(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の成形空間内にゲートを介して溶融樹脂を射出し、当該成形空間内に充填された溶融樹脂を冷却固化することにより、意匠面をなす主表面を有した成形体主部と、前記成形体主部の一端から当該成形体主部の主裏面側に屈曲する形で延び出す屈曲端部と、を有した樹脂成形体を成形する射出成形装置の金型であって、
内部に、前記成形体主部を成形する主部成形空間と前記屈曲端部を成形する屈曲端部成形空間とが連通する成形空間が形成され、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主表面に面して位置する第一型と、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主裏面に面して位置する第二型と、
前記第二型側に設けられ、前記屈曲端部成形空間と連通するよう、当該成形空間で成形される前記樹脂成形体の前記屈曲端部の先端面に面して開口する前記ゲートを、前記第二型の端部との間で形成する可動コアと、
成形完了後に前記第一型と前記第二型とが開いて前記樹脂成形体が前記第一型から離脱された状態において、成形された前記樹脂成形体が、前記ゲート内の残留樹脂からなる樹脂残留体から分離、離脱するよう、当該樹脂成形体を所定の押付方向へと押し付けて前記第二型から離脱させる第一の押付部と、
前記状態において、前記ゲート内の前記樹脂残留体が取り出し可能となるよう、前記可動コアを前記押付方向側へと押し付けて、前記第二型から離脱させる第二の押付部と、
前記状態において、前記樹脂残留体を前記押付方向側へと押し付けて、前記第二型から離脱させる第三の押付部と、
前記第一の押付部を前記押付方向に押し出すとともに、前記第二の押付部及び前記第三の押付部を前記押付方向側へと押し出す押し出し動作部と、
前記第二の押付部及び前記第三の押付部の押し出し開始を、前記第一の押付部の押し出し開始に対し所定時間遅らせる押し出し遅延機構と、
少なくとも前記樹脂成形体が前記樹脂残留体から分離、離脱するまでの間、成形された前記樹脂成形体に連れて前記可動コアが前記押付方向に移動しないよう当該可動コアの移動を妨げる移動阻止手段と、
を備える一方、前記可動コアは、前記ゲートを、前記屈曲端部の先端面に対し、意匠面となる前記屈曲端部の表面とは逆の、前記主裏面から続く当該屈曲端部の裏面の側に偏った位置で面するように形成され、
前記第二の押付部は、前記樹脂成形体が前記樹脂残留体から分離された後に、前記可動コアを前記第二型から離脱させ、
前記第三の押付部は、前記樹脂成形体から分離された前記樹脂残留体を前記第二型から離脱させることを特徴とする金型。
前記押し出し遅延機構は、前記第一の押付部の押し出し開始時において、前記押し出し動作部を、前記第一の押付部に対し前記押付方向へと押し出し可能となるよう接触させ、かつ前記第二の押付部に対し前記押付方向側に所定幅の空隙を挟んだ所定位置に位置保持手段によって位置保持させた押し出し開始状態とする一方、前記第一の押付部の押し出し中において、前記押し出し動作部を、前記所定幅の空隙を埋めて前記第二の押付部に接近するよう前記押付方向に移動させる第一の押し出し状態から、前記第二の押付部に接触した後に当該第二の押付部を前記押付方向側へと押し出しながら前記押付方向に移動させる第二の押し出し状態へと移行させるように構成される請求項1に記載の金型。
金型の所定の成形空間内にゲートを介して溶融樹脂を射出し、当該成形空間内に充填された溶融樹脂を冷却固化することにより、意匠面をなす主表面を有した成形体主部と、前記成形体主部の一端から当該成形体主部の主裏面側に屈曲する形で延び出す屈曲端部と、を有した樹脂成形体を成形する射出成形方法であって、
前記金型は、
その内部に、前記成形体主部を成形する主部成形空間と前記屈曲端部を成形する屈曲端部成形空間とが連通する成形空間が形成されるとともに、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主表面に面して位置する第一型と、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主裏面に面して位置する第二型と、
前記第二型側に設けられ、前記屈曲端部成形空間と連通するよう、当該成形空間で成形される前記樹脂成形体の前記屈曲端部の先端面に面して開口する前記ゲートを、前記第二型の端部との間で形成する可動コアとを備えており、
前記可動コアは、前記ゲートを、前記屈曲端部の先端面に対し、意匠面となる前記屈曲端部の表面とは逆の、前記主裏面から続く当該屈曲端部の裏面の側に偏った位置で面するよう形成され、
成形完了後に前記第一型と前記第二型とを開いて前記樹脂成形体から前記第一型を離脱させる第一型離脱ステップと、
