(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャリッジに取外し可能に結合されるように構成されると共に、前記キャリッジに結合されると、前記骨に孔開けされる前記ボアの近位端の位置を規定するように構成された、前記弾丸状部を更に備える、請求項2に記載の外科用器具。
前記キャリッジが、対向する第1及び第2の顔面と、前記第1の顔面と前記第2の顔面との間を延在する第1及び第2の側面とを含み、前記ガイドアームの前記第1の部分の前記第1及び第2の顔面と前記キャリッジの前記第1及び第2の顔面とが互いに実質的に平行に延在し、前記キャリッジの前記第1の顔面が前記ガイドアームの前記第1の部分の前記第1の顔面から離れる方向を向き、
前記弾丸状部受入れ開口部が前記キャリッジの前記第1の顔面に形成される、請求項2に記載の外科用器具。
前記受動ロック機構は、前記選択的に配備可能なキーを前記複数のスロットのうち1つのスロットから係合解除して、前記キャリッジが前記第1の部分の長さに沿って並進することを可能にするように構成された、ボタンを更に備える、請求項1に記載の外科用器具。
前記第2の部分がその末端に配設された遠位側先端を含み、前記遠位側先端が、前記骨に孔開けされる前記ボアの前記遠位端の意図した位置で前記骨を係合するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
前記キャリッジが、対向する第1及び第2の顔面と、前記第1の顔面と前記第2の顔面との間を延在する第1及び第2の側面とを含み、前記キャリッジの前記第1の顔面が前記第1の弓状アームから離れる方向を向く、請求項8に記載の外科用ガイド。
前記キャリッジによって受け入れられる前記弾丸状部が前記第1の弓状アームに対してある角度で保持され、それによって、前記弾丸状部を通って延在するドリルピンの遠位側先端が前記第2のアームの前記遠位側先端を係合するように構成されるように、前記キャリッジが構成される、請求項10に記載の外科用ガイド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、発散及び/又はオーバードリリングのリスクを減少させ、システム、デバイス、及び方法を自在に使用する可能性を改善する、即ち、システム、デバイス、及び方法を、同じ位置に座ったまま又は立ったまま、どちらかの膝に対してどちらかの手で使用して、脛骨及び大腿骨トンネルを形成することができるようにする、靭帯修復を行うのに使用される改善されたシステム、デバイス、及び方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
靭帯(例えば、ACL及びPCL)再建手術で行われる処置などの靭帯修復処置のための、デバイス、システム、及び方法が全体として提供される。提供されるデバイス及びシステムは、骨に骨トンネルを形成するための位置及び軌道を確立するのに使用される、外科用ガイドに関する。提供される外科用ガイドは、発散のリスクを制限して骨トンネル形成の精度を改善することを含む、多数の利点を提供する。本開示はまた、外科用ガイドの一構成要素であることができ、様々な修復処置で使用するために弾丸状部を受け入れるのに使用することができる、キャリッジの様々な実施形態を提供する。提供されるキャリッジはまた、より短い孔開け器具を可能にし、それによって発散のリスクを減少させることを含む、多数の利点を提供する。また、骨トンネル形成の角度又は軌道の設定に関与するデバイスの部分が、操作中にユーザが把持するデバイスの部分とは別個であることを可能にする。更にまた、本明細書で提供されるデバイス及びシステムは、骨に骨トンネルを孔開けする際にピンが所望よりも置くまで移動するのを防ぐように、ドリルピンの長さを設定する助けとするのに使用することができる、ドリルピン深さゲージを含む。このことにより、ひいては、周囲の組織、神経、及び身体の他の態様を損傷するリスクが低減される。
【0011】
例示的な一実施形態では、外科用器具はガイドアーム及びキャリッジを含む。ガイドアームは、骨にボアが孔開けされる角度を規定するように構成された第1の部分と、骨に孔開けされるボアの遠位端の位置を規定するように構成された第2の部分とを有する。第1の部分と第2の部分との間を延在する角度は、約110°以下であることができる。キャリッジは、ガイドアームの第1の部分上に配設することができる。キャリッジは、その幅又は厚さよりも長い長さを有することができ、キャリッジの長さは、ガイドアームの第1の部分の長さを実質的に横断して延在することができる。キャリッジは、第1の部分の長さに沿って並進するように構成することができる。更に、キャリッジは、第1の部分の長さに沿った様々な位置に選択的に位置して、骨にボアが孔開けされる角度又は軌道を設定するように構成することができる。
【0012】
キャリッジは、弾丸状部を受け入れるように構成された、弾丸状部受入れ開口部を中に形成することができる。いくつかの実施形態では、外科用器具は弾丸状部を含むことができる。弾丸状部は、キャリッジに取外し可能に結合されるように構成することができ、キャリッジに結合されたとき、弾丸状部が、骨に孔開けされるボアの近位端の位置を規定するように構成することができる。弾丸状部はその遠位端に向かって先細状にすることができる。また、カニューレを挿入することができる。弾丸状部の近位面は、弾丸状部の遠位部分の直径よりも広い幅を有することができ、近位面は、弾丸状部を通って延在するボアに器具を挿入するのを容易にするように、凹面状であることができる。
【0013】
ガイドアームの第1の部分は、対向する第1及び第2の平坦面と、第1の平坦面と第2の平坦面との間を延在する第1及び第2の側壁とを含むことができる。平坦面の表面積は、側壁の表面積よりも実質的に大面積であることができる。キャリッジは、第1及び第2の顔面、並びに第1の顔面と第2の顔面との間を延在する第1及び第2の側面を含むことができる。ガイドアームの第1及び第2の平坦面は、第1及び第2の顔面に対して実質的に平行に延在することができ、キャリッジの第1の顔面はガイドアームの第1の平坦面から離れる方向を向いている。弾丸状部受入れ開口部はキャリッジの第1の顔面に形成することができる。弾丸状部受入れ開口部に受け入れられた弾丸状部が第2の平坦面に対してある角度で保持され、それによって、弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部を通って延在するドリルピンが、骨に孔開けされるボアの遠位端の位置を規定するガイドアームの第2の部分の遠位端を係合するように構成されるように、キャリッジを構成することができる。ガイドアームの第2の部分は、第2のガイドアームの末端に配設される遠位側先端を含むことができる。遠位側先端は、骨に孔開けされるボアの遠位端の意図した位置で、骨を係合するように構成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のアームが共に結合されているとき、ガイドアームの第1の部分はガイドアームの第2の部分に対して移動不能である。ガイドアームの第1の部分には複数のスロットを形成することができ、各スロットは、骨に孔開けされるボアの意図した角度を示す。複数のスロットのうち各スロットは、意図した角度が第1の部分に沿って5°の間隔であるような位置に配設することができる。キャリッジは、複数のスロットのうち1つのスロットを受動的に係合して、骨にボアが孔開けされる角度を設定するように構成された、受動ロック機構を含むことができる。受動ロック機構は、複数のスロットに対して補完的である構成を有する選択的に配備可能なキーを含むことができ、それによって、選択的に配備可能なキーがスロット内に配設されると、ガイドアームの第1の部分に対するキャリッジの位置が固定される。受動ロック機構はまた、選択的に配備可能なキーを複数のスロットのうち1つのスロットから係脱して、キャリッジを第1の部分の長さに沿って並進させるように構成された、ボタンを含むことができる。選択的に配備可能なキーは、キャリッジの近位端と遠位端との間を延在するバー上に配設することができる。バーには、複数のスロットと関連付けられた印が眼に見えるようにする、開口部を形成することができる。
【0015】
別の例示的な実施形態では、骨にボアを孔開けするのと併せて使用される外科用ガイドは、第1の弓状アームと、第2のアームと、第1の弓状アームと取外し可能に関連付けられるように構成された弾丸状部とを含む。第1の弓状アームは、第1の端部と、第2の端部と、それらの間を延在する中間部分とを有することができ、中間部分の上には、骨にボアが孔開けされる意図した角度を示す印が形成される。第2のアームも、第1の端部と、第2の端部と、それらの間を延在する中間部分とを有することができる。第2のアームの第1の端部は、第1のアームの第2の端部と直接接続されて、ガイドの一体構造を形成することができ、それによって第2のアームは第1のアームに対して実質的に固定であり、第1のアームと第2のアームとの間を延在する角度は約110°以下である。弾丸状部と第1のアームとの間の取外し可能な関連は、アームに形成された印に対する弾丸状部の位置が、ボアが孔開けされる骨に対して弾丸状部の遠位側先端が形成する意図した角度を反映し、それによって次いで、骨に孔開けされるボアの意図した角度又は軌道が規定される。
【0016】
第1のアームは、対向する第1及び第2の平坦面と、第1の平坦面と第2の平坦面との間を延在する第1及び第2の側壁とを含むことができる。平坦面の表面積は、側壁の表面積よりも実質的に大面積であることができる。いくつかの実施形態では、印はまた、第1の弓状アームの表面に形成される複数のスロットを含むことができる。複数のスロットのうち各スロットは、意図した角度が第1のアームに沿って5°の間隔であるような位置に配設することができる。第2のアームの第2の端部は、骨に孔開けされるボアの遠位端の意図した位置で骨を係合するように構成された、遠位側先端を含むことができる。
【0017】
弾丸状部はその遠位端に向かって先細状にすることができる。また、カニューレを挿入することができる。弾丸状部の近位面は、弾丸状部の遠位部分の直径よりも広い幅を有することができ、近位面は、弾丸状部を通って延在するボアに器具を挿入するのを容易にするように、凹面状であることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ガイドは、弾丸状部を受け入れるように構成されたキャリッジを含むことができる。キャリッジは、第1のアームの長さに沿って並進することができ、弾丸状部の遠位側先端とボアが孔開けされる骨とによって形成される意図した角度を設定するため、印に対して選択的にロックすることができる。これによって、次いで、骨に孔開けされるボアの意図した角度又は軌道が設定される。キャリッジは、第1及び第2の対向する顔面と、第1の顔面と第2の顔面との間を延在する第1及び第2の側面とを含むことができる。キャリッジの第1の顔面は第1の弓状アームから離れる方向を向くことができる。チェック弾丸状部を通って延在するドリルピンの遠位側先端が第2のアームの遠位側先端を係合するように構成されるように、キャリッジによって受け入れられる弾丸状部が第1の弓状アームに対してある角度で保持されるように、キャリッジを構成することができる。いくつかの実施形態では、キャリッジは、弾丸状部を受け入れるように構成された弾丸状部受入れ開口部を含むことができる。
【0019】
印が第1の弓状アームの表面に形成された複数のスロットを含む、いくつかの実施形態では、キャリッジは、複数のスロットのうち1つのスロットを受動的に係合して、骨に孔開けされるボアの意図した角度又は軌道を設定するように構成された、受動ロック機構を含むことができる。受動ロック機構は、複数のスロットに対して補完的である構成を有する選択的に配備可能なキーを含むことができ、それによって、選択的に配備可能なキーがスロット内に配設されると、第1のアームに対するキャリッジの位置が固定される。受動ロック機構はまた、選択的に配備可能なキーを複数のスロットのうち1つのスロットから係脱して、キャリッジを第1のアームの長さに沿って並進させるように構成された、ボタンを含むことができる。選択的に配備可能なキーは、キャリッジの近位端と遠位端との間を延在するバー上に配設することができる。バーには、複数のスロットと関連付けられた印が眼に見えるようにする、開口部を形成することができる。
【0020】
骨にボアを孔開けする例示的な方法は、外科用ガイドの第2のアームの第2の端部を骨に孔開けされるボアの遠位端に対する所望の位置に隣接させて位置付けることと、外科用ガイドの第1のアームの第1の端部を、骨に孔開けされるボアの近位端が位置する位置である骨の反対側に近接させて、位置付けることとを含むことができる。第1のアームは、外科用ガイドの追加の構成要素が間に配設されないようにして、ユーザの手の中に配設することができる。方法は、外科用ガイドと関連付けられる弾丸状部の遠位側端部と孔開けされる骨との間の角度を設定するように、外科用ガイドを調節することを更に含むことができる。この調節は、第1のアームを第2のアームに対して動かすことなく行われ、角度は、ボアの近位端が孔開けされる位置で形成される。方法は、弾丸状部の貫通ボア内にドリルピンを配設することと、ドリルピンを動作させて、弾丸状部の遠位側先端が骨に対して角度を形成する位置から第2のアームの第2の端部が位置する位置まで、孔を孔開けすることとを更に含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では外科用ガイドと関連付けられる弾丸状部の遠位端と孔開けされる骨との間の角度を設定するように、外科用ガイドを調節することは、第1のアーム上でキャリッジの位置をロックすることを含む。キャリッジは、弾丸状部を受け入れるように構成することができ、また、第1のアームの長さを並進して、弾丸状部の遠位側先端と骨との間の角度を設定することができる、様々な角度を確立するように構成することができる。
【0022】
第1のアームには、複数のスロットを形成することができ、キャリッジは、第1のアーム上でキャリッジの位置をロックするステップの一部として、複数のスロットのうち1つのスロットを係合するように構成された、受動係合雄部材を含むことができる。かかる実施形態では、方法は、雄部材をスロットから能動的に係脱することと、第1のアームに沿ってキャリッジを動かすことと、雄部材が複数のスロットのうち1つのスロットを係合して、第1のアーム上でキャリッジの位置をロックできるようにすることとを含むことができる。雄部材をスロットから能動的に係脱することは、キャリッジと関連付けられたボタンを押すことと、それに続いて、雄部材が複数のスロットのうち1つのスロットを係合できるよりも前にボタンを解放することとを含むことができる。
【0023】
方法はまた、ドリルピンを外科用ドリルのチャックに結合し、それによってドリルピンの遠位側先端が、ボアの遠位端に隣接して位置する第2のアームの第2の端部よりも遠位側に延在しないようにするステップを含むことができる。
【0024】
外科用ガイドと共に使用されるキャリッジの例示的な一実施形態では、キャリッジは、近位端、近位端の反対側の遠位端、近位端と遠位端との間を延在する対向する第1及び第2の側面、及び近位端及び遠位端と第1及び第2の側面との間を延在する対向する第1及び第2の顔面を有する、ハウジングを含む。ガイド受入れ開口部は、ハウジングを通って、かつ第1及び第2の側面を通って延在することができる。ガイド受入れ開口部は、外科用ガイドのアームを受け入れるように構成され、キャリッジが外科用ガイドのアームに沿って並進するように構成されることができる。弾丸状部受入れ開口部は、ハウジングを通って、かつ近位端及び遠位端を通って延在することができる。弾丸状部受入れ開口部は、キャリッジと関連付けられた外科用ガイドと共に使用されるように弾丸状部を受け入れるため、第1の顔面に向かって開いているように構成することができる。ガイド受入れ開口部及び弾丸状部受入れ開口部は、異なる面内で延在することができ、互いに実質的に横断することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、弾丸状部受入れ開口部は、外部環境から、第1の顔面を実質的に通って延在する面を横切って、弾丸状部受入れ開口部内へと弾丸状部を渡すことによって、弾丸状部を受け入れるように構成することができる。更に、弾丸状部受入れ開口部は、受け入れた弾丸状部を、受け入れた弾丸状部が2つの側面間又は2つの顔面間で並進できないような被ロック位置で保持するように構成することができる。回転可能な受器をハウジング内に配設することができる。回転可能な受器は、近位端から遠位端まで延在することができ、弾丸状部受入れ開口部が回転可能な受器内に配設される。回転可能な受器は、弾丸状部受入れ開口部が第1の顔面に向かって開いていて、キャリッジと関連付けられた外科用ガイドと共に使用される弾丸状部を受け入れる受入れ位置と、弾丸状部受入れ開口部が第1の顔面に向かって回転し、弾丸状部が被ロック位置にあるロック位置との間で回転可能であることができる。
【0026】
弾丸状部係合突出部は、回転可能な受器を通って延在することができ、弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部の係合スロットを係合して、弾丸状部を被ロック位置で維持するように構成することができる。弾丸状部係合突出部を弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部の係合スロットから係脱して、弾丸状部を被ロック位置から除去する、解除ボタンを設けることができる。解除ボタンは、弾丸状部係合突出部と連通して、係脱を提供することができる。いくつかの実施形態では、キャリッジはまた、弾丸状部受入れ開口部内に取外し可能に配設されるように構成された弾丸状部を含む。
【0027】
受入れ斜面をハウジング内に配設することができる。受入れ斜面は、回転可能な受器を受け入れ、それをロック位置で維持して、弾丸状部受入れ開口部内の弾丸状部を被ロック位置で維持するように構成することができる。更に、いくつかの実施形態では、回転可能な受器は、その近位端に形成された対向する窪みを含むことができる。第1の窪みの表面は、回転可能な受器がロック位置にあるときに斜面を係合するように構成することができ、第2の窪みの表面は、回転可能な受器が受入れ位置にあるときに斜面を係合するように構成することができる。
【0028】
第2の顔面は、開口部が間を延在する上部部分及び下部部分を含むことができ、また、上部部分と下部部分との間を延在する開口部内に配設された外科用ガイド係合特徴部の一部分を含んで、ガイド受入れ開口部の境界を定めることができる。外科用ガイド係合特徴部は、近位端と遠位端との間を長手方向で並進して、外科用ガイドに対するキャリッジの位置を選択的にロックするように構成することができる。外科用ガイド係合特徴部は、外科用ガイドのアーム上に配設されたスロットを係合するように構成された、受動係合雄部材を含むことができる。
【0029】
外科用ガイドと共に使用されるキャリッジの別の例示的な実施形態では、キャリッジは、ハウジングと、ハウジングに回転可能に結合された弾丸状部受器とを含む。ハウジングには、ガイド受入れ開口部を形成することができ、ガイド受入れ開口部は、外科用ガイドのアームを受け入れるように構成され、キャリッジが外科用ガイドのアームに沿って並進するように構成される。弾丸状部受器には、キャリッジと関係付けられた外科用ガイドと共に使用される弾丸状部を受け入れる、弾丸状部受入れ開口部を形成することができる。弾丸状部受器は、弾丸状部受入れ開口部がハウジング外部の環境に向かって開いていて、キャリッジと関連付けられた外科用ガイドと共に使用される弾丸状部を受け入れる受入れ位置と、弾丸状部受入れ開口部がハウジングに向かって回転して、中に配設された弾丸状部を、受け入れられた弾丸状部がハウジングの2つの側面の間又は2つの顔面の間で並進することができない被ロック位置に配置させる、ロック位置との間で回転可能である。ロック位置では、弾丸状部は遠位側に並進することができる。弾丸状部受器はまた、弾丸状部が弾丸状部受入れ開口部に受け入れられ、弾丸状部が遠位側及び近位側の両方に自由に並進することができる、中間位置を有することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、キャリッジは、弾丸状部受器を通って延在する弾丸状部係合突出部を含むことができ、弾丸状部受入れ開口部に配設された弾丸状部の係合スロットを係合して、弾丸状部を被ロック位置で維持するように構成することができる。弾丸状部係合突出部を弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部の係合スロットから係脱して、弾丸状部を被ロック位置から除去する、解除ボタンを設けることができる。解除ボタンは、弾丸状部係合突出部と連通して、係脱を提供することができる。いくつかの実施形態では、キャリッジはまた、弾丸状部受入れ開口部内に取外し可能に配設されるように構成された弾丸状部を含む。
【0031】
