特許第6934243号(P6934243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6934243
(24)【登録日】2021年8月25日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】水性接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 123/26 20060101AFI20210906BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20210906BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   C09J123/26
   B32B27/00 D
   B32B27/32 Z
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-66530(P2017-66530)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-186552(P2017-186552A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2020年2月3日
(31)【優先権主張番号】特願2016-67233(P2016-67233)
(32)【優先日】2016年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 大輔
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−213233(JP,A)
【文献】 特開2006−255562(JP,A)
【文献】 特開2003−119328(JP,A)
【文献】 特開2004−026909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
C08L 1/00−101/14
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン樹脂および水性媒体を含有する水性分散体であって、
水性分散体中の有機溶剤含有量が3質量%以下であり、
ポリオレフィン樹脂が(メタ)アクリル酸エステル成分と無水マレイン酸成分を含有し、
25℃における粘度が2000〜5000mPa・sであることを特徴とする水性接着剤。
【請求項2】
ポリエステル基材における接触角が70度以上であることを特徴とする請求項1記載の水性接着剤。
【請求項3】
請求項1または2記載の水性接着剤からなることを特徴とするハニカム構造形成用水性接着剤。
【請求項4】
請求項1または2記載の水性接着剤からなることを特徴とするフィルター用水性接着剤。
【請求項5】
請求項1または2記載の水性接着剤を用いて形成されたことを特徴とする塗膜。
【請求項6】
基材上に、請求項記載の塗膜が形成されたことを特徴とする積層体。
【請求項7】
基材が、ポリエステル、ポリオレフィンまたは紙であることを特徴とする請求項記載の積層体。
【請求項8】
基材が活性炭を含有することを特徴とする請求項または記載の積層体。
【請求項9】
請求項のいずれかに記載の積層体が二層以上積層され、層間に空隙が形成されたことを特徴とする積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着性、作業性、安全性に優れた水性接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水などの液体中の不純物を取り除く液体浄化用フィルターや、悪臭や汚染物質、微粒子などを大気中から取り除く気体浄化用フィルターの需要が高まっている。このようなフィルターには、通気抵抗を小さくし、強度を付与するために形状をハニカム構造にしたり、活性炭を含有させて吸着能を高めるなど、形状や材料が工夫されてきた。
ハニカム構造は、紙や不織布、フィルム、金属をコルゲート(波形)加工し、積層、接着することにより、空隙が形成されている。例えば、コルゲートハニカム構造は、平面基材(ライナー)と波板基材(フルート)を交互に積層し、層間接着することにより形成されている。このような構造では層間の接触部分が「面」ではなく「線」であるため、層間の接着には、高粘度の接着剤が求められている。
ハニカム構造を形成するための接着剤としては、例えば、特許文献1に開示された水系接着剤や、炭化水素やアルコールを含有する溶剤系接着剤が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−255562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された水系接着剤は、基材の種類によっては、接着性に問題があり、また主成分の組成によっては、悪臭等の問題が生じることもあった。溶剤系接着剤においても同様に悪臭等による作業環境への悪影響が大きいものであった。
【0005】
また、活性炭を含有する高性能フィルターにおいては、活性炭の吸着性能を向上させるためにアルカリ処理をおこなう。しかしながら、従来の接着剤から形成された塗膜は、アルカリ処理をおこなった場合、塗膜が膨潤したり、臭気が発生することがあった。すなわち、活性炭を含有する浄化用フィルターに用いる接着剤には、アルカリ処理をおこなっても接着剤塗膜が膨潤せず、塗膜から臭気が発生しないことが求められている。
【0006】
本発明の目的は、基材との接着性に優れ、低臭気であり、アルカリ処理後においても塗膜が膨潤せず、臭気が発生しない耐アルカリ性に優れた水性接着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の成分を有するポリオレフィン樹脂および水性媒体を含有する水性分散体を水性接着剤として用いることで、上記課題が解決できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)ポリオレフィン樹脂および水性媒体を含有する水性分散体であって、
