【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、
周方向に複数配列され、圧力面および負圧面を含む翼面をそれぞれ有する1段静翼と、
一の前記1段静翼の前記負圧面側に設けられ、径方向に沿って延在する第1側壁部を含む第1燃焼器出口を有する第1燃焼器と、
前記周方向にて前記第1燃焼器の隣において前記一の前記1段静翼の前記圧力面側に設けられ、前記径方向に沿って延在する第2側壁部を含む第2燃焼器出口を有する第2燃焼器と、
を備えるガスタービンであって、
下記条件(a)又は(b)の何れかを満たし、
上流側から下流側に向かって前記軸方向をx軸と定義し、前記第1側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy軸と定義したとき、前記第1側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy/dxが最大となる位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第1基準接線に対して、前記一の前記1段静翼の前方部の前記負圧面と前記第1基準接線との交点を通る前記負圧面の第1接線がなす第1角度が45度以下であり、
前記一の前記1段静翼は、前記第1側壁部の前記内側壁面からの前記負圧面の前記周方向への突出量をΔyとし、前記1段静翼の前記周方向における配列ピッチをPとしたとき、0.05≦Δy/P≦0.25を満たす。
(a)前記一の前記1段静翼の前方部と前記第1側壁部との間の軸方向の最小隙間、および、前記一の前記1段静翼の前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向の最小隙間が、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さLaの10%以下である。
(b)前記一の前記1段静翼の前方部の最上流点が、前記第1側壁部又は前記第2側壁部の少なくとも一方の最下流端よりも、前記軸方向において上流側に位置する。
【0010】
上記(1)の構成では、ガスタービンは、上記(a)又は(b)を満たすので、1段静翼の前方部と燃焼器出口の第1側壁部又は第2側壁部との間の最小距離が十分に小さい。このため、1段静翼の前方部と第1側壁部又は第2側壁部との間を流通する高温の燃焼ガス流れが低減されるため、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を低減することができる。また、上記(1)の構成では、第1側壁部の内側壁面における上述の第1基準接線に対して、1段静翼の前方部の負圧面における上述の第1接線がなす第1角度が45度以下であるので、燃焼器出口の第1側壁部と1段静翼の負圧面とが滑らかに接続されている。よって、燃焼器出口からの高温の燃焼ガスの流れの乱れを低減することができる。
【0011】
ここで、本発明者らは、第1側壁部の内側壁面からの1段静翼の負圧面の周方向への突出量Δyと、1段静翼の周方向における配列ピッチPとの比(Δy/P)に応じて、1段静翼の圧力面側と負圧面側との圧力差が変化し、Δy/Pを適切な値とすることにより該圧力差を低減できることを見出した。
この点、上記(1)の構成では、さらに、第1側壁部の内側壁面からの1段静翼の負圧面の周方向への突出量Δyと、1段静翼の周方向における配列ピッチPとが0.05≦Δy/P≦0.25を満たすので、1段静翼の圧力面側と負圧面側との圧力差が比較的小さい。このため、1段静翼の圧力面側と負圧面側の圧力差に起因した、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生が抑制されるので、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を低減することができる。
【0012】
以上より、上記(1)の構成によれば、燃焼器出口からの高温の燃焼ガスの流れの乱れを低減しながら、1段静翼を効率的に冷却することができる。これにより、ガスタービンの効率低下を抑制することができる。
【0013】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第2側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy’軸と定義したとき、前記第2側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy’/dxが最大となる位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第2基準接線に対して、前記一の前記1段静翼の前記前方部の前記圧力面と前記第2基準接線との交点を通る前記圧力面の第2接線がなす第2角度が45度以下である。
【0014】
上記(2)の構成によれば、第2側壁部の内側壁面における上述の第2基準接線に対して、1段静翼の前方部の圧力面における上述の第2接線がなす第2角度が45度以下であるので、燃焼器出口の第2側壁部と1段静翼の圧力面とが滑らかに接続されている。よって、燃焼器出口からの高温の燃焼ガスの流れの乱れをより効果的に低減することができる。
【0015】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第1角度が20度以上45度以下であり、
前記第2角度が0度以上25度以下である。
【0016】
