(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施例は、成長基板や金属支持物が省略された超薄型の発光素子を具現しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例は、第1導電型半導体層、前記第1導電型半導体層上の活性層、及び前記活性層上の第2導電型半導体層を含む発光構造物;前記第1導電型半導体層の一部の領域に配置される第1電極;前記第1電極、前記第1導電型半導体層、前記活性層、及び前記第2導電型半導体層の一部の領域上に配置され、DBR構造の絶縁層;及び前記第2導電型半導体層上に配置される第2電極を含み、前記第1電極は、第1面上で前記絶縁層と接触し、前記第1面と対向する第2面で露出する、発光素子を提供する。
【0010】
発光構造物は第1メサ領域を含み、前記第1導電型半導体層は第2メサ領域を含み、前記第1電極は、前記第2メサ領域の第1導電型半導体層上に配置されてもよい。
【0011】
第1電極は、前記第2メサ領域の前記第1導電型半導体層の側面に配置されてもよい。
【0012】
第1電極は、前記第2メサ領域の縁部に延長されて配置されてもよい。
【0013】
第1メサ領域上で、前記第2導電型半導体層が露出するオープン領域が配置され、前記オープン領域上に前記第2電極の少なくとも一部が配置されてもよい。
【0014】
第1メサエッチング領域上において、前記オープン領域の外郭で前記第2導電型半導体層、前記絶縁層及び前記第2電極が少なくとも一部重なってもよい。
【0015】
DBR構造は、TiO
2とSiO
2、またはTa
2O
5とSiO
2が少なくとも2回繰り返して配置された構造であってもよい。
【0016】
第1電極は、オーミック層及び反射層上に結合層を含むことができる。
【0017】
結合層はチタン(Ti)を含むことができる。
【0018】
第2電極は、オーミック層及び反射層を含むことができる。
【0019】
第2電極のオーミック層は、クロム(Cr)、銀(Ag)またはチタン(Ti)を含むことができる。
【0020】
第2電極のオーミック層は1nm以下の厚さであってもよい。
【0021】
反射層は、白金(Pt)と金(Au)、ニッケル(Ni)と金(Au)、アルミニウム(Al)と白金(Pt)と金(Au)、 及びアルミニウム(Al)とニッケル(Ni)と金(Au)の構造を有することができる。
【0022】
他の実施例は、回路基板;前記回路基板上に配置され、第1導電型半導体層、前記第1導電型半導体層上の活性層、及び前記活性層上の第2導電型半導体層を含む発光構造物;前記第1導電型半導体層の一部の領域に配置される第1電極;前記第1電極、前記第1導電型半導体層、前記活性層、及び前記第2導電型半導体層の一部の領域上に配置され、DBR構造の絶縁層;及び前記第2導電型半導体層上に配置される第2電極を含み、前記第1電極は、第1面上で前記絶縁層と接触し、前記第1面と対向する第2面で露出する、複数個の発光素子;及び前記回路基板と発光素子との間に配置されるACF(Anisotropic Conductive Film)を含み、前記ACFは、基材及び前記基材内の導電性ボールを含み、前記導電性ボールが、前記回路基板及び前記第2電極にそれぞれ接触する、発光素子アレイを提供する。
【0023】
絶縁層は、前記第1電極の第1面、前記第1導電型半導体層、前記活性層、及び前記第2導電型半導体層の一部の領域上に配置されてもよい。
【0024】
第1電極の第2面は、前記第2メサ領域の第1導電型半導体層の上部及び側面と接触することができる。
【0025】
更に他の実施例は、回路基板;前記回路基板上に配置され、第1導電型半導体層、前記第1導電型半導体層上の活性層、及び前記活性層上の第2導電型半導体層を含む発光構造物;前記第1導電型半導体層の一部の領域に配置される第1電極;前記第1電極、前記第1導電型半導体層、前記活性層、及び前記第2導電型半導体層の一部の領域上に配置され、DBR構造の絶縁層;及び前記第2導電型半導体層上に配置される第2電極を含み、前記第1電極は、第1面上で前記絶縁層と接触し、前記第1面と対向する第2面で露出する、複数個の発光素子;及び前記回路基板と発光素子との間に配置されるACF(Anisotropic Conductive Film)を含み、前記ACFは、基材及び前記基材内の導電性ボールを含み、前記導電性ボールが、前記回路基板及び前記第2電極にそれぞれ接触する、発光素子アレイを提供する。
【0026】
