特許第6933323号(P6933323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニコベンチャーズ トレーディング リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6933323-喫煙材を加熱するための装置 図000002
  • 特許6933323-喫煙材を加熱するための装置 図000003
  • 特許6933323-喫煙材を加熱するための装置 図000004
  • 特許6933323-喫煙材を加熱するための装置 図000005
  • 特許6933323-喫煙材を加熱するための装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6933323
(24)【登録日】2021年8月23日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】喫煙材を加熱するための装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20210826BHJP
【FI】
   A24F40/465
【請求項の数】19
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-567947(P2018-567947)
(86)(22)【出願日】2017年6月27日
(65)【公表番号】特表2019-522985(P2019-522985A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2017065906
(87)【国際公開番号】WO2018002083
(87)【国際公開日】20180104
【審査請求日】2019年2月12日
(31)【優先権主張番号】62/356,343
(32)【優先日】2016年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(72)【発明者】
【氏名】アウン, ワリード アビ
(72)【発明者】
【氏名】パトン, デイビッド
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−531601(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104095291(CN,A)
【文献】 国際公開第2015/177294(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104256899(CN,A)
【文献】 国際公開第2016/096865(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置であって、
喫煙材を備えた物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、
使用時に前記物品が前記加熱領域で加熱されると、前記喫煙材の揮発された成分が前記加熱領域から前記装置の外部に向かって流れることを可能にするための出口と、
前記加熱領域を加熱するための、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素であり、前記加熱要素の第1の部分が、前記加熱要素の第2の部分と前記出口との間に配置され、前記加熱要素の前記第2の部分が、使用時、前記加熱要素の前記第1の部分からの熱伝導によって加熱可能である、加熱要素と、
前記加熱要素の前記第1の部分に侵入し、前記加熱要素の前記第2の部分を避ける変動磁場を発生させるための磁場発生器と
を備え、
前記装置には、前記加熱要素の前記第2の部分に侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない、装置。
【請求項2】
前記加熱要素の前記第2の部分が、使用時、もっぱら熱伝導によってのみ加熱可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記加熱要素が前記加熱領域内に突出している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記加熱要素が前記加熱領域の周りに少なくとも部分的に延在している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記磁場発生器が、前記加熱要素の前記第1の部分のみを取り囲む螺旋コイルを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記磁場発生器が、前記加熱要素に対して固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記加熱要素の前記第1の部分が、前記加熱要素の前記第2の部分より小さい又は短い、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱要素が、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む加熱材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱要素が、金属又は金属合金を含む加熱材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記加熱要素が、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む加熱材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記加熱要素の前記第1の部分が第1の材料から作られ、前記加熱要素の前記第2の部分が前記第1の材料とは異なる第2の材料から作られた、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
非液体の喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための装置であって、
喫煙材を備えた物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、
使用時に前記物品が前記加熱領域で加熱されると、前記喫煙材の揮発された成分が前記加熱領域から前記装置の外部に向かって流れることを可能にするための出口であり、前記加熱領域の第1の部分が、前記加熱領域の第2の部分と前記出口との間に配置された、出口と、
前記加熱領域の前記第1の部分に侵入し、前記加熱領域の前記第2の部分を避ける変動磁場を発生させるための磁場発生器と
を備え、
前記装置には、前記加熱領域の前記第2の部分に侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない、装置。
【請求項14】
前記磁場発生器が、前記加熱領域の前記第1の部分のみを取り囲む螺旋コイルを備えている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記加熱領域の前記第1の部分が、前記加熱領域の前記第2の部分より小さい又は短い、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記物品が前記加熱領域の前記第1の部分を通って前記加熱領域の前記第2の部分の中に挿入可能となるように構成された、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
非液体の喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するための、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように前記喫煙材を加熱するためのシステムであって、