上記(3)の構成によれば、負圧面側における第1角度を上記範囲内に設定することで、燃焼ガス流れの1段静翼の負圧面への衝突によって負圧面側で静圧が上昇する。一方、圧力面側における第2角度を上記範囲内に設定することで、第2角度が25度よりも大きい場合に比べて、圧力面が燃焼ガス流れの下流側に後退することになり、上述した隙間近傍における圧力面側の圧力を減少させることができる。よって、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生を抑制可能である。
【0017】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、前記第1角度は、前記第2角度以上である。
【0018】
上記(4)の構成によれば、第1角度を第2角度以上にすることで、圧力面側における圧力を減少させながら、負圧面側において圧力を増大させることができ、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生を効果的に抑制可能である。
【0019】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記第1側壁部の下流側端面、及び、前記第2側壁部の下流側端面は、それぞれ、前記軸方向の直交面に沿った平坦面を含み、
前記前方部は、前記第1側壁部の前記下流側端面及び前記第2側壁部の前記下流側端面に対向する前端面を含み、
前記前端面の少なくとも一部は、前記軸方向の前記直交面に沿って設けられる平坦面である。
【0020】
上記(5)の構成によれば、第1側壁部及び第2側壁部の下流側端面、及び、該下流側端面に対向する1段静翼の前方部の前端面の少なくとも一部がそれぞれ、軸方向の直交面に沿った平坦面により形成される。よって、第1側壁部及び第2側壁部の下流側端面、又は、1段静翼の前方部の前端面が湾曲面により形成される場合に比べて、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の軸方向における隙間の管理が容易となる。よって、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を削減しやすくなる。
【0021】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の下流側に位置するとともに、前記負圧面のうち後縁側領域である凸状湾曲面、および、前記圧力面のうち後縁側領域である凹状湾曲面を有する後方部を含み、
前記負圧面の前記凸状湾曲面の前縁側端は、前記負圧面のうち前記第1側壁部の前記内側壁面から前記周方向に最も突出した部分よりも、前記周方向において、前記第2側壁部に近い。
【0022】
上記(6)の構成によれば、第1燃焼器出口からの燃焼ガス流れが1段静翼の負圧面に衝突しやすくなるため、負圧面側で静圧が上昇しやすくなる。これにより、負圧面側と圧力面側の圧力差を低減して、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生を効果的に抑制することができる。
【0023】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の下流側に位置するとともに、前記負圧面のうち後縁側領域である凸状湾曲面、および、前記圧力面のうち後縁側領域である凹状湾曲面を有する後方部を含み、
前記前方部は、
前記負圧面の前縁側領域を形成するように、前記凸状湾曲面の前縁側端から前記第1側壁部に向かって直線状に延びる第1表面と、
前記圧力面の前縁側領域を形成するように、前記凹状湾曲面の前縁側端から前記第2側壁部に向かって直線状に延びる第2表面と、
を含む。
【0024】
上記(7)の構成によれば、負圧面の前縁側領域は、直線状に延びる第1表面により形成されるとともに、圧力面の前縁側領域は、直線状に延びる第2表面により形成されるので、1段静翼の作製が比較的容易である。
【0025】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記第1側壁部の下流側端面、及び、前記第2側壁部の下流側端面は、それぞれ、前記軸方向の直交面に沿った平坦面を含み、
前記前方部は、
前記第1表面の前縁側端に接続される第1接続点を有し、前記第1側壁部の前記下流側端面に対向するように前記軸方向の前記直交面に沿って延在する第1平坦面と、
前記第2表面の前縁側端に接続される第2接続点を有し、前記第2側壁部の前記下流側端面に対向するように前記軸方向の前記直交面に沿って延在する第2平坦面と、
を含む。
【0026】
上記(8)の構成によれば、第1側壁部及び第2側壁部の下流側端面が平坦面によって形成されるとともに、前方部の第1平坦面及び第2平坦面が、それぞれ、平坦面を含む第1側壁部の下流側端面及び第2側壁部の下流側端面に対向する。よって、第1側壁部及び第2側壁部の下流側端面、又は、1段静翼の前方部の前端面が湾曲面により形成される場合に比べて、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の軸方向における隙間の管理が容易となる。よって、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を削減しやすくなる。
【0027】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記第1接続点と前記第2接続点との間の前記周方向における距離は、前記第1側壁部の前記内側壁面と前記第2側壁部の前記内側壁面との間の前記周方向における距離よりも小さい。
【0028】
