【文献】
株式会社QBIST,ファイアーエムブレム 暁の女神 ザ・コンプリートガイド 初版 FIRE EMBLEM,第1版,株式会社メディアワークス 久木 敏行,2007年04月30日,P.4−25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音楽の再生箇所に対応づけて予め定められた前記取得可能期間(以下「基本取得可能期間」という)及び前記取得可能位置(以下「基本取得可能位置」という)とは別の前記取得可能期間(以下「特別取得可能期間」という)及び前記取得可能位置(以下「特別取得可能位置」という)を、前記音楽の再生箇所に対応づけて設定する特別設定手段、
を備えた請求項3に記載のコンピュータシステム。
前記特別設定手段は、前記プレーヤのレベル、及び/又はプレイ状況が所与の条件を満たした場合に、前記特別取得可能期間及び前記特別取得可能位置を、前記音楽の再生箇所に対応づけて設定する、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の音楽ゲーム等は、リズム感や反射神経が要求されるゲームが殆どであった。そこで本発明は、音楽を聴きながら操作して楽しむゲームとして、従来に無い全く新しいゲームを実現するための技術を提供することを目的として考案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の形態は、出力される音楽を聴きながら操作媒体(例えば、
図1に示す仮想カード3(3A,3B,3C,…))を配置領域部に配置して楽しむゲームを実行するコンピュータシステム(例えば、
図1に示すユーザ端末50や、
図24の業務用ゲーム装置90)であって、前記配置領域部は、前記操作媒体を複数並べて配置可能なサイズを有し、パラメータ値に基づいて所与の発動処理が実行制御される前記パラメータ値を取得することが可能な所与の取得可能期間と、当該取得が可能となる前記配置領域部中の所与の取得可能位置とをプレーヤに提示する提示制御手段(例えば、
図15に示す提示制御部534)と、前記取得可能期間中に前記操作媒体が前記取得可能位置に配置されていた間の時間長に基づいて、前記パラメータ値を取得して変更する取得制御手段(例えば、
図15に示す取得制御部535)と、前記パラメータ値に基づいて前記発動処理の実行を制御する発動制御手段(例えば、
図15に示す発動制御部536)と、を備えたコンピュータシステムである。
【0006】
或いは、他の形態として、出力される音楽を聴きながら操作媒体を配置領域部に配置して楽しむゲームをコンピュータに実行させるためのプログラム(例えば、
図15に示すゲームプログラム590)であって、前記配置領域部は、前記操作媒体を複数並べて配置可能なサイズを有し、パラメータ値に基づいて所与の発動処理が実行制御される前記パラメータ値を取得することが可能な所与の取得可能期間と、当該取得が可能となる前記配置領域部中の所与の取得可能位置とをプレーヤに提示する提示制御手段、前記取得可能期間中に前記操作媒体が前記取得可能位置に配置されていた間の時間長に基づいて、前記パラメータ値を取得して変更する取得制御手段、前記パラメータ値に基づいて前記発動処理の実行を制御する発動制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0007】
第1の形態等によれば、取得可能期間と取得可能位置との提示を受けてユーザが配置領域部に操作媒体を配置することでパラメータ値を取得可能となり、所与の発動処理を発動可能となるゲームを実現できる。取得できるパラメータ値は、取得可能期間において取得可能位置に操作媒体が配置されていた間の時間長(以下、「配置時間長」という)に応じて変更される。そして、発動処理は、パラメータ値に基づき実行が制御される。これによれば、音楽を聴きながら操作して楽しむゲームとして、音楽ゲーム等のようなリズム感や反射神経が要求されるゲームとは異なる新しいゲームを実現することができる。
【0008】
また、第2の形態として、前記提示制御手段は、少なくとも、前記取得可能期間の間、前記取得可能位置を継続して提示し続ける、第1の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0009】
第2の形態によれば、取得可能位置を取得可能期間の間継続して提示し続けることによって、まさにその時、取得可能位置に操作媒体を配置し続ければ良いということを、直接的に提示することができる。
【0010】
また、第3の形態として、前記提示制御手段は、前記取得可能期間が到来する直前に、前記取得可能期間が到来する予兆を提示する、第2の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0011】
第3の形態によれば、取得可能期間の到来直前に、当該到来する予兆を提示することができる。
【0012】
また、第4の形態として、前記提示制御手段は、前記取得可能期間が終了する直前に、前記取得可能期間が終了する予兆を提示する、第2又は第3の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0013】
第4の形態によれば、取得可能期間の終了直前に、当該終了する予兆を提示することができる。
【0014】
また、第5の形態として、映像とともに、或いは、映像を伴わずに前記音楽を再生して出力させる再生出力制御手段(例えば、
図15の再生出力制御部532)、を備え、前記取得可能期間は、前記音楽の再生箇所に対応づけて定められており、前記提示制御手段は、前記再生出力制御手段により再生出力されている前記音楽の再生箇所が前記取得可能期間に差し掛かる際に前記取得可能位置を提示することで、前記取得可能期間と前記取得可能位置とを提示する、第1〜第4の何れかのコンピュータシステムを構成してもよい。
【0015】
第5の形態によれば、音楽の再生、或いは音楽及び映像の再生と同期して、当該音楽の再生箇所に対応づけられた取得可能期間において取得可能位置を提示することができる。
【0016】
また、第6の形態として、複数の音楽の中から前記再生出力制御手段に再生出力させる音楽を選択する音楽選択手段(例えば、
図15の選択受付制御部531)、を備え、前記提示制御手段は、前記音楽選択手段により選択された音楽に対応づけて定められた前記取得可能期間の再生箇所が再生出力されている際に、前記取得可能位置を提示する、第5の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0017】
第6の形態によれば、再生出力させる音楽の選択に従い、当該音楽の再生箇所に対応づけられた取得可能期間において取得可能位置を提示できる。
【0018】
また、第7の形態として、前記取得可能位置は、前記音楽の再生箇所に対応づけて、前記取得可能期間とともに定められている、第5又は第6の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0019】
第7の形態によれば、取得可能期間が対応づけられた再生箇所において、当該取得可能期間とともに定められている取得可能位置を提示できる。
【0020】
また、第8の形態として、前記音楽の再生箇所に対応づけて予め定められた前記取得可能期間(以下「基本取得可能期間」という)及び前記取得可能位置(以下「基本取得可能位置」という)とは別の前記取得可能期間(以下「特別取得可能期間」という)及び前記取得可能位置(以下「特別取得可能位置」という)を、前記音楽の再生箇所に対応づけて設定する特別設定手段(例えば、
図15のゲーム管理部530)、を備えた第7の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0021】
第8の形態によれば、予め設定されているのとは別に、取得可能期間(特別取得可能期間)及び取得可能位置(特別取得可能位置)を追加することが可能となる。
【0022】
