(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トイレットペーパー保持具に水平に軸支されたトイレットペーパーロールの手がかり部分を該トイレットペーパー保持具の外へ自動的に繰り出すトイレットペーパー繰出し方法であって、
トイレットペーパーが引き出されたことを検知して所定の時間aを測るタイマーA及び所定の時間bを測るタイマーBがカウントを開始するステップと、
前記タイマーBが前記所定の時間bの経過後に作動して前記トイレットペーパーを回転駆動する駆動源1を駆動させるとともに前記トイレットペーパーの切り取り歯への貼り付き防止動作を行う駆動源2を駆動させるステップと、
所定の時間cの経過後に前記駆動源2の動作を停止させる信号を発生する停止センサーの出力により前記駆動源2の動作を停止させるステップと、
前記タイマーAが前記所定の時間aの経過後に作動して上記の一連の動作を実現する装置への給電を停止させるステップとからなるトイレットペーパー繰出し方法。
トイレットペーパー保持具に水平に軸支されたトイレットペーパーロールの手がかり部分を該トイレットペーパー保持具の外へ自動的に繰り出すトイレットペーパー繰出し機であって、
前記トイレットペーパー保持具の中に収められた前記トイレットペーパーロールの上部に接する回転タイヤとこれを駆動する第1モーターと、前記トイレットペーパーロールの回転を感知するロール回転センサーとを有する繰り出し部及び、
トイレットペーパーを切り取る切り取り歯と、該切り取り歯に付着した前記トイレットペーパーを前記切り取り歯から剥がす剥離板と、該剥離板を駆動する第2モーターとを有する剥離部とが備えられ、
前記ロール回転センサーからの信号で動作を開始し、所定の時間経過後に前記第1モーターが前記トイレットペーパーロールを回転させて前記トイレットペーパーを繰り出すとともに前記第2モーターが前記剥離板を駆動して前記トイレットペーパーを前記切り取り歯から剥離することを特徴とするトイレットペーパー繰出し機。
【背景技術】
【0002】
トイレを使用した際に必要になるトイレットペーパーを繰り出すにはトイレットペーパー保持具やトイレットペーパーに触る必要がある。前人の触ったトイレットペーパー保持具やトイレットペーパーには前人の使用の痕跡が残っており衛生面からは前人の触ったトイレットペーパー保持具やトイレットペーパーに触れないことが望ましい。
【0003】
そこで、トイレットペーパーを自動で繰り出すトイレットペーパー保持具が提案されている。例えば、特許文献1に開示されるトイレットペーパー保持具は、トイレットペーパーロールを上から入れて、トイレットペーパーロールの下部を2本のローラで支え、蓋に装着されたローラでトイレットペーパーロールを上から駆動して回転させてトイレットペーパーを自動的に繰り出す。
【0004】
また、特許文献2に開示されるトイレットペーパー保持具は、装置の底面に装着された動力回転ゴム棒と蓋に装着されバネ付き回転ゴム棒でトイレットペーパーロールを挟んで繰り出す。また、特許文献3に開示されるトイレットペーパー保持具は、装置の下部に装着された4つのローラでトイレットペーパーロールを駆動するために、トイレットペーパーロールの芯に錘を入れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1乃至3に記載されたトイレットペーパー保持具は何れもトイレットペーパー保持具の本体にトイレットペーパーロールを回転させる駆動機構を組み込んでおり構造が複雑である。また、トイレットペーパーを繰り出すには装置を起動する電源スイッチに触れる必要があるので前人の触れた部位に触ることになり衛生面で問題が残る。
【0007】
この発明の目的は、上述した事情に鑑みなされたもので、トイレットペーパー保持具に触れることなく必要なトイレットペーパーを使えるように前人がトイレットペーパーを使用後にトイレットペーパーの手がかり部分を自動的に繰出すトイレットペーパー繰出し機とトイレットペーパー繰出し方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のトイレットペーパー繰出し方法は、トイレットペーパー保持具に水平に軸支されたトイレットペーパーロールの手がかり部分を該トイレットペーパー保持具の外へ自動的に繰り出すトイレットペーパー繰出し方法であって、トイレットペーパーが引き出されたことを検知して所定の時間aを測るタイマーA及び所定の時間bを測るタイマーBがカウントを開始するステップと、前記タイマーBが前記所定の時間bの経過後に作動して前記トイレットペーパーを回転駆動する駆動源1を駆動させるとともに切り取り歯への前記トイレットペーパーの貼り付き防止動作を行う駆動源2を駆動させるステップと、所定の時間cの経過後に前記駆動源2の動作を監視する停止センサーの出力により前記駆動源2の動作を停止させるステップと、前記タイマーAが前記所定の時間aの経過後に作動して上記一連の動作を実現する装置への給電を停止させるステップとからなるトイレットペーパー繰出し方法である。