前記第一型離脱ステップの後に、成形された前記樹脂成形体を、所定の押付方向へと押し付けて前記第二型から離脱させるとともに、前記樹脂成形体の押し出し開始から所定時間は、前記可動コアを、前記押付方向と逆側に付勢しながら前記第二型から離脱させないようにすることで、前記樹脂成形体を前記ゲート内の樹脂残留体から分離させる第一の押し出しステップと、
前記所定時間後に、前記可動コア及び前記樹脂残留体を前記押付方向側へと押し出す第二の押し出しステップと、
を有することを特徴とする射出成形方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、成形後のゲートカット作業の手間を軽減するとともに、成形品にゲート痕が残る場合に、その位置が組付け作業者にとってより触れにくい位置となるようにすることにある。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の金型は、
所定の成形空間内にゲートを介して溶融樹脂を射出し、当該成形空間内に充填された溶融樹脂を冷却固化することにより、意匠面をなす主表面を有した成形体主部と、前記成形体主部の一端から当該成形体主部の主裏面側に屈曲する形で延び出す屈曲端部と、を有した樹脂成形体を成形する射出成形装置の金型であって、
内部に、前記成形体主部を成形する主部成形空間と前記屈曲端部を成形する屈曲端部成形空間とが連通する成形空間が形成され、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主表面に面して位置する第一型と、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主裏面に面して位置する第二型と、
前記第二型側に設けられ、前記屈曲端部成形空間と連通するよう、当該成形空間で成形される前記樹脂成形体の前記屈曲端部の先端面に面して開口する前記ゲートを
、前記第二型の端部との間で形成する
可動コアと、
成形完了後に前記第一型と前記第二型とが開いて前記樹脂成形体が前記第一型から離脱された状態において、成形された前記樹脂成形体が、前記ゲート内の残留樹脂からなる樹脂残留体から分離、離脱するよう、当該樹脂成形体を所定の押付方向へと押し付け
て前記第二型から離脱させる第一の押付部と、
前記状態において、前記ゲート内の前記樹脂残留体が取り出し可能となるよう、前記
可動コアを前記押付方向側へと押し付け
て、前記第二型から離脱させる第二の押付部と、
前記状態において、前記樹脂残留体を前記押付方向側へと押し付けて、前記第二型から離脱させる第三の押付部と、
前記第一の押付部を前記押付方向に押し出すとともに、前記第二の押付部
及び前記第三の押付部を前記押付方向側へと押し出す押し出し動作部と、
前記第二の押付部
及び前記第三の押付部の押し出し開始を、前記第一の押付部の押し出し開始に対し所定時間遅らせる押し出し遅延機構と、
少なくとも前記樹脂成形体が前記樹脂残留体から分離、離脱するまでの間、成形された前記樹脂成形体に連れて前記
可動コアが前記押付方向に移動しないよう当該
可動コアの移動を妨げる移動阻止手段と、
を備える一方、前記
可動コアは、前記ゲートを、前記屈曲端部の先端面に対し、
意匠面となる前記屈曲端部の表面とは逆の、前記主裏面から続く当該屈曲端部の裏面の側に偏った位置で面するように形成され
、
前記第二の押付部は、前記樹脂成形体が前記樹脂残留体から分離された後に、前記可動コアを前記第二型から離脱させ、
前記第三の押付部は、前記樹脂成形体から分離された前記樹脂残留体を前記第二型から離脱させることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の射出成形方法は、
金型の所定の成形空間内にゲートを介して溶融樹脂を射出し、当該成形空間内に充填された溶融樹脂を冷却固化することにより、意匠面をなす主表面を有した成形体主部と、前記成形体主部の一端から当該成形体主部の主裏面側に屈曲する形で延び出す屈曲端部と、を有した樹脂成形体を成形する射出成形方法であって、
前記金型は、
その内部に、前記成形体主部を成形する主部成形空間と前記屈曲端部を成形する屈曲端部成形空間とが連通する成形空間が形成されるとともに、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主表面に面して位置する第一型と、
前記成形空間で成形される前記樹脂成形体に対し前記主裏面に面して位置する第二型と、
前記第二型側に設けられ、前記屈曲端部成形空間と連通するよう、当該成形空間で成形される前記樹脂成形体の前記屈曲端部の先端面に面して開口する前記ゲートを、前記第二型の端部との間で形成する可動コアとを備えており、
前記
可動コアは、前記ゲートを、前記屈曲端部の先端面に対し、
