(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下においては、上記の特徴点や他の特徴点につき、添付図面を参照して説明する。添付図面および関連する説明は、実施形態を例示するためのものに過ぎず、特許請求の範囲を何ら限定するものではない。添付図面においては、参照している構成部材どうしの間の対応関係を示すために、参照符号が再使用されている。
【0020】
肺の気道の内部で使用するデバイスのためのある種のアンカー止め機構は、管腔(例えば、肺の気道)に対して外向きの力を印加し得るアンカー止めストラットを有することができる。このようなアンカー止め機構により、管腔の膨脹時および収縮時であっても、デバイスを安定的に配置することができる。アンカー止め機構は、バルブを有したデバイスが管腔内へと挿入される際に、収縮状態でもって管腔内へと導入することができる。アンカー止め機構の外向きの力により、アンカー止め機構は、管腔内での動作時には、完全な膨脹状態へと到達することができる。外向きの力は、呼気時には、管腔に対してのわずかな外向き圧力を維持することができる。
【0021】
いくつかの場合においては、アンカーの外向きの力は、管腔壁を変形させることができる。例えば、外向きの力は、管腔壁を、管腔の中心軸線から径方向外向きに押すことができる。アンカーの膨脹および/または管腔壁の変形により、管腔の中心軸線から離間する向きにすなわち外向きにアンカーが移動するにつれて、デバイスの動作部分(例えば、バルブ部分)を、アンカーに向けて(例えば、先端向きに)引っ張ってしまう。アンカーのおよびデバイスの動作部分のこのような「設置」は、デバイスを埋設することとなる管腔の幾何形状や弾性や他の特徴点に応じて、漸次的にあるいは迅速に行うことができる。
【0022】
管腔の膨張時に動作部分を引っ張ることにより、動作部分を、初期的な配置場所から長手方向に移動させてしまう。デバイスの寸法は、管腔内へのデバイスの配置前に、そのような移動に合わせて校正することができる。そのような校正は、例えば、動作部分の配置を調節することにより(例えば、意図した最終位置よりも基端側に動作部分を配置することにより)、行うことができる。しかしながら、移動に合わせた厳密な調節は、困難である。いくつかの場合においては、デバイスの移動は、例えば気管支鏡といったような可視化デバイスを使用して外科医が合理的に観測し得る期間にわたって、起こる。いくつかの場合においては、外科医が、デバイスの最終的な設置場所を予測することが困難な場合がある。身体が移動することに起因するデバイスの位置ズレは、設置場所が元々の位置から移動することのために、望ましくない側枝通風を引き起こしかねない。これは、そのようなデバイスの有効性との妥協となり得る。いくつかの場合においては、デバイスのバルブは、移動したときには(例えば、先端向きに移動したときには)、過剰に圧縮されてしまう。いくつかの場合においては、デバイスのバルブは、バルブよりも長い距離にわたって、肺の一部に対して移動してしまう。これにより、バルブの有効性が提供されてしまうあるいは失われてしまう。
【0023】
そのような機構は、デバイスの全直径にまで管腔壁を過剰に押圧してしまうようなステントアンカー止め構成を使用する。そのような機構は、デバイスが管腔内に配置された直後に、管腔内の最終設置位置へと固定される。しかしながら、そのような機構は、経時的に問題点を提示する。なぜなら、そのような機構は、呼吸に基づく肺の気道の膨脹および収縮に対して適切に調節することができないからである。肺の組織は、デバイス直径に合わせて再構築される必要がある。そうでなければ、デバイスが緩んだり外れたりしてしまう。
【0024】
本明細書で開示しているものは、管腔壁の移動(例えば、呼吸時の管腔壁の移動、および/または、咳をした際の管腔壁の移動)に追従するアンカー止め機構であり、バルブのシール部分を、アンカー止め機構が最終的な設置位置とされた際には、気道内において実質的に一定の位置に維持し得るアンカー止め機構である。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構は、渦的に膨脹する外向きの力を印加し、これにより、管腔壁に対しての構成部材の軸線方向移動は、起こらないあるいはごくわずかしか起こらない。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構は、管腔が長くなる際には(例えば、圧潰された肺の再膨張時)、デバイスを基端向きに押し込み得るよう、基端向きの軸線方向ベクトルを有した力を印加する。
【0025】
スプリングタイプのアンカー止め機構
管腔の寸法変化に適合し得るアンカー止め機構を使用することにより、医療デバイスを管腔内に配置することができる。医療デバイスは、管腔内医療デバイスとすることができる。アンカー止め機構と一緒に使用される管腔内医療デバイスは、例えば、ステントやセンサやバルブ等を有することができる。管腔は、例えば、静脈や気道や消化管等を有することができる。
図1は、管腔の内部で使用されるスプリングタイプのアンカー止め機構の形状の一例を概略的に示す横断面図である。スプリングタイプのアンカー止め機構100は、ハブ120と、複数のスプリングタイプのアンカー止めストラット130と、を有することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、アンカー止めチップ140を有することができる。
【0026】
ハブ120は、複数のスプリングタイプのアンカー止めストラット130を束ね得るよう構成されたコレットとすることができる。ハブ120は、図示していないけれども、中心ロッドと、ピンセットノブと、を有することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、ハブ120から径方向に配置されることができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、コイルスプリングや、曲げスプリングや、他の膨張可能な幾何形状、を有することができる。スプリングタイプのアンカー止め機構100内において使用されるアンカー止めストラット130は、管腔の動きに応じて膨脹や収縮を行い得るよう構成された弾性構造を有することができる。例えば、複数のアンカー止めストラット130は、例えば
図1において概略的に示すスプリングタイプのアンカー止め機構といったような膨脹スプリングを有することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めストラット130は、圧縮スプリングとして形成される。
【0027】
アンカー止めチップ140は、管腔110に対して着脱可能に取り付けられ得るよう構成することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ140は、管腔110の一部内に進入し得るよう構成することができる。例えば、アンカー止めチップ140は、テーパー形状を有することができる。アンカー止めチップ140は、第1穿孔機構を有することができる。第1穿孔機構は、シャンクを有することができる。アンカー止めチップ140は、アンカー突起150を有することができる。アンカー突起150は、スプリングタイプのアンカー止めストラット130に対して角度を形成した第2穿孔機構を有することができる。例えば、
図1に概略的に示すように、アンカー突起150は、管腔110がなす半径に対して、90°という角度を形成することができる。アンカー突起150は、例えば管腔がなす半径に対して約75°といったように、90°未満の角度を形成することができる。アンカー突起150は、タック(tack)を有することができる。アンカー突起150は、アンカー止めチップを管腔110の一部内へと進入させ得るよう構成することができる。例えば、アンカー突起150は、アンカー止めストラットの直径の約2倍以下の長さを有することができる。
【0028】
いくつかの実施形態においては、アンカー突起150は、アンカー止めチップ140の進入度合いを制限し得るよう構成される。例えば、アンカー突起150は、ハブ120に対して垂直な方向(例えば、周縁方向)を向く追加的なパッド部分を有することができる。アンカー突起150は、管腔110の内面に対して当接するようにして配置することができる。これにより、所定距離を超えてのアンカー止めチップ140の進入を禁止または防止することができる。
【0029】
管腔110の寸法変化は、長手方向寸法の変化と、径方向寸法の変化と、を有することができる。管腔110は、最大の完全膨脹した直径と、最小の完全収縮した直径と、を有することができる。複数のスプリングタイプのアンカー止めストラット130は、ハブ120のところから径方向に延出されることができ、管腔110に対して接触することができる。各々のストラット130は、延伸された長さ(例えば、妨害されていない場合に、ストラット130を延伸させ得る長さ)を有することができる。いくつかの実施形態においては、ストラットの延伸長さは、内部にストラット130が配置される管腔110の膨脹した半径よりも大きなものとされる。いくつかの実施形態においては、ストラット130の延伸長さは、管腔110の膨脹した半径と比較して、1.1倍よりも大きなもの、あるいは、1.25倍よりも大きなもの、あるいは、1.4倍よりも大きなもの、あるいは、2倍よりも大きなもの、あるいは、4倍よりも大きなもの、とされる。様々な修正が可能である。
【0030】
複数のスプリングタイプのアンカー止めストラット130の長さは、コイル長さ(例えば、ストラット130が圧縮された際にストラット130がなす最小長さ)を有することができる。いくつかの実施形態においては、ストラット130のコイル長さは、管腔110の最小の完全に収縮した直径とされたときの管腔110の半径と比較して、より短いものとされる。例えば、ストラット130のコイル長さは、管腔110の収縮直径と比較して、0.9倍未満とすることができる、あるいは、0.75倍未満とすることができる、あるいは、0.6倍未満とすることができる、あるいは、0.5倍未満とすることができる。様々な修正が可能である。
【0031】
スプリングタイプのアンカー止め機構100は、偶数本のスプリングタイプのアンカー止めストラット130を有することができる。例えば、
図1に示すように、スプリングタイプのアンカー止め機構100は、6本のスプリングタイプのアンカー止めストラット130を有することができる。偶数本のスプリングタイプのアンカー止めストラット130を使用することにより、例えば、径方向反対側に位置したスプリングタイプのアンカー止めストラット130の膨脹力および/または収縮力に対して対抗することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構100は、奇数本のアンカー止めストラット130を有している。
【0032】
スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、様々な長さを有することができる。例えば、2本以上のスプリングタイプのアンカー止めストラット130が、同じ長さを有することができ、第3のスプリングタイプのアンカー止めストラット130が、他の2つのスプリングタイプのアンカー止めストラット130と比較して、それ以上の長さを有することができる。いくつかの実施形態においては、各々のストラット130が、互いに異なる長さを有している。