【0009】
請求項1に記載の発明は、トイレットペーパーが引き出されたことを検知して所定の時間aを測るタイマーA及び所定の時間bを測るタイマーBがカウントを開始するステップと、前記タイマーBが前記所定の時間bの経過後に作動して前記トイレットペーパーを回転駆動する駆動源1を駆動させるとともに前記トイレットペーパーの切り取り歯への貼り付き防止動作を行う駆動源2を駆動させるステップと、所定の時間cの経過後に前記駆動源2の動作を監視する停止センサーの出力により前記駆動源2の動作を停止させるステップと、前記タイマーAが前記所定の時間aの経過後に作動して上記一連の動作を実現する装置への給電を停止させるステップとからなるトイレットペーパー繰出し方法なので、前人が触れた部分に触ることなくトイレットペーパーを使うことができる。
【0010】
請求項2に記載のトイレットペーパー繰出し機は、トイレットペーパー保持具に水平に軸支されたトイレットペーパーロールの手がかり部分を該トイレットペーパー保持具の外へ自動的に繰り出すトイレットペーパー繰出し機であって、前記トイレットペーパー保持具の中に収められ、前記トイレットペーパー保持具の中に収められたトイレットペーパーロールの上部に接する回転タイヤとこれを駆動する第1モーターと、前記トイレットペーパーロールの回転を感知するロール回転センサーとからなる繰り出し部と、トイレットペーパーを切り取る切り取り歯と、該切り取り歯に付着する前記トイレットペーパーを前記切り取り歯から剥がす剥離板と、該剥離板を駆動する第2モーターとからなる剥離部とを備え、前記ロール回転センサーからの信号で動作を開始し、所定の時間経過後に前記第1モーターが前記トイレットペーパーロールを回転させて前記トイレットペーパーを繰り出すとともに前記第2モーターが前記剥離板を駆動して前記前記トイレットペーパーを前記切り取り歯から剥離することを特徴とする。
【0011】
本発明のトイレットペーパー繰出し機は、トイレットペーパー繰出し機の中に収められ、前記トイレットペーパー繰出し機の中に収められたトイレットペーパーロールの上部に接する回転タイヤとこれを駆動する第1モーターと、前記トイレットペーパーロールの回転を感知するロール回転センサーとからなる繰り出し部と、トイレットペーパーを切り取る切り取り歯と、該切り取り歯に付着する前記トイレットペーパーを前記切り取り歯から剥がす剥離板と、該剥離板を駆動する第2モーターとからなる剥離部とを備え、前記ロール回転センサーからの信号で動作を開始し、所定の時間経過後に前記第1モーターが前記トイレットペーパーロールを回転させて前記トイレットペーパーを繰り出すとともに前記第2モーターが前記剥離板を駆動して前記前記トイレットペーパーを前記切り取り歯から剥離するので、使用者は自分の使うトイレットペーパー以外に触れることなくトイレットペーパーを使うことができる。
【0012】
請求項3に記載のトイレットペーパー繰出し機は、前記繰り出し部が上下に移動可能に保持されることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパー繰出し機である。
【0013】
本発明のトイレットペーパー繰出し機は、トイレットペーパーロールの上部に接する回転タイヤとこれを駆動する第1モーターと、前記トイレットペーパーロールの回転を感知するロール回転センサーとからなる繰り出し部が上下に移動可能に保持されるのでトイレットペーパーロールの大きさに関係なく、トイレットペーパーロールを駆動することができる。
【0014】
請求項4に記載のトイレットペーパー繰出し機は、前記ロール回転センサーが、前記繰り出し部の中でさらに上下移動可能に保持されることを特徴とする請求項2又は3に記載のトイレットペーパー繰出し機である。
【0015】
本発明のトイレットペーパー繰出し機は、ロール回転センサーが、前記繰り出し部の中でさらに上下移動可能に保持されるので確実にトイレットペーパーロールの回転を検出することができる。
【0016】