喫煙材と、前記喫煙材を加熱するための、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素とを備えた物品と、
装置と
を備え、前記装置は、
前記物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、
使用時に前記物品が前記加熱領域で加熱されると、前記喫煙材の揮発された成分が前記加熱領域から流れることを可能にするための出口と、
使用時に前記物品が前記加熱領域に配置されると、前記加熱要素の第2の部分と前記出口との間の前記加熱要素の第1の部分に侵入し、前記加熱要素の前記第2の部分を避ける変動磁場を発生させるための磁場発生器と
を備え
前記装置には、前記加熱要素の前記第2の部分に侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない、システム。
【請求項19】
喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置を用いて前記喫煙材を加熱する方法であって、
変動磁場の侵入によって加熱可能に形成された加熱要素を用意するステップと、
前記加熱要素と熱接触する喫煙材を用意するステップと、
前記加熱要素の第2の部分を避ける変動磁場を前記加熱要素の第1の部分に侵入させるステップであり、以て、前記加熱要素の前記第1の部分及び前記喫煙材の第1の部分を加熱する、ステップと、
前記加熱要素の前記第1の部分からの熱伝導によって前記加熱要素の前記第2の部分を加熱するステップであり、以て、前記喫煙材の第2の部分を加熱する、ステップと
を含み、
前記方法は、変動磁場を前記第2の部分に侵入させるいかなるステップも含まない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置、そのような装置、及び喫煙材を含む物品を備えたシステム、並びに、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用の間、タバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創出することによってこれらの喫煙品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、いわゆる「非燃焼加熱式(heat not burn)」製品、又はタバコ加熱装置若しくはタバコ加熱製品がある。これらは、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよい。非タバコ製品は、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置を提供する。この装置は、喫煙材を備えた物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、使用時に物品が加熱領域で加熱されると、喫煙材の揮発された成分が加熱領域から装置の外部に向かって流れることを可能にするための出口と、加熱領域を加熱するための、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素であり、加熱要素の第1の部分が、加熱要素の第2の部分と出口との間に配置され、加熱要素の第2の部分が、使用時、加熱要素の第1の部分からの熱伝導によって加熱可能である、加熱要素と、加熱要素の第1の部分に侵入し、加熱要素の第2の部分を避ける変動磁場を発生させるための磁場発生器とを備える。
【0004】
例示的な実施形態では、装置には、加熱要素の第2の部分に侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない。
【0005】
例示的な実施形態では、加熱要素の第2の部分は、使用時、もっぱら熱伝導によってのみ加熱可能である。
【0006】
例示的な実施形態では、加熱要素は加熱領域内に突出している。
【0007】
例示的な実施形態では、加熱要素は加熱領域の周りに少なくとも部分的に延在する。
【0008】
例示的な実施形態では、磁場発生器は、加熱要素の第1の部分のみを取り囲む螺旋コイルを備える。
【0009】
例示的な実施形態では、磁場発生器は、加熱要素に対して固定されている。
【0010】
例示的な実施形態では、加熱要素の第1の部分は、加熱要素の第2の部分より小さい又は短い。
【0011】
例示的な実施形態では、加熱要素は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む加熱材を含む。
【0012】
例示的な実施形態では、加熱要素は、金属又は金属合金を含む加熱材を含む。
【0013】
例示的な実施形態では、加熱要素は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む加熱材を含む。
【0014】
例示的な実施形態では、加熱要素の第1の部分は第1の材料から作られ、加熱要素の第2の部分は第1の材料とは異なる第2の材料から作られる。
【0015】
例示的な実施形態では、この装置は、非液体の喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。
【0016】
例示的な実施形態では、この装置は、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。
【0017】
本発明の第2の態様は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置を提供する。この装置は、喫煙材を備えた物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、使用時に物品が加熱領域で加熱されると、喫煙材の揮発された成分が加熱領域から装置の外部に向かって流れることを可能にするための出口であり、加熱領域の第1の部分が、加熱領域の第2の部分と出口との間に配置された、出口と、加熱領域の第1の部分に侵入し、加熱領域の第2の部分を避ける変動磁場を発生させるための磁場発生器とを備える。
【0018】
例示的な実施形態では、この装置には、加熱領域の第2の部分に侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない。
【0019】
例示的な実施形態では、磁場発生器は、加熱領域の第1の部分のみを取り囲む螺旋コイルを備える。
【0020】
例示的な実施形態では、加熱領域の第1の部分は、加熱領域の第2の部分より小さい又は短い。
【0021】
例示的な実施形態では、この装置は、物品が加熱領域の第1の部分を通って加熱領域の第2の部分の中に挿入可能となるように構成される。
【0022】
例示的な実施形態では、この装置は、非液体の喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。
【0023】
例示的な実施形態では、装置は、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。
【0024】
本発明の第3の態様は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのシステムを提供する。このシステムは、喫煙材、及び喫煙材を加熱するための、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素を備えた物品と、装置とを備え、この装置は、物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域と、使用時に物品が加熱領域で加熱されると、喫煙材の揮発された成分が加熱領域から流れることを可能にするための出口と、使用時に物品が加熱領域に配置されると、加熱要素の第2の部分と出口との間の加熱要素の第1の部分に侵入し、加熱要素の第2の部分を避ける変動磁場を発生させるための磁場発生器とを備える。
【0025】
