特許第6933664号(P6933664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6933664ノズルヒータデバイスを有する分配ヘッド、システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6933664
(24)【登録日】2021年8月23日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】ノズルヒータデバイスを有する分配ヘッド、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20210826BHJP
【FI】
   H05K13/04 A
【請求項の数】20
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-556854(P2018-556854)
(86)(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公表番号】特表2019-520698(P2019-520698A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】US2017033227
(87)【国際公開番号】WO2017205167
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2020年4月27日
(31)【優先権主張番号】62/342,714
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598031475
【氏名又は名称】ユニバーサル インスツルメンツ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSAL INSTRUMENTS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ギースケス コエンラード アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】カストロ フィリップ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オライリー ケヴィン ジェームズ
【審査官】 松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−036293(JP,A)
【文献】 特開2005−019956(JP,A)
【文献】 特開2009−178639(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/046991(WO,A1)
【文献】 特開平09−018191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
H05K 3/32−3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配ヘッドであって、
垂直方向の移動のために構成された第1スピンドルと、
前記スピンドルに動作可能に取り付けられた第1ノズルと、
前記分配ヘッドに取り外し可能に取り付け可能なヒータデバイスであって、
熱源と、
前記第1スピンドルを受け入れるように構成された開口部とを含み、前記熱源は、前記第1スピンドルが前記第1ノズルに熱を伝導して前記第1ノズルを周囲温度よりも高温に加熱するように、前記第1スピンドルを加熱するように構成される、ヒータデバイスと、
を含む分配ヘッド。
【請求項2】
前記分配ヘッドは、前記第1スピンドルを取り囲むヒータアセンブリを含む、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項3】
前記第1スピンドルは、前記熱源が前記第1ノズルを加熱する間に360°完全に回転するように構成される、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項4】
垂直方向の移動のために構成された第2スピンドルと、前記第2スピンドルに動作可能に取り付けられた第2ノズルとをさらに含み、前記ヒータデバイスは、前記第2スピンドルを受け入れるように構成された第2開口部を含み、前記熱源は、前記第2スピンドルが前記第2ノズルに熱を伝導するように、前記第2スピンドルを加熱するように構成される、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項5】
前記熱源は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルにわたり均一な温度プロファイルを提供するように構成される、請求項4に記載の分配ヘッド。
【請求項6】
前記熱源は、加熱要素とヒートシンクとを含む、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項7】
前記ヒータデバイスは、加熱チャンバを含む絶縁ハウジングを含み、前記第1スピンドルは前記絶縁ハウジング内に位置し、記第1ノズルは前記絶縁ハウジングの外部に位置する、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項8】
前記第1ノズルは、前記第1ノズルが電子コンポーネントをピックまたは配置していないときに前記熱源に接近して移動し、加熱されるように構成される、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項9】
前記ヒータデバイスは、絶縁材料で作製される前記第1スピンドルを取り囲む外側ハウジングを含み、前記第1スピンドルを加熱するように構成された前記外側ハウジング内にヒートシンクプレートが位置する、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項10】
前記ヒータデバイスは、前記第1スピンドルによるピッキングおよびプレーシング中に、前記分配ヘッドのメインボディに対して静止したままである、請求項1に記載の分配ヘッド。
【請求項11】
分配ヘッドであって、
垂直方向の移動のために構成されたスピンドルと、
前記スピンドルに動作可能に取り付けられたノズルと、
前記分配ヘッドに搭載可能なヒータデバイスであって、
熱源と、