請求項5に記載のトイレットペーパー保持具は、繰前記請求項2乃至4いずれか1項に記載のトイレットペーパー繰出し機を備えたトイレットペーパー保持具である。
【0017】
本発明のトイレットペーパー保持具は、繰前記請求項2乃至4いずれか1項に記載のトイレットペーパー繰出し機を備えるので、前人の使用後に自動的に繰り出されるトイレットペーパーの手がかり部分を引き出すことで前人の痕跡に触れることなくトイレットペーパーを使うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本発明のトイレットペーパー繰出し機は、トイレットペーパー保持具100の中に収められている。トイレットペーパー繰出し機は、トイレットペーパーロール駆動部3とトイレットペーパーロール回転検出部4を含むとともに、切り取り歯へのトイレットペーパーの付着を防止する剥離部23を構成要素とする。これらが、後述する一連の動作を行い、トイレットペーパーを使用後に自動的に次回の使用に備えて手がかり部分となるトイレットペーパーを繰り出す。
【0020】
トイレットペーパーロールを駆動するトイレットペーパーロール駆動部3について
図2を用いて説明する。トイレットペーパーロール6はトイレットペーパーロール回転タイヤ32により回転駆動される。トイレットペーパーは様々な紙質があるのでトイレットペーパーロール回転タイヤ32の材質はトイレットペーパーが使用者により引き出される際にトイレットペーパーロールの回転を妨げず、トイレットペーパーロール回転タイヤ32によりトイレットペーパーロールを回転する際は、確実にトイレットペーパーロールを回転させる必要がある。
【0021】
トイレットペーパーには1枚紙と重ね紙があり、紙質も柔らかなものと硬めのものがある。トイレットペーパーロールを確実に回転させるためにトイレットペーパーロール回転タイヤ32の表面に凹凸を付けたり模様を付けてみたが、トイレットペーパーロール回転タイヤ32の表面での摩擦が多いと使用者がトイレットペーパーを引き出す際にトイレットペーパーが破けてしまう場合が有る。
【0022】
そこで、トイレットペーパーロール回転タイヤ32の表面を滑らかなものとして、使用者がトイレットペーパーを引き出す際の抵抗を少なくした。そして、確実にトイレットペーパーロールをトイレットペーパーロール回転タイヤで駆動するために、トイレットペーパーロール回転タイヤ32とこれを駆動する駆動源1となる第1モーターを支えるA台座33が自由落下してトイレットペーパーロールに接するように構成した。さらに、トイレットペーパーロール回転タイヤを複数個の回転タイヤに分割することでトイレットペーパーロール回転タイヤ32とトイレットペーパーロール6との接触を確実にした。
【0023】
図3に示すように、トイレットペーパーロール回転タイヤ32のA台座33はアーム74を介して回動軸75で軸支されて、重力で自由落下して回動軸75を中心にして回動するように構成される。径が大きいトイレットペーパーロール6Aに対してはトイレットペーパーロール回転タイヤ32Aで駆動する。径が小さいトイレットペーパーロール6Bに対してはトイレットペーパーロール回転タイヤ32Bで駆動する。トイレットペーパーロールの径の変化に応じてトイレットペーパーロール回転タイヤ32の位置が変化するので常にトイレットペーパーロール回転タイヤ32がトイレットペーパーロール6に接する。
【0024】
本発明のトイレットペーパー繰出し機はトイレットペーパーの使用者がトイレットペーパーロールを回転させてトイレットペーパーを引き出すことを検出してから動作を開始する。
図4にトイレットペーパーロールの回転を検知するロール回転センサーの構成を示す。トイレットペーパーロール回転検出タイヤ41は保持板44で軸支され、回転軸45はB台座34に接続された保持板44に設けられた長孔46を上下位移動可能になっている。B台座34はA台座33とともにアーム74により回動軸75の周りに回動可能に軸支される。トイレットペーパーロール6の回転はトイレットペーパーロール6に接しているトイレットペーパーロール回転検出タイヤ41の回転により検出される。トイレットペーパーロール回転検出タイヤ41は回転軸45の周りに自由に回転する。
【0025】
回転の検出には、磁気的、光学的、電気的など様々な方法があるが、今回は構成が簡単で確実な電気的な接点の接触による構成を採用した。
図4(A)に示すように、トイレットペーパーロール回転検出タイヤ41の側面に接点A(42)とこれに接する位置に置かれる接点B(43)がそれぞれ外部回路へ接続され接点Aと接点Bの接触が感知される。
