【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によると、この課題は、無機塩基の存在下で脂肪族アルデヒドとホルムアルデヒドとを反応させることによる、少なくとも2種の異なるポリオールの同時期連続製造方法であって、第1の方法ステップにおいて、脂肪族C2〜C9アルデヒドが無機塩基の存在下でホルムアルデヒドと反応され、反応溶液のワークアップなしに、第2の方法ステップにおいて第1の方法ステップからの反応溶液が、第1の方法ステップのアルデヒドと異なる少なくとも1種の脂肪族C2〜C9アルデヒドの添加下でさらに反応される、方法によって解決される。驚くことに、両方の脂肪族アルデヒドが、同時(同時期)であるが、順次に(連続的に)反応されるこの2ステップ実施法によって、所望のポリオールが高い転化率および高い選択性で得られ得ることが示された。さらに、合成段階の結合によって、追加的に、ホルムアルデヒドを含む両段階の終了時の反応水の残存負荷が明らかに減少することが強調されるべきである。まさに後者は、反応後に水溶液からホルムアルデヒドを回収するためのエネルギー消費が明らかに減少するので、プロセス経済性の明らかな向上につながる。加えて、この実施法は、柔軟に使用することができ、幅広い種類の反応器であっても、連続製造内だけでなく、バッチ製造内でも、高い空時収率を得ることができる。さらになお、第1の方法ステップから流出する反応混合物は、すでに相当量の水を含有しており、そのため、第2の方法ステップにおける発熱反応の際に温度ピークが形成する危険が明らかに低下する。したがって、場合により必要な、第2の方法ステップ内での追加的な水の投入を明らかに減少させることができる。個別の方法ステップにおいて、それぞれ、個々の変換度、選択性および副生成物プロファイルに及ぼす他の合成成分の影響が大きいと考えられる複雑な反応であるので、この利点は、最初から一概に予想することができなかった。まさに、異なるアルデヒドの両方の反応がどちらかと言えば互いに独立して反応成分ホルムアルデヒドの十分な転化下で進行することは、反応媒体中のアルデヒドの反応性および溶解性が異なることから、ならびに両方のアルデヒドまたはアルデヒドの二次生成物の相互の間またはまだ存在するアルデヒドとの間の交差反応の可能性があるせいで、驚くべきことであった。
【0012】
n−ブチルアルデヒドおよびイソブチルアルデヒドからのトリメチロールプロパンおよびネオペンチルグリコールの調製を例とすると、可能性のある反応制御形態は、以下のようになる:
【0013】
【化1】
【0014】
その際、本発明による方法は、少なくとも2種の異なるポリオールの同時期連続製造に基づく。これは、特に、ポリオールの製造が相互に独立して実施されるわけではなく、一方の出発物質アルデヒドが最初に1つの反応内でホルムアルデヒドと反応され、その後少なくとも1種の第2のアルデヒドが、第1のアルデヒドの反応溶液全体に添加されることを、つまり本質的に逐次または同時期連続反応制御を意味する。そのとき、反応溶液中で一方のアルデヒドだけでなく他方のアルデヒドの反応も起こる。したがって、異なるアルデヒドの反応は、少なくとも部分的に同時に、同じ反応溶液中で行われる。さらに、同時反応の時点は、特に、第1のアルデヒドの反応の最初ではない。最初から2種の異なるアルデヒドがホルムアルデヒドの反応パートナーとして顕著な量で反応溶液中に存在する、またはホルムアルデヒドの他に2種の異なるアルデヒドの合計量が一緒に溶液に添加される反応、つまり本質的に両方のアルデヒドとホルムアルデヒドとの同時期反応は、本発明の範囲内ではない。同様に、第1のアルデヒドがわずかな残留量の第2のアルデヒドを有し、両方が同時にホルムアルデヒドと反応されるときも、本発明の範囲内ではない。本発明の方法によって、それぞれ顕著な量の2種の異なるポリオールが得られる。両方の異なるポリオールの調製量は、それらが例えばほぼ等しいとき、またはこれらの間のモル比が第2の方法ステップの終了時に20%以上、好ましくは50%以上およびさらに好ましくは80%以上のとき、それぞれ顕著である。
【0015】
