特許第6933710号(P6933710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6933710皮脂を変性する物質を含むヘアケア組成物
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  • 特許6933710-皮脂を変性する物質を含むヘアケア組成物 図000017
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6933710
(24)【登録日】2021年8月23日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】皮脂を変性する物質を含むヘアケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20210826BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20210826BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20210826BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20210826BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20210826BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20210826BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61Q5/00
   A61K8/27
   A61K8/25
   A61Q5/12
   A61Q5/02
【請求項の数】12
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-525812(P2019-525812)
(86)(22)【出願日】2018年6月5日
(65)【公表番号】特表2020-504083(P2020-504083A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(86)【国際出願番号】US2018035996
(87)【国際公開番号】WO2018226651
(87)【国際公開日】20181213
【審査請求日】2019年6月3日
(31)【優先権主張番号】62/515,134
(32)【優先日】2017年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スプリヤ プニャニ
(72)【発明者】
【氏名】モナリシャ ポール
(72)【発明者】
【氏名】ステヴァン デイビッド ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ハーディ ペイジ
(72)【発明者】
【氏名】サンドラ ニコール アイザックス
(72)【発明者】
【氏名】イオアニス コンスタンティン コンスタンティニデス
(72)【発明者】
【氏名】エンリコ ペリッロ
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/047421(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第03061501(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00− 8/99
A61Q1/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)0.1重量%〜12重量%の、8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオールと、
b)0.1重量%〜10重量%の固体粒子であって、
(1)前記固体粒子と人工皮脂との間の界面張力が、5〜18ダイン/cmであり、
(2)前記人工皮脂が、22ダイン/cmより大きな、前記固体上での拡散係数を示し、
(3)前記固体粒子に対する前記人工皮脂の付着仕事量が、75ダイン/cmより大きい、
固体粒子と、
c)水性担体と
を含み、前記固体粒子が、シリカ、シリル化シリカ(疎水性シリカ)、炭酸亜鉛及びこれらの混合物からなる群から選択され
前記人工皮脂が、14重量%のステアリン酸と、8重量%のオレイン酸と、12重量%のスクワレンと、12重量%のパルミチン酸セチルと、12重量%のイソステアリン酸イソステアリルと、20重量%のトリオクタノインと、20重量%のカプリン酸/カプリン酸トリグリセリドと、2重量%のコレステロールとを含む
ヘアケア組成物。
【請求項2】
前記8個より多い炭素からなる炭素鎖長さを有する1,2−ジオールが、0.2〜5%である、請求項1に記載のヘアケア組成物。
【請求項3】
前記8個より多い炭素からなる炭素鎖長さを有する1,2−ジオールが、0.5〜4%である、請求項1または2に記載のヘアケア組成物。
【請求項4】
前記8個より多い炭素からなる炭素鎖長さを有する1,2−ジオールが、1.0〜3.0%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項5】
前記固体粒子が、0.5〜5%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項6】
前記固体粒子が、1.0〜2.0%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項7】
陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び両性からなる群から選択される、0.1重量%〜5重量%の乳化剤を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項8】
前記水性担体が、20重量%〜95重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項9】
前記水性担体が、60重量%〜85重量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項10】
前記ヘアケア組成物が、リンスオフコンディショナーである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項11】
前記ヘアケア組成物が、リーブオントリートメントである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項12】
前記ヘアケア組成物が、プレウォッシュ組成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪及び頭皮に永続的な清潔感、及び後のシャンプーによる清浄時に容易な皮質除去を実現する、1,2−ジオール及び疎水性粒子を含むヘアケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
清潔な頭皮及び毛髪とは、粘着感又はべた付き感がない、繊維が寄り集まることがない、臭いがない、及び毛髪にボリューム感がある(no weigh-down)ものとして消費者に説明される。一般に、消費者は、1日が終わる間に、液状の皮脂が頭皮及び毛髪に蓄積すると、頭皮及び毛髪が不潔と感じる。毛髪及び頭皮上の液体皮脂は、多くの場合、不潔な、べた付き感のある、脂っぽい、並びに汚い見た目、感覚及び臭いに関連する。皮脂は、液状形態で、頭皮上の皮脂腺から絶えず分泌されている。動的環境(UV及びマイクロフローラへの曝露)のため、皮脂は不安定であり、その組成は迅速に変化する。その結果、皮脂は、頭皮上に1つより多い相で典型的には存在し、その日の間に毛髪に移る。界面活性剤含有シャンプーによる清浄により、界面活性剤濃度に応じて、蓄積された皮脂の約60〜90%が除去される。大部分のシャンプーは、平均で皮脂の80%を除去する。しかし、皮脂分泌は連続過程であるので、皮脂は、頭皮上に再度現れて、シャンプー後の5〜6時間以内に、有意な量が蓄積する。上記のとおり、皮脂は、しだいに、毛髪繊維に移り、これにより、前に洗浄してから5〜6時間以内に、消費者が清潔ではないと感じるようになる。大部分の消費者は、毛髪を清浄するために、界面活性剤含有シャンプーを使用する一方、毛髪を清浄するために、油系製品を使用する消費者が少数、存在する。界面活性剤を高い含有量で有する多数のシャンプーは、天然の潤滑剤から毛髪繊維の表面をはぎ取られた感覚があり、これにより、乾燥してきしむような(squeaky)毛髪の感覚をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、シャンプーには望ましくない妥協点があり、上記の負の妥協点なしに、不潔な頭皮及び毛髪の外観及び感覚になるのを効果的に遅延することができ、かつ皮脂を除去することができるヘアケア製品が必要とされている。
【0004】
理論に束縛されるものではないが、ヘアケア組成物中にこれらの物質が組み合わされて存在することにより、融解特性及び/又は皮脂吸収などの皮脂の物理特性を変性することによって利点がもたらされる。その結果、頭皮から毛髪繊維への皮脂の移動が低減され、これにより、毛髪の外観及び感覚がそれほど不潔にならないようになる。更に、上記の物質の組み合わせ物を含むヘアケア組成物により、毛髪及び頭皮の処置は、その後のシャンプーによる清浄時に、一層効果的な皮質除去に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
a)約0.1重量%〜約12重量%の、8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオールと、
b)約0.1重量%〜約10重量%の固体粒子であって、
(1)固体粒子と皮脂との間の界面張力が、約5〜約18ダイン/cmであり、
(2)皮脂は、約22ダイン/cmより大きな、固体上での拡散係数を示し、
