(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6934148
(24)【登録日】2021年8月25日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】デジタル商品の仮想取引方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/12 20120101AFI20210906BHJP
【FI】
G06Q20/12 300
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-217147(P2020-217147)
(22)【出願日】2020年12月25日
【審査請求日】2021年1月18日
(31)【優先権主張番号】202010991377.3
(32)【優先日】2020年9月21日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521012474
【氏名又は名称】江蘇傲為控股有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェ バイ
【審査官】
竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2020−027588(JP,A)
【文献】
特表2017−516206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引端末が下記のステップを実行する、デジタル商品の仮想取引方法であって、
デジタル商品の統合コードをスキャンするステップであって、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含むステップと、
前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データと、を取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップであって、前記支払データは、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含み、前記支払確認データは、デジタル商品の権利行使項目データを含み、前記デジタル商品の権利行使項目データは、異なる割合の支払額に対応するデジタル商品データの完全性及びデジタル商品の権利行使項目の数を示すために用いられるステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍して、前記デジタル商品の権利行使データに対応するデジタル商品又はデジタル商品の権利行使項目を得るステップと、含み、
前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップは、
前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信することと、
ターゲットデータウォレットが実装されている端末から支払確認データを受信することであって、前記支払確認データは、デジタル商品の解凍用パスワード及びデジタル商品の権利行使項目データを含むことと、を含む、
ことを特徴とするデジタル商品の仮想取引方法。
【請求項2】
取引端末が下記のステップを実行する、デジタル商品の仮想取引方法であって、
デジタル商品の統合コードをスキャンするステップであって、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含むステップと、
前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップであって、前記支払データは、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含み、前記支払確認データは、デジタル商品の権利行使項目データを含み、前記デジタル商品の権利行使項目データは、異なる割合の支払額に対応するデジタル商品データの完全性及びデジタル商品の権利行使項目の数を示すために用いられるステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍して、前記デジタル商品の権利行使データに対応するデジタル商品又はデジタル商品の権利行使項目を得るステップと、含み、
前記支払データをデジタル商品の統合コードの配属端末に送信するステップと、前記端末から支払確認データを受信するステップとに従って、前記支払データに基づく支払確認データを取得し、前記支払確認データは、デジタル商品の解凍用パスワード及びデジタル商品の権利行使項目データを含む、
ことを特徴とするデジタル商品の仮想取引方法。
【請求項3】
取引端末が下記のステップを実行する、デジタル商品の仮想取引方法であって、
デジタル商品の統合コードをスキャンするステップであって、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含むステップと、
前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップであって、前記支払データは、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含み、前記支払確認データは、デジタル商品の権利行使項目データを含み、前記デジタル商品の権利行使項目データは、異なる割合の支払額に対応するデジタル商品データの完全性及びデジタル商品の権利行使項目の数を示すために用いられるステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍して、前記デジタル商品の権利行使データに対応するデジタル商品又はデジタル商品の権利行使項目を得るステップと、含み、