前記スピンドルを受け入れるように構成された開口部とを含み、前記熱源は、前記スピンドルが前記ノズルに熱を伝導して前記ノズルを周囲温度よりも高温に加熱するように、対流、伝導、および放射のうちの少なくとも1つにより前記スピンドルを加熱するように構成される、ヒータデバイスと、
を含む分配ヘッドと、
前記分配ヘッドを移動させるように構成されたポジショニングシステムと、
を含む、組立システムであって、
前記分配ヘッドは、未完成の製品を少なくとも部分的に組み立てるように構成される、
組立システム。
【請求項12】
ノズルを加熱する方法であって、
垂直方向の移動のために構成された第1スピンドルと、
前記第1スピンドルに動作可能に取り付けられた第1ノズルと、
を含む分配ヘッドを提供するステップと、
熱源と、
開口部と、
を含むヒータデバイスを前記分配ヘッドに取り付けるステップと、
前記第1スピンドルを前記開口部により受け入れるステップと、
前記第1スピンドルが前記第1ノズルに熱を伝導して前記第1ノズルを周囲温度よりも高温に加熱するように、前記熱源を用いて前記第1スピンドルを周囲温度よりも高温に加熱するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記ヒータデバイスは、前記第1スピンドルを取り囲むヒータアセンブリをさらに含み、前記方法は、対流、伝導、および放射のうちの少なくとも1つを通じて前記第1スピンドルに熱を伝達するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱源が前記第1スピンドルおよび前記第1ノズルを加熱する間に前記第1スピンドルを360°完全に回転させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記分配ヘッドは、垂直方向の移動のために構成された第2スピンドルと、前記第2スピンドルに動作可能に取り付けられた第2ノズルとをさらに含み、前記ヒータデバイスは第2開口部を含み、前記方法は、
前記第2スピンドルを前記第2開口部に受け入れるステップと、
前記第2スピンドルが前記第2ノズルに熱を伝導して前記第2ノズルを周囲温度よりも高温に加熱するように、前記熱源を用いて前記第2スピンドルを前記周囲温度よりも高温に加熱するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記熱源により、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルにわたり均一な温度プロファイルを提供するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記加熱は、前記ヒータデバイス内の加熱チャンバを形成する絶縁ハウジング内で生じ、前記第1スピンドルは前記絶縁ハウジング内に位置し、記第1ノズルは前記絶縁ハウジングの外部に位置する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1ノズルが電子コンポーネントを搬送していないときに、前記第1ノズルを前記熱源に接近して移動させるステップと、前記第1ノズルを前記熱源を用いて加熱するステップとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒータデバイスは、絶縁材料で作製される前記第1スピンドルを取り囲む外側ハウジングを含み、前記第1スピンドルを加熱するように構成された前記外側ハウジング内にヒートシンクプレートが位置する、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記第1スピンドルを前記分配ヘッドのメインボディに対して移動させるステップと、
前記第1スピンドルの前記移動中に前記ヒータデバイスを前記分配ヘッドの前記メインボディに対して静止位置に維持するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ピック&プレースサイクル中のコンポーネントの加熱に関する。より詳細には、本発明は、ノズルからの熱がノズルにより保持されたコンポーネントに伝達されるような分配ヘッド上のノズルの加熱、ならびにノズルを加熱するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の電子アセンブリ配置プロセスにおいては、加熱ノズルを使用する必要があることが多い。この必要性は、配置されるべき部品が薄いかまたは熱的に不安定であるために(例えば部品と基板との間で接着剤を硬化させるかまたははんだを溶融させるために)オーブン内で加熱されると部品が湾曲または移動してしまう場合に生じることが多い。
【0003】
従来、周囲温度よりもかなり高い温度を達成する加熱ノズルを有するピック&プレースシステムは、ワイヤで支持された内蔵加熱要素を含む。ノズルは通常、垂直(Z)および回転(θ)運動の両方を提供するスピンドルに取り付けられる。したがって、加熱要素のためのワイヤを管理することにより垂直運動が制約され、360°の完全な回転の可能性が排除される。
【0004】
最新式の加熱ノズルを備えたピック&プレースシステムでは、ノズルの制限された上/下および回転運動を提供するケーブルにより電力がノズル先端にもたらされる。あるいは、ノズルの制限された上/下および自由回転を可能にするためにスリップリングユニットと組み合わせてケーブルにより電力がノズル先端にもたらされてもよい。これらのノズルでは、ノズル先端に対して良好な導電接続に置かれた抵抗加熱要素の使用により、電力が制御された熱に変換される。
【0005】
フレキシブルケーブルおよびスリップリングコンタクトは、特にマルチスピンドル構成においては高価であり、パッケージングが煩雑である。ノズルへのケーブルの接続には欠点がある。第1の欠点は、ケーブルがいかにフレキシブルであってもノズルの角度およびZストロークの長さによってノズルに異なる力を加えることである。ほとんどの電子アセンブリで要求される精度レベルでは、これらの力は最適でない配置につながる。ケーブル接続のもう1つの欠点は、機械コントローラがZおよびθの限界内に留まる必要があり、これが最大速度のキャリブレーションおよび最適化に影響しうることである。
【0006】
したがって、加熱ノズルを有する改良された分配ヘッド、システムおよびその使用方法は当技術分野において歓迎されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、分配ヘッドは、垂直方向の移動のために構成された第1スピンドルと、スピンドルに動作可能に取り付けられた第1ノズルと、分配ヘッドに取り外し可能に取り付け可能なヒータデバイスであって、熱源と、第1ノズルを受け入れるように構成された開口部とを含み、熱源は、第1ノズルを周囲温度より高温に加熱するように構成される、ヒータデバイスとを含む。
