特許第6934315号(P6934315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6934315
(24)【登録日】2021年8月25日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20210906BHJP
【FI】
   A63F5/04 650
【請求項の数】1
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-79753(P2017-79753)
(22)【出願日】2017年4月13日
(65)【公開番号】特開2018-175434(P2018-175434A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2018年5月7日
【審判番号】不服2020-10870(P2020-10870/J1)
【審判請求日】2020年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】神藤 駿弥
【合議体】
【審判長】 石井 哲
【審判官】 鉄 豊郎
【審判官】 北川 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−99828(JP,A)
【文献】 特開2004−16702(JP,A)
【文献】 特開2016−112297(JP,A)
【文献】 特開2013−81613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/00 - 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
特典を付与可能な付与手段と、
前記特典が付与されるか否かを報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、
前記特典が付与される割合を示唆する示唆演出を、前記報知演出の実行前に実行可能な示唆演出実行手段とを備え、
前記示唆演出実行手段は、第1態様と第2態様と第3態様と第4態様とを含む複数種類の態様のうちいずれかの態様で前記示唆演出を実行可能であり、
前記第1態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合と、前記第2態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合とは異なり、
前記第2態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合と、前記第4態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合とは異なり、
前記第1態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合は、前記複数種類の態様のうち前記第1態様以外の全ての態様のそれぞれでの前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも低く、
前記第3態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合は、100%であり、
前記第1態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記第1態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも高く、
前記第2態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記第2態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも高く、
前記第4態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記第4態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも高く、
前記第2態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合と、前記第4態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合とは異なり、
前記示唆演出実行手段は、
前記第1態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときに実行可能であり、前記特典が付与されないときに実行せず、
前記第2態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときおよび前記特典が付与されないときのいずれにおいても実行可能であり、
前記第3態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときに実行可能であり、前記特典が付与されないときに実行せず、
前記第4態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときおよび前記特典が付与されないときのいずれにおいても実行可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機などがある。
【0003】
このような遊技機として、遊技者に特典を付与可能なものであった。さらに、この遊技機は、役物であるクルーンを有し、該クルーンの穴の数は3であり、このうち、当り穴が1つであり、外れ穴が2つであり、遊技球が当り穴に入ることにより、該特典の付与を報知するものがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−167102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した遊技機では、クルーンの穴の数は3であり、このうち、当り穴が1つであることから、遊技球が当り穴に入る割合、つまり特典の付与が報知される割合は、見た目のまま1/3であった。特典の付与の報知に関する興趣を向上させることができなかった。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特典の付与の報知に関する興趣を向上させる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
特典を付与可能な付与手段と、
前記特典が付与されるか否かを報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、
前記特典が付与される割合を示唆する示唆演出を、前記報知演出の実行前に実行可能な示唆演出実行手段とを備え、
前記示唆演出実行手段は、第1態様と第2態様と第3態様と第4態様とを含む複数種類の態様のうちいずれかの態様で前記示唆演出を実行可能であり、
前記第1態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合と、前記第2態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合とは異なり、
前記第2態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合と、前記第4態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合とは異なり、
前記第1態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合は、前記複数種類の態様のうち前記第1態様以外の全ての態様のそれぞれでの前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも低く、
前記第3態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合は、100%であり、
前記第1態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記第1態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも高く、
前記第2態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記第2態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも高く、
前記第4態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記第4態様での前記示唆演出で示唆される前記特典が付与される割合よりも高く、
前記第2態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合と、前記第4態様での前記示唆演出が実行されたときにおいて前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合とは異なり、
前記示唆演出実行手段は、
前記第1態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときに実行可能であり、前記特典が付与されないときに実行せず、
前記第2態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときおよび前記特典が付与されないときのいずれにおいても実行可能であり、
前記第3態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときに実行可能であり、前記特典が付与されないときに実行せず、
前記第4態様での前記示唆演出を、前記特典が付与されるときおよび前記特典が付与されないときのいずれにおいても実行可能である。
また、以下のような構成であってもよい。
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン)であって、
特典(たとえば、ATゲーム)を付与可能な付与手段(たとえば、メイン制御部)と、
