(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各電気絶縁体が、前記電気絶縁体と接触した前記電気伝導体の対上に直接成長し、前記電気絶縁体と接触した前記電気伝導体の対に結合し、又は、前記電気伝導体の対に直接接触する、請求項1に記載の複合基板。
前記誘電材料上に、前記レーザーダイオードバーの接点へ及び/又は接点から電気信号を伝達するように構成された少なくとも一つの前記電気伝導体をさらに備える、請求項14に記載の複合基板。
【背景技術】
【0003】
PN接合を有する能動電子デバイスは、動作中に熱を発生する。このような能動デバイ
スとしては、例えば、半導体レーザー、発光ダイオード及びレーザーダイオードがある。
このような熱は、能動デバイスの一時的又は長期的性能に悪影響を与え得る、能動デバイ
ス内での望ましくない温度上昇を避けるため、即座に除去されることが望ましい。
【0004】
レーザーダイオードに関する一例では、温度変化は、該レーザーダイオードによって生
成されるレーザー光の波長シフトにつながり得る。このような波長シフトは、たとえわず
かでも、望ましくないことがある。一例では、高出力レーザーダイオードは、光変換効率
に対して10%〜50%の電気エネルギーを有し得る。残りの電気エネルギーは熱に変換
されるが、このような熱は除去される必要があり、さもなければ、半導体接合温度が望ま
しくない温度に上昇する。加えて、不十分な熱除去に起因する温度上昇は、出力波長及び
バンドギャップに直接的な影響を及ぼす。一例では、温度が3℃変化するごとに、ダイオ
ードレーザーの波長は約1nm変化し得る。加えて、レーザーダイオードの出力電力は、
温度が上昇するにつれて減少し得る。
【0005】
一般的に、このような能動デバイスは、例えば、接着剤又ははんだ等の様々な接合機構
によって、熱の除去を促進するサブマウント基板に連結される。能動デバイスが半導体レ
ーザー又はレーザーダイオードである一例では、このような能動デバイスを形成する材料
の熱膨張係数(CTE)は、3×10
−6m/m‐K〜7×10
−6m/m‐Kの範囲と
することができる。これに対して、このような能動デバイスが取り付けられたサブマウン
ト基板材料は、サブマウント基板を形成するために選択された材料に応じて、10〜25
×10
−6m/m‐Kの範囲のCTEを有し得る。この例から分かるように、能動デバイ
ス(3〜7×10
−6m/m‐K)を形成する材料のCTEと、サブマウント基板(10
〜25×10
−6m/m‐K)を形成する材料のCTEとの間には、大きな不一致がある
。
【0006】
当該技術分野では、上述の能動デバイスの材料とサブマウント基板の材料との間のCT
Eの違いが、動作中の能動デバイスの温度変化に応じて、能動デバイスとサブマウント基
板との間の接合不良をもたらし得ることが知られている。この問題を避けるため、これま
で、サブマウント基板及び能動デバイスを形成する材料のCTEは、可能な限り近くなる
ように選択された。しかしながら、これらの取り組みは、満足のいく結果を得られなかっ
た。
【0007】
これまで、サブマウント基板の一又は複数の材料と能動デバイスの一又は複数の材料と
の間のCTEをほぼ一致させ、同時に、高い熱伝導性のサブマウント基板材料を選択する
ことによって能動デバイスから効率的に熱を除去することが課題であった。従来技術の一
例では、サブマウント基板のCTEは、銅−タングステン、銅−モリブデン等の金属複合
材料を作製することによって調整され得る。Cu−W及びCu−MoのCTEは、17×
10
−6m/m‐Kである銅のCTEから、銅の百分率に応じて、6×10
−6m/m‐
K〜9×10
−6m/m‐Kの間に調整され得る。例えば、15%銅を含むタングステン
は7.2×10
−6m/m‐KのCTEを有し、その熱伝導率は約210W/m−Kであ
る。別の例では、20%銅を含むモリブデンは7.5×10
−6m/m‐KのCTEを有
し、その熱伝導率は約165W/m−Kである。
【0008】
最も熱伝導性の高い材料の一つは、2,200W/m−K以上の熱伝導率を有するダイ
ヤモンドである。したがって、ダイヤモンドは、能動デバイスから熱を除去するための理
想的な材料である。しかしながら、ダイヤモンドは約1×10
−6m/m‐KのCTEを
有し、実際には能動デバイス材料のCTE(3〜7×10
−6m/m‐K)からは外れて
いる。したがって、ダイヤモンドサブマウント基板上に取り付けられた能動デバイスの動
作中の温度上昇は、能動デバイス上で熱圧縮応力を生じさせる。能動デバイスとダイヤモ
ンドサブマウント基板との間のCTEの不一致に起因するこのような熱応力は、能動デバ
イスのダイヤモンドサブマウント基板への望ましくない接合不良をもたらし得る。
【0009】
別の例では、サブマウント基板のCTEは、ダイヤモンド粒子がアルミニウム、銅及び
/又は銀等の金属又は金属を含むマトリックス内にある複合材料を作製することによって
調整することができる。このような複合材料のダイヤモンド体積分率は、このような金属
からなる又は金属を含むマトリックス中で70%に達し得る。このようなダイヤモンド粒
子と金属からなる又は金属を含むマトリックスとの複合材料の熱伝導率は、300〜65
0W/m−Kの範囲となり得、前記複合材料の理論的な熱伝導率の値(ダイヤモンド粒子
の体積分率及び金属マトリックスの体積分率を与えた線形モデルによって決定される)に
は決して達しない。マトリックスとして70体積%ダイヤモンド粒子及び30体積%銅の
複合材料では、理論的な熱伝導率は線形モデルを用いて約1,320W/m−Kと計算さ
れる。
【0010】
ダイヤモンド粒子及び金属銅マトリックスの複合材料がこのような理論的な熱伝導率を
達成することができないのは、ダイヤモンド粒子の表面と金属マトリックスとの間の空隙
及び/又は界面材料に起因し得ると考えられる。一例では、ダイヤモンド粒子及び金属か
らなる又は金属を含むマトリックスの直接的な混合及び溶融は、ダイヤモンド粒子及び金
属からなる又は金属を含むマトリックスの界面で空隙の形成をもたらす可能性があり、結
果として、ダイヤモンド粒子の配合量を低下させ、熱伝導率の低下をもたらす可能性があ
る。ダイヤモンド粒子の表面は、例えば、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化モリブデ
ン又は他の任意の好適な金属炭化物の層等の界面材料を用いて表面改質され得、これによ
り、金属からなる又は金属を含むマトリックスにダイヤモンド粒子を多く配合できる。し
かしながら、このような界面材料の熱伝導率は、一般的に、ダイヤモンドの熱伝導率より
も著しく低い。一例では、炭化ケイ素及び炭化タングステンの熱伝導率は、それぞれ10
0〜225W/m−Kである。それゆえに、ダイヤモンド粒子と金属を含むマトリックス
との間のこのような界面材料は、能動デバイスからサブマウント基板を通る熱エネルギー
の輸送中に、実質的な熱抵抗を与える。
【0011】
ダイヤモンド粒子及び金属マトリックスの複合材料が理論的な熱伝導率を達成できない
のは、熱伝導機構が混在するためでもあり得る。具体的には、拡散による電子の移動は、
金属を含むマトリックス中の熱伝導に著しく影響する。強いsp
3炭素‐炭素共有結合は
、自由電子がないにもかかわらず、ダイヤモンド格子に沿ってフォノンが分散されること
によって、ダイヤモンドの高い熱伝導率の要因となる。ダイヤモンド/金属からなる又は
金属を含むマトリックスのダイヤモンド材料におけるフォノン伝導と、ダイヤモンド/金
属からなる又は金属を含むマトリックスの金属材料における電子拡散との間のエネルギー
交換は、サブマウント基板がダイヤモンド粒子及び金属を含むマトリックスの複合材料か
らなるにもかかわらず、能動デバイスからの全体の熱伝達を基本的に遅くし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の一例では、ダイヤモンド部分と金属からなる又は金属を含む部分との交互パ
