特許第6935009号(P6935009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6935009
(24)【登録日】2021年8月26日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】トレーラ長さ検出システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/12 20120101AFI20210906BHJP
   B60D 1/24 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   B60W40/12
   B60D1/24
【請求項の数】19
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2020-516670(P2020-516670)
(86)(22)【出願日】2018年9月20日
(65)【公表番号】特表2020-534208(P2020-534208A)
(43)【公表日】2020年11月26日
(86)【国際出願番号】US2018051884
(87)【国際公開番号】WO2019060506
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2020年5月18日
(31)【優先権主張番号】62/560,899
(32)【優先日】2017年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/135,632
(32)【優先日】2018年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エイチ. クリッチリー
(72)【発明者】
【氏名】ニザール アハメド
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥルワハブ アルケイラニ
【審査官】 平井 功
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0188344(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00−10/30
B60W 30/00−60/00
G08G 1/00−99/00
B62D 1/00− 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車両が経路に追従する間に前記牽引車両に取り付けられたトレーラのトレーラ長さを求める方法であって、前記牽引車両が、前記トレーラに面する前記牽引車両の後部に配置された1つ以上のセンサを有し、前記方法が、
ータ処理ハードウェアから該データ処理ハードウェアと通信するユーザインタフェースへ、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現を表示するように前記ユーザインタフェースに命令するコマンドを送信するステップと、
前記ユーザインタフェースから、前記データ処理ハードウェアで、前記手動モードの表現、前記半手動モードの表現および前記自律モードの表現のうち1つの選択を受信するステップと、
前記1つ以上のセンサと通信する前記データ処理ハードウェアで、前記経路に沿った前記牽引車両の第1の位置に関連づけられた第1のセンサデータを受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記経路に沿った前記牽引車両の前記第1の位置とは異なる第2の位置に関連づけられた第2のセンサデータを受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記経路に沿った前記牽引車両の前記第1の位置および前記第2の位置とは異なる第3の位置に関連づけられた第3のセンサデータを受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1のセンサデータ、前記第2のセンサデータおよび前記第3のセンサデータに基づいてトレーラ長さを求めるステップと、
前記データ処理ハードウェアから該データ処理ハードウェアと通信するユーザインタフェースへ命令を送信し、前記トレーラ長さを表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法はさらに、前記第2のセンサデータを受信する前に、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1のセンサデータに基づいて前記牽引車両と前記トレーラとの間の第1のトレーラ角度を求めるステップと、
前記第1のトレーラ角度がゼロに等しくない場合、前記牽引車両が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した後に第2のトレーラ角度を求めるステップと、
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離、および前記第2の位置と前記第3の位置との間の距離が、それぞれ所定の距離未満である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記方法がさらに、
前記データ処理ハードウェアで、前記半手動モードの選択を受信するステップと、
前記牽引車両の前記第1の位置に関連づけられた前記第1のセンサデータを受信する前に、
前記データ処理ハードウェアから、前記ユーザインタフェースへ、前記牽引車両の運転者が前記牽引車両を初期位置から前記第1の位置に移動させるために行う第1の操作を表示するように前記ユーザインタフェースに命令するコマンドを送信し、
前記データ処理ハードウェアで、前記ユーザインタフェースを介して、前記運転者からの、該運転者が前記第1の操作に追従したことを表す確認を受信する
ステップと、
を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアで、前記自律モードの選択を受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記牽引車両の前部および側部に配置されたセンサに関連づけられたセンサデータを受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1の位置、前記第2の位置および前記第3の位置に前記牽引車両を位置づけるステップを含む1つ以上の操作を含む車両経路を求めるステップと、
前記データ処理ハードウェアと通信する運転システムに、前記車両経路に追従するように命令するステップと、
を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
牽引車両に取り付けられたトレーラの長さを求める方法であって、前記牽引車両が、前記トレーラに面する前記牽引車両の後部に配置された1つ以上のセンサを有し、前記方法が、
前記1つ以上のセンサと通信するデータ処理ハードウェアで、前記牽引車両の第1の位置に関連づけられた第1のセンサデータを受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記第1のセンサデータに基づいて前記牽引車両と前記トレーラとの間のトレーラ角度を求めるステップと、
前記トレーラ角度がゼロに等しくない場合、
前記データ処理ハードウェアで、前記牽引車両が直線経路に沿って第1の閾値距離だけ移動した後に前記牽引車両の第2の位置に関連づけられた第2のセンサデータを受信し、
前記データ処理ハードウェアによって、前記第2のセンサデータに基づいて前記トレーラ角度を求める、
ステップと、
前記トレーラ角度がゼロに等しい場合、
前記データ処理ハードウェアで、前記牽引車両が第1の方向に第2の閾値距離だけ移動した後に第3の位置に関連づけられた第3のセンサデータを受信し、
前記データ処理ハードウェアで、前記牽引車両が前記第1の方向とは異なる第2の方向に移動した後に第4の位置に関連づけられた第4のセンサデータを受信し、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1のセンサデータ、前記第2のセンサデータおよび前記第3のセンサデータに基づいて前記トレーラの前記長さを求める
ステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の閾値距離および前記第2の閾値距離が、所定の距離未満である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアから、該データ処理ハードウェアと通信するユーザインタフェースへ、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現を表示するように前記ユーザインタフェースに命令するコマンドを送信するステップと、
前記ユーザインタフェースで、前記手動モードの表現、前記半手動モードの表現および前記自律モードの表現のうち1つの選択を受信するステップと、
を含む、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアで、前記半手動モードの選択を受信するステップと、
前記牽引車両の前記第1の位置に関連づけられた前記第1のセンサデータを受信する前に、
前記データ処理ハードウェアから前記ユーザインタフェースへ、前記牽引車両の運転者が前記牽引車両を初期位置から前記第1の位置に移動させるために行う第1の操作を表示するように前記ユーザインタフェースに命令するコマンドを送信し、
前記データ処理ハードウェアで、前記ユーザインタフェースを介して、前記運転者からの、該運転者が前記第1の操作に追従したことを表す確認を受信する
ステップと、
を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアで、前記自律モードの選択を受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記牽引車両の前部および側部に配置されたセンサに関連づけられたセンサデータを受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1の位置、前記第2の位置および前記第3の位置を含む1つ以上の操作を含む車両経路を求めるステップと、
前記データ処理ハードウェアと通信する運転システムに、前記車両経路に追従するように命令するステップと、
を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
牽引車両に取り付けられたトレーラのトレーラ長さを求める方法であって、前記牽引車両が、前記トレーラに面する前記牽引車両の後部に配置された1つ以上のセンサを有し、前記牽引車両が操作を実行してトレーラを移動させ、前記方法が、