前記特典が付与されるか否かを報知する報知演出(たとえば、図8(C)および図10(C)に示すように、最下位位置に到達した穴に遊技球112が進入する演出)を実行する報知演出実行手段(たとえば、サブ制御部)と、
前記特典が付与される割合を示唆する示唆演出(たとえば、当り穴を発光させる当り穴発光制御)を、前記報知演出の実行前に実行可能な示唆演出実行手段(たとえば、サブ制
御部)とを備え、
前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合(たとえば、図5に示す実際の信頼度)は、前記示唆演出で示唆される割合(たとえば、図5に示す見た目の信頼度)よりも高い。
【0008】
このような構成によれば、報知演出で特典が付与されることが報知される割合は、示唆演出で示唆される割合よりも高いことから、示唆演出の後に実行される報知演出の興趣を向上させることができる。したがって、特典の付与の報知に関する興趣を向上させることができる。
【0009】
(2) (1)に記載の遊技機において、
前記示唆演出実行手段は、複数種類の示唆演出のうちいずれかを実行可能であり(たとえば、図5に示すように、見た目の信頼度は、複数種類あり)、
前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は、前記複数種類の示唆演出それぞれで示唆される割合よりも高い(たとえば、図5に示すように、全てのパターンそれぞれの実際の信頼度は、見た目の信頼度よりも高い)。
【0010】
このような構成によれば、複数種類の示唆演出のうちいずれかを実行可能であることから、多様な示唆演出を実行することができる。また、複数種類の示唆演出のいずれが実行されたとしても、報知演出で特典が付与されることが報知される割合は、該実行された示唆演出で示唆される割合よりも高いため、多様な示唆演出を実行できつつ、示唆演出の後に実行される報知演出の興趣を向上させることができる。
【0011】
(3) (2)に記載の遊技機において、
前記複数種類の示唆演出は、第1示唆演出と、示唆される割合が該第1示唆演出よりも高い第2示唆演出とを含む(たとえば、図5に示すように、見た目の信頼度が25%であるパターンと、見た目の信頼度が37.5%であるパターンとがある)。
【0012】
このような構成によれば、実行される示唆演出の種類にも注目を集めることができる。
(4) (1)〜(3)いずれかに記載の遊技機において、
遊技球(たとえば、図2に示すように、遊技球112)が位置(たとえば、進入)することが可能な複数の領域(たとえば、図2に示すように、穴1〜穴8)を含む演出部材(たとえば、役物200)と、
遊技球が位置することにより前記特典が付与されることが報知される特定領域(たとえば、当り穴)を、前記複数の領域のうちから決定する(たとえば、図6のテーブルを用いて、穴パターンを決定する)決定手段とを備え、
前記示唆演出で示唆される割合(たとえば、図5に示すように、見た目の信頼度)は、前記決定手段により決定された特定領域の数に対応する(たとえば、見た目の信頼度は、図5の※1印の式に基づいて算出される)。
【0013】
このような構成によれば、決定される特定領域の数に対して遊技者の注目を集めることができる。
【0014】
(5) (4)に記載の遊技機において、
前記演出部材は、
遊技球を発射させる発射手段(たとえば、図2に示すように、遊技球発射口110)と、
該発射された遊技球を移動させる移動部材(たとえば、図2に示すように、傾斜部材114)と、
前記移動部材を移動した遊技球を転動させる転動部材(たとえば、図2に示すように、転動部材116)と、
前記複数の領域が、円周方向に沿って配置された領域配置部材(たとえば、回転板120)とを含み、
前記領域配置部材は、前記円周方向(たとえば、回転方向α)に回転し、
前記報知演出実行手段は、前記転動部材で転動している遊技球の転動が終了したときに、該遊技球が前記特定領域に位置することにより、前記特典が付与されることを報知する(たとえば、図8(C)に示すように、転動が終了した遊技球112が当り穴1に進入することにより、ATゲームが付与されたことが報知される)。
【0015】
このような構成によれば、たとえば、転動部材で遊技球が転動している期間で、遊技球が特定領域に位置するか否かを遊技者に煽ることができる。
【0016】
(6) (5)に記載の遊技機において、
前記決定手段により決定された特定領域の数が2以上である場合、該2以上の特定領域が互いに隣接している特定領域を含むか否かに応じて、前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は異なる(たとえば、図5に示すように、当り穴に隣接当り穴が含まれているときの方が、隣接当り穴が含まれていないときよりも、実際の信頼度は高い)。
【0017】
このような構成によれば、2以上の特定領域が互いに隣接している特定領域を含むか否かに対して遊技者の注目を集めることができる。
【0018】
(7) (6)に記載の遊技機において、
前記2以上の特定領域が互いに隣接している特定領域を含むときの方が、前記2以上の特定領域が互いに隣接している特定領域を含まないときよりも、前記報知演出で前記特典が付与されることが報知される割合は高い(たとえば、図5に示すように、当り穴に隣接当り穴が含まれているときの方が、隣接当り穴が含まれていないときよりも、実際の信頼度は高い)。
【0019】
このような構成によれば、2以上の特定領域が互いに隣接している特定領域を含む場合に、遊技の興趣を向上させることができる。
【0020】
(8) (5)〜(7)いずれかに記載の遊技機において、
遊技者により視認不可能な動作部材(たとえば、シャッター130)をさらに備え、
前記動作部材は、前記特定領域に遊技球が位置することを許容するように動作するとともに、前記特定領域に遊技球が位置することを阻害するように動作し(たとえば、シャッター130の動作により、図8(C)に示すように、遊技球112が当り穴に進入することが許容される場合と、図10(C)に示すように、遊技球112が当り穴に進入することが阻害される場合とあり)、
前記特典が付与されることを報知する報知演出は、前記動作部材が前記特定領域に遊技球が位置することを許容するように動作することにより実行され(たとえば、AT当選している場合には、図8(C)に示すように、遊技球112が当り穴に進入することが許容され)、
前記特典が付与されないことを報知する報知演出は、前記動作部材が前記特定領域に遊技球が通過することを阻害するように動作することにより実行される(たとえば、AT当選していない場合には、図10(C)に示すように、遊技球112が当り穴に進入することが阻害される)。
【0021】
このような構成によれば、動作部材の動作により、報知演出により特典が付与されるか否かを報知するため、適切に報知演出を実行することができる。また、動作部材は、透過性を有することにより、動作部材の動作により、報知演出の内容を遊技者に極力把握させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】スロットマシンの正面図である。
図2】役物200を説明するための図である。
図3】役物200を説明するための図である。
図4】AT抽選テーブルを説明するための図である。
図5】穴パターンを説明するための図である。
図6】穴パターンを決定するためのテーブルを説明するための図である。
図7】シャッターパターンを説明するための図である。
図8】役物演出の流れを説明するための図である。
図9】役物演出の流れを説明するための図である。
図10】役物演出の流れを説明するための図である。
図11】役物演出の流れを説明するための図である。
図12】穴パターンを決定するためのテーブルの変例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1に示すように、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ206、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ207、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ208L,208C,208R、および演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。以下では、1ゲームを開始可能な賭数が設定されている状態でのスタートスイッチ207への操作を「レバーオン操作」という。また、2つのリールが停止しており、1つのリールが回転している状態において、該1つのリールの回転を停止させる操作を「第3停止」という。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
【0024】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部204、メダルが払い出されるメダル払出口9、およびスピーカ53,54が設けられている。
【0025】
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ207への操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、ウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウエイト中LED19、およびリプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0026】
また、前面扉1bにおける上方には、画像を表示可能な液晶表示器51および構造物を用いてAT抽選の結果が特定可能となる役物200が設けられている。
【0027】
スロットマシン201の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部、および該コマンドに応じて所定の演出を制御するサブ制御部などが設けられている。
【0028】