前記複数個の発光素子の第1電極は、前記回路基板と反対方向において一つの配線で接続されてもよい。
【発明の効果】
【0027】
実施例に係る発光素子及びそれを含む発光素子アレイは、発光構造物の上部面、第2電極の上部面の一部及び第1電極の上部面にDBR構造の絶縁層が配置されることによって、活性層から放出された光を発光素子の下部面に反射することができる。
【0028】
また、第1電極及び第2電極以外に、DBR構造の絶縁層の反射によって光抽出効果を向上させることができる。
【0029】
また、第2電極の形成工程で、透光性導電層のオープン領域よりも広く第2電極を形成して光漏れを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、上記の目的を具体的に実現できる本発明の実施例を、添付の図面を参照して説明する。
【0032】
本発明に係る実施例の説明において、各構成要素(element)の「上(上部)又は下(下部)(on or under)」に形成されると記載される場合において、上(上部)又は下(下部)は、2つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、1つ以上の他の構成要素が前記2つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、「上(上部)又は下(下部)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0033】
図1は、発光素子の一実施例の断面図である。
【0034】
実施例に係る発光素子100は、第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を含む発光構造物120と、第2導電型半導体層126上の透光性導電層130と、第1導電型半導体層122上の第1電極142と、第2導電型半導体層126上の第2電極146と、絶縁層150とを含んでなる。
【0035】
発光構造物120は、第1メサ(first mesa)領域及び第2メサ(second mesa)領域を有しており、第1メサ領域は、第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126上に配置され、第2メサ領域は第1導電型半導体層122上にのみ配置されてもよい。これは、後述する工程において、第1電極142が配置される領域を形成するために第1導電型半導体層122の上部面を露出させる第1エッチング工程で第1メサ領域が形成され、第1電極142の配置領域を増加させるために、上述した露出された第1導電型半導体層122の縁領域を再びエッチングする第2エッチング工程で第2メサ領域が形成され得るためである。
【0036】
図1において、第1メサ領域及び第2メサ領域の側面が垂直に近く示されているが、実際には一定の角度で傾斜して配置されてもよい。
【0037】
第1導電型半導体層122は、III−V族、II−VI族などの化合物半導体で具現することができ、第1導電型ドーパントがドープされて第1導電型の半導体層であってもよい。第1導電型半導体層122は、Al
xIn
yGa
(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質からなることができ、例えば、AlGaN、GaN、InAlGaN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのいずれか1つ以上で形成されてもよい。
【0038】
第1導電型半導体層122がn型半導体層である場合、第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのようなn型ドーパントを含むことができる。第1導電型半導体層122は、単層又は多層に形成されてもよく、これに対して限定しない。
【0039】
第1導電型半導体層122は、第1メサ領域を中心に一側(
図1での右側)に第2メサ領域をなし、第2メサ領域の右側で段差をなしている。
【0040】
活性層124は、第1メサ領域上の第1導電型半導体層122の上部面に配置され、単一井戸構造、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子点構造または量子線構造のいずれか1つを含むことができる。
【0041】