例示的な実施形態では、第3の態様のシステムの装置は第2の態様の装置である。第3の態様のシステムの装置は、第2の態様の装置の例示的な各実施形態に存在するような上記の特徴のうちの任意の1つ以上の特徴を有することができる。
【0026】
本発明の第4の態様は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱する方法を提供する。この方法は、変動磁場の侵入によって加熱可能に形成された加熱要素を用意するステップと、加熱要素と熱接触する喫煙材を用意するステップと、加熱要素の第2の部分を避ける変動磁場を加熱要素の第1の部分に侵入させるステップであり、以て、加熱要素の第1の部分及び喫煙材の第1の部分を加熱する、ステップと、加熱要素の第1の部分からの熱伝導によって加熱要素の第2の部分を加熱するステップであり、以て、喫煙材の第2の部分を加熱する、ステップとを含む。
【0027】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置の例の概略断面図である。
図2】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための別の装置の例の概略断面図である。
図3】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための別の装置の例の概略断面図である。
図4】喫煙材を備えた物品、及び喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための図3の装置を備えたシステムの例の概略断面図である。
図5】喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱する方法の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本書では、用語「喫煙材」は、加熱されると揮発成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は非タバコ含有材料であってもよいし、タバコ含有材料であってもよい。「喫煙材」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでいてもよい。喫煙材は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生喫煙材、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊などの形態とすることが可能である。「喫煙材」は、他に非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まないでもよい。「喫煙材」は、1つ以上の保湿剤、例えばグリセロール又はプロピレングリコールを含んでいてもよい。
【0030】
本書では、用語「加熱材」又は「ヒーター材」は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を指す。
【0031】
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すための装置を備えることができる。加熱しようとする物体と電磁石が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、渦電流が物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体は、サセプタとして知られている。
【0032】
サセプタが閉回路の形態のときは、使用時におけるサセプタと電磁石との磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが分かっている。
【0033】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じたもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
【0034】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0035】
上記のプロセスの各々において、熱は、外部熱源によって熱伝導により発生するのではなく、物体自体の内部で発生するので、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布を達成することができる。これは、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、設計自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストを抑えることができる。
【0036】
図1を参照すると、本発明の実施形態による装置の例の概略断面図が示されている。装置100は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。
【0037】
装置100は、加熱しようとする喫煙材を備えた物品の少なくとも一部分を受け入れるための加熱領域111を備える。装置100は、使用時に物品が加熱領域111で加熱されると、喫煙材の揮発された成分が加熱領域111から装置100の外部に向かって流れることを可能にするための出口122を有する。装置100はまた、加熱領域111を加熱するための、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の加熱要素115と、使用時に変動磁場を発生させるための磁場発生器112とを備える。
【0038】
より詳細には、この実施形態の装置100は、本体110と吸い口120とを備える。吸い口120は、プラスチック材、厚紙、酢酸セルロース、紙、金属、ガラス、セラミック、又はゴムなどの任意の適切な材料で作ることができる。吸い口120は、それを貫通する通路122を画定し、通路122は出口122として働く。吸い口120は、加熱領域111内への開口を覆うように本体110に対して配置可能である。吸い口120を本体110に対してこのように配置すると、吸い口120の通路122は、加熱領域111と流体連通する。使用時、通路122は、揮発材が加熱領域111に挿入された物品から装置100の外部に流れることを可能にする通路として働く。この実施形態では、装置100の吸い口120は、本体110に吸い口120を接続するように、本体110と取外し可能に係合可能である。他の実施形態では、吸い口120は、蝶番又は可撓性部材などによって、本体110と永続的に接続することができる。物品自体が吸い口を備える実施形態などのいくつかの実施形態では、装置100の吸い口120を省略することができる。このような実施形態では、加熱領域111の開放端(図1の左側に描かれている)は出口として働くことができる。
【0039】
装置100は、加熱領域111を装置100の外部と流体接続する空気入口を画定することができる。このような空気入口は、装置100の本体110及び/又は装置100の吸い口120によって画定することができる。使用者は、吸い口120の通路122を通して(1つ以上の)揮発成分を引き込むことによって喫煙材の(1つ以上の)揮発成分を吸入することができる。(1つ以上の)揮発成分が物品から出ると、空気は、装置100の空気入口を経て加熱領域111内に引き込むことができる。
【0040】
この実施形態では、本体110は加熱領域111を備える。この実施形態では、加熱領域111は、物品の少なくとも一部分を受け入れるための凹部111を備える。他の実施形態では、加熱領域111は、凹部以外、例えば、棚、面、又は突起であってもよく、また、物品と協働するため又はそれを受け入れるために物品との機械的な嵌合を必要としてもよい。この実施形態では、加熱領域111は細長く、物品全体を受け入れるような大きさと形状である。他の実施形態では、加熱領域111は物品の一部分だけ受け入れるような大きさであってもよい。