【0008】
別の態様によれば、組立システムは、垂直方向の移動のために構成されたスピンドルと、スピンドルに動作可能に取り付けられたノズルと、分配ヘッドに搭載可能なヒータデバイスであって、熱源と、スピンドルを受け入れるように構成された開口部とを含み、熱源は、対流、伝導、および放射のうちの少なくとも1つによりスピンドルを加熱するように構成される、ヒータデバイスとを含む分配ヘッドと、分配ヘッドヘッドを移動させるように構成されたポジショニングシステムとを含み、分配ヘッドは、未完成の製品を少なくとも部分的に組み立てるように構成される。
【0009】
別の態様によれば、ノズルを加熱する方法は、垂直方向の移動のために構成された第1スピンドルと、スピンドルに動作可能に取り付けられた第1ノズルとを含む分配ヘッドを提供するステップと、ヒータデバイスを分配ヘッドに取り付けるステップであって、ヒータデバイスは、熱源と、開口部とを含む、ステップと、第1スピンドルと第1ノズルとを開口部により受け入れるステップと、第1スピンドルおよび第1ノズルを熱源を用いて周囲温度より高温に加熱するステップとを含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態が、以下の図面を参照して詳細に説明され、同様の名称は同様の部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態によるヒータデバイスの分解図である。
図2】一実施形態による図1のヒータデバイスの斜視図である。
図3】一実施形態による分配ヘッドに搭載された図1図2のヒータデバイスの斜視図である。
図4】一実施形態による図3の分配ヘッドに搭載された図1図2のヒータデバイスの断面図である。
図5】一実施形態による加熱ノズルの分解図である。
図6】一実施形態による図5の加熱ノズルの斜視図である。
図7】一実施形態による7スピンドル分配ヘッドの切欠き側面図である。
図8】一実施形態による4スピンドル分配ヘッドの切欠き側面図である。
図9】一実施形態によるノズルを加熱する方法を示す図である。
図10】一実施形態による別のヒータデバイスの斜視図である。
図11】一実施形態による分配ヘッドに搭載された図10のヒータデバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
開示された装置および方法の以下に記載される実施形態の詳細な説明は、図面を参照して限定ではなく例示を目的として本明細書に提示されるものである。
【0013】
図1図4を参照すると、ヒータデバイス10が示されている。図3および図4は、分配ヘッド100に取り付けられたヒータデバイス10を示す。分配ヘッド100は、分配ヘッド100を移動させるように構成されうるポジショニングシステム140を含む組立機130に取り付けられうる。例えばポジショニングシステム140は、ロボットアーム、ガントリロボットなどであってもよい。組立機130は、半導体デバイスまたはチップのための表面実装機、ピック&プレース機、自動化機、パッケージング機などであってもよい。
【0014】
ヒータデバイス10は、ボトムカバー12、ヒータブロック14a、14b、14c、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16f、ケース18に加え、マウント部20を含む。ボトムカバー12に開口部22a、22b、22cが示される。同様に、各ヒータブロック14a、14b、14cに開口部24a、24b、24cがそれぞれ示される。さらに、ケース18に開口部26a、26b、26cが示される。図示の実施形態では、開口部22a、24a、26aは、第1ノズル28aおよび/または第1スピンドル30aを受け入れるように構成される。同様に、開口部22b、24b、26bは、第2ノズル28bおよび/または第2スピンドル30bを受け入れるように構成される。開口部22c、24c、26cは、第3ノズル28cおよび/または第3スピンドル30cを受け入れるように構成される。図示のように、ノズル28a、28b、28cは、スピンドル30a、30b、30cにそれぞれ動作可能に取り付けられうる。さらに、スピンドル30a、30b、30cは、分配ヘッド100のメインボディ110に対して垂直方向Vの移動のために構成されうる。
【0015】
ヒータデバイス10は、分配ヘッド100に取り外し可能に取り付け可能でありうる。ヒータデバイス10が分配ヘッド100に取り付けられ、ノズル28a、28b、28cおよび/またはスピンドル30a、30b、30cが開口部22a、22b、22cにより受け入れられると、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fおよびヒータブロック14a、14b、14cが、第1ノズル28a、第2ノズル28bおよび第3ノズル28cの各々にそれぞれ熱を加えるように構成される。これは、第1ノズル28a、第2ノズル28b、および第3ノズル28cの温度を周囲温度よりも高温に上昇させうる。示された実施形態は、3つのスピンドルおよびノズルの組み合わせのために構成される。しかし、ヒータデバイス10の幅を広げるかまたは狭めることにより、必要に応じて3セットより多いかまたは少ないコンポーネントが提供されてもよい。
【0016】
ヒータデバイス10のボトムカバー12は、絶縁材料から作製されうる。一実施形態では、Garolite、例えばGarolite G7が使用されうる。PeekまたはCelazole等の他の絶縁材料も考えられる。対応するネジ32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32hを収容する複数のネジ開口部30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30hを含むボトムカバー12が示されている。ネジ32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32hは、ボトムカバー12をケース18に取り付けるように構成されうる。追加の構造的支持が必要と判断される場合には、ヒータブロック14a、14b、14cのボトムカバー12に対する取り付けを促進するための追加の開口部(図示せず)も考えられる。ボトムカバー12に示された開口部22a、22b、22cは、ボトムカバー12の形成または製作中にボトムカバー12から切断または穿孔されうる。開口部22a、22b、22cは、図の実施形態ではノズル28a、28b、28cおよびスピンドル30a、30b、30cの寸法に対応する寸法を有する円として示される。したがって、ヒータデバイス10内から外部への空気流を減少させ、これによりエネルギーを節約するために、開口部22a、22b、22cはノズル28a、28b、28cおよびスピンドル30a、30b、30cよりも僅かに大きいが近いサイズである。他の実施形態では、異なる寸法のノズルおよび/またはスピンドルが提供される場合には異なる寸法の開口部が考えられる。開口部22a、22b、22cは、卵形、楕円形、四角形などの異なる形状で寸法決めされてもよい。