本発明の方法内で、少なくとも2種の異なるポリオールが製造される。製造可能なポリオールは、特に少なくとも2つのOH基を有する。ポリオールの化学組成は、当然使用されるアルデヒドならびにアルドール付加および続くカニッツァーロ反応に関連する変換度による。この方法によって得られる可能なポリオールは、例えば、ペンタエリスリトール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン(TME)、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン(TMP)、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ブタン(TMB)、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ペンタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ヘキサン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)オクタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)−2,2,4−トリメチルペンタン、ネオペンチルグリコール、2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ペンチルプロパン−1,3−ジオール、2−ヘキシル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ヒドロキシメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)プロパン−1,3−ジオール、2−(3,3−ジメチルブチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジオールである。
【0016】
本発明による反応の枠内で、ホルムアルデヒド以外に少なくとも2種の異なる脂肪族アルデヒドが使用される。これは、少なくとも2種の化学的に異なるアルデヒドがホルムアルデヒドと反応され、これらのアルデヒドは、原則としてその実験式および/または立体配置が異なり得る。脂肪族アルデヒド、つまりアルデヒド基以外に非芳香族炭化水素残基も有するアルデヒドが反応される。非芳香族残基は、特に、置換または非置換C1〜C8炭化水素鎖であり得る。置換炭化水素鎖は、最大2つの水素原子がO、ハロゲン、Nのようなヘテロ原子またはこれらのヘテロ原子のうちの1つを含む当業者に周知のヘテロ原子基により置き換えられている炭化水素鎖であると理解される。
【0017】
両方の異なるアルデヒドは、ホルムアルデヒドと反応される。有利には、反応は、ホルムアルデヒド水溶液の添加により行うことができる。水溶液中のホルムアルデヒド含量は、5〜50重量%、好ましくは8〜35重量%、特に9〜30重量%であり得る。
【0018】
アルデヒドとホルムアルデヒドとの反応は、無機塩基の存在下で行われる。無機塩基として、特に塩基性アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物が適しており、これを水溶液または水性懸濁液として反応溶液に添加することができる。
【0019】
第1の方法ステップにおいて、脂肪族C2〜C9アルデヒドが、無機塩基の存在下でホルムアルデヒドと反応される。この反応に使用可能なC2〜C9アルデヒドは、例えば脂肪族n−アルデヒドまたは分岐脂肪族アルデヒドである。そして好ましくは、特にアセトアルデヒド、プロパナール、n−ブタナール、イソブタナール、バレルアルデヒド、2−メチルブタナール、3−メチルブタナール、n−ヘキサナール、2−メチルペンタナール、n−ヘプタナール、2−メチルヘキサナール、n−オクタナール、2−エチルヘキサナール、n−ノナナール、2−メチルオクタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、2,5,5−トリメチルヘキサナールを使用することができる。これらのアルデヒドは、有機相を形成し、理論に縛られることなく、水相との接触または水相中への拡散により、そこに存在するホルムアルデヒドとのアルドール付加が、溶解または分散した塩基により触媒されて生じる。その際、反応は、少なくとも10、30、50、75または100mol%の脂肪族アルデヒドが第1の方法ステップにおいて転化されることを含み得る。したがって、反応が、第1の方法ステップのアルデヒドの完全または部分転化まで進むことが可能である。そして好ましくは、第1の方法ステップの終了時に、使用されたアルデヒドの5、15、20、40、60mol%がまだ溶液中に存在する。第1の方法ステップにおいて添加されるアルデヒドは、1回で、複数段階に分割して、または連続的に、反応溶液に添加することができる。
【0020】
続いて、第1の方法ステップで得られた反応溶液は、反応溶液のワークアップなしに直接第2の方法ステップに供給される。したがって、この組み合わせ実施法の場合、第1の方法ステップから流出する反応混合物は、第2の方法ステップのための供給流として使用される。特にこれは、第1の方法ステップからの反応溶液が、さらなる熱的、化学的または機械的な分離操作または調製操作なしに、すなわち特に蒸留、沈殿などなしに第2の方法ステップに供給されることを意味する。つまり、両方の方法ステップの間に特に他の物質が反応溶液から取り出されることはない。しかしながら、両方の方法ステップが異なる反応器で行われる場合に、例えば反応溶液を一方の反応器から他方の反応器にポンプで移す移送は、可能である。