ターンを含むサブマウント基板を備える複合基板が開示される。サブマウント輸送のダイ
ヤモンド部分は、ダイヤモンドsp
3炭素−炭素結合の格子に沿ったフォノン輸送によっ
て、熱エネルギーを分散させることができ、一方で、金属からなる又は金属を含む部分は
、電子移動によって熱エネルギーを輸送し、分散させることができる。この組合せによっ
て、サブマウントに取り付けた能動デバイスが、低温又は高出力、非常に望ましくは低温
及び高出力で動作することができる。
【0013】
一例では、サブマウント基板の複合CTEは、ダイヤモンド部分及び/又は金属部分の
形状を変えることによって調整することができる。このようにして、能動デバイスのCT
Eとサブマウント基板の複合CTEとの間のCTEの不一致は、能動デバイスへの電力の
オン及びオフを繰り返す際、サブマウント基板上に取り付けられた能動デバイスの動作中
の温度変動から生じる、能動デバイス上の熱応力を低減させることで調整することができ
る。この低減された熱応力の結果、能動デバイスが長い動作寿命を有し、及び/又は、能
動デバイスが高い電力レベルで動作可能になり得る。
【0014】
能動デバイス又は能動デバイスのアレイがサブマウント基板の一又は複数のダイヤモン
ド部分の上方に直接取り付けられ、並べられる際、前記アレイ全体にわたる温度上昇プラ
トーが従来のサブマウント基板上に取り付けられた同様のアレイよりも低減され、前記ア
レイ全体にわたる温度振動もまた従来のサブマウント基板上に取り付けられた同様のアレ
イよりも減衰され、結果として、能動デバイスの前記アレイ全体にわたる熱応力及び対応
する温度振動が低減される。
【0015】
一例では、サブマウント基板がデカルト座標系のそれぞれX,Y及びZ方向に延びる長
さ、幅及び高さを有し、ダイヤモンド部分及び金属からなる又は金属を含む部分の幅(Y
方向)はX方向に対して横に向かって交差し、複合基板のダイヤモンド部分及び金属から
なる又は金属を含む部分の長さはY方向に延び、一又は複数の能動デバイスはサブマウン
ト基板の上にZ方向に取り付けられる。一例では、二つ以上の能動デバイスの単一の列が
サブマウント基板の上に取り付けられ、各能動デバイスは、固有の一つのダイヤモンド部
分の上方に取り付けることができる。
【0016】
別の例では、複合基板は、金属からなる又は金属を含む層の一方の面に取り付けられた
ダイヤモンド層から構成されるサブマウント基板を備える。一又は複数の能動デバイスは
、金属からなる又は金属を含む層の他方の面、すなわち、ダイヤモンド層とは反対側の、
金属からなる又は金属を含む層の面に取り付けることができる。
【0017】
本発明の様々な好ましい及び限定されない例又は態様を説明し、以下の番号を付けた項
で述べる。
【0018】
第1項:複合基板は、一組の間隔を空けて配置された電気伝導体と、前記間隔を空けて
配置された電気伝導体を支える手段と、一組の電気絶縁体とを備え、間隔を空けて配置さ
れた電気伝導体の対のそれぞれの間で、前記電気絶縁体の一つが前記電気伝導体の対と接
触して配置される。
【0019】
第2項:前記電気絶縁体の一部、及び、前記電気伝導体の一部のうち一つ又は両方の上
方に配置された少なくとも一つの能動デバイスをさらに備えてもよい、第1項に記載の複
合基板。
【0020】
第3項:前記間隔を空けて配置された電気伝導体を支える手段を、前記能動デバイスと
前記一つの電気絶縁体との間に配置してもよい、第1項又は第2項に記載の複合基板。
【0021】
第4項:前記能動デバイスが、少なくとも一つのPN接合を有する半導体装置であって
もよい、第1項〜第3項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0022】
第5項:前記複合基板の熱膨張係数(CTE)と前記能動デバイスのCTEとの比が、
0.4〜2、0.5〜1.8.0.6〜1.6、0.7〜1.4、又は、0.8〜1.2
であってもよい、第1項〜第4項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0023】
第6項:各電気絶縁体がダイヤモンドからなってもよい、第1項〜第5項のうちいずれ
か一つに記載の複合基板。
【0024】
第7項:各電気伝導体が金属からなる又は金属合金からなってもよい、第1項〜第6項
のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0025】
第8項:各電気伝導体が銅−タングステン(Cu−W)合金からなってもよい、第1項
〜第7項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0026】
第9項:前記間隔を空けて配置された電気伝導体を支える手段は、各電気伝導体の一つ
端部が連結したシャフト若しくはバック、又は、各電気伝導体の一つの側面が連結したプ
レートのうち一つを含んでいてもよい、第1項〜第8項のうちいずれか一つに記載の複合
基板。
【0027】
第10項:前記間隔を空けて配置された電気伝導体及び前記間隔を空けて配置された電
気伝導体を支える手段が、同じ材料で形成された一体部品であってもよい、第1項〜第9
項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0028】
第11項:各電気絶縁体が、前記電気絶縁体と接触した前記電気伝導体の対上に直接成
長してもよく、前記電気絶縁体と接触した前記電気伝導体の対に結合してもよく、又は、
前記電気伝導体の対に直接接触、例えば摩擦嵌合してもよい、第1項〜第10項のうちい
ずれか一つに記載の複合基板。
【0029】
第12項:前記電気絶縁体と接触した前記電気伝導体の対上に直接成長する各電気絶縁
体を、化学気相成長(CVD)によって成長させてもよい、第1項〜第11項のうちいず
れか一つに記載の複合基板。
【0030】
第13項:前記電気絶縁体と接触した前記電気伝導体の対に結合した各電気絶縁体が、
接着剤を介して結合されていてもよい、第1項〜第12項のうちいずれか一つに記載の複
合基板。
【0031】
第14項:前記能動デバイスと、前記一つの電気絶縁体の部分及び前記一つの電気伝導
体の部分のうち一つ又は両方との間に、誘電材料をさらに備えていてもよい、第1項〜第
13項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0032】
第15項:前記誘電材料上に、前記能動デバイスの接点へ及び/又は接点から電気信号
を伝達するように構成された少なくとも一つの前記電気伝導体をさらに備えていてもよい
、第1項〜第14項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0033】
第16項:ダイヤモンドの部分、小片又は区分、及び、金属からなる又は金属を含む部
分、小片又は区分の交互パターンと、ダイヤモンド部分、小片又は区分、及び、金属から
なる又は金属を含む部分、小片又は区分の交互パターンを支える手段とを含み、各金属部
分、小片又は区分が、12×10
−6m/m‐K未満、11×10
−6m/m‐K未満、
10×10
−6m/m‐K未満、又は、9×10
−6m/m‐K未満の熱膨張係数(CT
E)を有する、複合基板。
【0034】
第17項:前記ダイヤモンドの部分、小片又は区分、及び、金属を含む部分、小片若し
くは区分の交互パターンを支える手段をさらに含み、該手段は各金属を含む部分の一つ端
部が連結されるシャフト若しくはバック、又は、各金属を含む部分の一つの側面が連結さ
れるプレートのうち一つを含む、第16項に記載の複合基板。
【0035】
第18項:一つのダイヤモンドの部分、小片又は区分の一部、及び、一つの金属を含む
部分、小片若しくは区分の一部のうち一つ又は両方の上方に配置された能動デバイスをさ
らに含んでいてもよく、前記能動デバイスはPN接合を有する、第16項又は第17項に
記載の複合基板。
【0036】
第19項:前記複合基板の熱膨張係数(CTE)と前記能動デバイスのCTEとの比が
、0.4〜2、0.5〜1.8.0.6〜1.6、0.7〜1.4、又は、0.8〜1.
