特許第6934696号(P6934696)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6934696
(24)【登録日】2021年8月26日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】業務支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20210906BHJP
【FI】
   G06Q10/00
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2021-519913(P2021-519913)
(86)(22)【出願日】2020年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2020018075
【審査請求日】2021年4月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521145381
【氏名又は名称】株式会社ビタリー
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】片倉 健
(72)【発明者】
【氏名】馬橋 孝輔
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−108879(JP,A)
【文献】 特開2017−068742(JP,A)
【文献】 特開2009−163374(JP,A)
【文献】 伊達 千代,マルチタッチブックを作成、活用! Look Up! iBooks Author,Mac Fan ,日本,株式会社マイナビ,2012年05月01日,第20巻 第5号 ,p.106〜108
【文献】 伊藤 雅俊,AT互換機ユーザーのためのPC UNIX入門第33回,Hello!PC,日本,ソフトバンク株式会社,1998年08月24日,第5巻 第15号,p.256〜259
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象業務の名称、当該対象業務の現行のやり方、当該対象業務の新しいやり方、当該新しいやり方による効果の4つの要素について、上記対象業務の名称、上記現行のやり方、上記新しいやり方、上記効果の順にユーザがデータベースの情報を使わずに任意の情報を自由文で入力するための入力欄を有するテンプレートであって、上記4つの要素の内容に関する例示を含まないテンプレートを、上記入力欄に何も情報が入力されていない状態でユーザ端末に提供するテンプレート提供部と、
上記4つの要素について上記ユーザより上記入力欄に入力された任意の情報を連結することにより、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文の仮説を生成し、生成した仮説データを記憶媒体に保存する仮説生成部と、
上記仮説生成部により生成された仮説データにより示される一のユーザに係る仮説と、上記仮説生成部により生成された仮説データにより示される他のユーザに係る仮説との類似度を判定し、類似度が所定レベル以上の仮説を生成したユーザどうしをマッチングしてその結果を報知するマッチング部とを備えた
ことを特徴とする業務支援システム。
【請求項2】
対象業務の名称、当該対象業務の現行のやり方、当該対象業務の新しいやり方、当該新しいやり方による効果の4つの要素について、上記対象業務の名称、上記現行のやり方、上記新しいやり方、上記効果の順にユーザがデータベースの情報を使わずに任意の情報を自由文で入力するための入力欄を有するテンプレートであって、上記4つの要素の内容に関する例示を含まないテンプレートを、上記入力欄に何も情報が入力されていない状態でユーザ端末に提供するテンプレート提供部と、
上記4つの要素について上記ユーザより上記入力欄に入力された任意の情報を連結することにより、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文の仮説を生成し、生成した仮説データを記憶媒体に保存する仮説生成部と、
過去の複数の企業における成功業務について生成された上記構文から成る仮説に係る仮説データを記憶する成功仮説データ記憶部と、
上記仮説生成部により生成された仮説データにより示される仮説と上記成功仮説データ記憶部に記憶されている仮説データにより示される成功業務に係る仮説との類似度を判定し、類似度が所定レベル以上の仮説に係る企業を抽出して報知する仮説類似企業抽出部とを備えた
ことを特徴とする業務支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援システムに関し、特に、仮説の設定を含む業務の実行を支援するシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、IT技術を用いて業務を支援するシステムが種々提供されている。例えば、大量の文書に記載された情報から、それら文書に記載された情報を超える範囲で、あらゆるリスクとチャンスとを考慮した因果関係の連鎖からなる仮説を生成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のフレーズペア収集装置は、名詞と述語テンプレートとの組合せを含むフレーズ対からなるシードペアを記憶する因果関係シードペアDBと、単語間の意味的関係パターンを記憶する意味的関係パターンDBと、意味的関係パターンのいずれかと関係付けられた単語対を記憶する単語対DBとを備え、因果関係シードペアDBに記憶された各シードペア内の名詞対が意味的関係パターンのいずれにマッチするかを判定し、名詞対とマッチすると判定された意味的関係パターンに関係付けられた単語対の各々を用いてシードペアの当該名詞対を置換することで新たな仮説を生成する。
【0004】
