(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変化位置が前記追跡対象物の設置位置である場合、前記決定部は、前記撮像装置による前記追跡対象物の追跡を終了することを決定する、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る監視システムの実施形態について説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
[実施形態1]
実施形態1において、追跡対象物の追跡状態が変化した変化位置に応じてカメラを制御する。また、実施形態1において、追跡対象物を所持する人物の有無に応じてカメラを制御する。
【0014】
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る監視システム100について説明する。
図1は、実施形態1に係る監視システム100の構成を示すブロック図である。実施形態1に係る監視システム100では、複数のカメラC1〜Cnを制御して、複数のカメラC1〜Cnに追跡対象物を追跡させる。追跡対象物は、持ち去り可能な対象物である。例えば、絵画であってもよい。あるいは、追跡対象物は、建物に設置された消火器であってもよい。また、複数のカメラC1〜Cnは人物を追跡してもよい。
【0015】
図1に示すように、監視システム100は、複数のカメラC1〜Cnと、制御装置5とを備える。カメラC1〜Cnの各々は、撮像装置の一例である。
【0016】
複数のカメラC1〜Cnは追跡対象物を追跡する。複数のカメラC1〜Cnが、あらかじめ設定された追跡対象物を撮像した場合、複数のカメラC1〜Cnは、通常状態から追跡状態に変化する。複数のカメラC1〜Cnが追跡状態である場合、複数のカメラC1〜Cnは、追跡対象物の移動に合わせて撮像領域を移動させる。例えば、複数のカメラC1〜Cnは、撮像領域の可動可能な範囲内で、追跡対象物が撮像領域の中央に位置するように撮像領域を移動させる。あるいは、複数のカメラC1〜Cnは、撮像領域を拡大または縮小して撮像領域を撮像してもよい。
【0017】
複数のカメラC1〜Cnには、追跡に必要な追跡情報が設定される。追跡情報は、追跡に必要な追跡パラメーターを含む。追跡情報は、追跡する追跡対象物についての情報を含む。複数のカメラC1〜Cnには、追跡対象物を特定する追跡対象物情報が設定される。ここで、追跡対象物情報は、カメラが撮像した撮像画像に含まれる追跡対象物を追跡するための情報である。追跡パラメーターの一例は、特定の追跡対象物の色および/または形である。また、追跡対象物情報は、追跡対象物の設置されるべき設置領域についての情報を含む。
【0018】
また、追跡情報は、追跡対象物とともに移動する人物についての追跡人物情報を含んでもよい。追跡人物情報は、追跡対象物と同様に予め登録されてもよい。あるいは、追跡人物情報は、撮像画像の中から追跡対象物とともに移動する人物を特定し、撮像画像から、特定された人物についての情報を抽出することによって得られてもよい。
【0019】
追跡人物情報は、追跡対象となる特定の人物の顔についての情報であってもよく、または、特定の人物の全身についての情報であってもよい。例えば、追跡人物情報が特定の人物の顔についての情報である場合、顔を追跡するのに必要な追跡パラメーターを含む。追跡パラメーターの一例は、人物の顔の大きさ、位置、向き、および/または、傾きを含む。あるいは、追跡パラメーターは、目、鼻および口の大きさ、位置ならびに比率を含む。また、追跡人物情報が特定の人物の全身についての情報である場合、人物の全身を追跡するのに必要な追跡パラメーターを含む。追跡パラメーターの一例は、追跡対象人物の身長、縦横比、衣服の色、衣服の種類、および/または、性別である。
【0020】
カメラC1〜Cnは、それぞれ撮像素子11と、カメラ通信部12と、カメラ記憶部13と、カメラ制御部14とを備える。実施形態1において、カメラC1〜Cnの構成と機能とは各々同様である。以下、カメラC1の構成と機能とを説明する。
【0021】
撮像素子11は、所定の撮像領域を撮像する。撮像素子11は、撮像画像を示すデータを生成し、カメラ制御部14へ送信する。撮像素子11は、例えば、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)イメージセンサー、または、相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor:CMOS)イメージセンサーである。
【0022】
カメラ通信部12は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信機の搭載された電子機器との間で通信可能である。カメラ通信部12は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)などのネットワーク網を介して制御装置5と通信する。カメラ通信部12は、例えば、LANボードのような通信モジュール(通信機器)である。実施形態1において、カメラ通信部12は、撮像画像データを制御装置5へ送信する。また、カメラ通信部12は、カメラC1〜Cnの追跡状態を示す情報を制御装置5へ送信する。
【0023】
カメラ記憶部13は、撮像画像データなどの各種データを記憶する。カメラ記憶部13は、半導体メモリーによって構成される。半導体メモリーは、例えば、ランダムアクセスメモリー(Random Access Memory:RAM)およびリードオンリーメモリー(Read Only Memory:ROM)を構成する。
【0024】