2であってもよい、第16項〜第18項のうちいずれか一つに記載の複合基板。
【0037】
第20項:ダイヤモンドの部分、小片若しくは区分と金属を含む部分、小片若しくは区
分との前記交互パターンがサブマウントを規定し、前記能動デバイス及び少なくとも一つ
の前記サブマウントの間に誘電層と、前記誘電層上に形成された伝導体とをさらに含んで
いてもよく、前記伝導体が前記能動デバイスの接点に導通する、第16項〜第19項のう
ちいずれか一つに記載の複合基板。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の例は、添付の図面を参照して説明され、同じ符号は、同様又は機能的に等しい要
素に対応する。
【0040】
図1A〜5は、様々な複合基板2の例を示し、各複合基板2は、ダイヤモンドの部分、
小片又は区分4と、金属からなる又は金属を含む部分、小片若しくは区分6との交互パタ
ーンから構成されるサブマウント基板62を備える。以下、一又は複数の金属からなる部
分6及び一又は複数の金属を含む部分6は、同じ意味で使われ、単一金属又は金属合金か
ら構成される一又は複数の部分6について言及する。複合基板2は、能動デバイス10、
又は、能動デバイス10のアレイ、例えば、レーザーダイオードをさらに含んでいてもよ
く、能動デバイス10、又は、能動デバイス10のアレイは、様々な結合機構(例えば、
はんだ、接着剤等)でサブマウント基板62の上に取り付けることができる。サブマウン
ト基板62は、任意の幾何学的形状とすることができる。
図1A〜6では、X,Y及びZ
の寸法を有する長方形の形状を示し、Zに対するXの比及びZに対するYの比がどちらも
1以上である。
【0041】
ダイヤモンド部分4は、多結晶又は単結晶ダイヤモンドであってもよい。各ダイヤモン
ド部分4は、長方形片、台形片、円弧片、三角形片、又は、任意の規則的若しくは不規則
の形状とすることができる。一例では、各ダイヤモンド部分4は、実質的に連続していて
、サブマウント基板62の金属を含む部分6に取り付ける、又は、金属を含む部分6上に
成長させることができ、金属を含む部分6は、任意の幾何学的形状とすることができる。
【0042】
ダイヤモンド部分4は、例えば、熱フィラメントプラズマCVD、DCジェットプラズ
マCVD、レーザー誘起プラズマCVD、アセチレン・トーチCVD、高周波プラズマC
VD、フレームプラズマCVD又はマイクロ波プラズマCVD(MPCVD)等の化学気
相成長(CVD)プロセスによって、金属部分6の表面上に直接成長させることができる
。金属部分6上に成長したダイヤモンド部分4の露出した表面は、必要に応じてラッピン
グされてもよく、さらに、動作中の熱除去によって有益となる一又は複数の能動デバイス
10又は他の能動若しくは受動デバイスを接合させるための望ましい表面仕上げを達成す
るため、必要に応じて研磨されてもよい。
【0043】
サブマウント基板62の表面は、例えば、ニッケル、銀、金、白金等の金属の一又は複
数の層、及び/又は、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム、アルミ
ナ、シリカ等の誘電層でめっきすることができ、又は、これらの層を堆積させることがで
きる。
【0044】
金属部分6は、炭化物結合を形成することができる化学元素を含むことができる。炭化
物を形成する金属の例としては、例えば、タングステン、モリブデン、チタン、ケイ素、
クロム、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、ハフニウム等が挙げられる。金属部分6は、
金属部分6の熱膨張係数(CTE)を12×10
−6m/m‐K未満に調整するため、例
えば、銅、アルミニウム、銀、又は、周期表の卑金属のうち一つ等の別の元素を含むこと
ができ、炭化物結合を形成した金属の熱伝導率を向上させることができる。
【0045】
ダイヤモンド部分4と金属部分6との間の密着した表面結合を得るため、金属部分6の
表面は、金属部分6上におけるダイヤモンド材料の直接播種を目的として、必要に応じて
化学的に処理することができる。一例では、化学的処理は、金属部分6の化学エッチング
とすることができ、例えば、銅−タングステン合金(金属部分6を形成する)の表面をダ
イヤモンド部分4の金属部分6へのより良い接着のためにエッチングする。エッチングに
使用される化学物質は、必要に応じて液体又は気体媒体(水、ガス等)とともに、酸、塩
基、塩、キレート剤、酸化剤及び/又は還元剤とすることができる。エッチングに使用さ
れる酸は、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸、クロム酸等とすることができ
る。
【0046】
金属部分6は、単一金属元素又は別の元素とともに金属を含む合金、のうちいずれかで
あり、熱膨張係数α
Metalを有することができる。ダイヤモンド部分4は、1.0m
/m‐K〜1.2×10
−6m/m‐Kとなり得るα
Diaの熱膨張係数を有することが
できる。m個の金属を含む部分6及びn個のダイヤモンド部分4が存在し得る。金属部分
6の寸法(例えば幅)、Metal jは、同一である必要はない。ダイヤモンド部分4
の寸法(例えば幅)、Dia iもまた、同一である必要はない。能動デバイス10を形
成する材料のCTEは、α
Active−Materialで示される。金属部分6とダ
イヤモンド部分4との関係は、次のように表される。
【0048】
ここで、
図1Aに関する例では、
Dia i=ダイヤモンド層iの幅(X方向)
Metal j=金属層jの幅(X方向)
である。
【0049】
この式の右辺の係数、すなわちδは、サブマウント基板62のCTEと、例えばGaA
sからなるレーザーダイオード等の一又は複数の能動デバイス10のCTEとの間のCT
E一致レベルの指標である。δパラメーターがほぼ1になると、サブマウント基板62の
CTE及び一又は複数の能動デバイス10を形成する材料のCTEがほぼ一致する。サブ
マウント基板6と一又は複数の能動デバイス10との間の熱応力を減少させるため、δパ
ラメーターは、一例では0.4〜2、別の例では0.5〜1.8、別の例では0.6〜1
