(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
提供された前記空間によって前記第1の部分に圧力が加えられず、それによって前記第1の部分における前記少なくとも1つのストランドが前記布のシートの前記熱処理中に伸長しない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
提供された前記空間によって前記第1の部分に圧力が加えられず、それによって前記第1の部分における前記布のシートの前記熱処理後の多孔度が前記熱処理前の多孔度と同じである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
前記フィルタ膜を前記支持フレームに取り付ける前に、前記フィルタ膜を前記3D構造に保持する治具上の前記支持フレームを前記3D構造の前記周囲の形状に拘束することを含む、請求項10に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
塞栓などの粒子は、例えば血流中の粒子状物質の存在の結果として形成され得る。粒子状物質は、例えば心臓内に発生する凝血から生じ得る。粒子状物質は、異物であり得るが身体組織にも由来し得る。例えば、アテローム性動脈硬化症、または、脂肪沈着およびカルシウム沈着からの血管の硬化は、粒子状塞栓の形成を引き起こし得る。さらに、血小板、フィブリン、赤血球および活性凝固因子が血管の表面に付着して凝血を形成することがあるので、凝血はアテロームの内腔表面に形成することがある。
【0003】
凝血または血栓はまた、固定された被験者の静脈、特に寝たきりまたは他の固定された患者の脚にも形成され得る。その後、これらの凝血は血流中を移動し、肺の動脈に到達し、肺塞栓と呼ばれる致命的な疾患につながる可能性がある。血栓形成およびそれに続く塞栓形成の動きは、心臓または動脈系の他の部分で起こり、血液供給の急激な減少、ひいては血流不全を引き起こし得る。血流不全のダメージは、しばしば、腎臓、網膜、腸、心臓、四肢、脳または他の器官などの器官の組織壊死、さらには死に至らせる。
【0004】
塞栓は典型的には本質的に粒子状であるので、それらが身体組織に損傷を引き起こす可能性がある前に、血流からそのような粒子を除去または迂回させる試みにおいて、様々な種類のフィルタが提案されてきた。
【0005】
様々な医療処置が血管または周囲の組織をかき乱す可能性がある。これが起こると、塞栓などの潜在的に有害な粒子状物質が血流に放出される可能性がある。これらの粒子は、例えばそれらが脳への血流を制限する場合には有害であり得る。血管系の特定の領域への粒子状物質の流入を阻止または迂回させるための装置が提案されているが、特定の医療処置中またはその後に、潜在的に有害な粒子状物質の血流への放出に関連するリスクは排除され得ない。
【0006】
血管粒子状物質を遮断または迂回させるための改良された装置は開発中であるが、各血管内処置は特有の危険性を呈する。
【0007】
経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)のような血管内装置および処置がより高度になるにつれて、これらの装置に改良された使いやすさ、血管内安定性、および塞栓防止を提供する特徴の必要性が出現している。
【0008】
そのような装置および処置の改良の可能性のある分野には、その使用中の装置の周辺部分での脈動血流、流体の漏れ、および/または粒子状物質、に伴う装置の「ウィンドセーリング」、使用時における患者内への確実な位置決め、および/または、回収可能性などが含まれる。
【0009】
したがって、改良された血管内装置、システム、および/または方法は、特に柔軟性、費用効果、および/または患者の安全性の向上を可能にする点で有利である。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本開示の例は、好ましくは、添付の特許発明の範囲による装置、システムまたは方法を、単独または任意の組み合わせで提供することによって、当技術分野における、上記のような、1つまたは複数の欠陥、不利、または問題を、軽減、緩和、または排除することを目的とする。本開示は、少なくともストランドから作られた布のシートから3次元(3D)構造を有する塞栓フィルタ膜を製造する方法、およびそのようなフィルタ膜を含む装置に関する。
【0011】
本開示の第1の実施形態では、少なくともストランドから作られた布のシートから3次元(3D)構造を有する塞栓フィルタを製造する方法が開示されている。
【0012】
本開示の別の実施形態は、少なくともストランドから作られた布のシートから3次元(3D)構造を有する塞栓フィルタを製造する方法である。この方法は、第1の表面によって囲まれた3次元構造の形状のキャビティを有する第1パート、および第2の表面によって囲まれた3次元構造の形状の突出部を有する第2パート、の2つの部分から作られる型を提供することを含み得る。型が閉じられているとき、キャビティの表面と突出部の表面との間に空間があり得る。
【0013】
