特許第6934369号(P6934369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6934369
(24)【登録日】2021年8月25日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20210906BHJP
   B62J 50/22 20200101ALI20210906BHJP
【FI】
   B60K35/00 Z
   B62J50/22
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-165897(P2017-165897)
(22)【出願日】2017年8月30日
(65)【公開番号】特開2019-43229(P2019-43229A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】大宮 永伸
(72)【発明者】
【氏名】石関 智房
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−73075(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0242479(US,A1)
【文献】 特開2015−85919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
B62J 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光に対し透明な第1層と、前記第1層と積層して設けられ複数の第1開口を有し、可視光に対し半透明な第2層と、前記第1層および前記第2層と積層して設けられ、平面視において前記複数の第1開口を単一で含む第2開口を有し、可視光を遮断する第3層と、を有し、車両に搭乗する搭乗者が目視するシートと、
前記複数の第1開口および前記第2開口を通過した可視光を受ける光センサと、
一面に前記シートが設けられ、前記光センサを格納するケースと、
を備える車両用表示装置。
【請求項2】
前記第2層は前記第1層と前記第3層との間に設けられている請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記第2層および前記第3層は前記第1層に設けられた印刷層である請求項1または2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記第2層および前記第3層は同じ色の顔料を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記光センサは、前記車両の前照灯を制御するための光センサである請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記ケースに収納された発光素子を備え、
第3層は前記発光素子が発した光が通過する第3開口を有し、
前記第2層は、前記第3開口に対応する領域に開口を有さない請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記シートを前記ケースに接合し、平面視において前記第2開口を含む第4開口を有する接合層を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記第2層の厚さは、前記第1開口の幅より大きい請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記搭乗者が前記シートを目視する方向と前記第1開口の中心線の延伸方向とが交差するように、前記ケースを前記車両のハンドルに固定する固定具と、
を備える請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関し、例えば光センサを有する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用の表示装置に周囲の照度を検出する光センサを設けることが知られている(例えば特許文献1)。電動補助自転車の表示装置に光センサを設けることが知られている(例えば特許文献2)。自動二輪車の表示装置に光センサを設けることが知られている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−187593号公報
【特許文献2】特開2015−85919号公報
【特許文献3】特開2001−260707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置の搭乗者が目視する面を黒色等の単一色とし、単一色に白色等の文字や記号を浮き出させようとすると、光センサが受ける光強度が小さくなることがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、光センサが受ける光の強度を大きくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可視光に対し透明な第1層と、前記第1層と積層して設けられ複数の第1開口を有し、可視光に対し半透明な第2層と、前記第1層および前記第2層と積層して設けられ、平面視において前記複数の第1開口を単一で含む第2開口を有し、可視光を遮断する第3層と、を有し、車両に搭乗する搭乗者が目視するシートと、前記複数の第1開口および前記第2開口を通過した可視光を受ける光センサと、一面に前記シートが設けられ、前記光センサを格納するケースと、を備える車両用表示装置である。
