【実施例】
【0009】
図1は実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図である。
図1において、画像形成装置100は、連続した印刷媒体に連続して印刷を行うものであり、例えば中間転写ユニット7を有する中間転写方式のプリンタである。本実施例の画像形成装置100は、ロール状の連続した印刷媒体に、連続して印刷(以下、「ロール/ロール印刷」という。)を行う。
【0010】
画像形成装置100は、媒体ホルダ81と、搬送ローラ82a〜82eと、ピンチローラ83a〜83eと、中間転写ユニット7と、現像ユニット11と、2次転写ローラ79と、定着器9と、巻取りホルダ85と、カッタユニット86と、媒体検知センサ87と、離間バー88とを有している。
【0011】
媒体ホルダ81は、印刷媒体80をロール状に巻き回して保持するものである。
搬送手段としての搬送ローラ82a〜82eは、媒体ホルダ81から引き出された印刷媒体80を搬送するものである。
ピンチローラ83a〜83eは、媒体搬送経路を挟んで搬送ローラ82a〜82eと対向配置され、搬送ローラ82a〜82eとの間で印刷媒体80を挟持するものである。
【0012】
搬送ローラ82aとピンチローラ83a、搬送ローラ82bとピンチローラ83b、搬送ローラ82cとピンチローラ83c、搬送ローラ82dとピンチローラ83d、搬送ローラ82eとピンチローラ83eが対向配置され、図中矢印Aが示す媒体搬送方向における上流側から搬送ローラ82aとピンチローラ83a、搬送ローラ82bとピンチローラ83b、搬送ローラ82cとピンチローラ83c、搬送ローラ82dとピンチローラ83d、搬送ローラ82eとピンチローラ83eの順に配設されている。
【0013】
中間転写部としての中間転写ユニット7は、媒体搬送経路の上方に配設され、ベルト72上に現像ユニット11により形成されたトナー像を搬送するものである。
【0014】
画像形成部としての現像ユニット11は、中間転写ユニット7の上方に配設され、図中矢印Bが示すベルト搬送(回転)方向における上流側からイエローのトナーを扱う現像ユニット11Y、マゼンタのトナーを扱う現像ユニット11M、シアンのトナーを扱う現像ユニット11C、ブラックのトナーを扱う現像ユニット11K、特色のトナーを扱う現像ユニット11Tの順に配設されている。
【0015】
現像ユニット11は、それぞれの現像剤としてのトナーを使用した現像剤像としてのトナー像を形成するものである。
なお、本実施例では、現像ユニット11Tは、ホワイトトナーを扱うものとして説明するが、ホワイトトナー以外にも、クリアトナー、金色トナー、銀色トナー、ネオントナー等を扱うものであっても良い。
【0016】
また、5つの現像ユニットを備えた構成として説明するが、4つ以下、または6つ以上の現像ユニットを備えた構成であっても良い。
現像ユニット11Y、現像ユニット11M、現像ユニット11C、現像ユニット11K、および現像ユニット11Tの上方には、露光手段としての光源3Y、光源3M、光源3C、光源3K、光源3Tが配設されている。
【0017】
本実施例では、光源3Y、光源3M、光源3C、光源3K、光源3Tは、複数のLED(Light Emitting Diode)を主走査方向に並べたLEDヘッドを使用する。なお、光源はレーザ光等を発するものとしても良い。
転写部としての2次転写ローラ79は、中間転写ユニット7の支持ローラ75にベルト72を介して対向配置されたものである。2次転写ローラ79は、ベルト72で搬送されたトナー像(現像ユニット11で形成されたトナー像)を印刷媒体80に転写するものである。
【0018】
本実施例の2次転写ローラ79は、印刷動作時においては、中間転写ユニット7に押圧されている。また、2次転写ローラ79は、印刷動作時以外においては、アクチュエータにより中間転写ユニット7および印刷媒体80から離間するようになっている。
定着部としての定着器9は、媒体搬送方向における2次転写ローラ79の下流に配設され、トナー像が転写された印刷媒体80にそのトナー像を熱と圧力により定着させるものである。
【0019】
定着器9は、印刷媒体80上に転写されたトナーを加熱する加熱ローラ91と、加圧する加圧ローラ92とを有している。加熱ローラ91と加圧ローラ92とは媒体搬送経路を挟んで対向配置されている。
巻取りホルダ85は、媒体搬送方向における定着器9の下流に配設され、トナーが定着された印刷媒体80を巻き取るものである。
【0020】
カッタユニット86は、搬送ローラ82aと搬送ローラ82bとの間に、媒体搬送経路を挟んで配置され、媒体搬送経路を搬送される印刷媒体80を切断するものである。
媒体検知センサ87は、媒体搬送経路の下方であって、媒体搬送方向におけるカッタユニット86の上流に配置され、印刷媒体80を検知するセンサである。
【0021】
離間バー88は、2次転写ローラ79が中間転写ユニット7から離間するとき、2次転写ローラ79とともに移動し、印刷媒体80を中間転写ユニット7から離間させるものである。
画像形成装置100の上部には、回転軸に回動可能に支持され、画像形成装置100の本体に対して開閉可能な蓋部としてのカバー89が設けられている。なお、カバー89は、画像形成装置100の上部に設けられたものに限られることなく、画像形成装置100の本体に対して開閉可能であれば画像形成装置100の前面や側面に設けられたものであっても良い。
【0022】
本実施例の画像形成装置100は、カバー89を画像形成装置100本体に対して開放することにより、それぞれの現像ユニット11(11Y,11M,11C,11K,11T)、中間転写ユニット7、2次転写ローラ79、および定着器9を画像形成装置100本体に対して着脱可能となり、交換することができるようになっている。
【0023】
なお、本実施例では、画像形成装置100を中間転写方式のプリンタとして説明するが、それに限られることなく、