(3)固体粒子に対する皮脂の付着仕事量が、約75ダイン/cmより大きい、
固体粒子と、
c)水性担体と、
d)陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び両性からなる群から選択される、約0.1重量%〜約5重量%の乳化剤と、
を含む、清浄面での利点のためのプレウォッシュ組成物を対象とする。
【0006】
本発明の製品組成物は、毛髪及び頭皮に永続的な清潔感、並びにその後のシャンプーによる清浄時に容易な皮脂除去をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前述の一般的な説明及び以下の詳細説明はどちらも、さまざまな非限定例を説明し、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概略又は骨組みを提供することが意図されることを理解されたい。添付の図面は、さまざまな非限定例の更なる理解を提供するために含まれたものであり、本明細書の一部に組み込まれると共に本明細書の一部を構成するものである。図面は、本明細書に記載されているさまざまな非限定例を例示しており、説明と共に、特許請求されている主題の原理及び操作を説明する役割を果たす。
図1】接触角の測定を図示する非限定例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に示しかつ明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本発明は以下の説明によってより深く理解されると考えられる。
【0009】
本発明は、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加の若しくは任意の成分、構成要素又は制限事項のいずれも含むこと、これらからなること、又はこれらから本質的になることができる。
【0010】
特に指定がないかぎり、本明細書において使用するすべての百分率及び比率は、組成物全体の重量を基準とする。特に指示がないかぎり、すべての測定は周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約25℃、約1気圧未満、及び約50%の相対湿度(RH)における条件を意味する。すべての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた上下の範囲限界は組み合わせ可能であり、明示的に区切られていない更なる範囲を作る。
【0011】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分及び任意選択的成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなることができる。本明細書で使用する場合、「から本質的になる」とは、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得ることを意味するが、追加成分が、特許請求される組成物又は方法の基本的かつ新規の特性を実質的に変えない場合に限る。
【0012】
組成物に関連して使用される「施用する」又は「施用」は、本発明の組成物を毛髪などの角質組織上に施用する又は広げることを意味する。
【0013】
「皮膚科学的に許容可能な」は、記載される組成物又は構成成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などがなく、ヒトの皮膚組織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0014】
「安全かつ有効な量」は、有益な効果を有意に誘導するのに十分な化合物又は組成物の量を意味する。
【0015】
組成物に関する「リーブオン」は、施用して、角質組織上に付着させたままにすることが意図される組成物を意味する。これらのリーブオン組成物は、毛髪に施用されて、続けて(数分以内に)洗浄、濯ぎ、又は拭いなどのいずれかにより除去される組成物とは区別されるべきである。リーブオン組成物では、シャンプー、リンスオフコンディショナー、洗顔料、手洗浄剤、ボディウォッシュ、又は身体用洗浄剤などのリンスオフ型の施用を除外する。リーブオン組成物は、洗浄用界面活性剤又は洗浄性界面活性剤を実質的に含まなくてよい。例えば、「リーブオン組成物」は、少なくとも15分間、角質組織上に付着させたままにしておくことができる。例えば、リーブオン組成物は、1%未満の洗浄性界面活性剤、0.5%未満の洗浄性界面活性剤、又は0%の洗浄性界面活性剤を含むことができる。しかし、本組成物は、毛髪に局所的に施用した際に、何らかの有意なクレンジングによる恩恵をもたらすことを意図するものではない、乳化剤、分散剤又はその他加工用界面活性剤を含有してもよい。
【0016】
「可溶性」は、25℃及び圧力1atmにおいて、少なくとも約0.1gの溶質が100mLの溶媒に溶解することを意味する。
【0017】
特に記述のないかぎり、百分率はすべて、組成物全体の重量基準である。特に記載のないかぎり、比はすべて、重量比である。範囲はすべて、包括的かつ組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。「分子量」又は「M.Wt.」という用語は、本明細書で使用する場合、特に記述のないかぎり、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる。「QS」は、100%とするために十分な量を意味する。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「実質的に含まない」は、組成物の総重量基準で、約1%未満、又は約0.8%未満、又は約0.5%未満、又は約0.3%未満、又は約0%を意味する。
【0019】
本明細書で使用する場合、「毛髪」は、頭皮の毛、顔面の毛及び身体の毛を含めた、哺乳動物の毛、具体的にはヒトの頭部及び頭皮上の毛を意味する。
【0020】
「固体粒子」は、本明細書で使用する場合、有機化合物及び/又は無機化合物からなる、多孔質合成凝集物の自由流動性組成物又は懸濁液とすることができる、粒子及び/又は粉末ブレンドを意味する。
【0021】
「化粧品として許容可能な」とは、本明細書で使用する場合、記載されている組成物、配合物、又は構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトの角質組織と接触させて使用するのに好適であることを意味する。本明細書で記載され、角質組織に直接、施用するという目的を有するすべての組成物は、化粧品として許容可能であるものとして制限される。
【0022】
「誘導体」としては、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、所与の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、酸誘導体、塩誘導体及び/又はアルコール誘導体が挙げられる。
【0023】
本明細書で使用する場合、「ポリマー」は、2つ以上のモノマーの重合から形成される化学物質を意味する。本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、モノマーの重合によって作製されるすべての物質、及び天然ポリマーを含むものとする。1種類のモノマーだけで作成されるポリマーをホモポリマーと呼ぶ。2種類以上の異なるモノマーから作製されるポリマーをコポリマーと呼ぶ。異なるモノマーの分布は、統計的に計算することができ、又はブロック毎に計算することもでき、どちらの可能性も本発明に好適である。特に記述のないかぎり、本明細書において使用される「ポリマー」という用語には、ホモポリマー及びコポリマーを含めた、あらゆる種類のポリマーが含まれる。
【0024】
「プレウォッシュ水性組成物」
「プレウォッシュ」は、本発明の組成物を言及する場合、毛髪をシャンプーする前に、製品を施用するために使用することが意図されている組成物を意味する。プレウォッシュ工程は、シャンプー前のようなものの、濯ぎ又は拭いの後に続けることができる。プレウォッシュ組成物は、洗浄用界面活性剤又は洗浄性界面活性剤を実質的に含まなくてよい。例えば、「プレウォッシュ組成物」は、少なくとも2分間、角質組織上に付着させたままにしておくことができる。例えば、プレウォッシュ組成物は、1%未満の洗浄性界面活性剤、0.5%未満の洗浄性界面活性剤、又は0%の洗浄性界面活性剤を含むことができる。しかし、本組成物は、毛髪に局所的に施用した際に、何らかの有意なクレンジングによる恩恵をもたらすことを意図するものではない、乳化剤、分散剤又はその他加工用界面活性剤を含有してもよい。
【0025】
本発明のヘアケア組成物は、プレウォッシュ組成物、リンスオフコンディショナー、又はリーブオントリートメントとすることができる。それらによって、毛髪に長い清潔感及び外観がもたらされる。それらはまた、毛髪の感覚に有意な悪影響を及ぼすことなく、シャンプーによる後の清浄時に、優れた清浄性能を実現する。この利点は、ヘアケア組成物に含まれている皮脂変性剤の組成物によって実現される。その皮脂変性剤を組み合わせることにより、融解特性及び/又は皮脂の吸収などの皮脂の物理特性を変性することができ、その結果、その日の間、皮脂が頭皮から毛髪繊維に移るのが防止され得る。皮質除去に関連する前述の利点は、単一の組成物により処置されないが、同一のシャンプーにより洗浄される対照の毛髪と比べて、本発明の物質の組み合わせ物を含有するヘアケア組成物により処置され、続いてシャンプーにより洗浄した毛髪からの皮脂除去を測定することにより観察される。
【0026】
皮脂変性剤
以下のクラスの皮脂変性剤又はその組み合わせ物により、融解特性及び/又は皮脂吸収などの、皮脂の物理特性を変性することができる。
a)1,2−ジオールは、8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有することを含む。
