(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カードユニットの返却スイッチが操作されると、前記枠制御装置は記憶する前記持ち遊技媒体数を全て前記カードユニットに移動させることを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここに、一般的な弾球遊技機は、遊技領域に設けられた入賞口や始動口への遊技球の入球を検知し、該検知に従って遊技を進行させる主制御装置と、該主制御装置からの信号に従って賞球の払い出し作動を制御する枠制御装置(又は、払出制御装置)とを備え、該主制御装置と枠制御装置とが双方向通信可能に設けられている。上記した従来(特許文献1)の封入式の弾球遊技機にあっても、同様に、主制御装置と枠制御装置とが双方向通信可能に設けられた構成である。ところが、こうした構成では、枠制御装置がICカードを挿入するカードユニット(以下、CRユニットという)とデータや信号を送受信可能であることから、カードユニットと枠制御装置とを介して主制御装置に外部からアクセスされる虞があった。
【0006】
この虞は、管理遊技機(上記した封入遊技機を含む)では一層危惧される。管理遊技機は、CRユニットが遊技店(ホール)内の管理コンピュータ(所謂、ホールコンピュータ)に接続され、該管理コンピュータが広域ネットワークによりカード会社情報管理センタと接続されている。そのため、こうした管理遊技機では、広域ネットワークを介することによって、外部から主制御装置にアクセスされる可能性が高まる。
もし仮に、主制御装置に外部から不正にアクセスされてしまうと、該主制御装置を不正に操作されて、不正な利益を生ずるという問題が懸念される。そのため、少なくとも遊技の性能に影響を与える情報、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報(特定情報)を、主制御装置が枠制御装置から受信できない構成が求められる。
【0007】
一方、主制御装置と枠制御装置とが双方向通信可能な従来構成では、該主制御装置が、入賞口や始動口への入球を検知した情報と、枠制御装置から受信する賞球などの情報とに基づいて、遊技が正常に進行しているか否かを確認し、異常があった場合には所定の対応を行う処理手段を備えていた。しかしながら、上述したように、特定情報を主制御装置が受信できない構成とすると、遊技が正常に進行しているか否かを確認することができない虞がある。
この虞
は、回胴式遊技機でも同様である。
【0008】
本発明は、前記課題を解決することのできる回胴式遊技機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の
関連発明は、始動レバー、停止ボタン、及びベットボタンが接続されている主制御装置と、
枠制御装置と
を備え、前記主制御装置は前記枠制御装置から予め定められた情報を受信できない回胴式遊技機であって、
前記始動レバー及び
前記ベットボタンがそれぞれ操作される度に、
前記始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号、及び
前記ベットボタンの操作に伴う減算対象の持ち遊技媒体数に対応する信号
を前記主制御装置から前記枠制御装置に送信
するデータ送信手段と、
前記枠制御装置
は、前記持ち遊技媒体数を記憶する記憶手段と、前記データ送信手段から受信したデータに応じて、
前記記憶手段に記憶されている
前記持ち遊技媒体数を更新
するデータ更新手段と、を有し、
前記枠制御装置には、警告情報を遊技者に報知する警告情報報知手段が接続されており、
前記枠制御装置は、当該枠制御装置に記憶されている
前記持ち遊技媒体数が零である持ち遊技媒体数零状態で、
前記ベットボタンの操作に伴う減算対象の
前記持ち遊技媒体数に対応する信号を受信すると、前記警告情報報知手段を介して第一の警告情報を報知する第一の警告情報報知処理を実行することを特徴とする回胴式遊技機である。
【0010】
ここで、「
予め定められた特定情報を受信できなく」とは、主制御装置から送信された情報を枠制御装置が受信可能であるが、枠制御装置から主制御装置は特定情報を受信不能であることを示す。これは、枠制御装置が特定情報を送信できない構成、主制御装置が特定情報を受信拒否する構成により具現化できる。主制御装置が特定情報を受信拒否する構成とは、受信しても使用できない構成も含む。少なくとも特定情報を受信不能とするので、特定情報以外の情報は、受信可能でも不可能でも良い。