【0026】
ここで、
図4(B)に示すように、トイレットペーパーロールの回転を確実に検出するためにB台座34に接続された保持板44に長孔46を設け回転軸45はその長孔46を上下方向に移動可能に構成した。これは、トイレットペーパーロールの径が幅方向で場所により変動していることへ柔軟に対応するためである。トイレットペーパーロール回転検出タイヤ41はアーム74により自由落下で上下動するとともに、長孔46の範囲で上下動するのでトイレットペーパーロールへ確実に接触するようになる。
【0027】
図5を用いてトイレットペーパーを切り取り歯21から剥がす剥離部の説明をする。使用者がトイレットペーパーを引き出して切り取り歯21を使って所定の長さで切り取ると残されたトイレットペーパーの繊維が切り取り歯21に絡み合ってトイレットペーパーの先端が保持されることがある。
【0028】
本発明のトイレットペーパー繰出し機は、使用者がトイレットペーパーを切り取り後に次の使用に備えて手がかり用になるトイレットペーパーを自動的に繰り出す。ここでトイレットペーパーの先端が切り取り歯21に保持されているとトイレットペーパーがトイレットペーパー保持具の外へ出ていかなくなる。このような状態を避けるために剥離部を設けた。
【0029】
剥離部はトイレットペーパーを切り取り歯21から剥がす剥離板となるスライド板22とこれを駆動するスライド板駆動部23から構成される。スライド板22は蓋2に固定されたガイド溝に沿って上下動して蓋2の先端に設けられた切り取り歯21よりも更に下へ移動することでトイレットペーパーを切り取り歯21から剥離してトイレットペーパーの切り取り歯21への貼り付き防止動作を行う。
【0030】
スライド板22を上下に移動させる機構を説明する。
図5のスライド板22の上部に位置してクランクアーム28に接続されるのがスライド板駆動部である。駆動源2となる第2モーター51はクランク駆動円盤53と後述する停止センサー円盤52を同時に駆動する。
【0031】
図6にクランクでスライド板を駆動する動作について説明する。蓋2の裏側に設けられる駆動源2となる第2モーター51によりクランク駆動盤53が回転する。クランク駆動盤53に取り付けられたクランク駆動ピン27がクランク駆動盤53の回転に伴ってその位置を変化させ、その位置変化がクランクアーム28によりスライド板22へ伝達される。クランク駆動盤53の回転運動が水平運動へ変換されてスライド板23が図中の表示でスライド板ガイド26に沿って水平方向へ往復運動する。
図6(1.)が停止状態、
図6(2.)がトイレットペーパーを押し出している状態である。切り取り歯21から押し出す距離は実験により15mm程度が好適と判断した。この距離はトイレットペーパーの切り取り歯への貼り付きを防止するのに十分な長さである。
【0032】
図7に示す平歯車を用いたスライド板駆動部の説明をする。1.は停止状態、2.はスライド板が往復している状態を示す。蓋の裏側に設けられる駆動源2となる第2モーター51が
図7の歯車24を回転させる。スライド板22を右へ移動させるときは歯車24は反時計回りに回転する。逆にスライド板22を左へ移動させるときは歯車24は時計回りに回転する。切り取り歯21から押し出す距離は実験により15mm程度が好適と判断した。
【0033】
図8を用いてトイレットペーパー繰出し機の動作を止める信号を発生する停止センサーについて説明する。
図8Aに示す停止センサー円盤52には、接点Aとなる金属などの導電体が停止センサー円盤52の外周の一部へ設けられ、これに接触する接点Bが用意される。
図8Aの停止状態を示す
図8Aの1.は第2モーターが停止した状態での接点Aと接点Bの位置関係を示す。
図8Aの2.に示す駆動状態では、停止センサー円盤52は矢印方向へ回転して接点Aと接点Bの間の距離が増える。
【0034】
図8Bの3.に停止センサー円盤52が一回りして停止センサー円盤52に設けられた接点Aが外部の接点Bと接触する様子を示す。接点Aと接点Bの接触は電気的に検出されて停止信号が発生されてトイレットペーパー繰出し機の制御に用いられる。後述する停止センサーによるトイレットペーパー繰出し機の動作停止後も停止センサー円盤52は慣性により矢印方向へ回転して接点Aと接点Bの間に距離ができる。4.は接点Aと接点Bの間に距離ができた様子を示す。
【0035】