【0033】
ハブ120は、アンカー止め機構100が内部に配置されている管腔110の長手方向軸線上にあるいはそのような長手方向軸線の近傍に、配置することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、管腔110の膨張時には、少なくとも部分的にコイルの巻きを解くことができ、これにより、管腔110に対しての接触を維持することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、管腔110の収縮時には、コイルの巻きを強めることができ、これにより、管腔110に対して径方向外向きの力を印加することができる。
【0034】
ストラット130は、アンカー止め機構100の設置(例えば、ストラット130の外向き力に基づく気道の膨脹)の前後において、ハブ120を、管腔110の長さに沿って、比較的安定した位置に維持することができる。設置時のおよび/または設置前におけるハブ120の長手方向移動(例えば、管腔110の長さに沿った移動)は、約1mm以内に制限することができる。ハブ120の移動は、設置時および/または設置前においては、約2mm以内に、あるいは、約0.5mm以内に、あるいは、約0.3mm以内に、あるいは、約0.2mm以内に、制限することができる。
【0035】
ユーザーは、例えば内視鏡といったような搬送デバイスを使用することによって、アンカー止め機構100を配置することができる。スプリングタイプのアンカー止め機構100は、内視鏡と一緒に使用されるカテーテル内において折り畳んで搬送される。スプリングタイプのアンカー止め機構100は、カテーテルから押し出すことによって、配置することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構100は、配置サイトのところにおいては、アンカー止め機構100に対してカテーテルを引っ込めることにより、配置することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、径方向外向きに膨脹することができ、これにより、カテーテルの外部へと放出された後には、管腔110に対して接触することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、管腔110の壁に対して、径方向外向きの力を印加することができる。この径方向外向きの力により、各々のアンカー止めチップ140が、管腔110内へと進入することができる。
【0036】
ハブ120およびアンカー止めチップ140は、配置時には、同一のあるいは実質的に同一の横断面内に位置することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構100は、2本以上のアンカー止めストラット130を有することができる。スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、弾性的なアンカー止めストラットと静的なアンカー止めストラットとの組合せを有することができる。例えば、スプリングタイプのアンカー止めストラット130は、2本のスプリング形状の弾性的なアンカー止めストラットと、1本の剛直な静的なアンカー止めストラットと、を有することができる。ハブ120は、軸線方向ベアリングを有することができる。ハブ120は、中心からずれた位置に位置することができる。例えば、ハブ120は、管腔110の壁の近傍に位置することができる。ハブ120は、様々な形状を有することができる。例えば、ハブは、管腔110の長手方向軸線に対して垂直な平面内において、円形や多角形や楕円形や他の形状とされた横断面形状を有することができる。アンカー止めチップ140は、鈍いチップを有することができる。これにより、アンカー止めチップのいずれの部分も、管腔110内に進入しない。鈍いチップを有したアンカー止めチップ140は、牽引表面を有することができる。例えば、牽引表面は、複数のクリート(creat)を有することができる。
【0037】
螺旋タイプのアンカー止め機構
アンカー止めストラットは、螺旋形状、すなわち、トーションスプリング形状、を有することができる。螺旋形状を使用することにより、例えば、管腔の膨張時や収縮時に、捩れ力を印加することができる。
図2は、螺旋タイプのアンカー止め機構200の形状の一例を概略的に示す横断面図である。螺旋タイプのアンカー止め機構200は、ハブ220と、複数のアンカー止めストラット230と、アンカー止めチップ240と、を有することができる。螺旋タイプのアンカー止めストラット230は、長尺部分(例えば、全体的に直線形状の部分)232と、螺旋部分233と、を有することができる。アンカー止めチップ240は、管腔210内に進入し得るよう構成することができる。
【0038】
ハブ220は、管腔210の長手方向軸線上にあるいはそのような長手方向軸線の近傍に、配置することができる。螺旋タイプのアンカー止め機構200のハブ220は、管腔の動きにかかわらず、同じ軸線方向位置に実質的に留まることができる。ハブ220は、螺旋が膨脹する際には、回転することができる。例えば、ハブ220は、管腔の膨張時や収縮時には、医療デバイスの動作部分とは独立的に、回転することができる。いくつかの実施形態においては、ハブ220は、動作部分に対して回転可能にロックされて連結される。動作部分は、例えば、肺気道バルブとすることができる。
【0039】
管腔210の膨張時や収縮時には、螺旋タイプのアンカー止め機構200は、ハブ220を元々の位置に実質的に留まらせつつも、医療デバイスの位置ズレを禁止あるいは低減あるいは防止することができる。例えば、管腔の膨張時には、アンカー止めストラット230の螺旋部分233を、直線形状へと伸ばすことができる。ハブ220は、管腔壁から懸架されて留まることができ、元々の位置に実質的に留まることができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構200は、ハブ220を(例えば、その結果、動作部分を)、アンカー止め機構200が内部に配置されている管腔210の長さに沿って、比較的一定の位置に、維持することができる。
【0040】
複数のアンカー止めストラット230は、例えばニチノール(登録商標)といったような形状記憶合金から形成することができる。いくつかの実施形態においては、ストラット230は、他の弾性的なおよび/またはフレキシブルな材料から形成される。複数のアンカー止めストラット230は、コイル長さを有することができる。コイル長さは、ストラット230が径方向において圧縮されたときに、ハブ220とアンカー止めチップ240との間において最小の長さを有することができる。いくつかの実施形態においては、ストラット230のコイル長さは、管腔210の半径と比較して、0.9倍未満とすることができる、あるいは、0.75倍未満とすることができる、あるいは、0.6倍未満とすることができる、あるいは、0.4倍未満とすることができる、あるいは、0.25倍未満とすることができる。様々な修正が可能である。複数のアンカー止めストラット230は、管腔210の半径よりも長いコイル解き長さを有することができる。例えば、アンカー止めストラット230の直線的長さは、管腔210の半径と比較して、2倍よりも長いものとすることができる、あるいは、1.5倍よりも長いものとすることができる、あるいは、1.1倍よりも長いものとすることができる。
【0041】
螺旋タイプのアンカー止め機構200は、搬送前にカテーテル内において折り畳むことによって、カテーテルを使用して搬送することができる。アンカー止めストラット230は、コイルの巻きをさらに強くすることによって、カテーテルによって搬送することができる。螺旋タイプのアンカー止め機構200は、カテーテルから押し出されたときには、予成形された螺旋形状へと、巻きが解かれることができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構200は、管腔210内の配置サイトのところにおいてストラット230に対してカテーテルを引っ込めた際に、巻き解かれる。配置後には、アンカー止めチップ240が、管腔210に対して接触することができ、管腔210に対して、ハブ220から径方向外向きの力を印加することができる。アンカー止めチップ240は、外向きの力によって、管腔210内へと進入することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ240は、管腔壁内へのチップ240の進入深さを制限し得るよう構成されたパッドや他の機構を有している。
【0042】
アンカー止めストラット230は、搬送前に、直線化することによって、カテーテルを通して搬送することができる。ハブ220は、医療デバイスの取付部分(例えば、動作部分)を回転させることなく、ハブ220の回転を可能とし得るよう構成された二重ハブとすることができる。螺旋タイプのアンカー止め機構200は、3本以上のアンカー止めストラット230を有することができる。アンカー止めストラット230は、様々なスプリング形状の組合せを有することができる。例えば、アンカー止めストラット230は、螺旋的に巻かれていてハブ220のまわりで螺旋を形成する複数のスプリングタイプのアンカー止めストラット130(例えば、
図1に示すもの)を有することができる。
【0043】
渦タイプのアンカー止め機構
アンカー止め機構は、複数のフレキシブルなストラットであって、横断面内において見た場合に渦形状を形成し得るよう、周縁まわりにおいて互いに同じ向きで曲げられた複数のフレキシブルなストラットを有することができる。フレキシブルな渦ストラットは、曲げたり伸ばしたりすることができ、管腔の収縮時にはさらに曲げることができ、管腔の膨張時には、伸ばすことができる。
図3Aおよび
図3Bは、渦タイプのアンカー止め機構の形状の一例を概略的に示す斜視図である。渦タイプのアンカー止め機構300は、ハブ320と、複数のフレキシブルなアンカー止めストラット332と、複数の基端側ストラット336と、中心ロッド360と、および/または、ピンセットノブ362と、を有することができる。ハブ320は、先端ハブ322と基端ハブ324とを有した二重ハブ構成を有することができる。フレキシブルなアンカー止めストラット332は、アンカー止めチップ340を有することができる。基端側ストラット336は、曲がり接触表面338を有することができる。基端側ストラット336は、動作部分1135(例えば、
図12A〜
図12Cに図示されたもの)のためのフレームストラットを有することができる。
【0044】
