の月日が1枚の画像に含まれるカレンダー(1年のカレンダー)における各月の曜日と日を列挙した画像(月のカレンダー)が1つのコンテンツであってもよい。ユーザーは壁紙の画像の所望する位置に各コンテンツ(各月のカレンダー)が配置されるようなオリジナルの1年のカレンダーを画面に表示することができる。また、1年のカレンダーでは通常は各月のカレンダーは月の順番通りに配置されるが、例えば、ユーザー自身の誕生月のカレンダーを、例外的に月の順番から抜き出して画面の中央等の目立つ位置に配置させること等も本発明の表示制御装置を利用することによって簡便な操作で実施できる。
【0058】
また、第2出力部は、コンテンツを重畳した画像を画面に表示(出力)することに限定されない。第2出力部は、コンテンツを重畳した画像を印刷(出力)してもよい。