方法は、シートの第1の部分が、キャビティの表面と突出部の表面との間に配置され、第1の部分の周囲を囲むシートの第2の部分が、第1の表面と第2の表面との間に配され得るように布のシートを配置すること、をさらに含み得る。
【0014】
この方法は、布のシートを熱処理によって成形することで布のシートをセットさせ、それによって3D構造を得ることをさらに含み得る。
【0015】
いくつかの例では、方法は、熱処理中にシートの第2の部分を少なくとも部分的に消滅させることを含み得る。
【0016】
いくつかの例では、布のシートは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成され得る。
【0017】
いくつかの例では、得られた3D構造はドーム形であり得る。
【0018】
いくつかの例では、第1の部分におけるシートの少なくとも1つのストランドは、布のシートの熱処理中に伸長しないことがある。
【0019】
いくつかの例では、第1の部分における布のシートの熱処理後の多孔度は、熱処理前の多孔度と同じであり得る。
【0020】
いくつかの例では、第1の部分の2本の交差するストランド間の角度は、35〜55度の範囲内であり得る。
【0021】
いくつかの例では、前記3D構造の周囲上の2点間の距離は、3D構造上の同じ2点間の距離と同じ距離を有することができる。
【0022】
いくつかの例では、布のシートの加熱は、150〜250℃の間であり得る。
【0023】
いくつかの例は、シートが取り出される前に布を型内で冷却することを含み得る。
【0024】
いくつかの例は、フィルタ膜が熱処理された後に、3D構造の周囲に隣接した支持フレーム上に3D構造を取り付けることを含み得る。
【0025】
いくつかの例は、フィルタ膜を取り付ける前に、治具上で支持フレームを3D構造の周囲の形状に拘束することを含み得る。
【0026】
本開示のさらなる実施形態は、大動脈弓の側枝血管を塞栓材料から保護するために患者の大動脈弓内に配置するための塞栓防止装置を含み得る。装置は、本明細書に開示された製造方法のいずれかによる、3D構造の製品を有するフィルタ膜を備え得る。
【0027】
装置はまた、前記3D構造の周囲に沿った支持フレームを含み得る。
【0028】
いくつかの例では、支持フレームは、拘束されておらず完全に拡張されているときに、フィルタ膜を伸張させて略平坦にし得る。
【0029】
いくつかの例では、フィルタ膜は、大動脈弓内に配置され、かつ大動脈弓の内壁によって支持フレームが拘束されているときなど、支持フレームが拘束されているときに、事前に設定された3D構造が確立され得る。
【0030】
塞栓防止装置のさらなる例は、説明および従属請求項に従って開示される。
【0031】
本明細書で使用される「含む/含んでいる」という用語は、述べられた特徴、完成体、ステップ、または構成要素の存在を特定するために用いられるが、1つまたは複数の他の特徴、完成体、ステップ、構成要素、またはそのグループの存在または追加を排除しない。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の開示は、少なくともストランドから作られた平らな2次元の布のシートから3次元(3D)構造を有する塞栓フィルタを製造する方法に適用可能な本開示の実施例に焦点を合わせている。本開示はさらに、大動脈弓の側枝血管を塞栓材料から保護するための、患者の大動脈弓への送達のための、折り畳み可能な塞栓防止装置などの塞栓防止装置に関する。特に、開示された方法に従って製造された3次元構造を有するフィルタ膜を有する塞栓防止装置に関する。フィルタは、経血管的に送達されるのが好ましい。いくつかの代替例では、装置は大動脈弓の側枝血管を通して送達されるように構成されてもよい。
【0035】
図1Aは、開示された製造方法によって得られ、支持部材に取り付けられる前の、3次元構造を有する、フィルタ膜1000の概略図である。
図1Bは、開示された製造方法を使用して製造され支持部材に装着される前の、フィルタ膜1100の例示的写真である。3次元構造は、塞栓防止装置のフィルタ領域全体を覆うように作られ得る。あるいは、3次元構造は、近位部(proximal)、遠位部(distal)、または中央部(central)などの塞栓防止装置の一部のみを覆うように作られてもよい。
【0036】
3次元構造は、凹状の内面を有し、凸様状の外曲を有してもよい。3次元構造の形は、大動脈弓の解剖学的構造へのフィルタ膜の適合を改良し、大動脈弓内部の大動脈側枝血管の複数の流入口を取り囲む大動脈弓ルーフの組織への、より良い付加を、その入り口を覆い、提供する。フィルタ膜の3次元構造は、配置されたときに大動脈弓の解剖学的形態を獲得するように設計されており、したがってカテーテルおよび装置が大動脈弓を通過するのを妨げない。
【0037】
本明細書の開示に従って製造されるフィルタ膜は、塞栓防止装置の一部であってもよく、フィルタユニット膜は、防止ユニットが大動脈弓内に位置しているときに、大動脈側枝血管の第1の液量から、大動脈弓内の第2の液量を分離するように配置される。
【0038】