また、第9の形態として、前記特別設定手段は、前記プレーヤのレベル、及び/又はプレイ状況が所与の条件を満たした場合に、前記特別取得可能期間及び前記特別取得可能位置を、前記音楽の再生箇所に対応づけて設定する、第8の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0023】
第9の形態によれば、プレーヤのレベル及び/又はプレイ状況が所与の条件を満たした場合に、特別取得可能期間及び特別取得可能位置を追加できる。
【0024】
また、第10の形態として、前記操作媒体には複数種類の操作媒体があり、前記提示制御手段は、前記取得可能期間中に前記取得可能位置に配置した場合に前記時間長に対する前記パラメータ値の取得効率が所定の高効率条件を満たす前記操作媒体の種類(以下「高効率媒体種類」という)を提示し、前記取得制御手段は、前記取得可能期間中に前記取得可能位置に配置された前記操作媒体の種類と前記高効率媒体種類とに基づいて、前記時間長に対する前記パラメータ値を変更する、第1〜第9の何れかのコンピュータシステムを構成してもよい。
【0025】
第10の形態によれば、例えば、操作媒体の種類が高効率媒体種類と一致する場合に高効率条件を満たすとし、配置時間長に対するパラメータ値を一致しない場合よりも大きく変更するといったことが可能となる。プレーヤは、取得可能期間及び取得可能位置の提示に従い、高効率媒体種類を考慮して操作媒体を配置することにより、より多くのパラメータ値を取得することができる。
【0026】
また、第11の形態として、前記提示制御手段は、前記取得可能位置を、前記高効率媒体種類を識別可能な表示形態で提示することで、前記取得可能位置及び前記高効率媒体種類を提示する、第10の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0027】
第11の形態によれば、取得可能位置の表示形態によって、高効率媒体を識別可能に提示することができる。
【0028】
また、第12の形態として、前記配置領域部は、少なくとも、前記操作媒体を縦方向に3つ以上、横方向に3つ以上並べて配置可能なサイズを有する、第1〜第11の何れかのコンピュータシステムを構成してもよい。
【0029】
また、第13の形態として、前記操作媒体それぞれに当該操作媒体の前記パラメータ値が対応づけられており、前記取得制御手段は、前記取得可能期間中に前記取得可能位置に配置された前記操作媒体の前記パラメータ値を、前記時間長に基づいて変更する、
第1〜第12の何れかのコンピュータシステムを構成してもよい。
【0030】
第13の形態によれば、取得可能期間中に取得可能位置に配置した操作媒体についてのパラメータ値を取得することができる。
【0031】
また、第14の形態として、前記取得制御手段は、前記取得可能期間中に前記取得可能位置に配置されていた前記操作媒体(以下「指定位置配置媒体」という)と所与の相対位置関係条件を満たす位置に、他の操作媒体(以下「波及位置配置媒体」という)が配置されていた場合に、前記指定位置配置媒体の前記パラメータ値と、前記波及位置配置媒体の前記パラメータ値とを変更する、第13の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0032】
第14の形態によれば、取得可能期間において、指定位置配置媒体との位置関係が所与の相対位置関係条件を満たす波及位置に他の操作媒体が配置されていた場合に、その波及位置に配置された他の操作媒体のパラメータ値をも変更することができる。
【0033】
また、第15の形態として、前記操作媒体毎に前記相対位置関係条件が設定されている、第14の形態のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0034】
第15の形態によれば、操作媒体毎に相対位置関係条件を設定しておくことができる。
【0035】
また、第16の形態として、前記発動制御手段は、前記プレーヤによって指定された前記操作媒体の前記パラメータ値に基づいて、当該操作媒体に関連づけられた前記発動処理の実行を制御する、第13〜第15の何れかのコンピュータシステムを構成してもよい。
【0036】
第16の形態によれば、プレーヤが指定した操作媒体のパラメータ値に基づいて、その操作媒体に関連づけられた発動処理の実行を制御することができる。
【0037】
また、第17の形態として、前記発動制御手段は、前記プレーヤによって指定された前記操作媒体の前記パラメータ値が前記発動処理の実行可能条件を満たす場合に、前記プレーヤの発動指示操作に基づいて、当該指定された前記操作媒体に関連づけられた前記発動処理を実行させる、第13〜第15の何れかのコンピュータシステムを構成してもよい。
【0038】
第17の形態によれば、操作媒体のパラメータ値が発動処理の実行可能条件を満たす場合に、当該操作媒体を指定したプレーヤの発動指示操作に応じて、その操作媒体に関連づけられた発動処理を実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0041】
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、通信回線Nに接続可能なサーバシステム10と、本実施形態のゲームのプレーヤ4であるユーザが所持するユーザ端末50とを備えて構成される。
【0042】
ここで、サーバシステム10は、ゲームを運営するための処理を行う。例えば、ユーザID(アカウント)の登録や、登録されたユーザ(プレーヤ)のゲームプレイ等に係るデータ(プレイデータ)の管理、ユーザ端末50でのゲームの実行に必要なデータの配信等を行うことができる。また、通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0043】
ユーザ端末50は、ゲームプログラムを実行することのできるコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、サーバシステム10とデータ通信を行うことができる。このユーザ端末50は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ等の形態を取り得る。
【0044】
図2は、ユーザ端末50の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末50は、方向入力キー5501と、ホームキー5503と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル5505と、スピーカ5511と、マイク5513と、充電式の内蔵バッテリー5520と、制御基板5530と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード5550に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置5540とを備える。その他、ユーザ端末50には、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0045】
制御基板5530には、CPU5531、GPUやDSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ5533、通信回線Nに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール5535等が搭載されている。また、制御基板5530には、方向入力キー5501やホームキー5503からの信号を受信する回路、タッチパネル5505のドライバ回路、メモリカード読取装置5540への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板5530に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0046】
