(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記酸化処理は、不活性ガスと酸素を含む混合ガスを供給し、前記還元処理は、不活性ガスと水素を含む混合ガスを供給し、前記ドーピング処理は不活性ガスとアンモニウムガスを含む混合ガスを供給することである請求項3に記載の触媒構造体の形成方法。
前記得られた触媒構造体に対し、酸化/還元処理、熱処理、または、コーティング/ドーピング処理を、密閉型の前記反応器を利用してさらに追加で行う請求項1に記載の触媒構造体の形成方法。
前記多数のナノ構造の触媒粒子の少なくとも一部は、炭素シェルまたはドーピングされた炭素シェルによってコーティングされている請求項1に記載の触媒構造体の形成方法。
前記多数のナノ構造の触媒粒子は積層構造を形成し、隣接する前記ナノ構造の触媒粒子は互いに前記炭素シェルまたはドーピングされた炭素シェルによって分離され、前記ナノ構造の触媒粒子が固まらない請求項7に記載の触媒構造体の形成方法。
前記積層構造は、単一成分の積層構造、2元以上の成分の積層構造、または、前記触媒の組み合わせによって形成された積層構造である請求項8に記載の触媒構造体の形成方法。
前記支持体は金属であり、前記触媒構造体は、Ptナノ粒子/Siナノ粒子支持体、Pt合金ナノ粒子/Siナノ粒子支持体、Coナノ粒子/Siナノ粒子支持体、Coナノ構造/Siナノ粒子支持体、Coナノフラワー/Siナノ粒子支持体、Ptナノ粒子/Tiナノ粒子支持体、Pt合金ナノ粒子/Tiナノ粒子支持体、Pt合金ナノ粒子/Znナノ粒子支持体、または、MoS2ナノ構造/Ti支持体である請求項10に記載の触媒構造体の形成方法。
前記支持体は、カーボンブラック、グラフェン、ドーピングされたグラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、グラファイト、および、炭素球からなるグループから選ばれた炭素支持体であり、
前記触媒構造体は、MoS2ナノ構造/前記炭素支持体である請求項10に記載の触媒構造体の形成方法。
前記金属−非金属複合ナノ構造の触媒は、MoS2−Ptナノ構造/前記支持体、MoS2−Pt合金ナノ構造/前記支持体、MoS2シェル−Ptコアナノ構造/前記支持体、または、MoS2シェル−Pt合金コアナノ構造/前記支持体構造である請求項13に記載の触媒構造体の形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0027】
以下、本発明の実施例による多様な支持体にナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を製造する方法について
図1aないし
図1cに例示されているフローチャートを参照して説明する。
【0028】
まず、支持体と触媒ソースを高温高圧密閉型反応器内に共に供給する(S1)。
【0029】
高温高圧密閉型反応器とは、反応が起こる温度と圧力下で完全に密閉が可能な反応器を称す。高圧とは、常圧より高い圧力を意味し、10気圧以上の圧力、20気圧以上の圧力、30気圧以上の圧力、40気圧以上の圧力であり得る。高温とは、少なくとも300℃の以上の温度範囲を称し、本発明の実施例では300〜600℃の温度範囲を含み得る。
【0030】
高温高圧の密閉型反応器の形態は、反応原料、反応条件などにより多様な形態に変形することが可能である。反応器の容量は少なくは1ccから可能であるが、その容量は設計に応じて変わり得る。
【0031】
支持体としては、炭素系支持体、非炭素系支持体のいずれも使用可能である。炭素系支持体としては、炭素球のような0次元支持体、カーボンナノチューブのような1次元支持体、グラフェンやN−ドープされたグラフェンのような2次元支持体、その他黒鉛化メソポーラス炭素ナノ粒子、カーボンブラック、金属−炭素シェル粒子、酸化金属−炭素シェル粒子のような無定形支持体、また、前記各次元の組み合わせで構成された3次元支持体などが用いられ得る。非炭素系支持体としては、Al
2O
3粒子、SiO
2粒子、CeO
2粒子、SnO
2粒子、ZnO粒子のような金属酸化物粒子、CaAl
2O
4粒子、MgAl
2O
4のようなスピネル(spinel)構造型粒子、Ti粒子、Si粒子、Zn粒子のような金属粒子Ehsms窒化ホウ素などのような非金属支持体が用いられ得る。
【0032】
支持体は、ナノメートル大きさの粒子の使用が代表的であり得るが、ミクロン以上の大きさの支持体も触媒コーティングの対象になることができる。また、前記支持体は、粉末形態でなく薄膜、バルク箔、フォーム、メッシュ、ワイヤなどの形態を有する支持体も使用可能である。
【0033】
触媒ソースとしては、貴金属触媒ソース、非貴金属触媒ソース、有機金属触媒ソースのいずれも使用可能である。貴金属触媒としては、Pt、Ru、Ir、Rh、Pd、Au、Ag、Reなどが例に挙げられ、非貴金属系触媒としては、Fe、Co、Ni、Mn、Mo、Zn、V、Cr、Cu、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sbなどが挙げられる。有機金属触媒としては、Fe系有機金属、Co系有機金属、Ni系有機金属、Mn系有機金属、Cu系有機金属、Sn系有機金属が例に挙げられる。
【0034】
Ptソースとしては、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(trimethyl(methylcyclopentadienyl)platinum、C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)、白金アセチルアセトネート(platinum(II)acetylacetonate、PtC
10H
14O
4)、シクロオクタジエンジメチル白金((1、5−Cyclooctadiene)dimethylplatinum(II)、C
10H
18Pt)を、Ruソースとしては、ルテニウムアセチルアセトネート(ruthenium(III)acetylacetonate、Ru(C
5H
7O
2)
3)、ルテノセン(Ruthenocene、Ru(C
5H
5)
2)、ビスエチルシクロペンタジエニルルテニウム(Bis(ethylcyclopentadienyl)ruthenium(II)、C
7H
9RuC
7H
9)、ビスジメチルペンタジエニルルテニウム(Bis(2、4dimethylpentadienyl)ruthenium(II)、C
14H
22Ru)、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウム(Bis(pentamethylcyclopentadienyl)ruthenium(II)、Ru(C
5(CH
3)
5)
2、)を、Irソースとしては、メチルシクロペンタジエニル(1、5−シクロオクタジエン)イリジウム(methylcyclopentadienyl)(1,5−cycloctadiene)iridium(I))、イリジウムアセチルアセトネート(iridium(III)acetylacetonate、Ir(C
5H
7O
2)
3)、シクロオクタジエンインデニルイリジウム((1,5−Cyclooctadiene)−5−indenyl)iridium(I)、(C
9H
7)Ir(C
8H1
2))を、Rhソースとしては、ロジウムアセチルアセトネート(rhodium(III)acetylacetonate、Rh(C
5H
7O
2)
3)を、Pdソースとしては、パラジウムアセチルアセトネート(palladium(II)acetylacetonate、Pd(C
5H
7O
2)
2)が用いられ得るが、これは例示に過ぎず、これに限定されるものではない。Agソースとしては、シアン化銀(silver cyanide、CAgN)、銀アセチルアセトネート(silver acetylacetonate、Ag(C
5H
7O
2))を、Auソースとしては、シアン化金(gold cyanide、CAuN)、メチル(トリフェニルホスフィン )金(Methyl(triphenylphosphine)gold(1),C
19H
18AuP)、Reソースとしては、レニウムカルボキシル(Rhenium carboxyl、C
10O
10Re
2)が用いられ得るが、これは例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0035】
Feソースとしては、フェロセン(Ferrocene、C
10H
10Fe)、ビニルフェロセン(C
12H
12Fe)、鉄アセチルアセトネート(iron(III)acetylacetonate、Fe(C
5H
7O
2)
3)を、Coソースとしては、コバルトセン(Cobaltocene、C
10H
10Co)、コバルトアセチルアセトネート(cobalt(III)acetylacetonate、Co(C
5H
7O
2)
3)を、Niソースとしては、ニッケロセン(Nickelocene、C
10H
10Ni)、ニッケルアセチルアセトネート(nickel(II)acetylacetonate、Ni(C
5H
7O
2)
2)を、Mnソースとしては、マンガノセン(manganocene、C
10H
10Mn)、マンガンアセチルアセトネート(manganese(II)acetylacetonate、Mn(C
5H
7O
2)
2)、バナジウムアセチルアセトネート(vanadium(III)acetylacetonate、V(C
5H
7O
2)
3)、クロムアセチルアセトネート(chromium(III)acetylacetonate、Cr(C
5H
7O
2)
3)、Moソースとしては、ビス(アセチルアセトナート)ジオキソモリブデン(VI)(Bis(acetylacetonato)dioxomolybdenum(VI)、MoO
2(C
5H
7O
2)2)、ビス(t−ブチルイミド)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン(VI)(Bis(t−butylimido)bis(dimethylamino)molybdenum(VI)、C
12H
30MoN
4)、モリブデンアセテートダイマー(molybdenum(II)acetate dimer、C
8H
12Mo
2O
8)、モリブデンカルボキシル(molybdenum carboxyl、Mo(CO)
6)、Znソースとしては、亜鉛アセチルアセトネート(zinc(II)acetylacetonate、Zn(C
5H
7O
2)
2xH
2O)、ジエチル亜鉛(Diethylzinc、C
4H
10Zn)、ジメチル亜鉛(Dimethylzinc、C
2H
6Zn)、Cuソースとしては、銅アセチルアセトネート(copper(II)acetylacetonate、Cu(C
5H
7O
2)
2)、シアン化銅(coppercyanide、CCuN)、Alソースとしては、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum(III)acetylacetonate、Al(C
5H
7O
2)
3)、トリメチルアルミニウム(trimethylaluminum、C
3H
9Al)、トリエチルアルミニウム(trimethylaluminum、C
6H
15Al)、トリブチルアルミニウム(tri−butylaluminum、C
12H
27Al)、Gaソースとしては、ガリウムアセチルアセトネート(Gallium(III)acetylacetonate、Ga(C
5H
7O
2)
3)、Inソースとしては、インジウムアセチルアセトネート(Indium(III)acetylacetonate、In(C
5H
7O
2)
3)、Snソースとしては、錫アセチルアセトネート(Tin(II)acetylacetonate、Sn(C
5H
7O
2)
2)、テトラメチル錫(tetramethyltin、C
4H
12Sn)、テトラフェニル錫(tetraphenyltin、C
24H
20Sn)、Sbソースとしては、アンチモンアセテート(Antimony(III)acetate、C
6H
9O
6Sb)、トリフェニルアンチモン(triphenylantimony、C
18H
15Sb)、トリス(ジメチルアミノ)アンチモン(Tris(Dimethylamino)antimony、(CH
3)
2N)
3Sb)、Geソースとしては、テトラエチルゲルマニウム(tetraethylgermanium、C
8H
20Ge)、テトラメチルゲルマニウム(tetramethylgermanium、C
4H
12Ge)、テトラブチルゲルマニウム(tetra−butylgermanium、C
16H
36Ge)が用いられ得るが、これは例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0036】
有機金属触媒ソースとしては、鉄フタロシアニン(Iron(II)phthalocyanine、C
32H
16FeN
8)、鉄ポルフィリン(Iron porphyrin、C
20H
14FeN
4)、コバルトフタロシアニン(Cobalt(II)phthalocyanine、C
32H
16CoN
8)、ニッケルフタロシアニン(Nickel(II)phthalocyanine、C
32H
16NiN
8)、マンガンフタロシアニン(Manganes(II)phthalocyanine(C
32H
16MnN
8))、銅フタロシアニン(Copper(II)phthalocyanine(C
32H
16CuN
8))、錫フタロシアニン(Tin(II)phthalocyanine(C
32H
16SnN
8))が用いられ得るが、これは例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0037】
貴金属触媒ソースを混合して用いる場合は貴金属系2元合金触媒、白金触媒ソースと遷移金属系触媒ソースを混合して用いる場合は白金−遷移金属系2元合金触媒、白金系触媒ソースと有機金属触媒ソースを混合して用いる場合は白金−有機金属系2元合金触媒、触媒ソースの組み合わせを三つ以上にする場合は多元合金触媒を形成することができる。
【0038】
触媒ソースの供給時(S1)触媒ソースの供給量を制御することにより、支持体に担持される触媒の含有量を所望する範囲に制御することができる。触媒ソースの供給量の制御は、支持体と触媒ソースとの重量比を基準に制御することができる。
【0039】
支持体と触媒ソースの供給が完了すると、反応器内の試料に存在する水分を除去する必要性があるのかを把握する(S2)。
【0040】
反応器の水分を除去する必要性がある場合は、不活性ガスを反応器内に供給しながら反応器の温度を水分気化に必要な温度、例えば100℃まで上昇させて一定時間維持する(S3)。水分除去工程(S3)は1ないし60分間維持する。
【0041】
反応器の水分を除去する必要性がない場合は、直ちに反応に必要な反応器内の雰囲気を作るために必要な反応雰囲気ガスを供給する(S4)。
【0042】
例えば、純粋金属触媒または支持体が酸化に脆弱な場合の触媒の製造時には酸素が存在しない不活性雰囲気が必要であり、白金のような触媒の大きさの制御のためには反応初期に微量の酸素が含まれている雰囲気が必要であり、窒素のような物質のドーピングのためには反応前に微量のアンモニウムガスの供給が必要である。
【0043】
このような理由により反応雰囲気ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス、または酸素、水素、またはアンモニウムが微量含まれている不活性ガス基盤の混合ガスを供給することができる。
【0044】
反応雰囲気ガスの供給は、反応器の体積対比で1気圧から10気圧以内に制御され得る。
【0045】
次に、高温高圧反応器を完全に密閉し、密閉した反応器の温度を昇温させる(S5)。
【0046】
反応器の温度が反応温度まで上昇する間の、反応器の内部では触媒ソースが気化、膨張しながら熱分解し、反応器の内部圧力が増加する。触媒ソースが気化しながら形成(または合成)温度に相当する気体常数だけ自己生成した圧力(self-generated pressure)が反応器の内部に生成される。