フレキシブルなアンカー止めストラット332は、先端ハブ322から径方向外向きに延在することができる。基端ハブ324は、先端ハブ322に対して連結することができる、および/または、先端ハブ322と一緒に一体部分を形成することができる。基端側ストラット336は、基端ハブ324から径方向にかつ基端向きに延在することができる。基端側ストラット336は、バスケットを形成することができる。基端ハブ324は、コレットとすることができる。中心ロッド360は、基端ハブ324に対して連結することができ、基端ハブ324から基端向きに延在することができる。中心ロッド360は、基端ハブ324とピンセットノブ362とを連結することができる。ピンセットノブ362は、ピンセットによって把持され得るような形状およびサイズのものとすることができる。複数のフレキシブルなアンカー止めストラット332は、径方向に膨張可能であるように構成することができ、これにより、管腔に対して外向きの力を印加することができる。複数の基端側ストラット336の曲がり表面338は、基端側ストラットのうちの、各々の基端側ストラット336の残部に対して長手方向軸線へと向かうあるいは中心ロッド360へと向かう角度でもって曲げられた部分を有することができる。曲がり接触表面338を使用することにより、例えば、基端側ストラット336が管腔壁を損傷させてしまうことを禁止または防止することができる。
【0045】
先端ハブ322および基端ハブ324は、同一直線的な円筒構造を有することができる。先端ハブ322および基端ハブ324は、互いに異なる直径を有した円筒構造を有することができる。例えば、先端ハブ322の直径は、基端ハブ324の直径と比較して、より小さなものとすることができる。先端ハブ322をそのようなより小さな直径のものとしたことにより、例えば、複数の先端側ストラットを、搬送カテーテル内において巻回して搬送カテーテル内に適合させることができる。複数の基端側ストラット336の各々は、直線化長さを有することができる。直線化長さは、曲げを行うことなく完全に直線的に伸ばした際の基端側ストラットの長さを有することができる。直線化長さは、中心ロッド360の長さと比較して、1.5倍よりも短いものとすることができる。直線化長さは、中心ロッド360の長さと比較して、同じものとすることができる、あるいは、より短いものとすることができる。いくつかの実施形態においては、直線化長さは、中心ロッド360の長さと比較して、1.5倍よりも長いものとすることができる。
【0046】
フレキシブルなアンカー止めストラット332の硬さは、ストラット332の膨張時に発生する力(例えば、張力や圧縮力)に対抗し得るように、調節することができる。例えば、ストラット332内のいくつかの部分の硬さは、他の部分の硬さと比較して、より硬いものとすることができる。ハブ320の近傍の領域およびアンカー止めチップの近傍の領域は、比較的硬いものとすることができる。他方、ストラットの中央近傍の領域は、よりフレキシブルなものとして形成することができ、これにより、曲がりを可能とすることができる。硬さは、アンカー止めストラット332の各部分の寸法および/または形状を変更することにより、調節することができる。例えば、複数のアンカー止めストラット332は、曲がり部分や、薄い部分や、厚い部分や、および/または、螺旋部分、を有することができる。
【0047】
渦形状のアンカー止め機構300は、搬送カテーテルを通して折り畳んで搬送することができる。フレキシブルなアンカー止めストラット332は、カテーテルの内部において曲げの向きに巻回することができ、カテーテル内に適合することができる。例えば、
図3Aおよび
図3Bに示すフレキシブルなアンカー止めストラット332は、反時計回りにアンカー止めチップ340に対してハブ320を回転させることにより、巻回することができる。基端側ストラット336は、直線化することによって、カテーテル内に適合することができる。基端側ストラット336は、中心ロッド360の長手方向に沿って直線化することができる。
【0048】
完全に巻回された状態でのフレキシブルなアンカー止めストラット332は、基端ハブの直径と比較して、1.5倍以下の横断面内での直径を有することができる。完全に巻回された状態でのフレキシブルなアンカー止めストラット332は、基端ハブの直径と比較して、1倍以下の横断面内での直径を有することができる。完全に直線化された状態での基端側ストラット336は、基端ハブの直径と比較して、1.5倍以下の横断面内での直径を有することができる。完全に直線化された状態での基端側ストラット336は、基端ハブの直径と比較して、1倍以下の横断面内での直径を有することができる。
【0049】
渦ストラットタイプのアンカー止め機構300は、管腔の移動に対抗することができる。例えば、渦ストラットタイプのアンカー止め機構300は、管腔が膨脹した際には膨脹度合いを調節することができ、管腔が収縮した際には収縮度合いを調節することができる。アンカー止めチップ340は、管腔の膨張時や収縮時には、実質的に互いに同じ横断面内に(例えば、管腔の中心線に対して垂直な横断面内に)留まることができる。例えば、フレキシブルなアンカー止めストラット332は、より小さな直径となるように、さらに曲げることができる。これにより、アンカー止めチップ340およびハブ320は、実質的に一定の横断面内に留まることができる。アンカー止めストラット332の湾曲の円弧は、管腔が膨脹する際には、接触ポイントおよびハブを実質的に同じ平面内に維持しつつ、より直線化することができる。アンカー止めストラットの硬さは、アンカー止めストラット330が膨脹する際に印加される先端力および基端力に対して対抗し得るように、調節することができる。いくつかの実施形態においては、ストラット332は、デバイス300の設置時にはおよび/または設置後には、実質的に同じ横断面内に留まり得るよう構成される。
【0050】
複数の基端側ストラット336は、2つ以上の曲がり表面338を有することができる。例えば、基端側ストラット336は、基端側ストラット336に対して2つの角度を形成する互いに連結された2つの曲がり表面を有することができる。2つ以上の曲がり表面338を使用することにより、例えば、膨張時および収縮時に管腔に対して接触するための互いに異なる非外傷性の接触表面を得ることができる。例えば、曲がり接触表面338は、膨脹状態で管腔に対して接触し得るよう構成された第1表面と、収縮状態で管腔に対して接触し得るよう構成された第2表面と、を有することができる。
【0051】
複数のフレキシブルなアンカー止めストラット332は、アンカー止めチップ340を有することができる。例えば、複数のフレキシブルなアンカー止めストラット332は、様々な向きを向いた複数のアンカー止め構造を有することができる。例えば、アンカー止めチップ340は、双方向性のアンカー止めチップ640(
図6に図示されている)を有することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ340は、管腔壁に対して係合し得るよう構成された非外傷性のおよび/または高摩擦性のチップを有している。
【0052】
複数のフレキシブルなアンカー止めストラット332は、
図2に図示されていて
図2に関連して上述したような螺旋タイプのアンカー止めストラット230といったような螺旋形状を有することができる。基端側ストラット336を使用することにより、取り付けられた医療デバイスの基端向きの移動に対して対抗することができる。
【0053】
基端側ストラット336の位置、および、フレキシブルなアンカー止めストラット332の位置は、逆とすることができる。例えば、基端側ストラット336は、フレキシブルなアンカー止めストラット332よりも先端側に配置することができる。基端側ストラット336は、逆向きに延在することができる。これにより、曲がり接触表面338を、ハブ320よりも先端側に配置することができる。渦ストラットタイプのアンカー止め機構300は、基端側ストラット336の数と比較して、異なる数のフレキシブルなアンカー止めストラット332を有することができる。渦ストラットタイプのアンカー止め機構300は、基端側ストラット336の数と同数のフレキシブルなアンカー止めストラット332を有することができる。例えば、渦ストラットタイプのアンカー止め機構300が、3本のフレキシブルなアンカー止めストラット332を有している場合には、渦ストラットタイプのアンカー止め機構300は、3本の基端側ストラット336を有することができる。いくつかの実施形態においては、基端側ストラット336の各々、および、フレキシブルなアンカー止めストラット332の各々は、連結することができ、単一ストラット部材をなす部分を有することができる。例えば、複数の単一ストラット構造を、コレットによって、各ストラット構造の両端の間において、互いに束ねることができる。
【0054】
波タイプのアンカー止め機構
いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構400は、管腔の長手方向断面内において見た場合に波形状の態様をなすストラットを有することができる。
図4Aおよび
図4Bは、波タイプのアンカー止め機構400の形状の一例を概略的に示している。波タイプのアンカー止め機構400は、ハブ420と、中心ロッド460と、複数の波型のアンカー止めストラット430と、を有することができる。波型のアンカー止めストラット430は、1つまたは複数の厚い部分433Aと、1つまたは複数の薄い部分433Bと、アンカー止めチップ440と、を有することができる。波型のアンカー止めストラット430は、横断面内において見たときには、実質的に直線的な形状を有することができる。波タイプのアンカー止め機構400は、管腔410が収縮状態(
図4A)と膨脹状態(
図4B)との間にわたって移行したときには、ハブ420の位置ズレを制限することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構400は、アンカー止め機構400がメンブラン450内に設置したときには、ハブ420の位置ズレを(したがって、ハブ420に対して連結された動作部分の位置ズレを)制限する。
【0055】
ハブ420は、複数の波型のアンカー止めストラット430を中心ロッド460に対して連結することができる。例えば、波タイプのアンカー止め機構400は、ハブ420を介して中心ロッド460に対して連結された2つの波型のアンカー止めストラット430を有することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構400は、ハブ420から派生した3つまたはそれ以上のアンカー止めストラット430を有している。波型のアンカー止めストラット430は、1つまたは複数の変曲ポイントと波型ポイントとを有することができる。例えば、
図4Aおよび
図4Bに示すように、波タイプのアンカー止め機構400は、各ストラット430ごとに、少なくとも1つの波型ポイント433を有することができる。
【0056】
アンカー止めチップ440は、アンカー止めストラット430が膨脹度合いが小さな第1構成とされたときには、ハブ420の位置から距離D1の分だけ基端側のところに位置することができる。例えば、完全な収縮状態の管腔内において(
図4A)、アンカー止めチップ440とハブ420との間の距離は、第1距離D1とすることができる。完全な膨脹状態の管腔内においては(
図4B)、アンカー止めチップ440とハブ420との間の距離は、第2距離D2とすることができる。ハブ420の位置ズレは、第1距離D1と第2距離D2との間の差が、0.5mmよりも小さなものであるように、制限することができる。第1距離D1と第2距離D2との間の差は、0.1mmよりも小さなものとすることができる。第1距離D1と第2距離D2との間の差は、0.05mmよりも小さなものとすることができる。いくつかの実施形態においては、第1距離D1と第2距離D2との間の差は、0.02mmよりも小さなものとすることができる。