メイン制御部は、メイン制御部に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。MAXBETスイッチ206、スタートスイッチ207、ストップスイッチ208L,208C,208R、および精算スイッチ10が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がメイン制御部に入力される。メイン制御部は、これら各種スイッチからの検出信号に基づき、これら各種スイッチへの操作を検出する。
【0029】
メイン制御部からは、遊技用表示部13に含まれる各種表示器を点灯制御あるいは表示制御するための制御信号が遊技用表示部13に出力される。遊技用表示部13に含まれる各種表示器は、メイン制御部からの制御信号に基づき、点灯あるいは所定情報を表示する。
【0030】
サブ制御部は、演出用スイッチ56が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がサブ制御部に入力される。サブ制御部は、演出用スイッチ56からの検出信号に基づき、演出用スイッチ56への操作を検出する。
【0031】
サブ制御部からは、液晶表示器51およびスピーカ53,54のそれぞれを制御するための制御信号が液晶表示器51およびスピーカ53,54のそれぞれに出力される。液晶表示器51は、サブ制御部からの制御信号に基づき、所定情報を表示する。また、スピーカ53,54は、サブ制御部からの制御信号に基づき、音声を出力する。また、メイン制御部からサブ制御部へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部からメイン制御部へ向けてコマンドが送られることはない。また、サブ制御部は、役物200を駆動することができる。
【0032】
スロットマシン201においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部204に投入するかMAXBETスイッチ206の操作などにより規定数の賭数(本実施形態では、3枚)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ207への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに増加される。
【0033】
入賞ラインとは、リール202L,202C,202Rの透視窓203に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。
【0034】
1ゲームを開始可能となる賭数が設定されている状態(ゲームが開始可能な状態)でスタートスイッチ207が操作されると、リール202L,202C,202Rが回転することで図柄が変動表示され、ストップスイッチ208L,208C,208Rが操作されることで対応するリールの回転が停止する。そして、透視窓203の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止することで入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0035】
また、内部抽選により抽選される対象役を抽選対象役または当選役という。当選役は1以上の入賞役から構成される。また、当選役には、レア役が含まれている。レア役は、レア役以外の役と比較して、当選確率が低い役である。レア役は、たとえば、チェリー(図4参照)などである。
【0036】
[役物200の構成について]
次に、役物200の構成について図2および図3を用いて説明する。以下では、表側とは、「スロットマシンを遊技可能な位置に存在している遊技者側」をいい、裏側とは、「該遊技者と反対側」をいう。また、スロットマシンの幅方向をx軸方向とし、高さ方向をy軸とし、奥行き方向をz軸とする。
【0037】
図2に示すように、役物200は、遊技球発射口110と、傾斜部材114と、転動部材116と、回転板120と、裏側部材140と、シャッター130とを含む。図2(A)は、主に、回転板120を示したものであり、図2(B)は、裏側部材140を示したものである。裏側部材140は、回転板120の裏側に配置されている。図3は、穴1が最上位位置(後述する)に位置した回転板120と、裏側部材140との内部を上から見た図である。
【0038】
役物200は、1以上の遊技球112を収容する収容部(特に図示せず)を有する。サブ制御部は、収容部に収容されている遊技球112を遊技球発射口110から発射させる。ここで、遊技球112は、球状のものであり、たとえば、パチンコ玉が用いられる。該発射された遊技球112は、傾斜部材114を移動し、転動部材116に案内される。転動部材116は、湾曲形状をなしており、傾斜部材114から落下した遊技球112は、該転部材116上を転動する。転動部材116は、奥側に傾斜するように設置されていることから、転動が終了した遊技球を奥側に誘導できるようになっている。
【0039】
図3に示すように、回転板120は、円盤状であり、かつ所定の厚みβを有するように形成されている。回転板120は、軸132を中心に、回転可能である。所定の厚みβとは、たとえば、遊技球112の直径程度の厚みである。
【0040】
図2の例では、回転板120は、回転板120の円周方向に沿って(矢印α参照)、時計回りに回転可能である。本実施形態では、役物演出の実行中は、回転板120は、停止することなく、回転し続ける。回転板120には、該回転方向(円周方向)に沿って、複数の穴が貫通して形成されている。図2の例では、穴の数は、8個である。これら穴1〜穴8は、円周方向において等間隔で形成されている。穴1〜穴8は、矩形状である。また、これら8個の穴の内部の側面には、裏側部材140に向かって傾斜するように傾斜面(テーパ面)が形成されている。
【0041】
以下では、y軸座標が最も大きい位置(図2(A)の例では、穴1の位置)を、「最上位位置」という。y軸座標が最も小さい位置(図2(A)の例では、穴5の位置)を、「最下位位置」という。また、サブ制御部は、回転板120が回転している期間において、それぞれの穴の位置を特定できるようになっている。たとえば、サブ制御部は、最上位位置に位置した(到達した)穴が、穴1〜穴8のいずれであるかを特定できるようになっている。
【0042】
裏側部材140は、回転板120の円形と同一の円形であり、かつ薄板形状とされている。裏側部材140は、回転しないように固定されている。裏側部材140には、y軸方向での最上位位置に貫通穴142が設けられている。この貫通穴142は、遊技球112が収容されている収容部に接続されている。裏側部材140の貫通穴142以外の箇所を、壁部材144という。
【0043】
転動部材116での転動が終了した遊技球112は、最下位位置に存在する穴に進入する。該進入した遊技球112は、穴の内部に形成された傾斜面により裏側に案内されることにより、該遊技球112は、裏側部材140の壁部材144と当接した状態となる。このように、転動部材116での転動が終了した遊技球112は、最下位位置に到達した穴に進入し、該穴に保持されることになる。
【0044】
遊技球112が穴に保持された状態で、回転板120は回転することになる(図9(D)など参照)。その後、遊技球112を保持した穴が、最上位位置に到達すると(図9(E)ご参照)、図3に示すように、遊技球112を保持していた穴と、貫通穴142とが連通することになる。遊技球112を保持していた穴1と、貫通穴142とが連通すると、穴1に形成された傾斜面により、遊技球112は、貫通穴142を経由して収容部に収容(回収)される。
【0045】
また、サブ制御部は、シャッター130を制御可能である。シャッター130の可動領域は、最下位位置から時計回り方向での45度の位置までの領域である(図2(A)に示すように、穴5〜穴6の範囲)。また、シャッター130は、透明部材であることから、遊技者はシャッター130を視認不可能とされる。たとえば、図2(A)の実線に示すように、最下位位置に存在する穴の前にシャッター130を配置させることにより、この穴を閉塞状態とすることができる。これにより、遊技球112が、該穴に進入することを阻止できる。一方、図2(A)の破線に示すように、最下位位置に存在する穴の前にシャッター130を配置させないようにすることにより、この穴を開放状態とすることができる。これにより、遊技球112を、該穴に進入させることができる。また、各穴の周縁には、発光可能な発光素子が埋め込まれている。この発光により、たとえば、後述する当り穴を遊技者に認識させることができる。また、穴1〜8にはそれぞれセンサ(図示せず)が設けられている。サブ制御部は、このセンサの検出結果に基づいて、遊技球112がいずれの穴に進入したかを特定することができる。
【0046】
[ATに関する処理について]
メイン制御部は、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部は、ATに制御するか否かのAT抽選をAT抽選テーブルを用いて実行する。また、メイン制御部は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
【0047】
図4は、AT抽選で用いられるAT抽選用テーブルの一例を示したものである。図4の例では、メイン制御部は、特定のAT抽選対象役が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。本実施形態のAT抽選対象役は、図4に示すように、弱チェリー、強チェリー、中段チェリーである。以下では、弱チェリー、強チェリー、および中段チェリーをまとめて、チェリーともいう。
【0048】
メイン制御部は、所定の移行条件が成立したときには、CZ(チャンスゾーン)へ移行させる。移行条件とは、如何なる条件としてもよく、たとえば、所定役が当選することにより成立することにより成立する条件と、所定役が入賞することにより成立する条件と、所定ゲーム数を消化することにより成立する条件とのうち少なくとも1つの条件を含む。
【0049】
CZ中は、非CZ中(CZに制御されていない期間)と比較して、AT抽選により付与され得るATゲームの期待値が多くなる。したがって、CZ中は、非CZ中よりも、遊技者にとって有利となる。図4(A)は、非CZ中で実行されるAT抽選で用いられるAT抽選テーブルであり、図4(B)は、CZ中で実行されるAT抽選で用いられるAT抽選テーブルである。