【0047】
反応温度は反応器の材質または反応器の容量に応じて変わり得る。本発明の実施例では、反応の経済性、ナノ構造の触媒粒子の大きさおよびコーティング分散密度などを考慮し、200℃超過600℃未満になるようにすることが好ましい。200℃以下、ナノ構造の触媒粒子が1nm以下に生成されることもできるが、触媒ソースの分解および支持体の表面との反応が円滑でないこともあり得、600℃を超過する場合にはナノ構造の触媒粒子の固まり現象が著しく現れ得る。また反応器の変形などに備えた設計および材質選定において困難があるため、反応器の製作単価が上昇し、結局生産費上昇の原因になる。反応温度は200℃ないし500℃になるようにすることが生産性および経済性の側面からさらに好ましい。
【0048】
反応温度(反応圧力)に到達すれば、支持体の表面にナノ構造の触媒粒子が合成され得るように一定時間の間反応を行う(S6)。
【0049】
反応時間は、1分ないし2時間の間であり得るが、これは例示的なものであり、合成された触媒の構造設計(大きさ、結晶性、形状)、反応の経済性、供給された触媒ソースの間の化学反応速度などに応じて変わり得る。
【0050】
反応完了後、高温高圧状態で反応器の内部のガスを除去し、高温常圧状態にした後、不活性ガスを供給し、残存する未反応物および副産物を除去する(S7)。
【0051】
その後、追加的な機能化が必要であるかを検討する(S8)。
【0052】
追加的な機能化が必要な場合は、機能化に必要な反応温度まで反応器の温度を変化させて必要な反応ガスを供給しながら反応を一定時間の間行う(S9)。
【0053】
機能化は、酸化処理、還元処理またはこれらの組み合わせであり得る。
【0054】
酸化処理は、触媒構造体を200℃超過600℃未満の温度に維持しながら不活性ガスと酸素を含むガスを供給することにより行い得る。酸化処理は1ないし2時間程度行い得る。200℃以下の温度に維持する場合、酸化反応が十分でないこともあり得、600℃以上で熱処理をする場合、触媒シェルまたは支持体の酸化促進および触媒間の固まり現象を加速化させ得る。ナノ構造の触媒粒子が遷移金属である場合、これを酸化させて遷移金属酸化物のナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を容易に形成することができる。金属酸化物の場合、金属酸化物に吸着して活性化された酸素や酸化物の格子酸素が酸化反応に関与し、酸化反応触媒として機能することができる。また金属酸化物は酸化反応の他にも脱水素、縮合、酸素含有物質の分解反応などにも用いることができる。また、触媒の表面に残存するリガンド(ligand)の除去にも効果的である。
【0055】
還元処理は触媒構造体を200℃超過600℃未満の温度に維持しながら不活性ガスと水素を含むガスを供給することにより行い得る。還元処理は1ないし2時間程度行い得る。還元処理により特に金属触媒の場合、表面に不純物を除去できる効果が得られ、支持体が酸化物である場合、その性質を金属性に変える役割を同時に果たすことができる。200℃以下の温度に維持する場合、還元反応が十分でないこともあり得、600℃以上で熱処理を行う場合は高温による触媒間の固まり現象を加速化させることができる。
【0056】
追加的な機能化が完了したり追加的な機能化が必要ない場合は、不活性ガスを供給しながら反応器を常温状態に冷却させた後、支持体にナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を反応器から得る(S10)。
【0057】
得られた結果物内のナノ構造の触媒粒子は、支持体のすべての位置で均一に分布され、分散密度が非常に高い。またナノ構造の触媒粒子間に固まり現象がほぼ発生しない。またナノ構造の触媒粒子を2nm以下、好ましくは1nm水準まで制御することができる。
【0058】
S1ないしS10は、一つの反応器内で起こる単一工程である。したがって、本発明の実施例によれば、単一工程で数または数十kg単位以上で支持体にナノ構造の触媒粒子が均一に分散された触媒構造体を生産できるので経済性に優れる。
【0059】
また、支持体の表面に人為的ないかなる機能化(表面酸化、酸処理などによる機能基の追加)を行わなくとも、すべての支持体で単一工程でナノ構造の触媒粒子を分散させて触媒を合成することができる。
【0060】
本発明の実施例によれば、金属、非金属、白金、非白金系触媒の多様な材質と構造、成分の触媒構造体を合成することができる。
【0061】
また、触媒の合成のために用いられる触媒ソース(前駆体)が100%損失なしに支持体の上に分散されるため、触媒の担持量を正確に制御することができ、触媒ソース(前駆体)の使用費用を画期的に節減することができる。
【0062】
また、密閉された高温高圧雰囲気下で気化した触媒ソースがすべての支持体の表面で一定の濃度分布に存在するため、すべての支持体の表面にナノ構造の触媒粒子を均一な大きさと向上した分散密度で合成することができる。
【0063】
そして、合成されるナノ構造の触媒粒子の大きさを最小1nmから制御することができ、支持体のすべての位置で大きさが一定であるナノ触媒粒子を均一な分散密度で合成することができる。
図2aは支持体が炭素ナノ球である場合の模式図を、
図2bは炭素ナノ球にPt触媒が分散された触媒構造体の高配率透過電子顕微鏡(HRTEM, High Resolution, TEM)写真を示す。
図3aは支持体がカーボンナノチューブである場合の模式図を、
図3bはカーボンナノチューブにPt触媒が分散された触媒構造体のHRTEM写真を示す。
図4aは支持体がグラフェンである場合の模式図を、
図4bはグラフェンにPt触媒が分散された触媒構造体のHRTEM写真を示す。
図2b、
図3b、
図4bの結果からナノ触媒粒子の大きさ均一性および分散密度が向上することが分かる。
【0064】
図2b、
図3b、
図4bのようにナノ触媒粒子の大きさが非常に均一に制御され、分散密度が大きくなる理由は、触媒合成のために供給される前駆体が密閉された高温高圧反応器で合成条件に応じて気化し、反応器の内部で損失なしに膨張するが、この時気化した前駆体は支持体のすべての位置で均一な圧力下で均一な濃度を形成する。このような理由により支持体のすべての表面で一定の大きさのナノ構造の触媒粒子が形成され得、ナノ粒子が固まることなく合成されるため、分散密度も大きくなる。そして、ナノ構造の触媒粒子が支持体に堅固な結合力を有するようになる。
図5bは
図5aの四角形領域を拡大したHRTEM写真であり、
図6bは
図6aの四角形領域を拡大したHRTEM写真である。
図5aないし
図6bのHRTEM写真からナノ構造の触媒粒子が支持体と非常に堅固な結合力を有していることが分かる。これは製造工程時、支持体の表面とナノ構造の触媒粒子が強い結合をしながら合成されるものと解釈される。このように堅固な結合力を有すれば、触媒構造体の長期安定性が向上する長所がある。
【0065】
つまり、本発明の実施例によれば、最小2〜3工程以上を経る既存工程に比べ、単一工程で支持体の上に一定の大きさのナノ構造の触媒粒子を向上した分散密度で分散可能であるため、工程費用を節減することができ、工程の数行段階における原料損失費用が殆どないため経済的であり、有害物質の排出がないため環境にやさしい工程であり、製造された触媒構造体の長期安定性もまた向上する。
【0066】
また、本発明では
図7a(Ptナノ構造の触媒粒子)および
図7b(FePt
3ナノ構造の触媒粒子)に例示されているように単一工程でナノ構造の触媒粒子の合成と1〜2層で構成された炭素シェル(矢印領域)を同時に形成することができる。このような構造は合成された触媒構造体が電気化学および一般化学反応で反応物に含まれている被毒物質および反応過程で発生する副産物などによって活性が低下することを最小化できるだけでなく、長期的に支持体との安定した結合力を持たせる役割を果たすことができるため、ナノ構造の触媒粒子間の固まり現象を防止することができる。また本発明で形成されたシェルの数を2層以内に制御し得、非常に欠陥が多いという点はシェル構造体が厚くなり完全な結晶体になる場合に発生し得る触媒性能低下の問題を最小化し、かつ前記した利点を極大化できるということを意味する。
【0067】
そして、単一工程でナノ構造の触媒粒子が1〜2層の炭素シェルで積層されて合成され得るため、ナノ構造の触媒粒子を幾重にも積層することができる。
図8aはPtナノ構造の触媒粒子が支持体に分散された場合を、
図8bはFePt
3ナノ構造の触媒粒子が支持体に分散された場合を示すHRTEMイメージが例示されている。
図8aおよび
図8bを参照すれば、触媒構造体の合成過程においてナノ構造の触媒粒子が1〜2層の炭素シェル層で囲まれた構造で生成され、ナノ構造の触媒粒子が炭素シェルによって分離されてナノ構造の触媒粒子が互いに固まり現象なしに多層構造で支持体に分散することが分かる。
【0068】
コーティング/ドーピング処理、熱処理または酸化/還元処理を含む追加的な処理が必要であるかどうかを判断する(S11)。
【0069】
追加的な処理は、触媒構造体を形成した高温高圧密閉型反応器内で反応終了後、直ちに行い得るが、結果物を得た後に一般処理用反応器を介して行うこともできる。
【0070】
得られた触媒構造体に対し、酸化処理/還元処理をさらに行い得る(S12−1)。酸化処理は得られた触媒構造体を200℃超過600℃未満の温度に維持しながら空気または酸素を供給することにより行い得る。酸化処理はS9段階と実質的に同様に行い得る。
【0071】
場合によっては得られた触媒構造体に対し、還元処理をさらに行い得る(S12−1)。還元処理はS9段階と実質的に同様に行い得る。
【0072】
熱処理(S12−2)は触媒構造体の結晶性を高めるために実施し得る。
【0073】
熱処理(S12−2)は不活性ガス、不活性ガスと水素の混合ガス、不活性ガスと気体型炭化水素ガスの混合ガス、不活性ガスと窒素含有ガスの混合ガスなどを用いて行い得る。
【0074】
熱処理(S12−2)の温度は、常圧の非活性気体雰囲気下で900〜1300℃の温度範囲で1ないし6時間程度行い得る。900℃未満の温度で熱処理をするとき、合成温度との差が少ないため、その効果について大きな期待をすることは難しく、1300℃超過の温度で熱処理をするとき、触媒構造体が変形する現象が深化され得、触媒構造体に酸化物を含む場合は、炭素シェルが酸化物との反応により炭素シェルが除去され得る。
【0075】
また、得られた触媒構造体に対し、コーティング/ドーピング処理をさらに行い得る(S12−
3)。コーティング/ドーピング処理は得られた触媒構造体を200℃超過600℃未満の温度に維持しながらコーティングまたはドーピングソースを密閉型反応器に共に供給することにより行い得る。コーティング/ドーピング処理(S12−3)は、S2ないしS11と同様の工程を経て高温高圧の密閉型反応器で行い得る。
【0076】
例えば、ナノ構造の触媒粒子結晶の中または炭素シェルなどにN−ドーピング(doping)を行おうとするときは、約500℃程度でアンモニアガスを供給したり、反応器内にN−含有ソースをと共に供給した後行ってもよい。その他にもホウ素(boron)、リン(phosphorus)、バナジウム(vanadium)、モリブデン(molybdenum)、硫黄(Sulfur)なども類似の方式でドーピングすることができる。ドーピング処理は1ないし2時間程度行い得る。ドーピング温度はドーピングのために供給されるソースに応じて異なり得るが、200℃以下の温度に維持する場合、ドーピング反応が十分でないこともあり得、600℃以上で熱処理をするときは、高温による触媒間の固まり現象を加速化させることができる。
【0077】
本発明の実施例により製造された触媒構造体の応用分野は、燃料電池(fuelcell)、逆電気透析塩分差発電(reverse electrodialysia)、海水淡水化用電気透析(electrodialysis for desalination)、水素生産反応(hydrogen evolution reaction)その他電気化学用触媒(catalysts for electrochemistry)、バッテリー(batteries)、改質触媒(catalysts for reformer)、光触媒(photocatalysts)など多様な触媒分野とナノ素材分野に適用可能である。
【0078】
以下の実施例と図面は、本発明の実施例の概念的な側面と方法についてさらなる理解と、作用および効果についてより詳細に説明するために提供する。ただし、このような実施例は発明の例示として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるものではない。
【0079】
以下の実施例において密閉前の反応器の内部の雰囲気ガスの条件に対し特に言及しない実施例の場合、密閉前雰囲気ガスは不活性ガスを意味する。
【0080】
〈実施例1〉
常圧常温で反応器に0次元支持体として直径が約200nmであり、ガラス質構造(glassy structure)の炭素球を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で15wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後、再び常温に冷却させて反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、炭素球支持体にPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0081】
図9aはPtナノ構造の触媒粒子が分散する前の炭素球支持体のHRTEMイメージであり、表面結晶構造はガラス質構造を示す。
図9bはPtナノ構造の触媒粒子の分散後のHRTEMイメージであり、炭素球支持体の表面に1〜1.5nmの大きさのPtナノ構造の触媒粒子が非常に均一に分布していることが分かる。
図9cはHRTEMイメージであり、Ptの主結晶面である0.223nm間隔を確認することができる。
図9dはFFTパターンで純粋な単結晶Pt金属の(111)結晶面を確認することができる。
図9eはSTEMイメージであり、Ptナノ構造の触媒粒子が炭素球の表面に均一な大きさで分布していることを示し、
図9fないし
図9hはEDXイメージであり、
図9fから炭素球に該当するC成分の分布を、
図9gからPtナノ粒子の分布を、
図9hからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0082】
図9aないし
図9hの結果から炭素球支持体の表面に1〜1.5nmの大きさのPtナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。
【0083】
〈実施例2〉
常圧常温で反応器に1次元支持体として直径が約10〜20nmであり、長さが5μmである多重壁カーボンナノチューブを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で15wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後、再び常温に冷却させて反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、カーボンナノチューブにPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
図10aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図10bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0084】
なお、他の条件を同様にし、昇温温度を600℃に変更して触媒構造体を得た。
図11aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図11bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0085】