【0057】
アンカー止めストラット430は、ハブ420とアンカー止めチップ440との間において非一様な厚さを有することができる。例えば、アンカー止めストラット430は、厚い部分433Aを有することができる。この厚い部分433Aは、薄い部分(例えば、より多くの自由度を有している)と比較して、より剛直なものとすることができる。例えば、厚い部分433Aは、管腔410の膨張時におよび/またはアンカー止め機構400の設置時に撓みを受けつつも、自身の曲がり形状を維持することができる。アンカー止め機構400は、薄い部分433Bを有することができる。この薄い部分433Bは、管腔410の膨張時には、厚い部分433Aと比較して、より大きな度合いで偏向することができる。厚い部分433Aおよび薄い部分433Bは、波型のアンカー止めストラット430のうちの、様々な構造や様々な寸法とされた様々な部分を有することができる。例えば、厚い部分433Aは、管腔410の長手方向に対して垂直な方向に沿って、より厚いものとされた部分を有することができる。他方、薄い部分433Bは、管腔410の長手方向に沿って、より厚いものとされた部分を有することができる。このような構成を使用することにより、厚い部分433Aは、管腔410の膨脹および収縮の繰り返しに由来する応力に耐えることができる。
【0058】
図4Aおよび
図4Bに示すように、波タイプのアンカー止め機構400は、アンカー止めチップ440を有することができる。アンカー止めチップ440は、湾曲することができ、先端を向くことができる。波タイプのアンカー止め機構400は、医療デバイスのうちの、例えばバルブといったような動作部分と比較して、基端側にあるいは先端側に配置することができる。
【0059】
波型のアンカー止めストラット430は、様々な長さや様々な形状や様々な変曲ポイントや様々な波型ポイントや様々な硬さ等のものとされたストラットを有することができる。例えば、
図5Aおよび
図5Bは、波タイプのアンカー止め機構の形状の一例を示す図であって、ハブ520の近傍に、弓形状の曲がり部分を有している。ハブ520の近傍に尖鋭な曲がり部分を有した波タイプのアンカー止め機構500は、中心ロッド560と、ハブ520と、複数の波型のアンカー止めストラット530と、を有することができる。複数のアンカー止めストラット530は、厚い部分533Aと、薄い部分533Bと、弓形状の曲がり部分533Cと、アンカー止めチップ540と、を有することができる。弓形状の曲がり部分533Bは、アンカー止めストラット530の残部と比較して、異なる構造を有することができる。例えば、弓形状の曲がり部分533Bは、横方向において、曲がり形状を有することができる。
【0060】
アンカー止めチップ440は、ハブ420と同じ横断面上に配置することができる。アンカー止めチップ440は、基端向きを向くことも、あるいは、先端向きを向くことも、できる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ440は、アンカー止めチップ440が管腔410内へと進入する深さを制限し得るよう構成されたパッド部分を有している。波タイプのアンカー止めストラット430は、ハブ420から径方向に延在することができる。例えば、
図6は、波タイプのアンカー止め機構600の形状の一例を示す斜視図であって、波型のストラット632を有している。アンカー止め機構600は、上述したアンカー止め機構300に対して大部分の特徴点を共有し得るものであって、先端側アンカー632は、上述したような垂直なストラット332ではなくて波型のストラットとされており、同様の構成部材には、同様の符号が付されている(例えば、基端側ストラット336に対応して、基端側ストラット636)。ハブ620は、基端ハブ622と、先端ハブ624と、を有することができる。複数の波型のストラット632は、厚い部分633Aと、薄い部分633Bと、双方向性のアンカー止めチップ640と、を有することができる。双方向性のアンカー止めチップ640は、第1アンカー止めチップ640Aと、第2アンカー止めチップ640Bと、を有することができる。第2アンカー止めチップ640Bは、第1アンカー止めチップ640Aの進入度合いを制限することができる。
【0061】
図6に示すように、波型のストラットを有した波タイプのアンカー止め機構600は、3つあるいはそれ以上の数の波型のストラット632を有することができる。双方向性のアンカー止めチップ640は、
図13A〜
図13Cを参照して後述するような双方向性のアンカー止めチップ1335A,1335Bを有することができる。
【0062】
ダイヤモンド形状のアンカー止め機構
図7Aおよび
図7Bは、ダイヤモンド形状のアンカー止め機構の例を概略的に示している。ダイヤモンド形状のアンカー止め機構700は、ピンセットノブ762と、このピンセットノブ762から先端向きに延在する中心ロッド760と、ピンセットノブ762よりも先端側において中心ロッド760に対して連結された第1ハブ720と、この第1ハブ720よりも先端側において中心ロッド760に対して連結された第2ハブ722と、複数のダイヤモンド形状のアンカー止めストラット730と、を有することができる。ダイヤモンド形状のアンカー止めストラット730は、基端部734と、先端部732と、先端ポイント795と、アンカー止めチップ740と、を有することができる。いくつかの実施形態においては、動作部分750が、第1ハブ720とピンセットノブ762との間において、中心ロッド760に対して連結される。
【0063】
中心ロッド760は、ピンセットノブ762と先端ポイント795とを連結することができる。例えば、ストラット730の先端ポイントは、第2ハブ722に対して連結することができる。基端部734および先端部732は、ダイヤモンドの2つの辺を有することができる。基端部734および先端部732は、単一のストラット部材を有することができ、基端部734は、第1ハブ720に対して連結される。
【0064】
基端部734および先端部732は、角度を形成することができる。例えば、第1状態(例えば、デバイス700の設置前、および/または、管腔710の膨脹前)においては、基端部734および先端部732は、約150°よりも小さい角度を形成することができる。基端部734および先端部732は、元々の状態においては、約80°よりも小さい角度を形成することができる。基端部734および先端部732は、元々の状態においては、約60°よりも小さい角度を形成することができる。基端部734および先端部732は、元々の状態においては、約45°よりも小さい角度を形成することができる。
【0065】
アンカー止めチップ740は、アンカー止め構造を有することができる。例えば、アンカー止めチップは、逆棘や、高摩擦パッドや、管腔710内へと進入し得る他の構造や、および/または、管腔710に対して摩擦的に係合し得る他の構造、を有することができる。アンカー止めチップ740は、双方向性のアンカー止めチップを有することができる。例えば、アンカー止めチップ740は、
図13A〜
図13Cに図示されていて
図13A〜
図13Cを参照して説明するような双方向性のアンカー止めチップを有することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ740は、クリートや、スタッドや、トラック、等を有することができる。
【0066】
図7Aおよび
図7Bに示すように、長手方向断面内において見たときには、ダイヤモンド形状のアンカー止めストラット730は、ダイヤモンド形状、すなわち、鏡像関係をなす2つの三角形、を有することができる。両三角形の基端部は、第1ハブ720に対して連結することができる。いくつかの実施形態においては、両三角形の先端部は、第2ハブ722に対して連結することができる。ストラット730は、(例えば、呼吸や、デバイス700の設置や、他の状況、に起因した)管腔710の膨脹および収縮に応答して、径方向において膨脹および/または収縮を行うことができる。
【0067】
ストラット730は、管腔710の長さに沿って中心ロッド760を移動させることなくあるいは限定的にしか移動させることなく、径方向に膨脹および/または収縮を行うことができる。例えば、第1ハブ720は、スライドハブとすることができる(
図7A)。第1ハブ720は、環状形状を有することができ、この環状形状の中央部分が、中空とされていて、中心ロッド760に沿ってスライドし得るような形状およびサイズとされている。ハブ720(例えば、ストラット730の基端部と一緒に)は、ストラット730が膨脹する際には、先端向きにスライドすることができる。アンカー止め機構700は、基端側係止体743を有することができる。この基端側係止体743は、中心ロッド760に沿っての第1ハブ720の基端向き移動を制限するように機能する。
【0068】
いくつかの実施形態においては、第2ハブ722が、中心ロッド760に沿ってスライドし得るよう構成されている(
図7B)。いくつかの実施形態においては、第2ハブ722が、スライド可能とされていて、第1ハブ720が、中心ロッド760上において固定されている。第2ハブ722(例えば、ストラット730の先端部と一緒に)は、ストラット730の膨張時には、基端向きにスライドすることができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構700は、先端側係止体745を有している。この先端側係止体745は、第2ハブ722がスライドハブとされている場合(
図7B)に、第2ハブ722の先端向き移動を制限するように機能する。
【0069】
いくつかの実施形態においては、第1ハブ720のスライド、または、第2ハブ722のスライドは、管腔710の長さに沿っての中心ロッド760の移動を引き起こすことなくあるいはごくわずかしか引き起こすことなく、(例えば、吸気/呼気に応答しての、および/または、アンカー止め機構700の設置に応答しての)ストラット730の膨脹および収縮を許容することができる。管腔710の長さに沿って中心ロッド760を移動させないことは、動作部分750の一定の配置あるいはほぼ一定の配置を容易なものとすることができる。
【0070】
基端部734および先端部732は、互いにほぼ同じ長さを有することができる。いくつかの実施形態においては、基端部734および先端部732は、互いに異なる長さを有することができる。ダイヤモンド形状のアンカー止め機構700は、伸縮式のスライドロッドを有することができる。例えば、スライドロッドは、中心ロッド760を先端ポイント795に対してスライド可能に連結することができる。中心ロッド760は、スライドロッドを受領し得る形状およびサイズとされた中空の中央部分を有することができる。
【0071】
蝶ネクタイ形状のアンカー止め機構
図8Aおよび
