(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物の製造における請求項1〜3のいずれかに記載の式(IIa)で示される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは請求項5に記載の薬物組成物の使用。
卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物として利用される、請求項1〜3のいずれかに記載の式(IIa)で示される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、CSF-1R小分子阻害剤を提供することである。
【0007】
本発明の第一の側面は、式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【0008】
【化1】
ただし、X
1、X
2、X
3はそれぞれ独立に、結合、-O-、-S-、-(CR
5R
6)
m-、-N(R
7)-、-N(R
8)-C(O)-または-C(O)-N(R
8)-から選ばれる。
【0009】
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5はそれぞれ独立にC(R
9)またはNから選ばれる。
【0010】
R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)(=NR
10)R
11、-C
0-8-B(OR
12)
2、-C
0-8-P(O)(R
13)
2、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-10シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0011】
R
3、R
9はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)(=NR
10)R
11、-C
0-8-B(OR
12)
2、-C
0-8-P(O)(R
13)
2、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素もしくはハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0012】
R
4は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-
C(O)R
13から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置き換えられ、前記基またた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、ここで、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0013】
R
5、R
6はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)(=NR
10)R
11、-C
0-8-B(OR
12)
2、-C
0-8-P(O)(R
13)
2、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれるか、あるいは、R
5、R
6は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-10シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0014】
R
7、R
8はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
14R
15から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0015】
各R
10はそれぞれ独立に水素、重水素、C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる。
【0016】
各R
11はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
2-8アルケニル基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基
、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
14R
15から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、カルボニル基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
14R
15から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0017】
各R
12はそれぞれ独立に水素、重水素、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、カルボニル基、シアノ基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
14R
15から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0018】
各R
13はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
14R
15から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、シアノ基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR
14R
15から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0019】
各R
14、R
15はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-8アルカノイル基から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-8アルカノイル基から選ばれる置換基で置換されてもよい、あるいあるいは、R
14、R
15は直接連結する窒素原子と5-10員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、C
1-8アルキル基、C
1-8アルコキシ基、C
3-10シクロアルキル基、C
3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C
5-10アリール基、C
5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC
1-8アルカノイル基から選ばれる置換基で置換されてもよい。mは0、1、2、3、4または5から選ばれる。
【0020】
各rは独立して0、1、または2である。
【0021】
好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)(=NR
10)R
11、-C
0-4-B(OR
12)
2、-C
0-4-P(O)(R
13)
2、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
1
3、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、ここで、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15およびrの定義は前記の通りである。
【0022】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニル基、ジアゾール、トリアゾール、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、スルファモイル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれる。
【0023】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0024】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0025】
好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)(=NR
10)R
11、-C
0-4-B(OR
12)
2、-C
0-4-P(O)(R
13)
2、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれるか、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-8シクロアルキル基または3-8員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素またはハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、
ここで、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15およびrの定義は前記の通りである。
【0026】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニル基、ジアゾール、トリアゾール、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、フェニルメトキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばるか、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成しており、前記ヘテロ原子は酸素または窒素から選ばれ、前記シクロアルキル基、複素環基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニル基、ジアゾール、トリアゾール、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0027】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルメトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基またはアミノメチル基から選ばれるか、あるい、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基と形成しており、前記ヘテロ原子は酸素または窒素から選ばれ、前記シクロアルキル基、複素環基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはアミノメチル基から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0028】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物は、式(IIa)で表される構造を有する。
【0029】
【化2】
そのうち、X
1は-O-または-(CR
5R
6)-から選ばれ。X
2は結合、-O-、-(CR
5R
6)-または-N(R
7)-から選ばれる。
【0030】
R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シ
クロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルメトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基またはアミノメチル基から選ばれるか、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成しており、前記ヘテロ原子は酸素または窒素から選ばれ、前記シクロアルキル基、複素環基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはアミノメチル基から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0031】
R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0032】
R
4は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13または-C
0-4-NR
14R
15から選ばれる。
【0033】
前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、
前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0034】
R
5、R
6はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)(=NR
10)R
11、-C
0-4-B(OR
12)
2、-C
0-4-P(O)(R
13)
2、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれるか、あるいは、R
5、R
6は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-8シクロアルキル基または3-8員複素環基を形成しており。
【0035】
前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキ
ル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0036】
R
7は水素、重水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0037】
Z
5、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、rは式(I)の化合物の定義の通りである。
【0038】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、X
1は-O-または-(CR
5R
6)-から選ばれ、X
2は結合、-O-、-CH
2-または-N(R
7)-から選ばれる。
【0039】
R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルメトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロエチル基またはアミノメチル基から選ばれるか、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成しており、前記ヘテロ原子は酸素または窒素から選ばれ、前記シクロアルキル基、複素環基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはアミノメチル基から選ばれる置換基で置換されてもよく、
R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれ。
【0040】
R
4はC
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基または-NR
14R
15から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、ここで、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール
基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0041】
R
5、R
6はそれぞれ独立に水素、重水素、フッ素、塩素、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチルから選ばれるか、あるいは、R
5、R
6は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基またはオキセタニル基を形成している。
【0042】
R
7は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基またはトリデューテロメチル基から選ばれる。
【0043】
R
9は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0044】
R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、rは前記の通りである。
【0045】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、X
1は-O-または-CH
2-から選ばれ、X
2は結合、-O-または-CH
2-から選ばれる。
【0046】
R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルメトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基またはアミノメチル基から選ばれるか、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とC
3-6シクロアルキル基を形成しており。
【0047】
R
3は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基またはジデューテロメチル基から選ばれ。
【0048】
R
9は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、シクロプロピル基またはシクロプロピルメチル基から選ばれる。
【0049】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
4はC
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基または-NR
14R
15から選ばれ、ここで、前記C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基は下記構造から選ばれる。
【0050】
【化3】
そのうち、各R
16はそれぞれ独立に水素、重水素、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-C(O)OR
12または-C
0-4-C(O)R
13から選ばれ、前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、ここで、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0051】
各R
17はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく、ここで、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。)
R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、rは前記の通りである。
【0052】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、各R
16はそれぞれ独立に水素、重水素、C
1-4アルキル基、C
3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、フェニル基または5-6員ヘテロアリール基から選ばれ、前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アル
キル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよく。
【0053】
各R
17はそれぞれ独立に水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニル基、ジアゾール、トリアゾール、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、スルファモイル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれ、