前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信するハンドシェイクプログラムを開始すると、デジタル商品の属性データと支払データに基づいて支払確認データを生成するステップに従って、前記支払データに基づく支払確認データを取得する、
ことを特徴とするデジタル商品の仮想取引方法。
【請求項4】
取引端末が下記のステップを実行する、デジタル商品の仮想取引方法であって、
デジタル商品の統合コードをスキャンするステップであって、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含むステップと、
前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップであって、前記支払データは、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含み、前記支払確認データは、デジタル商品の権利行使項目データを含み、前記デジタル商品の権利行使項目データは、異なる割合の支払額に対応するデジタル商品データの完全性及びデジタル商品の権利行使項目の数を示すために用いられるステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍して、前記デジタル商品の権利行使データに対応するデジタル商品又はデジタル商品の権利行使項目を得るステップと、含み、
前記支払データが検証に成功した場合、前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信するハンドシェイクプログラムを開始し、デジタル商品の属性データと支払データに基づいて支払確認データを生成するステップに従って、前記支払データに基づく支払確認データを取得する、
ことを特徴とするデジタル商品の仮想取引方法。
【請求項5】
インターネット又はブロックチェーンネットワークに実装されているデジタル商品の取引プラットフォーム、取引決済プラットフォーム、及び取引端末を含むデジタル商品の仮想取引システムであって、
デジタル商品の取引プラットフォームには、インターネット又はブロックチェーンネットワークに基づくネットワーク商品端末と非ネットワーク商品端末が配置され、前記ネットワーク商品端末と前記非ネットワーク商品端末とは、デジタル商品の統合コードを表示するために用いられ、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含み、
取引決済プラットフォームには、取引が正常に支払われたか否か、取引で支払われた金額を監視するための少なくとも1つの取引決済端末が配置され、
取引端末は、
デジタル商品の統合コードをスキャンし、前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップであって、前記支払データは、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含み、前記支払確認データは、デジタル商品の権利行使項目データを含み、前記デジタル商品の権利行使項目データは、異なる割合の支払額に対応するデジタル商品データの完全性及びデジタル商品の権利行使項目の数を示すために用いられるステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍して、前記デジタル商品の権利行使データに対応するデジタル商品又はデジタル商品の権利行使項目を得るステップと、を実行するように構成される、
ことを特徴とするデジタル商品の仮想取引システム。
【請求項6】
デジタル商品の取引プラットフォームのためにデジタル商品の統合コードを生成するために用いられる、インターネット又はブロックチェーンネットワークに基づくデジタル商品生成プラットフォームをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のデジタル商品の仮想取引システム。
【請求項7】
前記支払データに基づいて支払確認データを生成して、前記取引端末に支払確認データを送信するために用いられる、非ネットワーク商品端末に配属の通信端末をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のデジタル商品の仮想取引システム。
【請求項8】
前記統合コードは、支払コードに基づいて支払確認データを生成するための支払確認データ生成プログラムをさらに含み、
前記取引端末は、さらに、
前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信するハンドシェイクプログラムを開始すると、前記支払確認データ生成プログラムにより、デジタル商品の属性データと支払データに基づいて支払確認データを生成するステップを用いて前記支払データに基づく支払確認データを取得するように構成される、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のデジタル商品の仮想取引システム。
【請求項9】
前記統合コードは、支払コードに基づいて支払確認データを生成するための支払確認データ生成プログラムをさらに含み、
前記取引端末は、さらに、