【0041】
加熱領域111は、第1の部分111aと第2の部分111bとを備えていると考えることができ、それらは、加熱領域111の第1の部分111aが、加熱領域111の第2の部分111bと出口122との間に配置されるように相対的に配置される。加熱領域111及び装置100は全体として、吸い口120が装置100の本体110から係合を解除されているとき、物品が加熱領域111の第1の部分111aを通って加熱領域111の第2の部分111bの中に挿入可能となるように構成される。
【0042】
この実施形態では、磁場発生器112は、電源113と、コイル114と、コイル114に交流電流などの変動電流を流すためのデバイス116と、制御器117と、制御器117を使用者が操作するためのユーザインターフェース118とを備える。
【0043】
この実施形態の電源113は充電式電池である。他の実施形態では、電源113は、例えば、非充電式電池、キャパシタ、電池−キャパシタハイブリッド、又は商用電源への接続部など、充電式電池以外とすることができる。
【0044】
コイル114は任意の適切な形態を採ることができる。この実施形態では、コイル114は、銅などの導電性材料の螺旋コイルである。いくつかの実施形態では、磁場発生器112は、コイル114が巻かれた透磁性コアを備えることができる。このような透磁性コアは、使用時、コイル114によって生成される磁束を集中させ、磁場をより強力にする。透磁性コアは、例えば鉄で作ることができる。いくつかの実施形態では、透磁性コアは、コイル114の長さに沿って部分的にだけ延在して、特定の領域のみに磁束を集中させることができる。いくつかの実施形態では、コイルは平面コイルでもよい。すなわち、コイルは2次元の渦巻体であってもよい。
【0045】
図1を考慮すると、この実施形態では、加熱要素115が加熱領域111内に突出していることが理解されよう。加熱要素115は、加熱要素115が本体110の残りの部分に取り付けられる第1の端部から自由な第2の端部までの長さを有する。自由端は、物品が加熱領域111内に挿入されると物品に入るように加熱領域111に対して配置される。いくつかの実施形態では、例えば、そのように物品内に入ることを容易にするために加熱要素115の自由端は先細にすることができる。いくつかの実施形態では、加熱要素115は、スパイク又はピン又は刃の形態を採る。
【0046】
加熱要素115は、その長さに垂直な矩形の断面を有する。加熱要素115の奥行き又は厚さは、加熱要素115の他の寸法に比べて相対的に短い。したがって、加熱要素115の他の寸法に比べて相対的に長い奥行き又は厚さを有する加熱要素115と比べると、所与の変動磁場によって加熱要素115のより大きな割合を加熱可能にすることができる。したがって、材料をより効率的に使用することになる。それはコストを削減する。しかしながら、他の実施形態では、加熱要素115は、円形、楕円形、環状、星形、多角形、方形、三角形、X字形、又はT字形など、矩形以外の形状の断面を有することができる。この実施形態では、加熱要素115の断面は、加熱要素115の長さに沿って一定である。さらに、この実施形態では、加熱要素115は、平面状、又は実質的に平面状である。この実施形態の加熱要素115は、平坦な帯板と考えることができる。しかしながら、他の実施形態ではその限りではない。
【0047】
この実施形態では、コイル114は、加熱要素115の第2の部分115bと出口122との間に配置された加熱要素115の第1の部分115aのみを取り囲む。すなわち、コイル114は、加熱要素115の第2の部分115bを取り囲まない。磁場発生器112は、加熱要素115の第1の部分115aに侵入し、加熱要素115の第2の部分115bを避ける変動磁場を発生させるためのものである。すなわち、変動磁場は、加熱要素115の第2の部分115bに侵入しない。実際、この実施形態の装置100には、加熱要素115の第2の部分115bに侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない。加熱要素115の第2の部分115bは、使用時、もっぱら、加熱要素115の第1の部分115aからの熱伝導によってのみ加熱可能である。
【0048】
したがって、使用時に喫煙材を備えた物品が加熱領域111に配置されると、出口122に最も近い物品の部分が、加熱要素115の第1の部分115aから発する熱によって、まず加熱される。これは、物品のその部分の喫煙材の少なくとも1つの成分の揮発及びその中のエアロゾルの形成を開始させる。時間が経つと、加熱要素115の第2の部分115bの温度が、加熱要素115の第1の部分115aからの熱伝導によって上昇する。これによって、出口122から離れた物品の別の部分が、加熱要素115の第2の部分115bから発する熱によって加熱される。これは、物品の他の部分の喫煙材の少なくとも1つの成分の揮発及びその中のエアロゾルの形成を開始させる。したがって、物品が時間とともに漸進的に加熱され、したがって、物品の喫煙材が時間とともに漸進的に加熱される。これは、使用者が吸入するために、エアロゾルを比較的素早く形成して出口122に比較的近い物品の端部から放出することを可能にする助けとなり、経時的なエアロゾルの放出をさらに可能にし、その結果、物品の第1の部分の喫煙材がエアロゾルの生成を終えた後でさえ、エアロゾルを形成して放出し続ける。物品の第1の部分の喫煙材が喫煙材の揮発可能な成分を使い尽くした結果、このようにエアロゾルの生成が終わることができる。
【0049】
物品が加熱領域111に配置されると、加熱要素115は物品の喫煙材と熱接触する。物品が加熱領域111に配置されると、加熱要素115が物品の喫煙材と面接触することが好ましい。したがって、加熱材から喫煙材に熱を直接伝えることができる。他の実施形態では、加熱材は喫煙材と面接触しないようにしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、物品及び/又は加熱要素115は、加熱材がなく使用時に加熱材を物品の喫煙材から離間する熱伝導遮蔽物を備えることができる。いくつかの実施形態では、熱伝導遮蔽物は、加熱材のコーティングとすることができる。このような遮蔽物を設けると、熱を分散して加熱材の過熱点を緩和する助けとなる、又は加熱要素115を清掃する助けとなるのに有利となり得る。
【0050】
上記のように、加熱領域111は、第1の部分111a及び第2の部分111bを有する。加熱領域111の第1の部分111aは、使用時、磁場発生器112によって生成された変動磁場が侵入する部分である。一方、加熱領域111の第2の部分111bには、使用時、変動磁場が侵入しない。装置100には、加熱領域111の第2の部分111bに侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない。いくつかの場合、装置100とともに使用しようとする物品は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の加熱要素を備えてもよい。物品が加熱領域111に配置されると、物品の加熱要素の第1の部分が加熱領域111の第1の部分111aに配置され、物品の加熱要素の第2の部分が加熱領域111の第2の部分111bに配置されるように、加熱要素を物品に配置することができる。したがって、使用時、物品の加熱要素の第1の部分が誘導加熱されて物品の喫煙材の第1の部分を加熱し、物品の加熱要素の第2の部分が物品の加熱要素の第1の部分からの熱伝導によって加熱されて喫煙材の第2の部分を加熱する、上記と同様な漸進的な加熱効果を与えることができる。
【0051】