【0021】
第2の方法ステップにおいて、第1の方法ステップからの反応溶液が、少なくとも第1の方法ステップのアルデヒドと異なるC2〜C9アルデヒドの添加下で、さらに反応される。好ましくは、例えばi−ブタナールのような2位分岐アルデヒドを第2の反応ステップで使用することができる。したがって、定義上、第2の方法ステップは、第1の方法ステップの反応溶液中にさらなる他のC2〜C9アルデヒドが添加される時点で開始する。原則的に、第2の方法ステップのアルデヒドとして、さらに上に記載したものと同じアルデヒドを使用することができるが、但し、第1の方法ステップおよび第2の方法ステップで使用されるアルデヒドが異なることを条件とする。第2の方法ステップにおいて、アルデヒド以外に例えばさらなる塩基のようなさらなる物質またはホルムアルデヒドも添加することができる。次に、第2の方法ステップ内で、新たに添加されたアルデヒドおよび第1の方法ステップのまだ反応していないアルデヒドが、残留(または場合により新たに添加された)ホルムアルデヒドと反応して、少なくとも1種のさらなる異なるポリオールを形成する。好ましくは、反応は、両方のアルデヒドについて全転化が達成されるように制御される。
【0022】
第1の好ましい実施形態では、第1の方法ステップにおいて2位非分岐脂肪族C2〜C9アルデヒド、および第2の方法ステップにおいて2位分岐脂肪族C2〜C9アルデヒドを反応させることができる。第1の方法ステップにおいて2位非分岐アルデヒドおよび第2の方法ステップにおいて2位分岐イソ型の同じまたは他のアルデヒドが使用される実施法が選択された場合が、特に有利であると証明された。この添加により、特に高い選択性および転化率を得ることができる。加えて有利には、2種の異なる官能性アルコールが主生成物として入手可能なように反応を制御することができる。形成したアルコールの大部分がジオールおよびトリオールからなる、少なくとも2種の異なるポリオールを、特に高い収率で、取り立てて述べるほどの副生成物の形成なしに得ることができる。さらに好ましい方法変形形態では、第1の方法ステップで添加されたアルデヒドを三価アルコールに、および第2の方法ステップで添加されたアルデヒドを二価アルコールに、転化することができる。
【0023】
第2の好ましい形態では、第1の方法ステップにおいて使用されるアルデヒドは、n−プロパナール、n−ブチルアルデヒド、バレルアルデヒドからなる群から選択され、第2の方法ステップにおいて使用されるアルデヒドは、イソブチルアルデヒドであり得る。特に、第1の方法ステップにおける直鎖n−アルデヒドと、第2の方法ステップにおけるアルデヒド基のα位分岐アルデヒドとの組み合わせ変換は、望まれない併産物の数がより少ない特に効果的な実施法に寄与することができる。
【0024】
本発明による方法の他の態様内では、第1および第2の方法ステップは、10℃以上105℃以下の温度で実施することができる。化学的に異なるアルデヒドの使用および共通の反応溶液中での出発物質の複雑な相互作用にかかわらず、驚くことに、組み合わせ反応を共通の上記温度範囲内で実施できることが明らかとなった。この温度範囲内で十分な転化率を両方のアルデヒドについて十分な選択性で達成することができ、それにより、アルデヒドの総転化は、良好な空時収率で達成される。特にその際、第1の方法ステップは、20℃以上65℃以下の温度で、第2の方法ステップは、30℃以上75℃以下の温度で実施することができる。様々な種類の反応器であっても、このより狭い範囲内で特に高い空時収率が実現され得る。
【0025】
本発明による方法のさらなる有利な態様では、第2の方法ステップにおいて追加的に無機塩基を反応溶液に添加することができる。組み合わせ反応用の塩基の全量が第1の方法ステップ内で添加されるのでなく、完全反応(Abreaktion)のために必要な塩基の一部が第2の方法ステップになってようやく添加されることが、高い転化率および選択性を得るために特に有利であることが証明された。これは、第1の方法ステップにおける塩基の合計量をより小さく保つことができるので、第1の方法ステップの選択性を上げることができる。加えて、第2の方法ステップにおいて濃厚な溶液に塩基を添加することができるので、この実施法は、使用される水の量を全体としてより少なくできるようにする。したがって、添加される水の合計量を減らすことができ、このことは、改善されたプロセス経済性に寄与することができる。
【0026】