また、遊技媒体としては、コイン(メダル)が採用可能であり、持ち遊技媒体数とは、例えば持ちコイン数であり、ICカードやRAM等の記憶媒体に記憶されたコイン数であ
る。
【0011】
かかる構成にあっては、枠制御装置から特定情報を主制御装置が受信できないことから、外部から主制御装置へ遊技の性能に影響を与える情報又は遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報である不正なアクセスを防止できる。すなわち、上記した管理遊技機であっても、広域ネットワークを介する主制御装置への不正な侵入をも、確実に防止できる。
【0012】
また、前記第一の警告情報報知処理を実行開始した後で始動レバーが操作されて当該始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を受信すると、前記第一の警告情報とは異なる第二の警告情報を報知する第二の警告情報報知処理を実行する構成が提案される。
【0013】
この場合、持ち遊技媒体数が零である持ち遊技媒体数零状態で、ベットボタンを操作した場合、第一の警告情報が報知され、当該第一の警告情報が報知されたにもかかわらず始動レバーを操作した場合には、第二の警告情報が報知されるため、遊技者に対して持ち遊技媒体数の不足を適切に報知することができる。当該報知は遊技者のみならず管理者(遊技機設置店舗従業員等)に対しても行うことができるため、頻繁に警告情報が報知される遊技機を使用している遊技者を重点的に監視する、又は遊技者に注意を促す等を行いやすい。
【0014】
また、前記第二の警告情報報知処理は、前記第一の警告情報報知処理を実行した後で操作された始動レバーに起因するゲームを中断する処理を含む構成が提案される。
【0015】
さらに、前記第二の警告情報報知処理は、前記主制御装置又は当該回胴式遊技機への供給電力の供給を中断する処理を含む構成が提案される。
【0016】
またさらに、前記第二の警告情報報知処理は、始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を無効として、当該ゲームにおける停止ボタンの操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号に基づく持ち遊技媒体数の更新を実行しない処理を含む構成が提案される。
【0017】
かかる構成とすることにより、持ち遊技媒体数が不足しているにもかかわらず遊技が実行されてしまうことを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の回胴式遊技機にあっては、主制御装置は特定情報を受信できないので、不正行為を含む所定の遊技進行行為とは異なる行為が行われた場合に、適切な対応を実行することができる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【0025】
〔実施例1〕
図1に示すように、本実施例の回胴式遊技機1の前面には表示窓2(3×3の停止図柄の有効領域を表示可能とする)を備えた表示パネル3が設けられている。
【0026】
表示窓2の背後には回胴である3本のリール4(それぞれを区別する場合は、左から順にリール4L、4C、4R、その他の部品等についても左、中、右を区別する場合は符号にL、C、Rを添える。)を有する図示しない回胴機構部が配されており、各リール4に設けられている図柄の中の3図柄ずつを表示窓2から視認できる。また、表示窓2の周囲にはベットランプ5や複数のデジタル表示装置6等が配されている。
【0027】
表示窓2の下方には、ベットボタン7、始動レバー8、3つの停止ボタン9(それぞれを区別する場合は、左から順に停止ボタン9L、9C、9R)等を備える操作部11が設けられている。そして、さらに下方にはスピーカボックス13、遊技可能な持ちコイン数を表示する持ちコイン数表示装置51を備える下部構造部14が設けられている。
【0028】
なお、ベットボタン7は、図示したマックスベットボタン(3枚ベット)以外にも、図示しない1枚ベットボタン、2枚ベットボタンも含む。
【0029】