図2に示す画像形成装置100aのように転写ベルト7aを備え、現像ユニット11で形成されたトナー像を転写ベルト7aで搬送される印刷媒体80に直接転写する直接転写方式のプリンタであっても良い。
【0024】
図3は実施例における現像ユニットの構成を示す概略側断面図である。なお、
図1に示す現像ユニット11Y、現像ユニット11M、現像ユニット11C、現像ユニット11K、および現像ユニット11Tは、扱うトナーは異なるが同じ構成であるためひとつの現像ユニットの構成を説明する。
【0025】
図3において、現像ユニット11は、トナー収容部111と、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、現像ローラ4と、供給ローラ5と、現像ブレード6と、クリーニング装置8と、廃棄トナー収容部112とを有している。
【0026】
現像剤収容部としてのトナー収容部111は、内部にトナーを収容するものである。
像担持体としての感光ドラム1は、回転可能に支持され、
図1に示す光源3(Y、M、C、K、T)により選択的に露光されることにより静電潜像が形成されるものである。
帯電手段としての帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面を一様に帯電させるものである。
【0027】
現像手段としての現像ローラ4は、感光ドラム1に形成された静電潜像にトナーを搬送してトナー像を現像するものである。
供給手段としての供給ローラ5は、現像ローラ4にトナーを供給するものである。
規制手段としての現像ブレード6は、現像ローラ4上に均一なトナー層を形成するものである。
【0028】
現像剤除去手段としてのクリーニング装置8は、感光ドラム1上に残留した転写残トナー等の残留トナーを掻き取るものである。
廃棄現像剤収容部としての廃棄トナー収容部112は、クリーニング装置8で掻き取られたトナーを収容するものである。
帯電ローラ2、現像ローラ4、およびクリーニング装置8は、所定の接触量を保持して感光ドラム1の表面に押し付けられて配置されている。
【0029】
現像ローラ4には、現像ブレード6および供給ローラ5が所定の接触量を保持して押し付けられて配置されている。
現像ローラ4は、円筒状の金属シャフトの周面に半導電性の弾性層が形成されている。弾性層は、ウレタンゴムを用い、帯電性を高めるために、弾性層の表面にイソシアネート処理が施されている。
【0030】
供給ローラ5は、円筒状の金属シャフトの周面に半導電性の発泡弾性層が形成されている。発泡弾性層には、耐摩耗性に優れたシリコーンゴムを用いた。
現像ブレード6は、SUS板をL字状に折り曲げ、現像ブレード6の長手部を図中矢印が示す現像ローラ4の回転方向の下流側になるように配置し、折り曲げたエッジ部が現像ローラ4に対してカウンタ方向に押し当てられるように配置されている。
【0031】
図4は実施例における中間転写ユニットの構成を示す概略側断面図である。
図4(a)は2次転写ローラ79が中間転写ユニット7に押圧されている状態を示し、
図4(b)は2次転写ローラ79が中間転写ユニット7から離間している状態を示している。
図4において、中間転写ユニット7は、1次転写ローラ71と、ベルト72と、駆動ローラ73と、支持ローラ74、75と、逆屈曲ローラ76と、廃棄トナーボックス77とを有している。
【0032】
1次転写ローラ71は、ベルト72を挟んで各現像ユニットの感光ドラム1(
図3参照)に対向配置されたものである。1次転写ローラ71は、感光ドラム1上に形成されたトナー像をベルト72に転写するものである。
ベルト72は、駆動ローラ73、支持ローラ74、75、および逆屈曲ローラ76に張架され、無端状の回転可能なものであり、トナー像を搬送するものである。
【0033】
駆動ローラ73は、モータ等の駆動源により回転し、ベルト72を図中矢印Bが示す回転方向に回転させるものである。
支持ローラ74、75は、従動ローラであり、駆動ローラ73とともにベルト72を所定の張架圧力によって張架するものである。
【0034】
逆屈曲ローラ76は、ベルト72を逆屈曲させるものである。
廃棄トナーボックス77は、ベルト72上のトナー像が2次転写ローラ79で印刷媒体80に転写される際に、ベルト72上に残ったトナーを掻き取り、収容するものである。
【0035】
図5は実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。以下に、画像形成装置の制御構成を
図5に基づいて
図1を参照しながら説明する。
【0036】
図5において、画像形成装置100は、印刷制御部500と、インターフェイス部521と、表示部522と、操作部523と、媒体センサ87と、電源20、40、50、70、78と、ドラム駆動部531と、ベルト駆動部532と、搬送駆動部533と、定着駆動部534と、カッタ駆動部535と、離間駆動部536とを有している。
【0037】
インターフェイス部521は、通信回線に接続された外部装置としてのホストコンピュータとの間で各種制御信号の授受を行い、情報の送受信を行うものであり、ホストコンピュータから印刷を指示する印刷データ等を受信する。
【0038】
表示部522は、ディスプレイ等の表示手段を備え、画像形成装置100の状態を表す情報等を表示するものである。表示部522は、消耗品である
図1に示す現像ユニット11が寿命を迎えた場合に、画像形成装置100の使用者に現像ユニット11の交換を促す警告等を表示する。
【0039】
操作部523は、操作ボタンやタッチパネル等の入力手段を備え、使用者の入力操作を受け付けるものである。操作部523は、消耗品である
図1に示す現像ユニット11(11Y,11M,11C,11K,11T)、中間転写ユニット7、2次転写ローラ79、および定着器9が印刷動作中に寿命を迎えた場合、印刷媒体を切断するか否かを選択する設定操作を受け付ける。本実施例では、操作部523は、予め印刷媒体の切断の要否を選択する利用者の設定操作を受け付け、印刷動作中に消耗品が寿命を迎えた場合に印刷媒体を切断するか否かを表す切断要否の情報を記憶部507に記憶させて設定を行うものとする。
