特許第6934167号(P6934167)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6934167
(24)【登録日】2021年8月25日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】粉粒体分割装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/30 20060101AFI20210906BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   B65B1/30 B
   A61J3/00 310E
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-76834(P2017-76834)
(22)【出願日】2017年4月7日
(65)【公開番号】特開2018-177269(P2018-177269A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】野崎 知之
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−262944(JP,A)
【文献】 特開2016−210506(JP,A)
【文献】 特開平02−127203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/30
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を配置可能な環状溝が形成されたテーブルと、
前記環状溝の溝底面に接触して前記環状溝上の粉粒体を前記テーブルの周方向で堰止める堰止部であって、前記テーブルに対して縦軸回りに相対回転するように構成され、且つ前記縦軸に交差する方向に延びる横軸回りの一方向である切出方向に回転するように構成された堰止部と、
前記堰止部の前記相対回転における回転方向下流側に隣接し、前記環状溝上の粉粒体を前記テーブルの径方向に向けて掻くことにより切出すための切出部であって、前記堰止部と共に前記切出方向に回転しながら前記粉粒体を切出す切出部と、を備え、
前記切出部は、前記横軸回りの周方向で離間するように配置された第1切出部材と、第2切出部材と、を備え、
前記第2切出部材から前記第1切出部材までの前記切出方向に沿った第1周方向距離は、前記第1切出部材から前記第2切出部材までの前記切出方向に沿った第2周方向距離よりも短くなっており、前記第1切出部材と前記第2切出部材との前記切出方向に沿った周方向距離は、前記環状溝の前記切出方向における距離よりも大きくなっており、
前記第1切出部材の前記テーブルの周方向に対応する幅は、前記テーブルの周方向1周の長さと所定の分割数として設定された第1基準分割数とに基づいて設定され、
前記第2切出部材の前記テーブルの周方向に対応する幅は、前記テーブルの周方向1周の長さと前記第1基準分割数よりも多く設定された第2基準分割数とに基づいて設定されている粉粒体分割装置。
【請求項2】
粉粒体を配置可能な環状溝が形成されたテーブルと、
前記環状溝の溝底面に接触して前記環状溝上の粉粒体を前記テーブルの周方向で堰止める堰止部であって、前記テーブルに対して縦軸回りに相対回転するように構成され、且つ前記縦軸に交差する方向に延びる横軸回りの一方向である切出方向に回転するように構成された堰止部と、
前記堰止部の前記相対回転における回転方向下流側に隣接し、前記環状溝上の粉粒体を前記テーブルの径方向に向けて掻くことにより切出すための切出部であって、前記堰止部と共に前記切出方向に回転しながら前記粉粒体を切出す切出部と、を備え、
前記切出部は、前記横軸回りの周方向で離間するように配置された第1切出部材と、第2切出部材と、を備え、
前記第2切出部材から前記第1切出部材までの前記切出方向に沿った第1周方向距離は、前記第1切出部材から前記第2切出部材までの前記切出方向に沿った第2周方向距離よりも短くなっており、前記第1切出部材と前記第2切出部材との前記切出方向に沿った周方向距離は、前記環状溝の前記切出方向における距離よりも大きくなっている粉粒体分割装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散剤等の粉粒体を所定量に分割するための粉粒体分割装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、散剤等の粉粒体を所定量ずつ切出して分包するように構成された分包装置が公知である。この分包装置は、上面に環状凹溝が形成され、縦軸回りに回転可能な回転テーブルと、該環状凹溝の曲率中心である横軸回りに回転することで環状凹溝上の粉粒体を掻くことにより前記回転テーブルの径方向に切出すための切出し部材と、該切出し部材に対して回転テーブルの回転方向下流側に並設され、粉粒体を周方向で仕切る仕切り部材とを備える(特許文献1)。この分包装置は、回転テーブルが仕切り部材に対して縦軸回りに回転することで仕切り部材が散剤を堰き止め、堰き止められた散剤を切出し部材で切出すように構成されている。
【0003】
この分包装置の切出し部材は、回転テーブルの周方向に狭幅の狭幅切出し部材と、該狭幅切出し部材よりも前記周方向の幅が広い広幅切出し部材とから構成されている。この分包装置は、1回目を狭幅切出し部材によって切出し、2回目以降を広幅切出し部材によって切出すように構成されている。この構成により、この分包装置は、粉粒体の分割数が多い場合に、1回目の分割量が多くなり過ぎず、適切な量を切出すことができ、2回目以降も1回目と同量となるように切出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5140483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、回転テーブルの周方向長さは一定なので、分割数を変更する場合には、回転テーブルの回転角度を調整する必要がある。即ち、回転テーブルは、分割数が少ない場合には回転量(回転角度)が大きく、分割数が多い場合には、回転量が前記の場合よりも小さくなる。上記従来の分包装置では、1回目を狭幅切出し部材で切出すので、分割数が少なく(回転テーブルの回転量が多く)、1回当たりの分割量が多くなると、狭幅切出し部材の幅が狭い分、複数回に分けて切出す必要が生じる等、切出しの効率が低下する。このように、上記従来の分包装置は、分割数が多い場合、及び少ない場合に最適に対応することについては考慮されておらず、改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、対応可能な分割数の範囲が広く、且つ効率良く切出せる粉粒体分割装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る粉粒体分割装置は、
粉粒体を配置可能な環状溝が形成されたテーブルと、
前記環状溝の溝底面に接触して前記環状溝上の粉粒体を前記テーブルの周方向で堰止める堰止部であって、前記テーブルに対して縦軸回りに相対回転するように構成され、且つ前記縦軸に交差する方向に延びる横軸回りの一方向である切出方向に回転するように構成された堰止部と、