活性層124は、III−V族元素の化合物半導体材料を用いて井戸層と障壁層、例えば、AlGaN/AlGaN、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、AlGaN/GaN、InAlGaN/GaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのいずれか1つ以上のペア構造で形成されてもよいが、これに限定されない。井戸層は、障壁層のエネルギーバンドギャップよりも小さいエネルギーバンドギャップを有する物質で形成することができる。
【0042】
第2導電型半導体層126は、活性層124の表面に半導体化合物で形成することができる。第2導電型半導体層126は、III−V族、II−VI族などの化合物半導体で具現することができ、第2導電型ドーパントがドープされてもよい。第2導電型半導体層126は、例えば、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質からなることができ、AlGaN、GaN AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのいずれか1つ以上で形成されてもよい。
【0043】
第2導電型半導体層126は、第2導電型ドーパントがドープされ得、第2導電型半導体層126がp型半導体層である場合、第2導電型ドーパントは、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントであってもよい。第2導電型半導体層126は、単層又は多層に形成されてもよく、これに対して限定しない。
【0044】
第2導電型半導体層126上には、ITO(Indium tin Oxide)などで透光性導電層130が形成されることで、第2電極146から第2導電型半導体層126に電流スプレッディング(spreading)効果を向上させることができる。
【0045】
第2導電型半導体層126、活性層124及び第1導電型半導体層122の一部までメサエッチングし、第1導電型半導体層122を露出させて第1電極142が形成される領域を確保することができる。
【0046】
第1導電型半導体層122及び第2導電型半導体層126の上には、それぞれ第1電極142と第2電極146を配置することができる。
【0047】
発光構造物120及び第1電極142の露出された表面には絶縁層150が形成され、透光性導電層130上で絶縁層150の一部がオープンされて透光性導電層130が露出し、絶縁層150は少なくとも2つの層からなることができ、具体的な構造は後述する。
【0048】
上述した透光性導電層130が露出する領域で、第2電極146が透光性導電層と直接接触することができる。
【0049】
図1において、第2電極146が透光性導電層130と直接接触する領域の幅(w0)と、前記のオープン領域の両側で透光性導電層130と絶縁層150が接触する領域の幅(w1,w2)との比は、1:1〜3:5であってもよく、w0はw1又はw2よりも大きくてもよく、w1とw2は同一であってもよい。詳細には、第2電極146が透光性導電層130と直接接触する領域の幅(w0)は、10μm〜30μmであってもよく、詳細には22μmであってもよく、前記のオープン領域の両側で透光性導電層130と絶縁層150が接触する領域の幅(w1,w2)は、10μm〜50μmであってもよく、詳細には30μmであってもよい。
【0050】
第2電極146が透光性導電層130と直接接触する領域の幅(w0)が大きいほど、第2導電型半導体層126への電流注入は増加するが、後述するDBR構造の反射率が低下し得る。前記のオープン領域の両側で透光性導電層130と絶縁層150とが接触する領域の幅(w1,w2)が大きいほど、DBR構造の反射率は増加するが、第2導電型半導体層126への電流注入の特性が低下し得る。
【0051】
上述した透光性導電層130、第2電極146及び絶縁層150の配置関係は、
図6で詳細に後述する。
【0052】
第1電極142は、上述した第2メサ領域をなす第1導電型半導体層122の上部面の一部及び側面に配置され、また、第1電極142は、第1導電型半導体層122の側面から外郭に延長されて配置されてもよい。
【0053】
そして、第2メサ領域と段差をなす第1導電型半導体層122上にも第1電極142が配置されてもよい。
【0054】
図2は、第1電極の構造を詳細に示した図である。
【0055】