カメラ記憶部13は、追跡情報を記憶する。例えば、カメラ記憶部13は、追跡情報として、追跡対象物についての追跡対象物情報を記憶する。一例では、追跡対象物は、カメラC1〜Cnのいずれかの撮像領域に配置されるものである。また、カメラ記憶部13は、追跡情報として、特定の人物についての情報を記憶してもよい。
【0025】
カメラ制御部14は、カメラ記憶部13に記憶されたカメラ制御プログラムを実行することによって、カメラC1が備える各部の動作を制御する。カメラ制御部14は、例えば、マイクロプロセッシングユニット(micro processing unit:MPU)のようなプロセッサーによって構成される。
【0026】
カメラ制御部14は、撮像画像データに基づいて追跡対象物を追跡する。カメラ制御部14は、例えば、背景差分法によって、それぞれ撮像画像の変化を検知する。あるいは、カメラ制御部14は、隣接フレーム間差分法によって、それぞれ撮像画像の変化を検知する。カメラ制御部14は、撮像画像の変化を検知することにより、変化のあった撮像画像が追跡対象物を含むか否かを判定する。撮像画像が追跡対象物を含む場合、カメラ制御部14は、追跡対象物の追跡を開始する。
【0027】
このように、撮像画像に含まれる追跡対象物の変化(動き)が検知される場合、カメラ制御部14は、追跡対象物の追跡を開始する。また、カメラ制御部14は、撮像画像に応じて追跡状態が検知追跡状態および非検知追跡状態のいずれであるか判定する。検知追跡状態は追跡対象物の動きを検知している状態である。また、非検知追跡状態は追跡対象物の動きを検知しなくなった状態である。例えば、カメラ制御部14は、追跡対象物が移動している場合、検知追跡状態と判定し、追跡対象物の追跡を継続する。また、カメラ制御部14は、予め設定された追跡対象物の移動が終了した場合、または、追跡対象物が撮像領域から外に移動した場合、非検知追跡状態と判定する。
【0028】
カメラ制御部14は、非検知追跡状態でも、カメラ制御部14は、追跡対象物の追跡を所定期間にわたって継続してもよい。所定期間は、例えば、3分であってもよく、5分であってもよい。例えば、追跡対象物の移動が一旦中断しても、追跡対象物が再び移動し始めることがある。また、追跡対象物が撮像領域の外に一旦出ても、追跡対象物は撮像領域内に再び戻ることがある。このため、追跡対象物の変化が検知されない場合でも、カメラ制御部14が追跡対象物の追跡を継続することにより、再移動する追跡対象物、および/または、撮像領域に再入する追跡対象物を追跡できる。
【0029】
なお、カメラ制御部14が追跡状態である場合、カメラ制御部14は、追跡対象物を所持する人物を特定してもよい。また、カメラ制御部14が人物を特定する場合、カメラ制御部14は、撮像画像の変化に関わらず、人物の有無を判定することが好ましい。なお、制御装置5は、カメラ制御部14による追跡対象物の追跡状態を制御できる。
【0030】
制御装置5は、装置通信部51と、入力装置52と、出力装置53と、装置記憶部54と、装置制御部55とを備える。制御装置5は、例えば、サーバーである。
【0031】
装置通信部51は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信機の搭載された電子機器との間で通信可能である。装置通信部51は、LANなどのネットワーク網を介してカメラ通信部12と通信する。装置通信部51は、例えば、LANボードのような通信モジュール(通信機器)である。実施形態1において、装置通信部51は、撮像画像データをカメラ通信部12から受信する。また、装置通信部51は、複数のカメラC1〜Cnから複数のカメラC1〜Cnの追跡状態を示す情報を受信する。
【0032】
入力装置52は、制御装置5に対するユーザーの指示の入力を受け付ける。実施形態1において、入力装置52は、タッチセンサーを含む。なお、入力装置52は、キーボードおよびマウスを含み得る。
【0033】
出力装置53は、複数のカメラC1〜Cnの撮像画像を出力する。具体的には、出力装置53は、複数のカメラC1〜Cnの撮像画像を切り替えて出力してもよい。あるいは、出力装置53は、複数のカメラC1〜Cnの撮像画像を同一の表示画面上に個別に出力してもよい。出力装置53は、液晶ディスプレーのようなディスプレーを含む。
【0034】
装置記憶部54は、撮像画像データなどの各種データを記憶する。装置記憶部54は、ストレージデバイスおよび半導体メモリーによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)および/またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)によって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAMおよびROMを構成する。
【0035】
なお、装置記憶部54は、装置制御プログラムを記憶してもよい。また、装置記憶部54は、装置制御プログラムの一部として監視プログラムを記憶してもよい。
【0036】
あるいは、監視プログラムは、装置記憶部54以外の別の記憶素子に記憶されてもよい。例えば、監視プログラムは、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体に記憶される。非一時的コンピューター読取可能記憶媒体は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM,磁気テープ、磁気ディスクまたは光データ記憶装置を含む。
【0037】
装置記憶部54にはカメラC1〜Cnの撮像領域から外部に出入可能なエリア(出入エリア)が記憶される。出入エリアは、複数のカメラC1〜Cnによって撮像可能な撮像領域から、複数のカメラC1〜Cnによっては撮像できない撮像不可領域に連絡できるエリアである。例えば、出入エリアは、扉付近であってもよい。あるいは、出入エリアは、壁近傍のエリアまたは穴近傍のエリアであってもよい。