R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、rは前記の通りである。
【0054】
最も好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩は以下に示される具体的な化合物を含むが、これらに限定されない:
【0055】
【化4】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物は、式(IIb)で表される構造を有する。
【0056】
【化5】
そのうち、X
3は-C(O)-N(R
8)-または-N(R
8)-C(O)-から選ばれる。
【0057】
R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基またはアミノメチル基から選ばれるか、あるいは、R
1、R
2は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C
3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基を形成しており、前記ヘテロ原子は酸素または窒素から選ばれ、前記シクロアルキル基、複素環基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基またはアミノメチル基から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0058】
R
3は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチル
アミノ基から選ばれる。
【0059】
R
4は水素、重水素、C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13または-C
0-4-NR
14R
15から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-4アルキル基、C
2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C
0-4-S(O)
rR
11、-C
0-4-O-R
12、-C
0-4-C(O)OR
12、-C
0-4-C(O)R
13、-C
0-4-O-C(O)R
13、-C
0-4-NR
14R
15、-C
0-4-C(O)NR
14R
15または-C
0-4-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0060】
R
8は水素、重水素、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、シクロプロピル基またはシクロプロピルメチル基から選ばれる。
【0061】
R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、rは式(I)の化合物の定義の通りである。
【0062】
さらに好ましい形態として、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、ヒドロキシメチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基またはジデューテロエチル基から選ばれ。
【0063】
R
3は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基またはジデューテロメチル基から選ばれ。
【0064】
R
4はC
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基または3-8員複素環基から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、C
1-4アルキル基、ハロゲン置換C
1-4アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C
5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基から選ばれる置換基で置換されてもよく、
R
8は水素、重水素、メチル基、シクロプロピル基またはシクロプロピルメチル基から選ばれる。
【0065】
最も好適な形態として、前記の式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩は以下に示される具体的な化合物を含むが、これらに限定されない:
【0066】
【化6】
本発明の第二の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、式(Ia)の化合物またはその酸性塩と式(Ib)の化合物との縮合反応により式(I)の化合物が生成する工程を含み、反応式は下記の通りである方法。
【0067】
【化7】
そのうち、Xはハロゲンまたはカルボキシ基から選ばれ、好ましくは塩素または臭素である。X
1、X
2、X
3、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、m、rは式(I)の化合物の定義の通りである。
【0068】
本発明の第三の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含む薬物組成物を提供する。
【0069】
本発明の第四の側面では、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための医薬の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物の応用を提供する。
【0070】
本発明の第五の側面では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物の応用を提供する。
【0071】
好ましくは、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代
謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物の製造における使用である。
【0072】
本発明の第六の側面では、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物として利用される、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物を提供する。
【0073】
本発明の第七の側面では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物として利用される、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物を提供する。
【0074】
好ましくは、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物として利用される。
【0075】
本発明の第八側面はでは、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療する方法であって、前記式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、または前記医薬組成物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0076】
本発明の第九の側面では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療する方法であって、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0077】
具体的な実施形態
本願の発明者は、幅広く、深く研究したところ、初めて、式(I)の構造を有するN-(アザアリール基)シクロラクタム-1-カルボキサミド誘導体、その製造方法及び応用を研究・開発した。本発明の一連の化合物はCSF-1Rキナーゼ活性に対して強い抑制作用を有し、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療する薬物、特に卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移性癌を治療する薬物の製造に幅広く応用することができ、新世代のCSF-1R阻害剤薬物として開発されることが期待されている。これに基づき、本発明を完成させた。
【0078】
詳述:相反する陳述がない限り、以下の明細書と請求の範囲で使用される用語は下記の意味となります。
【0079】
「アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖含有の飽和の脂肪族炭化水素基をいうが、たとえば、「C
1-8アルキル基」とは炭素原子を1〜8個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいい、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イ
ソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基やその様々な分岐鎖異性体などを含むが、これらに限定されない。
【0080】
アルキル基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0081】
「シクロアルキル基」とは飽和または部分不飽和の単環または多環の環状炭化水素の置換基をいうが、たとえば、「C
3-10シクロアルキル基」とは炭素原子を3〜10個含むシクロアルキル基をいい、単環式シクロアルキル基、多環式シクロアルキル基に分かれ、中では、
単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、シクロオクチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0082】
多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環および架橋環のシクロアルキル基を含む。「スピロシクロアルキル基」とは、単環の間で一つの炭素原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロシクロアルキル基はモノスピロシクロアルキル基、ジスピロシクロアルキル基またはポリスピロシクロアルキル基に分かれ、スピロシクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0083】
【化8】
「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、その一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって
二環、三環、四環または多環の縮合シクロアルキル基に分かれ、縮合シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0084】
【化9】
「架橋シクロアルキル基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋シクロアルキル基に分かれ、架橋シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0085】
【化10】
前記シクロアルキル基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはヘテロシクロアルキルの環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はシクロアルキル基で、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0086】
シクロアルキル基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0087】
「複素環基」とは、飽和または部分飽和の単環または多環の環状炭化水素の置換基で、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r (ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、-O-O-、-O-S-または-S-S-の環部分を含まず、残りの環原子が炭素である基をいう。たとえば、「5-10員複素環基」とは、5〜10個の環原子を含む環基を、「3-10員複素環基」とは、3〜10個の環原子を含む環基をいう。
【0088】
単環式複素環基は、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、ホモピペラジル基などを含むが、これらに限定されない。
【0089】
多環式複素環基は、スピロ環、縮合環および架橋環の複素環基を含む。「スピロ複素環基」とは、単環の間で一つの原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環式複素環基で、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)
r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である基をいう。これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロ複素環基はモノスピロ複素環基、ジスピロ複素環基またはポリスピロ複素環基に分かれる。スピロ複素環基は、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0090】
【化11】
「縮合複素環基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の原子を共有する多環式複素環基をいい、一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r (ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合複素環基に分かれ、縮合複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0091】
【化12】
「架橋複素環基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する多環式複素環基をいい、これらの環は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r (ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋複素環基に分かれ、架橋複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0092】
【化13】
前記複素環基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはシクロアルキル基の環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環は複素環基で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0093】
【化14】
複素環基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの
場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0094】
「アリール基」とは全炭素の単環または縮合多環(すなわち隣接する炭素原子対を共有する環)の基で、共役のπ電子系を有する多環(すなわち隣接する炭素原子対を持つ環)の基をいい、たとえば、「C
5-10アリール基」とは5〜10個の炭素を含む全炭素アリール基を、「5-10員アリール基」とは5〜10個の炭素を含む全炭素アリール基をいい、フェニル基やナフチル基を含むが、これらに限定されない。前記アリール基の環はヘテロアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0095】
【化15】
アリール基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0096】
「ヘテロアリール基」とは1〜4個のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族系で、前記ヘテロ原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子である基をいうが、たとえば、5-8員ヘテロアリール基とは5〜8個の環原子を含むヘテロ芳香族系を、5-10員ヘテロアリール基とは5〜10個の環原子を含むヘテロ芳香族系をいい、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基などを含むが、これらに限定されない。前記ヘテロアリール基の環はアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はヘテロアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0097】
【化16】
ヘテロアリール基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0098】
「アルケニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、たとえば、C
2-8アルケニル基とは2〜8個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいう。ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基や3-ブテニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0099】
アルケニル基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0100】
「アルキニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、たとえば、C
2-8アルキニル基とは2〜8個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいう。エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基や3-ブチニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0101】
アルキニル基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0102】
「アルコキシ基」とは-O-(アルキル基)をいうが、そのアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C
1-8アルコキシ基」とは1〜8個の炭素を含むアルキルオキシ基をいい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0103】
アルコキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0104】
「シクロアルキルオキシ基」とは-O-(無置換のシクロアルキル基)をいうが、そのシクロアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C
3-10シクロアルキルオキシ基」とは3〜10個の炭素を含むシクロアルキルオキシ基をいい、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0105】
シクロアルキルオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0106】
「3-10員複素環オキシ基」とは-O-(無置換の3-10員複素環基)をいうが、その3-10員複素環基の定義は前記の通りで、3-10員複素環オキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0107】
「C
5-10アリールオキシ基」とは-O-(無置換のC
5-10アリール基)をいうが、そのC
5-10アリール基の定義は前記の通りで、C