この実施形態では、コイル114は、加熱領域111の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在する。揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形では、揃えられた軸は互いに平行であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けてもよい。さらに、コイル114は、加熱要素115の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在する。他の実施形態では、コイル114及び加熱要素115の長手方向軸は、互いに平行にすることによって互いに揃えることができる、又は、互いに傾けることができる。この実施形態では、コイル114及び磁場発生器112の残りの部分は、加熱要素115及び加熱領域111に対して固定された位置にある。
【0052】
この実施形態では、コイル114に変動電流を流すためのデバイス116は、電源113とコイル114との間に電気的に接続される。この実施形態では、制御器117もまた、電源113に電気的に接続され、デバイス116に通信可能に接続されてデバイス116を制御する。より詳細には、この実施形態では、制御器117はデバイス116を制御して、電源113からコイル114への電力の供給を制御するためのものである。この実施形態では、制御器117は、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)上の集積回路(IC:integrated circuit)などのICを備える。他の実施形態では、制御器117は異なる形態を採ることができる。いくつかの実施形態では、本装置は、デバイス116及び制御器117を備える単一の電気又は電子構成部品を有することができる。この実施形態では、制御器117は、ユーザインターフェース118を使用者が操作することによって動作する。この実施形態では、ユーザインターフェース118は、本体110の外側に配置される。ユーザインターフェース118は、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを備えることができる。他の実施形態では、ユーザインターフェース118は遠隔にあって、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などによって装置の残りの部分に無線で接続することができる。
【0053】
この実施形態では、使用者がユーザインターフェース118を操作すると、制御器117は、デバイス116がコイル114に交流電流を流すようにさせ、コイル114に交流磁場が発生するようにさせる。装置100のコイル114及び加熱要素115は、コイル114によって生成された変動磁場が加熱要素115の加熱材に侵入するように適切な相対位置に配置される。加熱要素115の加熱材が導電性材料であるとき、これによって、加熱材に1つ以上の渦電流を生じさせることができる。渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して加熱材内を流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。この実施形態では、加熱材が磁性材料で作られているので、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。
【0054】
この実施形態では、磁場発生器112のコイル114のインピーダンスは、加熱要素115のインピーダンスと等しい、又は実質的に等しい。もしも、その代わりに、加熱要素115のインピーダンスがコイル114のインピーダンスよりも低い場合、使用時の加熱要素115の両端間に発生する電圧は、インピーダンスを一致させたときに加熱要素115の両端間に生成することができる電圧よりも低くなる可能性がある。或いは、その代わりに、加熱要素115のインピーダンスがコイル114のインピーダンスよりも高い場合、使用時の加熱要素115に発生する電流は、インピーダンスを一致させたときに加熱要素115に生成することができる電流よりも低くなる可能性がある。インピーダンスを一致させると、使用時、加熱要素115に発生する加熱電力を最大にするために電圧と電流とのバランスをとる助けとなり得る。いくつかの実施形態では、デバイス116のインピーダンスは、コイル114と加熱要素115の組み合わさったインピーダンスと等しくすることができる、又は実質的に等しくすることができる。
【0055】
この実施形態の装置100は、加熱領域111の温度を検知するための温度センサ119を備える。温度センサ119は、制御器117に通信可能に接続され、その結果、制御器117は加熱領域111の温度を監視することができる。制御器117は、加熱領域111の温度を所定の温度範囲内に確実に維持するために、温度センサ119から受信された1つ以上の信号に基づいて、必要に応じてコイル114に流す変動電流又は交流電流の特性をデバイス116に調節させることができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数又は負荷サイクルとすることができる。使用時、加熱領域111内に配置された物品内の喫煙材は、所定の温度範囲で、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるのに十分な加熱がなされる。したがって、制御器117、及び装置100は全体として、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するように構成される。いくつかの実施形態では、温度範囲は、約50℃〜約300℃、例えば、約50℃と約250℃との間、約50℃と約150℃との間、約50℃と約120℃との間、約50℃と約100℃との間、約50℃と約80℃との間、又は約60℃と約70℃との間である。いくつかの実施形態では、温度範囲は約170℃と約220℃との間である。他の実施形態では、温度範囲は、この範囲以外であってもよい。いくつかの実施形態では、温度範囲の上限は300℃よりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、温度センサ119を省略することができる。いくつかの実施形態では、加熱材は、加熱材を加熱しようとする最高温度に基づいて選択されたキュリー点温度を有することができ、その結果、加熱材を誘導加熱することによってその温度より高くさらに加熱することを妨げる又は防ぐ。
【0056】
図2を参照すると、本発明の実施形態による別の装置の例の概略断面図が示されている。図2の装置200は、装置の加熱要素の形態を除けば、図1の装置100と同一である。したがって、簡潔にするために、2つの実施形態に共通の特徴を再び詳細には説明しない。図1の装置100に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、図2の装置200に対してなされて個別の各実施形態を形成することができる。
【0057】
上記のように、図1の装置100では、加熱要素115は加熱領域111内に突出している。対照的に、図2の装置200では、加熱材の加熱要素130は加熱領域111の周りに延在する。したがって、図1の実施形態では、加熱領域111及び使用時にその中にある任意の物品は、中央から外向きに加熱されるが、図2の実施形態では、加熱領域111及び使用時にその中にある任意の物品は外側から内向きに加熱される。
【0058】
加熱要素130は、加熱領域111を取り囲む管状の加熱要素130である。しかしながら、他の実施形態では、加熱要素130は完全な管状でなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素130は、加熱要素130に形成された軸方向に延在する隙間又は切れ目以外を管状としてもよい。加熱要素130は実質的に円形断面を有している。しかしながら、他の実施形態では、加熱要素は、方形、矩形、多角形、又は楕円形などの円形以外の断面を有してもよい。加熱要素130は、加熱領域111の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在する。この実施形態では、揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形では、揃えられた軸は互いに平行であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けてもよい。