前記1つ以上のセンサと通信するデータ処理ハードウェアで、前記トレーラに関連づけられたトレーラ表現を含む前記牽引車両の後部環境の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記1つ以上の画像上に、前記トレーラに関連づけられたトレーラ幅およびトレーラ高さに等しい幅および高さを有する1つ以上の仮想トレーラを重ね合わせるステップと、
前記1つ以上の仮想トレーラのそれぞれについて、
前記データ処理ハードウェアと通信するハードウェアメモリに、前記仮想トレーラが、前記トレーラと前記牽引車両との間の角度を表す所定のトレーラ角度に到達する第1の時点を保存し、
前記ハードウェアメモリに、前記第1の時点における前記1つ以上の画像内の前記トレーラ表現のトレーラ表現位置を保存し、
前記ハードウェアメモリに、前記仮想トレーラが前記所定のトレーラ角度に到達する第2の時点を保存し、
前記ハードウェアメモリに、前記トレーラ表現が前記トレーラ表現位置に到達する第3の時点を保存する
ステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記1つ以上の仮想トレーラのそれぞれの前記第1の時点、前記第2の時点、前記第3の時点に基づいて前記トレーラの前記トレーラ長さを求めるステップと、
前記データ処理ハードウェアから該データ処理ハードウェアと通信するユーザインタフェースへ命令を送信し、前記トレーラ長さを表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記方法はさらに、
前記1つ以上の仮想トレーラのそれぞれについて、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1の時点と前記第2の時点との間の第1の差を求め、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1の時点と前記第3の時点との間の第2の差を求め、
前記データ処理ハードウェアで、前記第1の差と前記第2の差との間の第3の差を求める
ステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記1つ以上の仮想トレーラのそれぞれに関連づけられた前記第3の差に基づいて前記トレーラの前記トレーラ長さを求めるステップと、
を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第3の差に基づいて前記トレーラの前記トレーラ長さを求めるステップが、前記1つ以上の仮想トレーラに関連づけられた前記第3の差のそれぞれの間の値を補間するステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記所定のトレーラ角度が、10°である、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアから該データ処理ハードウェアと通信するユーザインタフェースへ、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現を表示するように前記ユーザインタフェースに命令するコマンドを送信するステップと、
前記ユーザインタフェースから、前記データ処理ハードウェアで、前記手動モードの表現、前記半手動モードの表現および前記自律モードの表現のうち1つの選択を受信するステップと、
を含む、請求項11から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアで、前記半手動モードの選択を受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアから、前記ユーザインタフェースへ、前記牽引車両の運転者が前記牽引車両を移動させるために行う第1の操作を表示するように前記ユーザインタフェースに命令するコマンドを送信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、前記ユーザインタフェースを介して、前記運転者からの、該運転者が前記第1の操作に追従したことを表す確認を受信するステップと、
を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記方法はさらに、
前記データ処理ハードウェアで、前記自律モードの選択を受信するステップと、
前記データ処理ハードウェアで、1つ以上の操作を含む車両経路を求めるステップと、
前記データ処理ハードウェアと通信する運転システムに、前記車両経路に追従するように命令するステップと、
を含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記方法はさらに、
各車両操作について、
前記データ処理ハードウェアで、現在のトレーラ角度を求めるステップと、
前記データ処理ハードウェアで、現在のトレーラ表現位置を求めるステップと、
を含む、請求項11から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記方法はさらに、前記データ処理ハードウェアで、前記現在のトレーラ角度と前記現在のトレーラ表現に基づいてマッピングを生成するステップを含み、
各トレーラ角度に対して、1つの現在のトレーラ表現位置が利用可能である、
請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トレーラに取り付けるように構成された牽引車両に関する。牽引車両は、トレーラの長さを検出するトレーラ長さ検出システムを含む。
【0002】
背景
トレーラは通常、動力牽引車両に牽引される無動力車両である。トレーラは、特に、ユーティリティトレーラ、ポップアップキャンピングカー、走行トレーラ、家畜用トレーラ、フラットベッドトレーラ、密閉型自動車運搬車およびボートトレーラであってよい。牽引車両は、自動車、クロスオーバー、トラック、バン、スポーツユーティリティビークル(SUV)、レクリエーショナルビークル(RV)、またはトレーラに取り付けてトレーラを牽引するように構成された他の任意の車両であってよい。トレーラは、トレーラヒッチを使用して動力車両に取り付けることができる。レシーバヒッチが牽引車両に取り付けられており、トレーラヒッチに接続して、接続を形成する。トレーラヒッチは、ボールおよびソケット、第5輪およびグースネック、またはトレーラジャックであってよい。その他の取り付け機構が使用されてもよい。幾つかの例では、トレーラと動力車両との間の機械的接続に加えて、トレーラは、牽引車両に電気的に接続される。このように、電気的接続により、トレーラは、動力車両のリアライト回路から給電を受けることができ、これにより、トレーラは、動力車両のライトと同期するテールライト、ウィンカ、ブレーキライトを有することができる。
【0003】
一部の車両は、後進運転時に運転者がトレーラを操作するのを支援するトレーラ支援機能を装備することができる。幾つかの例では、車両には、運転者がトレーラの操作を可能とするノブが装備されている。ノブは、運転者に、車両を後方へ操舵することでトレーラを後方へ押すのではなく、取り付けられたトレーラを後退中に直接操舵するという感覚を与える。このように、トレーラ支援機能は、運転者が後進方向に運転してノブを一方向に回転すると、トレーラが同じ方向に旋回するという直感的な感覚を運転者に与える。これにより、後退中にトレーラを操作するためのより単純で簡便な方法が得られる。車両がトレーラに接続されている場合、運転者は通常、他の幾つかのトレーラパラメータに加えて、トレーラの長さを手動で入力する。これにより、牽引車両が前進方向および後進方向の両方でトレーラをよりよく操作し、トレーラ支援機能を有効にすることが可能となる。
【0004】
付加的に、トレーラシステムでは、牽引車両が観測された動的特性からトレーラの長さを識別できるようにするため、幾つかの車道操作(前進方向での運転中の90°旋回)が必要になる場合がある。運転者がトレーラの長さを手動で入力すること、また或る場合にはトレーラに取り付けられている牽引車両を運転してトレーラの長さを識別することは、煩雑で、実用的でない場合がある。したがって、手動入力、または特定の長さの時間もしくは特定の距離の運転の必要をなくし、かつトレーラの長さを求めることができるシステムを設けることが望ましい。
【0005】
概要
本開示の一態様では、牽引車両が経路に追従している間に牽引車両に取り付けられたトレーラのトレーラ長さを求めるための方法を提供する。牽引車両は、トレーラに面する牽引車両の後部に配置された1つ以上のセンサを有する。方法は、1つ以上のセンサと通信するデータ処理ハードウェアで、経路に沿った牽引車両の第1の位置に関連づけられた第1のセンサデータを受信することを含む。方法はまた、データ処理ハードウェアで、経路に沿った牽引車両の第2の位置に関連づけられた第2のセンサデータを受信することを含む。第2の位置は第1の位置とは異なる。方法はまた、データ処理ハードウェアで、経路に沿った牽引車両の第3の位置に関連づけられた第3のセンサデータを受信することを含み、第3の位置は、第1の位置および第2の位置とは異なる。方法はまた、データ処理ハードウェアで、第1のセンサデータ、第2のセンサデータおよび第3のセンサデータに基づいてトレーラ長さを求めることを含む。方法はまた、データ処理ハードウェアからこれと通信するユーザインタフェースに命令を送信し、トレーラ長さを表示することを含む。
【0006】
本開示の当該態様の実装形態は、以下の任意の特徴のうち1つ以上を含みうる。幾つかの実装形態では、方法はさらに、第2のセンサデータを受信する前に、データ処理ハードウェアで、第1のセンサデータに基づいて牽引車両とトレーラとの間の第1のトレーラ角度を求めることを含む。さらに、第1のトレーラ角度がゼロに等しくない場合、方法は、牽引車両が第1の位置から第2の位置に移動した後に第2のトレーラ角度を求めることを含む。幾つかの実施例では、第1の位置と第2の位置との間の距離および第2の位置と第3の位置との間の距離が、それぞれ所定の距離未満である。
【0007】
