特許第6934688号(P6934688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6934688金属部品の製造方法及び金属部品製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6934688
(24)【登録日】2021年8月26日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】金属部品の製造方法及び金属部品製造装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20210906BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20210906BHJP
   G10K 11/168 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   B60R13/02 B
   G10K11/16 130
   G10K11/168
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-102851(P2020-102851)
(22)【出願日】2020年6月15日
(62)【分割の表示】特願2016-222775(P2016-222775)の分割
【原出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2020-164164(P2020-164164A)
(43)【公開日】2020年10月8日
【審査請求日】2020年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】590000721
【氏名又は名称】株式会社キーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 稔正
(72)【発明者】
【氏名】上原 一成
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−014488(JP,A)
【文献】 特開2008−279496(JP,A)
【文献】 特開2016−124363(JP,A)
【文献】 特開2005−219064(JP,A)
【文献】 特開2009−022977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
G10K 11/16
G10K 11/168
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアに設置された治具本体、それぞれ異なる位置に配置される複数の基準ピン、及び該各基準ピンを振動可能に上記治具本体に取り付けかつゴム材からなる弾性体で構成されたピン取付手段を有し、加工対象となるパネル状金属体とは別の治具と、超音波接合が可能な超音波接合手段とを用意する工程と、
上記パネル状金属体であって、各々に上記各基準ピンに対応する複数の嵌合孔が形成された2つのパネル状金属体を上記各基準ピンが上記各金属体の各嵌合孔に嵌合するように上記各金属体を順番に上記治具本体に載置する工程と、
上記各金属体の重なり合った部分に上記超音波接合手段で接合部を形成することにより一体にして金属部品を得る工程と、を含むことを特徴とする金属部品の製造方法。
【請求項2】
フロアに設置された治具本体及び複数の基準ピンを有する治具と、
該治具の側方に配置され、超音波接合が可能な超音波接合手段とを備え、
各々に上記各基準ピンに対応する複数の嵌合孔が形成されかつ上記治具とは別の2つのパネル状金属体を上記各基準ピンが上記各金属体の各嵌合孔に嵌合するように上記各金属体を順番に上記治具本体に載置した状態で上記各金属体の重なり合った部分に上記超音波接合手段で接合部を形成することにより一体にして金属部品を得るよう構成された金属部品製造装置であって、
上記治具本体は、上記各基準ピンを振動可能に上記治具本体に取り付けるピン取付手段を備え、
上記各基準ピンは、それぞれ異なる位置に配置されており、
上記ピン取付手段は、ゴム材からなる弾性体であることを特徴とする金属部品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両に組み付けられる金属部品を2つのパネル状金属体から製造する際の製造方法又は製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1に開示されているインシュレータは、防音及び遮熱を目的として車両下部におけるフロアパン下面とマフラーとの間に配設されている。上記インシュレータは、アルミニウム合金材からなるパネル状の第1金属体と、該第1金属体のフロアパン側に配設されたシート状の吸音遮熱体と、該吸音遮熱体のフロアパン側に配設されたアルミニウム合金材からなるフィルム状の第2金属体とを備え、上記第1金属体の外周部分を折り返すとともにこの折返部分で上記吸音遮熱体の外周部分と上記第2金属体の外周部分とを同時に挟み込むことにより、第1金属体、吸音遮熱体及び第2金属体を一体にしている。
【0003】