前記支払データを検証し、前記支払データが検証に成功した場合、前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信するハンドシェイクプログラムを開始し、前記支払確認データ生成プログラムにより、デジタル商品の属性データと支払データとに基づいて支払確認データを生成するステップを用いて前記支払データに基づく支払確認データを取得するように構成される、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のデジタル商品の仮想取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、インターネットデータ処理の分野に関し、特にブロックチェーンネットワークに基づくデジタル商品の仮想取引方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル商品の取引システムは、通常インターネット又はモバイルインターネットに実装され、
図1に示すように、このデジタル商品の取引システムは、通常インターネットPを介して接続されたデジタル商品の取引システム1(取引システム1と略称する)と、支払決済システム2と、ネットワークに分散された複数の端末3、4、5と、を含む。端末は、取引システム1でデジタル商品を選択し、支払決済システム2で貨幣を支払った後、取引システム1のデジタル商品が端末にダウンロードされる。
【0003】
当然、デジタル商品の取引プロセスにおいて、取引システム1へのアクセスは必要なプロセスであり、これは煩雑なプロセスであり、例えば必要な時間がより長いか、又はネットワークトラフィックの消費がより大きいなど、取引を完了するには比較的多くのネットワークリソースが必要である。ネットワーク環境が悪かったり、操作時間が不十分であったりする場合、ネットワークリソースの消費がより一層増加するか、又は取引を完了することが難しくなる。また、操作者の経験が少ないと、取引システム1へのアクセス効率が低下するため、取引の制限につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術的問題に基づいて、本願が解決しようとする技術的問題は、リソース消費が少なく且つ効率的であるデジタル商品の取引システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願に係るデジタル商品の仮想取引方法は、
デジタル商品の統合コードをスキャンするステップであって、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含むステップと、
前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップであって、前記支払データは、データウォレットアドレス、通貨の種類及び金額を含むステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍してデジタル商品を得るステップと、含む。
【0006】
第2の態様では、本願に係る第1の態様のデジタル商品の仮想取引システムに対応して、インターネット又はブロックチェーンネットワークに実装されているデジタル商品の取引プラットフォーム、取引決済プラットフォーム、及び取引端末を含み、
デジタル商品の取引プラットフォームには、インターネット又はブロックチェーンネットワークに基づくネットワーク商品端末と非ネットワーク商品端末が配置され、前記商品端末は、デジタル商品の統合コードを表示するために用いられ、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含み、
取引決済プラットフォームには、少なくとも1つの取引決済端末が配置され、
取引端末は、
デジタル商品の統合コードをスキャンし、前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムとデジタル商品の圧縮データとデジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成して、前記支払データに基づく支払確認データを取得することであって、前記支払データは、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含むステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍してデジタル商品を得るステップと、を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本願は、デジタル商品のプリセットの統合コードをスキャンすることにより、オリジナルデジタル商品を得るための圧縮データ及びリリースプログラムを取得し、スキャンコードの支払確認データの異なるレベルに応じて、対応するデジタル商品の権利行使項目データを相応に生成することにより、デジタル商品の取引がより融通的であり、且つ効率がより高く、そして、本願の方法は、多様なチャネルから支払確認データを取得することができ、従来の取引システムに依存せず、システムへのアクセスによる消費時間が長く、占有するネットワークリソースが多いという問題を回避することができる。
【0008】
本願の実施例や従来技術の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、実施例に必要な図面について簡単に説明するが、以下に記載した図面は、単に本願の実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的な働き無しで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】インターネット又はモバイルインターネットに基づくデジタル商品の取引システムのトポロジー図である。