第1電極142は、オーミック層142a、反射層142b及び結合層142cを含むことができる。オーミック層142aは、クロム(Cr)や銀(Ag)を含むことができ、反射層142bは、白金(Pt)と金(Au)、ニッケル(Ni)と金(Au)、アルミニウム(Al)と白金(Pt)と金(Au)、及びアルミニウム(Al)とニッケル(Ni)と金(Au)の構造のいずれか1つを有してもよく、またはこれらの合金であってもよく、結合層142cはチタン(Ti)を含むことができる。
【0056】
オーミック層142aは、第1導電型半導体層122と反射層142bとの結合のための薄膜であって、0.5nm〜3nmの厚さt1で配置され、例えば、1nmであってもよい。オーミック層142aの厚さt1が0.5nmよりも小さいと、第1導電型半導体層122と反射層142bのオーミックコンタクト(ohmic contact)が良好に行われず、オーミック層142aの厚さt1が3nmよりも大きいと、光吸収が発生して第1電極142の光反射度が減少し得る。
【0057】
結合層142cは、反射層142bと絶縁層150との結合のために10nm〜200nmの厚さt2で配置され、例えば、50nmであってもよい。結合層142cの厚さt2が10nmよりも小さいと、絶縁層150と反射層142bとの結合が正しく行われず、結合層142cの厚さt2が200nmよりも大きいと、結合層142cのストレス(stress)が増加して品質が低下し得る。
【0058】
第1電極142の全体の厚さt3は、1μm前後であってもよい。
【0059】
図3は、第2電極の構造を詳細に示した図である。
【0060】
第2電極146は、オーミック層146a及び反射層146bを含むことができる。オーミック層146aは、クロム、銀またはチタンからなることができ、透光性導電層130と反射層146bとの結合のための薄膜であって、0.5nm〜3nmの厚さt4で配置され、例えば、1nmであってもよい。オーミック層146aの厚さt4が0.5nmよりも小さいと、透光性導電層130と反射層146bのオーミックコンタクト(ohmic contact)が良好に行われず、オーミック層146aの厚さt4が3nmよりも大きいと、光吸収が発生して第2電極146の光反射度が減少し得る。
【0061】
反射層146bは、白金(Pt)と金(Au)、ニッケル(Ni)と金(Au)、アルミニウム(Al)と白金(Pt)と金(Au)、及びアルミニウム(Al)とニッケル(Ni)と金(Au)の構造のいずれか1つ、またはこれらの合金であってもよい。
【0062】
第2電極146の全体の厚さt5は、第1電極142の全体の厚さt3と同一であってもよい。
【0063】
第2電極146は、透光性導電層130のオープン領域上に配置され、
図1に示したように、一部の領域では絶縁層150と重なることができる。第2電極146の形成工程において、透光性導電層130のオープン領域よりも広く第2電極146を形成することが、光漏れを防止できるためである。
【0064】
そして、
図1の発光素子において、上部面の方向には絶縁層150が配置されており、透光性導電層130のオープン領域にはメタル(metal)からなる第2電極146が配置される。絶縁層150及び第2電極146が両方とも反射膜として作用し、
図1において下部方向に光を反射することができる。
【0065】
図4は、絶縁層の構造を詳細に示した図である。
【0066】
絶縁層150は、
図1の発光素子100において第1メサエッチング領域及び第2メサエッチング領域の上部を全て覆って配置され、透光性導電層130が一部露出するようにオープン領域が形成される。このような構造は、後述する表1においてA領域、B領域、C領域及びD領域の全てに絶縁層150が配置され得る。
【0067】
絶縁層150は、第1導電型半導体層122と第2導電型半導体層126との電気的接触を防止するために絶縁性材料からなり、活性層124から放出された光の反射のために、反射率が高い材料、例えば、DBR構造をなすことができる。
【0068】
すなわち、屈折率が異なる2つの材料を互いに繰り返して数回〜数十回配置してDBR構造をなすことができ、
図4において、第1層150aと第2層150bが繰り返して配置されている。
【0069】
第1層150aと第2層150bは、例えば、TiO
2とSiO
2、またはTa
2O
5とSiO
2であってもよい。
【0070】
第1層150aと第2層150bは、例えば、TiO
2とSiO
2からなる場合、第1層150aと第2層150bが3個ずつ交互に配置されてもよく、このとき、第1層150aの厚さは0.70nm〜0.90nmであってもよく、より詳細には、それぞれ0.75nmと0.82nmと0.75nmであってもよく、第2層150bの厚さは0.35nm〜0.55nmであってもよく、より詳細には、それぞれ0.50nmと0.43nmと0.50nmであってもよい。