前記堰止部の前記相対回転における回転方向下流側に隣接し、前記環状溝上の粉粒体を前記テーブルの径方向に向けて掻くことにより切出すための切出部であって、前記堰止部と共に前記切出方向に回転しながら前記粉粒体を切出す切出部と、を備え、
前記切出部は、前記横軸回りの周方向で離間するように配置された第1切出部材と、第2切出部材と、を備え、
前記第1切出部材の前記テーブルの周方向に対応する幅は、前記テーブルの周方向1周の長さと所定の分割数として設定された第1基準分割数とに基づいて設定され、
前記第2切出部材の前記テーブルの周方向に対応する幅は、前記テーブルの周方向1周の長さと前記第1基準分割数よりも多く設定された第2基準分割数とに基づいて設定されている。
【0008】
かかる構成によれば、分割数が多い(1分割当たりのテーブルの回転角度が小さい)場合及び分割数が少ない(1分割当たりのテーブルの回転角度が大きい)場合に、幅の広い切出部材(第1切出部材)と幅の狭い切出部材(第2切出部材)とを使い分け、分割数に応じて適切な切出部材で切出すことができる。そのため、上記構成の粉粒体分割装置によれば、分割数に応じて柔軟に切出しを行うことができる。
【0009】
以上のように、上記構成の粉粒体分割装置は、分割数に応じて切出部材を使い分けることができるので、分割数が少ない場合、及び分割数が多い場合に対応することができ、且つ切出し効率がよい。
【発明の効果】
【0010】
以上より、本発明によれば、対応可能な分割数の範囲が広く、且つ効率良く切出せる粉粒体分割装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体分割装置の概略構成を示す平面図である。
図2】同実施形態に係る粉粒体分割装置の正面図であって、切出機構が切出姿勢である状態と離間姿勢にある状態とを説明するための正面図である。
図3】同実施形態に係る切出機構が初期位置に位置した状態の拡大正面図である。
図4】同実施形態に係る粉粒体分割装置の部分側面図である。
図5】清掃中における切出機構及び清掃部の位置関係を説明するための図である。
図6】多分割時における切出機構の状態を説明するための図であって、(a)は、切出機構が1回目の切出しを開始する前に、離間姿勢で、且つ初期位置に位置した状態、(b)は、切出機構が離間姿勢で準備位置に位置した状態、(c)は、切出機構が離間姿勢から切出姿勢に切替えられ、テーブルが回転を開始する前で、且つ切出機構が回転を開始する前の状態、(d)は、切出機構が1回目の切出しを開始する狭幅切出開始位置に位置した状態、(e)は、狭幅切出部材による切出し途中の状態、(f)は、切出機構が1回目の切出しを完了して、初期位置に位置した状態であって、2回目の切出しのためにテーブルが回転を開始する前で、且つ切出機構が回転を開始する前の状態、(g)は、切出機構が2回目の切出しを開始する広幅切出開始位置に位置した状態、(h)は、切出機構が2回目の切出しを完了して、初期位置に位置した状態である。
図7】少分割時における切出機構の状態を説明するための図であって、(a)は、切出機構が1回目の切出しを開始する前に、離間姿勢で、且つ初期位置に位置した状態、(b)は、切出機構が離間姿勢から切出姿勢に切替えられ、テーブルが回転を開始する前で、且つ切出機構が回転を開始する前の状態、(c)は、切出機構が1回目の切出しを開始する広幅切出開始位置に位置した状態、(d)は、広幅切出部材による切出し途中の状態、(e)は、切出機構が1回目の切出しを完了して、初期位置に位置した状態であって、2回目の切出しのためにテーブルが回転を開始する前で、且つ切出機構が回転を開始する前の状態、(f)は、切出機構が2回目の切出しを開始する広幅切出開始位置に位置した状態である。
図8】多分割時及び少分割時の制御フローである。
図9図8における多分割時の制御フローの続きのフローである。
図10】清掃部の制御フローである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る粉粒体分割装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る粉粒体分割装置1は、粉粒体Q(図6及び図7に示す)を配置可能な環状溝201が形成され、縦軸X回りに回転自在なテーブル2と、該テーブル2の環状溝201に沿って均等に供給された粉粒体Qを、テーブル2の径方向(本実施形態では径外方向)に向けて均等量ずつ切出すための切出機構3であって、環状溝201上の粉粒体Qを堰き止める堰止部4及び環状溝201上の粉粒体Qを切出す切出部5とを備える切出機構3と、切出機構3の姿勢を切替える第1切替部7と、テーブル2及び切出機構3を清掃するための清掃部8と、清掃部8の姿勢を切替える第2切替部9と、切出機構3、第1切替部7、清掃部8、及び第2切替部9を載置する載置部10と、テーブル2、切出機構3、第1切替部7、清掃部8及び第2切替部9を制御する制御部(図示しない)と、を備える。粉粒体分割装置1の側方には、切出された粉粒体Qを受けるホッパーH(図2参照)が配置されている。
【0014】
粉粒体分割装置1は、テーブル2と切出機構3とが縦軸X回りに相対回転するように構成されている。本実施形態における粉粒体分割装置1は、駆動装置(図示しない)によってテーブル2を縦軸X回りの一方向(図1及び図2の矢印Rで示す方向)へと間欠的に(テーブル2が回転している状態と停止している状態とを繰り返しながら)回転させるように構成されている。粉粒体分割装置1は、テーブル2が分割数に応じた所定角度回転して停止すると、粉粒体Qを切出機構3により環状溝201からテーブル2の径外方向に切出すものである。このように、本実施形態の粉粒体分割装置1は、粉粒体Qを環状溝201の周方向所定領域分ずつ順に切出すように構成されている。切出された粉粒体Qは、粉粒体Qを分包するための分包装置(図示しない)によって分包される。
【0015】
テーブル2は、回動駆動モータ(図示しない)のパルス入力等による駆動によって、縦軸X回りに均等な周方向長さごとに間欠的に回転するように構成されている。つまり、例えば、粉粒体Qを77分割する場合、テーブル2は、全周長さの1/77の長さごとに間欠的に回転する。これにより、テーブル2上の粉粒体Qは、均等に77分割され、分包装置によって77包分、分包される。
【0016】
図1に示すように、テーブル2は、環状に形成されている。テーブル2は、薄板で形成されている。テーブル2は、環の中心線を縦軸Xとして、縦軸X回りに回転する。即ち、縦軸Xは、上下方向(鉛直方向)に延びている。テーブル2には、上面に環状溝201が形成されている。テーブル2は、環状溝201が形成された溝部21と、平坦に形成された平板部22とを備える。環状溝201は、下方側に向けて凸状となる断面円弧状に形成されている。環状溝201の溝底面211は、所定の曲率半径を有する湾曲面を形成している。しかしながら、環状溝201は、断面円弧状に形成された場合に限らず、粉粒体Qの載置面(溝底面211)が平面、楕円形等、他の断面形状を有するように形成されていてもよい。
【0017】
本実施形態では、溝部21は、テーブル2の外周縁側に位置し、平板部22は、テーブル2の内周縁側に位置している。切出機構3による切出方向下流側(切出方向は、図2の矢印Sで示す方向)における環状溝201の下流側端縁213は、テーブル2の外周縁を構成している(一致している)。また、切出方向上流側における環状溝201の上流側端縁212は、平板部22に連続している。
【0018】