.6、さらに別の例では0.7〜1.4、さらに別の例では0.8〜1.2に変えること
ができる。
【0050】
ダイヤモンド部分4と金属部分6との間の許容できる熱応力のレベルを得るため、金属
部分6(単一金属又は金属合金のいずれか)は、一例では12×10
−6m/m‐K未満
、別の例では11×10
−6m/m‐K未満、別の例では10×10
−6m/m‐K未満
、別の例では9×10
−6m/m‐K未満の熱膨張係数(CTE)を有する。したがって
、ダイヤモンド部分4及び金属部分6のCTEの局所的な不一致は、最小限にすることが
でき、サブマウント基板62のダイヤモンド部分4及び金属又は金属部分6の境界の間の
局所的な熱応力を低減させるという結果になる。
【0051】
一又は複数の能動デバイス10とサブマウント基板62との間のCTEを整合させるこ
とに起因して熱応力を低減させることに加えて、
図1A〜6の複合基板2のさらなる利点
は、Y方向に沿ってダイヤモンド部分4全体に渡って優れた熱拡散、及び、例えば根本的
な熱除去のための下層材料(水冷経路を備えたヒートシンク等)への、Z方向に沿ってダ
イヤモンド部分4を通る優れた吸熱を含む。最適な吸熱性能を得るため、サブマウント基
板62の高さ(Z)はできる限り薄くすることができ、サブマウント基板62の幅(Y)
はできる限り広くすることができ、高さ(Z)に対する幅(Y)の比は、一例では、1よ
り大きく、又は、2より大きくすることができる。一又は複数の能動デバイス10の設置
を容易にする実用的な理由のため、サブマウント基板62の高さ(Z)に対するサブマウ
ント基板62の長さ(X)の比は、1より大きく、又は、2より大きくすることができる
。幅(Y)に対するサブマウント基板62の長さ(X)の比は、一例では0.001〜1
000に変化させることができ、別の例では0.01〜100に変化させることができ、
別の例では0.05〜20に変化させることができ、別の例では0.1〜10に変化させ
ることができる。
【0052】
図1A〜5に示すサブマウント基板62の各例では、ダイヤモンドsp
3結晶格子に沿
ったフォノン輸送機構によって、水平(X)の熱拡散及び垂直(Z)の吸熱がダイヤモン
ド部分4に同時に生じる。フォノン輸送は、既知の最も速い熱輸送機構である。ダイヤモ
ンド部分6ほど効率的ではないけれども、金属部分6は、金属部分6の熱伝導性によって
、水平(X)の熱拡散及び垂直(Z)の吸熱を行う。
【0053】
各能動デバイス10は、一つのダイヤモンド部分4の一部の上方、一つの金属部分6の
一部の上方又はダイヤモンド部分4と金属部分6とが合わさった部分の上方に、直接取り
付けられ、配列されてもよい。一例では、能動デバイス10は、一又は複数のダイヤモン
ド部分4、一又は複数の金属部分6、又は、その両方を有するサブマウント基板62の領
域の上方に、又は、直接その上に取り付けてもよい。この能動デバイス10の幅は、ダイ
ヤモンド部分4の幅より大きいか、等しいか、又は小さくしてもよい。ダイヤモンド部分
4は、能動デバイス10の活性領域の幅よりも狭い幅を有していてもよく、これは温度振
動の減衰を容易にする。
【0054】
各能動デバイス10は、動作中に熱を発生する。能動デバイス10の隣り合う対の間の
空間は、一般的に熱を発生しない。したがって、能動デバイス10又は能動デバイス10
のアレイの動作中、各能動デバイス10の活性領域(例えば、レーザーダイオード、発光
ダイオード等のエミッタのPN接合領域)で生成された熱は、能動デバイス10又は能動
デバイス10のアレイにわたる温度プロファイルを形成し、同時に、活性領域のそば又は
間、例えば二つのダイオードエミッタの間の領域は、最小温度を有する。それにもかかわ
らず、前記最小温度は、アイドリング状態の能動デバイス10又はアイドリング状態の能
動デバイス10のアレイの温度よりもいっそう高い。このような不均一な加熱は、高温プ
ラトー中に温度振動を引き起こすことがある。この温度振動は、熱膨張を振動させること
により、各能動デバイス10にわたって振動させた熱応力を生じ得る。例えば、サブマウ
ント基板62のCTEが能動デバイス10の活性材のCTEよりも大きい場合、特に能動
デバイス10とサブマウント基板62との間のCTEに非常に大きな不一致がある場合、
引張応力が能動デバイス10の活性領域上に生じてもよい。温度プラトーは、一又は複数
の能動デバイス10とサブマウント基板62との間にCTE不一致がある場合、これらの
間に熱応力もまた生じさせる。したがって、能動デバイス10(例えばレーザーダイオー
ドエミッタ)がサブマウント基板62のダイヤモンド部分4上方(上部)に取り付けられ
、配列される際、動作中に能動デバイス10によって生成された熱は、
図1A〜5に示す
Z方向に沿って取り除かれるように、ダイヤモンド部分4内に素早く吸収される。能動デ
バイス10から取り除かれた熱もまた、ダイヤモンド部分4において
図1A〜5に示すY
方向に向かって水平に素早く拡散し、その後、該熱は除去されるためにダイヤモンド部分
4の下部内にZ方向に向かって吸収される。これにより、熱除去に利用可能なより多くの
領域(ダイヤモンド下)を効果的にもたらす。よって、能動デバイス10の動作中の全体
の温度上昇は低くなる(低い温度プラトーを達成する)。これは、熱応力を最小限にし、
能動デバイス10がより効率的に機能し、より長い寿命を有し、及び/又は、より高い電
力レベルで動作することを可能にするために非常に望ましい。同時に、生成された熱が金
属部分6よりも速くダイヤモンド部分4で除去されるという事実のため、温度プラトー上
の温度振動が実質的に減衰される。これにより、温度振動減衰を達成する、ゆえに、能動
デバイス10又は能動デバイス10のアレイにわたって熱応力振動が減衰されるために望
ましい。
【0055】
一例では、一又は複数の能動デバイス10とサブマウント基板62との間の全体的なレ
ベルでのCTE一致は、一又は複数の能動デバイス10が温度変動を経る際、サブマウン
ト基板62への一又は複数の能動デバイス10の取り付け中、及び/又は、動作中のいわ
ゆる「スマイル」問題を最小限にするか、回避する。例えば、ダイヤモンド部分14の上
部に取り付けられた時に、個々の能動デバイス10内の圧縮応力は、完全に除去されない