受入れ斜面をハウジング内に配設することができる。受入れ斜面は、弾丸状部受器を受け入れ、それをロック位置で維持して、弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部を被ロック位置で維持するように構成することができる。更に、いくつかの実施形態では、弾丸状部受器は、その近位端に形成された対向する窪みを含むことができる。第1の窪みの表面は、弾丸状部受器がロック位置にあるときに斜面を係合するように構成することができ、第2の窪みの表面は、弾丸状部受器が受入れ位置にあるときに斜面を係合するように構成することができる。
【0032】
外科用ガイド係合特徴部をキャリッジの一部として設けることができる。外科用ガイド係合特徴部は、長手方向で並進し、したがってガイド受入れ開口部を通って延在する軸線を実質的に横断して、キャリッジの位置を外科用ガイドに対して選択的にロックするように構成することができる。外科用ガイド係合特徴部は、外科用ガイドのアーム上に配設されたスロットを係合するように構成された、受動係合雄部材を含むことができる。
【0033】
提供されるキャリッジの様々な実施形態は、細長いアームを有する外科用ガイドを含む外科用器具と併せて使用することができる。細長いアームは、キャリッジが細長いアームに沿って並進可能であるようにして、キャリッジのガイド受入れ開口部内に配設することができる。キャリッジは、細長いアームに対するキャリッジの位置を維持するため、選択的にロックするように構成することができる。
【0034】
本明細書に提供される例示的な外科的方法は、逆行リーマの経路を画成して手術部位の骨にボアを孔開けするため、手術部位を設定することを含む。経路は、外科用ガイドに結合された弾丸状部の遠位側先端がボアの近位端の所望の位置に近接して位置するように設定することができる。方法は、逆行リーマのドリルピン端部を使用して、画成された経路に沿って骨にパイロット孔を孔開けすることを更に含むことができる。次に、弾丸状部を外科用ガイドから脱結合することができ、外科用ガイドを手術部位から除去することができる。弾丸状部を外科用ガイドから脱結合するプロセスは、逆行リーマを弾丸状部から除去することなく遂行することができる。次に、ドリルピンと関連付けられたリーマを操作して、リーマを近位側に前進させることによって、骨に形成されたパイロット孔を拡張することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、リーマの経路を画成するように外科用ガイドを設置するステップは、外科用ガイドの第2のアームの第2の端部を骨に孔開けされるボアの遠位端に対する所望の位置に隣接させて位置付けることと、外科用ガイドの第1のアームの第1の端部を、骨に孔開けされるボアの近位端が位置する骨の反対側に近接させて、位置付けることとを含むことができる。ステップは、弾丸状部の遠位側先端と孔開けされる骨との間の角度を設定するように、外科用ガイドを調節することを更に含むことができ、角度は、ボアの近位端が孔開けされる位置で形成される。
【0036】
方法において使用される外科用ガイドは、ガイドのアームに沿って配設されたキャリッジを有することができる。キャリッジ自体がハウジング及び弾丸状部受入れ開口部を有することができ、弾丸状部は、弾丸状部受入れ開口部内に配設されることによって、外科用ガイドに結合することができる。いくつかの実施形態では、弾丸状部を弾丸状部受入れ開口部内で第1の方向で回転させて、弾丸状部がキャリッジのアームから離れる方向で、かつそれに対して実質的に垂直に並進することができない被ロック位置で、弾丸状部を設置することができる。更に、第1の方向とは反対の第2の方向で弾丸状部を回転させ、それによって弾丸状部が、被ロック位置から除去され、キャリッジのアームから離れる方向で、かつそれに対して実質的に垂直に動かされることができるように、弾丸状部を外科用ガイドから脱結合することができる。あるいは、キャリッジと関連付けられた解除ボタンを作動させ、それによって弾丸状部が、被ロック位置から除去され、キャリッジのアームから離れる方向で、かつそれに対して実質的に垂直に動かされることができるように、弾丸状部を外科用ガイドから脱結合することができる。弾丸状部が被ロック位置にあるとき、近位側ではなく遠位側に並進するように構成することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、キャリッジは、アームの長さに沿って並進して、弾丸状部の遠位側先端と骨との間の角度を設定することができる、様々な角度を確立するように構成することができる。かかる実施形態では、方法は、外科用ガイドのアーム上でキャリッジの位置をロックすることを含むことができる。アームには複数のスロットを形成することができ、キャリッジは、外科用ガイドのアーム上でキャリッジの位置をロックするステップの一部として、複数のスロットのうち1つのスロットを係合するように構成された、受動係合雄部材を含むことができる。かかる実施形態では、方法は、雄部材をスロットから能動的に係脱することと、第1のアームに沿ってキャリッジを動かすことと、雄部材が複数のスロットのうち1つのスロットを係合して、第1のアーム上でキャリッジの位置をロックできるようにすることとを含むことができる。雄部材をスロットから能動的に係脱することは、キャリッジと関連付けられたボタンを押すことと、それに続いて、雄部材が複数のスロットのうち1つのスロットを係合できるよりも前にボタンを解放することとを含むことができる。
【0038】
方法はまた、ドリルピンを外科用ドリルのチャックに結合し、それによってドリルピンの遠位側先端が、ボアの遠位端に隣接して位置する第2のアームの第2の端部よりも遠位側に延在しないようにするステップを含むことができる。リーマのシャフトの長さは、弾丸状部の長さ及び骨に孔開けされるボアの長さとほぼ等しい長さであり得る。
【0039】
汎用的な外科用ガイドシステムの例示的な一実施形態では、システムは、ガイドアーム及びキャリッジを含むことができる。ガイドアームは、骨にボアが孔開けされる軌道又は角度を規定するように構成された第1の部分と、骨に孔開けされるボアの遠位端の位置を規定するように構成された第2の部分とを有することができる。第1の部分は対向する表面を有することができ、対向する表面のそれぞれには複数のスロットを形成することができる。各スロットは、骨に孔開けされるボアの意図した軌道又は角度を示すものであり得る。キャリッジは、ガイドアームの第1の部分上に配設することができ、第1の部分の長さに沿って並進するように構成することができる。更に、キャリッジは、複数のスロットのうち1つのスロット内で選択的にロックして、骨にボアが孔開けされる意図した軌道を設定するように構成することができる。
【0040】
キャリッジは、キャリッジに形成される弾丸状部受入れ開口部を含むことができる。弾丸状部受入れ開口部は弾丸状部を受け入れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、システムは弾丸状部を含むことができる。弾丸状部は、キャリッジに取外し可能に結合されるように構成することができ、キャリッジに結合されたとき、弾丸状部が、骨に孔開けされるボアの近位端の位置を規定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、弾丸状部受入れ開口部によって受け入れられた弾丸状部がガイドアームの第1の部分に対してある角度で保持され、それによって、弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部をとって延在するドリルピンの遠位側先端が、骨に孔開けされるボアの遠位端の位置を規定する、ガイドアームの第2の部分の遠位端を係合するように構成されるようにして、キャリッジを構成することができる。
【0041】
キャリッジは、複数のスロットのうち1つのスロットを受動的に係合して、骨にボアが孔開けされる軌道又は角度を設定するように構成された、受動ロック機構を含むことができる。受動ロック機構は、複数のスロットに対して補完的な構成を有する選択的に配備可能なキーを含むことができ、それによって、選択的に配備可能なキーがスロット内に配設されると、キャリッジの位置がガイドアームの第1の部分に対して固定される。いくつかの実施形態では、受動ロック機構は、選択的に配備可能なキーを複数のスロットのうち多数から係脱して、キャリッジが第1の部分の長さに沿って並進することを可能にするように構成されたボタンを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の部分が互いに係合されているとき、ガイドアームの第1の部分は第2の部分に対して移動不能である。ガイドアームの第2の部分は、第2のガイドアームの末端に配設された遠位側先端を含むことができる。遠位側先端は、骨に孔開けされるボアの遠位端の意図した位置で、骨を係合するように構成することができる。
【0043】
自在の外科用ガイドシステムの別の例示的な実施形態では、システムは、ガイド部分及びロック部分を含むことができる。ガイド部分は、骨に孔開けされるボアの位置及び軌道を規定するように構成することができ、更に、システムが使用中のとき、ユーザによって把持されるように構成することができる。ロック部分は、ガイド部分と併せて働いて、骨に孔開けされるボアの位置及び軌道を規定するように構成することができ、更に、ガイドシステムをロックし、それによってボアの軌道を規定するように構成することができる。システムは、ガイド部分上のユーザの把持を調節することなく、ボアの軌道を調節しロックすることができるように設定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、ロック部分は、ガイド部分に沿って摺動するように構成されたキャリッジを含むことができる。キャリッジは、ガイド部分上において形成されたユーザの把持をユーザが調節することなく、ガイド部分に対してロックされることができる。ガイド部分の対向する表面上に形成された複数のスロットを含むことができ、それぞれのスロットは、骨に孔開けされるボアの意図した軌道を示す。いくつかの実施形態では、ガイド部分は、ボアの軌道に相関する指定軌道をその上に形成することができる。ボアの最も下の指定軌道は、ボアの最も上の指定軌道よりも約20°〜約40°低い範囲にあることができる。例示的な一実施形態では、指定軌道の範囲は30°である。
【0045】
システムは、ロック部分が、異なる手での使用にシステムを適合させるためにシステムの構成要素を動かすことなく、ユーザのどちらの手でも操作できるように、設定することができる。システムはまた、ロック部分が、異なる側からの使用にシステムを適合させるためにシステムの構成要素を動かすことなく、ユーザが患者のどちらの側からでも操作できるように、設定することができる。
【0046】
骨にトンネルを孔開けする例示的な方法は、靭帯ガイドシステムの第1のアームを掌で把持し、その手の指を第1のアームに巻き付けることを含む。靭帯ガイドシステムの第2のアームの第2の端部は、骨に孔開けされるトンネルの遠位端に対する所望の位置に隣接して位置付けられ、第1のアームの第1の端部は、骨に孔開けされるトンネルの近位端が位置する骨の反対側に近接して位置付けられる。第1のアーム上に配設されたキャリッジは第1のアームの長さに沿って摺動し、キャリッジの位置が第1のアームに対してロックされて、骨に孔開けされるトンネルの軌道が設定される。第1のアームを把持している手が第1のアームに対して動かないように、手が把持を維持している状態で、キャリッジを第1のアームに沿って摺動させることができる。キャリッジに形成された開口部に孔開け器具を通して、第1のアームの第1の端部が位置する側から第2のアームの第2の端部が位置する側まで骨にトンネルを孔開けする。
【0047】
いくつかの実施形態では、靭帯ガイドシステムと併せて弾丸状部を使用することができる。方法は、キャリッジに形成された開口部内に弾丸状部を位置付けることと、弾丸状部の遠位端を骨に孔開けされるトンネルの近位端の所望の位置に隣接して位置付けることとを含むことができる。孔開け器具をキャリッジに形成された開口部に通すとき、弾丸状部も通すことができる。方法は、弾丸状部をガイドアームから引き離し、それによって、孔開け器具を弾丸状部から除去することなく、ガイドアームを手術部位から除去できることを更に含むことができる。次に、孔開け器具をトンネルの遠位端からトンネルの近位端まで通して、トンネルの直径を拡張することができる。
【0048】
第1のアームには複数のスロットを形成することができ、キャリッジは、複数のスロットのうち1つのスロットを係合して、第1のアームに対するキャリッジの位置をロックして骨に孔開けされるトンネルの軌道を設定するように構成された、受動係合雄部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、雄部材をスロットから能動的に係脱することと、キャリッジを第1のアームに沿って動かすことと、雄部材が複数のスロットのうち1つのスロットを係合して、第1のアーム上におけるキャリッジ位置をロックできるようにすることとを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、靭帯ガイドシステムの第1のアームは、右手又は左手のどちらかによって把持し、どちらかの手によって保持されている時に方法を行うのに使用されるように構成することができる。
【0049】
ドリルピンの深さを設定する例示的な1つの器具は、細長いシャフト及び深さ表示器を含む。シャフトは、近位端と、遠位端と、シャフトに形成された近位端から遠位端に向かって延在するチャネルとを有する。チャネルは、靭帯ドリルガイドのドリルピンを受け入れるように構成される。深さ表示器には、細長いシャフトを受け入れるように構成されたボアが形成される。表示器は、細長いシャフトを選択的に係合して、細長いシャフトに対する深さ表示器の固定位置を設定するように構成される。深さ表示器が設置される固定位置は、チャネル内に配設されたドリルピンの最終遠位側移動位置を確立し、それによってドリルピンは、最終遠位側移動位置を越えて遠位側に延在することができない。
【0050】
細長いシャフトの遠位部分には印を形成することができる。印は最終遠位側移動位置を示すことができる。細長いシャフトの遠位部分には複数の溝も形成することができる。それと併せて、深さ表示器は、複数の溝のうち1つの溝を係合して、細長いシャフトに対する深さ表示器の固定位置を設定するように構成された、選択的に配備可能な溝係合特徴部を含むことができる。いくつかの実施形態では、印及び溝は両方とも細長いシャフトの遠位部分に設けられる。深さ表示器は、選択的に配備可能な溝係合特徴部と機械的に協働するボタンを含むことができ、それによって、ボタンを細長いシャフトに向かって押し下げることにより、選択的に配備可能な溝係合特徴部が複数の溝から径方向で離れる方向に動き、ボタンを解放することにより、選択的に配備可能な溝係合特徴部が複数の溝に向かって径方向で動く。
【0051】
固定の突出部を深さ表示器の一部として含むことができる。突出部は、細長いシャフトのチャネルに適合して、細長いシャフトの長さにわたって延びる長手方向軸線に対して深さ表示器が著しく回転するのを防ぐように構成することができる。いくつかの実施形態では、細長いシャフトの近位端におけるチャネルの直径又は幅は、チャネルの遠位端におけるチャネルの直径又は幅よりも大きいことが可能である。
【0052】
いくつかの実施形態では、器具は、シャフト及び深さ表示器と共に使用される、ドリルピンとドリルのチャックとを含むことができる。ドリルピンは、チャネルの直径又は幅よりも小さい直径をそれぞれ有し、それによってチャネル内に配設可能である遠位部分及び中間部分と、ドリルのチャックに結合されるように構成された近位部分とを有することができる。ドリルは、その遠位部分の直径がチャネルの直径又は幅よりも大きく、それによって、ドリルピンの遠位部分及び中間部分が細長いシャフトのチャネル内に配設された状態で、ドリルの遠位部分が細長いシャフトの近位端に当接するように構成されるようにして、構成することができる。ドリルの遠位部分が細長いシャフトの近位端に当接する構成では、ドリルピンの遠位側末端が深さ表示器の近位面に当接するように構成することができる。
【0053】
骨にボアを孔開けする1つの例示的な方法は、ドリルピン深さ限界をドリルピン深さゲージ上で設定することと、設定されたドリルピン深さ限界に基づいて、ドリルピンをドリルのチャックに取り付けることとを含むことができる。ドリルのチャックに取り付けられるドリルピンの結果として得られる構成は、使用の際、ドリルピンが配設される弾丸状部の近位側末端をドリルの遠位部分が係合したとき、ドリルピンの遠位側先端がドリルピン深さ限界を越えて遠位側に延在しないような構成である。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法は、骨ストック測定値を決定することを含むことができ、ドリルピン深さ限界の設定は、決定された骨ストック測定値に基づくことができる。骨ストック測定値は、例えば、靭帯ドリルガイドのアームの遠位側先端を、ボアの第2の端部が骨内に形成される位置で、孔開けされる骨上に位置させ、靭帯ドリルガイドに結合された弾丸状部の遠位側先端を、ボアの第1の端部が骨内に形成される位置で、孔開けされる骨上に位置させ、弾丸状部上に形成された骨ストック測定値を示す印を読み取ることによって決定することができる。
【0055】
方法と併せて使用することができるドリルピン深さゲージは、細長いシャフト及び深さ表示器を含むことができる。かかる実施形態では、ドリルピン深さゲージ上でドリルピン深さ限界を設定することは、細長いシャフトに対する深さ表示器の位置をロックして、ドリルピン深さ限界を設定することを含むことができる。更に、ドリルピン深さ限界に基づいてドリルピンをドリルのチャックに取り付けることは、深さ表示器の近位面をドリルピンの遠位側先端と接触させることと、ドリルの遠位部分がドリルピン深さゲージの細長いシャフトの近位側末端を係合するように、ドリルピンの近位部分をドリルと係合することとを含むことができる。細長いシャフト及び深さ表示器を有するドリルピン深さゲージを含む、いくつかの実施形態では、ドリルピン深さゲージ上でドリルピン深さ限界を設定することは、細長いシャフトに沿って深さ表示器を摺動させることと、溝係合特徴部を選択的に配備して、細長いシャフトに形成された複数の溝のうち1つの溝を係合して、細長いシャフトに対する深さ表示器の位置をロックして所望のドリルピン深さ限界を設定することとを含むことができる。
【0056】
骨にボアを孔開けする方法は、ドリルピンが中に配設された弾丸状部の近位側末端をドリルの遠位部分が係合するまで、骨にボアを孔開けすることを、更に含むことができる。ドリルの遠位部分が弾丸状部の近位側末端と係合されると、ドリルピンの遠位側先端は、骨を通して孔開けされるボアの遠位端に配設され得る。
【0057】
本開示はまた、靭帯ドリルガイド及び弾丸状部と併せて使用される外科用ドリルに外科用ドリルピンを取り付ける、例示的な方法を提供する。方法は、骨ストック測定値を決定することと、靭帯ドリルガイドと併せて使用される弾丸状部の長さを決定することと、チャックの遠位側にあるドリルピンの露出部分の長さが骨ストック測定値及び弾丸状部の長さに等しいようにして、ドリルピンを外科用ドリルのチャックに結合することとを含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、骨ストック測定値を決定することは、靭帯ドリルガイドのアームの遠位側先端を、ボアの第2の端部が骨内に形成される位置で、孔開けされる骨上に位置させることと、靭帯ドリルガイドに結合された弾丸状部の遠位側先端を、ボアの第1の端部が骨内に形成される位置で、孔開けされる骨上に位置させることと、弾丸状部上に形成された骨ストック測定値を示す印を読み取ることとを含むことができる。
【0059】
方法はまた、ドリルピンをドリルピン深さゲージ内に配設することを含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲージは、ドリルピン深さゲージ内に配設されたドリルピンの長さが、チャックの遠位側におけるドリルピンの露出部分の長さに等しくなるように設置されるように構成することができる。他のいくつかの実施形態では、ドリルピン深さゲージには、骨ストック測定値を示す印を形成することができる。かかる実施形態では、ドリルピン深さゲージの近位側末端をドリルの遠位部分が係合すると、ドリルピンの遠位側先端は、決定された骨ストックを示す印のところに位置することができる。更に他の実施形態では、ドリルピン深さゲージは、ドリルピン深さゲージの長さに沿った複数の所望の位置に設定されるように構成された、可動の深さ表示器を有することができ、複数の所望の位置のうち1つの所望の位置は、決定された骨ストック測定値に基づく。かかる実施形態では、ドリルピンを外科用ドリルのチャックに結合することは、ドリルピンの遠位側先端を深さ表示器の近位面と係合することと、ドリルの遠位部分をドリルピン深さゲージの近位側末端と係合することとを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本明細書に開示するデバイス及び方法の構造、機能、製造、及び用途の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的な実施形態について以下に記載する。これらの実施形態の1つ以上の例が添付図面に示される。本明細書に具体的に記載し、添付図面に示すデバイス及び方法は、非限定的な例示の実施形態であること、並びに、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることが、当業者には理解されるであろう。ある例示的な実施形態に関連して例証又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。更に、構成要素が「第1のアーム」又は「第2のアーム」などの数的参照を使用して記載される範囲内で、かかる参照は何ら重要性を有するものではなく、したがって、任意の他の構成要素、対象、ステップなどに対する構成要素の任意の特定の順序、位置、場所などをいかなる形でも示すものではない。事実上、かかる数的参照は交換可能に使用することができる。例えば、明細書において「第1のアーム」又は「第1の部分」として記載される構成要素が、特許請求の範囲において「第2のアーム」又は「第2の部分」として列挙される場合がある。当業者であれば、かかる交換可能な用法を理解することができるであろう。同様に、構成要素が「前端部」又は「後端部」などの位置的参照を使用して記載される範囲内で、かかる参照はかか観点にのみ限定するものではない。当業者であれば、デバイスの側面をある図では「前端部」として説明される場合があることが、別の図では側端部、後端部、上端部、又は下端部と成り得ることを理解することができるであろう。かかる説明は、本明細書に記載又は請求される視野をいかなる形でも限定するものではない。