図2及び図3に示すように切出機構3は、環状溝201の溝底面211に接触して環状溝201上の粉粒体Qをテーブル2の周方向で堰止める堰止部4と、環状溝201上の粉粒体Qをテーブル2の径方向に向けて掻くことにより切出すための切出部5と、切出しの際に、テーブル2の回転方向(図1の矢印Rで示す方向、以下、分割方向Rとする)上流側で、堰止部4と共に粉粒体Qの切出し量を規定するカバー体6と、を有する。図2に示すように、切出機構3は、堰止部4が環状溝201の溝底面211に接触する切出姿勢C(図2の実線の姿勢)と、堰止部4が溝底面211から離間した離間姿勢T(図2の2点鎖線の姿勢)とに切替え自在に構成されている。堰止部4、切出部5、及びカバー体6は、それぞれ別体に設けられている。堰止部4、切出部5、及びカバー体6は、分割方向上流側から、カバー体6、切出部5、堰止部4の順に並設されることで、一体に移動(回転)するように組み立てられている。一体とされた堰止部4、切出部5、及びカバー体6は、縦軸Xに交差する方向に延びる横軸Y回りに回転する。また、一体とされた堰止部4、切出部5、及びカバー体6は、横軸Y回りの一方向である切出方向Sに回転することで、テーブル2上の粉粒体Qを切出すように構成されている。上記のように構成された切出機構3は、堰止部4が1回転する間に、切出部5(具体的には、後述する広幅切出部材51及び狭幅切出部材52の少なくとも一方)による切出しを1回行うように構成されている。
【0019】
堰止部4は、板状に形成されている。本実施形態の堰止部4は、正面視して環状に形成されている。本実施形態では、堰止部4の環の中心線が横軸Yとなっている。即ち、横軸Yは、図1の左右方向(水平方向)に延びている。堰止部4は、第1切替部7に連結軸P(図4も参照)を介して連結されており、第1切替部7の上下の移動に応じて上下に移動する。この第1切替部7の上下移動によって、切出機構3が離間姿勢Tと切出姿勢Cとに切替えられる。本実施形態では、連結軸Pは、堰止部4の中心孔に挿通されており、切出機構3は、該連結軸Pを横軸Yとして、該連結軸Pを中心に切出方向Sに回転するように構成されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、切出部5は、粉粒体Qの切出しが行われる際に、堰止部4で堰き止められた粉粒体Qを環状溝201の溝底面211から掻き取ってテーブル2の側方(径外方向)に配置されたホッパーH(図2参照)に対して切出すためのものである。切出部5は、堰止部4の相対回転における回転方向下流側に隣接して配置されている。切出部5は、堰止部4と共に切出方向Sに回転しながら粉粒体Qを切出すように構成されている。切出部5は、横軸Y回りの周方向で離間するように配置された第1切出部材51である広幅切出部材51と、第2切出部材52である狭幅切出部材52と、を備える。広幅切出部材51のテーブル2の周方向に対応する幅W1は、テーブル2の周方向1周の長さと所定の分割数として設定された第1基準分割数とに基づいて設定されている。また、狭幅切出部材52のテーブル2の周方向に対応する幅W2は、テーブル2の周方向1周の長さと第1基準分割数よりも多く設定された第2基準分割数とに基づいて設定されている。即ち、切出部5は、テーブル2の周方向に対応する幅が所定の幅に設定された広幅切出部材51と、前記周方向に対応する幅が広幅切出部材51の幅よりも狭い狭幅切出部材52と、を備える。本実施形態の切出部5は、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52を固定するための固定部53を更に備える。切出部5は、テーブル2と切出機構3とが相対回転することで堰止部4によって環状溝201において堰き止められた粉粒体Qを広幅切出部材51及び狭幅切出部材52のうちの少なくとも一方で切出すように構成されている。本実施形態では、切出部5は、指定分割数に対応した環状溝201における領域内の粉粒体Qを1回または複数回に分けて切出すように構成されている。指定分割数とは、患者の処方情報に基づいて設定される分割数である。指定分割数は、患者の処方情報に基づいて自動的に指定(入力)されてもよく、又は患者の処方情報に基づいて薬剤師等のオペレータにより指定(入力)されてもよい。
【0021】
切出部5は、指定分割数が、第1基準分割数より多く、且つ第2基準分割数以下であるときに、1回目を狭幅切出部材52で切出すように制御される。本実施形態では、指定分割数が、第1基準分割数より多く、且つ第2基準分割数以下であるときを多分割時とし、指定分割数が第1基準分割数以下である場合を少分割時とする。多分割時とは、切出部5が、テーブル2の環状溝201の周方向1周の寸法と広幅切出部材51の幅寸法とから決まる最大分割数を超える分割を行う場合、として定義することもできる。また、少分割時とは、多分割時よりも分割数が少ない場合、として定義することもできる。切出部5は、多分割時には、1回目を狭幅切出部材52で切出し、2回目以降を広幅切出部材51で切出すように制御される。また、切出部5は、少分割時には、1回目から最終回まで広幅切出部材51で切出すように制御される。本実施形態では、少分割時は、所定の分割数(以下、基準少分割数とする)を基準に、基準少分割数を超える分割を行う第1少分割時、及び該第1少分割時よりも分割数が少ない第2少分割時から構成されている。切出部5は、多分割時及び第1少分割時には切出方向Sに1回転することで所定の分割量の粉粒体Qを切出す。また、切出部5は、第2少分割時には、切出方向Sに複数回回転することで所定の分割量の粉粒体Qを切出す。
【0022】
本実施形態では、テーブル2と切出機構3との相対回転中に、堰止部4及び切出部5は、狭幅切出部材52が切出方向下流側における環状溝201の下流側端縁213近傍に位置する初期位置P1から、広幅切出部材51が切出方向上流側における環状溝201の上流側端縁212に接近して切出しを開始する広幅切出開始位置P4まで、切出方向Sに回転するように制御される(図6及び図7参照)。また、テーブル2と切出機構3との相対回転中に、堰止部4及び切出部5は、狭幅切出部材52が切出方向上流側における環状溝201の上流側端縁212に接近する準備位置P2から、狭幅切出部材52による粉粒体Qの切出しを開始する狭幅切出開始位置P3まで、切出方向Sに回転するように制御される(図6参照)。
【0023】
広幅切出部材51は、分割方向Rにおける堰止部4の上流側の面に設けられている。広幅切出部材51は、長尺に形成されている。広幅切出部材51は、粉粒体Qを切出す広幅切出本体511と弾性変形するように構成された広幅弾性ブレード512とを有する。広幅切出本体511は、基端部が固定部53に固定され、先端部が固定部53から延出している。広幅弾性ブレード512は、広幅切出本体511に固定され、該広幅切出本体511と一体的に形成されている。広幅弾性ブレード512は、先端が堰止部4から該堰止部4の径外方向に若干食み出す長さで形成されている。これにより広幅弾性ブレード512は、テーブル2から粉粒体Qを掻き出す際に、弾性変形し、環状溝201の溝底面211に接触して粉粒体Qをテーブル2上に残さず掻き取り(切出し)可能となっている。また、広幅弾性ブレード512は、先端が鋭角に切断された板状に形成されており、先端がより弾性変形しやすく構成されている。また、広幅弾性ブレード512の先端は、切出方向Sに対して傾斜する傾斜面が形成されるように切断されている。
【0024】