【0040】
印刷制御部500は、画像形成装置100が行う印刷動作を制御するものである。印刷制御部500は、制御部501と、ドラム回転数算出部503と、消費ドットカウント算出部504と、ベルト回転数算出部505と、定着回転数算出部506と、記憶部507と、高圧制御部512と、駆動制御部510と、露光制御部511と、離間制御部513とを有している。
【0041】
制御部501は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備え、記憶部507に記憶された制御プログラムに基づいて画像形成装置100全体の動作を制御するものである。
この制御部501は、表示部522、操作部523、および媒体センサ87との間で信号の授受を行う。
【0042】
使用状況検知部としてのドラム回転数算出部503、消費ドットカウント算出部504、ベルト回転数算出部505、および定着回転数算出部506は、複数の交換部品としての
図1に示す現像ユニット11、中間転写ユニット7、2次転写ローラ79、および定着器9の使用状況を検知するものである。
【0043】
ドラム回転数算出部503は、駆動制御部510によって回転させられる
図3に示す感光ドラム1の回転数を計測するものである。本実施例では、ドラム回転数算出部503は、感光ドラム1の外径φ30mmで5回転した場合を1ドラムカウント(471.2mm)と計測し、
図1に示す現像ユニット11(11Y,11M,11C,11K,11T)毎にドラムカウントRy,Rm,Rc,Rk,Rtを計測する。
【0044】
なお、ドラムカウントRyは現像ユニット11Yのドラムカウントの累計値、ドラムカウントRmは現像ユニット11Mのドラムカウントの累計値、ドラムカウントRcは現像ユニット11Cのドラムカウントの累計値、ドラムカウントRkは現像ユニット11Kのドラムカウントの累計値、ドラムカウントRtは現像ユニット11Tのドラムカウントの累計値である。
【0045】
制御部501は、ドラムカウントRn(ドラムカウントRy,Rm,Rc,Rk,Rtのいずれか)が閾値としての20,000に到達すると、現像ユニット11が寿命に到達したと判断する。なお、判断とは、寿命に到達したことを検知することである。
【0046】
消費ドットカウント算出部504は、インターフェイス部521が受信した印刷データに基づいて
図1に示す現像ユニット11(11Y,11M,11C,11K,11T)毎に印刷ジョブ毎の消費ドットカウントDy,Dm,Dc,Dk,Dtを算出するものである。消費ドットカウント算出部504は、印刷データに基づいてイエロー(Y)の使用量を求め、その使用量をドット単位の値に換算することにより消費ドットカウントDyを算出する。同様に、消費ドットカウント算出部504は、色毎のトナーの使用量を求め、消費ドットカウントDnを算出する。
【0047】
なお、消費ドットカウントDyは現像ユニット11Yの消費ドットカウントの累計値、消費ドットカウントDmは現像ユニット11Mの消費ドットカウントの累計値、消費ドットカウントDcは現像ユニット11Cの消費ドットカウントの累計値、消費ドットカウントDkは現像ユニット11Kの消費ドットカウントの累計値、消費ドットカウントDtは現像ユニット11Tの消費ドットカウントの累計値である。
【0048】
本実施例では、用紙サイズA4(210mm×297mm)において、印刷面積比率が5%Dutyの画像を1枚印刷する場合の消費ドットカウントを792と規定する。
【0049】
制御部501は、消費ドットカウントDn(消費ドットカウントDy,Dm,Dc,Dk,Dtのいずれか)が閾値としての15,840,000(1枚の用紙サイズA4に5%Dutyの画像を印刷した場合の20,000枚の印刷に相当)に到達すると、現像ユニット11が寿命に到達したと判断する。
【0050】
本実施例では、寿命に到達したとされた現像ユニット11(11Y,11M,11C,11K,11T)は、画像形成装置100に開閉可能の設けられたカバー89が開けられて取り出され、新品の現像ユニット11(11Y,11M,11C,11K,11T)に交換されるものとする。なお、それぞれの現像ユニット11Y,11M,11C,11K,11Tは、個別に交換可能である。
【0051】
ベルト回転数算出部505は、ベルト駆動部532によって回転する
図1に示す中間転写ユニット7のベルト72の回転数であるベルトカウントBnを計測するものである。また、ベルト回転数算出部505は、ベルト72に従動回転する2次転写ローラ79の回転数である転写カウントTnも計測する。
【0052】
本実施例では、1ドラムカウントRnで
図3に示す感光ドラム1の周面が移動する距離に相当する距離を、ベルト72が移動した場合に1ベルトカウントと定義し、2次転写ローラ79の周面が移動した場合に1転写カウント(471.2mm)と定義し、ベルト回転数算出部505は、ベルトカウントBnおよび転写カウントTnを計測する。
【0053】
制御部501は、ベルトカウントBnが120,000に到達すると中間転写ユニット7が寿命に到達したと判断する。また、制御部501は、転写カウントTnが100,000に到達すると2次転写ローラ79が寿命に到達したと判断する。
【0054】
また、本実施例では、寿命に到達したとされた中間転写ユニット7および2次転写ローラ79は、画像形成装置100の上部に開閉可能の設けられたカバー89が開けられて取り出され、新品の中間転写ユニット7および新品の2次転写ローラ79に交換されるものとする。
【0055】
定着回転数算出部506は、定着駆動部534によって回転する
図1に示す定着器9の加熱ローラ91の回転数である定着カウントFnを計測するものである。
本実施例では、1ドラムカウントRnで