【
図2】本願に係るデジタル商品の仮想取引方法のデータフロー図である。
【
図3】一実施例における支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートである。
【
図4】別の実施例における支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートである。
【
図5】第3の実施例における支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートである。
【
図6】第4の実施例における支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートである。
【
図7】本願に係るデジタル商品の仮想取引システムの例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2を参照すると、本願のデジタル商品の仮想取引方法のデータフロー図である。
【0011】
図2に示すように、本願は、デジタル商品の仮想取引方法を提供し、当該方法は、インターネット又はブロックチェーンネットワーク上でデジタル商品の取引を完了するいずれか1つの取引端末に適用でき、当該方法は、具体的にステップS1〜ステップS4を含む。
【0012】
ステップS1では、デジタル商品の統合コードをスキャンし、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含む。
【0013】
本実施例において、デジタル商品とは、通常、電子データ形態で存在する商品を言い、そのうち、ニュース、書籍、映画、音楽などのコンテンツベースの商品を含み、さらに、例えば、特定の契約を代表するデジタル商品、デジタルチケット、デジタル予約などの交換ツールを含み、さらに、例えば、政府サービス、手紙、ファックス電子消費、遠隔教育、インタラクティブエンターテインメントなどのデジタルプロセスとサービスを含む。デジタル商品の取引により、デジタル商品がもたらす経済的利益と使用価値を実現することができる。
【0014】
本願では、デジタル商品の取引をよりよく実現するために、取引されるデジタル商品には、いずれも予め設定された統合コードが配置され、統合コードの配置は、通常、インターネット又はブロックチェーンネットワークに実装されているデジタル商品の取引プラットフォームによって完了され、統合コードは、デジタル商品に一意に対応づけられ、デジタル商品の取引のみに用いられてもよく、その他の操作に用いられてもよい。
【0015】
統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含み、デジタル商品の属性コードは、例えば商品名、出品者情報、出荷日、商品価格などのデジタル商品の属性を表すために用いられ、デジタル商品の属性コードは、デジタル商品のラベルに相当し、デジタル商品をリリースするプログラムコードは、圧縮されたデジタル商品の圧縮データをオリジナルデジタル商品に復元するために用いられるデータであり、解凍するためのプログラムコード、解凍用パスワード、及びデジタル商品の権利行使項目データなどを含むが、これらに限定されず、デジタル商品をリリースするプログラムコードと、デジタル商品の取引を完了するときに生成される支払確認データとの間には一定の関数関係があり、即ち、生成された支払確認データにより、プリセットの関数関係に従ってデジタル商品をリリースするプログラムコードを取得したり、生成された支払確認データの関数計算の結果によってデジタル商品をリリースするプログラムなどがトリガーされたりすることができ、上記の関数関係は、多様なものがあり得、本実施例ではこれに対して限定しない。
【0016】
本実施例では、統合コードの具体的な形態に対しては具体的に限定せず、上記の説明から、統合コードは、デジタル商品の取引のみに用いられてもよく、その他の機能として用いられてもよいため、統合コードは、バーコードやQRコード(登録商標)などのグラフィックコードに設計することもでき、文字列、文字マトリックスなどに設計することもできる。ただし、どの形態を採用したとしても、上記のステップS1において、スキャンによってデジタル商品の統合コードを取得できるということを満たす必要がある。
【0017】
スキャンによって得られたデジタル商品の統合コードに従って、取引されているデジタル商品に関連しかつ取引に用いられるデータ情報を抽出するために、統合コードを解析することができる。
【0018】
ステップS2では、前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データと、を取得する。
【0019】
本実施例では、取引端末は、スキャンしてデジタル商品の統合コードを得た後、取引プロセスを完了するためのデータを抽出するために、統合コードを解析する必要があり、デジタル商品のリリースプログラムは、デジタル商品の圧縮データを解凍してオリジナルデジタル商品データを生成するためのプログラムであり、デジタル商品は、インターネットやブロックチェーンネットワークに保存される場合、通常、高い安全性を確保するとともにリソース消費を節約するために、圧縮や暗号化などの形式で保存されるため、取引端末は、解析後に得られたデジタル商品の圧縮データをデジタル商品のリリースプログラムで解凍する必要がある。
【0020】