【0038】
装置制御部55は、装置記憶部54に記憶された装置制御プログラムを実行することによって、制御装置5が備える各部の動作を制御する。装置制御部55は、例えば、中央処理演算装置(Central Processing Unit:CPU)のようなプロセッサーによって構成される。
【0039】
装置制御部55は、複数のカメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡を継続させる制御を行う。また、装置制御部55は、複数のカメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡を終了させる制御を行う。
【0040】
例えば、複数のカメラC1〜Cnが検知追跡状態である場合、装置制御部55は、複数のカメラC1〜Cnが追跡対象物の追跡を継続するように複数のカメラC1〜Cnを制御する。また、複数のカメラC1〜Cnが非検知追跡状態である場合、装置制御部55は、複数のカメラC1〜Cnが追跡対象物の追跡を継続するように複数のカメラC1〜Cnを制御する。なお、実施形態1では、複数のカメラC1〜Cnの追跡状態がある特定の位置で変化した場合、装置制御部55は、複数のカメラC1〜Cnが追跡対象物の追跡を終了するように複数のカメラC1〜Cnを制御する。
【0041】
なお、追跡対象物の追跡は、複数のカメラC1〜Cn全体で行われることが好ましい。例えば、カメラC1が、撮像したある追跡対象物を追跡する場合、カメラC2も同じ追跡対象物を追跡することが好ましい。ただし、追跡対象物の追跡は、複数のカメラC1〜Cnごとに行われてもよい。例えば、カメラC1は、撮像したある追跡対象物を追跡する一方で、カメラC2は同じ追跡対象物を追跡しなくてもよい。
【0042】
図2を参照して、本発明の実施形態1に係る装置制御部55の構成を説明する。
図2は、本発明の実施形態1に係る装置制御部55の構成を示すブロック図である。装置制御部55は、装置検知部551と、装置制御決定部552と、装置制御実行部553とを備える。装置検知部551は、検知部の一例である。装置制御決定部552は、決定部の一例である。装置制御実行部553は、制御部の一例である。
【0043】
装置制御部55がカメラC1〜Cnに対して行う制御は各々同様である。例えば、装置制御部55がカメラC14の制御を終了させる場合、装置制御部55は、他のカメラC1〜C13、C15〜Cnの制御も終了させる。また、装置制御部55がカメラC14の制御を継続させる場合、装置制御部55は、他のカメラC1〜C13、C15〜Cnの制御も継続させる。以下、カメラC14に対する制御について説明する。
【0044】
装置検知部551は、カメラC14の追跡状態を検知する。装置検知部551は、カメラC14から装置通信部51を介して受信したカメラC14の追跡状態を示す情報に基づいて、カメラC14の追跡状態を検知する。例えば、装置検知部551は、カメラC14が検知追跡状態であることを検知する。また、装置検知部551は、カメラC14が非検知追跡状態であることを検知する。
【0045】
装置制御決定部552は、カメラC14の追跡状態の変化に応じて、カメラC14の制御内容を決定する。例えば、装置検知部551が、カメラC14が検知追跡状態から非検知追跡状態に変化したことを検知する場合、装置制御決定部552はカメラC14の制御内容を決定する。
【0046】
装置制御実行部553は、装置制御決定部552によって決定された制御内容に従ってカメラC14を制御する。カメラC14が検知追跡状態から非検知追跡状態に変化した場合、装置制御決定部552は、カメラC14の追跡状態が変化した変化位置に応じて制御内容を決定する。例えば、変化位置が建物の出入口近傍である場合、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了することを決定する。
【0047】
また、装置制御決定部552は、追跡対象物を所持する人物の有無に応じてカメラC14の制御内容を決定してもよい。例えば、変化位置が出入口近傍でない場合、装置制御決定部552は、追跡対象物を所持する人物の有無に応じてカメラC14の制御内容を決定する。追跡対象物を所持する人物がいる場合、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続することを決定する。一方、追跡対象物を所持する人物がいない場合、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了することを決定する。
【0048】
また、装置制御決定部552は、変化位置が予め決められた追跡対象物の設置位置である否かに応じてカメラC14の制御内容を決定してもよい。変化位置が設置位置である場合、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了することを決定する。一方、変化位置が設置位置ではない場合、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続することを決定する。
【0049】
装置制御実行部553は、装置制御決定部552の決定した制御内容に従ってカメラC14を制御する。このように、カメラC14が追跡を継続するか、またはカメラC14が追跡を終了するかを装置制御決定部552が決定することにより、装置制御部55は、追跡対象物の追跡を適切なタイミングで終了することができる。
【0050】
次に、
図3および
図4を参照して、装置制御部55の具体的な処理を説明する。
図3は、本発明の実施形態1に係る制御装置5における追跡制御処理を示すフローチャートである。