図3に示す感光ドラム1の周面が移動する距離に相当する距離を、加熱ローラ91の周面が移動した場合に1定着カウント(471.2mm)と定義し、定着回転数算出部506は、定着カウントFnを計測する。
【0056】
制御部501は、定着カウントFnが90,000に到達すると定着器9が寿命に到達したと判断する。
また、本実施例では、寿命に到達したとされた定着器9は、画像形成装置100の上部に開閉可能の設けられたカバー89が開けられて取り出され、新品の定着器9に交換されるものとする。
ここで、本実施例の画像形成装置100の交換部品としての消耗品について
図1を参照しながら説明する。
【0057】
本実施例では、画像形成装置100が行うロール/ロール印刷の動作中に消耗品の寿命を迎え印刷動作を停止する場合に、画像形成装置100内に残った印刷媒体80を取り除く必要がある場合の消耗品を「消耗品A類」とし、画像形成装置100内に残った印刷媒体80を取り除く必要がない場合の消耗品を「消耗品B類」とする。
【0058】
画像形成装置100の現像ユニット11および中間転写ユニット7は、印刷媒体80の上方(即ち、媒体搬送経路とカバー89との間)に配置され、かつ、画像形成装置100の上部のカバー89が開けられて交換されるので、印刷媒体80を取り除く必要がないため、「消耗品B類」に属するものとする。また、現像ユニット11に対して着脱可能なトナーカートリッジやドラムカートリッジ等も「消耗品B類」に属するものとする。
【0059】
一方、画像形成装置100の2次転写ローラ79は、印刷媒体80の下方に配置され、画像形成装置100の上部のカバー89が開けられて交換されるので、印刷媒体80を取り除く必要があるため、「消耗品A類」に属するものとする。
【0060】
また、画像形成装置100の定着器9は、印刷媒体80を挟むように配置され、交換の際に印刷媒体80を取り除く必要があるため、「消耗品A類」に属するものとする。
【0061】
なお、本実施例では、開閉されるカバーを画像形成装置100の上部に配置したものとして説明するが、画像形成装置100の前面、または背面に開閉可能なカバーを設け、そのカバーを画像形成装置100の側面からスライドさせて現像ユニット11、中間転写ユニット7および2次転写ローラ79を取り出す構成としても良い。この場合、2次転写ローラ79は、印刷媒体80を取り除く必要がないため、「消耗品B類」に属するものとする。
【0062】
また、
図2に示す直接転写方式の画像形成装置100の場合、転写ユニット7aは、画像形成装置100の上部のカバー89が開けられて交換されるので、印刷媒体80を取り除く必要があるため、「消耗品A類」に属するものとする。
【0063】
記憶部507は、メモリ等の記憶手段であり、制御部501により実行される制御プログラムや画像形成装置100の動作を制御するために必要な各種制御情報および設定情報等を記憶するものである。
【0064】
また、記憶部507は、ドラム回転数算出部503が算出したドラムカウントRn(Ry,Rm,Rc,Rk,Rt)、消費ドットカウント算出部504が算出した消費ドットカウントDn(Dy,Dm,Dc,Dk,Dt)、ベルト回転数算出部505が算出したベルトカウントBnおよび転写カウントTn、並びに定着回転数算出部506が算出した定着カウントFnを記憶する。
【0065】
さらに、記憶部507は、ドラムカウントRnにより現像ユニットの寿命を判定するための閾値Rlimit、消費ドットカウントDnにより現像ユニットの寿命を判定するための閾値Dlimit、ベルトカウントBnにより中間転写ユニットの寿命を判定するための閾値Blimit、転写カウントTnにより2次転写ローラの寿命を判定するための閾値Tlimit、定着カウントFnにより定着器の寿命を判定するための閾値Flimitを予め記憶する。
【0066】
高圧制御部512は、帯電ローラ2に接続された電源20、現像ローラ4に接続された電源40、供給ローラ5および現像ブレード6に接続された電源50、1次転写ローラ71に接続された電源70、および2次転写ローラ79に接続された電源78を制御し、帯電ローラ2、現像ローラ4、供給ローラ5、現像ブレード6、1次転写ローラ71、および2次転写ローラ79に印加する電圧を制御するものである。
【0067】
駆動制御部510は、ドラム駆動部531、ベルト駆動部532、搬送駆動部533、定着駆動部534、およびカッタ駆動部535を制御するものである。
【0068】
ドラム駆動部531は、
図3に示す現像ユニット11の感光ドラム1を駆動するものである。
ベルト駆動部532は、
図4に示す中間転写ユニット7のベルト72を駆動するものである。
媒体搬送部としての搬送駆動部533は、媒体が搬送される搬送経路に配置された
図1に示す搬送ローラ82a〜82eを駆動し、連続した媒体を搬送するものである。
【0069】
定着駆動部534は、
図1に示す定着器9の加熱ローラ91を駆動するものである。
切断部としてのカッタ駆動部535は、
図1に示すカッタユニット86を駆動し、連続した媒体を切断するものである。
露光制御部511は、光源3を駆動するものである。
【0070】
このように、本実施例の制御部501は、ドラム回転数算出部503、消費ドットカウント算出部504、ベルト回転数算出部505、定着回転数算出部506、記憶部507、高圧制御部512、駆動制御部510、および露光制御部511を制御し、ドラム回転数算出部503、消費ドットカウント算出部504、ベルト回転数算出部505、および定着回転数算出部506による複数の交換部品(
図1に示す現像ユニット11、中間転写ユニット7、2次転写ローラ79、および定着器9)の使用状況検知結果に基づいてそれぞれの交換部品が寿命に達したか否か判断する。
【0071】
また、制御部501は、印刷動作中にいずれかの交換部品が寿命に達して印刷を停止するとき、寿命に達した交換部品の分類および記憶部507に記憶された切断要否の設定情報に応じて媒体を切断するか否かを選択する。
【0072】