ところで、特許文献1の如きインシュレータにおいて、材料歩留まりの向上や軽量化を目的として、第1金属体の外周部分を折り返さずに第1金属体の外周部分及び第2金属体の外周部分を互いに接合することで第1金属体と第2金属体とを一体にしたいという要求があり、その接合方法として、完成後のインシュレータの外観に熱歪みの影響が出難い超音波接合法を適用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−519710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、超音波接合法は、接合時に微細な振動を接合箇所に加えるため、接合する金属体において、例えば、治具に対する位置決め用の基準穴周りのような剛性の高い箇所がある部分に超音波振動が伝搬すると、当該箇所に繰り返し荷重が加わることで亀裂や割れが発生してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波接合により2つのパネル状金属体を一体にして亀裂や割れの無い金属部品を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、超音波接合を行う際に使用する治具の位置決め用の基準ピンが振動可能となっていることを特徴とする。
【0008】
すなわち、第1の発明では、フロアに設置された治具本体、それぞれ異なる位置に配置される複数の基準ピン、及び該各基準ピンを振動可能に上記治具本体に取り付けかつゴム材からなる弾性体で構成されたピン取付手段を有し、加工対象となるパネル状金属体とは別の治具と、超音波接合が可能な超音波接合手段とを用意する工程と、上記パネル状金属体であって、各々に上記各基準ピンに対応する複数の嵌合孔が形成された2つのパネル状金属体を上記各基準ピンが上記各金属体の各嵌合孔に嵌合するように上記各金属体を順番に上記治具本体に載置する工程と、上記各金属体の重なり合った部分に上記超音波接合手段で接合部を形成することにより一体にして金属部品を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、フロアに設置された治具本体及び複数の基準ピンを有する治具と、該治具の側方に配置され、超音波接合が可能な超音波接合手段とを備え、各々に上記各基準ピンに対応する複数の嵌合孔が形成されかつ上記治具とは別の2つのパネル状金属体を上記各基準ピンが上記各金属体の各嵌合孔に嵌合するように上記各金属体を順番に上記治具本体に載置した状態で上記各金属体の重なり合った部分に上記超音波接合手段で接合部を形成することにより一体にして金属部品を得るよう構成された金属部品製造装置をも対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第2の発明では、上記治具本体は、上記各基準ピンを振動可能に上記治具本体に取り付けるピン取付手段を備え、上記各基準ピンは、それぞれ異なる位置に配置されており、上記ピン取付手段は、ゴム材からなる弾性体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1及び第2の発明では、2つの金属体を各基準ピンが各金属体の各嵌合孔に嵌合するように各金属体を順番に治具本体に載置した状態で各金属体の重なり合った部分に対して超音波接合手段によって超音波接合を行うと、微細な振動が各金属体の全域に伝搬するが、その振動に合わせて上記各ピン取付手段が振動するようになる。したがって、治具に載置された状態の2つの金属体が超音波振動と同期して振動するようになり、2つの金属体における剛性の高い箇所に繰り返し荷重が加わり難くなって亀裂や割れの発生を抑制することができる。
【0012】
また、簡単な構造で基準ピンが超音波振動に対応する振動を行うようになるので、超音波接合による金属部品の製造を低コストな装置で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る製造装置で製造されたインシュレータの斜視図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る製造装置の概略図であり、インシュレータを製造する際に使用する治具に2つの金属体と吸音遮熱体とを載置した状態を示す。
図4図3のIV部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0015】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るインシュレータ1(金属部品)を示す。該インシュレータ1は、排気系部品や駆動系部品から発生する熱や騒音などに対する遮熱及び防音を目的として車両のフロアパンF1下面に取り付けられるものであり、図3及び図4に示すインシュレータ製造装置10(金属部品製造装置)で製造されている。
【0016】
上記インシュレータ1は、図1及び図2に示すように、車両前後方向に延びるパネル状のアルミニウム合金材からなる第1金属体2と、該第1金属体2におけるフロアパンF1側のパネル面に沿って配設されるシート状のグラスウール材3(吸音遮熱体)と、該グラスウール材3のフロアパンF1側に設けられたパネル状のアルミニウム合金材からなる第2金属体4とを備え、該第2金属体4は、上記グラスウール材3を覆うように上記第1金属体2に組み付けられている。尚、図1乃至図4の第1及び第2金属体2,4の板厚は、便宜上、誇張して描かれている。