意匠面となる前記屈曲端部の表面とは逆の、前記主裏面から続く当該屈曲端部の裏面の側に偏った位置で面するよう形成され、
成形完了後に前記第一型と前記第二型とを開いて前記樹脂成形体から前記第一型を離脱させる第一型離脱ステップと、
前記第一型離脱ステップの後に、成形された前記樹脂成形体を、所定の押付方向へと押し付け
て前記第二型から離脱させるとともに、前記樹脂成形体の押し出し開始から所定時間は、前記可動コアを、前記押付方向と逆側に付勢しながら前記第二型から離脱させないようにすることで、前記樹脂成形体を前記ゲート内の樹脂残留体から分離させる第一の押し出しステップと、
前記所定時間後に、前記可動コア及び前記樹脂残留体を前記押付方向側へと押し出す第二の押し出しステップと、
を有することを特徴とする。
【0008】
上記本発明によれば、ゲートは、樹脂成形体の屈曲端部の先端面において、意匠面となる屈曲端部の表面とは逆の裏面側に偏った位置、即ち、意匠面からなるべく遠い位置に設定されるから、ゲート痕が残ったとしても、組付け作業者にとってより触りにくい位置に残ることになる。
【0009】
上記本発明によれば、型開きの際にゲートカットが生じるから、従来のような型開き後のゲートカット作業を必要としない。また、型開きの際には、先に樹脂成形体が所定の押付方向に押し出されて金型から外れ、その後にゲートを形成する
可動コアが押付方向側に押し出されるよう、それぞれの押し出しに時間差が設定されている。これにより、成形された樹脂成形体と、ゲート内に残留して固化した樹脂残留体とを確実に分離(カット)することができる。
【0010】
上記本発明によれば、第一の押付部によって樹脂成形体が所定の押付方向に押し出されていくときに、移動阻止手段によって、ゲートを形成する
可動コアが第一の押付部の押付方向側に移動しないように移動規制を受ける。つまり、成形された樹脂成形体に連れて
可動コアまでもが所定の押付方向に移動してしまうような事態を防ぐことができるから、成形された樹脂成形体と、ゲート内の樹脂残留体とを確実に分離(カット)することができる。
【0011】
上記本発明の金型において、前記押し出し遅延機構は、前記第一の押付部の押し出し開始時において、前記押し出し動作部を、前記第一の押付部に対し前記押付方向へと押し出し可能となるよう接触させ、かつ前記第二の押付部に対し前記押付方向側に所定幅の空隙を挟んだ所定位置に位置保持手段によって位置保持させた押し出し開始状態とする一方、前記第一の押付部の押し出し中において、前記押し出し動作部を、前記所定幅の空隙を埋めて前記第二の押付部に接近するよう前記押付方向に移動させる第一の押し出し状態から、前記第二の押付部に接触した後に当該第二の押付部を前記押付方向側へと押し出しながら前記押付方向に移動させる第二の押し出し状態へと移行させるように構成できる。この構成によれば、押し出し動作部と第二の押付部との間に所定幅の空隙を設けるという簡易な手法で、先に樹脂成形体を押し付けて金型から外し、その後に
可動コアを押し付けて移動させるという時間差を設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明の射出成形方法及び金型を用いて成形される樹脂成形体100である。ここでの樹脂成形体100は、車両用外装部品(例えばモール)であって、所定方向(
図1の上下方向)に延び出すパネル部材である。この樹脂成形体100は、
図2の断面図に示すように、意匠面をなす主表面101aを有した成形体主部101と、成形体主部101の一端からその成形体主部101の主裏面101b側に屈曲する形で延び出す屈曲端部102と、を有した屈曲形状をなす。成形体主部101の主表面101aから連続する屈曲端部102における表面102aも意匠面をなしている。
【0015】
図3及び
図4は、樹脂成形体100を成形するための金型1の断面を示している。金型1には、
図4に示すように、成形体主部101を成形する主部成形空間91と屈曲端部102を成形する屈曲端部成形空間92と、が連通する成形空間9が内部に形成される。
【0016】
具体的にいえば、金型1は、
図4に示すように、成形空間9で成形される樹脂成形体100に対しその主表面101aに面して位置する可動型2と、その主表面101aの裏側の主裏面101bに面して位置する固定型3と、を備える。また、金型1は、屈曲端部成形空間92と連通するよう、その成形空間9で成形される樹脂成形体100の屈曲端部102の先端面102cに面して開口するゲートGを形成するゲート形成部4を備える。
【0017】
ここでのゲート形成部4は、成形される樹脂成形体100の屈曲端部102の先端面102cに面して位置する可動コア24と、固定型3の端部であって可動コア24と対向して位置するコア対向部34と、を有して構成される。固定型3のコア対向部34は、可動コア24との対向間に、屈曲端部102の先端面102cに面して開口する空隙Gを形成しており、この空隙Gがゲートをなす。このゲートGは、