より具体的には、交換部品は、交換時に媒体を除去する必要がない第1の交換部品としての「消耗品B類」と、交換時に媒体を除去する必要がある第2の交換部品としての「消耗品A類」とに分類され、制御部501は、第1の交換部品としての「消耗品B類」が寿命に達した場合、記憶部507に記憶された切断要否の設定情報に応じて媒体を切断するか否かを選択する。
【0073】
本実施例の制御部501は、操作部523で設定された切断要の設定情報に従って媒体を切断する。
【0074】
なお、本実施例では、トナーの消費量をドットカウントに基づいて算出する方法を用い、現像ユニット内のトナー量を検出するようにしたが、現像ユニット内のトナー量を検出できるものであれば他の方式を用いても良い。例えば、
図3に示す現像ユニット11のトナー収容部111内でクランクバーを回転させ、そのクランクバーの落下速度の差に基づいてトナー量を検知する方式やレーザなどの光を現像ユニット11内にプリズムを介して照射し、光の透過率によってトナー量を検出する方式等を用いるようにしても良い。
【0075】
上述した構成の作用について説明する。
【0076】
画像形成装置が行う連続する印刷媒体への印刷動作を
図1に基づいて
図5を参照しながら説明する。
まず、ロール状に巻かれ連続する印刷媒体80に印刷を行う場合の搬送動作について説明する。
【0077】
印刷媒体80の搬送動作が開始される前に、離間駆動部536により、
図4(a)に示すように、2次転写ローラ79が上方に移動して中間転写ユニット7の支持ローラ75と当接し、また離間バー88が媒体搬送経路の印刷媒体80の上方へ移動する。
【0078】
媒体ホルダ81に保持されたロール状の印刷媒体80は、モータ等の駆動部により回転する搬送ローラ82a〜82cとピンチローラ83a〜83cとにより挟持されて中間転写ユニット7まで搬送される。
中間転写ユニット7のベルト72上に現像されたトナー像は2次転写ローラ79によって印刷媒体80に転写される。
【0079】
トナー像が転写された印刷媒体80は、定着器9に搬送され、定着器9により加熱および加圧されてトナー像が印刷媒体80上に定着される。トナー像が定着された印刷媒体80は、駆動源により回転する搬送ローラ82d、82eとピンチローラ83d、83eとにより挟持されて巻取りホルダ85へと搬送される。
【0080】
巻取りホルダ85へ搬送された印刷媒体80は、図中矢印が示す巻取り方向(反時計回転方向)に回転する巻取りホルダ85によりロール状に巻き取られる。
なお、本実施例では、巻取りホルダ85の回転方向を反時計回転方向として印刷面が外側になるように巻き取るようにしたが、巻取りホルダ85の回転方向を時計回転方向として印刷面が内側になるように巻き取っても良い。
【0081】
次に、印刷動作を終了した後の印刷媒体80の搬送動作について説明する。
印刷動作を終了した後の印刷媒体80の搬送動作には、最終ページで印刷媒体80を切断して停止する動作と、最終ページで印刷媒体80を切断しないで停止する動作との2つの動作がある。
【0082】
最終ページで印刷媒体80を切断して停止する動作の場合、制御部501は、媒体センサ87で通過した印刷媒体80の長さを検出し、最終ページがカッタユニット86を通過するときに、カッタ駆動部535によりカッタユニット86を駆動し、印刷媒体80を切断する。
【0083】
制御部501は、印刷媒体80を切断すると、搬送駆動部533による搬送ローラ82aの駆動を停止し、切断した媒体搬送方向におけるカッタユニット86より上流側の印刷媒体80の搬送を停止する。
【0084】
また、制御部501は、搬送駆動部533により駆動される搬送ローラ82b〜82eで、切断した媒体搬送方向におけるカッタユニット86より下流側の印刷媒体80を搬送し、当該印刷媒体80の後端が搬送ローラ82eを通過すると、搬送駆動部533により搬送ローラ82b〜82eの駆動を停止して印刷動作を終了した後の印刷媒体80の搬送動作を終了する。
【0085】
最終ページで印刷媒体80を切断しないで停止する動作の場合、制御部501は、媒体センサ87で通過した印刷媒体80の長さを検出し、最終ページが搬送ローラ82eを通過するまで印刷媒体80を搬送し、最終ページが搬送ローラ82eを通過すると、搬送駆動部533により搬送ローラ82a〜82eの駆動を停止して印刷動作を終了した後の印刷媒体80の搬送動作を終了する。
【0086】
制御部501は、印刷動作を終了した後の印刷媒体80の搬送動作を終了すると、
図4(b)に示すように、離間制御部513により、2次転写ローラ79を下方に移動し、中間転写ユニット7の支持ローラ75から離間させ、また離間バー88を下方に移動し、媒体搬送経路の印刷媒体80を中間転写ユニット7から離間させる。
【0087】
次に、現像ユニットが行うトナー画像形成動作を
図3に基づいて
図5を参照しながら説明する。
【0088】
現像ユニット11の感光ドラム1は、ドラム駆動部531の駆動により図中矢印が示す反時計回転方向に回転する。電源20により電圧が印加された帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面を約−600Vに帯電する。
【0089】
帯電ローラ2により帯電された感光ドラム1の表面に、印刷データに応じて光源3により光が照射される。光が照射された感光ドラム1の表面は、電位が0〜−600Vとなり、静電潜像が形成される。
一方、トナー収容部111に充填されたトナーは、供給ローラ5へ自重落下により運ばれる。なお、搬送部材によりトナーを供給ローラ5へ搬送するようにしても良い。
【0090】
現像ローラ4と供給ローラ5とが、感光ドラム1からギヤ等を介して駆動が伝達されて図中矢印が示す時計回転方向に回転することにより、トナーは供給ローラ5から現像ローラ4へ搬送される。
【0091】
このとき、トナーは、現像ローラ4、供給ローラ5、および現像ブレード6に擦られることにより摩擦帯電し、マイナスに帯電する。