広幅切出部材51におけるテーブル2の周方向に対応する幅W1(図4参照)は(以下、「広幅切出部材51の幅W1」と称する場合がある)、粉粒体分割装置1において予め設定されている粉粒体Qの分割数(第1基準分割数)に応じて設定されている。環状溝201の周方向の寸法と広幅切出部材51の幅寸法とから決まる最大分割数とは、広幅切出部材51で分割できる最大の分割数であり、該最大分割数を超える分割を行う場合を多分割時とし、該多分割時よりも分割数が少ない場合を少分割時としている。具体的には、広幅切出部材51の幅W1は、テーブル2の環状溝201の溝中心における周方向1周の長さを基準に設定され、広幅切出部材51で最大限分割したい第1基準分割数(即ち、最大分割数)に基づいて定まる値である。具体的には、広幅切出部材51の幅W1は、テーブル2の環状溝201の溝中心における周方向長さを第1基準分割数で除すことで得られる値である。広幅切出部材51の幅W1は、製造上の誤差を考慮して周方向長さを第1基準分割数で除すことで得られる値より僅かに小さく設定される。即ち、広幅切出部材51の幅W1は、第1基準分割数で分割する場合における、溝中心を基準としたテーブル2の周方向の回転幅(回転距離)よりも小さく、且つテーブル2の環状溝201の溝中心における周方向長さを第1基準分割数で除すことで得られる値に近くなるように設定されている。
【0025】
本実施形態では、環状溝201に配置された粉粒体Qを切出して、1か月分(1日当たり3包×31日)の分包が行えるように、第1基準分割数を93として広幅切出部材51の幅W1が設定されている。即ち、最大分割数を93として、93を超える分割を行う場合を多分割時とし、93以下で分割を行う場合を少分割時としている。広幅切出部材51の幅W1は、環状溝201上の粉粒体Qを93分割できる幅として最大限広く設定されているので、広幅切出部材51は、粉粒体Qの分割数が93以下であるときにも粉粒体Qを効率よく切出すことができる。
【0026】
狭幅切出部材52は、広幅切出部材51と同様、分割方向Rにおける堰止部4の上流側の面に設けられている。狭幅切出部材52は、長尺に形成され、堰止部4の中心を避けて(堰止部4の中心を通らないように)配置されている。狭幅切出部材52は、粉粒体Qを切出す狭幅切出本体521と弾性変形するように構成された狭幅弾性ブレード522とを有する。狭幅切出本体521は、基端部が固定部53に固定され、先端部が固定部53から延出している。狭幅弾性ブレード522は、狭幅切出本体521に固定され、該狭幅切出本体521と一体的に形成されている。狭幅弾性ブレード522は、先端が堰止部4から該堰止部4の径外方向に若干食み出す長さで形成されている。これにより狭幅弾性ブレード522は、テーブル2から粉粒体Qを掻き出す際に、弾性変形し、環状溝201の溝底面211に接触して粉粒体Qをテーブル2上に残さず掻き取り(切出し)可能となっている。また、狭幅弾性ブレード522は、先端が鋭角に切断された板状に形成されており、先端がより弾性変形しやすく構成されている。また、狭幅弾性ブレード522の先端は、切出方向Sに対して傾斜する傾斜面が形成されるように切断されている。
【0027】
狭幅切出部材52におけるテーブル2の周方向に対応する幅W2(図4参照)は(以下、「狭幅切出部材52の幅W2」と称する場合がある)、環状溝201上の粉粒体Qの分割数に応じて設定されている。具体的には、狭幅切出部材52の幅W2は、テーブル2の環状溝201の溝中心における周方向1周の長さを基準に設定され、第1基準分割数(広幅切出部材51の最大分割数)よりも多く設定された第2基準分割数に基づいて定まる値である。具体的には、狭幅切出部材52の幅W2は、テーブル2の環状溝201の溝中心における周方向1周の長さを第2基準分割数で除すことで得られる値である。狭幅切出部材52の幅W2は、製造上の誤差を考慮して周方向長さを第2基準分割数で除すことで得られる値より僅かに小さく設定される。即ち、狭幅切出部材52の幅W2は、第2基準分割数で分割する場合における、溝中心を基準としたテーブル2の周方向の回転幅(回転距離)よりも小さく、且つテーブル2の環状溝201の溝中心における周方向長さを第2基準分割数で除すことで得られる値に近くなるように設定されている。
【0028】
本実施形態では、環状溝201に配置された粉粒体Qを切出して、90日分(1日当たり3包×90日)の分包が2回の切出動作で行えるように、第2基準分割数を135として狭幅切出部材52の幅W2が設定されている。即ち、本実施形態では、94分割から135分割を行う場合を多分割時としている。狭幅切出部材52の幅W2は、粉粒体Qを135分割できる幅として設定されているので、粉粒体Qの分割数が135であるときに、1回目を正確な量で切出すことができる。
【0029】
図3に示すように、広幅切出部材51と狭幅切出部材52とは、横軸Y回りの周方向で離間するように配置されている。そして、狭幅切出部材52から広幅切出部材51までの切出方向Sに沿った第1周方向距離J1は、広幅切出部材51から狭幅切出部材52までの切出方向Sに沿った第2周方向距離J2よりも短くなっている。また、広幅切出部材51と狭幅切出部材52との切出方向Sに沿った周方向距離Jは、環状溝201の切出方向Sにおける距離F(以下、切出方向距離Fとする)よりも大きくなっている。本実施形態では、第1周方向距離J1及び第2周方向距離J2は、広幅弾性ブレード512及び狭幅弾性ブレード522の先端を基準とした距離である。また、第1周方向距離J1及び第2周方向距離J2は、環状溝201の切出方向距離Fよりも大きくなっている。具体的には、第1周方向距離J1は、環状溝201の切出方向距離Fよりも大きく形成される一方で、広幅切出部材51と狭幅切出部材52とが接近して配置される距離に設定されている。即ち、第1周方向距離J1は、環状溝201の切出方向距離Fよりも若干大きく形成されている。
【0030】
固定部53は、円盤状に形成されている。固定部53は、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52の基端部を固定している。固定部53は、広幅切出部材51を固定する広幅用固定部531と、狭幅切出部材52を固定する狭幅用固定部532と、を備える。広幅用固定部531は、広幅切出部材51の幅W1に対応した厚みで形成されている。狭幅用固定部532は、狭幅切出部材52の幅W2に対応した厚みで形成されている。即ち、広幅用固定部531は、狭幅用固定部532よりも厚くなるよう形成されている。広幅用固定部531には、後述する広幅用カバー体61が固定されている。また、狭幅用固定部532には、後述する狭幅用カバー体62が固定されている。
【0031】
カバー体6は、分割方向Rにおける切出部5の上流側に設けられ、切出部5による切出しの際に、粉粒体Qを分割方向上流側で仕切る部分である。カバー体6は、正面視で切出部5と重なるように配置されている。カバー体6は、切出部5よりも切出方向S側に延出するように配置されている。カバー体6は、正面視で略楕円形に形成されている。カバー体6は、切出方向S側の湾曲部の曲率が溝底面211の曲率に実質的に一致するよう設定されている。カバー体6は、固定部53の分割方向上流側壁に対して取付けられている。カバー体6は、広幅切出部材51に並設された広幅用カバー体61と、狭幅切出部材52に並設された狭幅用カバー体62と、を備える。
【0032】