【0050】
本実施形態では、図4の※印に示すように、CZ中であるか非CZであるかに関わらず、内部抽選において、弱チェリーが当選する確率は384/65536であり、強チェリーが当選する確率は256/65536であり、中段チェリーが当選する確率は16/65536と設定されている。
【0051】
AT抽選処理では、複数種類のゲーム数(図9の例では、0、50、100、150)から付与するATゲーム数を決定する。なお、図9に示される付与され得るATゲーム数の候補はあくまで一例であり、他の候補(たとえば、200)を規定するようにしてもよい。
【0052】
図4(A)に示すように、非CZ中において、弱チェリーが当選したときに実行されるAT抽選では、付与されるATゲーム数が0になる(ATゲーム数が付与されない)確率が、90%であり、付与されるATゲーム数が50になる確率が、10%であると規定されている。その他のAT抽選対象役については、図4(A)に示す通りである。
【0053】
図4(B)に示すように、CZ中において、弱チェリーが当選したときに実行されるAT抽選では、付与されるATゲーム数が0になる(ATゲーム数が付与されない)確率が、20%であり、付与されるATゲーム数が50になる確率が、70%であり、付与されるATゲーム数が100になる確率が、10%であると規定されている。その他のAT抽選対象役については、図4(B)に示す通りである。
【0054】
また、AT抽選が実行されたがATゲーム数が付与されなかったこと(つまり、付与されるATゲーム数が0に決定されたこと)を「AT非当選」、または「外れ」という。また、AT抽選が実行されて1以上のATゲーム数が付与されたことを「AT当選」、または「当り」という。
【0055】
図4(B)の例では、チェリー当選したゲーム(弱チェリー、強チェリー、および中段チェリーのいずれかが当選したゲーム)で実行されたAT抽選において、AT当選する確率は、約85%となる。
【0056】
AT抽選が実行されたときにおいては、サブ制御部は、示唆演出と、報知演出とを実行可能である。示唆演出の実行後に、報知演出は実行される。示唆演出は、ATゲームが付与される割合を示唆する演出である。報知演出は、ATゲームが付与されるか否かを報知する演出である。また、報知演出でATゲームが付与されることが報知される割合は、示唆演出で示唆される割合よりも高い。
【0057】
本実施形態では、「液晶表示器51を用いた示唆演出および報知演出」と、「役物200を用いた示唆演出および報知演出」とを実行可能である。
【0058】
まず、「液晶表示器51を用いた示唆演出および報知演出」について説明する。液晶表示器51を用いた示唆演出では、たとえば、ATゲーム数が付与される割合に対応する画像を液晶表示器51で報知する。たとえば、該画像とは、文字、記号、キャラ画像、背景画像などとしてもよい。たとえば、液晶表示器51を用いた示唆演出で「ATゲーム数が付与される割合が30%である」旨に対応する画像が表示された場合について説明する。この場合には、液晶表示器51を用いた報知演出では、ATゲームが付与された旨が、30%よりも高い確率(たとえば、50%の確率)で報知される。
【0059】
また、CZ中では、「役物200を用いた示唆演出および報知演出」が実行される。以下、詳細に説明する。以下では、「役物200を用いた示唆演出および報知演出」をまとめて役物演出ともいう。なお、変形例として、該役物演出は、非CZ中で実行するようにしてもよい。
【0060】
[役物演出について]
CZ中にAT当選した場合には、所定確率で役物演出が実行される。所定確率は、100%としてもよく、他の確率(たとえば、80%)としてもよい。
【0061】
図5は、役物演出での穴パターンを説明するための図である。本実施形態では、図5に示すように、穴パターンは、パターン1〜パターン12まで存在する。各パターンには、当り穴数、当り穴の種類、隣接当り穴の有無、基本当り穴の有無、見た目の信頼度、および実際の信頼度が対応付けられている。
【0062】
当り穴とは、「CZ中にAT当選したゲームにおいて、最下位位置に位置したときに遊技球112が進入することにより、AT当選したことが報知される穴」である。また、外れ穴とは、「CZ中にAT非当選したゲームにおいて、最下位位置に位置したときに遊技球112が進入することにより、AT当選しなかったことが報知される穴」である。
【0063】
図5の「当り穴数」とは、当り穴の数である。図5の「当り穴の種類」とは、穴1〜8それぞれについて当り穴であるか否か(当り穴および外れ穴のうちのいずれであるか)を示すものである。図5では、当り穴を「○」で示しており、外れ穴を「×」で示している。
【0064】
図5の「隣接当り穴の有無」とは、隣接当り穴が存在するか否かを示すものである。ここで、隣接当り穴とは、「回転板120の回転方向(円周方向)において、隣接している当り穴」をいう。基本穴の有無とは、当り穴に基本穴が存在しているか否かを示すものである。ここで、本実施形態では、基本穴は、穴1と穴5である。なお、変形例として、他の穴を基本穴としてもよい。また、基本穴の個数は、1個でもよく、複数個であってもよい。
【0065】
図8(A)などに示すように、当り穴が決定された場合には、該当り穴を発光させることにより、遊技者に該当り穴を認識させることができる。見た目の信頼度は、図5の※1に示すように、「当り穴(発光した穴)の数」を「穴の全個数(8個)」で除算した値である。遊技者は、「当り穴(発光した穴)の数」を視認することができることができる。したがって、遊技者は、「当り穴(発光した穴)の数」を「8」で除算することから、直感的に、見た目の信頼度を把握することができる。
【0066】
次に、実際の信頼度について説明する。実際の信頼度とは、たとえば、ある穴パターンが決定されたときにおいて、AT当選した確率を示す値である。本実施形態では、実際の信頼度(パターンの信頼度)は、図5の※2に示す式で算出される。具体的には、ある穴パターンの信頼度は、「チェリー当選ゲームでのAT当選確率×AT当選時に該穴パターンが選択される確率」をXとし、「チェリー当選ゲームでのAT非当選確率×AT非当選時に該穴パターンが選択される確率」をYとした場合には、「X」を「XとYの和」で除算する式である。なお、図4(B)でも説明したように、チェリー当選ゲームで実行されたAT抽選でのAT当選確率は、85%であり、チェリー当選ゲームで実行されたAT抽選でのAT非当選確率は、15%である。
【0067】
たとえば、図5を用いて、パターン1について説明すると、当り穴数は、「1」であり、穴1が当たり穴になり、他の穴は外れ穴になるパターンである。パターン1は、隣接当り穴の有無は、「無し」であり、基本穴の有無は、「無し」である。パターン1は、見た目の信頼度は、12.5%(=1/8)であり、実際の信頼度は100%である。つまり、パターン1は、AT当選が確定した旨を報知するパターンである。
【0068】
次に、パターン2について説明すると、当り穴数は、「2」であり、穴1と穴5とが当たり穴になり、他の穴は外れ穴になるパターンである。パターン2の隣接当り穴の有無は、「無し」である。パターン2の基本穴の有無は、「有り」である。パターン2は、見た目の信頼度は、25%(=2/8)であり、実際の信頼度は33%である。パターン2は、他のパターンと比較して、信頼度が低いパターンである。
【0069】
次に、パターン3について説明すると、当り穴数は、「3」であり、穴1、穴2、および穴5とが当たり穴になり、他の穴は外れ穴になるパターンである。パターン3は、隣接当り穴の有無は、「有り」である。何故ならば、パターン3は、「穴1」と、「該穴1と隣接する穴2」との双方が当り穴となるからである。パターン3の基本穴の有無は、「有り」である。パターン3は、見た目の信頼度は、25%(=2/8)であり、実際の信頼度は95%である。
【0070】
次に、パターン10について説明すると、当り穴数は、「6」であり、穴1、穴3、穴4、穴5、穴7、および穴8が当たり穴になり、他の穴は外れ穴になるパターンである。パターン10は、隣接当り穴の有無は、「有り」であり、隣接当り穴の数は「4箇所」となる。何故ならば、パターン10は、「穴1と、該穴1と隣接する穴8」、「穴3と、該穴3と隣接する穴4」、「穴4と、該穴4と隣接する穴5」、「穴7と、該穴7と隣接する穴8」という4つの組合せが存在する。したがって、パターン10は、隣接当り穴の数は「4箇所」となる。このように、パターンによっては、隣接当り穴の数が複数となるパターンがある。
【0071】
他の穴パターンについては、図5に示す通りである。また、遊技球112が遊技球発射口110から発射されたタイミングから該遊技球112が転動部材での転動が終了するタイミングまでの時間は、スロットマシンの設計者が、予め設計できることから、一意に定めることができる。また、該設計者は、回転板120が回転する速度も自由に設計することができる。この時間と、回転板120の回転速度とに基づけば、以下のように設計することができる。たとえば、任意の穴が特定位置に位置したタイミングで、遊技球112を遊技球発射口110から発射させることにより、該任意の穴が最下位位置に到達した時点で遊技球112の転動が終了するように設計されている。本実施形態では、特定位置とは最上位位置とする。以下では、このような設計を「特定設計」という。
【0072】
図6は、AT抽選でのAT当選時(当り時)、およびAT抽選でのAT非当選時(外れ時)それぞれにおける各パターンの選択率である。また、穴パターンの欄において、パターンの後の括弧書きは、当りでのパターンであるか、外れでのパターンであるかを示している。たとえば、パターン1(当り)は、パターン1であり、かつAT抽選でAT当選をしていることを示すものであり、パターン2(外れ)は、パターン2であり、かつAT抽選でAT非当選をしていることを示すものである。メイン制御部は、図6のテーブル表を用いて、穴パターンを決定する。
【0073】