また、本実施例の回胴式遊技機1は、ICカードの読み書きなどを行うカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。CRユニット56には、ICカードを挿入および取り出し可能なカード挿入口59と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口58とを備え、さらに、該CRユニット56の下部から右方へ突出するように、ユニット表示装置57が設けられている。このユニット表示装置57は、タッチパネル式のLCD画面を備え、該画面に、前記カード挿入口59に挿入されたICカードに記憶されたクレジット残高(又は、クレジット残高内で貸出可能なコイン数)などが表示される。そして、このクレジット残高(又は、貸出可能なコイン数)は、コインの貸出や返却に応じて更新される。尚、このユニット表示装置57の表示態様については、その詳細を後述する。
【0030】
また、
図2に示すように、回胴式遊技機1は、CRユニット56を介してホールコンピュータ(遊技店の管理コンピュータ)87に接続され、さらに、広域ネットワークを介して外部の情報管理センタに接続されている(図示せず)。これにより、各回胴式遊技機1は、夫々の認証情報に基づいて、メーカーからの出荷情報、設置された遊技店の情報、遊技店間での移動情報、廃棄情報等が管理され、不正な使用や不正な改造などを防ぐ高いセキュリティ能力を有している。こうした回胴式遊技機1は、管理遊技機とも呼ばれている。
【0031】
回胴式遊技機1の電気的接続は、
図2に示す通りに構成されており、主制御装置40はCPU、入力ポート、出力ポート等を備えている。
【0032】
また、主制御装置40には、ベットボタン7の操作信号、始動レバー8の操作信号(始動信号)、停止ボタン9L〜Rの操作信号(停止信号)、各リール4の位置検出センサ41の信号等が入力される。
【0033】
さらに、主制御装置40の出力側には、ベット数表示装置43、加算コイン数表示装置44、RBゲーム数表示装置45、RB実行数表示装置46、カウント数表示装置47、リール4を回動させる駆動モータ28L、28C、28R、リール4を発光させる投光ランプ31L、31C、31R、及び中継基板48、が接続されている。なお、ベット数表示装置43は、遊技者の持ちコイン数にかかわらず単にベット操作に基づいて1ゲーム毎に消化されるコイン数を表示するものである。また、加算コイン数表示装置44は、遊技者の持ちコイン数にかかわらず単に入賞の結果加算されるコイン数を表示するものである。さらに、カウント数表示装置47は、遊技者の持ちコイン数にかかわらず電源投入後のゲーム数をカウント表示するものである。これらベット数表示装置43、加算コイン数表示装置44、又はカウント数表示装置47は例えばデジタル表示装置6で表示されてもよいし、回胴式遊技機1とは別の外部表示装置で表示されてもよい。
【0034】
また、主制御装置40は、CPUがプログラムに従って動作することにより、上述のベットボタン7の操作信号等に基づいてベット数表示装置43、加算コイン数表示装置44、RBゲーム数表示装置45、RB実行数表示装置46、カウント数表示装置47の表示、駆動モータ28の回転及び停止、並びに、投光ランプの点灯及び消灯等を制御する。
【0035】
中継基板48には音・ランプ制御装置49が接続されており、主制御装置40は中継基板48経由で音・ランプ制御装置49に指令データを送ることで、効果音などの音声出力と電飾類の点灯及び消灯を間接的に制御する。
【0036】
なお、演出画像表示装置が備えられることがあり、その場合、演出画像表示装置を制御するための演出画像表示装置が音・ランプ制御装置49に接続される。演出画像表示装置は、主制御装置40が中継基板48に送出した指令データ又はこのデータに基づいて音・ランプ制御装置49が生成したデータを受信し、これに従って演出画像表示装置を制御する。
【0037】
この構成の場合、加算コイン数表示装置44、RBゲーム数表示装置45、RB実行数表示装置46及びカウント数表示装置47のいずれか又は全部を廃して、その表示を演出画像表示装置にて行ってもよい。
【0038】
また、主制御装置40の出力側には、枠制御装置50が接続されている。