かもしれないが、このような圧縮応力は、最小にすることができ(小さい温度上昇又は小
さい温度プラトーのため)、局所領域に限定することができる。これにより、能動デバイ
ス10のアレイを長寿命にすることができる。比較のため、能動デバイス10のアレイが
ダイヤモンド片上、又は、銅、アルミニウム、銀若しくはこれらに対応する合金片上に設
置される場合、能動デバイス10に加えられる圧縮又は引張応力は、直線的に増加する。
これにより、能動デバイス10のアレイと片との間に層間剥離を引き起こす可能性がある
。
【0056】
一例では、サブマウント基板62上にレーザーダイオードバーを取り付けることができ
る。レーザーダイオードバーは、一例では、10個のエミッタ及びレーザーダイオードの
ための活性材としてGaAsを有する。一例では、レーザーダイオードバーは、能動デバ
イス10の一次元のアレイ、例えば、サブマウント基板62(
図1A〜5に示す)上でそ
の端部に沿って水平方向に取り付けられたレーザーダイオードを有していてもよく、サブ
マウント基板の上面に平行、すなわち、
図1A〜5のY方向に沿って発光する。個々のレ
ーザーダイオードエミッタの幅(X)は100ミクロンとすることができる。前記アレイ
の繰り返しパターンのピッチは、200ミクロンとすることができる。サブマウント基板
62の単純な設計は、サブマウント基板62の10個のダイヤモンド部分4と11個の金
属部分6(例えば、20%の銅と80%のタングステンとを含み、CTEが約7.70p
pm/KのCu−W合金)との交互パターンを有していてもよく、金属部分6はサブマウ
ント基板62の両端部を構成する。各ダイヤモンド部分4は、一つの能動デバイス10の
中央部の下において一対の金属部分6の間に配置することができ、一例では、幅(X方向
)を60ミクロンとすることができる。各金属部分6は、幅(X方向)を140ミクロン
とすることができ、主に能動デバイス10の間に配置することができる。各200ミクロ
ンのピッチにおいて、サブマウント基板62のCTEは約5.75ppm/Kと計算され
(上述の式を用いて)、δパラメーターが0.991であり、GaAsのCTE(5.8
ppm/K)と非常に近い。ダイヤモンド部分4の幅を70ミクロンに増やし、Cu−W
金属部分の幅を130ミクロンに減らすと、計算されたCTEが約5.425ppm/K
(上述の式を用いて計算される)で、δパラメーターが0.935であるサブマウント基
板62が得られる。ダイヤモンド部分4の幅を40ミクロンに減らし、Cu−W金属部分
6の幅を160ミクロンに増やすと、計算されたCTEが約6.4ppm/Kで、δパラ
メーターが1.10であるサブマウント基板62が得られる。一又は複数の能動デバイス
10の一又は複数の材料とサブマウント基板62の材料との間の全体的なCTEの一致は
、「スマイル」問題の回避に役立つ。
【0057】
本明細書に記載されたサブマウント基板62を用いると、一又は複数の能動デバイス10のCTE及びサブマウント基板62の全体的なCTEをほぼ一致させることができる。したがって、「スマイル」問題は、δ値が0.4〜2.0の場合に最小化することができ、又は、δ値が1の場合に回避することができる。加えて、温度上昇プラトー及び温度振動は、一又は複数のダイヤモンド部分4と一又は複数の金属部分6との交互パターンによって最小化することができ、この場合、特に、能動デバイス10(レーザーダイオード等)がダイヤモンド部分4上(ダイヤモンド部分4上に中心が位置する)に接して直接取り付けられる際、各ダイヤモンド部分4が、金属部分6よりも速い吸熱及び拡散を容易にする。各ダイヤモンド部分4の幅は、温度プラトーを可能な限り平坦にするよう調整してもよい。これを達成する一つの方法は、端部(隣り合う金属部分6)に沿ってより狭いダイヤモンド部分4を有し、中央部(隣り合う金属部分6の中間)により広いダイヤモンド部分4を有することである。これにより、ダイヤモンド部分4の中央部と比較して、ダイヤモンド部分4の端部で冷却を遅くすることができる。
【0058】
別の例では、サブマウント基板62は、VCSEL(面発光型半導体レーザー)アレイ
用の基板としてもよい。VCSEL(面発光型半導体レーザー)アレイ用の基板は、例え
ば、225エミッタ(能動デバイス10の15×15アレイ)及びこれらのレーザーダイ
オードのための活性材としてGaAsを有する。この例では、VCSELアレイは、サブ
マウント基板62の上面に取り付けられたレーザーダイオードの二次元アレイであり、サ
ブマウント基板6の上面に垂直、すなわち、
図1A〜6に示すZ方向に沿った光を放つ。
この例では、VCSELは15行(X方向)及び15列(Y方向)に配列され、各列の1
5個のVCSELは単一のダイヤモンド部分4の上方(例えば中心上)に配置される。各
レーザーダイオードは、直径100ミクロンの発光面積を有すると仮定する。また、これ
らのエミッタの繰り返しパターンのピッチは、約250ミクロンであると仮定する。サブ
マウント基板62の単純な設計例は、15個のダイヤモンド部分4と16個の金属部分6
(例えば、20%の銅及び80%のタングステンを含み、約7.70×10
−6m/m‐
KのCTEを有するCu−W合金)との交互パターンを含むことができ、サブマウント基
板62は、該サブマウント基板62の両端部に金属部分6を有する。ダイヤモンド部分4
は、幅(
図1A〜5のX方向)を100ミクロンとしてもよく、Cu−W部分は、幅(図
1A〜5のX方向)を150ミクロンとしてもよい。各々のこのようなピッチに対して、
サブマウント基板62の全体的なCTEは約5.10ppm/Kと計算することができ(
上述の式を用いて)、δパラメーターが0.88であり、GaAsのCTE(5.8pp
m/K)とほぼ一致する。ダイヤモンド部分4の幅を75ミクロンに減らし、一方で、C
u−W部分の幅を175ミクロンに増やすことにより、全体的なCTEが約5.75pp
m/Kで、δパラメーターが0.999であるサブマウント基板62が得られる。ダイヤ
モンド部分4の幅を40ミクロンに減らし、一方で、Cu−W部分の幅を210ミクロン
に増やすことにより、全体的なCTEが約6.66ppm/Kで、δパラメーターが1.