図7に示すように、屈曲端部102に近づくに従い先細りする形状に形成されている。
【0018】
なお、
図3に示すように、金型1には、ゲートGに連通する形で、ランナーL及びスプルー(図示なし)が形成されている。具体的にいえば、ゲートG、ランナーLは、成形空間9内に射出される溶融樹脂の流路(樹脂導入流路)となるよう、固定型3に形成された溝に可動コア24や可動型2が被さる形で形成されている。スプルー(図示なし)は、ランナーLに連通するよう、固定型3に形成されている。具体的にいえば、スプルーは、固定型3において、ランナーLとの連通部分から後述する第三の押付部30の押付方向P(
図4の破線矢印P)に向かって直線状に貫通形成された貫通孔である。
【0019】
可動コア24は、
図7の模式図に示すように、成形された屈曲端部102の表面102a側から、その屈曲端部102の先端面102cに対向する側に延び出して(
図7における面102cの下側に入り込んで)、固定型3と対向するコア側対向部241を有する。他方、コア対向部34は、成形された屈曲端部102の裏面102b側からその屈曲端部102の先端面102cに対向する側(面102cの下側)に回り込んで対向する第一対向部341と可動コア24に対向する側に回り込んで対向する第二対向部342を有する。コア対向部34は、可動コア24の第一及び第二対向部341、342における可動コア24との対向面に溝が形成されており、型閉じ時には可動コア24と密着して当該溝がゲートGとなる。
【0020】
また、金型1は、
図5A〜
図5Eに示す成形後の型開き動作のために、第一の押付部10と、第二の押付部20と、第三の押付部30と、押し出し動作部5と、を備える。
【0021】
第一の押付部10は、成形された樹脂成形体100を押付方向Pに押し付けて、固定型3から押付方向P(
図5C参照)に離脱させる樹脂成形体押付部である。第一の押付部10は、押し出し動作部5によってその後端が押し付けられる形で押付方向Pへと押し出されることにより、その前端が、固定型3に面して成形された樹脂成形体100を所定の押付方向Pに押し付けて、樹脂成形体100を固定型3から押付方向Pに離脱させる。なお、押付方向Pは、成形された樹脂成形体100がゲートGから離れていく方向に定められている。
【0022】
ここでの第一の押付部10は、固定型3に設けられた押付方向Pに貫通する直線状の貫通孔31内に配置された押し出しピンとして設けられ、当該貫通孔31にガイドされる形で押付方向Pに進退移動可能とされている。貫通孔31は、第一の押付部10の押付方向Pへの進退移動をガイドするガイド機構として機能する。
【0023】
第二の押付部20は、ゲート形成部4の一部である可動コア24を、固定型3から所定の傾斜方向K(
図5D参照)へと離脱させる傾斜押付部である。第二の押付部20は、押し出し動作部5によってその後端部25が押し付けられる形で押付方向Pへと押し出されることにより、前端に固定された可動コア24を傾斜方向Kへと移動させる。つまり、可動コア24は、押付方向P側に向かって押し出されるだけでなく、樹脂成形体100や空隙G内に残留する樹脂残留体200から離れていく方向(即ち、押付方向Pに対する直交方向Q)側にも押し出されることになる。
【0024】
なお、樹脂残留体200は、空隙G内の樹脂体に限るものではなく、ここでは樹脂導入流路(ゲートG、ランナーL、スプルー(図示なし))内に残留する全ての樹脂体のことをいう。
【0025】
第二の押付部20は、傾斜ガイド部32にガイドされる形で上記傾斜方向Kに進退移動可能とされている。ここでの第二の押付部20は、軸部21と、摺動部22と、後端部25と、摺動ガイド部26と、を備え、軸部21が固定型3に設けられた傾斜ガイド部32によって上記傾斜方向Kへの進退移動がガイドされる。
【0026】
軸部21は、所定軸線方向21z(
図4参照)に直線状に延び出しており、前端にゲート形成部4の可動コア24が組み付けられている。摺動部22は、軸部21の後端側に連結して、後端部25上(後端部25に設けられた所定の摺動区間)を上述の直交方向Qへと往復摺動可能とされている。後端部25は、軸部21及び摺動部22とは別体の部位であり、押し出し動作部5によって押付方向Pへと押し出され、これに伴い軸部21及び摺動部22を押付方向Pに押し出す。摺動ガイド部26は、後端部25に設けられ、後端部25上における摺動部22の上述の直交方向Qへの往復移動をガイドする。ここでの摺動ガイド部26は、後端部25の前端面側において上記直交方向Qに形成されたガイド溝26である。摺動部22は、このガイド溝26内に嵌合配置され、このガイド溝26に沿って後端部25上を摺動する。なお、後端部25は、