例えば、1−2−ジオールの場合、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−オクタンジオール。
b)シリル化シリカ、炭酸亜鉛、疎水性クレイ、酸化亜鉛、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリスチレン粉末、ケイ酸カルシウム、ポリエチレン、ナイロン、窒化ホウ素、雲母、クレイ(ベントナイト、モンモリロナイト及びカオリンなど)、ゼオライト、シクロデキストリン、ヒュームドシリカ、合成クレイ(天然、合成及び半合成セルロースを含むポリマー粉末)、フルオロカーボン樹脂、ポリプロピレン、酢酸セルロースの変性デンプン、微粒子架橋疎水性アクリレート又はメタクリレートコポリマー、並びにそれらの混合物などの、疎水性固体粒子又は疎水的変性固体粒子。オイルを負荷する高い能力を有するよう疎水的変性されているデンプン。このようなデンプンは、アルキル又はアルケニル置換ジカルボン酸により変性することができる。このような物質は、アルミニウムなどの対イオン、例えば金属を含有してもよい。好ましいこのような物質は、National Starch and Chemical Company(米国)から入手可能なNatrasorb HFBであり、デンプンオクテニルコハク酸アルミニウムを含有する。National Starch and Chemicalからの他の好適な物質には、Natrasorb Bath、Dry−Flow PC、Dry−How XT及びDry−Flow Pureが含まれる。
表面張力変性剤は、オイルの表面張力を低下させる変性タンパク質誘導体である。非限定例には、Brooks Industries、NJなどからの、Vegepol(C8〜16イソアルキルスクシニルダイズタンパク質コハク酸ナトリウム)が含まれる。
c)飽和脂肪酸は、20個未満の全炭素原子を含有し、例えばステアリン酸である。
【0027】
本発明の毛髪組成物中の1,2−ジオールの濃度は、約0.1%〜約12%であってもよく、更に約0.2〜約5%であってもよく、更に約0.5〜約4%であってもよく、更に約1.0〜約3.0%であってもよい。本発明の毛髪組成物中の固体粒子の濃度は、約0.1%〜約10%であってもよく、更に約0.5〜約5%であってもよく、更に約1.0〜約2.0%であってもよい。
【0028】
その融点などの皮脂の物理的特性を変化させ得る、皮脂変性剤としての物質を特定する試みにおいて、皮脂を含む物質のさまざまな混合物を調製して、示差走査熱量測定法を使用して測定する。以下の表は、対応する測定値を提示している。
【0029】
【表1】
【0030】
適切な固体粒子を特定するために、接触角法を使用して、さまざまな固体粒子上の皮脂の吸収/吸着特徴を測定する。以下の表は、対応する測定値を提示している。
【0031】
【表2】
【0032】
製品形態
本発明のヘアケア組成物は、プレウォッシュ組成物、リンスオフヘアコンディショナー又はリーブオントリートメントとすることができる。本ヘアケア製品は、(a)8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオール、及び(b)頭皮及び/又は毛髪から皮脂を吸収/吸着することができる固体粒子を含む。それらはまた、水性担体を含む。
【0033】
1,2−ジオール
プレウォッシュ組成物(及び、他のタイプのヘアケア製品の組成物)の組成は、約0.1重量%〜約12重量%の、8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオールを含有する。非限定例としては、1,2−ドデシネジオール(dodecnediol)、1,2−デカンジオール、1,2−オクタデカンジオールが挙げられる。
【0034】
理論によって限定されないが、このような1,2−ジオールは、皮脂の溶融特徴の変性に寄与し、組成物中に存在する固体による吸収/吸着に一層利用可能になる。
【0035】
固体粒子
プレウォッシュ組成物(及び、他のタイプのヘアケア製品の組成物)の組成は、約0.1重量%〜約10重量%の、頭皮及び/又は毛髪から皮脂を吸収/吸着することができる固体粒子を含有し、
(1)固体粒子と皮脂との間の界面張力が、約5〜約18ダイン/cmであり、
(2)皮脂は、約22ダイン/cmより大きな、固体上での拡散係数を示し、
(3)固体粒子に対する皮脂の付着仕事量が、約75ダイン/cmより大きい。
【0036】
このような固体粒子の非限定例としては、炭酸亜鉛、疎水的変性シリカ、疎水的変性クレイ、酸化亜鉛、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリスチレン粉末、ケイ酸カルシウム、ポリエチレン、ナイロン、窒化ホウ素、雲母、クレイ(ベントナイト、モンモリロナイト及びカオリンなど)、ゼオライト、シクロデキストリン、ヒュームドシリカ、合成クレイ(天然、合成及び半合成セルロースを含むポリマー粉末)、フルオロカーボン樹脂、ポリプロピレン、酢酸セルロースの変性デンプン、微粒子架橋疎水性アクリレート又はメタクリレートコポリマー、並びにこれらの混合物が挙げられる。オイルを負荷する高い能力を有するよう疎水的変性されているデンプン。このようなデンプンは、アルキル又はアルケニル置換ジカルボン酸により変性することができる。このような物質は、アルミニウムなどの対イオン、例えば金属を含有してもよい。好ましいこのような物質は、National Starch and Chemical Company(米国)から入手可能なNatrasorb HFBであり、デンプンオクテニルコハク酸アルミニウムを含有する。National Starch and Chemicalからの他の好適な物質には、Natrasorb Bath、Dry−Flow PC、Dry−How XT、及びDry−Flow Pureが含まれる。表面張力変性剤は、オイルの表面張力を低下させる変性タンパク質誘導体である。非限定例には、Brooks Industries、NJなどからの、Vegepol(C8〜16イソアルキルスクシニルダイズタンパク質コハク酸ナトリウム)が含まれる。
【0037】
水性担体
ヘアケア組成物は、水性担体を含む。したがって、ヘアケア組成物の配合物は、注入可能な液状形態とすることができる(周囲条件下)。そのため、このような組成物は、典型的に、水性担体を含むが、これは、約20重量%〜約95重量%、又は約60重量%〜約85重量%のレベルで存在する。この水性担体は、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよく、一態様では、特に、他の構成成分の微量成分として組成物中に偶発的に取り込まれる場合を除き、最小限の又は有意な濃度の有機溶媒しか含んでいない水を含んでもよい。
【0038】
ヘアケア組成物に有用な水性担体としては、水、及び低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書において有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコールであり、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書において有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0039】
A.プレウォッシュ組成物
プレウォッシュ組成物は、(a)8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオール、(b)頭皮及び/又は毛髪から皮脂を吸収/吸着することができる固体粒子、及び(c)水性担体からなる。更に、プレウォッシュ組成物は、シリコーン又は有機コンディショニング剤、毛髪健康活性物質、フケ防止活性物質、及び他の成分などの他の任意選択の成分を含んでもよい。
【0040】
液状形態中のコンディショニング剤は、組成物の固体粒子が吸収する能力を保持するため、中低度の量、例えば、3%未満で添加されるべきである。
【0041】
プレウォッシュ組成物を使用する頭皮及び毛髪のプレウォッシュトリートメントは、毛髪に施用され、任意選択で濯がれる。次に、シャンプーによる洗浄は、後の時間に行われる(プレウォッシュ組成物の施用後の数分以内、又はプレウォッシュ組成物の施用後、数時間又は数日にもなる)。浄化用シャンプーは、このような作用剤を含有し得るコンディショニングシャンプーと比べて、不溶性コンディショニング剤を実質的に含まないヘアクレンジング組成物である。
【0042】
プレウォッシュには、水、乳化剤及び増粘剤(Sepigel305)からなる混合物中に、これらの物質の1%w/w溶液を施用することが含まれる。そのような物質としては、1−2−ジオールについて、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−オクタンジオール、及び固体粒子について、シリル化シリカ、サリチル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−クロロレゾルシノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン及び炭酸亜鉛を挙げることができる。
【0043】
乳化剤
ヘアケア組成物がゲルマトリックスを含まない場合、1,2−ジオールを事前乳化した後、ヘアケア組成物に添加することができる。各コンディショニング活性物質についての乳化剤の選択は、乳化剤の親水性−親油性−バランス値(HLB値)が指針となる。HLB値の好適な範囲は、6〜16、より好ましくは8〜14である。10超のHLBを有する乳化剤は、水溶性である。低いHLBを有する乳化剤は、脂溶性である。好適なHLB値を得るために、2つ以上の乳化剤の混合物を使用してもよい。好適な乳化剤としては、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性及び両性の乳化剤が挙げられる。
【0044】
レオロジー変性剤/増粘剤