図3に示すように、堰止部4の周方向に対応する狭幅用カバー体62の周方向幅G2は、同じく堰止部4の周方向に対応する広幅用カバー体61の周方向幅G1よりも狭く形成されている。狭幅切出部材52は、後述する初期位置P1で、環状溝201の下流側端縁213近傍に位置する。具体的には、狭幅切出部材52は、初期位置P1で、下流側端縁213から切出方向下流側に若干前進した位置に位置する。この初期位置P1で、狭幅用カバー体62は、環状溝201上の粉粒体Qに接触しないように、環状溝201上から切出方向下流側に退避した状態となっている。具体的には、切出方向下流側における狭幅用カバー体62の端縁は、狭幅弾性ブレード522の先端に対して堰止部4の径方向に略並ぶように位置している。この配置により、初期位置P1で狭幅切出部材52を環状溝201の下流側端縁213に近い位置に位置させつつも、狭幅用カバー体62が環状溝201上の粉粒体Qに接触しないようになっている。このように、切出機構3は、初期位置P1から後述する広幅切出開始位置P4への回転中に粉粒体Qに接触しないように構成されている。
【0033】
図2に示すように、第1切替部7は、第1切替軸71と、該第1切替軸71を軸中心として回動するアーム72と、を備える。第1切替軸71は、載置部10に固定されている。アーム72の一端に第1切替軸71が挿通され、他端に切出機構3が固定されている。第1切替部7は、第1切替軸71を軸中心としてアーム72が上下に移動することで、切出機構3を上下に移動させ、切出姿勢Cと離間姿勢Tとに切替える。
【0034】
清掃部8は、切出機構3を清掃するための第1清掃部81と、環状溝201の溝底面211を清掃するための第2清掃部82と、を備える。清掃部8は、例えば、特許第5039485号に開示されるような、公知の清掃機構によって構成されている。第1清掃部81は、切出部5に付着した粉粒体Qを吸引する吸引部811と、切出部5に対して清掃用空気を吹き付け、切出部5に付着した粉粒体Qを切出部5から剥離させる吹付部812と、切出部5に接触して切出部5に付着した粉粒体Qを掻き落すためのブラシ部813と、を備える。第1清掃部81は、切出機構3による切出動作中の姿勢である待機姿勢E(図2に実線で示される姿勢)と、切出機構3の清掃を実施する姿勢である清掃姿勢D(図2に2点鎖線で示される姿勢)とに切替え可能に構成されている。本実施形態では、第1清掃部81は、上下に移動することで待機姿勢Eと清掃姿勢Dとに切替えられる。具体的には、清掃工程では、第1清掃部81が待機姿勢Eから下降して清掃姿勢Dをとり、切出機構3が切出姿勢Cから上昇して離間姿勢Tをとり、切出機構3の清掃が実施される。
【0035】
第1清掃部81は、切出機構3が多分割時として切出しを行った場合には、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52を清掃し、切出機構3が少分割時として切出しを行った場合には、広幅切出部材51を清掃するように構成されている。具体的には、図5に示すように、清掃工程では、切出しに使用された切出部材が第1清掃部81のブラシ部813に接触するように切出機構3を回転させる。図5には、狭幅切出部材52を清掃する場合を示しているが、広幅切出部材51を清掃する場合も同様である。ブラシ部813は、粉粒体Qを切出部材から掻き落とし、吹付部812は、切出部5に対して清掃用空気を吹き付け、同時に、吸引部811は、粉粒体Q及び清掃用空気を吸引する。切出機構3は、切出部5が、吹付部812により清浄用空気を吹き付けられる吹付位置で回転を停止し、付着した粉粒体Qが剥離されると回転を再開する。切出機構3が1回転する間に切出機構3が清掃される。
【0036】
図2に示すように、第2清掃部82は、切出機構3による切出動作中の姿勢である非接触姿勢L(図2に実線で示される姿勢)と溝底面211の清掃を実施する姿勢である接触姿勢M(図2に2点鎖線で示される姿勢)とに切替え自在に構成されている。第2清掃部82は、非接触姿勢Lでは、環状溝201の溝底面211から離間している。また、第2清掃部82は、接触姿勢Mでは、溝底面211に接触している。第2清掃部82には、溝底面211に付着した粉粒体Qを環状溝201の外へ掃き出すためのブラシ821及び溝底面211を拭うための拭い体822が設けられている。第2清掃部82は、清掃部8が清掃工程に入ると、非接触姿勢Lから下降して接触姿勢Mに切替えられ、溝底面211の清掃を開始する。
【0037】
第2切替部9は、第1清掃部81を清掃姿勢Dと待機姿勢Eとの間で切替えるように構成されている。第2切替部9は、第2切替軸91と、該第2切替軸91を軸中心として回動するベース部92と、を備える。ベース部92の一端に第2切替軸91が挿通され、ベース部92上には吸引部811が載置固定されている。第2切替部9は、ベース部92が上下に移動することで、第1清掃部81を清掃姿勢Dと待機姿勢Eとに切替える。
【0038】
図1に示すように、載置部10は、テーブル2の内周縁の内側に配置されている。本実施形態の載置部10は、板状に形成され、切出機構3、第1切替部7、清掃部8、及び第2切替部9を載置している。本実施形態では、載置部10は、テーブル2と共には回転しないように、所定の固定対象物に固定されている。
【0039】
制御部は、粉粒体分割装置1の動作を制御する部分である。制御部は、テーブル2の回転駆動の制御、切出機構3の切出動作の制御、切出機構3の姿勢の切替えの制御(第1切替部7の制御)、清掃部8の清掃動作の制御、及び清掃部8の姿勢の切替えの制御(第2切替部9の制御)等を行う。
【0040】
制御部は、多分割時には、1回目を狭幅切出部材52で切出し、2回目以降を広幅切出部材51で切出すように切出機構3を制御する。また、制御部は、少分割時には、1回目から最終回まで広幅切出部材51で切出すように切出機構3を制御する。更に、制御部は、多分割時及び第1少分割時には、切出部5を1回転させることで1包分の粉粒体Qを切出すよう切出機構3を制御し、第2少分割時には、切出部5を複数回回転させることで1包分の粉粒体Qを切出すように切出機構3を制御する。
【0041】
本実施形態の制御部は、テーブル2と切出機構3との相対回転中に、堰止部4及び切出部5を、狭幅切出部材52が切出方向下流側における環状溝201の下流側端縁213近傍に位置する初期位置P1から、広幅切出部材51が切出方向上流側における環状溝201の上流側端縁212に接近して切出しを開始する広幅切出開始位置P4まで、切出方向Sに回転させるように切出機構3を制御する。また、制御部は、テーブル2と切出機構3との相対回転中に、堰止部4及び切出部5を、狭幅切出部材52が切出方向上流側における環状溝201の上流側端縁212に接近する準備位置P2から、狭幅切出部材52による粉粒体Qの切出しを開始する狭幅切出開始位置P3まで、切出方向Sに回転させるように制御する。
【0042】
本実施形態の制御部は、切出機構3が多分割時として切出しを行った場合には、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52を清掃し、切出機構3が少分割時として切出しを行った場合には、広幅切出部材51を清掃するように、清掃部8を制御する。
【0043】
本実施形態に係る粉粒体分割装置1の説明は以上である。次に、粉粒体分割装置1の動作について、図6及び図7に示す切出機構3の状態、及び図8図10に示すフローを参照しつつ説明する。