図8Bは、アンカー止め機構の形状の一例を示す図であって、このアンカー止め機構は、動作部分825と一緒に使用された蝶ネクタイ形状のアンカー止めストラット834を有している。蝶ネクタイ形状のアンカー止め機構800は、ピンセットノブ862と、このピンセットノブ862に対して連結されていてこのピンセットノブ862から先端向きに延在する中心ロッド860と、を有することができる。動作部分825(例えば、バルブ)を、ピンセットノブ862よりも先端側において、中心ロッド860に対して連結することができる。アンカー止め機構800は、動作部分825の先端側において中心ロッド860に対して連結されたハブ820を有することができる。
【0072】
図示のように、アンカー止め機構800は、複数の蝶ネクタイ形状のアンカー止めストラット830を有することができる。ストラット830は、ハブ820に対して連結することができ、ハブ820から径方向に延在することができる。蝶ネクタイ形状のアンカー止めストラット830は、複数の四辺形形状部材を有することができる。ストラット830の各々は、基端部分834と、先端部分832と、アンカー止めチップ850と、を有することができる。基端部分834は、基端ポイント835Aを有することができる。先端部分832は、先端ポイント835Bを有することができる。これら基端ポイント835Aおよび先端ポイント835Bは、曲げ可能なあるいは関節結合されたジョイントを有することができる。蝶ネクタイ形状のアンカー止め機構800は、例えば肺気道バルブ内において使用されるバルブといったような動作部分825と一緒に使用することができる。
【0073】
蝶ネクタイ形状のアンカー止めストラット830の形状は、管腔815の移動時(例えば、吸気時/呼気時、および/または、アンカー止め機構800の設置時)には、変化することができる。例えば、管腔815の軸線とアンカー止めチップ850との間の距離は、管腔壁の膨張時には、大きくなることができる。基端ポイント835Aおよび先端ポイント835Bは、管腔815の収縮時には、互いに離間する向きに移動することができる。基端ポイント835Aおよび先端ポイント835Bは、管腔815の膨脹時には、互いに近づく向きに移動することができる。
【0074】
いくつかの実施形態においては、各ストラット830の基端ポイント835Aおよび先端ポイント835Bは、管腔815の長手方向軸線に対して実質的に平行な平面内に位置している。いくつかの実施形態においては、各ストラット830の基端ポイント835Aおよび先端ポイント835Bは、管腔815の長手方向軸線に対して実質的に垂直な平面内に位置している。いくつかの実施形態においては、各ストラット830の基端ポイント835Aおよび先端ポイント835Bは、管腔815の長手方向軸線に対して垂直でもなくかつ平行でもない平面内に位置している。多様な修正が可能である。
【0075】
ストラット830は、管腔815の長さに沿ってハブ820を(その結果、動作部分825を)移動させることなくあるいはわずかしか移動させることなく、膨脹/収縮を行うことができる。例えば、ストラット830のアンカー止め部分850の径方向移動は、管腔815の長さに対して垂直であるような実質的に一定の平面内において、引き起こすことができる。
【0076】
逆向きアンカー止めストラットを有したアンカー止め機構
いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構は、管腔壁に対して係合し得るよう構成された1つまたは複数のアンカーを有することができ、これにより、デバイスの動作部分の先端向きへの移動を禁止または防止することができる。例えば、2つあるいはそれ以上のアンカー止めストラットを使用することにより、管腔の一部を挟むことができる。
【0077】
図9Aおよび
図9Bは、ピンチタイプのアンカー止め機構900の形状の一例を示す斜視図である。アンカー止め機構900は、ハブ920と、複数の先端側ストラット934と、を有することができる。複数の先端側ストラット934は、ハブ920から先端向きにかつ径方向外向きに延在している。アンカー止め機構900は、複数の逆向きストラット933を有することができる。これら逆向きストラット933は、ハブ920から径方向外向きに延在しているとともに、先端側ストラット934よりも基端側に位置している。複数の先端側ストラット934は、先端側アンカー止めチップ940Aを有することができる。逆向きストラット933は、逆向きアンカー止めチップ940Bを有することができる。先端側アンカー止めチップ940Aおよび逆向きアンカー止めチップ940Bは、双方向性のアンカー止めチップ(
図13A〜
図13Cに図示されている)を有することができる。
【0078】
いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構900は、複数の基端側ストラット935を有している。これら基端側ストラット935は、ハブ920から基端向きに延在している。複数の基端側ストラット935は、動作部分1235(
図12A〜
図12Cに図示されている)のためのフレームストラットとすることができる。
【0079】
複数の先端側ストラット934は、1つまたは複数の曲がり部分を有したストラット部材とすることができる。例えば、
図9Aおよび
図9Bに示すように、複数の先端側ストラット934は、2つの曲がり部分を有することができる。各曲がり部分は、各先端側ストラット934を、基端方向へ湾曲させている。逆向きストラット933は、中央ポスト960の長手方向軸線に対して垂直な平面に関して、先端側ストラット934とは鏡像関係をなすストラット部材とすることができる。例えば、逆向きストラット933は、ハブ920から径方向外向きに延在するとともに
図9Aおよび
図9Bに示すように初期的には基端向きに延在していて先端方向へと曲げられたストラット部材とすることができる。逆向きストラット933は、逆向きアンカー止めチップ940Bを有することができる。アンカー止めチップ940A,940Bは、第2チップ954を有することができる。アンカー止めチップ940A,940Bの第2チップ954は、管腔壁内へとアンカー止めチップ940A,940B(例えば、アンカー止めチップ940A,940Bの穿孔部分952)が進入する深さを制限することができる。例えば、先端側アンカー止めチップ940Aの第2チップ954は、基端方向を向いていることができ、逆向きアンカー止めチップ940Bの第2チップ954は、先端方向を向いていることができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ940A,940Bの第2チップ954は、互いに同じ向きを向くことができる。
【0080】
ハブ920は、
図3Aおよび
図3Bを参照して上述したような二重ハブ構成を有することができる。ハブは、先端ハブ922と、基端ハブ924と、を有することができる。
図9Aおよび
図9Bに示すように、先端側ストラット934は、先端ハブ922から径方向に延在することができる。逆向きストラット933は、基端ハブ924から径方向に延在することができる。
【0081】
逆向きストラット933は、ピンチタイプのアンカー止め機構900の先端向きの移動(例えば、アンカー止め機構900の設置時)に基づいて生成される力に対抗することができる。先端側ストラット934および逆向きストラット933は、管腔の挟み込みを最小化しつつ、管腔内において使用し得るよう構成することができる。このような構成を使用することにより、例えば、管腔に対しての傷害を最小化することができる。
【0082】
先端側ストラット934および逆向きストラット933による挟み込みにより、管腔壁を、ひだ付きの形状のものとすることができる(例えば、
図12A〜
図12C)。管腔壁をひだ付きの形状とすることにより、先端側ストラット934と比較して径方向硬さがより小さな逆向きストラット933の使用を可能としつつ、管腔壁に対してポイント負荷を印加することができる。例えば、管腔壁をひだ付きの形状とすることにより、逆向きストラット933は、ひだが形成されていない場合の接触角度と比較して、アンカー止め機構900の長手方向軸線に対してより小さな角度でもって、管腔壁に対して接触することができるおよび/または管腔壁内に進入することができる。管腔壁にひだを形成することにより、および、逆向きの力を最小化することにより、逆向きストラットによる逆向き力いよって引き起こされ得る圧力壊死の傾向を阻止または低減することができる。逆向きストラット933は、先端側ストラット934よりも短いものとすることができる。先端側ストラット934は、
図10に図示されていて
図10を参照して説明されるような長尺形状のアンカー止め機構を有することができる。
【0083】
ピンチタイプのアンカー止め機構900は、搬送カテーテルの内部に適合し得るよう構成することができる。例えば、
図9Aおよび
図9Bに示すように、先端側ストラット934は、先端方向において直線化することができ、逆向きストラット933は、基端方向において直線化することができる。これにより、カテーテルの内部に適合することができる。ユーザーは、管腔の内部の所望の位置のところに、ピンチタイプのアンカー止め機構900を配置することができ、ピンチタイプのアンカー止め機構900を先端側へと押し出すことができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め機構900は、カテーテルを使用して設置サイトへと操作され、カテーテルをアンカー止め機構900から引き抜くことにより、アンカー止め機構900を設置サイトのところに設置することができる。先端側ストラット934が解放された後には、先端側アンカー止めチップ940Aは、ピンチタイプのアンカー止め機構900を管腔に対して連結することができ、管腔内へと進入することができる。ユーザーは、カテーテルを引っ張ることができ、これにより、ピンチタイプのアンカー止め機構900を、さらに解放することができる。これにより、逆向きストラット933を解放することができる。逆向きストラット933は、カテーテル内の直線形状から形状を変化させることができ、元々の完全に湾曲した形状へと復帰することができる。逆向きストラット933は、カテーテル内では比較的直線的な形状を形成することができ、カテーテルからの解放後には、先端向きに湾曲した形状へと形状を変化させることができる。逆向きストラット933の逆向きアンカー止めチップ940Bは、管腔内に係合することができる。先端側ストラット934および逆向きストラット933がそれぞれ元々の形状へと復帰した際に、管腔に対して印加される偏向力によって、管腔を挟み付けることができ、これにより、ひだを形成することができる。いくつかの実施形態においては、ピンチタイプのアンカー止め機構900の形状の変化は、温度変化や、ストラット部材に対して電流を流すことや、物理的操作、等によって、引き起こすことができるまたは起動することができる。
【0084】
先端側ストラット934および逆向きストラット933は、互いに異なる長さや形状や変曲ポイントや波型ポイントや硬さ等を有したストラットを有することができる。例えば、先端側ストラット934および逆向きストラット933は、曲がり部分を有していない湾曲したストラットを有したストラット部材とすることができる。
【0085】
長尺形状の先端アンカー