【0059】
この実施形態では、加熱領域111は、加熱要素130によって部分的に画定されている。すなわち、加熱要素130は、加熱領域111の輪郭又は範囲を部分的に定めている。喫煙材を含む物品が加熱領域111に配置されると、加熱要素130は物品と熱接触する。喫煙材を含む物品が加熱領域111に配置されると、加熱要素130が物品と面接触することが好ましい。したがって、加熱材から物品に熱を直接伝えることができる。他の実施形態では、加熱材は物品と直接面接触しなくてもよい。これを達成することができる方法の例、及びそうすることによって得ることができる利点は上記で説明したことに該当する。
【0060】
図1の実施形態の加熱要素115と同様に、図2の実施形態の加熱要素130は、第1の部分130a及び第2の部分130bを有する。加熱要素130の第1の部分130aは、加熱要素130の第2の部分130bと出口122との間に配置される。コイル114は、加熱要素130の第1の部分130aのみを取り囲む。すなわち、コイル114は、加熱要素130の第2の部分130bを取り囲まない。磁場発生器112は、加熱要素130の第1の部分130aに侵入し、加熱要素130の第2の部分130bを避ける変動磁場を発生させるためのものである。すなわち、変動磁場は、加熱要素130の第2の部分130bに侵入しない。図1の実施形態と同様に、この実施形態の装置200には、加熱要素130の第2の部分130bに侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない。加熱要素130の第2の部分130bは、使用時、もっぱら、加熱要素130の第1の部分130aからの熱伝導によってのみ加熱可能である。これは、上記と同様の態様で、時間とともに物品を漸進的に加熱し、したがって物品の喫煙材を漸進的に加熱する助けとなる。
【0061】
この実施形態の変形では、装置は、加熱領域111の周りに少なくとも部分的に延在する加熱要素130、及び図1の実施形態の加熱要素115と同様の、加熱領域111内に突出する別の加熱要素の両方を備えてもよい。このような実施形態は、使用時、加熱領域111及びその中の任意の物品を中央及び外側の両方から加熱する助けとなり得る。
【0062】
上記の実施形態の各々において、加熱要素115、130の第1の部分115a、130aは、加熱要素115、130の第2の部分115b、130bより小さい又は短い。他の実施形態ではその限りではない。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素115、130の第1の部分115a、130aと第2の部分115b、130bは実質的に等しい大きさであってもよい。当業者であれば、所望のレベルで物品及び物品の喫煙材を漸進的に加熱することができる加熱要素115、130の第1の部分115a、130aと第2の部分115b、130bの適切な相対的な大きさを決定することができるであろう。
【0063】
図3を参照すると、本発明の実施形態による別の装置の例の概略断面図が示されている。図3の装置300は、図3の装置300が磁場発生器112によって生成された変動磁場が侵入する加熱要素を有しないことを除けば、図1の装置100と同一である。したがって、簡潔にするために、2つの実施形態に共通の特徴を再び詳細には説明しない。図1の装置100に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、図3の装置300に対してなされて個別の各実施形態を形成することができる。
【0064】
図1を参照して上記で説明したように、加熱領域111は第1の部分111a及び第2の部分111bを備え、これらは、加熱領域111の第1の部分111aが、加熱領域111の第2の部分111bと出口122との間に配置されるように相対的に配置される。加熱領域111及び装置300は全体として、この場合もまた、吸い口120が装置300の本体110から係合を解除されているとき、物品が加熱領域111の第1の部分111aを通って加熱領域111の第2の部分111bの中に挿入可能となるように構成される。
【0065】
この実施形態では、加熱領域111の第1の部分111aは、この場合もまた、使用時、磁場発生器112によって生成された変動磁場が侵入する部分である。一方、加熱領域111の第2の部分111bには、使用時、変動磁場が侵入しない。すなわち、変動磁場は、加熱領域111の第2の部分111bを避ける。装置300には、加熱領域111の第2の部分111bに侵入する変動磁場を発生させるいかなる磁場発生器もない。図4を参照して下記で説明するように、装置300とともに使用しようとする物品は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の加熱要素を備えてもよい。物品が加熱領域111に配置されると、物品の加熱要素の第1の部分が加熱領域111の第1の部分111aに配置され、物品の加熱要素の第2の部分が加熱領域111の第2の部分111bに配置されるように、加熱要素を物品に配置することができる。したがって、使用時、物品の加熱要素の第1の部分が誘導加熱され、物品の加熱要素の第2の部分が物品の加熱要素の第1の部分からの熱伝導によって加熱される、上記と同様な漸進的な加熱効果を与えることができる。
【0066】
加熱要素115、130の第1の部分115a、130aと第2の部分115b、130bの相対的な大きさに関する上記の説明と同様に、この実施形態では、加熱領域111の第1の部分111aは、加熱領域111の第2の部分111bより小さい又は短い。しかしながら、他の実施形態ではその限りではない。例えば、いくつかの実施形態では、加熱領域111の第1の部分111aと第2の部分111bは実質的に等しい大きさであってもよい。この場合もまた、当業者であれば、使用時、物品の加熱要素及び物品の喫煙材を望むように漸進的に加熱することができる加熱領域111の第1の部分111aと第2の部分111bの適切な相対的な大きさを決定することができるであろう。
【0067】
図4を参照すると、本発明の実施形態によるシステムの例の概略断面図が示されている。システム3000は、図3の装置300、並びに喫煙材32と、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の加熱要素34と、カバー36とを備えた物品30を備える。したがって、簡潔にするために、装置300を再び詳細には説明しない。図3の装置300に対して本書で説明した可能な変形のいずれも、図4のシステム3000の装置300に対してなされて個別のシステムの各実施形態を形成することができる。
【0068】
カバー36は喫煙材32を取り囲む。カバー36は、物品30の輸送中及び使用中に喫煙材32が損傷しないように保護する助けとなる。使用中、カバー36はまた、空気の流れが喫煙材32に入ってそれを通るように導く助けとなり得、蒸気又はエアロゾルの流れが喫煙材32を通ってそれを出るように導く助けとなり得る。
【0069】
この実施形態では、カバー36はラッパーを備え、ラッパーは、その自由端が互いに重なるように喫煙材32の周りに巻かれる。したがって、ラッパーは、物品30の周方向の外面のすべて又は大部分を形成する。ラッパーは、紙、再生タバコなどの再生喫煙材などから形成することができる。この実施形態のカバー36はまた、ラッパーの重ねられた自由端を互いにくっつける接着剤(図示せず)を備える。接着剤は、例えば、アラビアゴム、天然樹脂又は合成樹脂、でんぷん、及びニスのうちの1つ以上を含むことができる。接着剤は、ラッパーの重ねられた自由端が離れるのを防ぐ助けとなる。