図10aないし
図11bの結果から多重壁カーボンナノチューブの表面にPtナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。300℃で反応させたときは、約1〜1.5nmの大きさのPtナノ粒子(
図10aおよび
図10b)が多重壁カーボンナノチューブの表面に均一に合成されたことに対し、600℃で反応させたときは、約2nmの大きさに大きくなったPtナノ粒子(
図11aおよび
図11b)が多重壁カーボンナノチューブの表面に形成されることが分かる。
【0086】
〈実施例3〉
常圧常温で反応器に2次元支持体として厚さが約1.6nmであり、大きさが約5μmであり、層数が1〜3層であるグラフェンを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で20wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、グラフェンにPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
図12aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図12bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0087】
なお、他の条件を同様にし、昇温温度を600℃に変更して触媒構造体を得た。
図13aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図13bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0088】
図12aないし
図13bの結果からグラフェンの表面にPtナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。300℃で反応させたときは、約1〜1.5nmの大きさのPtナノ粒子(
図12aおよび
図12b)がグラフェンの表面に均一に合成されたことに対し、600℃で反応させたときは、約2nmの大きさに大きくなったPtナノ粒子(
図13aおよび
図13b)がグラフェンの表面に形成されることが分かる。
【0089】
〈実施例4〉
常圧常温で反応器に2次元支持体として厚さが約1.5nmであり、大きさが約5μmであり、層数が1〜3層であるN−ドーピングされた(N-doped)グラフェンを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で20wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後、再び常温に冷却させて反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、N−ドーピングされたグラフェンにPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
図14aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図14bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
図14aおよび
図14bから1〜1.5nmの大きさのPtナノ構造の触媒粒子がN−ドーピングされたグラフェンの表面に均一に分散されて合成されたことが分かる。
【0090】
〈実施例5〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約500nmであり、黒鉛化されたメソポーラス炭素ナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で15wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、メソポーラス炭素ナノ粒子にPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
図15aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図15bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0091】
なお、他の条件を同様にし、昇温温度を600℃に変更して触媒構造体を得た。
図16aは得られた触媒構造体のSTEMイメージであり、
図16bは得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0092】
図15aないし
図16bの結果からメソポーラス炭素ナノ粒子の表面にPtナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。300℃で反応させたときは、約1〜1.5nmの大きさのPtナノ粒子(
図15aおよび
図15b)がメソポーラス炭素ナノ粒子の表面に均一に合成されたことに対し、600℃で反応させたときは、約2nmの大きさに大きくなったPtナノ粒子(
図16aおよび
図16b)がメソポーラス炭素ナノ粒子の表面に形成されることが分かる。
【0093】
〈実施例6〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約50nmであるカーボンブラックを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で20wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、ブラックカーボンにPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
図17は得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0094】
なお、他の条件を同様にし、昇温温度を600℃に変更して触媒構造体を得た。
図18は得られた触媒構造体のHRTEMイメージである。
【0095】
図17および
図18の結果からカーボンブラックの表面にPtナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。300℃で反応させたときは、約1〜1.5nmの大きさのPtナノ粒子(
図17)がカーボンブラックの表面に均一に合成されたことに対し、600℃で反応させたときは、約2nmの大きさに大きくなったPtナノ粒子(
図18)がカーボンブラックの表面に形成されることが分かる。
【0096】
〈実施例7〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が100nmであり、Nドーピングされたカーボンシェルの厚さが20nmであるCu/Nドーピングされたカーボン−コア/シェルを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で15wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、Cu/Nドーピングされたカーボンコア/シェルにPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0097】
図19aおよび19bはPtナノ粒子の分散後のHRTEMイメージであり、Cu/Nドーピングされたカーボンコア/シェルの表面に1.5〜2nmの大きさのPtナノ構造の触媒粒子が非常に均一に分布したことが分かる。
図19cはFFTパターンであり、純粋な単結晶Pt金属の(111)結晶面とCu金属の(111)結晶面を確認することができる。
図19dはEDXグラフであり、得られた結果物からCu、C、N、Pt成分が観察されることを確認することができ、Oは表面酸化層に起因したものと解釈される。
【0098】
〈実施例8〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が100nmであり、Nドーピングされたカーボンシェルの厚さが20nmであるFe
3O
4/Nドーピングされたカーボンコア/シェルを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で15wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、Fe
3O
4/Nドーピングされたカーボンコア/シェルにPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0099】
図20aはPtナノ粒子の分散後のSTEMイメージであり、Ptナノ構造の触媒粒子が非常に均一にFe
3O
4/Nドーピングされたカーボンコア/シェルに分散されて合成されていることが分かる。
図20bはPtナノ構造の触媒粒子の分散後のHRTEMイメージであり、Fe
3O
4/Nドーピングされたカーボンコア/シェルの表面に1.5〜2nmの大きさのPtナノ構造の触媒粒子が非常に均一に分布したことが分かる。
図20cは得られた触媒構造体を構成する磁性成分により磁石に触媒構造体が引きずられることを確認することができる。
図20dはEDXグラフであり、得られた結果物からFe、O、C、N、Pt成分が観察されることを確認することができる。CuはTEMグリッドのピークを示す。
【0100】
〈実施例9〉
Pt金属の含有量が全体の含有量対比で50wt%になるようにすることだけを変更し、実施例1と同様にし、炭素球にPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0101】
図21はHRTEMイメージであり、約1〜1.5nmの大きさのPtナノ粒子が炭素球の表面に均一な大きさで分布していることを確認することができる。Ptナノ粒子が炭素球の全体表面を全て覆うほど非常に分散密度が高く合成されたが、粒子の固まり現象は殆どなく大きさが一定のPtナノ粒子が支持体の表面に合成されたことを確認することができる。これは触媒の表面に薄く形成されたシェルによるものと判断される。これにより触媒ソースの含有量を制御することによって分散密度を容易に制御できることが分かる。
【0102】
〈実施例10〉
表1に記載されているように合成温度だけを200℃、300℃、400℃、500℃、600℃に変更し、実施例1と同様にし、炭素球にPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た後Ptナノ構造の触媒粒子の大きさを測定した。
【0103】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0104】
図22aないし
図22eはそれぞれの実施例で得られた結果物に対するSTEMイメージ(左側)とHRTEMイメージ(右側)を共に示したものである。
図22aを参照すれば、合成温度が200℃であるHRTEMイメージでは、非常に小さい黒色点が炭素球の結晶面の内部に存在することがかすかに確認されるが、炭素と白金の二つの物質に対する密度の差異に対するイメージを示すSTEMイメージの場合、1nm未満のPtナノ粒子が炭素球の表面で非常にまばらに合成されたことが明確に確認される。しかし、分散密度から見る時、200℃温度条件では供給されたPtソースすべてが触媒合成のための反応に用いられなかったことが確認される。
図22bを参照すれば、合成温度が300℃であるとき、Ptナノ粒子の大きさが均一であり、分散密度も高く合成されたことが分かる。Ptナノ粒子の大きさは約1〜1.5nmであることが分かる。200℃で得られた触媒構造体の分散密度と比較する時、供給されたPtソースの反応がより活発に行われたことを確認することができる。
図22cを参照すれば、合成温度が400℃であるとき、Ptナノ粒子の大きさが均一であり、分散密度も高く合成されたことが分かる。Ptナノ粒子の大きさは約1.5nmであることが分かる。
図22dを参照すれば、合成温度が500℃であるとき、Ptナノ粒子の大きさが均一であり、分散密度も高く合成されたことが分かる。Ptナノ粒子の大きさは約1.5〜2.0nmであることが分かる。
図22eを参照すれば、合成温度が600℃であるとき、Ptナノ粒子の大きさが均一であり、分散密度も高く合成されたことが分かる。Ptナノ粒子の大きさは約2.0nmであることが分かる。
【0105】
実施例10−1ないし10−5の結果から合成温度が上昇することでPtナノ粒子の大きさが大きくなり、合成されるPtナノ粒子間の距離が遠くなることを確認することができる。これは供給されたPtソースの量が同一の条件で粒子の大きさが大きく形成されると、当然支持体の表面で粒子間の距離は増加するようになり、分散密度が低くなるため、当然の結果である。
【0106】
〈実施例11〉
表2に記載されているようにPt触媒ソースの含有量を10wt%、20wt%、70wt%に変更し、合成温度を600℃に変更して設定したこと以外は、実施例3と同様にグラフェンにPtナノ粒子が分散されたナノ構造体の触媒を得た後Pt触媒の分散密度を確認した。
【0107】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
図23aないし
図23cはそれぞれの実施例で得られた結果物に対するSTEMイメージ(左側)とHRTEMイメージ(右側)を共に示したものである。
図23aを参照すれば、Ptナノ粒子がグラフェンの表面で非常に均一な大きさで分散されていることが分かる。
図23bを参照すれば、Ptナノ粒子の大きさの変化なしにコーティングされたPtの分散密度がさらに増加したことが分かる。
図23cを参照すれば、Ptナノ粒子の大きさの変化なしにコーティングされたPtがグラフェンの表面をほぼ覆っていることを確認することができる。これによりPtソース(前駆体)の量が増加しても合成されるPtナノ粒子の大きさの変化なしにPtナノ粒子の分散密度が前駆体の含有量増加に比例して増加することであるが分かる。
【0109】
〈実施例12〉
触媒構造体でPtナノ構造の触媒粒子をN−ドーピングされたカーボンシェルでコーティングできるかどうかを確認するために以下の表3の条件で触媒構造体をN−ドーピング(doping)合成した。N−ドーピングされたカーボンシェルソースとしては、ピリジン(C
5H
5N)を用い、合成温度を600℃として、1時間の間反応させてN−ドーピングされた触媒構造体を得た。
【0110】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
図24aないし
図24eはそれぞれの実施例で得られた結果物に対するHRTEMイメージ(左側)とそれの拡大図(右側)を共に示したものである。
図24aないし
図24eを参照すれば、支持体の種類に関係なく表面にコーティングされたPtは1〜2層で構成された黒鉛層でうまくカプセル化されたことを確認することができる。反応温度を600℃にしたため、Ptナノ粒子の大きさが300℃で合成した1.5nmの大きさのPtナノ粒子対比で4〜5nm程度に大きくなったことが分かる。しかし、分布の均一性はそのまま維持されたことを確認することができる。
【0112】
〈実施例13〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約200nmであり、ガラス質構造(glassy structure)の炭素球を、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(Platinum(II)acetylacetonate、PtC
10H
14O
4)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で15wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、炭素球支持体にPtナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0113】
図25aはSTEMイメージ(左側)およびその拡大イメージ(右側)であり、Ptナノ粒子が炭素球の表面に均一に分散されて形成されたことが分かる。