ここで、本実施例では、少なくとも主制御装置は枠制御装置から遊技の性能に影響を与える情報又は遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報(以下、「特定情報」という。)を受信できないよう構成されている。主制御装置から送信された情報を枠制御装置が受信可能であるが、枠制御装置から主制御装置は特定情報を受信不能に構成されている。これは、枠制御装置が特定情報を送信できない構成、主制御装置が特定情報を受信拒否する構成により具現化できる。例えば、プログラムにより特定情報であるか否かを判断し、特定情報であれば送信しない又は受信を拒否する等により具現化可能である。少なくとも特定情報を受信不能とするので、特定情報以外の情報は、受信可能でも不可能でも良い。
特定情報とは、遊技の性能に影響を与える情報又は遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報であり、持ちコイン数、遊技の結果を示すデータ、RBゲーム数、当選確率、始動信号、停止信号等が考えられる。
特定情報以外の情報とは、例えば、遊技機監視用の固有IDに関する情報、主制御装置が送信した情報を枠制御装置が受信したことのみを知らせる情報等が考えられる。
なお、特定情報以外の情報も主制御装置が受信できない構成の場合には、枠制御装置50から主制御装置40への信号出力は不能の一方向通信としても良い。枠制御装置50は、持ちコイン数を記憶する記憶装置(RAM)を具備しており、主制御装置40から受信した減算対象となる持ちコイン数に対応する信号に基づいて持ちコイン数の減算処理(更新)を行い、停止ボタンの操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号に基づいて持ちコイン数の加算処理(更新)を行う。
なお、主制御装置40は、メイン制御基板とサブ制御基板とによって構成しても勿論よい。
【0039】
ここで、枠制御装置50は、CRユニット56を介してホールコンピュータ87に接続され、さらに広域ネットワークを介して外部の情報管理センタに接続されている(上記した管理遊技機)。主制御装置40は、こうした枠制御装置50からアクセス不能であることから、該広域ネットワークを介した外部からの信号を一切入力できない。これにより、主制御装置40に、遊技性能に影響を与えようとする不正な信号が外部から入力されることを、確実に防止できる。
【0040】
また、枠制御装置50には持コイン数表示装置51が接続され、カードユニット56には、返却スイッチ69、貸出スイッチ68及び前述したユニット表示装置57が接続されている。
【0041】
持コイン数表示装置51は、貸出スイッチ68が操作されて貸し出されたコイン数を持コイン数として表示する。持コイン数は、遊技の進行に従って増減する。
返却スイッチ69が操作されると、枠制御装置50に記憶された持コイン数がカードユニット56に出力されICカードに記憶される。
持コイン数表示装置51は、カードユニット56に接続しても良い。この場合、ユニット表示装置57の画面上に持コイン数を表示する構成が考えられる。また、返却スイッチ69及び貸出スイッチ68は、ユニット表示装置57のタッチパネルを用いることも考えられる。更に、返却スイッチ69及び貸出スイッチ68を枠制御装置50に接続することも考えられる。
【0042】
また、返却スイッチ69はICカードを取り出す(排出する)機能も有するが、返却スイッチ69とは別に、枠制御装置50が記憶しているコイン数データをICカードに移行させる専用の計数スイッチを設けても良い。この専用の計数スイッチは、枠制御装置50に備えるのが好適だが、カードユニット56に備えても良い。
専用の計数スイッチは、計数スイッチの操作時間又は操作量に応じて枠制御装置50が記憶しているコイン数データをICカードに移行させ、枠制御装置50が記憶するコイン数は移行させたコイン数だけ減算される。従って、コイン数データを全て移行させれば、枠制御装置50が記憶するコイン数は零になる。
【0043】
図3に示すとおり、各リール4L(左図柄)、4C(中図柄)、4R(右図柄)にはそれぞれの21個の図柄(重複しているので図柄の種類は7種類)が印刷されている。
【0044】
ここで、主制御装置40は、役抽選部を備え、役抽選部は、あらかじめ複数定められた役について当選か否かを決定する役抽選を行う。さらに具体的には、乱数発生部と、乱数抽出部と、抽選テーブルと、役抽選判定部等を備えている。
【0045】