図4は、本発明の実施形態1に係る制御装置5における追跡制御処理のうち、装置制御決定部552の決定処理を示すフローチャートである。例えば、装置制御部55は、監視プログラムを実行する場合、
図3および
図4のフローチャートに従って動作する。
【0051】
カメラC14の撮像領域において追跡対象物の変化が検知されると、カメラC14は、追跡対象物の追跡をスタートする。カメラC14が追跡対象物の追跡を開始した場合、出力装置53はカメラC14によって撮像された撮像画像を表示する。
【0052】
ステップS101において、装置制御決定部552が、装置検知部551がカメラC14の追跡状態の変化を検知したか否かを判定する。追跡状態の変化は、カメラC14の追跡状態が変化したことである。例えば、カメラC14が追跡対象物を検知しなくなると、カメラC14は、検知追跡状態から非検知追跡状態に変化する。
【0053】
装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知したと判定する場合(ステップS101のYes)、処理は、ステップS102に進む。装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知していないと判定する場合(ステップS101のNo)、装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知するまで待機する。
【0054】
ステップS102において、装置制御決定部552は、カメラC14の制御内容を決定する。例えば、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させるか、または、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了させるかを決定する。ここでは、装置制御決定部552は、制御内容に応じてフラグに異なる値を設定する。装置制御決定部552による制御内容の決定の一例は
図4を参照して後述する。
【0055】
ステップS102の処理が完了すると、処理は、ステップS103に進む。ステップS103において、装置制御実行部553は、フラグが1か否かを判定する。フラグは、カメラC14による追跡対象物の追跡に対して装置制御実行部553によって実行される制御内容を表す。ここでは、フラグは、0または1の値をとる2値データである。フラグ0は、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了させることを示す。フラグ1は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させることを示す。
【0056】
装置制御実行部553は、フラグが1であると判定する場合(ステップS103のYes)、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させる(ステップS104)。装置制御実行部553は、フラグが1でないと判定する場合(ステップS103のNo)、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了させる(ステップS105)。
【0057】
以上の処理により、制御装置5は、複数のカメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡を適切なタイミングで終了させることができる。なお、装置制御決定部552は、追跡状態の変化が検知されてから所定時間経過した後も追跡が継続されている場合、追跡を終了するように決定してもよい。
【0058】
次に、
図4を参照して、
図3に示したステップS102における装置制御決定部552の制御内容の決定処理を説明する。
【0059】
ステップS201において、装置制御決定部552は、追跡状態の変化した変化位置が出入エリア内か否かを判定する。出入エリアは、予め定められたエリアである。例えば、出入エリアは、1階の建物の出入口手前のエリアである。装置制御決定部552は、変化位置が出入エリア内であると判定した場合(ステップS201のYes)、処理は、ステップS202に進む。ステップS202において、装置制御決定部552は、フラグを0にセットする。即ち、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了することを決定する。
【0060】
なお、ステップS202において、変化位置が出入エリア内に位置しているため、追跡対象物は出入エリアから外部に持ち去られた可能性が高い。この場合、カメラC14が追跡対象物をこれ以上追跡する必要性が低いため、装置制御決定部552はフラグを0に設定する。装置制御決定部552がフラグを0に設定することにより、その後、装置制御実行部553が、フラグが1でないと判定し(
図3におけるステップS103のNo)、装置制御実行部553は、カメラC14に追跡を終了させる(
図3におけるステップS105)。この結果、装置制御部55は、追跡対象物の追跡を適切なタイミングで終了することができる。
【0061】
建物の出入口付近で追跡対象物の動きが検知されない場合、追跡対象物の追跡状態が変化した変化位置が出入エリア内になる。この場合、追跡対象物が建物の出入口からカメラC14によって撮像できない領域に移動してしまった可能性が高い。従って、カメラC14による追跡対象物の追跡を終了させることにより、追跡対象物の不要な追跡を省略できる。
【0062】
一方、ステップS201において、変化位置が出入エリア内に位置しない場合(ステップS201のNo)、処理は、ステップS203に進む。ステップS203において、追跡対象物を所持している人物がいるか否かを判定する。装置制御決定部552が、追跡対象物を所持している人物がいると判定する場合(ステップS203のYes)、処理は、ステップS204に進む。