5-10アリール基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0108】
「5-10員ヘテロアリールオキシ基」とは-O-(無置換の5-10員ヘテロアリールオキシ基)をいうが、その5-10員ヘテロアリールオキシ基の定義は前記の通りで、5-10員ヘテロアリールオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C
1-8アルキル基、C
2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、ハロゲン置換C
1-8アルキル基、C
3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C
5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C
0-8-S(O)
rR
11、-C
0-8-O-R
12、-C
0-8-C(O)OR
12、-C
0-8-C(O)R
13、-C
0-8-O-C(O)R
13、-C
0-8-NR
14R
15、-C
0-8-C(O)NR
14R
15または-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0109】
「C1-8アルカノイル基」とはC
1-8アルキル酸からヒドロキシ基を除いて残った1価の原子団をいうが、通常、「C
0-7-C(O)-」とも表示され、たとえば、「C
1-C(O)-」とはアセチル基を、「C
2-C(O)-」とはプロピオニル基を、「C
3-C(O)-」とはブチリル基またはイソブチリル基をいう。
【0110】
「-C
0-8-S(O)(=NR
10)R
11」とは-S(O)(=NR
10)R
11における硫黄原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0111】
「-C
0-8-B(OR
12)
2」とは-B(OR
12)
2におけるホウ素原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0112】
「-C
0-8-P(O)(R
13)
2」とは-P(O)(R
13)
2におけるチオリン原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0113】
「-C
0-8-S(O)
rR
11」とは-S(O)
rR
11における硫黄原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0114】
「-C
0-8-O-R
12」とは-O-R
12における酸素原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0115】
「-C
0-8-C(O)OR
12」とは-C(O)OR
12におけるカルボニル基がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0116】
「-C
0-8-C(O)R
13」とは-C(O)R
13におけるカルボニル基がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0117】
「-C
0-8-O-C(O)R
13」とは-O-C(O)R
13における酸素原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0118】
「-C
0-8-NR
14R
15」とは-NR
14R
15における窒素原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0119】
「-C
0-8-C(O)NR
13R
14」とは-C(O)NR
13R
14におけるカルボニル基がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0120】
「-C
0-8-N(R
14)-C(O)R
13」とは-N(R
14)-C(O)R
13における窒素原子がC
0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC
0アルキル基とは結合で、C
1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0121】
「ハロゲン置換のC
1-8アルキル基」とはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1〜8個のアルキル基をいうが、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0122】
「ハロゲン置換のC
1-8アルコキシ基」とはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1〜8個のアルコキシ基をいう。ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0123】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
【0124】
「MeOH」とはメタノールをいう。「DCM」とはジクロロメタンをいう。「EA」とは酢酸エチルをいう。「PE」とは石油エーテルをいう。「BINAP」とは(±)-2,2'-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルをいう。「XPhos-Pd-G3」とはメタンスルホン酸(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)をいう。「Pd(dppf)Cl
2」とは[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウムをいう。
【0125】
「任意の」または「任意に」とは後記の事項または環境によって可能であるが必ずしも発生するわけではないという意味で、当該記述は当該事項または環境が発生する場合または発生しない場合を含む。たとえば、「任意にアルキル基で置換された複素環基」とはアルキル基が存在しうるが必ずしも存在するわけではないという意味で、当該記述は複素環基がアルキル基で置換された場合および複素環基がアルキル基で置換されていない場合を含む。
【0126】
「置換」とは基における1個または複素の水素原子が互いに独立に相応する数の置換基で置換されることをいう。もちろん、置換基はこれらが化学的に可能な位置にあるだけで、当業者は格別な努力を要することなく(実験的にまたは理論的に)置換が可能か不可能か確認することができる。たとえば、遊離水素を有するアミノ基またはヒドロキシ基は不飽和結合を有する炭素原子(たとえばオレフィン)と結合する場合不安定な可能性がある。
【0127】
「薬物組成物」とは、一つまたは複数の本明細書に記載された化合物あるいはその生理学/薬用可能な塩またはプロドラッグとほかの化学成分の混合物と、ほかの成分、たとえば、生理学/薬用可能な担体および賦形剤とを含有するものを表す。薬物組成物の目的は生物体への投与を促進し、活性成分の吸収に貢献することによって生物活性を発揮させることである。
【0128】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく、全面的に説明するが、本発明を制限するものではなく、本発明は実施例の内容のみに限定されないものでもない。
【0129】
本発明の化合物の構造は、核磁気共鳴(HNMR)および/または液相質量分析(LC-MS)によって確認された。NMRの化学シフト(δ)は百万分の一(ppm)の単位で表示する。NMRの測定は、Bruker AVANCE-400核磁気共鳴装置が使用され、測定の溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d
6)、重水素化メタノール(CD
3OD)および重水素化クロロホルム(CDCl
3)で、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0130】
液相質量分析LC-MSの測定はAgilent 6120質量分析装置を使用した。HPLCの測定はアジレントの1200DAD高圧液相クロマトグラフ(Sunfire C18 150×4.6 mmカラム)およびWaters
2695-2996高圧液相クロマトグラフ(Gimini C18 150×4.6 mmカラム)を使用した。
【0131】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲル板は煙台黄海HSGF254または青島GF254のシリカゲル板が使用され、TLCに使用された規格は0.15 mm〜0.20 mmで、薄層クロマトグラフィー法による製品の分離・精製に用いられた規格は0.4 mm〜0.5 mmである。カラムクロマトグラフィーは通常煙台黄海シリカゲルの200〜300メッシュのシリカゲルが担体として使用された。
【0132】
本発明の実施例における出発原料は既知の市販品、あるいは本分野で既知の方法によって合成することができるものである。
【0133】
特別に説明しない限り、本発明のすべての反応はいずれも連続的な磁気撹拌で、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気において行われ、溶媒は乾燥溶媒で、反応温度の単位はセルシウス度である(℃)。
【0134】
一、中間体の製造
中間体A1:1-(2-メトキシエチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0135】
【化17】
4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(582mg、3.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解させ、1-臭素-2-メトキシエタン(798 mg、6.0mmol)、炭酸セシウム(2.9 g、9.0 mmol)とヨウ化ナトリウム(224 mg、1.5 mmol)を入れた。70℃で3時間攪拌し反応させ、次いで水(50mL)に入れ、酢酸エチルで抽出し(40 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで洗浄し(40 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから1-(2-メトキシエチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの粗製品(240 mg、収率32%)を得た。MS m/z (ESI): 253 [M+H]
+。
中間体A2:4-(2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エチル)モルホリンの製造
【0136】
【化18】
中間体A2は、中間体A1の合成方法を参照して製造した。MS m/z (ESI): 308 [M+H]
+。
中間体A3:1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0137】
【化19】
4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(8.5 g、43.8mmol)をアセトニトリル(100 mL)に溶解させ、(2-ブロモエトキシ)(t-ブチル)ジメチルシラン(15.7 g、65.7 mmol)と炭酸カリウム(18 g、131.4 mmol)を加えた。90℃で16時間撹拌し反応させた。次いで、濾過し、濾液を濃縮して1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールのの粗製品(2 g、収率100%)を得た。MS m/z (ESI): 353[M+H]
+。
中間体A4:1-(メチル-d
3)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0138】
【化20】
乾燥した密封瓶に4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.501 g、2.58 mmol)、炭酸カリウム(1.172 g、8.48 mmol)を入れた。反応溶媒としてアセトニトリル(20 ml)を加え、最後に重水素化沃化メチル(3.5 mL、5.16 mmol)を加え、容器を密封処理し、90℃で3.5時間攪拌し、反応させた。反応が終わってから、濾過で固体を除去し、濃縮、そして回転乾燥してから1-(メチル-d
3)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.532 g、収率93%)を得た。MS m/z (ESI): 212 [M+H]
+。
中間体A5:(S)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール
【0139】
【化21】
窒素ガスによる保護と氷浴条件で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.7 mL、8.58mmol)を4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.110g、5.72 mmol)、(R)-テトラヒドロフラン-3-オール(0.515 g、5.84 mmol)とトリフェニルホスフィン(2.243 g、8.55 mmol)を溶解した無水テトラヒドロフラン溶液(7 mL)に滴下した。氷浴条件で30分間攪拌し、反応させ、そして室温条件で21時間反応させた。酢酸エチル(10 mL)を加え、希釈してから飽和食塩水で水洗いした(15 mL×2)。有機層を合併し、乾燥してから減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより分離して(S)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.324g、21.5%)を得た。MS m/z (ESI): 265 [M+H]
+。
中間体A6:2-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オールの製造
【0140】
【化22】
マイクロ波管に4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(500 mg、2.58 mmol)、2,2-ジメチルジオキシラン(0.57 mL、6.44 mmol)、炭酸セシウム(1.25 g、3.84 mmol)、アセトニトリル(10 mL)を入れた。反応液をマイクロ波反応器中130℃で1時間反応させた。反応が終わってからジクロロメタンを加え、そして濾過した。濾液を濃縮して2-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール(480 mg、收率35%)を得た。MS m/z (ESI):
267 [M+H]
+。
中間体A7:1-(1-メチルピロリジン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0141】
【化23】
第一工程:1-メチルピロリジン-3-イルメタンスルホン酸エステルの製造
【0142】
【化24】
氷浴条件で、メタンスルホニルクロリド(1.68 mL、21.7 mmol)とトリエチルアミン(3.29mL、23.7 mmol)をそれぞれ1-メチルピロリジン-3-オール(2.00 g、19.8 mmol)を溶解したジクロロメタン(30 mL)溶液にいれ、温度が安定してから室温で1.5時間反応させた。反応液にジクロロメタン(5 mL)を加え、希釈してから飽和炭酸水素ナトリウム(5 mL)で洗浄し、二回水洗いした。有機相を取り、乾燥後に減圧、濃縮し、得られた黄色い油状の液体粗製品をそのまま次の反応に使用した。
第二工程:1-(1-メチルピロリジン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0143】
【化25】
氷浴条件で、水素化ナトリウム(0.62 g、15.5 mmol)を4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.427 g、12.5 mmol)を溶解したN,N-ジメチルホルムアミド(18 mL)溶液に入れ、10分間攪拌し、反応させた。次いで、1-メチルピロリジン-3-イルメタンスルホン酸エステル(2.220 g、12.4 mmol)を前記反応液に加え、100℃で18時間反応させた。反応が終わってから室温まで冷却し、酢酸エチル(5 mL)を入れ希
釈してから、飽和塩化アンモニウム溶液(5 mL)で洗浄し、そして水洗いした。有機層を取り、乾燥し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン/メタノール]、1-(1-メチルピロリジン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.476 g、収率13.9%)を得た。そのまま次の反応に利用した。
中間体A8:1-(オキセタン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0144】
【化26】
第一工程:オキセタン-3-イルメタンスルホン酸エステルの製造
【0145】
【化27】
氷浴条件で、メタンスルホニルクロリド(2.30 mL、29.7 mmol)とトリエチルアミン(4.5
mL、32.4 mmol)をそれぞれオキセタン-3-オール(2.01 g、27.0 mmol)を溶解したジクロロメタン(20 mL)溶液に入れ、温度が安定してから室温で5.5時間反応させた。ジクロロメタン(10mL)を加え、反応液を希釈してから飽和炭酸水素ナトリウム(10 mL)で二回洗浄し、飽和食塩水(10 mL)で二回水洗した。有機相を取り、乾燥後減圧、濃縮し、オキセタン-3-イルメタンスルホン酸エステルの粗製品(2.80 g、収率68%)を得て、そのまま次の反応に使用した。
第二工程:1-(オキセタン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの製造
【0146】
【化28】
氷浴条件で、60%の水素化ナトリウム(0.873 g、36.4 mmol)を4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(3.482 g、17.9 mmol)を溶解したN,N-ジメチルホルムアミド(30 mL)溶液に入れ、10分間攪拌し、反応させた。次いで、オキセタン-3-イルメタンスルホン酸エステル(2.80 g、18.4 mmol)を前記反応液に加え、100℃で21時間反応させた。反応が終わってから室温まで冷却し、酢酸エチル(15 mL)を加え、希釈してから、飽和塩化アンモニウム溶液(15 mL)で洗浄し、そして、飽和食塩水(15 mL)で水洗した。有機層を取り、乾燥し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン/メタノール]、1-(オキセタン-3-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.587 g、収率13%)を得た。MS m/z (ESI): 251 [M+H]
+。
中間体B1:5-ブロモ-6-エチルピリジン-2-アミンの製造
【0147】
【化29】
6-エチルピリジン-2-アミン(4.5 g、36.8 mmol)をジクロロメタン(20 mL)に溶解させ、液体臭素(5.25 g、29.5 mmol)を加えた。氷浴下で30分間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相は水と飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、それから無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより5-ブロモ-6-エチルピリジン-2-アミン(5.9 g、収率74%)を得た。MS m/z (ESI): 201 [M+1]
+。
【0148】
中間体C1:3-ブロモ-2-メチル-6-ニトロピリジンの製造
【0149】
【化30】
