【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例1〕
方法
・患者群
871人の2型糖尿病患者を池田病院(日本国、兵庫県、尼崎市)において登録を行った。登録については書面により同意説明(インフォームドコンセント)を行ったうえのものである。研究プロトコルについてはヘルシンキ宣言に準じ、池田病院の倫理審査委員会を経て承認されたものである。患者については、胃切除、肝炎(AST又はALT>100 IU/ L又は異常)、また非糖尿病性腎疾患(激しい変形赤血球、他の検査データ及び臨床症状の他の腎疾患を認める者)を有する患者は除外を行った。すべての患者は、同意取得を得て糖尿病性網膜症の有無を確認した。773人の患者は検査及び臨床データと合わせ5年間の追跡調査を行った(
図1を参照)。
【0069】
・2型糖尿病患者における腎生検
「北里大学腎生検組織」
北里大学(日本国、神奈川県、相模原市)において、正常血圧(130/85mmHg以下)の2型糖尿病患者(3人女性、14人男性 年齢 49.5±11.8 罹患歴14±7年の2型糖尿病患者)、顕性腎症・血尿は無く、血清クレアチニンは1.2mg/dl以下の患者で腎生検を行った。いずれも明確な糖尿病性腎症以外の腎病変は見られなかった。この研究のためのプロトコルは、北里大学医学部の治験審査委員会によって承認され、全ての患者から書面による説明を行い同意を取得した
20,21。
「徳島大学腎生検組織」
正常の腎組織の腎生検については、腎細胞癌患者10人(3人の女性、男性7人、年齢66.8±13.1歳)から得た。これらの患者から腎臓の正常な部分を分析した。このいずれも経口糖負荷試験によって糖尿病ではないと確認し、蛋白尿・腎機能低下・高血圧でないと確認した。これらの患者の腎臓において、腎障害を有する病理学的所見は認められなかった。又、本研究におけるプロトコルの構成については、徳島大学(日本国、徳島県、徳島市)の治験審査委員会によって承認された。
【0070】
・臨床測定
尿サンプルは、15分間遠心分離を行った。上清を -80℃で保存し、それを素早く溶解し、尿酸塩又はリン酸塩を除去するために遠心しアッセイに使用した。
【0071】
推算糸球体濾過量(eGFR)は、体表面積補正を用いて、日本人を対象とした式で計算を行った
22。
また、尿中アルブミンは比色混濁法で測定した。クレアチニンは酵素法で測定した。
【0072】
顕性アルブミン尿は、2回連続の測定で、尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)が > 300 mg/g尿クレアチニン(Cr)と定義し、30 - 300 mg/g Crを微量アルブミン尿と定義した。
eGFR=194×血清クレアチニン-1.094×年齢-0.287×体表面積/1.73
(女性eGFR = eGFR(男性) × 0.739)
【0073】
・腎生検の画像解析
腎生検は10%の緩衝ホルマリン液で固定し、PAS染色とPASM染色をした。メサンギウム基質領域については、PASM陽性のメサンギウム領域を病理標本画像解析システムにより計測した(Image J)。メサンギウム領域は糸球体総面積のパーセンテージとして表現した。更に、糸球体硬化、間質の線維化、糸球体表面積、糸球体細胞数を測定した。それぞれのサンプルにおいて、少なくとも10以上の糸球体より測定した
7,13-15,23。
【0074】
電子顕微鏡の組織は、2.5%のグルタルアルデヒドで固定し、オスミウムテトラオキサイドで更に固定し、脱水、包埋した。超薄切片を電子顕微鏡(JEOL CX 100、日本電子)で測定した。GBMの厚さ、糸球体におけるGBM画分はグリッドメッシュにて固定した
4,21,24-26。1人の患者については、電顕用のサンプルとして十分で無かったので測定できなかった。
【0075】
・ヒトSmad1に対するモノクローナル抗体の作製
リコンビナントのヒトSmad1をグルタチオンSトランスフェラーゼ法により分離した。そして、6週齢のマウスにリコンビナントのヒトSmad1を免疫し、モノクローナル抗体を確立された方法で作製した
27。約3000種類のハイブリドーマのクローンをスクリーニングし、ウェスタンブロット及びELISAにて調べた。SDSでは、Smad1の分子サイズと同じタンパクに反応した。特異的なハイブリドーマのクローンを選択し、Sp125を見出した。
【0076】