【0071】
絶縁層150は、第1電極142及び発光構造物120の露出された表面に配置されており、透光性導電層130の一部のみが露出するようにオープンされてもよい。したがって、
図1の第1メサエッチング領域において、透光性導電層130がオープンされた領域の外郭で第2導電型半導体層126と絶縁層150と第2電極146が少なくとも一部重なっている。
【0072】
上述した構造の発光素子100は、活性層124から放出された光が、
図1において上部及び側面に向かうとき、第1電極142、第2電極146及び絶縁層150で反射され、
図1において下部方向に進むことができる。
【0073】
図5A乃至
図5Jは、発光素子の製造工程を示した図である。発光素子は、ウエハレベルの基板から複数個が一つの工程で製造されるが、理解の便宜のため、一部の図面では一つの発光素子のみを図示している。
【0074】
図5Aに示したように、基板110上に発光構造物120及び透光性導電層130を成長させる。
【0075】
基板110は、伝導性基板又は絶縁性基板を含み、例えば、サファイア(Al
2O
3)やSiO
2、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、GaP、InP、Ge、Ga
2O
3のうち少なくとも1つを使用することができる。
【0076】
サファイアからなる基板110上に発光構造物120を成長させるとき、窒化ガリウム系材料からなる発光構造物120と基板110との格子不整合(lattice mismatch)が非常に大きく、これらの間に熱膨張係数の差も非常に大きいため、結晶性を悪化させる転位(dislocation)、メルトバック(melt−back)、クラック(crack)、ピット(pit)、表面モルフォロジー(surface morphology)不良などが発生し得るため、AlNなどでバッファ層(図示せず)を形成することもできる。
【0077】
第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物120は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成されてもよく、これに限定されないい。
【0078】
ITOからなる透光性導電層130は、例えば、40nmの厚さに成長することができる。基板110の厚さは、発光構造物120及び透光性導電層130よりも数倍〜数百倍であり得るが、説明の便宜のため、基板110の厚さを実際よりも小さく示しており、以下でも同一である。
【0079】
そして、
図5Bに示したように、発光構造物120の一部を一次的にエッチングし、第1導電型半導体層122の上部表面が一部露出するようにする。このとき、一次的にエッチングされる発光構造物120の厚さt6は約1μmであり、第1メサ領域を除いた領域から活性層124及び第2導電型半導体層126が除去され得る。
【0080】
そして、一次的にエッチングされて露出された第1導電型半導体層122の一部を、
図5Cに示したように二次的にエッチングする。2次エッチング工程で除去される第1導電型半導体層122の厚さt7は約2μmであってもよい。そして、第2メサ領域の上部面では第1導電型半導体層122が露出し得る。
【0081】
そして、
図5Dに示したように、第2メサ領域をなす第1導電型半導体層122の上部面の一部及び側面、そして、第2メサ領域と段差をなす第1導電型半導体層122上に第1電極142を形成することができる。
【0082】
第1電極142の組成は上述した通りであり、第1電極142は、第1メサ領域の発光構造物120の側面と一定距離離隔しており、離隔した領域には、後述するように絶縁層150が配置され得る。例えば、第1電極142は、オーミック層としてTiが50nm、反射層としてNi/Auがそれぞれ50nmと900nm、そして、結合層としてTiが50nmの厚さに成長することができる。
【0083】
そして、
図5Eに示したように、第1電極142、透光性導電層130及び露出された発光構造物120の表面上に、絶縁層150を蒸着などの方法で成長させることができ、絶縁層150は、上述したDBR構造であってもよく、例えば、300nmの厚さを有することができる。
【0084】