フィルタ膜のメッシュは、ポリマーなどの弾力性のある非外傷性の材料で形成され得る。
【0039】
いくつかの例では、得られた3次元構造は、
図1Aおよび
図1Bに示されるようにドーム形であり得る。ドーム形などの3次元構造は、本明細書に示されている形状以外の形状を有していてもよく、例えば、球面の一部、楕円面の一部、放物面の一部、またはオブロイド(obloid)の一部などであってもよい。
【0040】
ドーム形などの3次元構造を有するフィルタ膜1000、1100は、塞栓防止装置のすぐ下の空間を改良することができる。ドーム形などの3次元構造を有するフィルタ膜1000、1100は、より大きいフィルタ面積によってフィルタ処理を改良することができる。
【0041】
先行技術におけるほとんどのフィルタ膜の不利な点は、送達装置への装填のために伸張またはクリンプによって装置を折り畳むことを可能にするための、および、大きなフィルタ処理面積を提供するための、使用する布が多過ぎることである。あまりにも多くの布を使用する場合、塞栓防止装置は、折り畳まれたときに不必要に大きくなり、より大きなサイズの送達装置を必要とするか、または送達装置から取り外すのがより困難になる。別の問題は、フィルタ膜に使用する布が少なすぎることであり、これは、送達後に拡張されたときの塞栓防止を制約し、大動脈弓の壁に対する最適なシーリングを妨げる可能性がある。いくつかの従来技術の装置は、ドーム形状などの3次元構造を成すために、ストラットまたはリブなどの機械部材を使用していた。これは、送達のために折り畳まれたときに塞栓防止装置を必要以上に複雑にする。
【0042】
図1Aおよび
図1Bに示されるフィルタ膜は支持部材に取り付ける前、2つの部分である第1の部分10と第2の部分11とを有する。第1の部分10と第2の部分11との間は、第1の部分の周縁12である。
【0043】
本明細書に開示されている製造方法は、ドーム形状などの3次元構造を、例えば、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)などのポリマーのメッシュ織物の2次元シート、から形成することを可能にする。縫い付けまたは溶接部分のない3次元構造の提供のために、切断または溶接をせず3次元構造が得られる。したがって、この構造は、塞栓防止装置の性能に影響を及ぼし得る、重なり合い、折り目、または他の歪みを有し得ない。
【0044】
フィルタ膜1000、1100の第1の部分10は、メッシュサイズなどの多孔率を大幅に変更することのない、またはストランドを延長または伸張することなどの材料の構造の変更のない、または少なくとも部分的に溶けたストランドを有することのない、製造方法によって得られる。したがって、塞栓防止装置のクリンプ能などのフィルタ処理性能および柔軟性は影響を受けない。
【0045】
得られたフィルタ膜1000、1100は、ドーム形状などの3次元構造を有し、第2の部分
11が除去される前または後のいずれかに、周縁12に隣接して追加された支持部材上に装着され得る。
【0046】
3次元構造を得るために使用される型は2つの部分を含む。
図2Aおよび
図2Bは、型の第1パート1200を示している。
図2Aは第1パート1200の上面図であり、
図2BはA−Aに沿った断面図である。
【0047】
型の第1パート1200は、得られるべき3次元構造として成形されたキャビティ20を有する。型の第1パート1200は、キャビティ20の周囲を囲む表面21を有する。
【0048】
いくつかの例では、表面21は、熱処理中に布のストランドをキャビティに合せるために、布のシートを取り付けるための、ペグまたは穴22a〜h、を有することができる。ペグまたは穴22a〜hは、追加的におよび/または代替的に、型の2つの部分を合せるために使用されてもよい。追加的および/または代替的に、いくつかの例では、ペグおよび/または穴23a〜dは、型の2つの部分を合せるために使用されてもよい。
【0049】
図2Cおよび
図2Dは、型の第2パート1300を示している。
図2Cは第2パート1300の上面図であり、
図2DはA−Aに沿った断面図である。
【0050】
型の第2パート1300は、得られるべき3次元構造として成形された突出部30を有する。型の第2パート1300は、突出部30を囲む表面31を有する。
【0051】
いくつかの例では、表面31は、熱処理中に布のストランドをキャビティに合せるために布のシートを取り付けるためのペグまたは穴32a〜hを有し得る。ペグまたは穴32a〜hは、追加的におよび/または代替的に、型の2つの部分を合せるために使用されてもよい。追加的および/または代替的に、いくつかの例では、ペグおよび/または穴33a〜dは型の2つの部分を合せるために使用されてもよい。
【0052】
型のいくつかの例では、布のシートを合せるためのペグ22a〜hを有する第1パート1200のキャビティの周囲を囲む表面21、および、対応する穴32a〜hを有する第2パート1300の突出部30の周囲を囲む表面31を有する。いくつかの他の例は、穴22a〜hの第1パート1200、および、対応するペグ