・尿中Smad1のELISAによる測定
Sp125抗体をマイクロタイタープレートに固相化した。尿のサンプル及びスタンダード(rhSmad1;0.2ng/mL to 5ng/mL)を反応させ、その後ヤギ抗ヒトSmad1ポリクローナル抗体(R&D,AF2039)にて反応させた。そして、ホースラディッシュペルオキシダーゼと結合した抗ヤギIgG抗体と反応させた。その後、TMB酵素反応基質液を用いて反応させ、450nmにて測定を行った。
【0077】
尿中Smad1のELISAは、duplicateかつ3回測定した平均で行った。リコンビナントのヒトSmad1(濃度0.5ng/mL,0.2ng/mL)のサンプルを用い、添加回収試験を行った。その結果、それぞれ、111%及び112%でアッセイの特性を確認している。最小検出感度についても、mean + 3SD法にて行い、感度を0.2ng/mLと確認した。アッセイの再現性(CV)は、6回の独立したアッセイ系で行い、4.06%であり、再現性の確認を取っている。尿中Smad1濃度については、クレアチニンにて換算を行った。
【0078】
5つの尿中検体をウェスタンブロット法でSp125抗体の特異性の確認を行い、Smad1に対する1本のバンドとして証明を行った。また、このバンドはリコンビナントヒトSmad1による吸収試験で消失した。
【0079】
・尿中IgG4のELISAによる測定
ヒトIgG重鎖に対するマウスのモノクローナル抗体をマイクロタイタープレートに固相化を行った。尿サンプル及びスタンダードタンパクはヒトIgG4 全長タンパク(1.0ng/mL,2000ng/mL)を反応させ、ホースラディッシュペルオキシダーゼと結合したマウス由来抗ヒトIgG4抗体で反応させた。その後、TMB酵素反応基質液を用いて反応させ、450nmにて測定を行った。尿中IgG4のELISAは、duplicateで3回測定した平均で確認を行った。
【0080】
この尿中IgG4測定法は、IgG1,IgG2,IgG3とは交差反応を示さなかった。ヒトIgG4(濃度1000ng/mL,20ng/mL)を用い、添加回収試験を行った。その結果、それぞれ103.8%及び118.4%である。最小検出感度は1.0ng/mLで、アッセイの再現性については1.0〜2.1%であった。尿中のIgG4の濃度についてはクレアチニンにより換算した。
【0081】
・統計解析
データは、平均及び標準偏差(SD)で示した。傾向検定はJonckheere-Terpstra検定により行った。値(あたい)の群間比較はMann-Whitney U test, one-way ANOVA, Kruskal-Walls test及びChi-square testによって解析した。病理学的パラメーター及びバイオマーカーを含む2変数間の相関は、Pearson’s product-moment correlation coefficient 及びSpearman’s rank-correlation coefficientを用いた。eGFRのフォローアップ研究でのeGFRの減少率については、群内はウィルコクソン符号付順位検定、群間でスティールの多重比較を用いた。有意水準は、p<0.05(両側)を用いた。
【0082】
結果
・
尿中IgG4及び尿中Smad1の異なるレベルで尿中アルブミンの傾向
2型糖尿病患者の尿中IgG4の4分位を用いた解析においては、アルブミンの排泄は、尿中IgG4に相関して認められた(p<0.0001)(
図5A)。2型糖尿病患者の尿中Smad1が高いものは、アルブミンの排泄の増加と相関を示した(p <0.0001)(
図5B)。
【0083】
この実施例における分布において、IgG4は単一分布ではなかった。そこで、尿中IgG4のログ値とアルブミン値の相関分析を行い、ホッケースティック回帰を用いて解析した。この相関分析において、二つの分布を分離することができる尿中IgG4のカットオフ値を作成した。カットオフ値について、その閾値は1.59341で、尿中IgG4 39.2 μg/gCrであった(
図2A)。次いで、このカットオフ値と糖尿病性腎症の種々のパラメータの関係を分析した。尿中IgG4が39.2 μg/gCr以上のグループ(陽性群)は、39.2 μg/gCr未満のグループ(陰性群)と比較して、有意な尿中アルブミン排泄量の増加(p<0.0001、
図2B)、及び有意なeGFR値の低下 (p<0.0001、