当然のことながら、いずれかの取引端末が、統合コードを解析した後、デジタル商品の圧縮データを直接解凍してオリジナルデジタル商品を取得することができるのではなく、先に支払プロセスを行う必要があるため、本実施例では、デジタル商品のリリースプログラムの実行ができるか否かは、特定の条件を必要とし、上記のステップS1のように、支払確認データが取得された場合にのみ、デジタル商品のリリースプログラムを有効にすることを許可する必要がある。
【0021】
ステップS3では、前記デジタル商品の属性データに基づいて、データウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含む支払データを生成する。
【0022】
デジタル商品の属性データにより、支払に必要なアドレス、支払金額、通貨の種類などの情報に対応して支払データを生成することができ、支払データは、デジタル商品の取引の支払に用いられ、取引の買い手は、支払データに基づいて対応する支払操作を実行することができ、一旦支払操作が完了すると、支払取引プラットフォーム又は売り手は、支払を正常に完了した情報を情報フィードバック等の形で買い手に通知し、支払を正常に完了した情報と同期して、本実施例ではデジタル商品の取引に用いられるものとして支払確認データも含み、上記したステップで得たデジタル商品のリリースプログラム及びデジタル商品の圧縮データに対して解凍操作を実行するために用いられる。
【0023】
そのため、上記ステップS3は、前記支払データに基づく支払確認データを取得することをさらに含み、このときの支払確認データは、解凍するための解凍用パスワード及びデジタル商品の権利行使項目データなどを含み、デジタル商品の権利行使項目データとは、支払額の相違に応じて、最終解凍によって得られたデジタル商品を分割することができるため、買い手は、全額を支払う前には、デジタル商品の一部しか取得できないか、又はデジタル商品の権利の一部しか取得できない。
【0024】
デジタル商品の権利行使項目と支払額との対応関係は、次の表に示される。
【0026】
上記ステップS3では、前記支払データに基づいて対応する支払確認データを取得するステップは、当該ステップがどの端末間のデータ交換により完了されるかに応じて、多様な方法がある可能性があり、以下、いくつかの実行可能な実施例でそれぞれ説明する。
【0027】
図3には、実行可能な実施例で前記支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートが示されており、このとき、支払確認データは、ターゲットデータウォレットが実装されている端末によって生成されて送信されるものであり、ターゲットデータウォレットが実装されている端末は、売り手の端末であり、該端末で買い手からの支払が入金されているか否か、及び支払金額の割合をチェックすることができ、同時に、売り手側には、デジタル商品の圧縮データを解凍するための解凍用パスワードとリリースプログラムが保存されて、支払確認データを生成するために用いられる。対応して、支払確認データを取得するステップは、ステップS301〜ステップS303を含む。
【0028】
ステップS301では、前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信し、この端末は、プラットフォーム端末又はノード端末であってもよく、このとき、端末は、支払が正常に完了したか否かをチェックする必要があり、支払が正常に完了した後、支払確認データを生成して取引端末に送信し、続いてステップS302を実行する。
【0029】
ステップS302では、ターゲットデータウォレットが実装されている端末から、デジタル商品の解凍用パスワード及びデジタル商品の権利行使項目データを含む支払確認データを受信する。
【0030】
さらに、取引端末は、支払確認データを受信すると、まず支払確認データを検証して、それが支払データ内の情報に対応しているか否か、又は、支払確認データ内に含まれている解凍用パスワードのフォーマットが要件を満たすか否かなどをチェックし、検証をパスした後、後続の操作ステップを続いて実行する。
【0031】
図4には、別の実行可能な実施例で前記支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートが示されており、このとき、支払確認データは、デジタル商品の統合コードが配属される端末によって生成されて送信されるものであり、当該端末は、グラフィックコード(統合コード)の実装端末又は配属端末であり、デジタル商品に対応する統合コードを生成する際に、同時に生成されるのは、統合コード内のデジタル商品の属性データに対応する支払確認データをさらに含む構成に対応し、このとき、デジタル商品の統合コードの配属端末は、支払が正常に完了したことを知っただけで、プリセットの関係を介して支払データに基づいて支払確認データを直接生成することができる。このとき、デジタル商品の解凍用パスワードとデジタル商品の権利行使項目データは、デジタル商品の統合コードの配属端末に保存され、支払確認データを生成するために用いられる。それに対応して、支払確認データを取得するステップは、
前記支払データをデジタル商品の統合コードの配属端末((グラフィックコードが実装されている端末又は配属端末))に送信するステップS311と、
前記端末から、デジタル商品の解凍用パスワード及びデジタル商品の権利行使項目データを含む支払確認データを受信するステップS312と、を含む。
【0032】
図5には、又1つの実行可能な実施例で前記支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートが示されており、当該実施例では、