【0092】
また、電源50により供給ローラ5および現像ブレード6に−250〜−400Vの電圧が印加され、また、電源40により現像ローラ4に−100〜−200Vの電圧が印加される。したがって、供給ローラ5と現像ローラ4との間、および現像ローラ4と現像ブレード6との間に電位差が生じる。その電位差により、マイナス帯電したトナーは、クーロン力により供給ローラ5から現像ローラ4へ搬送される。
【0093】
現像ローラ4へ搬送されたトナーは現像ローラ4上に形成された層の厚みにバラツキが生じているため、現像ブレード6のエッジ部により現像ローラ4上の余分なトナーが掻き取られ、マイナス帯電したトナーを選択して現像ローラ4上に均一なトナー層として形成される。
【0094】
現像ローラ4に均一に形成されたトナー層のトナーは、現像ローラ4と感光ドラム1との間に電位差が生じているため、クーロン力により感光ドラム1上の露光部である静電潜像へ搬送され、トナー像が現像される。
【0095】
電源70により1次転写ローラ71に+800〜+1600Vの電圧が印加され、感光ドラム1と1次転写ローラ71との間の電位差により、感光ドラム1に形成されたトナー像は感光ドラム1の表面からベルト72に転写される。
【0096】
ベルト72に転写されず、感光ドラム1に残ったトナーは、クリーニング装置8により掻き取られ、クリーニングされる。掻き取られたトナーは、廃棄トナーとして搬送手段で廃棄トナー収容部112へ搬送される。
【0097】
次に、印刷動作中に現像ユニット、中間転写ユニット、2次転写ローラまたは定着器が寿命を迎えた場合に画像形成装置が行う印刷処理を
図6の実施例における印刷処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図1、
図3、
図4および
図5を参照しながら説明する。
【0098】
S1:画像形成装置100の印刷制御部500の制御部501は、インターフェイス部521が外部装置から受信した印刷データに基づいて媒体ホルダ81に保持されたロール状の印刷媒体80に画像を形成し、画像形成した印刷媒体80を巻取りホルダ85で巻き取るロール/ロール印刷を開始する。
【0099】
制御部501は、ロール/ロール印刷を開始すると、ドラム回転数算出部503によりドラムカウントRn、消費ドットカウント算出部504により消費ドットカウントDn、ベルト回転数算出部505によりベルトカウントBnおよび転写カウントTn、定着回転数算出部506により定着カウントFnを算出するものとする。
【0100】
S2:制御部501は、「消耗品A類」が寿命を迎えたか否かを判定し、迎えたと判定すると処理をS6へ移行し、迎えていないと判定すると処理をS3へ移行する。
【0101】
具体的には、制御部501は、転写カウントTnが閾値Tlimit以上、または定着カウントFnが閾値Flimit以上であると判定すると、「消耗品A類」が寿命を迎えたと判断し、最終ページで印刷媒体80を切断して搬送を停止させるため、処理をS6へ移行する。
【0102】
一方、制御部501は、転写カウントTnが閾値Tlimit未満、かつ定着カウントFnが閾値Flimit未満であると判定すると、「消耗品A類」はいずれも寿命を迎えていないと判断し、処理を継続するため処理をS3へ移行する。
【0103】
S3:「消耗品A類」は寿命を迎えていないと判断した制御部501は、「消耗品B類」が寿命を迎えたか否かを判定し、迎えたと判定すると処理をS4へ移行し、迎えていないと判定すると処理をS7へ移行する。
【0104】
具体的には、制御部501は、ドラムカウントRnが閾値Rlimit以上、消費ドットカウントDnが閾値Dlimit以上、またはベルトカウントBnが閾値Blimit以上であると判定すると、「消耗品B類」が寿命を迎えたと判断し、最終ページで印刷媒体80を切断して搬送を停止させるか否かを利用者に選択させるため、処理をS4へ移行する。
【0105】
一方、制御部501は、ドラムカウントRnが閾値Rlimit未満、消費ドットカウントDnが閾値Dlimit未満、かつベルトカウントBnが閾値Blimit未満であると判定すると、「消耗品B類」はいずれも寿命を迎えていないと判断し、処理を継続するため処理をS7へ移行する。
【0106】
S4:「消耗品B類」が寿命を迎えたと判断した制御部501は、予め設定された最終ページにおいて印刷媒体80を切断して印刷を停止するか、切断することなく停止するかの情報を記憶部507から読み出し、印刷媒体80を切断して印刷を停止する情報が設定されていると判定すると印刷媒体80を切断して印刷を停止するため処理をS6へ移行し、印刷媒体80を切断することなく印刷を停止する情報が設定されていると判定すると印刷媒体80を切断しないで印刷を停止するため処理をS5へ移行する。なお、印刷媒体80を切断して印刷を停止するか、切断することなく停止するかの情報は、使用者により入力されて設定されるものであり、予め操作部523で印刷媒体80を切断して印刷を停止するか、または切断することなく停止するかの入力操作を受付け、記憶部507に記憶されているものとする。
【0107】
ここで、印刷媒体80を切断して印刷を停止するか否かの使用者による選択入力操作は、操作部523に設けられたボタンの押下を検知することにより行う。使用者は、印刷動作中に、「消耗品B類」が寿命を迎えた場合において、印刷媒体80を切断して印刷を停止する場合、「切断して印刷を停止」を指示するボタンを押下し、印刷媒体80を切断しないで印刷を停止する場合、「切断しないで印刷を停止」を指示するボタンを押下して設定するものとする。
【0108】
S5:制御部501は、「消耗品B類」が寿命を迎えたと判断したときのページを最終ページとして、露光制御部511により、光源3による感光ドラム1への露光を中断する。制御部501は、カッタユニット86による印刷媒体80の切断を行うことなく、印刷媒体80の搬送を継続する。
【0109】