水性分散体中の有機溶剤含有量が3質量%以下であり、
ポリオレフィン樹脂が(メタ)アクリル酸エステル成分と無水マレイン酸成分を含有することを特徴とする水性接着剤。
(2)25℃における粘度が1000〜5000mPa・sであることを特徴とする(1)記載の水性接着剤。
(3)上記(1)または(2)記載の水性接着剤からなることを特徴とするハニカム構造形成用水性接着剤。
(4)上記(1)または(2)記載の水性接着剤からなることを特徴とするフィルター用水性接着剤。
(5)上記(1)または(2)記載の水性接着剤を用いて形成されたことを特徴とする塗膜。
(6)基材上に、(5)記載の塗膜が形成されたことを特徴とする積層体。
(7)基材が、ポリエステル、ポリオレフィンまたは紙であることを特徴とする(6)記載の積層体。
(8)活性炭を含有することを特徴とする(6)または(7)記載の積層体。
(9)上記(6)〜(8)のいずれかに記載の積層体が二層以上積層され、層間に空隙が形成されたことを特徴とする積層体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水性接着剤は、(メタ)アクリル酸エステル成分と無水マレイン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を含み、有機溶剤含有量が特定の範囲以下であるため、基材への接着性に優れ、低臭気であり、また水性分散体であるため、作業環境への影響を低減することが可能となる。さらに、本発明の水性接着剤は、形成された塗膜が、アルカリ処理しても塗膜が膨潤しないため外観変化がなく、臭気を発生しないものであり、活性炭を含有するフィルターなどの積層体に用いる水性接着剤として特に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性接着剤は、ポリオレフィン樹脂および水性媒体を含有する水性分散体であって、ポリオレフィン樹脂は(メタ)アクリル酸エステル成分と無水マレイン酸成分を含有する。
【0010】
ポリオレフィン樹脂のオレフィン成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のアルケンや、ノルボルネン等のシクロアルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。中でも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
オレフィン成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満では、基材密着性等のポリオレフィン樹脂由来の特性が失われてしまう。
【0011】
ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸成分により酸変性されていることが必要である。無水マレイン酸成分の量は、塗膜と基材との接着性の点から、ポリオレフィン樹脂の0.1〜25質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜8質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
無水マレイン酸成分は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0012】
ポリオレフィン樹脂は、基材を構成する熱可塑性樹脂基材、特にポリプロピレン等のポリオレフィン基材との接着性を向上させる理由から、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが必要である。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、ポリオレフィン樹脂の0.5〜40質量%であることが好ましく、様々な熱可塑性樹脂基材との良好な接着性を持たせるために、この範囲は1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。ポリオレフィン樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が0.5質量%未満では、アクリル酸エステル成分を含有させた効果が得られず、基材との接着性が低下するおそれがあり、40質量%を超えるとオレフィン由来の樹脂の性質が失われ、基材との密着性が低下するおそれがある。
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、基材との接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。(なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)
【0013】
また、上記成分以外に他の成分をポリオレフィン樹脂全体の10質量%以下程度、含有していてもよい。他の成分としては、ジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、一酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
【0014】
ポリオレフィン樹脂は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、通常0.01〜5000g/10分、好ましくは0.1〜1000g/10分、より好ましくは1〜500g/10分、さらに好ましくは2〜300g/10分、特に好ましくは2〜200g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、基材との密着性が低下する。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが5000g/10分を超えると、塗膜は硬くてもろくなり、接着性や基材との密着性が低下してしまう。