【0017】
ヒータデバイス10のケース18も、Garollite G7等の絶縁材料から作製されてもよい。ケース18は、ボトムカバー12に関して本明細書に上述したものと同じ材料で作製されうる。一部の実施形態では、ケース18がカバー12とは異なる材料で作製されることが有利でありうる。例えばPeekまたはCelazoleが考えられる。ケース18は、ヒータブロック14a、14b、14cを収容するように構成された内部中空チャンバ35を含みうる。ケース18の開口部26a、26b、26cは、ボトムカバー12の開口部22a、22b、22cと同様の寸法にされうる。ケース18の開口部26a、26b、26cは、ボトムカバー12の開口部22a、22b、22cと全く同じ寸法であってもよい。ケース18は、ヒータブロック14a、14b、14cからの熱を保持して熱エネルギーを保存し、中空チャンバ35内に高温を効率的に維持するように構成されうる。
【0018】
ケース18の底面34は、ボトムカバー12をケース18に取り付けるためにネジ32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32hを受け入れる開口部(図示せず)を含みうる。開口部36は、ネジ38を受け入れるようにさらに構成されうる。開口部36は、ヒータブロック14a、14b、14cをケース18に取り付けるためにネジ38の端を受け入れるため螺合されうる。ケース18は、マウント部20をケース18に取り付けるためのネジ39のための開口部37をさらに含みうる。
【0019】
ケース18は、面取り縁40をさらに含みうる。ヒータデバイス10が分配ヘッド100に取り付けられたときには、面取り縁40は、移動するスピンドル30a、30b、30cに圧縮空気および真空を提供するように構成されたライン120a、120b、120cに接近しうる。面取り縁40は、分配ヘッド100が移動する結果としてライン120a、120b、120cの弛緩が増加したときにライン120a、120b、120cがヒータデバイス10およびケース18に接触しないようにクリアランスを提供するように構成されうる。
【0020】
マウント部20は、ケース18に取り付けられうる。マウント部20は、ヒータデバイス10が分配ヘッド100に取り付け可能および取り外し可能であることを可能または容易にするように構成されうる。ヒータデバイス10は、ノズルに熱を提供するために分配ヘッド100を適合させるためのアダプタでありうる。マウント部20は、分配ヘッド100のマウント部150を受け入れるように構成されたチャネル42を含みうる。チャネル42は、分配ヘッド100のマウント部150を受け入れるように寸法が合わせられうる。フィッティング44a、44b、44cは、マウント部20を分配ヘッド100に固定するためにマウント部20の開口部46に挿入可能でありうる。マウント部20は、マウント部20の分配ヘッド100への取り付けを容易にするためまたは取り付けのためのクランプ48およびネジ50をさらに含みうる。マウント部20は、マウント部20の分配ヘッド100への取り付けをさらに容易にするためまたは取り付けのためのフィッティング51をさらに含みうる。マウント部20は、ヒータデバイス10を分配ヘッド100に取り付けるための一実施形態として示されるが、搭載のための他の手段または機構も考えられる。さらに、マウント部20は、ヒータデバイス10を装備することが所望されるタイプの分配ヘッドを収めるのに適切な任意の寸法を有しうる。一実施形態では、ヒータデバイス10が取り付け可能および取り外し可能なコンポーネントではなく、むしろ熱提供分配ヘッドの一体的コンポーネントであることが考えられるため、マウント部20は必要ないこともある。
【0021】
ヒータブロック14a、14b、14cが、ネジ38が通る開口部52と共に示されている。ヒータブロック14a、14b、14cは、ヒートシンクとして作用する高い熱伝導特性の材料で作製されうる。例えば、ヒータブロック14a、14b、14cはそれぞれ、アルミニウムまたはアルミニウム合金で作製されうる。他の実施形態では、ヒータブロック14a、14b、14cは、銅、複合材料などで作製されうる。ヒータブロック14a、14b、14cは、本明細書に上述した開口部22a、22b、22cおよび開口部26a、26b、26cと同様の寸法にされうる開口部24a、24b、24cを含みうる。各ヒータブロック14a、14b、14cは、それぞれの加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fを受け入れるように構成された2つのチャネルまたは開口部を含みうる。加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fはそれぞれが細長金属要素でありうる。加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fは、ヒータブロック14a、14b、14cのチャネルまたは開口部に挿入可能なカートリッジでありうる。加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fは、チャネルまたは開口部に挿入されるとヒータブロック14a、14b、14cから延びる、突出端54をそれぞれ含みうる。加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fは、ヒータブロック14a、14b、14cを加熱するように構成されうる。加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fは、電気エネルギーを提供するためのワイヤまたはケーブル等のエネルギー源に取り付け可能でありうる。