ここで、役抽選では、抽出した乱数と抽選テーブルの当選確率とを参照して、いずれか一つの当選役の当選、又は全ての当選役の落選(ハズレ)を決定する。本実施例では、具体的に第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルを少なくとも備えている。なお、第2抽選テーブルで定められている内部当選確率は、第1抽選テーブルで定められている内部当選確率よりも高くなるように設定されており、高確率区間においては第2抽選テーブルに基づいて役抽選が実行され、低確率区間においては第1抽選テーブルに基づいて役抽選が実行される。
【0046】
そして、回胴式遊技機1にあっては、第1抽選テーブルに従って役抽選を実行する低確率区間と、第1抽選テーブルよりも遊技者にとって有利な第2抽選テーブルに従って役抽選を実行する高確率区間とが選択的に発生して遊技が進行する。本実施例においては低確率区間から高確率区間への移行や、高確率区間から低確率区間への移行は1回の役抽選のたびに1回実行されるが、1回の役抽選について複数回区間移行の抽選が実行されてもよいし、特定の役に当選したときにのみ区間移行の抽選が実行されてもよい。
【0047】
次に回胴式遊技機1の動作を、主制御装置40が実行する処理に従って説明する。
【0048】
図4に示すように、遊技進行処理は1回のゲームを実行する際に行われる処理であり、まず、前回のゲームの結果がリプレイであるか否かを判定する(S101)。そして、リプレイであればS103へ移行し、リプレイでなければS102へ移行する。
【0049】
そしてベット処理(S102)を実行した後、始動レバー8の操作が行われたか否かを判定する(S103)。ここで、始動レバー8の操作が行われていればS104へ移行し、始動レバー8の操作が行われていなければ遊技進行処理を終了する。
【0050】
S104では、第一の警告情報が報知されたか否かを判定する。第一の警告情報が報知されていればS106へ移行し、第一の警告情報が報知されていなければS105へ移行する。なお、第一の警告情報を報知する処理は、後述するS102のベット処理内で実行される。
【0051】
S105では、役抽選が実行される。なお、役抽選の結果については、「始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」として枠制御装置50に送信される。
【0052】
S106では第二の警告情報が報知される。そしてその後、遊技進行処理を終了する。第二の警告情報を報知する処理については後述する。
【0053】
S107では、左リール4L、中リール4C、及び右リール4Rを全て回動開始させる処理を実行する。回動しているリール4が全て定常回転したらS108へ移行する。
【0054】
S108では、回転しているリール4に対応する停止ボタン9が操作されたか否かを判定し、全てのリール4が停止するまで待機する(S109)。なお、全てのリール4が停止したときの図柄の表示態様は、「停止ボタンの操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号」として枠制御装置50に送信される。
【0055】
そして、全リール4が停止すると、当選役に入賞して配当があるか否かを判定する(S110)。配当がある場合は入賞した役に対応する配当に相当するコインを加算する加算処理を実行する(S111)。一方、配当がなければ次の遊技進行処理に移行する。
【0056】
次に、遊技進行処理においてS102で実行されるベット処理の内容について
図5に従って説明する。この
図5に示す処理は、枠制御装置50において実行される。
【0057】
まず、ベットボタン7が操作されたか否かを判定する(S201)。この判定処理は、主制御装置40からの送信データに従って行われる。操作されたベットボタン7に対応するデータが主制御装置40から枠制御装置50に送信される。ベット数が異なるベットボタン7を有する場合はベット数を示すデータ、ベットボタン7が1個の場合は操作されたことを示すデータが送信される。このとき、枠制御装置50は、データを受信したことをのみを示す信号(特定情報以外の信号)を主制御装置40に送信しても良い。主制御装置40は、操作されたベットボタン7に対応するデータを送信したときから所定時間経過しても、特定情報以外の信号を受信できなければ、再送信することができる。
ベットボタン7が操作された場合はS202へ移行し、ベットボタン7が操作されていない場合はベット処理を終了する。
【0058】