長尺形状のストラット部材を有したアンカー止め機構を使用することにより、身体的な移動によって引き起こされるおよび/またはアンカー止め機構の設置によって引き起こされる医療デバイスの移動度合いを低減することができる。医療デバイスの移動度合いは、短いストラット部材を使用したアンカー止め機構と比較して、より長いストラット部材を使用したアンカー止め機構の場合には、より短いものとすることができる。より長いストラット部材は、大きな円弧内で膨脹することができ、これにより、ストラット部材が平衡位置(例えば、設置)にまで膨脹した際に、管腔内デバイスの軸線方向移動を低減することができる。
図10は、長尺形状のストラット部材を有したアンカー止め機構の形状の一例を概略的に示している。長尺形状のストラット部材を有したアンカー止め機構1000は、複数の長尺形状のアンカー止めストラット1034と、ハブ1020と、を有することができる。
【0086】
長尺形状のアンカー止めストラット1034は、ハブ1020に対して連結されたデバイスの長手方向移動量を、低減することができるあるいは制限することができる。複数の長尺形状のアンカー止めストラット1034は、アンカー止めチップ1040を有することができる。アンカー止めチップ1040は、完全に収縮した管腔内においては、第1位置P1となることができる。アンカー止めチップ1040は、完全に膨脹した状態においては、第2位置P2となることができる。アンカー止めチップ1040は、P1とP2との間においては、長手方向移動距離D3の分だけ移動することができる。長手方向移動距離D3は、長尺形状のアンカー止めストラット1034を有することによって、低減することができる。例えば、長手方向移動距離D3は、0.1mm未満とすることができる。長手方向移動距離D3は、0.05mm未満とすることができる。長手方向移動距離D3は、0.02mm未満とすることができる。いくつかの実施形態においては、長手方向移動距離D3は、0.01mm未満とすることができる。多様な変更が可能である。
【0087】
長尺形状のアンカー止めストラット1034は、
図10に概略的に示すように、湾曲したストラット部材を有することができる。長尺形状のアンカー止めストラット1034は、直線化長さを有することができる。この直線化長さとは、ストラット部材が直線へと伸ばされたときの、ストラット部材の長さに対応している。直線化長さは、膨脹された管腔の直径と比較して、より長いものとすることができる。例えば、長尺形状のアンカー止めストラット1034は、膨脹した管腔の直径と比較して、約1.5倍以上の直線化長さを有することができる。長尺形状のアンカー止めストラット1034は、膨脹した管腔の直径と比較して、約2倍以上の直線化長さを有することができる。長尺形状のアンカー止めストラット1034は、膨脹した管腔の直径と比較して、約3倍以上の直線化長さを有することができる。長尺形状のアンカー止めストラット1034は、膨脹した管腔の直径と比較して、約4倍以上の直線化長さを有することができる。いくつかの実施形態においては、長尺形状のアンカー止めストラット1034は、膨脹した管腔の直径と比較して、1倍〜4倍という直線化長さを有することができる。多様な変更が可能である。
【0088】
ユーザーは、管腔1010に基づいて、長尺形状のストラットを有したアンカー止め機構1000の形状および寸法を選択することができる。長尺形状のアンカー止めストラット1034の直線化長さおよび湾曲度合いは、管腔のサイズ変化に応じて調節することができる。例えば、完全に膨脹した状態と完全に収縮した状態との間においてサイズ変化がわずかしかない管腔に関しては、湾曲度合いが大きなストラット部材、および/または、より短い直線化長さを有したストラット部材、を使用することができる。ユーザーは、さらに、直線化長さおよび/または湾曲度合いを調節することによって、ハブ1020の移動距離を校正することができる。ユーザーは、例えばある種の長さを有したものとしてストラット1034を選択することによって、ハブ1020の長手方向の移動距離を、0.02mm未満へと制限することができる。
【0089】
長尺形状のアンカー止めストラット1034は、様々な長さおよび様々な構成のストラット部材を有することができる。
図11は、複数の長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134を有したピンチタイプのアンカー止め機構1100の形状の一例を示している。ピンチタイプのアンカー止め機構1100は、ハブ1175を有することができる。アンカー止め機構1100は、複数の長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134を有することができる。これらの長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、ハブ1175に対して連結されているとともに、ハブ1175から先端向きに延在している。アンカー止め機構1100は、複数の逆向きストラット1133を有することができる。これらの逆向きストラット1133は、ハブ1175に対して連結されているとともに、先端側アンカー止めストラット1134よりも基端側に位置している。長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、先端側アンカー止めチップ1136を有することができる。先端側アンカー止めチップ1136は、第1アンカー止めチップ1136Aと、第2アンカー止めチップ1136Bと、を有することができる。複数の逆向きストラット1133は、逆向きアンカー止めチップ1190を有することができる。
【0090】
図11に示すように、逆向きストラット1133は、ハブ1175から径方向外向きに延在し得るとともに、先端向きに延在することができる。逆向きアンカー止めチップ1190は、逆向きストラット1133から所定角度で延在することができる。逆向きアンカー止めチップ1190は、逆向きストラット1133に対して90°〜170°という角度を形成することができる。長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134の第1アンカー止めチップ1136Aは、長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134と同じ向きで延在することができる。第2アンカー止めチップ1136Bは、基端向きとすることができ、第1アンカー止めチップ1136Aに対して角度を形成することができる。この角度は、30°〜170°とすることができる。この角度は、45°〜150°とすることができる。この角度は、60°〜120°とすることができる。この角度は、80°〜100°とすることができる。この角度は、約90°とすることができる。いくつかの実施形態においては、第2アンカー止めチップ1136Bは、管腔壁に対して干渉し得るよう構成され、管腔壁に対しての第1アンカー止めチップ1136Aの穿孔深さを制限することができる。
【0091】
いくつかの実施形態においては、先端側アンカー止めチップ1136は、双方向性のアンカー止めチップ(例えば、
図13A〜
図13Cに図示されたもの)を有することができる。先端側アンカー止めチップ1136および逆向きアンカー止めチップ1190は、管腔壁を挟み付けることができる。例えば、長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134および逆向きストラット1133は、互いに対向し得るよう構成することができ、これにより、管腔壁を挟み付けることができる。いくつかの実施形態においては、逆向きストラット1133は、先端側アンカー止めストラット1134が管腔壁内に設置されたときには、ハブ1175に対して連結された動作部分(例えば、バルブ)の先端向き移動を、禁止したり制限したりおよび/または阻止したりすることができる。
【0092】
図12A〜
図12Cは、管腔内において医療デバイスと一緒に使用された長尺形状の先端側アンカー止めストラットを有したピンチタイプのアンカー止め機構の形状の一例を示している。
図12Aに示すように、複数の長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134を有したピンチタイプのアンカー止め機構は、ピンチタイプのアンカー止め機構1100と、動作部分1135と、を有することができる。動作部分1135は、肺の気道内のバルブとすることができる。ハブ1175は、ピンチタイプのアンカー止め機構1100を動作部分1135に対して連結することができる。
【0093】
図12A〜
図12Cに示すように、長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、直線的な構成から変化することができ、湾曲した構成へと徐々に復帰することができる。
図12A〜
図12Cに示すように、管腔1110は、長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134がその形状を変化させたときには、管腔壁にひだ1115を形成することができる。管腔壁のひだ1115は、長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134と逆向きストラット1133との間に形成することができる。いくつかの実施形態においては、逆向きストラット1133は、パッド付きの二股状チップを有することができる。パッドは、管腔1110内への逆向きストラット1133の穿孔度合いを制限することができる。
【0094】
長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、形状記憶合金を有することができる。長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、電気的な駆動や温度変化や物理的操作やカテーテルからのデバイスの解放に起因する寸法変化等に応答して、形状を変化させることができる。例えば、
図12Aに示すような直線状の長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、電流を流すことによって、駆動することができる。長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、
図12Cに示すように駆動されたときには、湾曲した形状を形成することができる。
図12Cに示す湾曲した形状とされた長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134は、直線となるように駆動することができる。例えば、
図12Cにおける長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134を駆動することにより、長尺形状の先端側アンカー止めストラット1134を直線化することができ、これにより、
図12Aに示す直線化された形状を形成することができる。いくつかの実施形態においては、ストラット1133,1134は、それぞれ自身の延出された形状へと付勢され、また、機械的に直線化され(例えば、カテーテルおよび/またはピンセットにより)、これにより、カテーテル内に適合したり、内視鏡の動作チャネル内に適合したり、することができる。
【0095】
アンカー止めチップ