さらなる実施形態では、第1および第2の方法ステップにおいて同じ無機塩基が使用され得る。第1および第2の方法ステップでは反応の際に、異なるアルデヒドの反応性が異なり、プロセス条件が異なるにもかかわらず、同じ無機塩基を用いて反応を行うことが可能であって、適切であることが証明された。このプロセス制御により、良好な選択性および良好な転化率を得ることができ、追加的に、1種だけの塩基の使用が、主生成物および副生成物の精製のための後続の分離作業を容易にする。
【0027】
本方法のさらなる形態では、無機塩基は、NaOH、KOH、Ca(OH)
2またはそれらの混合物からなる群から選択することができる。この無機塩基群は、本発明によるプロセス制御の枠内で生成物の高い転化率および選択性をもたらす。加えて、これらの塩基の溶解性のおかげで、反応後の水の量が全体としてより少ないように、反応溶液の水含量を最適化することもできる。好ましくは、第1および第2の反応段階において同じ無機塩基を使用することができる。第2の方法ステップですでに大量の水が存在するので、無機塩基を比較的高濃度で使用することができる。濃度15〜52重量%、好ましくは30〜50重量%の無機塩基を有する水性溶液または懸濁液が有用であることが実証された。対応する高濃度の市販の無機塩基水溶液を使用することが有利である。水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムの水溶液または水酸化カルシウムの水性懸濁液が、特に適している。
【0028】
追加的な方法態様では、両方の方法ステップにおける無機塩基対脂肪族アルデヒドのモル比は、1以上対1および1.6以下対1であり得る。第2の方法ステップ内の別のアルデヒドのさらなる添加による反応溶液の能動的な変化にかかわらず、有利には両方の方法ステップ内でほぼ等しい塩基濃度を選択できることが見出された。この塩基濃度は、両方の部分反応の十分な効率を高い空時収率でもたらし、少ないエネルギーコストだけで反応溶液のワークアップのための簡単なプロセス制御を可能にする。
【0029】
さらなる方法変形形態で、第1の方法ステップにおけるホルムアルデヒドは、5重量%以上50重量%以下のホルムアルデヒド含量を有するホルムアルデヒド水溶液の形態で添加することができる。水溶液の形態のホルムアルデヒドの添加は、二相反応系の提供以外に第1の方法ステップにおける反応の効果的な温度制御も可能にする。水の熱容量に依存して、このホルムアルデヒド濃度範囲で十分な反応速度およびほんのわずかな副生成物の形成を同時に保証しながら十分な変換度を達成することができる。有利には、第1の方法ステップにおいて10〜40重量%、またはさらに好ましくは15〜25重量%のホルマリン溶液を使用することができる。
【0030】
本発明によるさらなる形態によると、第1の方法ステップにおけるホルムアルデヒド対脂肪族アルデヒドのモル比は、3.1以上対1および12以下対1であり得、第2の方法ステップにおけるホルムアルデヒド対脂肪族アルデヒドのモル比は、2.1以上対1および7以下対1であり得る。第1の方法ステップにおいて添加されたアルデヒドに対してホルムアルデヒドが高モル過剰であることは、ポリオールへのアルデヒドの変換の選択性を明らかに促進することができる。第1の方法ステップにおいて添加されたアルデヒドから三価アルコールを製造することを望むならば、第1の反応段階で、1モルのアルデヒドに対して化学量論的に必要な量である3モルのホルムアルデヒドを超える4〜12、好ましくは5〜10モルのホルムアルデヒドを用いて作業することができる。好ましい形態では、第1の方法ステップにおいて使用された1モルのアルデヒドに対して9〜30重量%の濃度および5〜10モルの量のホルムアルデヒド水溶液を使用することができる。
【0031】
方法のさらなる形態によると、ホルムアルデヒドは、第1の方法ステップでのみ添加することができる。第1の方法ステップにおける発熱反応の温度調節のコントロールのために、およびできるだけ選択的な転化を得るために、第1および第2の方法ステップに必要な合計量のホルムアルデヒドを第1の方法ステップの初期にすでに添加することが意義深い場合がある。この形態では、第1のアルデヒドの高い転化率と共に迅速な転化が得られ、特に3つのOH基を有する多価アルコールを非常に効率的に形成することができる。加えて、ホルムアルデヒドと共に供給される水の量によって、温度ピークを考えると発生するおそれがある副反応を効果的に軽減することができる。さらに、この方法変形形態では、第2の方法ステップでさらなるアルデヒドを添加するだけで、第1の方法ステップからの残留ホルムアルデヒドの非常に効果的な減少が達成される。したがって、第1の方法ステップにおいて添加されたアルデヒドの反応は、高モル過剰のホルムアルデヒドにより的確に制御することができる。有利には、残留ホルムアルデヒド含量(またはその一部)を消費して、第2の方法ステップにおいて添加されたアルデヒドを、より少ない数のOH基を有するポリオールに高い効率で完全に反応させることができる。ホルムアルデヒドの合計量を適切に選択することで、これは、ワークアップで取り除くべき水を最小限にすることを含む、ホルムアルデヒドのリサイクルを最小限にすることに関連する。