【0007】
上記構成において、前記第2層は前記第1層と前記第3層との間に設けられている構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記第2層および前記第3層は前記第1層に設けられた印刷層である構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記第2層および前記第3層は同じ色の顔料を含む構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記光センサは、前記車両の前照灯を制御するための光センサである構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記ケースに収納された発光素子を備え、第3層は前記発光素子が発した光が通過する第3開口を有し、前記第2層は、前記第3開口に対応する領域に開口を有さない構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記シートを前記ケースに接合し、平面視において前記第2開口を含む第4開口を有する接合層を備える構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記第2層の厚さは、前記第1開口の幅より大きい構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記搭乗者が前記シートを目視する方向と前記第1開口の中心線の延伸方向とが交差するように、前記ケースを前記車両のハンドルに固定する固定具と、を備える構成とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光センサが受ける光の強度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例1に係る表示操作装置が用いられる電動補助自転車の外観を示す図である。
図2図2は、実施例1に係る表示操作装置および制御ユニットのブロック図である。
図3図3は、電動補助自転車のハンドルに表示操作装置が取り付けられた状態を示す図である。
図4図4(a)および図4(b)は、実施例1に係る表示操作装置の斜視図である。
図5図5は、実施例1に係る表示操作装置の断面図である。
図6図6は、実施例1に係る表示操作装置の解体斜視図である。
図7図7は、実施例1に係る表示操作装置のシートの解体斜視図である。
図8図8は、実施例1における窓および表示部付近の平面図である。
図9図9(a)および図9(b)は、実施例1におけるそれぞれ窓および表示部付近の断面図である。
図10図10(a)および図10(b)は、それぞれ比較例1および2における窓付近の断面図である。
図11図11は、実施例2における表示操作装置の窓付近の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0018】
車両用表示操作装置が用いられる車両の例として電動補助自転車について説明する。図1は、実施例1に係る表示操作装置が用いられる電動補助自転車の外観を示す図である。図1に示すように、電動補助自転車は、フレーム80、ハンドル81、ステム82、サドル83、前照灯84、前輪85、後輪86およびクランク87等を有する。運転者(搭乗者)は、サドル83に座りハンドル81を握る。
【0019】
フレーム80には蓄電装置90および制御ユニット91が設けられている。前輪85にはモータ92および回転センサ93が設けられている。クランク87にはトルクセンサ94が設けられている。ハンドル81にはブレーキセンサ95が設けられている。
【0020】
蓄電装置90は、例えば二次電池である。蓄電装置90は、家庭用電力およびモータ92が発電した電力により充電され、モータ92、前照灯84および制御ユニット91に電力を供給する。
【0021】
モータ92は例えば三相直流ブラシレスモータである。モータ92は、運転者の人力をアシストするとき(アシスト動作時)に前輪85を駆動し、回生ブレーキを動作させるとき(回生動作時)に前輪85の回転から電力を回生し蓄電装置90に供給する。回転センサ93は例えばホール素子であり、モータ92の回転を検出する。
【0022】
トルクセンサ94は運転者の踏み込みによりクランク87に生じるトルクを検出する。ブレーキセンサ95は、運転者がブレーキ操作を行ったことを検出する。
【0023】
図2は、実施例1に係る表示操作装置および制御ユニットのブロック図である。図2に示すように、制御ユニット91は、制御回路96およびモータ駆動回路97を備えている。