【0062】
本開示では、実施形態の同様に番号が付された構成要素は、一般に同じ特徴部及び/又は目的を有する。それに加えて、直線寸法又は円寸法が開示されるシステム、デバイス、及び方法の説明で使用される範囲で、かかる寸法は、かかるシステム、デバイス、及び方法と併せて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者であれば、任意の幾何学的形状に対してかかる直線寸法及び円寸法と同等のものを簡単に決定することができることを、当業者であれば認識するであろう。ドリルピン深さゲージを含む、モジュール式ガイドシステムの構成要素及び関連する構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも部分的に、構成要素と共に使用されている他の構成要素のサイズ及び形状、操作されている対象の解剖学的構造、並びに行われている処置の種類に依存する場合がある。
【0063】
本開示は、全体として、ACL及びPCLの修復処置などの靭帯修復処置で使用することができる、外科用ガイドを提供する。モジュール式ガイドとも呼ばれる外科用ガイド110、210の2つの例示的な実施形態が、
図2及び
図3に示される。本明細書に記載する外科用ガイドは、一般に、ガイドアーム120、220と、ガイドアーム120、220の少なくとも一部分に沿って摺動するように構成されたキャリッジ140、240との組み合わせに依存する。キャリッジ140、240を、ガイドアーム120、220に沿った位置で選択的にロックして、靭帯修復処置と併せて孔開けされる骨トンネル又は骨ボアの所望の位置及び軌道を設定することができる。キャリッジ140、240はまた、ガイド110、210と併せてそれ自体を使用して、孔開けされる骨トンネル又は骨ボアの所望の位置及び軌道を設定するため、弾丸状部170、270を受け入れるように構成することができる。トンネル及びボアという用語は、骨に孔を形成することに関連する本明細書全体を通して交換可能に使用されるであろう。
【0064】
図2及び
図3に示される2つの構成に関する更なる詳細が以下に提供されるが、2つの構成間の主な違いは、キャリッジ140、240の構造、特にキャリッジがどのようにして弾丸状部を受け入れるように構成されているかという点である。
図2のキャリッジ140は、図示されるようにキャリッジ140の近位端140pを通して頂部から挿入され、キャリッジ140の遠位端140dに向かって挿入される弾丸状部170を受け入れるように、全体的に構成される弾丸状部受入れ開口部142を含む。チェック
図3のキャリッジ240は、キャリッジの側面、図示されるような前側に面する表面又は第1の顔面250f(
図9Aでより良好に見える)から挿入され、それによって弾丸状部が外部環境から、第1の顔面250fを実質的に通って延在する面P
1を横切って、弾丸状部受入れ開口部242に入るように、弾丸状部を受け入れるように、全体的に構成される弾丸状部受入れ開口部242を含む。
【0065】
図2及び
図3に示される構成、並びに本明細書に記載されるか又は別の形で本明細書から導き出すことができるそれらの変形は、
図1A及び
図1Bに示されるガイド10などの既存のガイドに比べて多数の利益を提供する。キャリッジとガイドアームとの間の相互作用により、骨トンネルの軌道を確立すると共に、使用中に意図せずに係脱される可能性が低い、しっかりした被ロック位置が作り出される。その結果、骨トンネルが発散を通るか又は別の形で、骨トンネルを通って不正確に孔開けされる可能性が減少する。ガイドの構成はまた、外科医が、外科的処置の間に様々なタスクを行うために、ガイドを持ち替えるか又はガイドの構成要素を交換する必要なしに、外科医が簡単に操作することができるような構成である。実際に、これまでのガイドとは異なり、本明細書で提供されるガイドは、脛骨トンネル及び大腿骨トンネルの両方を形成するのに、ガイドを簡単に操作するために部品を交換するか又は握り直す必要なしに、患者のどちらかの膝に対して同じガイドを外科医の右手又は左手で簡単に使用できるという点で、自在である。更にまた、開示する設計により、デバイスの一般的な操作中にユーザが保持する部分とは別個の部分、例えばキャリッジによって、骨トンネルの角度又は軌道を規定することができる。開示するガイド並びにその他のもののこれらの利益は、以下の説明から明白である。
【0066】
本開示はまた、本明細書に記載するガイド又は従来技術で知られているガイドと併せて使用することができる、ドリルピン深さゲージを提供する。ドリルピン深さゲージ380、480の2つの例示的な実施形態が、本明細書の
図21A及び23C〜23Fに提供される。本明細書に提供されるか、又は別の形で本明細書から導き出すことができるゲージは、ユーザが簡単に、トンネルを孔開けするのに使用されるドリルピンが遠くに移動しすぎないようにできることによって、骨トンネルを骨に孔開けする方法を改善する。ドリルピンが骨トンネルを越えて遠くまで延在しすぎることで、周囲の組織など、例えば大腿骨関節軟骨及び神経脈管構造を損傷する可能性がある。より具体的には、ガイドによって、ユーザがドリルチャックに対するドリルピンの位置を正確に設定することができるので、ドリルピンは、骨トンネルの意図した遠位端を実質的に越えて移動することができず、したがって周囲の組織と意図せずに接触することが防止される。
【0067】
外科用ガイド110、210の実施形態に戻ると、それぞれ一般に、一部分上にキャリッジ140、240が配設されたガイドアーム120、220を含む。アーム120、220は、第1の部分122、222及び第2の部分124、224を有し、2つの部分間を延在する角度α、α’が約110°以下であることができるものと見なすことができる。あるいは、部分はそれぞれ第1のアーム及び第2のアームとして説明することができる。第1のアーム又は部分122、222は、キャリッジ140、240と併せて動作して、本明細書では骨トンネルの軌道と呼ばれることがある、骨トンネルが骨に孔開けされる角度を規定することができ、第2のアーム124、224の遠位端又は第2の端部124b、224bに配設される先端126、226は、孔開けされる骨トンネルの遠位端の位置を規定することができる。図示されるように、キャリッジ140、240は、第1のアーム122、222上に配設されると共に、第1のアームの長さに沿って並進することができ、アームに沿って選択的にロックして骨トンネルの軌道を設定することができる。キャリッジは、弾丸状部170、270を受け入れる開口部142、242を有することができ、それが第1のアーム122、222及びキャリッジ140、240と併せて働いて、孔開け構成要素が、例えばドリルピン又はリーマが骨に入る軌道をより簡単に確立することができる。弾丸状部170、270の遠位端170d、270dはまた、孔開け構成要素の進入位置を規定するため、意図した骨トンネルの近位端に隣接して配設することができる。
【0068】
ガイド110、210の2つの構成要素(ガイドアーム120、220及びキャリッジ140、240)並びに弾丸状部170、270については、
図2及び
図3に示される2つの実施形態の少なくとも1つに関して更に詳細に後述する。弾丸状部は、ガイドの一部と見なすことができ、又はガイドとは別の、別個の構成要素と見なすことができる。一般に、ガイドアーム、キャリッジ、及び弾丸状部は、外科用システム又はモジュール式システムの中心的構成要素と見なすことができる。したがって、右手若しくは左手で使用するために中心的構成要素を交換又は再構成する必要がない自在なシステムを可能にする、本明細書に提供する開示によって、ガイドアーム、キャリッジ、及び弾丸状部のような構成要素を、交換又は再構成することなく使用することができる。当業者であれば、ガイド110、210の一実施形態に対して提供される教示の多くは、両方の実施形態に対して、並びに本明細書に提供するか又は別の形で本開示から導き出すことができる他の構成要素に対して、等しく適用可能であることを認識するであろう。
【0069】
更に、本明細書の開示は、ガイドシステムをガイドしロックするのを支援することができる、様々な特徴について考察する。一般に、システムのガイド部分は、孔開けされるボアの位置及び軌道を規定すると共に、システムが使用中のときにユーザによって把持されるように構成される、任意の構成要素であることができる。ガイド部分としては、システムのガイドアーム(例えば、中でも特に、ガイドアーム120、220)が挙げられるが、それに限定されない。一般に、ロック部分は、ガイド部分と併せて働いて、骨に孔開けされるボアの位置及び軌道を規定するように構成される、任意の構成要素であることができ、ガイドシステムをロックして、ボアの軌道を最終決定するか又は別の形で規定するように構成される。ロック部分としては、キャリッジ(例えば、キャリッジ140、240)及び/又は弾丸状部(例えば、弾丸状部170、270)が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、構成要素はガイド部分及びロック部分の両方であり得る。例えば、場合によっては、キャリッジがガイド部分及びロック部分の両方であり得る。
【0070】
ガイドアーム
図3によるガイドアーム220が
図4A及び
図4Bに示される。第1の部分(若しくはアーム)222は、一般に、キャリッジを第1の部分の長さの一部分に沿って並進させることができるように、キャリッジと係合するように構成され、第2の部分(若しくはアーム)224は、骨トンネルの遠位端をどこに形成すべきかの表示器として役立つように、骨の別の側面の周りで曲げられるように構成される。
【0071】
図示されるように、第1のアーム222は、全体的に弓状であって、互いにほぼ平行な2つの顔面222f、222gと、それらの間を延在する、やはり互いに対してほぼ平行な2つの側壁222r、222sとを有する。顔面222f、222g及び側壁222r、222sの表面は実質的に平面であることができ、第1のアーム222の長さlにわたって実質的に一貫した幅W及び高さhを有することができる。図示される実施形態では、アーム222の弓状の性質は、アームの全長lにわたって実質的に同じである曲率半径Rを維持するような性質であるが、他の実施形態では、アーム222の一部分のみが弓状であってもよく、アームはその長さにわたって変動する曲率半径を有してもよい。第1のアーム222及びガイド210両方の末端を形成する第1のアーム222の一方の端部222aは、湾曲した構成を有し、第1のアーム222の第2の反対側の端部222bは第2のアーム224と噛合するように構成される。例えば、第1のアーム222は、第2のアーム224の第1の端部224aに形成される補完的な雌部材によって受け入れられるように構成された雄部材を、その端部222bに有することができる。
【0072】
当業者であれば、第1及び第2のアーム222、224を接続することができる、他の多くの方法があることを認識するであろう。例えば、
図2の実施形態に示されるように、第1及び第2のアーム122、124は、バンド又はクランプなど、一方のアームを他方に対して設定された位置で維持する結合デバイス128によって共に保持される。いくつかの実施形態では、第1及び第2のガイドアーム122、222及び124、224は、それらが同じ個片であるように、単一構造のものであることができる。より一般には、本明細書で使用するとき、一体構造という用語は、単一構造のものである実施形態、並びに第1のアームが何らかの方法で第2のアームに結合された一体的なアームを形成する実施形態を包含する。一体構造は、孔開けされる骨トンネルの意図した角度又は軌道を調節するのに、第1及び第2のアームが互いに対して移動しないようなものである。更に、第1のアームも第2のアームも、孔開けされる骨トンネルの意図した角度又は軌道を調節するように、フレームなど、ユーザが保持するように構成された構成要素に対して移動しない。
【0073】
1つ以上の係合特徴部を第1のアーム222の少なくとも一部分上に形成することができる。
図4A及び
図4Bに示される実施形態では、係合特徴部は、第2の端部222bよりも末端222aに近い、アーム222の末端222a付近の位置に形成される、複数のスロット230(例えば、6つのスロット)である。各スロットは、キャリッジをアーム222に対してロックして、骨トンネルの軌道のための特定の角度を実現することができる位置として役立つ。当業者であれば、第1のアーム222上で特定される軌道又は角度を規定するのに使用される数の重要性について認識するであろう。数は、骨トンネルの実際の軌道を規定するのに外科医が使用している基準点に基づいて、外科医にとって有用である。したがって、単に第1のアームに対して特定の数、例えば75°で軌道が設定されることは、弾丸状部と骨との間、弾丸状部と第2のアームの特定の部分との間、又は他の任意の特定の寸法の間に形成される角度が、75°であることを意味しない。ガイド210を使用する当業者であれば、自身の特定の目的に対して、規定された軌道の重要性を理解するであろう。
【0074】
図4A及び
図4Bに示されるように、提供されるスロット230によって95°〜120°の角度が可能になり、提供される角度が互いから5°離れるように、各スロットはそれぞれのスロットから離隔される。
図5のガイド110の第1のアーム122に形成されるスロット130によって、45°〜70°の角度が可能になり、やはり各スロットは、提供される角度が互いから5°離れるようにしてそれぞれのスロットから離隔される。ガイド210と同様に、第1のガイド110は第1及び第2のアーム122及び124を含むことができる。
図5に示されるように、第1のアーム122は、2つの顔面122f、122g(122gは見えていない)及び2つの側面122r、122s(122sは見えていない)を含むことができ、スロット130は末端122aに近接して形成される。図示される実施形態は、軌道が95°〜120°及び45°〜70°の範囲であることを示しているが、当業者であれば、約15°〜約165°のいずれかの範囲であり、各スロットがおおよそ、約1°〜約25°の範囲の間の程度差を有する、可能である多種多様な軌道の選択肢について認識するであろう。いくつかの実施形態では、そのアームを用いた各処置に対して一貫した軌道が使用されるので、単一のスロットが望ましいことがある。更に、図示されうる実施形態では、係合特徴部(1つ以上)はスロットを含むが、本開示の趣旨から逸脱することなく、スロットの代わりに又はそれと併せて、当業者には知られている他の係合特徴部も使用することができる。
【0075】
ユーザがそれぞれのスロットと関連付けられた角度を知るように、スロット130、230に隣接して、第1のアーム122、222上に印132、232を形成するか又は別の形で示すことができる。代替実施形態では、印をスロットの代わりに使用することができる。デバイス110、210によって確立される角度は、第1のアーム122、222上におけるスロット130、230の位置、スロット130、230が形成される第1のアーム122、222の部分の曲率半径R、R’、及びアーム120、220と共に使用されるキャリッジの構成を含むがそれらに限定されない、様々な要因に応じて変わる。
【0076】
スロット130、230自体は、アーム122、222の顔面122f、222f及び122f、122gに形成される窪みであり、したがってそれらは雌噛合要素として役立つ。スロット130、230は様々な方法で構成することができるが、一般に、雌スロットが係合する、キャリッジの雄部材(アーム222の場合、
図6に示されるようなキー164)に対して補完的な構成を有する。図示される実施形態では、
図5のみに番号付けされているが、各窪みは僅かに先細状になっており、それによって、スロットの進入開口部130e、230eに近接した各スロット130、230の側壁130s、230sの高さvが、スロットの末端130t、230tに近接した側壁130s、230sの高さvよりも僅かに高い。かかる構成によって、進入開口部130e、230eにおけるポケットが雄部材を捕えるのに十分な深さであり、末端部130t、230tにおけるポケットが、雄部材がスロットから積極的に除去されるまで雄部材を中で維持するのに十分な深さであるため、キャリッジの雄部材が所望の雌スロット130、230に嵌合することがより簡単になる。実際に、かかる構成は、ユーザがキャリッジの雄部材を能動的に係合してスロットに嵌合することなく、キャリッジを第1のアームに沿った所望の軌道でロックすることができる、受動ロック構成を可能にする助けとなる。
【0077】
図4A及び
図4Bに示されるように、スロット230並びにスロット230と関連付けられる印232を、第1のアーム222の両方の顔面222f、222gに形成することができる。キャリッジは、単にアームの片側でスロットを係合するように設計されているものの、両方の顔面222f、222gにスロット230を設けることによって、中心的構成要素に対する著しい調節を行うことなく、例えば、ただ右利き及び左利きのユーザ用にキャリッジの方向を反転させるだけで、右利き及び左利きのユーザが同じガイドを簡単に使用することを可能にする、自在な構成が作り出される。かかる構成によって、また、ユーザが膝に対してどこに位置しているかにかかわらず、ユーザが左膝又は右膝のどちらかにデバイスを使用して、脛骨及び大腿骨両方の骨トンネルを形成することがより簡単になる。したがって、外科医は、手術室内の別の位置に移動することなく、またガイドの中心的構成要素の1つ以上、即ちガイドアーム、キャリッジ、及び/又は弾丸状部を、交換又は調節する必要なしに、室内の同じ位置から同じデバイスを用いて処置を行うことができる。他の実施形態では、キャリッジは、アームの両側のスロットを係合して、より一層しっかりした被ロック位置を提供するように構成することができ、あるいは、アームは、例えば製造をより迅速かつ安価にするため、アームの片側にのみ形成されたスロットを有することができる。
【0078】
第1のアーム222は、ユーザがデバイス210を把持するのを支援する特徴部も含むことができる。デバイス210は、一般に、末端222aから離れる方向でアーム222の長さをスロット230よりもずっと下がった把持位置234で、ユーザの指が同様にこの位置でアーム222の周りに巻き付けられて、第1のアーム222がユーザの掌に収まることを可能にする形で構成される。図示される実施形態では、ユーザにとって快適な把持を提供するため、把持位置234で面取り部236がアーム222に形成される。面取り部236は、図示されるようにアーム222の両側に設けることができ、その結果、ユーザが膝に対してどこに位置するかにかかわらず、またデバイスの中心的構成要素を交換又は再構成する必要なく、どちらかの膝に対して行われて脛骨トンネル及び大腿骨トンネルの両方を形成する処置と併せてデバイス210を自在に、即ちどちらの手でも使用できるようにする、追加の特徴部が提供される。当業者であれば、アームに組み込んで、ユーザがデバイスを把持するのを支援することができる、他の特徴部を認識するであろう。非限定例として、いくつかの実施形態では、指グリップ又は溝を把持位置234に形成して、デバイス210を保持するときにユーザの指を位置付けることができる位置を提供することができる。
【0079】
第2の部分又はアーム224は第1のアーム222と噛合して、上述したような一体的な構成を形成する。更に、第2のアーム224は、第1のアーム222に対して角度α’で配設することができ、その角度は、第1及び第2のアーム222、224の顔面222f、224fを実質的に通って延在する、面P