三口フラスコにおいて、30%の過酸化水素水(25 mL)を濃硫酸(38 mL)に滴下し、反応温度が10℃を超えないように制御した。そして、前記反応液に5-ブロモ-6-メチルピリジン-2-アミン(7.0 g、37.4 mmol)の濃硫酸溶液(38 mL)に滴下し、反応温度が20℃を超えないように制御した。氷浴下で1時間撹拌し、次いで室温で2時間撹拌し反応させた。1.5Lの氷水に入れ、濾過した。1.5 Lの水でケーキを洗浄してからジクロロメタン(200 mL)により溶解した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮して3-ブロモ-2-メチル-6-ニトロピリジン(3.8 g、収率45%)を得た。
中間体C2:3-ブロモ-2-エチル-6-ニトロピリジンの製造
【0150】
【化31】
中間体C2は、中間体C1の合成方法を参照して製造した。MS m/z (ESI): 201 [M-30]
+。
【0151】
中間体D1:3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジンの製造
【0152】
【化32】
3-ブロモ-2-メチル-6-ニトロピリジン(3.8 g、17.5 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(80mL)に溶解させ、2-クロロピリジン-4-フェノール(4.5 g、35 mmol)と炭酸カリウム(7.2 g、52.3 mmol)を加え、100℃で一晩反応させた。酢酸エチルと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(15
:1)〜石油エーテル/酢酸エチル(2:1)]、3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(1.76 g、収率37.8%)を得た。MS m/z (ESI): 235 [M-30]
+。
【0153】
中間体D2、D3は、中間体D1の合成方法を参照して製造した
【表A】
【0154】
中間体E1:2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジンの製造
【0155】
【化33】
3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(300 mg、1.13 mmol)を1,4-ジオキサン/水(20 mL/10 mL)に溶解させ、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(353 mg、1.69 mmol)、炭酸カリウム(467
mg、3.39mmol)および[1,1-ビス(ジフェニルリン)フェロセン]二塩化パラジウム(165 mg、0.226mmol)を加えた。三回空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、95℃で1時間攪拌し反応させた。酢酸エチルと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(2:1)〜酢酸エチル]、2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジン(300 mg、収率85%)を得た。MS m/z (ESI): 312 [M+H]
+。
【0156】
中間体E2-E18は、中間体E1の合成方法を参照して製造した:
【表B】
【0157】
中間体E19:2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジンの製造
【0158】
【化34】
第一工程:1-メチル-4-(トリブチルスタニル基)-1H-イミダゾールの製造
【0159】
【化35】
4-ヨード-1-メチル-1H-イミダゾール(250 mg、1.2 mmol)を無水テトラヒドロフラン(4 mL)に溶解させ、-15℃でゆっくりエチルマグネシウムブロミド(1.2 mL、1.2 mmol)を滴下し、1時間攪拌し続けた。トリブチルすずクロリド(391 mg、1.2 mmol)を加え、-15℃で1時間攪拌し反応させた。そして飽和塩化アンモニウム溶液(20 mL)を加えクエンチングした。次いで酢酸エチルで三回抽出し(30 mL×3)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(20 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し、濃縮して1-メチル-4-(トリブチルスタニル基)-1H-イミダゾール(400 mg、収率90%)を得た。MS m/z (ESI): 373 [M+H]
+。
第二工程:2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジンの製造
【0160】
【化36】
1-メチル-4-(トリブチルスタニル基)-1H-イミダゾール(400 mg、1.07 mmol)を1,4-ジオキサン(20 mL)に溶解させ、3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(200mg、0.75 mmol)と[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(73 mg、0.1 mmol)を加えた。三回空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、110℃で6時間攪拌し反応させた。そして、濾過、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル〜石油エーテル/酢酸エチル(1/8)]、2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジン(52 mg、収率22%)を得た。MS m/z (ESI): 312 [M+H]
+。
中間体E20:2-メチル-3-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジンの製造
【0161】
【化37】
第一工程:4-ヨード-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジンの製造
【0162】
【化38】
2-フルオロ-4-ヨードピリジン(2.0 g、8.97 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)に溶解させ、室温で炭酸カリウム(3.7 g、26.9 mmol)と4-メチル-1H-イミダゾール(0.81 g、9.86mmol)を加えた。80℃で4時間撹拌し反応させた。そして水(50 mL)に入れ、酢酸エチルで二回抽出し(30 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(40 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し、4-ヨード-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン(2.2 g、収率86%)の粗製品を得た。MS m/z (ESI): 286 [M+H]
+。
第二工程:4-メトキシ-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジンの製造
【0163】
【化39】
4-ヨード-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン(660 mg、2.3 mmol)をメタノール/N,N-ジメチルホルムアミド(10 mL/10 mL)に溶解させ、臭化銅(660 mg、4.6 mmol)とナトリウムメトキシド(6.25 g、115.78 mmol)を加え、窒素ガスで三回置き換えた。100℃で2時間撹拌し反応させた。そして水(50 mL)に入れ、酢酸エチルで二回抽出し(40 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(50 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し、4-メトキシ-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン(500 mg、収率100%)の粗製品を得た。MSm/z (ESI): 190 [M+H]
+。
第三工程:2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-フェノールの製造
【0164】
【化40】
4-メトキシ-2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン(300 mg、1.587 mmol)を48%の臭化水素酸水溶液(20 mL)に溶解させ、130℃で三日間攪拌し反応させた。炭酸ナトリウムでpH=7になるように調整し、凍結乾燥後エタノールを加え1分間超音波処理してから濾過し、ろ液を回転乾燥して2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-フェノール(250 mg、収率100%)の粗製品を得た。MS m/z (ESI): 176 [M+H]
+。
第四工程:2-メチル-3-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジンの製造
【0165】
【化41】
2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-フェノール(200 mg、1.14 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解させ、3-ブロモ-2-メチル-6-ニトロピリジン(250 mg、1.14 mmol)と炭酸カリウム(472 g、3.42 mmol)を加えた。90℃で16時間撹拌し反応させた。そして水(200 mL)に入れ、次いで酢酸エチルで二回抽出し(50 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(100 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、次いで濃縮後カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル〜石油エーテル/酢酸エチル(4:6)]、2-メチル-3-((2-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジン(60 mg、収率17%)を得た。MS m/z (ESI): 311 [M+H]
+。
中間体E21:2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-6-ニトロピリジンの製造
【0166】
【化42】
第一工程:2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)イソニコチンアルデヒドの製造
【0167】
【化43】
2-クロロイソニコチンアルデヒド(1.0 g、7.09 mmol)、1-メチル-1H-ピラゾールボロン酸ピナコール(1.77 g、8.51 mmol)、XPhos-Pd-G3(100 mg)、炭酸カリウム(1.95 g、14.18
mmol)を1,4-ジオキサン(20 mL)、水(2 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で90℃で3時間攪拌し反応させてから、LCMSにより反応が完了したと示し反応液をセライトで濾過し、ろ液を濃縮乾固し、残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜30%酢酸エチル:石油エーテル)、2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)イソニコチンアルデヒド(1.0 g、収率79%)を得た。MS m/z (ESI): 188 [M+H]
+。
【0168】
第二工程:(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メタノールの製造
【0169】
【化44】
2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)イソニコチンアルデヒド(1.0 g、5.34 mmol)をメ
タノール(20 mL)に溶解させ、数回に分けて水素化ホウ素ナトリウム(1.0 g、26.7 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し反応させ、LCMSは反応が完了したことを示してから、反応液を濃縮乾固し残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜10% MeOH:DCM)、(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メタノール(800 mg、収率80%)を得た。MS m/z (ESI): 190 [M+H]
+。
第三工程:4-(ブロモメチル)-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンの製造
【0170】
【化45】
(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メタノール(500 mg、2.64 mmol)、四臭化炭素(1.31 g、3.97 mmol)をジクロロメタン(20 mL)に溶解させ、数回に分けてトリフェニルホスフィン(1.04 g、3.97 mmol)を加えた。室温で0.5時間撹拌し反応させ、LCMSは反応が完了したことを示してから、反応液を濃縮乾固し残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜20% EA:PE)、4-(ブロモメチル)-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(300 mg、45%)を得た。そのまま次の反応に利用した。
第四工程:2-メチル-6-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンの製造
【0171】
【化46】
3-ブロモ-2-メチル-6-ニトロピリジン(2.2 g、10.1 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.0 g、12.1 mmol)、Pd(dppf)Cl
2 (200 mg)、酢酸カリウム(3.0 g、30.4 mmol)を1,4-ジオキサン(40mL)に溶解させ、110℃の窒素ガスの保護で2時間攪拌し反応させ、LCMSが反応が完了したと示してから、反応液をセライトで濾過し、ろ液を濃縮乾固し、残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜20% EA:PE)、2-メチル-6-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(1.8 g、収率67%)を得た。そのまま次の反応に利用した。
第五工程:2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-6-ニトロピリジンの製造
【0172】
【化47】
2-メチル-6-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(270mg、1.02 mmol)、4-(ブロモメチル)-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(260mg、1.02 mmol)、XPhos-Pd-G3(50 mg)、リン酸カリウム(650 mg、3.06 mmol)を1,4-ジオキサン(10 mL)、水(2 mL)に溶解させ、90℃の窒素ガスの保護で3時間攪拌し反応させ、LCMSにより反応が完了したと示してから反応液をセライトで濾過し、ろ液を濃縮乾固し、残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜10% MeOH:DCM)、2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-6-ニトロピリジン(250 mg
、収率79%)、MS m/z (ESI): 280 [M-30]
+を得た。
中間体E22:2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリミジンの製造
【0173】
【化48】
第一工程:2-メチル-6-ニトロピリジン-3-フェノールの製造
【0174】
【化49】
2-メチル-6-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(1.4 g、5.28 mmol)をジクロロメタン(50 mL)に溶解させた。溶液に過酸化水素水(30%の水溶液、3.0 g、26.4 mmol)を加えた。反応液を室温で16時間撹拌した。反応が完了してから、濾過、減圧して溶剤を除去し、2-メチル-6-ニトロピリジン-3-フェノール(700 mg、収率86%)を得た。MS m/z (ESI): 155 [M+H]
+。
第二工程:2-クロロ-4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリミジンの製造
【0175】
【化50】
2-メチル-6-ニトロピリジン-3-フェノール(700 mg、4.5 mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(25 mL)に溶解させた。反応液に2,4-ジクロロピリミジン(1.0 g、6.75 mmol)、炭酸カリウム(1.24g、9.0mmol)を加えた。反応液を80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(50 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル剤(50 mL×3)により抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、減圧で溶剤を除去した。得られた粗製品をカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル〜石油エーテル/酢酸エチル(1:1)]、2-クロロ-4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリミジン(478 mg、収率40%)を得た。MS m/z (ESI): 267 [M+H]
+。
【0176】
第三工程:2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリミジンの製造
【0177】
【化51】
2-クロロ-4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリミジン(180 mg、0.67 mmol)を混合溶剤(1,4-ジオキサン:水 = 6:1、3.5 mL)に溶解させた。溶液に1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(169 mg、0.81 mm
ol)、炭酸カリウム(185 mg、1.34 mmol)および[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(60 mg、0.08 mmol)を加えた。窒素ガスの雰囲気で反応液を二回換気させ、90℃で16時間反応させた。反応液を室温まで冷却してから、酢酸エチルにより希釈し、水により抽出してから有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル〜酢酸エチル(1:3)]、2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリミジン(130 mg、収率62%)を得た。MS m/z (ESI): 313 [M+H]
+。
中間体E23:N-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミドの製造
【0178】
【化52】