上記のヘアケア組成物はまた、良好な感覚、使用時の特性及び組成物の懸濁安定性に関する、組成物のレオロジー特徴を調整するために、1種又は複数のレオロジー変性剤/増粘剤を含有してもよい。例えば、組成物が保管及び輸送中に均質のままであるように、及び使用中に身体の他の領域、衣類又は家具に、望ましくないほどに滴ることのないように、レオロジー特性が調整される。任意の好適なレオロジー変性剤を使用することができる。更に、リーブオントリートメントは、約0.01%〜約3%のレオロジー変性剤、代替として、約0.1%〜約1%のレオロジー変性剤を含んでもよい。
【0045】
1種又は複数のレオロジー変性剤は、ポリアクリルアミド増粘剤、陽イオン変性多糖類、会合性増粘剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。会合性増粘剤としては、例えば、疎水変性セルロース誘導体、PEG−150/デシルアルコール/SMDIコポリマー、PEG−150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、ポリウレタン−39などの疎水変性アルコキシル化ウレタンポリマー;疎水変性ポリポリアクリレート(polypolyacrylate)、疎水変性ポリアクリル酸、及び疎水変性ポリアクリルアミドなどの疎水変性アルカリ膨潤性エマルション;疎水変性ポリエーテルなどのさまざまな物質のクラスが挙げる。これらの物質は、セチル、ステアリル、オレアイル(oleayl)、及びこれらの組み合わせから選択することができる疎水性部分、及び10〜300、代替として30〜200、及び代替として40〜150の繰り返し単位を有する繰り返しエチレンオキシド基の親水性部分を有してもよい。このクラスの例としては、PEG−120−メチルグルコースジオレエート、PEG−(40又は60)ソルビタンテトラオレエート、PEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレート、PEG−55プロピレングリコールオレエート、PEG−150ジステアレートが挙げられる。
【0046】
追加的なレオロジー変性剤の非限定例としては、アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー(及び)ポリイソブテン(及び)ポリソルベート20、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレートナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80、アクリレートコポリマー、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレートコポリマー、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートルクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20イタコネートコポリマー、アンモニウムポリアクリレート/イソヘキサデカン/PEG−40ヒマシ油、C12〜16アルキルPEG−2ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルエチルセルロース(HM−EHEC)、カルボマー、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、ジベンジリデンソルビトール、ヒドロキシエチルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、PEG−150/デシルアルコール/SMDIコポリマー、PEG−150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、ポリアクリルアミド/C13〜14イソパラフィン/ラウレス−7、ポリアクリレート13/ポリイソブテン/ポリソルベート20、ポリアクリレートクロスポリマー−6、ポリアミド−3、ポリクオタニウム−37(及び)水素添加ポリデセン(及び)トリデセス−6、ポリウレタン−39、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウレート/ジメチルアクリルアミド、クロスポリマー(及び)イソヘキサデカン(及び)ポリソルベート60、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。例示的な市販のレオロジー変性剤としては、ACULYN(商標)28、Klucel M CS、Klucel H CS、Klucel G CS、SYLVACLEAR AF1900V、SYLVACLEAR PA1200V、Benecel E10M、Benecel K35M、Optasense RMC70、ACULYN(商標)33、ACULYN(商標)46、ACULYN(商標)22、ACULYN(商標)44、Carbopol Ultrez20、Carbopol Ultrez21、Carbopol Ultrez10、Carbopol1342、Sepigel(商標)305、Simulgel(商標)600、Sepimax Zen、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
本明細書において使用するのに好適な増粘剤の非包括的なリストには、キサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース(Aquacote(登録商標)として市販されている)、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標))、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標))、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標)Plus330)、N−ビニルピロリリドン(vinylpyrollidone)(Povidone(登録商標))、アクリレート/セテス−20イタコネートコポリマー(Structure(登録商標)3001)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(Structure(登録商標)ZEA)、ポリエトキシル化ウレタン又はポリカルバミルポリグリコールエステル(例えば、PEG−150/デシル/SMDIコポリマー=Aculyn(登録商標)44)、PEG−150/ステアリル/SMDIコポリマー=Aculyn46(登録商標)、トリヒドロキシステアリン(Thixcin(登録商標))アクリレートコポリマー(例えば、Aculyn(登録商標)33)又は疎水変性アクリレートコポリマー(例えば、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートポリマー=Aculyn(登録商標)22)、及び脂肪アルコール(セチルアルコール及びステアリルアルコールなど)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
コンディショナー組成物
本発明のヘアケア組成物は、毛髪コンディショナーとすることができる。ヘアコンディショナー組成物により、シャンプー時に、頭皮へのフケ防止効果の利点に加えて、潤いのある感覚、櫛通り性、色調保持、毛髪損傷からの保護、損傷修復、乾いた感覚、縮れ防止利点などの望ましい利点を消費者にもたらす。
【0049】
コンディショナー組成物は、(a)8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオール、(b)頭皮及び/又は毛髪から皮脂を吸収/吸着することができる固体粒子、及び水性担体を含む。更に、コンディショナー組成物は、シリコーン又は有機コンディショニング剤、毛髪健康活性物質、フケ防止活性物質、及び他の成分などの他の任意選択の成分を含んでもよい。
【0050】
ヘアコンディショナーは典型的に、毛髪からシャンプー組成物を濯いだ後に毛髪に施用される。本明細書に記載されているコンディショナー組成物は、消費者にフケ防止の利点に加えて、所望のヘアコンディショニングをもたらす。
【0051】
本明細書に記載されているコンディショニング組成物はまた、(1)1種又は複数の高融点脂肪族化合物、(2)陽イオン性界面活性剤系、及び(3)第2の水性担体を含むコンディショナーゲルマトリックスを含むことができる。毛髪にコンディショナー組成物を施用した後に、水を使用して、コンディショナーを毛髪から濯ぐ。
【0052】
A.陽イオン性界面活性剤系
コンディショナー組成物のコンディショナーゲルマトリックスは、陽イオン性界面活性剤系を含む。陽イオン性界面活性剤系は、1種の陽イオン性界面活性剤、又は2種以上の陽イオン性界面活性剤の混合物とすることができる。陽イオン性界面活性剤系は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、モノ長鎖アルキルアミドアミン塩、モノ長鎖アルキルアミドアミン塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、モノ長鎖アルキルアミドアミン塩とモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせから選択することができる。
【0053】
陽イオン性界面活性剤系は、約0.1%〜約10%、約0.5%〜約8%、約0.8%〜約5%、及び約1.0%〜約4%の重量基準レベルで組成物中に含まれ得る。
【0054】
モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
本明細書において有用なモノアルキル四級化アンモニウム塩陽イオン性界面活性剤は、約22個の炭素原子を有する1つのアルキル長鎖を有するものであり、C22アルキル基とすることができる。窒素に結合している残りの基は、1〜約4個の炭素原子からなるアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から独立して選択される。
【0055】