ワイヤまたはケーブルは、ケース18の開口部に挿入可能でありうる。一実施形態では、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fにエネルギーを提供するためのワイヤまたはケーブルの挿入を可能にするためにケース18(図示せず)の背部が開いていてもよい。ワイヤまたはケーブルは、分配ヘッド10自体の中に位置する源から加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fに電気を送りうる。他の実施形態では、ワイヤまたはケーブルは、組立機130の中に位置する源から加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fに電気を送りうる。一実施形態では、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fは、ニクロム等の高抵抗材料で作製される抵抗加熱要素でありうる。
【0022】
複数の開口部を含む単一の細長ヒータブロックを含む他の実施形態も考えられる。その上さらに、ノズル開口部あたりより多いかまたはより少ない加熱要素が考えられる。ヒータブロック14a、14b、14cは、放射、対流、または伝導を通じてノズル28a、28b、28cに熱を提供しうる。したがって、ヒータブロック14a、14b、14cは、ノズル28a、28b、28cにそれぞれ接触するように構成されうる。他の実施形態では、ヒータブロック14a、14b、14cとノズル28a、28b、28cとの間に空間が配置されうる。ヒータブロック14a、14b、14cは、ノズル28a、28b、28cのそれぞれにわたりまたは横断して均一な温度プロファイルを提供するように構成されうる。この均一な温度プロファイルは、ヒータブロック14a、14b、14cにより提供されてもよいし、何らかの形態のヒートシンクが加熱デバイス10に提供される。加熱デバイス10は、この均一な温度を、任意の数のスピンドル、開口部、ノズル、ヒータブロックおよび加熱要素を有する実施形態で提供しうる。さらに、ヒータブロック14a、14b、14cは、電子コンポーネントをピック、配置、および/または他の方法で分配するために使用された後のノズル28a、28b、28cを迅速に再加熱するのに十分な熱容量を有しうる。この容量は、ヒータブロック14a、14b、14cの質量、サイズ、厚さ、材料特性などにより提供されうる。この熱容量は、任意の数のスピンドル、開口部、ノズル、ヒータブロックおよび加熱要素を有する加熱デバイス10のすべての実施形態において確保されうる。
【0023】
スピンドル30a、30b、30cは、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fおよび/またはヒータブロック14a、14b、14cがノズル28a、28b、28cを加熱する間の360°の完全な回転のために適合されうる。別の実施形態では、分配ヘッド10自体が、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fおよび/またはヒータブロック14a、14b、14cがノズル28a、28b、28cを加熱する間の360°の完全な回転のために適合されてもよい。図示の実施形態では、いずれのノズルまたはスピンドルも加熱を達成するためにケーブルまたはワイヤに取り付けられていない。したがって、ワイヤをねじることなくスピンドル30a、30b、30cの360°の完全な回転が生じうる。同様に、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16fに取り付けられたワイヤまたはケーブルが分配ヘッド100から来ている場合には、やはりワイヤをねじることなく分配ヘッド自体が360°完全に回転することができる。さらに、ヒータデバイス10は、スピンドル30a、30b、30cがピッキングおよびプレーシングならびに/または分配プロセスの間に移動しているときに静止したままであり、分配ヘッドのメインボディ110に対して移動しないように構成されうる。
【0024】
図3は、分配ヘッド100上に搭載されたヒータデバイス10を示す。分配ヘッド100は7つのスピンドルを含みうる一方で、ヒータデバイス10は、スピンドルを受け入れるための開口部を3つだけ含む。したがって、ヒータデバイス10が7スピンドル分配ヘッド100に取り付けられたときには、スピンドルのうち4つは使用不能になりうる一方で、稼働中のスピンドル30a、30b、30cは使用可能および動作可能なままでありうる。
【0025】
ヒータデバイス500の別の実施形態が図10図11に示される。ヒータデバイス500は、7つの開口部522a、522b、522c、522d、522e、522f、522gを含む。熱源(ヒータブロックおよび/または加熱要素)等の内部コンポーネントは示されないが、7つの開口部522a、522b、522c、522d、522e、522f、522gに均一な熱プロファイルを提供する、ヒータデバイス10と類似の追加の熱源が考えられる。ヒータデバイス500は、7つのスピンドル530a、530b、530c、530d、530e、530f、530gが使用可能および動作可能なままであるように、7スピンドル分配ヘッド510に取り付け可能である。したがって、ヒータデバイス500は、各ノズルの完全な機能を必要とするピック&プレースならびに/または分配プロジェクトの間に7つのノズルすべてを加熱するように構成されうる。
【0026】
図5および図6を参照すると、ノズル28aが示される。ラッチピン60、トップキャップ62、ノズルボディ64、およびボトムキャップ66を含むノズル28aが示されている。ボトムキャップ66をノズルボディ64と一緒に保持するためのバネピン68が示される。バネピン68は、ノズルボディ64の開口部72およびラッチピン60の開口部80に挿入可能であり、これによりノズル28aを一緒に保持する。バネピン68は、外方に付勢され、ボトムキャップ66の対応するキャビティ、アパーチャ、または穴(図示せず)内に受け入れられうる。他の組み立て方法も考えられる。
【0027】