図25bはTEMイメージ(左側)およびその拡大イメージ(右側)であり、5nmの大きさのPtナノ粒子が炭素球の表面に均一に分散されて形成されたことが分かる。
図25cはFFTパターンであり、純粋なPt金属の(111)結晶面を確認することができる。
図25dはEDXイメージであり、Ptナノ粒子のピークを確認することができる。
【0114】
〈実施例14〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約10〜20nmであり、長さが5μmの多重壁カーボンナノチューブを、Ru触媒ソース(前駆体)としてルテニウム(III)アセチルアセトネート(Ruthenium(III)acetylacetonate、Ru(C
5H
7O
2)
3)を供給し、Ru金属の含有量が全体の含有量対比で10wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、カーボンナノチューブにRuナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0115】
図26aはTEMイメージであり、
図26bはHRTEMイメージであり、カーボンナノチューブの表面に1〜2nmの大きさのRu触媒が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図26cないし
図26eはEDXイメージであり、
図26cからカーボンナノチューブのC成分の分布を、
図26dからRuナノ粒子の分布を、
図26eからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0116】
〈実施例15〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約200nmであり、ガラス質構造の炭素球を、Ir触媒ソース(前駆体)としてメチルシクロペンタジエニル(1、5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)(methylcyclopentadienyl(1、5−cycloocatdien)iridium(I)、C
14H
19Ir)を供給し、Ir金属の含有量が全体の含有量対比で10wt%になるように供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、炭素球にIrナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0117】
図27aはSTEMイメージであり、
図27bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に1nmの大きさのIr触媒が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図27cないし
図27eはEDXイメージであり、
図26cから炭素球のC成分の分布を、
図27dからIrナノ粒子の分布を、
図27eからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0118】
〈実施例16〉
遷移金属の場合にも同じ方式で触媒構造体の合成が可能であるかを調べるために表4に記載されているように遷移金属触媒ソースのみを変更して、実施例1のように炭素球にナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0119】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0120】
図28aないし
図28dは実施例16−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図28aはSTEMイメージであり、
図28bはTEMイメージであり、
図28cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に5〜10nmの大きさのFe触媒が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図28dはEDXグラフであり、Feのピークが確認されることから
図28aないし
図28cのナノ粒子がFeナノ粒子であることを確認することができる。
【0121】
図29aないし
図29dは実施例16−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図29aはSTEMイメージであり、
図29bはTEMイメージであり、
図29cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に10〜30nmの大きさのCo触媒が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図29dはEDXグラフであり、Coのピークが確認されることから
図29aないし
図29cのナノ粒子がCoナノ粒子であることを確認することができる。
【0122】
図30aないし
図30dは実施例16−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図30aはSTEMイメージであり、
図30bはTEMイメージであり、
図30cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に5〜20nmの大きさのNi触媒が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図30dはEDXグラフであり、Niのピークが確認されることから
図30aないし
図30cのナノ粒子がNiナノ粒子であることを確認することができる。
【0123】
〈実施例17〉
遷移金属ソース(前駆体)の含有量変化による影響を調べるため、Fe触媒ソースであるフェロセン(Ferrocene)の含有量を5wt%、10wt%、15wt%に変更し、実施例16−1のように炭素球にFeナノ粒子が分散された触媒構造体を得た後Feナノ構造の触媒粒子の分散密度を確認した。
【0124】
図31aは5wt%であるときを、
図31bは10wt%であるときを、
図31cは15wt%であるときをそれぞれ示す。
図31aないし
図31cから5〜10nmの大きさのFeナノ粒子が比較的に均一に分散され、炭素球の表面に合成されたことが分かる。また、触媒ソース(前駆体)の供給濃度の増加により炭素球に分散されたナノ粒子の分散密度が増加することを確認することができる。
【0125】
〈実施例18〉
遷移金属ナノ粒子が分散された触媒構造体で遷移金属を酸化させて遷移金属酸化物のナノ粒子が分散された触媒構造体の製造が可能であるかを調べるため、実施例16−1ないし16−3と同様の方法で触媒構造体を一次的に合成した後、それぞれを下記の条件で酸化反応を行った。
【0126】
【表5】
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【0127】
図32aないし
図32dは実施例18−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図32aはSTEMイメージであり、
図32bはTEMイメージであり、
図32cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に小さいときは5nmの大きさのFe
3O
4ナノ粒子が、大きいときは10nm程度のFe
3O
4ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図32dはEDXグラフであり、Fe、Oのピークが確認されることから
図32aないし
図32dのナノ粒子がFe
3O
4ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表6は、原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がFe
3O
4ナノ粒子であることを確認することができる。
【0128】
【表6】
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【0129】
図33aないし
図33dは実施例18−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図33aはSTEMイメージであり、
図33bはTEMイメージであり、
図33cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に小さいときは10nmの大きさのCo
2O
3ナノ粒子が、大きいときは40nm程度のCo
2O
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図32dはEDXグラフであり、Co、Oのピークが確認されることから
図33aないし
図33dのナノ粒子がCo
2O
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表7は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がCo
2O
3ナノ粒子であることを確認することができる。
【0130】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0131】
図34aないし
図34cは実施例18−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図34aはSTEMイメージであり、
図34bはTEMイメージであり、
図34cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に小さいときは5nmの大きさのNiOナノ粒子が、大きいときは20nm程度のNiOナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。以下の表8は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がNiOナノ粒子であることを確認することができる。
【0132】
【表8】
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【0133】
〈実施例19〉
白金系2元合金ナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体の合成を実施した。常圧常温で反応器に直径が約200nmであり、ガラス質構造の炭素球を、触媒ソースは以下の表9に記載された形態に第1触媒ソースと第2触媒ソースと共に供給した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、触媒構造体を得た。
【0134】
【表9】
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【0135】
図35aおよび
図35bは実施例19−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図35aはSTEMイメージであり、
図35bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に1〜2nmの大きさのPtIrナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図35cはEDXグラフであり、C、Ir、Ptのピークが確認されることから
図35aおよび
図35bのナノ粒子がPtIrナノ粒子であることを確認することができる。
【0136】
図36aないし36fは実施例19−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図36aはSTEMイメージであり、
図36bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に1〜2nmの大きさのPtRuナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図36cないし
図36fはEDXイメージであり、
図36cから炭素球に該当するC成分の分布を、
図36dからRuナノ粒子の分布を、
図36eからPtナノ粒子の分布を、
図36fからは触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。これら結果からナノ粒子がPtIrナノ粒子であることを確認することができる。
図37aないし
図37dは実施例19−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図37aはSTEMイメージであり、
図37bはTEMイメージであり、
図37cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に小さいときは2nmの大きさのPtRuナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図37dはEDXグラフであり、C、Pt、Ruピークが確認されることから
図37aないし
図37cのナノ粒子がPtRuナノ粒子であることを確認することができる。以下の表10は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPtRuであることを確認することができる。
【0137】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0138】
〈実施例20〉
白金−遷移金属系2元合金ナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体の合成を実施した。基本的な合成工程は、実施例1に基づき行い、以下の表11に記載された互いに異なる条件を用いて触媒構造体を得た。
【0139】
【表11-1】
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【0140】
【表11-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0141】
図38aないし
図38cは実施例20−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図38aはSTEMイメージであり、
図38bはHRTEMイメージであり、多重壁カーボンナノチューブの表面に2nmの大きさのPtFeナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図38cはEDXグラフであり、C、Pt、Feのピークが確認されることから
図38aおよび38cのナノ粒子がPtFeナノ粒子であることを確認することができる。
【0142】
図39aないし
図39cは実施例20−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図39aはSTEMイメージであり、
図39bはTEMイメージであり、
図39cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に20nm厚さの薄い帯がコーティングされたことが確認され、2nmの大きさのFePt
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図39dはEDXグラフであり、C、Pt、Feのピークが確認されることから
図39aないし
図39cのナノ粒子がFePt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表12は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がFePt
32元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0143】