15であるサブマウント基板62が得られる。
【0059】
能動デバイス10材料(GaAsからなるVCSEL等)のCTEと、本明細書に記載
の一又は複数のサブマウント基板62の例との間のCTEを一致させることにより、一又
は複数の能動デバイス10の物理的変形を回避することができる。一又は複数の能動デバ
イス10の取り付けには、一般的に、一又は複数の能動デバイス10を基板、例えばサブ
マウント基板62に、高温、例えば200〜400℃ではんだ付けすることが含まれる。
サブマウント基板62では、一又は複数の能動デバイス10のCTEとサブマウント基板
62の全体的なCTEとをほぼ一致させることができ、そして、δパラメーターが0.4
〜2.0の場合に一又は複数の能動デバイス10の物理的形状変形を低減させることがで
き、又は、δパラメーターが1の場合に回避することができる。
【0060】
加えて、各ダイヤモンド部分4が金属部分6よりも速く熱を吸収し、拡散することを可能にする場合、特に、各能動デバイス10(レーザーダイオード等)が、例えば、ダイヤモンド部分4上(ダイヤモンド部分4上に中心が位置する)に直接取り付けることができるとすれば、三次元温度プラトー及び温度プラトー上の温度振動は、一又は複数のダイヤモンド部分4と一又は複数の金属部分6との交互パターンによって最小化することができる。各ダイヤモンド部分4の幅は、温度プラトーを可能な限り平坦にするよう調整してもよい。これを達成する一つの方法は、隣り合う金属部分6に沿った端部ではより狭いダイヤモンド部分4を有し、ダイヤモンド部分の中心ではより広いダイヤモンド部分4を有することであり、これにより中心部での冷却に比べて、端部での冷却を意図的に遅くする。
【0061】
一例では、サブマウント基板62が15×15の二次元VCSELアレイに対して、15個のダイヤモンド部分4(X方向)及び16個の金属部分6(Y方向)を有し、VCSELアレイにおける各能動デバイス(レーザーダイオード)は、一つのダイヤモンド部分4上(ダイヤモンド部分4上に中心が位置する)に直接取り付けることができる。これにより、15個のVCSELが単一のダイヤモンド部分4の上方に取り付けられる。これらのレーザーダイオードによって生成された熱は、ダイヤモンド部分4を介して素早く吸収又は拡散し、水冷経路を備える下層(図示せず)を通って取り除かれる。これにより、VCSELがより低い温度、より高い出力(同じ温度で)又はその両方で動作することを可能にする。
【0062】
様々な例の複合基板2の詳細を、
図1A〜6を参照して説明する。
【0063】
図1A〜Dを参照して、一例の複合基板2は、ダイヤモンドの部分、小片又は区分4と
金属からなる又は金属を含む部分、小片又は区分6との交互パターンを含む。一例では、
金属からなる又は金属を含む部分6は、各金属部分6の一方の側面が連結される金属から
なる又は金属を含むプレート8によって支えられていてもよい。本明細書において、「金
属」又は「金属を含む」とは、単一の金属又は二以上の金属から構成される金属合金を含
むことを意図する。
【0064】
この例では、ダイヤモンド部分4と金属部分6との交互パターンを支えるための手段を
含む。この例では、金属プレート8及び金属部分6は、金属部分6の隣り合う対の間に溝
12を備える同一の材料からなる一体部品の一部である。しかしながら、金属プレート8
及び金属部分6が一体の部品である本明細書の記載は、金属プレート8及び金属部分6が
別々の要素となり得ることが予想されるので、限定的に解釈されるべきではない。
【0065】
この例では、金属部分6は一組の間隔を空けて配置された電気伝導体を備え、金属プレ
ート8は間隔を空けて配置された電気伝導体を支える手段を備え、及び、ダイヤモンド部
分4は一組の電気絶縁体を備え、電気伝導体6の対の各々の間で、電気絶縁体4の一つが
前記電気伝導体6の対と接触して配置される。
【0066】
図1Aに示す複合基板2の一例は、長さX、幅Y及び高さZを有する。ダイヤモンド部
分4、金属部分6及び金属プレート8は、
図1Aに示す完成した複合基板2を形成するた
めに一又は複数の能動デバイス10を取り付けることが可能なサブマウント基板62を構
成する。
【0067】
各能動デバイス10は、一つのダイヤモンド部分4の部分の上方、一又は複数の金属部
分6の部分の上方、又はその両方の上方に配置してもよい。例えば、各能動デバイス10
は、底をなすダイヤモンド部分4の幅(X方向)以内の幅12(X方向)を有することが
できる。別の例では、各能動デバイス10は、能動デバイス10が、
図1Aに示すように
、一つのダイヤモンド部分4の部分の上方及び一又は複数の金属部分6の部分の上方に配
置されるような幅を有していてもよい。より一般的には、各能動デバイス10は、金属部
分6の一つと接触しないダイヤモンド部分4の一部、ダイヤモンド部分6の少なくとも一
つと接触しない金属部分6の一つの一部、又は、一又は複数のダイヤモンド部分4の一又
は複数の部位及び一又は複数の金属部分6の一又は複数の部位の両方のうち一つ又は両方
の上方に配置されていてもよい。
図1Aに示す複合基板の一例では、各能動デバイス10
は、一つのダイヤモンド部分4の部分の上方及び隣り合う金属部分6の部分の上方に配置
される。しかしながら、
図1Aに示す各能動デバイス10がダイヤモンド部分4及び金属
部分6が合わさった上に配置されるという特定の方法は、限定的な意味に解釈されるべき
ではない。
【0068】
一例では、各能動デバイス10は、PN接合を有し得る半導体装置であってもよい。各
能動デバイス10は、動作中に熱を発生してもよい。本明細書で記載するPN接合を有す
る各能動デバイス10は、各能動デバイス10が動作中に熱を発生する一又は複数の受動
素子を含むか、代替的に含んでいてもよいと予想されるので、限定的な意味に解釈される
べきではない。
【0069】
一例では、各ダイヤモンド部分4はあらかじめ形成され、隣り合う金属部分6の対と底
をなす金属プレート8部分との間に画定された溝12の一つに挿入される。別の例では、
従来技術で知られているようにして、ダイヤモンド部分4のすべては、各溝12で、溝1
2を画定する金属部分6の対上及び金属プレート8の底をなす部分上に直接成長させても
よい。一例では、ダイヤモンド部分4のすべては、化学気相成長(CVD)によって溝1
2内に同時に堆積させてもよい。
【0070】
一例では、各能動デバイス10は、
図1Aに示すY方向にLEDライトを出す側面発光
レーザーダイオード、又は、
図1Aに示すZ方向にレーザー光を出す垂直キャビティ面発
光レーザー(VCSEL)であってもよい。
【0071】
ダイヤモンド部分4が溝12に挿入される別々の部品として形成される一例では、各ダ
イヤモンド部分4を金属部分6及び前記溝12を画定する金属プレート8の底をなす部分
に結合させるために、接着剤14(
図1B)を利用してもよい。別の例では、各ダイヤモ
ンド部分4は、対応する溝12に摩擦嵌合させてもよい。
【0072】
一例では、各能動デバイス10は、ダイヤモンド部分4及び金属部分6から構成される
サブマウント基板62の表面上に、層16、例えば、接着剤層、例えば導電性接着剤等を
介して結合されていてもよい。層16がもっぱら接着剤層として使用される場合、電気信
号は、前記能動デバイス10上の接点18−1及び18−2を介して、各能動デバイス1
0に提供されてもよい。多くの能動デバイス10が単一の片として提供される一例(
図1
A)では、各デバイス10上の接点18−1及び18−2は、共通の伝導線20−1及び
20−2に接続してもよい。伝導線20−1及び20−2は、それぞれ、伝導体22−1
及び22−2を介して外部電源(図示せず)から、
図1Aに示すように接点18−1と1