この制御基板5530においてICメモリ5533には、ゲームプログラムや、このゲームプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームプログラム等は、適宜タイミングでサーバシステム10からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード5550等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU5531等がゲームプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー5501やホームキー5503、タッチパネル5505に対する操作入力に応じてユーザ端末50の各部を制御することで、プレーヤ4のゲームプレイを可能にする。
【0047】
[ゲームの概要]
本実施形態のゲームでは、操作媒体として、仮想的なゲームカード(仮想カード)3(3A,3B,3C,・・・)を使用する(
図1を参照)。仮想カード3は、例えば、予めゲームの登場キャラクタとしてデザインされた複数種類のキャラクタ毎に用意され、その表示面に該当するキャラクタの絵柄が表示される。また、カード属性を示す属性マーク33(33A,33B,33C,・・・)と、波及位置を提示するためのリンクマーク35(35A,35B,35C,・・・)とが表示面内の所定位置に付される。この仮想カード3は、ゲームプレイに最低限必要な枚数がアカウント登録時に付与される他、ゲームプレイの過程で獲得したり、課金アイテムとして購入によって獲得したり、ガチャと呼ばれる抽選によって獲得することができる。なお、以下参照する図面では、仮想カード3に付される属性マーク33やリンクマーク35の表示を適宜省略する。
【0048】
ここで、仮想カード3のカード属性は、本実施形態では、
図1の属性マーク33Aが示す「属性A」と、属性マーク33Bが示す「属性B」と、属性マーク33Cが示す「属性C」の3種類とされる。なお、仮想カード3におけるカード属性種類の識別表示は例示した属性マーク33で行う構成に限らず、カード属性種類毎に異なる色の属性マークを付すとしてもよいし、仮想カード3の背景色をカード属性種類に応じて色分けすることで識別表示するのでもよい。リンクマーク35の詳細は後述する。
【0049】
ゲームの開始に先立ち、プレーヤ4は、選曲可能な音楽(楽曲)の中からプレイ曲を選択するとともに、保有している仮想カード(保有カード)3の中から今回のゲームで使用する仮想カード(使用カード)3を選択する。1回のゲームで使用可能な使用カード3の枚数は1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。以下では、3枚を選択して使用する場合を例示する。また、ここでの使用カード3の選択にあたっては、3枚のうちの1枚を指定して、そのキャラクタを「センターポジション」に割り当てる。「センターポジション」に割り当てたキャラクタは、いわゆるリーダーの立場となる。
【0050】
そして、以上の事前選択を終えたならば、センターポジションに割り当てたキャラクタ種類(指定メインキャラクタ種類)に従い、ゲーム中にゲーム画面にて再生する映像(以下、「メイン映像」という)を選んでゲームプレイを開始する。メイン映像は、例えば、キャラクタ種類毎に、そのキャラクタを含む登場キャラクタが音楽に乗せてダンスを踊る映像として用意される。
【0051】
図3は、ゲーム画面の一例を示す図である。
図3に示すように、ゲーム画面は、メイン映像を再生するための上画面W11と、配置領域部2を表示してゲーム操作を受け付けるための下画面W13とに上下に二分割されて構成される。
【0052】
上画面W11には、前述のようにゲーム開始前に決定したメイン映像が、プレイ曲の再生に合わせて再生(表示)される。
【0053】
一方、下画面W13は、上画面W11にて登場キャラクタが踊るステージを模した配置領域部2を備え、破線で区画された複数(
図3では15個)の領域を使用カード3の配置位置(カード配置位置)Pとして示す。区画分けは必ずしも必要ではないが、本実施形態では説明を分かり易くするために区画分けする例として説明する。1つのカード配置位置Pには、使用カード3を1枚配置することができる。本実施形態では、ゲーム中、ゲーム操作の1つとして受け付けるプレーヤ4のカード配置操作に従い、3つのカード配置位置Pに使用カード3が1枚ずつ配置されることとなる。なお、この配置領域部2におけるカード配置位置Pの表示は
図3の態様に限定されるものではなく、例えば、破線による区画分けの表示に代えて、各区画に対応する各カード配置位置Pの中心点を表示することで行うとしてもよい。また、カード配置位置Pの数は15個に限らず、ゲームで使用できる使用カード3の最大枚数等に応じて適宜設定できる。配置領域部2は、少なくとも仮想カード3を縦方向に3つ以上、横方向に3つ以上並べて配置可能なサイズを有していると好適である。
【0054】
そして、ユーザ端末50は、プレーヤ4が音楽を聴きながら仮想カード3を配置領域部2(
図3を参照)に配置して楽しむゲームを実行する。例えば、ゲームに使用することで仮想カード3のキャラクタを成長させていく育成ゲームとして実現できる。
【0055】
[原理]
本実施形態のゲームでは、プレイ曲の再生と同期して取得可能期間や取得可能位置を提示する提示ステップ(1)と、当該提示を受けてプレーヤ4が行った配置操作に従い、使用カード3毎にパラメータ値である「スキルポイント」を取得して更新する取得制御ステップ(2)と、ゲーム中に(1),(2)の各ステップが繰り返されることで使用カード3毎に貯まっていくスキルポイントに基づいて、所与の発動処理の実行を制御する発動制御ステップ(3)とを含むゲーム処理を行う。
【0056】
(1)提示ステップ
取得可能期間と取得可能位置とは、予めプレイ曲の再生箇所に対応づけられて設定される。
図4は、あるプレイ曲に設定される取得可能期間Taをプレイ曲の再生開始から再生終了までの再生時間の時間軸上に示すとともに、そのうちの2つの取得可能期間Ta(Ta−1,5)に対応する取得可能位置Pa(Pa−1,5)を引き出して示した模式図である。
【0057】
取得可能期間Taは、ゲーム中にスキルポイントを取得することができる期間の設定情報であり、プレイ曲中の1つ又は複数の再生箇所に設定される。具体的には、取得可能期間Taは、再生時間の時間範囲(再生時間範囲)として定められ、その長さは、比較的長いもの(Ta−7)や中程度のもの(Ta−1,Ta−3〜6)、短いもの(Ta−2)を混在して含む。
【0058】
取得可能位置Paは、対応する取得可能期間Taにおいてスキルポイントを取得することができるカード配置位置Pの設定情報であり、15個のカード配置位置Pのうちの1つ又は複数のカード配置位置Pの識別情報(配置位置番号)によって定められる。
図4の例では、取得可能期間Ta−1での取得可能位置Pa−1は、ハッチングを付した中段中央のカード配置位置P8とされる。同様に、取得可能期間Ta−5における取得可能位置Pa−5は、ハッチングを付した上段中央と下段左右端の3つのカード配置位置P3,P11,P15とされる。
【0059】
より詳細には、取得可能位置Paとされるカード配置位置Pには、その高効率条件該当属性がさらに設定される。この高効率条件該当属性には、仮想カード3のカード属性種類(本実施形態では「属性A」「属性B」「属性C」の3つ)のうちの何れかが設定される。例えば、取得可能期間Ta−5において取得可能位置Pa−5とされる3つのカード配置位置P3,P11,P15のうち、カード配置位置P3には、その属性マーク33Bの「属性B」が、カード配置位置P11,P15には、その属性マーク33Aの「属性A」が、それぞれ高効率条件該当属性として設定されている。この高効率条件該当属性は、取得制御ステップでのスキルポイントの取得に際し、高効率条件の判定に用いる。
【0060】