【表12】
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【0144】
図40aないし
図40cは実施例20−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図40aはSTEMイメージであり、
図40bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nm厚さの薄い帯がコーティングされたことが確認され、2nmの大きさのFePt
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図40cはEDXグラフであり、C、Pt、Feのピークが確認されることから
図40aおよび
図40cのナノ粒子がFePt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表13は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がFePt
32元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0145】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
図41aないし
図41cは実施例20−4で得られた触媒構造体を示す図であって、
図41aはSTEMイメージであり、
図41bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのPtCoナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図41cはEDXグラフであり、C、Pt、Coのピークが確認されることから
図41aおよび
図41bのナノ粒子がPtCoナノ粒子であることを確認することができる。
【0147】
図42aないし
図42cは実施例20−5で得られた触媒構造体を示す図であって、
図42aはTEMイメージであり、
図42bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に1〜2nmの大きさのCoPt
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図42cはEDXグラフであり、C、Pt、Coのピークが確認されることから
図41aおよび
図41bのナノ粒子がCoPt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表14は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がCoPt
32元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0148】
【表14】
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【0149】
図43aないし
図43cは実施例20−6で得られた触媒構造体を示す図であって、
図43aはSTEMイメージであり、
図43bはHRTEMイメージであり、グラフェンの表面に2nmの大きさのCoPt
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図43cはEDXグラフであり、C、Pt、Coのピークが確認されることから
図43aおよび
図43bのナノ粒子がCoPt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表15は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がCoPt
32元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0150】
【表15】
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【0151】
図44aないし
図44fは実施例20−7で得られた触媒構造体を示す図であって、
図44aはSTEMイメージであり、
図44bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に1〜1.5nmの大きさのPtより少し大きい2nmの大きさのPtNiナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図44cないし
図44fはEDXイメージであり、
図44cからカーボンナノチューブのC成分の分布を、
図44dからPtナノ粒子の分布を、
図44eからNiナノ粒子の分布を、
図44fからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0152】
図45aないし
図45cは実施例20−8で得られた触媒構造体を示す図であって、
図45aはTEMイメージであり、
図45bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面にNiPt
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図45cはEDXグラフであり、C、Pt、Niのピークが確認されることから
図45aおよび
図45bのナノ粒子がNiPt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表16は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がNiPt
32元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0153】
【表16】
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【0154】
図46aないし
図46cは実施例20−9で得られた触媒構造体を示す図であって、
図46aはSTEMイメージであり、
図46bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのNiPt
3ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図46cはEDXグラフであり、C、Pt、Niのピークが確認されることから
図46aおよび
図46bのナノ粒子がNiPt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表17は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がNiPt
32元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0155】
【表17】
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【0156】
図47aないし
図47cは実施例20−10で得られた触媒構造体を示す図であって、
図47aはTEMイメージであり、
図47bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのMnPt
7ナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図47cはEDXグラフであり、C、Pt、Mnのピークが確認されることから
図47aおよび
図47bのナノ粒子がMnPt
7ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表18は原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がMnPt
72元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0157】
【表18】
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【0158】
図48aないし
図48cは実施例20−11で得られた触媒構造体を示す図であって、
図48aはTEMイメージであり、
図48bはSTEMイメージであり、
図48cはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に5nmの大きさと20nmの大きさのCu
3Ptナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。以下の表19は5nmの大きさのナノ粒子の原子比を測定した結果を示し、表20は20nmの大きさのナノ粒子の原子比を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がCu
3Pt2元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0159】
【表19】
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【0160】
【表20】
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【0161】
図49aおよび
図49bは実施例20−12で得られた触媒構造体を示す図であって、
図49aはSTEMイメージであり、
図49bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたときと2nmの大きさのナノ粒子と50nm未満の無定形のナノ構造が同時に合成された炭素球が観察された。以下の表21は2nmの大きさのナノ粒子の原子比を測定した結果を示し、表22は50nmの大きさのナノ粒子の原子比を測定した結果を示し、原子比から2nmの大きさのナノ粒子がSnPt
92元合金ナノ粒子であり、50nmの大きさは純粋なSn構造であることを確認することができる。
【0162】
【表21】
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【0163】
【表22】
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【0164】
図50aないし
図50cは実施例20−13で得られた触媒構造体を示す図であって、
図50aはTEMイメージであり、
図50bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図50cはEDXグラフであり、C、Pt、Gaのピークが確認されることから
図50aおよび
図50bのナノ粒子がGaPt
9ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表23は2nmの大きさのナノ粒子の原子比(atomic ratio)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がGaPt
92元合金ナノ粒子であることを確認することができる。
【0165】
【表23】
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【0166】
〈実施例21〉
多元合金ナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体の合成を実施した。基本的な合成工程は、実施例1と同様に実施し、触媒ソースは以下の表24に記載された互いに異なる条件を用いて触媒構造体を得た。
【0167】
【表24】
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【0168】
図51aないし
図51cは実施例21−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図51aはSTEMイメージであり、
図51bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図51cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Co、Niのピークが確認されることから
図51aおよび
図51bのナノ粒子がPt
85Fe
7Co
3Ni
5ナノ粒子であることを確認することができる。
【0169】
図52aないし
図52cは実施例21−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図52aはSTEMイメージであり、
図52bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図52cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Co、Niのピークが確認されることから
図52aおよび
図52bのナノ粒子がPt
87Fe
5Co
4Ni
5ナノ粒子であることを確認することができる。
【0170】
図53aないし
図53cは実施例21−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図52aはSTEMイメージであり、
図52bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図52cはEDXグラフであり、C、Pt、Cr、Coのピークが確認されることから
図53aおよび
図53bのナノ粒子がPt
35Co
40Cr
25ナノ粒子であることを確認することができる。
【0171】
図54aないし
図54cは実施例21−4で得られた触媒構造体を示す図であって、
図54aはSTEMイメージであり、
図54bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図54cはEDXグラフであり、C、Pt、Co、Vのピークが確認されることから
図54aおよび
図54bのナノ粒子がPt
45Co
39V
15ナノ粒子であることを確認することができる。
【0172】
図55aないし
図55cは実施例21−5で得られた触媒構造体を示す図であって、
図55aはSTEMイメージであり、
図55bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図55cはEDXグラフであり、C、Pt、Co、Niのピークが確認されることから
図55aおよび
図55bのナノ粒子がPt
75Co
20Ni
5ナノ粒子であることを確認することができる。
【0173】
図56aないし
図56cは実施例21−6で得られた触媒構造体を示す図であって、
図56aはSTEMイメージであり、
図56bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図56cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Coのピークが確認されることから
図56aおよび
図56のナノ粒子がPt
75Fe
20Co
5ナノ粒子であることを確認することができる。
【0174】
図57aないし
図57cは実施例21−7で得られた触媒構造体を示す図であって、
図57aはSTEMイメージであり、
図57bはHRTEMイメージであり、炭素球の表面に2nmの大きさのナノ粒子が均一にコーティングされたことを確認することができる。
図57cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Niのピークが確認されることから
図57aおよび
図57bのナノ粒子がPt
75Fe
20Ni
5ナノ粒子であることを確認することができる。
【0175】
〈実施例22〉
有機金属ナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体の合成を実施した。基本的な合成工程は、多重壁カーボンナノチューブを用いた実施例2と同様に実施し、触媒ソースは以下の表25に記載された互いに異なる条件を用いて合成条件は450℃、1hrとして触媒構造体を得た。