8−2との単一の組合せを介して各能動デバイス10へ電気信号を提供するように利用し
てもよい。
【0073】
図1C及び
図1Dを参照した別の例では、伝導体22−1及び22−2を、
図1Aに示
すようにサブマウント基板62上に取り付けた能動デバイス10の表面(上面)に露出し
た接点18−1及び18−2並びに線20−1及び20−2に接続する代わりに、伝導体
22−1及び22−2を、サブマウント基板62上に形成された層16の接点24−1及
び24−2に連結させてもよい。この例では、層16は、能動デバイス10が取り付けら
れた絶縁性材料から構成されていてもよい。伝導線26−1及び26−2は、それぞれ、
接点24−1及び24−2から接点28−1及び28−2に電気的に連結されていてもよ
い。次に、接点28−1及び28−2は、従来技術で知られているように、単一の能動デ
バイス10の表面上、又は、能動デバイスアレイ、例えばフリップチップ実装用のボール
グリッドアレイ等の少なくとも一つの能動デバイス10の表面上で、接点30−1及び3
0−2に連結されていてもよい。線32−1及び32−2は、
図1Dに示す能動デバイス
アレイの他の能動デバイス10上の接点と同様に、接点30−1及び30−2に連結して
もよい。
【0074】
外部電気信号を各能動デバイス10に連結するための本明細書に記載された特定の方法
は、外部信号を
図1Aに示すサブマウント基板62上に配置された一又は複数の能動デバ
イス10に連結するための任意の適した及び/又は望ましい手段が使用されてもよいと予
想されるので、限定的な意味に解釈されるべきではない。
【0075】
図2を参照して、また引き続き
図1A〜1Dを参照して、複合基板2の別の例は、以下
を除いて
図1A〜1Dに示す複合基板2の一例と同様である。
図2に示す複合基板2の一
例では、金属プレート8(
図1A及び1B)は省略され、金属バック又はシャフト34(
図2)で置き換えられる。一例では、金属バック34及び金属部分6は、同一材料で形成
される一体部品であってもよい。しかしながら、金属バック34及び金属部分6は、別々
の要素であってもよく、同一又は異なる材料で形成されていてもよいと予想されるので、
これは限定的な意味に解釈されるべきではない。この例では、ダイヤモンド部分4、金属
部分6及び金属バック34は、サブマウント基板62を構成し、このサブマウント基板6
2への能動デバイス10の追加は、この例の複合基板2を構成する。
【0076】
この例では、金属部分6は、一組の間隔を空けて配置された電気伝導体を構成し、金属
バック34は、間隔を空けて配置された電気伝導体を支える手段を含み、ダイヤモンド部
分4は一組の電気絶縁体を含む。
【0077】
金属プレート8(
図1A)の省略及び金属バック34(
図2)の追加を除いて、
図2に
示す複合基板の一例は、
図1A〜1Dに示す複合基板2の一例と同様である。したがって
、
図2に示す複合基板2の一例のさらなる詳細は、説明が長くなることを避けるため本明
細書では説明しない。
【0078】
さらに、本明細書で記載されるサブマウント基板62の必要に応じた一例に一又は複数
の能動デバイス10を取り付ける必要に応じた方法、及び、伝導体22−1及び22−2
を一又は複数の能動デバイス10の接点18−1、18−2又は30−1、30−2に連
結する必要に応じた方法に関する詳細は、
図2以降では示さず、説明が長くなることを避
けるため以下では説明しない。
【0079】
図3を参照して、また引き続き
図1A〜1Dを参照して、
図3に示す複合基板2の別の
一例は、以下の例外を除き
図1A〜1Dに示す複合基板2の一例と類似である。
図3に示
す複合基板2の一例では、金属プレート8は、
図1Aに示すダイヤモンド部分4下ではな
くダイヤモンド部分4上に配置され、一又は複数の能動デバイス10は、層16を介して
金属プレート8の上面(
図3に示す)に取り付けられる。この例では、ダイヤモンド部分
4、金属部分6及び金属プレート8は、サブマウント基板62を構成する。この例では、
金属部分6は一組の間隔を空けて配置された電気伝導体を含み、金属プレートは間隔を空
けて配置された電気伝導体を支える手段を含み、ダイヤモンド部分4は一組の電気絶縁体
を含む。これらの変更以外、
図1A及び3に示す複合基板2は同一である。
【0080】
図4を参照して、また引き続き
図2を参照して、
図4に示す複合基板2の一例は、以下
の例外を除き
図2に示す複合基板2の一例と類似である。
図4に示す複合基板2は、
図2
に示す複合基板2の一部ではないダイヤモンドプレート36を備える。ダイヤモンドプレ
ート36及びダイヤモンド部分4は、一体部品であってもよい。しかしながら、これは限
定的な意味に解釈されるべきではない。一例では、ダイヤモンド部分4及びダイヤモンド
プレート36は、あらかじめ製造された一体部品として形成されていてもよく、一体部品
として製造された金属部分6と金属バック34とが結合された一体部品として形成されて
いてもよい。別の例では、金属部分6及び金属バック34は一体部品として製造され、隣
り合う金属部分6の間の空間がダイヤモンドで満たされるまで、ダイヤモンド部分4は隣
り合う金属部分6の対の間でダイヤモンドの堆積によって成長し(例えばCVDによって
)、その際、ダイヤモンドプレート36の成長は、引き続き行ったダイヤモンドの堆積に
よって生じる。ダイヤモンド部分4及びダイヤモンドプレート36の成長中に、ダイヤモ
ンド材料は、一又は複数の能動デバイス10が配置される反対側の、金属バック34及び
金属部分6を含む一体部品の一側面から、CVDによって堆積すると理解されるべきであ
る。その後、ダイヤモンド部分4及びダイヤモンドプレート36がいったん堆積されると
、この例では、ダイヤモンド部分4、ダイヤモンドプレート36、金属部分6及び金属バ
ック34を備えたサブマウント基板62をひっくり返して、
図4に示す完成した複合基板
2を形成するためにダイヤモンドプレート36と反対側のサブマウント基板62の側面上
に、一又は複数の能動デバイス10を取り付けてもよい。
【0081】
この例では、金属部分6は一組の間隔を空けて配置された電気伝導体を含み、金属バッ
ク34は間隔を空けて配置された電気伝導体を支える手段を含み、ダイヤモンド部分4は
一組の電気絶縁体を含む。
図4に示すダイヤモンドプレート36の追加以外、
図2及び4
に示す複合基板2は同一である。ダイヤモンドプレートは、電気絶縁体も含む。
【0082】
図5を参照して、複合基板2の別の一例は、以下の例外を除いて
図4に示す複合基板2
の一例と類似する。
図5に示す複合基板2の一例は、
図3に示す金属プレート8のように
、能動デバイス10とダイヤモンド部分4との間に金属プレート8を含み、さらに、金属
部分6及び金属バック34を含む。
図5に示す複合基板2の一例におけるダイヤモンドプ
レート36は、
図4に示す複合基板2の一例におけるダイヤモンドプレート36と同一の
方法で成長する。
【0083】
この例では、ダイヤモンド部分4、金属部分6、金属バック34、ダイヤモンドプレー
ト36及び金属プレート8は、能動デバイス10が複合基板2を形成するために取り付け
られ得るサブマウント基板62を構成する。この例では、金属部分6は一組の間隔を空け
て配置された電気伝導体を含み、金属プレート8及び金属バック34は間隔を空けて配置
された電気伝導体を支える手段を含み、ダイヤモンド部分4は一組の電気絶縁体を含む。
さらに、ダイヤモンドプレート36は、電気絶縁体も含む。
【0084】
図1A〜5に示す各複合基板2では、各ダイヤモンド部分4は、隣り合う金属部分6の
対の間で、必要に応じて適切な及び/又は望ましい方法、例えばCVDによって、成長さ
せてもよい。必要に応じて、ダイヤモンド部分6がいったん成長すると、ダイヤモンド成