2内で形成される。より具体的には、第1のアーム222と第2のアーム224との間の角度は約110°以下であることができる。当業者であれば、脛骨トンネルを形成するのに使用されるガイドアームの角度α’は、一般的に、大腿骨トンネルを形成するのに使用されるガイドアームの角度α’とは異なることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、アーム間の角度は約60°〜約110°の範囲であり、例示的な一実施形態では、角度は、大腿骨トンネルでは約105°、脛骨トンネルでは約90°である。第1のアーム222と第2のアーム224との間で形成される角度は、膝など、身体の所望の位置へのアクセスを可能にするのを支援することができる。より具体的には、角度によって、弾丸状部の遠位端を骨トンネルの近位端に対する所望の位置に配設することができ、第2のアーム224の遠位端224bを骨トンネルの遠位端に対する所望の位置に配設することができるように、弾丸状部をガイドアーム220と関連付けることを可能にする。角度α’はまた、脛骨及び大腿骨以外の文脈で使用されるガイドアームの場合にも異なることができる。
【0080】
第2のアーム224は様々な構成を有することができる。図示されるように、特にその遠位端224bに向かって弓状の構成を有し、それにより、骨トンネルの遠位端に対する所望の位置に近接する位置に第2のアーム224を位置付けることができる。図示される実施形態では、第2のアーム224は、互いに対して実質的に平行な2つの顔面224f、224gと、それらの間を延在する、やはり互いに対して実質的に平行である2つの側壁224r、224sとを含む。本明細書で使用するとき、実質的に平行という用語は、必ずしも正確に平行であることを意味するものではなく、少なくとも表面の1つ以上を横切って存在してもよい様々なテーパによって、実質的に平行な構成に関与するものとして記載される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の顔面224fは、ハウジング250の中央長手方向軸線に向かって、近位端250pから遠位端250dまで先細状にされてもよく、それにより、ハウジング内に配設された弾丸状部の遠位側先端が、より詳細に後述するように、ガイドを通って延在する面P
2内にほぼ収まることができる。尖った遠位側先端226は、第2のアーム224の末端又は第2の端部224bに配設することができ、孔開けされる骨トンネルの遠位端の位置を規定するのに使用することができる。また、ドリルピン又は他の切断デバイスを、第1のアーム222から第2のアームの末端224bまで通すユーザに対して、末端224bに達しているので、切断デバイスがそれ以上遠位側に前進しないことを示すのに使用することができる。いくつかの実施形態では、遠位側に前進している切断又は孔開けデバイスを停止させる助けとするため、先端226をより鈍くすることができる。更に他の実施形態では、第2のアームの遠位側先端は、部分円、例えばC字形、又はドリルピンを受け入れる開口部を画成する全円であることができる。
【0081】
第2のアーム224の第1の端部224aは、第1のアーム222の第2の端部222bに類似した構成を有して、第1のアームを第2のアームに結合するのを簡単にすることができる。その結果、1つのアームから次のアームへの移行が滑らかである。図示されるように、面取り部236などの把持特徴部は、第2のアーム224の第1の端部224aが把持位置234の一部であるように、第2のアーム224の一部分上に延在することができる。しかしながら、第2のアーム224の残りの部分は、アームを身体内に配設したときに目立ちにくいように、その長さに沿ってより薄くすることができる。図示されるように、遠位端224bにおける高さh’及び幅W’は、第1の端部224aにおける高さh’及び幅W’よりも小さいように、第2のアームの高さh’及び幅W’は両方とも、第2のアームの長さl’に沿って先細状になっている。いくつかの実施形態では、第2のアーム224の長さl’は第1のアーム222の長さlと同様であることができるが、他の実施形態では、アームの一方が他方よりも長い場合がある。
【0082】
当業者であれば、本開示の趣旨から逸脱することなくガイドアームを形成するのに使用することができる、様々な他の構成を認識するであろう。いくつかの実施形態では、本明細書で例証するガイドアーム120、220など、アームの弓状の性質を考慮して例証されるような対向する先端から測定した第1のアーム122、222の長さlはおおよそ、約10cm〜約15cmの範囲であることができ、第1のアーム122、222の幅Wはおおよそ、約10mm〜約30mmの範囲であることができ、第1のアーム122、222の高さhはおおよそ、約5mm〜約10mmの範囲であることができ、曲率半径Rはおおよそ、約90mm〜約120mmの範囲であることに留意されたい。例示的な一実施形態では、第1のアーム122、222は、約12cmの長さl、約13mmの幅W、約6mmの高さh、及び約108mmの曲率半径Rを有する。各スロットは、おおよそ約3mm〜約10mmの範囲の長さy(
図5)と、おおよそ約3mm〜約10mmの範囲の幅x(
図5)と、その最大及び最小高さにおける、おおよそ約3mm〜約8mmの範囲の先細状の高さv(
図5)とを有することができる。例示的な一実施形態では、各スロットは、約5mmの長さyと、約4mmの幅xと、進入開口部130e、230eに近接して約6mmの高さvと、末端130t、230tに近接して約5mmの高さとを有する。
【0083】
同様に、いくつかの実施形態では、本明細書で例証するガイドアーム120、220など、アームの弓状の性質を考慮して例証されるような対向する先端から測定した第2のアーム124、224の長さl’はおおよそ、約10cm〜約15cmの範囲であることができ、第2のアーム124、224の幅W’はおおよそ、約3mm〜約14mmの範囲であることができ、幅W’は第1の端部124a、224aから第2の端部124b、224bまでその長さに沿って減少し、第2のアーム124、224の高さh’はおおよそ、約2mm〜約8mmの範囲であることができ、やはり高さh’は第1の端部124a、224aから第2の端部124b、224bまでその長さに沿って減少し、第2の端部124b、224bに近接した曲率半径R’はおおよそ、約0mm〜約46mmの範囲である。例示的な一実施形態では、第2のアーム124、224は、約13cmの長さl’と、第1の端部124a、224aで約11mm、及び第2の端部124b、224bで約4mmの幅W’と、第1の端部124a、224aで約6mm、及び第2の端部124b、224bで約4mmの高さh’と、第2の端部124b、224bに近接して約46mmの曲率半径R’とを有する。更に、ガイドアーム120、220の第1及び第2のアーム122、222及び124、224は、ステンレス鋼及びチタンなどの外科用等級の金属、又は様々なポリマーを含むがそれらに限定されない、様々な材料から作ることができる。いくつかの実施形態では、アームは同じ材料から作ることができるが、他の実施形態では異なる材料から作ることができる。
【0084】
キャリッジ
図6は、
図2に示される性質のものである、即ちその近位端140pから弾丸状部を弾丸状部受入れ開口部142に受け入れるように構成された、キャリッジ140の例示的な一実施形態を示す。特に、キャリッジ140は、使用中にユーザによって一般に保持されるデバイスの部分、即ちガイドアーム120とは別個のデバイス110の構成要素であり、それによってデバイス110は、
図1A及び
図1Bに示されるデバイス10など、使用中にユーザによって一般に保持される部分の一部として骨トンネルの軌道を規定する構成要素を含むデバイスよりも、使用が簡単になると共により正確になる。キャリッジ140は、一般に、ハウジング150と、弾丸状部受入れ開口部又はチャネル142と、ガイドアーム、例えばガイドアーム120の上に配設される、ガイド受入れ開口部144とを含む。ハウジング150は、多くの異なる形状及びサイズを有することができ、それらは少なくとも部分的に、それと共に使用されているデバイス構成要素の構成、患者の解剖学的構造、及びそれが使用されている処置の種類に応じて変わる可能性がある。図示される実施形態では、ハウジング150は、近位端150p、遠位端150d、近位端150pと遠位端150dとの間を延在する2つの対向する顔面150f、150g、及び2つの顔面150f、150gと近位端及び遠位端150p、150dとの間を延在する2つの対向する側面150r、150sを含む、台形プリズムの形状を有するものとして一般に説明することができる。より詳細に後述するように、これらの表面はそれぞれ連続的でなくてもよい。非限定例により、図示される実施形態の第2の顔面150gは、連続的でない上側部分150a及び下側部分150bを含むが、ガイド係合機構160と共に、これらの2つの部分150a、150bは、一方の側面150rから他方の側面150sまで延在するガイド受入れ開口部144の壁を形成する。図示されるように、上側部分150aと下側部分150bとの間を延在し、外側に面するガイド係合機構160の外表面160gは、上側及び下側部分150a、150bの外表面と面一ではないが、他の構成では面一であり得る。
【0085】
図示されるように、ハウジング150の長さLは、近位端150pと遠位端150dとの間の距離によって規定され、これは第1及び第2の顔面150f、150gの長さ、並びに第1及び第2の側壁150r、150sの長さでもあり得る。図示される実施形態では、顔面150f、150g及び側壁150r、150sの長さは実質的に等しい。ハウジング150の厚さTは、第1の側壁150rと第2の側壁150sとの間の距離によって規定され、これは第1及び第2の顔面150f、150gの幅、並びに近位端及び遠位端150p、150dの幅でもあり得る。
図7に示されるように、近位端150pにおけるハウジング150の厚さTは、遠位端150dにおける厚さTよりも厚い。ハウジング150の幅Wは、第1の顔面150fと第2の顔面150gとの間の距離によって規定され、これは、側面150r、150sの幅、並びに近位端150p及び遠位端150dの幅でもある。
図8に示されるように、近位端150pにおけるハウジングの幅Wは、遠位端150dにおける幅Wよりも広い。一般に、ハウジング150の長さLはハウジング150の厚さT及び幅Wよりも長いが、これは必ずしも必須ではない。しかし、より長いハウジングは弾丸状部をよりしっかりと収める助けとなり得る。
【0086】
弾丸状部受入れ開口部又はチャネル142を第1の顔面150fに形成することができる。図示されるように、弾丸状部受入れ開口部142は、近位端150pから長手方向でそこを通り、遠位端150dまでそこを通って延在しそれが受け入れるように構成された弾丸状部170の形状に対して補完的である、実質的に円筒状の形状を有する。同様に、開口部142の直径は弾丸状部を中に受け入れるようにサイズ決めされる。図示される実施形態では、弾丸状部受入れ開口部142の直径はハウジングの幅Wのサイズの半分未満である。更に、弾丸状部受入れ開口部142、及びそれが形成される第1の顔面150fは、中に配設された弾丸状部を骨トンネルの近位端の所望の位置と位置合わせするのを助けるため、近位端150pから遠位端150dまで先細状にすることができる。即ち、キャリッジ140は、第1及び第2のアーム122、124の顔面122f及び124fを実質的に通って延在する面P
2から離れる方向で延在するので、第1の顔面122f及び/又は弾丸状部受入れ開口部142の僅かなテーパが、弾丸状部の遠位端を手術部位に置いて面内P
2にあるように方向付ける助けとなり得る。結果として、弾丸状部170の遠位端170dを遠位側先端126と適切に位置合わせして、骨トンネルを、骨トンネルの近位端と遠位端との間で適切に位置合わせできるようにすることができる。テーパの程度はおおよそ、面P
2に対して約1°〜約8°の範囲であることができ、いくつかの実施形態では、テーパの程度はP
2に対して約3°である。
【0087】
ガイド受入れ開口部144は、弾丸状部受入れ開口部142を実質的に横断して延在し、第1の側面150rからそこを通り、第2の側面150sまでそこを通って、ハウジング150を通って延在することができ、開口部144は、近位端150pの内壁、遠位端150dの内壁、第1の顔面150fの内壁、及び第2の顔面150gの内壁によって、例えば主としてガイド係合機構160の内壁によって画成される。図示されるように、ガイド受入れ開口部144及び弾丸状部受入れ開口部は異なる面内を延在する。第1のアーム122はガイド受入れ開口部144を通って延在することができ、キャリッジ140は、第1のアームの長さに沿った1つ以上の位置でしっかりとロックすることができるように、ガイド受入れ開口部144のサイズ及び形状は、ガイドアーム120の第1のアーム122のサイズ及び形状に対して補完的であることができる。図示される実施形態では、キャリッジ140の長さLは第1のアーム122の長さlを実質的に横断して延在することができる。本明細書で使用するとき、実質的に横断するという用語は、少なくとも第1のアーム122の弓状構成により、必ずしも正確に横断することを意味しなくてもよい。当業者であれば、かかる説明は全体として、図示されるように、キャリッジ140の長さLが一般に第1のアーム122の長さと同じ方向で配設されないという事実に対処することを意図することが理解されるであろう。
【0088】
上述したように、第2の顔面150gは、外科用ガイド係合機構160によって部分的に形成することができる。図示される実施形態では、外科用ガイド係合機構160は、第1の顔面150fに対して反対方向で実質的に平行なバー162を含むが、第1の顔面150が、上述したように面P
2に対して僅かなテーパを有する実施形態では、必ずしも正確に平行でなくてもよい。バー162は、図示される選択的に配備可能なキー164のような、その上に形成される雄部材を含むことができ、それは、
図7及び
図8に示されるように、アームガイド120、複数のスロット130上に形成された雌部材の形状及びサイズに対して補完的な形状及びサイズを有する。
【0089】
外科用ガイド係合機構160は、受動ロック係合機構として役立ち得る。それと併せて、ばね荷重式のボタン166をガイド係合機構160の近位端160pに形成することができる。
図7に示されるように、ボタン166をキャリッジ140の遠位端140dに向かって押し下げると、キャリッジ140は、第1のアーム122に形成されたスロット130の上を通ること及びそれを越えることを含めて、ガイドアーム120に沿って自由に並進することができるように、ボタン166は、ハウジングの長手方向軸線LAに沿ってキー164を移動させるように構成することができる。しかしながら、
図8に示されるように、ボタン166が押し下げられていないとき、キャリッジ140は、キー164が付勢されてスロット130の1つの中へと戻るまで、即ちキー164がスロット130を受動的にロックするまで、ガイドアーム120に沿って摺動することしかできない。
【0090】
キー164がスロット130に適切に収まってキャリッジ140を被ロック位置に配置すると、2つの力がガイドアームに加えられる。
図8に示されるように、第1のアーム120の第2の顔面122gに対してほぼ垂直な方向Mの第1の力によって、キャリッジ140がガイドアーム120を下に押し、方向Mに対してほぼ垂直であって第2の顔面122gに実質的に平行である方向Nの第2の力によって、キャリッジ140がガイドアーム120を押し戻す。結果として、キャリッジ140は、ガイドアーム120に対して適所にしっかりとロック配置され、次いで、ばね力又は時間に伴って磨滅する可能性があるきつい許容差に大きく依存する必要なしに、ドリルピンの発散のリスクが低減される。キャリッジ140が被ロック位置にあるときキャリッジ140は第1のアーム122の長さに沿って前進することができず、また、ハウジング150の長手方向軸線LAに沿って移動しないように制限される。
【0091】
ボタン166は様々な形状及びサイズを有することができるが、一般に、ユーザの親指で押すことができるように構成することができる。図示される実施形態では、ボタン166の長さL
Bはハウジング150の幅Wと同様であり、ボタン166の幅W
Bはハウジング150の幅の約半分である。ばねをハウジング150内に配設して、ボタン166を、したがってキー164を所望の位置へと付勢することができる。図示される実施形態では、外科用ガイド係合機構160の長さに沿って2つのばねが配設され、ボタン166を、したがってキー164を、キャリッジ140の近位端140pから近位方向へと離れる方向Qで付勢する。外科用ガイド係合機構160はまた、バー162に形成された開口部168を含むことができる。開口部168は、キャリッジ140が
図7に示されるように第1のアーム122上に配設されたとき、スロット130付近に形成された印132を簡単に読み取ることができるように構成することができる。いくつかの実施形態では、開口部168により、キー164がスロット130の1つを係合しようとしているか又は係合しているときに、ユーザがそれを見ることを可能にすることができる。
【0092】
キャリッジ140は、ガイドアーム120に対するキャリッジ140の位置をロックするだけでなく、中に配設された弾丸状部の位置もロックすることができる。より具体的には、図示される実施形態、では、弾丸状部受入れ開口部142内に配設された弾丸状部170は、第1のアーム122の長さl及び第1のアームの高さhに対してロックされるので、弾丸状部170はそれらの方向に移動することができない。しかしながら、上述したようにキャリッジをアーム122に沿って並進するように動作させると、弾丸状部170は第1のアーム122の長さlに沿って移動することができる。更に、キャリッジ140は、キャリッジが並進する構成であるか被ロック構成であるかにかかわらず、弾丸状部170を長手方向軸線LAに沿って近位側及び遠位側に移動させることができるように構成することができる。これにより、弾丸状部170の遠位側先端170dが、骨トンネルが形成される骨に隣接又は近接して位置付けることを可能にする。この位置は、骨トンネルの近位端を規定することができ、また、より詳細に後述するように、次いで骨トンネルの長さとなる骨ストックを、即ち孔開けされる骨の厚さを、測定する助けとするのに使用することができる。
【0093】
横装填式キャリッジ
キャリッジ240の第2の実施形態を
図9A〜
図11に示す。キャリッジ140と同様に、キャリッジ240は、使用中にユーザによって一般に保持されるデバイスの部分、即ちガイドアーム220とは別個のデバイス210の構成要素であり、それによってデバイス210は、
図1A及び
図1Bに示されるデバイス10など、使用中にユーザによって一般に保持される部分の一部として骨トンネルの軌道を規定する構成要素を含むデバイスよりも、使用が簡単に成ると共により正確になる。キャリッジ240は、多くの異なる形状及びサイズを有することができるハウジング250を含み、それらは少なくとも部分的に、それと共に使用されているデバイス構成要素の構成、患者の解剖学的構造、及びそれが使用されている処置の種類に応じて変わる可能性がある。キャリッジ140のハウジング150と同様に、ハウジング250は、近位端250p、遠位端250d、近位端250pと遠位端250dとの間を延在する2つの対向する顔面250f、250g、及び2つの顔面250f、250gと近位端及び遠位端250p、250dとの間を延在する2つの対向する側面250r、250sを含む、台形プリズムの形状を有する。やはりハウジング150と同様に、識別された表面はそれぞれ連続的である必要はなく、例えば、第2の顔面250gは連続的でない上側部分250a及び下側部分250bを含むことができ、図示される外表面260gのようなガイド係合機構260の一部分は、2つの部分250aと250bとの間を延在して、ハウジング250を通って一方の側面250rから他方の側面250sまで延在するガイド受入れ開口部244の壁を形成することができる。ハウジング250の長さL’、幅W’、及び厚さT’は、ハウジング150に関して上述し、
図9A〜
図9C及び
図10に示したのと同じ距離によって規定することができる。一般的に、長さL’は幅W’及び厚さT’よりも長い。
【0094】
キャリッジ240はまた、弾丸状部受入れ開口部242及びガイド受入れ開口部244を含む。より具体的には、弾丸状部受入れ開口部242は、ハウジング250内で回転可能に配設される、回転可能な受器246内に形成される。開口部241を第1の顔面250f’に形成して、回転可能な受器246を受け入れることができる。図示されるように、開口部241は、ハウジング250の近位端250pに形成された主要受入れ部分241m及びトラック部分241tを含むことができる。トラック部分241tは、回転可能な受器246の近位端246pがトラック部分241t内に収まり、それに対して回転することができるように、主要受入れ部分241mよりも大きい直径を有することができる。
【0095】
使用の際、回転可能な受器246は、弾丸状部を中に受け入れることができるように外部環境に対して開いている、受入れ位置とも呼ばれる第1の位置と、回転可能な受器246によって受け入れられた弾丸状部がその被ロック位置に配設され、それによって弾丸状部がキャリッジ240に対して少なくとも2つの面内でロックされる、
図9A〜
図9C及び