【0015】
本発明の水性接着剤は、ポリオレフィン樹脂および水性媒体を含有する水性分散体であり、水性媒体は、後述するポリオレフィン樹脂を分散化する際に使用する有機溶剤やアミン化合物を含有してもよい。しかしながら、低臭気な接着剤とするために、水性接着剤における有機溶剤の含有量は、3質量%以下であることが必要であり、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。また、アミン化合物の含有量は、5質量%未満であることが好ましく、4質量%未満であることがより好ましく、2質量%未満であることがさらに好ましく、1.5質量%未満であることが特に好ましい。水性接着剤が含有する有機溶剤やアミン化合物は、後述するストリッピングによって、減少させることができる。
【0016】
本発明の水性接着剤は、不揮発性の水性分散化助剤を実質的に含有しないことが好ましい。本発明は、水性分散化助剤を用いずとも、酸変性されたポリオレフィン樹脂を水性媒体中に安定的に分散することができる。本発明の水性接着剤は、不揮発性の水性分散化助剤を実質的に含有しないため、基材との接着性、耐アルカリ性が優れており、これらの性能は長期的にもほとんど変化しない。
【0017】
ここで、「水性分散化助剤」とは、水性接着剤の製造において、水性分散化促進や水性接着剤の安定化の目的で添加される薬剤や化合物のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
【0018】
本発明において、「不揮発性水性分散化助剤を実質的に含有しない」とは、こうした助剤を製造時(酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散化時)に用いる必要がなく、得られる水性接着剤が結果的にこの助剤を含有しないことを意味する。したがって、こうした水性分散化助剤は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、水性接着剤の使用目的において、水性分散化助剤を必要とした場合は、本発明の効果を損ねない範囲で、酸変性ポリオレフィン樹脂成分に対して5質量%以下、好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満を添加することで含有していても構わない。
【0019】
本発明でいう不揮発性水性分散化助剤としては、例えば、後述する乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
【0020】
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0021】
保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物等が挙げられる。
【0022】
本発明の水性接着剤は、25℃における粘度が1000〜5000mPa・sであることが好ましく、2000〜4000mPa・sであることがより好ましく、接着剤に高粘度が求められる基材や用途に用いることができる。水性接着剤は、25℃における粘度が1000mPa・s未満であると、たとえば、ハニカム構造を形成する目的で基材に塗布した際に、水性接着剤が基材に浸透してしまい、基材どうしが充分に接着しないことがあり、粘度が5000mPa・sを超えると、接着強度が低下することがある。上記の好ましい水性接着剤粘度は、ポリオレフィン樹脂の体積平均粒子径と樹脂含有率を後述する好ましい範囲にすることで達成できる。
【0023】
本発明の水性接着剤におけるポリオレフィン樹脂の体積平均粒子径は、水性接着剤の粘度を好ましい範囲にし、かつ良好な接着層形成能を発現させる点で、70〜130nmであることが好ましく、80〜120nmであることがより好ましく、90〜110nmであることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂の体積平均粒子径が130nmを超えると、接着剤は、粘度が上がりにくく、粘度を所定の範囲の粘度に調整することが難しく、本用途での効果が十分に発揮できないおそれがある。また、ポリオレフィン樹脂の体積平均粒子径が70nm未満であると、接着剤は、粘度が上がり過ぎ、接着剤の粘度を所定の範囲の粘度に調整することが難しくなる。
本発明の水性接着剤におけるポリオレフィン樹脂の体積平均粒子径を好ましい範囲にするためには、水酸基を有するアミン化合物を含有させることが好ましく、N,N−ジメチルエタノールアミンを含有させることがより好ましい。また、アミン化合物の含有量は上述した範囲であることが好ましい。
【0024】
次に、本発明の水性接着剤の製造方法を説明する。
本発明の水性接着剤の製造方法としては、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に均一に混合・分散される方法であれば、限定されるものではないが、たとえば、ポリオレフィン樹脂の原料樹脂を、水や溶媒と共に攪拌・加熱を行って水性分散体を得る方法が挙げられる。
【0025】
ポリオレフィン樹脂の分散化を容易にするために、水性媒体は、20℃における水の溶解性が5質量%以上である有機溶剤を含有してもよい。
有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール−n−ブチルエーテル等のエチレングリコール誘導体類が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の分散化のために添加する有機溶剤の量は、水性接着剤全量の、20質量%以下が好ましく、16質量%以下がより好ましい。ポリオレフィン樹脂の分散化において20質量%を超えて有機溶剤を添加すると、得られる接着剤は、脱溶剤に長時間を要して生産性が低下したり、ゲル化するおそれがある。