図6の例では、AT抽選でAT当選した場合には、たとえば、パターン1(当り)が、13.13%の確率で決定される。また、AT抽選でAT当選した場合において、他のパターン(当り)が決定される確率は、図6に示す通りである。また、AT抽選でAT非当選した場合には、たとえば、パターン2(外れ)が28%の確率で決定される。また、AT抽選でAT非当選した場合において、他のパターン(外れ)が決定される確率は、図6に示す通りである。
【0074】
なお、AT抽選でAT非当選した場合において、パターン1(外れ)、パターン11(外れ)、およびパターン12(外れ)が決定される確率が、0%であると設定されている。これは、図5に示すように、パターン1、パターン11、およびパターン12それぞれの実際の信頼度が「100%」である、つまり、パターン1、パターン11、およびパターン12それぞれは、AT当選が確定したことを示すパターンであることに基づく。
【0075】
また、図5の※2の式において、「任意のパターン(当り)のAT抽選当り時の決定確率」を、※2の式の「AT当選時に該パターンが選択される確率」に代入し、「該任意のパターン(外れ)のAT抽選外れ時の決定確率」を、※2の式の「AT非当選時に該パターンが選択される確率」に代入し、「85%」を※2の式の「チェリ当選ゲームでのAT当選確率」に代入した場合に算出される実際の信頼度と同一または略同一となるように、図6の確率は設定されている。
【0076】
図7は、シャッター130のパターン(以下では、「シャッターパターン」という。)を示した図である。図7(A)の例では、シャッターパターンA〜Hまでが存在する。このうち、シャッターパターンA〜Cが、当りパターンとして割り振られており、シャッターパターンD〜Hが、外れパターンとして割り振られている。
【0077】
図7(A)の○が開放を示しており、×が閉塞を示している。たとえば、シャッターパターンAが適用された場合において、穴1、穴3、穴5、穴7のいずれかが最下位位置に位置した場合には、該穴は開放される、つまり、シャッター130が開放状態となる(図2(A)の破線の位置に、シャッター130が駆動される)。また、シャッターパターンAが決定された場合において、穴2、穴4、穴6、穴8のいずれかが最下位位置に位置した場合には、該穴は閉塞される、つまり、シャッター130が閉塞状態となる(図2(A)の実線の位置に、シャッター130が駆動される)。
【0078】
図7(B)は、穴パターンが決定された場合において、該決定された穴パターンに伴って適用されるシャッターパターンの一例を示したものである。たとえば、穴パターン1(当り)が決定された場合には、シャッターパターンAが適用される。また、穴パターン2(外れ)が決定された場合には、シャッターパターンDが適用される。
【0079】
図7(A)、(B)に示すように、当りの穴パターンと、シャッターパターンとの組合せでは、当り穴は全て開放されるように設定されている。また、当りの穴パターンと、シャッターパターンとの組合せによっては、開放される穴に、外れ穴を含むパターンもある。以下では、該外れ穴を「特定外れ穴」という。たとえば、パターン4(当り)が決定されたときには、シャッターパターンAが決定されるのであるが、開放される穴に外れ穴7が含まれる。つまり、該外れ穴7が、特定外れ穴となる。また、外れの穴パターンと、シャッターパターンとの組合せは、当り穴は全て閉塞されるように設定されている。また、AT当選したときに実行される役物演出で、特定当り穴に遊技球が進入されたときには、復活演出が実行されることにより、ATゲームが付与される。
【0080】
[役物演出の流れ]
次に、図8図11を用いて役物演出の一連の流れについて説明する。CZ中に、チェリーが当選した場合には、メイン制御部は、図4(B)のAT抽選テーブルを用いて、AT抽選が実行される。その後、サブ制御部は、AT抽選の結果(当たりであるか外れであるか)に応じて、図6記載のテーブルを用いて、穴パターンを決定する。その後、サブ制御部は、図7(B)のテーブル表を用いて、該決定された穴パターンに対して適用されるシャッターパターンを決定する。
【0081】
また、サブ制御部91は、転動が終了した遊技球112が、AT抽選結果に応じた穴に進入する発射タイミングで発射される。ここで、AT抽選結果に応じた穴とは、AT当選している場合には、当り穴、および特定外れ穴であり、AT当選していない場合には、外れ穴となる。また、この発射タイミングは、決定されたシャッターパターンおよび特定設計されていることに基づいて、サブ制御部91により決定される。
【0082】
図8および図9の例では、AT抽選でAT当選することにより、100ゲームのATゲーム数の付与が決定されるとともに、穴パターンとしてパターン2(当り)が決定された場合を説明する。パターン2は、図5に示されるように、当り穴が穴1および穴5であるパターンである。また、パターン2(当り)が決定されたことから、シャッターパターンとして、シャッターパターンAが決定される(図7(B)参照)。また、図8図11において、左欄は役物200の動作を示したものであり、右欄は液晶表示器51の表示を示したものである。
【0083】
図8(A)は、役物演出が開始されたときを示した図である。本実施形態では、遊技を開始させるためのスタートスイッチ207への操作(以下では、レバーオン操作ともいう。)→内部抽選→チェリー当選→AT抽選→役物演出の実行という流れで、役物演出が実行される。また、この流れにおいて、レバーオン操作から役物演出までの時間が極めて短い時間であることから、遊技者は、レバーオン操作が実行されたときに、役物演出が開始されたと認識する。
【0084】
図8(A−1)に示すように、役物演出が開始されたときに、当り穴の周縁のLEDが発光する。これにより、役物演出が開始されるときに、遊技者に当り穴を認識させることができる。以下では、当り穴の周縁のLEDを発光させる制御を「当り穴発光制御」ともいう。図8(A−1)の例では、当り穴である穴1および穴5が発光する。役物演出が開始されたときには、遊技球発射口110も発光する。これにより、遊技球112の発射に対して、遊技者の注目を集めることができる。また、傾斜部材114を発光させることにより、役物演出の開始を華やかにするようにしてもよい。
【0085】
また、シャッターパターンAが決定されていることから、穴5が最下位位置に位置したときには、穴5については、開放状態となる。また、図8(A−1)の例では、当り穴1が最上位位置に到達したときに、遊技球112が発射される。
【0086】
図8(B)は、発射された遊技球112が、傾斜部材114を傾斜して、転動部材116に落下した場合を示す図である。図8(B−1)の状態から、遊技球112は転動を開始する。また、図8(B−2)に示すように、液晶表示器51の表示の視認性を低下させる。このように視認性を低下させることにより、遊技者の役物200に対する注目度合いを高めることができる。図8(B−2)では、表示されていた開始情報の視認性が低下される、つまり、該開始情報の明度が低下する例が記載されている。
【0087】
また、特定設計により、遊技球112の転動が終了したときに、当り穴1が最下位位置に到達することになる。図8(C)は、該遊技球112が、最下位位置に位置する当り穴1に進入したときを示す図である。この場合には、図8(C−2)に示すように、液晶表示器51に当り穴に進入したことを特定可能な情報を表示する特別演出が実行される。図8(C−2)の例では、特別情報は、「やったね!!V入賞!」という文字である。なお、V入賞とは、当り穴に進入したことをいう。また、図8(C−2)に示すように、特別演出は、図8(B−2)の状態よりも明度が高まった演出である。つまり、図8(B−2)の状態から、カットイン演出としての特別演出が実行される。このようなカットイン演出としての特別演出が実行されることにより、当り穴1に進入したことを遊技者に対して祝福することができる。
【0088】
図9(D)は、遊技球112が、当り穴1により保持された状態で、回転板120が回転している途中を示した図である。図9(D−2)に示すように、本実施形態では、液晶表示器51の表示は、図8(Cー2)と同一である。
【0089】
図9(E)は、当り穴1により保持された遊技球112が最上位位置に到達した場合を示す図である。当り穴1が最上位位置に到達すると、該当り穴1と貫通穴142とが連通することになることから(図3参照)。当り穴1により保持された遊技球112は、収容部に収容(回収)される。また、図9(E−2)に示すように、液晶表示器51には、付与されたATゲーム数を特定可能な情報が報知される。図9(E−2)の例では、100ATゲーム数が付与されたことが報知される。
【0090】
また、AT当選しているときにおいて、たとえば、外れ穴(たとえば、外れ穴2)が最上位位置に到達したときに、遊技球112を発射させるようにしてもよい。この場合には、特定設計により、外れ穴2が最下位位置に到達したときに、遊技球112の転動は終了することになる。しかしながら、シャッターパターンAが決定されていることから、遊技球は、該外れ穴2には進入せずに、次に最下位位置に到達した穴(当り穴1)に進入することになる。このように、最上位位置に到達した穴が当り穴である場合に遊技球112が発射されるときと、最上位位置に到達した穴が外れ穴である場合に遊技球112が発射されるときとがある。
【0091】
次に、図10および図11を用いてAT抽選がAT非当選となった場合の役物演出を説明する。ここでは、パターン2(外れ)が決定されたとする。この場合のシャッターパターンは、シャッターパターンDとなる(図7(B)参照)。
【0092】
図10(A)は、役物演出が開始されたときを示した図である。シャッターパターンDが決定されていることから、図10(A−1)では、シャッター130が当り穴5を閉塞している状態となる。なお、図8(A)と、図10(A)とは、シャッター130の位置が異なるが、透明部材であるシャッター130は視認不可能とされていることから、シャッター130の位置が遊技者に把握されることはない。また、図10(A−2)と、図8(A−2)とは同一である。
【0093】
図10(B)は、発射された遊技球112が、傾斜部材114を傾斜して、転動部材116に落下した場合を示す図である。図10(B−1)では、シャッター130が穴3を閉塞している状態となる。また、図10(A−2)と、図8(A−2)とは同一である。
【0094】