そして、提示ステップでは、カード配置位置Pに提示表示体を表示することで、プレーヤ4に取得可能期間と取得可能位置とを提示し、併せて高効率条件該当属性を提示する。本実施形態では、提示表示体は、取得可能期間に開始予兆提示期間を加えたプレイ曲の再生時間範囲(提示期間)の間、継続的に取得可能位置に表示される。なおかつ、提示表示体は、その表示を開始してからの時間経過に応じて状態を変えながら表示される。例えば、提示表示体は、属性マーク33をベースにした形態を有し、取得可能位置内での表示サイズ、表示色、濃淡、透明度、線種等を用いてその状態が変更される。
【0061】
図5は、1つの取得可能期間における取得可能位置の提示に係る提示表示体71(71A,71B,71C)の状態変化の遷移例を示す図であり、高効率条件該当属性が「属性A」である取得可能位置での提示表示体71Aの状態変化(開始予兆提示表示体711A→期間提示表示体713A→終了予兆提示表示体715A)を
図5の(a)に、「属性B」である取得可能位置での提示表示体71Bの状態変化(711B→713B→715B)を
図5の(b)に、「属性C」である取得可能位置での提示表示体71Cの状態変化(711C→713C→715C)を
図5の(c)にそれぞれ示している。
図5に示すように、提示表示体71は、提示期間を3つに分けた各期間で状態が変化する。具体的には、提示期間は、取得可能期間が到来する直前の所定期間である開始予兆提示期間、取得可能期間が終了する直前の所定期間である終了予兆提示期間、この終了予兆提示期間を除いた取得可能期間の3つの期間に分けられる。このように、提示表示体は、上記した取得可能期間等に加えて3つの各期間の到来についてもプレーヤ4に提示し、各期間を識別表示する。本実施形態では、開始予兆提示期間と終了予兆提示期間は、予め取得可能期間毎に設定しておくこととするが、全ての取得可能期間で固定長としてもよいし、この固定長を基準にしてプレーヤ4のレベル(プレーヤレベル)や後述するプレイ状況、プレイ難易度、プレイ履歴等に応じてそれより長く、或いは短く調整するとしてもよい。
【0062】
なお、提示表示体の表示は
図5の態様に限定されない。例えば、
図6に示すように、スポットライトの照射を模したスポットライト表示73を提示表示体として表示する変形例も考えられる。本変形例では、開始予兆提示期間では取得可能位置にピンスポット731が表示され、取得可能期間に差し掛かると、取得可能位置の全域を照らす太いスポットライト表示733となる。そして、終了予兆提示期間では、スポットライトが薄く消えかかったような表示735に変わる。この場合の高効率条件該当属性の提示は、スポットライトの形状をカード属性種類毎に変えること(例えば円柱状のスポットライト表示と、三角柱や四角柱等の角柱状のスポットライト表示とする等)で実現できる。或いは、仮想カード3においてそのカード属性を色で識別表示する場合には、スポットライト表示の表示色を高効率条件該当属性に対応する表示色とすることで行ってもよい。
【0063】
(2)取得制御ステップ
さて、ゲームプレイ中、以上のような取得可能期間、取得可能位置、及び高効率条件該当属性の提示を受けたプレーヤ4は、カード配置操作を行って使用カード3毎にスキルポイントを貯めていく。
【0064】
図7は、カード配置操作を説明する図であり、
図5(a)の開始予兆提示表示体711Bが1つのカード配置位置P13に表示されたときの下画面W13の表示例を上段(a)に示す。
図7(a)に示した段階で、プレーヤ4は、間もなく取得可能期間が到来し、その取得可能位置がカード配置位置P13であることと、高効率条件該当属性が「属性B」であることを把握することができる。また、その後、
図7(b)に示すように開始予兆提示表示体711Bの表示が期間提示表示体713Bに変わったタイミングで、取得可能期間の到来を把握することができる。そして、これらの提示を受けたプレーヤ4は、例えば使用カード31Bをタッチし、カード配置位置P13までスライドさせて移動させる操作(カード配置操作)を行う。
【0065】
ここで、どの使用カード31(
図7では使用カード31A,31B,31C)を、どのタイミングで、取得可能位置(
図7ではカード配置位置P13)へ移動させるのかはプレーヤ4の自由である。ただし、カード属性が高効率条件該当属性と一致しない使用カード31(
図7では使用カード31A,31C)ではなく、それと一致する使用カード31(
図7では使用カード31B)を取得可能位置に配置することで、より多くのスキルポイントを取得できる。また、いつ使用カード31を取得可能位置へと移動させるのかもプレーヤ4の自由である。取得可能期間が到来するよりも前に配置してもよいし、取得可能期間の途中で配置してもよい。過去にプレイしたことがある音楽を選択して再度プレイする場合など、音楽が流れている(再生されている)箇所に応じた取得可能期間および取得可能位置を知っている場合には、取得可能位置が提示される前に、取得可能位置に使用カード3を配置することができる。或いは、取得可能位置に使用カード3を配置した後、配置換えを行って当該取得可能位置に別の使用カード3を配置しても構わない。ただし、取得可能期間中に取得可能位置に配置されていた時間長(配置時間長)によって、その使用カード3について取得することができるスキルポイントが変動する。同じ取得可能位置に同じ使用カード3を配置した場合、その配置時間長が長いほど取得できるスキルポイントは増える。配置換えが取得可能期間内に行われたのであれば、各使用カード3についてその配置時間長に応じたスキルポイントを取得できる。
【0066】
そのために、取得制御ステップでは、取得制御処理として先ず、取得可能期間中に取得可能位置に配置されていた使用カード3のその配置時間長に基づいて、当該使用カード3のスキルポイントを取得して変更する処理を行う。具体的な手順としては例えば、取得可能期間の間、各使用カード3の置かれたカード配置位置Pが取得可能位置か否かの判定と、取得可能位置である場合の当該使用カード3のスキルポイントの更新とを、単位時間(例えば1/60秒)毎に繰り返し行う。スキルポイントの更新は、当該使用カード3のスキルポイントに、単位時間当たりの加算値(指定位置単位加算値)を加算することで行う。またその際、「取得可能位置の使用カードのカード属性が高効率条件該当属性と一致していること」を高効率条件として判定し、高効率条件を満たす場合に、指定位置単位加算値に所定値を加えて指定位置単位加算値を調整する。
【0067】
なお、指定位置単位加算値の調整は、当該ゲームプレイでの発動処理の発動回数や、プレーヤレベル、プレイ状況、プレイ難易度、プレイ履歴等を加味して調整することができる。例えば、今回のゲームプレイで既に発動した発動処理の発動回数を用い、発動回数が多い指定位置単位加算値を大きくしたり、或いは、ゲームをたくさんプレイしているプレーヤ4について指定位置単位加算値を大きくし、スキルポイントが貯まり易いように調整するといったことが可能である。また、カード属性間の相性を予め設定しておき、指定位置カード3のカード属性と、高効率条件該当属性との相性に応じて指定位置単位加算値の調整を段階的に行うとしてもよい。例えば、「属性B」について、それとの相性を良い方から順に「属性B」「属性C」「属性A」として設定していたとする。この場合、指定位置カード3のカード属性が「属性B」の場合に指定位置単位加算値に加える値を最も大きくし、「属性C」の場合はそれより小さい値とする。一方、「属性A」の場合は調整せず、指定位置単位加算値をそのまま用いるといった具合である。
【0068】
取得制御処理の説明に戻り、続いて、取得可能位置の使用カード3に付されたリンクマーク35に従い、当該リンクマーク35が示す波及位置を特定する。そして、波及位置に別の使用カード3が配置されていれば、当該波及位置の使用カード(波及位置カード)3についてもスキルポイントを取得して変更する。その手順は、取得可能位置の使用カード3に係る処理と同様であり、例えば、取得可能期間の間、各使用カード3の置かれたカード配置位置Pが波及位置か否かの判定と、波及位置である場合の当該使用カード3のスキルポイントの更新とを、単位時間毎に繰り返し行う。スキルポイントの更新は、当該使用カード3のスキルポイントに、単位時間当たりの加算値(波及位置単位加算値)を加算することで行う。波及位置単位加算値は、指定位置単位加算値と同値でもよいし、それとは異なる(例えば小さい)値としてもよい。また、指定位置単位加算値と同様に、当該ゲームプレイでの発動処理の発動回数等を加味してその調整を行うとしてもよい。