【0070】
カバー36は、物品30の外面を画定し、使用時、装置と接触することができる。この実施形態では、物品30は、実質的に円形の断面を有する細長い円筒状である。しかしながら、他の実施形態では、物品30は、円形以外の断面を有してもよく、及び/又は細長くなくてもよく、及び/又は円筒状でなくてもよい。この実施形態では、物品30は、紙巻タバコに近い大きさを有する。
【0071】
この実施形態では、喫煙材32は管の形態をしている。この管は実質的に円形断面を有している。喫煙材32は、物品30の一端から物品30の反対側の端部まで延在する。したがって、使用時、空気は、物品30の一端で喫煙材32内に引き込むことができ、その空気は、喫煙材32を通過して、喫煙材32から放出された揮発成分を受け取ることができ、次いで、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態の揮発成分は、物品30の反対側の端部で喫煙材32から引き出すことができる。物品30が細長いこの実施形態では、喫煙材32がその間を延在する物品30のこれらの端部は、物品30の長手方向の両端である。しかしながら、他の実施形態では、これらの端部は、物品の任意の2つの反対側にある端部又は側など、物品の任意の2つの端部又は側であってもよい。
【0072】
加熱要素34は喫煙材32と熱接触している。したがって、加熱要素34は、使用時、喫煙材32を加熱するために加熱可能である。この実施形態では、喫煙材32は、加熱要素34と面接触している。これは、喫煙材32を加熱要素34に接着することによって達成される。しかしながら、他の実施形態では、この固定は接着以外によるものでもよい。いくつかの実施形態では、喫煙材32は、このように加熱要素34に固定されなくてもよい。
【0073】
加熱要素34は細長く、喫煙材32の一端から喫煙材32の反対側の端部まで延在する。これは、使用時、喫煙材32をより完全に加熱する助けとなり得る。しかしながら、他の実施形態では、加熱要素34は、喫煙材32の両端のいずれにも延在しなくてもよく、又は、喫煙材32の端部の一方までのみ延在し、喫煙材32の端部の他方からは離間してもよい。
【0074】
加熱要素34は、物品30の一端から物品30の反対側の端部まで延在する。これは、物品30の製造の助けになり得る。しかしながら、他の実施形態では、加熱要素34は、物品30の両端のいずれにも延在しなくてもよく、又は、物品30の端部の一方までのみ延在し、物品30の端部の他方からは離間してもよい。
【0075】
この実施形態では、加熱要素34は、物品30の長手方向軸と実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在する。これは、物品30の製造の助けになり得る。この実施形態では、揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形では、揃えられた軸は互いに平行であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けてもよい。
【0076】
この実施形態では、加熱要素34は喫煙材32によって取り囲まれる。すなわち、喫煙材32は加熱要素34の周りに延在する。加熱要素34が喫煙材32の両端のいずれにも延在しない実施形態では、喫煙材32は、加熱要素34の周りに延在し、加熱要素34の端部を覆うこともでき、その結果、加熱要素34は喫煙材32によって取り囲まれる。
【0077】
この実施形態では、加熱要素34は空気又は揮発材に対して透過性がなく、実質的に切れ目がない。したがって、加熱要素34は比較的容易に製造することができる。しかしながら、この実施形態の変形では、加熱要素34は、空気に対して透過性があってもよく、及び/又は、喫煙材32が加熱されたときに生成される揮発材に対して透過性があってもよい。加熱要素34にこのような透過性があると、空気が物品30を通過して、喫煙材32が加熱されたときに生成される揮発材を受け取る助けとなり得る。
【0078】
加熱要素34は、その長さに垂直な矩形、又は実質的に矩形の断面を有する。加熱要素34は、2つの副面によって接合された反対側を向いた2つの主面を有する。したがって、加熱要素34の奥行き又は厚さは、加熱要素34の他の寸法に比べると比較的短い。しかしながら、他の実施形態では、加熱要素34は、円形、楕円形、環状、多角形、方形、三角形、星形、放射状フィン形、X字形、T字形、中空、又は孔開きなど、矩形以外の形状の断面を有することができる。
【0079】
この実施形態では、加熱要素34の断面は、加熱要素34の長さに沿って一定である。さらに、この実施形態では、加熱要素34は、平面状、又は実質的に平面状である。この実施形態の加熱要素34は、平坦な帯板又はリボンと考えることができる。しかしながら、他の実施形態ではその限りではない。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素34は中空、又は孔が空いていてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、加熱要素34は平面状でなくともよい。例えば、加熱要素34は、波状の経路又は波打った経路を辿ってもよく、ねじれていてもよく、ひだ状、螺旋状、渦巻状であってもよく、上に突起を有する、及び/又は中にぎざぎざを有する板又は片又はリボンを備えてもよく、網目を備えてもよく、展伸金属を備えてもよく、又は不均一で平面状でない形状を有してもよい。このような平面状でない形状は、空気が物品を通過して、喫煙材32が加熱されたときに生成される揮発材を受け取る助けとなり得る。平面状でない形状によって、空気は曲がりくねった経路を辿り、空気に乱流が生じ、加熱材から喫煙材32への熱伝達がより良くなり得る。平面状でない形状によって、また、加熱要素34の単位長さ当たりの加熱要素34の表面積を大きくすることもできる。これは、加熱要素34のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材32の加熱を増大させる、又は改善することができる。
【0081】
この実施形態では、物品30は、吸い口120が装置300の本体110から係合を解除されているとき、加熱領域111内に挿入可能である。より詳細には、吸い口120が本体110から係合を解除されているとき、物品30は加熱領域111の第1の部分111aを通って加熱領域111の第2の部分111bの中に挿入可能である。物品30が加熱領域111に配置されると、物品30の加熱要素34の第1の部分34aが加熱領域111の第1の部分111aに配置され、物品30の加熱要素34の第2の部分34bが加熱領域111の第2の部分111bに配置される。したがって、使用時、加熱領域111の第1の部分111aに侵入する、磁場発生器112によって生成された変動磁場はまた、加熱要素34の第1の部分34aに侵入する。しかしながら、変動磁場は、加熱要素34の第2の部分34bに侵入しない。したがって、上記と同様な漸進的な加熱効果を与えることができる。すなわち、使用時、物品30の加熱要素34の第1の部分34aは誘導加熱され、物品30の加熱要素34の第2の部分34bは物品30の加熱要素34の第1の部分34aからの熱伝導によって加熱される。これは、使用者が吸入するために、エアロゾルを比較的素早く形成して出口122に比較的近い喫煙材32から放出することを可能にする助けとなり、経時的なエアロゾルの放出をさらに可能にし、その結果、喫煙材32のその部分がエアロゾルの生成を終えた後でさえ、エアロゾルを形成して放出し続ける。
【0082】
図5を参照すると、本発明の実施形態による、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱する方法の例を示すフロー図が示されている。
【0083】