【0024】
制御回路96は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)および/またはRAM(Random Access Memory)等の記憶装置と、を有する。
【0025】
制御回路96は、回転センサ93、トルクセンサ94およびブレーキセンサ95から入力される信号に基づきモータ駆動回路97を制御する。例えば、制御回路96は、アシスト動作時に回転センサ93およびトルクセンサ94からの信号等に基づき運転者をアシストする量を算出しモータ92を駆動させる。制御回路96は、回生動作時に回転センサ93およびブレーキセンサ95からの信号に基づき回生ブレーキ量を算出しモータ92を制御する。制御回路96は、前照灯84の点灯および消灯を制御する。
【0026】
モータ駆動回路97は、例えば三相ブリッジインバータ回路を含む。モータ駆動回路97は、アシスト動作時は蓄電装置90からモータ92に駆動電力を供給し、回生動作時はモータ92から蓄電装置90に回生電力を供給する。
【0027】
表示操作装置10は、光センサ12、照明装置14、入力装置16、表示装置18および制御装置15を備えている。運転者は、表示操作装置10を用い制御ユニット91を制御する。また、表示操作装置10は、制御ユニット91から出力される情報を表示する。
【0028】
光センサ12は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトIC(Integrated Circuit)および/またはCdSセル等であり、受光することで環境の照度を検出する。光センサ12は、受けた光の強度に対応する信号を制御装置15に出力する。
【0029】
照明装置14は、LED(Light Emitting Diode)および/またはLCD(Liquid Crystal Display)のバックライト等である。照明装置14は、バックライトのように表示装置18の視認性を向上させる。照明装置14は、点灯することで運転者に情報を提供してもよい。照明装置14は、制御装置15の指示により点灯および消灯する。
【0030】
入力装置16は、操作ボタンおよび/または操作スイッチ等である。運転者は、入力装置16を操作することで、例えば前照灯84の点灯および消灯、アシスト動作における動作モード(アシスト有無等)の切り替え、および/または回生動作における動作モードの切り替えを行なう。入力装置16は、運転者の操作に対応する信号を制御装置15に出力する。
【0031】
表示装置18は、7セグメントおよび/またはLCD等であり、情報を表示する。表示装置18は、制御装置15からの信号に応じて、前照灯84の点灯および消灯の状態、現在設定されているアシスト動作の動作モード、現在設定されている回生動作の動作モード等の情報、および/または蓄電装置90の充電量を表示する。
【0032】
制御装置15は、例えばCPUまたはMPU等のプロセッサおよび記憶装置を備えている。制御装置15は、光センサ12および入力装置16から入力した信号および制御ユニット91からの信号に基づき照明装置14および表示装置18を制御する。制御装置15は、光センサ12および入力装置16から入力した信号等の情報を制御ユニット91に出力する。
【0033】
図3は、電動補助自転車のハンドルに表示操作装置が取り付けられた状態を示す図である。図3に示すように、ステム82にハンドル81が取り付けられている。ハンドル81の先端にグリップ88およびブレーキレバー89が取り付けられている。表示操作装置10は、ハンドル81のグリップ88近くに取り付けられている。これにより、運転者はグリップ88を握った状態で表示操作装置10を操作しやすくなる。表示操作装置10の目視面は、運転者が視認しやすいように水平方向に対し傾斜して取り付けられている。
【0034】
図4(a)および図4(b)は、実施例1に係る表示操作装置の斜視図である。図4(a)は、上方からの斜視図であり、図4(b)は、下方からの斜視図である。図4(a)および図4(b)に示すように、表示操作装置10は、シート40、ケース30および固定具32を備えている。
【0035】
ケース30は上ケース30aと下ケース30bを有している。上ケース30aと下ケース30bとは溶着等により接合されている。ケース30は、対候性樹脂であり、例えばASA(acrylate styrene acrylonitrile)樹脂である。ケース30の上面(前面)に目視面21が設けられている。運転者が視認する目視面21には、ボタン22aおよび22b、表示部24aおよび24b並びに窓26が設けられている。ボタン22aおよび22bは、入力装置16である。ボタン22aは、前照灯84の点灯および消灯を切り替えるスイッチである。ボタン22bは、アシスト動作および回生動作等のモードを切り替えるスイッチである。表示部24aは蓄電装置90のバッテリ残量をパーセント表示する。表示部24bはアシストの状態を表示する。
【0036】