【0069】
図8,
図9,
図10は、それぞれ(a)に示すリンクマーク35(35A,35B,35C)が示す波及位置を説明する図であり、各図の(b)では、取得可能位置としてカード配置位置P8が提示され、取得可能期間においてカード配置位置P8に使用カード3(3A,3B,3C)が配置操作された場合を想定して、対応するリンクマーク35(35A,35B,35C)によって示される波及位置を図示している。
【0070】
ここで、リンクマーク35は、指定位置カードと波及位置カードとの相対位置関係を示しており、黒塗りの四角は波及位置カードを示す。そして、リンクマーク35A,35Bの黒丸は、指定位置カードを示している。例えば、指定位置カード3に
図9(a)のリンクマーク35Bが付されている場合、
図9(b)に示すように、指定位置カード3の上、右下、及び左下の各カード配置位置P3,P12,P14が波及位置となる。本実施形態では使用カード3を3枚としているので、残りの2枚の使用カード3をカード配置位置P3,P12,P14のうちの2つにそれぞれ配置すれば、これら2枚の使用カード3がそれぞれ波及位置カード3とされてスキルポイントが上乗せされる。
【0071】
一方、
図10(a)のリンクマーク35Cが示す白抜きの四角は、波及位置カードの候補を示している。指定位置カード3にこのリンクマーク35Cが付されている場合には、
図10(b)に示すように、これを囲うカード配置位置P8近傍のカード配置位置の中から1つ(例えばカード配置位置P7)が時分割で順番に選ばれ、選ばれたカード配置位置P7が波及位置となる。この場合は、選ばれたカード配置位置P7に残りの使用カード3のうちのいずれかが配置されていた場合に、それが波及位置カード3とされてスキルポイントが上乗せされる。
【0072】
なお、
図11に示すように、波及位置となるカード配置位置P7,P9においても、当該カード配置位置P7,P9が波及位置であることを提示するマークMKを表示してもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のゲームのプレーヤ4は、ゲームプレイ中、提示された取得可能期間において取得可能位置に使用カード3を配置するカード配置操作を行ってゲームを進行していくが、取得可能期間中、取得可能位置に使用カード3を配置したままにしておくと、時間経過に伴いその使用カード3についてスキルポイントが貯まっていく。また、指定位置カード3のカード属性を高効率条件該当属性と合わせれば、より効率よくスキルポイントを貯められる。さらに、リンクマーク35を意識して指定位置カード3以外の使用カード3を波及位置に配置すれば、それらのスキルポイントも増えていく。したがって、プレーヤ4は、提示された取得可能位置へと使用カード3を単に動かすのではなく、取得可能期間中にどの使用カード3をどの取得可能位置に配置するのかや、どの波及位置に配置するのか、或いは、どの属性マーク33やどのリンクマーク35が付された保有カード3を使用するのか等、様々な戦略を楽しむことができる。同じ音楽であれば、決まった再生箇所において決まった取得可能期間や取得可能位置が提示されるため、事前に戦略を練ることもできる。反射神経が要求される従来の音楽リズムゲームとは大きく異なる。さらに、本ゲームでは、プレーヤ4は、後段の発動ステップにて使用カード3毎に貯めたスキルポイントを消費してその使用カードに関連付けられた発動処理を実行させることで、当該使用カード3のキャラクタの各種能力値(育成パラメータ値)を向上させていく。よって、どの使用カード3のスキルポイントを優先的に貯めるかといったことも、戦略の1つとなる。
【0074】
ここで、使用カード3毎に貯まったスキルポイントは、
図12に示すように、各使用カード3(
図12では使用カード3B)の近傍のスキルゲージ8によってメータ表示される。このスキルゲージ8は、白抜きの領域によって貯まったスキルポイントを示している。そして、スキルゲージ8は、その円周上の目盛り81によって後述する通常発動処理の発動に必要なスキルポイント(第1規定ポイント数)が貯まったことを示し、スキルゲージ8のゲージ値が目盛り81に達すると、その使用カード3(3B)について通常発動処理が実行可能となる。また、スキルゲージ8が満タンになったことで高スキル発動処理の発動に必要なスキルポイント(第2規定ポイント数)が貯まったことを示し、その使用カード3(3B)について高スキル発動処理が実行可能となる。このスキルゲージ8の表示によって、プレーヤ4は、どの使用カード3にどの程度スキルポイントが貯まっているのかを把握できる。そして、ゲージ値が目盛り81に達したら通常発動処理を発動するのか、それとも満タンになるまでスキルポイントを貯めるのかを各使用カード3について判断し、次に説明する発動指示操作を適宜入力することとなる。なお、
図3等の既出の図面では、スキルゲージ8の表示を省略している。
【0075】
(3)発動ステップ
発動ステップでは、プレーヤ4の発動指示操作を受け付けて発動処理(通常発動処理又は高スキル発動処理)の実行を制御する。
図13は、発動指示操作を説明する図である。本実施形態では、使用カード3の向きが縦向きの場合を定常向き、横向きの場合を発動向きとし、
図13に示すように、使用カード3の向きを発動向きとする操作を発動指示操作として受け付ける。そして、この発動指示操作を受け付けたときの当該使用カード(発動操作カード)3のスキルポイントに基づいて、「スキルポイントが第1規定ポイント数以上であること」を通常発動処理の実行可能条件とし、「スキルポイントが第2規定ポイント数以上であること」を高スキル発動処理の実行可能条件として判定する。そして、通常発動処理の実行可能条件を満たす場合には、発動操作カード3に関連付けられた通常発動処理を実行する。一方、高スキル発動処理の実行可能条件を満たす場合には、発動操作カード3に関連付けられた高スキル発動処理を実行する。
図13の例では、スキルゲージ8のゲージ値が目盛り81に達しており通常発動処理の実行可能条件を満たすため、通常発動処理が発動する。
【0076】
発動処理は、例えば
図14に示すように、メイン映像を再生している上画面W11にカットイン画面W111を表示し、カットイン映像を再生(表示)することで行う。例えば、通常発動処理においては、発動操作カード3のキャラクタ用に用意されたカットイン映像であって通常発動処理用(通常用)のカットイン映像を表示し、高スキル発動処理においては、当該キャラクタ用に用意された高スキル発動処理用(高スキル用)のカットイン映像を表示する。そして、このように発動処理を発動したことの効果として、例えば、発動操作カード3のキャラクタの各種能力値が上昇する。
【0077】
具体的には、効果は、例えば、発動処理の種類(通常用/高スキル用)毎に異なる内容で設定される。すなわち、例えば、キャラクタの1つ又は複数の能力値を上昇値分、上昇させること等とすることができる。例えば、通常発動処理に係る効果αと高スキル発動処理に係る効果βとに同じ1つの能力値の上昇値を設定する場合であれば、効果αよりも効果βの方が大きい値とされる。或いは、効果αには1つの能力値の上昇値を設定しておく一方、効果βには複数の能力値の上昇値を設定しておく等とすることもできる。何れにしても、効果αが反映された場合と比べて効果βが反映された場合の方がキャラクタが大きく成長するように、各々の内容が予め設定される。
【0078】
なお、通常発動処理と高スキル発動処理とで発動指示操作を変えてもよい。すなわち、使用カード3の向きを発動向きとする操作を通常発動処理の発動指示操作とし、高スキル発動処理の発動指示操作をこれとは別の操作としてもよい。例えば、下画面W13内に発動ボタンを表示し、そのタッチ操作を高スキル発動処理の発動指示操作として受け付けるとしてもよい。このようにすれば、スキルゲージ8の満タン時に、その一部の第1規定ポイント数を消費した通常発動処理の発動と、第2規定ポイント数を消費した高スキル発動処理の発動とをプレーヤ4が選択できる。