制御部501は、駆動制御部510および高圧制御部512により、最終ページの静電潜像が感光ドラム1で現像されたトナー像を中間転写ユニット7のベルト72へ転写し、さらにそのトナー像を2次転写ローラ79において印刷媒体80に転写して定着器9で定着する。
【0110】
制御部501は、駆動制御部510により、トナー像が定着された印刷媒体80の最終ページが搬送ローラ82eを通過するまで印刷媒体80の搬送を継続し、最終ページが搬送ローラ82eを通過すると搬送ローラ82a〜82eを停止し、印刷媒体80の搬送を停止する。
さらに、制御部501は、離間制御部513により、離間バー88を下方に移動させ、印刷媒体80を中間転写ユニット7から離間させて印刷動作を停止し、本処理を終了する。
【0111】
S6:制御部501は、「消耗品A類」または「消耗品B類」が寿命を迎えたと判断したときのページを最終ページとして、露光制御部511により、光源3による感光ドラム1への露光を中断する。制御部501は、カッタユニット86により最終ページの長さを確保して印刷媒体80の切断を行う。
【0112】
制御部501は、駆動制御部510および高圧制御部512により、最終ページの静電潜像が感光ドラム1で現像されたトナー像を中間転写ユニット7のベルト72へ転写し、さらにそのトナー像を2次転写ローラ79において印刷媒体80に転写して定着器9で定着する。
【0113】
制御部501は、駆動制御部510により、トナー像が定着され、切断された印刷媒体80の最終ページの後端が搬送ローラ82eを通過するまで印刷媒体80の搬送を継続し、切断された最終ページの後端が搬送ローラ82eを通過すると搬送ローラ82a〜82eを停止し、印刷媒体80の搬送を停止する。
【0114】
印刷媒体80の搬送を停止した制御部501は、印刷動作を停止し、本処理を終了する。
【0115】
次に、連続した印刷動作中に印刷を停止した場合と印刷を継続した場合において印刷されない無駄な印刷媒体の長さについて、
図7の実施例における印刷媒体の説明図および
図8の実施例における損紙の説明図を参照しながら説明する。
画像形成装置100は、4inch幅のラベルを有する印刷媒体80に対応したプリンタを使用した例で説明する。
【0116】
図7に示すように、使用するロール状の印刷媒体80は、台紙にラベル部80aが設けられたものであり、横幅(図中矢印Aが示す媒体搬送方向と直交する横方向の長さ)が4inch+4mmである。なお、横方向の両側部においてラベル部80aの端部と台紙の端部との間に2mmの余白部が設けられている。また、ラベル部80aの横方向の長さが4inch、縦方向(図中矢印Aが示す媒体搬送方向)の長さL5が6inchであり、ラベル部80a間の距離は5mmとなっている。さらに、印刷媒体80は、81.4g/m2の上質紙のラベル媒体(例えば、リンテック社製:70PW)である。
【0117】
また、印刷速度は6ips(inch per second)であり、152.4mm/sとした。
【0118】
印刷動作を開始する前に、画像形成装置100の媒体ホルダ81に保持されたロール状の印刷媒体80の先端を搬送ローラ82aとピンチローラ83aとの間に挟持させる。
画像形成装置100は、受信した信号に基づいてイニシャル(初期化)動作を開始する。イニシャル動作では、現像ユニット11、中間転写ユニット7、および定着器9の各ローラの空回し動作が行われる。本実施例では、空回し動作時間を20秒とし、印刷媒体の搬送距離にするとL1=3048mmとなる。
【0119】
イニシャル動作の際、印刷媒体80の先端が搬送ローラ82aとピンチローラ83aとの間に挟持された状態であれば、印刷媒体80を搬送する必要はない。
【0120】
ただし、印刷媒体80が画像形成装置100の内部を通紙した状態(印刷媒体80の先端が巻取りホルダ85で巻き取られている状態)では、イニシャル動作中に、印刷媒体80と接触している中間転写ユニット7および定着器9で空回し動作が行われるため、画像形成装置100は、その空回し動作に対応させて印刷媒体80を搬送する。
【0121】
画像形成装置100は、イニシャル動作を終了すると、受信した印刷データに基づいて印刷動作を開始するものとする。画像形成装置100は、現像ユニット11でトナー像を形成し、中間転写ユニット7を介して印刷媒体80にトナー像を転写する。このとき、印刷媒体80の先端とトナー像を転写するページの先端の位置が合うように搬送ローラ82aと現像ユニット11の露光開始タイミングを調節する。
【0122】
図8に示すように、中間転写ユニット7のベルト72の回転方向における最上流に配置された現像ユニット11Yの光源3Yによる露光位置から2次転写ローラ79にトナー像が到達するまでの距離がL2=680mmであり、搬送ローラ82aから2次転写ローラ79に印刷媒体80が到達するまでの距離がL3=340mmであるとする。
【0123】
距離L3が距離L2よりも短いため現像ユニット11Yによる露光タイミングを搬送ローラ82aで印刷媒体80の搬送を開始するタイミングより早くする必要がある。したがって、画像形成装置100は、現像ユニット11Yによる露光を開始した後、2.23s((680mm−340mm)÷152.4mm/s)遅れて搬送ローラ82aの駆動を開始する。
【0124】
ただし、印刷動作開始時に、印刷媒体80の先端が巻取りホルダ85に巻き取られている状態の場合は、既にイニシャル動作で搬送ローラ82a〜82eによって印刷媒体80の搬送が行われているため、露光タイミングより搬送開始タイミングを遅くすることができない。そのため、印刷媒体80は、光源3Yによる露光位置から2次転写ローラ79にトナー像が到達するまでの距離L2(=680mm)だけ搬送される。
【0125】
図8に示すように、搬送ローラ82aに先端が挟持されている印刷媒体80は、搬送ローラ82aから2次転写ローラ79に到達するまでの距離L3=340mmを搬送される。