3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(200 mg、0.75 mmol)を1,4-ジオキサン(15 mL)に溶解させ、アセトアミド(266 mg、4.52 mmol)、炭酸セシウム(731mg、2.25 mmol)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(142 mg、0.3 mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(137 mg、0.15 mmol)を加えた。三回空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、100℃で16時間攪拌し反応させた。酢酸エチルと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(2:1)〜石油エーテル/酢酸エチル(1:1)]、N-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)アセトアミド(200 mg、収率76%)を得た。MS m/z (ESI): 289 [M+H]
+。
中間体E24:N-(4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-4-メチルピペラジン-1-カルボキサミドの製造
【0179】
【化53】
第一工程:4-メチルピペラジン-1-カルボキサミドの製造
【0180】
【化54】
N-メチルピペラジン(1.17 g、11.74 mmol)をイソプロピルアルコール(30 mL)に溶解させ、イソシアン酸トリメチルシリル(2.38 g、20.72 mmol)を加え、反応液を窒素ガスの雰囲気において室温で16時間攪拌した。濃縮してから4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド(1.7g、収率100%)を得た。MS m/z (ESI): 144 [M+H]
+。
第二工程:4-メチル-N-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキサミドの製造
【0181】
【化55】
乾燥した三口フラスコにおいて、3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(500 mg、1.88 mmol)、4-メチルピペラジン-1-カルボキサミド(538 mg、3.76 mmol)、炭酸セシウム(1.53 g、4.7 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(173 mg、0.19mmol)と2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(180 mg、0.38mmol)を加えた。三回空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、無水1,4-ジオキサン(18 mL)を加え、110℃で一晩攪拌し反応させた。反応が完了してから酢酸エチル(30 mL)により希釈し、セライトで濾過し、固体を除去し、ろ液を濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール(10:1)]、4-メチル-N-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキサミド(400 mg、収率58%)を得た。MS m/z (ESI): 373 [M+H]
+。
【0182】
中間体E25、E26は、中間体E23の合成方法を参照して製造した:
【表C】
【0183】
中間体F1:6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-アミンの製造
【0184】
【化56】
2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-ニトロピリジン(300 mg、0.96 mmol)をエタノール/水(30 mL/15 mL)に溶解させ、鉄粉(430 mg、7.68mmol)と塩化アンモニウム(518 mg、9.60 mmol)を加えた。95℃で2時間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相は水と飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、それから無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(250 mg、収率94%)を得た。MS m/z (ESI): 282 [M+H]
+。
【0185】
中間体F2-F26は、中間体F1の合成方法を参照して製造した:
【表D】
【0186】
中間体F9:t-ブチル4-(4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートの製造
【0187】
【化57】
第一工程:t-ブチル 4-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートの製造
【0188】
【化58】
3-((2-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)2-メチル-6-ニトロピリジン(200 mg、0.67 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、トリエチルアミン(135 mg、1.34 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(8 mg、0.067 mmol)およびジ-t-ブチルジカーボネート(294 mg、1.34mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し反応させた。次いで、水(50 mL)に入れ
、次いでジクロロメタンで抽出し(20 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(20
mL)、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、次いで濃縮して、t-ブチル4-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(270
mg、収率100%)の粗製品を得た。MS m/z (ESI): 398 [M+H]
+。
第二工程:t-ブチル4-(4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートの製造
【0189】
【化59】
t-ブチル4-(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(240 mg0.6 mmol)をメタノール(15 mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(24 mg)を加えた。水素で3回置換し、水素条件下で22時間撹拌し反応させた。次いで、濾過し、濾液を濃縮して、t-ブチル4-(4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートの粗製品(200 mg、収率91%)を得た。MS m/z (ESI): 368 [M+H]
+。
中間体F10:5-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)6-メチルピリジン-2-アミンの製造
【0190】
【化60】
3-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(3.7 g、8.13 mmol)をメタノール(150 mL)に溶解し、7 Mアミノメタノール溶液(2 mL)および10%パラジウム炭素(400 mg)を加えた。水素で3回置換し、水素条件下で16時間撹拌し反応させた。次いで、濾過し、濾液を濃縮して、5-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)6-メチルピリジン-2-アミンの粗製品(3.0 g、収率87%)を得た。MS m/z (ESI): 426[M+H]
+。
中間体F21:6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メチル)ピリジン-2-アミンの製造
【0191】
【化61】
2-メチル-3-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メチル)-6-ニトロピリジン(250 mg、0.81 mmol)、10%重質留分(30 mg)をメタノール(20 mL)に投入し、室温で2時間攪拌し反応させLCMSにより反応が完了したと示してから反応液をセライトで濾過し、ろ液を濃縮乾固し、残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜10% MeOH:DCM)、6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)メチル)ピリ
ジン-2-アミン(150 mg、収率66%)、MS m/z (ESI): 280 [M+H]
+を得た。
中間体F27:4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)N-メチルメチルピリジンアミドの製造
【0192】
【化62】
第一工程:6-ヨード-2-メチルピリジン-3-フェノールの製造
【0193】
【化63】
2-メチルピリジン-3-フェノール(13.5 g、123.8 mmol)のメタノール/水(100 mL/160 mL)溶液に、炭酸ナトリウム(20.5 g、193.4 mmol)およびヨウ素単体(23.6 g、92.9 mmol)を加えた。室温で2時間撹拌し反応させた。濃塩酸を用いてpHを3に調整した後、ジクロロメタンと水で分層した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製品をジクロロメタンでスラリーした後、濾過して6-ヨード-2-メチルピリジン-3-フェノール(8.4 g、収率38%)を得た。MS m/z (ESI): 236[M+H]
+。
第二工程:メチル4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)メチルピリジン酸エステルの製造
【0194】
【化64】
N,N-ジメチルホルムアミド(50 mL)の6-ヨード-2-メチルピリジン-3-フェノール(6.0 g、25.5 mmol)溶液に、メチル4-クロロメチルピリジン酸塩(8.73 g、51 mmol)および炭酸カリウム(7.0 g、51 mmol)を加えた。100℃で一晩撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮後カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 3:1)により分離し、メチル4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)メチルピリジンエステル(3.3 g、収率 34%)を得た。MS m/z (ESI): 371 [M+H]
+。
第三工程:4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)o-ピコリン酸の製造
【0195】
【化65】
メチル4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)メチルピリジン酸エステル(3.3
g、8.9 mmol)のメタノール/テトラヒドロフラン/水(10 mL/10 mL/10 mL)溶液に水酸化リ
チウム(3.7 g、89 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し反応させた。1 Mの塩酸でpHを6に調整し、次いでジクロロメタンで3回抽出し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮して4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジンカルボン酸(3.2 g、収率100%)を得た。MS m/z (ESI): 357 [M+H]
+。
第四工程:4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)メチルピリジンクロリドの製造
【0196】
【化66】
塩化オキサリル(2.8 g、22.4 mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(1滴)を、ジクロロメタン(50 mL)の4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジンカルボン酸(2.0 g、5.6mmol)溶液に加えた。室温で1時間撹拌し反応させた。濃縮後、塩化4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)メチルピリジンクロリド(2.1 g、収率100%)を得て、そのまま次の工程に利用した。MS m/z (ESI): 375 [M+H]
+。
第五工程:4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)N-メチルメチルピリジンアミドの製造
【0197】
【化67】
2 Mのメタンテトラヒドロフラン(20 mL、40 mmol)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.1g、16.8 mmol)および4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)メチルピリジンクロリド(2.1g、5.6 mmol)を加えた。室温で30分間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 2:1)により分離して、4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)N-メチルメチルピリジンアミド(700 mg、収率34%)を得た。MS m/z (ESI): 370 [M+H]
+。
第六工程:t-ブチル(6-メチル-5-((2-(メチルカルバミル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメートの製造
【0198】
【化68】
4-((6-ヨード-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)N-メチルメチルピリジンアミド(700 mg、1.9mmol)を1,4-ジオキサン(50 mL)に溶解し、t-ブチルカルバメート(1.1 g、9.5 mmol)、炭酸セシウム(1.8 g、5.7 mmol)、1,1'-ビスジフェニルホスフィンフェロセン二塩化パラジウム(347 mg、0.38 mmol)および2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2'、4'、6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル(360 mg、0.76 mmol)を加えた。三回空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、100℃で16時間攪拌し反応させた。濾過し、濃縮してから、カラム
クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール= 1:1)により、t-ブチル(6-メチル-5-((2-(メチルカルバミル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(80 mg、収率11%)を得た。MS m/z (ESI): 359 [M+H]
+。
第七工程:4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)N-メチルメチルピリジンアミドの製造
【0199】
【化69】
t-ブチル(6-メチル-5-((2-(メチルカルバミル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(80 mg、0.22 mmol)の1M塩酸/酢酸エチル(6 mL、6 mmol)溶液を室温で1時間撹拌した。濃縮後、4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)N-メチルメチルピリジンアミド(40 mg、収率70%)を得た。MS m/z (ESI): 259 [M+H]
+。
中間体G1:3,3-ジメチルピロリジン-2-オンの製造
【0200】
【化70】
第一工程:t-ブチル2-カルボニルピロリジン-1-カルボン酸エステルの製造
【0201】
【化71】
ピロリジン-2-オン(2.5 g、29.4 mmol)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、ジ-t-ブチルジカーボネート(12.83 g、58.8 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(3.6 g、29.4 mmol)およびトリエチルアミン(2.95 g、29.4 mmol)を加えた。室温で2時間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(30:1)〜石油エーテル/酢酸エチル(9:1)]、t-ブチル2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(4.6 g、収率84%)を得た。MS m/z (ESI):393 [2M+Na]
+。
第二工程:t-ブチル3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボン酸エステルの製造
【0202】
【化72】
t-ブチル2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(2.0 g、10.8 mmol)をテトラヒドロフラン(100 mL)に溶解させ、-78℃で1 Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(32 mL、32.4 mmol)を加えた。30分後、ヨードメタン(9.23 g、65 mmol)を加えた。-78℃で40分間撹拌し、次いで室温で2時間撹拌し反応させた。酢酸エチ
ルと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(30:1)〜石油エーテル/酢酸エチル(9:1)]、t-ブチル3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(1.3 g、収率56%)を得た。MS m/z (ESI): 449 [2M+Na]
+。
第三工程:3,3-ジメチルピロリジン-2-オンの製造
【0203】
【化73】
t-ブチル3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(2.3 g、10.7 mmol)を4M塩酸/1,4-ジオキサン溶液(10 mL)に溶解し、室温で2時間撹拌し反応させた。7 Mのアミンメタノール溶液を添加し、濃縮固体をメチルt-ブチルエーテルで2回洗浄し、有機相を濃縮して3,3-ジメチルピロリジン-2-オン(1.09 g、収率89%)を得た。MS m/z (ESI): 227 [2M+Na]
+。
中間体G2:3,3-ジメチルピペリジン-2-オンの製造
【0204】
【化74】
第一工程:t-ブチル2-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸エステルの製造
【0205】
【化75】
ピペリジン-2-オン(5.0 g、50 mmol)をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、ジ-t-ブチルジカーボネート(13.0 g、60 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(6.15 g、50 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(12.9 g、100 mmol)を加えた。室温で一晩撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を順次水および飽和塩化ナトリウムで洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 2:1)により分離して、t-ブチル2-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸エステル(8.5 g、収率84%)を得た。MS m/z (ESI): 393 [2M+Na]