【0063】
ステップS204において、装置制御決定部552は、フラグを1にセットする。即ち、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させることを決定する。ステップS204では、カメラC14は検知追跡状態から非検知追跡状態に変化しており、カメラC14は追跡対象物の動きを検知できない。しかしながら、カメラC14は、追跡対象物を所持している人物を撮像している。この場合、追跡対象物を所持している人物は、カメラC14の撮像領域で静止していると考えられる。したがって、カメラC14による追跡を継続することで、追跡対象物が再び動き出したときに追跡対象物を再度追跡できる。
【0064】
装置制御決定部552がフラグを1に設定することにより、その後、装置制御実行部553が、フラグが1であると判定する(ステップS103のYes)。装置制御実行部553は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させる(ステップS104)。
【0065】
一方、ステップS203において、装置制御決定部552が、追跡対象物を所持している人物がいないと判定する場合(ステップS203のNo)、処理は、ステップS205に進む。ステップS205において、装置制御決定部552は、変化位置が設置位置であるか否かを判定する。設置位置は、追跡対象物の設置されるべき位置である。装置制御決定部552が、変化位置が設置位置に一致していると判定する場合(ステップS205のYes)、処理は、ステップS206に進む。一方、装置制御決定部552が、変化位置が設置位置に一致していないと判定する場合(ステップS205のNo)、処理は、ステップS207に進む。
【0066】
ステップS206において、装置制御決定部552は、フラグを0にセットする。即ち、装置制御決定部552は、カメラC14の追跡を終了させることを決定する。ステップS206において、追跡対象物は、一旦動いた後で、本来設置された設置位置に位置している。この場合、追跡対象物が本来設置されるべき設置位置に位置しているため、カメラC14による追跡を終了する。
【0067】
ステップS206の処理が完了すると、処理は、
図3に示したステップS103に進む。装置制御決定部552がフラグを0に設定することにより、その後、装置制御実行部553が、フラグが1でないと判定し(ステップS103のNo)、装置制御実行部553は、カメラC14に追跡を終了させる(ステップS105)。この結果、装置制御部55は、追跡対象物の追跡を適切なタイミングで終了することができる。
【0068】
ステップS207において、装置制御決定部552は、フラグを1にセットする。即ち、装置制御決定部552は、カメラC14の追跡を継続させることを決定する。ステップS207では、追跡対象物を所持している人物はいないが、追跡対象物は本来の設置位置に位置していない。この場合、カメラC14の追跡を継続させる。
【0069】
装置制御決定部552がフラグを1に設定することにより、その後、装置制御実行部553が、フラグが1であると判定する(
図3におけるステップS103のYes)。装置制御実行部553は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させる(ステップS104)。以上のようにして、装置制御決定部552(
図2)はカメラC14による追跡対象物の追跡について決定できる。
【0070】
次に、
図5〜
図12を参照して本実施形態の制御装置5によるカメラC1〜C15の制御の一例を説明する。
図5は、カメラC1〜C15の設置される建物の1階のレイアウトの一例を示す模式図である。建物の1階には、15台のカメラC1〜C15と、出入口62〜64とが設けられている。出入口は建物の1階の出入口である。
【0071】
なお、出力装置53(
図1)は、建物の1階のフロアのレイアウトを示す画面91を表示してもよい。出力装置53は、建物の1階のフロアのレイアウトと、複数のカメラC1〜C15とを表示することにより、カメラC1〜C15の位置関係が示される。出力装置53が画面91を表示することにより、建物の1階のフロアのレイアウトと複数のカメラC1〜C15とを直感的に把握することができる。
【0072】
次に、
図1〜
図10を参照して、カメラC14の追跡状態の変化を具体的に説明する。
図6は、建物の1階のフロアに位置する追跡対象物と人物との一例を示す模式図である。
図7〜
図10は、
図6の一部拡大図である。
図7〜
図10では、追跡対象物71と出入エリア82との位置関係を示す。
【0073】
図6および
図7に示すように、人物72は出入エリア82の近くに位置する。出入エリア82は、装置記憶部54(
図1)に記憶される。出入エリア82は、出入口66に位置する。出入エリア82は、出入口66付近の矩形領域である。出入エリア82の出入口66と平行な方向の長さは、出入口66の幅に一致するように定める。出入エリア82の出入口66に直行する方向の長さは、例えば、1メートルである。出入エリア82は、出入口66の広さに応じて適宜設定することができる。
【0074】
ここでは、追跡対象物71はカメラC14の撮像領域内に設置される。具体的には、追跡対象物71は設置位置83に載置されている。なお、
図6および
図7では、追跡対象物71の近傍に人物72がいるが、追跡対象物71は、人物72から離れた設置位置83に載置されており、追跡対象物71は動かない。このため、カメラC14は通常状態である。この場合、
図3のフローチャートはスタートしない。
【0075】