その後、2次転写ローラ79でトナー像が転写された印刷媒体80は、定着器9を通過し、2次転写ローラ79から搬送ローラ82eまでの距離L4=164mmと、印刷媒体80のラベル部80aの長さL5=152.4mm(6inch)とを合わせた距離を搬送され、ラベル部の後端が搬送ローラ82eを通過するまで搬送される。
【0126】
したがって、印刷媒体80の先端が搬送ローラ82aに挟持された状態の場合、印刷開始から1ページの印刷を終了するまで印刷媒体80が搬送される距離Lは、距離L=L3+L4+L5=656.4mmとなる。
【0127】
また、一旦、印刷を終了した場合は、印刷媒体80が画像形成装置100に通紙された状態となっており、印刷媒体80の先端が巻取りホルダ85に巻き取られているため、印刷開始から1ページの印刷を終了するまで印刷媒体80が搬送される距離Lは、距離L=L1+L2+L4+L5=3704.4mmとなる。
【0128】
さらに、ロール/ロール印刷の印刷動作中において、現像ユニット11の寿命を迎えたと判断して印刷を停止する場合であって印刷媒体80を切断しない場合、最終ページが2次転写ローラ79を通過してから搬送ローラ82eを通過するまでに搬送される印刷媒体80は印刷が行われないため、無駄な印刷媒体である損紙となる。この損紙となる媒体搬送方向における印刷媒体80の長さは、搬送ローラ82aと搬送ローラ82eとの間の距離Lとなり、距離L=L3+L4=504mmとなる。
【0129】
なお、ロール/ロール印刷の印刷動作中において、現像ユニット11の寿命を迎えたと判断して印刷を停止する場合であって印刷媒体80を切断する場合、損紙となる媒体搬送方向における印刷媒体80の長さは、0mmとなる。
【0130】
ここで、ロール/ロール印刷の連続印刷動作中に、「消耗品A類」または「消耗品B類」が寿命を迎え、印刷を停止する際に、印刷媒体80を切断した場合と、印刷媒体80を切断しない場合とにおいて発生する損紙の媒体搬送方向における距離(長さ)を比較する。
【0131】
まず、「消耗品A類」が寿命を迎え、印刷を停止する際に、印刷媒体80を切断しない場合の比較例を説明する。
【0132】
この比較例では、画像形成装置100に通紙されている印刷媒体80を取り除く必要があるため、搬送ローラ82aと搬送ローラ82eとの間の距離が損紙となる。したがって、損紙となる距離Lは、L=L3+L4=504mmに相当する。
【0133】
また、印刷媒体80を途中で切断しなければならず、巻取りホルダ85で巻き取る場合、ロールが分割されてしまう。
【0134】
次に、本実施例において、「消耗品B類」が寿命を迎え、印刷を停止する際に、印刷媒体80を切断しない場合を説明する。
この場合、「消耗品B類」を交換する際に、画像形成装置100に通紙されている印刷媒体80を取り除く必要がなく、印刷媒体80を切断する必要がないため、巻取りホルダ85で巻き取る場合、ロールが分割されることはない。
【0135】
ただし、画像形成装置100は、印刷を停止してから印刷媒体80を除去せずに、印刷を再開するため、印刷媒体80の先端が巻取りホルダ85に巻き取られた状態であるため、イニシャル動作および現像ユニット11に形成されたトナー像が転写されるまでの間の印刷媒体80が損紙となる。したがって、損紙となる距離Lは、L=(L4+L5)+(L1+L2)=4232mmとなる。
【0136】
さらに、本実施例において、「消耗品A類」または「消耗品B類」が寿命を迎え、印刷を停止する際に、印刷媒体80を切断する場合を説明する。
【0137】
この場合、「消耗品A類」または「消耗品B類」を交換する際に、画像形成装置100に通紙されている印刷媒体80は切断されているため、印刷媒体80の損紙は発生せず、損紙となる距離Lは、L=0mmである。ただし、印刷媒体80を切断するため、巻取りホルダ85で巻き取る場合、ロールが分割されてしまう。
【0138】
本実施例では、画像形成装置100の制御部501は、「消耗品A類」が寿命を迎えた場合、印刷媒体80を最終ページの後端で切断するようにしたことにより、印刷を停止したとき、画像形成装置100内に印刷媒体80が残らない状態で「消耗品A類」を交換することができ、印刷媒体80になにも印刷されない無駄になってしまう損紙の発生を抑制することができる。
【0139】
また、画像形成装置100の制御部501は、ロール/ロール印刷の動作中に、「消耗品B類」が寿命を迎えた場合、印刷媒体80を最終ページの後端で切断して損紙を少なくするか、または印刷媒体80を最終ページの後端で切断しないで巻取りホルダ85で巻き取る場合にロールが分割されてしまうことを防ぐかを使用者が設定を行うことで選択することができ、消耗品が寿命に達した場合の使用者の利便性を向上させることができる。
【0140】
このように、「消耗品A類」または「消耗品B類」が寿命を迎え、印刷を停止する際に、印刷媒体80を切断することで、損紙の発生を抑制することができる。
【0141】
また、「消耗品B類」が寿命を迎えた場合、印刷媒体80を切断して停止させるか、または切断せずに停止させるかを使用者により選択できるようにしたことにより、使用者は損紙を少なくするか、またはロールが分割されてしまうことを防ぐかを選択することができるようになる。
【0142】
以上説明したように、本実施例では、印刷媒体を切断して停止させるか、または切断せずに停止させるかを使用者により選択できるようにしたことにより、使用者は損紙を少なくするか、またはロールが分割されてしまうことを防ぐかを選択することができるようになり、消耗品が寿命に達した場合の使用者の利便性を向上させることができるという効果が得られる。
【0143】
なお、本実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られるものでなく、複写機、ファクシミリ装置、複合機(MFP)等としても良い。
また、本発明は、上述した実施例の形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。