図10に示される、ロック位置とも呼ばれる第2の位置との間で、ハウジング250に対して回転する。より具体的には、被ロック位置にある弾丸状部は、第1の顔面250fと第2の顔面250gとの間、又は第1の側面250rと第2の側面250sとの間で並進することができない。回転可能な受器246はまた、弾丸状部が回転可能な受器246内に配設されると共に、第1の顔面250fと第2の顔面250gとの間、又は第1の側面250rと第2の側面250sとの間で並進することができない、受入れ位置とロック位置との間に配設される中間位置を含む。しかしながら、より詳細に後述するように、被ロック位置では、弾丸状部は、近位端250dに向かってではなく、遠位端250dに向かって遠位側にのみ並進することができ、中間位置では、弾丸状部は遠位側及び近位側の両方で自由に並進することができる。
【0096】
回転可能な受器246は、少なくとも部分的に、ハウジング、弾丸状部、及び他の関連構成要素の構成、並びにキャリッジが使用されている処置の種類に応じて、様々な形状及びサイズを有することができるが、図示される実施形態では、回転可能な受器246は、それが中に配設されるハウジング250の部分、即ち開口部241の形状に補完的である、ほぼ円筒状の形状を有する。したがって、回転可能な受器の主本体246mを、開口部241の主要受入れ部分241m内に収まることができ、開口部内で回転できるように形作ることができる。回転可能な受器246の近位端246pは、開口部241のトラック部分241tに受け入れられるように構成される、円筒状のガイドを含むことができる。図示されるように、図示される実施形態ではトラック部分241tの直径は主要受入れ部分241mの直径よりも大きいので、近位端246pは主本体246mの直径よりも大きい直径を有することができる。更に、図示されるように、近位端246pは対向する窪み246iを含むことができる。窪み246iによって、回転可能な受器246が、より詳細に後述するように、ハウジング250に対して回転可能な受器246の位置をロックする助けとするのに使用される、傾斜233の一部分を受け入れることを可能にすることができる。それに加えて、近位端246pに隣接した主本体246mの直径が、回転可能な受器246の遠位端246dにおける主本体246mの直径よりも大きいように、主本体246mの直径を先細状にすることができる。このテーパは、
図6〜
図8のキャリッジ140に関して上述したテーパと同様に、主要受入れ部分241m及び/又はハウジング250自体に形成されたテーパに対して補完的であることができ、弾丸状部受入れ開口部242内に配設された弾丸状部を、形成される骨トンネルの所望の近位端と位置合わせする助けとするように構成することができる。同様に、キャリッジが第1のアーム222上に配設されているとき、顔面222f、224fgを実質的に通って延在する面P
1’(図示なし)に対するテーパの程度は、類似したものであり得る。
【0097】
回転可能な受器は、弾丸状部を弾丸状部受入れ開口部242内で固定する助けとなる特徴部を含むことができる。1つのかかる特徴部は、図示されるピン239のような、チャネルの最も深い中央部でチャネル242内へと延在する突出部であることができ、ピン239が弾丸状部のスロット又は溝内に収まって、回転可能な受器246に対する弾丸状部の位置を維持する助けとすることができるように、弾丸状部に形成されたスロット又は溝に対して補完的であることができる。弾丸状部がピン239によって、例えばより詳細に後述するように、弾丸状部をチャネル242内で回転させることによって固定されると、弾丸状部に加えられる偶発的な力によって弾丸状部がチャネル242の周りで回転することがなくなる。いくつかの実施形態では、ピン及び弾丸状部の材料は、一旦ピン239がスロット内に配設されると可聴音が放出され、それによって弾丸状部が回転可能な受器246に対して固定されたことをユーザに通知するような材料であることができる。ピン239は、回転可能な受器246の壁に形成されたボア237内に配設することができ、又は、当業者には既知の様々な異なる技術を使用して、回転可能な受器246と関連付けることができる。図示される実施形態では、ピン239は回転可能な受器246の近位側半分の位置に配設されるが、ピン239は、本開示の趣旨から逸脱することなく、回転可能な受器246の長さに沿った任意の場所に配設することができる。
【0098】
回転可能な受器246はまた、受器246をロック位置で保持する助けとなる、及び/又は回転可能な受器246をロック位置から除去する助けとなる特徴部を含むことができる。1つのかかる特徴部は、回転可能な受器246の外表面に形成された溝又はトラック235である。図示されるように、トラック235は、チャネル242の一端からチャネル242の他端まで外表面の周りを延在し、トラック235はチャネル242に対向する。トラック235は、ハウジング250に設けられた1つ以上の傾斜233と併せて働いて、回転可能な受器246をロック位置で保持することを可能にする位置に配設される。図示されるように、トラック235は、回転可能な受器246の近位側半分にあり、ピン239の近位側に配設される。
【0099】
受器246をロック位置で保持するため、及び/又は受器246をロック位置から除去するため、回転可能な受器246の特徴部と併せて使用される傾斜、例えば窪み246iは、様々な構成を有することができる。図示されるように、キャリッジの傾斜233は、ロッド233r及びボタン233bの組み合わせによって形成される。より具体的には、ロッド233rは、開口部241に隣接してハウジング250に形成される補完的な開口部231を通って延在することができ、ボタン233bは、開口部231に隣接してハウジング250に形成されると共に、開口部231にわたって延びる長手方向軸線に対して実質的に垂直な、中を延在する長手方向軸線を有する、別の補完的な開口部229を通って延在することができる。ロッド233rは、ボタン233bに形成されたチャネル233c内に収まって、ボタン233bをハウジング250の構造内で緩く保持する。開口部231は、回転可能な受器がハウジング250内で適切に配設されると、トラック235と位置合わせされるように形成される。ロッド233rの側壁の一部分は、開口部231を通って開口部241内へと延在し、したがってトラック235内へと延在することができる。かかる構成は、回転可能な受器246がハウジング250に対して回転できることを支援する。ばね233sは、開口部229の基部とボタン233bとの間で開口部229内に配設して、少なくとも部分的にはボタン233b上におけるロッド233rの緩い保持により、ボタン233bが開口部229内で浮遊できるようにすることができる。ばね233sによってボタン233bに供給される力は、回転可能な受器246を被ロック位置で保持するのに十分に大きいが、ボタン233bを窪み246iから係脱するのに何らかの種類の解除ボタンを使用することなく、回転可能な受器を逆方向に回転させることによって、そのロックを解除できるようにするのに十分に小さい力であることができる。
【0100】
開口部229は、ボタン233bの近位端が回転可能な受器246に形成された窪み246iの1つを係合して、ハウジング250に対する回転可能な受器246のロック位置を固定することができるように形成される。図示されるように、ボタン233bは、その近位端に、窪み246iに対して補完的な先細状の傾斜233tを含む。傾斜233が、窪み246iを形成する、回転可能な受器246の表面を係合すると、
図10に示されるように、回転可能な受器246をロック位置で固定することができる。図示される実施形態に示されるように、窪み246iの一方は他方よりも僅かに大きく、回転可能な受器246がロック位置にあるとき、ボタン233bを係合するのは大きい方の窪み246iの表面である。小さい方の窪み246iの表面は、回転可能な受器246が受入れ位置にあるときにボタン233bを係合し、したがって、回転可能な受器が受入れ位置を越えて回転するのを防ぐ。小さいほうの窪み246iの表面をボタン233bから係脱するのに要する力は、大きいほうの窪み246iの表面をボタン233bから係脱するのに要する力よりも小さい。
【0101】
図示される実施形態における傾斜233は、傾斜233と窪み246iの表面との間に作られる慣性を克服するのに十分な、反時計方向の対向する力が回転可能な受器246に加えられたとき、回転可能な受器246iをロック位置から除去できるようにする、オフロードのための傾斜としても役立つことができるように構成される。あるいは、ボタン233bは開口部229内で浮遊しているので、回転可能な受器246をロック位置から除去することができる代替の方法は、ボタン233bを遠位端240dに向かって押して、窪み246iを形成する表面からボタン233bを係脱することによる。
【0102】
回転可能な受器246に形成された弾丸状部受入れ開口部又はチャネル242は、その近位端246pからその遠位端246dまで延在することができる。開口部242は様々な方法で形作ることができるが、図示される実施形態では、それが受け入れるように構成された弾丸状部の形状に対して補完的である、実質的に円筒状の形状を有する。図示されるように、C字形を有するものとして説明することができる。同様に、開口部242の直径は弾丸状部を中に受け入れるようにサイズ決めされる。図示される実施形態では、弾丸状部受入れ開口部242の直径は、回転可能な受器246のサイズのほぼ半分であり、結果として図示されるC字形が得られる。回転可能な受器246に形成される開口部242の形状は、本明細書に記載する様々な特徴部と共に、弾丸状部を弾丸状部受入れ開口部242内で固定し、弾丸状部を側面から開口部242に挿入できるようにする助けとなる。より具体的には、弾丸状部を、外部環境から、第1の顔面250fを実質的に通って延在する面P
1を横切って、弾丸状部受入れ開口部242に入るようにすることができる。
【0103】
ガイド受入れ開口部244は、ハウジング250の長手方向軸線LA’を実質的に横断して、したがって開口部242を実質的に横断して延在し、ハウジングを通り、第1の側面250rからそこを通り、第2の側面250sを通って延在する。図示されるように、開口部244は、近位端250pの内壁、遠位端250dの内壁、第1の顔面250fの内壁、及び第2の顔面250gの内壁によって、例えば主にガイド係合機構260の内壁によって、画成することができる。ガイド受入れ開口部244は、弾丸状部受入れ開口部242とは異なる面内を延在することができる。第1のアーム222はガイド受入れ開口部244を通って延在することができ、キャリッジ244は、第1のアームの長さに沿った1つ以上の位置でしっかりとロックすることができるように、ガイド受入れ開口部244のサイズ及び形状は、ガイドアーム220の第1のアーム222のサイズ及び形状に対して補完的であることができる。図示される実施形態では、キャリッジ240の長さL’は第1のアーム222の長さl’を実質的に横断して延在することができる。上述したように、本明細書で使用するとき、実質的に横断するという用語は、少なくとも第1のアーム222の弓状構成により、必ずしも正確に横断することを意味しなくてもよい。当業者であれば、かかる説明は全体として、図示されるように、キャリッジ240の長さL’が一般に第1のアーム222の長さl’と同じ方向で配設されないという事実に対処することを意図することが理解されるであろう。
【0104】
上側部分250aと下側部分250bとの間を延在して、ガイド受入れ開口部244をやはり規定する第2の顔面250gを形成するように構成されたガイド係合機構260は、ガイド係合機構160に関して上述したのと類似の構造のものであることができ、したがって、受動係合ロック機構としても役立つことができる。図示されるように、ガイド係合機構260は、第1の顔面250fに対して反対方向で実質的に平行なバー262を含むことができるが、第1の顔面250が、上述したように面P
2に対して僅かなテーパを有する実施形態では、必ずしも正確に平行でなくてもよい。バー262の近位端262pは、ユーザの親指で押されるように構成されたボタン266であることができる。図示されるように、ボタン266は、ユーザの親指が滑ってボタンから外れるのを防ぐため、その上面に形成された把持特徴部を含む。把持部分の下にある近位端262pの部分は、第2の顔面250gの上側部分250aに形成された細長い開口部251に嵌合するようにサイズ決めすることができる。
【0105】
バー262の中間部分262iは、図示される選択的に配備可能なキー264のような雄部材と、2つの開口部268、269とを含むことができる。キー264は、キャリッジ140のキー164と同様に、アームガイド上に形成された雌部材の、例えば複数のスロット230の形状及びサイズに対して、補完的な形状及びサイズを有することができる。バー262に形成された第1の開口部268は、第1のアーム222上に形成された印232を見るためのものであることができ、第2の開口部269は、後述するように、第3の寸法で弾丸状部を選択的にロックする機構と併せて使用することができる。
【0106】
特に、キャリッジ240に配設された弾丸状部は、中間位置又はロック位置にあるとき、2つの側面250rと250sとの間、及び2つの顔面250fと250gとの間で並進しないようにされる。しかしながら、弾丸状部は必ずしも、長手方向軸線LA’に沿って第3の寸法で並進しないようにされなくてもよい。より詳細に後述するように、キャリッジ240が中間位置にあるとき、中に配設された弾丸状部は、弾丸状部受入れ開口部242を通る長手方向軸線LA’に沿って遠位側及び近位側に自由に並進することができ、キャリッジがロック位置にあるとき、中に配設された弾丸状部は、弾丸状部に対して特定量の力が加えられると、弾丸状部受入れ開口部242を通る長手方向軸線LA’に沿って遠位側に並進することができる。ロック位置では、しかしながら、かかる閾値力を超えないとき、キャリッジ240は、長手方向軸線LA’に対する弾丸状部の位置、即ち第3の寸法を維持するように構成される。
【0107】
第2の開口部269は、閾値力を満たさないか若しくはそれを超えないとき、弾丸状部受入れ開口部242内に配設された弾丸状部の位置を維持し、閾値力を満たすか若しくはそれを超えると、弾丸状部が長手方向軸線LA’に沿って移動するのを可能にするように動作可能である、バネ荷重式のピン253を受け入れるように構成されることによって、弾丸状部を第3の寸法でロックすることに関与する。ばね荷重式のピン253は、第2の開口部269内に配設することができ、第2の顔面250gの上側部分250aに形成された中央開口部261を通り、細長い開口部251内へと延在することができる。
図11に示されるように、ばね荷重式のピン253は、ばね257が中に配設されたハウジング255と、並進する遠位側先端又はエンドキャップ259とを含む。エンドキャップ259は、ばね257によって、回転可能な受器246を、またしたがって弾丸状部を受け入れる開口部242内へと付勢される。回転可能な受器246が弾丸状部を受け入れる開位置にあるとき、エンドキャップ259は、回転可能な受器246の外表面によって、開口部242の外に付勢される。しかしながら、回転可能な受器246がロック位置にあるとき、エンドキャップ259を付勢して弾丸状部と接触させて、加えられる閾値力を満たすか又は超えない限り、キャリッジ240に対する弾丸状部の位置を維持する助けとすることができ、その場合、弾丸状部は遠位側に並進することができる。いくつかの実施形態では、ハウジングの近位端255pはねじ止めすることができ、中央開口部261内に配設されたねじ山にねじ込み噛合させることができる。かかる構成は、ハウジング250に対するピン253の位置を維持する助けとなり、更に、閾値力の変更を可能にすることができる。例えば、ハウジング255を回転させることによって、ばね257に加えられる力の量を増加又は減少させることができ、それによってピン253の閾値力を調節する。
【0108】
図12Bに関して後述するように、遠位側エンドキャップ259は、隆起274など、弾丸状部270上に形成された係合特徴部に接触して、遠位方向に加えられる閾値力が加えられていない状態で弾丸状部270の位置を維持する助けとすることができる。キャップ259及び隆起274の相互作用は、弾丸状部が近位側に前進させられるのを防ぐが、閾値力を満たすか又はそれを超える力に応答して弾丸状部を遠位側に前進させるのを可能にする、一方向ロック機構として作用する。より具体的には、隆起274は、遠位側の移動のみを可能にするように、角度を付けることができる。閾値力を満たすか又はそれを超えると、弾丸状部270は骨トンネルの近位端の意図した位置に向かって遠位側に前進する。閾値力の値は、キャリッジ及び弾丸状部の構成を含むがそれらに限定されない、様々な要因に応じて変わる可能性があり、本明細書に記載されるように、又は別の形で当業者には既知であるように、調節することができる。
【0109】
ボタン266を、またしたがってキー264を、キャリッジ240の近位端240pから離れる方向で近位側に付勢するように構成されたばね263を、細長い開口部251内に配設することができる。ばねは、ボタン266の下方でバー262の対向面に配設することができる。ガイド係合機構160と同様に、ボタン266がばね263の付勢に対抗して押し下げられたとき、キャリッジ240が、第1のアーム222に形成されたスロット230の上を通ること及びそれを越えることを含めて、ガイドアーム220に沿って自由に並進することができるように、ボタン266を近位側に付勢することができ、キー264は、ボタン266が押し下げられていないとき、スロット230を受動的に係合して、アーム222に対するキャリッジ240の位置をロックすることができる。
【0110】
レッジの厚さT
Lが中間部分の厚さT
Iよりも厚いように、バー262の遠位端262dはレッジ265を含むことができる。レッジ265は、第2の顔面250gの下側部分250bに形成された細長い開口部267内に収まり、下側部分250bの一部分を係合して、ガイド係合機構260をハウジング250と関連付けられたままにし、即ち、ガイド係合機構260がハウジング250から外れないように構成することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、第2の顔面250gの上側部分250aに識別プラグ227pを提供することができる。図示されるように、プラグ227pは、ばね荷重式のピン253を受け入れる開口部261に隣接した開口部225内に配設することができ、それに対する識別ロッド227rに結合することができる。識別ロッド227rは、ハウジング250の側面250sに形成された開口部223内に配設することができる。識別プラグ227p及び識別ロッド227rは、例えばプラグ227p及びロッド227rの色に基づいて、外科医がキャリッジのタイプを簡単に識別する助けとすることができる。結果として、手術の間、外科医は、横装填式又は頂部装填式どちらのキャリッジであるかを知るため、キャリッジを試験する必要がない。外科医は、識別プラグ227p及び識別ロッド227rのどちらか又は両方の形状、構成、及び/又は色に基づいて見分けることができる。キャリッジの他の構成要素のラベル及び/又は色分けを含むがそれらに限定されない、他のタイプの識別子も、類似の目的でキャリッジ上に含めることができる。
【0112】
当業者であれば、本開示の趣旨から逸脱することなく、キャリッジを形成するのに使用することができる、様々な他の構成を認識するであろう。本明細書に例証するキャリッジ140及び240など、いくつかの実施形態では、キャリッジ140、240の長さL、L’は約2cm〜約6cmの範囲であることができ、キャリッジ140、240の幅W、W’は約1cm〜約5cmの範囲であることができ、キャリッジ140、240の厚さT、T’は約1cm〜約6cmの範囲であることができることに留意されたい。例示的な一実施形態では、キャリッジ140、240それぞれに対して、約4cmの長さL、L’、約3cmmの幅W、W’、及び約3cmの厚さT、T’を有する。当業者であれば、キャリッジの構成要素、例えばガイド係合機構、回転可能な受器などに適した寸法を、それらの寸法、それらと関連付けられた構成要素の寸法、並びに本明細書に提供するか又は別の形で当該分野で既知である他の開示に照らして、導き出すことができるであろう。キャリッジ及び関連する構成要素は、ステンレス鋼及びチタンなどの外科用等級の金属、又は様々なポリマーを含むがそれらに限定されない、様々な材料から作ることができる。いくつかの特徴部、例えばボタンの把持部分を、当業者には既知の適切な材料から作られるように構成することができる。したがって、把持部分などの構成要素を、ユーザのグリップを向上するのに適した、ゴム又は他の適切な材料から作ることができる。
【0113】
弾丸状部
本明細書で提供されるアームガイド及びキャリッジと併せて使用される弾丸状部は、少なくとも部分的に、弾丸状部と共に使用されているアームガイド、キャリッジ、及び他の構成要素の構成、患者の解剖学的構造、並びに行われている処置の種類に応じて変わる、様々な構成を有することができる。
図12A及び
図12Bの図示される実施形態では、弾丸状部270は、近位端270pと、遠位側先端又は遠位端270dと、それらの間を延在する中間部分又は長さ270iとを有する、細長く実質的に円筒状又は管状のシャフト271である。弾丸状部270は、ボア272によって示されるように、その長さ全体にわたってカニューレを挿入されるので、ドリルピン及び/又はリーマなどの孔開け構成要素を弾丸状部に通し、骨トンネルが形成される骨まで通すことができる。