図10(C)は、遊技球112の転動部材116での転動が終了した場合を示す図である。ここで、シャッターパターンDが決定されていることから、最下位位置に位置した穴1(当り穴)は、シャッター130により閉塞される。したがって、遊技球112が、当り穴に進入することが、シャッター130により阻害される。そうすると、遊技球112は、当り穴1に進入せずに、当り穴1の次に最下位位置に到達した穴8(外れ穴)に進入することになる。なお、シャッターパターンDでは、穴8は、開放状態となる。本実施形態では、ハズレ穴に進入したときには、液晶表示器51の表示状態は、図10(B−2)と同一である。
【0095】
図11(D)は、遊技球112が、外れ穴8により保持された状態で、回転板120が回転している途中を示した図である。図11(D−2)に示すように、本実施形態では、液晶表示器51の表示は、図11(Bー2)と同一である。
【0096】
図11(E)は、外れ穴8により保持された遊技球112が最上位位置に到達した場合を示す図である。穴が最上位位置に到達すると、該穴と貫通穴142とが連通することになることから(図3参照)。外れ穴8により保持された遊技球112は、収容部に収容(回収)される。また、図11(E−2)に示すように、液晶表示器51には、当り穴に進入しなかったこと(V入賞しなかったこと)を特定可能な情報が報知される。図11(E−2)の例では、「残念!!」という文字が報知される。
【0097】
また、AT抽選でAT当選しているにもかかわらず、役物演出において、遊技球112が、外れ穴に進入してしまう場合がある。たとえば、この外れ穴が、前述した特定外れ穴である場合である。この場合には、役物演出の流れは、図10(A)〜図11(D)まで同一であるが、図11(E−2)の液晶表示器51により演出(遊技球112を保持した特定外れ穴が最上位位置に到達したときに実行される演出)では、復活演出が実行される。該復活演出とは、たとえば、「復活!!100ATゲーム獲得!」という文字が表示される演出である。このような復活演出が実行されることにより、付与されたATゲーム数(ここでは、100ATゲーム)が報知される。
【0098】
また、AT当選したときにおいて、遊技球を保持した当り穴、および遊技球を保持した特定外れ穴が最上位位置に到達したときに役物演出は終了となる。また、AT非当選したときにおいて、遊技球を保持した外れ穴が最上位位置に到達したときに役物演出は終了となる。
【0099】
CZ中の示唆演出は、図8(A)に示されるように、役物演出が開始されたときにおいて、当り穴を発光させる演出である。このような示唆演出を実行することにより、当り穴の数を遊技者に認識させることができることから、ATゲーム数が付与される割合(図5の見た目の信頼度)を遊技者に示唆することができる。該示唆演出の実行後に、報知演出が実行される。報知演出は、図8(C)、および図10(C)に示すように、遊技球112が、当り穴に進入するか否かによって、ATゲーム数が付与されるか否かを報知する演出である。
【0100】
また、役物演出が開始されたときから(図8(A)の状態)、該役物演出が終了するまでの期間では、メイン制御部によりフリーズ(遅延制御)が実行される。フリーズとは、遊技進行操作を受付けない(または遅延させる)状態である。また、フリーズ中は、3つのリールのうち少なくとも1のリールを変動させないようしてもよく、該3つのリールのうち少なくとも1つを特定態様で動作させるようにしてもよい。また、特定態様とは、非フリーズのときのリールの回転方向とは逆方向に回転させる態様としてもよく、リールを振動させる態様としてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、メイン制御部は、サブ制御部による処理を把握できない。したがって、メイン制御部は、役物演出の終了タイミングを把握することができない。よって、フリーズの実行期間については、役物演出が実行される期間の最大期間であるとする。たとえば、フリーズの実行期間は、遊技球112が発射されたタイミングT1から転動部材116での転動が終了した遊技球が、最下位位置に到達した穴に進入するタイミングT2までの期間と、該タイミングT2から該転動が終了した遊技球112を保持している穴が最上位位置に到達したタイミングT3までの期間との合計期間とする。
【0102】
[本実施形態の効果]
(1)本実施形態スロットマシンでは、液晶表示器51を用いた示唆演出として、ATゲーム数が付与される割合に対応する画像を液晶表示器51で報知する示唆演出が実行される。また、示唆演出の実行後には、液晶表示器51を用いた報知演出が実行される。この報知演出では、ATゲームが付与された旨が、示唆演出で報知された割合よりも高い割合で報知される。
【0103】
また、CZ中は、当り穴発光制御によって、ATゲーム数が付与される割合を示唆する示唆演出(役物200を用いた示唆演出)が実行される。該示唆演出の実行後に、当り穴に進入するか否かによって、ATゲーム数が付与されるか否かを報知する報知演出(役物200を用いた報知演出)が実行される。その後、CZ中において、ATゲーム数が付与される。また、役物200を用いた示唆演出で示唆される「ATゲーム数が付与される割合」は、図5の「見た目の信頼度」に対応し、役物200を用いた報知演出で、「ATゲームが付与された旨が報知される割合」は、図5の「実際の信頼度」に対応する。
【0104】
このように本実施形態においては、報知演出でATゲーム数が付与されることが報知される割合は、示唆演出で示唆される割合よりも高い。したがって、示唆演出の後に実行される報知演出の興趣を向上させることができる。したがって、ATゲームの付与の報知に関する興趣を向上させることができる。
【0105】
(2) また、サブ制御部は、複数種類の示唆演出、および複数の報知演出のうちいずれかを実行可能である。たとえば、CZ中においては、図5に示すように、穴パターンが12個存在することから、示唆演出の種類、および報知演出の種類は共に12種類であるといえる。
【0106】
また、図5に示すように、役物200を用いた報知演出でATゲーム数が付与されることが報知される割合(パターン1〜パターン12の実際の信頼度)は、複数種類の示唆演出それぞれで示唆される割合(パターン1〜パターン12の見た目の信頼度)よりも高い。特に、実際の信頼度が最も低いパターン2であっても、実際の信頼度(33%)は、見た目の信頼度(25%)よりも高くなるように設定されている。換言すれば、複数種類の報知演出のうちAT当選が付与されたことが報知される割合が最も低い報知演出での該割合は、該報知演出に対応する示唆演出(該報知演出よりも前に実行される示唆演出)で示唆される割合よりも高くなるように設定されている。
【0107】
したがって、複数種類の示唆演出のうちいずれかを実行可能であることから、多様な示唆演出を実行することができる。また、複数種類の示唆演出のいずれが実行されたとしても、報知演出でATゲーム数が付与されることが報知される割合は、該実行された示唆演出で示唆される割合よりも高いため、多様な示唆演出を実行できつつ、示唆演出の後に実行される報知演出の興趣を向上させることができる。
【0108】
(3) また、複数種類の示唆演出は、第1示唆演出と、示唆される割合が該第1示唆演出よりも高い第2示唆演出とを含む。図5の例では、第1示唆演出は、たとえば、パターン1で当り穴を点灯させる演出(見た目の信頼度は、12.5%)であり、第2示唆演出は、たとえば、パターン2で当り穴を点灯させる演出(見た目の信頼度は、25%)である。このような構成によれば、実行される示唆演出の種類にも注目を集めることができる。
【0109】
(4) また、本実施形態のスロットマシンは、遊技球が進入することが可能な穴1〜穴8を含む役物200を有する。また、サブ制御部は、遊技球が進入することによりATゲーム数が付与されることが報知される当り穴を、穴1〜穴8のうちから決定する。また、示唆演出で示唆される割合は、サブ制御部により決定された当り穴の数に対応する。このような構成によれば、決定される当り穴の数に対して遊技者の注目を集めることができる。
【0110】
(5) また、役物200は、遊技球112を発射させる遊技球発射口110と、該発射された遊技球112を移動させる傾斜部材114と、前記移動部材を移動した遊技球を転動させる転動部材116と、穴1〜8が、円周方向(回転方向α)に沿って配置された回転板120とを含む。また、図8(C)などに示すように、転動部材116で転動している遊技球112の転動が終了したときに、該遊技球112が当り穴(図8の例では、穴1)に進入することにより、ATゲーム数が付与されることを報知する。したがって、転動部材116で遊技球112が転動している期間などで、遊技球112が当り穴に進入するか否かを遊技者に煽ることができる。
【0111】
(6) また、サブ制御部により決定された穴パターンが、当り穴の数が2以上である穴パターンである場合、該2以上の当り穴が互いに隣接している当り穴(隣接当り穴)を含むときの方が、該隣接当り穴を含まないときよりも報知演出でATゲームが付与されることが報知される割合(実際の信頼度)は高い(図5の隣接当り穴の欄参照)。したがって、たとえば、図8(A−1)などに示すように、当り穴発光制御が実行されたときにおいて、隣接当り穴を含むか否かに対して遊技者の注目を集めることができる。
【0112】
次に、隣接当り穴を含むときの方が、該隣接当り穴を含まないときよりも実際の信頼度が高いことによる効果について説明する。仮に、隣接当り穴を含まないときの方が、隣接当り穴を含むときよりも実際の信頼度が高い場合には、一般的に、AT非当選時において、隣接当り穴を含むパターンが決定される確率は高くなる。ここでは、該隣接当り穴を穴1および穴2とする。そうすると、AT非当選しているときにおいて、転動が終了した遊技球112の当り穴1への進入が阻害され、かつ、該遊技球112の次の当り穴2への進入も阻害されることになる。つまり、遊技球の進入が連続して阻害されるという特定事象が発生してしまい、遊技者に不信感を抱かせる虞がある。そこで、隣接当り穴を含むときの方を、該隣接当り穴を含まないときよりも実際の信頼度が高めることにより、一般的に、AT非当選時において、隣接当り穴を含むパターンが決定される確率を低くすることができる。したがって、このような特定事象が発生する確率を低くすることができることから、遊技者に不信感を抱かせることを極力防止できる。