+。
第二工程:t-ブチル3,3-ジメチル-2-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸エステルの製造
【0206】
【化76】
t-ブチル2-カルボニルピペリジン-1-カルボキシレート(5.1 g、25 mmol)をテトラヒドロフラン(50 mL)に溶解させ、-78℃で1 Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(100 mL、100 mmol)を加えた。30分後、ヨードメタン(17.75 g、125 mmol)を加えた。-78℃で40分間撹拌し、次いで室温で2時間撹拌し反応させた。酢酸エチ
ルと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 5:1)により分離して、t-ブチル3,3-ジメチル-2-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸エステル(3.0 g、収率52%)を得た。MS m/z (ESI): 421 [2M+Na]
+。
第三工程:3,3-ジメチルピペリジン-2-オンの製造
【0207】
【化77】
t-ブチル3,3-ジメチル-2-カルボニルピペリジン-1-カルボキシレート(3.0 g、13 mmol)を4 M塩酸/1,4-ジオキサン溶液(39 mL)に溶解させた。室温で2時間撹拌し反応させた。濃縮後、7 Mのアミンメタノール溶液を加え、さらに濃縮した固体をメチルt-ブチルエーテルで2回洗浄し、有機相を濃縮して3,3-ジメチルピペリジン-2-オンを得た(1.5 g、収率90%)。MS m/z (ESI): 277 [2M+Na]
+。
中間体G3:2,2-ジメチルモルホリン-3-オンの製造
【0208】
【化78】
第一工程:2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)エタン-1-アミンの製造
【0209】
【化79】
2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エタン-1-アミン(1.75 g、8.9 mmol)を1,2-ジクロロエタン(20 mL)に溶解させ、2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド(1.75 g、8.9 mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(760 mg、20 mmol)を加えた。2時間攪拌し続けた後、ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して、2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)エタン-1-アミン(2 g、収率63%)を得た。MS m/z (ESI): 356 [M+1]
+。
第二工程:2-ブロモ-N-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-2-メチル-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)プロピオンアミドの製造
【0210】
【化80】
2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)エタン-1-アミン(2.0 g、5.6 mmol)を氷浴下でジクロロメタン(20 mL)に溶解させ、トリエチルアミン(1.13 g、11.2mmol)および2-ブロモ-2-メチルプロピオニル臭素化(1.4 g、6.2 mmol)を加えた。氷浴下で30分間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して、2-ブロモ-N-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-2-メチル-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)プロピオンアミド(2.4 g、収率85%)を得た。MS m/z (ESI): 504 [M+H]
+。
第三工程:2-ブロモ-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)プロピオンアミドの製造
【0211】
【化81】
2-ブロモ-N-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-2-メチル-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)プロピオンアミド(2.4 g、4.7 mmol)を、1 Mテトラブチルアンモニウムフルオライド/テトラヒドロフラン溶液(9.4 mL、9.4 mmol)に溶解させた。室温で30分間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して、2-ブロモ-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)プロピオンアミド(1.2 g、収率63%)を得た。MS m/z (ESI): 390 [M+H]
+。
第四工程:2,2-ジメチル-4-(2,4,6-トリメトキシベンジル)モルホリン-3-オンの製造
【0212】
【化82】
2-ブロモ-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-N-(2,4,6-トリメトキシベンジル)プロピオンアミド(1.2 g、3 mmol)をテトラヒドロフラン(20 mL)に溶解させ、カリウムt-ブトキシド(504 mg、4.5 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して、2,2-ジメチル-4-(2,4,6-トリメトキシベンジル)モルホリン-3-オン(700 mg、収率75%)を得た。MS m/z (ESI): 310 [M+H]
+。
第五工程:2,2-ジメチルモルホリン-3-オンの製造
【0213】
【化83】
2,2-ジメチル-4-(2,4,6-トリメトキシベンジル)モルホリン-3-オン(350 mg、1.13 mmol)のトルエン(8 mL)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(1 mL)を加えた。マイクロ波210℃で20分間撹拌し反応させた。濃縮後7 Mのアンモニアメタノール処理をしてからさらに濃縮した。その後、ジクロロメタンで処理し、濾過した。濾液を濃縮して2,2-ジメチルモルホリン-3-オン(250 mg、収率100%)を得た。MS m/z (ESI): 130 [M+H]
+。
中間体G4:3,3-ジプロピルピロリジン-2-オンの製造
【0214】
【化84】
第一工程:3,3-ジアリルピロリジン-2-オンの製造
【0215】
【化85】
ドライアイスアセトン浴で、t-ブチル2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(3.0 g、16.2 mmol)のテトラヒドロフラン(80 mL)溶液に、1Mの1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザンのリチウム塩(48.6 mL、48.6 mmol)を加えた。-78℃で30分間撹拌した後、3-ブロモプロパン-1-エン(6.8 g、56.7 mmol)を加えた。-78℃で1時間攪拌し、次いで常温で2時間攪拌し反応させた。氷水に入れ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 1:1)により分離して、3,3-ジアリルピロリジン-2-オン(850 mg、収率31%)を得た。MS m/z (ESI): 166 [M+H]
+。
第二工程:t-ブチル3,3-ジアリル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレートの製造
【0216】
【化86】
3,3-ジアリルピロリジン-2-オン(850 mg、5.15 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に、トリエチルアミン(520 mg、5.15 mmol)、ジ-t-ブチルジカーボネート(2.2 g、10.3 mmol)および4-(ジメチルアミノ)-ピリジン(633 mg、5.15 mmol)を加えた。室温で一晩撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグ
ラフィー (石油エーテル/酢酸エチル = 2:1)により分離して、t-ブチル3,3-ジアリル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボン酸エステル(750 mg、収率55%)を得た。MS m/z (ESI): 266 [M+H]
+。
第三工程:t-ブチル2-カルボニル-3,3-ジプロピルピロリジン-1-カルボキシレートの製造
【0217】
【化87】
tert-ブチル3,3-ジアリル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(200 mg、0.75mmol)のメタノール(10 mL)溶液に10%のパラジウム炭素(50 mg)を加え、水素下で室温で一晩撹拌し反応させた。濾過し、濾液を濃縮して、t-ブチル2-カルボニル-3,3-ジプロピルピロリジン-1-カルボキシレート(200 mg、収率100%)を得た。MS m/z (ESI): 270[M+H]
+。第四工程:3,3-ジプロピルピロリジン-2-オンの製造
【0218】
【化88】
t-ブチル2-カルボニル-3,3-ジプロピルピロリジン-1-カルボキシレート(200 mg、0.74mmol)の1M塩酸/1,4-ジオキサン(8 mL)溶液を室温で2時間撹拌した。濃縮後、7Mのアミノメタノール溶液で処理し、さらに濃縮した。次いで、メチルt-ブチルエーテルで処理し、濾過し、濾液を濃縮して、3,3-ジプロピルピロリジン-2-オン(120 mg、収率96%)を得た。MS
m/z (ESI): 170 [M+H]
+。
中間体G5:t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-2-カルボキシレートの製造
【0219】
【化89】
第一工程:t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-7-エン-2-カルボキシレートの製造
【0220】
【化90】
t-ブチル3,3-ジアリル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(500 mg、1.88mmol)のジクロロメタン(30 mL)溶液に、第二世代グラブス触媒(160 mg、0.188 mmol)を加えた。室温で一晩撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 3:1)により分離して、t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-7-エン-2-カルボン酸エステル(410 mg、収率92%)を得た。MS m/z (ESI): 238 [M+H]
+。
第二工程:t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-2-カルボキシレートの製造
【0221】
【化91】
t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-7-エン-2-カルボキシレート(410 mg、1.73 mmol)のメタノール(10 mL)溶液にパラジウム炭素(100 mg)を加えた。水素下で室温で2時間撹拌し反応させた。濾過し、濾液を濃縮して、t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-2-カルボキシレート(400 mg、収率96%)を得た。MS m/z (ESI): 240 [M+H]
+。
第三工程:2-アザスピロ[4.4]ノナン-1-オンの製造
【0222】
【化92】
t-ブチル1-カルボニル-2-アザスピロ[4.4]ノナン-2-カルボキシレート(400 mg、1.68mmol)の1M塩酸/1,4-ジオキサン(8 mL)溶液を室温で2時間撹拌した。濃縮後、7Mのアミノメタノール溶液で処理し、さらに濃縮した。次いで、メチルt-ブチルエーテルで処理し、濾過し、濾液を濃縮して、2-アザスピロ[4.4]ノナン-1-オン(230 mg、収率99%)を得た。MS m/z (ESI): 140 [M+H]
+。
中間体G6:3-メチルピロリジン-2-オンの調製
【0223】
【化93】
第一工程:t-ブチル3-メチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレートの製造
【0224】
【化94】
t-ブチル2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(2.0 g、10.81 mmol)をテトラヒドロフラン(50 mL)に溶解させ、-78℃の条件でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(13 mL、13mmol)を滴下し、30分間攪拌した。次いで、ヨードメタン(1.61 g、11.35 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液を添加してクエンチした。反応液を水(150 mL)に入れ、次いで酢酸エチルで抽出し(100 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(100 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、次いで濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル〜石油エーテル/酢酸エチル(85:15)]、t-ブチル3-メチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボン酸エステル(0.6 g、収率28%)を得た。MS m/z (ESI): 421 [2M+Na]
+。
第二工程:3-メチルピロリジン-2-オンの製造
【0225】
【化95】
t-ブチル3-メチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキシレート(0.6 g、3 mmol)を酢酸エチル塩酸塩溶液(10 m、10 mmol)に溶解させ、室温で4時間撹拌した。7 Mのアンモニアメタノール(2 mL)を加え、濃縮後メチルt-ブチルエーテル(20 mL)を加えた。濾過し、濾液を濃縮して3-メチルピロリジン-2-オン(300 mg、収率100%)の粗製品を得た。MS m/z (ESI): 199 [2M+H]
+。
中間体G7-1:メチル2-(シアノメチル)-2-メチルブチレートの製造
【0226】
【化96】
メチル2-メチルブチレート(5.0 g、43.1mmol)をテトラヒドロフラン(30 mL)に溶解させ、-78℃でリチウムジイソプロピルアミド(23.7 mL、47.4 mmol)を滴下し、30分間撹拌した。次いで、ブロモアセトニトリル(6.2 g、51.7 mmol)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液を加え、室温までゆっくり昇温し、室温で16時間撹拌した。1 M塩酸水溶液(75 mL)を加えてクエンチし、メチルt-ブチルエーテルで抽出し(75 mL×3)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(100mL)、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、その後、0℃で濃縮してから、減圧蒸留してメチル2-(シアノメチル)-2-メチルブチレート(3.5 g、収率57.5%)を得た。
【0227】
中間体G8-1、G9-1は、中間体G7-1の合成方法を参照して製造した:
【表E】
【0228】
中間体G10-1:メチル2-(ベンジルオキシ)-3-シアノ-2-メチルプロピオネートの製造
【0229】
【化97】
第一工程:メチル2-(ベンジルオキシ)プロピオン酸エステルの製造
【0230】
【化98】
氷浴下でメチル2-ヒドロキシプロピオネート(10.0 g、96 mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、60%水素化ナトリウム(5.7g、144 mmol)および臭化ベンジル(19.6 g、115mmol)を加えた。氷浴下で1時間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌し反応させた。反応物を氷水に入れ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 5:1)により分離して、メチル2-(ベンジルオキシ)プロピオン酸エステル(12.8 g、収率68%)を得た。MS m/z (ESI): 195 [M+H]
+。
第二工程:メチル2-(ベンジルオキシ)-3-シアノ-2-メチルプロピオネートの製造
【0231】
【化99】
ドライアイスアセトン浴で、メチル2-(ベンジルオキシ)プロピオン酸エステル(2.0 g、10mmol)のテトラヒドロフラン(40 mL)溶液に、2 Mのジイソプロピルアミノリチウム(6.5 mL、13 mmol)を加えた。-78℃で30分間撹拌した後、ブロモアセトニトリル(1.8 g、15 mmol)を加えた。-78℃で1時間攪拌し、次いで室温で1時間攪拌し反応させた。塩化メチレンと飽和塩化アンモニウムで分層した。有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してからカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル = 3:1)により分離して、メチル2-(ベンジルオキシ)-3-シアノ-2-メチルプロピオネート(800 mg、収率33%)を得た。MS m/z (ESI): 234 [M+H]
+。
中間体G11-1:メチル2-(シアノメチル)-4-メトキシ-2-メチルブチレートの製造
【0232】
【化100】
第一工程:メチル4-メトキシ-2-メチルブチレートの製造
【0233】
【化101】
3-メチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(4.0 g、40 mmol)をメタノール(40 mL)に溶解させ、オルトギ酸トリエチル(8.48 g、80 mmol)および濃硫酸(100 mg)を室温で加えた。室温で16時間撹拌し反応させ、次いで水(200 mL)に入れ、次いで酢酸エチルで抽出し(100 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(100 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、次いで濃縮し、メチル4-メトキシ-2-メチルブチレートの粗製品(4.0 g、収率68.5%)を得た。MS m/z (ESI): 147 [M+H]
+。
【0234】
第二工程:メチル2-(シアノメチル)-4-メトキシ-2-メチルブチレートの製造
【0235】
【化102】
メチル4-メトキシ-2-メチルブチレート(4.0 g、27.36 mmol)をテトラヒドロフラン(100