【0026】
ポリオレフィン樹脂の分散化において、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基は、塩基性化合物によってその一部を中和することが好ましい。塩基性化合物によってカルボキシル基または酸無水物基をアニオン化し、アニオンの静電気的反発力によって水性媒体中における樹脂微粒子間の凝集が防がれ、良好な分散化が達成される。
このような塩基性化合物として、塗膜形成時に揮発するアンモニア又は有機アミン化合物が塗膜の耐水性、耐ボイル性の面から好ましく、中でも沸点が30〜250℃、さらには50〜200℃の有機アミン化合物が好ましい。沸点が30℃未満の場合は、後述する樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が低下する場合がある。
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。このなかでも、トリエタノールアミンやN,N−ジメチルエタノールアミンは、水酸基を有していることによりポリオレフィン樹脂の粒子径を前記好ましい範囲とすることができ、分散性が向上し、また沸点が高いことにより脱溶剤、濾過後の分散安定性が向上して好ましく、なかでも、臭気、水性化後のろ過性、接着剤の粘度、保存安定性の観点から、N,N−ジメチルエタノールアミンがより好ましい。
【0027】
水性分散体の製造時に上記の有機溶剤や有機アミン化合物を用いた場合には、樹脂の水性化の後に、その一部を、一般に「ストリッピング」と呼ばれる脱溶剤処理によって系外へ留去させ、有機溶剤や有機アミン化合物の含有量を低減させることができる。本発明では、低臭気な接着剤とするため、水性接着剤における有機溶剤の含有量を3質量%以下とする必要がある。
ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤や有機アミン化合物を留去する方法が挙げられる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなるので、例えば、粘度が上昇して作業性が低下するような場合には、予め水性分散体に水を添加しておいてもよい。
【0028】
水性接着剤における樹脂含有率は、成膜条件、目的とする接着層の厚さや性能等により適宜調整され、特に限定されるものではないが、接着剤の粘度を好ましい範囲とし、かつ良好な接着層形成能を発現させる点で、1〜50質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましく、5〜45質量%がさらに好ましく、5〜40質量%が特に好ましい。
【0029】
本発明の水性接着剤には、耐薬品性などの各種の塗膜性能をさらに向上させるために、架橋剤を水性分散体中のポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部含有させることができる。架橋剤の添加量が0.1質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さく、50質量部を超える場合は、水性接着剤の液安定性や加工性等の塗膜性能が低下する傾向がある。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属錯体等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、アジリジン化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。
【0030】
本発明の水性接着剤は、基材に塗膜を形成して積層体を作製することができ、この積層体を二層以上積層してもよい。基材としては、ハニカム構造が形成できる基材(以下、ハニカム構造形成用基材と称する)が好ましい。本発明でいうハニカム構造とは、正六角柱に限らず立体図形をすきまなく並べた構造(三次元空間充填構造)のことである。
ハニカム構造形成用基材としては、通常ハニカム構造に使用されている基材が挙げられ、本発明の水性接着剤がポリオレフィン樹脂を含有することから、好ましい基材としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンまたは紙などが挙げられる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられ、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられ、フィルム形状や不織布形状などが挙げられ、紙としては、濾紙や化繊紙などが挙げられる。
ハニカム構造形成用基材は、特定の物質を選択的に分離する目的で、活性炭を含有してもよく、基材における活性炭の含有量は、10〜80質量%であることが好ましい。基材に活性炭を含有させる方法としては、活性炭を基材に練り込む方法でもよく、基材に活性炭を含むコート液を塗布して付着させる方法でもよく、これらの方法に限定されるものではない。
【0031】
本発明の水性接着剤を、基材に塗布する方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法などが挙げられる。水性接着剤を基材の必要な箇所に塗布したのち、60〜150℃で60秒程度乾燥することにより、基材上に塗膜が形成された積層体が得られる。
【0032】
本発明において、ハニカム構造の作製方法は特に限定されるものではないが、たとえばハニカム構造形成用基材上に本発明の水性接着剤から得られる塗膜が形成された積層体を、波状に賦形するコルゲート処理して、これらを二層以上積層することにより層間に空隙を形成させる方法や、あらかじめコルゲート処理されたハニカム構造形成用基材の凸部に、本発明の水性接着剤を塗布して、塗布部分が接するようにハニカム構造形成用基材を二層以上積層することで、層間に空隙を形成させる方法が挙げられる。