本明細書において有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(I)を有するものである:
【0056】
【化1】
(式中、R75、R76、R77及びR78のうち1つは、22個の炭素原子からなるアルキル基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から選択され、R75、R76、R77及びR78の残りは、1〜約4個の炭素原子からなるアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン)ラジカル、酢酸イオンラジカル、クエン酸イオンラジカル、乳酸イオンラジカル、グリコール酸イオンラジカル、リン酸イオンラジカル、硝酸イオンラジカル、スルホン酸イオンラジカル、硫酸イオンラジカル、アルキル硫酸イオンラジカル及びアルキルスルホン酸イオンラジカルから選択されるものなどの塩を形成する陰イオンである)。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル連結基及び/又はエステル連結基、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約22個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。R75、R76、R77及びR78のうちの1つは、約22個の炭素原子からなるアルキル基から選択することができ、R75、R76、R77及びR78の残りは、CH、C、COH及びこれらの混合物から独立して選択され、Xは、Cl、Br、CHOSO、COSO及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
このようなモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩陽イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0058】
モノ長鎖アルキルアミドアミン塩
モノ長鎖アルキルアミンも、陽イオン性界面活性剤として好適である。第一級、第二級、及び第三級脂肪族アミンが有用である。特に有用なものは、約22個の炭素からなるアルキル基を有する三級アミドアミンである。例示的な三級アミドアミンとしては、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミンが挙げられる。本発明において有用なアミンは、米国特許第4,275,055号(Nachtigalら)に開示されている。これらのアミンはまた、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸、及びこれらの混合物などの酸と組み合わせて使用することができ、L−グルタミン酸、乳酸、及び/又はクエン酸とすることができる。本明細書におけるアミンは、いずれかの酸によって、アミンと酸とのモル比が約1:0.3〜約1:2及び/又は約1:0.4〜約1:1で部分的に中和され得る。
【0059】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩又はモノ長鎖アルキルアミドアミン塩と組み合わせることができる。このような組み合わせは、モノアルキル四級化アンモニウム塩又はモノ長鎖アルキルアミドアミン塩の単一使用と比べて、濯ぎが容易な感覚をもたらすことができると考えられる。モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩又はモノ長鎖アルキルアミドアミン塩とのこのような組み合わせでは、ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、陽イオン性界面活性剤系中のジアルキル四級化アンモニウム塩の重量%が、約10%〜約50%及び/又は約30%〜約45%の範囲となるようなレベルで使用される。
【0060】
本明細書において有用なジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩陽イオン性界面活性剤は、約22個の炭素原子を有する2つのアルキル長鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、1〜約4個の炭素原子からなるアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から独立して選択される。
【0061】
本明細書において有用なジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(II)を有するものである:
【0062】
【化2】
(式中、R75、R76、R77及びR78のうち2つは、22個の炭素原子からなるアルキル基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から選択され、R75、R76、R77及びR78の残りは、1〜約4個の炭素原子からなるアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン)ラジカル、酢酸イオンラジカル、クエン酸イオンラジカル、乳酸イオンラジカル、グリコール酸イオンラジカル、リン酸イオンラジカル、硝酸イオンラジカル、スルホン酸イオンラジカル、硫酸イオンラジカル、アルキル硫酸イオンラジカル、及びアルキルスルホン酸イオンラジカルから選択されるものなどの塩を形成する陰イオンである)。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル連結基及び/又はエステル連結基、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約22個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。R75、R76、R77及びR78のうちの1つは、22個の炭素原子からなるアルキル基から選択することができ、R75、R76、R77及びR78の残りは、CH、C、COH、及びこれらの混合物から独立して選択され、Xは、Cl、Br、CHOSO、COSO、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0063】
このようなジアルキル四級化アンモニウム塩陽イオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(C22)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、二水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。このようなジアルキル四級化アンモニウム塩陽イオン性界面活性剤としては、例えば、不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩陽イオン性界面活性剤もやはり挙げられる。
【0064】
B.高融点脂肪族化合物
コンディショナー組成物のコンディショナーゲルマトリックスは、1種又は複数の高融点脂肪族化合物を含む。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有することができ、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。当業者は、本明細書のこの項に開示されている化合物が、一部の例では、2種以上の分類に属し得る(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体としても分類され得る)ことを理解している。しかし、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上、そのようになされている。更に、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に応じて、特定の炭素原子を有する特定の化合物が、25℃未満の融点を有することが当業者によって理解される。このような低融点の化合物が、この項に含まれることは意図されない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993,and CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0065】
さまざまな高融点脂肪族化合物のうち、脂肪族アルコールが本コンディショナー組成物中で使用するのに好適である。本明細書において有用な脂肪族アルコールは、約14〜約30個の炭素原子、約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和であり、直鎖アルコール又は分枝鎖アルコールとすることができる。好適な脂肪族アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が使用され得る。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールの群から選択される、純粋な脂肪族アルコールの単一化合物も使用され得る。本明細書において、「純粋な」とは、化合物が、少なくとも約90%及び/又は少なくとも約95%の純度を有することを意味する。これらの高純度の単一化合物は、消費者が組成物を濯ぎ落とすときに、毛髪からの優れた濯ぎ易さをもたらす。
【0067】
高融点脂肪族化合物は、濡れた毛髪への施用中のスベスベ感、乾いた毛髪における柔軟さ及びしっとり感などの改善されたコンディショニング効果を実現することを考慮して、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、代替として約1重量%〜約15重量%、代替として約1.5重量%〜約8重量%のレベルでコンディショナー組成物中に含まれ得る。
【0068】
リーブオントリートメント