32a〜hを有する型の第2パート1300、を有する。いくつかのさらなる例では、第1パート1200に穴とペグの両方22a〜hを有し、型の第2パート1300に対応するペグと穴32a〜hを有し得る。
【0053】
同じことが、型の第2パート1300に対応するペグおよび穴を有する、第1パート1200の穴およびペグの第2の組の23a〜dにも当てはまる。
【0054】
図2Eおよび
図2Fは、第1パート1200と第2パート1300とが合わされた型1400を示している。図示のように、キャビティ20を取り囲む表面21と突出部30を取り囲む表面31との間に空間は存在しない(51)。さらに、突出部30とキャビティ20との間に間隙50があることが示されている。この間隙は、得られる立体構造よりもキャビティをわずかに大きくおよび/または突出部をわずかに小さくすることによって得られる。この間隙は、数ミクロンから数ミリメートルの間であり得る。いくつかの例では、この間隙は、それらの間に配置される布の厚さよりも大きくてもよい。
【0055】
図2Fは、突出部30とキャビティ20との間の間隙50の拡大図を示している。
【0056】
第1のキャビティ20と突出部30との間の距離は、熱処理の間にそれらの間に位置する布の部分に圧力がかからないようにする。キャビティと突出部との間に配置された布には圧力が加えられないので、布のストランドの伸張または延長などによる材料の特質または特性は変化し得ない。さらに、布のストランドは分離されず、メッシュサイズなどの多孔率の要素は維持される。
【0057】
いくつかの例では、キャビティと突出部との間に配置された布の第1の部分に圧力が加えられ、その圧力は、周囲を囲んでいる表面21、31間に配置された布のシートの部分にかかる圧力よりも小さい。
【0058】
周囲を囲んでいる表面21、31の間に配置された布のシートの部分は、布のこの部分が、型の他方の部分の上に配置された部分の重量によって加えられる圧力下にあるので、シートのこの部分の材料が少なくとも部分的に溶融または少なくとも部分的に消滅するなど、特性が変化し得る。
【0059】
いくつかの追加の例では、ねじ、空気圧ピストン、おもり、または当業者に知られている型に圧力を加えるための他の方法、などの、例えば2つの部分1200、1300を互いに押し付ける部材を有することにより、表面21、31の間に配置された布の部分に、追加の圧力が加えられる。
【0060】
次いで、シートは、ある時間、高熱をかけることによって熱処理される。高熱がかけられた後、型が開かれてフィルタが取り外される前に、布のシートをある時間にわたって冷却させることができる。
【0061】
温度と時間は材料によって異なる。PEEKの場合、温度は、150から250℃の間で、190〜210℃、200℃などであり得る。時間は、数秒から数分、例えば最大で1分で、10〜30秒の間、15〜25秒の間、20〜25秒、などの範囲であり得る。
【0062】
図3は、熱処理前に型内に必要とされる布の量を決定する一例を示している。
図3は、メッシュなどの平らな布2000の一片を示している。布の量は、構造をヒートセットするときに、十分な余剰の材料を中心にもたらす離散点間の距離を計算することによって、決定される。残された余剰の材料は、延長したまたは分離したストランドのない、ドームなどの、3次元構造をもたらすのに役立つであろう。したがって、フィルタ部材の多孔率の要素は維持され、3次元構造は均一になる。
【0063】
図4は熱処理された3D構造の例示的な特性を示す図である。いくつかの例では、塞栓防止装置の伸張および圧着に関して、最適な柔軟性を達成すると同時に、フィルタ膜が装置を拘束する危険性を依然として回避しながら材料の量を最小限に抑えるために、3次元構造の周囲に沿った2点間の距離X点は、3次元構造上の同じ2点間の距離Yとほぼ同じであるべきである。この関係は、装置を拘束することなく支持部材によって折り畳まれる3次元構造を有することを可能にする。
【0064】
さらに、いくつかの例では、フィルタ部材またはメッシュは、織物ストランドから構成されてもよく、ここで、ヤーンの配向は、3次元構造
の周囲、または塞栓防止装置の支持部材に対して直角ではない角度αである。いくつかの例では、布のシートを型に配置させるときに、メッシュを整列させて、フィルタ膜が支持部材に装着されたときに、織り方、またはメッシュの織り方(縦糸および横糸)が、例えば、支持フレームの基部または側部から45°の角度αであり得るようにする。いくつかの例では、メッシュの織り方(縦糸および横糸)は、支持フレームの基部または側部からの角度αが、例えば30〜60°、例えば35〜55°であり得る。支持フレームに対して非直角に設定されたとき、そのような織り方が支持フレームに対して直角であるときよりも、高い柔軟性でメッシュが伸張、拡張または収縮し得る。このようにして、塞栓防止装置の折り畳み性またはクリンプ能が有利に改良される。
【0065】
それ故、縦糸と横糸との間の角度αに影響を及ぼし得る、布のストランドの伸張および移動を避けるために、ヒートセットの間、注意を払わなければならない。
【0066】
図5A〜