【0113】
(7) また、役物200は、さらに透過性を有する(遊技者からは視認不可能な)シャッター130をさらに備える。また、AT当選したときには、サブ制御部の制御により、シャッター130が当り穴に遊技球が進入することを許容するように動作する(図8(C))。一方、AT当選しなかったときには、サブ制御部の制御により、シャッター130が当り穴に遊技球が進入することを許容するように動作する(図8(C))。したがって、シャッター130の動作により、報知演出によりATゲームが付与されるか否かを報知できるため、適切に報知演出を実行することができる。また、シャッター130は、透過性を有することにより、シャッター130の動作により、報知演出の内容(どの穴に遊技球が進入するか)を遊技者に把握させないようにすることができる。
【0114】
(8) また、本実施形態では、図5の基本穴の欄に示すように、当り穴に基本穴(本実施形態では、穴1および穴5)が含まれている場合には、当り穴に基本穴が含まれないときよりも報知演出でATゲームが付与されることが報知される割合(実際の信頼度)は高いように設定されている。したがって、当り穴発光制御が実行されたときにおいて、基本穴を含むか否かに対して遊技者の注目を集めることができる。
【0115】
(9) ところで、本実施形態においては、各穴パターンに対応させてシャッターパターンを備えることも考えられる。本実施形態では、穴パターン(当り)1〜12と、穴パターン(外れ)1〜12との合計24個の穴パターンがあるが、該24個の穴パターンそれぞれに対応するシャッターパターンを備えることが考えられる。換言すれば、1のシャッターパターンに1の穴パターンを対応付けることが考えられる。しかしながら、24個のシャッターパターンを備える場合には、シャッターパターンの容量が多大になるとともに、シャッター130の制御などにエラーが生じる可能性が高まる。
【0116】
そこで、本実施形態では、複数の穴パターンに対応付けられたシャッターパターンを備えるようにした。図7の例では、このシャッターパターンは、たとえば、シャッターパターンAであり、該シャッターパターンAは、穴パターン1(当り)、穴パターン2(当り)、穴パターン4(当り)、穴パターン7(当り)、穴パターン8(当り)、および穴パターン9(当り)に対応している。
【0117】
また、複数の穴パターンに対応付けられたシャッターパターンを備えるようにすると、AT当選しているにもかかわらず、外れ穴(特定外れ穴)に遊技球112が進入してしまう場合があり、AT抽選結果と、遊技球112が進入した穴とが矛盾する場合がある。しかしながら、外れ穴に遊技球112が進入してしまったとしても、該外れ穴が最上位位置に到達したときには、復活演出が実行される。したがって、AT当選しているにもかかわらず、外れ穴に遊技球112が進入したとしても、特段の支障が生じることのないようにすることができる。
【0118】
このように、複数の穴パターンに対応付けられたシャッターパターンを備えることにより、1のシャッターパターンに1の穴パターンを対応付けられたスロットマシンと比較して、シャッターパターンの容量を低減できるとともに、シャッター130の制御などにエラーが生じる可能性を低減させることができる。
【0119】
(10) また、転動部材116での転動が終了した遊技球112が外れ穴に進入したとしても、AT当選しているときにおいて、該遊技球を保持した外れ穴が最上位位置に到達したときには、復活演出が実行される。したがって、遊技球112が外れ穴に進入したときから、該外れ穴が最上位位置に到達するまでの期間において、復活演出が実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0120】
(11) また、本実施形態の役物演出では、最上位位置に到達した穴が当り穴である場合に遊技球112が発射されるときと、最上位位置に到達した穴が外れ穴である場合に遊技球112が発射されるときとがある。したがって、遊技球が発射されたタイミングで、AT抽選の結果が把握されないようにすることができる。よって、役物演出の実行中では緊張感を遊技者に抱かせることができる。
【0121】
(12) また、仮に、転動が終了した遊技球112の穴への侵入がシャッター130により阻害される回数が多数になった場合には、遊技球112の動きが不自然になることから、遊技者に不信感を抱かせる。そこで、本実施形態では、図5および図7に示すように、転動が終了した遊技球112の穴への侵入が所定回数(たとえば、2回)以上、シャッター130に阻害されないように、穴パターンおよびシャッターパターンは設計されているともに、遊技球112は発射される。
【0122】
たとえば、AT抽選においてAT当選しなかった場合において、パターン5(外れ)が決定されたときを例として説明する。パターン5については、図5に示すように、当り穴が隣接しているパターンである。また、シャッターパターンとして、シャッターパターンEが決定される。
【0123】
この場合において、仮に、当り穴2が最上位位置に到達したときに、遊技球112を発射してしまうと、該当り穴2が最下位位置に到達したときに、遊技球112の転動は終了する。しかしながら、シャッターパターンEが決定されていることから、該遊技球112の当り穴2への進入は阻害される。その後、最下位位置に次に到達した当り穴1への該遊技球112の進入も阻害される。その後、最下位位置に次に到達した外れ穴8に該遊技球112が進入するとともに、「残念!!」という文字が表示される演出が実行される(図11(E−2)参照)。
【0124】
そうすると、当り穴への遊技球112の進入が2回阻害された挙句、「残念!!」という文字が表示される演出が実行されると、遊技者に、不信感を抱かせてしまう。そこで、本実施形態では、特定設計であることを利用して、当り穴2が最上位位置に到達したときには、遊技球112を発射しないようにする。これにより、当り穴への遊技球112の進入が2回阻害されることを防止できることから、遊技者に不信感を抱かせないようにすることができる。
【0125】
また、変形例として、たとえば、AT当選しているときには、転動が終了した遊技球112の穴への侵入の阻害回数が所定回数以上となるように、穴パターンおよびシャッターパターンの組合せを設定し、かつ遊技球を発射するようにしてもよい。このように、遊技球112の動きが不自然になることにより、AT当選していることを示唆するようにしてもよい。これにより、遊技球の動きにも遊技者の注目を集めることができる。
【0126】
また、AT当選していないときにおいて、転動が終了した遊技球112の穴への侵入の阻害回数が所定回数以上となる構成を採用した場合には、転動が終了した遊技球112の穴への侵入の阻害回数が所定回数以上となった挙句、AT当選していないことが報知される(ハズレ穴に進入する)ことになる。そうすると、遊技者は不快感を抱かせることになる。そこで、AT当選していないときには、転動が終了した遊技球112の穴への侵入の阻害回数が所定回数未満となるように、穴パターンおよびシャッターパターンの組合せを設定し、かつ遊技球を発射するようにしてもよい。これにより、遊技者にこのような不快感を抱かせることを防止できる。
【0127】
[主な変形例]
本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施形態の変形例について説明する。
【0128】
[実際の信頼度について]
本実施形態では、実際の信頼度の算出式は、図5の※印2で示された式であるとして説明した。しかしながら、実際の信頼度の算出式は、他の式としてもよい。この算出式は、たとえば、「AT当選時にパターンが選択される確率」をZとし、「AT当選時にパターンが選択される確率と、AT非当選時にパターンが選択される確率との和」をWとする。そうすると、図12の※1に示すように、該他の式は、「Z」を「ZとWの和」で除算する式である。換言すれば、「チェリー当選ゲームでのAT当選確率」と、「チェリー非当選ゲームでのAT非当選確率」とが同一である場合の図5の※印2の式となる。
【0129】
実際の信頼度の算出式として、該他の式を採用した場合であり、かつ、各パターンの実際の信頼度を図5で示した値とした場合の各パターンの選択率を、図12に示す。たとえば、図12の例では、パターン2については、AT当選時での選択率は39.4%であり、AT非当選時での選択率は、80%である。
【0130】
このように、実際の信頼度の算出式は、他の式としてもよい。また、実際の信頼度の算出式は前述した式に限られず、他の式を採用してもよい。
【0131】
[役物演出について]
(1) 本実施形態では、隣接当り穴を含む穴パターンの方が、隣接当り穴を含まない穴パターンよりも、実際の信頼度は高いとして説明した(図5参照)。しかしながら、隣接当り穴を含む穴パターンと、隣接当り穴を含まない穴パターンとで、実際の信頼度が異なるようにしてもよい。たとえば、隣接当り穴を含まない穴パターンの方が、隣接当り穴を含む穴パターンよりも、実際の信頼度は高いようにしてもよい。このような構成であっても、当り穴発光制御が実行されたときにおいて、隣接当り穴を含むか否かに対して遊技者の注目を集めることができる。
【0132】
(2) また、遊技球112が発射する発射条件を他の条件としてもよい。該他の発射条件は、所定の操作部が操作されることにより成立する条件としてもよい。所定の操作部とは、たとえば、演出用スイッチ56としてもよく、ストップスイッチとしてもよい。ここでは、所定の操作部が演出用スイッチ56であるとして説明する。
【0133】
この場合には、役物演出が実行されたときに、「演出用スイッチを押せ」といった文字が液晶表示器51に表示される。その後、演出用スイッチ56が操作されたときに、遊技球112は発射される。このような構成によれば、遊技者の意図したタイミングで、遊技球112が発射されることから、遊技の興趣を向上させることができる。また、操作部に対する操作について制限時間を設けるようにしてもよい。たとえば、役物演出が開始されたときから、所定の制限時間(たとえば、10秒)が経過するまでに、演出用スイッチ56が操作されない場合には、該制限時間が経過したタイミングで遊技球は発射される。