【特許文献1】特開2015−121896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、因果関係シードペアDB、意味的関係パターンDBおよび単語対DBにあらかじめ記憶されている情報の範囲内でしか新たな仮説を生成することができず、自由度が低い。そのため、ある程度有用な仮説を生成できる可能性はあるものの、限界があるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、有用な仮説を生成できる可能性を高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明では、対象業務の名称、当該対象業務の現行のやり方、当該対象業務の新しいやり方、当該新しいやり方による効果の4つの要素を、対象業務の名称、現行のやり方、新しいやり方、効果の順に自由文で入力するためのテンプレートをユーザ端末に提供し、これら4つの要素についてユーザ端末より入力された情報を連結することにより、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文の仮説を生成するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、データベースにあらかじめ記憶されている単語対や意味的関係、因果関係などに縛られることなく、テンプレートが有する4つの要素を自由文で入力することによって新たな仮説を生成することができるので、自由度が高い。しかも、取り上げる対象業務について、現行のやり方、新しいやり方、現行のやり方よりも新しいやり方がよいとされる効果を入力することによって仮説を生成するので、有用な仮説を生成できる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態による業務支援システムの全体構成例を示す図である。
図2】本実施形態によるサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態によるテンプレートの一例を示す図である。
図4】本実施形態によるサーバ装置の他の機能構成例を示すブロック図である。
図5】本実施形態によるサーバ装置の他の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による業務支援システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の業務支援システムは、サーバ装置100と、複数のユーザ端末200とを備え、ユーザ端末200がインターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワーク300を介してサーバ装置100に接続可能に構成されている。
【0011】
サーバ装置100は、ユーザが仮説を生成する際に使用するテンプレートをユーザ端末200に提供し、当該テンプレートに対するユーザ操作に基づき入力される情報を用いて仮説データを生成して保存する処理を実行する。サーバ装置100は、保存した仮説データを複数のユーザ間で共有する仕組みも提供する。また、サーバ装置100は、ユーザ操作を通じて生成された仮説の有用性を評価する処理も実行する。なお、これらの処理の詳細は後述する。
【0012】
ユーザ端末200は、仮説を生成するユーザや、生成された仮説を共有するユーザにより使用されるものであり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの端末により構成される。ユーザ端末200は、例えばウェブブラウザを備えており、ウェブブラウザを通じてサーバ装置100の所定ウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイトを通じてテンプレートの提供を受ける。そして、テンプレートに情報を入力することによって、仮説を生成する。
【0013】
図2は、本実施形態によるサーバ装置100の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態のサーバ装置100は、機能構成として、通信部11、テンプレート提供部12、仮説生成部13、仮説評価部14および仮説データ提供部15を備えている。また、本実施形態のサーバ装置100は、記憶媒体として、テンプレート記憶部101、仮説データ記憶部102および成功仮説データ記憶部103を備えている。
【0014】
上記各機能ブロック11〜15は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜15は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0015】
通信部11は、通信ネットワーク300を介してユーザ端末200との間で各種データの通信を行う。例えば、通信部11は、ユーザ端末200のウェブブラウザから送信される要求に応じて、当該要求に対応するデータを送信する。例えば、通信部11は、ユーザが仮説を生成する際に使用するテンプレートのデータを送信する。また、通信部11は、テンプレートを通じてユーザ端末200において入力されたデータを受信する。また、通信部11は、ユーザ端末200において入力されたデータをもとに生成した仮説データをユーザ端末200に送信する。
【0016】
テンプレート提供部12は、ユーザ端末200からの要求に応じて、ユーザが仮説を生成する際に使用するテンプレートを、通信部11を介してユーザ端末200に提供する。このテンプレートは、テンプレート記憶部101にあらかじめ記憶されている。図3は、テンプレートの一例を示す図である。テンプレート提供部12は、図3に示すテンプレートのデータをユーザ端末200に送信することにより、当該テンプレートの画面をユーザ端末200のウェブブラウザに提供する。
【0017】
図3に示すように、本実施形態のテンプレートは、対象業務の名称31、当該対象業務の現行のやり方32、当該対象業務の新しいやり方33、当該新しいやり方による効果34の4つの要素を、対象業務の名称31、現行のやり方32、新しいやり方33、効果34の順に自由文で入力するためのものである。有用性のある仮説を生成するためには、この4つの要素に関する情報を漏れなく入力することが重要であり、また、これら4つの要素の情報をこの順番に沿って入力していくこと、つまりこの順番通りにユーザが思考を進めていくことが重要である。