本発明のヘアケア組成物は、リーブオントリートメントとすることができる。リーブオントリートメント組成物は、頭皮へのフケ防止効果の利点の他に、消費者に、所望のヘアコンディショニング又はスタイリングの利点をもたらす。
【0069】
リーブオントリートメント組成物は、(a)8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオール、(b)頭皮及び/又は毛髪から皮脂を吸収/吸着することができる固体粒子、及び水性担体を含む。リーブオントリートメントはまた、(1)1種又は複数のレオロジー変性剤を含んでもよい。更に、リーブオントリートメントは、シリコーン又は有機コンディショニング剤、増粘剤、毛髪健康活性物質、フケ防止活性物質、及び他の成分などの他の任意選択の成分を含んでもよい。
【0070】
したがって、リーブオントリートメントの配合物は、注入可能な液状形態とすることができる(周囲条件下)。
【0071】
リーブオン組成物がゲルマトリックスを含まない場合、組成物の1,2−ジオールは、事前乳化された後に、ヘアケア組成物に添加されることが好ましい。リーブオン組成物がゲルマトリックスを含まない場合、組成物は、レオロジー変性剤/増粘剤も含むことが好ましい。
【0072】
本発明では、リーブオントリートメントは、水、乳化剤及び増粘剤(Sepigel305)からなる混合物中に、これらの物質の1%w/w溶液を適用することを含む。好ましい物質としては、1−2−ジオールについて、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−オクタンジオール、及び固体粒子について、シリル化シリカ、サリチル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−クロロレゾルシノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン及び炭酸亜鉛が挙げられる。
【0073】
pH
上記のヘアケア組成物はまた、1種又は複数のpH調整物質を含んでもよい。本組成物は、25℃において、約2〜約10の範囲のpHを有することができる。リンスオフコンディショナー組成物、及び/又はリーブオントリートメントは、約2〜約6、代替として約3.5〜約5、代替として約5.25〜約7の範囲中のpHを有することができる。
【0074】
上記のヘアケア組成物は、1種又は複数のpH緩衝化剤を更に含んでもよい。好適な緩衝化剤は、当分野で周知であり、例えばアンモニア/酢酸アンモニウム混合物及びモノエタノールアミン(MEA)を含む。リンスオフコンディショナー組成物は、クエン酸を含んでもよく、クエン酸は緩衝剤として働く。
【0075】
任意選択の成分
本明細書に記載されているコンディショナー組成物、プレウォッシュ組成物及び/又はリーブオントリートメントは、任意で、ヘアケア又はパーソナルケア製品で使用するのに既知の1種又は複数の追加の構成成分を、任意選択で含んでもよいが、ただし、この追加の構成成分が、本明細書に記載の必須構成成分と物理的及び化学的に適合するか、又はそうでない場合、製品の安定性、審美性若しくは性能を過度に損なわないことを条件とする。このような追加の構成成分は、最も典型的には、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992などの参考文献に記載されているものである。このような追加の構成成分の個々の濃度は、ヘアケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲とすることができる。
【0076】
ヘアケア組成物において使用するための追加の構成成分の非限定的な例としては、コンディショニング剤、天然陽イオン性付着ポリマー、合成陽イオン性付着ポリマー、他のフケ防止剤、粒子、懸濁剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、非揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び水不溶性)、真珠光沢助剤、起泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、防腐剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け防止剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられる。
【0077】
1.コンディショニング剤
ヘアケア組成物は、1種又は複数のコンディショニング剤を含んでもよい。コンディショニング剤としては、毛髪に特定のコンディショニング効果を与えるために使用される物質が挙げられる。本発明のヘアケア組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的に、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性非揮発性液体を含む。ヘアケア組成物において使用するのに好適なコンディショニング剤は、一般に、シリコーン、有機コンディショニングオイル若しくはこれらの組み合わせを特徴とするコンディショニング剤、又はそうでない場合、水性界面活性剤マトリックス中に液体分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0078】
1種又は複数のコンディショニング剤が、組成物の重量で約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約8重量%、及び約0.2重量%〜約4重量%存在する。
【0079】
シリコーンコンディショニング剤
本発明の組成物は、1種又は複数のシリコーンコンディショニング剤を含有し得る。シリコーンの例としては、ジメチコン、ジメチコノール、環状シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、及びアミノ基、四級アンモニウム塩基、脂肪族基、アルコール基、カルボン酸基、エーテル基、エポキシ基、糖又は多糖基、フッ素変性アルキル基、アルコキシ基、又はこのような基の組み合わせなどのさまざまな官能基を有する変性シリコーンが挙げられる。このようなシリコーンは、水性(又は非水性)製品の担体中で可溶性又は不溶性であり得る。不溶性液体シリコーンの場合、ポリマーは、液滴サイズが約10nm〜約30マイクロメートルの乳化形態とすることができる。
【0080】
有機コンディショニング物質
本発明の組成物のコンディショニング剤はまた、単独で、又は上記のシリコーンのような他のコンディショニング剤との組み合わせのどちらかで、油又はワックスなどの有機コンディショニング物質を少なくとも1種含んでよい。有機物質は、非ポリマー、オリゴマー又はポリマーとすることができる。この有機物質は、油又はワックスの形態であってもよく、配合物にそのまま、又は事前乳化した形態で添加してもよい。有機コンディショニング物質のいくつかの非限定例としては、i)炭化水素油、ii)ポリオレフィン、iii)脂肪族エステル、iv)フッ素化コンディショニング化合物、v)脂肪族アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体、vii)四級アンモニウム化合物、viii)CTFA名称がPEG−20 200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mであるもの、及びこれらの混合物を含むものを含めた、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0081】
有益剤
ヘアケア組成物は、1種又は複数の追加の有益剤を更に含んでもよい。有益剤は、フケ防止剤、抗真菌剤、かゆみ止め、抗菌剤、抗細菌剤、保湿剤、抗酸化剤、ビタミン、脂溶性ビタミン、香料、美白剤、酵素、感覚剤、誘引剤、染料、顔料、漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。
【0082】
本発明のヘアケア組成物は、典型的なヘアケア配合物中で提供することができる。この組成物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル状、球状、スポンジャー(sponger)、固形剤形、発泡体、及び他の送達機構の形態であってもよい。本発明の組成物は、ヘアトニック、トリートメント、及びスタイリング製品などのリーブオンヘア製品、ヘアコンディショナー及びトリートメント製品などのリンスオフヘア製品、並びに毛髪に施用可能な任意の他の形態であってもよい。
【0083】
ヘアケア組成物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2009/0232873号及び同第2010/0179083号に開示されているものなどの多孔質の溶解性固体構造体の形態で提供されてもよい。したがって、本ヘアケア組成物は、キレート剤、有機酸を含む緩衝系、約23%〜約75%の界面活性剤、約10%〜約50%の水溶性ポリマー、及び任意選択で約1%〜約15%の可塑剤を含み、こうして、本ヘアケア組成物は、可撓性の多孔性溶解性固体構造体の形態となり、当該構造体は、連続気泡が約80%〜約100%の含有率を有する。
【0084】
本ヘアケア組成物は、キレート剤、有機酸を含む緩衝系、約23%〜約75%の界面活性剤(界面活性剤は、約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比を有する)、約10%〜約50%の水溶性ポリマー、及び約1%〜約15%の可塑剤を含む多孔性の溶解性固体構造体の形態とすることができ、物品は、約0.03g/cm〜約0.20g/cmの密度を有する。
【0085】
本ヘアケア組成物は、キレート剤、有機酸を含む緩衝系、5〜20%の界面活性剤及びポリカルボキシレートレオロジー変性剤を含む粘性液体の形態であってもよく、ポリカルボキシレートは、本発明に使用するための重要な緩衝系及びキレート剤の配合に起因する、高い電解質レベルにおいて有効となるよう特に選択される。非限定例としては、Lubrizol製のCarbopol EDT2020、1342、1382などの、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマーが挙げられる。これらの活性物質のレオロジー利点としては、安定性、分注の容易さ、塗り広げる際の滑らかさなどを挙げることができる。