図13においてスキルゲージ8が満タンになった場合であれば、使用カード3Bについて高スキル発動処理を発動する選択に加えて、通常発動処理を1回発動する選択や、2回連続して発動する選択も可能となる。
【0079】
また、発動処理は例示した2段階に限らず、3段階以上の異なる発動処理を行うとしてもよい。この場合は、実行可能条件として定められる規定ポイント数が大きい発動処理ほどその効果(能力値に反映させる上昇値)を大きくするとよい。
【0080】
また、キャラクタ毎に異なる内容の効果を設定しておき、発動操作カード3のキャラクタに応じて反映させる効果の内容を変えてもよい。
【0081】
[機能構成]
図15は、ユーザ端末50の主要な機能構成例を示すブロック図である。
図15に示すように、ユーザ端末50は、操作入力部510と、処理部520と、画像表示部550と、音出力部560と、通信部570と、記憶部580とを備える。
【0082】
操作入力部510は、プレーヤ4がゲームプレイに関する各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボールといった直接プレーヤ4が指で操作する素子は勿論、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサ等、運動や姿勢を検知する素子によっても実現できる。
図2では、方向入力キー5501やホームキー5503、タッチパネル5505がこれに該当する。
【0083】
処理部520は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部510や記憶部580を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部510からの操作入力信号、サーバシステム10から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、ユーザ端末50の動作を制御する。
図2では、制御基板5530のCPU5531がこれに該当する。
【0084】
この処理部520は、ゲーム管理部530と、画像生成部541と、音生成部543と、通信制御部545とを備える。
【0085】
ゲーム管理部530は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、ゲーム管理部530は、選択受付制御部531と、再生出力制御部532と、カード配置処理部533と、提示制御部534と、取得制御部535と、発動制御部536とを含む。
【0086】
選択受付制御部531は、プレーヤ4のプレイ開始前に、プレイ曲、プレイ難易度、使用カード3の選択操作(事前選択)を受け付ける制御を行う。
【0087】
再生出力制御部532は、プレーヤ4が選択したプレイ曲(音楽)をメイン映像と合わせて再生し、出力させるための制御を行う。
【0088】
カード配置処理部533は、プレーヤ4のカード配置操作や発動指示操作を検出し、各使用カード3を何れかのカード配置位置Pに定常向き又は発動向きで配置して、配置領域部2の表示を更新する処理(カード配置処理)を行う。
【0089】
提示制御部534は、ゲームプレイ中、提示時間の間継続して提示表示体を表示し、取得可能期間と、取得可能位置と、高効率条件該当属性とをプレーヤ4に提示する。またその際、提示表示体の状態を変えながら表示することで、開始予兆提示期間の到来と、取得可能期間の到来と、終了予兆提示期間の到来とをプレーヤ4に提示して各期間を識別表示する。
【0090】
取得制御部535は、取得可能期間中のプレーヤ4のカード配置操作に従い、使用カード3毎にスキルポイントを取得し変更する。
【0091】
発動制御部536は、使用カード3の配置向きを発動向きとする発動指示操作に応じて、発動処理(通常発動処理/高スキル発動処理)の実行を制御する。
【0092】
画像生成部541は、ゲーム管理部530の処理結果に基づいてゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部550へ出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0093】
音生成部543は、例えばDSPや音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム管理部530による処理結果に基づいてプレイ曲や効果音等のゲームのBGM、各種操作音の音信号を生成して音出力部560へ出力する。
【0094】
通信制御部545は、通信部570を介して外部装置(主にサーバシステム10)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0095】
画像表示部550は、画像生成部541から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル5505がこれに該当する。
【0096】
音出力部560は、音生成部543から入力される音信号に基づいてゲームのBGM等を音出力するためのものである。
図2では、スピーカ5511がこれに該当する。
【0097】
通信部570は、通信回線Nと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール5535がこれに該当する。
【0098】
記憶部580は、ユーザ端末50を動作させ、ユーザ端末50が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、制御基板5530に搭載されたICメモリ5533や、メモリカード5550がこれに該当する。
【0099】
この記憶部580には、ゲームプログラム590と、カード設定データ600と、楽曲リスト610と、楽曲データ620と、キャラクタ別映像データ640と、提示表示体データ650と、リンクマークデータ660と、発動処理設定670と、プレーヤ管理データ680と、プレイデータ690とが格納される。
【0100】
ゲームプログラム590は、処理部520をゲーム管理部530として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部541や音生成部543、通信制御部545として機能させるためのプログラムも適宜これに含めることができる。
【0101】
カード設定データ600は、プレーヤ4の入手が可能な仮想カード3の種類別(本実施形態ではキャラクタ種類別)に用意される。
図16は、1つのカード設定データ600のデータ構成例を示す図である。
図16に示すように、カード設定データ600は、該当する仮想カード3に割り振られるカード番号601と、固有のキャラクタ種類602と、該当するキャラクタのキャラクタ表示体データ603と、カード属性種類604と、リンクマーク種類605とを含む。その他にも、例えば、そのキャラクタの各種能力値の初期値等が設定される。
【0102】
楽曲リスト610は、プレーヤ4がプレイ曲として選曲可能な音楽(楽曲)の一覧を記憶する。
【0103】
楽曲データ620は、楽曲に関するデータを楽曲別に記憶する。
図17は、1つの楽曲データ620のデータ構成例を示す図である。
図17に示すように、楽曲データ620は、固有の楽曲名621と、楽曲音声データ622と、プレイ難易度別に用意される提示データ623とを含む。
【0104】
楽曲音声データ622は、該当する楽曲をプレイ曲として再生するための音楽データである。
【0105】
提示データ623は、配置領域部2において提示表示体を表示するためのデータであり、当該提示データ623がどのプレイ難易度用に用意されているかを示す適用プレイ難易度624と、提示期間データ630とを含む。
【0106】