【0018】
ユーザは、ユーザ端末200を操作することにより、このテンプレートの4つの入力欄に自由文形成で対象業務の名称31、現行のやり方32、新しいやり方33および効果34を順に入力し、送信ボタン35を押下する。これにより、各要素の入力欄に入力されたデータ(以下、要素データという)がユーザ端末200からサーバ装置100に送信される。
【0019】
仮説生成部13は、ユーザ端末200から送信された要素データに基づいて、4つの要素について入力された情報を連結することにより、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文の仮説を生成し、生成した仮説データを仮説データ記憶部102に保存する。
【0020】
例えば、対象業務の名称31として「家計簿作成」が入力され、現行のやり方32として「自分で入出金の明細を手入力する」が入力され、新しいやり方33として「クレジットカード会社や銀行から家計に関わるデータをAPI接続にて自動取得し、人工知能を用いて家計簿の形式に変換する」が入力され、効果34として「正確性も業務効率性も上がる」が入力された場合、仮説生成部13は、「家計簿作成は、自分で入出金の明細を手入力するよりも、クレジットカード会社や銀行から家計に関わるデータをAPI接続にて自動取得し、人工知能を用いて家計簿の形式に変換する方が正確性も業務効率も上がる説」という仮説を生成する。
【0021】
成功仮説データ記憶部103は、過去の複数の成功業務について生成された仮説に係る仮説データを記憶する。この仮説データも、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文から成る。すなわち、成功仮説データ記憶部103は、国内企業または海外企業が実際に成功を収めた複数の<対象業務>について、成功を収めた<新しいやり方>と、それ以前に行われていた<現行のやり方>と、成功により得られた実際の<効果>とに基づいて生成された複数の仮説データを記憶する。
【0022】
仮説評価部14は、仮説生成部13により生成されて仮説データ記憶部102に記憶された仮説データにより示される仮説(以下、生成仮説という)と、成功仮説データ記憶部103に記憶されている成功業務に係る仮説データにより示される仮説(以下、成功業務仮説という)との類似度を判定し、当該類似度に基づいて、生成仮説(ユーザにより生成された仮説)の有用性を評価する。そして、仮説評価部14は、評価結果を示す評価データを、仮説データ記憶部102に記憶されている仮説データに関連付けて記憶させる。
【0023】
類似度の判定は、例えば、4つの要素ごとに生成仮説と成功業務仮説との個別類似度を算出し、4要素の個別類似度を総合した総合類似度を更に算出することによって行う。個別類似度は、例えば、文章を形態素解析して複数の単語に分解し、単語の出願頻度等に基づいて文章ベクトルを生成して、当該文章ベクトルどうしの類似度を算出するといった公知の技術を用いて算出することが可能である。総合類似度は、4要素の個別類似度を重み付け加算するといったように、所定の関数を用いた演算によって算出することが可能である。
【0024】
仮説評価部14は、例えば、成功業務仮説との類似度が大きくなるほど生成仮説の有用性が大きいと評価する。例えば、類似度の値に応じて仮説の有用性を複数レベルにあらかじめランク分けしておく。そして、仮説評価部14は、生成仮説について算出した類似度に応じた有用性ランクをその生成仮説に付与する。
【0025】
仮説データ提供部15は、ユーザ端末200からの要求に応じて、仮説データ記憶部102に記憶されている仮説データを、通信部11を介してユーザ端末200に提供する。例えば、仮説データ提供部15は、仮説データ記憶部102に記憶されている複数の仮説データを一覧形式でユーザ端末200に提供する。また、仮説データ提供部15は、ユーザ端末200から送信されるキーワードなどの検索条件に合致する仮説データを仮説データ記憶部102から抽出してユーザ端末200に提供するようにしてもよい。仮説データ提供部15は、仮説データと共に評価データを提供するようにしてもよい。この仮説データ提供部15があることにより、一のユーザにより生成された仮説を複数のユーザ間で共有することが可能である。
【0026】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、対象業務の名称31、当該対象業務の現行のやり方32、当該対象業務の新しいやり方33および当該新しいやり方による効果34の4つの要素をこの順に自由文で入力するためのテンプレートをユーザ端末200に提供し、これら4つの要素についてユーザ端末200より入力された情報を連結することにより、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文の仮説を生成するようにしている。
【0027】
このように構成した本実施形態によれば、データベースにあらかじめ記憶されている単語対や意味的関係、因果関係などに縛られることなく、テンプレートが有する4つの要素を自由文で入力することによって新たな仮説を生成することができるので、自由度が高い。しかも、取り上げる対象業務について、現行のやり方、新しいやり方、現行のやり方よりも新しいやり方がよいとされる効果を入力することによって仮説を生成するので、有用な仮説を生成できる可能性を高めることができる。
【0028】