幾つかの実装形態では、方法は、データ処理ハードウェアからこれと通信するユーザインタフェースへ、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現を表示するようにユーザインタフェースに命令するコマンドを送信することを含む。方法はまた、ユーザインタフェースから、データ処理ハードウェアで、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現のうち1つの選択を受信することを含む。幾つかの実施例では、方法はまた、データ処理ハードウェアで、半手動モードの選択を受信することを含む。さらに、牽引車両の第1の位置に関連づけられた第1のセンサデータを受信する前に、方法は、データ処理ハードウェアからユーザインタフェースへ、牽引車両の運転者が牽引車両を初期位置から第1の位置に移動させるために行う第1の操作を表示するようにユーザインタフェースに命令するコマンドを送信することと、ユーザインタフェースを介して、運転者からの、当該運転者が第1の操作に追従したことを表す確認を受信することと、を含む。方法はまた、データ処理ハードウェアで、自律モードの選択を受信することと、データ処理ハードウェアで、牽引車両の前部および側部に配置されたセンサに関連づけられたセンサデータを受信することとを含みうる。付加的に、方法は、データ処理ハードウェアで、第1の位置、第2の位置および第3の位置に牽引車両を位置づけることを含む1つ以上の操作を含む車両経路を求めることと、データ処理ハードウェアと通信する運転システムに、車両経路に追従するように命令することとを含みうる。
【0008】
本開示の別の態様では、牽引車両に取り付けられたトレーラの長さを求めるための方法を提供する。牽引車両は、トレーラに面する牽引車両の後部に配置された1つ以上のセンサを有する。方法は、1つ以上のセンサと通信するデータ処理ハードウェアで、牽引車両の第1の位置に関連づけられた第1のセンサデータを受信することを含む。方法はまた、データ処理ハードウェアによって、第1のセンサデータに基づいて牽引車両とトレーラとの間のトレーラ角度を求めることを含む。トレーラの角度がゼロに等しくない場合、方法は、データ処理ハードウェアで、牽引車両が直線経路に沿って第1の閾値距離だけ移動した後に牽引車両の第2の位置に関連づけられた第2のセンサデータを受信することと、データ処理ハードウェアによって、第2のセンサデータに基づいてトレーラ角度を求めることとを含む。トレーラ角度がゼロに等しい場合、方法は、データ処理ハードウェアで、牽引車両が第1の方向に第2の閾値距離だけ移動した後に第3の位置に関連づけられた第3のセンサデータを受信することを含む。方法はまた、データ処理ハードウェアで、牽引車両が第1の方向とは異なる第2の方向に移動した後に第4の位置に関連づけられた第4のセンサデータを受信することと、データ処理ハードウェアで、第1のセンサデータ、第2のセンサデータおよび第3のセンサデータに基づいてトレーラの長さを求めることとを含む。方法はまた、データ処理ハードウェアからこれと通信するユーザインタフェースへ命令を送信し、トレーラ長さを表示することを含む。
【0009】
本開示の実装形態は、以下の任意の特徴の1つ以上を含みうる。幾つかの実装形態では、第1の閾値距離および第2の閾値距離は、所定の距離未満である。幾つかの実施例では、方法は、データ処理ハードウェアからこれと通信するユーザインタフェースへ、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現を表示するようにユーザインタフェースに命令するコマンドを送信することを含む。付加的に、方法は、ユーザインタフェースで、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現のうち1つの選択を受信することを含みうる。幾つかの実施例では、方法は、データ処理ハードウェアで、半手動モードの選択を受信することを含む。牽引車両の第1の位置に関連づけられた第1のセンサデータを受信する前に、方法は、データ処理ハードウェアからユーザインタフェースへ、牽引車両の運転者が牽引車両を初期位置から第1の位置に移動させるために行う第1の操作を表示するようにユーザインタフェースに命令するコマンドを送信することと、データ処理ハードウェアで、ユーザインタフェースを介して運転者からの確認を受信することとを含みうる。確認は、当該運転者が第1の操作に追従したことを表す。
【0010】
幾つかの実装形態では、方法はさらに、データ処理ハードウェアで、自律モードの選択を受信することと、データ処理ハードウェアで、牽引車両の前部および側部に配置されたセンサに関連づけられたセンサデータを受信することとを含む。方法はまた、データ処理ハードウェアで、第1の位置、第2の位置および第3の位置を含む1つ以上の操作を含む車両経路を求めることと、データ処理ハードウェアと通信する運転システムに、車両経路に追従するように命令することとを含みうる。
【0011】
本開示のさらに別の態様では、牽引車両に取り付けられたトレーラのトレーラ長さを求めるための方法を提供する。牽引車両は、トレーラに面する牽引車両の後部に配置された1つ以上のセンサを有する。牽引車両は、操作を実行し、トレーラを移動させる。方法は、1つ以上のセンサと通信するデータ処理ハードウェアで、トレーラに関連づけられたトレーラ表現を含む牽引車両の後部環境の1つ以上の画像を受信することを含む。方法は、データ処理ハードウェアで、1つ以上の画像上に、トレーラに関連づけられたトレーラ幅およびトレーラ高さに等しい幅および高さを有する1つ以上の仮想トレーラを重ね合わせることを含む。1つ以上の仮想トレーラのそれぞれについて、方法は、データ処理ハードウェアと通信するハードウェアメモリに、仮想トレーラが所定のトレーラ角度に到達する第1の時点を保存することを含む。所定のトレーラ角度は、トレーラと牽引車両との間の角度を表す。方法はまた、1つ以上の仮想トレーラのそれぞれについて、ハードウェアメモリに、第1の時点における1つ以上の画像内のトレーラ表現のトレーラ表現位置を保存することと、ハードウェアメモリに、仮想トレーラが所定のトレーラ角度に到達する第2の時点を保存することと、ハードウェアメモリに、トレーラ表現がトレーラ表現位置に到達する第3の時点を保存することと、を含む。方法はまた、データ処理ハードウェアで、1つ以上の仮想トレーラのそれぞれの第1の時点、第2の時点、第3の時点に基づいてトレーラのトレーラ長さを求めることと、データ処理ハードウェアからこれと通信するユーザインタフェースへ命令を送信し、トレーラ長さを表示することとを含む。
【0012】
本開示の当該態様の実装形態は、以下の任意の特徴のうち1つ以上を含みうる。幾つかの実装形態では、1つ以上の仮想トレーラのそれぞれについて、方法は、データ処理ハードウェアで、第1の時点と第2の時点との間の第1の差を求めることと、データ処理ハードウェアで、第1の時点と第3の時点との間の第2の差を求めることと、データ処理ハードウェアで、第1の差と第2の差との間の第3の差を求めることとを含む。付加的に、方法は、データ処理ハードウェアで、1つ以上の仮想トレーラのそれぞれに関連づけられた第3の差に基づいてトレーラのトレーラ長さを求めることを含みうる。
【0013】
幾つかの実装形態では、第3の差に基づいてトレーラのトレーラ長さを求めることは、1つ以上の仮想トレーラに関連づけられた第3の差のそれぞれの間の値を補間することを含む。所定のトレーラ角度は、以下に限定されるものではないが、10°であってよい。
【0014】
幾つかの実施例では、方法は、データ処理ハードウェアからこれと通信するユーザインタフェースへ、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現を表示するようにユーザインタフェースに命令するコマンドを送信することを含む。方法はまた、ユーザインタフェースから、データ処理ハードウェアで、手動モードの表現、半手動モードの表現および自律モードの表現のうち1つの選択を受信することを含みうる。幾つかの実装形態では、方法はまた、データ処理ハードウェアで、半手動モードの選択を受信することと、データ処理ハードウェアからユーザインタフェースへ、牽引車両の運転者が牽引車両を移動させるために行う第1の操作を表示するようにユーザインタフェースに命令するコマンドを送信することと、データ処理ハードウェアで、ユーザインタフェースを介して、運転者からの、当該運転者が第1の操作に追従したことを表す確認を受信することとを含む。幾つかの実施例では、方法は、データ処理ハードウェアで、自律モードの選択を受信することと、データ処理ハードウェアで、1つ以上の操作を含む車両経路を求めることと、データ処理ハードウェアと通信する運転システムに、車両経路に追従するように命令することとを含む。
【0015】
本開示の1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の詳細な説明に記載されている。他の態様、特徴および利点は、詳細な説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】トレーラに連結された例示的な牽引車両の斜視図である。
図1B】トレーラ長さ検出システムを有する例示的な牽引車両の概略図である。
図1C】取り付けられたトレーラの長さを求めるために経路に沿って自律運転を行うように構成された例示的な牽引車両の概略図である。
図2A】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第1の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図2B】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第1の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図2C】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第1の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図2D】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第1の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図3A】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第2の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図3B】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第2の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図3C】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第2の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図3D】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第2の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図3E】取り付けられたトレーラの長さを求めるための第2の所定の経路に沿った例示的な牽引車両の斜視図である。