図9に本発明に係るトイレットペーパー繰出し機の動作を説明するタイムチャートを示す。本発明に係るトイレットペーパー繰出し機は、トイレットペーパーの使用者によるトイレットペーパーの引き出し動作によるトイレットペーパーロールの回転の検出により動作を開始する。図に示すROLL SENSORの出力はトイレットペーパーロールの回転に伴い発生する。トイレットペーパー繰出し機の動作開始に用いられるのは最初のROLLSENSORの出力で、この出力により後述する2つのタイマーがカウントを開始して所定の時間を測る。
【0036】
一つのタイマーは約7秒のカウント後に、MOTOR−1とMOTOR−2を駆動させてトイレットペーパーを使用後の繰り出し動作を行うきっかけを作る。剥離動作を行うMOTOR−2はSTOP SENSORの出力によりその動作を停止する。MOTOR−2の作動時間は約1秒である。
【0037】
最初のROLL SENSORの出力でカウントを開始する2つ目のカウンターは約8秒後にトイレットペーパー繰出し機の動作部への給電を止めてトイレットペーパー繰出し機は待機状態になる。待機状態のトイレットペーパー繰出し機は、ROLL SENSORの出力で動作を再開する。
【0038】
モーターの駆動タイミングの制御を行うにはタイマーICなどのハード的な方法とCPUに組み込むソフト的な方法がある。
図10を用いてタイマーICを用いた構成を説明する。回路は5Vの直流電源で動作する。回転センサーの出力で自己保持型のリレーが動作して回路への給電を確保する。
【0039】
回転センサーからの最初の信号によりタイマー1(TM1)とタイマー2(TM2)がカウントを開始する。TM1はトイレットペーパー繰出し機への給電の管理用で、所定の時間経過後にトイレットペーパー繰出し機への給電を停止する。TM2は第1モーターと第2モーターの駆動を制御するタイミングをカウントする。トイレットペーパーの使用は5〜6秒以内なので、7秒経過後に使用後のトイレットペーパーの繰り出しと切り取り歯への付着を防ぐ剥離部の動作を開始させる。実際の回路は図示しないリレーを用いリレーのコイルへの給電をタイマーで制御して回路を構成する。
【0040】
図11は、タイマーICによるカウントの代わりにCPUのソフトでの制御を行う場合の説明図である。制御回路にはトランジスタなどを用いる。
【0041】
図12でトイレットペーパー繰出し機の動作のフローチャートを示す。待機状態(S0)では、使用者によるトイレットペーパーの引き出しに伴うトイレットペーパーロールの回転を回転センサーの出力の有無で判断する(S1)。回転センサーからの信号が無い場合は待機状態を続け、信号が有った場合は次のS2へ進む。
【0042】
S2では、TIMER−1とTIMER−2がカウントを開始する。TIMER−1はトイレットペーパー繰出し機へ給電される時間を制御する。TIMER−1の動作開始と同時に自己保持を行うリレー1のコイルが駆動される(Ry−1ON)。そうすると、トイレットペーパー繰出し機へ給電するリレー1の接点a(Ry1−a)がONとなり、TIMER−1のカウントが終了して電源が切られるまでトイレットペーパー繰出し機への給電が保持される。またトイレットペーパーの繰り出し開始の待機時間を決めるTIMER−2がカウントを開始する。
【0043】
S3では、TIMER−2のカウントで6〜7秒経過を待つ。所定の時間が経過すると次のステップS4へ移行する。
【0044】
TIMER−2のカウントが終わってON状態(TIMER−2 ON)で、リレーの接点Ry2−aと接点Ry2−bがONとなりMOTOR1とMOTOR2が動作を開始してトイレットペーパーの繰り出し動作とトイレットペーパーの切り取り歯への付着を防止する剥離動作を行う。
【0045】
上記の動作は1秒以上行われ(S5でY)、MOTOR STOPセンサーがON(S6でY)になるとリレー3への給電が停止し、接点Ry3−aがOFFとなりMOTOR−2が停止する(S7)。
【0046】
S8では、TIMER1のカウントが所定の時間、例えば8秒を経過しているとリレー1のコイルへの給電を止め、接点Ry1−aがOFFとなり一連の動作を行う回路への給電が停止して待機動作(S0)へ移行する(S9)。
【0047】
図13は、トイレットペーパー繰出し機を備えたとトイレットペーパー保持具の外観図である。(A)は蓋を閉めた状態、(B)は蓋を開けた状態である。トイレットペーパー保持具の下に、予備のトイレットペーパーを入れる箱を用意すると使い勝手が向上する。
【0048】
上記に説明したように本願発明のトイレットペーパー繰出し機を使うことで、安価で使い勝手の良い衛生的なトイレットペーパーの使用環境を作ることができる。