ノズルボディ64は、トップ円周リップまたは突起70およびノズル先端74を含む。トップ円周リップ70は、トップキャップ62のボトム部と合体してノズルボディ64をトップキャップ62に接続するように構成されうる。ボトムキャップ66は開口部76を含み、ノズル28aが構築された状態(図6に示される)のときにノズル先端74が開口部76を通って延びる。トップキャップ62は、ラッチピンを内部に保持するガイドリップ78a、78bをさらに含む。ガイドリップ78a、78bは、対向する側に2つの間隙を有する半円周形である。
【0028】
トップキャップ62は、絶縁材料で作製されうる。例えばトップキャップは、Ultem(商標)樹脂から作製されうる。同様に、ボトムキャップ66も、Ultem(商標)樹脂等の絶縁材料から作製されうる。PeekまたはCelazole等、トップキャップ62およびボトムキャップ66のための他の絶縁材料も考えられる。ノズル先端74を含むノズルボディ64は、アルミニウム等の熱伝導性材料で作製されうる。銅等、他の熱伝導性材料も考えられる。
【0029】
ノズル28aは、他のノズル28b、28cと同じであってもよい。さらに、ノズル28a、28b、28cは、配置中に熱が必要なときに分配ヘッド100およびスピンドル30a、30b、30cに使用可能な取り外し可能ノズルであってもよい。したがって使用者は、分配ヘッドから普通のノズルを取り外し、熱的に有利なノズル28a、28b、28cに置き換えうる。ヒータデバイス10とインタフェースするノズル28a、28b、28cは、ヒータブロック14a、14b、14cと同じ材料で作製されてもよく、一実施形態ではヒータブロック14a、14b、14cと良好に熱伝導接触していてもよい。ノズル28a、28b、28cのそれぞれの質量は、ヒータブロック14a、14b、14cとともに、に対する配置休止サイクル中のノズル先端74および電子コンポーネント(図示せず)を通じたエネルギーの引き出しによりノズル先端74で許容可能な温度低下がもたらされうるような寸法にされうる。電子コンポーネントを配置していない間には、ノズル28a、28b、28cは、加熱源(すなわちヒータブロック14a、14b、14cおよび/または加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h)のヒートシンクに引かれることができ、次の電子コンポーネントのピックアップの前に必要な温度にされることができる。
【0030】
ここで図7を参照すると、7スピンドル分配ヘッド200の別の実施形態が示される。分配ヘッド200は、第1ノズル210a、第2ノズル210b、第3ノズル210c、第4ノズル210d、第5ノズル210e、第6ノズル210f、および第7ノズル210gを含む。同様に、分配ヘッド200は、第1ノズル210aを移動させるための第1スピンドル212a、第2ノズル210bを移動させるための第2スピンドル212b、第3ノズル210cを移動させるための第3スピンドル212c、第4ノズル210dを移動させるための第4スピンドル212d、第5ノズル210eを移動させるための第5スピンドル212e、第6ノズル210fを移動させるための第6スピンドル212f、および第7ノズル210gを移動させるための第7スピンドル212gを含む。スピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gは、それぞれのノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを、垂直方向に可能な移動量により定義されるZストロークで、およびZ軸のまわりを回転運動で移動させるように構成されうる。
【0031】
ノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gは、ジルコニウムまたは銅等の熱伝導性材料で作製されうる。ノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gは、それぞれのメインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gに取り付けまたは接続されうる。これらのメインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gも、例えば銅で作製される熱伝導性ボディでありうる。
【0032】
分配ヘッド200は、スピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gおよび/またはノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを取り囲む外側ハウジング218を含む。外側ハウジング218は、絶縁材料で作製されうる。他の実施形態では、外側ハウジング218内に熱を保持するために、外側ハウジング218の内部または外部に絶縁層があってもよい。分配ヘッド200は、外側ハウジング218内の上面に位置するヒートシンクプレート220をさらに含みうる。外側ハウジング218およびヒートシンクプレート220は、スピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gを受け入れるためおよび/または収めるための、外側ハウジング218の上部に位置する開口部224a、224b、224c、224d、224e、224f、224gを含みうる。スピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gは、スピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gが下方延長位置にあるときに開口部224a、224b、224c、224d、224e、224f、224gを覆うように構成された、取り付けられた絶縁部222をそれぞれ含みうる。ノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを受け入れるためおよびまたは収めるために、開口部214a、214b、214c、214d、214e、214f、214gが外側ハウジング218の底部に位置しうる。下方スピンドル部228a、228b、228c、228d、228e、228f、228gが、外側ハウジング218内から開口部214a、214b、214c、214d、214e、214f、214gを通ってそれぞれ延びうる。下方スピンドル部228a、228b、228c、228d、228e、228f、228gは、外側ハウジング218内からノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gにそれぞれ熱を伝導しうる。
【0033】
メインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gおよびノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを含む外側ハウジング218は、分配ヘッド200のスピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gに対し他のノズル(図示せず)が取り外された後に取り付けまたは接続されうる取り外し可能および取り付け可能なアダプタでありうる。外側ハウジング218は、ヒートシンクプレート220を通じて外側ハウジング218内の内部チャンバ260を加熱するように構成されうる。ヒートシンクプレート220を通電および加熱するために、ケーブル、ワイヤなどのエネルギー源(図示せず)がヒートシンクプレート220に接続されうる。ヒートシンクプレート220は、ピッキング、配置、および/または分配中に電子コンポーネント(図示せず)を加熱するために使用された後のノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを迅速に再加熱するのに十分な熱容量を有しうる。ヒートシンクプレート220は、平行に走り各メインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gを隔てる複数の加熱ボディ226a、226b、226c、226d、226e、226f、226g、226hと接触しうる。ボディ226a、226b、226c、226d、226e、226f、226g、226hは、それぞれの円筒形メインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gを取り囲む個別のコンポーネントでありうる。あるいは、ボディ226a、226b、226c、226d、226e、226f、226g、226hは、実際には、円筒形メインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gの1つを受け入れるようにそれぞれ構成された複数の円筒形開口部を有する1つの構造的コンポーネントであってもよい。実施形態がどのようなものであっても、ヒートシンクプレート220がボディ226a、226b、226c、226d、226e、226f、226g、226hの上方に位置することができ、ボディ226a、226b、226c、226d、226e、226f、226g、226hに熱を提供することができ、これらがさらに円筒形メインボディ216a、216b、216c、216d、216e、216f、216gおよびノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを加熱する。円筒形メインボディ210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gと加熱ボディ226a、226b、226c、226d、226e、226f、226g、226hとの間に空間が配置され、2つのコンポーネント間の相対的移動を可能にしうる。この実施形態では、ヒートシンクプレート220とスピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gおよび/またはノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gとの間には接触がなくてもよい。代わりに、外側ハウジング218は、回転および/もしくは上下移動するスピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gならびに/またはノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gを必要な温度に絶えず保持するために、オーブンとして作用しうる。このオーブン構成は、複数のノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gにわたり均一な温度プロファイルを維持することもできる。この構成は、ヒートシンクプレート220とノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gとの間の接触なしに、対流および放射によりヒートシンクプレート220から熱を提供しうる。
【0034】
上に示した実施形態と同様に、スピンドル212a、212b、212c、212d、212e、212f、212gが分配ヘッド200に対して移動したときに、分配ヘッド200のメインボディに対する外側ハウジング218およびヒートシンクプレート220が移動しなくてもよい。さらに、ヒートシンクプレート220は、ノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gの過熱を防止するために、ノズル210a、210b、210c、210d、210e、210f、210gの正確な温度制御を提供するように構成されうる。分配ヘッド200に関して本明細書に記載された原理は、分配ヘッド、ノズル、スピンドルなどにおいて様々な異なる数のコンポーネント、寸法および形状のコンポーネントを用いて様々な形態で適用されうることを理解されたい。
【0035】
図8は、4スピンドル分配ヘッド300の別の実施形態を示す。4スピンドル分配ヘッド300は、第1ノズル先端314aを有する第1ノズル310aを移動させるための第1スピンドル312a、第2ノズル先端314bを有する第2ノズル310bを移動させるための第2スピンドル312b、第3ノズル先端314cを有する第3ノズル310cを移動させるための第3スピンドル312c、および第4ノズル先端314dを有する第4ノズル310dを移動させるための第4スピンドル312dを含みうる。分配ヘッド300は、第1スピンドル312aを受け入れるための第1開口部324a、第2スピンドル312bを受け入れるための第2開口部324b、第3スピンドル312cを受け入れるための第3開口部324c、および第4スピンドル312dを受け入れるための第4開口部324dを含みうるアダプタ322を含みうる。アダプタ322は、スピンドル312a、312b、312c、312dを受け入れるための開口部324a、324b、324c、324dをそれぞれ有する絶縁層320およびヒートシンクプレート318を含みうる。ヒートシンクプレート318は、エネルギー源(図示せず)に取り付けられてもよく、スピンドル312a、312b、312c、312dが分配ヘッド300のメインボディに対して移動したときに分配ヘッド300のメインボディ(図示せず)に対して静止したままであるように構成されうる。ヒートシンクプレート318は、異なるノズル310a、310b、310c、310dにわたる均一な温度プロファイルを確保するためにアダプタ322の底部に位置しうる。ヒートシンクプレート318は、配置中にノズル310a、310b、310c、310dが電子コンポーネントを加熱するために使用された後にノズル310a、310b、310c、310dのそれぞれを迅速に再加熱するのに十分な熱容量を含みうる。各ノズル310a、310b、310c、310dのそれぞれの後部316a、316b、316c、316dは、スピンドル312a、312b、312c、312dが上方位置にあるときにヒートシンクプレート318に接触するように構成されうる。他の実施形態では、接触は生じなくてもよい。