図6に示すように、押し出し動作部5の嵌合穴52に対し押付方向Pへと往復移動可能に嵌合配置されている。
【0027】
傾斜ガイド部32は、第二の押付部20の軸部21を、その軸線方向21zが上述の傾斜方向Kと一致するように貫通配置する傾斜配置部であり、貫通配置された軸部21を、傾斜方向Kへと往復摺動可能にする。ここでの傾斜ガイド部32は、固定型3に設けられた直線状の貫通孔である。
【0028】
このように第二の押付部20は、後端部25が押し出し動作部5によって押付方向Pへと押し出されることにより、全体が押付方向P側へと押し出される。ただし、第二の押付部20は、傾斜ガイド部32によって軸部21の移動が上述の傾斜方向Kへの往復移動のみに制限されているから、軸部21は押付方向Pへと押し出されるに従い、上記直交方向Qにも移動を生じる。このため、軸部21の前端の可動コア24にも直交方向Qへの移動が生じる。その結果、可動コア24とコア対向部34との間の空隙Gが開放され、当該空隙G内に残留する樹脂残留体200から、可動コア24が上記直交方向Qに離脱する。これにより、金型1は、空隙G内の樹脂残留体200の取り出しが可能な状態となる(
図5E参照)。
【0029】
第三の押付部30は、コア対向部34に面して位置する樹脂残留体200を押付方向P側に押し付けて、コア対向部34から押付方向P側に離脱させる樹脂残留体押付部である。第三の押付部30は、押し出し動作部5に押し出される第二の押付部20の後端部25によって、その後端が押し付けられ、全体が押付方向Pへと押し出される。これにより、第三の押付部30の前端が、コア対向部34に面して成形された樹脂残留体200を押付方向Pに押し付けて、樹脂成形体100をコア対向部34(即ち、固定型3)から押付方向Pに離脱させる。
【0030】
具体的にいえば、第三の押付部30によって押付方向Pに押し出される樹脂残留体200と、第二の押付部20によって傾斜方向Kに押し出される可動コア24とは、押付方向Pにおける移動速度が同じである。ただし、可動コア24は、直交方向Qにも移動を生じており、樹脂残留体200から直交方向Qに向かって徐々に離れていく。そして、可動コア24は、最終的には樹脂残留体200との押付方向Pにおけるオーバーラップ状態が解消され、樹脂残留体200から完全に離脱した状態となる。つまり、第三の押付部30によって押し出される樹脂残留体200は、コア対向部34(固定型3)から離脱しながら可動コア24からも離脱していき、金型1からの取り出しが可能な状態となる。
【0031】
なお、ここでの第三の押付部30は、固定型3に設けられた押付方向Pに貫通する貫通孔33内に配置された押し出しピンとして設けられ、当該貫通孔33にガイドされる形で押付方向Pに進退移動可能とされている。つまり、貫通孔33は、第三の押付部30の押付方向Pへの進退移動をガイドするガイド機構として機能する。
【0032】
押し出し動作部5は、電動や油圧等といった図示しない周知の駆動源からの駆動力を受けて押付方向Pに平行移動し、第一の押付部10及び第二の押付部20を押付方向Pに押し出す押し出しプレートである。さらに、押し出し動作部5は、第二の押付部20(ここでは後端部25)を介して第三の押付部30を押付方向P側へと押し出す押し出しプレートでもある。押し出し動作部5は、第一の押付部10を押付方向Pに押し出すことによりその第一の押付部10を樹脂成形体100に押し付けて固定型3から離脱させるとともに、第二の押付部20を押付方向P側へと押し出すことによりその第二の押付部20をゲート形成部4の少なくとも一部(可動コア24)に押し付けてその一部(可動コア24)を押付方向P側(ここでは傾斜方向K)へ離脱させ、さらに第三の押付部30を押付方向Pへと押し出すことによりその第三の押付部30を樹脂残留体200に押し付けて固定型3から離脱させる。
【0033】
また、金型1は、
図6に示すように、押し出し遅延機構6と、移動阻止手段7と、を備える。
【0034】
ここでの押し出し遅延機構6は、第二の押付部20の押し出し開始を、第一の押付部10の押し出し開始に対し所定時間遅らせるための機構である。具体的にいえば、押し出し遅延機構6は、第一の押付部10の押し出し開始時において、押し出し動作部5を、第一の押付部10に対し押付方向Pへと押し出し可能となるよう接触させ、かつ第二の押付部20に対し押付方向P側に所定幅d2の空隙520を挟んだ所定位置に位置保持手段8によって位置保持させた押し出し開始状態とする機構である。ここでの位置保持手段8は、押付方向Pの後方側(下側)に配置される押し出し動作部5に対し、所定幅d2の空隙520を挟んで押付方向Pの前方側(上側)で第二の押付部20を載置する載置部8、8である。