上記(9)の構成によれば、第1接続点と第2接続点との間の周方向における距離は、第1側壁部の内側壁面と第2側壁部の内側壁面との間の周方向における距離よりも小さいので、第1接続点と第2接続点との間の上記距離が第1側壁部の内側壁面と第2側壁部の内側壁面との間の上記距離よりも大きい場合に比べて、燃焼器出口からの燃焼ガスの流れが乱れにくい。よって、タービンにおける流体損失の発生を抑制しやすい。
【0029】
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)又は(9)の構成において、前記第1平坦面の前記第1接続点は、前記周方向において、前記第1側壁部の前記内側壁面よりも前記第2側壁部側に位置する。
【0030】
上記(10)の構成によれば、第1平坦面の第1接続点が、周方向において、第1側壁部の内側壁面よりも第2側壁部側に位置するので、負圧面側において、第1燃焼器出口Aからの燃焼ガスの流れが乱れにくい。よって、タービンにおける流体損失の発生を抑制しやすい。
【0031】
(11)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)の何れかの構成において、
前記第2平坦面の前記第2接続点は、前記周方向において、前記第2側壁部の前記内側壁面よりも前記第1側壁部側に位置する。
【0032】
上記(11)の構成によれば、第2平坦面の第2接続点は、周方向において、第2側壁部の内側壁面よりも第1側壁部側に位置するので、圧力面側において、第2燃焼器出口からの燃焼ガスの流れが乱れにくい。よって、タービンにおける流体損失の発生を抑制しやすい。
【0033】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れかの構成において、
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の前記第1接線が軸方向に対してなす角度が、15度以上45度以下である。
【0034】
上記(12)の構成によれば、負圧面における第1接線が軸方向に対してなす角度を上記範囲内に設定することで、燃焼ガス流れの1段静翼の負圧面への衝突によって負圧面側で静圧が上昇しやすくなる。よって、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生を効果的に抑制することができる。
【0035】
(13)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(12)の何れかの構成において、
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の前記第2接線が軸方向に対してなす角度が、0度以上30度以下である。
【0036】
上記(13)の構成によれば、圧力面における第2接線が軸方向に対してなす角度を上記範囲内に設定することで、該角度が30度よりも大きい場合に比べて、圧力面が燃焼ガス流れの下流側に後退することになり、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間近傍における圧力面側の圧力を減少させやすくなる。よって、1段静翼の前方部と、上述の隙間を介した高温ガスの流れの発生を効果的に抑制することができる。
【0037】
(14)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(13)の何れかの構成において、
前記前方部と前記第1側壁部との間の前記軸方向における最小隙間g
1と、前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向における最小隙間g
2とが、0.9≦g
1/g
2≦1.1を満たす。
【0038】
上記(14)の構成によれば、すなわち、1段静翼の負圧面側の最小隙間g
1の大きさと、圧力面側の最小隙間g
2の大きさとが同等であるので、第1側壁部及び第2側壁部の下流側端面と、1段静翼の前方部との隙間を介した負圧面側及び圧力面側へのそれぞれの冷却媒体の分配量の差を小さくすることができる。これにより、ガスタービン全体として、冷却媒体の流量を削減することができる。
【0039】
(15)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(14)の何れかの構成において、
前記一の前記1段静翼は、0.1≦Δy/P≦0.2を満たす。
【0040】
上記(15)の構成によれば、第1側壁部の内側壁面からの1段静翼の負圧面の周方向への突出量Δyと、1段静翼の周方向における配列ピッチPとが0.1≦Δy/P≦0.2を満たすので、1段静翼の圧力面側と負圧面側との圧力差をより低減することができる。このため、1段静翼の圧力面側と負圧面側の圧力差に起因した、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生が抑制されるので、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量をより効果的に低減することができる。
【0041】
(16)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、
周方向に複数配列され、圧力面および負圧面を含む翼面をそれぞれ有する1段静翼と、
一の前記1段静翼の前記負圧面側に設けられ、径方向に沿って延在する第1側壁部を含む第1燃焼器出口を有する第1燃焼器と、
前記周方向にて前記第1燃焼器の隣において前記一の前記1段静翼の前記圧力面側に設けられ、前記径方向に沿って延在する第2側壁部を含む第2燃焼器出口を有する第2燃焼器と、
を備えるガスタービンであって、