【0044】
粉粒体分割装置1は、多分割時と少分割時とで切出機構3の動作が異なる。多分割時及び少分割時で共通する動作として、粉粒体分割装置1が切出動作を開始するまでの動作について説明する。
【0045】
薬剤師等のオペレータの指示(本実施形態では、粉粒体分割装置1の操作パネル上で粉粒体状である散剤(粉粒体Q)の分包を行う旨の指示)が、操作パネルのタッチ操作等により行われることによって、粉粒体分割装置1は、駆動を開始する(ステップS1)。不図示の回動駆動モータが駆動し、テーブル2が縦軸X回りに回転(分割方向Rへ回転)を開始する(ステップS2)。続いて、フィーダ等の供給手段が環状溝201へ粉粒体Qの供給を開始する(ステップS3)。粉粒体Qが環状溝201の全周に均等に振り撒かれ、粉粒体Qの供給が停止すると(ステップS4)、テーブル2は回転を停止する(ステップS5)。この状態では、切出機構3は、離間姿勢Tである。また、第1清掃部81は、待機姿勢Eであり、第2清掃部82は、非接触姿勢Lである。
【0046】
環状溝201への粉粒体Qの供給が完了すると、粉粒体分割装置1は、切出動作を開始する。切出動作が開始されると、図6の(a)及び図7の(a)に示すように、切出機構3は、離間姿勢Tをとった状態で、堰止部4及び切出部5を初期位置P1に位置させる。初期位置P1では、狭幅切出部材52が切出方向下流側における環状溝201の下流側端縁213近傍に位置し、広幅切出部材51が狭幅切出部材52よりも切出方向下流側に位置している。
【0047】
続いて、設定された分割数が、多分割時の分割数であるか否かが判断される(ステップS7)。設定された分割数が多分割時であると判断されると、切出機構3は、1回目を狭幅切出部材52で切出すための準備を開始する。具体的には、図6の(b)に示すように、切出機構3は、狭幅切出部材52が環状溝201の上流側端縁212に接近する準備位置P2まで、離間姿勢Tのまま切出方向Sに回転する(ステップS8)。
【0048】
切出機構3が準備位置P2で停止すると、図6(c)に示すように、切出機構3は、離間姿勢Tから切出姿勢Cとなるように下方側に移動する(ステップS9)。この状態で、堰止部4は、環状溝201の溝底面211に接触し、粉粒体Qを仕切った状態となる。準備位置P2では、狭幅切出部材52は、環状溝201の上流側端縁212よりも切出方向上流側に位置し、広幅切出部材51は、下流側端縁213よりも切出方向下流側に位置している(切出部5は、環状溝201の上流側端縁212及び下流側端縁213よりも外側に位置している)。続いて、1回目の切出しに先立ち、テーブル2が分割方向Rに回転すると共に、切出機構3は、準備位置P2から、狭幅切出部材52による粉粒体Qの切出しを開始する狭幅切出開始位置P3まで切出方向Sに回転する(ステップS10、図6(c)から図6(d))。狭幅切出開始位置P3では、狭幅切出部材52は、準備位置P2よりも更に環状溝201の上流側端縁212に接近し、広幅切出部材51は、環状溝201の下流側端縁213から切出方向下流側に更に離れた状態となっている。即ち、制御部は、準備位置P2及び狭幅切出開始位置P3で、広幅切出部材51が環状溝201よりも切出方向下流側に位置するように、切出機構3を回転させる。この制御により、狭幅切出部材52による切出しの際に、粉粒体Qが広幅切出部材51により切出されてしまうのを防止することができる。準備位置P2から狭幅切出開始位置P3までの切出機構3の回転は、テーブル2の回転と同時に実施されてもよく、テーブル2の回転とは別に(テーブル2の回転の後に)実施されてもよい。
【0049】
そして、テーブル2が1回目の切出しに対応した所定角度回転したか否かが判断される(ステップS11)。テーブル2が所定角度回転したと判断されると、テーブル2は停止し(ステップS12)、図6(d)に示すように、切出機構3は、狭幅切出部材52による切出しを開始できる状態となる。そして、狭幅切出部材52による1回目の切出しが開始される(ステップS13、図6(e)にも示す)。
【0050】
続いて、切出機構3が初期位置P1(図6(f)に示す位置)まで回転したか否が判断される(ステップS14)。即ち、狭幅切出部材52による切出しが終了したか否かが判断される。切出機構3が初期位置P1まで回転したと判断されると、2回目の切出しに先立ち、テーブル2が分割方向Rに回転する(ステップS15)。そして、テーブル2が2回目の切出しに対応した所定角度回転したか否かが判断される(ステップS16)。テーブル2が所定角度回転したと判断されると、テーブル2は停止し(ステップS17)、図6(g)に示すように、切出機構3は、広幅切出部材51による切出しを開始できる状態となる。
【0051】
ここで、テーブル2の回転中に、切出機構3は、初期位置P1から、広幅切出部材51による粉粒体Qの切出しを開始する広幅切出開始位置P4まで切出方向Sに回転する(切出機構3は、図6(f)の状態から図6(g)の状態となるまで回転する)。広幅切出開始位置P4では、広幅切出部材51は、切出方向上流側における環状溝201の上流側端縁212に接近している。具体的には、図6(g)に示すように、広幅切出部材51は、環状溝201の上流側端縁212よりも切出方向上流側に位置している(環状溝201の上流側端縁212よりも外側に位置している)。2回目の切出しに対応したテーブル2の回転角度は、1回目の切出しに対応したテーブル2の回転角度よりも大きいため、堰止部4が回転中の溝底面211に引きずられ、堰止部4から振動及び騒音(ビビリ)が生じ易い。このように、テーブル2の回転中に、切出機構3を初期位置P1から広幅切出開始位置P4まで回転させることで、テーブル2の回転中に堰止部4を環状溝201の溝底面211に対して接触させながら回転させることができるので、停止状態の堰止部4が回転中の溝底面211に引きずられることにより堰止部4から生じる振動及び騒音(ビビリ)を抑制することができる。
【0052】
更に、本実施形態では、広幅切出部材51と狭幅切出部材52との第1周方向距離J1が環状溝201の切出方向距離Fよりも大きく設定される一方で、広幅切出部材51と狭幅切出部材52とが接近して配置される距離に設定されていることで、初期位置P1で広幅切出部材51をできる限り切出方向上流側に位置させ、広幅切出開始位置P4までの広幅切出部材51の移動距離(回転距離)を長くとることができる。ビビリを抑制するためには堰止部4を所定の速度以上で回転させる必要があるが、第1周方向距離J1を切出方向距離Fよりも若干大きく設定することで、テーブル2の回転中における堰止部4の回転距離を長く取ることができる。
【0053】
そして、広幅切出部材51による2回目の切出しが開始される(ステップS18)。再度、切出機構3が初期位置P1(図6(h)に示す位置)まで回転したか否が判断される(ステップS19)。即ち、広幅切出部材51による切出しが終了したか否かが判断される。切出機構3が初期位置P1まで回転したと判断されると、周方向の全周で最終回までの全ての切出しがされたか否かが判断される(ステップS20)。周方向の全周で最終回までの全ての切出しがされていないと判断されると、3回目の切出しに先立ち、テーブル2が分割方向Rに回転する(ステップS15)。そして、ステップS16以降のステップを繰り返し、3回目、4回目が広幅切出部材51によって切出される。周方向の全周で最終回までの全ての切出しがされたと判断されると、切出動作が終了する(ステップS21)。なお、2回目の切出しでは、1回目の切出しにより粉粒体Qが切出されたテーブル2上の領域を含むように切出しが行われる。これにより、1回目の分割量を狭幅切出部材52の幅に応じた所望の量で切出しつつ、2回目以降も1回目と同量となるように切出すことができる。