mL)に溶解させ、-78℃でリチウムジイソプロピルアミド(15.05 mL、30.1 mmol)を滴下し、30分間撹拌した。次いでブロモアセトニトリル(3.94 g、32.83 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。1Mの塩酸水溶液(75 mL)を加えクエンチし、メチルt-ブチルエーテルで抽出し(75mL×3)、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(100 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過した後、0℃で濃縮し、減圧蒸留してメチル2-(シアノメチル)-4-メトキシ-2-メチルブチレート(2.5 g、収率49.5%)を得た。
中間体G7:3-エチル-3-メチルピロリジン-2-オンの製造
【0236】
【化103】
メチル2-(シアノメチル)-2-メチルブチレート(1.5 g、10 mmol)をテトラヒドロフラン/水(20mL/10 mL)に溶解させ、塩化コバルト六水和物(1.19 g、5 mmol)を加えた。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(1.9 g、50 mmol)を氷浴下でゆっくり添加した。室温で16時間撹拌し反応させた。濃アンモニア水(5 mL)を加えて濾過し、酢酸エチルで抽出し(30 mL×2)、有機相を合併してブラインで洗浄し(40 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮して3-エチル-3-メチルピロリジン-2-オンの粗製品(600 mg、収率47%)を得た。MS m/z (ESI): 128 [M+H]
+。
【0237】
中間体G8、G9、G10、G11は、中間体G7の合成方法を参照して製造した:
【表F】
【0238】
具体的な実施例の化合物の製造
実施例1:3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0239】
【化104】
第一工程:3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボニル塩素化の製造
【0240】
【化105】
氷浴下で3,3-ジメチルピロリジン-2-オン(200 mg、1.75 mmol)およびピリジン(415 mg、5.26 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液をトリホスゲン(172 mg、0.58 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液に滴下した。5℃で30分間撹拌し反応させた。反応液は何の処理もせずに次の工程にそのまま利用した。
第二工程:3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0241】
【化106】
氷浴下で前記反応で得られた3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボニルクロリド(0.33 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液を、6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-アミン(93 mg、0.33 mmol)およびピリジン(78 mg、0.99 mmol)のジクロロメタン(10 mL)溶液に滴下した。5℃で30分間撹拌し、次いで室温で2時間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン/メタノール(15:1)]、3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(42 mg、収率30.4%)を得た。MS m/z (ESI): 421 [M+H]
+。
【0242】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.02 (s, 1H), 8.37 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.27 (s,
1H), 7.98 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.19 (d,
J = 2.5 Hz, 1H), 6.62 (dd, J= 5.7, 2.5 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.78 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.20 (s, 6H).
実施例2〜8、11〜40は、実施例1の合成方法を参照して製造した:
【表G】
【0243】
ここで、前記実施例化合物2〜8、11〜40を製造して得られた核磁気データは、以下の通りである。
【表H】
【0244】
実施例9:N-(5-((2-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0245】
【化107】
第一工程:t-ブチル4-(4-((6-(3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボオキサミド)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートの製造
【0246】
【化108】
トリホスゲン(88mg、0.296 mmol)をジクロロメタン(2 mL)に溶解させ、氷浴下で3,3-二メチルピロリジン-2-オン(100 mg、0.885 mmol)とピリジン(209 mg、2.655 mmol)のジクロロメタン(2 mL)溶液を加え、氷浴下で0.5時間攪拌し反応させた。そして、氷浴下でt-ブチル4-(4-((6-アミノ-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(90 mg、0.245 mmol)とピリジン(20 mg、0.25 mmol)のジクロロメタン(2 mL)溶液に加え、室温で1時間攪拌し反応させた。次いで、水(30 mL)に入れ、ジクロロメタンにより抽出(20 mL×2)してから、有機相を合併し、ブラインで1回洗浄し(40
mL)硫酸ナトリウムで乾燥してから濾過し、ろ液を濃縮してからt-ブチル4-(4-((6-(3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボオキサミド)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(50mg、収率40%)の粗製品を得た。MS m/z (ESI): 507 [M+H]
+。
第二工程:N-(5-((2-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0247】
【化109】
t-ブチル4-(4-((6-(3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボオキサミド)-2-メチルピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(50 mg、0.1mmol)を4Mの塩酸の酢酸エチル溶液(10 mL)に溶解させ、室温条件で3時間攪拌し反応させた。濾過して逆相カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:0.5%炭酸水素アンモニウムの水溶液〜0.5%炭酸水素アンモニウムの水溶液/アセトニトリル(50:50)]、N-(5-((2-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(9.3 mg、収率23%)を得た。MS m/z (ESI): 407 [M+H]
+。
【0248】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.06 (s, 1H), 11.01 (s, 1H), 8.37 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.58 (dd, J = 5.7, 2.4 Hz, 1H), 3.78 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.19 (s, 6H).
実施例10:N-(5-((2-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0249】
【化110】
第一工程:N-(5-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0250】
【化111】
トリホスゲン(2.07 g、7 mmol)をジクロロメタン(20 mL)に溶解させ、氷浴下で3,3-二メチルピロリジン-2-オン(2.4 g、21 mmol)とピリジン(4.98 g、63 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液を加え、氷浴下で0.5時間攪拌し反応させた。そして、氷浴下でそれを5-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-アミン(3.0 g、7 mmol)とピリジン(560 mg、7 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に入れ、室温で1時間攪拌し反応させた。次いで水(200 mL)に入れ、ジクロロメタンにより二回抽出し(100 mL×2)、有機相を合併し、ブラインで1回
洗浄し(100 mL)、硫酸ナトリウムで乾燥してから濾過し、そして逆相カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:0.5%炭酸水素アンモニウムの水溶液〜0.5%炭酸水素アンモニウムの水溶液/アセトニトリル(50:50)]、N-(5-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(1.0 g、収率2.5%)を得た。MS m/z (ESI): 565 [M+H]
+。
第二工程:N-(5-((2-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0251】
【化112】
N-(5-((2-(1-(2-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(1.0 g、1.77 mmol)を4Mの塩酸の1,4-ジオキサン溶液(15 mL)に溶解させ、室温条件で2時間攪拌し反応させた。濾過して逆相カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:0.5%炭酸水素アンモニウムの水溶液〜0.5%炭酸水素アンモニウムの水溶液/アセトニトリル(50:50)]、N-(5-((2-(1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-6-メチルピリジン-2-イル)-3,3-ジメチル-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(377mg、収率47.3%)を得た。MS m/z (ESI): 451 [M+H]
+。
【0252】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.01 (s, 1H), 8.37 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.28 (d,
J = 0.7 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.66 (d, J
= 8.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 5.7, 2.5 Hz, 1H), 4.15 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.85 - 3.70 (m, 4H), 2.28 (s, 3H), 1.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.19 (s, 6H).
実施例41:3-ヒドロキシ-3-メチル-N-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0253】
【化113】
3-(ベンジルオキシ)-3-メチル-N-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(80 mg、0.15mmol)のメタノール(10 mL)溶液に重質留分(50 mg)を加えた。水素ガスの存在で50℃で2時間攪拌し反応させた。濾過して濃縮した。板クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=18:1)により3-ヒドロキシ-3-メチル-N-(6-メチル-5-((2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(10 mg、収率15%)を得た。MS m/z (ESI): 423 [M+1]
+。
【0254】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.93 (s, 1H), 8.37 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.27 (s,
1H), 8.01 - 7.85 (m, 2H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.62 (dd, J = 5.7, 2.4 Hz, 1H), 5.89 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.83 - 3.76 (m, 1H), 3.67 - 3.61 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.09 - 1.98 (m, 2H), 1.34 (s, 3H)。
実施例42:3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0255】
【化114】
第一工程:t-ブチルメチル(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメートの製造
【0256】
【化115】
3-((2-クロロピリジン-4-イル)オキシ)-2-メチル-6-ニトロピリジン(300 mg、1.13 mmol)、メチルカルバミン酸tert-ブチル(225 mg、1.70 mmol)、XPhos-Pd-G3(30 mg)、BINAP(60mg)、炭酸セシウム(740 mg、2.26 mmol)を1,4-ジオキサン(10 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で110
oCで2時間攪拌し反応させ、LCMSにより反応が完了したと示してから反応液をセライトで濾過し、ろ液を濃縮乾固し、残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜40% EA:PE)、t-ブチルメチル(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(320 mg、78%)を得た。MS m/z (ESI): 361 [M+1]
+。
第二工程:t-ブチルメチル(4-((2-メチル-6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメートの製造
【0257】
【化116】
t-ブチルメチル(4-((2-メチル-6-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(320 mg、0.89 mmol)、10%の重質留分(50 mg)をメタノール(20 mL)に溶解させ、室温で1時間攪拌し反応させ、LCMSにより反応が完了したと示してから反応液をセライトで濾過し、ろ液を濃縮乾固し、残りをフラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜40% EA:PE)、t-ブチルメチル(4-((2-メチル-6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(250 mg、85%)を得た。MS m/z (ESI): 331 [M+1]
+。
第三工程:3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(メチルBoc-アミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド
【0258】
【化117】
トリホスゲン(133 mg、0.45 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解させ、氷浴下で3,3-二メチルピロリジン-2-オン(103 mg、0.9 mmol)とピリジン(0.3 mL)のジクロロメタン(3 mL)溶液を加え、水浴で0.5時間攪拌し反応させた。そして、氷浴下でそれをt-ブチルメチル(4-((2-メチル-6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(100 mg、0.3 mmol)とピリジン(0.2 mL)のジクロロメタン(5 mL)溶液に加え、室温で2時間攪拌し反応させた。それを水(50 mL)に入れ、ジクロロメタンにより抽出し(40 mL×2)、有機相を合併し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してから順相カラムクロマトグラフィーにより分離して(0〜75% EA:PE)、3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(メチルBoc-アミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(60
mg、43%)、MS m/z (ESI): 470 [M+H]
+を得た。
第四工程:3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミドの製造
【0259】
【化118】
3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(メチルBoc-アミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(60 mg、0.13 mmol)、トリフルオロ酢酸(2mL)をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、室温で1時間攪拌し反応させ、LCMSにより原料が消えたことを示し、反応液が濃縮して得られた残留物を逆相フラッシュシリカゲルカラムにより分離して(0〜50% MeCN:H
2O)、3,3-ジメチル-N-(6-メチル-5-((2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)オキシ)ピリジン-2-イル)-2-カルボニルピロリジン-1-カルボキサミド(23.0 mg、48%)を得た。MS m/z (ESI): 370 [M+H]
+。
【0260】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 11.03 (s, 1H), 7.94 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.35 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 5.9, 2.1 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 3.86 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.84 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 2.33 (s, 3H), 1.94 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.27 (s, 6H).