図4】牽引車両に取り付けられたトレーラの長さを求めるための例示的なグラフの概略図である。
図5】牽引車両に取り付けられたトレーラの長さを求めるための動作の例示的な構成のフロー図である。
図6】半手動モードで牽引車両に取り付けられたトレーラの長さを求めるための動作の例示的な構成のフロー図である。
図7】自律モードで牽引車両に取り付けられたトレーラの長さを求めるための動作の例示的な構成のフロー図である。
図8A】車両表現および2つの仮想トレーラを含む例示的な画像の概略図である。
図8B】車両表現および2つの仮想トレーラを含む例示的な画像の概略図である。
図9A】車両およびトレーラがリアルタイムで運転されもしくは移動するときの車両表現および2つの仮想トレーラの進行を示す例示的なグラフの概略図である。
図9B】車両およびトレーラがリアルタイムで運転されもしくは移動するときの車両表現および2つの仮想トレーラの進行を示す例示的なグラフの概略図である。
図9C】車両およびトレーラがリアルタイムで運転されもしくは移動するときの車両表現および2つの仮想トレーラの進行を示す例示的なグラフの概略図である。
図9D】車両およびトレーラがリアルタイムで運転されもしくは移動するときの車両表現および2つの仮想トレーラの進行を示す例示的なグラフの概略図である。
【0017】
各図面における同じ参照符号は同じ要素を表す。
【0018】
詳細な説明
牽引車両、例えば以下に限定されるものではないが自動車、クロスオーバー、トラック、バン、スポーツユーティリティビークル(SUV)およびレクリエーショナルビークル(RV)は、トレーラを牽引するように構成可能である。牽引車両は、トレーラヒッチを介してトレーラに接続される。運転者がトレーラの長さを手動で入力することなくトレーラの長さを検出することができる牽引車両を有することが望ましい。付加的に、牽引車両は、前進方向での長距離の運転を行う必要なく、例えば駐車場において短い操作を実行することによりトレーラ長さを求めることができることが望ましい。例えば、トレーラ長さは、後進方向のみの運転、または前進運動および後進運動の組み合わせによって求めることができる。このように、運転者は、任意のトレーラに接続でき、牽引車両は、トレーラの長さを検出することができる。
【0019】
図1Aおよび1Bを参照すると、幾つかの実装形態では、車両トレーラシステム100は、ヒッチ106によってトレーラ104に連結された牽引車両102を含む。牽引車両102は、例えば、x成分、y成分およびz成分を有する運転操作またはコマンドに基づいて、路面を横断して牽引車両102ひいては車両トレーラシステム100を操作する、牽引車両102に関連する運転システム110を含む。図示のように、運転システム110は、右前輪112、112a、左前輪112、112b、右後輪112、112cおよび左後輪112、112dを含む。さらに、運転システム110は、トレーラ104に関連する車輪(図示せず)を含みうる。運転システム110は、他の車輪構成も同様に含みうる。運転システム110は、1つの形態のエネルギーを、車両102を移動させうる機械的エネルギーに変換するモータまたはエンジン114を含みうる。運転システム110は、車輪112およびエンジン114と通信可能であり、これに接続されており、かつ車両102を移動させることができ、それによりトレーラ104も移動させうる他のコンポーネント(図示せず)を含む。運転システム110はまた、各車輪112、112a〜dに関連するブレーキ(図示せず)を含むブレーキシステム120を含むことができ、各ブレーキは、車輪112a〜112dに関連づけられ、車輪112a〜112dの回転を減速または停止するように構成されている。幾つかの実施例では、ブレーキシステム120は、トレーラ104によって支持されている1つ以上のブレーキに接続されている。運転システム110はまた、牽引車両102ひいては車両トレーラシステム100の速度を調整するように構成された加速システム122と、牽引車両102ひいては車両トレーラシステム100の方向を調整するように構成された操舵システム124とを含みうる。車両トレーラシステム100は、他のシステムも同様に含みうる。
【0020】
牽引車両102は、牽引車両102によって定義される3つの相互に垂直な軸(横軸X、前後軸Y、および中央垂直軸Z)に対する移動の様々な組み合わせによって路面を横断して移動することができる。横軸Xは、牽引車両102の右側Rと左側との間に延在する。前後軸Yに沿った前進運転方向は、前進運動とも呼ばれるFとして示される。付加的に、前後方向Yに沿った後退運転方向または後進運転方向は、後進運動とも呼ばれるRとして示される。幾つかの実例例では、牽引車両102は、サスペンションシステム(図示せず)を含み、当該サスペンションシステムは、調整されると、牽引車両102をX軸および/またはY軸の周りで傾斜させるか、または中央垂直軸Zに沿って運動させる。牽引車両102が移動すると、トレーラ104は、牽引車両102の経路に沿って追従する。したがって、牽引車両102が前進方向Fに移動しながら旋回するとき、トレーラ104はそれに追従する。旋回中、牽引車両102およびトレーラ104は、トレーラ角度φを形成する(図2B)。
【0021】
さらに、トレーラ104は、トレーラ104によって定義される3つの相互に垂直な軸(トレーラ横軸Χ、トレーラ前後軸Y、トレーラ中央垂直軸Ζ)に対する移動の様々な組み合わせによって路面を横断して牽引車両102に追従する。トレーラ横軸Χは、トレーラ104の右側Rと左側との間に延在する。トレーラ前後軸Yに沿った前進運転方向は、前進運動とも呼ばれるFとして示される。付加的に、前後方向Yに沿ったトレーラの後退運転方向または後進運転方向は、後進運動とも呼ばれるRとして示される。したがって、車両トレーラシステム100の移動には、牽引車両102の、横軸X、前後軸Yおよび中央垂直軸Zに沿った移動、ならびに、トレーラ104の、トレーラ横軸Χ、トレーラ前後軸Yおよびトレーラ中央垂直軸Ζに沿った移動が含まれる。したがって、牽引車両102が前進方向Fに移動しながら旋回するとき、トレーラ104が追従する。旋回中、牽引車両102およびトレーラ104は、車両の前後軸Yとトレーラ前後軸Yとの間の角度であるトレーラ角度φ(図2B)を形成する。
【0022】
幾つかの実装形態では、車両102は、1つ以上の測定値、例えばトレーラ長さLを求めるために使用可能なセンサデータ136を提供するセンサシステム130を含む。幾つかの実施例では、車両102は、自律型または半自律型であってよく、これにより、センサシステム130は、信頼性が高く堅牢な自律運転を提供する。センサシステム130は、センサデータ136を提供し、かつ車両トレーラシステム100によって使用される牽引車両の環境またはその一部分の認識を作成するために別々にまたは互いに使用可能な異なるタイプのセンサを含むことができ、その環境および/または幾つかの実施例において自律運転を行う対象物を識別し、センサシステム130によって検出された対象物および障害物に基づいてインテリジェントな決定を行う。幾つかの実施例では、センサシステム130は、牽引車両102の後部によって支持されており、対象物および牽引車両102の後方に位置するトレーラ104に関連するセンサデータ136を提供する。牽引車両102が、センサシステム130を支持することができるが、他の実施例では、センサシステム130は、車両102およびトレーラ104によって支持されてもよい。センサシステム130は、以下に限定されるものではないが、1つ以上の撮像デバイス132、132a〜132n(カメラ等)、ならびに、センサ134、134a〜134n、例えば以下に限定されるものではないが、レーダ、ソナー、LIDAR(Light Detection and Ranging:散乱光の特性を測定して遠くのターゲットの距離および/またはその他の情報を見つける光学リモートセンシングが必要になる場合がある)、LADAR(Laser Detection and Ranging)等を含むことができる。センサシステム130は、1つ以上のカメラ132、132a〜132nからのセンサ画像133の1つまたは両方、および1つ以上のセンサ134、134a〜134nからのセンサ情報135を含むセンサデータ136を提供する。したがって、センサシステム130は、車両の環境または環境の一部分の情報を受信するために、かつ半自律的または自律的な条件下で動作可能な車両トレーラシステム100の安全性を高めるために、特に有用である。
【0023】
牽引車両102は、ユーザインタフェース140、例えばディスプレイを含むことができる。ユーザインタフェース140は、運転者に情報を表示するように構成される。幾つかの実施例では、ユーザインタフェース140は、1つ以上の入力機構またはタッチスクリーンディスプレイ142を介して運転者から1つ以上のユーザコマンドを受信し、かつ/または1つ以上の通知を運転者に表示するように構成される。幾つかの実施例では、ユーザインタフェース140は、タッチスクリーンディスプレイ142である。このように、図1Aに示したごとく、運転者は自分の指で指示して、実行されるアクションの表現144を選択することができる。他の実施例では、ユーザインタフェース140はタッチスクリーンではなく、運転者は、入力デバイス、例えば以下に限定されるものではないが回転ノブまたはマウスを使用して、実行されるアクションの表現144を選択することができる。
【0024】
ユーザインタフェース140は、コンピューティングプロセッサ上で実行可能な命令を保存することができる非一時性メモリまたはハードウェアメモリ154(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ)と通信するコンピューティングデバイス(またはデータ処理ハードウェア)152(例えば1つ以上のコンピューティングプロセッサを有する中央処理装置)を含む車両コントローラ150と通信する。幾つかの実施例では、非一時性メモリ154は、コンピューティングデバイス152上で実行されたときに車両コントローラ150に信号またはコマンド174を運転システム110に提供させ、車両102の特徴の変化をもたらす命令を保存する。示しているように、車両コントローラ150は、牽引車両102によって支持されている。しかしながら、車両コントローラ150は、牽引車両102から分離可能であり、ネットワーク(図示せず)を介して牽引車両102と通信可能である。さらに、車両コントローラ150は、センサシステム130と通信しており、センサシステム130からセンサデータ136を受信する。幾つかの実装形態では、車両コントローラ150は、センサシステム130から受信したセンサデータ136を処理するように構成されている。
【0025】