図5Dは、3D構造を有するフィルタ膜を有する塞栓防止装置1500、1600の拘束されていないとき(1500)、および、拘束されているとき(1600)の概略例を示す。
【0067】
図5A〜
図5Cは、大動脈弓の外において、拘束されていないときの塞栓防止装置1500を示している。塞栓防止装置は、経血管送達ユニット内に配置されるように、クリンプ可能であるなど、折り畳み可能である。防止装置1500は、支持部材40と、支持部材40に取り付けられたフィルタ部材41とを含む。いくつかの例では、支持部材40は、フィルタ部材41の周囲を完全に取り囲む完全な輪であり得る。いくつかの例では、フィルタ部材41は、支持フレーム40によって画定される周囲の外側に(部分的または全体的に)延長し得て、カラーまたはリムを生成する。カラーまたはリムは、血管壁の粗いテクスチャへの付加を改良し得る。いくつかの例では、カラーまたはリムは、フィルタ部材41とは異なる材料から作られてもよい。
【0068】
防止装置1500は、支持部材40にあり得る接続点42をさらに含み得る。接続点42は、塞栓防止装置1500を経血管送達ユニットに接続するために使用される。好ましくは、接続点42は塞栓防止装置1500の近位部(proximal portion)に配置される。いくつかの例では、接続点42は、フィルタ膜41および支持フレーム40から距離を置いて、ステムなどの細長い部材上に配置されてもよい。
【0069】
塞栓防止装置1500が拘束されていないとき、支持部材40はその元の形状を保持し、フィルタ部材41は、
図5Aから
図5Cに示すように、ほぼ完全に平らになる。
【0070】
図示の例では、支持部材40はリングであるが、いくつかの例では長円形または楕円形などのより細長い形状を有することができる。
【0071】
図5Dは、支持部材40がわずかに拘束され、それによってフィルタ部材41がドーム形状などのそのヒートセットされた3次元構造を得るように努める、塞栓防止装置1600を示している。
【0072】
塞栓防止装置1700のこれらの特質は、
図6に示されるように、大部分の先行技術の装置よりも大きく、大動脈弓
43内での大部分の先行技術の塞栓防止装置よりも下流位置で自己整合し得る支持部材40を有することを可能にする。大面積の自己拡張する3次元構造を有するフレーム部材であっても、支持部材の上流の大動脈弓の内壁を覆う。したがって、塞栓防止装置は、大動脈弓の上行大動脈から下行大動脈までの全尖端にわたって形成され、塞栓が側枝のいずれかに進入するのを防止する。より大きいフィルタ処理面積は、フィルタ処理を改良し、そして大動脈弓の壁に対するより良好なシーリングを提供する。
【0073】
防止装置1700を大動脈内に位置決めするために、本開示の装置1700は、例えば
図1Bに示されるように、経血管送達ユニットに取り付けられ送達され得る。経血管送達ユニットは、例えば、カテーテルまたはシースであり得、そして防止装置1700は、当該分野で公知の方法に従って、またはコネクタ機構によって、経血管送達ユニットに取り付けられ得る。いくつかの例では、経血管送達ユニットは、例えばテザー、送達ワイヤ、またはプッシュワイヤなどである、ワイヤ、ロッドまたはチューブなどの、コネクタ機構20を含み得る。コネクタ機構は、接続点に接続され得る。いくつかの例では、コネクタ機構は塞栓防止装置1700に恒久的に接続されてよい。それによって、塞栓防止装置1700は、同じコネクタ機構を使用して送達および取り出され得る。さらに、コネクタ機構は、医療処置中に塞栓防止装置1700を所定の位置に保持するために使用されてもよい。いくつかの例では、コネクタ機構は、塞栓防止装置1700に取り外し可能に接続され得る。
【0074】
支持フレームの遠位(distal)端、および/または、近位(proximal)端は、ばね部から作られてもよい。各バネ部は、原動力として機能する予荷重バネであってもよく、折り畳まれたまたはクリンプされた塞栓防止装置1700を折り畳み状態から拡張状態へと迅速に拡張または開くように、そして、支持部材40が拡張状態にあるとき、支持部材40と大動脈弓43との間に半径方向力を提供するように構成される。ばね部は、原動力であって、あらかじめ成形された開放ばねである。ばね部分は、塞栓防止装置1700よりも広い半径を有し得る。開口部の半径が異なると、異なる力が提供され得る。
【0075】
ばね部分は、大動脈弓壁への付加を改良することができ、それは、装置1700の固定および装置と大動脈壁との間のシーリングを改良することができ、それは、パラフレームの漏出を低減し得る。ばね部分からの力はまた、半径方向の力が加えられたときに、支持部材
40の歪みを回避させ得る。ばね部分からの力はまた、塞栓防止装置1700を血管の直径のほぼ中央に位置決めする傾向がある。それ故、自己位置決めおよび整合特性が改良された、塞栓防止装置が提供される。
【0076】
バネ部分によって提供される力はまた、ウィンドセーリングを減らし、ほとんどの場合無いようにし得る。
【0077】
ばね部分は、ばね部分の形成、および、ばね特性の付与のために熱処理されるのが好ましい。いくつかの例では、ばね部分は、開放ばねとして形成され、装置が組み立てられる前の防止装置よりも広い。