S202では、当該ゲームにおいて既に持ちコイン数の減算処理が実行されているか否かを判定する。減算処理が実行されていればS206へ移行して減算されていた持ちコイン数がリセット(直前の値に復帰)され、減算処理が実行されていなければS203へ移行する。
【0059】
S203では、ベットボタン7に対応する持ちコイン数の減算処理を実行する。その後、S204へ移行する。例えば、S206の実行後においては、新たに操作されたベットボタン7の操作に応じて持ちコイン数が減算される。なお、持ちコイン数を減算する処理については、「各ベットボタンの操作に伴う減算対象の持ちコイン数に対応する信号」として枠制御装置50に送信される。
本実施例では、ベットボタンが操作されると対応する信号が枠制御装置50に送信され、枠制御装置50は、操作されたベットボタンに対応するベット数を記憶する持コイン数から減算する。なお、始動レバーが操作されることにより、減算するベット数を確定する構成でも良い。
【0060】
S204では、減算処理の結果、持ちコイン数が零未満(マイナス)であるか否かを判定する。持ちコイン数がマイナスである場合はS208へ移行し、マイナスでなければベット処理を終了する。
【0061】
なお、S208では、ベットボタン7の操作に応じた持ちコイン数の減算によって持ちコイン数がマイナスとなったことを第一の警告情報として遊技者に報知する。第一の警告情報については後述する。
【0062】
次に、遊技進行処理においてS102で実行される加算処理の内容について
図6に従って説明する。
【0063】
まず、当選役に入賞してコインを加算する処理があるか否かを判定する(S301)。加算する処理があればS302へ移行し、加算する処理がなければ加算処理を終了する。
【0064】
S302では、枠制御装置50において、「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」が適切に受信されているか否かを判定する。受信されていればS303へ移行し、受信されていなければ加算処理を終了する。なお、「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」が適切に受信されているか否かは、枠制御装置50において単に受信されているか否かのみではなく、S105における「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」と、S108における「停止ボタン9の操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号」とが適切に対応しているか否かも含めて判定されている。
【0065】
S303では、図柄の停止態様に対応した持ちコイン数に基づいて持ちコイン数を加算する処理を実行する。
【0066】
なお、本発明にかかる「ゲーム開始後に停止ボタンの操作に伴う図柄の停止態様に基づく増算対象の持ち遊技媒体数に対応する信号を受信した場合に、当該ゲームにおいて始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を受信したか否かを判定し、当該ゲームにおいて始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を受信していないと判定した場合には、前記停止ボタンの操作に伴う図柄の停止態様に基づく増算対象の持ち遊技媒体数に対応する信号に基づいて持ち遊技媒体数を増算する処理を、実行しない」という制御内容は、枠制御装置50で実行されるS302によって構成されている。
【0067】
これにより、枠制御装置50にのみ不正行為を行って持ちコイン数を不正に増加することが防止できる。なお、S105における「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」と、S108における「停止ボタン9の操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号」とが適切に対応していない場合には、管理者に通報する等の処理を別途行ってもよい。これにより、不正行為を的確に防ぐことができる。
【0068】