上述したように、第2メサ領域において、第1電極142が第1導電型半導体層122の上部表面の一部の領域にのみ配置されるため、絶縁層150は、第2メサ領域上で段差領域sを有して形成され得る。
【0085】
そして、絶縁層150は、第1メサ領域上で透光性導電層130の縁領域に配置されており、中央領域を露出させて配置され得る。
【0086】
そして、
図5Fに示したように、上述した透光性導電層130の露出された中央領域に第2電極146を成長させることができる。第2電極146は、例えば、オーミック層としてTiが50nm、反射層としてNi/Auがそれぞれ50nmと900nmの厚さでそれぞれ配置されてもよい。
【0087】
そして、
図5Gに示したように、発光素子アレイに回路基板200を貼り合わせて第2電極146と回路基板200とを接続する。このとき、第2電極146と回路基板との電気的結合には、後述するACF(Anisotropic Conductive Film)を使用することができる。
図5Gにおいて絶縁層150の下部には図示されていないが、第1電極が配置され得る。
【0088】
図5Hに示したように、ACF210は、基材211内に導電性ボール(conductive ball)212が含まれており、熱及び圧力を加えると、基材211が圧縮されて発光素子100と回路基板200とを結合し、このとき、導電性ボール212が発光素子100の第2電極146と回路基板200を電気的に接続することができる。
【0089】
そして、
図5Iに示したように、基板110及び第1導電型半導体層122の一部を除去する。このとき、基板の除去は、レーザーリフトオフ(Laser Lift Off:LLO)の方法で行ってもよく、乾式及び湿式エッチングの方法で行ってもよい。
【0090】
レーザーリフトオフ法を例に挙げると、基板110の方向に一定領域の波長を有するエキシマレーザー光をフォーカシング(focusing)して照射すると、基板110と発光構造物120との境界面に熱エネルギーが集中し、境界面がガリウムと窒素分子とに分離されながら、レーザー光が通過する部分で瞬間的に基板110の分離が起こる。
【0091】
そして、
図5Jに示したように、第1導電型半導体層122の一部をエッチングなどの方法で除去しており、第1電極142が露出するまで除去することができ、例えば、2μm〜3μm程度の厚さt8の第1導電型半導体層122が除去されてもよい。
【0092】
そして、それぞれの発光素子の第1電極142を回路基板200と接続すると、複数個の発光素子100が回路基板に接続された発光素子アレイが完成する。発光素子アレイにおいて、回路基板200には、複数個の発光素子100の第1電極142及び第2電極146がそれぞれ接続され得る。
【0093】
図5Jにおいて、発光素子100の第2電極146は、ACF210を介して上部の回路基板200と接続され得、第1電極142は、下部方向で露出しており、隣接する発光素子の第1電極142を下部方向で別途の一つの配線で接続して回路基板200と接続することができる。
【0094】
このような発光素子アレイは、高さが回路基板を除いて数マイクロ規模であり、一つの発光素子の横と縦の長さがそれぞれ100μm以内であってもよく、各種表示装置においてピクセル(pixel)をなすことができ、例えば、横方向と縦方向にそれぞれ400個と1080個の発光素子がピクセルをなすことができる。
【0095】
また、回路基板として、柔軟性のあるFPCB(Flexible printed circuit board)が使用される場合、発光素子アレイ全体は、支持するFPCBの柔軟性によって曲げ可能な発光素子アレイを具現することができる。
【0096】
図6は、
図1の発光素子の上面図である。
【0097】
同図は、
図1の発光素子の各構成のスケール(scale)を示している。
【0098】
絶縁層150の縦方向の長さW21と横方向の長さW22は、それぞれ10μm〜40μmと10μm〜90μmであってもよく、詳細には、26μmと73μmであってもよい。絶縁層150の外郭には、それぞれ縦方向のマージンaと横方向のマージンbが示されており、aとbは、例えば、それぞれ4.5μmと2.0μmであってもよい。上述したマージンa,bを含む全体領域の縦方向の長さW11は10μm〜50μmであってもよく、詳細には30μmであってもよく、横方向の長さW12は10μm〜100μmであってもよく、詳細には82μmであってもよい。
【0099】
それぞれの発光素子の単位にダイシングされた後、縦方向の長さと横方向の長さは、それぞれ10μm〜30μmと10μm〜70μmであってもよく、詳細には20μmと50μmであってもよく、