【0086】
本ヘアケア組成物は、一般的に、組成物を作製する当該分野で既知である従来法により調製される。このような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ又は複数の工程で混合して、比較的均一な状態にすることを含む。本組成物は、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)及び/又は活性物質の送達を最適化するように調製される。本ヘアケア組成物は、単相若しくは単一製品中に存在してもよく、又は本ヘアケア組成物は、別個の相若しくは別個の製品中に存在してもよい。2つの製品を使用する場合、それらの製品は、一緒に、同時に又は逐次に使用してもよい。逐次使用は、1つの製品の使用直後などの短時間に行われてもよく、数時間又は数日の期間にわたって行われてもよい。
【0087】
評価方法
A.示差走査熱量(DSC)測定用の試料調製
人工皮脂1gの分量を、1gの1,2−ジオール皮脂変性剤物質と室温で混合し、40℃の水浴で2分間、加熱して、溶液又は均質混合物にし、この溶液又は均質混合物を室温で冷却する。示差走査熱量測定方法を使用して、こうして調製した試料を以下に記載したとおり、測定する。
【0088】
B.示差走査熱量(DSC)測定
DSC204 Netzsch TASC414/3Aを、1,2−ジオール皮脂変性剤の評価に使用する。各測定は三連で行う。この試料は、上のAに記載されている方法により調製されるとおり、皮脂:皮脂変性剤が1:1である約5.5mgからなる。この試料を、T−Zeroアルミニウム製DSC用パンに入れて、次に、ステンレス鋼製メッシュで覆う。試料を操作する前、及び10個の試料毎の後に、サンドベースライン及びバーンオフを行う。評価はそれぞれ、200ml/分の窒素パージ下で、5℃/分の加熱速度で、−50℃から300℃までの値の間で、試料の温度を変えることにより行う。同じタイプの空のパンを参照として使用し、同一実験条件下で試験する。この方法の標準偏差は、5%未満である。温度測定は、皮脂構成成分の物理的変化の急熱ピーク時に収集し、吸熱曲線全体に対して、曲線を当てはめることによるエネルギー統合を行う。
【0089】
C.接触角法を使用する固体粒子物理特性の測定
固体表面の一連の物理的パラメータは、皮脂変性にとって適切な物質を選択するために重要である。
a.表面張力の分散液の構成要素。これは、非極性分散力によって引き起こされる分子内引力に関連する固体の表面張力の構成要素である。
b.表面張力の極性構成要素。これは、水素結合及びイオン双極子力などの極性力に関連する、固体の表面張力の構成要素である。
c.固体の表面張力。これは、固体表面の表面張力である。このパラメータは、直接的に測定することはできないが、ポリマーの溶融又は溶液データを100%固体まで外挿することにより、又は既知の表面張力の液体との接触角によって決定しなければならない。
d.表面エネルギー。これは、バルク物質の自由エネルギーと比較した、表面分子の過剰な自由エネルギーである。この自由エネルギーは、表面をフィルム又は膜に接触させて、これらのように挙動させる表面における、不均衡な分子密着力から生じる。この表面エネルギーは、ジュール/cmなどのエネルギー/単位面積で表される。
e.表面張力。これは、所与の長さのフィルムの表面を破壊するのに必要な力を表し(単位は、ダイン/cm又はニュートン/mなどの力/長さである)、表面エネルギーと計算上、同じであるが、単位が異なる。
【0090】
固体粒子上の接触角の測定を使用して、上記の物理特性を決定することができる。接触角は、図1に示されているとおり、液滴が基剤と、液滴と基剤との間の交点で引かれた接線と、の間をなす内角である。これは、液体、ガス(空気)及び固体が交差する、三相境界にある液体によって形成される角度である。
【0091】
接触角は、ASTM D7490−13(接触角測定を使用して、固体コーティング、基剤及び顔料の表面張力を測定するための標準的試験方法)を使用して決定する。
【0092】
使用した機器は、制御した光源、タイルを保持するステージからなるゴニオメータを含み、タイル上の液滴を観察するための顕微鏡又はカメラを必要とする(First Ten Angstrom製のModel200、又は等価品)。1mLから100〜200滴を得ることができる、27番の先端が丸いステンレス鋼製ニードルを装着した1mL皮下シリンジも使用する。この評価に関すると、以下の試薬を使用する:(a)水−ASTM規格D1193−99に準拠するタイプII試薬水(蒸留済み)、及び(b)ジヨードメタン(99+%純度)。
【0093】
この方法は、以下の工程を含む:
1.セラミック製タイル上で固体粒子のペレットを形成する。このセラミック製タイルは、ゴニオメータのステージ上の位置にある間、指で触わって、決して汚染させるべきではない。
2.ゴニオメータを使用する一定の温度(73±2°F)及び湿度環境(50±5%)中での固体粒子上の接触角の測定。接触角は、ASTM D7334(又は、使用する具体的な機器に関する製造業者の説明書)に記載されているとおり、タイル上の水及びジヨードメタンの個別の液滴のそれぞれに対して測定する。より詳細には、
(a)液体の液滴が、移動により、液滴形状の目視可能なゆがみなしに堆積することができるよう、タイルを位置決めする。
(b)皮下ニードルの先端を、表面から、機器の製造業者により推奨されている距離に設定し(3mm(具体的な機器に対して1/8インチ))、サイズが5μLとなる試験液の液滴をタイル上に堆積させる。この液滴サイズは±0.1μLに制御すべきである。
(c)カメラ及びビデオ装置の焦点を合わせて、液滴の画像を取り込むことができるようにする。
(d)映像又は画像から接触角を抽出するよう設計されている市販のソフトウェアを使用して、タイル上の水滴に対して2つの接触角(各液滴の縁部上で1つ)の測定を行う。例えば、First Ten Angstromソフトウェアバージョン2.1、ビルド363、又は等価品。2つの縁部における接触角が、4°を超えて異なる場合、その値は除外され、試験を繰り返す。この測定を、新しい液滴に対して更に5回、繰り返す。タイルに対する接触角は、各側について測定した6回の角度の平均値である。
【0094】
画像取得速度は、液滴が表面に衝突した時間から、液滴が試料の表面から分割され得なくなる時間まで、少なくとも10の画像を取り込むべきである。本明細書において報告された測定に関すると、1秒あたり900の画像の取り込み速度を利用する。上記のソフトウェアは、ビデオ放送から接触角を抽出するものである。容積はまた、静止体積下で同一ソフトウェアを使用して算出する。接触角は、静止体積プロットをプロットする。十分な時間をとり、液滴が濡れて平衡になるようにする。しかし、高度な吸収系では、液滴は、平衡に到達する前に物質に吸収される。液滴が基剤に急速(<0.2秒)に吸収されるこれらの場合、ビデオは、基剤に吸収される液滴の容積が2%になるまで進む。接触角はその時間点で記録される。これは、第2の画像が2%を超える容積喪失を示す場合、極度に迅速な吸収システムでは、第1の分割画像となることを意味する。
【0095】
(e)工程(d)の測定を、ジヨードメタン液滴(水液滴の代わり)について繰り返す。測定は、清浄な未加工のセラミック製タイルの仕上げ面で行う。
【0096】
3.固体の物理特性の算出
水及びジヨードメタンに関する接触角の値は、Owens−Wendt−Kaelble等式の2つの個別の式に代入する(各液体について1つ)。これにより、等式が3つ、及び未知数が2つとなり、次に、この未知数を、表面張力の分散構成要素及び極性構成要素について解く(等式及び算出に関しては、以下の段落を参照のこと)。
【0097】
表面エネルギーの算出
Owens−Wendt−Kaelbleの等式:
【0098】
【数1】
(式中、
θ=試験片上での試験液についての平均接触角であり、
【0099】
【数2】
=試験液の全表面張力(ダイン/cm)であり、
σ及びσ=それぞれ、液体の表面張力の分散性構成要素及び極性構成要素(やはり、ダイン/cm)であり、
σsg=試験基剤の全表面エネルギー(ダイン/cm)であり、
σ及びσ=それぞれ、試験基剤の分散性構成要素及び極性構成要素(やはり、ダイン/cm)である。
【0100】
【表3】
【0101】
ジヨードメタンなどの分散性(非極性)溶媒を使用する場合、Owens−Wendt−Kaelbleの等式は、以下の等式に簡易化される:
【0102】
【数3】
【0103】
表面エネルギー(σsg)の分散性(非極性)構成要素が決定される。ジヨードメタンの表面張力特性は既知であり、上の表に含まれている。接触角は、上で概説した方法を使用して、実験的に決定される。
【0104】
基剤に対する表面エネルギー(σsg)の計算された分散性構成要素を、上記のOwens−Wendt−Kaelbleの等式に代入し、水に対する表面張力特性が既知であり、上の表に含まれているので、水に対して決定された接触角を使用して、基剤の表面エネルギー(σsg)の極性構成要素を決定する。基剤の分散性構成要素(σsg)が、上で説明されているジヨードメタンを用いて決定する。
【0105】
熱力学パラメータの算出
熱力学的パラメータは、状態の以下の等式に表面エネルギー構成成分を代入することによって算出する:
【0106】
拡散係数:
拡散係数は、de Gennesによって決定する(de Gennes,P.−G.,Reviews of Modern Physics(1985),57,827〜863)。
【0107】
【数4】
(式中、σsiは界面張力である)
【0108】
界面張力:
状態のOwens−Wendtの等式を使用して、界面張力σsiを決定する(D.K.Owens and R.C.Wendt,Journal of Applied Polymer Science(1969),13,1741〜1747)。