【0114】
近位端270pは、ドリルの遠位端と係合するように構成された面270fを有することができる。図示されるように、面270fは実質的に三角形の形状を有し、凹状の外側に面する表面を有する。面270fが凹状であることは、器具を弾丸状部270内へと方向付けるのを支援することができる。見えていないが、識別子274がシャフト271の外表面の周りに配設されることにより、面270fがシャフト271の延長部であるように、面270fをシャフト271と一体に形成することができる。他の実施形態では、異なる構成の面を単一の弾丸状部シャフト271と共に使用できるように、面270fをシャフト271に取外し可能及び交換可能に取り付けることができる。図示される実施形態では、識別子274は面270fに近接してシャフト271の周りに配設される。当業者であれば、弾丸状部を特定の用途向けに最適化できることを認識するように、識別子274は弾丸状部の種類を識別する助けとすることができる。非限定例によって、一部の弾丸状部がドリルピンと共に使用するためにより導電性であってもよく、別の弾丸状部がリーマと共に使用するためにより導電性であってもよい。他の実施形態では、かかる識別子274は使用されない。
【0115】
図示されるように、遠位端270dにあるシャフト271は、例えばシャフト271の壁の厚さを変動させて、弾丸状部270が骨に接して置かれるように、より簡単に組織に押し通されるようにすることによって、先細状にすることができる。いくつかの実施形態では、図示される歯270tのような骨係合特徴部を、遠位端270dの末端に形成することができる。歯270tは、遠位端270dが骨に対する弾丸状部270の位置を安定化する助けとなる。安定化は、弾丸状部270を使用して骨ストックのサイズを決定するときの、より正確な測定値、並びにドリルピン及びリーマが弾丸状部270に通されているとき、また骨に入れられて骨トンネルを形成しているときの、より正確な孔開けを提供する助けとすることができる。
【0116】
中間部分270iは、その一面に形成された溝又はチャネル276と、その別の面にある、図示される隆起278のような接触係合特徴部とを有することができる。図示されるように、溝276は、中間部分270iの長さに沿って延在し、弾丸状部受入れ開口部を形成する表面から延在する突出部によって係合されるように構成され、その開口部は、ハウジング自体に形成されるか、又はハウジング内に配設された回転可能な受器に形成され、例えば突出部は弾丸状部受入れ開口部246から延在するピン239である。溝276の最も深い部分は、溝276が突出部に係合されたときに弾丸状部270を被ロック位置で配設することができるのに十分な深さで、ただし溝276がボア272に入って弾丸状部のカニューレを挿入された構成を形成するほど深くない深さで、弾丸状部270の外表面内へと延在することができる。溝276をそこまで深く配設しないことによって、いずれかの場所により詳細に記載するように、キャリッジから外れることなく弾丸状部270を中間のロック位置で保持することができる。いくつかの実施形態では、溝276は、ドリルピンなどの構成要素が弾丸状部270を通り、ボア272及び溝276から外部環境へと予期せずに出ることが簡単になるような構成で、ボア272内へと延在することができる。溝276の長さは、様々な要因に応じて変動することができ、したがって、図示される長さは溝の長さ又は位置をいかなる形でも限定しない。溝276の長さは、弾丸状部270の長手方向移動の所望距離とほぼ同じ長さであるか、又はそれよりも長い。別の方法として、ピン239又は関連する構成要素は、弾丸状部270がハウジング250の長手方向軸線LA’に沿って並進する間、常に溝276と係合されているのではなく、そのことが、使用中の弾丸状部270の安定性が低い保持に結び付く。
図17A〜
図20Bの実施形態など、ピン239が関与しない実施形態では、このことが問題とならないことは明白である。
【0117】
中間部分270iの外表面に形成された隆起278は、弾丸状部270の長さの少なくとも一部分にわたって延在することができる。隆起278は、弾丸状部270を選択的に係合するように構成されたばね荷重式のピン253の遠位側先端259を受け入れて、キャリッジ240に対する弾丸状部の位置を一時的に維持するように構成することができる。更に、弾丸状部270が被ロック位置にあってキャリッジ240がロック位置にあるとき、弾丸状部270を長手方向軸線LA’に沿って遠位側にのみ前進させることができ、長手方向軸線LA’に沿って近位側には前進させないように、隆起278は角度を付けて配設することができる。より具体的には、方向Jで加えられる閾値力を超えると、遠位側先端259が反応して、加えられる力が閾値力を下回るまで、弾丸状部270を長手方向軸線LA’に沿って前進させることができ、その時点で、遠位側先端259が隆起278を係合し、キャリッジ240に対する弾丸状部270の位置を新しい位置で維持する。弾丸状部270が前進又は後退するにつれて、閾値力を克服しながら遠位側先端259が隆起278に沿って引きずられる際に音を出すように、遠位側先端259及び隆起278の相互作用は可聴であり得る。更に、加えられる力が閾値力を下回るか、又は力が完全に除去されると、遠位側先端259が隆起278を完全に係合して新しい位置を固定する際に、クリック音を聞くことができる。溝276の長さと同様に、隆起部分の長さは、弾丸状部270の長手方向移動の所望距離とほぼ同じ長さであるか、又はそれよりも長く、キャリッジ240に対する弾丸状部270の任意の所望の位置において、遠位側先端259が弾丸状部270と係合されたままであることを確保することができる。
【0118】
図15に示される弾丸状部170など、いくつかの実施形態では、中間部分170i上に印177を形成して、より詳細に後述するように、ユーザが、弾丸状部が移動した距離を識別すること、及び/又は骨ストックのサイズを識別することを支援することができる。
【0119】
当業者であれば、本開示の趣旨から逸脱することなく、弾丸状部を形成するのに使用することができる様々な他の構成を認識するであろう。いくつかの例示的な実施形態では、弾丸状部の長さは約10cm〜約20cmの範囲であることができ、弾丸状部の直径は約4mm〜約8mmの範囲であることができる。例示的な一実施形態では、弾丸状部の長さは約14cmであり、弾丸状部の直径は約7mmである。弾丸状部は、ステンレス鋼及びチタンなどの外科用等級の金属、又は様々な生体適合性ポリマーを含むがそれらに限定されない、様々な材料から作ることができる。
【0120】
キャリッジ及び弾丸状部
図13は、回転可能な受器246がロック位置にあり、したがって弾丸状部が被ロック位置にある、キャリッジ240内に配設された弾丸状部270を示す。図示されるように、被ロック位置では、弾丸状部270は第1の顔面250fと第2の顔面250gとの間を並進することができず、第1の側壁250rと第2の側壁250sとの間を並進することもできない。
図3に示されるようにキャリッジ240がガイドアーム220上に配設されると、弾丸状部270は、キャリッジ240によって、第1の側壁250rと第2の側壁250sとの間を延在する方向に実質的に平行な方向で、即ち第1のアーム222の長さに沿って、並進することができる。
図3に示されるように、キャリッジ240がガイドアーム220上に配設されると、キャリッジ240の第1及び第2の顔面250f、250g、並びに第1のアーム222の第1及び第2の顔面222f、222gは実質的に平行であるが、それは、上述したように、少なくとも顔面250f及び250gの場合によっては先細状の構成を考慮して、必ずしも正確に平行であることを意味しない。より具体的には、第1の顔面250fは第1の顔面222fから離れる方向で延在し、第2の顔面222gよりも第1の顔面222fの近くに位置する。同様に、第2の顔面250は第2の顔面222gから離れる方向で延在し、第1の顔面222fよりも第2の顔面222gの近くに位置する。
【0121】
被ロック位置では、弾丸状部270は、ハウジング250の長手方向軸線LA’に沿って遠位側に並進することができる。より具体的には、遠位方向Jで弾丸状部270に加えられる力が遠位側先端259によって供給される閾値力を超えると、弾丸状部270は、加えられる力が閾値力を超えなくなるまで方向Jで前進する。閾値力を超えると、遠位側先端259の付勢が克服され、したがって、遠位側先端259が各隆起278によって第2の顔面250gに向かって押し戻される。閾値力を超えなくなると、遠位側先端259が逆に、即ち第1の顔面250fに向かって、付勢されて隆起278と係合し、回転可能な受器246及びハウジング250に対する弾丸状部270の位置を固定する助けとなる。
【0122】
図14は、弾丸状部受入れ開口部242’を備えた回転可能な受器246’を有し、ガイドアーム120の第1のアーム122上に配設される、横装填式キャリッジ240’の代替実施形態を示す。ハウジング250’、回転可能な受器246’、及びガイド係合機構260’は、横装填式キャリッジ240に関して上述したのと同じ特徴部を多数有する。例えば、回転可能な受器246’が受入れ位置にあるとき、弾丸状部受入れ開口部242’が外部環境に向かって延在し、回転可能な受器246’がロック位置にあるとき、弾丸状部受入れ開口部242’が第2の顔面250g’(図示なし)に面し、上述したように、少なくとも2つの面内で弾丸状部がロックされる被ロック位置で弾丸状部を固定するように、回転可能な受器246’は第1の顔面250f’と関連付けられる。しかしながら、1つの違いは、ハウジング250の傾斜233に類似した位置でハウジング250’に配設された傾斜(図示なし)が、回転可能な受器246’をロック位置に入れるときに回転させた方向とは反対の方向で回転させることによって、回転可能な受器246’をロック位置から係脱できるように構成されない点である。その代わりに、回転可能な受器246’をロック位置から解放するには、ボタン233b’が押し下げられなければならない。図示されるように、ボタン233b’は、近位端250p’の外表面から離れる方向で近位側に突出し、ボタン233b’の別の部分(見えていない)は、回転可能な受器246’の近位端246p’に窪み246i’を形成する表面を係合して、回転可能な受器246をロック位置で保持する。ボタン233b’を遠位端250d’に向かって押し下げて、窪み246i’を形成する表面を係合するボタン233b’の部分を係脱することができ、それによって、回転可能な受器246’をロック位置から外して受入れ位置に向かって移動させることができる。図示されるように、ガイド係合機構260’のボタン266’及びボタン233b’は両方ともその上に形成された、例えばゴム又は他の適切な材料で作られた、ユーザがそれぞれのボタンを把持するのを支援するグリップを含むことができる。
【0123】
図14のキャリッジは、
図15に示される性質の弾丸状部と共に使用されるように構成することができる。弾丸状部170は
図12A及び
図12Bの弾丸状部270に類似しており、したがって、近位部分170p及び中間部分170iのみが示される。図示されるように、近位部分170pは、その面170fを含めて、中間部分170iと一体構造を有する。更に、中間部分170iはその上に形成された印177を含む。印は、弾丸状部170の外表面の円周に沿った任意の場所に形成することができ、したがって、図示される実施形態では、印は溝176に隣接して形成される。弾丸状部170上に示される印177は、値が近位側に配設されるほど数値が減少し、各記号は次のものと5mm離間している。印177は、骨ストックのサイズを、即ち孔開けされる骨の厚さを、したがって孔開けされる骨トンネルの長さを識別するのに使用することができる。より具体的には、弾丸状部170を骨に向かって遠位側に前進させるにつれて、より遠位側に位置する値が、弾丸状部が中に配設されたキャリッジによって隠れるので、ユーザに見える値が減少する。一旦弾丸状部170の遠位側先端が孔開けされる骨に接触し、ガイド110の第2のアーム124の遠位側先端126が孔開けされる骨トンネルの所望の遠位端に位置すると、骨ストックは、キャリッジ140に隣接した依然として目に見える値である。
【0124】
図16A〜
図16Cは、どのようにして弾丸状部170をキャリッジ240’のような横装填式キャリッジに挿入し、その後除去することができるかを示す。図示される実施形態では、キャリッジ240’はアーム120上に配設されて、外科用ガイド210’を形成する。
図16Aでは、弾丸状部170は、第1の顔面250f’を実質的に通って延在する面P
1を横切らせることによって、回転可能な受器246’の弾丸状部受入れ開口部242’に挿入されている。弾丸状部170は次に、回転可能な受器246’から延在する突出部(図示なし)が弾丸状部170に形成された溝176に入るまで、時計方向Tで回転する。これによって弾丸状部がその被ロック位置に配置され、弾丸状部170は、キャリッジ240’の2つの顔面250f’と250g’との間又は2つの側面250r’と250s’との間で並進することができない。更に、一旦弾丸状部170が被ロック位置になると、弾丸状部170に方向Tで加えられる任意の更なるトルクが回転可能な受器246’にも加えられるので、弾丸状部170及び回転可能な受器246’の両方が時計方向Tで回転する。これによって、回転可能な受器246’が、開口部242’が外部環境に対して完全に露出して弾丸状部を受け入れる受入れ位置から、ロック位置に向かって移動する。ロック位置では、回転可能な受器246’は、方向Tで加えられるのと同じ量のトルクに応答して回転せず、弾丸状部170はその被ロック位置に残る。本明細書のいずれかの場所に記載するように、ガイド係合機構260’と関連付けられたボタン266’を押し下げて、キャリッジ240’を、またしたがって中に配設された弾丸状部170を並進させ、第1のアーム122の長さに沿って選択的にロックすることができる。
【0125】
図16Bは、中間位置とも呼ばれるロック位置に向かって前進する回転可能な受器246’を示し、
図16Cは、ロック位置にある回転可能な受器246’を示す。中間位置では、弾丸状部170は回転可能な受器246’によって受け入れられ、2つの側面250r’と250s’との間で前後に自由に並進させることができる。
【0126】
図16Cに示されるように、弾丸状部受入れ開口部242’は、外部環境に向く代わりに第2の顔面250g’に向かって面するように、ロック位置では、回転可能な受器246’は受入れ位置から約180°回転している。回転可能な受器246’、及びしたがって弾丸状部170は、回転可能な受器246’を受け入れるキャリッジ240’の開口部241’(図示なし)内に配置される、傾斜233’(図示なし)によって、この位置で維持される。傾斜233’は、最初に溝235’を、次に、回転可能な受器246’の近位端246p’に窪み246i’(図示なし)を形成する表面を係合し、それによって回転可能な受器246’をロック位置で保持する。この位置において、遠位側先端170dを方向Jで遠位端250d’に向かって前進させることができるように、弾丸状部170は依然として、ハウジング250’の長手方向軸線LA’に沿って並進することができる。例えば、弾丸状部170の遠位側先端170dを、骨に接触するまで遠位側に並進させることができる。かかる位置では、弾丸状部170は、骨ストックを測定し、骨トンネルを形成するため、ドリルピン又は他の孔開け構成要素を骨内へとガイドするのに使用することができ、又は一旦骨トンネルが形成されると、他の器具を骨トンネルに通すためのガイドとして使用することができる。
【0127】
弾丸状部170は、窪み246i’を形成する表面が、ボタン233b’と関連付けられた傾斜233’によって係合されなくなるように、解除ボタン233b’を押し下げることによって、キャリッジ240’から除去することができる。結果として、反時計方向のトルクUが弾丸状部170に加えられると、弾丸状部170及び回転可能な受器246’の両方が、回転可能な受器246’の最初の受入れ位置、即ち弾丸状部受入れ開口部242’が外部環境に対して露出して弾丸状部を中に受け入れる位置に向かって、反時計方向Uで回転することができる。本明細書のいずれかの場所で考察するように、他の実施形態では、キャリッジの構成は、反対方向Uの回転が、ボタン233b’のような解除ボタンを押すことなく回転可能な受器をそのロック位置から移動させるのに十分であるような構成であり得る。
【0128】
一旦回転可能な受器246’がその最初の受入れ位置に戻されると、面P
1を横切って戻すことによって、弾丸状部170をキャリッジ240’から除去することができる。面P
1を交差するように前進させる弾丸状部170の方向は突出部から直接離れる方向なので、弾丸状部170の溝176は、単に面P
1を横切って弾丸状部176を前進させることによって、回転可能な受器246’の突出部から係脱される。あるいは、弾丸状部170は、弾丸状部受入れ開口部242’から除去されるまで方向Kで近位側に引っ張ることによって、キャリッジ240’から出すことができる。しかしながら、これはあまり有利ではない可能性があり、それは、ドリルピン又は他の孔開け構成要素が弾丸状部170内に配設される場合が多く、したがってドリルピン又は他の孔開け構成要素は、ドリルピン又は他の孔開け構成要素が形成された骨トンネルを通って延在しているままの状態で、弾丸状部170が開口部242’から完全に外に出ることを可能にするのに十分な長さでなければならないためである。結果として、ドリルピン又は他の孔開け構成要素は、弾丸状部170が開口部242’から外に出るときにドリルピン又は他の孔開け構成要素と関連付けられたままであるように、骨トンネル全体を通り、ガイド210’を超えて近位側に延在するのに十分な長さでなければならない。この長さは、トンネルを形成するのにちょうど必要な長さよりも著しく長く、発散の可能性が著しく増加する。弾丸状部170を、面P
1を横切ってキャリッジの横から出すことによって、ドリルピンが弾丸状部170をガイド210’から引き離すための余分な長さを有する必要はない。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも骨トンネルのパイロット孔を孔開けし、それによって、骨トンネルを完全に形成するための経路及び移植靭帯の最終位置を画成した後、弾丸状部170をキャリッジ240’から引き離し、キャリッジ240’及びアーム120を手術部位から除去することができ、一方で弾丸状部は、手術部位で使用される任意の器具の、例えばパイロット孔を通して戻されて完全な骨トンネルを形成するための逆行リーマの更なるガイドを提供する。
【0130】
横装填式キャリッジ及び弾丸状部の更なる実施形態
図17A〜
図17C、
図18、及び
図19は、横装填式キャリッジ340の別の代替実施形態を示し、
図20A及び
図20Bは、横装填式キャリッジ340と共に使用されるように構成される弾丸状部370の別の代替実施形態を示す。キャリッジ340の構成はキャリッジ240に類似しており、したがってこの実施形態は、2つのキャリッジ間の違いを協調する意図で記載する。キャリッジ340及び弾丸状部370は、本明細書に提供されるか、本開示から導き出すことができるか、又は別の形で当業者には既知である、ガイドアームと併せて使用することができる。
【0131】
キャリッジ340は、多くの異なる形状及びサイズを有することができるハウジング350を含み、それらは少なくとも部分的に、それと共に使用されているデバイス構成要素の構成、患者の解剖学的構造、及びそれが使用されている処置の種類に応じて変わる可能性がある。キャリッジ240のハウジング250と同様に、ハウジング350は、近位端350pと、遠位端350dと、近位端350pと遠位端350dとの間を延在する2つの対向する顔面350f、350gと、2つの顔面350f、350gと近位端及び遠位端350p、350dとの間を延在する2つの対向する側面350r、350sとを含む、台形プリズムの形状を有する。やはりハウジング250と同様に、識別された表面はそれぞれ連続的である必要はなく、例えば、第2の顔面350gは連続的でない上側部分350a及び下側部分350bを含むことができ、図示される外表面360gのようなガイド係合機構360の一部分は、2つの部分350aと350bとの間を延在して、ハウジング350を通って一方の側面350rから他方の側面350sまで延在するガイド受入れ開口部344の壁を形成することができる。ハウジング350の長さL’’、幅W’’、及び厚さT’’は、ハウジング250に関して上述し、
図21A〜
図21C及び
図22に示したのと同じ距離によって規定することができる。一般的に、長さL’’は幅W’’及び厚さT’’よりも長い。
図17Bに示されるように、幅W’’は近位面350pに向かって狭くなっているように、上側部分350aの第2の顔面350gは表面350gの中央部分から離れる方向に先細状である。同様に、
図17Bにも示されるように、幅W’’は遠位面350dに向かって狭くなっているように、下側部分350の第2の顔面350gは表面350gの中央部分から離れる方向に先細状である。
【0132】