ケース30の下面には固定具32が取り付けられている。固定具32は表示操作装置10をハンドル81に固定する部材である。ねじ36を締めることで固定具32はハンドル81に固定される。
【0037】
図5は、実施例1に係る表示操作装置の断面図である。図5に示すように、上ケース30aの上面にはシート40が貼り付けられている。シート40の表面が目視面21となる。ケース30内には回路基板50が収納されている。回路基板50の上面および下面には電子部品(不図示)が実装されている。回路基板50は、ねじ59により上ケース30aに固定されている。上ケース30aと下ケース30bとが接合されることにより、回路基板50はケース30内に密封される。固定具32は、ハンドル81の直径と同程度の内径を有するリング状である。固定具32の空洞部35にハンドル81を挿入し、ねじ36により固定具32を締める。これにより、表示操作装置10はハンドル81に固定される。
【0038】
図6は、実施例1に係る表示操作装置の解体斜視図である。表示操作装置10は、シート40、上ケース30a、回路基板50および下ケース30bに分解される。シート40の表面が目視面21となる。目視面21は図4と同じであり説明を省略する。
【0039】
上ケース30aには、開口34aから34cが設けられている。開口34aおよび34bは表示部24aおよび24bに対応する位置に設けられている。開口34cは窓26に対応する位置に設けられている。開口34aから34c内には透明部材がはめ込まれている。上ケース30aのボタン22aおよび22bに対応する位置にゴム材60が嵌め込まれている。
【0040】
回路基板50の上面には、7セグメント52、LED54、光センサ56およびスイッチ58(例えばタクトスイッチ)が設けられている。表示部24aには、7セグメント52の表示(数字)が表示される。表示部24bは、LED54の光により点灯する。LED54は照明装置14に相当する。光センサ56は、図2の光センサ12に相当し、窓26から入射した光を検出する。スイッチ58は、板材62を介しゴム材60の下面に当接する。ボタン22aおよび22bが押されるとスイッチ58が駆動する。下ケース30bには回路基板50の下面に実装された電子部品を収納する窪みが設けられている。
【0041】
図7は、実施例1に係る表示操作装置のシートの解体斜視図である。シート40は、第1層42、第2層44、第3層46および接合層48を有している。第1層42は、可視光に対し透明な層である。第1層42の表面は目視面21である。第1層42は、ボタン22aおよび22bに相当する領域が突出する凸部41を有する。第1層42は、例えばPET(polyethylene terephthalate)等の透明樹脂である。第1層42の厚さは例えば125μmである。
【0042】
第2層44は可視光に対し半透明な層であり、第1層42の目視面21の反対の面に設けられている。窓26に相当する領域に複数の開口43が設けられている。第2層44は、ボタン22aおよび22bに相当する領域が突出する凸部43dを有する。第2層44は例えば第1層42に印刷された印刷層であり、顔料を含む。含まれる顔料は例えば黒顔料である。第2層44の厚さは例えば5μmである。なお、第2層44は、希釈材により黒顔料の濃度(含有率)が調整されて、全体として半透明となっている。
【0043】
第3層46は可視光を遮断する層(すなわち可視光に対し不透明な層)であり、第2層44の第1層42と反対の面に設けられている。第3層46は、表示部24a、24bおよび窓26に相当する領域にそれぞれ開口45a、45bおよび45cを有する。第3層46は、ボタン22aおよび22bに相当する領域が突出する凸部45dを有する。文字および/または記号を印字する領域は開口となっている。第3層46は例えば第2層44に印刷された印刷層であり、顔料を含む。含まれる顔料は例えば黒顔料である。第3層46の厚さは例えば5μmである。なお、第3層46は、第2層44と同様に、希釈材で黒顔料の濃度(含有率)が調整されているが、黒顔料の量が多く含まれるため、全体として遮光性を有する層となっている。
【0044】
接合層48は第1層42、第2層44および第3層46をケース30に接合する層であり、第3層46の第2層44と反対の面に設けられている。接合層48は、表示部24aに相当する領域に開口47a、表示部24bおよび窓26に相当する領域に開口47b、ボタン22aおよび22bに相当する領域に開口47dを有する。接合層48は例えば両面テープ等の粘着性樹脂層である。接合層48の厚さは例えば0.5mmである。ケース30は可視光を遮断する。
【0045】
図8は、実施例1における窓および表示部付近の平面図である。開口43、45b、45c、47b、LED54および光センサ56を図示している。図9(a)および図9(b)は、実施例1におけるそれぞれ窓および表示部付近の断面図である。
【0046】