【0078】
ばね部分を近位に配置することによって、ランディングゾーンの被覆範囲が改良されるであろう。ランディングゾーンは、すべてのガイドワイヤが大動脈弓に当たる面積である。ランディングゾーンの改良された被覆範囲およびシーリングは、例えば防止装置1700の下にガイドワイヤを通すことによって、(大動脈弓を通って)防止装置1700の上を(沿って)、通過することを防ぐのを助けることができる。
【0079】
各ばね部分は、浅いU字形などの曲げ形状を有するか、または湾曲している。支持部材40が遠位端または近位端のいずれかに1つのみのばね部分を有する例では、支持部材40の残りの部分はより深いU字形の形態を有する。このより深いU字形の形状は、ばね部分と同じ弾力特性を有しない。支持部材が遠位端と近位端の両方にばね部分を有する例では、支持部材はばね部分の間に形成された真っ直ぐな中央部分を有することができる。真っ直ぐな中央部分を使用するとき、これらは装置が組み立てられる前は実質的に真っ直ぐである。装置が組み立てられた後、まっすぐな中央部分は、ばね部分からの支持フレームの力によって膨らむかまたは湾曲を得る。
【0080】
いくつかの例では、真っ直ぐな中央部分は、塞栓防止装置の長手方向においてばね原動力として機能し得る。
【0081】
追加的におよび/または代替的に、いくつかの例では、ばね部材は熱処理されてばね部材を形成し、一方、支持部材の残りの部分は熱処理されない。これは、血管壁の粗いテクスチャによりよく適合するので、支持部材40に大動脈弓壁への塞栓防止装置1700の付加をさらに改良し得る柔軟性を与える。
【0082】
さらに、すべての部分を熱処理することによって、大動脈弓の壁にかかり得る、部分間の接合部、などの部分間の移行部に力が生じる可能性がある。また、ワイヤが熱処理された単一のワイヤから作られる場合、異なる部分を接合するためのコネクタが少なくなり、これもまた部分間の移行部からの大動脈弓の壁への力を向上させ得る。
【0083】
ばね部分のみを熱処理し他の部分を熱処理しないことの利点は、ばね部分からの力が比較的強くなることである。
【0084】
力をさらに向上させるために、いくつかの部分を他の部分より厚くしてもよく、例えば、支持フレーム10の遠位端で、遠位ばね部分を支持フレームの残りの部分より厚くし、近位で弱くしてもよい。これはまた、例えば、送達のためのカテーテル管腔内への挿入、または塞栓防止装置を配置するときにそのような管腔から出ることを改良のために、支持部材40をクリンプすることをより容易にすることができる。
【0085】
あるいは、いくつかの例では、遠位および近位ばね部分の両方が、支持フレームの残りの部分よりも厚くされている。これにより、近位端と遠位端の両方におけるばね力が向上する。より厚いばね部分は支持フレームを開くことができ、一方より薄い部分は血管壁により迎合する。
【0086】
あるいは、いくつかの例では、ばね部分と中央部分の両方が、より厚い部分の間の、より薄くされ得る、接合部または移行部分、よりも厚くされる。これは、支持フレーム全体を硬くするという問題を回避しながら、全ての側に強い力を提供する。支持フレーム全体を硬くすることは、ばね部分を閉じて塞栓防止装置で蛇行した解剖学的構造を効率的に覆わないことを余儀なくさせ得る。
【0087】
異なる部分における、異なる厚さまたは異なる断面を利用することによって、異なる部分で異なる力を有する構成を有する支持フレームを得ることができる。追加的に、または代替的に、少なくとも遠位または近位ばね部分はばね要素を含み得る。ばね要素は、いくつかの例では、遠位または近位ばね部分のそれぞれのほぼ中心に配置された、ループまたは螺旋の小さなばね、または他の任意の種類のばねであり得る。ばね要素は、支持部材40によって大動脈弓43の壁に加えられる力を増大させるために使用される。
【0088】
前述したように、ばね部
分は支持フレーム
40によって大動脈弓壁に力を加えるために使用され、これは、改良された自己安定化効果を提供すると同じく、折り畳み式の塞栓防止装置と大動脈弓壁との間のシーリング効果を改良することができる。さらに、ばね部
分を使用することにより、大動脈弓内での装置の位置決めおよび自己整合を改善することができる。
【0089】
追加的に、および/または代替的に、いくつかの例では、コネクタ機構を支持フレーム
40に取り付けて、例えばコネクタ要素を近位ループを介して取り付けることによって、防止装置を支持フレームとコネクタ機構との間の接合部で、軸方向に回転させるが半径方向に回転させないことができる。
【0090】
ばね要素、特に近位ばね要素14は、いくつかの例では、装置を長手方向に延長させることによって塞栓防止装置の折り畳み性を向上させるためのクリンプ要素として機能することができる。それにより、塞栓防止装置1000を小径のシース内にクリンプすることが可能になる。
【0091】