そして、押し出し遅延機構6は、第一の押付部10の押し出し中において、押し出し動作部5を、所定幅d2の空隙520を埋めて第二の押付部20に接近するよう押付方向Pに移動させる第一の押し出し状態から、第二の押付部20に接触させた後にその第二の押付部20も押付方向P側へと押し出すよう押付方向Pに移動させる第二の押し出し状態へと移行させるように構成されている。つまり、ここでの押し出し遅延機構6は、第二の押付部20と押し出し動作部5との間に所定幅d2の空隙520を設けて、この空隙520を埋めるように(幅d2を狭めるように)押し出し動作部5を第二の押付部20に接近させる機構であり、押し出し動作部5が第二の押付部20に接するまでの所定の時間だけ、第二の押付部20の押し出し開始タイミングを第一の押付部10の押し出し開始タイミングに対し遅らせている。
【0035】
また、押し出し遅延機構6は、第三の押付部30の押し出し開始を、第二の押付部20の押し出し開始と同時またはそれ以降とするための機構でもある。ここでの押し出し遅延機構6は、第一の押付部10の押し出し開始に対し所定時間遅れて第二の押付部20が押付方向P側に押し出されるに伴い、その第二の押付部20に連れて第三の押付部30も押付方向Pへと同時に押し出されるように構成されている。具体的にいえば、第三の押付部30は、その後端が第二の押付部20の後端部25に押し付けられた状態で配置されており、第二の押付部20の移動に伴い押付方向Pへと押し出されて全体が押付方向Pへと移動する。
【0036】
移動阻止手段7は、少なくとも樹脂成形体100が樹脂残留体200から分離、離脱するまでの間、成形された樹脂成形体100に連れてゲート形成部4が押付方向Pに移動しないよう、そのゲート形成部4の移動を妨げる手段である。ここでの移動阻止手段7は、少なくとも上述の所定時間が経過するまでの間、ゲート形成部4の移動を妨げる。具体的にいえば、移動阻止手段7は、
図6に示すように、可動コア24を押付方向Pとは逆側に向かって付勢する付勢手段7Sを備え、さらに、軸部71と、軸部71の前端側に設けられ、可動コア24に対し押付方向Pの逆側から当接する移動阻止部70と、を備えている。付勢手段7Sは、コイルばね等のばね部材とすることができ、移動阻止部70を押付方向Pとは逆側に向かって付勢して、可動コア24を押付方向Pとは逆側に押し付ける。
【0037】
ここでの移動阻止部70は、
図6に示すように、可動コア24の端部に設けられた切り欠き部24Dに押付方向P側(
図6の上側)から被さるよう嵌合する突出部70Dを有する。付勢手段7Sは、自身に接近する方向(付勢方向S)に移動阻止部70を引っ張ることにより、突出部70Dが可動コア24を押付方向Pとは逆側に押し付ける。
【0038】
また、ここでの軸部71は、固定型3に設けられた押付方向Pに貫通する貫通孔37(
図6参照)内に配置され、当該貫通孔37にガイドされる形で押付方向Pに進退移動可能とされている。つまり、貫通孔37は、軸部71の進退移動をガイドするガイド機構として機能する。なお、後端部75は、
図6に示すように、押し出し動作部5の嵌合穴57に対し押付方向Pへと往復移動可能に嵌合配置されている。
【0039】
ここで、金型1を用いて樹脂成形体100が成形された後の型開きの手順について、
図5A〜
図5Eを用いて説明する。
【0040】
なお、型開きの前の成形処理において、金型1の成形空間9内にゲートGを介して溶融樹脂が射出され、その成形空間9内に充填された溶融樹脂が冷却固化される。このため、型開き時には、
図5Aに示すように、成形空間9内に樹脂成形体100が成形されている。
【0041】
成形完了後、まずは
図5Bに示すように、成形された樹脂成形体100に対し主表面101aに面して位置する可動型2を押付方向Pに移動させ、当該主表面101aから可動型2を離脱させる(可動型離脱ステップ)。可動型2の離脱は、周知の方法で行われればよく、ここでは詳細な説明を略する。
【0042】
次に
図5Cに示すように、押し出し動作部5を押付方向Pに移動させて、第一の押付部10を押し出す第一の押し出し状態とする(第一の押し出しステップ)。第一の押付部10は押し出し動作部5に対し接触した状態となっているため、押し出し動作部5が押付方向Pに移動を開始するに伴い第一の押付部10は押付方向Pに押し出され、成形された樹脂成形体100が固定型3から押付方向Pに離脱する。このとき、成形された樹脂成形体100は、ゲートG内の樹脂残留体200とのつながりが断たれ、樹脂残留体200から分離する。ただし、ゲートGは、押付方向Pに向かって先細りする形状に形成されているため、樹脂成形体100の押付方向Pへの離脱に伴い、ゲート形成部4の一部(主に可動コア24)も樹脂成形体100に連れて押付方向Pへと移動する可能性がある。しかしながら、その移動は移動阻止手段7によって防がれているため、樹脂成形体100のみを確実に固定型3から離脱させることができる。