図8および図9(a)に示すように、窓26において、第1層42には開口は設けられていない。第2層44には複数の開口43が設けられている。第3層46には開口45cが設けられている。平面視において単一の開口45cに複数の開口43が含まれるように設けられている。接合層48には開口47bが設けられている。平面視において開口47bは開口45cより大きく開口45cを含むように設けられている。上ケース30aには開口34cが設けられている。開口34c内には、透明樹脂が設けられているが図示を省略している。回路基板50上に光センサ56が設けられている。平面視において光センサ56は開口43、45c、47bおよび34cと重なるように設けられている。
【0047】
図8および図9(b)に示すように、表示部24bにおいては、第1層42および第2層44には開口が設けられていない。第3層46、接合層48および上ケース30aには、それぞれ単一の開口45b、47bおよび34bが設けられている。開口34b内には、透明樹脂が設けられているが図示を省略している。回路基板50上にLED54が設けられている。平面視においてLED54は開口45b、47bおよび34bと重なるように設けられている。
【0048】
実施例1では、透明な第1層42下に不透明な第3層46が設けられている。第3層46は例えば黒印刷層であり、運転者が目視面21をみると黒色等の単一色に見える。表示部24aおよび24bでは、7セグメント52およびLED54が発光したときに運転者に7セグメント52およびLED54が視認できるように、第3層46に開口45bを設けている。7セグメント52およびLED54が発光しないとき、運転者に開口45aおよび45bを介し7セグメント52、LED54および回路基板50等が見えないように第1層42と第3層46との間に半透明な第2層44を設ける。第2層44は半透明な黒印刷であり、運転者には7セグメント52、LED54および回路基板50が見えない。これにより、表示部24aおよび24bと他の目視面21とは単一色で区別がつかない。
【0049】
車両用表示装置は、直射日光が目視面21に照射されることもある。このようなときも運転者に7セグメント52、LED54および回路基板50が見えないようにするため、半透明な第2層44の透過率を小さくする。例えば可視光における第2層44の透過率は50%以下であり、好ましくは25%以下である。7セグメント52、LED54が発光したときに運転者が7セグメント52、LED54からの光を視認できるように、第2層44の可視光における透過率は1%以上であり好ましくは5%以上である。
【0050】
実施例1の効果について、比較例と比較して説明する。図10(a)および図10(b)は、それぞれ比較例1および2における窓付近の断面図である。図10(a)に示すように、比較例1では第2層44に開口は設けられていない。図10(b)に示すように、比較例2では第2層44に単一の開口43が設けられている。
【0051】
図10(a)の比較例1のように、窓26において第2層44に開口を設けないと、光センサ56に照射される光の強度が小さくなる。光センサ56は、周囲が暗くなると前照灯84を自動的に点灯するためのセンサである。例えば、制御回路96(図2参照)は、光センサ56の出力が閾値以下の場合前照灯84を点灯し、閾値以上の場合、前照灯84を消灯する。前照灯84の点灯または消灯は夕方または早朝等の薄暗いときに行う。昼間に運転者に回路基板50等が見えないように第2層44の透過率を小さくすると、夕方および早朝に光センサ56に照射される光の強度が小さくなり、前照灯84の点灯および消灯を精度よく行うことができなくなる。
【0052】
そこで、比較例2のように、窓26に第2層44の開口43を設ける。これにより、光センサ56に照射される光の強度が大きくなる。しかしながら、運転者に光センサ56および回路基板50等が見えてしまう。
【0053】
実施例1では、図8および図9(a)のように、開口45c内に複数の開口43を設ける。これにより、比較例1に比べ光センサ56に照射される光の強度を大きくできる。よって、前照灯84の点灯および消灯の精度を向上できる。また、比較例2に比べ、運転者に光センサ56および回路基板50等を見えにくくできる。これにより、目視面21を黒色等の単一色にできる。
【0054】
複数の開口43は、運転者に視認できない大きさが好ましい。よって、開口43の各々の大きさは1mm以下が好ましく0.5mm以下がより好ましい。開口43の大きさは0.01mm以上が好ましい。開口43の平面形状は円形状以外に多角形状またはストライプ形状等でもよい。光センサ56の検出精度を向上させるため、開口45cの面積に対する開口43の合計の面積の比は、1%以上が好ましく10%以上がより好ましい。運転者に光センサ56および回路基板50を見えにくくするため、この比は、50%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。
【0055】