【0033】
本発明の水性接着剤は、上記したようにハニカム構造を形成するための接着剤として好適である。また、耐アルカリ性に優れていることから、活性炭が用いられている用途にも適しており、特にフィルターの接着剤として好適である。
【実施例】
【0034】
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0035】
水性接着剤の特性は下記の方法で測定した。
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
H−NMR分析装置(日本電子社製 ECA500、500MHz)より求めた。テトラクロロエタン(d)を溶媒とし、120℃で測定した
【0036】
(2)固形分濃度
水性接着剤を適宜秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
【0037】
(3)有機溶剤の含有量
ガスクロマトグラフグラフ(島津製作所社製 GC−8A、検出器:FID、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質:ジーエルサイエンス社製 PEG−HT(5%)−UniportHP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n−ブタノール)を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
【0038】
(4)アミン化合物の含有量
ガスクロマトグラフグラフ(島津製作所社製 GC−8A、検出器:FID、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質:ジーエルサイエンス社製 PEG−HT+KOH(5+1)%−UniportHP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:70℃、内部標準物質:n−ブタノール)を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、アミン化合物の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
【0039】
(5)体積平均粒子径
粒子径分布測定装置(日機装社製Nanotac wave)を使用して求めた。
【0040】
(6)粘度
B型粘度計(東機産業社製)を用いてJIS Z 8803に準拠して温度25℃で測定し粘度を求めた。
【0041】
(7)ろ過性
400メッシュのステンレスフィルター(線径0.025mm、平織)を使用し、加圧ろ過(空気圧0.2MPa)を行った。下記の指標でろ過性を評価した。
○:詰まり無く、ろ過が完了する。
△:詰まりは生じるが、都度フィルター交換実施することでろ過が可能である。
×:詰まりがひどく、ろ過が困難である。
【0042】
(8)保存安定性
水性接着剤を25℃の乾燥機中に保管し、3か月後のゲル発生の有無、粘度により、保存安定性を評価した。
○:ゲルが生じない。
△:水性接着剤のゲルは生じないが、粘度が200mPa・s以上上昇する、または初期の2倍以上に粘度が上昇する。
×:ゲルが生じる。
【0043】
(9)接触角(塗工性)
接触角計(協和界面科学社製、CA−A型)より求めた。基材(ユニチカ社製エンブレット)上に水性接着剤を滴下し、接触角を測定し、浸透性により、塗工性を評価した。接触角が低いと基材へ浸透してしまい、基材表面に接着層を形成するのに支障が出る。
◎:70度以上。基材に殆ど浸透しない。
○:50度以上、70度未満。基材へあまり浸透しない。
△:30度以上、50度未満。基材への浸透が見られる。
×:0度以上、30度未満。基材へ浸透しやすい。
【0044】
(10)臭気
官能試験にて評価した。水性接着剤を塗布する工程における臭気を以下の指標で評価した
◎:全く臭いがない。
○:殆ど臭いがない。
△:臭いがある。
×:かなり臭いがあり、作業に支障が出る場合がある。
【0045】
(11)接着強度
平面基材(ライナー)として、ポリエステル(ユニチカ社製エンブレット)、ポリエチレン(タマポリ社製LDPE)、紙(安積濾紙社製化繊紙)を使用して、それぞれに水性接着剤をバーコーター♯10で塗布し、未乾燥の塗膜上に、コルゲート加工した同種の材料からなる波板基材(フルート)をそれぞれ重ねて、90℃、60秒間の条件で乾燥して、コルゲートハニカム構造の積層体を作製した。
引張・圧縮万能試験機(INTESCO社製)を使用し、重ね合わせた平面基材と波板基材とが剥離する際の強度を測定し、接着強度を求めた。コルゲートハニカム構造の接着強度は0.5N/25mm以上であれば実用的であり、1.0N/25mm以上であることが好ましく、1.5N/25mm以上であることがより好ましい。
【0046】
(12)アルカリ処理後の外観評価
25μm厚みのポリエチレンフィルム(タマポリ社製LDPE)に水性接着剤をバーコーターで乾燥厚み3μmとなるように塗布し、100℃、60秒間の条件で乾燥して塗膜を形成した。塗膜に対して20%KOH水溶液を滴下し、常温で1週間経過した際の状態を観察し、以下の指標でアルカリ処理後の外観を評価した。
○:塗膜の膨潤なし。
×:塗膜の膨潤がある。
【0047】
(13)アルカリ処理後の臭気評価
ポリオレフィン不織布(ユニチカ社製エルベスT0303WDO、目付30g/m)に水性接着剤を塗布量20g/mでディッピングにより塗布し、100℃、5分の条件で乾燥して塗膜を形成した。得られた積層体を20%KOH水溶液に浸漬し、浸漬後に40℃で密封容器に24時間保管し、取り出し後の臭気を以下の指標で評価した。
○:殆ど臭いがない。
△:臭いがある。
×:かなり臭いがある。
−:塗膜がアルカリ処理により膨潤したため、評価しなかった。