図2C)が認められたが、HbA1cに関しては、差は見られなかった(
図2D)。さらに、この両群間の比較では、糖尿病罹患期間、網膜症の存在、神経症の存在及び尿中Smad1で有意差があった(表1)。以上の結果は、尿中IgG4のカットオフ値は、臨床上も非常に有用であることを示す。
【0084】
尿中total IgG排泄量の測定は、糖尿病性腎症の早期診断指標として有用であることが示唆されていたことから、尿中total IgGと尿中アルブミン排泄の関係についても検討を行ったところ、有意な正の相関関係(p<0.0001、
図2E)が認められ、尿中IgG4の場合のようなカットオフ値を見出すことはできなかった。
【0085】
・腎組織変化と尿中のIgG4と尿のSmad1
病理組織のパラメーターと尿中のバイオマーカーとの相関を表2において示す。
【0086】
この小規模コホートにおいては、尿中アルブミンについては、糸球体細胞数と有意な相関を認めた(p<0.05、表2)。尿中IgG4の増加は、糸球体に占めるGBM画分の割合の増加と有意な正の相関を示した (p<0.0001、
図3A)。一方、尿中total IgGと糸球体に占めるGBM画分の割合の関係を検討したところ、IgG4の場合と異なり、相関関係は認められなかった(
図3B)。この結果は、尿中total IgGではなく、尿中IgG4は、糸球体基底膜の肥厚を反映する良好なバイオマーカーであることを示す。
【0087】
尿中Smad1は、メサンギウムの基質との有意な相関を認めた(p<0.05、
図3C)。正常組織の腎組織でのメサンギウム基質の割合は、5.88±1.30%であった。従って、メサンギウム基質の拡大は平均値の2SDにあたる8.5%とした。尿中Smad1のカットオフ値は、メサンギウム基質の拡大を基準とし、0.15(μg/gCr)とした(
図3C)
【0088】
・
5年間の追跡調査のベースラインデータ
本発明者らは、上記のカットオフ値に従って、4つの異なるグループ(コントロール群、尿Smad1陽性群、尿IgG4陽性群、尿Smad 1・IgG4両陽性群)の追跡データを比較した。
この4群の比較では、糖尿病罹患期間、網膜症の有無、尿中アルブミン、タンパク尿の有無、eGFRの低下、降圧剤の使用有無(特にRAS系阻害剤)、尿酸降下薬使用有無との相関を認めたが、BMI、血圧、HbA1cでの有意差は見られなかった(表3)。
【0089】
性別、網膜症、タンパク尿、薬物療法については比率で表示した。年齢、糖尿病罹患期間、BMI、平均血圧、尿中アルブミン、eGFR、eGFR/1.73m
2、HcA1cは、平均±標準偏差で表示した。
【0090】
・
2型糖尿病患者の5年間の追跡調査
図4Aは、4つの異なるグループ(コントロール群、尿Smad1陽性群、尿IgG4陽性群、尿Smad 1・IgG4両陽性群)のeGFRの低下を5年間追跡した結果を示す。コントロール群、尿Smad1陽性群および尿IgG4陽性群においては、ほぼ同様のeGFRの低下傾向が観察され、これらの3グループでは、4年以降にベースライン時に比べて有意なeGFRの低下が観察された。なお、コントロール群のeGFRの低下は、5年間で-4.44±9.78mL/min/であった。
これに対して、Smad 1・IgG4両陽性群では、追跡1年後からベースライン時に比べて有意なeGFRの低下が観察され、5年間の追跡期間のいずれの年度でも有意なeGFRの低下が観察された。この結果は、尿Smad 1およびIgG4の両方が陽性になった場合には、1年後には有意なeGFRの低下が起こる可能性が高いことから、両方が陽性になった場合には、即座に治療を開始すべきであることを示唆している。
【0091】
上述したように、尿中IgG4及びSmad1が2型糖尿病患者における初期の腎特異的構造変化と明らかに相関したことにより、追跡開始時において微量アルブミン尿患者の分析を行った。両陽性群で、5年の追跡期間中に、明らかなeGFRの低下を明らかに示した(
図4B)。
【0092】
また、追跡開始時に両陽性群の微量アルブミン尿を有する患者は、正常アルブミン尿の患者に比べて、5年間に有意なeGFRの低下を認めた(
図4C)。これらの所見は他群では認められなかった。さらに、両陽性群はコントロール群に比べて、有意に高い尿中アルブミン排泄を示しているが(p <0.005)、追跡開始時から5年後の尿中アルブミンの増加率はそれぞれの群で差は認められなかった(
図4D)。
【0093】