提示期間データ630は、当該プレイ曲に設定された取得可能期間別に用意される。具体的には、1つの提示期間データ630は、当該提示期間データ630を識別するための提示期間番号631と、取得可能期間632と、開始予兆提示期間633と、終了予兆提示期間634と、取得可能位置リスト635とを含む。
【0107】
取得可能期間632と、開始予兆提示期間633と、終了予兆提示期間634とは、各々対応する期間のプレイ曲における再生時間範囲として定められる。
【0108】
取得可能位置リスト635は、その取得可能期間とともに取得可能位置として設定された1つ又は複数のカード配置位置635の配置位置番号636と、その取得可能位置の高効率条件該当属性637とを対応づけて記憶する。
【0109】
キャラクタ別映像データ640は、メイン映像やカットイン映像の映像データをキャラクタ別に記憶する。
図18は、キャラクタ別映像データ640のデータ構成例を示す図である。
図18に示すように、キャラクタ別映像データ640は、キャラクタ種類641と対応づけて、映像種類(メイン/カットイン)642と、発動処理種類(通常用/高スキル用)643と、映像データ(メイン映像データ/カットイン映像データ)644とが設定される。
【0110】
発動処理種類643は、対応する映像種別がカットインであるレコードについて設定され、対応するカットイン映像の再生を通常発動処理として行うものには「通常用」、高スキル発動処理として行うものには「高スキル用」が設定される。
【0111】
提示表示体データ650は、提示表示体の表示データであり、カード属性別に用意される。
図19は、1つの提示表示体データ650のデータ構成例を示す図である。
図19に示すように、提示表示体データ650は、当該提示表示体データ650がどのカード属性用に用意されているかを示す適用カード属性651と、期間提示表示体データ652と、開始予兆提示表示体データ653と、終了予兆提示表示体データ654とを含む。
【0112】
リンクマークデータ660は、リンクマーク種類別に用意される。
図20は、1つのリンクマークデータ660のデータ構成例を示す図である。
図20に示すように、リンクマークデータ660は、固有のリンクマーク種類661と、該当するリンクマークのリンクマーク表示体データ663と、波及位置設定データ665とを含む。
【0113】
波及位置設定データ665は、該当するリンクマークが示す指定位置カードと波及位置カードとの相対位置関係を波及位置毎に記憶する。
【0114】
発動処理設定670は、発動指示操作された使用カード(発動操作カード)3のスキルポイントに基づいて、当該発動操作カード3に発動処理を関連付けるための設定情報を記憶する。
図21は、発動処理設定670のデータ構成例を示す図である。
図21に示すように、発動処理設定670は、発動処理(本実施形態では通常発動処理又は高スキル発動処理)の発動に必要な規定ポイント数(第1規定ポイント数/第2規定ポイント数)671と対応付けて、その発動処理種類(通常用/高スキル用)673と、該当する発動処理の効果(効果α/効果β)675とを対応づけたデータテーブルである。
【0115】
プレーヤ管理データ680は、プレーヤ4に関する情報を記憶する。このプレーヤ管理データ680は、サーバシステム10にて管理され、プレーヤ4のゲームプレイ時にサーバシステムからダウンロードされて記憶部580に格納される構成でもよい。
図22は、プレーヤ管理データ680のデータ構成例を示す図である。
図22に示すように、プレーヤ管理データ680は、該当するユーザのアカウント681と、保有カードリスト682と、保有カード別キャラクタ育成データ683と、プレーヤレベル684と、プレイ日時やプレイ時間、プレイ回数等のプレイ履歴685とを含む。
【0116】
保有カードリスト682は、プレーヤ4が保有し、使用カード3として選択可能な仮想カードの一覧を記憶する。
【0117】
保有カード別キャラクタ育成データ683には、保有カード3毎に、そのキャラクタの各種能力値を記憶する。
【0118】
プレイデータ690は、ゲームの進行状況を記述する各種データを記憶する。例えば、プレイ曲名、プレイ難易度、使用カード3のカード番号601、指定メインキャラクタ種類、参照する提示データ(参照提示データ)623、各使用カード3の現在の配置位置番号や配置向きを保持する配置状況データ、各使用カード3の現在のスキルポイント、当該ゲームプレイ中の発動処理の発動回数、スキルゲージ8のゲージ値等を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0119】
[処理の流れ]
図23は、本実施形態のユーザ端末50におけるゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部520がゲームプログラム590を読み出して実行することによって実現される。
【0120】
ゲーム処理では先ず、選択受付制御部531が、プレイ曲、プレイ難易度、及び使用カード3の各選択操作を受け付ける(ステップS1)。使用カード3は、保有カード3の中から所定枚数の選択を促して決定する。本実施形態では、プレーヤ4が選択した3枚の保有カード3を使用カード3とする。選択受付の結果は、プレイデータ690に保持される。
【0121】
事前選択を終えたならば、使用カード3の選択に際し指定された指定メインキャラクタ種類に従い、例えば、そのキャラクタ種類641が対応づけられた映像データ644であって、映像種別642が「メイン」である映像データ644を1つ選んでメイン映像を決定する(ステップS3)。
【0122】
また、カード配置処理部533が、使用カード配置処理を開始する(ステップS5)。この使用カード配置処理では、先ず、配置領域部2において、3枚の使用カード3をそれらの初期位置として予め定められるカード配置位置Pに定常向きで配置して、それらを表示する制御を行う。また、ゲームプレイ中は、ゲームプレイ中の配置領域部2に対するプレーヤ4のタッチ操作を検出し、カード配置操作又は発動指示操作を受け付ける。そして、カード配置操作を受け付けたときには操作対象の使用カード3を移動させてプレイデータ690の配置状況データを書き換え、発動指示操作を受け付けたときには発動操作カード3の向きを回転させて配置状況データを書き換えて、その表示を更新する制御を行う。
【0123】
使用カード配置処理を開始したならば、再生出力制御部532が、ステップS1で選択操作されたプレイ曲の楽曲データ620から楽曲音声データ622を読み出す。そして、プレイ曲を再生して音出力部560から出力させるとともに、ステップS1で決定したメイン映像を画像表示部550に再生出力させて(ステップS7)、ゲームプレイを開始する(ステップS9)。
【0124】
そして、ゲームプレイを開始したならば、提示制御部534が、ステップS1で選択操作されたプレイ曲の楽曲データ620から、適用プレイ難易度624が選択操作されたプレイ難易度である提示データ623を参照提示データとして読み出す。そして、参照提示データ623を用いて提示制御処理を開始する(ステップS11)。ここで開始される提示制御処理により、プレイ曲の再生と同期して、取得可能期間と、取得可能位置と、高効率条件該当属性とがプレーヤ4に提示される。また、それらを提示する提示表示体の状態によって、開始予兆提示期間、取得可能期間、終了予兆提示期間の各期間の到来が識別表示されてプレーヤ4に提示される。
【0125】
また、取得制御部535が、取得制御処理を開始する(ステップS13)。ここで開始される取得制御処理によって、プレーヤ4が取得可能期間中に取得可能位置に配置した指定位置カード3についてスキルポイントが貯まり、併せてその波及位置に配置した波及位置カード3があれば、そのスキルポイントも貯まっていく。
【0126】