また、本発明にかかる「ベットボタンの操作に伴う減算対象の持ち遊技媒体数に対応する第一の信号を受信した後であり、かつ始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を受信する前に、ベットボタンの操作に伴う減算対象の持ち遊技媒体数に対応する第二の信号を別途受信した場合には、前記第一の信号に対応する持ち遊技媒体数に基づいて減算する処理を無効とし、前記第二の信号に対応する持ち遊技媒体数に基づいて減算する処理を実行して遊技を進行させる」という制御内容は、枠制御装置50で実行される、S201,S202,S206,S207によって構成されている。
【0069】
これにより、遊技者は、一旦決定したベット数を、異なるベット数に対応するベットボタン7の操作によって修正することができる。
【0070】
また、本発明にかかる「記憶されている持ち遊技媒体数が零である持ち遊技媒体数零状態で、ベットボタンの操作に伴う減算対象の持ち遊技媒体数に対応する信号を受信すると、前記警告情報報知手段を介して第一の警告情報を報知する第一の警告情報報知処理を実行」する制御内容は、枠制御装置50で実行するS204,S208によって構成されている。
【0071】
さらに、本発明にかかる「当該第一の警告情報報知処理を実行開始した後で始動レバーが操作されて当該始動レバーの操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を受信すると、前記第一の警告情報とは異なる第二の警告情報を報知する第二の警告情報報知処理を実行する」という制御内容は、枠制御装置50で実行するS104,S106によって構成されている。
【0072】
これにより、遊技者は持ちコイン数が不足している状態では遊技を進行することができなくなるとともに、第一の警告情報及び第二の警告情報の報知によって持ちコイン数が不足していることを認識することができる。また、各警告情報によって新たなコインの貸し出しを促すこともできる。
【0073】
次に、ユニット表示装置57における第一の警告情報及び第二の警告情報の報知の表示例を
図7,
図8に従って説明する。
【0074】
ユニット表示装置57は、タッチパネル式の液晶表示器であり、
図7に示すように、その表示画面上に、貸出操作領域132と返却操作領域133とを備える。この貸出操作領域132を遊技者がタッチすることにより、貸出スイッチ68がON作動して、その信号が枠制御装置50へ送信される。同様に、返却操作領域133を遊技者がタッチすることにより、返却スイッチ69がON作動して、その信号が枠制御装置50へ送信される。また、ユニット表示装置57の表示画面上には、持ちコインに交換可能なクレジット残高を示す残高図柄131が表示される。この残高図柄131は、前記貸出操作領域132および返却操作領域133の操作に応じてクレジット残高が増減する毎に、枠制御装置50によって表示内容が更新される。尚、
図7は、通常時(動作異常の無い常態)における一例である。
【0075】
さらに、ユニット表示装置57は、動作異常の発生を示す異常情報図柄141a,141b,141cと、遊技の進行停止を報知する遊技停止図柄142と、対応を指示する指示図柄143a,143bなどを備え、枠制御装置50から送信されたコマンドにしたがって適宜選択されて表示する。これら異常情報図柄141a,141b,141c、遊技進行停止図柄142、および指示図柄143a,143bは、夫々の内容を示す文字図柄であり、遊技者が各図柄の示す内容を比較的容易に認識できるようになっている。尚、枠制御装置50は、上記した第一の警告情報を報知する処理(S208)と第二の警告情報を報知する処理(S106)とにより、ユニット表示装置57で表示する前記各種図柄を指示する。
【0076】
図8(A)は、ベットボタン7の操作に応じた持ちコイン数の減算によって持ちコイン数がマイナスとなったことを第一の警告情報として報知する一例である。ユニット表示装置57の表示画面には、上記した異常情報図柄(「持ちコイン数不足!」の文字図柄)141a、及び指示図柄(「コイン貸か返却を押して下さい。」の文字図柄)143aが表示される。なお、異常情報図柄141aによって、第一の警告情報が構成される。
【0077】
遊技者は、異常情報図柄141aを視認することで、遊技に必要な持ちコインが不足していることを認識することができる。また、指示図柄143aによって、貸出操作領域132をタッチしてコインの貸し出しを行うか、返却操作領域133をタッチしてICカードの返却を行うかが指示されていることを認識することができる。
【0078】