キャリッジ340はまた、弾丸状部受入れ開口部342及びガイド受入れ開口部344を含む。より具体的には、弾丸状部受入れ開口部342は、ハウジング350内で回転可能に配設される、回転可能な受器346内に形成される。開口部341は、第1の顔面350fに形成して、回転可能な受器346を受け入れることができ、ハウジング350の近位端350pに形成された主要受入れ部分341m及びトラック部分341tを含むことができる。
【0133】
回転可能な受器346は、回転可能な受器246と全体的に同じ構造及び機能性を有するが、受器346は少なくとも2つの著しい形で異なっている。第一に、弾丸状部受入れ開口部342は異なるように形作られる。図示されるように、対向する辺342a、342bは実質的に平面であり、湾曲した辺342cは2つの辺342aと342bとの間を延在するように、開口部342は実質的にU字形である。この形状は、
図20A及び
図20Bに示される弾丸状部370の形状に対して補完的であり、弾丸状部が中間位置にあり、続いて被ロック位置にあるように、弾丸状部を回転可能な受器236に入れてロックする助けとなる。その点に関して、回転可能な受器346はまた、回転可能な受器に対する弾丸状部の位置を固定するのを支援する、ピン239などのピンを含まない。ピン239又は類似の固定機構が欠落していることが、回転可能な受器246と346との間の、したがってキャリッジ240、340間の第2の著しい違いである。
【0134】
図示される実施形態では、弾丸状部受入れ開口部342の直径は回転可能な受器346の直径のサイズの約半分であり、結果として図示されるU字形がもたらされる。開口部342の形状は開口部242とは異なるが、弾丸状部を横から開口部342に挿入することがその構成によって可能になっている点で開口部242に類似している。より具体的には、弾丸状部を、外部環境から、第1の顔面350fを実質的に取って延在する面P
1’を横切って、弾丸状部受入れ開口部342に入るようにすることができる。
【0135】
遠位端346d、主本体346m、近位端346p、対向する窪み346i、及びトラック335を含むがそれらに限定されない、回転可能な受器346の他の特徴部は、回転可能な受器346の一部として含むことができ、回転可能な受器246の同様に番号を付された構成要素と類似した形で動作させ構成することができる。同様に、より一般的に、ガイド係合機構360、及びそのバー362、キー364、レッジ365、ボタン366、並びに開口部368、369、ガイド係合機構360を付勢するばね363、回転可能な受器346内に配設された弾丸状部を係合するばね荷重式のピン353、並びにピンのハウジング355、ばね357、及び遠位側先端359、及び傾斜333、及びその構成要素のロッド333r、ボタン333b、及びばね333s、並びにガイド受入れ開口部344など、キャリッジ340の様々な構成要素を受け入れる開口部、ガイド係合機構360を受け入れる細長い開口部351、367、並びに傾斜333の一部を受け入れる開口部331及び329を含むがそれらに限定されない、キャリッジ340の他の特徴部を、キャリッジ340の一部として含むことができ、キャリッジ240の同様に番号を付された構成要素及び開口部と類似した形で動作させ構成することができる。キャリッジ340は、識別プラグ227p又はロッド227rの等価物を含まず、これはキャリッジ340とキャリッジ240との間の少なくとも第3の違いである。
【0136】
使用の際、回転可能な受器346は一般に回転可能な受器246と類似して動作し、したがって、受器346は、第1の受入れ位置と、
図17A〜
図17C及び
図18に示される第2のロック位置との間で、ハウジング350に対して回転する。回転可能な受器はまた、中に配設された弾丸状部が、開口部342にわたって延びる長手方向軸線LA’’’に沿って自由に並進することができる、上述の中間位置を提供する。更に、キャリッジ140、240に関して上記に提供した例示的なキャリッジの幅、長さ、厚さ、及び材料は、キャリッジ340に等しく適用可能である。
【0137】
キャリッジの弾丸状部370の構成は弾丸状部270に類似しており、したがって、この実施形態は、2つの弾丸状部間の違いを強調する意図で記載される。
図20A及び
図20Bの図示される実施形態では、弾丸状部370は、近位端370p、先細状の遠位側先端又は遠位端370d、及びそれらの間を延在する中間部分又は中間長さ370iを有する、細長い実質的に円筒状又は管状のシャフト371である。弾丸状部370は、ボア372によって示されるように、その長さ全体にわたってカニューレを挿入されるので、ドリルピン及び/又はリーマなどの孔開け構成要素を弾丸状部に通し、骨トンネルが形成される骨まで通すことができる。弾丸状部370は実質的に円筒状又は管状であるものとして説明できるが、シャフト371はシャフト271とは異なるように形作られる。図示されるように、シャフト371は、2つの対向する湾曲した部分371cと2つの対向する平面の部分371fとを含む。第1の顔面350fと第2の顔面350gとの間、又は第1の側面350rと第2の側面350sとの間で弾丸状部が並進できないように、2つの対向する平面の部分371fは、キャリッジ340の弾丸状部受入れ開口部342の平面の部分342a、342bと係合し、弾丸状部370をキャリッジ340内で固定して、弾丸状部を2つの面内でロックするように構成される。
【0138】
近位端370pの構成は一方向であり、それによって弾丸状部370が弾丸状部270と異なっている。近位端370pは、弾丸状部370の回転に対する更なる助けとなる、対向するアーム370a及び370bを含むより細長い構造を有する。対向するアーム370a、370bの追加の長さによって、弾丸状部370に対して回転力を提供したときにユーザがてこ作用を更に及ぼすことが可能になり、また外科的処置の過程の間、探索し把持するのがより簡単である。近位端270pと同様に、近位端370pは、弾丸状部370内へと器具を方向付けるのを支援することができる、ボア372の周りに配設された凹状部分370fを含む。
【0139】
中間部分370iは、少なくとも2つの異なる形で中間部分270iと異なる。第一に、等価の溝又はチャネル276が中間部分370iに形成されない。これは、キャリッジ340が、キャリッジに受け入れられる等価のピン239を含まないためである。溝又はチャネルが欠落していることによっても、図示される隆起378のような係合特徴部を中間部分370の対向する面371c上に配設することができるという第2の違いが可能になり、他の2つの対向する面371f上に形成された印377が、弾丸状部が移動する距離を識別すること、及び/又は骨ストックのサイズを識別することにおいてユーザを支援する。隆起378は隆起278と同様に構築することができ、したがって、弾丸状部がキャリッジ340の被ロック位置に配設されたとき、長手方向軸線LA’’’に沿って弾丸状部370を遠位側にのみ前進させることができるように、角度を成すことができる。図示される実施形態、は、他のキャリッジ及び弾丸状部の実施形態と同じく、キャリッジ340がロック位置にあり、弾丸状部370が被ロック位置にあるとき、弾丸状部370を近位側に前進させない。更に、弾丸状部170、270に関して上記に提供した例示的な弾丸状部の幅、長さ、厚さ、及び材料は、弾丸状部370に等しく適用可能である。
【0140】
ドリルピン深さゲージ
図21A〜
図21Dは、ドリルピン深さゲージ380の例示的な一実施形態を示す。ドリルピン深さゲージ380は、場合によっては最終遠位側移動位置とも呼ばれる、骨に骨トンネルを形成するドリルピンの最大移動距離を設定する助けとするのに使用することができるので、ドリルピンは、所望よりも遠くに移動せず、周囲の組織に対する望ましくない損傷を引き起こさない。いくつかの実施形態では、骨トンネルは、例えばリーマ又は逆行リーマを使用して後で拡張される、パイロット孔であることができる。本明細書で提供されるゲージ380、480は、本明細書で提供されるデバイス、システム、及び方法、例えばモジュール式ガイド及び弾丸状部と併せて、並びに骨トンネルを形成するのにドリルピンを使用する他のデバイス、システム、及び方法と併せて使用することができる。
【0141】
ドリルピン深さゲージ380は、一般に、細長いシャフト又はガイドチューブ382と表示器390とを含む。表示器390は、シャフト382の長さに沿って移動し、シャフト382を選択的に係合して、シャフト382に対する表示器390の位置をロックして特定の最大長さ又は距離を示すように構成することができる。次に、ゲージ380をドリルと併せて使用して、ドリルピンをドリルに対してチャックで締め、それによってそのドリルピンの最大移動距離を設定することができる。
【0142】
シャフト
図示されるように、細長いシャフト382は実質的に円筒状であり、実質的にその長さにわたって延びるボア又はチャネル384を有する。チャネル384は、近位端382pからシャフト382の遠位端382dに向かって延在し、ドリルピンが中に配設されるように構成される。チャネル384の近位部分384pは、チャネル384の残りよりも大きい直径を有して、ドリルピンをチャネル384に挿入するためのより大きい受入れ領域を提供することができる。このより大きい直径はまた、ゲージ380をドリルのチャックに対して面一で載置することを可能にする助けとすることができ、それによって、ドリルピンをドリルに対してチャックで締めるときに真の測定を行い、それに依存することができる。チャネル384はシャフト382をずっと通って延在させることができるが、図示される例示的な実施形態では、一端のみが開いていて、測定をそこから行うべき端部を、即ち近位端382pをユーザに対して表す。
【0143】
印386をシャフト382の外表面に形成して測定された骨ストックの長さを示すことができる。特に、シャフト382上に形成された印386は、手術部位で測定された骨ストックに対して相関することができる。したがって、いくつかの実施形態では、弾丸状部によって行われた骨ストックの測定値をゲージ380と併せて使用して、より詳細に後述するように、ゲージ380上の同じ測定値を設定することができるように、ゲージ380上に形成された印386は弾丸状部上に形成されたものと同じ印であることができる。
【0144】
図示される実施形態では、印386は、近位端382pよりも遠位端382dにより近接して形成され、骨ストックの最大値は最も遠位側に位置し、印386が近位側に延在するにしたがって値が減少する。印386の値は、少なくとも部分的に、患者の解剖学的構造及び行われている処置の種類に応じて、値の範囲を有することができるが、図示される実施形態では、値は20mmで始まり、70mmまで延在し、5mmの増分で増加する。更に、図示される実施形態では、印386は、シャフト382の円周のほぼ半分を延在する線であって、値がそれらに対応する線の直下に配設されているが、本開示の趣旨から逸脱することなく、デバイス上に印を形成する他の任意の構成を使用することもできる。
【0145】
係合溝388もシャフト382の外表面上に形成することができる。係合溝388は、表示器390の一部分によって係合されて、表示器390がシャフト382に沿った位置でロックできるように構成することができる。図示されるように、係合溝388は、シャフト382の長さに沿って印386とほぼ同じ位置で、近位端382pよりも遠位端382dの近くに形成される。これにより、関連する骨ストック値を識別するのと併せて、溝388を表示器390によって係合することができる。いくつかの実施形態では、各溝は1つの値又は記号と関連付けられるが、図示される実施形態では、記号よりも多数の溝があり、それによって、印386の記号の間にある骨ストックの測定値を表示器390によってシャフト382上に示すことを可能にするように、溝388の数は印386の値又は記号の数に等しいものであり得る。更に、図示される実施形態では、溝388は、シャフト382の円周の半分よりも長い長さを有するので、溝を
図21B〜
図21Dそれぞれで見ることができるが、溝388は、表示器390によって係合するのに適した任意の長さ又は形状を有することができる。溝のサイズ及び形状は、少なくとも部分的に、シャフトが共に使用される表示器の構成に応じて変わる可能性がある。
【0146】
シャフト382自体は、少なくとも部分的に、表示器390、ドリルピン、又は共に使用される他の構成要素の構成、及び行われている処置の種類に応じて、様々な形状及びサイズを有することができるが、図示される実施形態では、シャフト382は、おおよそ約10cm〜約40cmの範囲の長さと、おおよそ約5mm〜約15mmの範囲の直径とを有し、一実施形態では、シャフトの長さは約23cmであり、シャフトの直径は約8mmである。外科用等級のステンレス鋼、チタン、及びポリマーを含むがそれらに限定されない任意の数の材料を使用して、シャフトを形成することができる。
【0147】
表示器
表示器390は、シャフト382に対して補完的であるように構成されるので、表示器390はシャフト382の長さに沿って簡単に並進し、長さに沿った位置にロックされて、ドリルピンの距離の最大長さを設定することができる。表示器390は、一部の詳細と共に
図22A〜
図22Dに示される。表示器390は様々な形状を有することができるが、図示される実施形態は、表示器390は、近位側端面392p、遠位側端面392d、2つの面392pと392dとの間を延在する円筒状の側壁392s、近位側端面392pから遠位側端面392dを通って延在してシャフト382が中を通ることができるようにした中央開口部392cを有する、実質的に円筒状のハウジング392を有する。図示される実施形態に示されるように、側壁392sは、表示器390の円周の周りで凹状であることができ、ユーザが表示器390を把持又は保持し、シャフト382に沿って移動させることをより簡単にしている。更なる把持の利益のため、1つ以上のフィンガー溝392も側壁392sに形成することができる。図示されるように、2つのフィンガー溝393が側壁392sの両側に形成され、第3のフィンガー溝393がボタン394の反対側に形成される。ボタン394の機能性については、溝係合特徴部396に関して後述する。
【0148】
キー398は、中央開口部392cを形成する表示器390の内壁390iから延在することができる。キー398は、シャフト382に形成されたチャネル384に受け入れられるようにサイズ決めされ構成することができる。これによって、シャフト382の中央長手方向軸線LAに対して相当量回転させることなく、またシャフト382との緊密な関係を維持しながら、シャフト382の長さに沿って表示器390を並進させることができる。図示されるように、キー398は、上側表面398tが先細状になった長方形jの断面を有することができる。構成がシャフト382のチャネル384の構成に対して補完的であるという条件で、他の任意の数の構成を使用してキー398を形成することができる。更に、図示される実施形態では、キー398は近位面392pよりも遠位面392dの近くに配置されるが、他の実施形態では、キー398は、2つの面392p、392dからほぼ等距離で、又は近位面392pのより近くに配設することができる。
【0149】
選択的に配備可能な溝係合特徴部396も、表示器390の一部として提供することができる。溝388を係合することによって、シャフト382に対する表示器390の位置を選択的にロックするため、様々な構成を使用することができるが、図示される実施形態では、溝係合特徴部396は、表示器390内に配設された並進可能なブロック397を含む。ブロック397は中に形成された開口部397bを含むことができ、ボタン394から反対側に配設された開口部397bの内壁397は、ブロック397が被ロック位置にあるとき、溝388の1つの溝内に選択的に収まるように構成される。ブロック397は、例えば、シャフト382から径方向で離れる方向Cでブロックを付勢する、ブロック397の第2の端部397dに配設されたばね395によって、被ロック位置へと付勢することができる。ブロック397の第1の端部397pに配設されたボタン394は、ばね295の付勢と反作用するようにユーザによって操作することができ、それによってブロック397が被ロック位置から並進位置へと移動する。
図22Dは、ブロック397を、したがって並進位置にある表示器390を示す。図示されるように、径方向でシャフト382に向かう方向Dでボタン394に加えられる力は、ブロック397を、ボタン394とは反対側に、径方向でフィンガー溝393に向かって並進させ、したがって内壁397wが同じ方向に移動する。使用の際、かかる移動によって、内壁397wがシャフト382に形成された溝388から係脱し、その結果、表示器390がシャフト382の長さに沿って並進することができる。ボタン394に加えられる力が、ばね395によって供給される付勢力を克服するのに十分でなくなると、ブロック397は、方向Cで径方向に前進し、溝388のうち1つの溝を内壁397wと係合して被ロック位置を確立することができる。
【0150】
ピン399を表示器390内に配設して、ブロック397が表示器390から外れるのを防ぐことができる。図示されるように、ピン399は、ブロック397の外壁に形成された溝397gに収まり、表示器390が並進位置にあるとき、その溝397gの1つの端壁397eを係合する。ピン397gは、表示器が被ロック位置にあるとき、溝397gの反対側の端壁397fを係合するように構成することができる。他の実施形態では、ピン399は、並進位置又は被ロック位置のどちらか又は両方にあるとき、必ずしも端壁397f、397gを係合しない。
【0151】
ボタン394及びその内壁397wの位置は、少なくとも部分的に、表示器390がそれに沿って並進するように構成されたシャフト382の構成、及びキー398など、表示器の他の構成要素の位置に応じて変わる可能性がある。図示される実施形態では、内壁390iの視点からボタン394、内壁397w、及びキー398の位置を見ると、ボタン394及び内壁397wは、内壁390iの周りで互いから約180°互いに対向し、キー398は内壁397w及びボタン394のそれぞれから約110°に載置される。
【0152】
表示器390及びその構成要素は、少なくとも部分的に、シャフト382、ドリルピン、又は共に使用される他の構成要素の構成、並びに行われている処置の種類に応じて、様々な形状及びサイズを有することができるが、図示される実施形態では、表示器は、おおよそ約0.5cm〜約5cmの範囲の直径と、おおよそ約5mm〜約20mmの範囲の高さHとを有し、一実施形態では、表示器の直径は約Z cm、高さHは約12mmである。外科用等級のステンレス鋼、チタン、及びポリマーを含むがそれらに限定されない任意の数の材料を使用して、表示器を形成することができる。表示器390はシャフト382と同じ材料から作ることができるが、これは必須ではない。
【0153】
ドリルピン深さゲージ及びモジュール式ガイドの使用
表示器390がシャフト382に結合されると、ドリルから延在するドリルピンの長さが骨に骨トンネルを形成するのに必要な長さ以内であるように、それらを使用して測定された骨ストックをドリルピンと関連付けることができる。これにより、ドリルピンが、骨トンネルの遠位端を形成した後に骨を通り、腱又は他の組織に接触し、それに対して望ましくない損傷を引き起こすことを防ぐ。図示される実施形態では、表示器390の近位面392pは、骨ストック測定値である印386の値又は記号と位置合わせされるように構成される。結果として、ドリルピンがシャフト382のチャネル384内に配設されると、ドリルピンの遠位側先端が近位面392pに当接して、ドリルピンの最大移動距離としてそれを設定することができる。次に、ドリルの遠位部分がシャフト382の近位端382pに当接するように、ドリルピンをその近位端においてチャックで締めることができる。これにより、骨ストックの長さに弾丸状部の長さを加えたものが、チャックを超えて露出するドリルピンの長さに等しくなる構成がもたらされる。ドリルピン深さゲージを使用してドリルピンの最終遠位側移動位置を設定する、図示される実施形態が
図23A〜
図23Lに提供されるが、図面は縮尺通りではない。これらの図面はまた、モジュール式ガイド及び弾丸状部を使用して、骨ストックを測定し、膝の脛骨トンネル及び大腿骨トンネルの両方を孔開けすることを示す。
図23A〜
図23Lに示される外科的処置は、ドリルピン深さゲージの代替実施形態であるゲージ480と、モジュール式ガイド410及び弾丸状部470の代替実施形態の両方を使用する。かかるデバイスの特徴部及び構成要素は、本明細書に記載するものと類似したものであり得る。特に、モジュール式ガイド410はキャリッジを含まず、代わりに弾丸状部470がモジュール式ガイド410のガイドアーム420の第1のアーム422と直接噛合するが、当業者であれば、本開示を考慮して、キャリッジを有するガイドをどのようにして、
図23A〜
図23Lに示される処置と併せて使用できるかを理解するであろう。
【0154】