実施例1によれば、車両に搭乗する搭乗者が目視するシート40は、積層された第1層42、第2層44および第3層46を有している。第1層42は可視光に対し透明である。第2層44は、可視光に対し半透明である。第3層46は可視光遮断する。第3層46は、平面視において複数の開口43(第1開口)を単一で含む開口45c(第2開口)を有する。光センサ56は、複数の開口43および開口45cを通過した可視光を受ける。シート40は光センサ56を収納するケース30の一面に設けられている。これにより、光センサ56が受ける光の強度を大きくでき、かつ運転者に光センサ56を見えにくくできる。
【0056】
第1層42、第2層44および第3層46の積層順は任意であるが、第2層44は第1層42と第3層46との間に設けられていることが好ましい。これにより、第1層42、第2層44および第3層46を簡単に形成できる。
【0057】
第2層44および第3層46は第1層42に設けられた印刷層である。これにより、第2層44および第3層46を簡単に精度よく形成できる。
【0058】
第2層44および第3層46は同じ色の顔料(例えば黒顔料)を含む。これにより、運転者に目視面21を単一色(例えば黒色)に認識させることができる。
【0059】
第2層44の開口43および第3層46の開口45aから45cは、例えばエッチングまたは機械加工により形成してもよい。小さい開口43を寸法精度よく形成するため、印刷またはエッチングにより形成することが好ましい。
【0060】
接合層48は、平面視において開口45cを含む開口47b(第4開口)を有し、シート40をケース30に接合する。これにより、第1層42、第2層44および第3層46をケース30に接合できる。開口47bが開口45cを含むことで、接合層48による光の吸収等を抑制できる。接合層48は厚いため、開口47aおよび47bは機械加工により形成することが好ましい。この場合、開口47aおよび47bは寸法精度が悪いため開口47bは開口45bおよび45cより大きく形成することが好ましい。
【0061】
光センサ56は、前照灯84を制御するための光センサである場合、前照灯84が点灯および消灯する精度が悪化すると危険である。よって、実施例1のように、複数の開口43を設けることが好ましい。制御装置15は、表示操作装置10の発光素子の発光強度を光センサ56の出力に基づき制御してもよい。
【0062】
図10(a)のように、第3層46は発光素子(7セグメント52およびLED54)が発した光が通過する開口47b(第3開口)を有し、第2層44は、開口47bに対応する領域に開口を有さない。このような構造では、直射日光下において運転者に回路基板50を見えにくくするため第2層44の透過率を小さくする。このため比較例1のように光センサ56に照射される光の強度が小さくなってしまう。よって、実施例1のように、複数の開口43を設けることが好ましい。
【実施例2】
【0063】
図11は、実施例2における表示操作装置の窓付近の断面図である。図11に示すように、開口43の幅をW、第2層44の厚さをTとする。運転者の眼70から目視面21を見た視線72と目視面21のなす角度をθとする。開口43の側面はほぼ目視面21の法線方向であり、開口43の中心線74は目視面21の法線方向である。視線72が開口43の側面に当たり開口43を通過しないようにする。これにより、運転者には回路基板50が見えなくなる。
【0064】
例えば、幅Wを厚さTの1/2とした場合、θを63°以下とすると、運転者に回路基板50を見えなくすることができる。そこで、運転者の視線72を目視面21に対し63°以下とするように表示操作装置10をハンドル81に取り付ける。これにより、開口43を設けても運転者には回路基板50が見えなくなる。
【0065】
実施例2によれば、第2層44の厚さTを開口43の幅Wより大きくする。これにより、運転者に回路基板50を見えにくくできる。幅Wは目視面21に対し視線72が傾斜する方向における開口43の幅である。TはWの2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましい。
【0066】
固定具32は、搭乗者が第2層44を目視する方向と開口43の中心線74の延伸方向とが交差するように、ケース30をハンドル81に固定する。これにより、運転者に回路基板50を見えにくくできる。
【0067】
実施例1および2では、車両として電動補助自転車を例に説明し、表示装置として電動補助自転車用の表示装置を例に説明したが、表示装置は、電動補助機能のない自転車用または自動二輪車用でもよい。
【0068】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 表示操作装置
21 目視面
22a、22b ボタン
24a、24b 表示部
26 窓
30 ケース
30a 上ケース
30b 下ケース
32 固定具
34a、34b、34c、43、45a−45c、47a、47b、 開口
40 シート
42 第1層
44 第2層
46 第3層
48 接合層
50 回路基板
52 7セグメント
54 LED
56 光センサ
58 スイッチ
81 ハンドル
84 前照灯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11