下記条件(a)又は(b)の何れかを満たし、
上流側から下流側に向かって前記軸方向をx軸と定義し、前記第1側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy軸と定義し、前記第1側壁部の下流端の前記周方向における厚さをW
1とし、前記第1側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy/dxが最大となる第1基準位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第1基準接線を前記y軸の負の方向に0.5×W
1ずらした第1外側境界線と、前記第1基準位置を通り、且つ、前記第1基準接線に対して45度の角度をなす第1内側境界線と、の間の領域を第1領域とし、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さをLaとしたとき、前記一の前記1段静翼の前方部の前記負圧面のうち前記第1領域に含まれる部位の上流端の位置と、該位置から0.2Laの長さだけ下流側の位置までの間の軸方向範囲内において、前記前方部の前記負圧面は前記第1領域内に含まれており、
前記一の前記1段静翼は、前記第1側壁部の前記内側壁面からの前記負圧面の前記周方向への突出量をΔyとし、前記1段静翼の前記周方向における配列ピッチをPとしたとき、0.05≦Δy/P≦0.25を満たす。
(a)前記一の前記1段静翼の前方部と前記第1側壁部との間の前記軸方向の最小隙間、および、前記一の前記1段静翼の前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向の最小隙間が、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さLaの10%以下である。
(b)前記一の前記1段静翼の前方部の最上流点が、前記第1側壁部又は前記第2側壁部の少なくとも一方の最下流端よりも、前記軸方向において上流側に位置する。
【0042】
なお、上記(16)の構成を有するガスタービンは、上記(2)乃至(15)の何れかに記載の特徴を有していてもよい。
【0043】
上記(16)の構成では、ガスタービンは、上記(a)又は(b)を満たすので、1段静翼の前方部と燃焼器出口の第1側壁部又は第2側壁部との間の最小距離が十分に小さい。このため、1段静翼の前方部と第1側壁部又は第2側壁部との間を流通する高温の燃焼ガス流れが低減されるため、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を低減することができる。また、上記(16)の構成では、一の1段静翼の前方部の負圧面のうち上述の第1領域に含まれる部位の上流端の位置と、該位置から0.2La(ただし、Laは、軸方向における一の1段静翼の長さである。)の長さだけ下流側の位置までの間の軸方向範囲内において、1段静翼の前方部の負圧面は上述の第1領域内に含まれているので、燃焼器出口の第1側壁部と1段静翼の負圧面とが滑らかに接続されている。よって、燃焼器出口からの高温の燃焼ガスの流れの乱れを低減することができる。
【0044】
また、上記(16)の構成では、さらに、第1側壁部の内側壁面からの1段静翼の負圧面の周方向への突出量Δyと、1段静翼の周方向における配列ピッチPとが0.05≦Δy/P≦0.25を満たすので、1段静翼の圧力面側と負圧面側との圧力差が比較的小さい。このため、1段静翼の圧力面側と負圧面側の圧力差に起因した、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生が抑制されるので、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を低減することができる。
【0045】
以上より、上記(16)の構成によれば、燃焼器出口からの高温の燃焼ガスの流れの乱れを低減しながら、1段静翼を効率的に冷却することができる。これにより、ガスタービンの効率低下を抑制することができる。
【0046】
(17)幾つかの実施形態では、上記(16)の構成において、
前記第2側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy’軸と定義し、前記第2側壁部の下流端の前記周方向における厚さをW
2とし、前記第2側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy’/dxが最大となる第2基準位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第2基準接線を前記y’軸の負の方向に0.5×W
2ずらした第2外側境界線と、前記第2基準位置を通り、且つ、前記第2基準接線に対して45度の角度をなす第2内側境界線と、の間の領域を第2領域としたとき、前記前方部の前記圧力面のうち前記第2領域に含まれる部位の上流端の位置と、該位置から0.2Laの長さだけ下流側の位置までの間の軸方向範囲内において、前記前方部の前記圧力面は前記第2領域内に含まれている。
【0047】
上記(17)の構成では、一の1段静翼の前方部の圧力面のうち上述の第2領域に含まれる部位の上流端の位置と、該位置から0.2La(ただし、Laは、軸方向における一の1段静翼の長さである。)の長さだけ下流側の位置までの間の軸方向範囲内において、1段静翼の前方部の圧力面は上述の第2領域内に含まれているので、燃焼器出口の第2側壁部と1段静翼の圧力面とが滑らかに接続されている。よって、燃焼器出口からの高温の燃焼ガスの流れの乱れを低減することができる。