【0176】
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0177】
図58aないし
図58fは実施例22−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図58aはTEMイメージであり、
図58bはHRTEMイメージであり、カーボンナノチューブの表面にFe−N−Cナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図58cないし
図58fはEDXイメージであり、
図58cからカーボンナノチューブのC成分の分布を、
図58dからFeナノ粒子の分布を、
図58eからNナノ粒子の分布を、
図58fからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0178】
図59aないし
図59fは実施例22−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図59aはTEMイメージであり、
図59bはHRTEMイメージであり、カーボンナノチューブの表面にCo−N−Cナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図59cないし
図59fはEDXイメージであり、
図59cからカーボンナノチューブのC成分の分布を、
図59dからCoナノ粒子の分布を、
図59eからNナノ粒子の分布を、
図59fからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0179】
図60aないし
図60fは実施例22−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図60aはTEMイメージであり、
図60bはHRTEMイメージであり、カーボンナノチューブの表面にMn−N−Cナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図60cないし
図60fはEDXイメージであり、
図60cからカーボンナノチューブのC成分の分布を、
図60dからMnナノ粒子の分布を、
図60eからNナノ粒子の分布を、
図60fからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0180】
〈実施例23〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が10〜20nmであり、長さが約5μmであり、Fe−Nドーピングされたカーボンでコーティングされたカーボンナノチューブを、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属含有量が全体の含有量対比で10wt%になるように供給した。Fe−Nドーピングされたカーボンでコーティングされたカーボンナノチューブは鉄ポルフィリン(C
20H
14FeN
4)処理された多重壁カーボンナノチューブを900℃で熱処理して準備した。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて300℃になるようにした後、1時間の間反応を行わせた。反応が完了した後再び常温に冷却させ、反応器の温度が常温まで下がると、反応器の中の圧力を常圧に下げるために圧力調節バルブを徐々に開放した後、触媒構造体を得た。
【0181】
図61aないし
図61gは得られたFe−Nドープされたカーボン/Ptナノ粒子のハイブリッド触媒を示す図であり、
図61aはTEMイメージであり、
図61bはHRTEMイメージであり、Fe−Nドープされたカーボンでコーティングされたカーボンナノチューブの表面にPtナノ粒子が均等に分散されて形成されたことが分かる。
図61cないし
図61gはEDXイメージであり、
図61cからカーボンナノチューブのC成分の分布を、
図61dからFeナノ粒子の分布を、
図61eからPtナノ粒子の分布を、
図61fからN成分の分布を、
図61gからは最終触媒構造体の表面酸化層をそれぞれ確認することができる。
【0182】
〈実施例24〉
炭素系以外の支持体を用いて分散された触媒構造体の合成を実施した。基本的な合成工程は、白金触媒ソースとしてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金を用いた実施例1と同様に実施し、支持体は以下の表26に記載された互いに異なる条件を用いて触媒構造体を得た。
【0183】
【表26】
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【0184】
図62aないし
図62eは実施例24−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図62aはTEMイメージであり、
図62bはHRTEMイメージであり、Al
2O
3ナノ粒子の表面にPtナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図62cないし
図62eはEDXイメージであり、
図62cからAl成分の分布を、
図62dからO成分の分布を、
図62eからはPtナノ粒子の分布を確認することができる。
【0185】
図63aないし
図63fは実施例24−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図63aはTEMイメージであり、
図63bはHRTEMイメージであり、CaAl
2O
4ナノ粒子の表面にPtナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図63cないし
図63fはEDXイメージであり、
図63cからAl成分の分布を、
図63dからO成分の分布を、
図63eからCa成分の分布を、
図63fからはPtナノ粒子の分布を確認することができる。
【0186】
図64aないし
図64cは実施例24−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図64aはTEMイメージであり、
図64bはHRTEMイメージであり、Siナノ粒子の表面に約1〜1.5nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図64cはEDXグラフであり、Si、Ptのピークが確認されることから
図64aおよび
図64bの触媒構造体がSi支持体の上に形成されたPtナノ粒子からなる触媒であることを確認することができる。Oは表面酸化層に起因したピークであり、CuとCはTEMグリッド(grid)に起因した値である。
【0187】
図65aないし
図64cは実施例24−4で得られた触媒構造体を示す図であって、
図65aはTEMイメージであり、
図65bはHRTEMイメージであり、アパタイトナノ粒子の表面に約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図65cはEDXグラフであり、C、Pt、P、Ca、Oのピークが確認されることから
図65aおよび
図65bの触媒構造体がアパタイト支持体の上に形成されたPtナノ粒子からなる触媒であることを確認することができる。
【0188】
〈実施例25〉
炭素系以外の支持体に白金−遷移金属系2元合金ナノ構造の触媒粒子が分散された触媒構造体の合成を実施した。基本的な合成工程は、実施例1に基づき行い、以下の表27に記載された互いに異なる条件を用いて触媒構造体を得た。
【0189】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0190】
図66aないし
図66dは実施例25−1で得られた触媒構造体を示す図であって、
図66aはTEMイメージであり、
図66bはHRTEMイメージであり、Al
2O
3ナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図66cはFePt
3ナノ粒子に係るEDXグラフであり、
図66dはAl
2O
3に係るEDXグラフである。
図66cおよび
図66dからAl
2O
3支持体の上にFePt
3ナノ粒子が形成されたことを確認することができる。
【0191】
図67aないし
図67cは実施例25−2で得られた触媒構造体を示す図であって、
図67aはSTEMイメージであり、
図67bはHRTEMイメージであり、SiO
2ナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図67cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Si、Oのピークが確認されることから
図67aおよび
図67bのナノ粒子がSiO
2ナノ粒子の表面に形成されたFePt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表28に記載された原子比からSiO
2ナノ粒子の表面に形成されたFePt
3ナノ粒子が形成されたことを確認することができる。
【0192】
【表28】
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【0193】
図68aないし
図68cは実施例25−3で得られた触媒構造体を示す図であって、
図68aはSTEMイメージであり、
図68bはHRTEMイメージであり、CeO
2ナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図68cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Ce、Oのピークが確認されることから
図68aおよび
図68bのナノ粒子がCeO
2ナノ粒子の表面に形成されたFePt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表29に記載された原子比からCeO
2ナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が形成されたことを確認することができる。
【0194】
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0195】
図69aないし
図69cは実施例25−4で得られた触媒構造体を示す図であって、
図69aはTEMイメージであり、
図69bはHRTEMイメージであり、SnO
2ナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図69cはEDXグラフであり、C、Pt、Fe、Snのピークが確認されることから
図69aおよび
図69bのナノ粒子がSnO
2ナノ粒子の表面に形成されたFePt
3ナノ粒子であることを確認することができる。EDXグラフから発見されるO成分はSnO
2ナノ粒子がFePt
3ナノ粒子の分散過程で還元されて形成されたものと解釈される。以下の表30に記載された原子比からSnO
2ナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が形成されたことを確認することができる。
【0196】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
図70aないし
図70cは実施例25−5で得られた触媒構造体を示す図であって、
図70aはTEMイメージであり、
図70bはHRTEMイメージであり、ZnOナノ粒子の表面にFePt
3ナノ粒子が約2nmの大きさで均一に分散されて形成されたことが分かる。
図70cはZnOの表面にコーティングされたナノ粒子に係るEDXグラフであり、C、Pt、Feのピークが確認されることから
図70aおよび
図70bのナノ粒子がZnOナノ粒子の表面に形成されたFePt
3ナノ粒子であることを確認することができる。以下の表31に記載された原子比からFePt
3ナノ粒子が形成されたことを確認することができる。
【0198】
【表31】
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【0199】
〈実施例26〉
Ptが20%ローディングされたPt/C触媒と本発明の実施例によって製造された多様な触媒構造体のORR(Oxygen Reduction Reaction)を測定した結果を
図71aと
図71bに示す。また、各触媒の電気化学的特性を測定した結果値を以下の表32に示す。
【0200】
ORR測定と電気化学的測定のために触媒約1〜2mgをナフィオン(nafion)とアルコール混合溶液に浸して超音波分散させた。準備されたインクはガラス質炭素(glassy carbon, GC)支持体の表面にピペットを利用してコーティングした。準備された触媒電極は赤外線(infrared)ランプを利用して乾燥させた。電気化学測定はポテンシオスタット(potentiostat)を利用して測定した。ORR測定は0.1M HClO
4溶液で1,600rpmで行われた。ORR偏光曲線(polarization curves)は0.0で1.2V(vsRHE)区間で10mV/sのアノード掃引速度(anodic sweep rate)で行われた。すべての測定は常温で行われた。
【0201】
【表32】
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【0202】
CS300は炭素球支持体にPtナノ粒子が分散された触媒を、CNT300はカーボンナノチューブ支持体にPtナノ粒子が分散された触媒を、CNG300は黒鉛化メソポーラス炭素ナノ粒子支持体にPtナノ粒子が分散された触媒をそれぞれ示す。
【0203】
図71aおよび
図71bのグラフおよび表32の結果を見れば、商用の20%Pt/C触媒に比べて本発明の実施例により合成した触媒の場合、Pt担持量を15%に下げても優れたORR特性を示す。特に、黒鉛化メソポーラス炭素ナノ粒子(CNG)にPtナノ粒子が分散された触媒(CNG300)がECSA(Electro Chemical Surface Area)および集団活性(mass activity)に最も優れることが分かる。CNG300の集団活性は、商用の触媒(20%商用のPt/C)より約2倍優れたものであることが示された。その次に、カーボンナノチューブ支持体にPtナノ粒子が分散された触媒(CNT300)、炭素球支持体にPtナノ粒子が分散された触媒(CS300)順に活性が良いことが示された。本結果は、炭素支持体の結晶性に優れるほどORR性能が向上することを示す。このような結果は、電気化学反応過程で発生し得る炭素支持体の表面酸化による触媒と支持体との間の結合力の弱化が触媒の活性に影響を与えられるが、結晶性に優れるときにはこのような影響をさほど受けないからである。ORR特性に相当部分の影響を及ぼすことが示された。E
1/2である場合にもPtの担持量が15%で、商用の触媒の20%より減少したにもかかわらずほぼ似た水準を示す。
【0204】
〈実施例27〉
Ptが37%ローディングされたPt/炭素球触媒に関する実施例である。炭素球を基盤にしたPt触媒のORR(Oxygen Reduction Reaction)の長期性能を測定した結果を
図72aと
図72bに示す。そして、各触媒の電気化学的特性を測定した結果値を以下の表33に示す。ORR測定と電気化学的測定は実施例26と同様である。
【0205】
【表33】
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【0206】
Freshは初期性能を示し、ADT_5kは5,000回のサイクル、ADT_50kは50,000回のサイクル以降の触媒性能を示す。
【0207】
図72aおよび
図72bのグラフおよび表33の結果を見れば、50,000回のサイクル反応以降の触媒性能は、初期性能対比で約1%減少したことが確認される(E
1/2値)。普通40wt.%Pt含有Pt/C商用の触媒が30,000回のサイクル以降、約7〜10%の性能減少があることに比べて長期性能が非常に向上したことが分かる。また