【0054】
広幅切出部材51による2回目の切出しが終了すると、切出機構3が初期位置P1まで回転する。その後、3回目の切出しに先立ち、切出機構3が初期位置P1にある状態で、テーブル2の分割方向Rへの回転を開始し、切出機構3は広幅切出部材51による切出しを開始できる状態となる。このため、多分割時の2回目以降の切出しの際に、切出機構3を切出姿勢Cとしたまま切出しを行うことができ、効率良く切出動作を行うことができる。
【0055】
ステップS7において、設定された分割数が、少分割時の分割数であると判断されると、切出機構3は、1回目を広幅切出部材51で切出すための準備を開始する。具体的には、図7(b)に示すように、切出機構3は、初期位置P1に位置した状態で、離間姿勢Tから切出姿勢Cとなるように下方側に移動する(ステップS101)。1回目の切出しに先立ち、テーブル2が分割方向Rに回転する(ステップS102)。そして、テーブル2が1回目の切出しに対応した所定角度回転したか否かが判断される(ステップS103)。テーブル2が所定角度回転したと判断されると、テーブル2は停止し(ステップS104)、図7(c)に示すように、切出機構3は、広幅切出部材51による切出しを開始できる状態となる。
【0056】
ここで、テーブル2の回転中に、切出機構3は、初期位置P1から、広幅切出部材51による粉粒体Qの切出しを開始する広幅切出開始位置P4まで切出方向Sに回転する(切出機構3は、図7(b)の状態から図7(c)の状態となるまで回転する)。この動作によって、多分割時と同様に、振動及び騒音(ビビリ)を抑制することができる。
【0057】
そして、広幅切出部材51による1回目の切出しが開始される(ステップS105、図7(d)にも示す)。続いて、切出機構3が初期位置P1(図7(e)に示す位置)まで回転したか否かが判断される(ステップS106)。即ち、広幅切出部材51による切出しが終了したか否かが判断される。切出機構3が初期位置P1まで回転したと判断されると、周方向の全周で最終回までの全ての切出しがされたか否かが判断される(ステップS107)。周方向の全周で切出しがされていないと判断されると、2回目の切出しに先立ち、テーブル2が分割方向Rに回転すると共に、振動及び騒音防止のために、切出機構3が初期位置P1から広幅切出開始位置P4まで回転する(ステップS102、切出機構3は、図7(e)の状態から図7(f)の状態となるまで回転する)。そして、ステップS103以降のステップを繰り返す。そして、最終回までの全ての切出しが広幅切出部材51によって実施される。周方向の全周で最終回までの全ての切出しがされたと判断されると、切出動作が終了する(ステップS108)。
【0058】
特に図示するものでは無いが、ステップS7において、設定された分割数が、少分割時の分割数であると判断されると、更に、その分割数が基準少分割数を超える分割を行う第1少分割時の分割数であるか、該第1少分割時よりも分割数が少ない第2少分割時の分割数であるかが判断されてもよい。設定された分割数が第1少分割時の分割数であると判断されると、切出機構3は、上記のステップS102以降のステップに従って動作する(切出機構3が1回転することで1分割する)。設定された分割数が第2少分割時の分割数であると判断されると、切出機構3は、1分割を、複数回の切出しにより行う。具体的には、テーブル2及び切出機構3は、ステップS102からステップS106までの動作を複数回繰り返すことで1分割分の切出しを行う。
【0059】
本実施形態では、基準少分割数を14とし、第1少分割時には、14分割から93分割までの分割を行い、第2少分割時には、13分割以下の分割を行う。また、基準少分割数での1分割当たりのテーブル2の回転角度である基準角度に基づいて、第2少分割時における1分割当たりの切出機構3の切出し回数が設定されている。具体的には、第2少分割時の1分割当たりのテーブル2の回転角度を上記の基準角度で除して得られる値を、小数点以下を切り上げて1分割時の切出機構3の切出し回数としている。
【0060】
更に説明する。14分割時の基準角度を25.71度(360度/14分割)として第2少分割時における切出機構3の切出し回数(回転回数)を定めている。例えば、粉粒体Qを13分割する際には、1分割当たりのテーブル2の回転角度27.69度(360度/13分割)を基準角度25.71度で除した値は1.07となり、小数点以下を切り上げて、2とする。即ち、13分割時には、切出機構3の1回転毎に、テーブル2は、1分割当たりの回転に対して1/2回転する。つまり、切出機構3を2回転させることによって1分割分を切出す。また、例えば、粉粒体Qを6分割する際には、1分割当たりのテーブル2の回転角度60度(360度/6分割)を基準角度25.71度で除した値は2.33となり、小数点以下を切り上げて、3とする。即ち、6分割時には、切出機構3の1回転毎に、テーブル2は、1分割当たりの回転に対して1/3回転する。つまり、切出機構3を3回転させることによって1分割分を切出す。本実施形態では、基準少分割数を14としたが、基準少分割数は、14でなくてもよく、自由に設定することができる。
【0061】
粉粒体分割装置1は、切出動作が終了すると、切出機構3及び溝底面211の清掃を開始する。ここでは、切出機構3の清掃の制御フローについて説明する。
【0062】
図10に示すように、切出機構3の清掃が開始すると(ステップSS1)、切出機構3は、切出姿勢Cから離間姿勢Tとなるように上方側に移動し、第1清掃部81は、待機姿勢Eから清掃姿勢Dとなるように下方側に移動する(ステップSS2)。続いて、先の切出動作が多分割時として実施されたかについて判断され、多分割時として実施されたと判断された場合には(ステップSS3でYes)、第1清掃部81は、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52を清掃する(ステップSS4)。具体的には、離間姿勢Tに移動した切出機構3が初期位置P1から1回転する間に清掃が終了する。切出機構3が1回転する間、先ず切出方向下流側に位置する広幅切出部材51がブラシ部813に接触し、次に狭幅切出部材52がブラシ部813に接触する。これにより、各切出部材51,52に付着した粉粒体Qがブラシ部813により掻き落とされる。さらに、切出機構3は、初期位置P1から1回転する間に、切出部5が吹付部812により清掃用空気が吹き付けられる吹付位置に位置すると、回転を停止する。吹付位置では、吹付部812が切出部5に清掃用空気を吹き付け、堰止部4、切出部5、及びカバー体6に付着した粉粒体Qが剥離される。剥離された粉粒体Qは、吸引部811に吸引される。先の切出動作が多分割時である場合、先ず切出方向下流側に位置する広幅切出部材51を吹付位置に位置させ、広幅切出部材51側の切出部5に清掃用空気を吹き付ける。次に狭幅切出部材52を吹付位置に位置させ、狭幅切出部材52側の切出部5に清掃用空気を吹き付ける。
【0063】