【0134】
また、上述した制限時間を遊技者に報知するようにしてもよい。たとえば、時間の経過とともに変化するタイムゲージを表示するようにしてもよい。このような構成の場合において、実際の信頼度に応じた表示態様で、タイムゲージを表示するようにしてもよい。たとえば、実際の信頼度が所定値よりも高いパターンのタイムゲージについては、該タイムゲージの少なくとも一部を特定態様(たとえば、虹色)で表示するようにしてもよい。
【0135】
(3) また、他の発射条件が、操作部が操作されることにより成立する条件を含む場合には、該操作部の操作が開始された(たとえば、演出用スイッチ56への押下が開始された)ときには、AT抽選の結果を示唆する示唆画像(たとえば、「AT当選しているかも?」といった文字)を表示させるようにしてもよい。その後、該操作部の操作が終了したとき(たとえば、演出用スイッチ56から指が離されたとき)には、示唆画像の表示を終了するとともに、実際に付与されるATゲーム数を示唆する画像(たとえば、「100ATゲーム数が付与されるかも?」といった文字)を表示させるようにしてもよい。
【0136】
このような構成によれば、多様な示唆画像を表示できることから、役物演出の開始時の興趣を向上させることができる。
【0137】
また、操作部への操作が開始されたタイミングで、遊技球を発射させるようにしてもよい。このような構成の場合には、AT当選しているときには、シャッター130の駆動により、遊技球112を当り穴に進入させるようにし、AT当選していないときには、シャッター130の駆動により、遊技球112を当り穴に進入させずに外れ穴に進入させるようにしてもよい。
【0138】
また、操作部への操作が開始されたときにおいて、AT抽選結果に応じた穴が最上位位置に到達したタイミングで、遊技球112を発射させるようにしてもよい。AT抽選結果に応じた穴とは、AT当選している場合には当り穴であり、AT当選していない場合には外れ穴である。役物200は、特定設計されていることから、転動が終了した遊技球112をAT抽選結果に応じた穴に進入させることができる。
【0139】
(4) また、役物演出が開始されるときには、以下のような当り穴発光制御を実行するようにしてもよい。基本穴と、該基本穴以外の穴を含む当り穴である穴パターン(図5の例では、穴パターン4〜穴パターン12)が決定された場合において、この変形例の当り穴発光制御では、まず、基本穴である当り穴を発光させ、その後、残りの当り穴を発光させるようにしてもよい。
【0140】
また、さらなる変形例の当り穴発光制御では、まず、基本穴である当り穴を発光させ、その後、特定条件が成立したときに残りの当り穴を発光させるようにしてもよい。ここで、特定条件とは、遊技者により特定行為が行われることにより成立する条件としてもよい。特定行為とは、たとえば、所定の操作部への操作としてもよく、センサに遊技者の体の一部(たとえば、遊技者の手)をかざす行為としてもよく、遊技者による発声行為としてもよい。また、特定条件が、遊技者により特定行為が行われることにより成立する条件を含む場合には、役物演出が開始されたときに、該特定行為を行うことを遊技者に促進する行為促進演出を実行するようにしてもよい。また、特定条件は、所定時間の経過により成立する条件としてもよい。
【0141】
また、この変形例の当り穴発光制御において、残りの当り穴の全てを一度に発光させるようにしてもよく、残りの当り穴を所定個(たとえば、1個)ずつ発光させるようにしてもよい。このように、変形例の当り穴発光制御を実行することにより、当り穴が増加したように遊技者に見せることができることから、見た目の信頼度、および実際の信頼度が増加したように遊技者に認識させることができる。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
【0142】
(5) 役物200の構造は、図2に示したものに限らず、他の構造であってもよい。たとえば、該変形例の役物は、遊技球が位置することが可能な複数の領域を含むものであればよく、本実施形態のように、回転する回転板120を備えなくてもよい。この場合には、遊技球が位置することによりATゲームが付与されることが報知される特定領域(当り領域)を、複数の領域のうちから決定する。決定された特定領域は、発光制御などにより報知される。また、示唆演出で示唆される割合は、前記決定手段により決定された特定領域の数に対応する。
【0143】
たとえば、該変形例の役物は、パチンコ遊技機のようにしてもよい。この場合には、複数の領域として、複数の入賞口を備え、遊技球が入賞することによりATゲームが付与されることが報知される特定領域(当り領域)を、複数の領域のうちから決定する。決定された特定領域は、発光制御などにより報知される。また、「遊技球が位置する」とは、たとえば、「遊技球が通過する」などとしてもよい。
【0144】
(6) 本実施形態のシャッター130を透明部材とすることにより、遊技者により視認不可能とした。しかしながら、シャッター130は、遊技者により視認不可能とする構成であれば、如何なる構成を採用してもよい。たとえば、シャッター部材を透過性(透明性)を有さない部材としてもよい。このような場合には、シャッター部材の可動領域の前面に画像を表示するようにして、該シャッター部材を遊技者から視認不可能としてもよい。
【0145】
(7) 本実施形態では、図6に示すように、本実施形態では、AT抽選当りである場合と、AT抽選外れである場合とで、穴パターンの決定確率が異なるとして説明した。しかしながら、AT抽選外れ場合と、AT抽選当りでありかつ付与されるATゲーム数が第1数である場合と、AT抽選当りでありかつ付与されるATゲーム数が第2数(第1数よりも多い)である場合とで穴パターンの決定確率が異なるようにしてもよい。たとえば、AT抽選当りでありかつ付与されるATゲーム数が第2数である場合には、高確率で決定される穴パターンが存在するようにしてもよい。
【0146】
このような構成によれば、穴パターンから、ATゲーム数が付与されるか否かのみではなく、付与されるATゲーム数を遊技者に予想させることができることから、遊技の興趣を向上させることができる。
【0147】
(8) また、遊技球が進入した当り穴に応じて異なるATゲーム数を付与するようにしてもよい。たとえば、当り穴1に遊技球が進入したら100ATゲーム数が付与され、当り穴2に遊技球が進入したら50ATゲーム数が付与されるようにしてもよい。このような構成によれば、遊技球112が当り穴に進入するか否かのみならず、遊技球112が進入する当り穴の種別に対しても遊技者の注目を集めることができる。
【0148】
(9) また、本実施形態では、AT抽選結果に応じた穴に遊技球112を進入させる構成として、特定設計を採用した構成と、シャッター130を採用した構成との2つの構成を採用した例を説明した。しかしながら、AT抽選結果に応じた穴に遊技球112を進入させる構成は他の構成を採用するようにしてもよい。たとえば、所定の力(たとえば、磁力)により、AT抽選結果に応じた穴に遊技球112を進入させるようにしてもよい。また、AT抽選結果に応じた穴に遊技球112を進入させる構成として、特定設計を採用した構成と、シャッター130を採用した構成とのうちのいずれか一方を採用するようにしてもよい。
【0149】
[遊技機について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を増加する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
【0150】
また、上記の技術的思想を、遊技機としてスロットマシン201に適用した場合について説明したが、これに限らず、遊技を行うことが可能な遊技機であれば何れの遊技機に適用してもよい。たとえば、該技術的思想をたとえば、いわゆるパチンコ遊技機に適用することもできる。たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(パチンコ玉)を打込んで遊技を行うパチンコ遊技機において、打込んだパチンコ玉が遊技領域に設けられた始動領域を通過することにより、数値データを保留記憶するとともに該保留記憶された回数(個数)を保留記憶情報として液晶表示器に表示する。その後、保留記憶情報に基づいて、遊技制御部は、特別図柄ゲームにおける第1特別図柄表示装置による第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄表示装置による第2特別図柄の変動表示を制御する。また、スロットマシン201では、特典として、ATゲームを例示したが、このパチンコ遊技機では、特典として、たとえば、有利状態(大当たり状態)への制御としてもよい。
【0151】
[特典について]
上記の説明では、上記の技術的思想をスロットマシン201に適用した場合には、特典をATゲームとして説明した。上記の技術的思想をパチンコ遊技機に適用した場合には、特典を大当り状態へ制御として説明した。しかしながら、特典は、これらに限られない。たとえば、スロットマシン201の特典は、ATとは異なる有利状態(たとえば、ボーナス状態など)への制御としてもよい。特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。たとえば、プレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行としてもよい。また、特典は、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
【0152】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0153】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、51 液晶表示器、200 役物。
図1
図2
図3
図4
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図6
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