方法500は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱要素を用意するステップ501を含む。加熱要素は、図1及び2を参照して上記で説明した加熱要素115、130など、例えば、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための装置の加熱要素とすることができる。或いは、加熱要素は、図4を参照して上記で説明した加熱要素34など、例えば、喫煙材を備えた物品の加熱要素とすることができる。
【0084】
本方法はまた、加熱要素と熱接触する喫煙材を用意するステップ502を含む。喫煙材は、物品内に備えることができ、例えば、図4に示されている。図4の場合のように、加熱要素もまた物品の一部分である結果、喫煙材は加熱要素と熱接触することができる。或いは、図1及び2の場合のように、加熱要素を備えた装置の加熱領域内に喫煙材を挿入する結果、喫煙材は加熱要素と熱接触するように配置することができる。
【0085】
本方法は、加熱要素の第2の部分を避ける変動磁場を加熱要素の第1の部分に侵入させるステップ503であり、以て、加熱要素の第1の部分及び喫煙材の第1の部分を加熱する、ステップ503をさらに含む。本方法は、変動磁場を加熱要素の第2の部分に侵入させるいかなるステップも含まなくてもよい。
【0086】
本方法はまた、加熱要素の第1の部分からの熱伝導によって加熱要素の第2の部分を加熱するステップ504であり、以て、喫煙材の第2の部分を加熱する、ステップ504を含む。このような熱伝導の例は上記で説明されている。この加熱するステップ504は、もっぱら、加熱要素の第1の部分からの熱伝導によってのみ加熱要素の第2の部分を加熱するステップを含んでもよい。喫煙材の加熱は、例えば、喫煙材を燃焼させることなく喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させることとすることができる。
【0087】
上記の実施形態の各々において、加熱材は鋼である。しかしながら、他の実施形態では、加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、加熱材は金属又は金属合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。他の(1つ以上の)加熱材は、他の実施形態で使用することができる。加熱材として磁性導電性材料を用いると、使用時、磁性導電性材料と装置の電磁石との磁気結合を強くすることができることが分かっている。これは、磁気ヒステリシス加熱を潜在的に可能にすることに加えて、加熱材のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材の加熱を増大させる、又は改善することができる。
【0088】
加熱材は、誘導電流及び/又は磁気双極子の誘導再配向のほとんどが生じる外側の領域である表皮深さを有することができる。加熱材の厚さを相対的に薄くすることによって、加熱材の他の寸法に比べて相対的に長い奥行き又は厚さを有する加熱材と比べると、所与の変動磁場によって加熱材のより大きな割合を加熱可能にすることができる。したがって、材料をより効率的に使用することになり、それはコストを削減する。
【0089】
いくつかの実施形態では、加熱要素115、130の第1の部分は第1の材料から作ることができ、加熱要素115、130の第2の部分は第1の材料とは異なる第2の材料から作ることができる。例えば、加熱要素115、130の第1の部分115a、130aは第1の材料から作ることができ、加熱要素115、130の第2の部分115b、130bは第2の材料から作ることができる。第1の材料は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材とすることができる。このような加熱材の例は上記で説明されている。第2の材料は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材であってもよいし、又はそうでなくてもよい。しかしながら、第2の材料は、使用時、加熱要素115、130の第1の部分115a、130aからの熱を伝えるように熱伝導性にすべきである。
【0090】
上記の実施形態の各々において、喫煙材はタバコを含んでいる。しかしながら、これらの実施形態の各々に対する各変形例では、喫煙材は、タバコのみからなるものであってもよいし、ほぼ全体がタバコのみからなるものであってもよいし、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むものであってもよいし、タバコ以外の喫煙材を含むものであってもよいし、タバコを含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、喫煙材は、蒸気又はエアロゾルの形成剤や、保湿剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール)を含んでいてもよい。
【0091】
上記の実施形態の各々において、喫煙材は非液体の喫煙材であり、装置は、非液体の喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するためのものである。他の実施形態では、そうでないこともあり得る。
【0092】
上記の実施形態の各々において、物品30は消耗品である。物品30内の喫煙材32の(1つ以上の)揮発可能な成分のすべて又は実質的にすべてが消費されると、使用者は、装置100、200、300から物品30を取り外して、物品30を処分することができる。使用者は、引き続き、物品30の別のもので装置100、200、300を再使用することができる。しかしながら、他の各実施形態では、物品は消耗品でないものとすることができ、喫煙材の(1つ以上の)揮発可能な成分が消費されると、装置と物品とを一緒に処分することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、装置100、200、300は、装置100、200、300とともに使用可能な物品30とは別個に販売され、供給され、又はその他の方法により提供される。しかしながら、いくつかの実施形態では、装置100、200、300及び1つ以上の物品30を、キットや組立体などのシステムとして、場合によっては清掃器具などの追加の構成要素とともに一緒に提供してもよい。
【0094】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示はその全体にわたって様々な実施形態を例証及び例示によって示している。これらの実施形態において、特許請求された発明を実施することが可能である。これらの実施形態は、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱するための優れた装置と、そのような装置とそのような物品とを備えた優れたシステムと、喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように喫煙材を加熱する優れた方法とを提供する。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうち代表的な例のものにすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求の範囲などに開示される特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、或いは特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、開示された要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備え、それらのみから構成され、或いは実質的にそれらから構成されてもよい。本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
図1
図2
図3
図4
図5