ステップSS3において、先の切出動作が少分割時として実施されたと判断された場合には(ステップSS3でNo)、第1清掃部81は、広幅切出部材51のみ清掃する(ステップSS5)。即ち、少分割時における清掃工程は、狭幅切出部材52が清掃されない点で、多分割時の清掃工程とは異なる。具体的には、切出機構3が1回転する間、切出方向下流側に位置する広幅切出部材51がブラシ部813に接触し、広幅切出部材51に付着した粉粒体Qがブラシ部813により掻き落とされる。続いて、広幅切出部材51を吹付位置に位置させ、広幅切出部材51側の切出部5に清掃用空気を吹き付ける。広幅切出部材51への清掃用空気の吹き付けが終了すると、切出機構3は、狭幅切出部材52が吹付位置を通過するように、回転を停止することなく1回転し、広幅切出部材51の清掃を終了する。即ち、少分割時における清掃工程では、狭幅切出部材52に清掃用空気を吹き付ける工程が省略されるので、多分割時における清掃工程よりも時間が短縮される。以上のように、第1清掃部81は、切出機構3に付着した粉粒体Qを除去し、清掃工程が終了する(ステップSS6)。
【0064】
以上のように、本実施形態の粉粒体分割装置1によれば、分割数が多い(1分割当たりのテーブル2の回転角度が小さい)場合には、1回目を幅の狭い切出部材(狭幅切出部材52)で切出し、2回目以降を幅の広い切出部材(広幅切出部材51)で切出せるので、1回目の分割量を狭幅切出部材52の幅に応じた所望の量で切出しつつ、2回目以降も1回目と同量となるように切出すことができる。また、分割数が少ない(1分割当たりのテーブル2の回転角度が大きい)場合には、幅の広い切出部材(広幅切出部材51)で切出すことで、一度に切出せる量を増加させることができる。このように、上記構成の粉粒体分割装置1は、分割数に応じて切出部材を使い分けることができるので、分割数が少ない場合、及び分割数が多い場合に対応することができ、且つ切出し効率がよい。
【0065】
また、本実施形態によれば、第1周方向距離が第2周方向距離よりも短い分、堰止部4及び切出部5が初期位置にあるときの広幅切出部材51を、堰止部4及び切出部5が広幅切出開始位置にあるときの広幅切出部材51から切出方向Sにおいて遠ざけることができる。そのため、テーブル2と切出機構3との相対回転中に、堰止部4の回転距離を前記遠ざけた分長く確保することができるので、テーブル2と切出機構3との相対回転中に堰止部4と切出部5とが回転する状態を長く維持することができ、前記相対回転中の振動や騒音を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、多分割時に狭幅切出部材52で粉粒体Qを切出す間、広幅切出部材51を環状溝201の外側に位置させることができるので、広幅切出部材51が狭幅切出部材52による切出しを邪魔することなく、狭幅切出部材52によって正確な量を切出すことができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52が使用された場合には、広幅切出部材51及び狭幅切出部材52を清掃し、広幅切出部材51が使用された場合には、広幅切出部材51を清掃するので、多分割時における切出し及び少分割時における切出しの何れかのモードに応じて、使用された切出部材を清掃することができる。そのため、かかる構成によれば、切出部材を効率的に清掃することができる。即ち、粉粒体Qによって汚れた切出部材のみを清掃することで、清掃時間を短縮することができ、次の切出動作を迅速に開始することができる。
【0068】
上記実施形態では、多分割時の2回目以降の切出しの際に、切出機構3を切出姿勢Cとしたまま切出しを行うことができる。即ち、上記実施形態では、広幅切出部材51の幅W1は狭幅切出部材52の幅W2よりも広いため、2回目以降の切出しで、広幅切出部材51が環状溝201を通過した後、狭幅切出部材52が環状溝201を通過しても、粉粒体Qが余分に切出されることが無く、切出機構3の姿勢を切替える必要がない。そのため、上記実施形態では、2回目以降を狭幅切出部材52で切出す際に必要となる制御(例えば、1回目の切出し後、切出機構3を切出姿勢Cから離間姿勢Tに切替えてから狭幅切出開始位置P3へ移動させ、更に切出姿勢Cとする制御等)をする必要がなく、効率良く切出動作を行うことができる。
【0069】
尚、本発明の粉粒体分割装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0070】
上記実施形態では、切出機構3は、粉粒体Qを環状溝201の径外方向に切出す場合について説明したが、これに限定されるものではない。切出機構3は、粉粒体Qを環状溝201の径内方向(即ち、テーブルの中心側に向かって)に切出すように構成されていてもよい。
【0071】
上記実施形態では、テーブル2と切出機構3との相対回転は、切出機構3が停止し、テーブル2が回転することで実施される場合について説明したが、これに限定されるものでは無い。テーブル2と切出機構3との相対回転は、テーブル2が停止し、切出機構3が回転することで実施されてもよい。また、テーブル2及び切出機構3の双方が回転することで実施されてもよい。
【0072】
上記実施形態では、第1基準分割数(最大分割数)を93として、広幅切出部材51の幅W1を設定した場合について説明したが、第1基準分割数(最大分割数)は自由に設定可能である。また、上記実施形態では、第2基準分割数を135として、狭幅切出部材52の幅W2を設定した場合について説明したが、第2基準分割数は自由に設定可能である。即ち、広幅切出部材51の幅W1及び狭幅切出部材52の幅W2は自由に設定可能である。
【0073】
上記実施形態では、ビビリ防止の観点から第1周方向距離J1が第2周方向距離J2よりも短い場合について説明したが、第1周方向距離J1及び第2周方向距離J2は、同じ長さであってもよい。
【0074】
上記実施形態では、少分割時が第1少分割時及び第少2分割時で構成され、第2少分割時に、切出機構3が複数回回転することによって1分割分の分量を切出す場合について説明した。しかしながら、第2少分割時に、切出機構3が1回転することで1分割分を切出してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…粉粒体分割装置、2…テーブル、21…溝部、22…平板部、201…環状溝、211…溝底面、212…上流側端縁、213…下流側端縁、3…切出機構、4…堰止部、5…切出部、51…広幅切出部材(第1切出部材)、52…狭幅切出部材(第2切出部材)、53…固定部、511…広幅切出本体、512…広幅弾性ブレード、521…狭幅切出本体、522…狭幅弾性ブレード、531…広幅用固定部、532…狭幅用固定部、6…カバー体、61…広幅用カバー体、62…狭幅用カバー体、7…第1切替部、71…第1切替軸、72…アーム、8…清掃部、81…第1清掃部、82…第2清掃部、811…吸引部、812…吹付部、813…ブラシ部、9…第2切替部、91…第2切替軸、92…ベース部、10…載置部、C…切出姿勢、D…清掃姿勢、E…待機姿勢、J,J1…第1周方向距離、J,J2…第2周方向距離、H…ホッパー、L…非接触姿勢、M…接触姿勢、P…連結軸、Q…粉粒体、R…分割方向、S…切出方向、T…離間姿勢、W1…広幅切出部材の幅、W2…狭幅切出部材の幅、X…縦軸、Y…横軸、P1…初期位置、P2…準備位置、P3…狭幅切出開始位置、P4…広幅切出開始位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10