図3に示す実施例と異なる点は次のとおりである。取引端末とターゲットデータウォレットが実装されている端末との間に、支払取引のための一連のハンドシェイクプログラムを確立することができ、こうすると、支払データを送信した後、ハンドシェイクプログラムが開始しているか否かを判断すればよく、開始した場合には支払済みと見なし、ハンドシェイクプログラムにより入金が保証されるので、ターゲットデータウォレットが実装されている端末は、支払が完了するのを待たずに、事前に支払確認データを生成することができるため、処理効率を向上させることができる。このとき、十分な額が支払されない状況があるため、相応にAPPを設定して、デジタル商品の属性データの解凍秘密鍵と支払額に基づいて、使用回数などの権利行使項目データを計算することができる。
【0033】
図6には、第4の実行可能な実施例で前記支払データに基づく支払確認データを取得するフローチャートが示されており、当該実施例では、
図3、
図5に示す実施例と異なる点は次のとおりである。ターゲットデータウォレットが実装されている端末が支払データを受信すると、まず支払データを検証し、主にターゲットデータウォレットが実装されている端末のアドレスが正当なアドレスであるか否かを検証し、正当なものである場合、検証に成功し、プリセットのハンドシェイクプログラムを開始してもよいと見なし、前の実施例を参照すると、この場合、すでに支払が済んだと見なされるとともに、支払データに基づいて支払確認データが生成される。本実施例の他のステップについては、
図5に示す実施例を参照してもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0034】
上記の説明では、支払データに基づいて支払確認データを得る方法について、4つの実行可能な実施例で説明したが、他の方法については他の例示がある可能性もあり、これらについては限定しない。支払確認データを取得した後、ステップS4を用いてデジタル商品を取得することができる。
【0035】
ステップS4では、前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍してデジタル商品を得る。
【0036】
本ステップにおいて、ステップS2で得られたデジタル商品のリリースプログラム及びデジタル商品の圧縮データ、並びにS3で得られた支払確認データを使用する必要がある。具体的には、まず支払確認データに基づいてプリセットの関数計算を行い、得られた結果をデジタル商品のリリースプログラムを開始する制御命令とし、デジタル商品のリリースプログラムは、制御命令に従ってデジタル商品の圧縮データに対して解凍操作を行い、解凍は、デジタル商品の圧縮データを生成するときの圧縮操作の逆操作として理解されるべきである。
【0037】
なお、上記の説明のように、部分的金額が支払される場合があるため、全額を支払う前には、ステップS4で得られたデジタル商品は、一部の商品又は権利行使項目が不十分な商品にすぎず、買い手は、すべてのデジタル商品を取得したい場合には、上記のステップS1〜ステップS4を繰り返して、全てのデジタル商品を取得するために不足の金額を補足する必要があり、毎回の操作フローは、いずれも上記のステップに従って完了することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0038】
上記の技術的解決手段によれば、本願に係るデジタル商品の仮想取引方法は、デジタル商品の統合コードをスキャンし、前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得することと、前記デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成することと、前記支払データに基づく支払確認データを取得することと、前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍してデジタル商品を得ることと、を含む。本願は、デジタル商品のプリセットの統合コードをスキャンすることにより、オリジナルデジタル商品を得るための圧縮データ及びリリースプログラムを取得し、スキャンコードの支払確認データの異なるレベルに応じて、対応するデジタル商品の権利行使項目データを相応に生成することにより、デジタル商品の取引がより融通的であり、且つ効率がより高く、そして、本願の方法は、多様なチャネルから支払確認データを取得することができ、従来の取引システムに依存せず、システムへのアクセスによる消費時間が長く、占有するネットワークリソースが多いという問題を回避することができる。
【0039】
図7を参照すると、本願に係るデジタル商品の仮想取引システムの例示図である。
【0040】
図7から分かるように、本願は、上記の方法に対応して、デジタル商品の仮想取引システムも提供する。当該システムは、
インターネット又はブロックチェーンネットワークに実装されているデジタル商品の取引プラットフォーム1と、取引決済プラットフォーム2と、取引端末3と、を含み、取引端末の数は限定されず、取引端末4、取引端末5などをさらに含むこともでき、図面は、単なる例示である。
【0041】