図8に示すように、人物72が追跡対象物71を所持して移動を始めると、カメラC14は、追跡対象物71の動きを検知し、通常状態から追跡状態に変化する。ここでは、人物72が、追跡対象物71を所持し出入口66に向かって移動する。カメラC14は、追跡対象物71および人物72を撮像し、追跡対象物71および人物72を追跡する。
【0076】
この場合、カメラC14は通常状態から追跡状態に変化し、
図3のフローチャートはスタートする。追跡対象物71の動きが検知されるため、カメラC14は検知追跡状態である。ここでは、装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知していないと判定し(
図3におけるステップS101のNo)、装置制御決定部552は、装置検知部551がカメラC14の追跡状態の変化を検知するまで待機する。
【0077】
図9に示すように、追跡対象物71は出入エリア82にまで移動する。ここでは、人物72が追跡対象物71を所持して移動し、人物72が追跡対象物71を所持して出入エリア82に位置している。このとき、カメラC14は追跡状態である。より具体的には、カメラC14は、追跡対象物71の動きを検知した検知追跡状態である。この場合も、装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知していないと判定し(
図3におけるステップS101のNo)、装置制御決定部552(
図2)は、装置検知部551がカメラC14の追跡状態の変化を検知するまで待機する。
【0078】
その後、
図10に示すように、追跡対象物71は出入エリア82を通過して出入口66を通って建物の外部に移動する。ここでは、人物72が追跡対象物71を所持して建物の外部に移動する。この場合、カメラC14は、追跡対象物71を撮像できず、カメラC14は、追跡対象物71の動きを検知できない。したがって、カメラC14は、非検知追跡状態になる。このように、追跡対象物71の動きに応じて、カメラC14の追跡状態は変化する。
【0079】
装置検知部551(
図2)が追跡状態の変化を検知すると、装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知すると判定し(
図3におけるステップS101のYes)、処理は、ステップS102に進む。この場合、装置制御決定部552は、追跡対象物71の追跡状態の変化した変化位置に応じてカメラC14の制御内容を決定する。ここでは、追跡対象物71の変化位置が出入エリア82であるため(
図4におけるステップS201のYes)、装置制御決定部552は、フラグを0にセットし(
図4におけるステップS202)、カメラC14による追跡対象物71の追跡を終了することを決定する。
【0080】
なお、
図6〜
図10を参照して上述した説明では、追跡対象物71は出入エリア82を通過して出入口66から外部に出たが、本発明はこれに限定されない。追跡対象物71は出入エリア82を通過することなく追跡対象物71は建物の内部に載置されてもよい。
【0082】
図8に示したように追跡対象物71が移動した後、
図11に示すように、追跡対象物71は、カメラC14の撮像領域内に載置される。なお、ここでは、人物72が、元々設置位置83に設置されていた追跡対象物71を一旦所持して移動した後、追跡対象物71を設置位置83以外の場所に載置する。
図11に示すように追跡対象物71が設置位置83以外の場所に載置される場合、カメラC14は追跡対象物71の追跡を継続する。
【0083】
追跡対象物71が載置されると、カメラC14は追跡対象物71の動きを検知できず、カメラC14は検知追跡状態から非検知追跡状態に変化する。この場合、装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知すると判定し(
図3におけるステップS101のYes)、処理は、ステップS102に進む。
【0084】
ここでは、追跡対象物71の変化位置が出入エリア82ではなく(
図4におけるステップS201のNo)、追跡対象物71を所持する人物はおらず(
図4におけるステップS203のNo)、追跡対象物71の変化位置は設置位置ではない(
図4におけるステップS205のNo)。このため、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡を継続させることを決定し、フラグを1にセットする(
図4におけるステップS207)。
【0085】
この場合、装置制御実行部553(
図2)が、フラグが1であると判定する(
図3におけるステップS103のYes)。装置制御実行部553は、カメラC14による追跡対象物の追跡を継続させる(
図3におけるステップS104)。以上のようにして、装置制御決定部552(
図2)はカメラC14による追跡対象物の追跡を継続する。
【0086】
これに対して、
図8に示したように追跡対象物71が移動した後、
図12に示すように、追跡対象物71が設置位置83に設置される場合、カメラC14は追跡対象物71の追跡を終了してもよい。なお、ここでは、人物72が、設置位置83に設置された追跡対象物71を一旦所持して移動した後、追跡対象物71を設置位置83に設置する。
【0087】
追跡対象物71が載置されると、カメラC14は追跡対象物71の動きを検知できず、カメラC14は、検知追跡状態から非検知追跡状態に変化する。この場合、装置制御決定部552は、装置検知部551が追跡状態の変化を検知すると判定し(
図3におけるステップS101のYes)、処理は、ステップS102に進む。
【0088】
ここでは、追跡対象物71の変化位置が出入エリア82ではなく(
図4におけるステップS201のNo)、追跡対象物71を所持する人物はいないが(
図4におけるステップS203のNo)、変化位置は設置位置である(