いくつかの例では、ばね要素は、例えば、ばね要素がループであるとき、外側に突出するように(支持フレームによって画定される、周囲/取り付け範囲、に対して)または内側に突出するように形成される(支持フレームによって画定される、周囲/取り付け範囲、に対して)。1つ以上のばね要素を内側に突出するように配置または形成することは、フィルタ部材41の支持部材40への取り付けを改良する。また、内側に突出するように配置された1つまたは複数のばね要素を有することは、支持部材40よりも突出または延長するものがないので、支持部材40と大動脈弓43の壁との間の接触を改良する(さらに本明細書に記載のカラーによって改良される、大動脈壁血管組織への滑らかな付加)。
【0092】
支持部材40は、ばねワイヤのようなワイヤから作られてもよく、あるいはチューブ、リボン、シート、またはフラットワイヤなどからレーザ切断されてもよい。支持部材40は単一のワイヤでもよい。いくつかの例では、支持部材40は撚られた単一のワイヤから作られる。あるいは、いくつかの例では、支持部材40は、撚り合わせ、編組または編成された少なくとも2本のワイヤから形成されてもよい。
【0093】
支持部材40は、いくつかの例では、接合の無いリングから作られてもよい。他の例では、支持部材40は少なくとも1つの接合部を有するリングから形成される。接合部は、例えば、はんだ付け、溶接、またはクランプのような固定であり得る。
【0094】
支持部材40は、長い形状、実質的に楕円形、長円形、卵形、または円錐形のスロット形状に成形することができる。あるいは、円形または長方形などの他の形状を使用してもよい。大動脈の解剖学的構造は個人間で異なり得るので、本開示の大動脈内装置の例は、様々な大動脈の解剖学的構造に適応するように形作られ得る。
【0095】
折り畳み式装置のサイズは、様々な患者グループ(例えば、子供および大人)、または特定の大動脈の解剖学的構造に適応するように、あらかじめサイズ決めされ形成されていてもよい。支持部材40は、いくつかの例では、実質的に平面であり得る。いくつかの例では、支持部材40は、使用時に位置決めされるように構成されるように、折り畳み式の塞栓防止装置1700を配置され得る大動脈弓の直径よりも大きい、例えば大動脈弓の直径より約50%大きいような、例えば被験者の大動脈の断面弦より50%大きいような、幅を有してもよい。さらに、いくつかの例では、支持部材40は、例えば、無名動脈の開口の近位にある、被験者の上行大動脈の上壁と、左鎖骨下動脈の開口の遠位にある被験者の下行大動脈の上壁、とのおおよその距離よりも20%長い、弓の開口よりも約20%長い、など、大動脈弓の開口よりも長くてもよい。
【0096】
上記で明らかにされたように、支持部材40を弓の直径よりも、例えば約50%広いように、大動脈弓の開口よりも、例えば約20%長いように、することによって、血管直径のほぼ中央に位置決めする装置の自己位置決めが改良され、したがって大動脈弓壁への付加が改良される。これにより、塞栓防止装置をより容易に配置することができ、壁に対するシーリングが向上する。それはまた、脳に血液を供給している3つの側枝血管、無名(腕頭)動脈、左総頸動脈、または左鎖骨下動脈、すべての被覆を改良し得る。
【0097】
支持部材40は、例えば、ニチノールもしくは金属、超弾性もしくは形状記憶合金材料、容易に展伸する材料、または例えばナイロンのようなポリマー、から全体的にまたは部分的に製造することができる。金属は、例えば、タンタルまたは白金を含み得る。
【0098】
フィルタ部材41は、典型的には約50μmから約5mm(例えば、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、750μm、1mm)の寸法を有する粒子(例えば、塞栓)を、大動脈において脳に血液を供給する血管(例えば、(腕頭動脈)動脈、左総頸動脈、または左鎖骨下動脈)を通過することを防ぐ。したがって、フィルタの孔の1つまたは複数の横方向寸法は、約50μm〜約5mm(例えば、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、750μm、1mm)であり得る。フィルタは、例えば、ポリマー、ナイロン、ニチノール、または金属、またはそれらの組み合わせで形成され、複数の繊維から作られたメッシュであり得る。メッシュは繊維織物から作られてもよい。繊維は、約20から50μmの厚さであり得る。あるいは、フィルタは有孔フィルムであり得る。有孔フィルムが存在する場合、有孔フィルムに形成された孔は、様々なまたは変化のない形状の孔(例えば、直線状または菱形の孔)を含み、フィルム全体にわたって変化するまたは一定の密度を有し、および/または一定または変化するサイズを有し得る。フィルタの孔のサイズは、孔寸法よりも大きい粒子(例えば、塞栓)に対して不通過性でありながら、血漿、および、血液細胞(例えば、赤血球、白血球、および/または血小板)の通過を可能にする。本開示のフィルタのメッシュによってフィルタ処理された塞栓は、典型的には、フィルタのメッシュの開口よりも一つ以上の寸法が大きい粒子である。
【0099】