幾つかの実装形態では、車両コントローラ150は、牽引車両102に連結されるトレーラ104の長さLを求めるように構成されたトレーラパラメータ識別機能160を実行する。トレーラ104の長さLは、ヒッチ点106とトレーラ104の後車軸との間の距離である。牽引車両102は、トレーラ104に取り付けられている間、トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ104の長さLを求めることを可能にする所定の操作を有する経路に追従する。トレーラパラメータ識別機能160は、車両トレーラシステム100が所定の操作を含む経路に沿って移動している間に、牽引車両102の後側部に配置されたセンサシステム130のセンサ132、134からセンサデータ136を受信する(図2A図2Dおよび図3A図3E)。受信したセンサデータ136に基づいて、トレーラパラメータ識別機能160は、トレーラ104の長さLを求める。トレーラパラメータ識別機能160は、手動モード160a、半手動モード160b、または自律モード160c(図1C)で機能することができる。幾つかの実施例では、牽引車両102は、手動モード160a、半手動モード160bまたは自律モード160cのうち1つのみで機能するように構成可能である。他の実施例では、運転者は、トレーラパラメータ識別機能160に実行させたい160a〜160cを選択する。図1Bは、手動モード160aおよび/または半手動モード160bを実行するように構成されたトレーラパラメータ識別機能160を示す。図1Cは、自律モード160cを含む。
【0026】
手動モード160aの間、運転者は、所定の操作(図2A図2Dまたは図3A図3D)を含む命令に追従し、これにより、牽引車両102が経路に沿って運転される。運転中、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の後側部に配置されたセンサ132、134からセンサデータ136を受信し、受信したセンサデータ136に基づいてトレーラ104の長さLを求める。幾つかの実施例では、トレーラパラメータ識別機能160は、運転者が操作を実行している間(例えば運転者が左に曲がっている間)に、センサデータ136を受信する。他の実施例では、トレーラパラメータ識別機能160は、センサデータ136を連続的に受信する。運転者への命令は、例えば、ユーザインタフェース140に表示されてもよく、または運転者マニュアルに提供されてもよい。
【0027】
半手動モード160bは、図2A図2Dまたは図3A図3Dに示される経路に追従するように、ユーザインタフェース140を介して所定の操作を運転者に提供し、各操作の後に、運転者は自分が操作を実行したことを確認する必要がある。運転者が所定の操作に追従している間、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の後側部に配置されたセンサ132、134からセンサデータ136を受信し、これによりトレーラパラメータ識別機能160はトレーラ104の長さLを求めることができる。半手動モード160bの間、運転者は、自分が所定の操作を完了したことを認識することにより、ユーザインタフェース140と対話する。運転者が全ての所定の操作を完了すると、トレーラパラメータ識別機能160はトレーラの長さLを求める。
【0028】
運転者は、ユーザインタフェース140に表示される自律モード表現144cの選択を行うことにより、自律モード160cを開始することができる。自律モード表現144cの選択が行われると、牽引車両102は、トレーラ104に取り付けられている間、所定の操作に沿って自律的に運転を行う。この場合、車両コントローラ150は、トレーラ104の長さLを求めるために、牽引車両102の後側部に配置されたセンサ132、134からセンサデータ136を受信し、さらに所定の経路に沿って対象物を識別して、識別された対象物を回避するために、牽引車両102および/または車両トレーラシステム100の周囲(例えば、車両102および/またはトレーラ104の側部、車両102の前部、トレーラ104の後部)に配置されたセンサ132、134からセンサデータ136を受信する。したがって、自律モード160dの間、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の後方に配置されたセンサ132、134から受信したセンサデータ136に応じて、トレーラ104の長さLを求め、他の全てのセンサ132、134に応じて、所定の操作を含む経路に沿って自律運転を提供する。
【0029】
図1Cを参照すると、幾つかの実装形態では、自律モード160c中に、車両コントローラ150が対象物検出システム162を実行する。対象物検出システム162は、牽引車両102の周囲に配置されたカメラ132および/またはセンサ134を有するセンサシステム130からセンサデータ136を受信する。対象物検出システム162は、受信したセンサデータ136を処理し、牽引車両102の環境内の1つ以上の対象物を識別する。幾つかの実施例では、対象物検出システム162はまた、トレーラ104からセンサデータを受信し、トレーラ104の環境内の1つ以上の対象物を識別することができる。
【0030】
引き続き図1Cを参照すると、車両コントローラ150は、経路計画システム164を実行し、経路計画システム164では、トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ104の長さLを求めることを可能にする所定の操作を含む経路が計画される。経路計画システム164は、前進方向F、後進方向R、またはそれらの組み合わせで牽引車両102を操作することを含みうる。したがって、経路は、前進方向F、F、後進方向R、Rまたはこれらの組み合わせで車両トレーラシステム100を操作することを含みうる。
【0031】
車両トレーラシステム100が計画経路に沿って自律的に操作するため、経路計画システム164は、センサシステム130からセンサデータ136を連続的に受信することに基づいて経路を連続的に更新する。幾つかの実施例では、対象物検出システム162は、計画経路に沿った1つ以上の対象物を識別し、1つ以上の対象物の位置に関するデータを経路計画システム164に送信する。この場合、経路計画システム164は、計画経路を再計算して、1つ以上の対象物を回避する。幾つかの実施例では、経路計画システム164は衝突確率を求め、当該衝突確率が所定の閾値を超える場合、経路計画システム164により経路が調整され、運転者支援システム170に送信される。
【0032】
経路計画システム164が計画経路を求めると、車両コントローラ150は、さらに経路追従行動部172を含む運転者支援システム170を実行する。経路追従行動部172は、計画経路を受信し、コマンド174を運転システム110に送信する1つ以上の行動部172a〜172cを実行して、車両102を計画経路に沿って自律運転させ、これにより、車両トレーラシステム100は計画経路に沿って自律運転を行う。
【0033】
経路追従行動部172は、1つ以上の行動部、例えば以下に限定されるものではないが、制動行動部172a、速度行動部172bおよび操舵行動部172cを含むことができる。各行動部172a〜172cは、車両102ひいては車両トレーラシステム100に、所定のアクション、とりわけ前方または後方への運転、特定の角度での旋回、制動、加速、減速を実行させる。車両コントローラ150は、運転システム110を制御することにより、より具体的にはコマンド174を運転システム110に発出することにより、路面を横断する任意の方向に車両トレーラシステム100を操作することができる。
【0034】
制動行動部172aは、車両トレーラシステム100を停止するため、または計画経路に基づいて車両トレーラシステム100の速度を低下させるために実行可能である。制動行動部172aは、信号またはコマンド174を運転システム110に、例えば、ブレーキシステム(図示せず)に送信して、車両トレーラシステム100を停止するか、または車両トレーラシステム100の速度を低下させる。前述のように、牽引車両102のブレーキシステム120は、トレーラ104のブレーキシステム(図示せず)と通信することができる。したがって、制動行動部172aは、牽引車両102のブレーキおよびトレーラ104のブレーキにより、速度を低下させるか、または車両トレーラシステム100を停止させることができる。
【0035】
速度行動部172bは、計画経路に基づいて加速または減速することによって車両トレーラシステム100の速度を変更するために実行可能である。速度行動部172bは、信号またはコマンド174を、減速する場合はブレーキシステム120に、加速する場合は加速システム122に、送信する。
【0036】
操舵行動部172cは、計画経路に基づいて車両トレーラシステム100の方向を変化させるために実行可能である。このように、操舵行動部172cは、運転システム110に方向を変化させる操舵の角度を表す信号またはコマンド174を加速システム122に送信する。
【0037】
したがって、図1A図1Cを参照して説明したように、トレーラパラメータ識別機能160は、3つのモード(手動モード160a、半手動モード160bおよび自律モード160c)のうち1つで、トレーラ104の長さLを求めることができる。モード160a〜160cに関係なく、トレーラパラメータ識別機能160は、所定の操作を含む計画経路に追従する。牽引車両102の後側部に配置されたセンサシステム130のセンサ132、134は、センサデータ136を捕捉し、センサデータ136をトレーラパラメータ識別機能160に送信して、トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ104の長さLを求めることができるようにする。
【0038】
図2A図2Dを参照すると、幾つかの実装形態では、牽引車両102およびトレーラ104が所定の操作を含む経路に沿って移動しているときに、トレーラパラメータ識別機能160がセンサデータ136を受信する。幾つかの実施例では、トレーラ識別機能160が、受信したセンサデータを車両コントローラ150のハードウェアメモリ154に保存し、当該トレーラパラメータ識別機能160が所定の操作の各々に関連するセンサデータ136を受信すると、当該トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ長さLを求める。例えば、トレーラパラメータ識別機能160は、第1の操作に関連する第1のセンサデータ136、第2の操作に関連する第2のセンサデータ136、および第3の操作に関連する第3のセンサデータ136を受信する。追加の操作も必要となる場合がある。
【0039】