身体の動き(例えば、吸気時および/または呼気時、咳をした時、等)は、管腔内で使用されている医療デバイスを、様々な向きに移動させることができる。様々な向きを向いたアンカー止めチップは、デバイスをアンカー止めすることができ、デバイスのそのような移動に対抗することができる。
図13A〜
図13Cは、双方向性のアンカー止めチップ1340の形状の一例を示す様々な図である。双方向性のアンカー止めチップ1340は、ストラット部材1330に対して連結されることができる。ストラット部材1330は、予成形された曲がり部分1392A,1392Bを有することができる。ストラット部材1330は、ハブ1375に対して連結することができる。いくつかの実施形態においては、ハブ1375は、医療デバイスの動作部分(例えば、バルブ)に対して連結される。双方向性のアンカー止めチップ1340は、第1アンカー止めチップ1335Aと、第2アンカー止めチップ1335Bと、を有することができる。いくつかの実施形態においては、第1アンカー止めチップ1335Aおよび/または第2アンカー止めチップ1335Bは、フォークボディ1337から延出されている。
【0096】
第1アンカー止めチップ1335Aおよび第2アンカー止めチップ1335Bは、フォークボディ1337から延在することができる。フォークボディ1337は、第1アンカー止めチップ1335Aおよび第2アンカー止めチップ1335Bを、ストラット部材1330に対して連結することができる。いくつかの実施形態においては、第1アンカー止めチップ1335Aおよび第2アンカー止めチップ1335Bの形成は、ストラット部材1330の先端部にスリットを形成して、ストラット部材1330の先端部を、2つの個別部分(例えば、第1アンカー止めチップ1335Aおよび第2アンカー止めチップ1335B)へと分離させることにより、行われる。第1アンカー止めチップ1335Aは、全体的に、ストラット部材1330と同じ向きに延在することができる。例えば、第1アンカー止めチップ1335Aは、ハブ1375から径方向に延在することができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、曲がり部分を有することができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、第1アンカー止めチップ1335Aに対して角度を形成することができる。例えば、第2アンカー止めチップ1335Bは、フォークボディ1337に対して、10°〜170°でもって曲がることができる。第1アンカー止めチップ1335Aおよび第2アンカー止めチップ1335Bは、互いに異なるチップ構造を有することができる。例えば、第1アンカー止めチップ1335Aは、例えば
図13A〜
図13Cに図示されたような第1アンカー止めチップ1335Aのためのチップ構造といったような、尖鋭なチップ構造を有することができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、
図13A〜
図13Cに図示されたような鈍いチップ構造を有することができる。
【0097】
第1アンカー止めチップ1335Aは、管腔内に進入し得るよう構成することができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、第1アンカー止めチップ1335Aの進入深さを制限することができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、
図13Aに示すように、基端側を向くことができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、管腔壁に対して径方向外向きの力を印加することができる。例えば、第2アンカー止めチップ1335Bは、デバイスの長手方向の移動を禁止または阻止することができる。基端向きとされた第2アンカー止めチップ1335Bを使用することにより、双方向性のアンカー止めチップ1340と一緒に使用された医療デバイスが、管腔内で基端向きに移動してしまうことを妨害することができる。
【0098】
第2アンカー止めチップ1335Bは、ストラット部材1330上において、第1アンカー止めチップ1335Aから離間したところに配置することができる。第2アンカー止めチップ1335Bは、尖鋭エッジの曲がり部分を有することができる。第1アンカー止めチップ1335Aは、フォークボディ1337に対して角度を形成することができる。
【0099】
メンブランフレームをなすストラット
より短い軸線方向の全体的長さを有した管腔内デバイスを、有効なものとすることができる。例えば、より短い軸線方向長さを有した管腔内デバイスは、短い管腔内で使用することができる。デバイスの短い軸線方向長さは、アンカー止め部分が動作部分に対して近接していることが必要とされている場合に、使用することができる。これは、例えば、管腔壁の磨耗したパッチ上にデバイスをアンカー止めするという事態を回避するためである。いくつかの実施形態においては、より短いデバイスの使用は、デバイスが、気道または他の生体管腔の分岐部の交差箇所の近傍に埋設される場合に、効果的なものとすることができる。
【0100】
図14A〜
図14Cは、中間介在ストラット部材を有した管腔内デバイス1400の一例を示す図である。このデバイス1400は、ハブ1420を有することができる。いくつかの実施形態においては、デバイス1400は、ハブに対して連結されたアンカー止め部分1432と、ハブ1475に対して連結された動作部分1425と、を有している。アンカー止め部分1432は、複数のアンカー止めストラット1432を有することができる。複数のアンカー止めストラット1432は、アンカー止めチップ1440を有することができる。アンカー止めチップは、双方向性のアンカー止めチップ1335A,1335B(
図13Aおよび
図13Bに図示されている)を有することができる。動作部分1425は、メンブランストラット1435と、これらメンブランストラット1435に対して取り付けられたメンブラン1463と、を有することができる。動作部分1425(例えば、メンブランストラット1435)は、ハブ1475に対して連結することができ、ハブ1475から基端向きに延在することができる。デバイス1400は、ハブ1475に対して連結された中心ロッド1460を有することができる。中心ロッド1460は、メンブランストラット1435と、中心ロッド1460の基端部上のピンセットノブ1462と、の間に位置している。
【0101】
アンカー止めストラット1432は、曲がり形状を有することができる。この曲がり形状は、
図14A〜
図14Cに示すように、径方向外向きのアンカー止めチップ1440を有している。いくつかの実施形態においては、アンカー止めストラット1432は、アンカー止めチップ1440の近傍に、パッドまたは他の構造を有している。パッドまたは他の構造は、管腔壁内へのアンカー止めチップ1440の進入度合いを制限することができる。
図14Bに示すように、アンカー止めストラット1432は、デバイス1400の周縁まわりにおいて、フレームストラット1435の間に介在することができる。これにより、アンカー止めチップ1440は、横断面図で見たときに、フレームストラットチップ1436の間に介在することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めチップ1440の数、および、アンカー止めストラット1432の数は、ストラット1435の数に適合されている。ストラット1435,1432を介在させることにより、例えば、搬送カテーテル内で圧縮された際に、管腔内デバイス1400の全直径を最小化することができる。
【0102】
アンカー止めストラット1432は、ハブ1475から外向きに延在することができ、
図14A〜
図14Cに示すように、基端方向に曲げられている。いくつかの実施形態においては、アンカー止めストラット1432は、内部にデバイス1400が配置される管腔に対して、径方向外向きの力を印加することができる。動作部分1435は、管腔内に配置される際には、アンカー止め部分1432よりも基端側に配置することができる。管腔内に配置される際には、動作部分1435のフレームストラットチップ1436、および、アンカー止めチップ1440は、距離D4の分だけ離間して配置することができる。アンカー止めチップ1440と動作部分のフレームストラットチップ1436との間の距離D4は、アンカー止めチップ1440とメンブラン1436との間の接触というリスクを低減し得るよう十分に大きなものとすることができる。距離D4は、0.02mm〜5mmとすることができる。距離D4は、0.05mm〜4mmとすることができる。距離D4は、0.1mm〜3mmとすることができる。距離D4は、0.15mm〜2mmとすることができる。距離D4は、0.2mm〜1mmとすることができる。
【0103】
フレームストラットチップ1436の近傍にアンカー止めチップ1440を配置することにより、デバイス1400が内部に配置される管腔壁内にアンカー止めチップ1440を設置する際の、動作部分1425の移動を低減することができる。例えば、アンカー止めストラット1432は、動作部分1435の移動を、0.2mm未満であるように制限することができる。アンカー止めストラット1432は、動作部分1435の移動を、0.15mm未満であるように制限することができる。アンカー止めストラット1432は、動作部分1435の移動を、0.05mm未満であるように制限することができる。アンカー止めストラット1432は、動作部分1435の移動を、0.02mm未満であるように制限することができる。アンカー止めストラット1432は、動作部分1435の移動を、0.01mm未満であるように制限することができる。
【0104】
アンカー止めストラット1432は、複数の予成形された曲がり部分を有することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めストラット1432は、識別可能な曲がり部分を有することなく、湾曲した形状を有することができる。アンカー止めストラット1432は、アンカー止めストラット1432の長さに沿って、一様な厚さを有することができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止めストラット1432のいくつかの部分は、アンカー止めストラット1432の他の部分と比較して、より厚いものとされる。厚い部分は、より薄部分と比較して、フレキシブルさが小さいものとすることができる。例えば、より薄い部分は、より厚い部分と比較して、より大きな曲がりを許容することができる。
【0105】
管腔内デバイス1400は、搬送カテーテルを使用して搬送することができる。例えば、中間介在アンカー止めストラット1432は、フレームストラット1435を中間に介在させつつ、フレームストラット1435と一緒に折り畳むことができる。これにより、カテーテル内に適合することができる。管腔内デバイス1400は、カテーテルから押し出すことによって、設置することができる。いくつかの実施形態においては、管腔内デバイス1400は、管腔内デバイス1400が設置サイトの近傍に位置した時点で、管腔内デバイス1400からカテーテルを引き抜くことによって、設置される。管腔内デバイス1400は、ハブ1475とアンカー止めチップ1440とメンブランストラットチップ1432とが順次的にカテーテルから導出されるようにして、押し出すことができる。アンカー止めチップ1440がカテーテルから導出された後には、アンカー止めチップ1440は、管腔1410の表面上へと係合することができる。ユーザーは、アンカー止めチップ1440が管腔1410上へと係合した後には、フレームストラット1435から離間する向きにカテーテルを引っ張ることができる。