本開示の一部として様々なカテーテルまたはシースが使用され得る。血管系を通して医療器具をガイドするために構成されることが当該技術分野において知られている任意のカテーテルまたはシース(例えば、米国特許第5、026、366号明細書に記載されているように、例えば、ステント設置カテーテル、アブレーションカテーテル、または、経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)または経皮的大動脈弁置換術(PAVR)処置に使用されるもの)が、用いられ得る。追加的におよび/または代替的に、装置は、6F以下(例えば、1F、2F、3F、4F、5F、または6F)のサイズであり得る、ピッグテールカテーテルを含み、装置の様々な要素の進行を追跡することを容易にするために放射線不透過性材料を含み得る。本開示の一部として使用することができる他のカテーテルは、塞栓症の危険性に関する処置で使用される任意のカテーテルを含み、これは処置の一部として血管内フィルタを含むことによって利益を得るであろう。
【0100】
本開示の装置は、放射線不透過性要素を結合してもよい。そのような放射線不透過性要素は、装置に固定することができ、または装置に組み込むことができる。例えば、フレーム、フィルタ、またはカテーテルの一部をOFTワイヤで構成することができる。そのようなワイヤは、例えば、タンタルおよび/または白金のコアと、例えばニチノールの外周材料とを含み得る。
【0101】
図7Aおよび
図7Bは、この場合はドーム形のメッシュである3次元構造形のフィルタ膜、を保持するように設計された治具1800を示している。支持要素、例えばフレームは、その後、3次元構造の基部を会議の形に拘束し、支持フレームとフィルタ膜との間に例えばUV接着剤または他の種類の接合材料である接着剤を塗布する間、フィルタ膜の3次元形状を維持しながら、支持する。
【0102】
フィルタ膜が支持フレームに取り付けられた後に、フィルタ膜の第2の部分の余剰な材料を除去することができる。このようにして、支持部材が3次元構造に対して正しい位置に配置されて、支持フレームが大動脈弓壁によって拘束されているときに、フィルタ膜がその事前に設定された形状に戻ることを可能にする。あるいは、いくつかの例では、支持部材はその拡張された形状であってもよく、フィルタ膜は、接着剤、例えば接着剤または他の種類の接合材料、がフィルタ膜と支持フレームとの間に塗布される前に支持フレームの上に引き伸ばされる。
【0103】
図8は、少なくともストランドから作られた布のシートから3次元(3D)構造を有する塞栓フィルタを製造する方法に関するチャート1900を示している。
【0104】
第1の表面によって囲まれた3次元構造の形状のキャビティを有する型の第1パート、および、第2の表面によって囲まれた3次元構造の形状の突出部を有する第2パート、の2つの部分、を含む型に布のシートを配置する(100)。シートは、第1パートに配置されてもよく、あるいは第2パートに配置されてもよい。
【0105】
型を閉じる(101)。型を閉じると、キャビティの表面と突出部の表面との間に空間ができる。布のシートの第1の部分は、キャビティの表面と突出部の表面との間の空間に配置され、第2の部分は、キャビティを囲む表面と突出部との間に配置される。第2の部分は、型の第1および第2パートによってかけられる圧力にさらされるであろう。
【0106】
設定温度に達するまで型内の温度を上昇させることによって布を熱処理する(102)。一定時間、設定温度に温度を保つ。熱がスイッチオフされ、布を取り出す前に型内で冷却させることができる。
【0107】
布が装置から取り除かれた後、それは支持部材に取り付けられ得る。支持フレームがわずかに圧縮された状態で治具内に平らに保持されている間に、布を支持フレームに取り付けることができる。フィルタ膜は、接着剤を使用することによって支持枠に接着されてもよい。フィルタ膜はまた、熱溶接、超音波溶接、または縫い付けなどを使用して支持フレームに取り付けられ得る。当業者は、フィルタ膜を支持フレームに取り付けるための当該技術分野において既知の他の選択肢があることを容易に理解するであろう。
【0108】
本開示のいくつかの例が本明細書で説明および例示されてきたが、当業者は、他のさまざまな手段、および/または、機能を実行するための構造、および/または、結果の入手、および/または、本明細書に記載の1つまたは複数の利点を、容易に想起するであろう。そのような変形形態のそれぞれ、および/または、修正は、本開示の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示的なものであり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、特定の用途、または、本開示の教示が使用されている用途、に依存することを容易に理解するであろう。また、ハードウェアによって実行される、上述したものとは異なる方法のステップが、本開示の範囲内で提供され得る。本開示の異なる特徴およびステップは、記載されたもの以外の他の組み合わせで組み合わせることができる。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。