デジタル商品の取引プラットフォーム1(デジタル商品の取引システムとも呼ばれる)には、インターネット又はブロックチェーンネットワークに基づくネットワーク商品端末11と非ネットワーク商品端末12とが配置され、前記ネットワーク商品端末11と非ネットワーク商品端末12とは、いずれもデジタル商品の統合コードを表示するために用いられることができ、前記統合コードは、支払確認データを関数とする、デジタル商品をリリースするプログラムコード及びデジタル商品の属性コードを含み、ネットワーク商品端末及び非ネットワーク商品端末は、それぞれプログラムコード111、デジタル商品の属性コード112、及びプログラムコード121、デジタル商品の属性コード122に対応する。
【0042】
取引決済プラットフォーム2(決済システムとも呼ばれる)には、少なくとも1つの取引決済端末(例えば、図中の取引決済端末21と取引決済端末22)が配置され、主に、取引が正常に支払われたか否か、取引で支払われた金額などを監視するために用いられる。
【0043】
いずれかの取引端末は、
デジタル商品の統合コードをスキャンし、前記統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムと、デジタル商品の圧縮データと、デジタル商品の属性データとを取得するステップと、
前記デジタル商品の属性データに基づいてデータウォレットのアドレス、通貨の種類及び金額を含む支払データを生成し、前記支払データに基づく支払確認データを取得するステップと、
前記支払確認データをパラメータとして、デジタル商品の圧縮データを解凍してデジタル商品を得るステップと、を実行するように構成される。
【0044】
取引端末が上記の方法を実行する具体的内容は、上記した方法の実施例を参照すればよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0045】
さらに、
図7から分かるように、本願に係るシステムは、
デジタル商品取引プラットフォームのためにデジタル商品の統合コードを生成するために用いられる、インターネット又はブロックチェーンネットワークに基づくデジタル商品生成プラットフォーム6をさらに含み、デジタル商品の統合コードは、上記した方法で使用されるものであり、具体的には、端末公開鍵+端末公開鍵(リリースプログラム文字列+商品秘密鍵で圧縮したデジタル商品+商品属性コード文字列)などを含むが、これらに限定されない。
【0046】
さらに、前記システムは、
前記支払データに基づいて支払確認データを生成し、前記取引端末に支払確認データを送信するために用いられる、非ネットワーク商品端末に配属の通信端末をさらに含む。
【0047】
上記の実施例において、前記統合コードは、前記支払コードに基づいて支払確認データを生成するための支払確認データ生成プログラムをさらに含み、
前記取引端末は、さらに、
前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信するハンドシェイクプログラムを開始すると、前記支払確認データ生成プログラムにより、デジタル商品の属性データと支払データとに基づいて支払確認データを生成するステップを用いて前記支払データに基づく支払確認データを取得するように構成される。
【0048】
別の実施例において、前記統合コードは、前記支払コードに基づいて支払確認データを生成するための支払確認データ生成プログラムをさらに含み、
前記取引端末は、さらに、
前記支払データを検証し、前記支払データが検証に成功した場合、前記支払データをターゲットデータウォレットが実装されている端末に送信するハンドシェイクプログラムを開始し、前記支払確認データ生成プログラムにより、デジタル商品の属性データと支払データとに基づいて支払確認データを生成するステップを用いて前記支払データに基づく支払確認データを取得するように構成される。
【0049】
上記システムは、具体的な応用において、上記した方法のステップに従ってデジタル商品の仮想取引プロセスを実行することができ、システムにおける各構成ユニットの機能と役割は、方法の説明を参照することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0050】
当業者であれば、明細書及びこの明細書に開示の発明を実践することを考慮して、本発明の他の実施形態を容易に想到することができる。本願は、本発明の任意の変形、用途、又は適応変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途、又は適応変化は、本発明の一般原則に従うとともに、本発明に未開示の技術分野における常識又は慣用技術的手段を含む。明細書及び実施例は、例示的なものにすぎず、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって指摘される。
【0051】
本発明は、以上の説明、図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲内で様々な修正および変更を行うことができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【要約】
【課題】本願はデジタル商品の仮想取引方法及びシステムを開示する。
【解決手段】デジタル商品の統合コードをスキャンし統合コードを解析して、デジタル商品のリリースプログラムとデジタル商品の圧縮データとデジタル商品の属性データとを取得し、デジタル商品の属性データに基づいて支払データを生成することと、支払データに基づく支払確認データを取得することと、支払確認データをパラメータとしてデジタル商品の圧縮データを解凍してデジタル商品を得ることと、を含む。本願は、多様なチャネルから支払確認データを取得することができ、従来の取引システムに依存せず、システムへのアクセスによる消費時間が長く、占有するネットワークリソースが多いとの問題を回避する。
【選択図】
図7