図8(B)は、第一の警告情報が報知されたにもかかわらず始動レバー8を操作したことを第二の警告情報として報知する一例である。ユニット表示装置57の表示画面には、第一の警告情報における異常情報図柄(「持ちコイン数不足!」の文字図柄)141aに加えてさらに詳しく異常を訴える異常情報図柄(「遊技できません!」の文字図柄)141b、及び指示図柄(「コイン貸か返却を押して下さい。」の文字図柄)143aが表示される。なお、異常情報図柄141bによって、第二の警告情報が構成される。
【0079】
遊技者は、異常情報図柄141aに加えて異常情報図柄141bを視認することで、このままでは遊技を行えないことを認識することができる。また、指示図柄143aによって、貸出操作領域132をタッチしてコインの貸し出しを行うか、返却操作領域133をタッチしてICカードの返却を行うかが指示されていることを認識することができる。
【0080】
また、S105における「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」と、S108における「停止ボタン9の操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号」とが適切に対応していない場合等には、例えば
図9に示すように、異常情報図柄(「異常発生!」の文字図柄)141c、遊技停止図柄(「遊技の進行を停止します!」の文字図柄)142、および指示図柄(「係員をお呼び下さい」の文字図柄)143bが表示される。さらには、ユニット表示装置57に予め設けられた呼出操作領域138を有効とし、該呼出操作領域138に、遊技者に操作を促す図柄(「呼出し」の文字図柄)を表示する。この呼出操作領域138を遊技者が操作すると、スピーカから所定の呼出し音を発生させたり、ランプで所定の呼出し光を発光させたりして、遊技店の係員に動作異常の発生を報知する。
【0081】
これにより、遊技者のみならず遊技店の係員にも異常が発生したことを報知することで、不正行為を未然に防止することができる。
【0082】
なお、こうした
図9に示す異常情報図柄141c等の表示は、遊技店の係員が動作異常を解消するに伴って、表示終了し、通常時の表示に戻る。
【0083】
また、第一の警告情報の報知態様や第二の警告情報の報知態様として、ユニット表示装置57に表示するだけでなく、スピーカから所定の音を発生させてもよい。
【0084】
なお、ユニット表示装置57やスピーカが、本発明にかかる警告報知手段に相当する。
【0085】
また、第二の警告情報を報知する態様として、ユニット装置57に表示するだけでなく、操作した始動レバー8に起因するゲームを中断して遊技者に異常を報知することも提案される。
【0086】
また、前記主制御装置40又は当該回胴式遊技機1への供給電力の供給を中断する処理を行って遊技者に異常を報知するようにしてもよい。
【0087】
また、始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号を無効として遊技を進行させることにより遊技者に異常を報知する処理を行ってもよい。
【0088】
また、例えば異常情報図柄141a,141b,141cと、遊技の進行停止を報知する遊技停止図柄142と、対応を指示する指示図柄143a,143bなどを、枠制御装置50の図示しない表示装置やスピーカを用いて出力してもよい。他にも、例えばカードユニット56に表示装置やスピーカを別途取り付けてそれら表示装置やスピーカを用いて出力してもよい。さらに、例えば中継基板48を介して音・ランプ制御装置49によって制御される表示装置やスピーカを用いて出力してもよい。
【0089】
中継基板48と枠制御装置50とは双方向に通信できる構成としてもよいし枠制御装置50から中継基板48へのみ一方向に通信できる構成としてもよい。また、中継基板48と枠制御装置50とを双方向に通信可能とする場合には、主制御装置40から枠制御装置50へ一方的に送信されるデータを取りこぼすことを防止できる(一方向通信の場合)。また、中継基板48が主制御装置40からデータを受信している間は、中継基板48はビジー信号を返送する。
【0090】
一方、枠制御装置50から中継基板48にのみデータを送信できる一方向通信とする場合、中継基板48は時分割制御により、主制御装置40及び枠制御装置50の双方からのデータを取りこぼさない制御を実行する。これにより、中継基板48を介して枠制御装置50にデータ改ざん等の不正行為が行われることを未然に防止できる。