【0109】
【数5】
【0110】
付着仕事量:
状態のDupreの等式を使用する、付着仕事量(W)(A.Dupre,Theorie Mechanique de la Chaleur;Gauthier−Villars:Paris,1869;pp36W)。
【0111】
【数6】
【0112】
D.皮質除去の決定方法
皮脂−蛍光色素の調製方法
人工皮脂20gの分量を、0.03gのTinopal B(ベンゾオキサゾール、2,2'−(2,5−チオフェンジイル)ビス[5−(1,1−ジメチルエチル)]、BASF製)と混合する。光曝露を阻止するため、この混合物を褐色バイアル中で調製し、構成成分を融解して混合するため、水浴を使用して54℃まで加熱する。
【0113】
以下の表に明記されている物質を添加することにより人工の皮脂組成物を調製し、次に、均質混合物を均質混合物にするため、水浴を使用して54℃まで加熱する。
【0114】
【表4】
【0115】
水性プレウォッシュ組成物により毛髪を処置する方法
0.2gの分量の皮脂蛍光色素混合物を施用し、シリンジにより、4.0gの重量の褐色の天然バージンヘアスイッチのヘアスイッチに揉み込む(投与量は、毛髪1gあたり、皮脂蛍光物0.05g)。この直後、ヘアスイッチの画像を、8Wの電源を有する256nmのUV光のもと、平行偏光子(t時における画像)を備えるデジタル一眼レフカメラを使用して取得する。次に、0.4gの分量の水性プレウォッシュ組成物を施用してヘアスイッチに広げ、25℃及び50%の相対湿度で30分間、ヘアスイッチ上で放置する。次に、毛髪を水で湿らせ、0.4gのシャンプーを施用する(投与量は、毛髪1gあたり、0.1gのシャンプーである)。シャンプーを10秒間、毛髪に揉み込み、20ml/分の速度で10秒間、脱イオン水により濯ぐ。次に、ヘアスイッチを空気乾燥させて、画像を、上記の条件下、同じカメラを使用して撮影する(tにおける画像)。この場合、ヘアスイッチはまた、以下に記載されるとおり、専門家の採点者によって評価される。皮脂−蛍光混合物による、青色の強度光により占有される画像領域は、2D投影を使用して解析される(ヘアスイッチ全体を選択する)。この分析に関すると、Javaをベースとする画像処理プログラムを使用する。次に、t(At0)でのヘアスイッチ、及びt(Atw)でのヘアについて、平均投影面積を決定し、以下に与えられている等式を使用して皮質除去量を算出する。各実験を、3つのヘアスイッチを用いて繰り返し、結果を平均する。パーセント皮質除去量は、以下の等式を使用して算出する:
%皮質除去量=100×(Atw/At0
皮質除去量の標準偏差は、10%未満である。
【0116】
E.清潔感及び清潔な外観の評価
ヘアスイッチの清潔な外観及び感覚の評価方法
10名の専門家の採点者により、空気乾燥処理したヘアスイッチを、5点スケールに基づいて、清潔な(べた付きがない)外観及び感覚について等級付けし、5を最良の清潔(べた付きがない)とし、1が、最悪の清潔(ひじょうにべた付く)となる。
【0117】
実施例及び組成物
以下の実施例は、本明細書に記載されている本発明の非限定例を例示する。例示された酸化染料、リンスオフコンディショナー組成物は、従来的な配合及び混合技法により調製することができる。配合物の分野の当業者の技術の範囲内で、酸化染料組成物及びリンスオフコンディショナー組成物の他の変性を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行い得ることが理解されるであろう。本明細書におけるすべての部、百分率及び比は、特に指定しないかぎり、重量基準である。一部の構成要素は、供給元から希釈溶液として供給され得る。明記されている量は、特に指定しないかぎり、活性物質の重量%を表す。
【0118】
プレウォッシュ組成物
【0119】
【表5】
【0120】
【表6】
【0121】
結果:配合物I、IV、V、VII、VIII、IXは、対照のプレウォッシュトリートメントよりも、%皮脂除去量が向上することを示した。
【0122】
感覚評価の結果は、以下の組み合わせ
(a)1,2−デカンジオール及び炭酸亜鉛、
(b)1,2−デカンジオール及び疎水性シリカ
が、皮脂除去量(清潔利点をもたらす)だけではなく、清潔感の利点ももたらすことを示している。これは、(a)実施例VII対実施例I及びIII、(b)実施例VIII
対実施例I及びIIIの感覚比較により示される。
【0123】
組成物を作製する方法
1,2−ジオールの場合、皮脂変性剤を事前乳化した後、ヘアケア組成物に添加する。
【0124】
事前エマルションを作製する方法
以下の構成要素を含むエマルションの作製は、脂質変性剤を事前乳化した後、プレウォッシュ組成物に添加する。作製方法の非限定例を以下に提示する。すべての油溶性構成成分を容器中で混合する。熱を加えて、混合物を液化させてもよい。すべての水溶性構成成分を別の容器内で混合し、油相とほぼ同じ温度まで加熱する。油相及び水相を高剪断ミキサ(例えば、Turraxミキサ、IKA製)で混合する。
【0125】
水性プレウォッシュ組成物を作製する方法
次に、この事前エマルションにSepigel305を加え、必要な場合、均一な可溶性組成物が得られるまで、高速ミキサを使用して、1800〜2300rpmで2〜5分間、溶液を攪拌する。
【0126】
リンスオフコンディショナー配合物
【0127】
【表7】
Lipo製のLipowax P
【0128】
追加実施例/組み合わせ
A.
a)約0.1重量%〜約12重量%の、8個より多い炭素からなる長さを有する炭素鎖を有する1,2−ジオールと、
b)約0.1重量%〜約10重量%の固体粒子であって、
(1)固体粒子と皮脂との間の界面張力が、約5〜約18ダイン/cmであり、
(2)皮脂は、約22ダイン/cmより大きな、固体上での拡散係数を示し、
(3)固体粒子に対する皮脂の付着仕事量が、約75ダイン/cmより大きい、
固体粒子と、
c)水性担体と
を含む、ヘアケア組成物。
B.固体粒子が、炭酸亜鉛、疎水的変性シリカ、疎水的変性クレイ、酸化亜鉛、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリスチレン粉末、ケイ酸カルシウム、ポリエチレン、ナイロン、窒化ホウ素、雲母、クレイ、ゼオライト、シクロデキストリン、ヒュームドシリカ、合成クレイ、フルオロカーボン樹脂、ポリプロピレン、酢酸セルロースの変性デンプン、微粒子架橋疎水性アクリレート又はメタクリレートコポリマー及びこれらの混合物から選択される、段落Aによるヘアケア組成物。
C.固体粒子が、タルク、シリカ、シリル化シリカ(疎水性シリカ)、未処理セルロース、炭酸亜鉛及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落A〜Bによるヘアケア組成物。
D.8個より多い炭素からなる炭素鎖長さを有する1,2−ジオールが、約0.2〜約5%である、段落A〜Cによるヘアケア組成物。
E.8個より多い炭素からなる炭素鎖長さを有する1,2−ジオールが、約0.5〜約4%である、段落A〜Dによるヘアケア組成物。
F.8個より多い炭素からなる炭素鎖長さを有する1,2−ジオールが、約1.0〜約3.0%である、段落A〜Eによるヘアケア組成物。
G.固体粒子が、約0.5〜約5%である、段落A〜Fによるヘアケア組成物。
H.固体粒子が、約1.0%〜約2.0%である、段落A〜Gによるヘアケア組成物。
I.陰イオン性、非イオン性、陽イオン性及び両性からなる群から選択される、約0.1重量%〜約5重量%の乳化剤を更に含む、段落A〜Hによるヘアケア組成物。
J.水性担体が約20重量%〜約95重量%である、段落A〜Iによるヘアケア組成物。
K.水性担体が約60重量%〜約85重量%である、段落A〜Jによるヘアケア組成物。
L.ヘアケア組成物がコンディショナーである、段落A〜Kによるヘアケア組成物。
M.ヘアケア組成物がリーブオントリートメントである、段落A〜Lによるヘアケア組成物。
N.ヘアケア組成物がプレウォッシュトリートメントである、段落A〜Mによるヘアケア組成物。
【0129】
本発明の配合物は、典型的なヘアケア組成物中で提供することができる。この配合物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル状、球状、スポンジャー、固形剤形、発泡体、及び他の送達機構の形態であってもよい。本発明の組成物は、ヘアトニック、コンディショナー、トリートメント、及びスタイリング製品などのリーブオンヘア製品、並びに毛髪に施用可能な任意の他の形態であってもよい。
【0130】
実施例において、別途記載のないかぎり、すべての濃度は重量%として掲載されており、希釈剤、充填剤などの微量の物質は除外され得る。そのため、列挙した配合物は、列挙した構成成分及びそのような構成成分に関連する任意の微量物質を含む。当業者に明白なとおり、これらの微量物の選択は、ヘアケア組成物を作製するために選択した特定成分の物理的及び化学的特性に応じて変わる。
【0131】
本明細書において開示されている寸法及び値は、列挙されている正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がないかぎり、このような寸法はそれぞれ、列挙されている値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0132】
「発明を実施するための形態」の中で引用される文献はすべて、関連部分において参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反するかぎりにおいては、本文献においてその用語に割り当てられた意味又は定義が優先するものとする。
【0133】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他のさまざまな変更及び修正を行うことができることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1