図72aで確認されたように、サイクルが増加しても触媒の固まりによる触媒性能の低減現象は発生しないことが分かる(X軸の約0.1Vで各サイクル別グラフのシャープネス(sharpness)は減少しなかった)。このような結果から本発明による触媒構造体の性能および長期性能に非常に優れることを確認することができる。
【0208】
〈実施例28〉
分散密度はTEMとSTEMの結果に基づいて測定し、100nm
2当たりコーティングされたナノ粒子の個数を測定して計算した。図において反応温度は、それぞれ200〜600℃に対して行い、触媒ソースはPt金属含有量が約10wt%、20wt%、30wt%、40wt%、50wt%になるように供給した。200℃、300℃、400℃、500℃、600℃の温度に対するPtナノ粒子の平均大きさはそれぞれ1.0nm、1.25nm、1.5nm、1.75nm、2.0nmであった。
【0209】
図73は互いに異なる温度およびPt金属含有量を用いた場合に対し、それぞれ測定した分散密度(number of particles/100nm
2)を示すグラフである。分散密度はすべての温度区間およびPt金属含有量10wt%以上で10粒子/100nm
2以上の分散密度を示す。さらに好ましくは25粒子/100nm
2以上の分散密度を示す。さらに好ましくは45粒子/100nm
2以上の分散密度を示す。
【0210】
合成温度が300℃であるときを調べると、支持体の表面積に対する1.25nm−Ptナノ粒子の分散密度を見ると、全てのPt金属含有量に対し、支持体の面積の約10%以上に該当するPtナノ粒子のコーティング面積が計算される。より具体的にはPt金属含有量が10wt%であるとき、支持体の面積の約62%に該当するPtナノ粒子のコーティング面積が計算される。20wt%であるとき、約115%であって、支持体の面積よりさらに広い面積に相当するPtナノ粒子のコーティング面積が計算され、最大50wt%であるとき、支持体の面積の2.8倍に相当する面積のPtナノ粒子のコーティング面積が計算される。これはPtナノ粒子が炭素シェルで積層されて固まることなく支持体の表面に継続して積層されながらコーティングされ得ることを意味し、このような結果は実施例のTEMまたはSTEMイメージから確認することができる。
【0211】
〈実施例29〉
ナノ構造体の触媒粒子の大きさはTEMとSTEMの結果に基づいてナノ粒子の直径を測定する方式で計算し、炭素球にコーティングされたPtナノ粒子の直径に相当する個数を測定して計算した。反応温度はそれぞれ300℃、400℃、500℃、600℃に変更し、触媒ソースはPt金属含有量が約10wt%になるように供給した。
図73aは300℃で合成されたときを示し、ナノ構造体の触媒粒子の大きさは大部分1.2と1.3nmとの間に分布するものと測定された。ナノ構造体の触媒粒子の平均大きさは1.260nmである。同じ方式で400℃、500℃、600℃で合成されたナノ構造体の触媒粒子の大きさの分布図は
図74aないし
図74dに示し、平均大きさはそれぞれ1.260nm、1.485nm、1.75nm、2.02nmであることが分かる。
【0212】
〈実施例30〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約50nmであるカーボンブラックを、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルト(II)アセチルアセトネート(CoC
10H
14O
4)を供給し、Pt金属とCo金属の含有量が全体の含有量対比でそれぞれ40wt%および5wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、30分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後(工程S7)、ナノ粒子の表面に残存する不純物を除去するために同じ温度(350℃)で、まず酸化処理を行い、その後還元処理を行った(工程S9)。最後に不活性ガス雰囲気で温度を常温に下げて試料を得た(工程S10)。
【0213】
図75の(a)と(b)は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。
図75の(a)と(b)の結果からカーボンブラックの表面に1.5〜2.5nmの大きさの触媒ナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。
【0214】
表34は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPt
3Coナノ粒子であることが分かる。XRDによる結晶構造分析もEDX分析結果と一致することを確認することができた。
【0215】
【表34】
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【0216】
〈実施例31〉
使用前駆体と支持体、およびその他の反応工程は、実施例30と同様に行い、工程S9に該当する酸化/還元処理の温度をそれぞれ350℃、450℃、550℃に変更して触媒構造体を得た。その結果が
図76に例示されている。
【0217】
350℃で形成したときは1.8〜2.2nmの触媒ナノ粒子が、450℃で形成したときは2.3〜2.7nmのナノ粒子が、550℃で形成したときは、2.8〜3.2nmの触媒ナノ粒子が形成されることを確認した。これにより反応温度が増加することによって触媒ナノ粒子の大きさが少しずつ大きくなることを確認することができた。
【0218】
〈実施例32〉
使用の前駆体と支持体は実施例30と同様にし、反応工程においては、反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、30分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後(
図1のS7段階)、常温まで冷却させる。その後再び反応器の温度を350℃まで上昇させて維持しながら酸化処理を行い、その後反応器の温度を再び700℃まで上昇させて維持しながら還元処理を行った。最後に不活性ガス雰囲気で温度を常温に下げて試料を得た。その結果が
図77に例示されている。
【0219】
図77の(a)と(b)は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。
図77の(a)と(b)の結果からカーボンブラックの表面に3〜4nmの大きさの触媒ナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。冷却後再び温度を上昇しながら後処理を行った結果、ナノ粒子の大きさが1〜2nm程度増加した。
【0220】
表35は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPt
3Coナノ粒子であることが分かる。XRDによる結晶構造分析もEDX分析結果と一致することを確認することができた。
【0221】
【表35】
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【0222】
〈実施例33〉
使用の前駆体と支持体、およびその他の反応工程は、実施例30と同様に行い、反応器の密閉前の反応器の内部の雰囲気条件を以下の表36に記載されている互いに異なる条件を用いて触媒構造体を得た。その結果が
図78に例示されている。
【0223】
【表36】
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【0224】
図78の(a)ないし(c)は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。
図78の(a)ないし(c)の結果から反応器を密閉する前に反応器の内部のガス条件に対し、酸素が100%であるとき、ナノ粒子の大きさは約10nmであり、酸素の存在が減るほどナノ粒子の大きさが小さくなり、不活性ガスであるアルゴンが100%であるときは、約1〜2nmであった。本結果から反応器を密閉する前の雰囲気ガスの制御によりナノ粒子の大きさ、分散密度だけでなく微量元素のドーピングを制御できることが分かる。反応ガスは、酸素の他にも反応中の酸化物の還元のために水素、反応物の窒素ドーピングのためのアンモニウムのようなガスも使用可能である。
【0225】
〈実施例34〉
支持体と反応条件は実施例30と同様にし、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Ru触媒ソース(前駆体)としてルテニウム(III)アセチルアセトネート(RuC
15H
21O
6)を供給した。
【0226】
図79は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。(a)は総金属が50st%であり、(b)は75wt%である。
図79の結果からカーボンブラックの表面に1.5〜2.5nmの大きさのPtRu触媒ナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。
【0227】
〈実施例35〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約50nmであるカーボンブラックを、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルト(II)アセチルアセトネート(CoC
10H
14O
4)を、Mo触媒ソース(前駆体)としてビス(アセチルアセトナート)ジオキソモリブデン(Bis(acetylacetonato)dioxomolybdenum(VI))([CH
3COCH=C(O−)CH
3]
2MoO
2)を供給し、Pt金属、Co金属およびMo金属の含有量が全体の含有量対比でそれぞれ40wt%、5wt%、0.5wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、30分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、同じ温度(350℃)で、まず酸化処理を行い、その後還元処理を行った。最後に不活性ガス雰囲気で温度を常温に下げて試料を得た。
【0228】
図80の(a)と(b)は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。
図77の結果からカーボンブラックの表面に1.5〜2.5nmの大きさの触媒ナノ粒子が非常に均一に分散されて形成されることが分かる。
【0229】
表37は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPt
3CoMo
0.2ナノ粒子であることが分かる。
【0230】
【表37】
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【0231】
〈実施例36〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約50nmであるカーボンブラックを、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルト(II)アセチルアセトネート(CoC
10H
14O
4)を供給し、Pt金属、Co金属の含有量が全体の含有量対比でそれぞれ40wt%、5wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、30分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、同じ温度(350℃)で、まず酸化処理を行い、その後還元処理を行わせた。最後に不活性ガス雰囲気で温度を常温に下げて試料を得た。
【0232】
次に、Mo触媒ソース(前駆体)としてヘキサカルボキシルモリブデン(Mo(CO)
6)を、Pt前駆体を得られた試料と共に密閉型反応器に再び入れて密閉型反応を再び行った。その結果、
図81の(a)と(b)のように、カーボンブラック支持体にMoがドーピングされたCoPt
3ナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。
【0233】
表38は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPt
3CoMo
0.2ナノ粒子であることが分かる。
【0234】
【表38】
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【0235】
〈実施例37〉
炭素支持体としてカーボンブラックを供給し、Mo触媒ソース(前駆体)としてヘキサカルボキシルモリブデン(Mo(CO)
6)と硫黄(sulfur)を供給し、MoS
2の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにして供給した後、反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて550℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げてMoS
2ナノ粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0236】
図82の(a)と(b)は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。カーボンブラックの表面に0.65nmの結晶面層を有するナノ構造体が合成された。これは(c)のXRDの分析によりMoS
2結晶構造であることが確認される。
【0237】
〈実施例38〉
実施例37から得られたものを再び反応器に入れて、これと共にトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(iv)、C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3、Pt前駆体を全体の含有量対比で5wt%以内になるようにし、密閉型反応器に入れて密閉型反応を再び行った。この時温度は350℃になるようにした後、30分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。その結果
図83の(a)と(b)のTEMとHRTEMのイメージから、カーボンブラックの表面に0.65nmの結晶面層を有するナノ構造体と約2nmのナノ粒子が合成された。これは(c)のXRDの分析によりMoS
2結晶とPt
3Moナノ触媒が同時に合成された構造であることが確認される。
【0238】
〈実施例39〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約80nmであるチタニウムナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(iv)、(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0239】
図84の(a)と(b)のように、チタニウムナノ粒子支持体にPtナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。
【0240】
表39は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPtナノ粒子であることが分かる。
【0241】
【表39】
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【0242】
〈実施例40〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約80nmであるチタニウムナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(iv)、(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を、Ru触媒ソース(前駆体)としてビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)(C