なお、上記実施形態では、図3に示すテンプレートの画面をユーザ端末200のウェブブラウザに提供する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1段階では対象業務の名称31のみが含まれるテンプレートを提供し、ユーザがこれに情報を入力して次ボタンを押下したときに、現行のやり方32を追加したテンプレートを提供し、ユーザがこれに情報を入力して次ボタンを押下したときに、新しいやり方33を追加したテンプレートを提供し、ユーザがこれに情報を入力して次ボタンを押下したときに、効果34を追加したテンプレートを提供するようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、仮説生成部13により生成された(ユーザにより生成された)仮説と、成功仮説データ記憶部103に記憶されている過去の成功業務に係る仮説との類似度に基づいて、ユーザにより生成された仮説の有用性を評価する仮説評価部14を備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、仮説評価部14に代えてまたは加えて、以下に説明するマッチング部16の構成を備えるようにしてもよい。
【0030】
図4は、マッチング部16を更に備えたサーバ装置100の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図4において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0031】
マッチング部16は、仮説生成部13により生成されて仮説データ記憶部102に記憶された仮説データにより示される一のユーザに係る生成仮説と、仮説生成部13により生成されて仮説データ記憶部102に記憶された仮説データにより示される他のユーザに係る生成仮説との類似度を判定し、類似度が所定レベル以上の仮説を生成したユーザどうしをマッチングしてその結果を報知する。ここで、類似度の算出方法は、仮説評価部14による類似度の算出方法と同様であってよい。
【0032】
マッチング結果の報知は、例えば、サーバ装置100が提供するウェブサイトのマッチング結果提供用のウェブページ(以下、マッチング結果提供画面という)において、マッチングしたユーザを表示させることによって行う。具体的には、ユーザ端末200がサーバ装置100からテンプレートを取得する際に、ユーザIDを用いてログインを行うようにして、仮説生成部13が生成した仮説データをユーザIDに関連付けて仮説データ記憶部102に記憶させる。また、ユーザIDに対してユーザの氏名またはニックネームをあらかじめ関連付けてデータベース(図示せず)に登録しておく。これにより、マッチングしたユーザの氏名またはニックネームをマッチング結果提供画面に表示させる。
【0033】
また、サーバ装置100が提供するマッチング結果提供画面またはこれにリンクされた別のウェブページにおいて、マッチングされたユーザどうしがコミュニケーションを行うことを可能にした対話機能を提供するようにしてもよい。対話機能は、例えば、マッチングされたユーザまたは当該ユーザが招待した他のユーザのみが入室可能なチャットルームとして提供することが可能である。なお、ここに挙げた対話機能は一例であり、これに限定されるものではない。
【0034】
また、仮説評価部14に代えてまたは加えて、以下に説明する仮説類似企業抽出部17の構成を備えるようにしてもよい。図5は、仮説類似企業抽出部17を更に備えたサーバ装置100の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図5において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0035】
図5において、成功仮説データ記憶部103’は、過去の複数の企業における成功業務について生成された仮説に係る仮説データを記憶する。この仮説データも、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文から成る。成功仮説データ記憶部103’は、仮説データに関連付けて、その仮説データに示される成功業務を行った企業に関する情報(企業名など)も記憶している。
【0036】
仮説類似企業抽出部17は、仮説生成部13により生成されて仮説データ記憶部102に記憶された仮説データにより示される生成仮説と、成功仮説データ記憶部103’に記憶されている仮説データにより示される成功業務に係る仮説との類似度を判定し、類似度が所定レベル以上の成功業務仮説に係る企業を抽出して報知する。ここで、類似度の算出方法は、仮説評価部14による類似度の算出方法と同様であってよい。
【0037】
類似度が所定レベル以上の成功業務仮説に係る企業の報知は、例えば、サーバ装置100が提供するウェブサイトの企業提供用のウェブページ(以下、企業提供画面という)において、抽出した企業の名称一覧を表示させることによって行う。生成仮説を生成したユーザは、仮説類似企業抽出部17により提供される企業一覧を所望の目的のために活用することが可能である。例えば、M&A対象の候補企業リストとして活用することが可能である。
【0038】
なお、図4に示した実施形態と図5に示した実施形態とを組み合わせて適用するようにしてもよい。また、上記実施形態では、仮説評価部14、マッチング部16または仮説類似企業抽出部17の何れか1つまたは複数を備える構成について説明したが、これらを省略した構成としてもよい。
【0039】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
11 通信部
12 テンプレート提供部
13 仮説生成部
14 仮説評価部
15 仮説データ提供部
16 マッチング部
17 仮説類似企業抽出部
100 サーバ装置
200 ユーザ端末
【要約】
対象業務の名称31、当該対象業務の現行のやり方32、当該対象業務の新しいやり方33および当該新しいやり方による効果34の4つの要素をこの順に沿って自由文で入力するためのテンプレートをユーザ端末に提供し、これら4つの要素についてユーザ端末より入力された情報を連結することにより、「<対象業務>は、<現行のやり方>よりも<新しいやり方>の方が<効果>がある」という構文の仮説を生成することにより、データベースにあらかじめ記憶されている単語対や意味的関係、因果関係などに縛られることなく、テンプレートが有する4つの要素を自由文で入力することによって、高い自由度で新たな仮説を生成することができるようにして、有用な仮説を生成できる可能性を高めることができるようにする。
図1
図2
図3
図4
図5