図6に示された構造において、絶縁層150を含んだ縁領域の一部が除去されてもよい。
【0100】
第1メサ領域の縦方向の長さW31は10μm〜20μmであってもよく、詳細には14μmであってもよく、横方向の長さW32は10μm〜50μmであってもよく、詳細には30μmであってもよく、第1メサ領域の形状及び大きさは、第2電極の形状及び大きさと同一であってもよい。
【0101】
第2メサ領域の縦方向の長さW41と横方向の長さW42は、第1メサ領域よりも大きくてもよく、それぞれ10μm〜30μmと10μm〜70μmであってもよく、詳細には20μmと50μmであってもよい。
【0102】
第1メサ領域上で縦方向の長さW61と横方向の長さW62で定義された領域は、第1メサ領域上で絶縁層150が配置されないことで、透光性導電層130が第2電極146と接触する領域であり得、上述した領域の縦方向の長さW61は2μm〜10μmであってもよく、詳細には6μmであってもよく、横方向の長さW62は10μm〜30μmであってもよく、詳細には22μmであってもよい。
【0103】
第1電極142の縦方向の長さW51は5μm〜20μmであってもよく、詳細には10μmであってもよく、横方向の長さW52は10μm〜40μmであってもよく、詳細には27μmであってもよい。そして、第1電極142が第1メサ領域と離隔した距離dは2μm〜10μmであってもよく、詳細には7μm前後であってもよい。
【0104】
図6において、第1電極142は、実際には、第2メサ領域に配置された絶縁層150の下部に配置され、上面図では見えない。上述したダイシング工程後に第2メサ領域の縁部は全て除去され得、このとき、絶縁層150の下部方向に第1電極142が露出し得る。
【0106】
図7A及び
図7Bは、上述した絶縁層の組成による発光素子の光抽出効率を示すための図である。
【0107】
Aは、第1メサ領域の縁部を示し、発光構造物上に絶縁層及び第2電極が順次配置される。Bは、第1メサ領域の側面であり、発光構造物上に絶縁層が配置され、Cは、第2メサ領域の上部面であり、光構造物上に絶縁層が配置され、Dは、第2メサ領域の側面であり、発光構造物上に絶縁層が配置され、Eは、発光素子の上部領域であり、
図5Hなどに示したようにACFが配置され、Fは、発光構造物の下部方向であり、エア(air)が配置され得る。
【0108】
表1は、
図7A及び
図7BにおいてA〜Fの組成を異ならせたとき、光抽出効率(LEE、light emitting efficiency)を示す。
【0110】
表1から、実施例に従ってA〜F領域が造成された発光素子の光抽出効率(LEE)が優れていることがわかり、比較例4の場合、ACFで回路基板とボンディングを行う前の発光素子の光抽出効率を示す。
【0111】
発光素子アレイは、上述したように、各種表示装置においてピクセル(pixel)をなすことができ、照明装置の光源として使用することもできる。特に、FPCBが回路基板として使用されるとき、FPCBの柔軟性によって曲げ可能な発光素子アレイを具現し、スマートウォッチなどのウェアラブル(wearable)機器の光源として使用することができる。
【0112】
図8は、発光素子アレイを含むスマートウォッチの一実施例を示した図である。
【0113】
スマートウォッチ300は、外部デジタルデバイスとペアリングを行うことができ、外部デジタルデバイスは、スマートウォッチ300と通信接続が可能なデジタルデバイスであってもよく、例えば、図示したスマートフォン400、ノートパソコン410、IPTV(Internet Protocol Television)420などを含むことができる。
【0114】
スマートウォッチ300の光源として、上述した発光素子アレイ310を使用することができ、FPCBの柔軟性によって手首に装着することができ、発光素子の微細なサイズ(size)によって微細画素を具現することができる。
【0115】
以上、実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示していない様々な変形及び応用が可能であるということが理解されるであろう。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施可能である。そして、このような変形及び応用に係る相違点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。