【0043】
一方で、押し出し動作部5による第一の押付部10の押し出し開始前の状態において、第二の押付部20は載置部8、8(位置保持手段)上に配置されており、押し出し動作部5との間に所定幅d2の空隙520が形成されている。つまり、この第一の押し出し状態において、押し出し動作部5は、第二の押付部20に対し空隙520を挟んだ非接触状態を継続しており、空隙520の幅d2は減少していくものの、第二の押付部20の押付方向Pへの移動は生じていない。この第二の押付部20が移動しない状態は、幅d2がゼロとなるまでの所定時間の間、継続する。
【0044】
この幅d2がゼロとなると、
図5C及び
図5Dに示すように、押し出し動作部5は、第二の押付部20(後端部25)に対し接触して(押し付けて)、当該第二の押付部20を傾斜方向Kへと押し出し、かつ第三の押付部30を押付方向Pへと押し出す第二の押し出し状態へと移行する(第二の押し出しステップ)。第二の押付部20が傾斜方向Kに押し出されることにより、ゲートGを形成している可動コア24が傾斜方向Kへと離脱し、ゲートGが外部に開放される。なお、可動型2が離脱した段階で、ランナーLも外部に開放されている。一方で、第三の押付部30が押付方向Pに押し出されることにより、空隙G内の樹脂残留体200は、固定型3のコア対向部34から押付方向Pへと離脱する。
【0045】
これにより、金型1は開かれ、成形された樹脂成形体100と、ゲート内に残留していた樹脂残留体200とが取り出される。
【0046】
なお、金型1で成形される樹脂成形体100は、所定方向に延び出すパネル部材であり、所定方向に長い大物部品である。このため、金型1には、その所定方向においてゲートGを複数有する多点ゲートのものが採用されている。ここでは
図3に示すように、3箇所の各ゲートGに対応して、押付部10、20、30、可動コア24、押し出し遅延機構6、移動阻止手段7がそれぞれ設けられている。このため、押し出し動作部5が各押付部10、20、30を押し出した際には、同種の押付部10、20、30が全て押し出されることになる。即ち、ゲートG毎に設けられた全ての第一の押付部10は、押し出し動作部5によって同時に押し出され、これにより、樹脂成形体100全体が固定型3から離脱する。ゲートG毎に設けられた全て第二の押付部20は、押し出し動作部5によって同時に押し出され、これにより、全ての可動コア24が固定型3から離脱する。ゲートG毎に設けられた全て第三の押付部30は、押し出し動作部5によって第二の押付部20を介して同時に押し出され、これにより、全てのゲートG内の残留樹脂が一体につながった状態の樹脂残留体200が、固定型3から離脱する。
【0047】
また、ここでの押し出し遅延機構6は、第二の押付部20の押し出し開始を、第一の押付部10の押し出し開始に対し所定時間遅らせるだけでなく、第一の押付部10の押し出し開始に対し移動阻止手段7の押し出し開始を遅らせるようにも機能している。具体的にいえば、押し出し遅延機構6は、
図6に示すように、第一の押付部10の押し出し開始時において、押し出し動作部5を、第一の押付部10に対し押付方向Pへと押し出し可能となるよう接触させ、かつ移動阻止手段7の軸部71の後端部75に対し押付方向P側に所定幅d7の空隙570を挟んだ所定位置に、位置保持手段80によって位置保持させた押し出し開始状態とする。ここでの位置保持手段80は、位置保持手段8と同様(
図5A〜
図5E参照)、押付方向Pの後方側(下側)に配置される押し出し動作部5に対し、所定幅d7の空隙570を挟んで押付方向Pの前方側(上側)で軸部71の後端部75を載置する載置部80、80である。
【0048】
ただし、幅d7(例えば9mm)は、幅d2(例えば10mm)に比べて短いため、軸部71の後端部75は、先に押し出し動作部5に対し接触して押付方向Pに押し出され、その後に第二の押付部20が押し出し動作部5に対し接触して押付方向P側(傾斜方向K)に押し出されることになる。軸部71の後端部75が押付方向Pに先に押し出されることにより、付勢手段7Sの付勢力がわずかに低下した状態となり、軸部71は、この状態で押し出し動作部5によって第二の押付部20と共に押し出される。
【0049】
また、本実施例におけるゲート形成部4は、
図7に示すように、ゲートGを、屈曲端部102の先端面102cに対し、主裏面101bから続くその屈曲端部102の裏面102bの側に偏った位置にて面するように形成している。これにより、取り出された樹脂成形体100は、屈曲端部102の先端面102cのうち、意匠面となる表面102aとは逆の裏面102bの側に偏った位置にゲート痕が残ることになり、作業者にとってより触りにくい位置となる。
【0050】
さらにいえば、ゲート形成部4は、