生物学的測定・評価
一.CSF-1Rのの体外の生物化学的キナーゼ分析
本発明ではCSF-1R ADP-Gloassayにより化合物のCSF-1Rに対する阻害活性の特性を測定した。化合物による阻害はADPの生成(ATPの消耗により生成)を抑止することで、ADP-Gloキット(Promega,cat. No. V9101)を使用し、化合物の活性を評価した。具体的な実験過程は以下の通りである。
【0261】
1、本発明で行われたキナーゼ反応は、384ウェルプレート(Perkinelmer,cat. No. 6007290)で行われ、それぞれ3.95nMのCSF-1Rと500μMのATPおよび0.2mg/mLのポリペプチド(Poly (Glu4, Try1)およびSigma,cat. No. P0275)を取った。
【0262】
2、40mM Tris、pH 7.5、20mM MgCl
2、0.01% Triton X-100、0.1mg/mL BSA、2.5mM D
TT、0.1% DMSOの反応系に入れ、グラジエントで希釈した一連の化合物を測定した。
【0264】
4、キナーゼ反応と同等体積の停止溶液ADP-Gloを添加した。
【0265】
5、25℃で60分間インキュベートしてキナーゼ反応を停止した。
【0266】
6、キナーゼ反応の2倍の体積の測定試薬を添加した。
【0267】
7、25℃で30分間インキュベートした。
【0268】
8、プレートリーダー(Tecan、M1000)によってGraphpad Prismにおける4パラメーター曲線フィッティングで化合物IC
50の値を測定した。具体的な実施例の化合物のキナーゼ学活性は表1を参照する。
二.KIT/PDGFRAの体外の生物化学的キナーゼ実験
1、1倍のキナーゼ緩衝液と停止液
1.1 1倍のキナーゼ緩衝液:50 mM HEPES、pH 7.5、0.0015% Brij-35。
【0269】
1.2 停止液:100 mM HEPES、pH 7.5、0.015% Brij-35、0.2% Coating Reagent #3
50 mM EDTA
2、化合物の製造
2.1 化合物の希釈
1) 化合物の測定最終濃度は40 μMであり、50倍濃度、すなわち2 mMに調製した。
【0270】
2) 96ウェルプレートの第二孔に80μLの100% DMSOを入れ、さらに20μL 10mMの化合物
溶液を入れ、2 mMの化合物溶液を調製した。他の孔に60 μLの100% DMSOを入れた。第二孔から20μLの化合物を取り、第三孔に入れ、順に四倍希釈をし、合計10個の濃度に希釈した。
【0271】
2.2 5倍の化合物を反応プレートに転移した
1)前記96ウェルプレートの各孔から10μL を取り、別の96ウェルプレートに転移し、90 μLのキナーゼ緩衝液を加えた。
【0272】
2)前記96ウェルプレートから5μLを384ウェル反応板に取った。
【0273】
2.3 キナーゼ反応
1) KIT/PDGFRAキナーゼを1倍のキナーゼ緩衝液に入れ、2.5倍の酵素溶液を形成した。
【0274】
2) FAM標識のポリペプチドおよびATPを1倍のキナーゼバッファーに入れ、2.5倍の基質溶液を形成した。
【0275】
3) 384ウェル反応プレートに10 μLの2.5倍の酵素溶液を入れ、室温で10分間インキュベートした(384ウェル
反応プレートにはすでに 5μLの10% DMSOで溶解した5倍化合物がある)。
【0276】
4) 384ウェル反応プレートに10 μLの2.5倍基質溶液を加えた。
【0277】
5) キナーゼ反応と停止:28℃で所定時間インキュベートしてから、25 μLの停止液を加え、反応を停止させた。
【0278】
2.4 Caliper EZ Reader IIによりデータを読み取る
2.5 阻害率、IC
50の計算
1) Caliper EZ Reader IIから変換率データをコピーした。
【0279】
2)変換率を阻害率データに変換した。そのうち、maxはDMSO対照の変換率であり、minは酵素非活性対照の転化率を意味する。
【0280】
【数1】
3) XLFit excel add-in version 5.4.0.8によりIC
50値ををフィッティングし、フィッティング公式は下記である。
【0281】
【数2】
具体的な実施例の化合物のキナーゼ学活性は表1を参照する。
三.CSF-1R細胞増殖実験
本発明では、Cell Titer Glo(CTG)実験によって化合物の細胞増殖に対する機能的作用を評価した。中国食品薬品検定研究院由来のM-NFS-60マウス骨髄性白血病リンパ球細胞(カタログ番号CCBJ078)でRPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、10%牛胎児血清(Gibco、10099-141)、人間の10ng/mL M-CSFマクロファージコロニー刺激因子(R&D, cat. No. MVN0915101)において37℃、5% CO
2インキュベーターで培養した。ATPが生細胞新陳代謝の指標であるため、CTG(Promega, #G7573)試薬を使用することはATPの定量測定により培養物における生細胞の数を測定する均質検出方法である。そのため、細胞増殖/生存の化合物による阻害は細胞のATPレベルの定量で評価し、具体的な実験過程は以下の通りである。
【0282】
1、細胞を5000細胞/ウェル/80 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種した。
【0283】
2、24時間後、10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
【0284】
3、同時に、10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍のM-CSFマクロファージコロニー刺激因子希釈液を含む培地を入れた。
【0285】
4、化合物の3倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定した。
【0286】
5、細胞を37℃、5% CO
2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
【0287】
6、プレートリーダー(M1000、Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC
50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC
50)を測定した。具体的な実施例の化合物の細
胞活性を表1に示す。
四.CSF-1R細胞増殖実験
本発明では、Cell Titer Glo(CTG)実験によって化合物の細胞増殖に対する機能的作用を評価し、そして化合物が異なる細胞に対する増殖作用を観察し、その選択性の強弱状況を判断した。実験はそれぞれ南京科佰生物科技有限公司由来のM07eヒト巨核芽球白血病細胞(カタログ番号CBP60791)で、RPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、20%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)、人間の10ng/mL GM-CSF顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(R&D,
cat. No. 215-GM-010)において37℃、5% Co2インキュベーターで培養した。kasumi-1ヒト急性顆粒球性白血病細胞(カタログ番号CBP60524)で、RPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、20%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)において37℃、5% CO
2インキュベーターで培養した。NCI-H1703ヒト非小細胞肺癌扁平上皮癌細胞(カタログ番号CBP60115)において、RPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、10%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)で37℃、5% CO
2インキュベーターで培養した。MV-4-11ヒト急性単球白血病細胞(カタログ番号CBP60522)においてIMDM (Invitrogen, cat. No. 12440053)、20%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)で37℃、5% CO
2インキュベーターで培養した。ATPが生細胞新陳代謝の指標であるため、CTG
(Promega, #G7573)試薬を使用することはATPの定量測定により培養物における生細胞の数を測定する均質検出方法である。そのため、細胞増殖/生存の化合物による阻害は細胞のATPレベルの定量で評価し、具体的な実験過程は以下の通りである。具体的な実施例の化合物の細胞活性を表1に示す。
一)、M07e ヒト巨核芽球白血病細胞:
1、細胞を3500細胞/ウェル/80 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種し、24時間培養した。
【0288】
2、翌日に10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
【0289】
3、同時に、10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍のSCF組換えヒト幹細胞因子(R&D, cat. No. 7466-SC-010)希釈液を含む培地を入れた。
【0290】
4、化合物の4倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定し、18 μMから開始した。5、細胞を37℃、5% CO
2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
【0291】
6、プレートリーダー(M1000、Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC
50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC
50)を測定した。
二)、NCI-H1703ヒト非小細胞肺癌扁平上皮癌細胞:
1、細胞を5000細胞/ウェル/90 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種し、24時間培養した。
【0292】
2、翌日に10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
【0293】
3、化合物の3倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定し、18 μMから開始した。
【0294】
4、細胞を37℃、5% CO
2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
【0295】
5、プレートリーダー(M1000、Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメー
ター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC
50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC
50)を測定した。
三)、MV-4-11ヒト急性単球白血病細胞:
1、細胞を5000細胞/ウェル/90 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種し、24時間培養した。
【0296】
2、翌日に10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
【0297】
3、化合物の3倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定し、18 μMから開始した。
【0298】
4、細胞を37℃、5% CO
2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
【0299】
5、プレートリーダー(M1000、Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC
50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC
50)を測定した。
【0300】
【表1】
具体的な実施例の化合物の酵素学的活性のデータから、本発明の一連の化合物のCSF-1Rキナーゼ活性に対して強い阻害作用を有することがわかり、具体的な実施例の化合物の細胞活性のデータから、本発明の一連の化合物のCSF-1R高発現のM-NFS-60マウス骨髄性白血病リンパ球細胞の増殖活性に対して強い阻害作用を有することがわかった。また、前記実験結果から、本発明の一連の化合物はKIT、FLT 3、PDGFRAに対して強い選択性を有し、臨床応用ニーズを満たすように、次世代の高選択性CSF-1R阻害剤として開発されることが期待される。
【0301】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。