図23Aに示されるように、モジュール式ガイド410は、膝1000の脛骨1002に孔開けされる骨トンネルの所望の位置を設定するように動作させることができる。骨トンネルの軌道を、本明細書に記載の又は当業者には別の形で既知である技術を使用して、第1のアーム422に沿って設定することができ、ガイドアーム420の第2のアーム424の遠位側先端426を、脛骨1002に形成された骨トンネルの遠位端に対する所望の位置に位置付けることができる。弾丸状部470は、その被ロック位置に設置することができ、次に、形成される骨トンネルの近位端に対する所望の位置で、弾丸状部の遠位側先端470dが骨を係合するまで、脛骨に向かう方向Vで前進させることができる。弾丸状部470を脛骨に向かって前進させるにしたがって、弾丸状部470のシャフト上に形成された印477の値が減少するが、これが知覚可能なのは、値が、孔開けされる骨、即ち骨ストックの厚さを示すためである。第1のアームの近位面422tに隣接して配設された印477の値は、遠位側先端470dと遠位側先端426との間の距離として示される、骨ストックを表す。
図23A及び
図23Bに示されるように、測定された骨ストックは約45mmである。
【0155】
測定された骨ストックはドリルピン深さゲージ480に示すことができる。
図23Cに示されるように、表示器490の近位面492pが、最大ドリルピン長さを示すシャフト482上に形成された印486の45mm記号のところに位置するように、表示器490はシャフト482に対してロックされる。より具体的には、表示器490の回転可能なノブ496を回転させて、係合機構(図示なし)がシャフト482を係合し、表示器490の回転をロックするようにすることができる。同様に、ノブ496を回転させて、表示器490のロックを解除し、最大ドリルピン長さの他の位置を設定することができる。シャフト482は、ドリルピン深さゲージ380のシャフト382に類似した構造のものであることができる。表示器490はそれと関連付けられた異なるロック機構を有するが、表示器490は一般に、ドリルピン深さゲージ380の表示器390に類似した性質で動作することができる。
【0156】
外科的処置の過程の間、骨ストックの測定、及びドリルピン深さゲージ上におけるそのそれぞれの指示がほぼ同時に起こり得る。例えば、外科医又は外科助手は、骨ストックを測定し、その測定値を、骨ストック測定値をドリルピン深さゲージ上に設定することができる、外科医又は外科助手である第2の人物に通知することができる。これにより、ドリルピンの最大長さ又は距離を迅速かつ正確に設定することができる。
【0157】
図23D〜
図23Fは、ドリルピン深さゲージ480へのドリルピン500の挿入を示す。図示されるように、その近位端500pがドリル504のドリルチャック502内に配設されたドリルピン500を、シャフト482の細長いチャネル又はスロット484に挿入することができる。
図23D及び
図23Eに示されるように、ドリルピン500を、その遠位端500dが表示器492の近位面492pを係合するように、チャネル484に挿入し、配置することができる。
図23D及び
図23Fに示されるように、ドリルピン500の近位端500pを保持するチャック502を、シャフト482の近位端482pと接触させることができる。一旦ドリルピン500の遠位端500dが近位面492pと係合され、チャック502の遠位端502dが近位端482pと係合されると、チャック502をロックして、チャック502に対するドリルピン500の位置を設定することができる。したがって、チャック502から露出するドリルピン500の量は、骨ストックの長さに弾丸状部の長さを足したものと等しくなる。
【0158】
チャック502に対してドリルピン500をロックした後、
図23Gに示されるように、ドリル504を使用して骨トンネルを孔開けすることができる。図示される実施形態の結果として得られる骨トンネルは、実際には、所望の靭帯を中に受け入れるのに適するように後で拡張されるように構成されたパイロット孔である。ドリルピン500を動作させ、弾丸状部470の遠位側先端470dから脛骨1002内へと通して、骨トンネル506の近位端506pを形成することができる。ドリルピン500は、次に、設定された軌道に沿って、脛骨1002を通って遠位側先端426まで続いて、骨トンネル506の遠位端506dを形成することができる。
図23Hに示されるように、ドリルピン500の遠位側先端500dが、骨トンネル506の遠位端506dを形成し、先端426に達すると、ドリルの遠位部分が弾丸状部470の近位面470fを係合し、それによってドリルピン500の更なる前進を防ぐ。これにより、遠位側先端500dが先端426に近接している、
図23G及び
図23Iに示される構成がもたらされる。
図23Iに示される実施形態では、膝は除去されているので、先端426に対する遠位側先端500dの近接性を簡単にみることができる。チャック502の遠位端502dからドリルピン500の遠位側先端500dまでの距離は、弾丸状部の近位面470fと最終遠位側移動位置との間の長さに等しい距離であり得る。
【0159】
パイロット孔の形成が完了すると、本明細書に記載の又は別の形で当業者には既知である任意の数の技術を実行して、パイロット孔を、靭帯移植片を中に受け入れるのに適したトンネルへと拡張することができる。例示的な一実施形態では、ドリルピン500は、ドリルピン500のシャフトから外側に配備し、より大きい骨トンネルを形成するように動作させることができる、遠位側先端500dに近接して配設された追加の切断構成要素又はリーマ500r(
図23J)を有する、逆行リーマの一部である。かかる孔開けデバイス、及びその使用と関連付けられた処置の、いくつかの非限定的な例示的実施形態が、「調節可能な限界設定を備えた逆行切断器具(Retro-Cutting Instrument with Adjustable Limit Setting)」という名称の2014年6月10日付けの米国特許出願第14/300,481号に提供されており、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0160】
骨トンネルの直径を拡張するのに逆行切断を行うのに先立って、弾丸状部470をモジュール式ガイド410から引き離すのが有利な場合がある。ガイド410はもう不要になっており、最初のボアを形成する経路は画成されていて、パイロット孔がそれに続いて形成される。ガイド410を除去することで、処置中の他の作業を行うための空間及び手が自由になる。弾丸状部470をガイド410から引き離すのに、本明細書に記載されるか又は別の形で当業者には既知である技術を含む、多数の技術を使用することができるが、キャリッジ240、240’のような横装填式キャリッジがモジュール式ガイドの一部として使用される実施形態では、弾丸状部470はキャリッジの側面を通って出ることができ、ガイドアーム及びキャリッジを手術部位から除去することができる。図示される実施形態では、キャリッジは提供されないので、遠位側先端470dが上側表面422tを越えるまで、方向Eで脛骨1002から離して弾丸状部470を引っ張ることによって、弾丸状部470をガイド410から引き離すことができる。上述したように、かかる構成は、ドリルピン500を弾丸状部470内で維持した状態で、ドリルピン500が弾丸状部470を記載したように配設することができるのに十分な長さでなければならないので、横装填式キャリッジとして好ましくないことがあり、それによって発散の可能性が増加する。
【0161】
弾丸状部470をガイド410から引き離した後、必要に応じて、遠位側先端470dが脛骨1002を係合する位置に弾丸状部を戻すことができる。いくつかの例では、弾丸状部は依然としてこの位置にあってもよい。この位置付けにより、リーマ500rを動作させ、遠位端506dから近位端506pへと方向Eで近位側に前進させて、
図23Jに示されるように、ボア506の直径を拡張させる際、弾丸状部470をドリルピン500の軌道を維持する助けとすることができる。一旦リーマ500rがボア506を拡張するように動作すると、ドリルピン500及び弾丸状部470をそれぞれ、脛骨1002付近の位置から除去することができる。
【0162】
同様に、類似の技術を使用して、骨トンネル508を大腿骨1004に形成することができる。最初にパイロット孔として始まる骨トンネル508が
図23Kに示される。骨トンネル506の形成と同じく、モジュール式ガイドを動作させて、大腿骨1004にトンネルを形成するための経路を画成することができる。本明細書で考察するように、モジュール式ガイドは脛骨に使用されるものに類似したものであることができるが、一般的に、大腿骨と関連付けられる位置及び一般的な所望の軌道が異なるため、異なるガイドアームが使用される。
【0163】
大腿骨1004の骨ストックを測定することができ、ドリルピン深さゲージを使用して、ドリルピン深さを設定することができる。ドリルピンを脛骨に通して、最初に骨トンネル508の近位端508pを形成し、次に骨トンネル508の遠位端508dを形成することができる。ドリルピンが移動する距離は、ドリルピン深さの設定によって限定することができ、それによって、ドリルピンが、遠位端508dに近接して位置する腱及び他の構成要素と意図せずに接触するのが防止される。モジュール式ガイドは、ドリルピンが配設された弾丸状部から引き離すことができ、弾丸状部は、逆行処置の間ドリルピンをガイドする助けとするのに使用することができる位置に戻され(所望の位置にまだ位置していない場合)、次に、ドリルピン上のリーマを動作させて骨トンネルのサイズを拡張することができ、結果として
図23Lに示されるトンネルがもたらされる。図示されるように、リーマは、より小さい直径を有する部分を残して、骨トンネル508の一部分を拡張するためにのみ動作する。当業者であれば、様々な他の骨トンネル構成が可能であることを認識するであろう。本明細書で考察するように、本明細書に記載するもののような自在のガイドシステムは、トンネル506及び508を形成するのに使用され、この処置を行う外科医は、外科医が右利きか左利きかにかかわらず、別個に適応させる必要なしに同じシステムを使用することができる。
【0164】
当業者であれば、上述の実施形態に基づいた本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示され記載されてきた内容によって限定されるものではない。例えば、本明細書に提供される開示が、ACL及びPCL靭帯修復と併せて使用されるデバイス、システム、及び方法について記載する範囲において、当業者であれば、本開示の趣旨から逸脱することなく、これらの開示を、MCLなどの他の靭帯で行われる、又は他の解剖学的構造で行われる、かつ身体の他の位置で行われる外科的処置に適用することができるであろう。本明細書に引用される全ての刊行物及び文献は、それらの全内容を参照により本明細書に組み込む。
【0165】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
ボアが骨に孔開けされる角度を規定するように構成された第1の部分と、骨に孔開けされる前記ボアの遠位端の位置を規定するように構成された第2の部分とを有するガイドアームであって、前記第1の部分と前記第2の部分との間に延びる角度が約110°以下である、ガイドアームと、
前記ガイドアームの前記第1の部分上に配設され、幅又は厚さよりも大きい長さを有するキャリッジであって、前記キャリッジの前記長さが前記ガイドアームの前記第1の部分の長さを実質的に横切って延在し、前記キャリッジは、前記第1の部分の長さに沿って並進すると共に、ボアが骨に孔開けされる前記角度を設定するように前記長さに沿った異なる位置で選択的にロックされるように構成された、キャリッジと、を備える、外科用器具。
(2) 前記キャリッジが、その中に形成された、弾丸状部を受け入れるように構成される弾丸状部受入れ開口部を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記キャリッジに取外し可能に結合されるように構成されると共に、前記キャリッジに結合されると、骨に孔開けされる前記ボアの近位端の位置を規定するように構成された、弾丸状部を更に備える、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記ガイドアームの前記第1の部分が、対向する第1及び第2の平坦面と、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面との間を延在する第1及び第2の側壁とを含み、前記平坦面の表面積が前記側壁の表面積よりも実質的に大きく、
前記キャリッジが、第1及び第2の対向する顔面(first and second opposed facial surfaces)と、前記第1の顔面と前記第2の顔面との間を延在する第1及び第2の側面とを含み、前記ガイドアームの前記第1の部分の前記第1及び第2の平坦面と前記キャリッジの前記第1及び第2の顔面とが互いに実質的に平行に延在し、前記キャリッジの前記第1の顔面が前記ガイドアームの前記第1の部分の前記第1の平坦面から離れる方向を向き、
前記弾丸状部受入れ開口部が前記キャリッジの前記第1の顔面に形成される、実施態様2に記載の外科用器具。
(5) 前記弾丸状部受入れ開口部によって受け入れられた弾丸状部が前記第2の平坦面に対してある角度で保持され、それによって、前記弾丸状部受入れ開口部内に配設された弾丸状部を通って延在するドリルピンの遠位側先端が、骨に孔開けされる前記ボアの前記遠位端の位置を規定する、前記ガイドアームの前記第2の部分の遠位端を係合するように構成されるようにして、前記キャリッジが構成される、実施態様4に記載の外科用器具。
【0166】
(6) 前記第1及び第2の部分が互いに結合されているとき、前記第1の部分が前記第2の部分に対して移動不能である、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記ガイドアームの前記第1の部分が、その中に形成された複数のスロットを含み、各スロットは、前記ボアが骨に孔開けされる意図した角度を示す、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記キャリッジは、前記複数のスロットのうち1つのスロットを受動的に係合して、前記ボアが骨に孔開けされる前記角度を設定するように構成された、受動ロック機構を含む、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記受動ロック機構が、前記複数のスロットに対して補完的である構成を有する選択的に配備可能なキーを含み、それによって、前記選択的に配備可能なキーがスロット内に配設されると、前記キャリッジの位置が、前記ガイドアームの前記第1の部分に対して固定される、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記受動ロック機構は、前記選択的に配備可能なキーを前記複数のスロットのうち1つのスロットから係合解除して、前記キャリッジが前記第1の部分の長さに沿って並進することを可能にするように構成された、ボタンを更に備える、実施態様9に記載の外科用器具。
【0167】
(11) 前記第2の部分がその末端に配設された遠位側先端を含み、前記先端が、骨に孔開けされる前記ボアの前記遠位端の意図した位置で骨を係合するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 骨にボアを孔開けするのと併せて使用される外科用ガイドであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間を延在する中間部分とを有する第1の弓状アームであって、前記中間部分の上に、ボアが骨に孔開けされる意図した角度を示す印が形成された、第1の弓状アームと、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間を延在する中間部分とを有する第2のアームであって、前記第2のアームの前記第1の端部は、前記第1のアームの前記第2の端部に直接接続されて、前記第2のアームが前記第1のアームに対して実質的に静止するように前記ガイドの一体構造を形成し、前記第1のアームと前記第2のアームとの間を延在する角度が約110°以下である、第2のアームと、
弾丸状部であって、前記印に対する前記弾丸状部の位置が、前記ボアが孔開けされる前記骨と前記弾丸状部の遠位側先端が形成する意図した角度を反映し、次いで、前記骨に孔開けされる前記ボアの前記意図した角度を規定するようにして、前記第1の弓状アームと取外し可能に組付けられるように構成された、弾丸状部と、を備える、ガイド。
(13) 前記印が、前記第1の弓状アームの表面に形成された複数の係合特徴部を更に備える、実施態様12に記載のガイド。
(14) 前記第2のアームの前記第2の端部が、骨に孔開けされる前記ボアの遠位端の意図した位置で前記骨を係合するように構成された遠位側先端を含む、実施態様12に記載のガイド。
(15) 前記第1のアームが、対向する第1及び第2の平坦面と、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面との間を延在する第1及び第2の側壁とを含み、前記平坦面の表面積が前記側壁の表面積よりも実質的に大きい、実施態様12に記載のガイド。
【0168】
(16) 前記弾丸状部を受け入れ、前記第1のアームの長さに沿って並進すると共に、前記弾丸状部の前記遠位側先端が、前記ボアが孔開けされる前記骨と形成することを意図する前記意図した角度を設定するために、前記印に対して選択的にロックされるように構成された、キャリッジを更に備える、実施態様12に記載のガイド。
(17) 前記キャリッジが、第1及び第2の対向する顔面と、前記第1の顔面と前記第2の顔面との間を延在する第1及び第2の側面とを含み、前記キャリッジの前記第1の顔面が前記第1の弓状アームから離れる方向を向く、実施態様16に記載のガイド。
(18) 前記キャリッジによって受け入れられる前記弾丸状部が前記第1の弓状アームに対してある角度で保持され、それによって、前記弾丸状部を通って延在するドリルピンの遠位側先端が前記第2のアームの遠位側先端を係合するように構成されるように、前記キャリッジが構成される、実施態様17に記載のガイド。
(19) 前記印が、前記第1の弓状アームの表面に形成された複数のスロットを更に備え、
前記キャリッジが、前記複数のスロットのうち1つのスロットを受動的に係合して、前記骨に孔開けされる前記ボアの前記意図した角度を設定するように構成された、受動ロック機構を含む、実施態様16に記載のガイド。
(20) 骨にボアを孔開けする方法であって、
外科用ガイドの第2のアームの第2の端部を、骨に孔開けされるボアの遠位端の所望の位置に隣接して位置付けすることと、
前記外科用ガイドの第1のアームの第1の端部を、前記骨の、骨に孔開けされる前記ボアの近位端が位置する、反対側に近接させて位置付けることであって、前記第1のアームは、前記外科用ガイドの追加の構成要素が間に配設されないようにしてユーザの手の中に配設される、ことと、
前記第1のアームを前記第2のアームに対して動かすことなく、前記外科用ガイドと組付けられる弾丸状部の遠位側先端と孔開けされる前記骨との間の角度を設定するように、前記外科用ガイドを調節することであって、前記角度は、前記ボアの前記近位端が孔開けされる位置で形成される、ことと、
ドリルピンを前記弾丸状部の貫通ボア内に配設することと、
前記ドリルピンを動作させて、前記弾丸状部の前記遠位側先端が前記骨と角度を形成する位置から、前記第2のアームの前記第2の端部が位置する位置まで孔を孔開けすることと、を含む、方法。
【0169】
(21) 前記外科用ガイドと組付けられる弾丸状部の遠位側先端と孔開けされる前記骨との間の角度を設定するように、前記外科用ガイドを調節することが、前記第1のアーム上でキャリッジの位置をロックすることを更に含み、前記キャリッジが前記弾丸状部を受け入れるように構成されると共に、前記キャリッジが前記第1のアームの長さに沿って並進して、前記弾丸状部の前記遠位側先端と前記骨との間の角度を設定することができる異なる角度を確立するように構成される、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記第1のアームが、その中に形成された複数のスロットを有し、前記キャリッジが、前記第1のアーム上で前記キャリッジの位置をロックすることの一部として、前記複数のスロットのうち1つのスロットを係合するように構成される、受動係合雄部材を含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記雄部材を前記スロットから能動的に係合解除することと、
前記第1のアームに沿って前記キャリッジを動かすことと、
前記雄部材が前記複数のスロットのうち1つのスロットを係合して、前記第1のアーム上で前記キャリッジの位置をロックできるようにすることと、を更に含む、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記雄部材を前記スロットから能動的に係合解除することが、前記キャリッジと組付けられたボタンを押すことを更に含み、
前記雄部材が前記複数のスロットのうち1つのスロットを係合できるようにする前に、前記ボタンを解除することを更に含む、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記ドリルピンを外科用ドリルのチャックに結合し、それによって、前記ドリルピンの遠位側先端が、前記ボアの前記遠位端に隣接して位置する前記第2のアームの前記第2の端部よりも遠位側に延在しないようにする、ことを更に含む、実施態様20に記載の方法。