図7に示すように、ゲートGを、屈曲端部102の先端面102cに対し、屈曲端部102の裏面102bの側に偏った位置で対面するだけでなく、裏面102bの側の角部102dとは対面しないように形成している。具体的にいえば、互いに密着する可動コア24(コア側対向部241)とコア対向部34(第一対向部341)は、屈曲端部102の先端面102cに対向する側に、ゲートGの開口を環状に取り囲む平面234cを形成している。このため、成形された樹脂成形体100と、ゲートG内の樹脂残留体200とを分離するにあたって、ゲートGが屈曲端部102の角部102dに達するように設けられた場合に比べると、分離が容易になる。
【0051】
また、本実施例における第一の押付部10は、
図3に示すように、成形される樹脂成形体100の所定方向(
図3における上下方向)において、ゲートGを挟むように2か所に配置されている。具体的にいえば、第一の押付部10は、当該2か所において、屈曲端部102(先端面102c)と成形体主部101(主裏面101b)との双方を、押付方向Pに押し付けている。なお、
図5A〜
図5Eでは、第一の押付部10は、主部101(主裏面101b)のみを押し付けているように記載されているが、これらはあくまで模式図であり、正確には
図3及び
図4のように屈曲端部102(先端面102c)と成形体主部101(主裏面101b)との双方を押し付けている。
【0052】
また、第一の押付部10による樹脂成形体100の押付位置は、ゲートGに近接する位置に設定されている。これにより、成形された樹脂成形体100と、ゲートG内の樹脂残留体200との分離を確実に実行できる。本実施例における第一の押付部10による樹脂成形体100の押付位置は、樹脂成形体100の押付方向側から見たときに(
図3参照)、ゲートGからその径方向外向き50mm以内となる位置に設計されている。なお、この押付位置は、例えばゲートGからの径方向外向きの距離がゲート開口幅の6倍以下、さらにいえば5倍以下とされることが望ましく、これにより、成形された樹脂成形体100と樹脂残留体200との分離がより確実なものとなる。
【0053】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば上記実施形態において一部の構成要件を省略する、さらには他の構成要件を追加する等、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0054】
上記実施例における位置保持手段8、80は、載置部に限らず、所定幅d2、d7の空隙520、570を設定するものであれば、異なる手法によるものであってもよい。
【0055】
上記実施例における付勢手段7Sは、ばね部材に限らず、他の部材とすることもできる。付勢手段7Sは、例えば油圧や電動等の駆動減の力を利用して付勢力を発生させるものでもよい。
【0056】
上記実施例における押し出し遅延機構6は、第三の押付部30の押し出し開始を、第二の押付部20の押し出し開始よりも後とする機構であってもよい。この場合、可動コア24は、樹脂残留体200よりも先に動き出す形で、樹脂残留体200から分離していく。樹脂残留体200は、可動コア24が分離した後に、第三の押付部30によって押し出される。
【0057】
上記実施例におけるゲートGは、可動コア24に形成された溝であって、固定型3が被さる形で形成されるものでもよい。
【0058】
上記実施例における可動コア24は、ゲートG内の樹脂残留体200に、樹脂成形体100の所定方向(
図3における上下方向)に突出する突出部201が成形されるよう、固体型3のコア対向部34(第一対向部341)との対向間(空隙G)に突出部成形用凹部243を設けてもよい(
図8及び
図9参照)。これにより、可動コア24と樹脂残留体200との分離が容易となる。この樹脂成形体100の突出部201は、樹脂残留体200よりも可動コア24が先に動き出す実施例において、可動コア24の傾斜方向Kへの移動を妨げない位置に設けられる。突出部201は、ここでは押付方向Pに直線状に延び出るリブとして形成されている。
【0059】
上記実施例における固体型3のコア対向部34は、ゲートG内の樹脂残留体200に、傾斜方向Kへの移動を妨げ、かつ押付方向Pへの移動を許容する移動規制部203が成形されるように構成されていてもよい(
図8及び
図9参照)。移動規制部203は、樹脂残留体200において押付方向Pに直線状に突出するアンカー部として形成することができ、例えば上述した突出部201から押付方向Pに続く形で形成できる。この場合、コア対向部34には、樹脂残留体200から押付方向Pの逆向きに直線状に延び出す凹部343を、ゲートGに連通する形で設け、当該凹部343を、アンカー部203を成形するためのアンカー部成形用凹部343とすることができる。