【0106】
いくつかの実施形態においては、予成形された曲がり部分を有したアンカー止めストラット1432は、直線化することができ、これにより、ハブ1475から先端向きに延在することができる。このようにして、カテーテルの内部に適合することができて、カテーテルによる搬送が可能とされる。アンカー止めストラット1432は、フレームストラット1435Aの数と同じく、様々な数のストラットを有することができる。
【0107】
連結部材
アンカー止めストラットは、延伸可能なおよび/またはフレキシブルな連結部材を介して、動作部分に対して連結することができる。
図15Aおよび
図15Bは、延伸可能とされた連結部材1560を有した管腔内デバイス1500の一例を示している。管腔内デバイス1500は、動作部分1535と、この動作部分1535に対して連結された連結部材1560と、この連結部材1560に対して連結されたアンカー止め部分1530と、を有することができる。アンカー止め部分1530は、先端ハブ1575Bと、この先端ハブ1575Bに対して連結されているとともにこの先端ハブ1575Bから延出されたアンカー止めストラット1532と、アンカー止めチップ1540と、を有することができる。アンカー止めチップ1540は、第1チップ1536Aと、第2チップ1536Bと、を有することができる。第2チップ1536Bは、管腔内デバイス1500が内部に設置される管腔壁内への、第1チップ1536Aの穿孔深さを制限することができる。動作部分1535は、基端ハブ1575Aと、この基端ハブ1575Aに対して連結されているとともにこの基端ハブ1575Aから延出された複数のフレームストラット1535Aと、これらフレームストラット1535Aに対して取り付けられたメンブラン1535Bと、を有することができる。
【0108】
アンカー止め部分1530は、動作部分1535よりも先端側に配置することができる。アンカー止め部分1530は、先端ハブ1575Bから径方向にかつ先端向きに延在することができる。フレームストラット1535Aは、曲がり表面938(
図9に示されている)を有することができる。曲がり表面937は、管腔1510に対しての傷害を最小化することができる。フレームストラット1535Aは、基端ハブ1575Aから基端向きに延在することができる。連結部材1560は、先端ハブ1575Bと基端ハブ1575Aとを連結することができる。連結部材1560は、アンカー止め部分1530と動作部分1535とを連結することができる。連結部材1560は、延伸可能なものとすることができる。例えば、連結部材1560は、
図15Aおよび
図15Bに示すように、螺旋スプリングとすることができる。
【0109】
図15Aに示す第1状態においては、連結部材1560は、収縮しており、動作部分1535とアンカー止め部分1530とを互いに接近させている。
図15Bに示す第2状態においては、連結部材1560は、延伸しており、動作部分1535とアンカー止め部分1530とは、互いに離間されている。基端ハブ1575Aと先端ハブ1575Bとの間の距離は、第1状態と比較して、第2状態の方がより大きなものとすることができる。
【0110】
連結部材1560は、管腔の寸法変化に応答して、延伸および/または収縮することができる。連結部材1560は、動作部分1535を位置ずれさせることなく、アンカー止め部分1530を軸線方向に移動させ得るよう十分に弾性的なものとすることができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め部分1530は、アンカー止めストラット1532および管腔壁1515が外向きに膨脹した際には、動作部分1535から離間する向きに移動することができる。いくつかの実施形態においては、動作部分1535から離間する向きにおけるアンカー止め部分1530の移動は、アンカー止め部分1530に向けての動作部分1535の移動を伴うことなくあるいはごくわずかしか伴うことなく、達成することができる。
【0111】
連結部材1560は、管腔1510の寸法変化にかかわらず、動作部分1535を所定位置に保持し得るよう十分な引っ張り強度を有することができる。例えば、連結部材1560は、管腔1510の収縮に対抗することができる。これにより、管腔の収縮時には連結部材1560は初期的には延伸するけれども、連結部材1560の強度により、連結部材1560は、元々の長さへと復帰することができ、管腔1510を再膨脹させることができる。スプリング部分1560は、例えば弾性体といったような弾性構造を有することができる。例えば、スプリング部分1560は、合成ゴムやシリコーン等を有することができる。
【0112】
二股状管腔内での連結部材
管腔内デバイス1500は、例えば二股状の気道といったような二股状管腔の中で使用することができる。延伸可能な連結部材1560は、小さな直径を有した気道内で使用することができる。
図16Aおよび
図16Bは、二股状管腔1610内で使用された延伸可能な連結部材を有した管腔内デバイス1500の一例を示している。二股状管腔1610は、第1管腔1615Aと、第2管腔1615Bと、を有することができる。第1管腔1615Aおよび第2管腔1615Bは、互いに異なる直径を有することができる。例えば、第1管腔1615Aは、第2管腔1615Bの直径よりも小さな直径を有することができる。第1管腔1615Aおよび第2管腔1615Bは、互いに個別的にあるいは一緒に、膨脹したり収縮したりすることができる。
【0113】
図16Aは、主に第1管腔1615A内に配置された管腔内デバイス1500を示している。アンカー止め部分1530は、第1管腔1615A内において先端側に配置することができ、動作部分1535は、第1管腔1615Aの入口のところにあるいは入口の近傍に配置することができる。動作部分1535は、膨脹した接触直径1590Bでもって第1管腔1615Aに対して接触することができる。接触直径1590Bは、第1管腔1615Aの直径とすることができ、動作部分の外表面の一部が、第1管腔1615Aに対して接触することとなる。
【0114】
図16Bは、収縮状態とされた第1管腔1615Aを示している。この収縮状態においては、第1管腔1615Aは、動作部分1535に対して力を印加することができ、動作部分1535の一部は、第1管腔1615Aの外部に位置することができる。例えば、動作部分1535は、収縮した接触直径1590Aのところで第1管腔1615Aに対して接触することができる。収縮した接触直径1590Aは、膨脹した接触直径1590Bと比較して、基端ハブ1575Aに対してより近い場所とすることができる。収縮した接触直径1590Aは、膨脹した接触直径1590Bと比較して、より小さなものとすることができる。
【0115】
連結部材1560は、弾性的に延伸することができ、これにより、第1管腔1615Aが収縮する際には、動作部分1535は、基端向きに移動することができる。連結部材1560は、第1管腔1615Aが膨脹する際には、動作部分1535を先端向きに引っ張ることができる。連結部材による弾性的な延伸および引っ張りは、アンカー止め機構をその位置から移動させることなく、管腔内デバイス1500を気道内に着座した状態に維持し得るだけの十分な対抗力を印加することができる。連結部材1560の延伸距離は、バルブ部分がなす円錐形状の角度によって、および、動作部分1535がカバーしている気道壁の直径によって、決定することができる。
【0116】
動作部分1535内のストラット1535Aは、第1管腔1615Aがなす開口に対して当接することができ、より大きな管腔1605に対して開口しており、これにより、
図16Aおよび
図16Bに示すように、アンカー止め部分1530からの引っ張り力に対抗することができる。アンカー止め部分1530は、膨脹時および収縮時には、第1管腔1615A内の同じ場所に留まることができる。いくつかの実施形態においては、アンカー止め部分1530は、アンカー止め部分1530の設置時には、第1管腔1615A内において先端側に移動する。例えば、
図16Aに示すような膨脹した第1管腔1615A内においては、連結部材1560は、第1長さD5を有することができる。
図16Bに示すような収縮した第1管腔1615A内においては、連結部材1560は、第2長さD6を有することができる。第1長さD5は、第2長さD6と比較して、より短いものとすることができる。動作部分1535は、第1管腔1615Aが収縮する際には、より大きな管腔1605に向けて基端向きに移動することができる。基端ハブ1575Aと先端ハブ1575Bとの間の距離は、第1管腔1615Aの収縮時には、増大することができる。基端ハブ1575Aと先端ハブ1575Bとの間の距離は、第1管腔1615Aの膨脹時には、減少することができる。連結部材1560によって生成される弾性力は、開口に対して動作部分1535を保持し得るように、調節することができる。
【0117】
動作部分1535は、より大きな気道に対して適したものではあるけれども、より大きな気道に対して開口を有したより小さな気道においても、使用することができる。
図16Aおよび
図16Bに示すように、動作部分1535は、第1管腔1615Aの基端部内において隠れることができる。例えば、第1管腔1615Aは、動作部分1535の外径よりも小さな接触直径1590Aを有することができる。動作部分1535の最大外径は、動作部分1535の最大直径よりも大きなものとすることができる。動作部分1535の一部は、第1管腔1615Aの内部に配置することができ、動作部分1535の残部は、第1管腔1615Aの入口よりも外側へと延出させることができる。動作部分1535の形状およびサイズは、第2管腔1615Bを通しての気流を確保し得るよう構成することができる。
【0118】
本発明につき、いくつかの好ましい実施形態および例示を参照して上述したけれども、当業者であれば、本発明が特定の開示されている実施形態を超えて、他の代替的な実施形態にまで拡張されるおよび/または本発明および本発明の明らかな変更および等価物を使用することを理解するであろう。加えて、発明のいくつかの変形例が示されそして詳細に記載されているものの、当業者であれば、この開示に基づく、本発明の範囲内にある他の変更が、容易に明らかであろう。そしてまた、実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは副次的組み合わせが作成されることができ、そして本発明の範囲内に含まれ得ると考えられる。開示されている実施形態の様々な特徴および態様が、開示された発明の各モードまたは実施形態を形成するために互いに組み合わされ、または置換され得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書において開示される本発明の範囲は、上記で開示されている特定の実施形態に限定されるべきはないことが想定されている。