幾つかの実装形態では、第1の車両操作は、図2Aに示される直線操作P1aであり、車両トレーラシステム100は、トレーラ角度φがゼロに等しくなるまで、すなわち牽引車両102およびトレーラ104が直線状に整列するまで、前進方向Fに運転される。換言すれば、牽引車両102の前後軸Yは、トレーラ104の前後軸Yと平行となりかつ整列する。この場合、車両コントローラ150は、短い距離だけ前方に牽引してトレーラ角度φがゼロに等しいことを検証することにより、任意で直線位置を確認することができる。当該短い前進操作P1aは、トレーラフィーチャを環境から区別するためにも使用できる。
【0040】
図2Bを参照すると、位置P2aに示されるように、トレーラ角度φがゼロに等しくなった後、牽引車両102が、その車輪112(前輪および/または後輪が操舵のために使用可能である)、より具体的にはその前輪112a、112bを左または右に旋回させることを含む、第2の操作を実行する。第3の操作は、位置P3aに示されるように、牽引車両102が後進方向Rに移動し、トレーラ104を後進方向Rに移動させることを含む。牽引車両102ひいてはトレーラ104の後進方向R、Rへの移動により、トレーラ角度φがゼロでない角度に変化する。
【0041】
図2Cを参照すると、車両コントローラ150が向きの変化、すなわちトレーラ角度φがゼロでないことを検出して、牽引車両102の前輪112a、112bが、位置P4a(第3の操作)に示されるように反対方向に旋回される。例えば、前輪112a、112bが図2Bで右に旋回された場合、次に、前輪112a、112bは図2Cでは左に旋回される。また、前輪112a、112bが図2Bで左に旋回された場合、次に、前輪112a、112bは図2Cでは右に旋回される。さらに、前輪112a、112bが反対方向に旋回されると、牽引車両102は、トレーラが図2Dに示されているP5aの基準位置に到達するまで、後進方向Rへの移動を続ける(第4の操作)。幾つかの実施例では、基準位置は、図2Dに示されるように、トレーラ角度φがゼロに等しいときである。付加的に、車両102は、一連の短い前進操作または前進操作に続いての短い後進操作で移動することができ、これにより、車両コントローラ150がトレーラパラメータ識別機能160のための十分なデータ点を収集して、トレーラ104の長さLを求めることが保証される。幾つかの実装形態では、操作後の各位置間の距離は、所定の距離未満であるため、全体の操作が短い運転の合計に保たれる。したがって、上記では4つの操作のみを説明したが、トレーラ104の長さLを求めるのに十分なデータ点を収集するための追加の操作も可能でありうる。
【0042】
図3A図3Dは、トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ104の長さLを求めることを可能にする、牽引車両102が追従可能な異なる一組の操作を示す。図3Aを参照すると、第1の車両操作は直線状操作であり、車両トレーラシステム100が、位置P1bに示されるように、トレーラ角度φがゼロに等しくなるまで、すなわち牽引車両102およびトレーラ104が直線状に整列するまで、前進方向Fへ運転される。換言すれば、牽引車両102の前後軸Yは、トレーラ104の前後軸Yと平行となりかつ整列する。図2Aと同様に、車両コントローラ150は、短い距離だけ前方に牽引してトレーラ角度φがゼロに等しいことを検証することにより、任意で直線位置を確認することができる。当該短い前進操作P1aは、トレーラフィーチャを環境から区別するためにも使用できる。
【0043】
図3Bを参照すると、トレーラ角度φがゼロに等しくなった後、牽引車両102が、位置P2bでその車輪112、より具体的にはその前輪112a、112bを左または右に旋回させることによって第2の操作を実行し、第3の操作では、位置P3bに示されるように、後進方向Rに移動を開始し、トレーラ104も後進方向Rに移動する。牽引車両102ひいてはトレーラ104の後進方向R、Rへの移動により、トレーラ角度φがゼロでない角度に変化する。
【0044】
図3Cを参照すると、車両コントローラ150が向きの変化、すなわちトレーラ角度φがゼロでないことを検出し、牽引車両102の前輪112a、112bが、図3Cの位置P4bに示されるように、第4の操作において反対方向に旋回される。例えば、前輪112a、112bが図3Bで右に旋回された場合、次に、前輪112a、112bは図3Cでは左に旋回される。また、前輪112a、112bが図3Bで左に旋回された場合、次に、前輪112a、112bは図3Cでは左に旋回される。
【0045】
さらに、前輪112a、112bが反対方向に旋回されると、牽引車両102は、図3Dの位置P5bに示されるように、第5の操作で前進方向Fに移動する。車両トレーラシステム100は、トレーラが図3Eに示されるP6bの基準位置に到達するまで、前進方向Fに移動し続ける。幾つかの実施例では、基準位置は、図3Eに示されるように、トレーラ角度φがゼロに等しいときである。図2A図2Dで説明した操作と同様に、車両102は、付加的に、車両コントローラ150がトレーラパラメータ識別機能160のための十分なデータ点を収集して、トレーラ104の長さLを求めることが保証されるよう、一連の操作で移動可能である。
【0046】
トレーラパラメータ識別機能160は、車両102が所定の操作を含む経路に沿って運転される間に、センサシステム130、特に牽引車両102の後部に配置されたセンサ132、134から、センサデータ136を受信し、受信したセンサデータ136に基づいて、トレーラ104の長さLを求める。トレーラ104の長さLを求めるために、幾つかの方法が使用可能である。
【0047】
図4を参照すると、幾つかの実装形態では、トレーラパラメータ識別機能160は、異なる長さLを有するトレーラ104について、異なるトレーラ角度φ対走行距離の所定のプロットを有し、求められたトレーラ角度φに基づいてトレーラ長さLを求めることができる。
【0048】
図2A図2Dおよび図3A図3Eに関して説明した短い操作は、異なるトレーラ長さLに対して異なるトレーラ角度φをもたらしうる。トレーラ角度φは、トレーラ長さLと他の車両パラメータの関数であり、次の時間領域微分方程式(またはその運動学的等価物)
【数1】
で示され、式中、ωtowは牽引車両のヨーレート、Lはヒッチ長(つまり、牽引車両102の後車軸の中心からヒッチ点106までの距離)、Lはトレーラ長さ(すなわち、ヒッチ点106とトレーラ104の後車軸との間の距離)、vtowは牽引車両102(図2A)の速度である。
【0049】
図4は、所定の操作を実行する特定の牽引車両102について、3つの異なるトレーラ長さLT1=X、LT2=Y、およびLT3=Zについてのシミュレートされたトレーラ角度φを示す。グラフのX軸は、牽引車両102が操作中にカバーする距離をメートルで示す。当該実施例では、牽引車両102の一方後部に配置されかつ後方を向いたセンサ132、134によって生成されたデータがトレーラ角度φの関数であるため、当該生成されたデータの差を利用して、他のトレーラ104の対象トレーラパラメータを識別することができる。幾つかの実施例では、保存されたセンサデータ136は、実際のトレーラ角度φにマッピング可能である。センサデータ136がセンサ画像133を含む場合、追跡された地点もしくは特徴の3次元位置が識別可能であり、トレーラ角度φが利用可能でありうる。
【0050】
トレーラ長さLを求めるための上記の方法を説明したが、センサシステム130から受信したセンサデータ136に依存する他の方法も同様に使用可能である。
【0051】
図5は、図1A図1Cで説明したように、トレーラ長さLを検出するためのトレーラパラメータ識別機能160を有する車両102のフローチャート500を示す。ブロック502で、運転者は、牽引車両102のユーザインタフェース140を介して、車両102(すなわち車両コントローラ150)がトレーラ長さLの計算を開始することを望んでいることを示す。幾つかの実施例では、車両コントローラ150は、手動モード160a、半手動モード160bまたは自律モード160cの3つのモードのうち1つを選択するように運転者に促す。例えば、図1Aを参照すると、ディスプレイ142は、手動モード表現144a、半手動モード表現144bおよび自律モード表現144cの3つの選択肢の表現144を運転者に提供する。表現144a〜144cの1つを選択した後、車両コントローラ150は、モード160a〜160cのうち1つを実行する。示しているように、運転者は、3つの利用可能なモード160a〜160cからモードを選択する選択肢を有する。また、幾つかの実施例では、運転者が選択する選択肢を有さず、車両コントローラが運転者にモード160a〜160cのうち1つを提供する。
【0052】
ブロック506で、車両コントローラ150は、運転者がどの選択をしたかを判別する。運転者が手動モード160aを選択した場合、次に、ブロック508で、車両コントローラ150は、車両102が計画経路に沿って移動する際、センサシステム130をトリガしてセンサデータ136の捕捉を開始し、センサデータ136をメモリハードウェア154に保存して、トレーラパラメータ識別機能160に送信する。手動モード160aでは、運転者は、一連の命令、例えば、マニュアルのハードコピー、または運転者が実行する必要がある操作(図2A図2Cもしくは図3A図3D)を運転者に命令するための、ユーザインタフェース140に表示される命令を有する。こうして、運転者は、図2A図2Cまたは図3A図3Dに示す経路に沿って牽引車両102の運転を行う。決定ブロック512において、車両コントローラ150は、車両トレーラシステム100が図2Dまたは図3Eに示される基準位置に到達したかどうかを判別する。車両トレーラシステム100が基準位置に到達していないと車両コントローラ150が判別した場合、センサシステム130はセンサデータ136を捕捉し、これを車両コントローラ150に送信し続ける。車両トレーラシステム100が基準位置に到達していれば、トレーラパラメータ識別機能160は、センサデータ136内にトレーラ104の長さLを求めるのに十分なデータ点を有する。ブロック506で、運転者が半手動モード160bを選択した場合、または車両コントローラ150が半手動モード160bのみを提供した場合、車両コントローラ150は、図6に示される処理を実行する。さらに、ブロック506で、運転者が自律モード160cを選択した場合、または車両コントローラ150が自律モード160cのみを提供した場合、車両コントローラ150は、図7に示される処理を実行する。
【0053】
図6は、運転者が追従する必要がある一組の命令を運転者に提供する半手動モード160b中に車両コントローラ150が実行するフローチャートを示す。各命令が完了すると、運転者は、次の命令に移行する前に、ユーザインタフェース140を介してトレーラパラメータ識別機能160に確認入力を提供する。各命令には、運転者が一定期間または特定の距離の間、牽引車両102の運転を行う必要がある操作が含まれる。当該操作には、以下に限定されるものではないが、左折して40フィートの運転、20フィートの直進運転、左折して時速20マイルの速度で1分間の運転が含まれうる。