7H
9RuC
7H
9)を供給し、触媒の全体の含有量が30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0243】
図85の(a)と(b)のように、チタニウムナノ粒子支持体にPt
3Ruナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。
【0244】
表40は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPt
3Ruナノ粒子であることが分かる。
【0245】
【表40】
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【0246】
〈実施例41〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約80nmであるチタニウムナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(iv)、(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を、Co触媒ソース(前駆体)としてビス(エチルシクロペンタジエニル)コバルト(II)(C
7H
9CoC
7H
9)を供給し、触媒の全体の含有量が30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0247】
図86の(a)と(b)のように、チタニウムナノ粒子支持体にPt
3Coナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。
【0248】
表41は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比から5nmのPt
3Coナノ粒子であることが分かる。
【0249】
【表41】
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【0250】
〈実施例42〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約80nmであるシリコンナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(iv)、(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0251】
図87の(a)と(b)のように、シリコンナノ粒子支持体に1nmのPtナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。
【0252】
表42は得られた触媒構造体のEDX分析により原子比(atomic ration)を測定した結果を示し、原子比からナノ粒子がPtナノ粒子であることが分かる。
【0253】
【表42】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
〈実施例43〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約80nmであるシリコンナノ粒子を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルトセン(C
10H
10Co)を供給し、Co金属の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0255】
図88の(a)と(b)のように、シリコンナノ粒子支持体に5nmのCoナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。XRD結果である(c)は生成されたナノ粒子が純粋コバルト結晶体であることを示す。
【0256】
〈実施例44〉
支持体と反応条件は実施例43と同様にし、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルト(II)アセチルアセトネート(CoC
10H
14O
4)を供給し、Co金属の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにした。
【0257】
図89の(a)ないし(d)のように、シリコンナノ粒子支持体に花形状の板状構造になっているナノ構造体が確認される。EDX結果(e)とXRD結果の(c)は生成されたナノ粒子がコバルト結晶体であり、表面に酸素が存在することを示す。
【0258】
〈実施例45〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約80nmであるシリコンナノ粒子を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルトセン(C
10H
10Co)を供給し、Co金属の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて(a)450℃、(b)550℃、(c)650℃、(d)750℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0259】
図90のように、SEMイメージからシリコンナノ粒子支持体にカーボンナノチューブの成長が確認される。温度が増加することによってカーボンナノチューブの成長が促進されることが確認される。TEMイメージは生成された構造体がシリコンの表面にコバルトナノ粒子とカーボンナノチューブが結合された複合構造であることを示す。
【0260】
〈実施例46〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約300nmである亜鉛ナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Fe触媒ソース(前駆体)としてフェロセン(C
10H
10Fe)を供給し、金属の含有量が全体の含有量対比で30wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0261】
図91の(a)と(b)のように、亜鉛ナノ粒子支持体に1〜2nmのPt
3Feナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。EDX結果である(c)からこのような構造を確認することができる。
【0262】
〈実施例47〉
常圧常温で反応器に支持体として直径が約200nmである炭素球ナノ粒子を、Pt触媒ソース(前駆体)としてトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(iv)、(C
5H
4CH
3Pt(CH
3)
3)を供給し、Pt金属の含有量が全体の含有量対比で40wt%になるようにした。反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて350℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げて試料を得た。
【0263】
図92の(a)と(b)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPtナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。Ptナノ粒子は薄い炭素シェルで積層されており、層状構造をなしている。EDX(c)結果はこのような結果を確認する。
【0264】
〈実施例48〉
支持体、触媒前駆体、および反応条件は実施例47と同様にし、窒素(N)ドーピングのためにUREA(CH
4N
2O)を追加的に反応器に供給する。
【0265】
図93の(a)と(b)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPtナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。Ptナノ粒子は薄い炭素シェルで積層されており、層状構造をなしている。EDX(c)結果は炭素シェルが窒素ドーピングされたことを確認する。
【0266】
〈実施例49〉
支持体、反応条件は実施例47と同様にし、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Fe触媒ソース(前駆体)としてフェロセン(C
10H
10Fe)を供給し、金属の含有量が全体の含有量PtとFeそれぞれ対比で18wt%、10wt%になるようにした。
【0267】
図94の(a)と(b)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPt
3Feナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。Pt
3Feナノ粒子は薄い炭素シェルで積層されており、層状構造をなしている。
図94の(c)のEDX結果はこのような結果を確認する。
【0268】
〈実施例50〉
支持体、反応条件は実施例47と同様にし、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルトセン(C
10H
10Co)を供給し、金属の含有量が全体の含有量対比でPtとFeがそれぞれ18wt%、10wt%になるようにした。
【0269】
図95の(a)と(b)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPt
3Coナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。Pt
3Coナノ粒子は薄い炭素シェルで積層されており、層状構造をなしている。
図95の(c)のEDX結果はこのような結果を確認する。
【0270】
〈実施例51〉
支持体、反応条件は実施例47と同様にし、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Ni触媒ソース(前駆体)としてニッケル(II)アセチルアセトネート(NiC
10H
14O
4)を供給し、金属の含有量が全体の含有量対比でPtとFeがそれぞれ18wt%、10wt%になるようにした。
【0271】
図96の(a)と(b)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPtNiナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。PtNiナノ粒子は薄い炭素シェルで積層されており、層状構造をなしている。
図96の(c)のEDX結果はこのような結果を確認する。
【0272】
〈実施例52〉
支持体、反応条件は実施例47と同様にし、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Fe触媒ソース(前駆体)としてフェロセン(C
10H
10Fe)を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルト(II)アセチルアセトネート(CoC
10H
14O
4)を、Ni触媒ソース(前駆体)としてニッケル(II)アセチルアセトネート(NiC
10H
14O
4)を供給する。
【0273】
図97の(a)と(b)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPt
85Fe
7Co
3Ni
5ナノ粒子が分散された触媒構造体を得ることができた。Pt
85Fe
7Co
3Ni
5ナノ粒子は薄い炭素シェルで積層されており、層状構造をなしている。
図97の(c)のEDX結果はこのような結果を確認する。
【0274】
〈実施例53〉
支持体、反応条件は実施例52と同様にし、Pt触媒ソース(前駆体)として白金(II)アセチルアセトネート(PtC
10H
14O
4)を、Fe触媒ソース(前駆体)としてフェロセン(C
10H
10Fe)を、Co触媒ソース(前駆体)としてコバルト(II)アセチルアセトネート(CoC
10H
14O
4)を、Ni触媒ソース(前駆体)としてニッケル(II)アセチルアセトネート(NiC
10H
14O
4)が用いられる。具体的に説明すれば、まず、PtとFe前駆体を用いて密閉反応を行い試料を得、この試料にPtとCo前駆体を供給し、再び密閉反応を行う。その後再びPtとNi前駆体を得られた試料と密閉型反応器に供給して反応を行い最終的に試料を得る。
【0275】
図98(a)は触媒構造体の概略図である。また、
図98(b)と(c)のように、炭素球ナノ粒子支持体に2nmのPt
3Fe、Pt
3Co、PtNiナノ粒子が幾重にもコーティングされた触媒構造体を得ることができた。
図98の(c)において赤、青、緑点に相当するEDX結果を示す表43、44、45はこのような結果を確認する。
【0276】
【表43】
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【0277】
【表44】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
【表45】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
図99はこのような層状構造の一般的な概念を示し、Pt−Me合金触媒の場合、MeがFe、Co、Niが可能な時の層状構造は6個の場合の数が可能である。
【0280】
〈実施例54〉
その他、他の形態の支持体にも触媒ナノ粒子の分散合成が可能であるかを調べるため、以下の表46の条件を用いて触媒構造体を得た。
【0281】
【表46】
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【0282】
カーボン素材としてはフェルト以外にファイバーペーパー、フォーム、箔などが可能である。
【0283】
金属箔の金属としてはCu、Ti、SUSのいずれもの物質も使用可能である。このような物質はフォームやワイヤ形態でも可能である。
【0284】
図100はカーボンフェルトの表面にPtナノ粒子が非常に密度を有してコーティングされたことが確認される。
【0285】
図101の(a)、(b)、(c)はそれぞれCu、Ti、SUS箔の表面にコーティングされたPtナノ粒子を示す。
【0286】
図102の(a)はPtRu触媒のコーティング前後のTiフォーム写真を示す。コーティング前は銀色であったものがコーティング後に黒色に変わった。(b)はTiフォームの表面にコーティングされたナノ粒子を示す。
【0287】
図103はMoS
2触媒のコーティング前後のTiwire写真を示す。コーティング前は銀色であったものがコーティング後に黒灰色に変わった。
【0288】
図104はPt
3Co触媒のコーティング前後の六方晶窒化ホウ素写真を示す。約2nmのナノ粒子がコーティングされた。
【0289】
〈実施例55〉
炭素支持体として(a)カーボンブラックナノ粒子、(b)グラファイトナノ粒子、(c)炭素球ナノ粒子、(d)カーボンナノチューブ、(e)グラフェン、(f)窒素ドーピングされたグラフェンを供給し、Mo触媒ソース(前駆体)としてヘキサカルボキシルモリブデン(Mo(CO)
6)と硫黄(sulfur)を供給し、MoS
2の含有量が全体の含有量対比で50wt%になるようにし、供給した後、反応器を完全に密閉し、温度を昇温させて500℃になるようにした後、60分の間反応を行わせた。反応が完了した後反応器の内部圧力を解除し、不活性ガスを供給しながら安定化させて未反応物および副産物を除去した後、温度を常温に下げてMoS
2ナノ粒子が分散された触媒構造体を得た。
【0290】
図105は得られた触媒構造体のTEMとHRTEMのイメージである。すべての炭素支持体の表面でMoS
2結晶構造がうまく形成された。
【0291】
以上で本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。