図4におけるステップS205のYes)。このため、装置制御決定部552は、カメラC14による追跡対象物71の追跡の終了を決定し、フラグを0にセットする(
図4におけるステップS206)。
【0089】
その後、装置制御実行部553(
図2)が、フラグが1でないと判定し(
図3におけるステップS103のNo)、装置制御実行部553は、カメラC14に追跡を終了させる(
図3におけるステップS105)。この結果、装置制御部55は、追跡対象物の追跡を適切なタイミングで終了することができる。
【0090】
[実施形態2]
次に、
図1、
図2および
図13〜
図15を参照して、本発明の実施形態2に係る監視システム100について説明する。実施形態2の監視システムは、追跡対象物を追跡する警備担当者の人数に応じてカメラを制御する点で、実施形態1の監視システムと異なる。実施形態2では、警備担当者の人数に応じた制御処理機能を中心に説明する。
【0091】
実施形態2に係る監視システム100は、カメラ記憶部13が警備担当者についての警備担当者情報を記憶している点を除き、
図1および
図2を参照して上述した実施形態1に係る監視システム100と同様である。このため、冗長を避けるために、重複する記載を省略する。
【0092】
複数のカメラC1〜Cnのそれぞれにおいて、カメラ記憶部13(
図1)は、警備担当者についての警備担当者情報を記憶する。例えば、警備担当者情報が特定の人物の顔についての情報である場合、警備担当者情報は、警備担当者の顔を追跡するのに必要な追跡パラメーターを含む。顔を追跡する場合、追跡パラメーターの一例は、警備担当者の顔の大きさ、位置、向き、および/または、傾きを含む。あるいは、追跡パラメーターの一例は、目、鼻および口の大きさ、位置ならびに比率を含んでもよい。また、警備担当者情報が警備担当者の全身についての情報である場合、警備担当者の全身を追跡するのに必要な追跡パラメーターを含む。警備担当者の全身を追跡する場合、追跡パラメーターの一例は、警備担当者の身長、縦横比、制服の色、制服の種類、および/または、性別である。
【0093】
次に、
図1、
図2および
図13を参照して本発明の実施形態2に係る制御装置5における追跡制御処理を説明する。
図13は、本発明の実施形態2に係る制御装置5における追跡制御処理を示すフローチャートである。なお、
図13におけるステップS301〜S305は、
図3を参照して上述したステップS101〜S105と同様である。冗長を避けるために、重複する記載を省略する。ただし、
図13は、ステップS301〜S305に加えて、ステップS306〜S308が追加されている点で
図3とは異なる。
【0094】
スタートにおいて、複数のカメラC1〜Cnは、追跡対象物の追跡を開始する。カメラC1〜Cnは、撮像画像が追跡対象物を含むことを検知すると、追跡対象物の追跡を開始する。なお、カメラC1〜Cnは、追跡対象物とともに移動する人物を特定すると、人物の追跡を開始する。また、カメラC1〜Cnは、警備担当者を撮像すると、警備担当者の追跡を開始する。
【0095】
ステップS301において、追跡状態の変化を検知した場合(ステップS301のNo)、処理は、ステップS302に進む。一方、ステップS301において、追跡状態の変化を検知しない場合(ステップS301のNo)、処理は、ステップS306に進む。
【0096】
ステップS306において、装置制御決定部552は、複数の警備担当者が警備しているか否かを判定する。装置制御決定部552は、複数の警備担当者が警備していると判定した場合(ステップS306のYes)、処理はステップS307に進む。ステップS307において、装置制御決定部552は、フラグを0にセットする。フラグ0は、カメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡の終了を示す。ステップS307の処理が完了すると、処理は、ステップS303に進む。
【0097】
一方、装置制御決定部552が、複数の警備担当者が警備していないと判定する場合(ステップS306のNo)、処理は、ステップS308に進む。ステップS308において、装置制御決定部552は、フラグを1にセットする。フラグ1は、カメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡の継続を示す。ステップS308の処理が完了すると、処理は、ステップS303に進む。
【0098】
ステップS303において、装置制御実行部553は、フラグが1か否かを判定する。装置制御実行部553は、フラグが1ではないと判定する場合(ステップS303のNo)、処理は、ステップS305に進む。ステップS305において、装置制御実行部553は、追跡対象物の追跡を終了させる。ステップS305の処理が完了すると、追跡制御処理が終了する。
【0099】
装置制御実行部553は、フラグが1であると判定する場合(ステップS303のYes)、処理は、ステップS304に進む。ステップS304において、装置制御実行部553は、追跡対象物の追跡を継続させる。ステップS304の処理が完了すると、ステップS301に戻る。なお、この場合も、装置制御決定部552は、追跡状態の変化が検知されてから所定時間経過した後も追跡が継続されている場合、追跡を終了するように決定してもよい。
【0100】
次に、
図1、
図2、
図13および
図14を参照して、ステップS306〜ステップS307の処理を具体的に説明する。
図14は、制御装置5によって制御されるカメラC1〜Cnの位置関係、ならびに、追跡対象物71、人物72および警備担当者73〜76の位置関係を示す模式図である。ここでは、追跡対象物71とともに移動する人物72だけでなく警備担当者73〜76が追跡される。