【0017】
上記第1金属体2は、板厚が0.4〜0.6mmで、且つ、1000〜3000番台のアルミニウム合金板をプレス成形することにより得たものであり、車両前後方向に延びる水平面部21と、該水平面部21の車幅方向両側部分から車幅方向両端に近づくにつれて次第に下方に位置するよう傾斜する一対の傾斜面部22とを備えている。
【0018】
該各傾斜面部22には、上方に向けて張り出すとともに張出面が水平に延びる平面視で円形状の第1座面部22aが車両前後方向に所定の間隔をあけて一対形成され、上記各第1座面部22aの中央には、第1嵌合孔22bが貫通形成されている。
【0019】
上記第1金属体2における4つの第1座面部22aより外側の部分には、上記第2金属体4を組み付けた際に当該第2金属体4と重なり合う重合部2bが設けられ、上記第1金属体2における4つの第1座面部22aに囲まれる部分には、多数の貫通孔2cが形成されている。
【0020】
上記第2金属体4は、板厚が0.4〜0.6mmで、且つ、1000〜3000番台のアルミニウム合金板をプレス成形することにより得たものであり、車両前後方向に延びる水平パネル部41と、該水平パネル部41の車幅方向両側部分から車幅方向両端に近づくにつれて次第に下方に位置するよう傾斜する一対の傾斜パネル部42とを備えている。
【0021】
該各傾斜パネル部42には、上方に向けて張り出すとともに張出面が水平に延びる平面視で円形状の第2座面部42aが上記第1金属体2の各第1座面部22aに対応するように一対形成され、上記各第2座面部42aの中央には、第2嵌合孔42bが貫通形成されている。
【0022】
上記第2金属体4における4つの第2座面部42aより外側の部分には、上記第1金属体2に組み付けた際に上記重合部2bに重なり合う重合部4bが設けられ、上記第2金属体4における4つの第2座面部42aに囲まれる部分には、上記重合部4bに対して上方に段差状に張り出す空間形成部4aが形成されている。
【0023】
そして、上記第1金属体2に上記第2金属体4を組み付けると、上記第1金属体2の重合部2bと上記第2金属体4の重合部4bとが重なり合うとともに、上記第1金属体2と上記第2金属体4における空間形成部4aとの間に上記グラスウール材3を収容する収容空間層S1が形成されるようになっている。
【0024】
また、上記第1金属体2の重合部2bと上記第2金属体4の重合部4bとの間には、上記第1金属体2の重合部2bと上記第2金属体4の重合部4bとの間を繋ぐ超音波接合による複数の固相接合部W1が上記第1及び第2金属体2,4の外周部分に沿って断続的に形成されていて、上記各固相接合部W1により、上記第1金属体2と上記第2金属体4とが一体になっている。
【0025】
上記インシュレータ製造装置10は、図3に示すように、上記第1金属体2に対する上記第2金属体4の位置決めを行う治具5と、該治具5の側方に配置され、超音波接合が可能な超音波接合機6(超音波接合手段)とを備えている。
【0026】
上記治具5は、フロアに設置された治具本体51を備え、該治具本体51は、図示しない移動手段により移動可能となっている。
【0027】
上記治具本体51は、厚みのある矩形板状のベースプレート52と、該ベースプレート52の上面に突設された4つの支持フレーム53とを備えている。
【0028】
これら4つの支持フレーム53は、平面視で長方形の頂点をなす位置関係となっていて、上記超音波接合機6に近い側の2つの支持フレーム53は、上記超音波接合機6から遠い側の2つの支持フレーム53より突出高さが低くなっている。
【0029】
上記各支持フレーム53の上部には、それぞれ位置決めユニット54が取り付けられている。
【0030】
該位置決めユニット54は、図4に示すように、超音波接合機6側の斜め上方に開口する収容凹部55aが形成された金属製のユニット本体55を備え、上記収容凹部55aの底面側略半分にはリング状の硬質ゴム材からなる弾性体56(ピン位置決め手段)が嵌め込まれている。
【0031】
また、上記収容凹部55aには、円板形状の頭部57a及び該頭部57aに連続する軸部57bからなる基準ピン57が収容され、上記軸部57bが上側を向く姿勢で上記頭部57aが上記弾性体56の内方に嵌合するとともに、上記軸部57bが上記収容凹部55aの開口部分から外側に飛び出している。
【0032】
すなわち、上記弾性体56は、上記基準ピン57を振動可能に上記治具本体51に取り付けるようになっている。
【0033】
さらに、上記収容凹部55aの開口側半分には、中央に挿通孔58aを有するリング部材58が上記弾性体56に接触するように嵌め込まれ、上記挿通孔58aには、上記基準ピン57の軸部57bが遊嵌した状態となっている。
【0034】
そして、上記第2金属体4における上記第1金属体2に組み付ける側を上向きにした姿勢で上記各基準ピン57が各第2嵌合孔42bに嵌合するように上記第2金属体4を上記治具本体51に載置するとともに上記第2金属体4の空間形成部4aにグラスウール材3を載置し、且つ、上記第1金属体2における上記第2金属体4が組み付く側を下向きにした姿勢で上記各基準ピン57が各第1嵌合孔22bに嵌合するように上記第1金属体2を上記治具本体51に載置することにより、上記第1金属体2の重合部2bと上記第2金属体4の重合部4bとが重なった状態で上記第1及び第2金属体2,4の位置決めがなされるようになっている。