【0054】
ブロック602で、トレーラパラメータ識別機能160は、半手動モード160bの実行を開始し、決定ブロック604で、トレーラパラメータ識別機能160は、トレーラ104が牽引車両102に対して直線上にあるかどうかを判別する。換言すれば、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の前後軸Yが実質的にトレーラ104の前後軸Yと整列しているか、または平行であるかどうかを判別する。牽引車両102の前後軸Yが実質的にトレーラ104の前後軸Yと整列していないかまたは平行でないことをトレーラパラメータ識別機能160が判別した場合、トレーラパラメータ識別機能160は、信号をユーザインタフェース140に送信して、例えば特定の距離または特定の時間の間、車両トレーラシステム100を前進方向Fへ運転するように運転者を促す。決定ブロック604で、牽引車両102の前後軸Yが実質的にトレーラ104の前後軸Yと整列しているかまたは平行であることをトレーラパラメータ識別機能160が判別した場合、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の後部に配置されたセンサシステム130からのセンサデータ136の検出および/または保存を開始する。トレーラパラメータ識別機能160は、信号をユーザインタフェース140に送信して、ユーザに旋回操作を実行するように促す。例えば、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の車輪112を第1の方向(図2Bに示される位置P2a;図3Bに示される位置P2b)に旋回させ、次に後進方向R図2Bに示す位置P3a;図3Bに示される位置P3b)へ運転するように運転者にメッセージを表示する信号をユーザインタフェース140に送信する。次に、ブロック612で、トレーラパラメータ識別機能160は、運転者が、ユーザインタフェース140を介して、車輪112を第1の方向へ運動させてから後進方向Rへの運転を行ったという確認指示を入力するのを待機する。ブロック614で、トレーラパラメータ識別機能160は、ユーザインタフェース140に信号を送信して、牽引車両102の車輪112を第1の方向とは反対の第2の方向に旋回するようにメッセージを運転者に表示する。メッセージは、運転者が牽引車両102を停止させてから車輪112を旋回させることができること、または車両102が移動している間に車輪を旋回させることができることを表示可能である(図2Cおよび図3C)。決定ブロック616で、トレーラパラメータ識別機能160は、ユーザインタフェース140を介して、運転者が操作を実行したという運転者からの確認を待機する。ブロック618で、トレーラパラメータ識別機能160は、ユーザインタフェース140に信号を送信して、牽引車両102を後進方向R(図2D)または前進方向(図3D)へ運転するようにメッセージを運転者に表示する。次に、決定ブロック620で、トレーラパラメータ識別機能160は、トレーラ104が基準位置(図2Dに示される位置P5a;図3Eに示される位置P6b)に到達したかどうかを判別し、または換言すれば、トレーラパラメータ識別機能160が、トレーラ長さLを計算しまたは求めるのに十分なデータ点を有するかどうかを判別する。トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ長さLを求めるためにより多くのデータ点が必要であると判別した場合、ブロック622で、トレーラパラメータ識別機能160は、ユーザインタフェース140にメッセージを送信して、より多くのデータ点を取得するために必要な特定の操作を実行するように運転者に促す。トレーラパラメータ識別機能160が十分なデータ点を有しており、トレーラ104が決定ブロック620で基準位置に到達していれば、トレーラパラメータ識別機能160は、ブロック624で、トレーラ104の長さLを求める。
【0055】
図7は、自律モード160c中に車両コントローラ150が実行するフローチャート700を示す。自律モード160cにより、運転者は、車両コントローラ150が図2A図2Dまたは図3A図3Dに記載された経路に沿って車両トレーラシステム100を自律的に操作するよう望んでいることを、ユーザインタフェース140を介して車両コントローラ150に命令し、トレーラ104の長さLを求めることができる。自律モード160cの間、車両コントローラ150は、車両102の周囲に配置されたセンサから、また幾つかの実施例ではトレーラ104において同様に、センサデータ136を受信する。
【0056】
運転者が自律モード160cを選択すると、車両コントローラ150は、ブロック702で、自律モード160cでのトレーラパラメータ識別機能160の実行を開始する。半手動モード160bと同様に、決定ブロック704で、トレーラパラメータ識別機能160が、トレーラ104が牽引車両102に対して直線上にあるかどうかを判別する。換言すれば、トレーラパラメータ識別機能160は、牽引車両102の前後軸Yが実質的にトレーラ104の前後軸Yと整列しているか、または平行であるかどうかを判別する。牽引車両102の前後軸Yが実質的にトレーラ104の前後軸Yと整列していないかまたは平行でないことをトレーラパラメータ識別機能160が判別した場合、トレーラパラメータ識別機能160は、ブロック706で、信号を運転者支援システム170に送信して、車両トレーラシステムを整列させるコマンド174を運転システム110に送信する。例えば、運転者支援システム170は、車両トレーラシステム100が整列するまで、または、換言すれば、牽引車両102およびトレーラ104が整列するまで、前進方向に移動するように運転システム110に命令する。
【0057】
決定ブロック704を再び参照すると、牽引車両102およびトレーラ104が整列している場合、ブロック708で、車両コントローラ150は、運転システム110に命令して、前輪112a、112bを第1の方向に旋回させてから後進方向Rの運動を行わせ、トレーラ104を後進方向Rに移動させる。ブロック710で、車両コントローラ150は、運転システム110に、車両前輪112a、112bを第2の方向に旋回させるように命令する。例えば、図2Cに示す第2の方向は第1の方向とは反対の方向であるが、図3Cに示す第2の方向は第1の方向よりも大きな角度を有する方向である。運転システム110は、牽引車両102を停止させずに車両前輪112a、112bを第2の方向に旋回させることができ、または牽引車両102を停止させてから前輪112a、112bを旋回させることができる。
【0058】
ブロック712で、車両コントローラ150は、前進方向(図2D)または後進方向(図3E)への運動を行うように運転システム110に命令する。次に、決定ブロック714で、車両コントローラ150、例えば、トレーラパラメータ識別機能160は、トレーラ104が基準位置(図2Dに示される位置P5a;図3Eに示される位置P6b)に到達したかどうかを判別する。換言すれば、トレーラパラメータ識別機能160は、トレーラ長さLを計算するまたは求めるのに十分なデータ点を有するかどうかを判別する。トレーラ長さLを求めるためにより多くのデータ点が必要であることをトレーラパラメータ識別機能160が判別した場合、ブロック716で、トレーラパラメータ識別機能160がセンサシステム130から追加のセンサデータ136を受信することを可能にする操作を実行するように車両コントローラ150が運転システム110に命令し、トレーラパラメータ識別機能160がトレーラ104の長さLを求めることを可能にする。トレーラパラメータ識別機能160が十分なデータ点を有し、トレーラ104が決定ブロック714で基準位置に到達していれば、トレーラパラメータ識別機能160は、ブロック718で、トレーラ104の長さを求める。
【0059】
図8A図9Dは、リアルタイムでの実際のトレーラ表現804の移動に加えて、1つ以上の仮想トレーラの移動のシミュレーションに基づいてトレーラ長さLを求めるための別の方法を提供する。コントローラ150、すなわちトレーラパラメータ識別機能160は、それぞれが異なるトレーラ軸長LVT1、LVT2に関連づけられた一連の仮想トレーラ802をシミュレートし、異なるトレーラ軸長LVT1、LVT2を有する1つ以上の仮想トレーラ802の移動のシミュレーションに基づいて、実際のトレーラ長さLを求める。
【0060】
図8Aおよび図8Bは、後方カメラ132aから受信した画像133の上に重ね合わせられた仮想トレーラ802を示しており、各画像133は、実際のトレーラ104のトレーラ表現804を含む。図9A図9Dは、仮想トレーラ802およびトレーラ表現804の移動に関連するリアルタイムグラフ900aを示す。
【0061】
幾つかの実施例では、牽引車両102が、操作、例えば以下に限定されるものではないが図2A図2Dまたは図3A図3Eに記載された操作を実行しているため、車両コントローラ150は、後方カメラ132aから画像133を受信する。各受信画像133につき、車両コントローラ150は受信画像133内のトレーラ表現804を識別し、第1の実際のトレーラ一般化位置q、qt1をトレーラ表現804に関連づける。一般化位置q、qt1は、どの座標系内にあってもよい。幾つかの実施例では、一般化位置は、画像133内のトレーラ表現804に関連づけられたピクセルの位置である。コントローラ150はまた、1つ以上の仮想トレーラ802、802a、802bを画像133上に重ね合わせる。追加の仮想トレーラも画像133に重ね合わせることができる。示しているように、第1の仮想トレーラ802aは、実際のトレーラ104と同じ幅および高さで、実際のトレーラ104の軸長Lよりも短い軸長LVT1を有するトレーラを表す。一方、第2の仮想トレーラ802bは、実際のトレーラ104と同じ幅および高さで、実際のトレーラ104の軸長Lよりも長い軸長LVT2を有するトレーラを表す。図8Aは、直線状トレーラとも呼ばれる、車両102と整列されているトレーラ表現804の第1の位置を示す。示されているように、全てのトレーラ802、804が車両102と整列しているため、実際のトレーラ表現804および仮想トレーラ802a、802bに関連づけられた一般化位置qは、同じである。牽引車両102が操作を実行しているときに、一般化されたトレーラ位置qの行動を仮想トレーラ802a、802bの行動と比較して、トレーラ104の長さLを求めることができる。
【0062】
図8Aは、車両102と整列されている初期位置におけるトレーラ表現804および仮想トレーラ802a、802bを示す。図8Bは、トレーラ104が図2A図2Dまたは図3A図3Eに記載された操作に追従している間のトレーラ表現804および仮想トレーラ802a、802bを示す。コントローラ150は、仮想トレーラ802a、802bが、前後軸Yに対して所定の角度αに到達する時点s、記録された時点sにおけるトレーラ表現804の位置、および、トレーラ表現804が所定の角度αに2度目に到達する時点を記録する。所定の角度αは、以下に限定されるものではないが、5°、10°、20°または他の任意の角度であってよい。