【0036】
後部316a、316b、316c、316dはそれぞれノズルアダプタであってもよく、銅等の高い比熱容量も有する高熱伝導性材料で作製されうる。先端314a、314b、314c、314dを含むノズル310a、310b、310c、310dは、ジルコニウム等の異なる材料で作製されうる。他の実施形態では、先端314a、314b、314c、314dを含むノズル310a、310b、310c、310dは、銅で作製されうる。ノズル310a、310b、310c、310dの質量は、アダプタ322と合わせて、基板に対する配置休止サイクル中のノズル先端314a、314b、314c、314dおよび電子コンポーネント(図示せず)を通じたエネルギーの引き出しによりノズル先端314a、314b、314c、314dで許容可能な温度低下がもたらされるような寸法にされうる。電子コンポーネントを配置していない間には、後部316a、316b、316c、316dは、加熱源のヒートシンクプレート318に引かれ、次の電子コンポーネントのピックアップの前に必要な温度にされうる。分配ヘッド300に関して本明細書に記載された原理は、分配ヘッド、ノズル、スピンドルなどにおいて様々な異なる数のコンポーネント、寸法および形状のコンポーネントを用いて様々な形態で適用されうることを理解されたい。
【0037】
図9を参照すると、ノズルを加熱する方法が想定されている。本方法は、分配ヘッド100、200、300等の分配ヘッドを提供する第1ステップ400を含み、分配ヘッドは、スピンドル30a、30b、30c、212a、212b、212c、212d、212e、212f、212g、312a、312b、312c、312d等の1つ以上のスピンドルを含み、スピンドルは、方向Z等の垂直方向の移動に加えて回転運動での垂直方向のまわりの移動のために構成される。分配ヘッドは、スピンドルに取り付けられたノズル28a、28b、28c、210a、210b、210c、210d、210e、210f、210g、310a、310b、310c、310dの1つ等の第1ノズルを含みうる。
【0038】
本方法は、ヒータデバイス10、201、301等のヒータデバイスを分配ヘッドに取り付けるための第2ステップ410を含むことができ、ヒータデバイスは、加熱要素16a、16b、16c、16d、16e、16f、ヒータブロック14a、14b、14cおよびヒートシンクプレート220、318等の熱源を含む。ヒータデバイスは、開口部22a、22b、22c、224a、224b、224c、224d、224e、224f、224g、324a、324b、324c、324d等の開口部をさらに含む。
【0039】
本方法は、ヒータデバイスの開口部により第1ノズルを受け入れる第3ステップ420を含みうる。本方法は、ヒータデバイスの第2開口部により第2ノズルを受け入れる第4ステップ430を含みうる。本方法は、第1ノズルおよび第2ノズルを、ヒータデバイスの熱源で周囲温度より高温に加熱する第5ステップ440を含みうる。第5ステップ440の加熱は、対流450、放射451、および/または伝導452のうちの1つまたはすべてを通じて加えられうる。
【0040】
本方法は、熱源がノズル(単数または複数)を加熱する間に分配ヘッドを360°完全に回転させる第6ステップ460を含みうる。本方法は、熱源によりノズル(単数または複数)のそれぞれにわたり均一な温度プロファイルを提供する第7ステップ470を含みうる。本方法は、スピンドル(単数または複数)を分配ヘッドのボディ110等のボディに対して移動させる第8ステップ480を含みうる。本方法は、スピンドル(単数または複数)の移動中にヒータデバイスを分配ヘッドのメインボディに対して静止位置に維持する第9ステップ490を含みうる。
【0041】
加えて、本方法は、ノズル(単数または複数)が電子コンポーネントを搬送していないときにノズル(単数または複数)を熱源に接近して移動させ、ノズル(単数または複数)を熱源で加熱するステップを含みうる。本方法は、加熱中にノズル(単数または複数)を熱源と接触させるステップをさらに含みうる。本方法は、加熱中にノズル(単数または複数)と熱源との間の接触を防止または回避するステップをさらに含みうる。
【0042】
実施形態の要素は、冠詞「a(1つの)」または「an(1つの)」のいずれかとともに紹介される。これらの冠詞は、1つまたは複数の要素が存在することを意味することを意図する。「含む」および「有する」という用語およびそれらの派生語は、列挙された要素以外の追加の要素が存在しうるように包括的であることが意図される。「または」という接続詞は、少なくとも2つの用語のリストと共に使用される場合には、任意の用語または用語の組み合わせを意味することが意図される。「第1」および「第2」という用語は、要素を区別するために使用され、特定の順序を示すために使用されるものではない。
【0043】
本発明は、限られた数の実施形態のみに関連して詳細に記載されているが、本発明はこのような開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されるはずである。むしろ、本発明は、以上に記載されてはいないが本発明の精神および範囲に相応する任意の数の変形、変更、置換または等価の構成を組み込むように変更されうる。加えて、本発明の様々な実施形態が記載されているが、本発明の態様は記載された実施形態の一部のみを含みうることが理解されねばならない。したがって、本発明は以上の説明により限定されるものと理解されてはならず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11