【0035】
上記超音波接合機6は、図3に示すように、上記治具5に位置決めされた第1及び第2金属体2,4における両重合部2b,4bを支持可能な台座部61と、該台座部61の上方に配置され、超音波振動が可能な振動部62と、該振動部62を下降させて上記両重合部2b,4bを上記台座部61との間に挟み込んで加圧する加圧部63とを備え、該加圧部63が上記台座部61との間において上記両重合部2b,4bを加圧した状態で上記振動部62が超音波振動を行うことにより、上記両重合部2b,4bの間に固相接合部W1が形成されるようになっている。
【0036】
そして、上記超音波接合機6は、上記治具本体51を図示しない移動手段で移動させながら、上記治具本体51によって位置決めされた第1及び第2金属体2,4の両重合部2b,4bを上記第1及び第2金属体2,4の外周部分に沿って断続的に接合することにより第1及び第2金属体2,4を一体にしてインシュレータ1を得るようになっている。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係るインシュレータ製造装置10を用いたインシュレータ1の製造について詳述する。
【0038】
まず、図3に示すように、上記第2金属体4における上記第1金属体2に組み付ける側を上向きにした姿勢で上記各基準ピン57が各第2嵌合孔42bに嵌合するように上記第2金属体4を上記治具本体51に載置する。
【0039】
次に、上記治具本体51に載置した第2金属体4の空間形成部4aにシート状のグラスウール材3を載置する。
【0040】
次いで、上記第1金属体2における上記第2金属体4が組み付く側を下向きにした姿勢で上記各基準ピン57が各第1嵌合孔22bに嵌合するように上記第1金属体2を上記治具本体51に載置する。すると、上記第1金属体2の重合部2bと上記第2金属体4の重合部4bとが重なり合うとともに、上記第1金属体2と上記第2金属体4における空間形成部4aとの間に収容空間層S1が形成され、該収容空間層S1に上記グラスウール材3が収容された状態になる。
【0041】
その後、治具本体51を図示しない移動手段で移動させながら、上記治具本体51によって位置決めされた第1及び第2金属体2,4の両重合部2b,4bを上記超音波接合機6が上記第1及び第2金属体2,4の外周部分に沿って断続的に超音波接合を行うことにより第1及び第2金属体2,4を一体にしてインシュレータ1を得る。
【0042】
尚、超音波接合の接合条件は、振動周波数:20kHz、振動部62の振幅:0.06mm、加圧部63による加圧力:1.5kNとした。
【0043】
以上より、本発明の実施形態によると、上記両重合部2b,4bに超音波接合を行う際、微細な振動が第1及び第2金属体2,4の全域に伝搬するが、その振動に合わせて上記各弾性体56が振動するようになる。したがって、治具5に載置された状態の第1及び第2金属体2,4が超音波振動と同期して振動するようになり、第1及び第2金属体2,4における剛性の高い箇所に繰り返し荷重が加わり難くなるので、第1及び第2金属体2,4における亀裂や割れの発生を抑制することができる。
【0044】
また、各弾性体56は硬質ゴム材で形成されているので、簡単な構造で基準ピン57が超音波振動に対応する振動を行うようになり、超音波接合によるインシュレータ1の製造を低コストな装置で行うことができる。
【0045】
尚、本発明の実施形態では、治具本体51に第1及び第2金属体2,4を位置決めする際、第1及び第2金属体2,4の各第1嵌合孔22b及び各第2嵌合孔42bに各基準ピン57を嵌合させるだけの構成となっているが、第1金属体2の各第1嵌合孔22b周りをクランプ機構の爪部材で押さえるような構成にしてもよい。
【0046】
また、本発明の実施形態では、弾性体56が硬質ゴム材からなっているが、これに限らず、例えば、発泡体からなるものであってもよい。
【0047】
また、上記第1及び第2金属体2,4の両重合部2b,4bに施す各接合は、各接合間の途中において、第1及び第2金属体2,4を異なる治具5に移載した後に残りの各接合を行うようにしてもよい。
【0048】
また、上記第1及び第2金属体2,4の両重合部2b,4bに施す各接合は、各接合間の途中において、治具5に設けた位置決め姿勢を変更可能な機構や、或いは、産業用ロボットが治具5自体の傾きを変更することによって上記第1及び第2金属体2,4の姿勢を変更した後に残りの各接合を行うようにしてもよい。
【0049】
また、本発明の実施形態では、本発明の製造方法によって第1金属体2、グラスウール材3及び第2金属体4からインシュレータ1を製造しているが、これに限らず、本発明の製造方法によってパネル状をなす2つの金属体を一体にして他の金属部品を得ることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば、車両に組み付けられる金属部品を2つのパネル状金属体から製造する際の製造方法又は製造装置に適している。
【符号の説明】
【0051】
1 インシュレータ(金属部品)
2 第1金属体
4 第2金属体
5 治具
6 超音波接合機(超音波接合手段)
22b 第1嵌合孔
42b 第2嵌合孔
51 治具本体
56 弾性体(ピン取付手段)
57 基準ピン
W1 接合部
図1
図2
図3
図4