尿中IgG4及び尿中Smad1の4分位解析を行ったところ、尿中IgG4高値あるいは、尿中Smad1高値は、5年間の追跡期間において、より強いeGFR低下を示した(
図6CD)。一方、4分位解析では尿中IgG4及び尿中Smad1は、アルブミン尿の進展と相関しなかった(
図6AB)。
【0094】
考察
尿中アルブミンは早期腎症進展のバイオマーカーとして広く使われているが
28、糖尿病性腎症において早期腎症に特異的でない。また早期腎症に特徴的な病理学的組織を反映する、高感度で特異的なバイオマーカーは存在しない
6。本発明者らは、尿中アルブミンや尿中total IgGではなく
6、尿中IgG4及び尿中Smad1の両方が、糖尿病性腎症の早期段階での特異的な病理学的所見を反映することを初めて証明した
6。また、追跡開始時に、顕性腎症ではない尿中Smad1・IgG4両陽性群は、1年後に有意なeGFRの低下が認められるなど、その後の5年間における顕性腎症への進展及びeGFRの低下に関してより強いリスクを有することが明らかになった。すなわち、尿中Smad1・IgG4両陽性は、腎症における特異的な組織病変の所見を強く反映し、糖尿病性腎症のリスクを特異的に予知できるバイオマーカーであることを示す。
【0095】
糖尿病は近代社会においてCKDの主な原因になっており、糖尿病患者の20%-30%がCKDに罹患する。糖尿病性腎症は血糖降下剤やRAS系阻害薬が用いられているにも関わらず、その発症頻度は増加している
29。その原因の一つが糖尿病性腎症の早期段階での診断が正しく行えないことが原因である。何故ならば、明らかな糖尿病性腎症の病変が、アルブミン尿等の現在の臨床指標が表れる前に、発症及び進行するためである。実際に日本の2型糖尿病患者においては、正常アルブミン尿の長期糖尿病患者の多くに、組織病変の変化がみられたが
9,10、メサンギウム基質拡大及びGBM肥厚の程度は、正常及び微量アルブミン尿患者においては有意差が見られなかった
21。従って、早期腎症の腎病変を示唆するアルブミンに代わるバイオマーカーを発見することが必要である。
【0096】
本発明では、上昇した尿中IgG4 と Smad1は、それぞれ、糖尿病の早期腎症に特異的なGBM病変(Sv:糸球体におけるGBMの割合)とメサンギウム基質拡大の病変に相関していることを示した。そして、強調すべきことは、これら病変は持続的な微量アルブミン尿や尿中total IgGでは検出することはできなかったということである。すなわち、この尿中IgG4及びSmad1と腎構造変化との有意の相関は、これらのマーカーが、尿中アルブミンと腎組織変化の関係が不明瞭である腎症の早期段階において腎病変を検出できる高感度のバイオマーカーであることを証明している。
【0097】
尿中Smad1・IgG4両陽性とGFRの低下との相関は、マクロアルブミン尿とより悪化した病変との相関を反映すると考えられる。同様に、尿中Smad1・IgG4両陽性と糖尿病の罹患期間及び糖尿病性網膜症との関係性に関する知見も、顕性腎症との関連性を示唆していると考えられる。最近、1型糖尿病患者において、GBMの肥厚が、顕性腎症あるいは末期腎不全への進展のリスク要因の1つであると報告された
31。また、2型糖尿病においては、早期段階での腎臓の構造・機能の因果関係については証明されていないものの
21、GBMの肥厚及びメサンギウム拡大は、2型糖尿病患者の6年後のアルブミン尿増加を予測することも報告されている
32。これらの報告は、尿中Smad1・IgG4両陽性は、糖尿病性腎症の悪化のリスクを特異的に予知できる優れたバイオマーカーであることを支持すると考えられる。
【0098】
上述のように、本発明者らは、Smad1とIgG4が糖尿病性腎症の進展の鍵を握る重要な分子であることを証明し、これらのマーカーが、腎臓の構造変化を反映すると共に、糖尿病性腎症の発症を予測することができる有用なマーカーであることを示した。そして、本発明で得られた尿中Smad1と尿中IgG4は糖尿病性腎症のリスク予測因子であり、また、治療標的である、という知見は、基礎研究に基づく発見を臨床へ応用するトランスレーショナルリサーチの開始を後押しするものである、と考えられる。
【0099】
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【0100】
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。