その後は、発動制御部536が、発動指示操作の有無を監視する。そして、ステップS5で開始した使用カード配置処理において発動指示操作を受け付けた場合には(ステップS15:YES)、その発動操作カード3の現在のスキルポイントをプレイデータ690から読み出し、実行可能条件を判定する。具体的には、発動制御部536は、発動処理設定670に従い、スキルポイントが第2規定ポイント数に達していれば、高スキル発動処理を実行可能と判定する(ステップS17:YES)。そして、この場合は高スキル発動処理を実行する(ステップS19)。具体的には、発動操作カード3のキャラクタ種類602に従い、これと一致するキャラクタ種類641の映像データ644であって、映像種類642が「カットイン」で発動処理種類643が「高スキル用」であるカットイン映像の映像データ644を選び、画像表示部550に再生出力させる。
【0127】
一方、スキルポイントが第2規定ポイント数には達していないが第1規定ポイントに達している場合には、通常発動処理を実行可能と判定する(ステップS21:YES)。そして、この場合は通常発動処理を実行する(ステップS23)。具体的には、発動操作カード3のキャラクタ種類602に従い、これと一致するキャラクタ種類641の映像データ644であって、映像種類642が「カットイン」で発動処理種類643が「通常用」であるカットイン映像の映像データ644を選び、画像表示部550に再生出力させる。
【0128】
その後、ステップS19又はステップS23で実行した発動処理種類に対応する効果675に従い、発動操作カード3のキャラクタの能力値を上げて保有カード別キャラクタ育成データ683を更新する(ステップS25)。
【0129】
また、プレイ曲の再生が終了すると(ステップS27:YES)、ゲーム結果を表示して本処理を終える。
【0130】
以上説明したように、本実施形態によれば、音楽を聴きながら操作して楽しむゲームとして、音楽ゲーム等のようなリズム感や反射神経が要求されるゲームとは異なる新しいゲームを実現できる。
【0131】
なお、本発明の形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0132】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、予めプレイ曲の再生箇所と対応付けて設定された取得可能期間(基本取得可能期間)及び取得可能位置(基本取得可能位置)に基づいて、それらをプレイ曲の再生と同期して提示する構成を例示した。これに対し、ゲーム管理部530が、特別設定手段として、基本取得可能期間及び基本取得可能位置とは別の取得可能期間(特別取得可能期間)及び取得可能位置(特別取得可能位置)を設定する処理を行うとしてもよい。
【0133】
例えば、先ず、ゲームプレイの開始前にプレーヤレベル684を判定する。そして、プレーヤレベル684が予め定められる所定レベル以上の場合に、特別取得可能期間及び特別取得可能位置を追加して設定する処理を行う。
【0134】
追加は、別取得可能期間及びその特別取得可能位置を提示するための提示期間データを参照提示データ623に追加することで行うことができる。追加する提示期間データはその都度生成してもよいし、予め追加用に用意される複数の特別提示期間データの中からランダムに選出する構成でもよい。
【0135】
また、提示期間データを追加するのではなく、既存の提示期間データ(基本提示期間データ)630のうちの1つ又は複数の基本提示期間データ630において、取得可能位置を追加する構成としてもよい。この場合は、取得可能期間は増えないものの、そのうちの1つ又は複数の取得可能期間において特別取得可能位置が追加されることとなる。具体的には、例えば、追加対象の取得可能期間に係る基本取得可能位置以外のカード配置位置Pから1つ又は複数をランダムに選ぶ。そして、選んだカード配置位置Pを特別取得可能位置としてその取得可能位置リスト635に追加する。
【0136】
また、追加は、プレーヤレベル684に応じて段階的に行うのでもよい。例えば、プレーヤレベル684が第1レベル以上で第2レベル未満の場合は、上記の要領で既存の基本取得可能期間に対して特別取得可能位置の追加を行う一方、プレーヤレベル684が第2レベル以上の場合は、上記の要領で特別取得可能期間及びその特別取得可能位置を追加するとしてもよい。
【0137】
これによれば、たくさんゲームをプレイしており取得可能期間やその取得可能位置をある程度覚えてしまっていると考えられるプレーヤ4に対し、特別取得可能期間及びその特別取得可能位置を追加して提示することができる。プレーヤ4にとっては、たくさんゲームをプレイするほどスキルポイントの取得機会が増え、効率よくスキルポイントが貯められる。
【0138】
また、プレーヤレベル684に限らず、プレイ状況に応じて特別取得可能期間及びその特別取得可能位置を追加するとしてもよい。例えば、今回のゲームプレイ中の発動処理の実行回数が所定回数に達した場合に、その時点以降、今回のゲームプレイが終わるまでの間、上記の要領で特別取得可能期間及びその特別取得可能位置を追加するとしてもよい。発動処理の実行回数は、通常発動処理と高スキル発動処理とで別個に数えて用いてもよいし、それらの合計の回数を用いてもよい。また、別個に数える場合には、通常発動処理を3回発動したのか高スキル発動処理を3回発動したのかによって追加の内容を変えてもよい。例えば、高スキル発動処理を3回発動した場合に、通常発動処理を3回発動した場合よりも多くの特別取得可能期間及びその特別取得可能位置を追加する等とすることができる。また、2回発動した場合は基本取得可能位置への特別取得可能位置の追加を行い、5回以上発動した場合は特別取得可能期間及びその特別取得可能位置の追加を行う等、追加を段階的に行ってもよい。
【0139】
これによれば、プレーヤ4は、所定回数以上の発動処理の発動を目指してゲームを進めていき、それによってより高効率でのスキルポイントの取得を狙うといったさらに別の戦略を楽しむことが可能となる。
【0140】
[変形例2]
また、上記実施形態では、操作媒体として仮想的なゲームカードを例示したが、トレーディングカードのような実体のあるリアルなゲームカードや、フィギュアや指輪などの玩具等を用いることもできる。
【0141】
また、本発明のコンピュータシステムは、プレーヤ4が所持するユーザ端末50に限らず、業務用ゲーム装置で実現することもできる。
図24は、業務用ゲーム装置90の装置構成例を示す斜視外観図である。この業務用ゲーム装置90は、上画面を表示するためのディスプレイ911やスピーカ913等が配設された表示盤910と、下画面を表示するためのタッチパネル931が盤面に配置された操作盤930と、演算処理によって業務用ゲーム装置90を統合的に制御してゲームを実行する制御ユニット950とを備え、操作媒体としてリアルなゲームカード30aを操作盤930の盤面(上面)に配置して使用する。ゲームカード30aには、例えば裏面に当該ゲームカード30aの識別情報およびカード向きの識別子が印刷されており、操作盤930の盤面下に、盤面上に配置されたゲームカード30aの裏面を読み取るためのイメージセンサ等の機構を内蔵することとする。そして、操作盤930上に配置されたゲームカード30aおよびその配置位置、配置向きを識別可能に構成する。操作盤930は、ゲームカード30aを実際に動かしてカード配置操作や発動指示操作を入力する配置領域部を構成することとなる。また、操作盤930の盤面下からゲームカード30aを読み取る構成ではなく、操作盤930を俯瞰するカメラを配置して、上方からゲームカート30aを読み取る構成とすることもできる。また、業務用ゲーム装置90は、盤面の近傍に配設されたプッシュボタン933を有しており、例えば発動指示操作の入力に用いることができる。
【0142】
[変形例3]
また、本発明のコンピュータシステムは、ユーザ端末50ではなく、サーバシステム10で実現することもできる。その場合、ユーザ端末50はいわゆるマンマシンインターフェース機能のみを具備することとして、ユーザ端末50のゲーム管理部530の機能をサーバシステム10が具備して、通信を介してサーバシステム10が制御・実行することとすればよい。またその場合には、サーバシステム10とユーザ端末50とを含むゲームシステム1が、コンピュータシステムということもできる。