図14は、追跡対象物71および人物72に加えて警備担当者73〜76が追跡されている点で、
図5とは異なる。
【0101】
カメラC8は、追跡対象物71および人物72を撮像し、追跡対象物71および人物72を追跡する。カメラC8は、また、警備担当者73、74を撮像し、警備担当者73、74を追跡する。また、カメラC12は、警備担当者75を撮像し、警備担当者75を追跡する。さらに、カメラC15は、警備担当者76を撮像し、警備担当者76を追跡する。
【0102】
ここでは、装置検知部551が追跡状態の変化を検知しないため(ステップS301のNo)、ステップS306において、装置制御決定部552(
図2)は、複数の警備担当者が警備しているか否かを判定する。ここでは、警備担当者73、74は、カメラC8により撮像され、カメラC8により追跡されている。警備担当者75は、カメラC12により撮像され、カメラC12により追跡されている。警備担当者76は、カメラC15により撮像され、カメラC15により追跡されている。警備担当者73〜76が複数のカメラC1〜C15により追跡されていることは、複数の警備担当者が警備しており、警備が充分に行き届いていることを示している。
【0103】
したがって、装置制御決定部552(
図2)は、複数の警備担当者が警備していると判定する(ステップS306においてYes)。複数の警備担当者73〜76が警備している場合、複数のカメラC1〜C15によって追跡対象物71をさらに追跡しなくてもよい。このため、ステップS307において、装置制御決定部552は、フラグを0にセットする。フラグ0は、複数のカメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡の終了を示す。ステップS307の処理が完了すると、処理は、ステップS303に進む。
【0104】
ステップS303において、装置制御実行部553(
図2)は、フラグが1か否かを判定する。ここでは、フラグは0であるため、装置制御実行部553は、フラグが1ではないと判定し(ステップS303のNo)、処理は、ステップS305に進む。ステップS305において、装置制御実行部553は、追跡対象物の追跡を終了させる。ステップS305の処理が完了すると、追跡制御処理が終了する。
【0105】
次に、
図1、
図2、
図13および
図15を参照して、ステップS306およびステップS308の処理を具体的に説明する。
図15は、追跡対象物71、追跡対象物71を所持する人物72および警備担当者73の位置関係を示す模式図である。ここでは、追跡対象物71とともに移動する人物72だけでなく警備担当者73が追跡される。
図15は、追跡対象物71および人物72に加えて警備担当者73が追跡されている点で、
図5とは異なる。ここでは、カメラC1〜C15のうちカメラC8が、1人の警備担当者73を追跡している。
【0106】
カメラC8は、追跡対象物71および人物72を撮像し、カメラC8は追跡対象物71および人物72を追跡する。カメラC8は、また、警備担当者73を撮像し、警備担当者73を追跡する。
【0107】
ここでは、装置検知部551(
図2)が追跡状態の変化を検知しないため(ステップS301のNo)、ステップS306において、装置制御決定部552は、複数の警備担当者が警備しているか否かを判定する。ここでは、警備担当者73は、カメラC8により撮像され、カメラC8により追跡されている。一方で、他のカメラC1〜C7、C9〜C15は、他の警備担当者を撮像しておらず、他の警備担当者を追跡していない。
【0108】
したがって、装置制御決定部552(
図2)は、複数の警備担当者が警備していないと判定する(ステップS306においてNo)。複数のカメラC1〜C15により追跡される警備担当者が1人であることは、警備が充分には行き届いていない可能性を示している。このため、警備担当者が1人の場合、複数のカメラC1〜C15により追跡対象物71の追跡を継続する。このため、ステップS307において、装置制御決定部552は、フラグを1にセットする。フラグ1は、複数のカメラC1〜Cnによる追跡対象物の追跡の継続を示す。ステップS308の処理が完了すると、処理は、ステップS308に進む。
【0109】
ステップS303において、装置制御実行部553(
図2)は、フラグが1か否かを判定する。ここでは、フラグは1であるため、装置制御実行部553は、フラグが1であると判定し(ステップS303のYes)、処理は、ステップS304に進む。ステップS304において、装置制御実行部553は、追跡対象物の追跡を継続させる。ステップS304の処理が完了すると、ステップS301に戻る。
【0110】
以上、図面(
図1〜
図15)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において別の実施形態として実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0111】
例えば、実施形態1および実施形態2において説明した事項は、適宜組み合わせ可能である。例えば、実施形態1または実施形態2において説明した構成を適宜組み合わせてもよい。
【0112】
また、
図5から
図12ならびに
図14および
図15を参照した上述の説明では、制御装置5は、建物の同じ階に設置されたカメラC1〜C15を制御したが、本発明は、これに限定されない。制御装置5は、建物の異なる階に設置された複数のカメラC1〜Cnを制御してもよい。あるいは、制御装置5は、異なる建物に設置された複数のカメラC1〜Cnを制御してもよい。
【0113】
また、
図1、
図5、
図6、
図14および
図15を参照して上述した説明では、制御装置5は、複数のカメラを制御したが、本発明はこれに限定されない。制御装置5の制御するカメラは1つであってもよい。