長は、ダイヤモンドプレート36(
図4及び5)を形成するまで続いてもよい。あるいは
、ダイヤモンド部分4及び該当する場合にはダイヤモンドプレート36は、別々の又は一
体の部品としてあらかじめ形成されていてもよく、各ダイヤモンド部分4は、適切な接着
材14(
図1Bに示す)又は摩擦嵌合によって、金属部分6の対の間に挿入して固定され
ていてもよい。
【0085】
図6を参照して、複合基板2の別の例は、金属プレート又は層38上に配置された一又
は複数の能動デバイス10を備え、金属プレート又は層38は、ダイヤモンドプレート又
は層40上に配置されている。上述の層16と同様の層16は、一又は複数の能動デバイ
ス10と金属プレート又は層38との間の界面として用いてもよい。一例では、層16は
接着剤層であってもよい。別の例では、層16は、一又は複数の能動デバイス10が固定
される誘電層であってもよく、
図1A〜1Dに関連して説明した方法で、前記能動デバイ
ス10の接点を外部電気信号源に連結するための接点及び/線を含んでいてもよい。この
例では、ダイヤモンドプレート40及び金属プレート38は、サブマウント基板62を構
成する。サブマウント基板62へは、複合基板2を形成するために、能動デバイス10が
取り付けられていてもよい。この例では、ダイヤモンドプレート40は、あらかじめ形成
されていてもよく、金属プレート38に連結(接着)されていてもよく、又は、必要に応
じて適切な又は望ましい方法、例えばCVDで金属プレート38上に成長させられていて
もよい。
【0086】
図7を参照して、マイクロ波プラズマCVDシステム42の一例は、
図1A〜6に示す
各実施形態のサブマウント基板62のダイヤモンド(4,36及び/又は40)をMPC
VD成長させるために用いてもよいことが示される。CVDシステム42の使用中、反応
ガス44の混合物、例えば水素及びメタンを、マイクロ波プラズマCVD反応器46内へ
流してもよく、反応ガス44の流速は、マスフローコントローラー48によって調整して
もよい。排気ガス50はCVD反応器46の外、一般的には真空ポンプ52へ流す。マイ
クロ波エネルギーは、マグネトロン54によって生成され、石英窓56を通ってCVD反
応器46へ導入されてもよい。CVD反応器46内では、ガス44の水素分子を水素フリ
ーラジカルに、同様に、ガス44のメタン分子をメチルフリーラジカル、メチレンフリー
ラジカル、メチンフリーラジカル、及び、二又はそれ以上の炭素原子を有する第二又は第
三のフリーラジカルにラジカル化するプラズマ58に、マイクロ波エネルギーが変換され
る。CVD反応器46の底部に、金属基板上にダイヤモンド4をCVD成長させるために
該金属基板を支える基板ホルダー又はサポート60を置く。一例では、この金属基板は、
金属部分6、及び、金属プレート8及び/又は金属バック34の一方又は両方を含んでい
てもよい。別の例では、この金属基板は金属プレート38を含んでいてもよい。
【0087】
プラズマ58がオンの間、炭素原子を含むラジカル化されたフリーラジカルが、金属基
板の表面に衝突する。これにより、炭素が固定され、サブマウント基板62が形成される
ために金属基板上へダイヤモンドが形成する。サブマウント基板62へは、完成した複合
基板2を形成するために、上述のように能動デバイス10が取り付けられてもよい。
【0088】
任意の光高温計64は、ダイヤモンド堆積中、金属基板上でのダイヤモンド成長の温度
を監視するために利用されてもよい。CVDシステム42を利用したマイクロ波プラズマ
CVDによるダイヤモンド成長は、当該技術分野において周知であり、本明細書ではこれ
以上記載しない。
【0089】
例1:溝付き銅−タングステン上のPC VPダイヤモンド成長
【0090】
直径140mmの金属タングステンの一片を、CVD反応器46内で基板ホルダーとし
て使用した。銅−タングステン合金(公称20%の銅及び80%のタングステン)の一片
は、X×Y×Z寸法が8mm×6mm×0.4mmであり、基板ホルダー60上に配置さ
れる。基板ホルダー60上に配置する前に、Cu−W合金のこの一片の表面は、ニッケル
層及び金層とともにめっきされ、深さ(Z方向)100ミクロン、幅(X方向)500ミ
クロンの5本のトレンチ又は溝12が、Y方向に沿って6mm、機械加工された。Cu−
W合金のこの片は、ダイヤモンド成長のためCVD反応器46内に配置する前に、硝酸で
30分間エッチングし、続いてイオン交換水で洗い流し、エタノールで超音波洗浄した。
Cu−W合金のこの片をCVD反応器46内の基板ホルダー60上に配置して、1850
mL/minの水素及び13.7mL/minのメタンの混合ガスをCVD反応器46内
へ流した。プラズマ開始後、プラズマ58のサイズが基板ホルダー60の表面全体を覆う
ように、マイクロ波出力及びCVD反応器46内の圧力を調整した。溝付きの一片のCu
−W合金上に66時間ダイヤモンド成長させ、それによってサブマウント基板62の一例
を形成した後、反応を停止した。
【0091】
この成長例では、ダイヤモンドが、Cu−W合金の表面上にうまく堆積することが観察
された。より具体的には、ダイヤモンドが、トレンチ又は溝12内、及び、隣り合う溝1
2の間の溝付きCu−W合金片の表面上に適合して堆積していることが観察された。ダイ
ヤモンド粒子は、溝付きCu−W合金片の表面上よりも溝内で大きく見えた。トレンチ又
は溝12内のダイヤモンドの厚さは、125ミクロンであることが観察され、隣り合う溝
12の間の溝付きCu−W合金片の表面上のダイヤモンドの厚さは、約100ミクロンで
あることが観察された。
【0092】
この例のサブマウント基板62における100ミクロンの厚さのダイヤモンド部分の上
面は、
図1Aに示すサブマウント基板62に類似する一例のサブマウント基板62を製造
するために、必要に応じてラッピングされ、必要に応じて研磨されていてもよい。この例
のサブマウント基板62の金属からなる又は金属を含むプレート部分は、同様に又は代替
的に、所望の程度まで、必要に応じてラッピングされ、又は、必要に応じて研磨されてい
てもよい。
【0093】
例2:平らなCu−W上のPCVDダイヤモンド成長
【0094】
直径140mmの金属を含むタングステンの一片を、CVD反応器46内の基板ホルダ
ーとして使用した。X×Y×Z寸法が8mm×6mm×0.4mmのCu−W合金(公称
20%の銅及び80%のタングステン)の一片を、基板ホルダー60上に配置した。Cu
−W合金のこの片の上面は平坦で、すなわち、ニッケル及び又は金でメッキされず、Cu
−W合金のこの片に溝は機械加工されなかった。Cu−W合金のこの片は、ダイヤモンド
成長のためCVD反応器46内に配置する前に、硝酸で30分間エッチングし、続いてイ
オン交換水で洗い流し、エタノールで超音波洗浄した。Cu−W合金のこの片をCVD反
応器46内の基板ホルダー60上に配置して、2800mL/minの水素及び20.7
2mL/minのメタンの混合ガスをCVD反応器46内へ流した。プラズマ開始後、プ
ラズマ58のサイズが基板ホルダー60の表面全体を覆うように、マイクロ波出力及びC
VD反応器46内の圧力を調整した。43時間ダイヤモンド成長させた後、反応を停止し
、ダイヤモンドが、Cu−W合金のこの片の表面上にうまく堆積することが観察された。
アズグロウン(成長したままの)ダイヤモンドのSEM画像は、頂部が正方形の形態を有
するダイヤモンド結晶を示し、これは[100]方位であり、ダイヤモンドの厚さが20
0ミクロンとなり得る。
【0095】
この例は、添付の図面を参照して説明されている。上述の例を読み理解すると、設計変
更及び部分変更は他のものにも行われる。したがって、上述の例は、限定的な開示として
解釈されるべきではない。