【0063】
図9Aは、実際のトレーラ104ならびに第1および第2のトレーラ804a、804bが操作に追従するときの軌跡904、902a、902bのグラフを示す。実際の軌道904は、実際のトレーラ104の軌道を表す。第1の軌道902aは、第1の仮想トレーラ802aに関連づけられ、第2の軌道902bは、第2の仮想トレーラ802bに関連づけられる。横軸は時間sを表し、縦軸は一般化位置qを表す。幾つかの実装形態では、一般化位置qは、トレーラ角度φに関連づけられている。したがって、トレーラ104が移動するたびに、トレーラ表現804も同様に移動する。換言すれば、トレーラ104が移動してトレーラ角度φを増加させる場合、トレーラ表現804の位置qも増加する。トレーラ104が移動してトレーラ角度φを減少させる場合、トレーラ表現804の位置qも減少する。トレーラ角度φが静止している場合、トレーラ表現804の位置qも同様である。このように、コントローラ150は、各トレーラ角度φについて単一の位置qも得られると見なす。幾つかの実施例では、第1のステップで、仮想トレーラ802a、802bが所定の角度αを横断するとき、コントローラ150は、図9Cおよび図9Dの(b)に示されるように、時点sおよび実際のトレーラ位置qを記録する。次に、コントローラ150は、図9Cおよび9Dの(c)に示されるように、仮想トレーラ802a、802bが所定の角度αに戻る時点sを記録する。最後に、コントローラ150は、トレーラ表現804の位置qが(b)で記録された位置に戻る時点sを記録する。コントローラ150は、仮想時間差をもたらす(b)および(c)における時点sの第1の差を求める。さらに、コントローラは、(b)および(d)における時点sの第2の差を求め、これにより、時間差が測定される。仮想時間差と実際の時間差との間の第3の差は、実際のトレーラ104より短い全ての仮想トレーラ802aの1つの符号(例えば、負の符号)と、実際のトレーラ104より長い全ての仮想トレーラ802bの別の符号(例えば、正の符号)とを有する値をもたらす。コントローラ150は、第3の差によって求められた2つの値の間を補間し、その結果、実際のトレーラ104に関連する推定トレーラ軸長Lが得られる。幾つかの補間手法を使用できる。
【0064】
図9Cを参照すると、第1の仮想トレーラ802aに関して、コントローラ150は、(b)に示されるように、第1の仮想トレーラ802aが所定の角度αと画像133内のトレーラ表現802の位置qt2とに交差する第1の時点sa1を記録する。次に、コントローラ150は、(c)に示されるように、第1の仮想トレーラ802aが所定の角度αに戻る第2の時点sa2を記録する。最後に、コントローラ150は、トレーラ表現804の位置qが(b)、すなわち位置qt2で記録された位置に戻る時点sを記録する。コントローラ150は、(b)の時点sa1および(c)の時点sa2の第1の差Da1を求め、これにより仮想時間差(Da1=sa2−sa1)が得られる。さらに、コントローラは、(b)の時点sa1および(d)の時点sの第2の差Da2を求め、これにより時間差(Da2=s−sa1)が測定される。コントローラ150は、仮想時間差Da1と実際の時間差Da2との間の第3の差Da3を求め、これにより、実際のトレーラ104より短い全ての仮想トレーラ802aを表す1つの符号(例えば負の符号)と、実際のトレーラ104より長い全ての仮想トレーラ802bを表す別の符号(例えば正の符号)とを有する値が得られる。
【0065】
図9Dを参照すると、第2の仮想トレーラ802bに関して、コントローラ150は、(b)に示されるように、第2の仮想トレーラ802bが所定の角度αと画像133内のトレーラ表現802の位置qt3とに交差する第1の時点sb1を記録する。次に、コントローラ150は、(c)に示されるように、第2の仮想トレーラ802bが所定の角度αに戻る第2の時点sb2を記録する。最後に、コントローラ150は、トレーラ表現804の位置qが、(b)すなわち位置qt3で記録された位置に戻る時点sを記録する。コントローラ150は、仮想時間差(Db1=sb2−sb1)をもたらす(b)における時点sb1および(c)における時点sb2の第1の差Db1を求める。さらに、コントローラ150は、(b)における時点sb1および(d)における時点svの第2の差Db2を求め、これにより、時間差(Db2=sv−sb1)が測定される。コントローラ150は、仮想時間差Db1と実際の時間差Db2との間の第3の差Db3を求め、図9Cで求められた第3の差の符号と反対の符号を有する値をもたらす。
【0066】
図9A図9Dを再び参照すると、コントローラ150は、第3の差Da3、Db3によって求められた2つの値の間を補間し、その結果、実際のトレーラ104に関連する推定トレーラ軸長Lが得られる。幾つかの実施例では、コントローラ150は、3つ以上の仮想トレーラ802にわたって高次補間スキームを実行する。同じ方法を、単一のイベントで、すなわちリアルタイムで、複数の所定の角度αに適用することもできる。様々な角度αについてのqおよびsの値が所定の許容範囲内にない場合、推定は誤ったものとして拒否される可能性がある。コントローラ150は、元の予測に非常に近い、より微細な一組の仮想トレーラ軸長L値でデータを2回循環させることによって、粗長さ検出スキームを実行することができる。
【0067】
幾つかの実装形態では、コントローラ150がトレーラ104の長さLを推定することを可能にする操作を車両トレーラシステム100が実行している間、トレーラ表現804の各一般化位置qにつき、コントローラ150が実際のトレーラ104のトレーラ角度φを求める。したがって、コントローラ150は、トレーラ104の長さLの推定を完了すると、一般化位置qのトレーラ角度φへのマッピングを生成することができる。次に、コントローラ150は、マッピングを使用して、一般化位置qに基づいて推定トレーラ角度φを求めることができ、逆もまた同様である。
【0068】
上述のコントローラ150は、同時トレーラ角度較正(例えば、上述のように、一般化位置qを実際のトレーラ角度φにマッピングする)により、トレーラ長さLを迅速かつ自動的に求めることができる。さらに、コントローラ150は、ターゲットレスソリューションを提供する。これは、トレーラ長さ検出のために運転者がトレーラ104にマーカまたはステッカを追加してトレーラ104を識別する必要がないことを意味する。このように、記載のシステムにより、トレーラ長さ検出アルゴリズムを実行するために必要な組み込みハードウェアの複雑さとコストが削減される。さらに、システムにより、運転者が必要とする(トレーラの測定やシステムでの測定トレーラ長さの入力でエラーが発生しやすくなる可能性がある)手動較正が制限される。
【0069】
ここで説明するシステムと技術の様々な実装形態は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現できる。これらの様々な実装形態は、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、それらにデータおよび命令を送信するように結合された、特殊または汎用の目的でありうる、少なくとも1つのプログラミング可能なプロセッサを含むプログラミング可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムでの実装形態を含みうる。
【0070】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも称される)は、プログラミング可能なプロセッサの機械命令を含み、かつ、高水準の手順型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語で実装できる。本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、プログラミング可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、プログラミング可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意の信号を指す。
【0071】
本明細書で説明する主題および機能動作の実装形態は、本明細書に開示された構造およびそれらの構造的等価物を含むデジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア、あるいはそれらの1つ以上の組み合わせで実装することができる。さらに、本明細書で説明する主題は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のための、またはデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータ可読媒体に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装できる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質の組成物、またはそれらの1つ以上の組み合わせでありうる。「データ処理装置」、「コンピューティングデバイス」、および「コンピューティングプロセッサ」という用語は、例として、プログラミング可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、適切なレシーバ装置への送信のための情報を符号化するために生成される機械生成の電気信号、光学信号、または電磁信号である。
【0072】
同様に、動作は図面に特定の順序で示されているが、望ましい結果を達成するために、そのような動作を特定の順序で、または順次に実行すること、または全ての例示の動作を実行することを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。さらに、上記の実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されているプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に統合可能であるか、複数のソフトウェア製品にパッケージ化可能であることを理解されたい。
【0073】
多数の実装形態が説明されている。それにもかかわらず、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行いうることが理解されよう。したがって、その他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D