【0032】
本発明による方法のさらなる態様内で、第1および/または第2の方法ステップにおける少なくとも1種の出発物質の添加は、段階的に行うことができる。個別のアルデヒドの反応選択性を調節するために、出発物質のうちの少なくとも1種が反応溶液に段階的に添加される場合が有利であると証明され得る。特に、第1の方法ステップにおける反応溶液の組成が一定でなく、第1の方法ステップにおける一方の出発物質の濃度が時間に応じて他方の出発物質に対して上昇する場合に、段階的な添加が行われる。例えば、1つの出発物質が複数の段階またはポーションにおいて反応溶液に添加されることによって、これを行うことができる。添加は、同じ部位であるが異なる時間に、または異なる部位で異なる時間に行うことができる。このようにして、反応平衡に影響を与え、反応の選択性および変換度を制御することができる。
【0033】
さらなる好ましい実施形態によると、第1の方法ステップにおける脂肪族アルデヒドは、反応混合物に段階的に添加することができる。そのとき、第1の方法ステップ内のアルデヒドの段階的投入は、高い選択性および望まれない副生成物の形成低下に寄与することができる。段階的投入によって転化がより制御され、温度ピークが回避されるので、これは、ことによると温度の一定性の改善が原因である可能性がある。
【0034】
本発明による方法の好ましい形態によると、反応混合物中のアルデヒドの転化率は、第1の方法ステップの終わりに50%以上であり得る。したがって、この形態では、第2の方法ステップにおける第2のアルデヒドの添加は、第1の方法ステップからの第1のアルデヒドの転化率がすでに少なくとも50%になって初めて行われる。このようにして、ホルムアルデヒドの実質的部分がすでに完全に反応され、第2のアルデヒドおよび第1の方法ステップにおいて添加された第1のアルデヒドの残りが、明らかにより低いホルムアルデヒド濃度を有する反応溶液中で反応する。これは、反応選択性に作用することができ、特に、第2の方法ステップの終わりに反応溶液中の残留ホルムアルデヒド含量を非常に精密に制御することができるという結果を招くことができる。この方法変形形態は、反応が完了した溶液の特に低いワークアップコストに寄与することができる。さらに、第1の方法ステップにおけるすでに高い変換度により、追加的にシステムに供給すべき水および熱の量を減らすことができる。
【0035】
さらなる実施形態では、第1および第2の方法ステップにおいて反応させることは、1つまたは複数の別々の反応器で行うことができ、反応器は、管型反応器、管束反応器、平板反応器、撹拌槽またはその組み合わせからなる群から選択される。これらの反応器の種類は、その特異的熱交換面により、反応ステップあたり特に高い冷却性能が可能な、特に良好な熱的反応調節を可能にする。追加的に、これらの反応器は、高いレイノルズ数を得ながらの良好な混合および反応混合物の非常に均一な滞留時間挙動を可能にする。
【0036】
追加的な本発明による態様内で、両方の方法ステップにおいて反応器容積および時間あたりに処理される出発物質の体積(V/Vh)は、0.3以上4.0以下であり得る。この運転様式は、十分な生成物転化率および設備コストの削減に寄与することができる。
【0037】
さらなる形態では、両方の方法ステップにおいて同じ元素組成を有するアルデヒドを使用することができ、第1の方法ステップにおいて添加されるアルデヒドは、第2の方法ステップにおいて添加されるアルデヒドの構造異性体である。
【0038】
さらなる実施形態では、両方の方法ステップにおいて、同じ元素組成を有するアルデヒドを使用することができ、第1の方法ステップにおいて添加される脂肪族アルデヒドは、第2の方法ステップにおいて添加されるアルデヒドの構造異性体であり、第1の方法ステップにおいて添加されるアルデヒドは、アルファ位分岐アルデヒドであり、第2の方法ステップにおいて添加されるアルデヒドは、2位分岐アルデヒドである。好ましくは、n−ブタナールおよびイソブタナールを使用することができる。
【0039】
方法のさらなる形態では、反応は、層流と乱流との間の移行領域または乱流状況のいずれかにある流れ条件で行うことができる。この流れ領域は、両方の方法ステップにおいて両方の反応の効果的な温度制御を保証するために非常に適していることが証明された。これは、副生成物のプロファイルおよび副生成物の量にプラスに作用することができる。加えて、この流れ領域は、両方のアルデヒドの間の交差反応を大きく回避する適切な界面を提供するようである。
【0040】
本発明の主題のさらなる詳細、特徴および利点は、従属クレームならびに以下の図面および付属する例の説明から明らかになる。