【0048】
実施例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて75gのポリオレフィン樹脂〔アルケマ社製、ボンダインHX−8290(以下HX−8290と示す)〕、48.0gのイソプロパノール、3.0gのN,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)、および174.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ちさらに30分間撹拌した。
イソプロパノール48gを脱溶剤し、固形分を水で希釈し、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ25℃まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な水性接着剤E−1を得た。
【0049】
実施例2
ポリオレフィン樹脂HX−8290の仕込み量を105gに変更し、DMEAの仕込み量を2.1gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤E−2を得た。
【0050】
実施例3
ポリオレフィン樹脂HX−8290の仕込み量を80gに変更し、DMEAの仕込み量を6gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤E−3を得た。
【0051】
実施例4〜6
ポリオレフィン樹脂HX−8290の仕込み量を、実施例4では105gに、実施例5では111gに、実施例6では117gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤E−4〜E−6を得た。
【0052】
実施例7
ポリオレフィン樹脂HX−8290の仕込み量を105gに変更し、DMEAの仕込み量を6gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤E−7を得た。
【0053】
実施例8〜9
ポリオレフィン樹脂HX−8290の仕込み量を、実施例8では105gに、実施例9では117gに変更し、いずれも、DMEA3gに代えて、アンモニア水(28%)10.7gを仕込み、水の仕込み量を166.3gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤E−8〜E−9を得た。
【0054】
実施例10
ポリオレフィン樹脂HX−8290の仕込み量を105gに変更し、DMEA3gに代えて、トリエタノールアミン(TEA)3gを仕込んだ以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤E−10を得た。
【0055】
比較例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて75.0gのポリオレフィン樹脂HX−8290、90.0gのイソプロパノール、3.0gのDMEA、および132.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ちさらに30分間撹拌した。回転速度300rpmのまま撹拌しつつ25℃まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な水性接着剤E−11を得た。
【0056】
比較例2
ポリオレフィン樹脂をHX−8290からプリマコール5980I(ダウ・ケミカル社製)に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、乳白色の水性接着剤E−12を得た。
【0057】
比較例3
水性接着剤J−1として、コニシ社製、SP−200(主成分:ビニル共重合樹脂)を原液で使用した。
【0058】
比較例4
水性接着剤J−2として、アイカ工業社製、ウルトラゾール(主成分:アクリル酸エステル)を原液で使用した。
【0059】
比較例5
水性接着剤J−3として、住友精化社製、ザイクセンAC(主成分:エチレン−アクリル酸共重合樹脂)を原液で使用した。
【0060】
使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示し、実施例、比較例の水性接着剤の特性、評価結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
実施例の水性接着剤は、接着剤そのものの臭気はないか低減され、得られた塗膜は、アルカリ処理した後でも膨潤はなく、外観に優れ、臭気はほとんどなかった。また、積層体は、ハニカム構造であっても基材を選ばず良好な接着強度を有していた。アミン化合物としてDMEAを使用した水性接着剤は、アンモニアやTEAを使用したものに比較して、ポリオレフィン樹脂の分散性が良好となって粒子径が小さくなり、保存安定性に優れたものであった。実施例2、4、7の水性接着剤において、DMEAの含有量が増加すると、分散粒子の体積平均粒子径を小さくすることができ、粘度を上げることができ、特に実施例4の水性接着剤は、粘度がより好ましい範囲であったため、形成された積層体は、塗工性、接着強度に優れていた。
【0064】
一方、比較例1の水性接着剤は、本発明の規定量を超えた有機溶剤を含有するため、接着剤の臭気評価で劣っており、積層体の接着強度も不十分であった。
比較例2〜5の水性接着剤は、本発明で規定したポリオレフィン樹脂を用いた水性接着剤ではなかったため、比較例2では、得られた塗膜はアルカリ処理した後の外観評価が劣り、積層体の接着強度も劣っており、比較例3では、得られた塗膜はアルカリ処理した後にかなりの臭気があり、積層体の接着強度も劣っていた。また比較例4では、接着剤の臭気があり、得られた塗膜はアルカリ処理した後の外観評価が劣り、積層体の接着強度も劣っており、比較例5では、得られた塗膜はアルカリ処理した後の外観評価が劣っていた。